Comments
Description
Transcript
BOEの職業
諸外国の金融システム安定化策 個別金融機関への支援(バランスシートの改善等) 金融市場の機能回復 資本注入 不良債権買取 保有資産の保証 ○「緊急経済安定化法」(TARP)に基づく資本注 ○不良債権買取のため ○シティ・グループ及び 入を実施。 の「官民投資プログラム」 バンク・オブ・アメリカの 保有資産に対して政府 (PPIP)を発表。 資本注入実績(09年8月14日時点): 保証を実施。 合計3,143億ドル(約30兆円) 不良証券買取プログラム ・資本注入プログラム 2,044億ドル 財務省の出資・貸出額: 保証資産額: ・AIG 698億ドル 最大300億ドル 4,190億ドル ・シティ・グループ(追加分) 200億ドル (約2.8兆円) (約39兆円) ・バンク・オブ・アメリカ(追加分) 200億ドル ・シティ・グループ ○FRBがAIGの不良資 3,010億ドル 公的資本返済(09年8月14日時点): 産を買い取るLLCに対 ・バンク・オブ・アメリカ 合計702億ドル(約6.6兆円) する融資を実施。 1,180億ドル アメリカ ○大手金融機関19行に対し、ストレステストを実 施し、うち10行について合計746億ドルの資本増 強が必要と発表。 預金保護 債務の保証 特定資産の買取 ○FDIC(連邦預金保険公 ○FRBによるCP買取制度(CPFF)、CP ○預金保護の上 社)が金融機関が新規に を買い取る金融機関等への融資制度(A 限を10万ドル(約 MLF及びMMIFF)を創設。 発行する債務を保証。 942万円)から25 万ドル(約2355万 融資枠: FRBのバランスシート上のCP残高: 事業規模: 円)に引上げ。 250億ドル 1兆4,000億ドル 565億ドル(約5.3兆円) ※09年8月19日時点 (約2.4兆円) (約132兆円) ○決済用預金の ※当初の850億ドルか 全額保護。 ら減額 ○FRBが消費者・中小企業向けローンを 担保とするABSの保有者に対して貸付 を行う制度(TALF)を創設。 融資 ○FRBがAIGに対し て有担保融資を実 施。 貸出規模: 最大1兆ドル(約94兆円) 融資額: 525億ドル (約4.9兆円) ○FRBによるGSE債及びGSE保証のM BSを買取るプログラムを創設。 買取規模: 最大1兆4,500億ドル(約137兆円) ○FRBが長期国債の買取実施を発表。 買取規模: 最大3,000億ドル(約28兆円) ○「金融安定化法」に基づき、800億ユーロ(約 10.2兆円)の資本注入枠を確保。 資本注入(下記2行の発表額): 187億ユーロ(約2.4兆円) ○不良債権を金融機関 から切り離すための 「バッド・バンク」の創設を 盛り込んだ法案が可決。 ・コメルツ銀行 182億ユーロ ドイツ ・アーレアル銀行 5億ユーロ ― ○政府等がハイポ・リ ○政府が銀行間取引に対 アル・エステートに対 して、債務を保証。 して融資を実施。 事業規模: 4,000億ユーロ 融資額: 500億ユーロ (約51兆円) (約6.4兆円) ― ○預金の全額保 護を実施。実施前 の法定保護上限 は預金の90%(2 万ユーロ(約260 万円)を上限)。 ※なお、ヒポを念頭に金 融機関の国有化を可能 にする法律を制定。 ○政府が銀行間取引に対 して、債務を保証。 ○総額400億ユーロ(約5.1兆円)の資本注入枠を 創設。 資本注入(発表額): フランス 合計215億ユーロ(約2.8兆円) ・大手金融機関6行 総額105億ユーロ(1回目) 総額110億ユーロ(2回目) ― ○総額500億ポンド(約7.2兆円)の資本注入策を 発表。 ・HBOS 115億ポンド ・ロイズ 55億ポンド ※RBSに対しては、必要に応じて60億ポンドの追加注 入を実施することとされている。 ― 事業規模: 3,200億ユーロ(約41兆円) ― ○政府が金融機関が新規 ○BOEがCP、社債、中長期の英国債の ○預金保護の上 に発行する債務を保証。 購入を含む資産買取制度(APF)を発 限を3万5,000ポン ド(約500万円)か 表。 事業規模: ら5万ポンド(約 2,500億ポンド 720万円)に引上 買取規模: (約36兆円) 1,750億ポンド(約18兆円) げ。 ○「資産保護スキーム」 により、金融機関の保 有資産(資産担保証券 等)に対して政府保証を 実施。 資本注入(発表額): 合計500億ポンド(約7.2兆円) 英国 ・RBS 330億ポンド ― ― 保証資産額: 5,850億ポンド (約84兆円) ・RBS 3,250億ポンド ・ロイズ 2,600億ポンド (備考)1.