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5 シンガポール研修報告 - 福島県立勿来工業高等学校

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5 シンガポール研修報告 - 福島県立勿来工業高等学校
5
シンガポール研修報告
1
はじめに
本校は、2007 年度、文部科学省指定研究開発「スーパー専門高」
(目指せスペシャリス
ト)に指定され、研究課題として「豊かな海から学び、国際的な貢献のできる工業技術
者の育成」を設定し、研究に取り組んでいる。
今年度、生徒 6 名をシンガポール共和国に派遣し、英語での研究成果のプレゼンテーシ
ョンを行って、現地の学生との交流を深め、上記研究課題の達成を図った。
2
研修参加者
生徒
(6名)
引率教員
(2名)
3
電子科1年
緒方かれん
機械科2年 A 組
小松
達弘
永井
工業化学科2年
野口
一美
星山万里江
英語科
小島
香
工業化学科
池田
光治
政樹
穗
理沙
日程
日にち
旅程・訪問先
備考
1月6日(火) シンガポール着(深夜)
1月7日(水) クレアシンガポール事務所
プレゼンテーション練習
1月8日(木) リパブリックポリテクニク
英語によるプレゼンテーションと交流
1月9日(金)
1月10日(土)
テマセクポリテクニク
Newater
英語によるプレゼンテーションと交流
シンガポール国内研修
シンガポール発(深夜)
1月11日(日) 成田着(早朝)
4
(財)自治体国際化協会シンガポール事務所への支援依頼について
東南アジアの国との交流を計画・立案している中、当初、JAICA を通してベトナムと
の交流を計画したが、不調に終わった。
そこで、新たな交流先を探していたが、福島県生活環境部国際課の HP より、(財)自
治体国際化協会(以下クレア)シンガポール事務所を紹介した箇所を見つけ、平成 20 年
3 月に工業化学科教諭池田光治がシンガポールの工業系学校との交流支援を依頼する電
子メールを、クレアシンガポール事務所有川博徳氏に送信した。有川氏は、当初から非
常に本校に対して好意的・協力的であり、1 月 6 日~11 日の訪星の際にも、シンガポー
ル事務所の現地所員であるイーリン調査員とともに全面的に協力をしていただいた。
5
研修の内容
1月7日(水)、クレアシンガポール事務所を
訪れ、所長の生来氏、有川氏及びイーリン調査
員の前で自己紹介を行った。その後、有川氏か
ら、シンガポール共和国及びクレアの概要に関
する説明を受けた。
ローカルフードの昼食の後、事務所近傍のマ
ーライオン、エスプラネード(多目的ホール)
及びラッフルズ像を見学した。
事務所に戻り、翌日の英語による本校の研究
に関するプレゼンテーションの最終確認を行っ
図1
クレアシンガポール事務所での自己紹介
た。有川氏及びイーリン調査員からは適切なアドバイスをいただいた。
ホテルへの帰路、翌日の生け花に使用する生花を購入した。見慣れない異国の花に、
生徒達は興味を抱いたようであった。
1月8日(木)、最初の交流先であるリパブ
リックポリテクニクを訪問した。リパブリック
ポリテクニク(図 2)は、学生数 6,000 名を抱
えるポリテクニクであり、日本における高等専
門学校や短期大学に相当する。設置コースとし
ては、航空宇宙工学、バイオメディカル、デジ
タルエンターテイメント、ナノ工学、物質工学、
環境科学、アートマネージメント及びスポーツ
工学など、多岐にわたっている。学内にはアス
レチック用の施設や留学生の寄宿舎なども備
図 2 リパブリックポリテクニク全景
わり、充実している(図 3)。
リパブリックポリテクニクでは、校舎内を
Ishir 女史から案内していただいた。図書館(図
4)にはコンピュータゲームをできるブースも
あり、学生が気分転換のために使用していると
のとであった。
また化学実験室の内部も見学し、日本の学校と
の設備の差違について考えさせられた。
校舎を見学した後、本校の3つのグループに
分かれて、英語による授業に参加した。そのう
ちの一つは、交通事故で負傷した人の治療に使
図 3 アスレチック施設と寄宿舎
用する医療機器に関する講義であった(図 5)。
図 4 図書館
図 5 講義への参加
慣れない英語に戸惑いながら、何とか理解しようと日本語を交えながらコミュニケー
