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東電 時事通信 2016年3月17日(木) 2

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東電 時事通信 2016年3月17日(木) 2
2号機原子炉も宇宙線調査=福島第1、燃料デブリ確認で―東電 時事通信 2016年3月17日(木) 21時33分
東京
電力は17日、福島第1原発2号機でも、宇宙線を利用した原子炉の内部調査を実施すると発表した。事故時に溶け落ちた
核燃料(燃料デブリ)の位置や形状を把握できる手掛かりを得るのが目的で、核燃料取り出し手法の検討に生かしたい考え
だ。22日にも始める。数カ月かかる見込み。東電によると、調査では、宇宙から降り注いでいる宇宙線が大気と衝突した際
に生じる「ミュー粒子」を観測する装置を使い、原子炉内を「透視」する。核燃料などを測定画像に黒く浮かび上がらせること
ができるという。
<福島原発事故>集団訴訟の福島地裁が線量高い区域など検証 毎日新聞 2016年3月17日(木) 20時39分
東京
電力福島第1原発事故当時、福島県や隣県に住んでいた約3900人が東電と国に原状回復や慰謝料を求めている集団
訴訟で、福島地裁(金沢秀樹裁判長)は17日、放射線量の高い帰還困難区域にある原告の自宅などを現場検証した。原
告弁護団によると、原発事故を巡る訴訟で現場検証を実施したのは初めて。裁判官3人と原告、被告双方の弁護士ら計約
50人が防護服やマスクを着用し、全町避難が続く福島県双葉、浪江、富岡の3町を訪問。裁判長らは動物に荒らされて家
具が散乱し、異臭漂う原告の自宅内を見て回った。双葉町では無人で静まりかえったJR双葉駅前も歩き、商店や住宅の壁
が崩れた現状なども確認した。双葉町から同県いわき市に避難している原告の福田祐司さん(67)は検証後、「家や土地を
放置したまま古里を追い出された苦痛が今も続いていることを裁判官に分かってもらえた」と話した。浪江町の原告で畜産
家の佐藤貞利さん(68)は、飼育していた牛約150頭の大半が避難中に餓死したことを裁判官に牛舎で説明。「牛の無念
を晴らすためにも心のこもった判決をお願いしたい」と述べた。訴訟で原告側は、避難指示区域の避難者のうち40人につ
いて、古里を失った慰謝料として1人当たり2000万円を請求。放射線量を事故前の状況に戻し、それまでの間は原告全員
に1人月5万円の慰謝料を支払うよう求めている。【土江洋範】
原発への信頼不十分=「依存度下げるが欠かせず」―林経産相 時事通信 2016年3月17日(木) 20時8分林幹雄経済
産業相は17日、経産省で大手電力会社の社長らと会談し、原子力発電について「依存度は下げていくが、欠かすことがで
きない」と指摘した上で、「社会の信頼を高めることが原子力政策の出発点だ」と強調した。
また、現在の原子力発電は
「地域社会や国民の信頼を十分得るには至っていない」との認識を示し、各社長に原発事故に対処する緊急時対応チー
ムの充実などを求めた。
原発事故集団訴訟
裁判官が異例の現地検証 日本テレビ系(NNN) 2016年3月17日(木) 18時45分
東京電力・福
島第一原発事故をめぐり、被災者約4000人が国と東京電力に対し、事故前の生活に戻すよう求めている裁判で、福島地
方裁判所は17日、被災地を訪れ、検証を行った。福島地裁の裁判官が17日に訪れたのは、避難区域に指定されている
福島県の浪江町と双葉町、富岡町の3つの町。原発から約10キロの距離にある浪江町では、原発事故により、飼育してい
た約150頭の牛を置き去りにせざるを得なかった原告の牛舎や自宅で、被害の状況を検証した。原告・浪江町で畜産営ん
でいた佐藤貞利さん(68)「もどかしさと悔しさですね。こういうことを行ってもらったのは前に進んだのかな」
また、原発が
立地する双葉町では、無人となった商店街を見た他、帰還困難区域にある別の原告の自宅を検証した。福島第一原発事
故をめぐって裁判所が現地検証を行うのは、今回が初めて。■改めて裁判を整理
この裁判は、福島第一原発事故で被
災した福島県内外の約4000人が、国と東京電力に対し、事故前の原状回復とそれができるまでの間の賠償を求めて、福
島地方裁判所に訴えを起こしたもので、原発事故をめぐる訴訟の中でも、規模が最大のもの。原告側はこれまで、「原発事
故前まで長年生活していた住宅や庭、風景や環境などを現地で五官を使って感知する必要がある」として、裁判所が被災
した現地を実際に訪れ、検証を行うよう求めてきた。これに対し、国や東京電力は、「客観的な証拠としては写真や文書で
十分だ」「精神的な苦痛や放射能への不安は法廷での本人尋問で明らかにできる」などとして、裁判所が現地で検証を行う
必要はないと主張していた。こうした中、福島地裁は原告側の求めを基本的に受け入れた上で、「原告の数が非常に多く、
住んでいた地域も多岐にわたる」などとして、検証の必要性を認め、17日に行った。こうした裁判所による現地検証は、これ
までにも、水俣病や新潟水俣病などの公害訴訟や、アメリカ軍基地の騒音訴訟などで行われている。福島地裁は今後、原
告たちが暮らす福島市の仮設住宅なども実際に訪れて検証を行う考え。
<宮城指定廃>栗原市長「一般廃棄物扱い筋違い」 河北新報 2016年3月17日(木) 16時35分
東京電力福島第1
原発事故で発生した指定廃棄物などの処理方法などを話し合う19日の宮城県の市町村長会議について、佐藤勇栗原市
長は16日の定例記者会見で「国の基準の1キログラム当たり8000ベクレル以下を一般廃棄物として処理することが主要な議
題になるようだ。筋が違う」と環境省や県をけん制した。佐藤市長は「県は一般廃棄物をどうするか考えようと言ってきた。国
と東電の責任でやるべきなのに、県が環境省の言い分を代行しているように見える」と県の姿勢を批判。市町村長会議で
「村井嘉浩知事は(市町村と国の)どちらを向いているのか、という話をするつもりだ」と述べた。指定廃棄物の再測定の結
果、環境省は2月、国の基準を下回る汚染稲わらなどが増えたと県に報告。佐藤市長は「市の一般廃棄物を処理するクリー
ンセンターの稼働率は、ほぼ100%。(環境省が主張するように)混焼する余裕はない。自治体の責任で処理させようとする
のは、どだいおかしい」と現実的ではないとの認識を重ねて示した。最終処分場については「選定方法や立地基準など原
点に戻って考えるべきだ。もう一度議論すべきではないか」と、あくまで候補地を返上する考えを強調した。◎被ばく防止
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市民団体も要望
栗原市内の市民団体で構成する「最終処分場候補地の白紙撤回を求める栗原市民団体連絡会」は16
日、市に対し、市内などで続く汚染稲わらの一時保管について、住民の被ばく防止と汚染拡散の安全対策を国や県に要
請するよう求める要望書を提出した。ほかに、汚染稲わらの中長期的な分散保管や国の基準値1キログラム当たり8000ベク
レル以下の汚染物にも、国の責任で対処するよう求めた。鈴木健三代表らは市役所で「佐藤勇市長の詳細調査不要、候
