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Ⅱ-3 「携帯電話を利用した通行止め に対する迂回路情報提供実験」
Ⅱ-3 「携帯電話を利用した通行止め に対する迂回路情報提供実験」 日本工営株式会社 http://www.n-koei.co.jp/ 1 公募共同研究「移動中の高度情報通信社会流通情報の利用技術に関する研究」 <背景> ●北海道内の道路 ・多くの急崖斜面を擁する ・降雨による道路通行規制が頻発 ●急崖斜面の多くは海岸線に分布 ・代替道路が少ない ●移動中の道路利用者への代替行動支援システムの必要 ・通行規制情報のリアルタイム提供 ・迂回路検索システムの提供 2 1 <本システムの目的> ◆「道路管理の効率化」 ◆「道路利用者サービスの向上」 上記システム目的を達成するために、 ⇒普及率が高く受益者が多い携帯電話を活用 ⇒道路通行規制時に迂回路検索が可能なシステ ムの構築 3 <迂回路情報提供の現状> ・インターネット道路情報提供システム【道路情報館】 ⇒迂回路の有無について提供(文字情報) ・携帯電話後志地域国道通行情報【小樽開発建設部】 ⇒迂回路の有無について提供(文字情報) ・インターネット迂回路検索システム【東北地方整備局】 ⇒迂回経路の検索、迂回地図の提供(画像情報) 4 2 <迂回路情報提供の課題> ◆ビジュアル化された画面の提供 ⇒デジタル地図、携帯電話の活用 ・視覚的に把握が可能な地図情報の提供 →土地感のない観光客が活用可能 ・汎用性の高い携帯電話活用 ◆移動中の利用者へのリアルタイムでの情報提供 ⇒携帯電話の活用 ・宿泊施設ではテレビ・パソコンその他情報入手の 媒体が充実している。 5 <本システムの特長> 本システム のねらい ◆携帯電話活用 ・必要な時間、必要な場所でのシステム利用が可能 ・携帯電話用デジタル地図の活用によりわかりやすい 画像情報の提供 ◆利用者のニーズに即した迂回路検索が可能 ・最短移動距離で迂回したい! ・最短移動時間で迂回したい! 6 3 <通行止め発生から迂回情報提供までの流れ> ●本システムを活用した通行止め発生情報提供から迂 回情報提供までの道路利用者の行動 →連続降雨量が基準雨量を超えた場合 Push型情報提供 【道路管理者→道路利用者】 通行止め情報の提供 Pull型情報提供 【道路利用者】 迂回路選定条件の入力 【道路管理者】 迂回路の設定 GISを活用したルート検索 Pull型情報提供 【道路利用者】 迂回路情報の入手 道路利用者対象 道路管理者対象 7 <迂回路選定条件①> ●道路種別:一般道道以上 ・案内標識の充実 ⇒分岐での経路選択に間違いが少ない ●幅員:大型車5.5m以上 ⇒車両のすれ違いを考慮 ⇒幅員5.5m以上を大型車、 5.5m以下を小型車の迂回路 ●大型車の通行制限条件 ⇒高さ(交差構造物等の建築限界) ⇒重量制限(橋梁の荷重条件) 8 4 <迂回路選定条件②> ●優先条件 ・ニーズ1:最短移動距離で迂回したい! ⇒「距離優先」を選択 ・ニーズ2:最短移動時間で迂回したい! ⇒「時間優先」を選択 本実験の 新たな視点 活用データ ・H11道路交通センサスピーク時旅行速度 ・道路台帳データ(道路構造、設計条件) 9 <携帯電話を利用した迂回路情報提供 の実験イメージ> ★迂回情報の PULL型入手 (本システム) 降雨による通行止め 落石の恐れ! なるほどこう行けば 迂回できるんだな!! ★道路規制情報の PUSH型提供 (既存システム) 10 5 <GISを活用したメリット> 道路種別、幅員、通行制限条件を踏まえた最短迂回 距離、最短迂回時間ルートを瞬時に検索可能 突発的な通行止め条件についても入力可能。 →臨機応変な対応が可能 11 利用者の携帯電話活用イメージ① 【拡大図】 交通規制区間一覧 迂回路情報を 見えたい箇所 を選択 ①国道229号古平町沖町〜歌棄 ②国道229号積丹町草内〜神崎 ③国道229号神恵内村珊内〜大森 ④国道229号岩内町島野当別橋〜蘭越 町港町 ⑤国道229号寿都町横澗〜鮫取澗 12 6 <利用者の携帯電話活用イメージ②> 【拡大図】 迂回路選択条件の入力 通行止め区間 【①国道229号古平町沖町〜歌棄】 ■車種条件 大型車 普通車 利用している 車両を選択 ■優先条件 時間優先 距離優先 実行 優先条件を 選択 条件選択後 実行 13 <利用者の携帯電話活用イメージ③> 【拡大図】 迂回路情報 迂回距離 74km 迂回時間 1時間46分 迂回路 ①~⑤は 交差点詳細情報 見たい交差点 情報を選択 交差点情報 交差点①(道道569号、国道229号) 交差点②(国道229号、国道5号) 交差点③(国道5号、道道269号) 交差点④(道道269号、国道229号) 交差点⑤(国道229号、道道998号) 14 7 <利用者の携帯電話活用イメージ④> 【拡大図】 交差点①(道道569号、国道229号) 交差点詳細情報を確認! 15 <本システムの利用効果> ●道路利用者・道路管理者両者 ◆「通行止め情報提供システム(既存)」⇒「本システム」と連続 活用することで全体システムとして非常に有用 ●道路利用者 ◆移動時においても迂回情報の入手が可能となる ◆地図情報の入手により、スムーズな迂回行動が可能となる ●道路管理者 ◆通行止めの情報提供から迂回路情報までの一貫した「道路 管理の効率化」、「道路利用者サービスの向上」 16 8 <本システムの実用化に向けての今後の課題> ◆道路管理情報データベース化におけるGISの活用 道路網、道路構造、通行規制基準 交通量・混雑度、旅行速度 ⇒道路管理者の迂回路検索作業の効率化 ◆利用者ニーズの十分な把握 ◆ニーズと日進月歩の情報ツール側シーズとの融 合点の模索・設定 17 <本システムを活用した今後の道路危機管理行 政の展開> ◆各種災害に対する回避(迂回・避難)行動支援システム ●被災規模及び箇所が事前に把握可能な災害(例:火山災害ハ ザード、降雨による通行規制)に対する回避行動の支援 ⇒携帯電話を保有することにより、道路利用者は効率的な行 動選択が可能 →特に北海道内は有珠山を初めとして、十勝岳・駒ケ岳・恵庭岳・ 恵山等多くの火山を有する。 火山災害に対しても本システム整備の必要性が高い 18 9