...

TOYOTA自動車の G−BOOK戦略に関する研究

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

TOYOTA自動車の G−BOOK戦略に関する研究
TOYOTA自動車の
G−BOOK戦略に関する研究
提
出
学
年 月
:
2003年1月
部
:
経営情報学部
指
導
教 員
:
草 薙
信 照
学
籍
番 号
:
99−5166
学年・組・番号
: 4年P組22番
氏
:
名
棚 原
盛 之
目次
はじめに ................................................................. 1
1章
カー・テレマティクスについて
1-1
テレマティクスとはどんなものか? ................................ 1
1-2
G−BOOK とはどんなものか? ....................................... 2
2章 G-BOOK システムの全容
2-1
G−BOOK システムの特徴・機能・サービスの概要 ..................... 5
2-2
G−BOOK を搭載したクルマ「WiLL CYPHA」 ............................ 7
2-2-1 主な特長 ..................................................... 7
2-2-2 車両概要 ..................................................... 8
2-3
3章
走行距離課金型リース「P−way」の商品概要 ...................... 12
G-BOOK の将来..................................................... 13
あとがき ∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙ ・14
参考文献 ............................................................... 14
TOYOTA 自動車の G−BOOK 戦略に関する研究
はじめに
はじめに、このテーマを選んだ理由は、私自身クルマが大好きでクルマに関する内容なら飽き
っぽい自分でも興味を持って取り組めると考えたからである。そしてクルマに関することの中か
ら何故この「G−BOOK」を選択したのかと言うと、今までには無かった技術で、これから将来的に G
−BOOK の利用が伸びて行くのではないかと考えたからである。つい数年前までクルマの中は外界
と遮断された世界でしかなかった。だが、カーナビと携帯電話の結合がその常識を打ち破って車
内にも街の情報が入り込み始める。そして21世紀、通信インフラの充実はさらに情報の行き来
を自由なものとし、車内での情報収集はもちろん車外への情報発信も高レベルで可能となった。
その中心を担うキーワードが「テレマティクス」である。各自動車会社もこのテレマティクスのサ
ービスを開始し始めており、将来的にはクルマには付いていて当然のような時代がやってくるか
もしれない。このテレマティクスに G−BOOK も含まれる。一体この G−BOOK とは何か、そして我々
にどんなことをもたらしてくれるかを研究したい。
1章
1−1
カー・テレマティクスについて
テレマティクスとはどんなものか?
テレマティクスは現在の自動車ライフを大きく変化させる新技術と言うべきである。ドライバ
ーがクルマに乗り込むと、クルマ自身がドライバーに話し掛けてきてスケジュールのチェックを
行ったり、様々な情報や便利なサービスを受けることが出来たりする。このような、かつての映
画っぽい世界がカー・テレマティクスの出現によって、急速に実現へ向けて動き出している。こ
のテレマティクスとは、GPS 等による測位システムやワイヤレス通信、ネットワークへのアクセ
ス、各種サービスを提供する情報システムを組み合わせた、自動車向けの情報ソリューションの
総称である。ちなみにこの言葉は、通信(テレコミュニケーション)と情報処理(インフォマテ
ィクス)とを組み合わせた造語でもある。これまでも自動車向けの情報ソリューションはカーナ
ビゲーションを軸に大きな進化を遂げてきたが、テレマティクスではこれをさらに推し進めて、
より高度で高精度な自車位置測位や道路交通情報サービス、衝突回避システム、営業活動支援、
さらには自動車所有者に対する顧客サービスまでも構想に含まれている。また、車内からインタ
ーネットに接続して音楽やゲームをダウンロードするなど、娯楽性を追及するサービスも多数あ
り、自動車は単なる人員の移動手段から情報端末を備える「情報サテライト」へと進化することが
期待されている。