各国政府、中央銀行等の公表資料より作成。 2.このほか、ECBがカバード・ボンド(金融機関が発行する担保付債券)の買取りを実施することを発表(買取規模は600億ユーロ(約7.7兆円))。 43 ○変更なし。 現行は、7万ユー ロ(約900万円)。 ― 諸外国の財政刺激策 国名 米 規模(GDP比、%) 2008 1.1 2009 2.0 2010 1.8 合計 4.9 雇用・セーフティネット ・失業保険の給付期間延長の継続 ・フードスタンプ(食料引換券)の増額 ・メディケイド(低所得者向け医療保険) 維持のための州政府への支援 ・年金受給者等への一時給付金の支給 有効需要創出 ・所得税減税(勤労者一人当たり最大400ドル の減税) ・設備投資減税(特別償却の延長等) ・高等教育支出の税額控除の拡充 ・奨学金の引上げ ・教員のレイオフ等を防ぐための州財政安定化基金の設立 ・職業訓練 ・時短労働への助成金支給期間 拡大・社会保険料負担軽減 独 0.0 1.6 2.0 3.6 0.0 0.7 0.8 1.5 ・失業保険対象となっていない 失業者への手当の支給 ・住宅改修への支援(省エネ化等) ・所得税減税(最低税率引下げ等) ・児童手当(一時金)の支給(1人100ユーロ) ・医療保険料負担率引下げ ・公共投資(学校、病院、道路等) ・設備投資減税 ・地方政府による公共投資促進 ・企業の資金繰り支援 ・環境対応の新車に対する自動車税 の一時免除 ・環境対応車への買換え支援 ・公共住宅の建設 ・職業訓練 英 0.2 1.4 -0.1 1.5 ・住宅改修への支援(省エネ化等) ・公共投資(学校、道路、鉄道等) ・環境対応車への買換え支援 ・所得税の課税最低限の引上げ ・付加価値税(消費税)の一時的税率引下 げ(17.5%→15%) ・中小企業向け貸出に対する政府保証 ・失業者の求職支援 ・環境エネルギー対策(配電網の近代化 等) ・科学技術振興策 ・医療情報のIT化促進 ・公共投資(道路、橋梁の近代化、高速鉄道への投資等) ・低燃費車への買換え支援 ・中・低所得者層の所得税減税 ・住宅取得支援(利子補給付) ・自動車産業支援(メーカーへの融資、関 連子会社支援) ・企業の資金繰り支援 ・零細企業への雇用補助金 仏 成長力強化 ・CO2削減の設備投資促進 ・公共投資(学校、交通、住宅等) ・旧型自動車買換え支援 ・低所得者向け住宅建設 ・社会保障の強化(対象範囲、水準の引上 げ等) 中国 0.4 3.2 2.7 6.3 ・公共投資(鉄道、道路等) ・企業の付加価値税減税(仕入税額控除の対象拡大) ・自動車購入支援(車両取得税の半減、農村 における買換・購入補助金、全国における買 換補助金) ・家電購入支援(農村における購入補助金、9 省・市における買換補助金) ・商業銀行の与信貸出制限の撤廃 (注)規模については、IMF “Update on Fiscal and Financial Sector Measures”(2009年4月26日)による。 44 ・産業構造調整振興策(業界再編、技術革新等) 諸外国の金融政策 金融政策の目標 物価の見通し 政策金利 0~0.25% アメリカ <FRB> ・雇用の最大化 ・物価安定 ・適正な長期金利水準 ※「Federal Reserve Act」の規定 流動性供給拡充策 買入れ対象資産拡大 ・国債、CP及びMBSの買入れ ①国債:最大3,000億ドル ・FOMC議事録で 2008年12月~ ②CP(CPFF):565億ドル 公表(年8回) ③MBS:最大1兆4,500億ドル ※FOMCの声明では、 ・金融機関等に対する貸出 ※当該年を含む3 政策金利は「更に長い期 ①CP等を買取る金融機関等に貸出 年先まで及び長期 間(for an extended (MMIFF:最大5,400億ドル、AMLF) の見通し period)」妥当となる公算 ②ABS・CMBSの保有者に貸出 が大きいとしている。 (TALF) :最大1兆ドル (2009年3月~) オペ等の拡充 うち中銀間通貨スワップ B/S拡大 ・オペ等頻度引上げ、期間長期化 ・オペ等適格担保拡大 (広範囲な投資適格級の資産等) ・オペ等相手方拡大 (プライマリーディーラー(PDCF)等) ・債券貸付ファシリティ拡充 (ターム物証券貸与ファシリティ(TSLF)) 2.3倍 信用緩和(Credit Easing) (バーナンキ議長は、FRBが 保有する資産の構成や規模 を変動させ、機能不全状態に 陥った資産市場を回復させる 一連の施策を「信用緩和」と 呼んでいる。) ・FRB(07年12月、09年4月増額) ・スイス国民銀行(08年10月) ・デンマーク中銀(08年10月) 1.5倍 ECBは、一連の施策を「量 的緩和」ではなく、既に実施 してきた既存の支援策の拡 充であり、また、特定資産の 市場機能も回復させるため 「信用緩和」と呼ぶこともでき る、としている。 ・FRB(08年9月、09年4月増額) 2.7倍 量的緩和(Quantitative Easing) ・ECB、スイス国民銀行(07年12月、08年 9月増額、09年4月) ・日本銀行、BOE(08年9月、09年4月) ・その他各国中央銀行(08年9~10月) カナダ、オーストラリア、スウェーデン、デ ンマーク、ノルウェー、ニュージーランド、韓 国、ブラジル、シンガポール、メキシコ ・オペ等頻度引上げ、期間長期化 (長期ターム物リファイナンシング・オペ) ユーロ圏 <ECB> ・物価安定 [インフレ参照値]HICP上昇率 「2%を下回りかつ2%近傍」 ・ECBスタッフ見通 し(四半期) ※当該年を含む2 年先までの見通し 1.00% ・カバードボンド買入れ:最大600億ユーロ 2009年5月~ 備考 (政策スタンスの説明等) ・オペ等適格担保拡大 (受入担保について、①ユーロ圏で発行されたドル・ポンド・円建て市場 性資産、②一定の銀行の負債性証券、③保証付きの劣後債を追加) ・オペ等相手方拡大 (オペ先に欧州投資銀行を追加等) ・オペ等頻度引上げ、期間長期化 ・物価安定と通貨の信認 (Monetary Stability) 英国 <BOE> [インフレ目標]CPI上昇率2% ・金融システムの安定性維持 (Financial Stability) ・インフレーション・ レポート(四半期) でファンチャートを 公表 ※当該年を含む3 年先までの見通 し。 ・オペ等適格担保拡大 (3ヶ月物レポ・オペの対象としてABS等を追加など) 0.50% 2009年3月~ ・CP、社債、ABS、シンジケートローン及び ・オペ等相手方拡大 中長期国債の買入れ:最大1,750億ポンド (非銀行金融会社等を追加) ・債券貸付ファシリティ拡充 (特別流動性供給スキーム、ディスカウント・ウィンドウ) 0.25% カナダ <カナダ銀行> スイス <スイス国民銀行> ・物価安定 [インフレ目標]CPI上昇率 2±1% ・物価安定 ・マネタリー・ポリ シー・レポート(四 半期)でファン チャートを公表 ※当該年を含む2 ~3年先までの見 通し ・マネタリー・ポリ シー・レポート(四 半期)でインフレ見 通しを公表 2009年4月~ ※カナダ銀行は、インフ レの見通し次第で、2010 年2Qの終わりまで現行 水準を維持するとしてい る。 (2009年7月~) ― ・物価安定 <リクスバンク> [インフレ目標]CPI上昇率2±1% ・マネタリー・ポリ シー・レポート(四 半期)でファン チャートを公表 ・オペ等適格担保拡大 (銀行引受手形、約束手形、CP、ABCP、社債、非モーゲージ貸付等を ・FRB(08年9月) 追加) 1.6倍 ― ・FRB(07年12月、09年4月増額) ・ECB(08年10月) ・ポーランド中銀(08年11月) ・ハンガリー中銀(09年1月) 2.2倍* スイスフランの増価を防ぐた め為替介入を行っている。 ・ECB(07年12月) ・FRB(08年9月) ・ラトビア中銀(08年12月) ・エストニア中銀(09年2月) 3.1倍* 09年7月中準備預金金利を ▲0.25%としマイナス金利を 適用。 ・オペ等相手方拡大 (大口決済システムの直接参加者、短期金融市場・債券市場の大口参 加者を追加) 0.00-0.75% (中心値として0.25%) ・スイスフラン建て社債の買入れ [インフレ目標]CPI上昇率2%未満 ※当該年を含む3 年先までの見通し スウェーデン ・オペ頻度引上げ、期間長期化 (ターム物レポ・オペ) ・オペ頻度引上げ、期間長期化 (長期ターム物オペ) 2009年3月~ ・オペ等頻度引上げ、期間長期化 (長期ターム物オペ) 0.25% 2009年7月~ ― ※当該年を含む3 年先までの見通し ・オペ等適格担保拡大 (オペ等のカウンターパーティーやその関連企業が発行する担保付債 券、銀行等が発行する証券を追加) ・オペ等相手方拡大 (ファイン・チューニング・オペの対象先に係る要件を一時的に撤廃等) (備考)1.各国政府、中央銀行等の公表資料より作成。 2.B/Sの拡大は2007年6月末との対比でみた直近の倍率。スイスとスウェーデンは日銀資料による。 45