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全ページ一括
ビジネスレポート 2005
プロフィール
沖電気工業株式会社は、創業者である沖牙太郎により、
日本
で最初の通信機器メーカーとして1881年に設立されました。以
来、一世紀以上にわたって「進取の精神」を原動力に技術力
を培い、情報技術と通信技術の発展とともに成長してきました。
近年は、沖電気グループとして、情報・通信・電子デバイスの各
事業分野において他社にない強みとユニークさを活かした商品・
サービスの提供に注力してきました。また、
ブロードバンドやIP※
ネットワーク環境が進展するなか、情報技術と通信技術の融合
(Convergence)
をより積極的に推進していくため、2005年度
から事業セグメントを再編しています。
「いつでも、
どこでも、誰と
でも」
「欲しい情報を望む形で」
「安全に、確実に、適正な価格
で」を実現する「ネットワークソリューションの沖電気」を企業ビ
ジョンに掲げ、
「e社会®」の実現に貢献しています。
※ Internet Protocol
沖電気グループがめざす「e社会」
グローバルに張り巡らされたネットワークを基盤として、時間と空間の制
約、国・地域や文化の違いを超え、
あらゆる社会活動が「個」を中心に
公平で安全、確実に行われる社会を、沖電気グループは「e社会」と呼
んでいます。
Contents
プロフィール
財務ハイライト
社長メッセージ
2
3
4
新事業セグメントの概要
情報通信システム
半導体
プリンタ
研究開発
「企業の社会的責任」を果たすために
役員
会社概要
本レポートに記載されている会社名、製品名は一般に各社の商標または登録商標です。
2
ビジネスレポート 2005
Colors of Convergence
8
14
18
20
21
24
25
財務ハイライト
沖電気工業株式会社および連結子会社
3月31日に終了した各年度
億円
前年比
百万USドル
2005
2004
¥ 6,885
¥ 6,542
営業利益
272
216
26.0
4,713.5
当期純利益
112
13
741.2
104.4
総資産
6,080
6,096
(0.3 )
5,682.4
株主資本
1,248
1,105
13.0
1,052.4
679
679
0.0
646.3
売上高
資本金
円
1株当たり当期純利益
2005/2004
2005
5.2 %
前年比
USドル
¥ 18.27
¥ 2.17
841.9 %
20,410
20,960
(2.6 )%
従業員数
$ 6,435.0
$
0.17
USドル金額は、便宜上、2005年3月31日現在のおおよその為替相場1USドル=107円で計算しています。
営業利益(損失)
当期純利益(損失)
(億円)
2001 2002 2003 2004 2005
2001 2002 2003 2004 2005
112
272
13
(66)
(341)
14
(272)
216
6,885
6,542
5,855
6,046
7,403
283
(億円)
89
売上高
(億円)
2001 2002 2003 2004 2005
見通しに関する注記事項
本レポートに記述されている、沖電気の現時点での計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、現在入手可能な
情報から得られた当社の経営者の判断に基づく、将来の業績等に関する見通しです。実際の業績は、
さまざまな要因の変化により、
見通しとは大きく異なる結果となりえることにご留意ください。なお、
そのような要因としては、主要市場の経済状況や製品需要の変動、
為替相場の変動、税制や諸制度等の変更にかかわるリスクや不確実性が挙げられます。
Oki Electric Industry Co., Ltd.
3
社長メッセージ
「ネットワークソリューションの沖電気」のビジョンのもと、
「世界一流の技術」
「強い商品」の創出を通じて、
グローバル市場における持続的成長をめざします。
2004年度の連結業績
2004年度の日本の経済環境は、企業の設備投資の増加などに
支えられ、
全体として緩やかな回復基調にありました。沖電気グルー
プの事業領域においては、大手通信キャリアのブロードバンドIP
ネットワークへの積極投資、
オフィス向けカラープリンタ市場の拡
大などの追い風があった一方、金融機関の新紙幣対応需要の
終了や、
自然災害による官公庁のIT投資繰り延べに加え、当期
後半からは半導体市況が軟化するなどの状況も見られました。
こうした事業環境のなか、2004年度の連結売上高は、前年比5
%増の6,885億円となりました。連結営業利益は前年比26%
増の272億円、連結当期純利益は前期の13億円から112億円
と大幅に増加しました。これに伴い、一株あたり3円の復配を実
施しました。
コア事業への資源集中による成長戦略を推進
今回の業績の背景には、
1999年度から
「フェニックス21計画」
「フェ
ニックス21飛翔計画」として推進してきた一連の構造改革の成
果があります。1999年度からは第1フェーズとして「収益とスピー
ドの追求」をテーマとした改革に取り組みました。収益性の低い
事業からの撤退・売却を進める一方、当社独自の技術を活かし
たコア事業、成長市場への経営資源の集中により、収益構造
の大幅な改善を実現しました。
さらに2004年度からは、第2フェーズとして「情報と通信の融合」
「特徴あるLSIの開発」
「カラープリンタのシェア拡大」の3つの
指針を掲げ、
安定収益企業としてさらなる成長を追求してきました。
「情報と通信の融合」においては、
ブロードバンドネットワーク
沖電気工業株式会社
代表取締役社長兼CEO
篠塚 勝正
4
ビジネスレポート 2005
(IP)の普及や情報技術(IT※1)の高度化により、今後は「情報」
「通信」といった枠組みに捉われない新しいアプリケーションの
需要が広がるとの認識に基づき、情報と通信を融合した商品、
Colors of Convergence
ソリューションの創出に力を注いできました。以前より情報通信
®」
を打ち出し、
融合のソリューションコンセプトとして「AP@PLAT
IPテレフォニーサーバ、WebシステムとVoIP※2を連携させたサー
事業セグメントと主要事業領域
従来の事業セグメント
情報
新しい事業セグメント
情報通信システム
バ、IPテレフォニーサーバ上に業務アプリケーション群を搭載し
・金融ソリューション
・金融
たサーバなど、業界をリードする情報通信融合ソリューションを展
・情報ソリューション
・通信キャリア
・公共
開してきました。
・プリンタ
・エンタープライズ
「特徴あるLSIの開発」については、
引き続きパーソナル・モバイ
ル市場へ経営資源を集中し、超低消費電力、高耐圧、高密度
通信
半導体
実装など独自技術を活かしたシステムLSI、
ロジックLSI、
および
・キャリアネットワーク
・システムLSI
システムメモリなどの開発に注力した結果、
デジタル家電や携帯
・エンタープライズ
ネットワーク
・ロジックLSI
・システムメモリ
電話、
自動車、電波時計やゲーム機など多くの市場で高く評価
・光コンポーネント
されています。また、生産品目に応じて自社ファブとパートナーファ
ブとを自在に選択する「ファブフリー」戦略を進め、
シリコンサイ
電子デバイス
クルに左右されにくい収益構造がほぼ完成しました。
・LSI
「カラープリンタのシェア拡大」としては、小型、高速、高解像度
・光デバイス
プリンタ
・カラーLEDプリンタ
・モノクロLEDプリンタ
・ドットプリンタ(SIDM)
を実現する独自のLED※3方式のカラープリンタをワールドワイド
に積極展開した結果、
とくに欧米でシェアを伸ばしました。中国
や東欧の堅調な需要増により安定的な収益を上げている
このカラーLEDプリンタの成長により、
プリンタ
SIDM※4に加え、
<情報通信システム>
事業はグローバルに展開するコア事業へと育ちました。
沖電気グループは、
ブロードバンド・ユビキタス時代においては、
※1 Information Technology
※2 Voice over Internet Protocol
情報通信融合領域で新しいアプリケーションが拡大していくと
※3 Light-Emitting Diode:発光ダイオード
※4 Serial Impact Dot Matrix
考えています。こうした認識のもと、情報通信システムセグメント
さらなる成長へ向けて新事業セグメントを構築
においては、従来の「情報」
「通信」の2つの事業を統合するこ
今後は、
これら3つの指針を強化・発展させ、
さらなる成長を実
とによって、沖電気グループが大きな強みをもつVoIP、CTI※5、
現していく計画です。そのため従来の「情報」
「通信」
「電子
セキュリティ、
ネットワークなどのコア技術・商品をベースに、
イン
デバイス」の3事業体制を再編し、2005年度から「情報通信シ
フラからアプリケーションまで幅広く情報通信融合を実現する新
ステム」
「半導体」
「プリンタ」の3つのセグメントによる活動を
たなソリューションを提供していきます。
スタートしました。同時に事業グループ制を導入し、事業セグメ
たとえば、現在、多くの企業が顧客満足度向上をめざして、
カス
ントごとに「情報通信事業グループ」
「半導体事業グループ」
「プ
タマコンタクトの質の向上に取り組んでいますが、
こうしたお客
リンタ事業グループ」を設置したほか、事業グループ傘下の各
様に対して、沖電気グループでは基幹システムとIP電話機能を
カンパニーの機能・役割の明確化を図りました。これらの組織
連携させ、
より高度なカスタマコンタクトを可能にする新しいソリュー
改革により、各事業グループが事業を自律的に運営していく体
ションを提供しています。また、最近注目されているセキュリティ
制を構築し、事業展開のスピードを一層加速していく方針です。
の強化についても、
ネットワーク自体の堅牢化や生体認証技術
今後、
この新体制をベースに、重点事業分野への経営資源の
を採り入れたシステムなどの各種セキュリティソリューションに加
さらなる集中を推し進めていきます。そして、
「世界一流の技術」
え、地震などの災害時に臨時的なネットワークを簡単に構築で
と「強い商品」の創出に徹底的にこだわり、
グローバルマーケッ
きるシステムの提供にも力を注いでいます。
トにおける安定的な売上拡大と収益性の向上をめざします。
情報通信事業グループの傘下には、金融、通信キャリア、公共、
Oki Electric Industry Co., Ltd.
