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台湾の生命保険 労工保険 及び公務員保廣事情

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台湾の生命保険 労工保険 及び公務員保廣事情
台湾の生命保険,労工保険
及び公務員保険事情
陳 雲 中
(一橋大学大学院)
目 次
1.はしがき
2.台湾の生命保険事情
3.台湾の労工腐険事情
4.′ 台湾の公務員保険事情
5.結 び
1.ほしがき
中華民国の台湾における施政の状態は,吾人の注目を惹く所で奉るが,
保険の分野における活動は特に関心事である。筆者は最近夏休みを利用し
て台湾へ帰省し,台湾の生命保険及び社会保険制度に関する資料を入手す
る喜びを持った。ここに該保険制度等の梗概を紹介して,読者皆様の加持一
導を仰ぎたいと思う。
本文の作成に際しては,恩師一橋大学教授大林艮一博士から格別の勧声
援と伽指導に預かり,又台湾省労工保険局副理事文鐘先生より資料の撞供
その他の御援助を頂き,ここに附記して,両先生に対し深く感謝の意を表
する次第である。
2.台湾の生命保険事情
昭和20年鵜戦当時の台湾には,日本の千代田,帝国,第一,巳本,明
一311−
治,富国徴兵,住友,日産,三井,第一徴兵,安田,野村,第百,大同の
14生命保険会社が卑湾各地に支店密約撃牢草卸や摩調臓後これらの
日本会社は国民政府によって接収されたが,後にこれらの全部を併合し
て,台湾人寿保険股扮有酸公司の套称で,台湾籍の鹿命保険会社が設立さ
れた。この会社はしばらくの間,台湾唯一の生命保険会社として台湾保険
市場を独占していたが,間もなく中国本土の有力保険会社が台湾に進出し
て支店や支部を設けるに至った。更に中国本土が共産党軍に占領せられ,
国民政府が台湾に移るに及んで,これらの中国保険会社の台湾支部は中国
本土に在る本部との連絡を断たれ,結局本部と分離して台湾籍の独立会社
に改組することを余儀なくされるに至った。
現在台湾において営業する生命保険事業としては下記の二社の外,簡易
生命保険事業を経営する郵便局があーる。
台湾人寿保険股扮有限公司(Taiwan LifeInsurance Co.,Ltd.)
中央信託局人寿保険処(Central TruSt Of China.,Insurance De−
partment.)
外国会社は現在一社も進出しておらず,政府は国内会社保護の立場から
将来も外国会社の進出を許きぬ方針のようである。
以上二杜は何れも何等かの形で,国或いは省政府と特殊な関係を持ち,
その支配下にあることは台湾保険事業の著しい特色である。
即ち台湾人寿保険会社は,前述の通り旧日本会社を併合改組した会社で
あるが,その株式の過半数は台湾省の台湾銀行,第一商業銀行,華南商業
銀行,彰化商業銀行,鉄道管理局,台湾航業公司,台湾産物保険公司,土
地銀行等が所有している半官的会社で,資本総額は約1,別0,000円(台円)
である。日本会社の組織や地盤を受けついだこと,及び一時独占的営業を
行っていたことの為,その規模や営業量は割に大きい。台北に本店を置く
外,基隆,新竹,台申,台南,嘉義,高雄等に支店を持ち,東台湾にも弁
事処を設けている。日本会社時代の本島人社員も多くはそのまま継続した
為に社員数も多く,約2′−300名を算する。独占時代が去り,中国本土か
−312−
ら他社が進出して来るに及んで,地盤確保の防戦に忙しいようであるが,
一方省政府の強力な支持もあって,現在生命保険においては仝保険契約の
.過半数を占めているようである。ただし,現在戦時態勢における貨幣価値
の不安定から,一般人民の生命保険に関する興味は低下し,又会社の資産
運用は種々の制限を受け困難な点も多く,加入者の日々の減少から事業費
は高く,経営方針は極めて消極的である。
註:当該生命保険会社は被保険者の被保険利益を確保するため,終戦前に14の日本
の各生命保険会社に加入し,その保険契約が有放なる被保険者に対しては,一
定猶予期間(昭和26年3月31迄)を与え,未済保険料を完納する事に依って改
保手続を履行し,新しい保険証書を発行して,それら古い保険契約の放力を引
続き認めた。若し上記期間内に改保する事を申立てない被保険者については,
棄権と見なし,以前加入した保険契約は一切無効とした)。
中央信託局人寿保険処は,国民政府中央信託軍の保険部であって,中国
本土においては古い伝統と大きな勢力を有していた0台湾においても台湾
人寿保険公司に次ぐ営業量を有し業界に重きをなしている。
以上が現在台湾に営業する二つの生命保険会社の性格であるが,何分台
湾という狭い市場に局限された営業であるから,その規模は極めて小さ
い。台湾人寿保険のみは,ともかくも二百数十名の社員を擁し,台湾各地
.に支店出張所を設けているが,他の会社は台北に本拠を有するのみであ
・り,社員の数もせいぜい数10名程度に過ぎない。概して言えば,中央信託
局人寿保険処では台湾の営業は暫定的のものと見ており,限られた市場で
十分な営業量を得ることは不可能な事を知り,出来るだけ少人数の社員で
凝費を極力節減し,ともかくも事業の拠点を維持して行くという考え方を
一取っているようである。
次に台湾の生命保険事業を保険種目別に掲げると,(1)養老保険,(215年
初養老保険,(3)終身保険,(4)幼年保険(こども保険),(5)教育儲金保険,
哺)便利団体保険,(7)1年期福利保険,(8)物価指数生命保険,(9)簡易生命保
険等がある。これ等保険の成績は発表された統計が無いので,正確なこと
一313−
は分らないが,何れ長如保険を除けば,割に良いようである。又上記の
中,前7項は台湾人寿保険会社が経営し,第8項は中央信託局,第9項は
郵便局が各々経営している。ここに各保険種目別の内容について,簡単に
説明したいと思う。
(1)養老保険
養老保険は長期保険の1種で,台湾人寿保険公司が経営している。保険
傘額は台幣円1,000円から最高10万円迄と規定している。本保険は老年者
の生活安定を図ると共に,不幸にして死亡した場合,その家族は固定の遺
族費を受け取り,生活を維持させるものである。保険期間は10年,15年,
20年,25年,卸年と分け,保険加入年齢は,満15歳から満的歳迄とし,保
険期間が満了し,又は保障有効期間内に死亡した時は,保険金の金額を給
付する事になっている。養老保険の優点としては,次の通りである。
①保険金額が増加・…・・保険料3年以上納付済の被保険者に対しては,保
険会社は毎年の営業年度末に,利益金の100分¢埠0以上の金額を以って「増
加保険金の準備金」に当て,保険金額を増加する。
⑧保険証券に依る貸金及び保険料免除……保険加入後溝3年になる者
は,保険証券を保険会社に抵当して貸金を申請することが出来,又は或る
程度の保険料免除の申請をすることが出来る。
⑧団体方式に依る保険加入の優待……団体で保険に加入する時は,保険
料を割引することが出来,叉保険料を分期して納付することが出来る。次