テレマティクスと似たような考え方に、総務省が中心となって推し進めている「ITS」もあるが、
多くの場合、テレマティクスもその一環として扱われる。ただし厳密に言うと、ITS がクルマ全
体のインテリジェント化を目指したものであるのに対し、テレマティクスは車内でインターネッ
トなどへ接続する技術やサービスを指している。つまり車内ネットワークを中心としたサービス
1
TOYOTA 自動車の G−BOOK 戦略に関する研究
と考える方が正確である。
実はこのテレマティクスの考え方は決して新しいものではない。例えば市販モデルとして具体
的に登場した製品の第1号は、今をさかのぼること7年前、1966年に登場したデンソーの
「MIUT(ミュー)」である。このモデルは初の HDD ナビとしても知られ、200MB 足らずのカード
型 HDD に地図を収録。ニュースや天気予報などの情報はアナログ携帯電話を使って取り込んだ。
コンセプトには地図のダウンロードなども盛り込まれていたが、9.6kbpsという遅い通信速
度がネックとなって、世に認知されることなく消えてしまった。
しかし、ブロードバンド化が進む中で、NTT ドコモの「FOMA」や、KDDI の「CDMA20001x」な
どによって、ようやくモバイル環境でも高速で通信できる環境が整いつつある。テレマティクス
が叫ばれるようになったのは、こうした背景による要因も大きい。
今後のカーナビゲーションは、単に目的地までの道案内を行うだけの従来のシステムから、さ
まざまな情報を表示する端末機としての性格を強めて行くことは間違いない。そして表示される
情報も常に新鮮であることが求められる。現在、カーライフを大きく変化させる最も大きな可能
性を持ったサービスこそ、このテレマティクスなのである。
何が出来るのかと言うと、データのダウンロードからショッピングまで可能性は無限大である。
数年前、ナビに携帯電話を接続して得られた機能に、電子メールの送受信やハンズフリー通話な
どがあった。だが、それらは携帯電話単体でも使用可能な機能であることが多く、必ずしも便利
に使えるものではないというユーザーの声もあった。だが、「通信可能なカーナビ」から1歩も2
歩も前進したテレマティクスでは、およそ未来のものだと解釈していた便利な機能がいくつも実
現されている。その筆頭が E コマースによる車内でのショッピングや自動車ディーラーによる車
両管理と言える。全メーカーのテレマティクスが対応しているわけではないが、情報通信が双方
向で行われるようになり、車内での買い物はクレジット決済、愛車の走行距離をディーラーでも
把握・・・と言ったことが可能となったのである。
何でつながるかと言えば内蔵専用モジュールや携帯電話など多種多様である。テレマティクス
を支える最も重要なファクターが通信機能だ。従来、携帯電話は通信が遅く,PHS は通信範囲に
不安があるとされてきたが、携帯電話が144kbpsの通信速度を実現したことで地図のダウ
ンロードも実用レベルで可能となった。通信システムは主に専用モジュール内蔵タイプと携帯電
話を接続するタイプの2通り。前者はいち早く144kbpsの高速通信を採用しており、後者
は使用する携帯電話の性能次第でスピードが変わる。専用モジュール内蔵タイプは外部機器の接
続が不要で、料金定額制の常時接続と言うことが最大の魅力である。使用可能なエリアは携帯電
話の通話可能な地域に準じる。ただし通信型のナビは、通話圏外でも使用できるよう対策されて
いる。
1−2
G−BOOK とはどんなものか?
最新の情報を手軽に入手できる、
車内と外界を繋ぐ架け橋と言うべきものである。トヨタが WiLL
2
TOYOTA 自動車の G−BOOK 戦略に関する研究
のクルマシリーズ第3弾「CYPHA」に搭載してスタートさせた本格的なカー・テレマティクスが「G
−BOOK」である。これまでドライバーは外部と隔絶された環境に居ることが多かったが、この G−
BOOK は、どこでもネットワークにアクセスすることが可能で、必要な情報が欲しいときに入手で
きる「ユビキタス社会」へ対応するシステム作りが行われている。
そのため G−BOOK はこの車載端末を軸にパソコンや携帯電話、PDA を駆使し、常に双方向通信
が可能となることを目的としている。さらに GAZOO で培った認証と課金の仕組みも導入して端末
からの買い物なども実現した。いつでも知りたい情報を入手し、カラオケや BGM などを楽しんで
買い物もできる。G−BOOK はそんなシームレスなネットワークを実現しているのだ。さらに G−
BOOK は、コンビニ店のファミリーマートやスリーエフに置いてある E−TOWER を使って地図や音
楽など容量の大きなデータのダウンロードが行えるようにしているのだ。カーナビ機能は、SD メ
モリーカードに50mスケール以上の全国地図を収録。特に電話番号や50音による目的地検索