ションを図った。ポリテクの学生達は、日本について非常に興味を抱いており、片言の
日本語で話しかけ、お互いの国の文化や流行について話していた。
続いて、別室に移動し、ポリテクの学生から、リパブリックポリテクニクの紹介に関
するプレゼンテーションを聴いた。リパブリックポリテクニクの特徴や、特に環境に対
する取り組み、国際親善などの内容が印象に残った。
本校生の緒方が、前日に購入した生花
で生け花を披露し、ポリテクの生徒代表
に贈呈した(図 6)。ポリテクの生徒は、
日本の伝統美を目の当たりにして、その
新鮮な美しさに驚いた様子であった。
続いて、生徒6名が、英語で本校の紹
介、貝殻による重金属イオンの除去、波
力発電及び塩害による建築物への影響に
関する研究発表を行った(図 7)。
生徒は初め緊張していたが、先日の最
終確認の成果が出て、ポリテクの学生も
図 6 生け花の贈呈
図 7 研究発表
興味深そうに聴いていた。
図 8 いわきだるまの贈呈
このあと、いわきだるまの贈呈があった(図 8)。ポリテクの学生は、だるまの色の意
味や由来について説明を受け、日本の伝統工芸に大変興味を抱いたようであった。
昼食は、ポリテクの学食でポリテクの学生と共に食べた。生徒は、シンガポールのロ
ーカルフードを堪能した。
1月9日(金)の研修は午前のテマセクポリテクニク訪問と午後の NEWater 見学であ
った。
まず、テマセクポリテクニクについてであるが、生徒数は約 1300 人でコース数は 50、
おもな学習分野は応用化学、ビジネス、エンジニアリング、情報技術などである。2007
年にはシンガポール官公庁主催のシンガポール教育賞において、シンガポールで学ぶ国
際学生のベスト受け入れ先賞を受賞している。広大な敷地は緑が多く、学習環境がよく
整備されている。当日はオープンキャンパスのため解放されており、各科の紹介ブース
や研究班の発表、部活動やサークルの勧誘な
どが行われており非常に活気に満ちていた。
見学を通し、教職員と学生たちが互いに尊敬
尊重しあう関係を築いていることが感じら
れた。
訪問は、学校紹介、プレゼンテーション、
文化交流、昼食、校内見学という盛沢山の内
容であった。まず、会議室で両校の生徒たち
が各テーブルに数名ずつ座りグループを作
った。まず、タマセクの学校紹介とグローバ
ルコネクションクラブの活動紹介があった。
我々の研究目標がエコ・エンジニアを目指し
ているということに配慮してくださったこ
とに感謝したい。
図 9 テマセクポリテクの学生との交流
次に、本校の緒方による生け花の実演を
披露した。本研修にはたった一人の一年
生参加者であるが、参加の志望動機にぜ
ひ日本の文化を紹介したいとあり、短時間で
美しく生けることができるよう準備してく
れた。彼女の思いが叶えられ、注目を集めて
いる様は実に誇らしい思いがした。ここでも
図 9 テマセクポリテクとの交流
また、日本の文化に対する関心の高さをう
かがい知ることができた。
続いて、本校の学校紹介と研究のプレゼンテーションを行った。内容は前日と同様で
あったが、発表環境が異なる中、一人ひとりがよりよい発表ができるよう工夫をするよ
うになっており、6 名が日に日に成長する姿が嬉しかった。その後意見交換の時間が設け
られ、タマセクの生徒たちから質問を受けた。研究に関する質問は、教員と有川さん、
イーリンさんの援助を受けながら行ったが、日本の学校に関する質問や個人的な話題に
なるともはや心配は無用であった。テマセクの生徒の皆さんは朗らかで、本校の生徒た
ちの緊張は自然にほぐれ、まるで今日初めて会ったとは思えない雰囲気を作ってくれた。
なお、この場でいただいた質問と意見は大変貴重なもので今後の研究と活動にぜひ活用
したい。
その後、記念品贈呈や写真撮影などのセレモニーの時間を設けてくださっていた。同
校は前述の通り国際交流に積極的に取り組んでおり、ホールには多数の贈呈品などが飾
られていたが、我々の持参した「いわきだるま」もそのコレクションに加えていただけ
ることは本当に光栄である。その後、オープンスクールに合わせて学校内を案内してい
ただき、カフェテリアで昼食をとった。ここでも生徒たちの交流が盛んで、「仲良くなる
には食をともにすること」が大変効果的だと感じた。昼食後は航空工学科の実習室など
を見学し、温かい言葉をたくさんいただき再会を約束して同校を後にした。