5
社長メッセージ
エンタープライズという当社が得意とする4つの市場ごとにソリュー
ザのあらゆるニーズに応える品揃えを準備したフルライン・プリン
ションカンパニーを設置しました。お客様のニーズにワンストップ
タ・ベンダーとして、開発生産・販売体制を一層強化するとともに、
で応える体制により、市場アクセス力を一層強化することが狙い
市場ニーズに対応した商品のカスタマイズや技術サービスなど
です。さらに、商品・技術分野別のプロダクトカンパニーを設置し、
を含むソリューション提供に力を注ぎ、世界市場でのさらなるシェ
得意技術を活用した競争力ある商品の企画・開発に注力してい
アアップをめざします。また、根強い需要をもつSIDMについても、
きます。
中国や東欧などの成長市場での事業基盤強化をめざして投資
※5 Computer Telephony Integration:コンピュータテレフォニー統合
を継続していきます。
グローバル企業「OKI」をめざして
<半導体>
安定した収益構造を確立しつつある半導体事業は、今後さら
これらの成長戦略に基づき、
スピードと変化の激しい時代を鑑
に成長が望める分野の一つと位置づけています。この事業では、
みて、2006年度を最終年度とする2年間の新たな経営計画を
今後も自社ファブと外部のパートナーファブを機動的に活用す
まとめました。2006年度に連結売上高7,600億円、営業利益
る沖電気グループ独自の「ファブフリー」体制を継続し、需要
400億円以上、当期純利益200億円以上、
そしてROE 13%以
変動の影響を受けにくい事業構造の維持に努めます。
上、D/Eレシオ(ネット)1.1倍以下を達成することが中期的な数
また、通信や音源などのシステム技術や超低消費電力、高耐
値目標です。
圧、高密度実装など、独自技術が効果を発揮する「パーソナル・
こうした中期目標の確実な実行によって「優良成長企業」とし
モバイル分野」への経営資源集約を継続して推し進めてい
ての基盤固めを図る一方、
「世界に認知されるグローバル企業」
きます。具体的には、
「通信」
「情報家電」
「車載」の3分野を
への飛躍をめざし、現在約30%の海外売上高比率を2010年
ターゲットに、
システムLSI、
ロジックLSI、
システムメモリの3つの
度に50%まで引き上げるという長期目標を掲げています。再編
商品セグメントにおいて、沖電気グループならではの特長ある
した3事業によって、
グローバルに存在感を発揮する強い企業
商品を提供し、バランスのとれた事業展開をめざします。
として「OKI」ブランドを世界に浸透させたいと考えています。
とりわけ、
ロジックLSIの一つであるドライバLSIは、液晶テレビなど
また、
グローバル企業として、社会に果たすべき責任もさらに大
の成長により、今後もっとも注力すべき分野と考えています。そこ
きくなるという認識のもと、当社は「経営の公正性・透明性の
で2005年3月に日本テキサス・インスツルメンツ社の大型TFT液
向上」
「意思決定プロセスの明確化」
「コンプライアンスの徹底」
晶用ドライバLSI事業を買収しました。両社の技術力と商品開発
を経営の重要テーマに掲げ、執行役員制度や社外役員制度、
力の融合や、商品ラインナップの強化といったシナジー効果を追
各種諮問委員会などのシステムを採り入れるなどコーポレート
求し、
この分野で世界シェアNo.1を狙います。また、最短1日の
ガバナンスの強化に取り組んできました。
TAT※6で好評の当社独自のシステムメモリ「P2ROMTM※7」につ
コンプ
2004年度には、CCO※8を任命したほか、CSR※9推進部、
いては、書き換えのできないROMならではのセキュリティ機能を
ライアンス委員会などを設置しました。これらの組織では、多様な
活かした新アプリケーション開発などに取り組んでいきます。
ステークホルダーに対してどのような責任を果たすべきかという
※6 Turn Around Time:受注から納品完了までの期間
※7 Production Programmed ROM
視点から、今後の経営のあり方を討議していきます。
ネットワークソリューションの「沖電気」から、
グローバル企業の
<プリンタ>
「OKI(オー・ケイ・アイ)」へ。沖電気グループは常に社会の
激しい競争が繰り広げられているプリンタ市場において、沖電気
未来を見つめながら、着実に、
そして誠実に歩み続けていく所
グループは、小型・高速・高解像度を実現する独自のLED方式
存です。
のカラープリンタを武器に、価格対性能比で競合他社を圧倒す
※8 Chief Compliance Officer:チーフコンプライアンスオフィサー
※9 Corporate Social Responsibilities
る「バリュー・ポジショニング」戦略を推進しています。ビジネスユー
代表取締役社長兼CEO
6
ビジネスレポート 2005
Colors of Convergence
Printers
Semiconductors
Info-Telecom Systems
新たな事業セグメント体制で
成長を持続するエクセレントカンパニーへ
情報通信
システム
半導体
プリンタ
売上高
売上高
売上高
業界をリードする最先端
市場動向に左右されに
小型・高速・高解像度
情報通信融合ソリュー
くいファブフリー体制を
を実現するカラーLED
ションを、得意とする金
ベースとし、パーソナル・
プリンタを中心として、
融、通信キャリア、公共、
モバイル市場に向けて、
収 益 の 最 大 化を狙う
エンタープライズ市場に
独自技術を活かした商
SIDMとともに、
グローバ
ワンストップで提供
品を供給
ルにビジネスを展開
Oki Electric Industry Co., Ltd.
7
情報通信
システム
市場動向と実績
IPとITの融合による新しい事業機会が拡大
2004年度は、情報分野では新紙幣関連需要が上期でほぼ終
自然災害など
了したことによりATM※1の売上が減少したほか、
の影響を受け官公庁のIT投資が延期されました。一方、通信分
野では、通信キャリアによるブロードバンドIPネットワークへの
積極的な投資が継続しています。企業においても、情報通信
融合関連機器の需要が高まりつつあります。
今後は、金融機関によるITシステムや統合ネットワーク、ATM
のセキュリティ強化への投資拡大、通信キャリア各社による
FTTH※2や光IP電話への長期的な投資などが期待されます。
※1 Automated Teller Machine: 現金自動預払機
※2 Fiber To The Home
事業戦略
「AP@PLAT」で情報通信融合ソリューションを提供
ブロードバンドの普及とITの進歩により、
本格的なユビキタスネッ
トワーク時代が訪れつつあります。こうした時代の潮流に先駆け、
沖電気グループは「情報と通信の融合」という事業方針を打
ち出しています。2005年度からは「情報」と「通信」の両セグメ
ントを再編し、
「情報通信システム」として、情報と通信との技
術融合を通じた新事業の創出に注力していきます。
情報通信システム分野では、技術・商品の強みを活かした「プ
ロダクトビジネス」と市場アクセス力を活かした「ソリューション
ビジネス」を両軸に事業を展開します。プロダクトビジネスでは、
ATMや発券機などのメカトロニクス機器、IPテレフォニーサー
バなどのネットワーク機器といった強みをもつ技術を活用し、業
界をリードする強力な商品を開発・供給します。
情報通信ビジネスグループ
GOO(グループオペレーティングオフィサー)
ソリューションビジネスでは、得意とする金融、通信キャリア、公
服部 隆
共、
エンタープライズの4市場をターゲットに、お客様の要求に
ワンストップで応える情報通信融合ソリューションを提供します。
情報通信融合ソリューションの提供
事業領域としては、信頼性の高い「情報通信ネットワークイン
フラ」をベースとし、CTIに代表される「カスタマコンタクト」、異
金融
通信
キャリア
公共
エンター
プライズ
なるさまざまなメディアを統合する「マルチメディアメッセージン
グ」、
ネット決済などの「ネットワークトランザクション」の提供に
フォーカスします。情報通信融合ソリューションコンセプト「AP
情報通信融合ソリューション
これら領域の縦横無尽な連携を図ることで、
@PLAT」に基づき、
ビジネスソリューションモデル
付加価値の高いソリューションを実現していきます。
またユビキタスネットワークを基盤とするe社会では、
「安心」が
通信
(IP)
サービス
情報通信融合
アプリケーション
AP@PLAT
情報
(IT)
サービス
社会的な重要性を増しています。沖電気グループはこの「安心」
という価値を「安全」
「便利」
「快適」といった機能から追求し
ていきます。
8
ビジネスレポート 2005
Colors of Convergence
金融市場
金融サービスソリューション
バックヤードソリューション
●統合事務集中システム
●チャネル連携
●●●銀行
ATM、営業店システム
統合ネットワーク
●ATM
●ブロードバンドIPネットワーク
●リモートブランチターミナル
●セキュリティ
●営業店端末
●IP電話
●統合現金管理システム
●ネットワーク構築
●リテールバンキングCRM
●現金集中管理ソリューション
e金融ソリューション
●相談支援ソリューション
●コンタクトセンタ
●電子決済
●モバイル金融
ATM、
営業店システムを基盤に
セキュリティ強化および顧客サービス向上を支援
強固な顧客基盤をもつ金融事業では、
「ATM、営業店システム」
スに戦略的な営業活動を支援するチャネル連携ソリューション、
を基盤事業に、
「バックヤードソリューション」
「e金融ソリューショ
遠隔地の金融専門家と相談ができる相談業務支援システムなど、
ン」
「統合ネットワーク」の4分野にフォーカスします。金融機関
金融機関の顧客サービス向上を支援しています。
が注力するリテールサービスの多様化、
セキュリティ強化、事務
優れたイメージ処理技術で定評のある事務集中システムなどバッ
の効率化などに対して、
ブロードバンドネットワークをベースにした
クオフィスの効率化を支えるソリューションから、
ネット決済や金
情報通信融合ソリューションを提供し、
どのチャネルを使った取
融向けコンタクトセンタなどのe金融まで幅広いソリューションを
引でも均一なサービス、安心できるサービスの提供に注力します。
提供できることも大きな強みです。さらに、VoIPによる音声統合、
国内トップシェアのATMでは、
セキュリティ対応を強化し、生体認
モバイル対応やブロードバンド対応などの統合ネットワーク事業
証機能付き、ICカード対応の機器を投入しています。また、ATM
の拡大を図り、
お客様の利便性と業務効率の向上を図るソリュー
など金融機関のもつさまざまなチャネルを連携し、顧客情報をベー
ションを展開しています。
セキュリティ機能を強化した
新型ATM「ATM-BankIT」
営業店システム「GS21」
従来は人の手で行っていた事
ICカードや指静脈、手のひら静
務処理を、
アプリケーションサー
脈、アイリス(虹彩)など各種
バで処理することなどによって、
生体認証に対応し、安心して
金融機関の営業店の業務効率
利用いただくためのセキュリティ
化を実現する次世代の営業店
機能を強化したATMです。ま
システムです。
た、金融機関は携帯電話や非
ATM-BankIT
GS21
接触ICカードを使ったサービ
「コンサルステーション® 」
スを展開したり、CRM※3サー
バなどと連携させてお客様の
顧客情報(CRM)と販売支援
ニーズに応じた商品を販売し
システムをIPネットワークで
たりすることができます。 つなぎ、
リアルタイムに連携さ
※3 Customer Relationship Management
せることで、金融機関の店舗
窓口に来店した個々のお客様
コンサルステーション
に、最適な金融商品情報を提
供する窓口販売・相談支援ソ
リューションです。
Oki Electric Industry Co., Ltd.