では、通信によって情報が得られるため、最新のデータに基づく検索が可能。最新地図は E−TOWER
でも購入可能で、常に最新情報のもとでカーナビが楽しめるのである。
お気に入りのコンテンツは自動販売機感覚で買うことが出来る。ドライブの寄り道の始めにコ
ンビニへ。E−TOWER はチケット予約やデジカメ写真のプリントだけでなく、最新の音楽や市街図
までダウンロードできる。G−BOOK から SD メモリーカードを抜いて E−TOWER に差し込めば、あ
との操作はとても簡単で必要なデータを必要なときに買って使える G−BOOK の手軽さが、アクテ
ィブなカーライフをサポートしてくれる。
また豊富なコンテンツがドライブを楽しくしてくれる。クルマを停めても退屈しないユニーク
なアイテムが満載である。BGM を聞くのもいいけれど AUTOLIVE でカラオケの曲をダウンロードす
ることも出来る。シームレスなネットワークを持つ G−BOOK なら、携帯電話でお気に入りに登録
したカラオケ局をクルマで再生することも出来る。その他 SD
PLAY のゲームというのもある。G
―BOOK に退屈の文字はない。
自分好みに使いこなせる新世代の車内情報端末機である。CYPHA の G−BOOK 車載端末は、見か
けは一般的なカーナビとほとんど変わることはない。G−BOOK メニューを見なければ,ほとんど
の人がただのカーナビと思うだろう。しかし、このメニューを開くと,これまでにない様々なコ
ンテンツが用意されていることが分かる。ここで重要なのは,その豊富なコンテンツから好みの
メニューを「マイメニュー」として登録でき,普段使うことの多いコンテンツを優先して表示でき
るようになっていることである。つまり、自分で使いやすく育てていくことができるのが G−BOOK
の大きな特徴である。ただ、車載端末から様々な情報を登録するのは多少時間がかかり、ブロー
ドバンドに慣れ親しんだ今では少々物足りない。そこでお勧めなのがインターネットに接続でき
るパソコンで、これらの登録をする方法である。これだとよりスピーディに入力ができ、簡単に
登録が完了する。登録は効率よくパソコンで行い,利用は車載端末や携帯電話,PDA で楽しむ。
これが賢い G−BOOK の使い方と言えそうである。
G−BOOK は使い始めるとこれが実に楽しい。自車の位置情報を携帯電話に送ったり,インター
3
TOYOTA 自動車の G−BOOK 戦略に関する研究
ネット経由でチケットを買ってカラオケを楽しむことができる。ニュースや映画、占いなどの情
報も音声で読み上げてくれたりもする。定額制の基本料金は通信費を気にせず、気になった情報
をすぐに拾ってみようという気持ちにもなる。使えば使うほどに自分に馴染んでくる。それが G
−BOOK である。
食事をするレストランやレジャースポットも G−BOOK で選ぶ。ただのカーナビと違うのは通信
による検索結果がリアルタイムだと言うことである。車内からの店探しだけでなく、自宅の PC や
PDA、携帯電話ともシームレスでリンクさせることができるから、どんな場所にいても行きたい店
を検索できる。検索した情報はクルマに乗ってからダウンロードして行き先に設定すれば、あと
のナビゲーションは G−BOOK に任せるだけである。
交通量の多い都会の道路でも音声認識&読み上げで安心。都会の交通量は多く、走りながらモ
ニターを見るのはちょっと怖い。でも G−BOOK ならナビの案内はもちろん、走行中に受信した天
気予報やニュースなどの情報も音声で読み上げてくれるから、運転に集中することができて安心
である。操作だって、音声認識機能があるから TALK スイッチを押すだけで、あとはハンドルを握
ったままで良い。携帯電話を接続しておけばハンズフリーで通話もできるし、とにかくドライバ
ーに優しい車内環境が整っている。
万が一のトラブルの時でも G−BOOK がサポートしてくれるので G-BOOK に頼れば良い。ロードア
シスト24がロードサービスの手配してくれるから大丈夫。画面操作で位置情報を送信した後電
話で連絡。自分の居る場所がわからなくても、G−BOOK が把握してくれているからあとはヘルプ
を待つだけ。万が一の時でも頼りになるので安心である。
・充実したサービスなのにローコスト
初期費用・システム料金は車両本体価格に含まれる。
利用料金・基本料金は年払の場合6600円。有料コンテンツ使用時は別途支払いが必要であ
る。基本料金には車載端末から利用時の通信費を含み無料で利用できるコンテンツ
も充実しているので、基本料金内で G−BOOK を使いこなすことができる。
カーナビ・SD メモリーカードに地図データを収録。標準装備の SD カードの容量は256MB
ダウンロード・パケット通信(144kbps)、もしくは E−TOWER を介してデータのダウン
ロードを行う。
情報が途切れない安定した高速通信
G-BOOK
