Comments
Description
Transcript
切花を中国(上海)に輸出 事業実施報告書
平成 17 年度国産農林水産物海外普及事業 新規輸出開拓事例構築 切花を中国(上海)に輸出 事業実施報告書 株式会社クリエイト 平成 18 年 3 月 1 1. 事業趣旨 日本の切花の総生産額が約3,000億円でそのうち各国からの切花輸入が約 8%を占めてきており、その数値は年々上昇してきている。総取扱量は 62 億本 になるものの、先に発表された 2005 年家計調査では、切花の支出は 1 世帯辺り 年間 1 万 562 円と 2004 年に比べて1%の減少となり、ピーク値であった 1997 年の 1 万3130円からすると、05 年は 97 年に比して80%にとどまっている。 この主たる原因は、消費の多くを占める業務用切花、普段使いの切花の品種であ る、キク、バラ、カーネーションの消費が国産生産商品に代わって、生産コスト が安く、販売価格の低いコロンビア、中国、マレーシア、インド産等の商品に取 って代わられている事が大きな要因の一つであろうと思われる。価格が低位にシ フトしてゆくことによって、日本国内の消費のマーケットそのものは拡大志向に あるものの、一方では国産切花の安定した利益の確保が一層困難になっていく図 式が明確になりつつある。 輸入切花と比較した場合、国産切花の優位性は、①品質の良さ:1 本 1 本の質 の高さ、品質の均一化等々、他の日本製工業製品と同様の特性と同時に、切花な らではの、手間ひまをしっかりかけて、丁寧に生産されている所 ②品種のバリ エーションの多様性: 四季を通じて国内市場に商品として流通する切花の品種 の多さは他国を圧倒している。この 2 点が、市場で拡大傾向にある輸入切花と比 較して、国産の切花が優れている点である。 この優位性を利用し、新しい販路を求めて経済が急激に発展している中国上海 での事業開拓を行った。 2003 年中国の切花生産量は 67 億本、2004 年には80億本を超えており、こ のままの状態が続けば、2006 年には100億本を越し、世界の切花輸出大国の オランダやコロンビアに比肩する生産地へと発展する事が予想される。うち、生 産の約40%が雲南省で行われ、以下に、広東省(18%)遼寧省(7.8%) と続き上海は3.4%で第 8 位の生産地である。全切花生産品目の約 20%がカ ーネーションで約 14 億本(日本は約 4 億本)である。バラは生産が一番多く、 約 19 億本で全体の28%を占めており、この生産の半分は雲南省で行われてい る。一大生産基地として、雲南省昆明を中心に生産農家が集まっているが、政府 主導で次には四川省を立ち上げるという話も出てきている。 2008 年の北京オリンピック、2010 年の上海万博や生活習慣の急激な変化によ って、これらの生産された切花商品は、海外へ輸出されるだけではなく、多くが 2 国内での需要に振り向けられてきている。その結果、中国国内での花の消費は国 全体の都市化に比例して急激に伸びている。つまり個人消費が、基本的な電化製 品や、住宅事情の充実に伴い、生活文化、もしくはライフスタイルの大きな変化 にシフトしてきている。人口百万人を超える巨大都市が沿岸部と中心に49都市 もある。これらの都市の水道普及率、ガス普及率、汚水処理率はそれぞれ88. 8%、81.6%、45.7%となっている。都市生活の中では、新旧の文化が、 めまぐるしく移り変わっていく中で混在している。特に上海は歴史的な背景から 西欧諸国とのかかわりが深く新進気鋭の気風があり、世界のトレンドをいち早く インターネット等により取り入れている。取り入れられたカルチャーはそのまま 生活様式に組み入れられる場合もあるし、アレンジして中国式のライフスタイル の取り入れられることもある。 このように社会が急激に変化し、経済的にも躍進を続ける中国(上海)に、高 級な日本産切花を生活様式(ライフスタイル)の提言という付加価値を付けて販 売することを目標とし、その事業構築を検討し実行した際の事例、問題点を本紙 にて報告するものである。 2. 事業の目標 a. 輸出業務の定性的な確立:ドライカーゴと違って、生鮮商品の輸出輸入には 商品をハンドリングするための様々なファシリティーや、輸出入に関する図 書類が必要である。農林水産物の輸出があまり盛んでない日本では、輸入に 比べて、この業務に関係する人たちに、業務に対して不慣れな点が多々ある ように見受けられた。今回の事業構築のなかでは、日本側で習熟度の向上と、 認識の拡大によりスムースな業務の流れの実現化。同時に非常に不明瞭と感 じられる中国側での物流、輸入の許認可についての視覚化を目的とし、その 結果、恒常的で安定した事業の継続が出来るよう確認を行う事を目的とした。 目標 : 週に一度のペースで定期的な輸出を行う。 b. 中国側での物流の問題点の把握:日本を出発してから中国側の荷受港である 浦東国際空港に到着してから、通関、植物検疫が終了し商品を引き渡される までの工程を視覚化する流れの中で、空港内貨物の取り扱いや書類の取り扱 いの一定性を確認し把握する事と空港内から上海市内の目的地である小売 3 店までのクーリングチェーンの確認を目標とした。 目標 : 流通に携わる関係者の習熟度の向上、通関時間の短縮 c. 花を用いた日本文化の提案:上海では特に、様々なライフスタイルの提案が インターネット、雑誌のような様々な媒体を通じて大量に行われている。現 在の中国の消費トレンドに適切に答える提案はマーケットに受け入れられ、 商品とともに急拡大してゆく。それが本質的にその商品の持つ本来の価値と は違っていても、社会に受け入れられ新しい価値が認識されているように考 えられる。日本のライフスタイルも独自の文化的特徴を持っており、国産切 花が、何らかの形で上海のライフスタイルに取り組まれれば、高額であって も商品として確立する事が出来ることが予想される。切花の提案だけでなく、 生活様式(ライフスタイル)を付加した形で提案を行う形での事業展開をも 目標とする。 目標 : 切り花を使った生活様式の具体的な提案を行う。 d. 日本産切花のブランドの確立: 切り花を通したライフスタイルの提案と同 様に、中国産の切り花との差別化のために、デザインされたブーケやアレン ジを用い、ブランドとして認識される事で商品価値を上げる手法をとること を目標にした。 目標 : 日本産切り花のブランドを定着させる。 3. 事業実施内容 a. 中国での円滑な切花の販売を目指すために、出来る限りスムースな輸出事例 の構築を目指した。 まず、最初に試験輸出として、国産の切花を上海の小売店向けに輸出した。 物流構築の際、最も注意した点は、輸入貨物の動向が把握しにくい中国側 が中心になったが、 ① 通関~植物検疫までの荷受国際空港での事務処理のスピード ② 浦東空港から上海市内への通関処理後から横持ちの時間 ③ 空港内関係者の事務処理技術とそのスピード 4 ④ 生鮮商品である切花を運ぶ関係者の生鮮に対する意識の有無 ⑤ 浦東空港での品質の変化 上記のように、物流と商品の二面から考察することとした。 輸出商品の流れ 国産生産者から上海の小売店まで 【 第1日目 】 ア.輸出花材を国内生産者に注文 【生産者からは出荷】 (通常の国内出荷梱包仕様と異なり、輸出梱包での出荷を依頼) ※ これは出荷数量による条件付けや、生産者の意欲により輸出梱包ま でが可能な生産者(団体)と出来ない生産者(団体)にわかれた。 ↓ 出荷品目 バラ、マーガレット、スイートピー、トルコキキョウ 出荷総数 1,150本 【 イ. 第2日目 】 入荷 (市場での引取り。梱包場所へ直送も可) ↓ ウ. 出荷前水揚処理及び輸出仕様梱包作業 (出荷する花によっては充分に水揚を行ってからの出荷を必要とする ものもある) ↓ ※ パッキングリスト、インボイスの作成 ※ 原産地証明書の取得 エ.国際空港(関西空港)への持込 ↓ オ.植物検疫 ↓ ※ 植物検疫書の発行 カ.通関後輸出 ↓ キ.国際空港(浦東)到着 5 ※ 飛行時間は関西空港から約2時間半 ↓ 【 第3日目 ク.植物検疫 ↓ ※ ケ.通関 ↓ コ.引取り ↓ サ.配達・納品 】 朝から通関処理に入るが待つのみ。 ( 毎回18時から20時ごろの小売店到着となった ) 輸出の際の書類作成についての詳細は、添付 (切花の輸出における必要書類及び必要記載事項)を参照。 ・ 輸出は品質の劣化を防ぐように、できるだけ最短の時間で相手先に引渡 せるように、深夜関西空港出発の航空便を選定した。 ・ 翌朝から浦東空港で輸入通関の書類申請を行い後は、結果が出るのを待 った。数回にわたる申請では午後15時過ぎから18時までの間に通関 処理が終了した。 ・ 日本に比べて浦東での時間が掛かるのは、ターミナル内に輸入貨物が大 量にあふれている事に起因すると思われるが、詳細は貨物エリア内への 立ち入りが許可されなかったので、事実は掌握できず。 ・ 数回の試験出荷の間に、植物検疫を思わせるような貨物の開梱は見られ ず、切花の状態は、出荷時と比べて変化がなかった。 評価と問題点、苦労した点 ・ 輸出梱包( 指示書は図書添付 )について:多くの生産者(団体)が、 非常に簡単な指示を記載してある輸出梱包要領を実行できなかった。通 常の国内出荷梱包と違って、イレギュラーな輸出梱包形態に対して理解 が充分に得られなかった事と、注文から生産者からの出荷までの時間に 6 対応できなかったものと考察できる。 ・ 輸出梱包のポイントは2点からなり、1つは、切花の品質、鮮度を極力 維持すること。それと、矛盾するが、輸送手段である航空運賃の計算は、 体積により決定されるので、同体積内の積載効率を最大限高める梱包を 行う。すなわち、できるだけ商品に傷をつけないように、且つ箱の中に 可能な限り詰め込むということである。 ・ 切花の輸出を生業とする国では、統一された梱包用の輸出専用の箱があ り、内容物を傷つけず、反面出来るだけ大量に梱包することが出来る。 また、梱包の技術も浸透していおり非常に上手く商品に傷をつけること なく大量に梱包する事が出来る。 ・ また、今回の近隣アジア都市の上海でも生産地出荷から計ると、現地で 荷受し再度水揚を行うまでは最短でも、3日半かかる。その間の保水は、 植物が持っている水分だけでは不足してしまう花材もあるので、2種の 保水方法を検討した。 ① エコゼリーを根元に装着する ② 縦型輸送とし、プラスティックバケツを足元に置き水を入れる。 (転倒の際の水こぼれを起こさない容器を使用した。) 保水の効果は②の法が圧倒的に良かったと思われるが、航空機内への搭 載が制限され、積載の際は、直前に水を抜かれるケースもあった。航空 会社からは、水が漏れる可能性のある積載物は搭載不可との返答があっ た。 ・ 輸出に適した商品と輸出を意識した商品:輸送の途中に商品の状態が変 りにくい商品かどうかという、輸出に強い商品かどうかということと、 輸出される事を前提に品種選定、育成を行っているかどうかというのは 輸出に際して大きく差が出てくる。 ・ 高品質を維持するためには、上海現地での植物検疫、通関業務が終了し、 引き取り後、顧客に納品する前に一度商品チェックを行う方がベターで ある。上海の顧客が普段取り扱っていない花材もあるので、商品引渡し 7 前に一度手を入れてから納品するべきであろう。 ・ 原産地証明が出荷の直前にならないと、商工会議所でしか発行できなか ったため、書類の変更( 商品の荷姿によってパッキングが変更され る )が生じた際は、出荷空港に商品を持ち込む前に原産地証明を取り 直さなければならなかった。原産地証明の発行が空港内で処理できるよ うになれば業務のスピードは上がると思われる。 ・ 中国側への通関申請の際、英語、学名の表記とともに、中国語名での表 記を求められた。しかしながら今回の事業で輸出された切花は一般的に まだ市場に広く紹介されていない切花もあり、適合する中国語名を検索 するのが大変であった。 ・ 航空各社の航空運賃のコスト差:関西国際空港から出荷した場合、使用 する航空会社にもよるが、おおむね330円―350円/kgであった。 このコストは切花の輸出大国オランダから上海までのレートが0.75 -0.85ユーロ(105円―119円)/kg、逆のルートで倍の距 離の、雲南から日本まで約20元(300円)/kgを比較すると非常 にコストが高い価格である。 ・ 浦東国際空港から上海市内への配達は冷蔵車を利用したが、比較的冷蔵 車は台数が少ないうえ、通関がいつ上がり引渡しされるかがつかめない ため1日単位でのチャーターとなりコストがかかる。(80kmあるい は8時間以内という契約) ・ 関税(20%)増値税(17%)が販売価格に大きく影響する。 b. ウェディングハウスでの婚礼ブライダルフェアの装飾 上海市内の婚礼届出状況 1. 届出数の推移 2000年 届出数 9.31 (単位: 万組) 2001年 9.30 2002年 9.24 8 2003年 10.82 2004年 13.7 参考データ ※ 東京都 2. 披露宴実施率 (厚生労働省2002年度) 8.85万組、大阪 5.98万組 94% 1元=15 円 3. 露宴会場別費用 4. 婚礼費用 ※ ホテル 5つ星 31,273RMB ( 469,095 円 ) 4つ星 25,430RMB ( 381,450 円 ) 3つ星 20,320RMB ( 304,800 円 ) レストラン 17,835RMB ( 267,525 円 ) 大和総研 2003 年上海市民結婚費用調査より 69,000RMB~113,000RMB ( 103 万円~170 万円 ) =上海婚礼概要= 2000年まではほぼ9万組で、横ばいの状態であったが、2004年には13万 組以上に増加しており東京と大阪の組数を合計した数字に近くなってきている。また、 ライフスタイルの変化とあいまって、結婚式のニーズも多様化してきており、これま での、伝統的な出席者全員での会食を中心とした宴会形式の結婚式から、招待状の発 送に始まり、クオリティーの高い、全てにホスピタリティが配慮されている結婚式が、 欧米留学の経験者(帰国子女)から広がりを見せている。 このトレンドに併せ、切花の販路構築と日本のライフスタイルの提案というなかで、 ブライダル(婚礼)需要に特化して切花の販路拡大を行った。上海で日本式の婚礼を 提案している会社のオープニングパーティ会場にて、日本産の切花を使用した装飾を 展示し、日本産切花の商品力を消費者に提案を行った。 9 ・上海ウェディングストーリー社 ( 上海市内の高級住宅街の中に邸宅四季結婚式会場を建設し、ブライダル産業を 開拓している。) 10 オープニングレセプションに装飾用花材として使用し、婚礼装飾需要の喚起(当人 向け)とその関係者が属する企業関係のレセプション需要を開拓する。その活動の なかで、日本の切花と、デザインの周知と販売拡大を図る。 日時 : 2004年 9 月 23 日 場所 : 上海ウェディングストーリー 使用花材 : バラ各色、オリエンタル系ユリ、アルストロメリア、ガーベラ、カ ラー、ダリア、デルフィニューム、グロリオサ、レースフラワー、 トルコキキョウ、グニーユーカリ、ツル梅モドキ、鈴バラ、アイビ ー、モンステラ、アスパラ、アジサイ等 招待客 : 上海市内在住の今後結婚を検討しているカップル 及び関係者 会場のエントランス、ゲートに装飾を行った切花を配置し、切花の目新たしさとデ 11 ザインの良さで衆目を集めていた。また、会場内の打ち合わせコーナーにも展示し 目近かでみる鮮度のよさと洗練されたデザインは評判が良かった。 評価と問題点、苦労した点 ・ 日本風の邸宅ウェディングの提案としては、一定以上の評価は得られた 物と思われる。おおむね来場者の評判は大変良く、特にその鮮度の良さ に造花と見間違われるケースが少なくなかった。 ・ 装飾のために日本の切花をデザインするためのデザイナーを派遣する ために、渡航宿泊のコストがかかる。しかしながら、中国ではこちらが 要求する技術レベルをもったデザイナーを見つけるのは非常に難しい。 上海での婚礼需要に国産切花輸出がスピード的に対応できるかの検証: 上海ウェディングストーリーでのオープニングレセプション終了後は、現地顧客 からの発注に対して、これまでの輸出事例のように、当方の都合だけで輸出するの ではなく、顧客からの日時制限有り、花材指定有りのリクエストに、迅速に答られ る輸出業務スピードにまで達する事が出来るかどうかを検証しながら、各業務の平 準化とブラッシュアップを行った。 問題点の整理と業務の平準化への対応策の検討 問題点 ① セリで購入するという事は、生産者側で輸出梱包が出来ないのでセリ で購入した場合は、輸出梱包のためのコストと時間がかかる。 ② 1品種の輸出量が少ない切花がある。こういった切花の輸出梱包の平 準化は難しい。 ③ 輸出の際の日本国内空港内でのリードタイムが長く、商品の鮮度保持 が難しい。 ④ 浦東空港内での植物検疫、通関にかかる時間が不透明である。申告当 12 日には上がる物のイレギュラーがいつ発生するかが予測できない。 ⑤ 到着後の切花のメンテナンスが必要 ⑥ 中国国産切花との価格差 ⑦ 日本産の切花の購入層へのアプローチ 平準化と拡大のための対応策 ① 注文品で対応するには価格的なデメリットが多いので、できるだけセ リで購入し、輸出用梱包のコストと時間を軽減、短縮する努力を行う。 具体的には、エコゼリー、輸出用専用箱の製作、資材品の共通化、輸 出梱包の作業者の習熟度のアップを図る。 ② ①と同様で、全て輸出梱包を行う前提で仕立てを行う。 ③ 梱包が終了しないとパッキングリストが完成せず、原産地証明も発行 されないので、まずは、輸出梱包の迅速な仕立てを目標とする。