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CSR 活動報告 2016 [詳細活動報告
日立金属グループ CSR 活動報告 2016 [詳細活動報告] 発行: 2016 年8月 目次 本誌について ....................................................................... 1 免責事項 ................................................................................ 1 社是 .......................................................................................... 2 日立金属 経営理念......................................................... 2 日立金属グループ企業行動指針 ............................... 3 日立金属グループ行動規範 ......................................... 3 Ⅰ マネジメントメッセージ ......................................................... 4 Ⅱ 日立金属グループについて.............................................. 5 1. 会社概要 ................................................................................ 5 2. 連結業績 ................................................................................ 5 3. 主要事業所 ........................................................................... 5 4. 事業領域と主要な製品用途 ......................................... 6 Ⅲ コーポレート・ガバナンス .................................................... 7 1. ガバナンス体制................................................................... 7 (1) 基本的な考え方 .......................................................... 7 (2) 経営の監督機能と業務執行機能 ....................... 7 (3) 支配株主等との関係 ................................................ 8 2. 内部統制システム ...........................................................10 (1) 内部統制システムの整備状況の概要............10 3. 役員報酬制度 ....................................................................12 (1) 取締役及び執行役の報酬等の内容の 決定に関する方針 ..................................................12 (2) 取締役及び執行役の報酬等の総額 ...............12 4. リスク管理............................................................................13 Ⅳ CSR マネジメント ..................................................................14 1. 日立金属グループの CSR ...........................................14 (1) CSR を実践するための指針...............................14 (2) 日立金属グループのステークホルダー .........15 (3) CSR を推進するための体制...............................15 (4) CSR 活動の取組み実績と計画.........................16 (5) 経済パフォーマンス .................................................20 2. コンプライアンス................................................................21 (1) 基本的な考え方と現状認識 ................................21 (2) コンプライアンス啓発活動....................................21 (3) コンプライアンス監査..............................................22 (4) 輸出管理 ......................................................................23 3. 情報の保護・管理 ............................................................24 (1) 基本的な考え方 .......................................................24 (2) 推進体制 ......................................................................25 (3) 情報システムのセキュリティ対策 ......................25 (4) 従業員教育 .................................................................26 (5) 自己監査 ......................................................................26 (6) マイナンバー制度への対応 ................................26 (7) 知的財産の保護 .......................................................27 4. 人権尊重・国際規範の遵守 ........................................28 Ⅴ 社会的側面の報告 .............................................................29 1. お客さまへの責任 ............................................................29 (1) 基本的な考え方 ........................................................29 (2) 品質保証体制 ............................................................30 (3) 製品安全 ......................................................................30 (4) 製品含有化学物質の管理 ................................... 30 (5) 第三者の視点での評価 ....................................... 31 2. 調達取引先とともに ........................................................ 32 (1) CSR 調達の考え方 ................................................. 32 (2) グローバル化対応 .................................................. 34 3. 社会・地域社会とともに ................................................. 35 (1) 基本的な考え方 ........................................................ 35 (2) 2015 年度に実施した社会貢献活動............... 35 4. 従業員への責任............................................................... 39 (1) 労使関係 ...................................................................... 39 (2) ダイバーシティの推進 ............................................ 39 (3) 労働安全衛生 ............................................................ 40 (4) 人材育成 ...................................................................... 41 (5) 福利厚生 ...................................................................... 42 (6) ライフプランサポート ............................................... 42 (7) 従業員構成 ................................................................. 43 5. 株主・投資家への責任 .................................................. 43 (1) 株式と株主の状況 ................................................... 43 (2) 利益配分に関する基本方針 ............................... 43 (3) 情報開示・IR 活動.................................................... 44 Ⅳ 環境側面の報告 .................................................................. 45 1.環境マネジメント .............................................................. 45 (1) 日立グループの環境ビジョン.............................. 45 (2) 日立金属グループ環境保全基本方針 ........... 46 (3) 環境経営推進体制 .................................................. 47 (4) 2015 年度環境行動計画とその実績 .............. 48 (5) 2016~2018 年度中期環境行動計画 ............. 49 (6) 環境会計 ...................................................................... 50 (7) 統合環境マネジメントシステム(統合 EMS) . 51 (8) 環境監査 ...................................................................... 51 (9) 環境教育・啓発 ......................................................... 51 (10)環境監査「GREEN21- 2015」の活動 ............... 52 (11)環境に関する外部コミュニケーション状況.... 53 (12)生物多様性の保全への配慮 .............................. 54 2. 製品での環境配慮 .......................................................... 55 (1) 製品・サービスの環境配慮ビジョン................. 55 (2) 環境適合製品の拡大 ............................................ 56 (3) 環境適合設計アセスメント .................................. 56 (4) 日立金属グループの環境・エネルギー 関連製品 .................................................................. 57 (5) 環境負荷低減に貢献する新製品の紹介 ..... 58 3.製造における環境配慮 ................................................. 59 (1) マテリアルバランス ................................................. 59 (2) 地球温暖化防止 ...................................................... 60 (3) 廃棄物の削減 ........................................................... 62 (4) 化学物質管理 ........................................................... 64 (5) エコファクトリーの事例 .......................................... 67 (6) サイトデータ ............................................................... 68 Ⅰ マネジメントメッセージ 本誌について [発行目的] 本誌は、日立金属グループの CSR(企業の社会的責任)に対する基本的な考え方や取組み内容を網羅的に開 示することを目的に発行しています。 *2015 年度の主要な活動トピックスは「日立金属グループレポート 2016 統合報告書」に掲載しています。 [発行日] 2016 年 8 月 31 日(前回発行 2015 年 8 月、次回発行予定 2017 年 8 月) [報告対象範囲] 対象期間:2015 年度(2015 年 4 月 1 日から 2016 年 3 月 31 日)を中心に作成 対象組織 :日立金属株式会社および連結子会社 実績データ範囲: 財務 日立金属株式会社および連結子会社 89 社、持分法適用関連会社 13 社 社会 特段の記載がない限り日立金属株式会社 環境 環境負荷のデータは、負荷の約 95%を占める範囲 報告期間内に発生した重大な変更: 日立金属株式会社は、2015 年 4 月 1 日付けで、日立ツール株式会社(現 三菱日立ツール株式 会社)の発行済株式総数の 51%に相当する株式を三菱マテリアル株式会社へ譲渡しました。それ に伴い、同社は連結の範囲より除外され、持分法適用の範囲に含まれております。 [参考にしたガイドライン] 「 環 境 報 告 書 ガ イド ラ イ ン 」 ( 2 0 1 2 年 度 版 ) ( 環 境 省 ) 「 GR I サス テ ナ ビ リ テ ィ・ リ ポーテ ィン グ・ ガ イ ドラ イ ン 第 4 版 」 ( GR I: Gl ob a l Re p or ti n g In i ti a ti v e ) 「 IS O2 6 0 0 0 : 2 0 1 0 」 ( 国 際 標 準 化 機 構 ) 免責事項 この報告書には、日立金属グループの過去と現在の事実だけでなく、将来についての計画、予想および見通しの記 述が含まれています。これらの記述は、現時点で入手できた情報に基づいた仮定ないし判断であり、諸条件の変 化によって将来の事業活動の結果や事象が予測とは異なる可能性があります。 1 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅰ マネジメントメッセージ 社是 龢則彊 (和すれば強し) 日立金属 経営理念 わが社は 110 年に及ぶ歴史をもち 主製品は質量ともに業界の首位を占めて つねに技術に精進し わが社を愛する人々の和の上に 「最良の会社」を具現して 社会に貢献することを念願しております 2 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅰ マネジメントメッセージ 日立金属グループ企業行動指針 1 社会的責任と社会倫理の自覚 “法を守り正道を歩む”を行動の基本とし、企業活動の社会に与える影響と責任を自覚し、高 い倫理観のもと誠実な企業活動を行います。国際的な事業活動においては、国際ルールと各 国の法律を遵守するとともに、現地の宗教、文化、習慣を理解し、その発展に貢献します。 2 ビジネスパートナーと共に成長 独自の基盤技術と新しい技術に挑戦し、お客様に喜ばれる高品質で安全な製品・サービスを 提供し、お取引先と公正かつ適正な取引を行います。これらのビジネスパートナーと社会的責 任意識を共有し、共に成長する企業活動を行います。 3 社会とのコミュニケーションの促進 株主をはじめ広く社会に対し、公正かつ透明性の高い企業情報を適時・適切に開示するとと もに、社会との双方向のコミュニケーションを促進し、信頼関係を築きます。 4 次世代に引き継ぐ環境に配慮 地球環境を守り、次世代に引き継ぐという自覚を持ち、環境に配慮し限りある資源を有効に利 用します。また、新たな価値を生み出す新製品・新事業の創出を通じ、高品位の環境親和製 品を提供し持続的な成長をめざします。 5 働きやすい職場づくりと社会への貢献 従業員の個性を尊重し多様な人材が能力を発揮できる、安全で働きやすい職場づくりをする とともに、仕事を通じた自己啓発を促します。また、社会の人々との相互信頼を確保し、誠実 で差別のない企業活動を行います。 そして“良き企業市民”として継続して社会に貢献します。 2006 年 7 月 26 日制定 日立金属グループ行動規範(2010 年 9 月 17 日制定) WEB http://www.hitachi-metals.co.jp/corp/corp15.html 3 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅰ マネジメントメッセージ Ⅰ マネジメントメッセージ 日立金属グループは、ターゲット分野である産業インフラ関連、自動車関連、エレクトロニク ス関連分野を中心に、特長ある材料技術をベースとした数々の製品を生み出しています。そ して、これらの製品は皆様が直接、目にする機会こそまれですが、世の中に幅広く普及し、社 会インフラを支えています。 私たちは、常に時代の声に耳を傾け、お客様の先にある社会課題の解決に向けて歩んで います。そして、この姿が私たちの価値創造における原点です。 世界を見渡してみますと、世界規模で地球環境への配慮、持続可能な社会の実現への取 り組みが進んでいます。地球の資源を活用し、新たな社会価値を生み出す私たち材料開発メ ーカーの果たす役割はますます大きなものになっており、未来のマーケットニーズをとらえな がら、時代の先端を走る高機能な新製品・新技術を提供することが求められています。 こうした社会ニーズを背景に、日立金属グループは、グローバルな M&A を実行するととも に、大型の設備投資や事業の見直し等を推進し、事業ポートフォリオを大きく変貌させていま す。 