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5-2-4 株式会社 アセント( JX 日鉱日石エネルギー株式会社 特約店
5-2-4 株式会社 アセント( セント(JX 日鉱日石エネルギー 日鉱日石エネルギー株式会社 エネルギー株式会社 特約店) 特約店) (1)SS 概要 SS 名: Dr.Drive川崎 SS 住所: 神奈川県川崎市川崎区元木2-3-21 電話番号: 044-222-4428 図表 5-2-13 川崎 SS の所在地 出所 JX 日鉱日石エネルギーHP より (2)ヒアリング内容 平成 23 年 2 月 23 日(水)午前 10 時に当該 SS にヒアリングを行った。主なヒアリング結 果は以下のとおり。 ①EV ユーザと利用方法 ・ ユーザとしては、個人、法人、レンタカー利用の全てがある。法人としてはコンビニ等。 メンバー会社で 3 台 EV を購入したところがある。 ・ レンタカーの利用目的は主に EV 体験であろう。遠くに行くことは、ユーザは怖くて出来 ないと言っている。 ・ 車種は、法人はすべて i-MiEV、個人は i-MiEV2 台とリーフ 4 台。 ・ 先月末より急にリーフが増えた。i-MiEV をレンタルして EV を体験し、リーフを購入する パターンが見える。 ・ 1 日の来店頻度は 1 日 3 台程度以上。多いときは、充電待ちができた。 ・ 2 台同時に来ることはまれである。重なったとき個人ユーザは帰る。法人でもコンビニ 企業は帰る(店舗で充電するのであろう)。重なるのは土曜、日曜であることが多い。 ・ 1 台の充電頻度は、i-MiEV の場合、2~3 日に 1 回程度。ちみみに、1 日 3 回来た人 がいる。リーフはまだ発売後時間が短く不明であるが、週 1 回程度になるのではない か。 98 ② 充電器の使い方やトラブル等 ・ 初めてのユーザは、使い方や料金体系についてほぼ 100%、説明を求める。 ・ 法人の場合、これから社用車として使うため社内でレクチャーするためなのか、使い 方のビデオ撮影をする。 ・ 個人は、EV購入を検討しており、そのためにどの程度手間がかかるか、どの程度走 るかなどを聞きに来る。 ・ 問い合わせとしては、充電器(ハード)の利用可能な拠点、時間、臨時に対応可能なと ころはどこか、など。それを調べるのに半日を要したという人がおり、情報提供の充実 が望まれる。 ・ レンタカーについては、レンタカー事業者で顧客に対する説明がバラバラで、良く説明 しているところと、あまり説明していないと見られるところがある。あまり説明を受けて いないレンタカードライバーは、充電設備の使い方が良くわからない場合が多い。ま た、レンタカー事業者の回送スタッフへの説明が十分されていないと見られるケース があり、認証カードの利用方等を理解せず、困っていることもあった。 ・ 料金体系については、カードを作成するときにMETI実証事業であることを説明する。 今後の課金可能性については、会員制、時間制等を検討中であることを伝え、同時に ユーザにアドバイスを求める。参考に、時間制とした場合のレシートを渡している。 ③待ち時間のすごし方 ・ 充電時間は個人、法人とも 30 分位である。レンタカーの場合、平均 7~8 分程度であ る。 ・ 最近の傾向としては、充電中、サービスルームに入らない人が増えた。 ・ 特にリーフの人はサービスルームに入ってこない。車内のインパネ部分を見ているよ うである。リーフは車の正面に充電器が来るので、車内から充電器を見やすい。また は、自分の車の周りに立って、車の様子を見ている。 ・ i-MiEV の人はサービスルームに入ることが多い。 ・ 法人は車の中、サービスルームのいずれでも、仕事(PC や書類等)をしている。 ・ 個人では、サービスルームに入る人は 2 名であり、雑誌を見ているか(個人事業経営 者)、休んでいたり、他の洗車待ち顧客と談笑している(会社会長)。 ・ 実証事業のモニタ時は、待ち時間をアナウンスしていた。その際、洗車や空気チェック を薦めていた。 ・ EV では、電気のことが不明なので自分でメンテしようという顧客はいない。