に本保険の料率表を見るに,次頁の表の如くである。
(2)5年期養老保険
この保険は同じく長期保険で,短期内に保険及び貯蓄の両目標を達成し
たい被保険者の為めに設けたものである。この保険は逓減式保険料納付方
式を採用し,保険料は1年増加するごとに2割減収し,又被保険者の自由
により半年又は1月ごとに保険料を納めることが出来る。5年期養老保険
においては,被保険者の身体が充分に健康で,かつ保険金額が台幣円2,000、
−314一
養老保険料率表
(保険金1万円毎につき計算)
年 令
15年 満期
10 年 満 期
円
20年 満期
l
円
2 5年 満期
30年 満 期
円
250円
20
990
590
410
21
22
23
24
25
9 90
9 90
990
990
1 ,0 0 0
590
600
600
600
600
410
410
420
420
420
3 10
310
320
320
330
250
260
260
260
2 70
26
27
28
29
30
1 ,0 0 0
1 ,0 0 0
1 ,0 0 0
1 ,0 1 0
1 ,0 1 0
6 10
6 10
6 10
620
620
430
430
430
440
440
330
330
340
3 謀)
350
2 80
2 80
2 90
290
300
31
32
33
34
35
1 ,0 1 0
1 ,0 2 0
1 ,0 2 0
1 ,0 2 0
1 ,0 3 0
63 0
63 0
6一
拍
6 40
650
4 50
4餅 )
460
4 70
4 80
360
360
370
380
390
310
320
320
330
340
36
37
38
39
40
1 ,0 3 0
1 ,0 4 0
1 ,0 5 0
1 ,0 5 0
1 ,0 6 0
6 説)
660
670
680
69 0
48 0
49 0
50 0
5 10
52 0
400
4 10
420
430
440
3劉
360
380
390
−4 0 0
41
42
43
舶
45
1 ,0 7 0
1 ,0 8 0
1 ,0 9 0
1 ,1 0 0
1 ,1 0 0
70 0
7 10
72 0
7 30
7 40
53 0
5 説)
56 0
57 0
58 0
450
470
480
!
諭0
5 10
420
430
450
460
480
46
47
48
49
50
1 ,1 1 0
1 ,1 3 0
1 ,1 4 0
1 ,1 5 0
1 ,1 6 0
750
7 70
7 80
79 0
8 10
600
620
630
6劉
670
530
550
570
590
610
−
51
52
58
54
55
1 ,1 7 0
1 ,1 90
1 ,2 1 0
1 ,2 2 0
1 ,2 4 0
83 0
850
870
89 0
910
690
7 10
73 0
76 0
79 0
−
.
・
−
.
.
・
−
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・
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56
57
58
59
60
1 ,2 蹟 )
1 ,2 8 0
1 ,3 0 0
1 ,3 3 0
1 1 ,3 劉
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・
− ・
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−
−315−
3 10
−
−
.
l.
−
−
保険料逓減5年期養老生命保険料率表(保険金1万円につきの計算)
年
度
第1年度
第2年度
第3年度
第4年度
年 納1月納
年 納l月納
年 納l月納
第5年度
\
年
生
761.701241.7012,319.00】202.9011,876.501164.20は,407.40】123.20
782.10は43.40ほ,336.301204.40il,890.40I165.40は,417.801124.10
;;;;i:
獲儲柑獲蓋ii;!:蓋は;!;!憑蓋は;ii:憲はii;;:
欝:思監溜l雲:認潤監:激禁:ほ乳盈:認監梵 ;壬;;‥‥ii;:
951.90183. 30
827.60位47.4012,374.401207.8011,921.30は68.1011,441.001126.10
2,835.30位48.10I2,380.801208.3011,926.50は68.6011,444.90は26.40
842.901248.80腹,387.301208.9011,931.70日_69.00】1,448.80は26.80
2,8崇).4破49.40ほ,393.601209.4011,936.801169.!鋤1,452.601127.10
豊潤鐙溜i芸:禁:諸圭3:批3用主用圭:霊:禁は;享溜
塁:霊:写濫溜屋:豊潤監諜悪:霊
ii;蓋:蓋Ii蚤菜臆罠liiを;;
069.30
083.30
098.80
l;i萱;
課
iiiI;Ii:;I::
註:半年納付の者は上表の月納数額を6で乗じた金額である。
−316−
1,041.70191.
1,049.40】91.80
円以下の者であれば,身体検査を受ける必要がないとされている。又保険
料納付済が2年以上の者は,保険証券(Insurance Policy)を担保とし
て保険会社に貸金を申請することが出来,、これらの被保険者は,会社利益
の分配金を受ける事が出来る。尚,保険料納付済経過2年以上の者で,引
続き保険料を納める能力が無い者は,保険会社は自動的に代って保険料を
納めてやり,保険を有効に継続
終身保険料率表
させることが出来る。この保険
の保険料については,前頁の表
(芝讐舎喜雲脂と)
年
の通りである。
(3)終身保険
終身保険の種類としては,有
限期保険料納付と無限期保険料
納付の2種がある。保険金額と
してほ,台幣円1,000円から台
幣円100,000円迄あり,保険料
支払期間は,10年,15年,20年
及び無期限とがあり,保険加入
年齢は,満15歳から溝50迄とし
ている。終身保険の優れた点と
しては,(1)保険料が低廉であ
る。(2)増加保険金額一保険料を
3年以上納付済の者については
保険会社は毎営業年度末に,利
益金の中から100分の80以上の
金額を保険証券の「増加保険の
準備金」として,保険金額を増′
加する。(3)保険加入後,3年を
註終身養老保険保険料は一律に1年こと
に納付する。半年ごとに納める時は,
上表の数字に0.55を乗じた金額であ
る。
一317一
凝過した被保険者は,保険証券を担保に入れて保険会社に貸金を申請する
ことが出来,叉保険会社に申請して保険料を代って自・動的に納めること
が出来る。保険料は前貢の表の通りである。
(4)幼年保、険
幼年保険は子女の教育,結婚又は事業基金の貯蓄のために設けられたも