次に、 関西空港内の植物防疫所への連絡を事前に入れておき、前日には輸出 の植物検疫があることを連絡しておく。また、これらの業務に携わる 関係者はできるだけ同一人物を指定し習熟度を向上させる。 ④ 植物検疫にかかわる関係部署に挨拶に行き、できるだけの配慮をいた だける旨を伝える。 ⑤ 到着後、上海市内の切花販売の小売業の方の協力を得て、荷受後すぐ に先方の転倒で水揚処理を行う事となった。 ⑥ 価格差は切花の生産コストから発生しており、輸送、通関に伴い価格 差はさらに広がる方向である。また、上記のような、細かいケアや出 荷体制をとることにより、中国国産切花と、日本国産切花の価格は、 更に広がる。そのためのライフスタイル、デザインの提案であるので できるだけ顧客層を絞ってさらに価値の高い提案を継続して行う。 ⑦ 上記の価格差があっても日本産の切花の購入を望む消費者は存在す る。ただし、この消費層にどのように恒常的にアクセスし、販路を広 13 げる提案を行っていけるかを検討すべきである。 ※ 価格差と消費層については別途記載 中国と日本の切花の価格比較 日本 56円 52円 44円 64円 2004年の切花の平均単価 キク カーネーション バラ 中国 8.4円 7.0円 4.1円 7.7円 上記で見る限り、それぞれの国内での比較で、日本の切花の単価は約7倍高い。 これに、輸出のためのコスト( ボリュームキロで換算した場合、概算で見積も ると約500円/kgと換算 )をかけると一回の出荷ボリュームにもよるが、 日本で販売している価格の約3-4倍のコストが必要になってくる。つまり上海 での国産切花の販売単価は、日本国内の平均価格から見ると、 ※ 約7倍 x 3-4倍 = 21-28倍 高いという計算となる。 また、市中では、通常20元から50元程度の既成のアレンジが花屋の店頭で、 販売されており、少し良い切花を使って、大きく作成されたブーケだと100元 ―300元で販売されている。また、春節、バレンタインデー、クリスマス等で 切花の贈答の機会が増えてくる需要期前後には、価格が非常に高騰する。ちなみ に2006年のバレンタインデーの際も店頭で赤バラの価格が急上昇した。 ここで、この切花を高い航空運賃と関税、増値税を支払ったうえで、充分にビ ジネスできるようにするための方策をサイド検討した。 対中国国産切花との比較で一番大きな違いは、品質の差、品種の多様性である ことは、言うまでもない。このことを再度確認した上で、上海の富裕層からの反 応が非常に良かった事を踏まえて、次に、日本産の切花を使った、日本のライフ スタイルの提案を、切花市場を借り5日間にわたり展示会を開催し、ターゲット となる顧客層を狙って開催した。 14 富裕層に向けた展示会の実施: 中国の切花の30倍近い価格の日本国産の切花を中国の富裕層へ販売する。 例え価格が中国産の切花の30倍近くする商品であっても、富裕層の中には充分日 本産切花を購入する意欲を確認できた。これらの富裕層は、自身の生活スタイルの中 に高級な切花を使用する目的がある。また、関係者への贈答品や、自身が経営する会 社のエントランスや応接室を装飾する意味合いでの購入も確認できた。 同時に、品質管理ができた日本の切花として、単体としての価値も高く評価はされ るが、やはり日本のデザイナーが製作するアレンジやブーケはさらに高く評価された。 この二点を鑑み、ターゲットとなる消費者を絞り込み、日本のライフスタイルと同 時に提案を行った。 ■展示会名称: ■概要 JAPAN New Flowers and Lifestyle Design -Business Trade Fair – 日本国産の高品質で新しい品種を展示するとともに、日本国での フラワーアレンジメントなど様々な切花を使ったライフスタイルを紹介。 ■開催期日 2006年1月11日(水)~15日(日) 10:00~17:00 ■展示会場 上海浦東双季花市内的展示会場 15 住所:上海市浦東新区浦建路620号 ■展示構成 テーマ展示:グロリオサを中心とした切花のモニュメント展示 テーブル展示:各種切花を利用したテーブルアレンジメント 切花展示:グロリオサ、リューココリーネ等各種切花品種 ■プレスデーイベント 2005年1月11日(水) 13:30~14:30 ①日本のフラワーアレンジメントショー (長田安広) ②モデル撮影会 (各種フラワーアレンジとモデルの写真撮影会) ■主な展示花き ●グロリオサ ●リューココリーネ ●サンダーソニア ●OHユリ 会場イメージ 見取り図 16 ■招待状発送 上海を中心とした中国国内プレス及び上海の一流ホテルマネージャ宛に招待状のDM 発送を行うとともに、プレスに関しては電話による確認を行う。 ■チラシ配布 会場となる双季花市や園芸関連の団体にチラシを配布し、展示会の告知を行う。 ■会場でのプレス対応 記事扱いとしていただけるようにプレス向けイベント等も行い、話題性を作る。 配布チラシ 17 展示会スケジュール 9日(月) 12:00 運営スタッフ会場入り 9:00-20:00 展示施工物 搬入~設営作業 夕方 花き 会場到着~保管もしくは水揚げ 10日(火) 10:00-20:00 花き 展示ディスプレイ作業 11日(水) 8:30 スタッフ会場入り 花展示メンテナンス作業 9:00 受付準備、デモンストレーション資材準備 9:30 プレス対応スタッフ、モデル入り~打合せ 10:00 開会式 11:00 第1回デモンストレーション 12:00 第2回デモンストレーション 13:30-14:00 プレスイベント① フラワーアレンジ 14:00-14:30 プレスイベント② モデル撮影会 16:00 第3回デモンストレーション 17:00 終了 ■開会式次第 詳細 1月11日10:00より 18 (司会) 株式会社クリエイト 茅野専務 1.主催者挨拶 2.ご来賓挨拶 3.展示花きの紹介 株式会社クリエイト 茅野代表取締役 双季花市代表 上海野菜(集団)有限公司代表 上海市挿花協会 代表 上海市花卉協会(蘭花分会) 代表 南京市農林局 代表 株式会社クリエイト 茅野専務 ■プレスイベント次第 1月11日13:30より (司会) 株式会社クリエイト 茅野専務 1.主催者挨拶/展示のご紹介 株式会社クリエイト 茅野専務 2.フラワーアレンジメント 長田安広/アシスタント:坂部優子 3.モデル撮影会 中国人モデル3名による 19 12日以降のスケジュール 12日(木) 10:00 展示会オープン 13日(金) 10:00 12:00 14:00 16:00 20 デモンストレーション 17:00 14日(土) 10:00 終了 展示会オープン 15日(日) 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 デモンストレーション 17:00 終了 15日(日) 17:00-18:30 花装飾撤去作業 18:00-20:00 展示施工物撤去作業 18:30-20:00 切花花き滅却作業 20:00 全終了 <展示会外観> 21 22 展示切花リスト Create Co. Ltd. Japan Tel +81-6-6389-1121 Fax +81-6-6389-1033 Packing List AWB# Box Box kg To: Destination Micro Bio Shanghai Variety Detail Ctn No. 153 Stems 1 Gloriosa Misato Red 2L 40 2 Gloriosa Misato Red 2L 40 3 Gloriosa Misato Red 2L 40 4 Gloriosa Misato Red 2L 40 5 Gloriosa Misato Red 2L 40 6 Gloriosa Misato Red 2L 40 7 Gloriosa Misato Red 2L 40 8 Gloriosa Misato Red 2L 40 9 Gloriosa Misato Red 2L 40 10 Gloriosa Misato Red 2L 40 11 Gloriosa Misato Red 2L 40 12 Gloriosa Misato Red 2L 40 13 Gloriosa Misato Red 2L 40 14 Gloriosa Misato Red 2L 40 15 Gloriosa Misato Red 2L 40 16 Gloriosa Misato Red 2L 40 17 Gloriosa Misato Red 2L 40 18 Gloriosa Misato Red 2L 40 19 Gloriosa Misato Red 2L 40 20 Gloriosa Misato Red 2L 40 21 Gloriosa Misato Red 2L 40 22 