なお、同校は我々の研究に対する
関心を示してくださり、インターン
シップを含む交換学生の受け入れに
ついての質問をいただいた。また、
翌日は交流に参加してくれた生徒た
ちが自主的に空港まで見送りに来て
くれ、さらに再会の約束ができたの
である。これを機会に訪問させてい
ただいた学校との友好関係を築き、
このプロジェクトの目標の一つであ
るアジア諸国との連携をもてるよう
努力したいと思うとともに、この研
図 10 Newater(Ⅰ)
修の大きな意義を確信した。
NEWater では 2 時 15 分からの見学
ツアーに参加した。ニューウォーターとは下水処理場で処理された水を 3 段階処理し、
飲料可能な水準まで高度処理した再利用水である。3 段階の処理とはマイクロフィルター
装置によるろ過処理、逆浸透膜装置による
ろ過処理、紫外線消毒である。ニューウォ
ーターは精密機械などの工業用水として
適しており利用されている。また、貯水池
に放水し混合すること(計画的間接飲用
化)で、住民の心理的抵抗感を軽減しミネ
ラル分を添加して上水利用されている。な
お、マレーシアからの水の輸入協定の一つ
の期限である 20011 年までには、貯水池
に放水する量を一日の消費量の 2.5%まで
増やすよう計画している。このビジターセ
ンターは 2003 年に公開され、水の大切さとシ
ンガポールが水の再利用の技術にいかに力を
図 11 Newater(Ⅱ)
入れているかを学習できる。安全管理が徹底されており、ゲートを通る際はセキュリテ
ィーの厳しさに緊張感を与えられ、暑さも手伝っていささか疲労が隠せない様子の生徒
たちであった。しかし、ツアーが始まるとまさに生きかえった。ガイドの方の話にどん
どん引き付けられ、合間の見学時間にはクイズやアトラクションなどで自然に水につい
ての理解を深めることができた。汚水からニューウォーターに生まれかわっていく過程
を自らが旅するように体験できた。生徒たちは、シンガポールが抱える水の供給問題と
その問題解決のためにどう技術力を高め取り組んできたかということを学び、大いに感
銘を受けたようである。説明は難しいところがあったので逐次通訳し見学したが、マイ
クロフィルター装置に旭化成の名前を見つけると誇らしげな表情を浮かべていた。出口
ではビジターセンターを訪れた人のみに配布されているボトルを嬉しそうに手にしてい
た。工業高校の生徒たちにとって、特に本校生は環境問題に意識を向けて研究に取り組
んでいるので、大変興味深くためになる見学となった。この点でもシンガポールを研修
旅行先に選んだ意義があったと思える。
研修参加生徒の感想
電子科1年
緒方かれん
シンガポール研修に行く前はとても不安でした。初めての海外旅行だったし、うまく
プレゼンテーションができるかなど不安と緊張でいっぱいでした。ですが、研修を終え
た今ではとてもよい経験をしたと思っています。
シンガポールはとても緑が多くてきれいな国でした。意外にも超高層ビルがたくさんあ
って驚きました。食べ物はあまり期待していませんでしたが食べてみれば美味しいもの
がたくさんありました。カレーをバナナの葉の上で食べるのに驚きました。それにすご
く辛かったです。初めて見たマーライオンは大きかったです。楽しかったことはいろい
ろなところで買い物ができことです。日本よりも安いものが多かったです。なんとか店
員さんと会話をしておみやげが買えてよかったとおもいます。ナイトサファリでは鹿が
たくさんいて困りました。(私は鹿アレルギーなのです。)
シンガポールでは色々な思い出を作ることができましたが、一番の思い出はシンガポー
ルの学校でプレゼンテーションを行い、その学校の生徒達と交流を深められたことです。
プレゼンテーションをしている時はとても緊張しましたが、上手にできたのでよかった
です。いけばなをした時はもっと緊張しました。あまりきれいに生けられませんでした
が、訪問校の生徒の人たちが喜んでくれてほっとしました。学校で昼食を食べた時、一
緒に会話しながら食べられたことがよかったです。リパブリックポリテクニクの学食で
食べたかき氷がおいしかったです。また、学校を出る時見送りをしてくれたことに感激
しました。テマセクポリテクニクの生徒達は、日本に帰る時にも空港まで来てくれまし
た。嬉しいのと同時にとても驚きました。その時も会話を楽しむことができました。と