補地返上の方針を全面的に支持する。問題解決の先頭に立ってほしい」と、菊地昭彦市市民生活部長に要望書を手渡し
た。東京電力福島第1原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場建設問題などをめぐって県が19日に開く市町村長会
議を前に、連絡会が要望書の提出を決めた。
<東電>炉心溶融の基準、発見の経緯焦点に…検証委初会合 毎日新聞 2016年3月17日(木) 13時19分
東京電
力が福島第1原発事故の際、核燃料が溶け落ちる炉心溶融(メルトダウン)の判断基準を定めた社内マニュアルの存在に
気付かず、炉心溶融の公表が遅れた問題で、経緯を検証する東電の第三者検証委員会が17日、東京都内で初会合を開
いた。東電は「5年間、誰もマニュアルに気付かなかった」と説明しており、事故時のマニュアルの扱いや「発見」の経緯が焦
点だ。会合に出席した広瀬直己社長は「判断基準がないかのように説明していた。おわびしたい。なぜ長い間気付かなか
ったのかなど、厳正に調査していただきたい」と述べた。検証委は、元仙台高裁長官の田中康久弁護士が委員長を務め、
元京都地検検事正の佐々木善三弁護士、元最高裁司法研修所教官の長崎俊樹弁護士が委員となる。東電社員からの聞
き取りを中心に調査を進める。東電は事故から約5年が経過した今年2月24日にマニュアルを「発見」したと発表。このマニ
ュアルで炉心溶融は「炉心損傷割合が5%超」と定義され、これに従えば事故3日後に判定できたが、東電が1~3号機の
炉心溶融を正式に認めたのは約2カ月後の2011年5月だった。【鳥井真平】
規制委が批判した原発記事
朝日が見解掲載 産経新聞 2016年3月17日(木) 11時52分
原子力規制委員会が、
九州電力川内原発(鹿児島県)周辺に設置された放射性物質の観測装置の「整備が不十分」と報じた朝日新聞14日付朝
刊の記事に対し「誤解を生ずる恐れがある」として謝罪や訂正記事を求めている問題で、朝日は17日付朝刊で、「(観測装
置は)避難させる大切な指標となる」とした見解を掲載した。朝日の14日付記事は、川内原発周辺に設置された観測装置
のうち、半数が「事故時の住民避難の判断に必要な放射線量を測れない」とした。しかし、規制委は「機能が違うだけ。低線
量を測る装置と、高線量を測る装置を組み合わせて設置しており、避難判断のために全体をカバーしている。(朝日の記事
は)立地自治体に無用な不安を与え、非常に犯罪的だ」と批判。朝日が謝罪や訂正記事を出さなければ今後の取材対応
はしないとした。朝日の17日付記事では、「自治体の避難態勢が少しでも充実することを目指して掲載したもの」とした上で、
高線量の装置が「配備されているかどうかに注目した」と説明している。朝日新聞広報部は産経新聞の取材に対し「当該記
事については複数回、原子力規制庁幹部に取材を重ねた」とコメントした。
東電、メルトダウンの公表遅れを謝罪
検証委が初会合 朝日新聞デジタル 2016年3月17日(木) 11時35分
東京電
力福島第一原発事故で東電が社内マニュアルにある炉心溶融(メルトダウン)の判断基準に気付かず公表が遅れた問題を
調べる第三者検証委員会の初会合が17日、東京都内であった。会合に先立ち、広瀬直己・東電社長は「福島の方々に長
い間不便をおかけし、新潟県の技術委員会には間違った説明をしてしまった。おわび申し上げる」と謝罪し、「厳正に調査
をしていただきたい」と述べた。検証委は、田中康久氏、佐々木善三氏、長崎俊樹氏の弁護士3人で構成。委員長の田中
氏は「東電からの情報が十分でなかった指摘がある。どうあるべきかも含め検討しなければいけない」と語った。会合は非公
開。今後は東電社員の聞き取りや資料の確認を通じ、炉心溶融をマニュアル通りに判定できなかった理由や、事故検証を
行っている新潟県の技術委員会に誤った説明をした経緯や原因を明らかにする方針。
「アサリ漁」4月にも5年ぶり復活
相双漁協、計画案を提出へ 福島民友新聞 2016年3月17日(木) 11時34分東京電
力福島第1原発事故により漁自粛を余儀なくされている相馬市・松川浦でのアサリ漁再開に向け相馬双葉漁協は、18日に
開かれる試験操業検討委員会に計画案を提出する。検討委や県漁連の組合長会議などで承認されれば、4月にも5年ぶり
にアサリ漁が復活する見通しだ。アサリの漁期は4~8月で、同漁協は組合員約90人が試験操業に参加すると想定している。
2009(平成21)年に採れたアサリは約77トンで、漁獲高は約3370万円。東日本大震災の津波で松川浦の地形が変化したた
め、アサリの生息数が見通せない部分もある。潮干狩りの再開について同漁協はまだ具体的な協議を始めていないが、ア
サリ漁の再開が地元にもたらす期待感は大きい。同漁協によると原発事故前、潮干狩りシーズンの3~8月には、松川浦に
例年約3万人が詰め掛け、最盛期には1日で5000~7000人が訪れた。潮干狩りの参加料だけで年間約3000万円の売り上
げがあり、市に大きな経済効果をもたらした。地元の食文化を支えたほか、現在は自粛中の青ノリの養殖とともに同市の観
光資源の柱となっていた。県水産試験場が12年1月から行っている調査によると、松川浦の土に含まれる放射性セシウム濃
度は徐々に下がっている。開始直後は1キロ当たり3000~4000ベクレルの場所もあったが、13年以降はおおむね同300ベク
レル前後。アサリの放射性物質濃度は14年以降、検出限界値未満が続いている。
規制委と四電社長会談
伊方原発の安全向上テーマ 愛媛新聞ONLINE 2016年3月17日(木) 11時31分四国電力の
佐伯勇人社長は16日、東京・六本木で原子力規制委員会の臨時会議に出席し、田中俊一委員長らと伊方原発3号機(愛
媛県伊方町)の安全性向上をテーマに意見交換した。規制委は安全への姿勢を明確にしてもらおうと電力会社トップとの
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意見交換を続けており四電とは2014年11月の千葉昭社長(当時)以来2回目。他の委員や四電幹部らも同席した。佐伯社
長が設備強化や運転訓練による所員の能力向上といった安全性向上へのハード、ソフト両面の取り組みを説明し質疑応
答した。更田豊志委員は、原子力事業者の中で比較的小規模な四電に原子力に関わる人材の厚みをどう確保していくか
質問。四電側は「厚みは要員数だけではない。訓練や経験を積ませて一人一人の質を高め厚みを増す」と主張した。「私
は素人」と繰り返す佐伯社長に更田委員が「専門家ではないという意味だろうが全体の指揮を執るトップが言うと不安を招
く」と今後は慎むように促す場面もあった。一方、佐伯社長は規制委に対し「(新規制基準の適合審査を全国で)26基申請
し許可が5基。後ろに行列ができている。効率的な審査をしてほしい」と要望。更田委員は「効率的な審査には申請側が自
ら安全性を語れる態勢を確立することが重要」と指摘した。
<最終処分場>首長会議一転非公開に
なぜ? 河北新報 2016年3月17日(木) 10時36分東京電力福島第1原発
事故で発生した指定廃棄物の最終処分場建設問題で、宮城県は16日、19日に仙台市で開く市町村長会議の議論を非公
開にすると発表した。環境省や県はこれまで計8回の会議を主催したが、肝心の議論が非公開になるのは初めて。県は「率