144kbps
一般的な携帯電話
9.6∼28.8kbps
PC などのアナログ接続
28∼56kbps
PC/ISDN 64kbps
4
TOYOTA 自動車の G−BOOK 戦略に関する研究
2章 G-BOOK システムの全容
以下「G-BOOK」システムの特徴・機能・サービスの概要は〔TOYOTA INTERNET DRIVE から引用〕
http://www.toyota.co.jp/News/2002/Aug/nt02_092.html
2−1
G−BOOK システムの特徴・機能・サービスの概要
(1) G-BOOK システムの特徴・機能
a.データ通信モジュール DCM を車に搭載
従来の通信ナビや、カー情報サービスのように、お客様の携帯電話を接続する必要はなく、
ワンタッチで、ネットワークに接続できる。しかも、サービスは定額制で、高速通信を通信
費を気にせずに楽しめる。また、トンネルなどでデータ通信が中断しても、数分以内なら途
中から自動的に再開する接続保持機能を持っている。
b.SD カード対応端末
SD カードに、ナビの地図や車載端末の基本ソフトを搭載しており、コンビニなどに展開され
ているマルチメディア端末「E−TOWER」などから、市外図や新しい地図をダウンロードしたり、
基本ソフトのバージョンアップができる。また、音楽やゲームなどもダウンロードできる。
なお、SD カードは、市販の SD カード型のオーディオプレイヤーや、デジタルカメラ、PDA な
どとも互換性があり、音楽、画像などのコンテンツを共有できる。
c.ユーザーカスタマイズドサーバー(UCS)
情報センターに、G-BOOK の利用契約者1人1人が自由にカスタマイズできるサーバーを設け
ており、お客様個々の嗜好に合わせた画面やメニューの設定、更には、お客様のメンテナン
ス情報の管理などに対応している。また、車を代替する際も、次車の車載端末に利用者の情
報を引き継ぐことができる。
d.シームレスネットワーク
車載端末以外に、PC、PDA、携帯電話などからもアクセス可能であり、時と場所を選ばず同様
のサービスを享受できる。特に、「ポケット G-BOOK」は、市販の PDA に専用アプリケーション
ソフトをインストールすれば、車載端末と同等の操作画面からサービスを享受でき、車外に
おける利用者の利便性が一層向上する。
e.電子決済機能
主要各社のクレジットカード、また、コンビニなどで広く販売されているプリペイドカード
(KDDI のスーパーワールドカード@Ca)による電子決済機能を有しており、基本利用料の支
払いや有償サービスの購入、E コマースなどのオンライン決済が可能。また、一般企業がサー
5
TOYOTA 自動車の G−BOOK 戦略に関する研究
ビスを G-BOOK に提供する場合、利用者からの料金回収代行も行う。
f.音声読み上げ、音声認識機能
文字情報は、情報センターで読み上げ専用テキストに変換されて端末に配信されるので、利
用者は自然な合成恩で情報を聞くことができる。また、従来の車載機内蔵型の音声コマンド
認識機能に加えて、センター型の音声認識システム(IVR:Intelligent Voice Recognition)
も用意しており、携帯電話からの発話に応じて、コンピューターが応じるコンテンツも予定
している。
g.オープンコンテンツ環境
コンテンツ開発用に G-BOOK-ML と呼ばれる開発言語と、標準テンプレートを用意。コンテン
ツ提供企業は、車両特有の制約条件や車載機器との複雑なプロトコルを意識することなくコ
ンテンツを制作できる。また G-BOOK-ML で開発したコンテンツは、車載機だけでなく、PC、
携帯電話、PDA からもアクセス可能なように自動変換される。これらにより、一般企業の参
画がたいへん容易になっている。
(2)G-BOOK サービスの概要
a.セーフティ&セキュリティーサービス
運転中のトラブル発生時に、車両位置を情報センターで把握し救援車両を手配(「ロードア
シスト 24」)したり、携帯電話で車の位置を確認したり、万一の場合、位置を追跡 できる
サービス(「マイカーサーチ」)がある。また車の状態をネットワークで遠隔から把握し、
販売店などから適切なメンテナンス案内を行うサービス(「リモートメンテナンスサービス」)。
将来的には、一部の車両で故障診断なども行う予定。
b.ライブナビゲーションサービス
ナビと連動した、タウン情報や旅行情報、趣味、娯楽情報などのサービス。お客様が好みの
スポットを検索すると、そのままナビの地図上に表示したり目的地として設定することが可
能となる。有力なタウン情報誌や、旅行情報誌などと提携したコンテンツが展開される。
c.インフォメーションサービス
一般、スポーツ、芸能、経済などのニュースや天気予報、株価情報などを読み上げる。お客
様が好みの項目を予めセットしておくと、その関連情報だけを抽出するカスタマイズサービ