そして今、私たちは、日立金属グループをさらに強く変革し、「世界トップクラスの高機能材 料会社」を実現することに挑戦しています。グローバルなお客様ニーズを具現化することで、 社会課題の解決の一助を果たすことにより、企業価値の向上をめざします。 日立金属グループでは、2016 年度より、株主・投資家をはじめとした、さまざまなステーク ホルダーの皆様に、当社グループが強みを生かしてお客様の価値創造を実現し、持続的に 成長する姿をより深く理解していただくため、「日立金属グループレポート(統合報告書)」を発 行しております。 また、CSR 活動についてより詳細な情報は、「日立金属グループ CSR 活動報告[詳細活動 報告]」で報告しております。 ステークホルダーの皆様には、これらの報告書を通して、日立金属グループへの理解をよ り深めていただけるよう願うとともに、今後も変わらぬご支援をいただきますよう、お願い申し 上げます。 代表執行役 執行役社長 髙橋 秀明 4 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅱ 日立金属グループについて Ⅱ 日立金属グループについて 1. 会社概要 商号 日立金属株式会社 Hitachi Metals, Ltd. 設立 1956 年(昭和 31 年)4 月 10 日 本社 東京都港区港南一丁目 2 番 70 号 代表者 代表執行役 執行役社長 髙橋 秀明 資本金 26,284 百万円(2016 年 3 月末日現在) 従業員数 日立金属単独 5,966 名 日立金属グループ連結 29,157 名 (2016 年 3 月末日現在) 事業内容 高級金属製品、磁性材料、高級機能部品、電線材料の製造と販売 グループ会社 連結子会社 89 社(国内 33 社、海外 56 社) 持分法適用関連会社 13 社(国内 7 社、海外 6 社) (2016 年 3 月末日現在) 2. 連結業績 2014 年度 売上収益 2015 年度 1,004,373 百万円 1,017,584 百万円 調整後営業利益* 84,410 百万円 76,061 百万円 IFRS 営業利益 84,407 百万円 99,954 百万円 1,083,450 百万円 1,033,311 百万円 有利子負債 255,350 百万円 220,376 百万円 資本合計 476,176 百万円 504,675 百万円 設備投資額 51,474 百万円 59,602 百万円 研究開発費 20,903 百万円 19,121 百万円 資産合計 *調整後営業利益:売上収益-売上原価-販売費および一般管理費 3. 主要事業所 日立金属 Web サイトの下記ページをご参照ください。 WEB 主要販売拠点 http://www.hitachi-metals.co.jp/corp/bases01.html WEB カンパニー別拠点 http://www.hitachi-metals.co.jp/corp/bases02.html WEB 日立金属グループ http://www.hitachi-metals.co.jp/corp/corp08.html 5 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅱ 日立金属グループについて 4. 事業領域と主要な製品用途 日立金属グループは、高機能材料開発をベースに、産業インフラ関連、自動車関連、エレクトロニクス 関連をターゲット分野としてさまざまな材料・製品を提供しています。 6 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅲ Ⅲ コーポレート・ガバナンス コーポレート・ガバナンス 1. ガバナンス体制 (1) 基本的な考え方 日立金属は、経営の透明性、健全性及び効率性を確保し、ステークホルダーの期待に応え、企業価値を増大さ せることがコーポレート・ガバナンスの基本であり、経営の最重要課題の一つであると認識しております。 このために、経営の監督機能と業務執行機能が、各々有効に機能し、かつ両者のバランスのとれた組織体制を 構築することが必要であると考えております。また、タイムリーで質の高い情報開示を行うことがコーポレート・ガ バナンスの充実に資するものと考え、決算内容にとどまらず、定期的に個別事業の内容や中期経営計画の開示 を行うこととしております。 コンプライアンスについては、コーポレート・ガバナンスの根幹であるとの認識のもと、単に法令や社内ルールの 遵守にとどまらず、法と正しい企業倫理に基づき、社会の一員であることを自覚した企業行動をとることとしてお ります。日立金属は、以上の内容を具体化した「日立金属グループ企業行動指針」を制定し、役員及び従業員が とるべき行動の具体的な基準としております。 (2) 経営の監督機能と業務執行機能 日立金属は指名委員会等設置会社の機関構成をとっており、経営の監督と業務執行の両機能を明確に分離し ております。 取締役会から執行役に業務執行の決定権限を大幅に委譲して意思決定の迅速化を図る一方、取締役会は、経 営の基本方針等の決定と監督に徹し、指名・監査・報酬の各委員会及び取締役会において社外取締役のより客 観的な意見を反映し、意思決定及び監督機能を強化することで、経営の透明性、健全性及び効率性の向上を図 っております。なお、取締役会の議長を務める取締役会長は、執行役を兼務しておりません。また、日立金属の 取締役には、上場取引所の定めに基づき独立役員として指定する社外取締役 3 名が就任しており、第三者的な 見地から多様な意見を反映することにより、取締役会における意思決定プロセスの客観性及び独立性を高める 体制を整えております。 指名委員会は、株主総会に提出する取締役の選解任に関する議案の内容を決定する権限等を有する機関です。 同委員会において取締役候補者を定めるにあたり、日立金属の定める独立性に関する基準に適合する独立社 外取締役の候補者を2名以上選任することを方針としております。 監査委員会は、取締役及び執行役の職務の執行の監督、株主総会に提出する会計監査人の選解任等に関す る議案の内容を決定する権限等を有する機関です。 報酬委員会は、取締役及び執行役の報酬等の内容の決定に関する方針並びにこの方針に基づく個人別の報酬 等の内容を決定する権限等を有する機関です。報酬等の内容の決定に関する方針の内容は 12 ページに記載の とおりです。 7 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅲ コーポレート・ガバナンス (3) 支配株主等との関係 株式会社日立製作所及びそのグループ会社(以下「日立グループ」といいます。)は、日立金属の総株主の議決 権の 53.5%(2016 年 3 月末日現在)を所有しています。日立金属は、日立グループの一員として、その事業運営 及び同社との取引では自律性を維持しつつ、研究開発協力等を通じて同グループ各社と緊密な協力関係を保ち、 それらの経営資源を有効に活用して、高品質の製品及びサービスの提供を図ることとしております。 株式会社日立製作所との人的関係については、同社の取締役1名を含む 2 名が日立金属の取締役を兼務して おります。同社は、日立金属の取締役会における意見の表明及び議決への参加を通じて、日立金属の経営方針 の決定等について影響を及ぼし得る状況にありますが、上場取引所の定めに基づき独立役員として指定する社 外取締役3名が就任しており、取締役会における審議にあたり、より多様な意見が反映され得ることから、日立 金属は独自の経営判断を行うことができる状況にあると認識しております。日立金属の業務執行を行う執行役 12 名は、いずれも同社の役員を兼務しておりません。日立金属は、同社との間に日立グループ・プーリング制度 による金銭消費貸借その他の取引関係がありますが、日立金属の事業活動は同社との取引に大きく依存する 状況にはありません。同社との取引は、市価を基準として公正に行うことを方針としております。 8 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅲ コーポレート・ガバナンス 各委員会の委員構成及び議長の属性 全委員 常勤委員 社内取締役(注) 社外取締役 委員長 (名) (名) (名) (名) (議長) 指名委員会 4 0 1 3 社内取締役 報酬委員会 4 0 1 3 社内取締役 監査委員会 5 2 2 3 社内取締役 (注) 社内取締役とは、社外取締役以外の非業務執行取締役を指しています。 日立金属のコーポレート・ガバナンスについて、さらに詳しい情報はコーポレート・ガバナンスに関する報告書に記載しています。 同報告書は、日立金属および東京証券取引所のホームページに掲載しています。 WEB http://www.jpx.co.jp/listing/cg-search/index.html 親会社情報 項目 内容 名称 株式会社日立製作所 所在地 東京都千代田区 資本金 458,791 百万円(2016 年3月末現在) 主要な事業内容 電気機器の製造及び販売 議決権等の被所有割合 53.5%(うち間接 0.5%) 同社役員・従業員の当社役員の兼務 兼任 2 当社との取引関係 両社の間で製品の継続的売買、役務の提供、技術の提供 及び金銭消費貸借等の取引関係がある 9 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅲ コーポレート・ガバナンス 2. 内部統制システム (1) 内部統制システムの整備状況の概要 日立金属における内部統制システムの整備状況の概要は、以下の通りです。 ①内部統制組織 i) 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合し、かつ、効率的に行われることを確保するために、執行役 は、経営会議を組織し、日立金属又は日立金属グループに影響を及ぼす一定の重要な経営事項について は、同会議で審議したうえで、権限を有する執行役が決定することとしております。 ii)コンプライアンス担当部門を所管し、コンプライアンス体制を整備することを職務とするコンプライアンス統括 責任者を置いております。 iii)CSR 推進部を設置して、コンプライアンス、社会貢献等、企業の社会的責任に関する取組みの全社的な推 進を図っています。 iv)内部監査部門として監査室を設置して、業務の効率性、法令及び社内規則の遵守状況等について、日立 金属各部門及び各グループ会社に対して内部監査を実施しております。内部監査の結果については執行 役社長及び監査委員会に報告するとともに、指摘事項の是正状況の確認を行っております。 ②内部統制のフレームワーク 金融商品取引法に基づき標準的なフレームワーク(COSO フレームワーク)により財務情報に関する内部統制 システムの整備を進めており、財務報告に反映されるべき事項全般につき文書化された業務プロセスの実行 と検証を行っています。 ③コンプライアンス・ホットライン 2005 年 4 月に「日立金属コンプライアンス・ホットライン規則」を制定し、日立金属及びグループ会社における 違法、または不適切な行為を防止し、早期に是正するための内部通報制度をスタートさせました。これは、日 立金属及びグループ会社で働く全ての従業員が電子メールや封書で職場の問題を相談できる仕組みです。 上司に相談できない、あるいは相談しても聞いてもらえない場合に直接、当制度を利用して問題解決を図るこ とができます。また、匿名での通報や、コンプライアンス・ホットライン専用窓口だけでなく、監査委員会へ直接 通報することも可能です。全社コンプライアンス研修時にも、必ずコンプライアンス・ホットライン制度について 説明を行い、全ての従業員に制度の存在を浸透させています。 ④反社会的勢力に対する方針 日立金属は、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して、毅然とした態度で臨み、一切 の関係を遮断することを方針としております。この方針の実効性を確保するため、以下の体制を整備してい ます。 i) 反社会的勢力に係るリスクについては、コンプライアンス担当部門を所管部門とし、各事業所にコンプライ アンス推進責任者及び担当者を置き、リスク情報の集約及び提供並びにリスク事案への対応要領の説明を 行っております。 ii)警視庁、管轄警察署をはじめ、警視庁管内特殊暴力防止対策連合会、弁護士会等外部専門機関等との緊 10 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅲ コーポレート・ガバナンス 密な連携を確保するため、適宜、訪問連絡等を行い、反社会的勢力に関する情報を蓄積するとともに、反社 会的勢力による被害の可能性が生じた場合には、速やかにこれらの機関への通報・相談等を行い、連携し て対応することとしております。 iii)反社会的勢力との取引を遮断するため、反社会的取引の防止に関する規則を定め、各部門が新たな相手 方と取引を行うときにコンプライアンス担当部門が審査を行う制度を設けるとともに、契約書や取引約款へ の暴力団排除条項の導入に努めております。また、コンプライアンス担当部門が内部監査を実施し、遵守状 況の確認を行っています。 iv)反社会的勢力への対応に関する従業員の自覚を高めるため、「反社会的勢力及び団体からの接触や要求 を断固として拒否する」旨の宣言を記したガイドブック等を配付し、その周知に努めております。 11 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅲ コーポレート・ガバナンス 3. 役員報酬制度 (1) 取締役及び執行役の報酬等の内容の決定に関する方針 ①方針の決定の方法 日立金属は、会社法の規定により、報酬委員会が取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容の決定に関 する方針を定めております。 ②方針の概要 i) 当社経営を担う取締役及び執行役が、長期的視点で経営方針を決定し、中期経営計画及び年度事業予 算を立案・実行することにより、当社の企業価値を増大させ、株主等利害関係者に資する経営を行うこと に対して報酬を支払う。 ii)取締役及び執行役が経営に対してそれぞれの経営能力あるいは経営ノウハウ・スキルを活かし、十分な 成果を生み出せるよう動機付けするために、短期及び中長期的な会社の業績を反映した報酬体系とし、 顕著な成果に対しては相応の報酬を支払うことで報いる。 iii)当社が支払う報酬は基本報酬及び期末賞与とする。 (a)基本報酬:取締役及び執行役としての経営に対する責任の大きさ、及びこれまでに培った豊富な経験、 知見、洞察力、経営専門力等を活用した職務遂行への対価として個別に決定する。また、取締役及び執 行役の人材確保のため、他社報酬レベルと比較して遜色のない水準とする。 (b)期末賞与:業績に連動するものとする。 (2) 取締役及び執行役の報酬等の総額 区分 人数(名) 報酬等の総額(百万円) 取締役 11 148 (うち社外取締役) (7) (45) 執行役 12 447 合計 23 595 (注)1. 執行役を兼任する取締役に対しては、執行役としての報酬等を支給しており、取締役としての報酬等を支給しておりません。 (注)2. 当期中に前期に係る期末賞与を次の通り支給いたしました。 取締役 5 名 10 百万円(うち社外取締役 4 名 6 百万円) 執行役 5 名 97 百万円 なお、日立金属グループCSR活動報告 2015[詳細活動報告]における「取締役及び執行役の報酬等の総額」には、当該期末賞与に 係る引当金の繰入額(取締役分 15 百万円(うち社外取締役分 6 百万円)、及び執行役分 72 百万円)を含めて表示しておりました。 (注)3. 日立金属の親会社又はその子会社の役員を兼任する社外取締役が、当期中の社外取締役であった期間において親会社又はその 子会社(日立金属を除きます)から受け取った役員としての報酬等の総額は 171 百万円です。 12 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅲ コーポレート・ガバナンス 4. リスク管理 リスク管理については、コンプライアンス、反社会的勢力、財務、調達、環境、災害、品質、情報管理、輸出管 理等に係るリスクについて、コーポレートの各業務担当部門において、社内規則、ガイドライン等を制定して、教 育、啓発、業務監査等を実施し、社内カンパニーの関係業務担当部門と連携してリスクの回避、予防及び管理を しております。当社グループにおいて緊急事態が発生した場合は、執行役や選定監査委員その他の関係者への 情報が伝達されるルールを定めており、役員及び関係者が早期にリスク情報を把握して対処することで、発生リ スクによる影響を最小限に留める体制を構築しております。2015 年度には、従来の贈収賄防止に加え、競争法 遵守、反社会的取引防止を含めた日立金属グループ統一のコンプライアンスプログラム(日立金属グローバル・ コンプライアンスプログラム)を策定しております。 また、BCP(事業継続計画)については、国内拠点では大規模地震及び新型インフルエンザを想定リスクとした BCP を装備し、海外拠点ではそれぞれの拠点において最も懸念されるリスクを想定リスクとした BCP を装備して います。また、定期的な BCP 訓練と BCP 点検・更新の実施により、常に BCP の実効性を高めております。 なお、日立金属グループでは、リスク管理体制の整備等により、リスク発生の回避及び発生した場合の影響の軽 減に努めておりますが、完全に回避又は軽減することができず、経営成績、財政状態等が影響を受ける可能性 があります。 日立金属グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性がある主なリスクは以下の通りです。 ・製品需要に関連する市場の経済状況に係るリスク ・原材料価格の変動に係るリスク ・資金調達に係るリスク ・為替レートの変動に係るリスク ・有価証券の価値変動に係るリスク ・海外への事業展開に係るリスク ・競争優位性及び新技術・新製品の開発・事業化に係るリスク ・知的財産権に係るリスク ・環境規制等に係るリスク ・製造物の欠陥に係るリスク ・法令・公的規制に係るリスク ・地震、その他自然災害等に係るリスク ・情報セキュリティに係るリスク ・退職給付債務に係るリスク ・親会社との関係に係るリスク ・M&A に係るリスク ・中期経営計画に係るリスク 13 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ Ⅳ CSR マネジメント CSR マネジメント 1. 日立金属グループの CSR 日立金属は、1956 年 10 月に日立製作所から分離独立して以来、「『最良の会社』を具現して社会に貢献する」と いう「経営理念」のもとに、高い技術力をもって社会の課題解決に取り組んできました。 そして「事業活動において利潤を追求するだけでなく、さまざまなステークホルダーの要請に応え、社会の発展に 貢献する」という CSR 経営は、日立金属の経営理念にある考え方にまさに符合するものです。日立金属グループの CSR の原点は、分離独立以来掲げ、実践し続けてきた「経営理念」にあります。 日立金属グループは経営理念を原点として、本業を通じて社会に貢献することを基本方針として CSR 活動を推 進しています。 (1) CSR を実践するための指針 日立金属グループでは、CSR を実践するための指針を以下のように体系付けています。 経営理念は、日立金属グループの全ての企 業活動を導くものであり、CSR 活動の原点で もあります。 「日立金属グループ企業行動指針」は、「経営 理念」を従業員に求められる行動原則に落と し込んだものです。社会に対し日立金属グル ープが成すべき方向性を宣誓するものであ り、企業倫理としても機能しています。「企業 行動指針」は、すなわち「CSR 活動指針」でも あります。 「日立金属グループ行動規範」は、CSR に関 するより詳細な規範を定めた会社規則です。 さまざまな社内基準や社内手続きのルールと ともに、「行動規範」を確実に守ることで、法 令・規則を逸脱することを予防します。 法令・規則は、企業活動を行う上で遵守すべ き基本的かつ最低限のルールです。 日立金属グループでは、全ての役員および従業員が、日々の業務の中で法令・規則および「日立金属グループ 行動規範」を守り、「日立金属グループ企業行動指針」を実践していくことで、社会的責任を果たし、経営理念を 具現化していくことをめざしています。 