直な意見を聞くため」と説明するが、出席する首長から意図をいぶかる声が上がる。今回は環境省が、放射能濃度再測定
で基準値(1キログラム当たり8000ベクレル)を超える指定廃棄物が当初の3分の1に減ったとする結果を報告。一般廃棄物
として市町村が処理責任を負うことになる8000ベクレル以下または未指定の廃棄物の扱いなどについて、35市町村長らが
県の進行で議論する。県は報道機関の取材は環境省の説明までとした。村井嘉浩知事は理由を「本音で議論するため。
終了後に取材に応じ、議事録も公開する。議論の透明性も重要だが、問題の早期処理に向けどうするか考えた」と説明す
る。昨年12月の前回、処分場の建設候補地となっている栗原、加美、大和の3市町はそろって返上を訴えた。佐藤勇栗原
市長は「原点に帰って白紙に戻すよう要請したが、変えられないなら断固反対する」と従来姿勢を強調。「公開非公開を決
めるのは県だが、少なくとも3候補地の発言は公開にすべきだ」と語った。猪股洋文加美町長は「公開の原則を貫いてきた
ので今回も公開と思っていた。非公開にする真意を測りかねる」と首をかしげる。布施孝尚登米市長は「マスコミを意識せず
話せるようにするための判断だと思う」と理解を示しつつ、「会議は公開が原則。ずっと非公開が続くことはないだろう」と述
べた。「非公開なら逆に事態が進展するのでは」。風間康静白石市長は皮肉を交えながら「国も首長も本音が言えるかもし
れない。廃棄物を抱えていない首長も自分のことのように考えてほしい」と求めた。
飯舘村がモニタリングポスト88基運用開始 福島民報 2016年3月17日(木) 10時11分東京電力福島第一原発事故で
全村避難している福島県飯舘村は16日、村内に設置した空間放射線量測定器「モニタリングポスト」88基の運用を始めた。
国と県は村内で計53基を稼働させているが、よりきめ細かい状況を知りたいという住民の要望に応えた。復興庁から交付
金約1億2200万円を受け、高さ1メートルの空間放射線量を24時間計測する機器を購入した。除染廃棄物の一時保管場
周辺に取り付けた。マイクロシーベルト単位で1時間ごとの空間放射線量を電光掲示板に表示し、村のホームページで数
値を公表する。運用開始を記念した式典が村本庁舎で行われた。関係者約30人が出席し、菅野典雄村長があいさつで
「村民の不安解消につなげたい」と期待した。
女性暴行、外国人投入…除染作業員デマ拡大 河北新報 2016年3月17日(木) 10時6分東京電力福島第1原発事故
の影響を受ける福島県の相馬地方で、除染作業員に関するデマが収束の気配を見せない。「女性への暴行が頻発」「外国
人が多数投入される」といった内容だ。背景に防犯などへの住民の不安があるとみられ、自治体などが巡回強化などに努
めている。最も多く出回っているのが性犯罪のうわさだ。「介護を受けている高齢者も狙われた」「被害女性が自殺した」など
多様なパターンがあり、真実と誤認している住民も少なくない。南相馬市内でリサイクル業を営む女性(67)は「女性だけの
集まりなどでよく話題になる。内容が具体的なのですっかり信じていた」と驚く。相馬地方の刑法犯認知件数は減少傾向に
あり、統計上、治安は向上している。南相馬署によると昨年、除染作業員が女性に危害を加えた事件は2件。1件はパチン
コ店内で体を触った事案で、もう1件は性的な犯罪ではなかった。同署は「公的な相談窓口などに照会しても、悪質な性犯
罪被害は確認できていない」と話す。現在、相馬地方には8000人超の作業員が宿舎などに暮らしている。昨夏には大阪で
中学生の男女2人が殺害され、福島で働いていた作業員が容疑で逮捕される事件があったこともあり、潜在的な住民の不
安がうわさとなって表れたとみられている。除染関連では「中国人作業員が1000人単位で送り込まれる」という話も流布する。
環境省は「そんな計画は聞いていない」と否定するが、最近は「外国食材のスーパーが開店する」といった要素も加わって
広まりつつある。根拠に乏しいうわさ話の拡散は、被災者の生活再建に影響を与えかねない。南相馬市内の50代男性は
「娘がいるので犯罪が心配。どこに新居を構えるべきか考えてしまう」と困惑した表情を見せる。体感治安の向上を図ろうと、
自治体も知恵を絞る。相馬市は1日、住民ボランティアによるパトロール活動をスタートさせた。児童らの下校時間に計50台
の車両を走らせ、不審者などに目を光らせる計画だ。市の担当者は「うわさの存在は認識している。地域巡回を通し、安心
感を持ってもらえるよう努めたい」と話している。
高浜原発、山本善彦裁判長の経歴
差し止め決定と異議審が同一裁判長 福井新聞ONLINE 2016年3月17日(木)
8時10分関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた大津地裁の仮処分決定を不服として関電が同
地裁に申し立てた運転禁止の執行停止と異議の審理について、大津地裁は16日までに、9日の決定を出した山本善彦裁
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判長が再び担当することを決めた。住民側弁護団が明らかにした。山本裁判長は民事裁判を主に担当し、2014年4月に大
津地裁に着任した。同年11月には今月9日とは反対に、再稼働前の高浜3、4号機をめぐる同様の仮処分申請を「原子力規
制委員会がいたずらに早急に、再稼働を容認するとは考えがたい。差し止めの必要性はない」と却下していた。京都府出
身。1988年に大阪地裁で判事補になり、福岡、鹿児島両地裁や大阪高裁などを経て、2011年4月から14年3月まで山口地
裁で部総括判事を務めた。山口地裁では12年12月、中国電力の上関原発(山口県上関町)予定地をめぐり、住民側が山
林の入会権確認を求めた訴訟の差し戻し審判決で請求を退けた。大津地裁に異動後は、いじめを苦に自殺した中学生の
遺族が大津市に損害賠償を求めた訴訟も担当し、昨年3月に市が和解金1300万円を支払うなどの内容で和解が成立した。
朝日の記事「原発の不安あおる」
鹿児島県、規制委が猛反発 産経新聞 2016年3月17日(木) 8時5分
九州電力川
内原発(鹿児島県薩摩川内市)周辺の放射線測定装置(モニタリングポスト)のあり方を批判した朝日新聞の記事に、装置
を設置した鹿児島県や、原子力規制委員会が猛反発している。県は「国の指針に基づいた配置であり、問題はない。不安
をあおる記事だ」と憤った。鹿児島県の設置状況を調べた。(小路克明、高瀬真由子)
ように報道をし、立地自治体に無用な不安を与えたことは、非常に犯罪的だ」
「あたかも(避難を)判断できない
原子力規制委の田中俊一委員長は16日
の定例会で、朝日の記事を批判した。問題の記事は14日付朝刊に掲載された。「モニタリングポストのうち、ほぼ半数が事
故時の住民避難の判断に必要な放射線量を測れない」「事故時の住民避難の態勢が十分に整わないまま、原発が再稼働
した」
鹿児島県の態勢の欠点を強調するものだった。共同通信も同日午前、「監視装置、半数が性能不足」の見出しで、
「監視態勢が不十分なまま、再稼働したとの批判が出そうだ」との記事を配信した。モニタリングポストは空間の放射線量を