のである。保険種類としては,20歳,25歳,30歳満期の3種があり,いず
れも保倹金額は台幣円1,000円から100,000円と規定している。保険料納付
期間は10年とし,保険加入年齢は出生時から14歳迄としている。保険金の
支払については,次の通りである。
⑥保険期間が満了した時は,保険金の全額を支給する。
⑧保険料を10年納めた後,死亡した時は,保険金の全額を支給する。
⑧保険契約締結後10年内に死亡した時は,その納めた保険料の全額を返
還する0本保険も同じく優れた点があり,詳細は養老保険と大体同じで参
る。幼年保険料率は次表の通りである。
幼年保険料率衰
(保険金1万円につきの計算)
年
註:幼年保険料は1年毎に納める。半年ごとに納める時は,上表の数字を0.55で
乗じた金額である。
(ち)教育償金保険
本保険は子供の教育に対し万全の準備を計るという目的の保険で,現在
の教育制度と配合し,初中(日本では中学に相当する),高申(日本では
高校に相等する)及び大学,専門学松の3部分に分ける。加入年齢は,初
中部分では,出生時から11歳迄,高車部分は出生時から14歳迄,大学専門
学校は出生時から17歳迄という規定になっている。保険年金は,初申分で
−318rt
教育儲金保険料率表
加 種
人 類
初
璧
\ 被
\
要 保
者 年
保
者
\
令
険
年
令
\
2 0 ′− 2 4
2 5 ′−2 9
0
2 0 ′− 2 4
2 5 ′− 2 9
30 ′
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年
3
年 四
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C ) 5
円 一
大
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学
校
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5 ′− 3 9
0 ′} 4 4
5 ′〉 4 9
2
3 4 5 6
7 9
8
10
11
2 1 7 .3 6 2 4 3 .6 2
2 1 9 .1 6 2 4 5 .4 2
2 7 6 .2 7
2 7 8 .0 7
3 6 9 .6 0 4 4 1 .9 1 5 4 2 .0 7
9 4 1 .1 2 1 ,4 4 7 .8 2
3 1 7 .4 5
6 9 2 .6 0
3 1 9 .2 5 3 7 1 .5 0 4 4 3 .8 1 5 4 3 .4 7 6 9 4 .6 0 9 4 6 .0 2 1 ,4 4 9 .8 2
.0 5
2 2 1 .4 6
2 4 7 .7 2
2 8 0 .3 7
3 2 1 .5 5
.6 5
.9 5
.8 5
2 2 5 .0 6
2 5 1 .3 2
2 3 0 .3 6 2 5 6 .7 2
2 3 7 .3 6
2 6 3 .7 2
2 8 3 .9 7
2 8 9 .3 7
2 9 6 .3 7
3 2 5 .0 5
3 7 7 .3 0 3 3 0 .5 5
3 8 2 .7 0
3 3 7 .5 5 3 8 9 .7 0
1 9 6 .9 5
1 9 8 .6 5
3 0 ′} 3 4
201
.
一
一
t.
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.
年
3 5 ′− 3 9
204
年 三
4 0 ′} 4 4
209
金 ’ 4 5 ′− 4 9
216
丑 ○
/、○
50 ′
} 15 4
226
○
5 5 ′} 6 0 1 ,岩間
円 一 次 完 納
高
空
1
(単位:台円)
3 7 3 .8 0
4 4 6 .1 1
5 4 6 .2 、
7
4 4 9 .5 1
4 5 4 .9 1
4 6 2 .0 1
5 4 9 .5 7 7 0 0 .1 0
5 5 5 .0 7
7 0 5 .6 0
5 6 2 .0 7
7 1 2 .7 0
12
13
14
15
16
17
1
6 9 6 .9 0 9 4 8 .4 2 1 ,4 5 2 .1 2
9 5 1 .5 2 1 ,4 5 5 .2 2
9 5 6 .9 2 1 ,4 6 0 .6 2
9 6 4 .1 2 1 ,4 6 7 .8 2
.3 5
2 4 6 .8 6 2 7 3 .2 2
3 0 5 .8 7
3 4 6 .9 5 3 9 9 .1 0 4 7 1 .3 1
5 7 1 .3 7 7 2 1 .8 0
9 7 3 .2 2 1 ,4 7 6 .8 2
2 6 2 .2 6
2 8 8 .5 2
3 6 2 .0 5
4 1 4 .2 0
4 8 6 .2 1
5 8 6 .0 7
7 3 6 .4 0
9 8 7 .5 2 1 ,4 9 0 .8 2
3 2 1 .0 7
1 ,6 7 4 .4 0 1 ,7 6 8 .7 0 1 ,8 7 1 .0 0 声 9 8 0 ・1 0 12 ,0 9 6 ・2 0 12 ・2 1 9 ・2 0 2 ,3 4 9 ・6 0 2 ,4 8 7 ・6 0 2 ,6 3 3 .7 0 2 ・7 8 8 ・3 0 2i ,9 5 2 .0 0
l
l
融
融
2 1 3 .1 7
2 3 2 .0 0
2 5 5 .2 8
2 1 5 .7 7
2 3 4 .6 0
2 5 7 .8 8
2 1 9 .3 7
2 3 8 .2 0
2 6 1 .3 8
2 2 4 .6 7
2 3 2 .4 7
2 4 2 .6 7
2 4 3 .6 0
2 5 1 .4 0
2 6 1 .8 0
2 6 6 .8 8
2 7 4 .7 8
2 8 5 .1 8
0 ′
∼54
5 ′− 6 0
2 5 6 .9 7
2 7 6 .0 0
2 9 9 .3 8
2 8 0 .1 7
2 9 9 .3 0
3 2 2 .6 8
次 完 納 1 ,9 7 8 .7 0 2 ,0 7 4 .8 0 1
12 ,1 9 4 ・7 0
2 0 ′} 2 4
25 ′
}29
30・
・一3 4
2 7 3 .0 6
2 7 7 .4 6
2 8 3 .4 6
2 9 5 .0 8 3 2 1 .4 0
2 9 9 .4 8 3 2 5 .8 0
3 0 5 .5 8 3 3 2 .1 0
3 5 ′} 3 9
4 0 ′∼ 4 4
4 5 ′∼ 4 9
2 9 2 .5 6
3 1 4 .7 8 3 4 1 .1 0
3 2 7 .9 8 3 5 4 .4 0
3 4 5 .3 8 3 7 2 .1 0
2 9 4 .4 1 3 2 7 .4 2
3 0 2 .4 1 3 3 5 .4 2
3 1 2 .8 1 3 4 5 .9 2
2 ,鋤
,;!;;;; 2
八
’
〇
〇
5 0 ′} 5 4
3 6 9 .1 8 3 9 5 .9 0
〇
5 5 ′} 6 0
4 0 9 ・3 8 , 4 3 6 ・3 0
円 一 次 完 納 2 ,;;;;芸 !