9
通信キャリア市場
ブロードバンド公衆網
電話
アプリケーション
サーバ
プラットフォーム
バックボーン
ブロードバンド
IP網
コアルータ/
エッジルータ
(
)
宅内アダプタ
光ブロードバンド
アクセス網
PC
GE-PON
ネットワークマイグレーション
テレビ
電話
トリプルプレイ
ブロードバンド・ユビキタス時代のニーズに応える
ネットワークシステムを提供
日本の大手通信キャリア各社は、本格的なブロードバンド・ユビ
たネットワークインフラ分野で優位性を確立していきます。
キタス時代に向けて光IPネットワークやFTTHへの投資を進めて
一方で、今後キャリア各社が提供していく音声・映像・データを
います。沖電気グループは、情報通信融合のソリューションコン
融合したトリプルプレイサービスを支えるアプリケーションサーバ
セプト「AP@PLAT」をベースに、
キャリア各社がブロードバンド・
やネットワーク端末を展開していきます。具体的には、映像配信、
ユビキタス・サービスを提供する上で不可欠なネットワークシステ
電子決済、
コールセンタといったアプリケーションサーバ群や、
ムを提供していきます。また、120余年にわたる通信システムでの
VoIPゲートウェイ、映像受信端末といった家庭・企業用ネットワー
ノウハウ・技術を活かし、IPネットワーク用システム、GE-PON※4
ク端末をトータルに提供することでビジネスを拡大していきます。
などの光アクセス用システム、既存の固定電話をIPネットワーク
※4 Gigabit Ethernet-Passive Optical Network
に収容するネットワークマイグレーションのためのシステムといっ
ブロードバンドIPネットワーク
機器の提供を強化
キャリア向けマルチメディア・コミュニケ
ーションサーバ「CenterStage®」
沖電気グループでは、
国内通信キャ
データ・音声統合サービスはもちろん、 CTI
リア各社における光IPネットワー
機能との連携による多彩な音声サービス、さ
クの構築や拡大するFTTHの動
らにMultimedia over IP技術を駆使した最
きを見据えて、業界でいち早く光
先端のIPコミュニケーションを通信キャリア
アクセス機器のGE-PONの提供
に提供します。
を開始しています。今後も、アク
GE-PONシステム MileStarTM
BM1400シリーズ
セスゲートウェイや家庭用VoIPゲー
CenterStage
トウェイなど各種ブロードバンド
ブロードバンド映像ソリューション
「OKI MediaServer」
IPネットワーク機器の提供を強化
します。
ビデオオンデマンド(VOD)、
ライブ映像配信、
放送型配信、
双方向による多地点PC会議など、
ブロードバンド環境での映像コミュニケーショ
ンに最適なソリューションを提供します。
OKI MediaServer
10
ビジネスレポート 2005
Colors of Convergence
公共市場
e行政ソリューション
行政職員
住民、企業など
キオスク端末
フロントオフィス
サービス
●電子申請
●学校教育
●防災システム 等
セキュア
ネットワーク
バックオフィス
サービス
PC
●人事給与
●行政文書管理
●情報クリアリング 等
PC、情報家電、
電話、FAX
携帯電話、PDA、
ICカード
携帯電話、PDA、
ICカード
e行政、
防災、
ITSの3分野にフォーカスし
先端技術を活かしたソリューションを提供
官公庁・自治体など公共市場向けでは、
日本政府によるe-Japan
をターゲットに成長を狙います。たとえば、災害などの緊急時に臨
戦略Ⅱに基づく大型プロジェクトに注力します。具体的には、
「e
時無線通信網を自動的に築く
「アドホック・ネットワーク」など、
デ
行政ソリューション」
「防災ソリューション」
「ITS※5ソリューション」
ジタル無線システムをベースにした最先端ソリューションを提供
の3分野にフォーカスします。
していく考えです。
e行政ソリューションでは、実績のあるセキュリティとネットワークを
ITSソリューションにおいては、走行中の車間での動画通信や、
強みに、人事給与システムなどの行政向け業務システムや、官
ETC※6で使われる近距離無線DSRC※7を利用したゲートシステ
公庁ネットワークの整備を提供するほか、官公庁が実施するe-
ムなど、ETCやVICS※8技術をさらに高度化したソリューションを
Japan戦略Ⅱ関連大型プロジェクトへの積極的な参加を図ります。
提供していきます。
長年の実績をもつ防災ソリューションでは、情報通信融合領域
※5 Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム
※6 Electronic Toll Collection System:ノンストップ自動料金支払いシステム
※7 Dedicated Short Range Communication:狭域通信
※8 Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム
ITSソリューション
防災ソリューション
無線を使って自動的に有料道
防災対策強化や無線デジタル
路の通行料金の支払いを行う
化の推進により、防災ソリュー
ETCシステムや、道路上に設
ションの需要が拡大しつつあ
置されたビーコンを通して、
カー
ります。沖電気グループは、情
ナビに渋滞情報や道路案内な
報技術と消防通信を融合した
最新鋭の消防指令管制システ
どをリアルタイムに提供する
VICSシステムなど、道路交通
中央自動車道八王子本線料金所のETCシステム
ムをはじめ、
さまざまなソリュー
消防指令管制システム
ションを提供しています。
の高度化、快適化を推進する
ITSシステムを提供しています。
VICSシステム
Oki Electric Industry Co., Ltd.
11
エンタープライズ市場
企業内ネットワーク
トリプルプレイ
コンタクトセンタ
音声
IP電話
映像
データ
Webシステム
映像配信
システム連携
会計
人事
PDM※
生産管理
企業の基幹システム
※ Product Data Management
音声・映像・データを融合した
トリプルプレイ・ソリューションに注力
エンタープライズ向けには、従来のシステムのお客様、PBXなど
化を支援するなど、幅広い情報通信融合ソリューションを提供す
の通信機器のお客様という2つの顧客基盤に対して、情報と通
ることで、新たな事業機会創出を強化します。
信が融合した新たなソリューションを提案していきます。先行して
また、従来から強みをもつ旅客・運輸業向けには、
メカトロニクス
いるIPテレフォニーサーバやCTI、映像配信システムなどのIPベー
での優位性を背景に、国内トップシェアの予約発券システムや自
スのソリューションを基盤に、臨場感のある音声・映像・データを
動チェックイン発券機など高付加価値化するソリューションを提
提供するトリプルプレイ・ソリューションを提供していきます。さら
供しています。ICカード決済や電子チケットなどの決済やセキュリ
に企業の既存基幹システムとのシームレスな連携を実現するア
ティ機能を連携させ、
お客様のコア事業と新規サービスの連動
プリケーションサーバにより、
お客様のビジネスプロセスの効率
を支援していきます。
CTIシステム
「CTstage 4i for .NET」
旅客交通ソリューション
空港での自動チェックイン発券
情報通信融合の先駆的商品で
機、旅行代理店向けの予約発
ある「CTstage® 4i for .NET」
券システム、
鉄道の駅で使われ
は、企業とお客様との接点(コ
るオンライン自動発券機など、
ンタクト)を強化するコミュニ
旅客交通の分野において付加
ケーションプラットフォームです。
価値の高い顧客サービスを実
コンタクトセンタに求められる
現するソリューションを提供し
機能をオールインワンで提供し、
空港チェックインシステム
ています。
日本のこの市場でトップを独
走しています。
IPテレフォニーサーバ「IP CONVERGENCE
Server SS9100 リリース3」
2005年2月、大規模IP-PBX機能と業務ア
プリケーションを融合するIPテレフォニーサー
バ「IP CONVERGENCE® Server SS9100」
の機能を大幅に強化した「リリース3」を発
表しました。これにより、企業内IPセントレッ
CTstage 4i for .NET
クス、モバイルセントレックスへの対応を一
層強化していきます。
IP CONVERGENCE Server
SS9100
12
ビジネスレポート 2005
Colors of Convergence
Business Review
2005
情報通信融合商品のラインナップを強化
商品を販売する体制を追求しています。このアーキテクチャは、中
・情報通信融合に対応するアプリケーションサーバを共同開発
小企業や一般個人を主体としたリテール金融において、
多様な金融
2004年6月、
世界で初めて情報通信融合を実現したアプリケーショ
商品の販売の流れに従ってシステムを制御する、
柔軟なリテール金
TM
ンサーバ「SipAs
on WebLogic」をBEAシステムズ社と共同
BEAシステムズとの共同発表
融システムとして注目されています。
開発しました。IP上で音声を伝送
また、
CTIサーバ「CTstage 4i for .NET」をベースとしたコンタ
するプロトコル「SIP※9 」とWebシ
クトセンタシステムを大手信託銀行から受注したほか、
テレビ会議
ステムを融合するアプリケーショ
を用いて遠隔相談を行う相談業務支援システム「コンサルステーショ
ンサーバが、音声・映像・データの
ン」、業界初のコミュニケーション型ATMを採用したチャネル連携
スムーズな融合を実現します。
ソリューション「ChannelNavigator®」を地方銀行から受注するな
※9 Session Initiation Protocol
ど、金融機関のリテール強化を実現する多彩な商品・サービスを提
・IPテレフォニーを活用したアプリケーションサーバを発売
供しています。
2004年10月、
IPテレフォニーを活用した情報通信融合によるワー
クスタイル変革を実現するアプリケーションサーバ「IP CONVERGENCE Server AS8700」を販売開始しました。IPテレフォニー
SIPへの対応を強化
サーバ「IP CONVERGENCE Server SS9100」と連携させる
2004年9月、
VoIPゲートウェイにSIP対応商品を付加し、
商品ライ
ことで、
時間・場所にとらわれないワークスタイルを強力にサポート
ンナップを拡充しました。ま
する情報通信融合アプリケーション群を提供できます。
た、2004年12月にはSIP
before
対応オフィス向け電話機「スー
緊急
なのに∼
会議が終わったら
折り返し電話しよう
パーホンIP」を発表。今後も、
VoIPの主要通信プロトコル
であるSIPへの対応を強化
after
用件を
伝達
用件を
ポップアップ!