計測する。原発事故が発生した場合、放射性物質が漏洩(ろうえい)していないかを知る目安となる。では、鹿児島県の実
態はどうか。県は、67地点に計74台の測定装置を置いた。川内原発から30キロ圏内でみると、線量が比較的高い毎時10
0ミリシーベルトまで測定できる装置を42台、線量が低い同80マイクロシーベルトや同10マイクロシーベルトまで測れる装
置を計29台設置している。「1マイクロシーベルト」は「1ミリシーベルト」の1千分の1だ。高線量と低線量、双方が測れる装
置を組み合わせて配置したのには、わけがある。低線量用の計測装置で高い放射線は測れない。逆に高線量用の装置で、
低い放射線は正確には計測できない。体重計で1グラムの重さを量れないことを想像してもらえばよい。高線量に対応する
装置しかなければ、仮に原発から放射性物質がわずかに漏れた場合、把握できない恐れもある。双方の装置を組み合わ
せ、万一の事故に備えるというのが、鹿児島県の言い分だ。県原子力安全対策課の岩田俊郎課長は「わずかな線量の違
いを把握できるのは低線量が測れる装置。住民避難には、高線量と低線量の測定装置をバランスよく配置することが必要
だと考えている」と説明した。■常識の備え
朝日の記事に、こうした鹿児島県の言い分は載っていない。5~30キロ圏の
装置のうち、ほぼ半数が毎時80マイクロシーベルトまでしか測定できないことを取り上げ、「態勢が不十分」と批判した。そも
そも鹿児島県は、原子力規制委が決定した事故時の住民の避難指針を踏まえている。原発で重大事故が発生した場合、
国が周辺住民に避難指示を出す際の指針だ。福島第1原発事故を教訓に、原発から5キロ圏では即時避難、半径5~30
キロ圏は毎時500マイクロシーベルトの放射線量が測定された場合、即時避難する。これは高い放射線への備えだ。一方、
比較的低い放射線にも備えなければならない。半径5~30キロ圏で毎時20マイクロシーベルトが1日続いた場合は、1週
間以内の避難を指示する。住民避難には、毎時20マイクロシーベルトといった低い線量を正確に把握することも必要となる。
原発事故を経験した福島県も、高線量と低線量対応の装置を組み合わせている。同県危機管理部の担当者は「現在のよ
うに線量の低い状態が続くときは、少しのレベルの変化をいち早く確認するのに、低線量の装置が活用できる」と述べた。2
つの装置の組み合わせは、原発事故への備えとして、専門家の間では常識といえる。だからこそ、規制委の田中委員長も
強い言葉で非難したのだろう。長崎大の高村昇教授(被ばく医療学)も「鹿児島県の対応に不備がある印象は受けない。測
定装置は測定できる(線量の)範囲によって用途が異なり、うまく組み合わせて配置することが大事だ。自治体は住民に配
置の意図を説明し、理解を得られればよいのではないか」と語った。■5キロ圏は無視
鹿児島県の朝日報道への怒りは、
これだけではない。鹿児島県は、原発から5キロ圏内に高線量用の装置を16台配置する。毎時500マイクロシーベルト以
上が測れる機器だ。しかし、朝日、共同通信とも、記事中でこの5キロ圏の装置にはまったく触れなかった。また、朝日の記
事には「不十分だったり、未設置だったりする状態で再稼働するのは問題だ」とする規制庁職員のコメントも掲載された。こ
の規制庁職員は、産経新聞の取材に「一般論として『不十分であれば問題』と言ったことを再稼働とつなげられ、不本意だ。
鹿児島県の対応は問題ないと考えている」と述べた。朝日の記事をきっかけに、ネットでは「案の定、原子力ムラは福一事
故から何も学べなかった」「こんな状態で再稼働なんてあり得ない」など、反原発の意見が噴出した。原発・脱原発を論じる
ことは必要だろうが、不安を扇動する記事は、冷静な議論を封じ込めるだけで、話にならない。
規制委員長、「不安あおる」と朝日記事を批判 読売新聞 2016年3月17日(木) 8時2分原子力規制委員会の田中俊一
委員長は16日の定例会合で、九州電力川内原発(鹿児島県)周辺に設置された放射線観測装置の整備が不十分と指摘
した朝日新聞の14日朝刊記事について、「無用な不安をあおり立て、非常に犯罪的だ」と強く批判した。原子力規制庁は
「誤解を与える」として、訂正と謝罪を求める方針。記事は「避難基準値
半数測れず」の見出しで、川内原発周辺の観測
装置48台のうち22台が毎時80マイクロ・シーベルトまでしか計測できないと指摘。原子力災害対策指針では毎時500マイ
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クロ・シーベルトに達したらすぐ避難すべきとなっているが、「避難する判断に使えない」としている。規制委によると、観測装
置は毎時80マイクロ・シーベルトまでの低線量用と毎時1マイクロ・シーベルト~100ミリ・シーベルトの高線量用があり、併
用により緊急時の監視が可能で、「現状で十分対応できる」という。
高浜異議審にも同じ裁判官
原発差し止めで大津地裁 京都新聞 2016年3月16日(水) 22時10分関西電力高浜原
発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定を不服として、関電が同地裁に申し立てた保
全異議と執行停止について、大津地裁は16日までに、審理は9日の決定を出した山本善彦裁判長が担当することを決め
た。住民側代理人が明らかにした。審理する合議体は3人の裁判官で構成し、9日の決定に関わった山本裁判長を含む3
人のうち1人のみ交代する見通し。同じ裁判長が担うのは法的に問題はない。大津地裁決定は「住民の人格権が侵害され
るおそれが高いにもかかわらず、関電は安全性を確保していることの説明を尽くしていない」とし、2基の停止を命じた。これ
に対し関電は14日、「地裁は科学的で専門的な検討をせず、当社の主張を不当に無視している」などとして不服を申し立
てていた。住民側弁護団は「判断枠組みは引き継がれると思う。関電の主張に的確に反論したい」としている。関電は「裁
判官にかかわらず、早期に仮処分命令を取り消していただけるよう安全性の主張、立証に全力を尽くしていく」とのコメント
を出した。
SPEEDI、原子力規制委は「信頼性ない」と結論
「避難かえって混乱」 産経新聞 2016年3月16日(水) 21時19分
原子力規制委員会は16日、原発事故時に放射性物質の拡散を事前に予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワー
クシステム(SPEEDI)」について、「信頼性はない」との文書をまとめた。政府は11日に開いた原子力関係閣僚会議で全
国知事会からの要請に基づき、自治体の裁量でSPEEDIを使用することを認めていたが、異なる見解になった。規制委の
文書によると、放射性物質の放出時期を「事前に予測することは不可能」と強調。SPEEDIの拡散計算の結果に「信頼性
はない」と位置付けた上で、「予測に基づいて避難方向を示すことは、かえって避難行動を混乱させる」と弊害が多いことを
指摘した。東京電力福島第1原発事故では、放射性物質の放出データなどが得られず、SPEEDIは活用されなかった。規
制委は新たに作成した原子力防災指針で、原発から半径5キロ圏は即時避難、5~30キロ圏は空間線量が毎時500マイ