Gloriosa Misato Red 2L 40 23 Gloriosa Misato Red 2L 40 24 Gloriosa Misato Red 2L 40 25 Gloriosa Misato Red 2L 40 23 26 Gloriosa Misato Red 2L 40 27 Gloriosa Misato Red 2L 40 28 Gloriosa Misato Red 2L 40 29 Gloriosa Misato Red 2L 40 30 Gloriosa Misato Red 2L 40 31 Gloriosa Misato Red 2L 40 32 Gloriosa Misato Red 2L 40 33 Gloriosa Lutea 2L 40 34 Gloriosa Lutea 2L 40 35 Gloriosa Lutea 2L 40 36 Gloriosa Lutea 2L 40 37 Gloriosa Lutea 2L 40 38 Gloriosa Lutea 2L 40 39 Gloriosa Lutea 2L 40 40 Gloriosa Lutea 2L 40 41 Gloriosa Lutea 2L 40 42 Gloriosa Lutea 2L 40 43 Gloriosa Lutea 2L 40 44 Gloriosa Lutea 2L 40 45 Gloriosa Lutea 2L 40 46 Gloriosa Lutea 2L 40 47 Gloriosa Lutea 2L 40 48 Gloriosa Lutea 2L 40 49 Gloriosa Lutea 2L 40 50 Gypsophila S 200 51 Gypsophila S 200 52 Gypsophila S 200 53 Gypsophila S 200 54 Gypsophila S 200 55 Gypsophila S 200 56 Gypsophila S 200 57 Gypsophila S 200 58 Gypsophila S 200 59 Gypsophila S 200 60 Gypsophila S 200 24 61 Gypsophila S 200 62 Gypsophila 2L 50 63 Gypsophila 2L 50 64 Gypsophila 2L 50 65 Sandersonia 20 66 Sandersonia 20 67 Sandersonia 20 68 Sandersonia 20 69 Sandersonia 20 70 Sandersonia 20 71 Sandersonia 20 72 Sandersonia 20 73 Sandersonia 20 74 Sandersonia 20 75 Sandersonia 20 76 Sandersonia 20 77 Sandersonia 20 78 Sandersonia 20 79 Sandersonia 20 80 Sandersonia 20 81 Sandersonia 20 82 Sandersonia 20 83 Sandersonia 20 84 Sandersonia 20 85 Delphinium Light Blue 3L 20 86 Delphinium Light Blue 3L 20 87 Delphinium Light Blue 3L 20 88 Delphinium Light Blue 3L 20 89 Delphinium Light Blue 3L 20 90 Delphinium Light Blue 3L 20 91 Delphinium Light Blue 3L 20 92 Delphinium Blue 3L 20 93 Delphinium Blue 3L 20 94 Delphinium Blue 3L 20 95 Delphinium Blue 3L 20 25 96 Delphinium Blue 3L 20 97 Delphinium Blue 3L 20 98 Delphinium Blue 3L 20 99 Lilium Yellow 20 100 Lilium Yellow 20 101 Lilium Yellow 20 102 Lilium Yellow 20 103 Lilium Crystal Branca 20 104 Lilium Red 20 105 Lilium Red 20 106 Alstromeria Yellow 30 107 Alstromeria Yellow 30 108 Alstromeria Yellow 30 109 Alstromeria Yellow 30 110 Alstromeria Purple 30 111 Alstromeria Purple 30 112 Alstromeria Purple 30 113 Alstromeria Purple 30 114 Frutescens 100 115 Frutescens 100 116 Frutescens 100 117 Odoratus White 3L 100 118 Odoratus White 3L 100 119 Odoratus Orange 3L 100 120 Odoratus Orange 3L 100 121 Odoratus Orange 3L 100 122 Odoratus Purple 3L 100 123 Odoratus Purple 3L 100 124 Odoratus Purple 3L 100 125 Strelitzia 30 126 Strelitzia 30 127 Strelitzia 30 128 Paeonia Suffruticosa 10 129 Paeonia Suffruticosa 10 130 Paeonia Suffruticosa 10 26 131 Paeonia Suffruticosa 10 132 Paeonia Suffruticosa 10 133 Leucocoryne Ixioides 40 134 Leucocoryne Ixioides 40 135 Leucocoryne Ixioides 40 136 Leucocoryne Ixioides 40 137 Leucocoryne Ixioides 40 138 Leucocoryne Ixioides 40 139 Leucocoryne Ixioides 40 140 Leucocoryne Ixioides 40 141 Leucocoryne Ixioides 40 142 Leucocoryne Ixioides 40 143 Eustoma Purple 50 144 Eustoma Purple 50 145 Aspidistra Elatior 100 146 Aspidistra Elatior 100 147 Aspidistra Elatior 100 148 Nut Pine 25 149 Nut Pine 25 150 Salix Black 100 151 Cissus Ruombifolia 150 152 Cissus Ruombifolia 150 153 Cissus Ruombifolia 150 Total 0 8,210 27 28 4. 事業実施の結果 展示会は、浦東新区にあり、05年の秋にオープンしたばかりの上海双季花卉園芸 市場内にて行った。この新しくオープンした市場は、切花と鉢物を取り扱う小売店と 問屋が混在しており、他の上海の市場同様に、プロである花屋だけでなく、一般の消 費者もそれぞれ購入する事が出来る。市内中心部からは距離があるものの、交通の便 が良く、今後発展してくる地域である。この市場内の1階のスペースを確保し展示会 を行った。 展示面積 6.45m x 22m 横長の会場であったので、高さ3m以上のグロリオサとカスミ草を中心にしたフラ ワータワーを横に3本製作し、会場入り口から非常に目立ち、印象的な装飾を行った。 壁面のガラスのショーケースでは、今回展示した切花をガラスの花器に1品種毎入れ 展示し、会場内のスペースは日本のライフスタイルを取り入れたテーブルセッティン グの提案を行った。また、定期的に、日本人デザイナーによるブライダルを中心とし たアレンジ、ブーケの製作を行った。多くの消費者の目に触れたが、当初はあまりの 切花の美しさに、プロである花屋以外のほとんどの人が造花と認識していた模様であ る。 曜日により来場者の内容も違う事もあり、計5日間の展示期間であったが、初日は 招待関係者との交歓とプレス発表が中心で、具体的な引合い、商談は主に2日目以降 に行った。終盤の(土) (日)は一般消費者の来場が多く関心の高さをうかがわせた。 