スも可能である。自分の車の任意保険の契約内容の紹介や更新、また金融サービスとして、
車内からお客様の銀行口座や証券口座などにアクセスし、残高、取引明細などを照会できる
サービスも提供する。
6
TOYOTA 自動車の G−BOOK 戦略に関する研究
d.エンターテイメントサービス
カラオケや BGM を車載機にダウンロードして再生させたり、各種ゲームや音楽を SD カードに
ダウンロードするなど娯楽情報サービスがある。オンラインゲームやお客様参加型のコミュ
ニティも開催する予定である。
e.コミュニケーションサービス
電子メールの送受信や伝言版、掲示板などのサービス。また、グループ走行などの際に、お
客様同士が、互いの現在地をナビの地図上に表示できるサービスも提供する。
f.E コマースサービス
GAZOO ショッピングモールの商品や、G-BOOK の有償コンテンツやサービスを、オンラインで
決済し購入できる。
g.OSS(オペレーターサポートサービス)
携帯電話などからの要請にオペレーターが対応し、お客様に代わって情報センターから情報
検索やナビの目的地設定を代行するサービス。
*DCM の通信圏内で GPS が受信できる走行中において
2−2
G−BOOK を搭載したクルマ「WiLL CYPHA」
トヨタ自動車(株)は、異業種合同プロジェクト『WiLL』のクルマシリーズ第3弾として新型車
『WiLL サイファ(CYPHA)』 を開発し、10 月 21 日より全国のトヨタカローラ店ならびにトヨタ
ビスタ店を通じて発売した。WiLL サイファは、本年8月に発表したトヨタの情報ネットワークサ
ービス「G−BOOK」の車載端末を初めて標準装備したクルマである。未来的で愛着を感じさせる内
外装デザインと先進のネットワークサービスにより、21 世紀の新しいモビリティライフの楽しみ
方を提案している。
また、G−BOOK の普及に向け、車両価格は G−BOOK 車載端末付で 126 万円(2WD 車)に抑える
とともに、G−BOOK の利用料金も月 550 円(年払い 6,600 円の場合)からとしている。さらに、
車の新たな買い方の提案として、携帯電話と同様の感覚でユーザーが月々の使用(走行距離)に
応じてリース料金を支払う、新しいコンセプトの走行距離課金型リース、「P−way」、ユーザー
がインターネットやEメールを利用して、地域の販売店と直接、試乗予約や見積もり依頼、様々
な質問のやりとりができる新しい商談の仕組み「ネットカウンセリング」を設定している。
2−2−1
主な特長
1)新情報ネットワーク「G−BOOK」
7
TOYOTA 自動車の G−BOOK 戦略に関する研究
新開発の情報ネットワークサービス「G−BOOK」車載端末を標準装備。飲食店・映画、イベント情報
を始めとした最新のエリア情報などを気軽に入手可能にするとともにEメールの送受信も可能。
2)新たな外形デザイン
新世紀のネットワーク社会とクルマとの融合をイメージさせる「サイバーカプセル」をテーマとし,
斬新かつ都会的で親しみのわくスタイリングを追及。
3)優れた基本性能の確保
2WD 車には、1.3 リットルエンジン2NZ-FE、4WD 車には 1.5 リットルエンジン1NZ-FE を搭載し,
「平成 12 年基準排出ガス 75%低減レベル(超一低排出ガス)」を全車で達成。さらに、2WD 車は「平
成 22 年燃費基準」も先行してクリアし,グリーン税制対象車としている。
コンパクトな外形サイズでありながら十分な室内空間と荷室を確保。
全方位コンパティビリティの概念を追求し、衝突安全ボディ GOA をさらに進化。
サイファ(CYPHA):英語の Cyber(サイバー)と Phaeton(馬車)からの造語
GOA:Global Outstanding Assessment(クラス世界トップレベルを追求している安全性評価)
以下 1)の「G-BOOK」車載端末の標準装備∼5)の先進の環境性能までは〔TOYOTA
DRIVE
から引用〕
2−2−2
INTERNET
http://www.toyota.co.jp/News/2002/Oct/nt02_114.html
車両概要
1)「G-BOOK」車載端末の標準装備
情報ネットワークサービス G-BOOK 端末を標準装備し、クルマに新たな基本性能を付与。
(1)通信モジュール
専用通信モジュールを内蔵し、ワンタッチでネットワークに接続。従来の通信ナビやカー情報サ
ービスとは異なり、携帯電話の接続は不要。利用料は月 550 円(年払い 6,600 円の場合)からの
定額制で追加の通信費を負担することなく、最大 144kbps の高速通信による情報提供を利用でき
る(有料のオプションコンテンツは別料金)
(2)SD メモリーカード
大容量 256MB の SD メモリーカードに全国地図(50mスケール)や車載端末の基本ソフトを装備。