ても親切でいい人達だったと思います。日本に帰る時は少し寂しい感じもしましたが、
良い経験ができたなという満足感でいっぱいでした。
私は二度と体験することのできない貴重が思い出を作れたと感じています。1 年生はた
った一人の参加者で悩んだ時期もありましたが、シンガポールに行くことを決めてよか
ったと思います。これらの思い出を忘れずに、これからの学校生活もがんばっていきた
いです。
機械科2年 A 組
小松達弘
今回、ぼくは 1 月 6 日から 11 日まで学校派遣事業の代表としてぼくを含め 6 人の友達
と小島先生、池田先生と一緒にシンガポールへ行ってきました。最初、シンガポールへ
行く前はあまりスピーチの練習にも行かず集中して練習できなくて、先生達に迷惑ばか
りかけていました。でも、自分は学校の代表としてシンガポールへ行くのでこのままで
はいけないと思い、ちゃんと練習するようにもなりました。冬休みに入ってからは家と
学校できちんとスピーチの練習をやり、わからない単語を先生に質問したりして、プレ
ゼンテーションがうまくできるように、内容がよく伝わるよう工夫して練習しました。
そしてシンガポール出発の時、僕は少し緊張しながら空港に向かいました。約 8 時間飛
行機の中にいて機内では約半分は映画を見ていたりしました。シンガポールに到着した
のが夜中の12時近くだったので、ホテルについてすぐ寝ました。翌朝 1 日目は、クレ
アの人たちと一緒に街を見学したり昼食を食べたりしてとても楽しい日になり、日本と
は違う文化を体験できてよかったです。3日目と4日目はシンガポールの学校と交流し
たり、発表が終わってからは街を観光したり、またナイトサファリにも行きました。
3日目に行ったリパブリックポリテクニクはとても広く、勿来工業高校とはくらべもの
にならないくらい施設が整っていました。シンガポールの学校を見て感じた日本の学校
との一番の違いは、いろいろな人種の人たちがいることでとても驚きました。日本の学
校はほとんど日本人だから何か違うという感じを味わえました。また、人種差別が問題
になっているけど、シンガポールではみんな仲が良くて、僕から見たシンガポールの印
象は平和でとてもいい国だと感じました。授業面でも日本と違うところがありました。
それはリパブリックポリテクニクでは授業に参加させてもらいましたが、1 時間ごとに科
目が変わるのでなく、1 日かけて先生から出された環境問題などをインターネットなどを
使って調べたり、先生に質問して解決し、その改善点をみんなで話し合いをしながらま
とめ、最後にパワーポイントをプレゼンテーションを作るという授業でした。
3 日目に行ったタマセクポリテクニクもとてもいい学校で、みんな初対面なのにとても
親切で話しやすかったです。グループに分かれて話しをしたり、写真を撮ったり、オー
プンキャンパスを案内してもらったりしました。
その他、学校見学を終えてからシンガポール独特のご飯を食べたり、街を見学して日
本とは違う文化を直接感じられてとてもいい経験になりました。4日目の夜にはナイト
サファリに行き、日本では見られない動物を近い距離で見ることができました。夜の動
物を見るのは初めてだったのでとても楽しく新鮮でした。
最終日にはセントーサ島に行ったり、街を見学したりしました。シンガポールを 4 日
間かけて満喫し、帰国の準備をして空港に着いて、タマセクの友達が見送りに来てくれ
た時はとても嬉しくて涙が出そうでした。たった 1 日で友達がたくさんできて、しかも
言葉も違う中で僕は単語をつなげて通じるかわからない英語を話していたのですが、シ
ンガポールの友達が笑ってくれて、とても感動して何か通じ合うところがあったと思い
ました。
シンガポールへ行く前は練習がうまくいかなかったりして、
「シンガポールに行きたく
ない」と言っていた自分が、外国の人と交流をし最後日本へ帰る時は「このまま残りた
い」そういう気持ちになっていて、自分でもびっくりしました。普段学校や家にいる時
や友達と遊んでいる時とは違って、実際に外国に行って違う文化の中で生活し、交流し
たりしてすごく新鮮でした。高校生活の中でとてもいい経験ができたし人生の中のいい
思い出として残っていくと思います。ぼくはこの5泊6日の中で学んだことがたくさん
あります。たとえ言葉が違っていても通じあいたいと思えば通じあえて、何か共感でき
るんだと特に思いました。シンガポールの人達はみんな親切で街に出るだけで話しかけ
