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“児童虐待”について 第1章 はじめに 第2章 研究の展開
“児童虐待”について 所属:心理・教育 ゼミ 1年 3 組 38 番 谷川航輝 第1章 はじめに 第1節 テーマ設定の理由 近年、問題にされている“児童虐待”。それは、ニュースでも取り上げられ、また、テレ ビの番組などでもその実態例が取り上げられていることを目にする。私がこのテーマに決 めた理由は以前、デイヴ・ペルザーさんによって書かれた「“ It”と呼ばれた子」という本 を読み、 “児童虐待”がどのように行われたり、その後遺症がどのようなものか知りたかっ たから。 第2節 研究のねらい 家庭内で“児童虐待”がどのように行われ、どのような現状にあるのか調べることで、 “児童虐待”が起こらない子供たちにとって平和な世界にするためには私たちには何がで きるか考える。 第3節 第1項 研究内容と方法 研究の内容 “児童虐待”の現状と実態について “児童虐待”をしてしまう親について “児童虐待”を防ぐにはどうすればよいか 第2項 研究の方法 主に本による調査 インターネットによる調査 第2章 研究の展開 まず、「虐待」の定義を明らかにする。その次に、現在どのような“児童虐待”が行わ れており、それが児童たちにとってどのような悪影響があるのかについて明らかにする。 その次に、“児童虐待”をしてしまう親を考えてみる。 また、“児童虐待”を防ぐためにはどうすればよいかについて考えてみる。 第1節 「虐待」の定義について 虐待とは、自分の保護下にある者(ヒト、動物等)に対し、長期間にわたって暴力を振 1 ったり、日常的にいやがらせや無視をするなどの行為を行うことを言う(ウィキペディア 「虐待」参照)とここでは定義しようと思う。 ここで考えておきたいのは、虐待というものは日常的に起こる者であり、単発的に起こる ものはただの暴力であるということである。 第2節 “児童虐待”の分類 まず、“児童虐待”は4つの種類に分類することができる。 第一に、 「身体的虐待」である。例として、殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、 やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束するなどといった ものがある。「“児童虐待”ってどんなものがある?」と聞かれたときに第一に答えるであ ろう。私が読んだ、実際に“児童虐待”を受けたデイヴ・ペルザーさん の本では、お母さ んにお風呂で顔を水に中に沈めさせられたり、横腹を蹴られたりしたそうだ。特徴として、 体に跡が残るといったことがある。 第二に、 「性的虐待」である。例として、子供への性的行為、性的行為を見せる、性器を 触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にするなどといったものがある。これは、あ ってはならない行為である。しかし、こうした行為の被害者であることを自覚して無い人 が多くいるという。このような行為をする人は、社会的にも性的にも逸脱した変質者と思 われがちだがそれは、違う。社会一般のどんな人でも加害者にな り得ることがあるという。 実際、仕事熱心で真面目で信仰心もある、一見普通の人たちであるという場合も少なくは 無いようだ。 第三に、 「ネグレクト」である。例として、家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不 潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かないなどといっ たものがある。これは近年話題にされているもので、親がパチンコに行っている間子供が バイクにおいて置かれたままにされて死んでしまったというニュースを耳にしたことがあ るだろう。「ネグレクト」とは、所謂「育児放棄」、「育児怠慢」である。 第四に、 「心理的虐待」である。例として、言葉による脅し、無視、きょうだい間での差 別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス: DV)などといったものがあるという。これは、 「身体的虐待」とは異なり傷などは残らな いが心に非常に深い傷を与える。個人的な意見だが、他の人と傷の大きさにその痛みを共 有することが出来ないという点で「身体的虐待」よりも大きな痛みであると私は考える。 ここで統計データを見てみよう。一目瞭然であるが年々児童虐待相談の件数は年々増え ている。平成 9 年から平成 23 年にかけて約 12 倍にまで増えている。ここまで短い期間に これだけ増えているということは異常なことであると私は考える。なぜかというと少子化 が叫ばれている昨今でありながらもそれに伴わず、常に増加しているということだ。恐ら く、これからも増加し続けるであろう。 