コンビニエンスストアなどに展開されているマルチメディア端末「E-TOWER」などから、最新地図
への書き換えや市街図の追加、音楽・ゲームのダウンロードが可能。
(3)ユーザーカスタマイズドサーバー(UCS)
G-BOOK の情報プラットフォームである G-BOOK センターに利用契約者が自由にカスタマイズでき
8
TOYOTA 自動車の G−BOOK 戦略に関する研究
るサーバーを設定。各ユーザーの嗜好にあわせた画面やメニューの変更が可能
(4)G-BOOK サービスメニュー
a.ライブナビゲーション
ナビの地図情報と連動し、タウン情報や旅行情報、趣味、娯楽情報などのサービスを提供。ユー
ザーは、最新のスポット情報を入手、ナビ画面上に目的地として設定することが可能
b.インフォメーション
表示したニュースや天気予報などの情報を音声で読み上げることが可能。
c.エンターテイメント
カラオケやBGMを車載端末にダウンロードして再生するほか、E-TOWER から SD メモリーカード
に保存した音楽やゲームなどを車内で再生して楽しめる
d.コミュニケーション
Eメールの受信のみならず、使いやすい 6.5 インチタッチパネルで、車内でのメール作成、送信
が可能。また、受信メールの音声読み上げ機能など、運転中の安全にも配慮。さらに、伝言板、
掲示板などのサービスも提供
e.セーフティ&セキュリティ
万一のトラブル時に、ユーザーの操作により G-BOOK 端末から G-BOOK センターに送られる位置情
報を使い救助車両手配が 24 時間可能なほか、携帯電話などで自車の位置を確認できるサービスを
提供
2)未来感あるデザイン
ネットワーク社会との融合をイメージさせる「サイバーカプセル」をテーマに、大胆な立体構成
とコントラストにより、近未来のシティ・コミューターを感じさせるデザインを追求
(1) 外形デザイン
・丸いキャビンと力強いフェンダーのダイナミックな対比により、存在感が際立つスタイルを表
現
・4つのランプを縦1列に並べた4連ヘッドランプで、先進的かつ個性的なフロントビューを演
出
・前後シンメトリーとした円盤型のフェンダーにより踏ん張り感を強調するとともにクリーンで
リズミカルなサイドビューを表現
9
TOYOTA 自動車の G−BOOK 戦略に関する研究
・力強いリヤフェンダーをつなぐバンパーに丸いキャビンを載せた、印象的なリヤビュー。リヤ
コンビネーションランプは、バックドアのプライバシーガラスとの連続感をもたせるとともに、
点灯時には光が浮き上がって見えるように演出
・ボディカラーは、近未来的なイメージの黄をはじめ、鮮やかな彩りでスタイルを演出する赤、
青など5色とダイナミックなスタイルを引き立てる銀、白の全 7 色を用意
(2) 室内デザイン
・ サークルを基調とした先進的なインテリアデザインと同時に使いやすさを追求
・ G-BOOK 端末を装備した大型センタークラスターは、ダイヤル式オートエアコン、オーディオ、
センターボックスなどを集約し、見やすい位置にレイアウト
・ 乗る人を優しく包み込むような、サークルをモチーフとしたシートデザイン
・ 鮮やかなボディカラーとマッチする黒を基調としたインテリア
・ 室内に、さりげないアクセントを加えるブルーメタリック加飾を、センタークラスターなど
に採用
3)優れた基本性能
(1) エンジン
・ 2WD 車には 1.3 リットルエンジン2NZ-FE、4WD 車には 1.5 リットルエンジン1NZ-FE を搭載。
低・中速域での力強いトルクを確保するとともに、「平成 12 年基準排出ガス 75%低減レベル
(超−低排出ガス)」を達成。さらに、2WD 車は「平成 22 年燃費基準」も先行してクリアし、
グリーン税制対象車としている
〔エンジン主要諸元〕
駆動
1NZ-FE
トランス
排気量
ミッション
(cc)
4WD
1.496
Super
2NZ-FE
2WD
(FF)
ECT
1.298
最高出力
(kW/rp
m)
最大トルク
(N・m/rpm)
77
138(14.1kg・
〔105PS〕
m)
/6.000
/4.200
64〔87PS〕
/6.000
121(12.3kg・
m)
10・15 モード
走行燃費*〔km/
㍑〕
14.8
18
/4.400
*国土交通省審査値
〔NWES from TOYOTA
引用〕http://www.toyota.co.jp/News/2002/Oct/nt02_114.html
10
TOYOTA 自動車の G−BOOK 戦略に関する研究
価格は2WD で126万円、4WD で148万円と低価格に抑えられている。
(2) サスペンション
・ フロントには、マクファーソンストラット式、リヤにトーコレクト機能を備えたイータビー
ムを、4WD 車のリヤにはラテラルロッド付4リンク式のサスペンションを採用。前後にスタ
ビライザーを標準装備することなどにより、優れた操縦性・走行安定性を確保