また、日本人デザイナーのデモンストレーションにて製作された作品の買取りも多く 希望され、ここでも日本のデザインに対する期待度が高い事が窺がわれた。 当初からの目的であった、上海の富裕層へのアクセスという点では、一部の消費者 が来場し、品質の高さとデザインの良さで顧客になってくれたが、予想していたほど の来場数ではなかった。この点について現地の花小売業の方々から情報オを集めたと ころ、上海自体に切花を専門に販売する問屋のような店舗はあっても、いわゆる日本 で見かけられるような、店頭を綺麗に装飾し小売のみを行っている小売業の切花専門 店はほとんど無く、そのため富裕層が花を購入する際は、直接農園から仕入れたり、 または市場内の問屋に発注したりしているとのことであった。そのため、このような 展示会は、開催等の情報を入手する事が出来ないのではないかという意見が多く聞か れた。しかしながら、来場した富裕層と思われる消費者は、価格より、商品の品質の 高さや優れたデザインに納得し、購入の意思をすぐに表わしていた。 29 顧客の調査という点では、新たに加わったのが、このような富裕層に独自に販路を 持っている問屋が目立った存在であった。こういった問屋の多くは、中国産の切花を 取り扱うだけでなく、独自でオランダ産や日本産切花を取り扱っており、当然価格的 な拒否反応は無く、この価格でも売れるということを充分理解しているようであった。 事業を実行する際に苦労した点及びその解決方法 まず、会場の選定に苦労が多かった。各社合同の展示会でなく、単独の展示会であ ったため、開催の周知には時間とコストがかかるとは予想していた。それ以外にも、 展示会を開催するに当って、警察や交通管理局等への連絡や書類の提出など煩雑な処 理があった。また、当初は他の市場も当ってみたが、スペースが充分でないであると か、集客能力に問題がありそうであるとか、会場の場所が狭い、美しくない等々の問 題があった。春節際前の需要にまでに展示会を行いたかったというこちらの思惑の制 限内で双季市場が見つかった事は幸運であった。 次に、装飾用の花材の輸出がそれまでとは、出荷量が桁違いに大きかったので、ケ アが必要であった。出荷量が多いため、それまで、経験してきた輸出のルールとは違 った規則を適用するというような事を言われたりした。この会の輸出については非常 に中国的な対応であったので、この顛末を記載する。 関西空港出荷後、浦東空港到着後 朝 植物検疫の申請、通関の申請スタート 午前中 もしもの事があってはならないとの事で、上海側の展示会運営社の紹介で、 植物防疫関係の役所へ挨拶に伺って、直接空港へ特別の配慮をする旨伝えてもらう。 午後 空港にて待機 18時 貨物が搬出されるという情報を入手する。 19時 搬出と同時に保税倉庫外で、搬出したトラックが止められ検査官が登場する。 検査官の指示により、任意に積荷の中から3ケースを降ろす。 それぞれの箱の蓋を開け内容物を目視で確認し、品種名を確認する。 これで終了とのことで、空港外に搬出を行った。 当初聞いていた、1品種100本以上の切花については事前に申請が必要であると か、総量に対して抽出の割合が決まっているとか、通常保税扱いとして扱われる輸入 植物であるとかいう概念は完全に無く、ほとんど内容のチェックだけであった。これ もひとえに上級官僚からの指示に拠るものかとホッとした反面、このイレギュラーな 対応に今後の心配の種を残す事となった。 30 また展示会終了後に商品の問い合わせとする窓口はどこかという問い合わせが多 くあり、展示会問合せ先として取得していたメールアドレスを急遽、今後の商品窓口 として連絡をおこなった。その後問い合わせはメールで出来るので、非常に便利に対 応が出来るようになった。 また、新聞やテレビの取材もあり、それを見た消費者が来場したり、問い合わせが あったり関心の高さが窺がわれた。この結果、上海の5つ星クラスのホテルから館内 の装飾の商談につながったり、百貨店の玄関口の装飾を依頼されたりと事業拡大の取 っ掛かりとなった。 5. 目標に対する結果の評価 a.輸出業務の定性的な確立 目標 : 週に一度の定期的な輸出を行う。 結果の評価 : 1月の展示会以降、バレンタイン需要に向けてバラ、シンビ、 グロリオサを中心に関心が高まる。問屋や富裕層の消費者と見られる人からの 受注を受ける。旧正月の期間から以降需要が低くなるので、暫時中断。4月か らの再開を企画中。 b.中国側での物流の問題点の把握: 目標 : 流通に携わる関係者の習熟度の向上、通関時間の短縮 結果の評価 : 6回以上の出荷の中で、ロジスティクス関係者の習熟度は向 上した。特に日本側では、習熟度が上がり、仕入れから出荷、空港までの搬入 から輸出までの業務遂行時間が大幅に短縮された。(当初 仕入れから輸出ま でにかかっていた担当者の時間のべ3日(20時間程度)に対して 2月輸出 時のべ2日(10時間程度)に短縮された。反面、中国での流通については、 浦東空港到着後から上海市内への配達までの時間短縮は出来なかった。空港か ら貨物が搬出されるまでの時間は、安定していたが、当方にとって全く内部w 推察することが出来なかった。 c.花を用いた日本文化の提案 目標 : 切り花を使った生活様式の具体的な提案を行う。 結果の評価 : 2度の展示会の中で、日本風ウェディングの提案と、ライフ スタイルの提案ができた。特に顧客を絞った展示会としたため来客がそのまま 31 顧客になり受注することが出来た。アレンジ 6件受注、 ホテル、百貨店の エントランス用としてアレンジした切り花の受注を受ける。継続して装飾を受 け持つことを交渉中。 d.日本産切花のブランドの確立 目標 : 日本産切り花のブランドを定着させる。 結果の評価 : 当初 ブランド名を企画してそのロゴを広告宣伝に利用する ことを検討したが、予算的に難しかったことと、ブランドイメージの確立のた めの調査ということもあり、展示会のポスター、チラシ(3,000枚)を配 布し告知を行うに留まった。また、同時期に上海の別の場所でも日本産の切り 花の展示会が行われていたので、全体的に日本産の切り花のブランドイメージ は向上したと思われる。 6. 今後の課題 ① まずは全てにおいて中国社会のルールに精通する事と、それだけではなく、 ルールの変更に敏感になる事である。先もトラック車両の市内乗り入れのル ールが変更になり、かなり多くのトラックが上海市内に入れなくなり、罰金 を覚悟で入っているという話もある。このように日々めまぐるしく法律が細 かく変わってゆくので、常にウオッチしている必要がある。花卉業界も同様 で、変化が非常に激しい。そのためにも、このようなことを現地でウオッチ できるように駐在員を常時滞在させているほうがベターであり、中国進出の 当然の経費であると見られる。 ② 花卉業界は現在非常に猛烈なスピードで拡大しているので、これに携わる関 係者の教育がついていけてない部分が多く見られる。切花を扱う事には、複 雑ではないが、それなりの知識が必要である。例えば、商品を開梱したらす ぐに水できり戻しをする。直射日光の当たるような場所には放置しない。バ ケツの水は毎日変える等基本的な扱いすら理解されていないケースを見か ける。扱いだけでなく、通訳も花に関する知識や品種名を知らないと、一般 的な日本語は話せても花の業務にはまったく使えない通訳となってしまう。 ③ ①と同じことであるが、切花についての知識が無いので、その教育にそれな りの時間が取られることと、中国側での連絡窓口、販路拡大の窓口として市 場内に、恒常的に日本の切花を展示する店舗の開設が必要である。 上海市内市場での恒常的な店舗開設した場合のコスト 32 3mx3m 2,000元 ~ 4,000元/月 これ以外に光熱費代金、インタネット等の通信費代金、人件費当が発生する。 ④ ⑤ 7. 日本からの切花輸入の窓口として上海に店舗を構え、沿岸部の生活様式が大 きく変わってきている都市への出荷をコントロールすることが出来る。北京、 天津等の地域へ航空便を利用して転送できるならば、マーケットは広げられ る可能性がある。そのために中国側でネットワークを立ち上げる事も必要で あると考える。 (現在中国版JFTDであるCFTDは立ち上げ中であるが、 まだまだ組織としては脆弱でネットワークが弱いように見える。) 定期的な日本産切花の告知活動が必要であろう。切花輸出大国のオランダの ように、大小問わず多くの展示会に出展、協賛し、またデザイナーの派遣や PR用の資材等も作成し日本産の切花の宣伝を継続して行い続けなければ ならない。当社としては、上海国際花卉交易会当への出展 ( 2006 年 4 月 7 日―16 日まで 上海長風公園 )を検討している。 受託者としての総括所見 今回の委託事業にかかわって、中国に切花を販売する際に、すこしでもポイ ントをずらしてしまえば、まったく意味がなくなるという考えていた。 