2 ,9 3 3 ・9 7 l3 ,1 0 9 ・1 2 l
3 6 2 .7 0 台7 5 .3 0 3 8 5 .0 7 ,鋤
2
4 1 6 .0 1
4 2 4 .2 1
4 3 4 .7 1
,鴫
融
)
4 7 7 .4 7 5 5 6 .8 2
4 8 5 .6 7 5 6 5 .0 2
4 9 6 .1 7 5 7 5 .6 2
朝
潮
5 5 0 .9 2
5 9 0 .9 2
6 4 7 ・6 0 11
3 ,9 3 5 ・3 2 j4 ,1 7 4 .7 6
I
去3 :盛
!
2 ,1 6 0 .7 2
3 :吉 :;出
雲2 :冒2 !
2 ,1 6 8 .7 2
軋
冒3 3 霊
4 9 4 .7 2
5 0 8 .5 2
5 2 6 .4 2
i三:†霊 :六三
2 宇宝 :2 m
7 1 8 .0 0 8 6 6 .7 2 1
3 ,2 8 7 .8 0 3 ,4 8 3 .6 0 !
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渕
禁 :狛
璃
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5 3 1 .5 6
5 3 6 .2 0
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12 ,1 4 9 .5 2
霊
霊
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9 2 5 .9 4 1 , 1 0 8 .3 8
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1
1 ,7 4 9 .8 9 2 ,3 9 3 .2 3 細
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1 ,7 5 4 .9 9 2 ,3 9 8 .3 3
‡霊
:2 3 2 霊
芸3 −
3 ,6 9 3 .1 4
1 ,3 8 4 .1 9
3 ,7 0 1 .1 4
1 ,3 9 8 .1 9 1 ,7 8 3 .3 9 2 ,4 2 6 .5 3 I3 ,7 1 5 .6 4
1 ,4 1 6 .5 9 1 ,8 0 1 .6 9 2 ,4 4 5 .0 3 F3 ,7 3 3 .5 4 I
l
1 ,4 4 0 .4 9 1 ,8 2 5 .4 9 2 ,4 6 9 .0 3 l…濃
雲 I
1 ,4 7 8 .4 9 譜
翠
瑚
5 ,9 4 9 .8 4
7 ,1 0 0 ・3 5 17 ,5 2 9 .2 0
桓)保険範囲及び保険給付:本保険の保険金及び手当金は傷害,残廃
(廃疾),死亡,分娩,直系親属死亡及び退職金の6種に分けることが出
来る。
(1)傷害保険金については,被保険者が外的の不慮の傷害に遭遇し,継続
して仕事が出来ない場合,負傷して仕事が出来ない日より数えて第4日目
より,毎日保険加入賃銀嶺30分の1の傷害保険金を支給する(最高60日)。
若し負傷後治療した結果,被保険者が死亡し,又は永久残廃に成った場合
は,受け取った傷害保険金は,残廃或は死亡保険金の中から控除する。
(2)残廃保険金については,病気或は外的の不慮の傷害を受けた結果,永
久残廃に成った時には,下の表の規定でもって支給する。
残 廃 程 度
身体機能を失ない,終身工作不能で
飲食は常に他人の扶助を必要とする
者。
(彰両眼失明
㊥両上肢残映が両肘関節を越えてい
る者
⑨両下肢残映が両膝関節を越えてい
る者
残廃保険金給付標準
(被保険者の最後の
3年間の平均保険加
入賃銀額を基数とし
下記の倍数に依って
計算する)。
備 考
36 倍
精神神経障害
胸腹部分内臓
障害等も含む
30 倍
本保険内に述
べる残快は身
体の有る部分
を失った事を
指す。
機能を喪失
機能を喪失
3大関節線能が全
⑤両耳聴覚の喪失
⑧半身不随の者(2カ月以上治らな
い者)
⑧両手手指が全部残故した者
(彰一上肢肘関節以上が残映した者
⑨一下肢膝関節以上が残放した者
⑨脊髄が顕著な崎形を遺存し或はレ
ントゲンの証明により顕著な運動
障害が有る者
④一目失明の者
(彰一上肢腕関節以上が残快 L た者
⑧一下肢課関節以上が残映 L た者
(多雨上肢腕関節以上或は雨下 肢躁
節以上が機能喪失した者
④一肢三大関節が皆概能を喪失し
者
−320−
20 倍・
18 倍
嘉淀書芸㌍
診断書を提出
する事
機能を喪失した者
が全部残映した者
の親指か食指が残決した者
(彰一上肢腕関節以上或は一下肢躁関
節以上が機能を喪失した者
⑧両下足がびっこになった者
⑧一手の五指が皆機能を失なった者
④両手の親指及食指が楓能を失なっ
た者
㊥一耳の聴覚を失なった者
⑨両下足の指が皆残放した者
⑦一手の親指及び食指が残映した者
10 倍
5 倍
詰責葺砦翳
健康診断書を
提出する事
(3)分娩手当金については,被保険者又は配偶者が保険加入溝10カ月後に
分娩した者に支給する。ただし流産又は死産の者は,支給しない。
㈹ 被保険者本人の分娩:当月分の保険加入工賃額の3分の2を支給す
る。
桓)被保険者の配偶者の分娩:当月分の保険加入工賃額の3分の1を支
給する。
の 2子以上分娩の者は比例で以って増給する。
(4)死亡保険金については,下記の規定で以って支給する。
の 保険加入が半年未満の者で,病気に依り死亡した時は,その平均加
入工賃額の10倍で支給する。
桓)保険加入が半年以上(1年未満)で,病気に依り死亡した者は,そ
の平均加入工賃額の18倍で以って支給する。
い 保険加入が1年以上にして,病気で死亡した者は,最後の3年平均
加入工賃額の36倍で以って支給する。
国 意外傷害(不慮の災害)に依って死亡した者は,保険加入期間を問
わず(前項の制限を受けない),一律に最後の3年平均工賃額の36倍を以.