△△さんから
電話着信中です。
「○○社トラブル」
緊急の用件か。
少々失礼します!
SIP対応商品
していきます。
多くの企業が沖電気グループの情報通信システムを採用
ビジネスの効率を向上するアプリケーションの一例
2004年度は、
情報通信融合を実現する沖電気グループのIPテレフォ
・VoIP認定技術者資格の取得を推進
ニーサーバやCTIシステムなどが数多くの企業に採用されました。
NECと共同で
「IP電話普及推進センタ(略称IPTPC®)」において、
●製鉄会社:IPテレフォニーサーバ「IP CONVERGENCE Server
VoIP技術者教育制度を運営しています。本制度による「VoIP認定
SS9100」をベースとした企業内IPセントレックスシステムを納入し
技術者資格」取得者は2005年3月末に累計5,000人を超えました。
ました。最終的には全国で1万台を利用する国内最大級のIP電話シス
テムとなる予定です。
●オフィス家具会社:
「SS9100」をベースにしたモバイルセントレック
スシステムを納入しました。無線IP電話と携帯電話の統合によりコスト
情報と通信を融合した金融ソリューションを展開
2005年1月、
金融機関向けのソリューションとして、
「AP@PLAT」
削減、
ワークスタイル変革と生産性向上を実現するものです。
●通信事業会社:ブロードバンド映像配信サービス向けに、
映像配信サー
バ「OKI MediaServer」と家庭用ブロードバンド対応セットトップボック
に基づくリテールチャネルアーキテクチャ「TxFlowTM」を発表しま
ス「StreamingPlayer」を納入しました。大規模VODサービスやマル
した。金融機関は現在、
多彩な営業チャネルを活用して幅広い金融
チキャスト配信にも対応し、
多彩で高品質な映像配信を実現します。
Oki Electric Industry Co., Ltd.
13
半導体
市場動向と実績
下期の価格下落の影響を受けたものの
P2ROMの需要が好調
2004年度前半は好調であった半導体市場は、下期からは成長
が鈍化しました。
沖電気グループの半導体事業は、PHS用ベースバンドLSI、音
源LSIの出荷については、上期は好調でしたが、中国での携帯
端末の在庫調整の影響を受け、下期は需要が減速しました。
液晶テレビやPCモニタ向けのドライバLSIは、パネルメーカの
新工場稼動により需要は増加したものの、下期は価格下落の
影響を受けました。しかし、
アミューズメント市場向けP2ROMの
需要が予想以上の伸びを示し、業績を下支えしました。
2005年度も上期は需要の調整局面が続く見通しですが、下期
以降は需給バランスが改善し、市場拡大が期待される薄型液
晶テレビ向けのドライバLSIの需要増やP2ROMの安定した需
要などが期待されます。
事業戦略
パーソナル・モバイル市場をターゲットに
特長ある商品を供給
沖電気グループは、1998年に市況の変化が激しく投資リスク
の大きな先端汎用DRAM事業から撤退して以降、パーソナル・
モバイル市場のニッチリーダーをめざし、
超低消費電力、
高耐圧、
高密度実装など独自技術を活かしたシステムLSI、
ロジックLSI
およびシステムメモリなど、特長あるLSIの開発に力を注いでき
ました。
携帯電話や情報家電、車載機器といったパーソナル・モバイル
半導体ビジネスグループ
GOO(グループオペレーティングオフィサー) 分野のLSIは、
その用途から必然的に小型・低消費電力・高速・
北林 宥憲
高耐圧といった特性が要求されます。また、
この分野は技術革
新が著しいため、顧客の製品開発戦略に沿った独創的なLSIを
短期間で設計・開発・供給することが求められます。
半導体商品セグメント
システムLSI
μPLAT®
低消費電力技術
通信・RF技術
SOI/SOS/FeRAM
通信
情報家電
車載
そこで沖電気グループでは、近年、開発力と生産効率の向上、
PHSベースバンド
VoIP
EC/NC
デジタルAV
ARM® MCU
SOI MCU
車載MCU
ITS・ナビ
TPMS
そして事業全体の収益力を高めるための体制整備に取り組ん
ワイヤレス/電波時計
ロジックLSI
高耐圧プロセス
音源・音声技術
機能とを2つの社内カンパニーに分離するとともに、世界の有
力ファブと提携し、必要に応じて自社ファブとパートナーファブ
有機ELドライバ
音源LSI
融合・統合LSI
TFTドライバ
音声LSI
できました。たとえば、半導体の「設計・開発」機能と「生産」
VFDドライバ
とを自由に選択する「ファブフリー」体制を確立しています。
今後は差別化技術をベースに、パーソナル・モバイル市場のな
システムメモリ
P2ROMTM/Video-LSI
P2ROMプロセス
画像技術
低消費電力技術
かでも、強みが発揮できる「通信」
「情報家電」
「車載」の3分
AS-DRAM
野をターゲットに、特長ある半導体製品の開発・供給に注力し
14
ビジネスレポート 2005
FiFOメモリ
Colors of Convergence
ていきます。
通信市場
情報家電市場
ワイヤレス、
VoIP、
音源用LSIなど
高度なソリューションを提供
技術優位性を追求し、
ドライバとシステムメモリでシェアNo.1をめざす
携帯電話やPHS、最近では無線LANやICタグなど、情報社会に
急速に普及しつつある液晶テレビや、PCモニタなどに用いられ
おいて「ワイヤレス」は不可欠な機能です。沖電気グループは、
る大型TFT※4パネルの性能を左右するキーデバイスが液晶ド
PHS用ベースバンドLSIにおいて、
データカード向け市場で国内
ライバです。沖電気グループは、設計力や生産プロセスの優位
No.1シェアを有するほか、PHS市場が急拡大している中国にお
性を発揮し、世界No.1のPCパネルメーカへのドライバ納入に
いても、市場を二分するシェアを有しています。さらに、最近では
おいてトップベンダーの地位を確立しています。さらに、2005年
、UWB※1といった新たなワイヤレス規
3月には日本テキサス・インスツルメンツ(TI)社の大型TFTドラ
格への対応も進め、世界初のワンチップZigBeeを市場投入する
イバ事業を買収しました。スケールメリットによる品揃え、価格
など、業界に先んじて商品を提供しています。今後もSOI※2や
競争力の向上はもちろん、沖電気グループの得意とするプロセ
SOS※3の特性を活かした小型・高速・高周波・超低消費電力の
ス技術とTI社のもつ回路設計技術との融合により、次世代ド
技術を核に、近距離無線通信用のLSI開発に注力し、
お客様の
ライバインターフェイスのデファクト提案や競争優位商品の開
ニーズに応える高度なソリューションの提供に力を注いでいきます。
発をめざします。
一方、通信業界では、近年IP電話の普及が急速に進みつつあり
一方、デジタル機器の制御プログラムやデータを格納するシス
ます。沖電気グループは、長年培った通信システム技術をベース
テムメモリも沖電気グループが強みをもつ分野です。とりわけ
に、VoIP用LSIなどを提供しています。また、携帯電話向けの音
P2ROMは、
マスクROMなどに比べ、データの受領から商品出
源LSIにおいても、小型化や音質に優れた商品を開発し、欧州
荷まで最短1日という超短納期が高く評価され、電子辞書やア
や中国、韓国で採用されているGSM方式の携帯電話向け音源
ミューズメント機器、
プリンタやその他産業用機器に数多く採
LSIでトップシェアを有しています。今後も独自技術を駆使した特
用されています。今後は、書き込みが一度しかできない特性を
長あるLSIの開発を通じて、
ワイヤレスやVoIPといった成長市場
活かし、
セキュリティ分野など新たな用途開拓に力を注ぐほか、
において一層のシェアアップに取り組みます。
独自のマルチビットセル技術などをベースに次世代P2ROMを
近距離無線のZigBee
TM
※1 Ultra Wide Band
※2 Silicon on Insulator
※3 Silicon on Sapphire
ML7065
展開し、ROM市場でのシェア50%以上をめざします。
※4 Thin-Film Transistor:薄型フィルムトランジスタ
世界初ZigBee規格対応
ワンチップLSI
ドライバLSI
検知、監視、制御といったアプ
イバ、VFDドライバと幅広い商
大型TFTドライバ、有機ELドラ
リケーションに最適なZigBee
品をラインナップしています。
規格に対応したワンチップLSI
とくに高耐圧が必要とされる大
「ML7065」。2.4GHz無線部、
型液晶テレビ向けなどで強みを
PHY部、MAC部といった通信
もっています。TI社のドライバ
機能を世界で初めてワンチッ
10億色を表示する大型液晶ドライバ、ML9156
プに内蔵しています。
音源LSI
P2ROM
沖電気グループは、欧州、中国
データの受領から商品出荷ま
などで 幅 広く使 わ れ て い る
で最短1日という超短納期を
GSM方式の携帯電話向けに
実現するP2ROMは、
開発スピー
音源LSIを供給しています。優
ドが市場競争力を左右するゲー
れた音質など数々の特長をも
ムや電子辞書、
PDAなどのパー
ち、GSM端末市場でトップシェ
ソナル・モバイル機器に数多く
アを有しています。
沖の音源LSIが搭載された携帯電話
事業買収により、大型TFTドラ
イバでトップシェアをめざします。
採用されています。
P2ROM
Oki Electric Industry Co., Ltd.