つまり、メインであり全ての顧客になる、富裕層の消費者にできるだけ早く 確実にアクセスする事が必要で、この軸がぶれてしまうと、高額な生鮮商品 である日本産の切花の販路を創出する事は出来ないと考えていた。 今回の委託事業を進める中で、予想できた問題点も予想外の問題点も表面 化できたことは非常に有意義であった。最終的な目標である、上海の富裕層 への販売も展示会以降徐々にではあるが、進捗がある。一番のポイントはや はり、富裕層に対してのアピールであり、そのためにも今後、日本人のデザ イナーが常駐した、日本産高級切花の常設店舗の開設を目指して行きたい。 33 平成 18 年 3 月 23 日 関係者の皆さんへ 高品質のお花を世界から サントリーフラワーズ ムーンダスト販売代理店 デビッド・オースティンカットローズ輸入販売会社 株式会社 クリエイト 専務取締役 茅野 上海向け国産切り花輸出の件 弊社では、平成17年度農林水産省委託事業の一環として新規輸出開拓事例構築と して、上海向け国産切り花の輸出事業を立案しております。 高品質の国産商品を、高級品のニーズの需要が見込まれる中国で、もっとも新進の 気風を取り入れる年上海へ販路を求めようとするものです。 1月の中旬から下旬にかけて、上海の市場で展示ブースを設営し1週間程度展示を 行い広く日本の切り花のよさをPRする展示会的な要素だけでなく、現地物日や増加 している、婚礼需要にあわせ、日本国産品商品を実際的な商流にまで発展させる事が 目的です。 出荷する産品にはこだわりませんが、現地生産商品との兼ね合いで、高額で販売で きる高品質の商品のみを出荷いたします。また、輸送も隣国ですが、商品受領から現 地到着まで通関等を考えると約2日間かかりますので、それに対応できる梱包での出 荷をお願いいたします。 今後のスケジュールとしては、今月中に大まかな出展品目を決定し12月上旬に撮 影を行います。実際の出荷までに、荷姿等の打ちあわせを行い事前に備えます。 以上 34 平成 17 年 12 月 1 日 関係者各位 株式会社クリエイト 専務取締役 茅野博之 上海展示会用切り花、鉢物 輸出出荷・梱包要領書 本紙は、上海にて 2006 年 1 月に行われる下記展示会向けに出展していただく、切 り花と鉢物の輸出梱包使用を記載したものです。 本紙に則ってそれぞれの商品を梱包頂き出荷いただけますようお願いいたします。 記 展示会名称 : Japan New Flowers and Lifestyle Design – business trade fair- 会期 : 2006 年 1 月 11 日~16 日 会場 : 浦東双季花市内展示会場 運営担当者: 電話番号 株式会社クリエイト 専務取締役 06(6389)1121 35 茅野博之 ファックス番号 06(6389)1033 メールアドレス [email protected] 目的 : 本事業は農林水産省からの受託事業者である株式会社クリエイトが現地市 場内で展示会を企画し運営を行うものです。日本の秀逸な切り花と鉢物の品質を、上 海の富裕層の消費者にアピールし継続的な取引を開始する契機とするための展示会 です。現在、上海には中国産の切り花が多数存在していますが、品質、品種的な面か ら考察すると、東京以上の人口を抱える国際都市上海のマーケットには満足できない ものと推察をしています。この市場へ日本国産の品質の商品を輸出して行こうという 目論見です。 以上 出荷・梱包要領書(切り花用) 出荷予定: 2006 年 1 月 6 日(金) 出荷場所: 株式会社なにわ花市場 提出書類: A。 出荷明細書 (品種名、長さ、仕様、本数 を記載した出荷明細を事前にファ ックスにてご連絡ください。:通常の市場出荷の要領と同じです。) B。 送信先: 1.なにわ花市場 宛 2.クリエイト 宛 ファックス番号 梱包の仕方 36 06(6389)1033 茅野宛 1. 輸出をする場合、国内以上に、経費の中で輸送コストが非常に大きな比重を占 めます。そのため輸送中、花に負担がかからない程度にできるだけ詰めて出荷 する必要があります。例)同じ大きさの箱に、30 本詰めて運ぶ経費と 60 本詰 めて運ぶ経費とでは、60 本を運ぶほうが 30 本より、半分の輸送コストで運ぶ 事ができます。 2. しかし、あまり詰めすぎると花スレや潰れが起きてしまいますので、花が箱の 中で動かない程度にきっちりと詰められている梱包が理想的です。 3. また、輸送途中には、空港内や、飛行機に乗せる際、箱が何度か積み替えをさ れますので、このときに中で動いて頭打ちを起こさないようにしっかり固定す る必要があります。 4. 海外輸出といっても、上海は比較的近距離ですので、飛行時間そのものは約 2 時間 30 分程度ですが、植物を輸出する際は、日本側での植物検疫、中国側で の植物検疫、通関、搬送等々の時間が相当かかります。現在当社で何度かトラ イアルでの輸出を行い実績を確認しております。今回の出展までには次のよう な時間が必要です。 具体的なスケジュールについて 1 月 6 日(金) なにわ花市場到着クリエイト荷受 梱包チェック、輸出書類作成 7 日(土) 関西空港持込、植物検疫受験後 貨物機へ搭載 8 日(日) 上海植物検疫 受験後 上海市内へ 冷蔵庫で保管 9 日(月) 朝から開梱 水揚げ (11 日より展示開始) という流れを予想しています。つまり、産地からの出荷を(木)だとすると、 上海での水揚げまでは最大 4 日間かかります。当然この間は、冷蔵庫で保管さ れますが、水は補給できません。そのため、出荷の際は足元に充分水を補給で きる形を取って出荷してください。 (具体的にどういった足元の処理方法にするかは、各出荷者の方の判断にお任 せします。) 37 5. 箱の内容物の重量は最大約8kgまでにして花が動かないように固定してく ださい。 6. 出荷する箱の大きさはお任せしますが、できるだけしっかりした箱を利用して 出荷してください。 7. 縦箱での出荷も可能ですが、輸送コストを低減するためにも、できるだけ乾式 の横箱で足元をしっかり処理した出荷形態を取っていただくことが理想的で す。 8. 1 月 6 日の本出荷の前に、12 月中旬にトライアルの出荷を行います。本番と 同じ梱包形態で出荷をしてください。問題点があればご連絡いたします。 (ポイント) しっかりした箱に、花を潰れない程度に、できるだけ詰めいれて、輸送中動かない ように固定しておく。足元は 4 日間程度の水の補給ができるように処理をする。 (お願い) 上海向けに国産の切り花を定期的に輸出できるように弊社も努力していきますので、 何卒皆様のご理解とご協力をお願いいたします。 切花の輸出における必要書類及び必要記載事項 38 作成要領書 Invoice・・事前申請をするので必ず荷物持込の前日昼頃までに必要 1) Invoice number; 様式(番号)はシッパーに一任 2) Invoice date; 必ず Certificate of Origin(原産地証明)と同じ日付で 3) Consignee name and address; 英文で、さらに Shipper の name and address もあればベター 4) Carton remarks; 各カートンの模様やナンバー等、特に原産地証明を入手 する際に必ず必要 5) Carton color; 各カートンの色、同じく原産地証明を入手する際に必ず必 要 6) “T.T” (or “No value”); 有償の場合はさらに”Commercial Invoice”と記載す るのがベター ※無償の場合は”F.O.C”(free of charge)でもよい 7) Unit; 切り花の場合は主に”Stems” 8) Price and Value (T.T の場合) ; どの Currency かも記載する必要あり 9) Total unit / Total value / Total number of carton; 通常はインボイスの下 段に記載 10)“C&F”(or F.O.B); どちらにしても、おおよその航空運賃を税関に申告する必 要あり 11)Person Preparing Invoice; 横に同一人の Signature が必要 Packing List・・実際の申告の際に必要なので、持込当日でも間に合う(植検の際に あれば便利) 1) 任 Box / Ctn / Box kg / variety / Detail / Color / Unit 等、様式はシッパーに一 Certificate of Origin(日本原産地証明) ・・商工会議所や(社)貿易協会などで取得、 39 輸入地で必要 1) Exporter (Name, address country); 英文で 2) Consignee (Name, address, country); 英文で 3) Number