って支給する。
(5)直接親属(族)死亡手当金については,被保険者の父母・配偶者・子
が死亡した時は,当月分の保険加入工賃額で以って支給する。ただし下記
事情に該当する者は支給しない。
㈹ 20歳以上の子が死亡した時。
−321−
桓).嬰児が出生前に死亡した時。
再 生父母,生子,養父母又は養子でない時。
(6)退職金については,被保険者が保険料を5年以上納入して退職した時
は下記の規定に依って支給する。
(7)1年期福利生命保険
この保険対象となる者は個人及び各公私団体の職員労働者で,保障範囲
相次の通りである。
の 傷害手当金:被保険者が意外事故に遭遇して負傷し,入院治療を必
要とする時は(保険有効期間内),入院のその日より,毎日保険金額の
1,000分の5の傷害手当金を支給する(最高50日)。
桓)住院疾病手当金:軽病なる被保険者は,保険会社の附設診療所で免
賃の門診治療を受けることが出来る。重病にして入院治療を必要とする者
については,保険会社の拇定した医師又は認可の公立病院の証明を得て,
入院の第4日目より,毎日保険金額の1,000分の5の疾病手当金を支給す
る(最高20日)。
・再 医薬貸金:被保険者が前記の最高限の疾病手当金を受嶺した後,そ
の疾病が未だ完治してない時は,非常に低い利息で以って,保険金額の
−322−
10分の1を医薬貸金として借りる事が出来る(期間は3カ月,3期に分け
て返還する)。
国 残廃保険金:被保険者が保険有効期間内において,不慮の傷害に遭
遇し,残廃(廃疾)叉は死亡した時には,下記の規定に依って保険金を支
給する。
(1)意外傷害に遭遇し死亡した時−保険金の全額を支給する。
(2)意外傷害に依って身体機能を喪失し,労働不能に成った時−像
陰金全額給付。
(3)意外傷害に依って両足が残廃に成った時−保険金全額給付。
(4)意外傷害に依って両眼が失明した時−保険金全額給付。
(5)意外傷害に依って片足が残廃,片眼が失明した時−保険金全額:
給付。
(6)意外傷害に依り身体枚能を失い,従来の仕事を継続できない時一
保険金半額給付。
(7)意外傷害に依り片眼を失明した時−保険金額の半額給付。
(8)意外傷害に依り片足が残廃に成った時−保険金半額給付。
㈹ 死亡保険金:被保険者が保険有効期間内に病気に依り死亡した時は
保険金額に依り支給する。
㈹ 生育(分娩)手当金;被保険者が本保険に加入後,本人或は配偶者
が分娩した時は,下記の規定に依って生育(分娩)手当金を支給する。た
だし,夫婦が同時に被保険者である時は,生育手当金は1人だけに支給す
る。
(1)被保険者本人或いはその配偶者が分娩した時(死産,流産を除
く)は,保険金額の1,000分の10を支給する。
(2)2子以上(皆活産)の分娩の時は,その比例に応じて増給する。
(H 特定意外事故傷亡保険金:被保険者が保険有効期間内に下記の原凪
に依って傷亡した時は,前の残廃,死亡保険金規定の額を2倍にして増絶
する。
−323−
(1)汽車に搭乗し,汽車が脱線,衝突,火災等が起きて瘍亡した者。
く2)自動車に搭乗し,その自動車が顛覆,衝突,火災が起きて傷亡し
た者。
13)住宅が焚毀して傷亡した者。
(4)旅館が焚毀して傷亡した者。
(51直接電撃に依って傷亡した者。
(6)直接飴風の襲撃に依って亡傷した者。
次に保険の加入手続を見れば,次の通りである。
㈹ 年齢が港15歳以上にして,60歳以下の者で身体健康が正常である
者は保険に加入することが出来る。
桓)団体加入の場合は,その代表人(団体の)が保険会社の規定する加入
申請書に記入し,第1回の保険料を支払った時から保険効力が発生する。
㈹ 個人方式で加入する場合の保険金額が3,000元(台円)以下の者は
健康声明書を提出すればよい(身体検査はいらない)。
⇔ 団体方式で加入する場合,各人の保険金が同額で,12,000円(台
円)以下の者は,身体検査を受けなくても加入出来る。
次に本保険の料率表を見てみれば,下記の表の通りである。
1年期福利生命保険料率表
(保険金額を1万円毎に計算)
孟:団体加入数が50人以上の場合,保険料は一割伏符,30人以上の場合,
保険料は五分伏符
−324−
(8)物価指数生命保険:
本保険は死亡,残廃,傷害,医薬,結姫費用,分娩・家族死亡手当金等
の外,疾病保険を附加したもので,毎月の保険料は保険金額の1,000分の
1.2(即ち毎1,000円につき,1円20銭の保険料)で,その保険金額
は毎月の物価指数に依って自動的に調節し,物価の動揺に依って保険価値
の下落を防ぐものである。又保険金額は数千円から十数万円(台円)の階
激に分け,個人の経済的必要に応じて任意に選択することが出来る。
この保険は定期生命保険兼傷害保険制度を採用し,期限は1年として,
満期1カ月内双方が書面で以って通知しない時は,保険はもとの期限と料
率で以って自動的に延長し,新しい保険証書を発行しない。
保険種類については,個人と団体の2種類に分け,その保障範囲は次の
ように異なる。
(1)団体保険.:死亡給付,残廃給付,傷害手当金,結婚費用手当金,分
娩手当金,家族死亡手当金等がある。
(2)個人保険:死亡給付,残廃給付,傷害手当金並びに疾病貸金等があ
る。
保険金計算については,台湾省政府主計処の毎月発表する台湾省都市消
費者物価指数の繚指数を計算標準とし(前月分の指数が公表されてない時
は,その公表された最近の月分を標準とする),その前月分の総指数を基
本数23倍で乗じた数を同月分の単位保険金額とする(小数点以下は4拾
5人する)。
保険年齢については,被保険者の年齢は戸薯上の記載を基準とし,出生
の日から実足年齢を計算する。15歳以上60歳以下を原則とするが,但し
屈体保険内の被保険者の年齢が60歳を超える時は,必ず保険会社が指定
した医者に身体検査を受けた後に,保険会社が保険を引受けるか否かを決
定する。
保険金額の限度は,団体保険では1人につき2個の単位を最低額とし,
50個を最高額とする。個人保険では,1人につき2個の単位を最低額とし
−:泣5−
50個の単位を最高額とするが,但し団体保険の個人保険金額は平均保険金
額の2倍を超える事が出来ない。
保険料率は,団体保険では毎月保険金額の1,000分の1.2を要保団体
(被保険団体)が集めて納め,個人保険では次の料率表を以って納める。
台湾物価指数個人生命保険1万円に対しての毎月保険料率表
註:上項の保険料は職業危険或は体格不健康の場合は増収する
保険給付については,披保険者が保険有効期間内に病気に依り死亡,或
は外来の劇烈かつ明白な意外事故に依り死亡又は傷害した者に対しては,
要保人(被保険者の機関代表人)又は被保険者の利害関係者が証明を提出
し,確実と見なされた時は左記の規定に依り保険給付をする。
(1)意外傷害又は疾病に依り死亡した者は保険金全額を支払う。
(2)意外傷害に依り両眼を失った者は保険金全額を支払う。
(3)意外傷害に依り両足を失った者は保険金全額を支払う。
(4)意外傷害に依り片眼と片足を同時に失った者は,保険金全額を支払
う。
(5)意外傷害に依り,身体枚能を完全に失い,永久に労働不能の者は倶
険金全額を支払う。
(6)意外傷害に依り片眼を失った者は保険金半額を支払う。
(7)意外傷害に依り,片足を失った者は,保険金半額を支払う。
一326−
(8)意外傷害に依り,身体機能の1部を失い,永久に復原出来ず,工作
能力に影響をきたす者は,その機能喪失程度に応じ,適当な保険金額を支
払う(保険金額の5分の1を超えることが出来ない)。
前記の身体機能の喪失は,公立病院叉は登録した開業医師の断定及証明
を受ける必要がある。又保険会社は復験権を保留する。尚前記の被保険者
が1部残廃又は1部身体機能喪失に依り,保険金の1部又は半額を受け取
った者は,その保険効力はただちに中止する。
被保険者が上記の2項以上の傷害を受けた者は,賠償額は保険金の全額