15
車載市場
ファブフリー戦略
表示ドライバのシェア拡大、
ITS市場の開拓に取り組む
に対応するため、状況に応じて自社ファブとパートナーファブと
クルマのエレクトロニクス化が急速に進展するなか、
エンジンな
を使い分ける「ファブフリー」体制を構築しています。パートナー
ど主要機構の電子制御化はもとより、安全確保を目的とした各
ファブのなかでも、
台湾のユナイテッド・マイクロエレクトロニクス・
種センサの搭載も始まっています。また、車載情報機器の分野
コーポレーション
(UMC)
、
上海グレースセミコンダクター社
(GSMC)
でも、
すでに広く普及しているカーナビゲーションに加え、ETCや
といった有力ファンダリーについては、
生産技術供与や生産包括
VICSなど、ITSと総称される市場が拡大しています。これら車載
提携など戦略的パートナーシップを強化し、
製造プロセスの変更
用のLSIには、安全性・信頼性確保のために厳しい性能・品質
などにも柔軟に対応し得る強力な生産体制を確保しています。
が要求されます。また、省エネルギーや省スペースが優先される
2004年度のパートナーファブの生産比率は約10%ですが、
さ
車載分野では、LSIの低消費電力化や小型化も欠かせない条
らなる生産能力の拡大と柔軟性の確保のために、今後これを拡
件の一つです。
大させる計画です。一方、
差別化できるプロセスを最大限に活か
沖電気グループはこの市場において、
エンジンコントロールなど
した商品を提供するため、生産技術の高度化や品質向上などを
の車載用マイクロコントローラや表示パネル用のVFD※5ドライ
目的に、
自社ファブに対する生産投資も継続していきます。
沖電気グループでは、
激しく変化する半導体市場に迅速かつ柔軟
バで長年培ってきた経験を有しており、
クルマのエレクトロニクス
化に伴う車載表示デバイスの需要拡大に対応したVFDドライ
バLSIを提供しているほか、有機EL※6ドライバLSIの提供でも業
界を先行し、収益の拡大を狙います。また、通信技術を活かして
今後大きな成長が期待される車載情報端末や車載無線端末
などの分野に対しても、
ワイヤレスLSIの設計技術やSOSなどの
低消費電力技術などを駆使したLSI製品やシステムを車載機器
メーカーに提案するなど、積極的な市場開拓を行っていきます。
※5 Vacuum Fluorescent Display:蛍光表示管
※6 Electro-Luminescence
低消費電力技術
沖電気グループは、世界に先駆けて完全空乏型SOI技術による
超低消費電力LSIの量産化に成功し、
電波時計用の受信ICをはじ
め各種モバイル機器向けに提供しています。また2002年12月
には最先端のSOS技術をもつ米ペレグリンセミコンダクター社
と提携し、RFスイッチやGPSレシーバー、TVチューナーなどに
用いられるシステムLSIのさらなる低消費電力化を実現しました。
このほかにも、
さまざまなモバイルエレクトロニクス機器において、
回路ごとに電圧を最適に制御するパワーマネジメントICの開発
に取り組むなど、
多様な省電力化技術を追求しています。
車載用有機ELドライバ
沖電気グループはパッシブタ
イプの有機ELドライバのパイ
オニアです。車載表示デバイ
ス向けで圧倒的なシェアを有
しています。
有機ELドライバ、ML9352
16
ビジネスレポート 2005
Colors of Convergence
超低消費電力を実現するSOS
SOI技術を搭載した電波時計
Business Review
2005
ハードディスク・デジタル・オーディオ・プレイヤーの
主要機能を世界で初めてワンチップ化
大型TFT液晶ドライバ事業に注力
2004年9月、世界で初めてハードディスク・デジタル・オーディオ・
2005年2月、
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社の液晶ドラ
プレイヤーの主要機能をワンチップ化したARM946E-STMコアの
イバ事業を買収することで合意しました。これを機に、
PCモニタ用
システムLSI「ML696500」シリーズ2機種を開発しました。これ
および液晶テレビ用の大型TFT液晶ドライバ事業で世界No.1のシェ
によって、PCからプレイヤーのハードディスクへ の転送速度を
アをめざします。
128Mbpsに高速化したほか、
従来は複数のチップに分かれていた
また、同月には、各社で量産されているドライバLSIである8ビット
オーディオ・プレイヤーの主要構成機能をワンチップ化しました。また、
入力1670万色表示に対して約60倍の高画質となる、
10ビット入
音楽ファイルの録音再生、ハードディスク・データのファイル管理を
力10億色表示の大型液晶テレビ用ドライバLSI「ML9156」を世
可能にする「ソフトウェア開発キット」も同時に発表しました。
界で初めて実現し、
量産出荷を開始しました。
中国市場専用の音源LSIを開発
2004年5月、
成長著しい中国の携帯電話市場向け商品として、
32
和音着信メロディ用音源LSI「ML2871」と16和音の「ML2873」
を開発しました。市場の感覚に合った「いい音」に徹底的にこだわり、
沖のチップを搭載したオーディオ・プレイヤー
ML696500
国内メーカでは初めて二胡、琵琶、揚琴など13種類の中国伝統楽
器の音色を搭載したほか、
大きな着信音を求めるニーズに対応して、
成長する中国で半導体事業の体制を強化
2004年10月、上海に半導体のマーケティ
wavetableという発音方式を最適化しました。今後、中国音源LSI
市場でのシェアNo.1獲得をめざします。
ング・設計会社「日沖科技(上海)有限公司」
を設立し、
11月より業務を開始しました。同
社は中国における3社目の半導体事業会社
です。また、
販売拠点も半導体販売会社2社
が深 と北京にそれぞれ事務所を開設しま
日沖科技(上海)有限公司
した。
ML2871(左)、ML2873(右)
音源LSIに音色が搭載された中国伝統楽器
P2ROMが計画以上の売上を達成
お客様から受領したプログラムデータを最終の検査工程で書き込
むことができるP2ROMは、
最短1日の超短納期というメリットが高
く評価されています。この特性がゲーム機、
教育玩具、
アミューズメ
ント機器の画像用デバイスとして、
またプリンタや電子辞書向けデ
バイスとして多くの顧客に評価された結果、世界のROM市場で約
40%のシェアとなりました。
Oki Electric Industry Co., Ltd.