and date of Invoice; 必ず Invoice と同じ番号/日付で 4) Country of Origin; “Japan”と記載 5) Transport details; “From ○○ to ○○ by Air(or Sea)”と記載 6) Marks, numbers, number and kind of packages; description of goods; 品 種ごとに、カートンの模様と色、カートンナンバー、ユニット数を細かく記載 7) Quantity; 上記 6)の品種ごとに、その右側に数量を記載 * 上記 6)と 7)の記入例 6) Marks, Numbers, Number and kind of packages; description of goods 7) Quantity Ctn#1 Rosa 160 units White / No Mark 160 units Ctn#2 Viburnum 50 units White / No Mark 50 units Hypericum 25 units 25 units Ctn#3 / 4 / 5 Dendrobium 50 units Brown / Marked “JA Okinawa” 150 units 8) declaration by the Exporter;専用用紙に印刷されているので Place and Date のみ記入 9) Name and Signature;上記 declaration の下段に記載 . 鉢物の輸出における必要書類および必要記載事項 Invoice / Packing List / Certificate of Origin・・切花の場合と同じ Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora (CITES)・・必ず英文タイプで記載、専用用紙は(社)貿易協会で購入、合計 三部必要で税関申請前日までに用意 40 1) Name and address; 英文で 2) Species listed in Appendix ⅠAppendix Ⅱ of the Convention; 学名およ び common name を英文で記載し、付属書Ⅰに該当する場合は”(Ⅰ)”、付属書Ⅱ に該当する場合は”(Ⅱ)”と記載 3) Specimen(s) , Part(s), Derivative(s), indicate the type of product; “Live plants”と記載 4) Sex, Size; 必要な場合は大きさ、重さ等を記載、記載なくてもよい 5) Quantity; 数量の前後に必ず*を記入 (例*120*) 6) Value; C&F(or F.O.B)および Currency を記入してから金額を記載 (例 C&F Japan ¥10,000) 7) Bred in captivity or cultivated in; 都道府県を記載 (例 Tokyo, Pref ’ Japan) 8) Destination; 中国の場合は台湾と区別するため”Republic of China”と記載 9) Name and address of consignee; 英文で 10)Export or Re-export; 日本原産地証明取得の場合は”Export”と記載 11)Country of Origin; 日本原産地証明取得の場合は XXXXX と記載、その他の 場合は国名を記載 12)Scheduled port of shipping / Estimated date of shipping; 予定でよい 13)Purpose; T.T の場合は”(T)”と記載、No value の場合は輸出の目的を記載 輸出承認申請書・・二部必要、専用用紙は(社)貿易協会で購入、CITES 申請まで に必要 1) 申請者の記名押印または署名、住所; 法人の場合は必ず代表者印が必要 2) 買主名、荷受人及びその住所; 同一人の場合は荷受人の欄に”上と同じ”と 記載 3) 仕向け地、経由地; 国名を記載、経由地は第三国を経由する際にのみ記載 4) 商品名; 上記 CITES の 2)と同様の記載事項 5) 型及び等級; 上記 CITES の 4)と同様の記載事項 6) 輸出貿易管理令・別表第2貨物番号; “36”と記載 7) 単位; 鉢物の場合は ”pots” “bulbs” 等と記載 8) 数量; 上記 CITES の 5)と同様の記載事項 9) 価格; 単価と総額を分けて記載、記載方法は上記 CITES の Value と同様 10)”(ただし、数量及び総額が %増加することがある)”; %の箇所に XXX と記入 41 輸出許可申請説明書・・二部必要、専用用紙は(社)貿易協会で購入、CITES 申請 までに必要 1) 申請者の記名押印または署名、住所、電話番号; 法人の場合は必ず代表者 印が必要 2) 輸出者氏名(企業名及び代表者名)、住所; 代表者名を忘れずに 3) 動物又は植物の名称; 学名、和名、個数をそれぞれ記載 4) 輸出時点の貨物の状態(生きている場合その運送方法及び輸送機関) ; (例)” たて箱で一鉢ごとに梱包して中国東方航空にて空輸” 等と記載 5) 輸入許可書; 現地の輸入許可書にある発行国、発行年月日、許可書の番号 を記載、さらに輸入許可書のコピーを添付する必要あり 6) 養殖のもの又は栽培されたもの; 栽培期間、栽培場所、栽培の目的、栽培 した者の氏名及び住所を記載、生産者が作成する栽培証明書(下記)と同様の記 載事項 7) 購入(入手)先; 氏名又は企業名及び代表者名、電話、住所、購入または 入手年月日をそれぞれ記載。通常は生産者、仲卸または花卉市場を記載 8) 輸出予定年月日、輸出予定港; 予定を記載 9) 輸入者; 氏名、住所、仕向国、仕向地をそれぞれ記載 10) 生きている動植物の場合その受入施設; 展示会場や結婚式場等を記載 栽培証明書・・一部必要、各生産者が作成するオリジナルの証明書が CITES 申請ま でに必要 1) 2) 経済産業大臣宛てに作成 栽培者名、栽培場所、栽培期間を記載し、栽培者名の押印が必要 申請理由書・・一部必要、申請者が作成、通常はA4サイズ、CITES 申請までに必 要 1) 経済産業大臣宛てに作成 2) 申請者の記名押印; 法人の場合は必ず代表者印が必要 3) 申請する植物がワシントン条約の付属書Ⅱに該当する旨明記 4) 買主名および住所、貨物名、数量及び金額; 上記輸出許可申請説明書と同 様の記載事項 5) 該当項目; “輸出貿易管理令別表第 2 の 36 の項に該当”と記載 6) その他特記事項があれば記載 42 誓約書・・一部必要、申請者が作成、通常はA4サイズ、CITES 申請までに必要 1) 経済産業大臣当てに作成 2) ワシントン条約に違反して採取したものでないことを誓約 3) わが国の動植物の保護に関する法律に違反して捕獲もしくは採取されたもの 又は譲り受けもしくは引き取りをされたものでないことを誓約 写真・・A4サイズの用紙に貼り付け、CITES 申請までに必要 1) 品種ごとに添付し、一般名を明記 契約書・・シッパー、輸入者間の契約書(写し)で口頭契約は不可、必ず名文化さ れた契約書が必要 1) 2) 輸出品目、金額、条件等を記載(英文がベター) 展示会等に出展する場合は開催案内書を添付 輸送手段説明書・・一部必要、申請者が作成、通常はA4サイズ、CITES 申請まで に必要 1) 2) 3) 経済産業大臣宛てで作成 “輸送経路は下記の通りに相違ありません”と記載しその下に輸送経路を明記 申請者名、住所; 法人の場合は代表者印が必要 C. 切花輸出の際の流れ及び注意点 荷物持込1日前まで 1) 2) 3) 4) 輸出商品の確定; インボイス作成のため、できれば昼までに確定 Invoice 作成; 事前申請のため、できれば昼までに乙仲にFAX パッキング; 荷物持込当日では間に合わない場合は前日までに 各パッキングのマーク、色、大きさ等を把握; Certificate of Origin の申 43 請のため 5) Certificate of Origin の申請、取得; 物持込当日でもよい 大阪商工会議所にて、間に合えば荷 荷物持込当日まで 1) Packing List 作成; 植物検疫のため、この際 Actual weight を記載する 必要あり 2) 商品の産地(都道府県別)を把握; Phytosanitary Certificate(検疫証明 書)発行の際に申告 3) 植物検疫; 荷物持込の際、直接植検場に行く 4) 輸出通関; 植検合格の場合はすぐに、不合格の場合は不合格の品種を燻蒸 し、または輸出取り止めを決定してから通関申請 5) 保税上屋持込; 通常は乙仲のハンドリングで 注意点 1) 商工会議所で Certificate of Origin を取得する際には品種ごとに各カートン の色、マークの記載が必要。