14 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント (2) 日立金属グループのステークホルダー 日立金属グループの事業は、多様なステークホルダー(利害関係者)のみなさまとの関わりによって成り立ってい ます。日立金属グループでは事業活動に特に関わりの深い主なステークホルダーを「お客様」「調達取引先」「株 主・投資家」「従業員」「社会・地域社会」ととらえ、これらのステークホルダーからの要請・期待に応え続けていくこ とで、CSR 活動を進化させていきます。 (3) CSR を推進するための体制 事業に関わる担当役員(執行役)を設置し、経済、環境、社会のステークホルダーとの課題解決のためにCSR推 進部が窓口となり、これらの役員を中心として対応を図っています。CSR推進部は、経営企画本部担当役員の 組織の中にあり、ステークホルダーとの課題解決のための推進窓口となっていますが、経営企画本部は社長直 属の組織として機能しています。 日立金属グループでは M&A 等により事業領域がグローバルに急拡大しており、経営の基盤となる CSR/コンプ ライアンスの徹底が一層重要となっています。このため各社内カンパニーにコンプライアンス推進部を設置し、各 カ ン パ ニ ー が 従 来 以 上 に 自 律 的 に CSR / コ ン プ ラ イ ア ン ス に 取 り 組 む 体 制 を 整 え ま し た 。 CCO ( Chief Compliance Officer)を委員長、CSR 推進部が事務局、本社の CSR 関連部門および社内カンパニーのコンプライ アンス推進部長を委員とするコンプライアンス・マネジメント委員会を四半期ごとに開催し、さまざまな CSR/コン プライアンス事項について全社方針の確認や情報の共有を図るとともに、不適切事案再発防止策の策定・実施 をし、CSR/コンプライアンスの徹底が着実に実行される体制を構築しています。 リスク管理について、当社グループにおいて緊急事態が発生した場合は、執行役や選定監査委員その他の関係 者への情報が伝達されるルールを定めており、役員及び関係者が早期にリスク情報を把握して対処することで、 発生リスクによる影響を最小限に留める体制を構築しております。 15 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント (4) CSR 活動の取組み実績と計画 ①ISO26000 に沿った経営品質の継続的向上 2014 年に日立グループでは、経営と CSR の融合をいっそう進めることを目的として、「日立グループ CSR 活動 取り組み方針(2005 年策定)」を企業の社会的責任のグローバル・スタンダードである ISO26000 をベースとし た新しいフレームワークへと改訂しました。これに従って日立金属も、国際社会の期待を的確に認識しその責 任を着実に果たすとともに、経営品質を継続的に向上させていくため、CSR マネジメントの PDCA サイクルをい っそう強化していきます。 2015 年度は、2014 年度のフレームワークに従って自社の現状を確認し、重要課題の整理と取組み方針・実施 計画の設定をしました。 16 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント ②2015 年度の取組み実績と 2016 年度計画 ★★★ 目標達成 2015 年度の実施施策(計画) 1. 社会的責任の認識 ・外部有識者に当社 CSR 活動に 対するアドバイスや評価をいた だく(継続) ・マテリアリティ分析に向けた検 討に着手 2. 組織統治 ・コンプライアンス・マネジメント 委員会を四半期ごとに開催し、 事業に関わる社会面・環境面 のリスクに関する事象の分析、 再発防止策の策定、情報共有 を実施 ・CSR 巡回研修を全事業拠点で 実施(継続) ・環境教育を本社および各カン パニーで実施(継続) ・日立グループの従業員満足度 調査である「Hitachi Insights」を 継続して実施 3. 人権 ・「日立金属グループ人権方針」 のグループ会社への一層の浸 透 ・日立グループ全体の方針に沿 った人権デュー・デリジェンス の準備 ・日立金属グループ全体におけ る人権研修の計画的実施(継 続) 4. 労働慣行 ・ダイバーシティ研修の実施(継 続) ・評価項目にダイバーシティ・マ ネジメントを組み入れた管理・ 専門職評価制度の運用を開始 ・「くるみん」マーク等の認証取 得への取組み開始 ・女性機会均等を促進する制度 見直しの実施 ・障がい者の法定雇用率を上回 る 2.2%を目標とする 2015 年度の実施施策(成果) 自己評価 ・法政大学人間環境学部において、当社 CSR 活動について講義を行うとともに、担 当教授から当社 CSR 活動に対するアドバ イスや評価をいただいた ・日立製作所主催のワークショップにオブザ ーバーとして出席。マテリアリティ分析の目 的、重要課題の特定手法(概要)を学習 ・コンプライアンス・マネジメント委員会を四 半期ごとに開催し、事業に関わる社会面・ 環境面のリスクに関する事象の分析、再発 防止策の策定、情報共有を実施 ・CSR 巡回研修を全事業拠点で実施(181 事 業所) ・環境 e-ラーニング実施(受講率 100%)、環 境監査員要請研修実施(1 回) ・日立グループの従業員満足度調査である 「Hitachi Insights」を間接部門全員を対象に 実施(連結ベースで 6,249 人) ・「日立金属グループ人権方針」をグループ 会社においても研修等を通じて従業員に周 知徹底 ・日立グループの調達部門人権デュー・デリ ジェンス・ワークショップに参加し、人権課 題の進展を取り込み調達 CSR ガイドライン の改定に着手した。 ・日立金属グループ全体における人権研修 を計画に沿って実施(合計 4,503 人) ・専任者を配置したダイバーシティ推進部を 設置し、女性企画職および上司からのヒア リングを実施。会社支援のニーズやマネジ メント面での取組み状況を把握 ・ダイバーシティ関連施策や制度について、 人事総務本部中期計画に反映し各種指標 を設定 ・ダイバーシティ・マネジメントを評価項目に 組み込んだ管理職の評価制度の運用を開 始 ・「くるみん」マーク取得の為の、各種基礎資 料を整備 ・在宅勤務制度、配偶者海外転勤に伴う休 職制度等の整備 ★★ 目標90%達成 ★ 目標未達 2016 年度施策の計画 ・外部有識者に当社 CSR 活動に対す るアドバイスや評価をいただく(継続) ★★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★★ ・マテリアリティ分析を実施し、当社固 有のビジネス上の重要課題を中期的 なリスクと機会の視点で特定し、経営 に CSR の概念を反映させる一歩とす る ・コンプライアンス・マネジメント委員会 を四半期ごとに開催し、事業に関わ る社会面・環境面のリスクに関する事 象の分析、再発防止策の策定、情報 共有を実施(継続) ・CSR 巡回研修を全事業拠点で実施 (継続) ・環境教育を本社およびカンパニーで 実施(継続) ・日立グループの従業員満足度調査 である「Hitachi Insights」を間接部門 全員を対象に継続して実施 ・人事総務部門において日立グループ 全体の方針に沿った人権デュー・デリ ジェンスを実施 ★★★ ★★★ ★★★ ★★ ・2015 年度実績値は 2.3%となり目標を達成 ★★★ 日立金属グループ全体における人権 研修の計画的実施(継続) ・多様な人材の活躍の基礎となる「働 き方改革」(間接部門の年間総労働 時間を短縮)プロジェクトを通じ、KPI を設定し取り組む ・ダイバーシティ採用比率を設定し、多 様な人材を積極的に採用 ・ダイバーシティ推進専用の社内イント ラネットの整備 ・次世代育成支援対策推進法、女性 活躍推進法一体型の行動計画を制 定し、対外公表。併せて、関連数値も 広く公開 ・女性企画職の連携、情報交換の場を 設定 ・法定雇用率 2%を上回り、現行雇用率 2.3%を維持 17 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント 2015 年度の実施施策(計画) 4. 労働慣行 ・非定常作業の安全衛生管理に 焦点をあてたリスクアセスメント 結果に基づく対策の検討 ・毎年実施している安全教育に 加え、特に職長教育、危険有 害業務従事者への教育を重点 的に実施 ・日立グループの方針に沿った ミニマム安全基準を各事業拠 点へ順次適用開始 ・2014 年度の実施内容の横展 開の推進(海外グループ会社 も含め、次代を担う人材を育成 する) 5. 環境 ・対象製品の CO2 排出量抑制 量(150 万 t) ・環境適合製品の売上比率 (90%) ・エネルギー使用量の活動量原 単位の削減(基準年度(2005 年 度)対比 10%) ・廃棄物・有価物発生量の活動 量原単位の削減(基準年度 (2005 年度)対比 18%) ・VOC 大気排出量の活動量原 単位の削減(基準年度(2006 年 度)対比 22%) 6. 公正な事業慣行 ・コンプライアンス(独占禁止法) 特命監査の実施(継続) ・2014 年度に調達先に対して実 施した CSR 対応アンケート結 果の分析、および海外調達取 引先への CSR アンケート実施 ・企業倫理月間(10 月)の実施 (継続) ・贈収賄関連法令・規則遵守状 況の監査検討 ・情報セキュリティ教育実施(継 続) ・情報セキュリティ自己監査実施 (継続) ・個人所有パソコンの業務情報 点検削除実施(継続) ・標的型攻撃メール模擬訓練の 実施(継続) 2015 年度の実施施策(成果) 自己評価 ・リスク評価結果のリスクⅣレベル 334 件の うち 270 件のリスクを低減。改善率は 83% ・職長および管理監督者を対象に安全衛生 教育を実施。延べ 664 名(23 事業所) ★★ ・日立グループミニマム安全基準を、国内 40 事業所、海外 32 事業所に展開し、自己チェ ックを完了 ★★ ・海外グループ会社経営幹部候補と面談し、 育成計画を検討(外部研修派遣等) ・日立金属グループ全体での管理レベルと 効率向上の観点から、各社の人事労務管 理状況のヒアリングを実施 ・対象製品の CO2 排出量抑制量 152 万 t ★★ ★★★ ・環境適合製品の売上高比率 99% ★★★ 2016 年度施策の計画 ・未実施分を含め定常/非定常のリス クアセスメントを実施し、継続して改 善を検討 ・安全衛生教育の継続実施。640 化学 物質のリスクアセスメントが義務化さ れたこともあり、衛生関連の教育を追 加 ・国内事業所は、安全衛生監査等を通 して日立グループミニマム安全基準 適用状況を把握 ・海外事業所は、3 拠点を目標に現地 の同基準適用状況を把握 ・次代を担う人材の育成プランを策定 し、計画的な人事ローテーションや研 修プログラムを実施(海外グループ会 社を含む) 15 年度で本活動は終了 「環境親和型重点製品」の売上比(連 結売上収益に対する売上比率) 17% 以上 ・エネルギー使用量原単位改善率 10% (基準年度比) ※1 ・エネルギー使用量の活動量原単位の削減 (基準年度(2005 年度)対比 10.5%) ★★★ ・廃棄物・有価物発生量の活動量原単位の 削減(基準年度(2005 年度)対比 27.8%) ★★★ ・VOC 大気排出量の活動量原単位の削減 (基準年度(2006 年度)対比 18.2%) ★ ・廃棄物発生量原単位改善率 7% (基 準年度比) ※1 ・再資源化率 70% ※1 ・化学物質の大気排出量原単位の改 善 30% (基準年度比) ★★★ ・コンプライアンス(独占禁止法)特命 監査の実施(継続) ・コンプライアンス(独占禁止法)特命監査 (書類閲覧、営業担当部長全員への聞き取 り調査)を実施 ・日立グループの調達部門人権デュー・ディ リジェンス・ワークショップに参加し、人権課 題の進展を取込み調達CSRガイドラインの 改訂に着手 ・10 月の企業倫理月間に、倫理的行動と法 令遵守を徹底する各種施策を実施 ・社内監査時に贈収賄関連法令・規則遵守 状況を確認した。また、国内外全グループ 会社において、「贈収賄防止に関する規 則」を最新の内容を反映したものに改訂 ・情報セキュリティ教育をメールアドレス所持 者を対象に実施 ・情報セキュリティ自己監査による規則の遵 守状況のチェックを日立金属グループの対 象事業所にて実施 ・個人所有パソコンの業務情報点検削除を メールアドレス所持者を対象に実施 ・標的型攻撃メール模擬訓練をメールアドレ ス所持者全員を対象に実施 ・個人情報保護/情報セキュリティ関連規則 の改訂と特定個人情報関連細則及び手順 書の制定 ★ ・日立グループ CSR 調達ガイドライン の改訂版発行および同ガイドライン の調達先への展開を計画 ・企業倫理月間(10 月)の実施(継続) ・贈収賄関連法令・規則遵守状況の監 査を実施 ★★★ ★★ ・情報セキュリティ教育実施(継続) ・情報セキュリティ自己監査実施(継 続) ・個人所有パソコンの業務情報点検削 除実施(継続) ・標的型攻撃メール模擬訓練の実施 (継続) ・メール誤送信対策の検討とグループ 内への展開 18 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント 2015 年度の実施施策(計画) 7. お客様のために(消費者課題) ・連結会社における落穂拾い会 議※2 の実施(継続) ・カンパニー主催ミニ落穂拾い 会議の国内・海外事業拠点に おける拡大(継続) ・新製品売上比率の拡大および 戦略新製品の開発(新製品売 上比率 30%以上) ・技術メガトレンドをふまえた技 術開発の中期ロードマップの策 定 2015 年度の実施施策(成果) 自己評価 ・連結会社による落穂拾い会議を、計画通り 実施 ・カンパニ-主催ミニ落穂拾い会議は、実施 拠点が 2 拠点増加 ・新製品売上比率の拡大および戦略新製品 の開発(新製品売上比率 35%) ・技術メガトレンドをふまえた技術開発の中 長期ロードマップの策定 ★★★ ★★★ 2016 年度施策の計画 ・連結会社における落穂拾い会議の 実施(継続) ・カンパニー主催ミニ落穂拾い会議の 国 内・ 海外 事業 拠 点に おける 拡大 (継続) ・新事業創生タスクの推進 ・新製品売上高比率の拡大および戦 略新製品の開発(新製品売上比率 30%以上)(継続) ・技術メガトレンドをふまえた技術開発 の中長期ロードマップの更新 8. コミュニティへの参画およびコミュニティの発展 ・地域住民や地域文化とより密 ・事業所・工場が立地する地域を中心に地 ・地域住民や地域文化とより密接に関 接に関わることができる社会貢 域貢献活動を実施 ★★★ わることができる社会貢献活動の検 献活動の検討 (社会貢献実施額3億5千万円相当) 討(継続) ・財団法人材料科学研究助成基金へ ・財団法人材料科学研究助成基 ・財団法人材料科学研究助成基金への支援 を通じた材料科学技術研究への寄与(支 の支援を通じた材料科学技術研究へ 金への支援を通じた材料科学 援額 4 百万円) の寄与(継続) 技術研究への寄与(継続) ★★★ ・日本古来の製鉄法「たたら製鉄」操 ・日本古来の製鉄法「たたら製 ・島根県奥出雲町にある「日刀保たたら」に おいて、(財)日本美術刀剣保存協会が行う 業の支援(継続) 鉄」操業の支援(継続) 日本古来の製鉄法「たたら製鉄」操業の支 援(操業場所・人の拠出) 9. CSR 活動の確認と改善 ・CSR 調査を活用した経営品質 ・CSR 調査の採点結果を関係各部門にフィ ・CSR 調査を活用した経営品質の向 の向上(継続) ードバックし次の活動につなげる活動を実 ★★★ 上(継続) 施(順位 64 位向上) ・CSR に関する国際基準や、各種調 ・CSR に関する国際基準や、各 ・国際標準化機構(ISO)の社会的責任に関 査・評価機関の要請に適合した活動 する手引きである ISO26000 に基づく CSR 種調査・評価機関の要請に適 を展開(継続) 活動の PDCA 実施 合した活動を展開(継続) ・カーボン・ディスクロージャー・プロジ ・カーボン・ディスクロージャー・ ・サステナビリティ・レポーティングの国際的 ★★★ ェクト(CDP)への回答拡充(継続) なガイドラインである GRI-G4 に沿った開 プロジェクト(CDP)※3 への回答 示範囲の拡充 拡充 ・カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト (CDP)への回答実施 ※1 一部の事業所で原単位の定義の見直しと目標管理の範囲の拡大(2014 年度に合併した会社 Waupaca Foundry, Inc.、日立金属 MMC ス ーパーアロイ株式会社を包含) ※2 常にお客様の立場に立ち、製品事故の根本原因の究明と未然の防止策を審議する制度 ※3 世界の機関投資家が連携し、企業に対して気候変動に関する情報開示を求めるプロジェクト 19 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント (5) 経済パフォーマンス ①創出、分配した直接的経済価値 下記ページをそれぞれご参照ください。 WEB 決算情報 http://www.hitachi-metals.co.jp/ir/ir-pack.html 社会貢献活動 P35-38(「3. 社会・地域社会とともに」 (2) 2015 年度に実施した社会貢献活動) 環境会計 P50(「1. 環境マネジメント」 (6)環境会計) ②企業年金制度について 2015 年度末時点で退職一時金及び確定給付型年金に係る退職給付債務は 2,027 億円となっています。この うち 1,373 億円(カバー率 67.7%)を年金資産として社外の基金に拠出しています。退職給付債務と年金資産 の差額である積立不足 653 億円を、全て引当金として計上しています。 ③政府からの補助金・助成金等の状況 2015 年度に政府から受けた補助金や助成金等は8億円でした。 20 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント 2. コンプライアンス (1) 基本的な考え方と現状認識 日立金属では、2006 年 7 月に経営理念を従業員に求められる行動原則に落とし込んだ「日立金属グループ企 業行動指針」を制定しました。その後、2006 年および 2007 年に独占禁止法違反の事例が発覚したことを厳粛に 受け止め、行動指針に定めた「法を守り正道を歩む」を企業活動の基盤におくとともに、2010 年 9 月には行動指 針を補完するグループ内規則として「日立金属グループ行動規範」を制定し、高い倫理観の醸成と遵法の徹底 に取り組んできました。 しかしながら、2013 年に再び公正取引委員会から独占禁止法違反行為があったとして、課徴金納付命令を受 けました。また 2014 年 2 月(現地時間)には欧州委員会から欧州競争法違反に関して制裁金を課す旨の決定通 知を受けました。さらに 2014 年 10 月(現地時間)には米国司法省との間で、米国反トラスト法違反に関連し、制 裁金 125 万米ドルを支払うことを内容とする司法取引契約を締結しました。 日立金属グループでは、二度とこのような法令違反を起こさないために、国内外の事業所においてコンプライア ンス部門による巡回研修等の再発防止策を継続して実施していきます。 (2) コンプライアンス啓発活動 ①日立金属グループ倫理月間の実施 2015 年度も 10 月を日立金属グループ企業倫理月間とし、以下の施策を行いました。 i) 日立金属グループ企業倫理月間コンプライアンス会議を開催し、取締役、執行役、事業役員、理事、支店 長、営業所長、研究所長、コーポレート部門長、グループ会社社長、海外販売会社社長を対象にコンプラ イアンス勉強会を実施しました。 ii)社長メッセージを日本語・英語・ドイツ語・韓国語・タイ語・インドネシア語・中国語・ベトナム語・マレーシア 語・スペイン語・ウクライナ語・チェコ語の各国語で作成し全世界の日立金属グループの従業員に配布しま した。 iii)日立金属グループ CSR ガイドブック自己点検チェックリストを全従業員が実施し、上長に報告しました。 iv)日立金属グループ CSR ガイドブックによる自己評価結果登録票を各部署で作成し、本社へ提出しました。 