(3) オートマチックトランスミッション
・ 軽量、コンパクトな Super ECT を採用。エンジンの出力特性に合わせたフレックスロックア
ップ領域の最適化などにより低燃費に寄与
(4)4WD システム
・ 通常の直進走行では FE に近いトルク配分を行い、滑りやすい路面やコーナーリング時などで
は後輪にも最適なトルク配分を行うフレックスフルタイム方式を採用
(5)パッケージ・ユーティリティ
・全長 3,695mm のコンパクトな外形サイズに、大人 4 人が快適に過ごせる室内と十分な荷室を確
保
・リヤシートを6:4分割とし、乗車人数や積載荷物に合わせたフレキシブルな空間づくりが可能
・用途によって使い分けが可能な分割グローブボックスなど、フロントシート周辺に豊富な収納
スペースを配置
(6)快適装備
・運転中の操作性にも配慮したダイヤル式オートエアコン、花粉や粉塵などを除去するクリーン
エアフィルターを標準装備
・紫外線を大幅にカットする UV カットガラスをすべてのガラスに採用するとともに、バックドア
にはプライバシーガラスを標準装備
・ 全席ドアウインドウに、挟み込み防止機構付ワンタッチ式パワーウィンドウを採用
4)高い安全性
(1)予防安全
・EBD 付 ABS とブレーキアシストを全車に標準装備
EBD=電子制動力配分制御
・インストルメントパネル上面中央に、運転中の視線移動が少ないセンターメーターを採用
・助手席側ドアミラーには左側後方の視認範囲を拡大するワイドビュータイプを採用
・マルチリフレクタータイプに比べ、伸びのある配光により、高い視認性を確保するプロジェク
11
TOYOTA 自動車の G−BOOK 戦略に関する研究
ターヘッドランプを採用
(2)衝突安全
・重量の異なる乗用車同士の衝突時の共存を追求するコンパティビリティの概念を取り入れて、
GOA を進化。2トンクラスまでの相手車両との衝突における、自車および相手車相互の衝突安
全性を追求。具体的には、WiLL サイファと比べて重量車との衝突を念頭に、セルシオとの 50%
ラップオフセット前面衝突試験(50km/h)、側面衝突試験 (50km/h)、50%ラップオフセット後面
衝突試験(50km/h)という、全方位のカーツーカー衝突試験を実施し、生存空間やダミーの傷害
値において、トヨタ独自の目標を設定し、クリア。また、軽量車との衝突においては加害性を
低減するため、フロントに大型のバンパーリインホースメントを採用
・追突された時に乗員の首への衝撃を緩和する WIL コンセプトを取り入れたシート構造を前席に
採用
WIL=頚部傷害低減
・後席の左右2席には ISOFIX に対応したチャイルドシート固定専用バーを装備
ISOFIX=誤使用防止、車両適合性向上、取り付け方法の国際的統一を目的とした ISO(国際標
準化機構)規格のチャイルドシート固定方式
5)先進の環境性能
(1)Co2 削減と排出ガスのクリーン化
・Co2 削減を念頭に、高効率エンジン、トランスミッションの搭載や徹底した軽量化により、両
エンジンとも低燃費を追求。2WD 車は「平成 22 年燃費基準」も達成し、グリーン税制の自動
車税 50%軽減対象車としている
・排出ガスのクリーン化を図るため、VVT-i の採用をはじめ、三元触媒の2段配置、空燃比補償
装置、点火時期制御装置、燃料蒸発ガス抑止装置などの最適化により、国土交通省の低排出ガ
ス車認定制度における最高水準の「平成 12 年基準排出ガス 75%低減レベル(超−低排出ガス)」
を全車で達成
VVT−i=連続可変バルブタイミング機構
(2)リサイクルへの配慮
・リサイクル性に優れた熱可塑性樹脂トヨタスーパーオレフィンポリマー(TSOP)を前後バンパー、
ピラーガーニッシュなどの内外装部品に積極的に採用
(3)環境負荷物質の低減
・ラジエーター、ヒーターコア、ワイヤーハーネス被覆材などを鉛フリーとし、鉛使用量を'05
年末までに1/3以下('96 年比)に低減するという業界目標を早期に達成
2−3
走行距離課金型リース「P-Way」の商品概要
12
TOYOTA 自動車の G−BOOK 戦略に関する研究
トヨタ自動車㈱と国内金融子会社であるトヨタファイナンス㈱は、トヨタの“WiLL CYPHA”の
発売に併せて、「P-Way」を共同開発し、トヨタファイナンスを通じて10月21日(月)より取
り扱いを開始した。
本リースは、携帯電話やパソコンを用いたコミュニケーションに慣れ親しむ若者の価値観・
購買行動に合わせた新しいコンセプトのリース商品である。お客様は、通常のローンのように
車両代金などを分割して支払うのではなく携帯電話の利用料金と同様に使用(走行距離)に応
じてリース料金を支払う。月々の支払額は、基本料金と月々の使用(走行距離)に応じて変わ
る走行距離課金料金で構成され、走行距離課金料金は、“WiLL
CYPHA”に標準装備される新情