を超える事が出来ない。又前項の保険金額は被保険者の危険発生日(即ち
死亡又は傷害の日)の当月分の保険金額を基準とする。
傷害手当金については,被保険者が意外傷害に遭遇し,就医叉は入院し
て治療する必要が有る時は,適当に傷害医薬手当金を支給する(金額は保
険金の10分の1を超えることが出来ない)。若し治療が無効で,死亡又は
永久的に身体機能を完全に失った時は,この支払った手当金は賠償額より
控除する。
結婚費用手当金については,被保険者が保険有効期間内に,正式な結婚
を行ない,民法の親族篇第2章第2節「結婚」の各条の規定に符合する者
は,結婚証書と戸肴騰本の提出に依り,保険金額の100分の2を結婚費用
手当金として支給する。
分娩手当金については,被保険者又はその配偶者が分娩した時は,病院
叉は産婆の出した領収書及び新生嬰児の戸籍騰本に依り,保険金額の100
分の1.5を分娩手当金として支給する。
家族死亡手当金については,被保険者の父母,妻及び未婚の子女が共同
生活を営み,疾病又は意外傷害に依り死亡した時は,死亡証明書又は戸籍
騰本に依り,下記の規定で以って埋葬費を支給する。
① 父母及び配偶者が死亡した時は,保険金額100分の10を支給する。
⑧ 実足年齢6歳以上の子女が死亡した時は,保険金額の100分の5を
支給する。
−327−
⑧ 実足年齢1歳以上,6歳未満の子女が死亡した時は,保険金額の
100分の2.5を支給する。
前項の手当金は,家族死亡当月分2個単位の保険金額を超えることが出
来ない。又2人以上の被保険者が同一家族死亡の時は,保険金はその中の
1人が申請する。
疾病貸金については,被保険者が重病にかかった時は,下記の規定で以
って申請することが出来る。
(1)疾病貸金は最高保険金額の10分の1と定め,被保険者事故発生の日
を以って,当月の2個単位の保険金額を限度とする。
(2)前項の貸金は,被保険者が確実な身元保証人を見付け,審査後その
必要に応じて貸す。貸金利息は官定利率で以って計算する。
(3)貸金期限:最高3カ月とし,被保険者は規定期限内に分割叉は1括
返還することが出来る。もし貸金期限が切れ,尚被保険者の疾病が仝治し
てない時は,証明書を提出して1月の延期を申請することが出来る。ただ
し利息は清償しなければならない。期限を超して返還しない場合は,保証
人は責任を負って償還する。
(4)被保険者が貸金期間内に危険事故(保険事故)が発生した時は,そ
の借りた金額は,その規定に依り受債する保険金より控除する。
(5)被保険者は同一時期において唯だ1種の疾病貸金を申請する事が出
来る。
附加保険については,疾病給付を附加し,要保団体(被保険団体)は保
険料を加算して,この保険に加入することが出来る。この疾病給付の保険
料率は保険金額の1,000分の0.5を以って計算する。被保険者がこの疾病
保険に加入して保険料を2カ月納入した後に重病に穫り,指定病院の診断
を受け入院の必要を認めた時は,入院治療を受けることが出来る。入院治
療を受け,病院の診断に依り退院することが出来る時は,即時に退院し,
全部の費用を先に立替え,事後費用の領収書を提出して疾病給付を申請す
る。ただし各保険年度の給付最高額,累積費用金額は,退院時の当月分保
−328−
検金額の100分の10を超過することが出来ない。尚慢性疾病(例えば侵
催肝炎,肝硬化,気管支炎,埠囁症,関節炎,糖尿病,高血圧症,肺結核
等は,緊急発作期間以外は入院することが出来ない。
本保険の除外責任については,下記の事情の1つに該当する者は何れの
給付の責任も負わない。
① 被保険者又は家族が陸海空軍或いは武装隊伍に服役し,戦闘に参加
して死亡し,叉は傷害を受けた者,或は航空職務を担当し,飛行中意外事
故に依ノり死亡し叉は傷害を受けた者。
㊥ 被保険者又は家族が戦災或いはその他の争乱に依り死亡し叉は傷害
▼を受けた者。
⑧ 被保険者或は家族が自殺を計り死亡し,又は傷害を受けた者。
(り 被保険者又は家族が犯罪をおかし死刑になった者。
(彰 被保険者が非法行為に依り,保険事故を発生した者。
(り 要保者,被保険者或は受益者が詐欺行為に依り保険金を桟伍しよう
よした者。
⑦ 規定に依り保険料を払わない者。
本物価指数生命保険は今年(1962年)2月1日より施行したもので,新
しい事業でもあるが,戦時態勢下の台湾現状の物価変動の要因に鑑み,最
も適切な保険事業ともいえる。
(9)簡易生命保険
本保険は郵便局が経営するもので,終身保険,貯蓄保険及び1年定期保
i険の3種があり,終身保険には払込期間に10年,15年,20年及び終身の
4種があり,貯蓄保険には,3年,5年,6年,10年,15年,20年,25
年,60歳満期の8種がそれぞれある。終身保険では,被保険者が死亡し
た時に,保険金の金額を支給,貯蓄保険は,被保険者が死亡又は契約が満
期の時に,保険金の全額を支給し,1年定期保険では,被保険者が死亡し
:た時に,保険金の全額を支給し,契約が満期となって,被保険者が尚健在
−329−
である時は,保険者は保険給付の義務を負わない。団体で加入した場合は
保険料前払の優待を受け(一時に半分の保険料を前払する時は,半月分の
保険料を割引し,一時に1年半分の保険料を前払する時は,1月半(1%)
の保険料を割引し,全部の保険料を前払する時は,その割引は最も大き
い),叉団体保険料支払いの0.5%の割引優待を受ける(終身保険及び貯
蓄保険の場合)。1年定期保険では,団体加入の場合,年齢を問わず,保
険料は保険金額の1,000分の1.2を以って計算する。猶予期間について
は,終身保険及び貯蓄保険の場合は,保険料支払期日より2カ月経過して
支払わない時は保険契約は無効となり,すでに納入した保険料の1部分の
返還を申請することが出来,1年定期保険の場合は,保険料支払期日より
10日経過して納めない時は,保険契約は無効となり,以前納めた保険料は
返還しない。貸金については,保険料を継続して2年納入した被保険者
が,もし正当な必要叉は疾病の時は,貸金を申請することが出来る。保険
金額は,1,㈲0円から3万円(台円)迄の階段を設け,被保険者は自由な
選択をすることが出来る。残廃給付については,被保険者が傷害に依り両
手両足或いは片手片足を喪失し,或は両眼失明した時は,保険金の全額を
支給する。
又簡易生命保険の中に,特種団体保険を設けている。この保険は定期像
険で,保険期間は団体活動期間を基準とする。保険料については,次の通_
りである。
① 保険期間が20日以上30日以下の者は,保険料は保険金額の1,000t
分の1.2を以って計算する。
⑧ 保険期間が10日以上20日以下の者は,保険料は保険金額の1,0001
分の1である。
⑧ 保険期間が5日以上10日以下の者は,保険料は保険金額の1,000分
の0.6である。
④ 保険期間が5日以下の者は,保険料は保険金額の1,000分の0.4で
ある。
−330−
簡 易 生 命 保 険 昭和33年4月30日
附表1−A
毎月1銭の保険料の保険金額表 郵政総局47−盟3−1−388令修正
保
毎月保険料が1銭の倍数である時は上表の1銭の保険金額にその倍数を乗ずる。
簡 易 生 命 保 険 昭和33年11月18日
附表1−B 保険金額100円の毎月険保科表 郵政総局47−532−2−1242令修正
終 身 保 険
儲 蓄 保 険
3 年
期 満
12
13
14
15
0.160000
0.160000
0.170010
0.170010
16
17
18
19
20
0.179985
0.229991 2.659574
0.239981 2.659674
0.239981
晶副晶篇慄篇 蒜副 副 副完蔑
ミ:;:三言
0.400000
0.139997 0.079126
圭:豊服豊3j3:昌芸豊 0.400000 0.320000 0.139997 0.084703
0.320000!