見ましょう かと言うと、そうしてくれと言われる。 ・ 外に行く人はいない。(行こうともしない。) ・ 完了は知らせるが、サービスルーム内でもモニタでわかるようにしている。 ・ 夜はサービスルーム内で待つことが多いようだ。 ④充電設備を設置したことによる変化 ・ EVに関する会話が、EEV ユーザ、従来車ユーザのいずれでも増えた。 ・ 充電器に対する問い合わせが多い。(これは何か? 灯油の給油器ではないのか? 等) ・ 以前の洗車用拭き上げスペースに充電器を設置したので、洗車用拭き上げを行う車 にもEVがいないときは利用させているが、EVが来た際には移動を願っている。 99 ・ 他には、何も変わらない。基本的にEVもガソリンもサービスは同じである。サービス ルームの利用頻度も変わらない。 ⑤従業員の教育 ・ 初めに、店長が EV の特長(充電時間など)や充電設備の使用方法、カードの使い方 を元売会社の講習で学び、その後、他のスタッフに教えた。実際の充電操作は、元売 会社手配の個人モニタが来店した時にスタッフを集め、見せながら教えた。 ・ アテンドしてよいスタッフを、接客が出来るスタッフに限定し、それらスタッフと店長で対 応している。 ・ ユーザが聞くと想定される質問への対応を事前に他のスタッフに教育した。 ・ 想定質問に対する対応は、元売会社の講習を得た(1 日で)。これで、9 割の質問に対 応ができる。想定外の質問は元売会社に報告する。(多くは例外的な話である。) ・ 元売会社の講習はSSから1~2 名(店長・副店長クラス)と特約店代表者が参加した。 ⑥EV に対する充電以外のサービス ・ EV 車に対しても、従来車と同様のサービスをする。 ・ 本来やるべきサービスを行えばよい。 ・ 洗車は、個人ユーザよりも法人が多く、ほとんどがセルフ洗車機を用いる。個人でも 仕事利用の人はセルフ洗車機を用いる。 ・ 洗車回数は、一般的に給油とリンクしない。近年、給油の頻度が下がり、かつては給 油のついでに洗車していたが、最近は洗車のついでに給油するようになった。(例え ば、洗車3回で給油1回等)。 ・ EV の洗車については、まずセルフ洗車機で洗ってから、充電しながら拭き上げるパタ ーンが多い。 ・ 安全点検については、かつては実証事業のモニタが主であった。 ・ 安全点検では、EV充電に関する案内ができるスタッフとの会話の中で点検を薦めて、 了解を得る形で行えるだろう。車内清掃についても同様である。 ・ 認証カード発行時が会話の絶好のタイミングであり、機械操作のみでなく、EV での SS の賢い利用方法をもっと説明すべき。例えば、「EV は車体が重たく、タイヤ空気圧が 減りやすいので充電時にチェックがお薦め」、「洗ってから充電しつつ拭きあげるのが 効率的」等。初めて利用する EV ユーザには、情報提供が有効。 ⑦EV充電に係わるビジネスの可能性 ・ ビジネス化が一番の課題である。 ・ 洗車、メンテなど、EV に対して SS で出来ることをやる。EV は従来車以上に、車の知 識を要するので、ユーザができないことを助けるのが SS の役割である。 ・ 現状では、EV ユーザには、「環境に良いことをしていて、その上、高い車に乗っている のにも係わらず、あまりサポートを受けていない」という意識を持つ人が多いのではな いか。他の充電器設置場所(コンビニ、市役所、スーパー等)では充電器は無人なの で、SS はふれあい、もてなしのフルサービスをすることも、一つの方向性であろう。(セ ルフでもコンシェルジュが居るようにする。) ・ 一般に、セルフ客は 2 タイプに分かれる。第1は、自分でやるのが好きで、構ってもら いたくない人。第 2 はフルサービスを求めているが、近くにセルフしかないので来てい 100 ・ ・ ・ る人。これらを踏まえ、EV 充電の会員制サービスでも、フルコースと、部分的なサービ スを行うコースの 2 つは要るだろう。 SS は何が出来るか、もっと情報発信すべきである。例えば、EV 充電のうまい待ち方、 EV はここまでいじれる(エコタイヤや軽量のアルミに変えることでさらにエコドライブに なる等)等、車の楽しみ方の提案をすべき。 