報ネットワークサービス「G-BOOK」の車載端末から送られる走行距離情報から計算される。
契約内容
・使用約束期間(「P-Way」を解約できない期間)が最初のリース契約使用約束期間経過後は、
1ヶ月リースの自動更新。 ・使用約束期間経過後、車両返却にて「P-Way」の終了。
料金体系
a.基本料金+b.走行距離課金料金〔走行距離(km/月)×単価〕
a.基本料金
・使用約束期間に応じて「スタンダードコース2年」・「ちょーとくコース3年、4年、5年」の4コース
から選択(基本料金は毎年減額) *2WD 車と4WD 車とでは料金が異なる。
b.走行距離
課金料金
累計走行距離に応じて、1kmあたりの単価を決定(単価は累計走行距離5000km到達毎に
減額) *毎月の走行距離は“WiLL CYPHA”に標準装備されているトヨタ情報
ネットワークサービス G-BOOK の車載端末により計測。
〔月々の支払い額の例〕
基本料金5.500円
+
走行距離(km/月) ×
(2WD 車「5年ちょーとくコース」
45円
(2WD 車の累計走行距離5000
1年目の月々の基本料金)
P-Way
単価
kmまでの1kmあたりの単価)
:英語の Personal(個人)と Way(距離)からの造語
3章 G-BOOK の将来
TOYOTA は今年から徐々にこの G-BOOK を搭載したクルマを発売して行く。私の見解では、この
技術は確かに画期的である。クルマの中でインターネットができるとは、数年前までは誰も車
内でパソコンを使う時代が来るとは思ってもみなかっただろう。クルマの中でショッピングや
メールができ、どこかに行くときもそこの情報を行く前に知ることができる。クルマで出かけ
る時に道案内をナビに頼ってしまっている人は多いし、今現在ナビの売上も年々伸びてきてい
る。この G-BOOK 搭載車もかなり売れるに違いない。だが人々がクルマに求めることと言えばク
ルマは単なる移動手段に過ぎないと言うことだ。確かにクルマのナビゲーションは方向音痴の
人や初めて行った場所に行くときには便利な機能であると言える。反面車の中でメールのやり
取りやショッピングなどは過剰なサービスともとれる。あえてクルマの中ですることではない。
無いよりはあったほうが良いのかもしれないが・・・。サイファは期間限定のキャンペーン価
13
TOYOTA 自動車の G−BOOK 戦略に関する研究
格のため低価格に抑えているが、G-BOOK だけでの現在の価格が50万円を超えているのにこれ
から登場するクルマも今のように価格が抑えられるとは考えにくい。最終的に世間に広まるか
と言うのはこの価格がネックになっているのに違いない。
若者には G-BOOK の操作は簡単かもしれないが高年齢の人達にとってはこの G-BOOK の操作を
簡単に出来るとは思えない。CO2 削減など排出ガスのクリーン化などは環境を考えてこれから
のクルマ全てにしなければいけない。何年も前から問題にはなっていたが未だに軽油で走って
いるクルマがいること自体おかしい。
トヨタの G-BOOK と同じような技術を他社も売り出している。ニッサンのカーウイングスやマ
ツダのマツダテレマティクス、ホンダのインターナビ・プレミアムクラブなど各社テレマティ
クスに力を入れている。これからも色々便利な技術が開発されていくだろうが本当に便利な物
を期待したい。
あとがき
G-BOOK はこれまでにあった車のナビゲーションの機能をはるかに上回っている。これまでクル
マのナビといえば後付けの物が人気で純正のナビは機能的にも後付けの物より低かった。しか
しトヨタの G-BOOK やニッサンのカーウイングスなど各社がナビゲーションの開発に力を入れ
ている。となると、これからは後付けの物より純正の物が人気となって行くかもしれない。後
付けのナビを作ってきた会社は、この純正のナビを超える機能を持ったナビを作っていかなく
てはいけない。各企業の競争が激しくなっていき、これから先ナビゲーションはどんどん進歩
して行くに違いない。
なお自分の力不足のために文章の大半が引用になってしまったことは、自分なりに大変反省
しています。
参考HP
・TOYOTA http://www.toyota.co.jp
・NEWS from TOYOTA http://www.toyota.co.jp/News/2002/Oct/nt02_114.html
・G-BOOK http://www.sage-p.com/news2002/0902-02.htm
・WiLL CYPHA http://www.will-cypha.com/pc/index.html
・auto ASCII http://www.autoascii.jp/auto24/g-book/
・ZDNet
Nwes
http://www.zdnet.co.jp/news/
・GAZOO
http://gazoo.com/
14
Fly UP