17
プリンタ
市場動向と実績
世界の市場で着実なシェアアップを実現
2004年度の世界のプリンタ市場は、西欧、米国、
アジアなどで
のカラープリンタの急成長などにより堅調に推移しました。
こうしたなか、
独自の「シングルパスカラー®方式」によって小型・
高速・高解像度を実現した沖電気グループのカラーLEDプリン
タは、世界各地で好評を博しています。2004年12月には、
カラー
LEDプリンタの月間販売台数が世界で2万台を超え、2005年
春には累計で50万台を突破しました。欧米での順調なシェア
拡大に加え、国内では量販店チャネルでの販売を強化、
また中
国市場へは新機種を投入するなど、成長著しいアジア市場で
も積極的に事業展開しています。
一方、SIDM事業では、米国でトップシェアを維持するなど各地
域で高いシェアを確保しました。成長を続ける中国市場に対し
ても、新たに地税対応水平プリンタを投入したほか、現地にお
ける技術サポート体制を強化しました。
事業戦略
フルライン・プリンタ・ベンダーとして事業基盤を強化
プリンタ事業における沖電気グループの基本姿勢は、
オフィス
のあらゆるプリンティングニーズにワンストップで対応する「フ
ルライン・プリンタ・ベンダー」です。A3カラー対応のハイエン
ド機から、A4エントリー機に至る幅広いグレードにおいて、LED
方式ならではの高性能・高付加価値の商品を提供しています。
株式会社沖データ
代表取締役社長兼CEO
前野 幹彦
一方、SIDMでは、中国の地税対応水平プリンタや、世界各地
で現在も根強い需要のあるローエンド機など、市場ニーズに合
わせた多彩な商品を供給しています。
こうした幅広いラインナップ展開をより迅速・円滑に実現するた
めに、商品の企画開発から量産化に至る一連のプロセスの見
直しを進めてきました。具体的には、方式設計から量産までの
LEDシングルパスカラー方式
LEDシングルパスカラー方式は、カラー印刷の基本色となる4色のLED
を縦一列に並べたカラー印刷技術です。4色の印刷を直線的に1回で行
えるため、高速・高解像度の印刷と、多様な媒体への対応を可能にします。
定着ユニット
LEDヘッド
画像形成ユニット
(トナーカートリッジ)
工程を手戻りなく行う「ワンスピン開発」の理念に基づく開発
プロセスの抜本的改革、
さらには国内開発拠点と中国および
タイの製造拠点間での「生産の垂直立ち上げ」などに取り組み、
開発から生産のリードタイムを大幅に短縮しました。
また、
グローバルな販売・サービス体制の拡充にも力を注いで
おり、
日欧米に加え、
アジア、中近東、中南米といった有望市場
への対応強化を図っていきます。
今後プリンタ事業においては、
さらに強力に販売・マーケティン
グ活動を推進するため、新たな事業ブランド「OKI Printing
Solutions」を掲げました。世界各国のお客様のニーズに応え
る幅広いラインナップ、商品のカスタマイズや技術サービスも
両面印刷機構
転写ベルト
用紙
強化し、プリンティングスペシャリストとしてビジネスシーンに最
適なトータルプリンティングソリューションを提供していきます。
18
ビジネスレポート 2005
Colors of Convergence
カラー複合機
商品戦略
カラープリンタ・カラースキャナ・
カラーコピー・ネットワーク対
高速・高解像度のカラーLEDプリンタで、
「バリュー・ポジショニング」を推進
応といった多彩な機能を1台
に搭載したオフィス用カラー
長年培った半導体技術やメカトロニクス技術、小型・省電力化
技術などを駆使し、沖電気グループは1983年に世界初のLED
複合機を、欧米市場向けに販
売開始しました。カラーLED
カラー複合機
方式によるモノクロプリンタを、1998年にはLED方式による世界
プリンタ技術を採用して小型・
高速・高解像度、そして普及価
最速のカラープリンタを商品化しました。以来、小型・高速・高解
格を実現しています。
像度というLED方式ならではの特長を備えた商品を展開し、価格
対性能比の非常に高い商品を展開する「バリュー・ポジショニン
グ」戦略を推進してきました。
沖電気グループのカラープリンタは、
ヘッド部にLEDを光源とする
コンパクトな印刷ユニットを4つ並べたシングルパスカラー方式で
す。レーザー方式に比べ、高速・高解像度で印刷できるのはもち
ろん、構造がシンプルで信頼性が高く、小型化・省資源化も容易
MICROLINETM Pro 9800
/9600シリーズ
フルカラー毎分36枚/モノク
ロ毎分40枚の高速出力、世界
で 初 めて 1ドットあ たり最 大
32階調の高品位印刷を実現
した高速カラープリンタ。企業
MICROLINE Pro 9800
内プリント・オンデマンド用途
といった多くの長所を兼ね備えています。また、高速・高解像度
に応えるスピードと機能を提
の印刷が可能で、大規模オフィスやグラフィックのプロ向けハイ
供します。
エンド機から、低価格のSOHO向けエントリー機まで幅広いライン
ナップを展開しています。さらにグローバルネットワークを駆使して
新たなプリンタ事業ブランド「OKI Printing Solutions」
沖電気グループでは、世界120の国・地域において、
カラープリン
商品のカスタマイズや技術サービスにも力を注いでいます。
2005年5月には需要増が見込まれるカラー複合機を欧米に投入
タとドットプリンタを中心とするビジネス用プリンタを提供してい
ます。このプリンタ事業をさらにグローバル
しています。今後もLED方式ならではの価値ある商品の開発に
に強力に推進するため、
事業ブランドとして「OKI
取り組み、多彩なビジネスニーズに対応するトータルプリンティン
Printing Solutions」を展開します。
グソリューションを提供していきます。
Business Review
2005
中国・日本などアジア地域でカラープリンタ事業を強化
消耗品を回収するエコプログラムをワールドワイドに展開
中国市場では、
2004年8月に高速カラー印刷が可能なカラーLED
沖電気グループ製カラープリンタの消耗品を無料回収し、
再利用す
プリンタ新商品3機種を発売、企業ユーザをターゲットに販売を強
る「エコプログラム」を世界各地で展開しています。2003年12月
化していく方針です。また、台湾では、IT機器販売大手のプリンテッ
から実施している米国販売会社 Oki Data Americas, Inc.に加
ク・インターナショナル社と販売提携し、カラーLEDプリンタを
え、
2004年11月には欧州の販売会社 Oki Europe Ltd.が活動を
2004年8月から販売開始しています。日本では、
カラーLEDプリ
開始しました。2007年度にはカラートナーカートリッジの年間販
ンタの需要拡大を踏まえ、2005年1月、
ビジネスカラープリンタに
売量の70%を回収する計画です。
特化した新ライ
国内では、
従来のプログラムに加え、
2005年3月に株式会社ネット
ンナップ「OKI C
マイルと提携し、
使用済み消耗品を送付いただいたお客様に、
ネット
series」を発表
マイル社の特典と交換できるポイントを進呈するプログラムも開始
しました。
しました。
Oki Electric Industry Co., Ltd.
19
研究開発
情報通信融合の進展に伴い、沖電気グループはそのキーと
この特性を確認するため、2005年1月、国土交通省が主催す
なるブロードバンド・ユビキタスネットワーク技術の研究開発
る自律的移動支援プロジェクトのプレ実証実験の一環として、
に注力しています。具体的には、
さまざまな機器やモノをネットワー
ZigBeeと太陽電池を使ったユビキタスセンサネットワークを構
ク化する「ユビキタスネットワーク」、
人の感情や臨場感までも
築し、神戸市で実証実験を実施しました。
ネットワークを介して伝えることで豊かなコミュニケーション環
境を提供する「ヒューマンコミュニケーション」、
ネットワークに
窒化ガリウムを用いた無線通信基地局用パワートランジスタ
つながれた多様な機器・デバイスを安心して利用するための「ユ
携帯電話システムなどの無線通信基地局用として、高出力の
ビキタスセキュリティ」、
ATMとプリンタを中心に開発してきた「ミ
を開発しまし
窒化ガリウムパワートランジスタ
(GaN-HEMT※1)
ドルメカトロニクス」があります。
た。従来のガリウムヒ素などに比べて一桁高い電力密度をもつ
ことから、機器の小型化が可能な上、動作電流も1/3∼1/5
ZigBeeを利用したユビキタスセンサネットワーク
と小さく、省エネにも効果を発揮します。一方、飽和出力電力
ZigBeeは、2004年12月に標準化された次世代の近距離無線
50.2Wという高出力化も実現しており、
日本の通信インフラを支
ネットワーク技術です。ビルや道路などに組み込むことで容易に
えるキーデバイスとして期待されています。今後はさらなる小型・
無線ネットワークを構築できるため、ユビキタスセンサネットワー
低コスト・高出力化に取り組み、
クを実現する技術としても注目を集めています。沖電気グルー
第3代携帯電話基地局や無
プは、
このZigBeeを活用したさまざまな実証実験を行っています。
線MAN※2などに向けた製品
化を進めます。
1 生体センサを搭載した
「健康管理ユビキタスネットワーク」
GaN-HEMT
※1 Galium Nitride High Electron Mobility Transistor
※2 Metropolitan Area Network
ZigBeeの省電力、小型などの特長を活かして、心電センサや
筋電センサを搭載した小型生体センサノードを開発しました。こ
世界で初めてOCDM伝送方式の実用実験に成功
れを体に装着することで、不整脈などの異常が発生した際に、
沖電気グループは、独立行政法人情報通信研究機構と共同で、
離れた場所にいる医師が即座に情報をモニタすることができま
次世代伝送方式として注目されている「OCDM(光符号分割
す。今後は、生体情報に位置情報サービスを連携させたユビキ
多重)伝送方式」で、実際の運用形態を想定した実験ネットワー
タスセンサネットワークの構築などを計画しています。
ク上での伝送実験に世界で初めて成功しました。OCDM伝送
方式は、従来の方式では困難だった伝送速度・形式を特定し
施設内に設置した
ZigBee中継ノード
心電センサ
異常発生アラーム
心電波形 など
筋電センサ
ZigBee生体センサノードを
装着した患者
ユビキタス
コミュニケータ
+ZigBeeノード
ない伝送が可能です。また、
アドレス数が多くとれるため、柔軟
性の高いルーティングが可能となり、ネットワーク構成の簡素
化が図れます。さらに、物理レイヤでのセキュリティ対策ができ
るため、不正アクセスなどに対処可能な秘匿性の高い伝送技
術という点でも注目を集めています。
施設内の離れた場所にいる医師
業界初のMPEG-AVC/H.264動画像CODEC
2004年4月、沖電気グループはテレビ品質の動画像をリアルタ
2 太陽電池で動作する歩行者への
情報提供ビーコン
イムで圧縮・復元できるMPEG-AVC/H.264ソフトウェア
CODECの開発に成功しました。MPEG-AVC/H.264は、次
ZigBeeは、街角で情報を発信するビーコンや、人の位置を測定
世代動画像符号化方式の標準であり、現行のMPEG-2や
する座標基準となる固定ノードを太陽電池で動作させることが
MPEG-4より高い圧縮性能をもつことから、
ブロードバンド上で
可能であり、無配線でどこにでも設置できるため、自律的移動
の本格的な高品質動画像配信・放送への適用など、豊かなコ
支援サービスを普及させる重要な技術として注目されています。