21 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント ②巡回研修 国内事業所 研修内容 海外事業所 独占禁止法遵守および行動指針、贈賄行為防止のためのグローバルコンプライアン ス、情報セキュリティ研修 誓約書 管理職以上から受講後にコンプライアンス誓約書を徴求 講師 コンプライアンス部門 対象事業所 日立金属 本社、支店および営業所、製造 海外事業所 事業所、研究所、並びにグループ会社本社 および営業拠点 対象者 メールアドレス所持者 管理職以上 期間 2015 年 8 月~2015 年 12 月 2016 年 1 月~2016 年 3 月 開催回数 129 事業所 111 回 51 拠点 56 回 (一部、合同および複数回開催) (一部合同開催) ③階層別コンプライアンス研修 2015 年 4 月:新入社員導入研修 6 月:新任係長研修 7 月:新任副参事研修 8~9 月:新任管理者研修 (3) コンプライアンス監査 ①コンプライアンス特命監査(実施期間:2016 年 1 月~2016 年 3 月) コンプライアンス担当部門が、日立金属の全事業所を対象とした、特命監査を実施しました。対象事業所の 書類(課金、加入団体書類)の閲覧および営業担当部長全員から、独占禁止法に触れる違反行為がないか 聞き取り調査を行いました。 また、業界団体等の会合に出席した際の記録簿(コンプライアンス情報記録ノート*)の記載状況も閲覧し、違 法行為が行われていないことを確認しました。 * コンプライアンス情報記録ノート:業界団体等の会合で、やむを得ず競合他社の社員と会ってしまった時等に、法に触れるような行為 はしていないという記録を残しておくノート。 ②コンプライアンス監査 コンプライアンス担当部門が、監査室による日立金属グループの全事業所を対象とした社内監査に同行し、 法令違反の疑いがないかコンプライアンス監査を行いました。 22 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント (4) 輸出管理 日立金属は、企業行動指針において「法を守り正道を歩む」を行動の基本とすることを謳っています。これに基 づき、輸出管理においては「輸出関連法令を遵守し、国際的な平和および安全の維持に貢献する」を基本方針 とし、「コンプライアンス・プログラム」(「安全保障輸出管理規則」等)の制定と厳格な運用を行っています。具体 的には、全ての輸出貨物・技術について、輸出先の仕向国・地域、用途、顧客を審査した上で、法令に基づいて 手続きを進めています。国内外のグループ会社もこの方針に則り適切な輸出管理を行うよう、輸出管理規則の 制定、体制の確立について指導するとともに、教育の支援および内部監査を実施しています。 日立金属は、今後も国際的な平和および安全の維持に対する企業の社会的責任を果たすために、万全の取組 みを継続していきます。 なお、2015 年度、日立金属グループによる輸出管理に関する重大な違反はありませんでした。 23 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント 3. 情報の保護・管理 (1) 基本的な考え方 インターネットとりわけ SNS(Social Networking Service)に代表される IT の進化普及は、セキュリティリスクを増 大させており、個人情報をはじめ、企業情報を適切に管理、保護することは、企業の社会的責任としてますます 重要となってきています。日立金属グループでは 2004 年 4 月に「情報セキュリティ基本方針」を、次いで 2005 年 1 月には「個人情報保護方針」を制定し、これらの方針に基づき個人情報保護/情報セキュリティ体制を確立し、 情報セキュリティ対策に継続的に取り組んでいまいりました。 2016 年 1 月のマイナンバー利用開始に伴い、民間企業においても、人事総務部門においては従業員のマイナ ンバー、法務部門においては株主殿のマイナンバー、調達部門においては個人事業主のマイナンバーを扱うこ とになりました。従いましてマイナンバー利用に伴い、個人情報保護方針並びに個人情報管理規則およびその 関連規則、細則、ガイドライン等を改訂する必要が生じてまいりました。一方、マイナンバーをはじめとする個人 情報は、会社にとっては管理、保護すべき重要な情報資産でもあります。これまで情報セキュリティ基本方針を 柱とする情報セキュリティ関連規則体系と、個人情報保護方針を柱とする個人情報管理規則体系の二本立て で運用し、組織は個人情報保護委員会と、情報セキュリティ委員会の二つの組織を便宜的一つの組織として施 24 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント 策の推進を行ってまいりましたが、この機会に、一つの規則体系で運用し、組織も一本化することにいたしまし た。 2015 年 12 月にこれまでの情報セキュリティ関連規則体系と、個人情報管理規則体系に加え、秘扱文書取扱関 連規則体系を一本化し、情報セキュリティマネジメント規則を柱とする情報セキュリティ関連規則体系に統合い たしました。 情報セキュリティへの取り組みの考え方は、①情報セキュリティ体制の確立、②守るべき資産の明確化、③従 業員教育、④各種セキュリティ施策の整備の 4 つの視点からなり、各々に関する実施事項を着実に取り組んで います。なかでも、予防体制整備と事故発生時の迅速な対応、社員の倫理観とセキュリティ意識の向上に関し ては、特に重視して取り組んでいます。また、日立金属が属する日立グループでは日立製作所の主導により、 情報セキュリティマネジメントを推進し、グループ全体でセキュリティレベルの向上に取り組んでいます。 (2) 推進体制 2015 年 12 月の関連規則の統合に伴い、個人情報保護/情報セキュリティ委員会を、情報セキュリティ委員会 に改編いたしました。 (3) 情報システムのセキュリティ対策 標的型攻撃をはじめとした不正アクセスやコンピュータウィルス等外部からのリスクや、社内からの情報持ち出 しや紛失・盗難、電子メールの誤送信等内部からのリスク、自然災害等さまざまなリスクに対する対策を計画的 に実施しています。 また、2006 年から継続的に実施している日立金属グループ全従業員の個人所有パソコンの、業務情報の有無 点検および削除を 2015 年度も行いました。さらに 2007 年からは、お取引先に対しても同様の施策をお願いし、 ファイル共有ソフト等による個人所有パソコンからの業務情報の漏えいを防止しています。2009 年から業務情 報の社外持ち出し防止対策として全ての社外メールに対してフィルタリングシステムを導入、また、高機能化が 進む携帯電話やスマートフォン等の紛失に対する対策として携帯情報端末の管理につき見直しを行う等、情報 漏えい防止対策の強化を図ってきました。 残念ながら、2015 年度にはモバイル PC や携帯電話等の紛失盗難、電子メールの宛先間違いによる電子メー ルの誤送信事故が日立金属グループ内でも発生いたしました。しかし、顧客プライバシーの侵害や顧客情報の 漏洩に至る事故はありませんでした。 25 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント (4) 従業員教育 毎年、情報機器を利用する全従業員(派遣者等を含む)に対して情報セキュリティ教育を実施し、個人情報をは じめとする情報の取り扱いや個人所有パソコンでの業務利用厳禁等、情報機器利用ルールの徹底を図ってい ます。2015 年度も日立金属グループ拠点巡回教育(コンプライアンス研修と同時開催)や企業情報を狙う社外 からの標的型攻撃対策の為の標的型攻撃メール模擬訓練を継続して実施し、従業員一人ひとりのセキュリティ 意識向上を図っています。 国内事業所巡回研修 海外事業所巡回研修 実施時期 2015 年 8 月~12 月 対 日立金属グループのメールアド メールアドレスを所持する者 日本国内メールアドレス レスを所持する者全員 全員 所持者 連結 30 社 127 事業所 109 連結 40 社 51 事業所、56 回 1回 回、持分 1 社 1 回、病院 1 法 実施(一部合同開催。) 象 開催回数 2016 年 1 月~3 月 標的型攻撃メール模擬訓練 2015 年 6 月~7 月 人 1 回、計 129 事業所、111 回実施(一部、合同および複 数回開催) (5) 自己監査 毎年、個人情報保護/情報セキュリティ自己監査を実施し、規則の順守状況をチェックして、不備に対して改善 を図っています。2015 年度は 11~12 月に実施しました。 (6) マイナンバー制度への対応 2016 年 1 月のマイナンバー利用開始に備え、2015 年 12 月に個人情報保護/情報セキュリティ関連規則の大幅 見直し((1)基本的な考え方 参照)を行い、新たに特定個人情報管理細則及び特定個人情報管理手順書を制 定し、企業に求められる個人番号関連法令の遵守及び確実な保護措置の実施に対応しております。 26 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント (7) 知的財産の保護 日立金属は「知的財産を積極的に創造し、適切に保護して効果的な活用に努めること」および「他者の知的財 産権を尊重すること」を会社の行動規範に掲げています。 研究・開発・製造等において創造される知的財産の適切な保護と効果的な活用のために、従業員による職務上 の発明・考案に関する権利は、法律に基づいて制定された日立金属の規則に基づき会社が承継します。事業 のグローバル展開に応じて、各国において必要な知的財産権を保全・維持することにより、日立金属グループ の持続的な成長に活用しています。また、自社の知的財産権を侵害する行為に対しては、法的手段による権利 の行使等適切な対策を講じています。 一方、他者の知的財産権の尊重においては、他者の知的財産権を侵害する事態を未然に防止し、円滑な事業 推進を図るため、日立金属の規則により、新製品・新技術の研究・開発・設計等の段階において、国内外の他 者の知的財産権を事前に調査しています。その上で、他者の知的財産権の使用が必要な場合には、ライセン スを取得しています。 また、従業員に対しては、自社および他者の知的財産の保護と尊重の意識を浸透させるため、知的財産に関 する教育・研修を継続的に実施しています。 27 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ CSR マネジメント 4. 人権尊重・国際規範の遵守 日立金属グループは「企業行動指針」において「社会の人々との相互信頼を確保し、誠実で差別のない企業活 動を行います。」と宣言しており、事業活動に関わる全てのステークホルダーの人権を尊重することを基本姿勢 としています。2013 年 12 月に「日立金属グループ企業行動指針」および「日立金属グループ行動規範」を補完 するものとして、「日立金属グループ人権方針」を策定しました。本方針では、国際人権章典および国際労働機 関(ILO)の「労働の基本原則および権利に関する宣言」に記された人権を最低限のものと理解し、国連「ビジネ スと人権に関する指導原則」に基づく人権デュー・デリジェンス*や適切な教育の実施、日立金属グループが事 業活動を行う地域や国の法令遵守等、国際的な人権の原則を尊重するための方法を追求していくことを明確に 定めています。本方針が日立金属グループにおける全ての活動に組み込まれるよう、各種ハラスメントの相談 窓口等、これらを担保する会社制度の設置はもちろんのこと、e-ラーニングによる人権教育や階層別教育等さ まざまな機会を通じて計画的に人権意識を高める啓発活動を行っています。また、今後は人権デュー・デリジェ ンスの実施に向けた準備を進めていきます。 * 人権デュー・デリジェンス:事業上の人権への影響を特定して評価し、負の影響に対して防止・軽減の措置を講じて、その効果を継続的 に検証すること。 28 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ Ⅴ 社会的側面の報告 社会的側面の報告 1. お客さまへの責任 (1) 基本的な考え方 日立金属グループは、日立伝統の「落穂拾い精神」に基づく品質保証活動理念のもと、これまで構築してきた品 質保証技術に磨きをかけ、お客さまとお客さまの先に存在する消費者のみなさまに喜ばれる製品を提供するこ とで、社会に貢献していきたいと考えています。 1988 年 7 月 1 日 社長 品質保証活動理念 1.「品質保証活動理念」制定の趣旨 当社は、つねに技術に精進し、特色ある高品質製品を製造販売して社会に貢献することを社是と している。 品質保証活動は当社の「もの作り」の立脚点であり、日常業務の基本として実践してきたところで あるが、さらに徹底を期するため、ここに当社の品質活動理念を明確にし、全社共通の規範として 制定する。 2.品質保証活動理念 当社の品質保証活動は、日立伝統の「落穂拾い精神」に基づくもので、その活動理念は次のとお りである。 (1)品質最優先と顧客第一主義 顧客に対する数ある責任の中でも「品質は全てに優先」する。 顧客に喜ばれ、信頼され、社会のために役立つことを第一義とする。 (2)品質の作り込みと顧客の立場に立った検査 品質は企業活動の原点である。開発、製造、販売をはじめ全部門がつねに品質に留意し、そ の向上に一致協力して、はじめて「品質を製品に作り込む」ことが出来る。 製造と検査は品質保証活動の両輪である、完全なる製造技術と設備、生産管理、常に顧客の 立場に立った検査が当社製品の品質を保証する。 (3)事故に対する誠意ある対応と再発防止 品質上の不具合で顧客に迷惑をかけた場合は、誠心誠意問題を解決しなければならない。ま た、これを教訓としてその原因を十分に吟味し、再び過ちを起こしてはならない。 29 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 (2) 品質保証体制 各カンパニーおよびグループ会社の品質保証部門は、管轄する製品の品質保証業務を行い品質向上に努め ています。また、2016 年 1 月に、グロ-バルでの品質保証体制の強化を目的に、品質保証本部を新設しました。 品質保証本部は、各部門の品質活動が円滑に進むように、全社品質保証活動の推進や品質教育の実施等を 通して、全社的な視点で各部門をサポートしています。 日立金属グループの製品は素材・部品が中心で、お客さまも鉄鋼、自動車、エレクトロニクス業界と多岐にわた るため、製造拠点ごとにお客さまのご要望に応じた品質保証を実施しています。国内製造拠点は、ISO9001 ま たは ISO/TS16949 の認証を取得して品質保証体制を整えています。また、日立金属グループは、北米、アジア 等に製造拠点を設け、適地適産を展開しています。国内の製造拠点は海外製造拠点のマザー工場として、製 造技術と品質の面から密接に連携し、指導を行っています。海外製造拠点についても、そのほとんどが ISO9001 または ISO/TS16949 の認証を取得しています。 (3) 製品安全 ① 安全な製品の提供体制 新製品や開発品については、製品の徹底した PS(製品安全)レビューを通じて安全な製品に仕上げています。 また、全社および各カンパニー、各工場にそれぞれ製品安全に関する委員会を置き、互いに連携しながら PS 活動を展開しています。日立グループ全体で取り組んでいる製品含有化学物質管理についても力を入れて 取り組んでいます。 ② 品質問題の対応体制 製品事故が発生した場合には、顧客第一主義の観点で誠意のある対応を行うとともに、全ての事故を定めら れた情報ルートに従ってカンパニーやコーポレートに伝えます。製品事故の対策には、事故の直接原因と、 事故の背景となった心理的要因を含めた本質的な原因の 2 つの原因追究が必要です。日立金属グループで は後者を「動機的原因の追究」として特に重視し、再発防止に努めています。事故等の失敗から学ぶ活動と して、日立グループ伝統の「落穂拾い」会議を各カンパニーの製造拠点やグループ会社等で毎年開催してい ます。 (4) 製品含有化学物質の管理 日立金属グループは、有害物質を含まないモノづくりを実現するために、グローバルな視点での「環境 CSR 対 応モノづくり」活動を推進しています。下図に示すように各段階で有害物質を含まない仕組みを運用することに より、製品に含有する化学物質の特定を推進し、REACH 規則等に対し化学物質の登録・届出・お客さまへの情 報伝達を行います。また、円滑に情報伝達ができるよう、お客さまや取引先と協力していきたいと考えていま す。 30 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 *1 REACH 規則: Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of CHemicals *2 J-Moss:EU の「RoHS 指令」と同等の特定化学物質の含有表示の規定として、2005 年 12 月の 「資源循環利用促 進法」の改正とともに制定された JIS 規格(JIS C 0950: 2005)のこと。正式名称は、「電気・電子機器の特定の化学 物質の含有表示方法(the marking for presence of the specific chemical substances for electrical and electronic equipment)」。 *3 化審法:正式名称は「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」。製品に含有する化学物質の特定を推 進し、化学物質の登録・届出・お客さまへの情報伝達を行います。 (5) 第三者の視点での評価 品質のさらなる向上をめざして、お客さまをはじめ第三者的な外部機関の評価も真摯に受け止め、改善活動を 進めています。その中で、改善活動が認められ、褒賞もいただいています。 2015 年度は、Honda of America の EXCELLENCE IN DELIVERY AWARD を受賞するなど、国内外の多くのお客 様のサプライヤー賞を受賞することができました。 これらのお客さまから頂く賞は、納期対応、試作の短納期化や的確な量産対応などに対して評価されたもので すが、製品の品質が良いことがその基本となるものです。 31 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 2. 調達取引先とともに (1) CSR 調達の考え方 日立金属は社会的責任とその影響を自覚し、公平で公正な調達活動を行うために、資材調達の基本的な考え 方を「調達方針」として定め、Web サイト上で公表しています。ビジネスがグローバルに進展する中、この「調達 方針」を日立金属グループ企業間で共有し、CSR に配慮した調達活動を行うために周知、徹底をしています。 調達方針 ~資材調達の基本的な考え方~ ●オープン・グローバルな調達 国籍や企業規模、実績の有無を問わず、自由競争原理に基づく開かれた購買であり続けます。 ●公平・公正な取引 お取引先の選定は、品質・価格・納期・技術力・経営の信頼性・サービスなどの経済合理性につ いての公平・公正な評価に基づいて行います。 お取引先からの個人的給付は受け取りません。 ●パートナーシップの構築 すべてのお取引先と対等かつ公平な立場で取引します。 長期的観点より相互理解と信頼関係の維持向上に努め、継続的な努力により共に成長発展で きる関係を築くことをめざします。 ●法の遵守 調達活動にあたっては、関係法規を遵守し社会規範に従います。 市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力とは一切の関係を遮断します。 ●人権・労働安全衛生への配慮 調達活動にあたっては、人権・労働安全衛生へ配慮します。 お取引先にも、人権・労働安全衛生への一層の取り組みを要請します。 ●機密情報の保持 調達活動を通じて知り得たお取引先の機密情報の取り扱いについては、自社のものと同等な注 意を払い、お取引先の承諾なしに第三者に開示し、また目的外での利用はいたしません。 ●環境の保全 調達資材の選定においては、環境保全に積極的に取り組まれるお取引先ならびに環境負荷の 少ないものを優先します。 (環境に関する調達活動については『グリーン調達』の項をご参照ください。) 32 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 ① サプライチェーン CSR 推進ガイドブックの制定 日立金属では、2013 年度に社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)のガイドラインに準拠した「日立金属 サプライチェーン CSR ガイドブック」を作成しました。