2 第3節 “児童虐待”をしてしまう親について “児童虐待”してしまう親というものは、そのまた親も“児童虐待”を受けていた場合 が多いという。そうして、受け継がれてしまうということがあるそうだ。ということは、 すでに子どもが生まれたときには、その連鎖が始まっているのである。そう考えてみると 非常に恐ろしいものである。このような例は少なく無くないのである。また、“児童虐待” をしてしまう親というのは、普通の家庭でも起こってしまう場合があるそうだ。これには、 さまざまなそれぞれの家庭の事情があるのである。なぜ、彼らは“児童虐待”をしてしま うのか。子育てをしたことのある親なら、一度や二度は子供を叩きたいという衝動にから れることがあるそうだ。恐らく我々にとっての一瞬の気の迷いで友達を傷つけてしまうこ とと同じようなものなのかもしれない。このようなものの原因はそのときの精神状態であ ったり、ストレスであったりする。ただ、それを抑えることができ、実際に行動に移さな いようにすることも出来る。 “児童虐待”についても同じことだ。しかし行動に出してしま う親たちがいる。確実なものかはわからないが、 “虐待”をしてしまう親には共通したいく つかの特徴がある。 まず一つ目は、自分の衝動をコントロール する能力が驚くほど欠如しているということ である。このため、自分の内部にフラストレーションなどの強いネガティブな感情が生じ るたびに、それを子供に向けて爆発させてしまうという。ほとんど自分の行動が子供の心 にどのような結果があるかということは自覚をしていないという。 二つ目は、前にも書いたように自分自身も親から暴力をふるわれて育っているケースが 非常に多く、体罰といった虐待が当たり前になっている傾向が強いという。 「子供は背を見 て育つ」という言葉を聞いたことがあるだろう。正にその言葉通りでその虐待を受けた子 は虐待をする親を見て育つ。そのまた、その暴力を受けた子は親となりまた子に暴力をふ 3 るってしまう。所謂、負の連鎖が始まってしまうということである。 三つ目は、虐待をしてしまう親は、子供のときから感情的に満たされず、大きなフラス トレーションを抱えたまま成長して大人になっているということである。情緒面では子供 のまま成長できていないのだ。そのため彼らは自分の子供を、心を満たしてくれなかった 自分の親の変わりに満たしてくれる対象とみなしている。したがって、子供が自分の望む ことを満たせないと激怒し、激しくくってかかるのである。しかし 、彼らが本当に激怒し ている相手はその子供ではなく、自分の親なのである。 四つ目は、これは必ずそうではないというのであるが、彼らはアルコールや薬物の依存 症であることも多いという。 第4節 “児童虐待”を防ぐためには “児童虐待”を防ぐために出来ることは何があるだろうか。虐待を止めるためにどうす ればいいのかということを心理療法の視点から分析してみようと思う。 “虐待”を止めるた めの心理療法は、次のようなことをもとに、その方に必要な側面に応じて行っていくとい うという。 一つ目は、配偶者や周囲の人々から、理解や協力を得るための環境調整を 行っ てい く。 二つ目は、「虐待行為」は、自分が必要とした選択であるととらえるようにさせる。 三つ目は、「虐待行為」にまで至る悪循環の連鎖を明確にし、その悪循環を修正してい く連鎖を目指すための認知行動療法を行う。 四つ目は、虐待をする方には、その親から虐待を受けた経験のあるほうが含まれるとい う。その場合、虐待を受けた子供の言い分を明確にし、大人として自分が子供の部分を癒 して大切に扱うための取り組み(インターチャイルドワークと呼ぶ)を実施する。 五つ目は、女性の場合、虐待をする母親のための自助グループに参加し、その体験をフ ォローしていく。 これらのことを実践に移していくことが虐待を止めるための第一歩になるのである。 第2章 感想 まとめ 私は、この“児童虐待”というものの現状を調べていくにつれて、この世界にはさまざ まな親が存在すると実感した。虐待をしてしまう親、虐待をしない親。両者には大きな違 いがあることがわかった。もし私が親の立場になったときには負の連鎖を引き起こさない ようにしたい。 また、“児童虐待”の相談数が増え続けているというデータを見て、この短い期間にこ こまで増えていることに対して驚愕した。少子化が進んでいる現代で増加傾向にあるとい うことは、相当数虐待が起こっていると見て取れる。これからも、虐待の数は増えていく ことだろう。私に協力できることがあったらしていきたい。 ニュースで“虐待”について放送されることがある。それを見て何か他の人にも何か感 じ取ってほしいというのが私の願いである。“児童虐待”の無い未来を信じて… 4 第3章 参考文献 ウィキペディア「虐待」「ネグレクト」 厚生労働省HP 『毒になる親』スーザン・フォワード著 『“It”と呼ばれた子』デイヴ・ペルザー著 統計データ 子供虐待について オレンジリボン運動 虐待を止めたい方へ 5