クロシーベルトを計測した時点で避難を開始するとあらかじめ定めた。これに対し、全国知事会は「放射性物質の拡散が始
まった後の避難では遅い」としてSPEEDIの活用を政府に求めていた。
福島原発事故展示、日本大使館反対で中止
エチオピア 朝日新聞デジタル 2016年3月16日(水) 21時15分エチオピ
アで昨年10月、日本紹介行事の一環として国際協力機構(JICA)のボランティアが企画した東京電力福島第一原発事故
に関する展示が、「原発事故を強調することは適切でない」とする日本大使館の反対により、中止されていたことがわかった。
外務省によると、展示は昨年10月31日にエチオピアの首都アディスアベバで開かれたジャパン・フェスティバル(日本大使
館、JICAなど共催)で企画され、青年海外協力隊員らボランティアが内容を考えた。ところが、日本大使館が「政府が風評
被害の払拭(ふっしょく)に取り組んでいる中、適切でない」と展示に反対。JICAによると、大使館からは「『反原発』のように
政府方針に反するものであれば共催は困難」ともメールで伝えられたため、JICA現地事務所も「イベントは『おもてなし』が
テーマで、原発事故の展示を含めないことが適当」として、中止に応じたという。16日の衆院外務委員会で、改革結集の会
の小熊慎司氏(福島4区)が「安倍政権は原発大推進だから、大使館が原発事故に触れない方がいいと忖度(そんたく)し
たのでは」と指摘。木原誠二外務副大臣は「福島を含めた被災地の現状を知ってもらうことは重要で、展示できる方向で協
議すべきだった」と陳謝した。岸田文雄外相は「過去、他の国でもこうしたことがなかったか調査し、確認する」と答弁した。
(武田肇)
伊方原発「手抜かりなく点検」=四国電社長、規制委と意見交換 時事通信 2016年3月16日(水) 21時2分
原子力
規制委員会は16日、四国電力の佐伯勇人社長を呼び、意見交換を行った。規制委の審査で「新基準を満たす」と判断され
た伊方原発3号機(愛媛県)の再稼働を目指す佐伯社長は「現場には手抜かりなく点検するよう口酸っぱく言っている」と述
べた。田中俊一委員長は、再稼働したもののトラブルで緊急停止した関西電力高浜原発4号機(福井県)を念頭に、「信頼
回復は口だけでなく、トラブルなくきちんと運転して、実績で示す必要がある」と要請。佐伯社長は「新基準で新しい設備が
入ったが、既存の設備も大事。そこに手抜かりがあって止まるのは避けたい」と述べた。
高浜原発運転差し止め、保全異議審も同じ裁判長 読売新聞 2016年3月16日(水) 20時38分
関西電力高浜原子力
発電所3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定で、関電が決定の取り消しを求めて申し
立てた保全異議の審理を、決定を出した山本善彦裁判長が引き続き担当することがわかった。仮処分を求めた住民側の
弁護団が16日、明らかにした。大津地裁によると、裁判官は3人で、山本裁判長ら2人が継続して担当する。同地裁には民
事部が一つしかなく、一般的に裁判長を務める部総括判事は山本裁判長のみという。山本裁判長は、関電が申し立ててい
る仮処分決定の執行停止も判断する。民事保全法によると、仮処分は、暫定的な措置を決める民事上の手続き。保全異議
審は、当事者双方が立ち会うことができる審尋などを経なければならず、より厳格な立証によって審理されることになってい
る。ただ、裁判官の人選については同法にも規定がない。過去には裁判所の事情によって同じ裁判長が担当した例もある
が、裁判所関係者によると、別の裁判長に代えるのが通例という。関電は「誰が担当裁判官かにかかわらず、早期の仮処分
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命令取り消しに向け、引き続き安全性の主張、立証に全力を尽くしていく」とコメント。一方、住民側弁護団長の井戸謙一弁
護士は「関電から出てきた主張、立証には的確に反論していきたい」としている。
「原発必要」エネ庁が説明=立地地域で初開催―福井 時事通信 2016年3月16日(水) 20時9分
経済産業省資源エ
ネルギー庁は16日、国のエネルギー政策を理解してもらおうと、エネルギーミックス(電源構成)や原発の重要性に関するシ
ンポジウムを福井市で開いた。同様のシンポは大阪、東京、名古屋で行われているが、原発が立地する道県での開催は初
めて。福井県の西川一誠知事は、昨年12月の関西電力高浜原発(同県高浜町)の再稼働同意に際し、原発の重要性に関
する国民理解の促進を国に改めて要請。林幹雄経産相は全都道府県で説明会を開くと表明していた。シンポは定員210
人で150人が参加した。エネ庁の吉野恭司資源エネルギー政策統括調整官は、海外からの化石エネルギー依存度が約88
%に達し、東日本大震災後に二酸化炭素など温室効果ガスが増加していると説明。省エネや再生可能エネルギーの導入、
火力発電の効率化を最大限進めても、「2割を少し超えるような原子力発電が必要」と訴えた。
安倍内閣に「緩み」
甘利前大臣、東京地検に告発 フジテレビ系(FNN) 2016年3月16日(水) 18時41分石破 茂地方
創生担当相が、2015年の法案を誤って読み上げ、陳謝。ほかにも、勉強不足を自ら認める閣僚が出るなど、安倍内閣の
「緩み」を批判される事態となっている。16日の衆議院特別委員会は、石破地方創生担当相の謝罪で始まった。石破地方
創生担当相は、「関係者の皆さま方に、大変ご迷惑をおかけしました。深くおわびを申し上げる次第であります」と謝罪した。
おおさか維新の会・椎木 保議員は、「非常に、答弁が棒読みすぎます。ご本人は、そう思わないかもしれない。そのことは、
肝に銘じておいてください」と述べた。石破地方創生担当相は、「再発防止のために、国会に用いる資料については、事務
方幹部が確認を行い、複層的チェックをこれまで以上に徹底するということを指示をいたしました。責任は全て、大臣たる私
が負うべきものであります。深くおわびを申し上げます」と謝罪した。深くおわびした理由は、15日の委員会で、石破地方創
生担当相が読み上げた、法案の趣旨説明書だった。ところが、総合戦略が閣議決定されたのは、2015年ではなく、2014年
のはず。石破地方創生担当相は、すでに、2015年に成立した別の法案の説明書を、およそ3分間、最後まで気づかずに読
み上げてしまった。民主党の安住国対委員長代理は、「ゆるみ、たるみ、おごり。数の力にあぐらをかいて、議会や国民を非
常にばかにした態度だと思います」と述べた。16日午後の予算委員会で、維新の党の寺田典城議員が、「大臣、法案の内
容理解していますか?」とただすと、石破地方創生担当相は、「法案の内容は、理解しています。去年のもの(法案説明書)が
出ていましたので、表紙は、ことしのものとなっていて、それを、そのまま読んでしまいました」と答えた。そして、維新の党の
寺田典城議員が、「ぱっと見ただけで、これはおかしいと気づくのが当たり前。大臣をすぐに辞めるべきですよ」と述べると、
石破地方創生担当相は「委員のご見解は、ご見解として承っておきます。法案の説明も、自分できちんと原稿を作って読む
としなければと、私自身も今回、学んだところでございます」と述べた。なぜ、このようなミスが起きたのか。FNNの取材で、そ