企業が社会の一員であることを深く認識し、社会的責任 を調達取引先各社とともに果たしていくために、調達取引先のみなさまにも日立金属の調達方針や CSR の 考え方をご理解いただき、信頼関係の維持発展を図ることがその目的です。そのため、この CSR ガイド ブックの内容を Web サイトに公開するほか、新規取引開始時にはこの方針を調達取引先にお伝えすることに よって周知を図ってきました。 今後はさらにサプライチェーン全体で社会的責任を共有するために、国連の「ビジネスと人権に関する指導 原則」を取り入れてガイドブックの内容を見直しし、CSR対応力を強化してまいります。 WEB サプライチェーン CSR 推進ガイドブック http://www.hitachi-metals.co.jp/corp/corp11_04.html ② コンプライアンス 日立金属は調達取引先との取引を行う上で、法令・社会規範の遵守徹底に日々努めています。 定期的に事業所の調達部門の担当者が集まり、法令等に関する講習受講や確認を行う機会を設けています。 その他、法令遵守のため、下請代金支払遅延等防止法の遵守を自主的にチェックする社内ルールを設けて 運用しており、法令遵守に関して自主的な定期監査を行っています。 ③ グリーン購入 用紙類、文具、事務用品から着手したオフィスのグリーン購入は、現在、OA 機器等へと対象を拡大していま す。 間接材の購入については、グリーン購入法適合品等の環境配慮製品を選定できる日立グループ共通のネッ ト調達の仕組みを全工場で導入しており、グループ会社への導入拡大を進めています。 ④ 調達BCPの取り組み 日立金属では、地震・風水害等の自然災害や、テロ・疫病・火災・停電等による事業停止リスクを最小限に抑 えるために、調達 BCP に取り組んでいます。調達ソースの多元化、複数分散化に努める一方、主要調達取引 先に対して BCP 施策要請を行うなど、調達保全リスクの極小化を推進しています。 33 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 (2) グローバル化対応 グローバル調達ネットワークをヨーロッパ、北米、アジアで確立し、グローバルな調達基盤の拡充を行っていきま す。ネットワークの中で調達方針を共有し、CSR リスク対応の強化を推進していきます。 ① 現地調達の推進 日立金属ではグローバルな事業拡大に伴い、世界各地で最適な調達取引先から開かれた調達活動を行うた めの現地調達活動を推進しています。世界 4 地域(北米、欧州、アジア、中国)に現地調達活動を支援するG PO(Global Procurement Office)を設置し、各地域からの調達取引先の開拓に努めています。また、調達取引 先と連携することによりサプライチェーン CSR 活動の強化に努めています。 ② 紛争鉱物問題への対応 2010 年、米国で「金融規制改革法」(ドッド・フランク法)が成立し、コンゴ民主共和国とその隣接国(以下、 「DRC 諸国」)で産出される紛争鉱物(武装勢力の資金源となっている、金、タンタル、スズ、タングステンの 4 鉱物)を製品に使用する米国上場企業に対し、米国証券取引委員会(SEC)にその旨を報告する義務を課す 条項が定められました。この目的は、紛争が絶えない DRC 諸国において、暴虐行為等重大な人権侵害を行 っている武装集団の資金源を断つことにあります。 日立金属グループとしては、人権侵害行為に加担する意思はなく、今後も責任ある調達活動を実践するため に、日立製作所、日立金属グループ各社や調達取引先と連携し、サプライチェーンの透明性向上を図るとと もに、人権侵害を行う武装集団を利することのない鉱物の調達に取り組んでいきます。 34 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 3. 社会・地域社会とともに (1) 基本的な考え方 日立金属グループは、スポーツ振興、環境保護、社会福祉、芸術・文化、地域社会活動、災害・難民救済支援 等の分野において、グループが関わる全世界の地域社会発展のため社会貢献活動を行っています。また、 NGO/NPO、教育機関等とも協働し、地域社会が日立金属グループに何を求めているかを感じ取り、堅実な活 動を継続的に実施します。 会社としての社会貢献活動だけでなく、従業員にも積立年次有給休暇制度でのボランティア休暇取得を奨励し、 報奨制度によるボランティア表彰を行う等、よりよい社会の実現のために貢献する企業風土の醸成に努めてい ます。 日立金属の特色ある社会貢献活動としては、宮下格之助博士(当社元副社長)寄贈基金等で設立された(財)材 料科学研究助成基金への支援を通じて我が国の材料科学技術の研究に寄与しています。また、(財)日本美術 刀剣保存協会が 1977 年に復活させた「たたら製鉄」の操業に協力し、日本の伝統文化保全に貢献していま す。 (2) 2015 年度に実施した社会貢献活動 2015 年度は日立金属グループとして、スポーツ大会等各種イベントの開催や環境保全活動、工場見学の受け 入れ、寄付等により 3 億 5 千万円相当*の社会貢献活動を行いました。その主な内容は以下の通りです。 *活動に要した従業員や自社施設に係る換算費用等を含みます。 ジャンルと活動内容 社名、事業所名 社会福祉協議会、社会福祉施設への車椅子等の寄付 日立金属㈱本社 赤い羽根共同募金、歳末助け合い募金 日立金属㈱、国内グループ会社 献血活動に協力 日立金属㈱、国内外グループ会社 福祉団体等を通じての食糧、衣類、玩具等の寄付及び福祉 日立金属㈱、国内外グループ会社 団体への寄付 社会福祉 メキシコ小児癌団体への寄付 (Mexican association helps HC Queretaro S.A.de C.V. children with cancer) への支援 低所得者向け住宅建築団体の活動参加(Habitar for Humanity Home Build) Hitachi Metals America, LLC. *1 地域住民支援施設への支援(保育所、消防署) *2 Waupaca Foungry, Inc. HC Queretaro S.A.de C.V. アメリカ癌協会主催のガン啓発の為のスポーツイベント参加 Waupaca Foundry ,Inc. Hitachi Metals America, LLC. 、Hitachi Cable America, Inc. 健康・ 医学 スポーツ 動物シェルターでの保護活動参加 Waupaca Foundry ,Inc. 日立金属杯鳥取県中学バレーボール大会協賛 日立フェライト電子㈱ 若松区中学生軟式野球大会開催 中学校親善スポーツ大会開催 *4 *3 ㈱日立金属若松 日立金属㈱安来工場 35 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 ジャンルと活動内容 社名、事業所名 和彊杯バレーボール大会開催 日立金属㈱真岡工場 *5 熊谷さくらマラソン大会協賛 日立金属㈱熊谷地区工場、グループ会社 軟式野球連盟桑名支部長旗争奪中学校野球大会協賛 *6 日立金属㈱桑名工場 健康・ 医学、スポーツ 西部地区少年野球大会協賛 日立金属㈱桑名工場 大町町町民ゴルフ大会協賛金 日立金属㈱佐賀工場 運動部:競技会への審判派遣 日立金属㈱各運動部 地元高校(明秀学園)全国サッカー出場支援 日立金属㈱茨城地区工場 日高地区日立金属カップミニバスケットボール大会主催 *7 日立金属㈱日高工場 日本体育協会へスポーツ振興を目的とした寄付 日立金属㈱ 群馬県「昭和の森」ゴルフコンペ協賛 日立金属ソリューションズ なかうみマラソン全国大会協賛 日立金属㈱安来工場 中国五県都市対抗野球大会協賛広告料 日立金属㈱安来工場 苅田町民ふれあいマラソン大会協賛 *8 日立金属㈱九州工場 地域スポーツ大会への支援(チャリティ大会含む) 日立金属㈱熊谷工場 国内外グループ会社 (財)材料科学研究助成基金を通じた支援 日立金属㈱ 大学への教育支援金寄付 日立金属㈱、海外グループ会社 小中高校向けの科学セミナープロジェクト Metglas, Inc. 地域小学校での日立環境教室(ゴミの分類、清掃) 地域学校での授業 *9 日立電線(蘇州)有限公司 *10 AAP St. Marys Corp.、Waupaca Foungry, Inc. 日立サイエンスセミナー共催 *11 日立金属㈱ 学術・ 研究教育 工場見学者の受け入れ(熊谷商業高校 他) 日立金属㈱熊谷工場 インターンシップの受け入れ(長岡技術大学 他) 日立金属㈱熊谷工場 インターンシップ受け入れ(福岡県立八幡工業高校) ㈱日立金属若松 その他工場見学・インターンシップ受け入れ 日立金属㈱各工場、国内外グループ会社 若松労働基準協会・実技講習講師派遣 ㈱日立金属若松 運動部(バスケットボール部、テニス部、野球部、剣道部等)に 日立金属㈱各工場、国内外グループ会社 よる小中学生、高校生へのスポーツ教室(技術指導)開催 地域教育委員会の教育振興支援(図書券) 日立金属㈱安来工場 ユニバーサルデザイン出前授業(関西地区小学校訪問) *12 日立金属商事㈱ 文化 芸術 地域大学への会社教育実施 Hitachi Metals (Thailand) Ltd. ひたちやすぎ吹奏楽団による演奏会 日立金属㈱安来工場 地域博物館、芸術団体への寄付 Waupaca Foundry ,Inc. 環境 鳥取砂丘除草ボランティア *13 森林保全活動参画(島根 Co2 吸収認証制度) 植樹活動 日立フェライト電子㈱ *14 日立金属㈱安来工場 San Technology 社 他 36 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 ジャンルと活動内容 社名、事業所名 環境 地域社会の活動、史跡・ 伝統文化保全 災害被災地支援 事業所近隣の清掃活動 日立金属㈱各工場、国内外グループ会社 仙台・多賀城エコフォーラム 東北ゴム 離宮の水保存会への寄付 日立金属㈱山崎製作所 自然教育施設(Eco Park)への寄付 Waupaca Foundry ,Inc. 刃物鋼シンポジウム支援 日立金属㈱安来工場 やすぎ刃物まつり協賛 日立金属㈱安来工場 たたら操業支援 日立金属㈱安来工場 日高夏まつり開催 *15 日立金属㈱日立地区工場、グループ会社 「Cultural Festival」開催 Hitachi Metals(India) Private Ltd. 地域のお祭り、スポーツ大会への支援 日立金属㈱各工場、国内外グループ会社 日立さくらロードレース支援 日立金属㈱茨城工場 鋳物記念館案内 日立金属㈱九州工場 東日本大震災復興応援イベント「棋士会茨城将棋フェスティバ 日立金属㈱茨城工場 ル」 防災 施設開放 まちづくり その他寄付等 第 3 回千年希望の丘植樹祭】宮城県岩沼市主催 東北ゴム㈱ 「子ども 110 版の家」登録 日立アロイ㈱ 地域交通当番活動 日立電線(蘇州)有限公司 交通安全・防災等行事 日立金属㈱各工場、国内外グループ会社 グラウンド、体育館、テニスコート、福利施設などの一般開放 日立金属㈱各工場、国内グループ会社 地域イベント等に伴い駐車場を無料開放 日立金属㈱各工場、国内グループ会社 オーチャード・ロードクリスマスライトアップ協賛 Hitachi Metals Singapore Pte.Ltd. ”日本デー”運営支援 Hitachi Metals Europe Gmbh デュッセルドルフ少年剣道クラブ活動基金後援 Hitachi Metals Europe Gmbh 地元プサッカーチームへの運営支援(在地元の日立グループ Hitachi Metals Europe Gmbh 企業共同) 日立国際奨学財団など各種団体への寄付 日立金属㈱、国内外グループ会社 世界スカウトジャンボリーへの寄付 ㈱日立金属若松 37 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 *1 低所得者向け住宅建築団体の活動参加 ( Habitar for Humanity Home Build) ( Hitachi Metals America, LLC.) *4 中学校親善スポーツ大会開催 (日立金属㈱安来工場) *7 日立金属カップ ミニバスケットボール大会 (日立金属㈱日高工場) *10 地域学校での授業 (AAP St. Marys Corp.) *13 鳥取砂丘除草ボランティア (日立フェライト電子㈱) *2 地域保育所支援 (Perry County Child Care Center) (Waupaca Foundry, Inc.) *3 若松区中学生軟式野球大会開催 (㈱日立金属若松) *5 熊谷さくらマラソン大会協賛 (日立金属㈱熊谷工場) 6 軟式野球連盟桑名支部長旗争奪 中学校野球大会協賛 (日立金属㈱桑名工場) *8 苅田町ふれあいマラソン大会協賛 (日立金属㈱九州工場) *9 地域小学校での 日立環境知識宣伝活動 (日立電線(蘇州)有限公司) *11 日立サイエンスセミナー共催 (日立金属㈱) *14 森林保全活動参画 (島根CO2 吸収認証制度) (日立金属㈱安来工場) *12 ユニバーサルデザイン出前授業 関西地区小学校訪問 (日立金属商事㈱) *15 日高夏祭り大会開催 (日立金属㈱日立地区工場、 グルー プ会社) 38 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 4. 従業員への責任 (1) 労使関係 「相互信頼の基盤」に立った労使関係のもと、お互いがそれぞれの基本的権利と義務を尊重し、労使共通の課 題に誠意をもって取り組んでいます。経営方針や事業計画、経営施策等は各種審議会を通じて十分な説明を 行うとともに、労働組合の声も聞きながら各種施策の迅速な実現をめざしています。2010 年度からはカンパニ ー制に対応した労使体制も本格運用をスタートし、コミュニケーションの密度を高めることによってさらに充実し た労使関係を構築していきます。また、日立金属グループ各社の労働組合は日立金属グループ労働組合連合 会を形成し、定期的にグループの経営方針や計画等を説明し意見交換する場を設定することで相互理解を深 めています。 (2) ダイバーシティの推進 市場や事業がますます多様化していく中、日立金属においても従来以上に多様な人材の活躍が必須となってき ています。そこで、「日立グループダイバーシティ推進協議会」に参画するとともに、2015 年度には専任者を配 置した「ダイバーシティ推進部」を設置し、活動方針として「すべての人材の可能性を拡げ活躍できるしくみと環 境を醸成」を掲げ活動を強化、積極的に推進しています。ダイバーシティマネジメントは、イノベーティブな企業 文化を創造、持続的成長のための原動力であることから、引き続き意識変革の取組みとして経営層および管理 職層へのセミナーや研修等の実施、また採用におけるダイバーシティ採用比率目標の設定等、各種の取組み を積極的に推進していきます。また、グローバル市場において成長していくためには、海外事業拠点の経営基 盤を強化し、収益力を向上させることが必要であり、事業を担える現地経営人材の育成を進めていきます。 ① 障がい者雇用の推進 障がい者雇用に関して、日立グループの採用フェアへ参加しています。また、1998 年に特例子会社である(株) ハローを設置、2006 年に(株)桑名クリエイト(現日立金属ファインテック(株))が特例認定を受ける等、早くから 積極的に取り組んでおり、地域からも表彰を受ける等、高い評価を得ています。 また、(株)日立金属安来製作所では、担当者自らが、企業在籍型職場適応援助者(2 号ジョブコーチ)の 資格を取得し受け入れ体制を整えるとともに、職業センター、生活支援センター、養護学校、ハローワー クを通じて障がい者の積極的採用を行って実績を挙げています。今後も引き続き日立金属グループ全体 でのさらなる雇用拡大に努めていきます。 39 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 障がい者雇用率推移 日立金属(株) 雇用率(%) 2.2 2.0 2.30 2.26 2.4 2.06 2.05 2.13 2.08 1.8 法定雇用率 1.6 1.4 1.2 1.0 10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 ※障がい者雇用促進法に基づきカウント ② 次世代育成支援・女性活躍推進法 日立金属では、次世代育成支援施策として 2008 年度に子ども手当を創設し、子育てする従業員へのサポー トを強化しました。 また、出産・介護を機に退職した従業員の再雇用制度を 1992 年にいち早く導入する等、積極的な取組みを 行っています。育児・介護・看護に関連した休職・休暇制度については、2016 年度より育児休暇の取得期間を 満3才に達する月の末日まで拡大し、介護休暇については介護期間中、介護休暇給付金として給与の半額 相当を補助する等、多様な人材が働きやすい環境を整備しました。また、看護については家族看護休暇とし て看護対象を子だけではなく本人または配偶者の父母、配偶者まで拡大する等、各制度の適用範囲・期間・ 日数において改正育児介護休業法による規定を上回る整備をしています。更に、2016 年 4 月から施行された 女性活躍推進法に伴って「次世代法・女活法」一体型の行動計画を作成し、弊社の今後 3 年間の取組み(間 接部門の年間総労働時間縮減、ダイバーシティ採用比率の設定)につき、公開しています。 両立支援制度の利用者数 2011 年度 育児休業 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 19 16 24 23 24 育児短時間勤務 9 10 33 28 35 介護休業 1 1 1 0 0 介護短時間勤務 2 2 2 0 0 (3) 労働安全衛生 ① 労働災害撲滅への取組み 2015 年の日立金属グループの安全成績は、休業災害件数単独 1 件、国内連結グループ 8 件で、前年の安 全成績から改善を図ることはできませんでした。昨年の災害内容を分析すると、ヒューマンエラー起因の災害 が 9 割を超える状況にありました。また一歩間違えれば重大災害に至る恐れのあった災害も依然発生してい ます。このような状況をふまえ、2016 年は、「 『安全と健康はすべてに優先する』を、1人ひとりが確実に実行 40 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 しよう 」 をスローガンに、日立金属グループ全体で安全衛生活動を展開します。重点施策として、①2S3 定、指差確認の実施による安全衛生活動の基盤強化 ②定常・非定常作業のリスクアセスメント実施による 重大災害の未然防止 ③安全衛生教育、体験型教育(KYT、リスクアセスメント)の実施による安全感度の高 い人づくり ④作業手順書の整備 等を推進していきます。また、本年6月1日より施行された化学物質のリ スクアセスメントを計画的に実施します。 労働災害度数率の推移(暦年) 2 全産業 製造業 1.5 鉄鋼業 日立金属グループ 1 0.5 0 11年 12年 13年 14年 15年 ※労働災害度数率=労働災害による死傷者数÷延べ実労働時間×1,000,000 労働災害度数率の推移 全産業 製造業 鉄鋼業 日立金属グループ 2011 年 1.62 1.05 0.88 0.57 2012 年 1.59 1.00 0.98 0.45 2013 年 1.58 0.94 0.88 0.33 2014 年 1.66 1.06 0.92 0.25 2015 年 1.61 1.06 0.67 0.31 ② 一人ひとりの心とからだの健康増進の取組み 健康管理に関しては、「心」と「からだ」の健康づくりを積極的にサポートしています。 「からだ」の健康づくりについては、定期健康診断後の二次健診 100%受診勧奨や生活習慣病等の保健指導 に注力しています。また、「心」の健康づくりについては、心の健康づくり年間推進計画を作成して取り組んで います。2016 年は、ストレスチェック義務化の最初の年となります。日立金属グループはストレスチェック受検 率 100%を目指します。ストレスチェックを実施し、メンタルへルス事前ケア(一次予防)の充実と、集団分析に よる職場環境の改善を図ります。 (4) 人材育成 ① 基本的な考え方 日立金属は「最良の会社を具現し社会に貢献する」ことを経営理念とし、質を追求する経営方針のもと、「変 革」と「挑戦」で新たなグローバル成長をめざします。非連続な市場環境の中で、グローバル企業として成長 を遂げていくためには、日立金属ならではの特色ある製品を継続的に開発し、グローバル市場に送り出すこ とができる人材の育成が不可欠です。 