したがってパッキングをする前の段階で Certificate of Origin を取得するのは事実上困難であるが、確実にこの箱にこの商品を何本 パッキングすると決めていれば可能。 2) 輸出税関の事前申請用の Invoice にはカートンの色、マークの記載は必須で はない。したがってパッキング前に事前申請用の Invoice を乙仲に提出する際は カートンの色、マークの記載をしない方がベター。ただし Certificate of Origin を取得する際に商工会議所に提出する Invoice には色、マークの記載が不可欠な ため、パッキング後に申請する方が無難。その際、税関にはカートンの色、マー クが記載されていない Invoice が、商工会議所には記載されている Invoice が提 出されているため、二重の Invoice になる。しかしあくまで税関に提出された Invoice が本物の Invoice として認識する必要がある。 3) Certificate of Origin はあくまで日本原産地であることの証明である。この 書類は輸入地で必要なため、実際は外国から輸入された商品も日本原産地である として申請する必要がある。また、Phytosanitary Certificate には都道府県別の 産地が記載されるため、現地で矛盾が生じないように植検の際も日本原産地であ る旨申告する必要がある。この際、箱が明らかに輸入物である場合は指摘をされ 44 る。また Toh の商品のようにスポンジの部分に Toh のマークがあるデンファレ等 は植検の際に言い訳できる文言を準備する必要がある。また、各商品の国内産地 を申告する必要があり、明らかに日本にないような商品の輸出は苦しい。 4) 輸出には一般的な F.O.B や C&F の他、Free House(D.D.P)があり、これ はシッパーが輸入者の輸入通関のみならず輸入者のドアまでのデリバリーまでを 手配するもの。ただし諸外国でこの条件で引き受けのできる乙仲は限られている。 5) 中国向け輸出の際は輸入者に輸入ライセンスが必要である。このライセンス を持った輸入者を B/L 上の Consignee に指定しなければならず、もし買主が Consignee のライセンスを持っていない場合はライセンス保持者の名前を借りな ければならない。 D. 鉢物輸出の際の流れ及び注意点 輸出の1ヶ月以上前から 1)輸入者から商品輸入許可書のコピーを受け取る; CITES 申請及び植検の際に必 要 荷物持込 10 日前頃 1) 輸出商品の確定; 生産者の輸出承諾を得るため 2) 生産者の栽培証明書取得; CITES 申請までにオリジナルが必要、郵送して もらう 3) 輸出商品の購入; 写真を撮るため 4) 輸送手段、経路の確定; 輸送手段説明書作成のため 荷物持込一週間前頃 1) CITES 申請に必要な書類の準備; CITES 三部、輸出承認申請書二部、輸 出許可申請説明書二部、申請理由書一部、栽培証明書一部、誓約書一部、写真一 45 部、契約書一部(コピー)、輸送手段説明書一部、輸入者が取得した輸入許可書一 部(コピー) 2) CITES 申請; 大阪は天満橋の合同庁舎1号館2階、経済産業省近畿経済産 業局通商部通商課へ 荷物持込1日前まで 1) CITES を取得し、乙仲へ; 事前申請のため、できれば昼までに乙仲にオリ ジナルを渡す 2) Invoice 作成; 事前申請のため、できれば昼までに乙仲にFAX 3) パッキング; 荷物持込当日では間に合わない場合は前日までに 4) 各パッキングのマーク、色、大きさ等を把握; Certificate of Origin の申 請のため 5) Certificate of Origin の申請、取得; 大阪商工会議所にて、間に合えば荷 物持込当日でもよい 荷物持込当日まで 1) Packing List 作成; 植物検疫のため、この際、Actual weight を記載する 必要あり 2) 植物検疫; 荷物持込の際、直接植検場にいく 3) 輸出通関; 植検合格の場合はすぐに、不合格の場合は不合格の品種を燻蒸 し、または輸出取り止めを決定してから通関申請 4) 保税上屋持込; 通常は乙仲のハンドリングで 注意点 1) 切花輸出の際の注意点 1)~5)と同様の点に注意 2) CITES 申請の際、及び植検の際にはその商品を輸入する者が取得する輸入許 可書のコピーが必要である。その際、輸入国の輸入許可書の発行に必要な日数を 逆算して取得の催促が必要である。例えば輸入許可書の取得に一週間を要するな ら、CITES 申請の一週間前までには輸入者に催促する必要がある。 3) ワシントン条約に該当する植物は、条約の付属書Ⅰと付属書Ⅱに該当する植 物とに分けられる。付属書Ⅰに該当する植物の場合はほぼ 100%輸出が不可能と 考えてよい。上記にある CITES 申請等の手続きは、植物が付属書Ⅱに該当する ことを前提にしている。したがって輸出しようとする植物が付属書Ⅱに該当する 46 のかを事前に確認する必要がある。 4) CITES の申請から取得までは、通常は一週間かかる。提出認可までは、早く て中 2 営業日かかるものと認識する必要がある。また上記にあるように、CITES 申請には必要な書類が数多くあるため事前の準備を怠らないことが重要。 5) 経済産業省の窓口によると、通常 CITES の申請者には二通りのパターンが あるという。一つは定期的に蘭などの鉢物を出荷する業者で、例えば奈良の「大 和」の場合は自らが生産した商品を輸出するために申請に訪れる。彼らは書類申 請には慣れており、かつこの場合は栽培証明書を自ら作成し、商品の写真も数多 くストックし、輸入者の輸入許可書や契約書は年間を通じて取得ているため比較 的容易に申請できるものと予想される。二つ目のパターンは趣味などで鉢者を海 外に持っていきたいという一般人で、比較的高齢者に多いという。彼らは一回目 の海外旅行の際に税関で止められてから CITES が必要なことを知り、次の海外 旅行の前に訪れるパターンが多い。しかし英文タイプすら打つのに困難な方が多 く、大半はあきらめられる。クリエイトの場合は上記のパターンに該当しない新 しいタイプの申請者である。 資料 2005年10月26日の上海の切花価格 . Cutflower prices of Shanghai market October 26 ,2005 Stem Variety Lily specification Length(c Longiflorum Lowe st Highest price Price Unit m) price Single 60-65 10 14 10 Spray 70-80 14 16 branches/bundle Single 80-85 15 25 2 Buds 80-85 30 35 3 buds 80-85 45 48 Spray 80-85 60 65 Siberia 47 Sorbonne Spray 80-85 70 75 3 buds 80-85 50 58 2 Buds 80-85 35 40 40-50 4 5 20 Gerbera branches/bundle 20 40-60 15 18 branches/bundle Gladiolus 13 60-70 6 9 branches/bundle 100 40-50 10 15 branches/bundle Rose 20 45-50 15 18 branches/bundle 20 Carnation 40-50 1.5 3 branches/bundle 20 Eustoma 40-50 18 20 branches/bundle 20 White 50-60 4 6 branches/bundle Chrysanthemu m 20 Yellow 50-60 3.5 5.5 branches/bundle Anthurium 50-70 4 6 1 Branch Elegant 40-50 7 10 1 bundle 48 Gypsophila 資料 双季花卉市場内での展示会を取材した媒体 日本鲜花新品种与生活应用花艺设计展(暨贸易洽谈会)与会媒体 Japan New Flowers an Lifestyle Design (Business Trade Fair)Media 平面媒体 解放日报 东方早报 新闻午报 杂志 精彩上海 上海风 SUPER CITY WALKER CHINA LUCI 国际种资 中国会展 电视媒体 新闻坊 联系人 蒋心和 张弛 栾立 联系人 桥本沙绘 石崎亮子 原岛美惠 本松亚希子 左藤爱子 李先生 沈丽 联系人 刘浪 49