てきてくれて元気がもらえました。シンガポールに行って本当によかったって今も思え
ます。そして、成長できたと思えます。
最後に、小島先生、池田先生ありがとうございました。
機械科2年 A 組
永井政樹
シンガポールを訪れる前のイメージは、「きれいな国」というものでした。実際に訪れ
てみると、街中には必ずといっていいほど緑がありました。本当にきれいな国でした。
私は、英語力が未熟なので、会話ができるか不安でした。しかし、訪問したポリテク
には日本語が話せる学生がいたため、なんとか会話をすることができました。
この研修では、日本では絶対に味わうことのできないことを経験できました。一番感
動したことは、まだ会って間もないテマセクポリテクニクの学生達が空港まで見送りに
来てくれたことです。日本では、社交辞令で「見送りに行く」とは言っても、実際には
なかなかできないと思います。シンガポールの学生達は、とてもフレンドリーで親しみ
やすく、心の温かさを感じました。
シンガポールは、人と接することに重きをおいた文化があると思いました。今回の研
修では、表情や言葉のイントネーション、体で表現して相手と交流することを体験しま
した。自分が考えていることや思っていること、全てが相手に伝わっていくことを強く
感じました。完璧な英語を話すことができなくても、相手に伝えたいという強い意志が
大事だと考えるようになりました。
テマセクポリテクニクの学生達は優しい人ばかりでした。クレアシンガポール事務所の
有川さんやイーリンさんにはとてもよくしていただき、感謝しています。今回の研修で
お世話になった方々に感謝する気持ちを忘れず、自分の将来に向けて頑張ろうと思いま
す。
工業化学科2年
野口一美
1月6日から11日までのシンガポール研修は、私にとって大きな経験になり、一生
の思い出になりました。研修のメンバーに選ばれてから、毎日放課後残って、英語のプ
レゼンテーションの練習をしました。英語でのプレゼンテーションは経験がなかったの
で、どのようにしたらよいか分からなかったので、教頭先生はじめ、いろいろな先生方
にご指導をしていただきました。工業に関する専門的な英単語も多く苦労しましたが、
一生懸命練習しました。
シンガポール研修の2日目に、リパブリックポリテクニクを訪問しました。とても大
きな学校で、驚きました。ポリテクの学生達と一緒に授業を受け、日本とは授業の進め
方が異なり、興味深かったです。言葉は完全には理解できませんでしたが、ポリテクの
学生達が優しく丁寧に話してくれたので、なんとか理解することができました。心で会
話をすれば、相手に伝えることができると学びました。英語でのプレゼンテーションは、
とても緊張しました。また、初めてだったので、うまくできるか不安でした。英語で話
していて、英語が通じているか、声は聞こえているなど心配でしたが、やり終えたあと
は達成感と自分なりの反省がありました。練習の時はできていた、聞いている人たちを
見ながら話すことができませんでした。レーザーポインターを使ってスライドの画像を
示せたことはよかったと思います。
3日目にはテマセクポリテクニクに行き、学生と交流しました。一緒に食事をしなが
ら話をして、学内を見学しました。プレゼンテーションは2度目だったので、あまり緊
張しませんでした。みんな真剣に聴いてくれ、席に戻るときには拍手されました。とて
も嬉しくて練習しがいがありました。
日本に戻る日に、リパブリックポリテクニクの学生達が空港まで見送りに来てくれま
した。一緒に写真を撮り、プレゼントもいただきました。とても仲良くなったので、日
本に戻りたくないと思いました。
この研修を通していろいろなことを学びました。これから自分の進路などに活かして
いきたいです。
工業化学科2年
星山万里江
私たちは、池田先生、小島先生、2 年生 5 人、1 年生 1 人で海外研修に行ってきました。
1 月 6 日から 1 月 11 日の 4 泊 6 日でシンガポールに滞在しました。海外研修の目的の一
つはシンガポールの学生との英語での交流でした。そのために、先生の指導のもと英語
で研究発表をする練習を重ねました。出発当日も練習をして、最後の調整をしました。
シンガポールに到着したのは真夜中でした。その日は成田までの長時間のバスでの移動
と飛行機の長時間のフライトでだいぶ疲れていたのを覚えています。その日はすぐにホ