緊急用バッテリーの供給をユーザは望んでいるだろう。電気がなくなりそうなとき、3km 程度でも走れれば良い。これが、EV を買おうとして買わない人の最大の不安に対応 するだろう。EV の潜在ユーザの最大の不安は走行距離であり、またどこでも充電でき るインフラである。 電欠時の緊急駆けつけニーズもあるだろう。「万が一の時は、助けに行きます。」とい う SS の機能も考えられる。ただし、現在でもガス欠の時は、ボランティアで駆けつけて いるように、駆けつけ自体でお金を頂くのは難しいであろう。 ⑧その他 (夜間利用について) ・ 深夜から早朝にかけては、充電認証カードの新規発行をしていないので、(スタッフが 少なく、カード発行や充電器の説明等の対応をしていると防犯上の問題が生じる)、既 に発行済のユーザしか基本的に来店していない。但し、もし深夜に初来店した人には、 とりあえずその場ではスタッフが充電し、後日、日中に来て頂き、カードを発行する。 (深夜は、他にEVを助けるところがないので、SS は対応が必要。) ・ 夜間対応のためにも、案内を分かりやすく書いたもの(ディズニーランド等でアトラクシ ョン利用前に視聴する案内 VTR のようなものを、イラストや文字にして見せる)をつくり、 効率化することは必要だろう。 (充電器の屋根について) ・ 充電器に屋根がないと、傘は役立たず、やはり屋根があることが望まれる。消防法の 制約があると思われるが、容易に屋根を設置できることが望ましい。 101 図表 5-2-14 Dr.Drive川崎 SS の外観 図表 5-2-15 Dr.Drive川崎 SS に設置されている急速充電器 102 図表 5-2-16 Dr.Drive川崎 SS のサービスルーム内部 103 5-3 ヒアリング内容 ヒアリング内容の 内容の整理 ヒアリングを実施した各 SS の回答を項目別に横並びで比較することで、各 SS の相違点 と共通点とを整理した。比較表及びそこから得られる考察を下に示す。 ■相違点 まず、最も大きな相違点として、対象SSは全て神奈川県に位置しているが、場所によっ て充電設備の利用頻度が大きく異なることが挙げられる(①)。一番少ないつきみ野 SS で は月に 2~3 回程度であるのに対し、最も多い川崎 SS では 1 日に 3 回以上となっており、 充電待ちが出来たこともある。 川崎 SS のみ「EV の洗車後に充電を行いながら拭き上げる」「車内で仕事等を行う」とい った利用が見られることも特徴的である。 また、EV の充電に関わるビジネスの可能性については、充電頻度の少ないつきみ野 SS で、燃料販売(充電)と施設利用のつながりが容易になることをあげていることに対し、頻度 の多い湘南藤沢 SS や川崎 SS などではより「EV 寄り」の視点(EV のメンテナンスや充電時 の待ち方の情報発信)になっている(⑥)。今後、EV の普及が進み、SS による充電の頻度 が高まることで更なる視点が生まれることも期待される。 ■共通点 利用頻度の違いはあるものの、各 SS で共通している事項も散見される。まず、充電器の 使い方については、最初のみ説明を要するがその後は特に大きなトラブルとなった事例は ない(②)。また、従業員の教育についても、充電器の取り扱いを習得するのは容易だった と 4SS 全てが回答しており(⑤)、充電器自体の使い方については、大きな問題は出ていな い。 また、充電時間は 20~30 分程度が多く、少しだけ充電して出るケースは現状ではあまり ない。それに関連してサービスルームの利用頻度も高くなっている(③)。充電器設置によ る変化については顕著なものは現状では挙げられていないものの、ユーザとの会話が増え たとの回答が多かった(④)。このことから、「滞在時間の長さ」と「ユーザとの接触機会」も 共通点として挙げられる。 ◆相違点から得られる示唆 ○立地により充電設備の利用頻度が大きく異なるため、周辺の環境(企業、タクシー会社、 レンタカーの営業所、官公庁等の存在)を十分把握した上で、ビジネスモデルを検討する 必要がある。利用頻度が多いところは、法人、個人とも利用が多く、待ち時間ビジネスも 様々な提供が考えられる。 ○一方、利用頻度が少ない SS の場合は、EV をきっかけとした施設利用の拡大といった対 応をとる等の工夫が必要である。 ◆共通点から得られる示唆 ○充電設備の利用方法に関する問い合わせは、EV レンタカーのドライバー等慣れていな い人から来るケースが多い傾向にある。そのため、常に対応するというよりは、必要に応 じて対応できるというような体制を整えておくことが、現時点では重要ではないか。 ○充電設備を設置するにあたって、従業員に対して、設備の使い方等の基本的な事項を 周知するとともに、電気自動車に関する情報やEVに対するサービスの方法などもあわせ 104 て、随時情報提供する等のフォローが必要と考えられる。 ○EV ユーザは、サービスルームの利用やスタッフとの会話が多くなる傾向がある。これは、 EV ユーザならではの特徴のひとつと考えられるため、EV ユーザ向けのサービスを考え る一つの切り口となるのではないか。 図表 5-2-17 各 SS における特徴比較 つきみ野 SS 横浜幸浦 SS 湘南藤沢 SS (出光興産) (コスモ石油) (昭和シェル) 川崎 SS (JX 日鉱日石) ①EV ユ - 法人ユーザがメ - 法人ユーザがメイン - 法 人 ユ ー ザ が - 個人、法人、レンタカ ー ザ と イン - 頻度は 2 日に 1 回 メインだが、個 ー全て来る 利 用 方 - 頻度は月に 2~ 程度 人タクシーも増 - 頻度は 1 日に 3 回以 法 3 回程度 加 上 - 頻度は 1 日に 2 - 充電待ちも過去に発 回程度 生 ② 充 電 - ユ ー ザ は 使 い - 使用方法はよくユー - 問 合 せ が 来 る - 初めてのユーザには ケースは少な ザに教える 器の使 方に慣れている 説明必須 - 充 電 器 に 特 に - 女性などはセットし い い方 - 課金の可能性を説明 大きなトラブル づらい状況を良く見 - 課 金 に つ い て している はない る 良く尋ねられる ③ 待 ち - 充電時間は 20 - 充電から 30 分後く - 充電時間は 10 - 充電時間は 30 分程 ~20 分程度 度だが、レンタカーな 時間の ~30 分程度 らいで車に戻る ら 7~8 分 過 ご し - カフェスペース - サービスルームで - サ ー ビ ス ル ー ムで缶コーヒー - LEAF ユーザは車で 方 で雑誌やタブレ 雑誌、テレビなどを を飲んだり、本 過ごし、i- MiEV ユー ット型端末等を 利用が半数。残りは や雑誌を読ん ザはサービスルーム 利用 充電状況モニタを眺 だりしている を利用 めている - 法人は仕事、個人は - 無料の水を飲むパ ターンが多い 雑誌を見ているか談 笑している ④ 充 電 - 顕 著 な 変 化 は - 顕著な変化はない。 - 顕 著 な 変 化 は - 顕著な変化はない ない - 従来車ユーザに対し 設備設 ない 飲料自販機の販売 ても EV に関する会 実績も特に変化なし - サ ー ビ ス ル ー 置 に よ - EV や充電設備 ム利用頻度が 話が増えた る変化 に興味を持つ顧 - 従来車ユーザに対 しても EV に関する 高くなった 客が増えた 会話が増えた ⑤ 従 業 - 従 業 員 全 員 が - スタッフに利用方法 - 元 売 か ら の マ 員の教 充電器を取り扱 講習を実施 ニュアルをもと 育 い可能 に学習し、従業 員全員が取り 扱い可能 - 充電の有料化が大 - 充 電 課 金 は 必 ⑥EV 充 - 課金は要検討 前提 須 電 に 関 - 現状は予約を わ る ビ 取る状況にない - EV のメンテナンス - 月 額 固 定 で 充 は特殊なためディー 電し放題の会 ジ ネ ス -燃料販売(充 電)と施設利用 ラとの連携が必要 員制ビジネス の可能 が結びつきやす 性 くなる。 105 - 接客ができるスタッフ に限定しアテンド - SS は 触 れ 合 い の 場、もてなしのフルサ ービスを行える場所 - EV 充電のうまい待ち 方など SS からの情 報発信 - 緊急用バッテリーの 供給 106