ミュニケーション手段を創出する技術として期待されています。
20
ビジネスレポート 2005
Colors of Convergence
「企業の社会的責任」を果たすために
コーポレートガバナンスの強化
コーポレートガバナンス体制
営の公正性・透明性の向上」
「意思決定プロセスの迅速化」
沖電気グループは、株主をはじめとしたステークホルダーの信
などを基本方針として、
コーポレートガバナンス(企業統治)の
頼に応えるべく企業価値を継続的に高めていくことが経営の
強化に取り組んでいます。
最重要課題の一つであると認識しています。そのために、
「経
当社では、取締役、監査役制度に加え、
株主総会
選任・解任
経営諮問委員会および報酬委員会を設
選任・解任
監査役会
選任・解任
取締役会
監査
社内監査役
社外監査役
連携
置しています。また、執行役員制度を導
経営諮問委員会
社内取締役
社外取締役
経営の効率化を図っています。
報酬委員会
監督
連携
監査
会
計
監
査
人
マネジメント会議
CEO、常務執行役員
監査
監査
監査
「経営諮問委員会」は、
トップマネジメン
トのアドバイザリー機関です。社外の有
CCO
(チーフコンプライアンスオフィサー)
コンプライアンス委員会
識者の参画により、経営の透明性、健全
性を向上していくことが目的です。
「報酬委員会」は、取締役、執行役員、執
監査室
監査
入し、経営と業務執行を明確に分離し、
監査
コーポレート(本社機能)
カンパニー(事業部門)
行参与の報酬の水準・仕組みの透明性
を維持するものです。
月次開催の「取締役会」では、経営の基
本方針などの決定や業務執行の監督を
行います。原則週1回開催の「マネジメ
監査
関係会社
監査役(会)
監査
ント会議」では、当社の業務執行に関す
る重要事項の決定を行うほか、各事業部
門からの業務執行に関する報告を受け
会計監査人
「ディスクロージャー委員会」を設置
ています。
示手段の決定や資料作成を行い、
リリースやホームページなど
産業界における情報開示の姿勢が厳しく問われているなか、
で速やかに公表します。また、開示義務がない情報についても、
当社では東京証券取引所の定める適時開示規則に則って情
ステークホルダーに影響を及ぼすと判断した情報については自
報開示を行うことはもちろん、2005年2月に「ディスクロージャー
発的に公表するなど、
コーポレートガバナンス強化の一環として、
委員会」を設置し、
ステークホルダーに対する情報開示体制を
正確・迅速な情報開示に努めています。
強化しました。同委員会は、開示すべき重要情報について、開
コンプライアンス体制の拡充
「コンプライアンス委員会」を設置
2004年には、CCOを任命し、
さらにコンプライアンスに関する
コンプライアンス(法令遵守)は、企業への信用・信頼を根底
基本計画の審議を行う機関として「コンプライアンス委員会」
で支えるもっとも重要な社会的責任です。この認識のもとに、
を設置、CCOをその長としました。またコンプライアンス施策の
グループを挙げてコンプライアンスの強化に取り組んでいます。
企画・立案・推進を行う「コンプライアンス推進部」を新設しま
2002年には、
その基盤となる企業行動規準「沖電気行動規範」
した。これによりコンプライアンスを経営の重要課題として取り
を制定しました。
組む体制を整えました。
Oki Electric Industry Co., Ltd.
21
「企業の社会的責任」を果たすために
CSR体制の確立
「CSR推進部」を創設
「CSR推進部」は、社内関連部門との連携のもとで、経営の重
経済社会のグローバル化や情報化が進むなか、企業には、売上
要テーマであるCSR活動のグループ全体の方針立案にあたる
や利益などの経済的側面だけでなく、社会的側面、環境的側面
とともに個別テーマを推進していきます。具体的には、
(1)株主・
においても多様なステークホルダーの期待に応え、企業価値を
投資家への情報発信、
(2)お客様の満足(CS)向上、
(3)環
向上していくことが求められています。こうした企業の社会的責
境への対応、
(4)
コンプライアンスの推進、
(5)従業員の尊重、
任(CSR)
を果たすために、当社は2004年10月、
「CSR推進部」
(6)社会貢献などについて取り組んでいきます。
を創設しました。
CSR TOPICS
地球環境とともに
主な取り組み内容
●三価クロムネジへの切り替え:メカトロニクス製品群に使用する
沖電気グループは、
「e社会の実現に寄与する商品の提供を通
ネジについて、RoHS※1で使用が禁止されている六価クロムを含
じて、次の世代のために、
より良い地球環境を実現し、
それを継
まない三価クロムネジへ切り替えます。海外を含む全生産拠点で
承する」という環境理念のもと、
グループ内に蓄積した環境関連
体制を整備し、2005年3月から順次切り替えを進めています。
※1 the Restriction of the use of
certain Hazardous Substances in electrical and electronic
equipment:電気電子機器に含
まれる特定有害物質の使用制
限に関する欧州議会および理事
会指令
技術を融合することで、環境負荷の低い環境配慮型商品や環
境適合型事業の実現に取り組んでいます。また、
はんだの鉛フリー
化やグリーン調達などの取り組みについてはグループ内でノウハ
ウの共有化を図っています。
六価クロムネジ(左)、三価クロムネジ(右)
●クロムフリー表面処理鋼板への切り替え:中国のATM・プリンタ
ISO14001(環境マネジメントシステム)の全社統合認証を取得
「全社ネットワーク型環境経営」を実現
の生産拠点である沖電気実業(深 )有限公司では、
メカトロニク
ス製品に使用するメッキ鋼板を、
クロム酸化合物を含まないクロ
ムフリー表面処理鋼板に切り替える体制整備を完了しました。
する手段として、ISO14001の全社統合
●鉛フリーはんだ付け技能資格認定制度:高度で専門的な技術が
認証を日本環境認証機構より取得し、
要求される鉛フリーはんだ付け技能者の養成のため、中国生産拠
企画から製造までの事業プロセスの環
点の沖電気実業(深 )有限公司に資格認定制度を導入しました。
境マネジメントシステムを構築しました。
ISO 14001登録証
今回統合認証を取得した範囲は、
11拠点、
温室効果ガス排出削減への取り組み
8支社、
グループ企業59社です。今後も
沖電気グループは、工場や事務所で発生する環境負荷のなかで
環境活動の各テーマについて「リソース
もっとも大きな「CO2などの温室効果ガス排出」の削減をめざし、
の選択と集中」
「情報・ノウハウの共有化」を行い、環境配慮型
電力使用量の多い半導体工場を中心に省エネ対策を実施して
商品や環境適合型事業の実現に取り組むとともに、環境対策
います。半導体製造の宮城沖電気株式会社では、
クリーンルー
への資源投資の重複を抑え、効果の最大化をめざします。
ムに取り入れる外気の浄化や温度・湿度調整に使う外気処理
用空気調和機を省エネ型の「高速エアワッシャ空気調和機」に
環境にやさしいモノづくりをグローバルに加速
変更しました。省エネ型空気調和機は従来と比較して20%のエ
沖電気グループは、環境影響化学物質を含まない部材への切り
ネルギー低減を実現し、CO2排出量を年間290トン削減できます。
替えをはじめ、生産拠点における種々の活動を通じて環境にやさ
今後は、他工場にもこのシステムを導入し、資源循環型工場の
しいモノづくりに取り組んでいます。
実現をめざします。
22
ビジネスレポート 2005
Colors of Convergence
ラオス語紙芝居の現地出版に協力
お客様とともに
「OKI愛の100円募金」は、2001年度からラオス語絵本の現地
Webアクセシビリティを改善
出版を支援しています。2004年度は、特定非営利活動法人「ラ
高齢者や障害のある方を含むさまざまな方々にホームページを
オスのこども」が出版した紙芝居「サカナちゃんのお留守番」に
快適にご利用いただけるよう、Webアクセシビリティ
(利用しやす
スポンサー協力。この作品はラオス人
さ)に対する指針をまとめた「沖ホームページ制作ガイドライン・
作家が創作したもので、
「ゴミを捨てて
アクセシビリティ編」を作成しました。2004年6月に制定された
はいけません」
というメッセージを通じて、
JIS規格に対応し、読み上げソフト
(音声ブラウザ)
を利用する方
環境の大切さを子どもたちに伝えてい
への配慮などを強化しています。指針の策定にあたっては、社内
紙芝居「サカナちゃんのお留守番」
ます。
の研究者や特例子会社の株式会社沖ワークウェルに在籍する
障害をもつ在宅勤務社員が検討に加わり、利用者と運用担当
者双方の立場から実用性の高いガイドラインをめざしました。
従業員とともに
2005年1月には当社の会社情報および投資家情報サイトに本
充実した人材育成制度を設置
ガイドラインを適用し、順次適用範囲を拡大しています。
当社の人材育成制度は、①会社が任命したポジションにおける
職責をまっとうするために必要な知識・スキルを養成する目的で
実施するもの、
②「自律型人材」
を志向する人材の自己成長をバッ
社会とともに
クアップする目的で実施するもの、
の2本柱で構成しています。
新潟県中越地震災害、
スマトラ沖地震災害などに義援金
を検討し、仕事の成果やアセスメント結果を参考に適材適所を
当社は、2004年10月の新潟県中越地震で被災した新潟県、長
検討するなど、
スキルと経験を活かすことで従業員の自己成長と
岡市など6市町村に対して、1,000万円相当(現金および当社製
会社の業績向上・安定成長を両立させる仕組みを実現しています。
無線機器)の寄付・寄贈を行いました。また、労働組合と共同で、
運営面では「フェニックス eキャンパス」と呼ぶポータルサイトを
グループ各社社員に「新潟県中越地震災害義援金」
を呼びかけ、
設置し、研修体系・内容の閲覧、申し込み、eラーニングの実行、
集まった義援金911万円を被災した社員・家族に寄付しました。
結果確認を常時できるようにしているほか、
キャリアプランの申告
また、2004年12月に発生したスマトラ沖地震による津波で大きな
などの仕組みも統合しています。
また、研修の実施だけでなく、従業員本人と上司でキャリアプラン
被害を受けたタイ国に対して、株式会社沖データおよびタイ国の
グループ企業4社より総額1,100万円の義援金を提供しました。
障害者雇用を推進
沖電気グループは、
これまで通勤が困難なため企業への就職が
森林の里親協定を締結
難しいとされてきた重度の身体障害者を、
テレワークによる在宅
2005年1月、長野県小諸市と「森林(もり)の里親協定」を締結
勤務契約社員として積極的に採用しています。全員が高いパソ
しました。当社および「OKI愛の100円募金」
(沖電気グループ
コン操作技能をもつこのIT技術者チームは「OKIネットワーカーズ」
の従業員の募金)から折半で毎年50万円を小諸市に寄付し、
として、
ホームページの制作のほか、Webアクセシビリティのガイ
2005年2月1日から5年間
ドライン策定に参画するなど、多方面で活躍しています。さらに、
にわたり野馬取地区など
2004年4月には障害者の雇用拡大をめざして、特例子会社「株
小諸市の森林の里親と
式会社沖ワークウェル」を設立しました。同社には、OKIネットワー
なります。
カーズからの移籍を含め、20名の重度身体障害者(在宅19名、
通勤1名)のほか、知覚障害者2名、内部障害者および視覚障
森林の里親協定調印式
害者各1名が働いています
(2005年3月末現在)。
Oki Electric Industry Co., Ltd.