テルに帰って次の日に備えました。
2 日目はクレア事務所に行きました。そこでシンガポールについてのプレゼンテーショ
ンを聞きました。シンガポールのことが少し理解できたと思います。その日は念願のマ
ーライオンも見ました。初めて見るマーライオンはすごい迫力で感動しました。写真も
いっぱい撮ったし、ずっと見ていても全然飽きなかったです。それから、プレゼンテー
ションの予行演習もしました。本番みたいでとても緊張しましたが、自分なりによい発
表ができ、またクレアの方々に聞いていただいたことで自信がつきました。明日はもっ
とうまくできるように、気をつけてがんばろうと思いました。それから、夕食に食べた
カレーは辛かったけどおいしかったです。その日はホテルに帰ってからも自分のプレゼ
ンテーションをビデオで見たり、原稿を読み直したりして翌日に備えました。
3 日目はいよいよプレゼンテーション本番でした。この日訪問したリパブリックポリテク
ニクはすごく広くて最新の設備も整っていました。カフェテリアと庭の間に水が張って
あってリラックスできて、本当にすばらしい環境でした。建物の中もすごくきれいでし
た。学生たちは一人一台ノートパソコンを持ちオンラインで勉強していました。授業に
も参加させてもらい、内容はすごく難しくて理解できませんでしたが、とてもよい体験
ができました。午後からプレゼンテーションを行いました。日本では満足のいく練習が
思うようにできなかったし、暗記できなくて不安でいっぱいでした。もし、通じなかっ
たらどうしようかとも思ったし、間違ったりしたらいやだと思いました。でも学生のみ
んなが真剣に聞いてくれたのでよかったです。
4 日目はタマセクポリテクニクを訪問し、プレゼンテーションをしました。昨日よりプ
レゼンテーションを聞いてくれる学生の数が多くてやる前は緊張しました。工業化学の
発表は専門用語だらけの難しいもので、内容が伝わるか心配でした。でも、発表後には
私たちが行っている実験の中で貝殻を粉にする方法などについての質問もしてくれて、
すごく嬉しかったです。それから、オープンキャンパスを案内してもらったのですが、
課題研究の発表や学科紹介色々なものを見せてもらいとても興味を持ちました。学生た
ちと交流する時間もたくさんあって、大変楽しい時間を過ごすことができました。2日
間、いけばなとだるまをすごく気に入ってくれたようです。
6日間、充実した毎日を送ることができました。言葉が通じなくても、国籍が違って
も、そんなことは関係ないと思いました。一生懸命に伝える気持ちがあれば、相手もそ
れに応えてくれるんだと思うことができました。プレゼンテーションはうまくできたか
どうかはわかりませんが、自分なりに頑張ることができたので満足しています。シンガ
ポールは、食べ物はおいしいし、緑は多いし、物価も安いし、それに温かい人ばかりで
本当に最高です。日本に戻ってきたとき、飛行機から見た夜明けの景色も最高でした。
二度と経験できないことだと思います。貴重な経験でした。いつまでも忘れたくありま
せん。大人になって、この経験が何か意味のあるものになっていればいいと思います。
応募するときは勇気がいりましたが、行ってよかったです。楽しかったです。でも実は
すごく疲れました。
工業化学科2年
穂積理沙
私はシンガポール研修中、とても充実した時間を過ごしました。
シンガポールに行くまでのプレゼンテーションの練習は、厳しい指導もあり、悔しく
て泣きたくなることもありました。しかし、途中で挫折しなくて本当によかったと思い
ます。
研修初日は、クレアシンガポール事務所に行きました。クレアの有川さんとイーリン
さんには、研修中大変お世話になりました。事務所の会議室の窓から見た景色がすごく
きれいだったので、思わず写真を撮りました。有川さんとイーリンさんにクレア事務所
周辺を案内してもらいました。私が、シンガポールを訪れたら絶対に見たかったマーラ
イオンがある公園に連れて行ってもらいました。この公園にあるマーライオンは小さい
方だと聞き、驚きました。いろいろ見てまわった後、事務所に戻り、英語でのプレゼン
テーションの練習をしました。有川さん達にもアドバイスをいただくことができました。
研修2日目は、リパブリックポリテクニクを訪問しました。1時間だけ授業に参加しま
したが、とても難しくあまり理解できませんでした。それから会議室でプレゼンテーシ