の背景が明らかになった。大臣の国会答弁に必要な書類は、いわゆる事務方が、当日の朝までに用意しておくのが一般的
だとされる。しかし今回、朝の打ち合わせまでに、趣旨説明書は用意されず、急きょ準備された説明書が、誤ったものだった。
さらに、石破地方創生担当相の秘書官ら、周囲の官僚も、その誤った内容に気づかず、石破地方創生担当相が、そのまま
読み上げてしまった。政府関係者は、「事務方に『はい』って紙を渡されたら、読んじゃうよね」と語った。自民党の佐藤国対
委員長は、「電子媒体等々に頼ることが多くなっている。チェックが甘くなっているのではないか」と述べた。しかし、政権与
党の緩みは、石破大臣だけにとどまらなかった。参院予算委で、民主党の大塚耕平議員が、「核燃料サイクルと最終処分
場は、別の課題と理解している?」とただすと、林経産相に、経済産業省の官僚が後ろから耳打ち。林経産相は、「平行して
いるものと理解していまして」と述べた。その後も、耳打ちは止まることなかった。民主党の大塚耕平議員が、「大臣! 大事な
問題を担当している立場として、少し勉強不足だというご自覚はある?」と述べると、林経産相は、「ございます」と答えた。林
経産相が、「勉強不足」だと責められ、審議は、たびたび中断。16日の委員会でも、林経産相は「言い訳ではありませんが、
通告のない専門的かつ、事実関係に関する質問が多かったものですから、勉強不足の指摘は否定しなかった」と述べた。
政権与党をめぐる数々の問題に街の人々は、「事前に確認をしていなかったのは、政治的な怠慢だと思う」、「信用できない
というか、安心して任せられないのが、正直な感想です」などと話した。さらに16日、新たな不安が。安倍政権のかつての要
だった甘利前大臣が、あっせん利得処罰法に違反する疑いがあるとして、東京地検に告発された。その甘利氏自身は、さ
らに2カ月の療養が必要との診断書を提出している。相次ぐ難題。安倍政権は、試練の春に直面している。
異議審も同じ裁判長=高浜原発差し止め―大津地裁 時事通信 2016年3月16日(水) 18時22分関西電力高浜原発3、
4号機(福井県)の運転差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定を不服として、関電が同地裁に申し立てた保全異議と執
行停止の裁判を担当する裁判長が、仮処分決定を出した山本善彦裁判長に決まった。仮処分を申請した住民側の弁護団
が16日、明らかにした。結論が覆らない限り、関電は高浜3、4号機を再稼働できない。大津地裁は「部の事務を総括する裁
判官が裁判長になる規則があり、民事部総括の山本裁判長が務める」と説明している。
脱原発集会、参加者が急増
滋賀、高浜差し止め受け 京都新聞 2016年3月16日(水) 17時0分
関西電力高浜原
発3、4号機の運転を差し止めた大津地裁の仮処分決定から16日で1週間。滋賀県内で脱原発に携わる市民団体には、
主催企画への問い合わせが増えている。13日の大津市内の市民集会では約1500人が気勢を上げた。各団体は「脱原発
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への弾みになる」と意気込んでいる。「仮処分決定が出た後は数十人単位で増え、参加希望者はうなぎ上りだ」。県内で脱
原発を訴える市民団体代表者らでつくる「さいなら原発・びわ湖ネットワーク」の稲村守事務局長(63)は、活動の手応えを
感じる。同団体は5月に琵琶湖を5日間かけて一周するデモ行進を予定しており、問い合わせは全国から来ているという。2
011年6月から市民約10人が隔週で、県庁前で座り込みをしている「脱原発・滋賀☆アクション」は、活動風景をブログで発
信し続けてきた。峯本敦子代表(49)は「決定はうれしいが、福島原発事故被災者の苦しみが帳消しになったわけではない。
次の裁判に向け、世論を盛り上げていきたい」と話す。東近江市を中心に活動する「脱原発を目指す市民の会」は月1回、
原発訴訟の判例や新聞を読む勉強会を開く。福井勝事務局長(68)は「運動を続ける原動力になった。近隣住民を巻き込
み、関心を持ってもらえる活動を続けたい」と地元密着で声を上げ続ける。「ネットワークあすのわ」(野洲市)は他団体と一
緒に、福島県などから子どもを滋賀に招く保養キャンプを12年から毎年催し、今月も25日から45人が高島市を訪れる。放
射能の不安から離れてもらうのが目的だが、事務局の藤本真生子さん(58)は「再稼働した原発の近くに来てもらうのには
抵抗があった。福島のお母さんたちもほっとしたと言っている」と、安心して支援に取り組めるようになったことを喜ぶ。「滋賀
県内避難者の会」は12日に大津市内で開いた東日本大震災を語る催しで、会場に置いた滋賀県の原子力防災のしおり
が、あっという間になくなったという。原発事故避難者の実体験を聞きたいとの問い合わせも多かった。佐藤勝十志代表(5
5)は「仮処分決定は避難計画の問題に触れているが、避難後の生活支援体制もちゃんと考えてから再稼働の是非を判断
したほうがいい。決定は万一の事故後のこともみんなが考える契機になった」と話した。
ADR申し立て
会費減免損や経費5498万円
県医師会 福島民報 2016年3月16日(水) 12時3分福島県医師会
は15日、東京電力福島第一原発事故に伴う会費減免措置の損害や事業経費などの支払いを東電に求め、原子力損害賠
償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き(ADR)による和解仲介を申し立てた。請求総額は5498万7224円。同会
がADRを申し立てたのは初めて。請求の内訳は原発事故で減収した会員らに対する会費減免措置の損害3216万6千円、
甲状腺超音波検査講習会の費用992万5052円、会員の原発事故対応への支援費用589万7724円など。高谷雄三会
長が東京の同センター第一東京事務所を訪れ、申立書を提出した。
第1原発・原子炉建屋の放出セシウム、毎時22万ベクレル未満 福島民友新聞 2016年3月16日(水) 12時0分
東京
電力は15日、2月に福島第1原発1~4号機の原子炉建屋から放出された放射性セシウムの量を試算した結果、毎時22万
ベクレル未満だったと発表した。原子力規制委員会が認めている放出管理の目標値毎時1000万ベクレルを下回った。東
電によると、各号機ごとの放出量を1月と比較すると1、2、4号機は減少し、3号機は同等だった。1~4号機からの1月の放出
量は毎時53万ベクレル未満だった。
防護服などの第1原発・廃棄物焼却、18日から本格運用開始 福島民友新聞 2016年3月16日(水) 11時48分東京電
力は15日、福島第1原発の廃炉作業に伴い増え続ける防護服などの廃棄物を燃やすための「雑固体廃棄物焼却設備」の
本格運用を18日に開始すると発表した。試験焼却で排ガスの放射性物質濃度が全て検出限界値未満であることが確認さ
れたことなどから、本格運用に着手する。東電によると、焼却設備には放射性物質が付着したちりの飛散を防ぐバグフィル
ターなどが設置されている。排気筒に設置された二つのガスモニタで、汚染された廃棄物を燃やした際の放射線量を測定