23
役員
取締役社長兼CEO
専務取締役兼専務執行役員
専務取締役兼専務執行役員
篠塚 勝正
田中 和男
前田 裕
取締役
常務執行役員
松井 一成
取締役社長兼CEO
篠塚 勝正※1
半導体事業グループ・チェアマン
情報通信事業グループSOO(シニアオペレーティングオフィサー)
(兼)戦略企画室長
北林 宥憲
半導体事業グループGOO
専務取締役兼専務執行役員
田中 和男※1
CFO(チーフフィナンシャルオフィサー)
CCO(チーフコンプライアンスオフィサー)
前田 裕※1
情報通信事業グループ・チェアマン
中国ビジネス推進本部長
常務取締役兼常務執行役員
村瀬 忠男
原 説秀
執行役員
福村 圭一
経理部長
松下 政好
情報通信事業グループSOO
(兼)ネットワークアプリケーション本部長
佐瀬 正敬
浅井 裕
情報通信事業グループSOO
営業推進本部副本部長
山本 茂
CIO(チーフインフォメーションオフィサー)
服部 隆
情報通信事業グループGOO(グループオペレーティングオフィサー)
佐藤 直樹
杉本 晴重
CTO(チーフテクノロジーオフィサー)
川崎 秀一
営業推進本部長
情報通信事業グループSOO
(兼)金融ソリューションカンパニー・プレジデント
宮武 清治
半導体事業グループSOO
(兼)戦略企画室長
加茂 明
半導体事業グループSOO
(兼)
シリコンソリューションカンパニー・プレジデント
宮下 正雄
情報通信事業グループSOO
(兼)ネットワークシステムカンパニー・プレジデント
取締役
榎本 博
総合企画室長
森尾 稔
ソニー株式会社顧問
秋野 吉郎
ネットワークシステムカンパニー・EVP※2
常務執行役員
常勤監査役
稲川 隆久
本庄 慶行
片桐 啓之
監査役
吉岡 家治
※1 代表取締役
※2 Executive Vice President
(2005年6月29日現在)
24
ビジネスレポート 2005
Colors of Convergence
会社概要
プロフィール
本社および主要拠点
本社
〒105-8460 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号
Tel:03-3501-3111 Fax:03-3581-5522
商号 沖電気工業株式会社
英文社名 Oki Electric Industry Co., Ltd.
創業 1881年(明治14年)
ビジネスセンター
〒108-8551 東京都港区芝浦4丁目10番16号
Tel:03-3454-2111
設立 1949年(昭和24年)11月1日
資本金 67,877百万円
従業員数 20,410名(連結) 5,389名(単独)
(2005年3月31日現在)
海外駐在員事務所
ロンドン駐在員事務所
北京駐在員事務所
上海駐在員事務所
Tel: +44-20-8219-2110
Tel: +86-10-8518-3550/5528
Tel: +86-21-6270-1053/1054
組織図
取締役会
取締役社長
兼CEO
コーポレート
半導体事業グループ
情報通信事業グループ
金融ソリューションカンパニー
システム機器カンパニー
シリコンソリューションカンパニー
ネットワークシステムカンパニー
ネットビジネスリューション
カンパニー
シリコンマニュファクチャリング
カンパニー
システムソリューションカンパニー
メディアネットワーク・
アプライアンスカンパニー
オプティカルコンポーネント
カンパニー
公共ソリューションカンパニー
ネットワークアプリケーション本部
IPシステムカンパニー
:沖電気工業株式会社
:沖電気グループ企業
マルチメディアメッセージング
カンパニー
生産サービスカンパニー
プリンタ事業グループ
インキュベーション本部
ビジネスサポート本部
沖データ
ブロードバンドメディアカンパニー
(2005年4月1日現在)
主要連結子会社および関連会社
【国内】
静岡沖電気株式会社
株式会社オキシーテック
株式会社沖情報システムズ
沖ソフトウェア株式会社
株式会社沖システムメイト
日本ビジネスオペレーションズ株式会社
株式会社沖コムテック
株式会社沖テクノクリエーション
沖通信システム株式会社
株式会社沖ネットワークエルエスアイ
株式会社沖マイクロデザイン
株式会社沖デバイス
株式会社沖テクノコラージュ
宮崎沖電気株式会社
宮城沖電気株式会社
多摩沖電気株式会社
株式会社沖環境テクノロジー
長野沖電気株式会社
株式会社沖データ
株式会社沖デジタルイメージング
株式会社沖データシステムズ
株式会社エム・エル・サプライ
株式会社沖電気カスタマアドテック
沖マイクロ技研株式会社
沖パワーテック株式会社
沖プリンテッドサーキット株式会社
株式会社沖センサデバイス
沖エンジニアリング株式会社
株式会社沖エアフォルク
株式会社沖電気コミュニケーションシステムズ
株式会社沖ロジスティクス
株式会社オキアルファクリエイト
株式会社沖インフォテック
株式会社モバイルテクノ
沖ウィンテック株式会社
沖電線株式会社
【海外】
アメリカ
Oki America, Inc.
Oki Semiconductor Company
Oki Network Technologies
Oki Data Americas, Inc
Oki Data do Brasil, Ltda.
Oki Data de Mexico, S.A. de C.V.
ヨーロッパ
Oki Europe Ltd.
Oki (UK) Ltd.
Oki Systems Holding Co., Ltd.
Oki Systems (UK) Ltd
Oki Systems (Danmark) a・s
Oki Systems (Holland) b.v.
Oki Systems (Ireland) Ltd.
Oki Systems (Italia) S.p.A.
Oki Systems (Norway) A/S
Oki Systems (Sweden) AB
Oki Systemes (France) S.A.
Oki Systems (Iberica) S.A.U.
Oki Systems (Deutschland) GmbH
Oki Systems (Polska) Sp.z.o.o.
Oki Systems (Magyarorszag) Kft.
Oki Systems (Czech & Slovak) s.r.o.
Oki Systems ve Yazici Cozumleri LS
Oki Electric Europe GmbH
Oki (France) sarl
Oki Semiconductor (UK) Ltd.
アジア
Oki Hong Kong Ltd.
沖電気香港有限公司
Oki Electric Industry (Shenzhen) Co., Ltd.
沖電気実業(深 )有限公司
Changzhou OKI-GEG Telecoms Ltd.
常州沖電気国光通信機器有限公司
OKI Software Technology Co., Ltd
沖電気軟件技術(江蘇)有限公司
Oki Semiconductor Shanghai Co., Ltd.
日沖電子貿易(上海)有限公司
Oki Semiconductor Technology Shanghai Co., Ltd.
日沖科技(上海)有限公司
Oki Electronics (Hong Kong) Ltd.
沖電子(香港)有限公司
Oki Semiconductor Taiwan Inc.
台湾沖電股 有限公司
Oki Semiconductor Singapore Pte. Ltd.
Oki Techno Centre (Singapore) Pte. Ltd.
Oki Data (Singapore) Pte. Ltd.
Oki Systems (Thailand) Ltd.
Oki (Thailand) Co., Ltd.
Oki Data Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.
Oki Precision (Thailand) Co., Ltd.
Oki Electric Industry Co., Ltd.
25
本社
〒105-8460 東京都港区虎ノ門1-7-12(新虎ノ門ビル)
電話:03-3501-3111
http://www.oki.com/jp/
この印刷物は、100%再生紙と生分解性に優れたアロマフリー型再製大豆インキを使用しています。
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