41 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 「人」に対する日立金属の考え方は、創業以来の基本精神である社是「龢則彊(和すれば強し)」に凝縮されて います。一人ひとりが個性を発揮した強い個が連動する、「グローバルで実行力のある日立金属人」の育成 をめざした活動を続けています。 コミュニケーションシンボル“Materials Magic”に込められた「私たち一人ひとりが“成長への原動力”となる」と いう決意のもと、一人ひとりが専門力を磨き、自ら課題を発見し、行動・解決できる人材、また、余人をもって 代え難い「一隅を照らす人材」となるよう、会社として支援しています。 ② 研修・教育制度 OJT、そして OJT を支える人事制度、研修等の OFF-JT の 3 つを相互に連動させた人材育成体制を構築し ています。企画系の研修等の OFF-JT については、日立金属の経営理念、社是をベースに人材像・人材要 件を設定し、この要件に合わせた研修を計画、実施しています。経営層、企画・管理系、技術系、営業系、基 幹系、グローバル系のカテゴリーに分けた研修体系を構築しています。 ③ 世代を担う人材の育成 企業の持続的成長を図るために、グローバル規模で次代を担う人材の早期選抜と計画的育成に取り組んで います。 ・次世代を担う人材の育成 次世代を担う人材の育成プランを策定し、計画的な人事ローテーションやタフアサインメント、OFF-JT 研 修プログラムを実施しています。 ・海外現地経営人材の育成 海外グループ会社における、ナショナルスタッフ(現地人材)の育成を支援していくとともに、責任ある地位 への登用を含めた人材育成計画の策定を進めています。 (5) 福利厚生 従業員とその家族の生活が、より豊かで安定したものとなるよう、寮や住宅手当といった住居支援制度や 財形貯蓄、団体保険など、さまざまな施策を通じて支援しています。 また、2003 年には従業員の自助努力や自立を支援する福利厚生として「カフェテリアプラン制度(選択型福利厚 生プラン)」を導入、独身寮や社宅、医療等の従来型の福利厚生に加えて、「能力開発」「育児」「介護」「健康づく り」等、それぞれの従業員のライフスタイルやニーズに応じたメニューを揃えています。従業員は自分の持ち点(カ フェテリアポイント)の範囲で、必要な支援を必要なときに選択できます。 (6) ライフプランサポート 少子高齢化や老後のライフスタイルの多様化が進む現代においては、明確なライフプランを持つことがますま す重要になっています。日立金属では、定年後の生活設計の基礎となる情報(退職金、企業年金、厚生年金、 健康保険、雇用保険等)の提供や、定年後の生き方・働き方について見つめ直す機会として、ライフプランにつ いてのセミナーを開催しています。 42 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 (7) 従業員構成 2011 年度 2012 年度 2013 年度 (2012 年3 月末) (2013 年3 月末) (2014 年3 月末) 2014 年度 2015 年度 (2015 年3 月末) (2016 年3 月末) 従業員数(人) 5,066 4,675 6,362 6,306 5,966 男性 4,568 4,239 5,720 5,660 5,339 女性 498 436 642 646 627 女性比率(%) 9.8 9.3 10.1 10.2 10.5 平均年齢(歳) 42.9 43 42.1 43.0 43.5 平均勤続年数(年) 21.7 21.8 19.2 20.0 20.6 8 6 10 10 11 2.05 2.16 2.26 2.08 2.30 女性管理職(人) 障がい者雇用率(%) 5. 株主・投資家への責任 (1) 株式と株主の状況 2016 年 3 月 31 日現在の日立金属の発行済み株式総数は 428,904,352 株、株主総数は 28,582 名(単元未満株 式のみを所有する株主を含む)です。所有者別の株主分布状況は以下の通りです。 区分 株主数(名) 所有株式数(単元) 所有比率(%) 金融機関 66 568,172 13.27 金融商品取引業者 59 41,411 0.97 その他の国内法人 592 2,350,466 54.88 外国法人等 483 959,718 22.41 個人その他 24,308 362,659 8.47 (注) 1.単元未満株式を除きます。 (注) 2.自己株式(13,244 単元)は、個人その他に含めています。 (注) 3. 2015 年 7 月 1 日付をもって、1単元の株式数を 1,000 株から 100 株に変更しております。 (2) 利益配分に関する基本方針 日立金属は、お客さまのニーズや技術の進化とグローバル化の中で、国際的な競争力を強化し、企業価値の 増大を通じて、株主のみなさまへ長期的かつ適正な利益還元を行うことが会社の責務であるという認識のもと、 中長期で成長することを主眼に経営環境、将来の事業展開および業績を総合的に勘案して株主のみなさまへ 利益配分および内部留保を決定することを基本方針としています。内部留保資金は、将来の事業展開を見据え て、新素材の開発・製品化、新事業の創出および競争力のある製品の増産・合理化等に投資するものとします。 また、自己の株式の取得は、機動的な資本政策の遂行を可能とすること等を目的として、その必要性、財務状 43 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅴ 社会的側面の報告 況、株価水準等を勘案して適宜実施するものとします。 (3) 情報開示・IR 活動 日立金属グループは、透明性の高い「開かれた企業」として信頼を得るため、迅速・正確かつ公平な会社情報 の開示を適切に進めるべく、社内体制の充実に努め、タイムリーな情報発信を行っています。 日立金属のコミュニケーション部を中心として各部門が連携し、四半期ごとの決算情報開示を行い、機関投資 家・アナリストのみなさまを対象とした決算説明会等も開催しています。また、決算情報にとどまらず、個別事業 のトピックスや中期経営計画の開示等も、展示会や Web サイトを通じて積極的に行っています。 より詳しく経営方針等を説明するために、株主通信、アニュアルレポート(英語版)、Web サイトをはじめとした情 報発信ツールを充実させています。 44 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ Ⅳ 環境側面の報告 環境側面の報告 1.環境マネジメント (1) 日立グループの環境ビジョン 日立金属グループは、日立の環境ビジョンである「地球温暖化の防止」「資源の循環的な利用」「生態系の保全」 を重要な3つの柱として、製品の全ライフサイクルにおける環境負荷低減をめざしたグローバルなモノづくりを推 進し、持続可能な社会の実現をめざします。 45 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (2) 日立金属グループ環境保全基本方針 日立金属グループ環境保全基本方針 理念 日立金属グループは「最良の会社」を具現して社会に貢献することを経営の基本理念としている。この 基本理念に基づき、人類共通の財産を後世へ健全な状態で承継するために、環境配慮を経営上の重 要課題として位置付け、地球環境、地域社会環境の保全を積極的に推進する。 スローガン ●地球環境保全は人類共通の重要課題であることを認識し、環境と調和した持続可能な社会の実現 を経営の最優先課題の一つとして取り組み、社会的責任を果たす。 ●地球環境保全および資源有限性への配慮に関するニーズを的確に把握し、これに対応する高度で 信頼性の高い技術および製品を開発することにより社会に貢献する。 行動指針 1. 環境関連法令の順守と汚染の予防 国際的環境規制ならびに国、地方自治体および協定などの環境法令を順守する。順守を確実にする ために、必要に応じて自主基準を設定する。 また、環境問題の可能性を評価し、汚染の予防に努める。万一、環境問題が生じた場合には、環境負 荷を最小化するよう適切な措置を講ずる。 2. 環境管理組織の機能整備と監督機能の充実 環境担当役員を頂点としたグループ環境管理組織、運営制度を整備し、環境関連規程の整備、環境 負荷削減目標の設定などにより環境保全活動を推進する。 また、環境保全活動が適切で妥当で有効に行われていることを確認し、環境管理の継続的改善に努 める。 3. LCA(ライフサイクルアセスメント)を配慮したグローバルなモノづくりの推進 製品の研究開発・設計、生産、流通・販売、使用、廃棄などの各段階における環境負荷の低減をめざ し、以下を重点としたグローバルなモノづくりを推進する。 ①環境適合製品 ②地球温暖化防止 ③省資源・リサイクル資源循環 ④化学物質管理 ⑤生物多様 性の保全への配慮 4. 海外拠点での環境配慮 グローバルなモノづくりに際しては、当該地域の環境に与える影響に配慮し、地域社会の要請に応え られる対策を実施するよう努める。 5. 教育訓練と意識の向上 広く社会に目を向け、幅広い観点から、従業員に環境関連法令の順守の重要性、および、環境への 意識向上のために環境保全について教育する。 6. 情報開示 環境保全活動についてステークホルダー(利害関係者)への情報開示と積極的なコミュニケーションに 努め、相互理解と協力関係の強化に努める。 2010 年 4 月 1 日 46 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (3) 環境経営推進体制 日立金属グループの環境経営は日立金属(株)の環境担当役員を環境委員会委員長として、技術センタ ーが各カンパニーの統括環境管理責任者と連携して推進する体制をとっています。 2010 年4月に、「日立金属グループ環境保全基本方針」を制定し、グループ一体となって環境経営に取り 組んでいく姿勢を明確にしました。 特に、グローバルに事業展開する企業にふさわしい環境経営を推進するために、それぞれの国や地域の 特性を考慮しながら、日立金属グループとして同じ環境保全基本方針をしっかりと共有し、環境負荷低減 活動及び環境リスク対応の活動を実施していきます。 環境活動に関する方針、目標等は年 1 回の日立金属グループ環境委員会において審議決定しています。 * 日立金属グループ環境委員会出席者は◎記号の付いた以下の者で構成されます。 環境担当役員、各カンパニー統括環境管理責任者、事業所環境管理責任者、コーポレート関連部門長、 グループ会社環境担当役員、技術センター 47 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (4)2015 年度環境行動計画とその実績 日立金属グループが取り組んでいる 2013 年度から 2015 年度までの環境行動計画について、目標、実績及び 評価をまとめました。 環境価値創造 企業の確立 環境マインド& グローバル 環境管理 項目 行動目標 実績 評価 製品による CO2 排出量 1 億トン抑制への貢献 150 万 t-CO2 152 万 t-CO2 ○ GREEN21-2015 544GP 621GP ○ 生態系の保全 2018 年迄の具体的取り組みを計画 事業所ごとに取り組み計 画を策定 ○ e-ラーニング受講率 : 100% 100% ○ 環境監査員養成研修の開催 環境監査員養成研修 (2015 年 9 月 24 名参加) ○ 99% ○ 環境適合製品セレクト新規登録 9 機種以上 9 機種 ○ 製品ライフサイクル CO2 排出量評価機種数 14 機種以上 16 機種 ○ 各国の製品化学物質規制対応 化審法、PRTR 等の 届出完了 ○ 10.50% ○ 27.80% ○ 電子マニフェスト化率 90%以上 92% ○ 水使用量原単位改善 22%以上 (基準年:2005 年度、海外) 28.20% 〇 VOC 大気排出量原単位改善 22%以上 (基準年:2006 年度、グローバル) 18.20% × 認定取得1事業所以上 4 件*1 〇 CSR 報告書の発行 2015 年 8 月発行 〇 各種アンケートへの回答 日経環境経営度調査 CDP*2 〇 環境教育・研修 売上高比率 次世代製品と サービスの 提供 環境適合製品 製品化学物質の 適正管理 地球温暖化防止 環境に 高いレベルで 配慮した工場 エネルギー使用量原単位の改善 10%以上 (基準年:2005 年度、グローバル) 廃棄物・有価物発生量原単位改善 18%以上 (基準年:2005 年度、グローバル) 資源の有効活用 エコファクトリセレクトの 推進 ステークホル ダーとの協働 90% 環境情報開示 *1 東北ゴム㈱、㈱日立金属ナノテック(現 ㈱日立金属ネオマテリアル鹿児島工場)、㈱セイタン、Namyang Metals Co., Ltd. *2 世界の機関投資家が連携し、企業に対して気候変動に関する情報開示を求めるプロジェクト 48 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (5) 2016~2018 年度中期環境行動計画 日立金属グループの 2016 年度から 2018 年度までの中期環境行動計画について、以下のとおり目標を設定し ました。 項目 環境コンプライアンスの 遵守とリスクの低減 目標値(年度) 行動目標 2016 年 2017 年 2018 年 内部監査実施率 100% 100% 100% 環境監査員養成研修の実施 1回 1回 1回 e ラーニング受講率 100% 100% 100% 環境リテラシの醸成 マネジ メント 日々変化する 社会的要求へ の備え 環境行動計画 に一致した新し いルールで再ス タート すでに実施して いるものも含め て、できることか ら実施 GREEN21-2018 220GP 320GP 420GP 生態系保全への貢献 生態系保全実施件数 1,530 件 1,560 件 1,600 件 環境親和型重点製品の売上比 率 17% 19% 21% 資源使用削減率 10% 15% 20% 環境配慮設計アセスメントおよ び LCA 実施率 0% 50% 100% エネルギー使用量原単位削減 率 10% 11.50% 13% 輸送エネルギーの対前年度比 削減率 1% 1% 1% 廃棄物の発生抑制 廃棄物・有価物発生量原単位 改善 7% 7.50% 8% 15 中期からの 継続 廃棄物の資源化推進 再資源化率 70% 72% 74% 18 中期からの 取り組み 水利用の効率化推進 水使用原単位改善率 10% 12% 14% 国内は 18 中期 からの取り組み 化学物質排出量削減 化学物質大気排出量原単位改 善率 30% 32% 34% 対象物質の見 直し 社会貢献 環境教育、ライトダウンなどの実 施件数 100 件 200 件 300 件 18 中期から目 標値を設定 情報開示と発信の強化 ステイクホルダーへの情報開示 と相互コミュニケーションを図 り、環境ブランド価値の向上に 努める プロ ダクツ アセスメントの実施 環境に貢献する 戦略製品の売 上を伸長 製品の環境配 慮 15 中期からの 継続 エネルギー使用量削減 ステイク ホルダ ーとの 協働 監査室の監査 計画で環境監 査が必要と判断 された事業所を 監査 環境活動レベルの向上 環境性能の向上 ファクト リ&オフ ィス 備考 ― CSR 報告書、 CDP などへのア ンケート回答、 など 49 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (6) 環境会計 日立金属グループは、経営資源を適切に配分して環境投資・環境活動の効率化と継続的な改善を推進し、また、 その効果や効率に関する情報を開示してステークホルダーのみなさまに理解を深めてもらうために環境会計を 導入しています。 環境コストは環境に係る設備投資や設備の維持管理費、研究開発費等を対象としています。環境効果は、金 額で評価する「経済評価」と環境負荷抑制量で評価する「物量評価」の両面からとらえています。 2015 年度の集計結果は以下のとおりです。 ①環境コスト 2015 年度の環境コストは、経費 79 億円、投資 4.4 億円で合計 83.4 億円となりました。 ②環境効果 経済効果は、廃棄物削減および資源化の取り組みによる資源循環の効果により、合計 75.9 億円でした。また、 物量面でも廃棄物の削減や省エネルギーによる効果が出ております。 ③集計結果 ■環境保全コスト 単位:億円 2014 年度 費用分類 経費 公害防止 地球環境 資源循環 小計 事業所 エリア内 コスト 上・下流コスト 管理活動コスト 研究開発コスト 社会的取組 その他 計 2015 年度 投資 16.6 4.6 26.9 48.0 0.0 7.4 26.1 1.2 0.5 83.2 経費 0.7 3.6 0.2 4.5 3.5 0.0 0.0 0.0 0.0 8.0 ■環境効果 投資 12.8 5.8 22.3 40.9 3.5 6.3 26.7 1.1 0.4 79.0 1.1 2.8 0.4 4.3 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 4.4 単位:億円 経済効果 項 目 廃棄物処理、リサイクル化 省エネルギー その他 計 2014 年度 2015 年度 91.9 3.0 3.3 98.2 69.8 2.6 3.5 75.9 ■物量効果 物量効果 項 目 エネルギー削減(原油換算) 廃棄物削減 2014 年度 2015 年度 1,381kL 1,475kL 2,743t 3,803t ●報告範囲:日立金属 国内グループ ●集計期間:2015 年 4 月 1 日~2016 年 3 月 31 日 50 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (7) 統合環境マネジメントシステム(統合 EMS*1) 日立金属グループでは、環境管理のマネジメントシステムとして、ISO14001 を導入しています。 1997 年より工場単位での認証取得からスタートし、その後、製品環境規制への対応や、環境適合製品の拡販 など、技術、企画、営業などの本社部門と密接に連携する必要性が増してきたことを受け、現在 4 つのカンパニ ー(高級金属カンパニー、磁性材料カンパニー、高級機能部品カンパニー、電線材料カンパニー)ごとの統合環 境マネジメントシステム(統合 EMS)を推進しています。 昨年 9 月に改定された ISO14001:2015 では、事業の戦略的な方向性との両立、事業プロセスとの統合が要求さ れており、カンパニー統合 EMS の推進の中で 2015 年版の移行対応を進めてまいります。 *1 Environmental Management System (8) 環境監査 技術センターでは、環境関連法令の遵守/コンプライアンスの徹底、環境行動計画に対する EMS 運用の適切 性、環境リスクの低減を図るために、全社的に環境監査を実施しています。 2015 年度は、社内の内部監査の計画に合わせ、国内の 16 サイト、海外 7 サイトの環境業務監査を実施し、まし た。軽微な不適合は 43 件ありましたが、直ちに行政措置を受けるような重大な不適合がないことを確認しまし た。 (9) 環境教育・啓発 職場独自の教育および EMS 関連教育を含む教育体系を構築すること、また、日立金属グループ全体の視点で 実施する教育と、工場ごとに実施する教育の役割を明確にすることで、全従業員の環境意識のさらなる向上と 職場ごとの知識・技術のレベルアップを図っています。 環境教育体系 51 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (10) 環境監査「GREEN21- 2015」の活動 日立グループでは環境活動の継続的改善と活動レベルの向上を点数評価するシステムとして「GREEN21」活動 を推進しています。これまで 3 度の評価基準の変更を行い、2011 年度から 2015 年度までの 5 年間は 「GREEN21-2015」として活動してきました。 「GREEN21-2015」では環境活動を的確に把握するため、以下のカテゴリーについて、環境活動の点数評価をし ています。日立金属グループとして、2015 年度は 8 カテゴリー合計で 621 グリーンポイント(以下 GP)となり、目 標(544GP)を達成しました。 大きく過達となった理由としては、重要度が増している海外拠点の管理レベルの向上や、また国内外の製造拠 点を対象に環境業務監査を計画的に実施して、各拠点の環境活動のレベル向上を図ったことなどが挙げられ ます。 