0.410004 0.320000 0.149993 0.094598
0.410004 0.330033 0.149993 0.103295
12
13
14
15
0.179985
0.190006
0.190006
0.200000
0.410004
0.410004
0.410004
0.539957 0.410004
0.539957 0.410004
0.330033
0.330033
0.330033
0.330033
0.330033
0.160000
0.160000
0.170010
0.170010
0.179986
0.114403
0.125408
0.137514
0.147471
0.154012
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
0.200000
0.200000
0.209996
0.209996
0.220022
0.539957
0.539957
0.539957
0.539957
0.539957
0.410004
0.410004
0.410004
0.410004
0.410004
0.330033
0.330033
0.330033
0.330033
0.330033
0.179986
0.190006
0.200000
0.200000
0.209996
0.157307
0.157307
0.156201
0.152858
0.148500
21
22
23
24
25
26
27
28
29
謀)
0.220022
0.229991
0.229991
仇229991
0.239981
0.539957
0.539957
0.539957
0.539957
0.550055
0.410004
4.410004
0.410004
0.410004
0.410004
0.340020
0.340002
0.340020
0.340020
0.350018
0.220022
0.229991
0.229991
0.239981
0.250000
0.144113
0. 142755
0. 139704
0.135667
0.137514
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
0.250000
0.260010
0.269978
0.280034
0.290023
0.550055 0.41999210.350018】0.26001010.137514 31
0.550055
140805 32
0.550055
141904 33
0.559910
145497 34
0.559910
147037 35
36
37
38
39
40
0.300030
0.309981
0.320000
0.330033
0.340020
0.390016
0.400000
0.410004
41
42
43
44
45
0.359971
0.379939
0.390016
0.410004
0.419992
0.419992 2.71002711.639344】1.25000010.840336 0.589971 0.469925
0.429923 2.710027Il. 65016 1.259446 0.850340 0.589971 0.480077
0.450045
71739111. 66113 1.259446 0.859845 0.599880 0.489956
:三・
66113 1.270648 0.859845 0.6097訴 0.500000
66944 1.270648 0.870332
0.説)9944
46
47
48
49
50
0.436947
0.469925
0.489956
0.500000
0.529942
51
52
53
54
55
0.559910
0.589971
0.609756
0.639795
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56
57
58
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朋保険料は銭を単位とし・銭以下は4拾5今姦謂弘儲諸鵠駄催憫‰戯規轟鵠暫料をその
倍数で乗じて4捨5人で計算する。
簡易生命保険
保険金額100円の1時払保険料表
昭和33年4月30日
郵政総局47−33−2−388令修正
保険金額が100円の倍数は,上列の数額をその倍数で乗じて計算する。
−331−
⑨ 保険期間が1カ月以上の者は,保険料は前記の標準で以って比例相
に計算する。
本保険の保険料は1時払完納の方式を取る。機関,学校,社団が団体活
動を行ない,期間が1年以内で,人数が15人以上である時は,この保険に
加入する事が出事る。加入する時は,団体の代表者が団体保険加入申請書
と被保険者名簿を作成し,それと同時に保険料を郵便局に提出する。被保
険者が契約有効如間内に死亡した時は,受益者又は法定地承人は,死亡報
告書並びに里隣長及び医師の証明文件を郵便局に提出し,保険金を申請す
る。ただし被保険者の死亡が,戦争叉は争乱に基因した時は,郵便局は賠
償責任を負わない。また被保険者が契約有効期間内に,不慮の災害に遭遇_
し両手或は両足,或は片手片足を毀放し,または両眼を失った時は,保険
金全額を支給する。もし不慮の災害に依り,片手或は片足を失い,または
片眼が失明した時は,保険金の半額を支給する。ただし戦争又はその他の
争乱に依る者は,賠償責任を負わない。
以上台湾生命保険事業の現状を概観したが,現在台湾保険業者が当面す
る問題としては,保有能力の低いことと経費の高いことである。元来中国こ
の保険人は大きな保有を取って危険を冒すことを好まず,引受の大部分を
再保険に出して再保険手数料を稼ぎ,努々元受保険料の収入と再保険料支
払の時間的ずれを利して資本収入を図るというやり方を好む傾向がある。
況んや資本蓄積の少ない台湾会社においては保有は極端に小さく取り,経
費は終戦後のインフレによって著しく膨脹し,現在一応貨幣価値は安定し一
たけれど,一旦上昇した経費はこれを引下げること困難であるため,小さ
い保有保険痢からの収入をもって経費をまかなうことは中々困難な状況で
ある。又外務員の募集経費は割高で,保険料の課税は保険料収入の5.6%
以上を占め,資産の運用も公営事業であるため,種々の制限を受け迅速性
を欠き,又戦時態勢下においては,貨幣価値の不安定から一般人民の生命
保険に対する興味は低下し,一方台湾の民度や経済安定度が末だ生命保険
の利用を普及させるまでに至ってないので,生命保険は一般大衆にまで及_
−332−