したところ、一つは1.76~2.76cps(1秒当たりの放射線計測数)、もう一つは1.85~3.04cpsで、ともに焼却停止時と同等
の値だった。試験焼却では42トンの廃棄物を燃やし、0.8トン(ドラム缶16本分)の焼却灰が発生した。焼却灰の入ったドラ
ム缶の表面線量率は毎時7~160マイクロシーベルトで、放射性物質に汚染された廃棄物専用の固体廃棄物貯蔵庫で保
管される。
朝日記事「非常に犯罪的だ」、規制委が定例会で批判
川内原発の観測装置報道 産経新聞 2016年3月16日(水) 11
時46分原子力規制委員会は16日の定例会で、九州電力川内原発(鹿児島県)周辺に設置された放射性物質の観測装
置の「整備が不十分」と報じた朝日新聞14日付朝刊の記事について、「非常に犯罪的だ。十分に反省してもらいたい」と批
判した。朝日の記事は、川内原発周辺に設置された観測装置(モニタリングポスト)のうち、半数が「事故時の住民避難の判
断に必要な放射線量を測れない」としたが、規制委は「機能が違うだけ。低線量を測る装置と、高線量を測る装置を組み合
わせて設置しており、避難判断のために全体をカバーしている」と説明している。16日の定例会では、規制委の田中俊一
委員長が「あたかも(避難を)判断できないように報道をし、立地自治体に無用な不安を与えたことは、非常に犯罪的だ」と
厳しい口調で述べた。更田豊志委員長代理も「(観測装置の種類別は)外野手と内野手がいてそれぞれ守備範囲があるの
に、(朝日の記事は)それを一人が全て守れと言っているのに等しく、きちんと報道すべきだ」と批判。伴信彦委員も「新聞
報道は議論のポイントを外している」と非難した。また朝日の記事に対し、原子力規制庁は「(規制庁の)職員が言っていな
いことが書かれている」として、朝日の担当記者に説明を求め、その上で、訂正記事を要請するか検討しているという。規制
庁は15日、朝日の記事を「誤解を生ずるおそれがある」として、同庁の見解をホームページに掲載した。
高浜差し止め決定を証拠提出
大飯原発京都訴訟 京都新聞 2016年3月16日(水) 8時30分京都府や滋賀県などの
住民が、関西電力大飯原発(福井県おおい町)1~4号機の運転差し止めなどを求めた京都地裁の集団訴訟で、住民側が
15日、高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた9日の大津地裁の仮処分決定を証拠として提出した。
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次回以降の弁論で具体的に主張する方針。住民側弁護士は「原子力規制委員会の新規制基準は東京電力福島第1原発
事故を踏まえていない。関電がさらなる証明を行うよう求めたい」と語った。大津地裁決定は、福島第1原発事故を踏まえた
過酷事故対策や耐震性、津波対策、避難計画などに疑問を呈した。
【震災5年】警視庁・東京消防庁「放水」指揮官が振り返る 産経新聞 2016年3月16日(水) 7時55分■正体の知れない
怖さ
「一日も早い復興祈る」
東日本大震災で、東京電力福島第1原発では深刻な放射能漏れ事故が発生。炉心や貯
蔵燃料の冷却が至上命題となり、警視庁や東京消防庁が放水作業に当たった。事故から5年。放水作業に従事した隊員ら
が大混乱の中で原発に向かった“あの日”を振り返り、被災地への思いを語った。(中村昌史、三宅令)
「最善を尽くした
が『もっと何かできた』という無念は今もある」。警視庁OBの大井川典次(よしつぐ)さん(61)は、平成23年3月17日、原発
への地上放水に先陣を切った警視庁の現場指揮官だった。福島第1原発では正常運転に不可欠な電源などが失われた。
炉心や貯蔵プールの燃料から大量の放射性物質が漏れるリスクが高まるなか、警察当局は放水作業への要員派遣を決断。
警視庁警備2課管理官だった大井川さんは16日朝、放水の任務を命じられた。集まった機動隊員は20~40代の10人。
ほとんどが妻帯者だった。「指揮官として、隊員の家族に本当に申し訳なかった」。隊員らは家族に多くを語らず、現場に向
かったという。福島第1原発に入ったのは、17日午後3時40分。午後7時過ぎに最初の放水を行った。使用済み燃料貯蔵
プールに狙いを定め、数分間で放水が終わると全員が退避した。1枚の写真がある。防護服にマスク姿の隊員が、高圧放
水車の前に集まっている。放水直前の写真だ。記録班などは帯同せず、活動の様子はこの1枚だけ。大井川さんは撮影さ
れたことさえ記憶にないという。本来は暴徒鎮圧に使う放水車。大井川さんは「われわれの放水で劇的な効果はなかったか
もしれない」と自らの仕事を振り返り、「どんなに危険があろうと、そこに飛び込むのが警察官の責務。今はただ、被災地の1
日も早い復興を祈っている」と話した。東京消防庁の災害対応チーム「ハイパーレスキュー」も同様だ。当時の隊長、高山幸
夫消防司令長(59)も「チームが現場でどんなに頼りになるか知っている。でも原発への派遣には、正体の知れない怖さが
あった」と明かす。高山司令長率いる10人のチームは、3月18日夕方から19日未明にかけて、3回にわたり消防車を使っ
た連続放水を行った。「いろんなことを考えた。爆発したらどうしようなど。でも止めさせようとは思わなかった」。日本中の期
待がかかっており、プレッシャーもあったという。この5年間、隊員の生命を危機にさらしたとの思いは消えない。「結果的に
成功して無事全員生還したからよかったが、(危険を察知した場合)『退く』という決断ができたのか。今でも考える」と振り返
った。
【備える】(下)
浜岡原発、津波対策を強化
防潮堤22メートルに 産経新聞 2016年3月16日(水) 7時55分静岡市
から南西約50キロ、遠州灘に面した御前崎市の海岸地帯に位置する中部電力浜岡原発。敷地内を進むと、遠州灘の景色
を遮断するようにそびえ立つ防潮堤が眼前に広がる。その大きさは海抜22メートル、全長1・6キロ。中部電力が3千億円以
上を投じて進めてきた地震・津波対策を象徴する建造物だ。「単に高さの確保だけではなく、最大クラスの地震や津波の力
に十分耐えうる強度を確保している」。浜岡地域事務所総括・広報グループの村松立也専門部長はこう説明する。防潮堤
は東日本大震災直後の平成23年11月に着工。地下10~30メートルに打ち込んだ基礎の上に、幅12メートル、厚さ2メー
トルの巨大ブロックを109個並べて壁を築いた。当初は高さ18メートルの予定だったが、南海トラフ巨大地震の津波高を19
メートルとした国の推計を踏まえ、4メートルかさ上げ。本体工事は既に終わり、後は両端の盛り土工事を残すのみで、防潮
堤建設は大詰めを迎えている。浜岡原発は東日本大震災直後の23年5月、当時の菅直人首相の要請を受け、定期点検
中だった3号機を除く4、5号機が稼働を停止した。津波により敷地内の重要施設が浸水し、原子炉の冷却機能が失われた
ことが東京電力福島第1原発事故の原因だったため、中部電力は震災前に約8メートルとしていた津波高を見直し、津波
対策の強化に乗り出した。浜岡原発では、冷却水を沖合約600メートルの取水塔から取り込み、海底トンネルを通じて敷地
内の取水槽に引き込んでいる。震災後の対策では、津波襲来時に海水が取水槽から敷地内にあふれ出ないよう、取水槽