2016 年度から 2018 年度は、新たな Green21 基準(Green21-2018)において、さらなる活動レベルの向上を目指 します。 環境経営 ステークホルダーとの 環境協働 資源循環 100 80 60 40 20 0 環境事業 サプライチェーン 地球温暖化防止 エコマインド エコプロダクツ No. 1 2 3 4 5 6 7 カテゴリー(評価表) 環境経営 製品事業戦略 サプライチェーン エコマインド エコプロダクツ エコファクトリー-地球温暖化防止 エコファクトリー-資源循環 8 ステークホルダーとの環境協働 2015年度実績値 2015年度目標値 主な評価内容 環境管理、環境会計、法規制遵守 1億トン CO2 排出抑制、環境事業戦略 サプライチェーンを通じた環境情報の収集と伝達 環境教育、環境エキスパートの育成 製品・サービス等のアセスメント CO2 排出量の削減、省エネ努力、輸送省エネ 資源循環、化学物質管理 情報開示、コミュニケーション活動、地球市民活動、 生態系の保全 GREEN21-2015 の目標並びに実績 年度 目標 実績 2013 年度 450 523 2014 年度 498 581 2015 年度 544 621 52 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (11)環境に関する外部コミュニケーション状況 ①展示会への参加 各種の展示会へ出展し、日立金属グループの環境配慮に優れた技術や製品を紹介しています。日立金属グループの製品 が社会の環境負荷低減に貢献していることを理解していただけるよう努めています。 開催日 2015年4月8日~10日 2015年4月21日~23日 2015年4月22日~24日 2015年4月28日~29日 2015年5月19日~21日 2015年5月20日~22日 2015年5月20日~22日 2015年5月22日~23日 2015年5月27日~29日 2015年6月15日~21日 展示会名 (開催地) 第2回 高機能金属展 (東京) SAE 2015 World Congress & Exhibition (米国・デトロイト) MEDTEC Japan 2015 (東京) Hitachi Social Innovation Forum 2015 in North America (米国・ラスベガス) Power Conversion Inteligent Motion 2015 (ドイツ・ニュールンベルグ) 人とくるまのテクノロジー展2015 (横浜) TECHNO-FRONTIER 2015 (千葉) 共に栄えるみらい市2015 (東京) JECA FAIR 2015 ~第63回電設工業展~ (東京) 51st International Paris Air Show (フランス・パリ) NEW CAST 2015 (第4回国際精密鋳造品展) The Bright World of Metals (ドイツ・デュッセルドルフ) 第9回 UIC世界高速鉄道会議 (東京) 管工機材・設備総合展2015 (東京) タッチパネル・光学フィルム展示会「Touch Taiwan 2015」(台湾・台北) North American Die Casting Association/Die Casting Congress Exposition (米国・シカゴ) CEATEC JAPAN 2015 (千葉) 第11回 印度国際鉄道機器展示会 (インド・ニューデリー) Hitachi Social Innovation Forum 2015 in Europe (ドイツ・ミュンヘン) 第44回 東京モーターショー2015 (東京) Blechexpo (板金加工国際見本市) (ドイツ・シュットットガルト) FABTECH 2015 (米国・シカゴ) 第4回 鉄道技術展 (千葉) 第17回 エコプロダクツ2015 (東京) 鋳造技術専門見本市 EUROGUSS 2016 (ドイツ・ニュールンベルグ) 2015年6月16日~20日 2015年7月7日~10日 2015年7月28日~30日 2015年8月26日~28日 2015年10月5日~7日 2015年10月7日~10日 2015年10月14日~16日 2015年10月22日 2015年10月28日~11月8日 2015年11月3日~6日 2015年11月9日~12日 2015年11月11日~13日 2015年12月10日~12日 2016年1月12日~14日 ②社外表彰 日立金属グループの環境適合製品で、2015 年度に以下の4件の社外表彰を受賞しました。 会社・ カンパニー 受賞製品・ 技術 受賞名 表彰団体 日立金属(株) 高級 高張力鋼板プレス成形金型用 金属カンパニー PVDコーティングの開発 第31回素形材産業技術賞 素形材センター 日立金属(株) 高級 ポリエチレン菅同径活管分岐工 機能部品カンパニー 法の開発 2015年 日本ガス協会 技術大賞 日本ガス協会 (株)セイタン 廃棄物等の循環利用 エコファクトリーセレクト 日立製作所 Metglas, Inc. SC Smart Business Recycling Program Recycling efforts for Fiscal 2015 South Carolina Department of Health and Environmental Control (SC DHEC) 53 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (12) 生物多様性の保全への配慮 日立金属グループは、生物多様性の保全への配慮の活動として、植樹・森林保全活動、工場近隣の清掃活動、環境教育 等を実施しています。 ①主な植樹・森林保全活動事例 「小木津山自然公園湿地整備活動」に参加 (茨城工場) Malepunyo 山の植樹と育成活動に参加 (Hitachi Cable Philippines, Inc.) 「第 3 回 千年希望の丘植樹祭」に参加 (北日本支店、日立金属商事(株)) 環境保全啓発イベント”Environment Function” を開催し、植樹及び環境教育を実施 (Hitachi Metals (India) Private Limited) ②生物多様性の保全に関する活動 2015 年度までは、日立グループで策定した「生態系保全の手引き」に基づくアセスメントを中心に行ってきました。2016 年度 からは、そのアセスメントに基づき、具体的な活動の取組みの実施を行ってまいります。 54 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 2.製品での環境配慮 日立金属グループは、「地球環境を守り、次世代に引き継ぐ」ということを経営上の重要事項と位置付け、これらのニーズを 生み出す新製品・新技術の創出と、高品位の環境親和製品の提供を通じて、持続可能な社会の実現に貢献します。 (1) 製品・サービスの環境配慮ビジョン 日立金属グループは、次世代主力製品の中で、環境・エネルギー分野に注力し、新製品の開発を推進していま す。また、新製品の開発・設計において、「日立グループエコデザインマネジメント指針」に基づき、環境に配慮し た製品開発を進めています。 研究開発分野事例 分野 環境キーワード エネルギー 再生可能エネルギー 研究開発分野 太陽電池用材料(アモルファス・カットコア、ダストチョークコイル、インタ ーコネクタ材、ターゲット材、めっき線) 風力発電用材料(希土類磁石、アモルファス金属材料、ファインメットコ ア、巻線) 高効率発電 超耐熱金属材料、タービンホイール用精密鋳造翼、SOFC*1 燃料電池 用部材(インターコネクタ材、耐熱部材) 省エネ/蓄電/変電/ 低損失変圧器用アモルファス金属材料、2次電池用電極部材、高効率 スマートグリッド アモルファスモータ用部材 自動車 排気ガス規制 排気ガス浄化部材 軽量化・低燃費 耐熱鋳鋼材料、エンジン用軽量部材、軽量アルミホイール、CVT*2 ベル ト材、EPS*3 用磁石、ブレーキホース、各種センサ ハイブリッド・電気自動車 モーター用希土類磁石、アモルファス金属材料、ファインメットコア、2 次電池電極用クラッド材、高効率モータ巻線、電源ハーネス エレクトロニクス 高効率化・小型軽量化 通信モジュール、積層部品、スイッチングハブ 電磁環境 EMC*4 用磁性部品、各種アンテナ 省エネ家電 エアコン・冷蔵庫コンプレッサ用磁石 半導体・液晶パネル マスフローコントローラ、リニアステージ 環境負荷物質 環境負荷物質フリー部材 産業・インフラ 長寿命製品 長寿命金型材、超硬ロール、耐食・耐熱継手、エコグリーン電線、鉄道 車両用電線・ケーブル 医療 省エネ、高精度 永久磁石型 MRI*5、小型 MRI、医療用ケーブル *1 SOFC:Solid Oxide Fuel Cell 固体酸化物型燃料電池 *2 CVT:Continuously Variable Transmission 無段変速機 *3 EPS:Electronic Power Steering 電動パワーステアリング *4 Electro-Magnetic Compatibility 電磁環境両立性 *5 MRI : Magnetic Resonance Imaging 磁気共鳴影像法 55 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (2) 環境適合製品の拡大 環境適合製品とは、原材料の調達から製品の設計・開発・製造・流通・使用・廃棄までのライフサイクルを 通じて環境負荷を低減した環境にやさしい製品のことで、日立グループで定めた「環境適合設計アセスメ ント」において、一定基準を満たした製品のことを言います。日立金属グループでは、環境適合製品の拡 大を環境行動計画に掲げ、推進しています。2015 年度の環境適合製品の売上高は 5,421 億円で対象売 上高*比率は 99%となり、目標 90%を達成しました。 * 環境適合製品対象売上高:当社グループが製品の環境配慮をコントロールできる、または影響を及ぼし得る製品の売上高 なお、環境適合製品の売上高向上の活動は 2015 年度で完了し、2016 年度以降は、「環境親和型重点製 品(=事業の戦略製品の中で環境に高い貢献を有する製品)」の売上高向上を目標に掲げて推進してま いります。 環境適合製品売上高と売上高比率の推移 環境適合製品 売上高(百万円) 700,000 98% 売上高比率 90% 92% 環境適合製品 売上高比率(%) 99% 100% 売上高比率(計画) 90% 600,000 80% 500,000 60% 海外 400,000 70% 50% 300,000 30% 国内 200,000 40% 20% 100,000 10% 0 2012 2013 2014 2015 0% (年度) (3) 環境適合設計アセスメント 日立金属グループでは、「環境適合設計アセスメント」を用いて環境適合製品の評価を行っています。 このアセスメントは、製品の開発・設計・調達から使用・廃棄までのライフサイクルの各段階における環境 配慮の内容を評価し、「環境適合製品」の認定基準として用いています。 環境適合設計アセスメント(改訂版)の評価項目およびポイント 評価項目 評価ポイント 開発・設計・調達段階での環境配慮 環境配慮の設計(デザインレビュー)、要求事項の充足、取引先の環境配慮 製造段階での 環境配慮 省エネルギー 製造時の省エネ、省エネ設備の導入、生産性向上、プロセス改善 省資源 歩留向上、リサイクル材の利用拡大、再資源化率の向上、水使用量の削減 化学物質 危険化学品の削減及び適正管理、VOC 大気排出量の削減 省エネルギー 製品使用時の省エネ・低燃費、環境機能の向上、使用時の能率改善 省資源 製品の小型・軽量化、長寿命化、希少金属の削減 化学物質 製品含有化学物質の管理、RoHS 指令/REACH 規則への対応 製品における 環境配慮 販売・流通および製品廃棄の段階で の環境配慮 製品環境情報の提供、梱包材のリサイクル性、輸送負荷の低減、回収・リサイク ル性等 56 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (4)日立金属グループの環境・エネルギー関連製品 日立金属グループは、発電・変電から、工場・プラント・オフィス・家庭および自動車における使用段階まで、 社会の幅広い範囲で、環境・エネルギーに貢献する素材や製品を開発し、提供しています。 [環境・エネルギー関連製品一覧] 57 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (5) 環境負荷低減に貢献する新製品の紹介 高張力鋼板プレス成形金型用 PVD コーティング「Tribec®炬」 高級金属カンパニー 当社は、高張力鋼板プレス成形金 ※ AlCr 系窒化物 V 系窒化物 ® 型用 PVD コーティング「Tribec 炬」 を開発し、2015 年度第 31 回素形材 産業技術賞 (一財)素形材センター 金型母材 会長賞を受賞しました。 ※ナノスケール(10 億分の1メートル レベル)の薄膜を交 互に積層した構造 この方法は、金型母材に AlCrV(アル ミ、クロム、バナジウム))系窒化物か らなる皮膜を形成することで、金型 の耐摩耗性・耐焼付き性を向上させ、 PVD コーティングした 金型材の外観 Tribec®炬の皮膜構造 金型寿命を大きく改善します。 ※PVD:Physical Vapor Deposition 物理蒸着 ポリエチレン(PE)管同径活管分岐工法 高級機能部品カンパニー 当社は、ポリエチレン(PE)管同径活管 分岐工法を開発し、2015 年度日本ガス 協会 技術大賞を受賞しました。 この工法は、既設の PE 管を同径分離 できる画期的な技術です。これまで埋 設 PE 配管を同径分岐させるには、分 岐位置の前後にバイパス管を設けるた め、周囲を大きく掘削する必要があり PE 管同径活管分岐工法に使用する継手 左:小口径用、 右:大口径用 ましたが、この工法では専用の継手と 特殊な工具を使用することにより、PE 管を容易に分岐が可能となります。掘 削面積が大きく減り、部品点数も少なく なることから、工費、作業負荷、環境負 荷の点で大幅に軽減できます。 施工例: 左:従来工法、 右:PE 管同径活管分岐工法 58 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 3.製造における環境配慮 2015 年度の日立金属グループの生産段階におけるマテリアルバランスを図示します。日立金属グループ は、資源を効率的に最大限活用することをめざし、主原料やエネルギーのインプット量の削減、および排 水や有害物質、廃棄物などの環境への排出・移動量の削減に取り組んでいます。 (1) マテリアルバランス 日立金属グループ(海外を含む) 2015 年度 マテリアルバランス 59 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (2) 地球温暖化防止 日立金属グループは、素材メーカーであり製造段階で多くのエネルギーを使用します。このため、地球温 暖化防止を経営上の重要課題として位置付け、中長期目標を掲げて省エネルギー施策の推進によるエネ ルギー原単位の改善および CO2 排出量の削減に努めています。 ①地球温暖化防止ビジョン 日立金属グループでは、2013 年度からの 3 カ年計画の最終年度である 2015 年度の目標を、以下のよう に設定しました。 ●環境中期行動計画での 2015 年度目標 エネルギー使用量原単位*1 を 2005 年度比で 10%以上改善(グローバル) *1:(原油換算エネルギー使用量)÷(活動量*2) *2:売上高、生産重量などの事業活動の規模を表す数値 ●2015 年度の実績 エネルギー使用量原単位改善率: 10.5% ②エネルギー使用量と売上高エネルギー使用量原単位の推移 日立金属グループのグローバルでの 2015 年度エネルギー使用量は、原油換算で 1,092 千 kL でした。 エネルギー使用量が増加した主な要因は、米国 Waupaca Foundry, Inc.および日立金属 MMC スーパーアロイ株 式会社が当社のグループに加わったためです。両社を除くエネルギー使用量は前年度比約 2 万トン削減してい ます。また、エネルギー原単位は日立電線株式会社と合併前と同レベルの 1.07 になりました。日立金属グルー プは、エネルギー削減のために、モノづくりと連動した省エネルギー活動、具体的には工程省略、効率改善、歩 留まり向上、省エネルギー機器の導入などを行っています。 エネルギー使用量と売上高エネルギー使用量原単位の推移 エネルギー使用量(kL/年) エネルギー原単位(kL/百万円) 1,200,000 1.20 1.05 1.10 19,301 1.07 1,000,000 日立金属 MMC スーパーアロイ 1.00 売上高原単位(kl/百万円) 0.79 800,000 0.78 386,877 0.80 600,000 Waupaca Foundry, Inc. 0.60 400,000 707,640 583,027 705,808 0.40 685,758 588,834 200,000 2014 年度と 同範囲での 使用量 0.20 0 2011 2012 2013 2014 0.00 2015 (年度) 60 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 ③エネルギーの使用に起因する CO2 排出量と CO2 排出原単位の推移 2015 年度日立金属グループの事業活動における CO2 排出量は、前年度から増加して 277 万 1 千トン※にな りました。増加の主要因は、米国 Waupaca Foundry, Inc.および日立金属 MMC スーパーアロイ株式会社が当社 のグループに加わったためです。両社を除く CO2 排出量は前年度比 7 万 3 千トン削減しています。 日立金属グループは、CO2 削減のために、モノづくりと連動した省エネルギー活動、具体的には工程省略、効 率改善、歩留まり向上、省エネルギー機器の導入などを行っています。 CO2 排出量と CO2 排出原単位の推移 売上高 CO2 原単位 (t-CO2/百万円) 3.00 2.724 CO2 排出量(千 t-CO2) 3,000 36 2,500 2.50 2.219 2.324 Waupaca Foundry, Inc. 1,136 2,000 2.00 1.754 1.838 1,500 1.50 1,000 500 日立金属 MMC スーパーアロイ 1.00 1,236 1,245 2011 2012 1,395 1,672 2014 年度と 同範囲での 排出量 1,599 0.50 0 2013 2014 0.00 2015 (年度) 日立金属グループ゚の CO2 排出源は電力が 62%を占め、コークス、都市ガスの順です。電力の CO2 排出係数は、国内は環境省発表の「電 気事業者ごとの排出係数」を、海外は IEA(国際エネルギー機関)の国別換算係数(2008 年)を使用しています。 61 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (3) 廃棄物の削減 ①廃棄物削減のビジョン 日立金属グループでは廃棄物の不適正処理・不法投棄の防止、第 3 次循環型社会形成推進基本計画で掲げられてい る排出物の「資源生産性の向上」、「循環利用率の向上」、「最終処分量の削減」への貢献に加えて自社内での再利用、 有価物化による循環型社会形成に向けた取組みを行ってきました。 廃棄物削減の活動としては、特に最終処分量削減のための資源化活動を継続してきましたが、社会的な資源化需要の 変化への対応が困難となったことから、製造プロセスの見直しなどプロセスイノベーションに基づく排出物発生量の削 減活動として、廃棄物有価物(以下廃棄物等と記す)発生量原単位を指標として、この原単位削減に取り組んできまし た。 2016 年度からは、この廃棄物等の発生量原単位の改善と共に、排出物の再資源化率向上を目標に掲げ、活動を巣視 診してまいります。 ②廃棄物等の実績 日立金属グループの 2015 年度における廃棄物等の総排出量は約 1,014 千トンで、国内が 182 千トン、海外が 819 千トンでした。総排出量は、国内では 18 千トン減少しましたが、海外は米国 Waupaca Foundry, Inc.が新たに グループに加わったことで 710 千トン増加しました。Waupaca Foundry, Inc.