ョンを行いました。緊張しましたが、うまくできました。昼食は学食で食べましたが、
シンガポールのローカルフードを楽しみました。
3日目はテマセクポリテクニクを訪問しました。この学校の学生とは大変仲良くなり
ました。リア、ナディア、ゆうし、ダイアナなど、沢山の人たちと交流できました。プ
レゼンテーションも真剣に聴いてもらったので、よかったと思います。学生との交流を
通じて思ったことは、「言葉の壁」です。どんなに伝えたいことがあっても、なかなか伝
えることができず、悲しい思いをしました。英語を勉強する必要性を感じました。午後
は、Newater という浄水施設を見学しました。屎尿を含む排水の浄化システムを見学し
て、あらためて水の大切さが分かりました。
4日目、帰国のため空港で荷物を預けているとき、テマセクポリテクの学生達が見送
りに来てくれました。その中でも、リアは私たちにとてもよくしてくれました。ゲート
を通ってからも、ずっとずっと私たちを見てくれていました。私は泣きそうになりまし
たが、我慢しました。泣いてしまうと、日本に帰りたくない気持ちが強くなると思った
からです。言葉は通じなくても、心の温かさは伝わってきました。
4泊6日はあっという間でした。今まであまり話したことのない人達とも仲良くなれ
たと思います。先生方には迷惑をかけてしましましたが、これからもよろしくお願いし
ます。この研修を通して、参加した生徒は成長したと思います。支えてくれた方々に感
謝します。
For Success in the Study Trip to Singapore
Kaori KOJIMA
Teacher of English, NTH
I hope the Japanese report on the previous pages shows how fruitful the trip to
Singapore was to our students.
students work out this program.
The following report describes how I managed to have
The crucial factor to making such a program succeed
is understanding that we should allow the students to fully enjoy and have a sense of
achievement from this trip.
The main goal of our project was to “to nurture industrial engineers who will be able to
make contributions to the international society by learning from the riches of the sea.”
To achieve this goal, students needed ability to communicate in English and share ideas
and research with students overseas.
of time for preparation was limited.
What could I have done for them?
The amount
In the case of my students, it was not enough to
only like or be good at English to achieve the goal, because at the same time they need
to be knowledgeable in their research and be able to express it in English.
Moreover,
most students hated English and would not want to go overseas, even for their
honeymoon trip in the future.
But, I thought that by letting them have fun, they would
be able to achieve the preliminary goal.