の周囲を高さ4メートルの壁でブロック。さらに、津波が防潮堤を乗り越え、敷地内が最大9メートル浸水した場合でも原子
炉建屋が水圧に耐えられるよう扉を水密扉と強化扉の二重構造にした。福島第1原発のように、全電源喪失に陥った場合
の対策も取った。屋外の取水ポンプが機能を失った場合でも冷却機能を維持できるよう、防水構造の建屋内に緊急時海水
取水設備を設置。非常時に電力を供給するガスタービン発電機を海抜40メートルの高台に備え付けたほか、約5日分の淡
水を確保できる地下水槽を海抜30メートルの高さに整備した。国が定めた新規制基準に基づき、炉心損傷などの重大事
故や竜巻に備えた工事も進めており、4号機は今年9月、3号機は来年9月に全ての安全対策工事が完了する予定だ。一
方、県では浜岡原発で事故が発生した場合に備え、半径31キロ圏内の11市町計約94万人を対象に、広域避難計画の策
定を進めている。計画では、巨大地震によって原子炉が冷却機能を失い放射性物質が外部放出される可能性が高まった
時点で、半径5キロ圏内の住民が甲信地方に避難を開始。半径5~31キロ圏の住民はいったん屋内退避をした上で、空
間放射線量が基準値に達した区域ごとに関東、北陸地方などに避難を始める。県外避難先は全部で9都県にまたがること
になるが、県は現時点で具体的な都県名を示していない。避難する自家用車の駐車スペースの確保などをめぐって、一部
自治体との間で調整が難航しているためだという。県は今月中に避難計画を策定する方針で、県原子力安全対策課の塩
崎弘典課長は「避難先が決まれば実効性を検証することができ、より現実味を帯びた計画になる。一つでも多くの都県名を
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示したい」としている。
国の原発シンポ、不満の声相次ぐ
重要性国民理解へ立地道県初開催(福井新聞2016年3月17日午前7時20分)
経
済産業省資源エネルギー庁は16日、原発の国民理解を進める一環で「資源のない日本、将来のエネルギーの姿に関する
シンポジウム」を福井市のアオッサ県民ホールで開いた。大津地裁の仮処分決定で関西電力高浜原発3、4号機(福井県
高浜町)が運転差し止めとなった中、経産省側はあらためて政府の再稼働方針を強調。参加者からは終了後「この内容で
は理解は深まらない」「立地県の立場を考えた安全優先の説明がもっとほしかった」などと不満の声が相次いだ。シンポは、
昨年12月に林幹雄経産相が西川一誠知事と面談した際、原発の重要性に対する国民理解に向け全都道府県で説明会
などを開くとした方針を受けたもの。原発立地道県では初の開催で、約150人が参加した。経産省の吉野恭司・資源エネ
ルギー政策統括調整官が、原発比率20~22%とした国の2030年の電源構成を説明し「省エネや再生可能エネルギーを
最大限取り入れても、2割を超える原子力が必要になる」とし、政府の再稼働方針を強調した。パネル討論では、電源構成
のあり方のほか、仮処分決定についてパネリスト4人がそれぞれ意見を述べた。日本エネルギー経済研究所の十市勉・研
究顧問は「新規制基準で対策を講じ、(原発の安全性は)許容できるリスクだと原子力規制委員会が国民にメッセージを出
せば、今回(の仮処分)のようなことにはならなかった」と、規制委の説明不足を指摘した。経済評論家の勝間和代さんは
「一部の司法家が力を示すために原発問題を使おうとしているのなら、司法制度に瑕疵(かし)があると言わざるを得ない」と
の見方を示した。パネリストとの質疑応答では会場の参加者4人が意見を述べ、「原発を除いたベストミックスを検討すべき
だ」「世界一厳しい規制基準と呪文のように言っているが、原発はそもそも(リスクのある)厳しい環境に立地している」などと
いずれも原発反対を訴えた。参加したあわら市の60歳代男性は「原発の立地地域、消費地でそれぞれ言い分があるし、こ
の説明会を繰り返して国民理解が深まるのか」と疑問視。福井市の会社役員(62)は「ベストミックスは賛成だが、原発を抱
える福井県民としては安全が一番。消費地とは違う説明がほしかった」と不満を漏らした。
高浜3・4号機の安全性「認識変わりない」-規制委・田中委員長
電気新聞2016/03/17
大津地方裁判所が関西
電力高浜発電所3、4号機の運転停止仮処分を決定したことについて、原子力規制委員会の田中俊一委員長は16日の定
例記者会見で、運転に当たり求められる水準の安全性が確保できたとの認識に「変わりはない」と述べた。過酷事故対策は
重層的に講じられ、自然災害などの外的要因を慎重に審査した上で運転に必要な許認可を下したことを繰り返し、強調し
た。田中委員長は、東京電力福島第一原子力発電所のような事故を「二度と起こしてはならないことを肝に銘じて新規制基
準を策定した。過酷事故対策を重層的に考え、(事故の引き金となる)外的・内的要因を慎重に見てきた」と強調。高浜3、4
号機を含め、審査に合格したプラントは「防災、避難が必要な状況ではないと思いつつ、“必要ない”と言い切れば安全神
話につながるため備えを求めている」と述べた。
[中国]中国広核集団公司、原子力発電の必要性を強調
電事連2016年3月17日中国広核集団公司の賀禹董事長は2
016年3月3日、全国政治協商会議の席上、「原子力発電の開発は、エネルギー供給側として当然の選択である。中国では、
一次エネルギーに占める石炭の割合が全体の64.4%を占め、非化石エネルギーはわずか12%(水力を除く)を占めるに過
ぎない。このため、世界最大のCO2排出国となり、深刻な環境汚染問題が大きな社会的問題となっている。エネルギー供
給の構造改革により、化石エネルギーの代替として、クリーンで経済的かつ安全なエネルギーの供給システムを構築する
必要がある。その点で原子力発電は非常に重要で、2030年に原子力発電設備容量を1.2億kW~1.5億kWに増やすべきで
ある」と語った。
ベラルーシ:導入初号機の炉内構造物の組立がロシアで完了
原産新聞2016年3月16日
ベラルーシ初の原子炉とな
るベラルーシ原子力発電所1号機用の炉内構造物の組立作業が、ロシア南部ボルゴドンスクにあるAEMテクノロジー社で
完了した(=写真)。同社は、建設工事を請け負ったロスアトム社の傘下にある発電機器製造企業「アトムエネルゴマッシ社
(AEM)」のボルゴドンスク支部で、2013年に同発電所用の原子炉機器(総重量4,000トン)を受注。炉内構造物の組立
完了は3月14日に発表したもので、今年後半にもフロドナ州オストロベツにある建設サイトに搬入するとした。炉内構造物は
300ものパーツで構成されており、これを格納する原子炉容器については2015年10月に納入済み。2018年の完成目指
して同炉の建設工事は佳境に入っている。ベラルーシは、ロシア政府から100億ドルの融資を受けて120万kWのロシア型
PWR(VVER)設計シリーズ「AES-2006」を2基、ターンキー契約で建設する契約を2012年にロシアと締結。2013年1
1月に1号機の原子炉系統部分で最初のコンクリート打設を行ったのに続き、2014年4月には2号機の建設工事を開始し
ていた。2号機の完成は2020年になる予定である。
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