を除く海外事業所では 2 千トン発生量 は減少しております。) 環境行動計画の管理指標として取り組んでいる廃棄物等発生量原単位は 2005 年度比 27.8%削減し、目標を達 成できました。 再資源化量は国内が 175 千トン、海外が 563 千トン、最終処分量は国内が 7 千トン、海外が 256 千トンでした。 国内の再資源化率は、2014 年度に鉄鋼業界で問題となった鉄鋼スラグ事案により、一時的に鉱さいの埋立処 分が増加したことにより、再資源化率が 79%に低下しましたが、2015 年度は新たな再資源化の目途が立ち、再 資源化率は 89%に向上しました。 また、22 の事業所がゼロエミッション *1 を達成しました。 *1 :ゼロエミッションの定義は 2011 年度より最終処分率 0.5%未満としています。 62 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 廃棄物等の発生量と再資源化率の推移 1,000,000 100 93 89 87 900,000 80 79 80 800,000 再資源化率(国内) Waupaca Foundry, Incの 最終処分量 700,000 60 再 資 源 化 率 40 % ( ) 再資源化量 ( ) 最終処分量 廃 棄 600,000 物 量 500,000 発 生 400,000 t 300,000 20 200,000 100,000 0 0 国内 海外 2011 ガラス・陶磁器 くず 1.0% 国内 海外 国内 2012 国内 2013 海外 国内 2014 海外 2015 廃棄物等の排出量の内訳 廃棄物等の最終処分量の内訳 (日立金属グループ) (日立金属グループ) 廃油 0.7% 廃プラスチック 0.6% 木くず 0.6% 汚泥 1.3% その他 4.0% 汚泥 1.7% 廃油 0.2% 廃アルカリ 0.1% 木くず 1.5% ガラス・陶磁 器くず 1.7% ばいじん 4.6% がれき類 6.5% 金属くず 11.4% 海外 その他 12.6% がれき類 2.6% 排出量 合計 1,014千t 金属くず 10.0% 鉱さい 69.0% 最終処分量 合計 263千t 鉱さい 53.1% ばいじん 16.9% 63 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (4) 化学物質管理 ①環境負荷物質の低減 国内グループにおいては、PRTR 法*対象物質の取扱量のうち、89%が、製品の主原料であるクロム、ニッ ケル、ニッケル化合物、モリブデン、フタル酸(2-エチルヘキシル)、マンガン、コバルトの 7 物質から成り、移 動量の 74%もこれらの 7 物質で占められています。 また、排出量の 99%以上を占める大気への放出のうち、89%が VOC(揮発性有機化合物)であるトルエン、 キシレン、エチルベンゼンの 3 物質で占められています。 * PRTR 法:「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進」に関する法律 2015 年度の PRTR 対象物質の取扱状況(国内グループ) 消費量と排出・移動量及びその他内訳 排出量 フタル酸ビス(2- 0.9% フェノール エチルベンゼン エチルヘキシ リサイクル量 1.7% 1.1% ル) 6.4% コバルト及びそ 2.2% の化合物 除去処理量 その他 2.3% 2.2% 3.8% N,N-ジメチルホ ルムアミド 4.3% 移動量 1.6% モリブデン及び その化合物 4.4% ニッケル 4.5% トリエチルアミ ン 4.9% ニッケル化合 物 4.9% トルエン 5.2% 取扱量 移動量 キシレン 5.3% 取扱量の内訳 コバルト及び その化合物 2.8% マンガン及び その化合物 4.5% クロム及び 三価クロム 化合物 33.5% ほう素化合物 2.4% フタル酸ビス (2-エチルヘ キシル) 5.1% 取扱量 41,348t 41,348t モリブデン及 びその化合物 5.1% ニッケル化合 物 15.3% マンガン及び 消費量 その化合物 89.0% 21.9% N,N-ジメチル ホルムアミド 2.0% トリエチルアミン 0.7% ニッケル 28.3% 移動量の内訳 その他 3.6% 1,2,4-トリメチル ベンゼン 3.6% フタル酸ビス (2-エチルヘキ コバルト及び シル) その化合物 2.2% 2.3% N,N-ジメチルホ ルムアミド 4.3% エチル ベンゼン 4.8% フェノール エチルベンゼン 1.7% 1.1% その他 3.8% モリブデン及び その化合物 4.4% 排出量 356t キシレン 34.8% その他 4.3% クロム及び 三価クロム 化合物 31.4% 排出量の内訳 フェノール 1.3% キシレン 0.7% トルエン 49.1% ニッケル 4.5% トリエチル アミン 4.9% ニッケル 化合物 4.9% トルエン 5.2% キシレン 5.3% クロム及び三 価クロム化合 物 33.5% 移動量 650t マンガン及びそ の化合物 21.9% 50 64 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 2015 年度 PRTR データ(国内)(単位:トン/年) 取扱量 政 令 番 号 31 37 42 53 71 80 82 86 87 132 144 213 230 232 268 277 296 297 300 302 304 305 308 309 322 330 349 355 374 391 400 405 411 412 438 453 排出量 大気 への 排出 公共水 域への 排出 157.0 0.0 0.0 当該事 業所に おける 土壌へ の排出 0.0 1.7 0.0 0.0 0.0 1.2 56.1 265.4 296.7 30.9 186.3 12,982.4 1,166.9 0.0 17.1 0.0 124.0 0.0 0.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 - 2.0 0.0 0.0 127-19-5 2.1 0.2 793-24-8 4.9 0.0 68-12-2 220.6 137-26-8 121-44-8 95-63-6 108-67-8 108-88-3 91-20-3 7439-92-1 - 7440-02-0 - 化学物質名 CAS No. アンチモン及びその化合物 4,4’-イソプロピリデンジフェノール (別名ビスフェノールA) 2-イミダゾリジンチオン エチルベンゼン 塩化第二鉄 キシレン 銀及びその水溶性化合物 クレゾール クロム及び三価クロム化合物 コバルト及びその化合物 無機シアン化合物(錯塩及びシアン酸 塩を除く。) N,N-ジメチルアセトアミド N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フ ェニル-パラ-フェニレンジアミン N,N-ジメチルホルムアミド テトラメチルチウラムジスルフィド(別名 チウラム又はチラム) トリエチルアミン 1,2,4-トリメチルベンゼン 1,3,5-トリメチルベンゼン トルエン ナフタレン 鉛 鉛化合物 ニッケル ニッケル化合物 5’-[N,N-ビス(2-アセチルオキシ エチル)アミノ]-2’-(2-ブロモ-4, 6-ジニトロフェニルアゾ)-4’-メトキ シアセトアニリド ビス(1-メチル-1-フェニルエチル) =ペルオキシド フェノール フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) ふっ化水素及びその水溶性塩 ヘキサメチレン=ジイソシアネート ベンゼン ほう素化合物 ホルムアルデヒド マンガン及びその化合物 メチルナフタレン モリブデン及びその化合物 年間 1 トン未満の 55 物質合計 合計 - 80-05-7 96-45-7 100-41-4 7705-08-0 1330-20-7 - 1319-77-3 - - 80-43-3 108-95-2 117-81-7 - 822-06-0 71-43-2 - 50-00-0 - 1321-94-4 - 当該事 業所に おける 埋立処 分 0.0 移動量 排出 量合 計 下水 道へ の移 動 その他 (廃棄 物) 移動 量 合計 0.0 0.0 2.3 2.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 17.1 0.0 124.0 0.0 0.9 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 7.3 0.0 34.3 0.0 4.1 218.0 14.9 0.1 7.3 0.0 34.3 0.0 4.1 218.0 14.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 0.0 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 0.5 7.2 0.0 0.0 0.0 7.2 0.0 27.7 27.7 1.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.4 0.4 57.8 17.9 8.3 215.0 2.6 198.6 34.6 11,696.4 6,346.8 2.6 12.9 0.6 174.9 1.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.6 12.9 0.6 174.9 1.9 0.0 0.0 0.0 0.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 31.6 2.1 2.4 33.8 0.7 0.1 0.2 29.1 31.9 31.6 2.1 2.4 33.8 0.7 0.1 0.2 29.1 31.9 4.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 4.3 4.3 18.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 229.2 2,091.1 3.4 13.4 1.2 1,004.7 4.2 1,864.7 8.2 2,127.5 24.9 41,348.1 4.6 0.0 0.0 0.0 0.9 0.0 1.7 0.1 0.0 0.0 5.2 355.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 0.0 0.0 0.4 1.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 4.6 0.0 0.0 0.0 0.9 0.0 1.7 0.4 0.0 0.0 5.6 356.3 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.3 0.6 10.8 14.5 0.0 0.3 0.0 0.4 0.8 142.4 0.0 28.7 5.9 649.6 10.8 14.5 0.1 0.3 0.0 0.4 0.8 142.5 0.0 28.8 6.1 650.2 65 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 ②VOC(揮発性有機化合物)大気排出量の削減 日立金属グループの VOC 排出の大半を占める製品塗装用溶剤成分の対策に注力し、塗装代替、プロセス改善に向け た技術検討及び設備対応による VOC 大気排出量の削減に取り組んでいます。 2015 年度まで原単位の改善が着実に進んでいますが大気への排出量については、Waupaca Foundry, Inc.で使用して いるコークスから排出されるベンゼン、トルエン等が加わったために、海外事業所での排出量が増加しました。 06年度対比 原単位改善率(%) VOC排出量(t) 20.0 1,500 18.2 16.2 16.9 VOC排出量(海外) VOC排出量(国内) 1,000 104 原単位改善率 49 278 10.0 500 795 783 564 0.0 0 13年度 14年度 15年度 66 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (5) エコファクトリーの事例 廃棄物削減・資源循環の取組み 廃棄物の排出量削減と再利用化の推進 株式会社セイタン 自動車用鍛造部品を製造している(株)セイタンは、廃棄 物等の循環再利用を促進し、最終処分率 0.1%未満, 電 子マニフェスト登録率 100%を達成した成果を讃え、日立 製作所より 2015 年度エコファクトリーセレクトに認定され ました。 特に使用済廃油を浄化・再利用や、安全保護具やウエ ス等のレンタル又はリユース・リサイクルシステムの採 用など、廃棄物の減量に努めました。今後も「鍛(たん) 株式会社セイタン に生きる」の精神を基本に自然を大切にする企業として 地域社会に貢献していきます。 工場廃棄物のリサイクル化推進による最終処分量の削減 高性能トランス等などに使用されるアモルファスリボンを 製造している Meglas, Inc. (米国)では、資源を有効利用 するために、社内プロジェクトにより廃棄物の分別レベ ルの向上を図り、リサイクルを推進してきました。鉄鋼ス ラグは路盤材に、プラスチックはトートバック原料に、 プラスチックバッグのリサイクル化 木材は造園用腐葉土の材料等に再利用することがで き、2015 年度の最終処分量は 2007 年度に比べ 80%削 減し、最終処分率は 15%から 7%に改善しました。また、 サウスカロライナ州 スマートビジネスリサイクルプログ ラムに参加し、2015 年度再資源化努力賞を受賞しまし た。 廃木材のリサイクル化 Metglas, Inc スラグ、金属スクラップのリサイクル 廃プラ、廃ボトル、廃缶、廃紙の リサイクル化 Metglas,Inc.の廃棄物削減とリサイクルの推進活動 3R の取組み事例の講演 熊谷工場 熊谷工場(現 熊谷事業所)は、2015 年 8 月、埼玉県産業 廃棄物適正処理講習会において、「排出事業者が取り組 む3R の取組事例」と題して、講演を実施しました。熊谷工 場で製造している自動車用アルミホイールの製造工程か ら発生する廃棄物の 3R (リデュース・リユース・リサイクル) の取組みや電子マニフェストの導入事例の他に、低濃度 PCB 廃棄物(特高トランス等)の解体・処分の事例について 講演しました。 埼玉県産業廃棄物適正処理講習会での講演 67 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告] Ⅳ 環境側面の報告 (6)サイトデータ 2015 年度 日立金属グループ国内主要製造拠点におけるマテリアルフロー INPUT 区分 原材料等 [t/年] エネルギー使用量 用水 [原油kL/年] [千m3/年] PRTR化学物質 [t/年] 排出物 [t/年] CO2※1 [t/年] SOx※2 [t/年] NOx※2 [t/年] OUTPUT 排水 BOD※2 COD※2 PRTR排出量 PRTR移動量 [t/年] ※3 [t/年] ※3 [t/年] [千m3/年] [t/年] 九州工場 0.0 6.1 57,599 0.0 23,039 4,215 163 12,491 24,040 (含む(株)九州テクノメタル) 真岡工場 0.4 2.9 52,237 3.4 20,403 135 515 39,070 25,601 (含む(株)真岡テクノス) 5.0 2.4 10,360 34,623 17 636 18,184 14,483 桑名工場 126.7 49.5 63,715 470,037 18,108 5,867 170,586 安来工場 122,701 0.8 16.1 6.8 0.7 54,488 213 22,911 258 25,762 27,760 熊谷工場 1.1 53,083 6,365 532 1,151 26,516 11,107 熊谷磁材工場 1.8 0.1 0.0 311 7,990 63 - 73 3,840 山崎製造部 15,290 19 512 34 971 6,380 0.0 佐賀工場 0.0 0.0 342 30,939 46 3 10,915 メトグラス安来工場 35,995 0.0 0.0 3,936 8 249 2,035 944 19.3 3,103 0.0 0.8 茨城工場 電線分工場 25.1 0.0 3.8 3,479 29,108 885 1,519 28,706 14,674 茨城工場及び日高分工場 4,116 48,435 207 862 24,538 2.6 茨木工場 豊浦分工場 106,673 0.3 4.5 1.7 0.0 32,692 0.6 1,376 9 6,469 4 11,619 (株)日立金属安来製作所 21,694 4,093 4 3,342 4,562 8,009 0.0 (株)日立メタルプレシジョン 35,427 61,606 785 25,123 118 0.2 (株)日立金属若松 29,400 0.0 7.3 16,575 4,882 163 2,148 4,332 7,943 0.4 0.4 (株)日立金属ネオマテリアル 本社・吹田工場 0.0 2.0 0.1 6,781 0.6 3 185 2,881 40 (株)日立金属ネオマテリアル 秋田工場 1,555 57 715 19 8 201 321 0.0 (株)日立金属ネオマテリアル 新潟工場 132 2,681 43 24 0.4 (株)日立金属ネオマテリアル 鹿児島工場 80 1,124 1,046 11,913 0 6,017 18 日立金属工具鋼(株) 0.6 35,935 0.1 1.1 215 33 1,063 3,127 17,135 (株)NEOMAX近畿 1.5 10.9 65 1,364 22,206 9,377 60 (株)NEOMAX九州 6,720 11,212 26 224 875.3 3947 42 0.48 日立フェライト電子(株) 1,130 8 4,080 11,355 0.3 (株)セイタン 18,459 4,796 1.4 3 258 1,302 日立バルブ(株) 3,485 657 4 823 7,955 11,099 3,999 135 89 0.0 0.9 日立アロイ(株) 0.0 11,423 95 815 2,354 東日京三電線(株)石岡事業所 45,269 5,816 0.1 0.4 0.7 1.3 60 691 4617 1.6 3,256 1909 76 東北ゴム(株) 1,569 36237 6056 19301 561 1,185 日立金属MMCスーパーアロイ(株) ※1:電力の CO2 排出量の計算には各電力会社の調整後排出係数を使用しています。 ※2:大気汚染防止法,水質汚濁防止法の対象施設の実測値により算出しています。 ※3:PRTR の排出量は大気、公共水域、土壌への排出量の合計を、移動量は廃棄物、下水道への移動量の合計を記載しています。 55 瀬戸内海 0.4 6.8 82.9 0.4 76.0 38.6 480 鬼怒川 0.0 0.7 158.1 0.6 - 0.0 0.0 3.2 3.5 21.4 9.6 0.0 38.3 0.0 0.0 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.4 0.0 0.0 24.8 0.0 4.3 314.53 54.6 14.19 - 0.0 0.0 3.0 5.6 56.3 1.5 0.1 29.6 3.1 0.0 0.4 0.0 0.5 1.8 5.0 0.0 0.3 0.0 11.1 5.9 10.8 635 員弁川 5,867 中海 700 荒川 15.0 8.3 0.2 0.0 0.0 25.8 0.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 1.3 0.6 - 主な 排出先 68 下水道 34 六角川 46 中海 944 数沢川 885 太平洋 207 十王川 9 中海 4 中海 118 下水道 163 下水道 40 米代川 19 信濃川 43 下水道 18 下水道等 215 円山川 60 - 42 下水道 1,130 魚野川 4 員弁川 135 荒川 95 霞ヶ浦 76 太平洋 561 荒川 68 日立金属グループ CSR 活動報告 2016[詳細活動報告]