My initial preparation for the Singapore trip started with an English conversation circle
for students who were selected by homeroom teachers.
activities and brushed up on their ability.
They enjoyed communication
Gradually, they seemed to have less
hesitation in trying to speak, even if it meant making the occasional mistake.
Before moving on to the next step of making the presentation in English, I thought they
needed to know the importance of non-verbal communication, to help them be
understood in any language, since eventually they will meet various people with
different cultural backgrounds and different ages.
So, one day, I took them to a
preschool to play with children in English as a kind of volunteer job.
Young children
are undoubtedly native and react straightforwardly to others on how they feel, therefore
it was a wonderful chance to allow students to try the English they learned through the
circle activities, and see how the preschoolers react.
I was glad to see that children
were happy and that my students became more confident to use English they have
learned. I believe this was the deciding factor in beginning the “Delivery Class”
system to elementary school which has been done by students of each faculty this year.
To select only six students for the trip to Singapore was a tough decision for us.
We
wanted to give equal chance to every student, so we announced that we were making
this selection to all the students in the school. Participants had to pay the balance
which the subsidy from school couldn’t cover. There were less applicants than we had
expected, but I was proud that all the final participants had strong will to experience
something new.
After the trip, they gave reports on it and made a PowerPoint
presentation on their research in English in our school gym.
with much interest and in a good manner.
Other students listened
I hoped that many students thought, “If I
had applied, I could have done as well as them!” and it would become a trigger to
motivate them both in technical engineering study in English learning.
When I had the students make their presentation in English, the students found it
difficult to make it in plain English when the research motivated so many technical
terms.
So, we Japanese teachers of English, together with our native-speaking teacher,
Steven-sensei, translated and modified the students’ PowerPoint presentation into more
easily accessible English.
It was not difficult to make participants practice their presentation.
I think this is
because the time we spent on preparation and research motivated them to really want
to do well. They asked teachers for advice on what kind of questions to prepare for
Singapore.
They had to actually depend on Ikeda-sensei when they were asked
technical questions from the Polytech and Temasek students.
However, our students
were amazingly at getting along with the students from Singapore during their short
visit.
I still remember one student said to me contentedly with smile ,”Have I
changed?”, looking back again and again to new friends of Temasek who were waving
hands at the immigration gate.
Now, we are still staying in touch with some of the
Singaporean students via email.
We may even have the possibility of welcoming
students from Temasek in the future with their great interest in clean energy.
Sharing research with students in Singapore was a wonderful experience for our
students, and their motivation to study further definitely rose.
In addition, Singapore
is worth visiting for our students to get a grip on diversity. For example, even food
shows a certain fact of cultural diversity. People share values and have created an
advantage from their differences.
I can confidently say that it was also a meaningful
program for future eco-minded engineers both in Japan and in Singapore.
We are very grateful to have had this wonderful opportunity.
Singapore Trip Preparation
Steven Entwisle
While the initial plan to go to Vietnam in order to share student’ research fell through
for the original students a new opportunity arose in Singapore.
Preparation for the Singapore trip first required the students to go through an
interview process. There was a good degree of interest in the trip and it was no easy
task to select just six students to present in Singapore. The students were asked basic
questions to access their fluency, ability and potential in English after which I
recommended the most able. Two boys, Tatsuhiro and Masaki, and four girls, Risa,
Marie, Hitomi and Karen, were then selected by the principal based on the
recommendations given.
One of my main jobs at this time was to modify the JTE translation of the PowerPoint
presentations supplied from the various departments into more accessible English.
Over the course of several months, once or twice a week after school, the students and I,
with the guidance of Kojima sensei, would practice conversation skills. And once the
translation of the various departments’ projects was completed, we practiced the
pronunciation necessary for the presentations. The students made a really strong effort
and achieved a lot in the short amount of the time. I hear they did quite well in
Singapore-as well as having a good time.
I enjoyed my time helping the students and am thankful for the rare opportunity to
have gotten to know a few of the students of Nakoso Technical High School than I
otherwise would.
( Steven Entwisle was an ALT visiting NTH from 2006 to 2009 once a week.)
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