んでおらない。又一方政府も中国本土から移住した仮住居であり,内政面
においても中共対策においても困難な問題が山積し,中々保険行政にまで
手が届かないのが実情のようである。吾々は日台保険市場の力関係,両国
民の感情,台湾が置かれた政治的,経済的還境等をよく見極め,殊に両国
の保険者が相互に相手方の市場をよく調査研究し,その知識の上に立って
両者が互いに完全な理解と信頼とを抱くことが,将来永く両保険市場が提
携する為に不可欠の前提条件であると思う。
3,台湾の労工保険事情
台湾省社会保険は本年3月をもって創始10過年を迎え,社会保険として
堅実な歩みを踏んでいることが観取される。
先づ労工保険の沿革を尋ねるに,昭和26年3月労工保険として発足する
以前,台湾省においては民国37年(1948年)12月公布の職工福利金条例
という制度が存在していた。これは工場事業場に就いて職工福利委員会を
組織し,職工福利社を設立し,工人(労働者)の生活文化の向上と生活改
善を企図したものであった。次いで省政府としては,互助的共済組織によ
る労工問題の解決策を企図し,民国光年7月労工互助原則を公布した。こ
の規則は職工福利社内に互助組織を増設し,死亡,傷病,結婚,生育の事
項に付き給与することとし,その費用は社員の共同謝金に依ることとした
ものである。これにより事故の際は,受給権利を発生させしめるものであ
って,社会保険への第1歩であった。中華民国は現下不幸にして台湾に局
処しているが,その意気は衰えず,民生主義の実験区を建て三民主義の光
彩を依然として世界に放たんとの理想に燃えている。しかして社会保険を
創設して,労工生活を保障し,労資を協調し,生産を増加し,社会秩序を
安定するということは三民主義と完全に一致するのである。
上の如き台湾の精神的現状に加えて,民国駕年に減税のことがあって,
社会保険制度を工業方面に推進する槻運が一層醸成された。即ち同年省政
一333−
府は農民地租を年収獲の37.5%に減税することとした。従前は年収獲の
半額を納税せしめられていた。減税の結果は農民心理に好影響を与え,同
年において120万砲の記録的収獲となった。これに鑑みる所があって,同
年末の省政府議会においては工鉱業方面にも何等かの福祉立法を企画する
こととなった。当時労働者の平均月収は150弗(台幣円)乃至500弗の間
にあって,日常生活費を辛うじて賄い得る程度のものであり,傷病その他
の災厄に備える余裕はないものであった。故にその所得の安定を得しめる
ことは緊急なことと考えられた。即ち「世界の潮流に順応し先づ労工保険
に着手して,国民を保全し,国家社会の安全制度を建立し,進んで世界大
同人類理想社会の実現を求める」為の社会保険の創設を民国39年より行な
うペく,その調査立案を省政府社会処に命じた。社会処に於ては10数次に
亘り関係官庁,事業主及び労働者の代表,学識経験者等の意見を徹し,同年
2月に至り,労工保険制度の法令全般の成案を見た。即ち同年3月1日か
ら省政府としてその実施をなすぺく行政院の承認を求め,同4月13日その
公布を見た。これが創始の「台湾省労工保険弁法及びその実施細則」であ
る。次いで民国42年「台湾省漁民保険弁法及びその実施細則」を設け,民
国45年7月1日に「甘煮農民保険約定書」を設け,漁民及び甘煮農民も保
険の利益を亨受することが出来た。ただし上記の弁法はあくまでも台湾省
政府の単行法規で,中央立法機関の正式の承認と通過を受けておらず,色
色と制限を受けているので,これに鑑み,民国47年(昭和33年)7月11日
に「労工保険条例」というものが立法院に依り通過し,同年7月21日総統
に依り正式に公布された。この条例に依り,以前の弁法より以下の優点が
見受けられる。
① 保険対象が拡大したこと−新条例の規定に依れば,保険対象は労働
組合会員資格の職員及びその他各業労工職工は,この保険に参加すること
が出来る様になり,保険対象は拡大された。
⑧ 保険料率を引上げない原則において,保険給付を増加したこと一保
険料率は引上げてないけれども,保険給付は一般に高くなった(例えば傷
−334−
害給付は日給の100分の3.3を増加し,残廃給付は4カ月ないし6カ月
増加し,家族死亡手当金は半カ月ないし1カ月増加し,被保険者死亡は1
カ月ないし3カ月増加し,老年給付は卸カ月増加し,疾病給付の入院治
療は30日ないし70日延長した)。
⑧ 疾病給付入院治療は普遍的に実施することになった−新条例の規定
する保険給付項目はやはり生育,傷害,疾病,残廃,老年及び死亡の6種
であるけれども,その業務範囲は広くなった(例えば以前に実施されなか
った職業労工及び専業漁労者の疾病給付は,明白に実施することになっ
た。
④ 災害保険料率の実施一新条例の規定に依れば,各業の過去1年間に
発生した危険率をもって職務上の災害保険料率を定め,被保険者が職務上
の災害に依り,受領した保険金額が労資双方の納めた保険料総額より超過
した時に通用することになっている。この立法上の根拠は,各国の採用し
ている労働災害賠償保険(Workmen,s Compensation)の精神を採り入
れたもので,この災害保険料率の実施は,各雇主の工場又は坑内設備の充
実化及び労働者の安全に対する注意を呼びかけるものである。
⑥ 行政体系の統一一新条例の規定に依れば,台湾省政府は労工保険局
を設立し(以前は公営事業たる台湾人寿保険公司の1部門として所属した
労工保険部を設けていた),保険者として労工保険業務を取り扱い,労工
保険の行政主管は中央政府では内政部,台湾省政府では社会処とし,保険
監督及び保険争執審議等の事項については,別に労工保険監理委員会を設
け,事務を統一し,その責にあたった。
⑥ 罰則の規定を新しく設けた−新条例の規定に依れば,詐欺叉はその
他の不正行為に依り,保険給付を冒漬し,或いは虚偽の証明,報告,申報
又は陳述をした者,又は労働者が条例に違反し労工保険に加入を拒否し,
または雇主或は団体が規定昭より労工保険手続をやらない時,または故意
に保険料を滞納した者等には,明文化した罰則を規定して,法律に依り制
裁を科すことになった。
−335一
ただし,新条例は以上の優れた点が存在しているにせよ,失業給付,門
診及び疾病手当金,年金制度(老年残廃,死亡遺族給付等は現在やはり一
時給付の方式を取っている)等を実施してない事は欠陥ともいえる。
台湾労工保険は次の法令によって規定されている。
(1)労工保険条例(民国47年7月11日立法院通過,同年7月21日総統公
布一87粂)。
(2)同条例実施細則(民国49年2月18日中央政府行政院第653次会議
通過,同年3月1日内政部公布一128条)。
(3)台湾省労工保険監理委員会審議労工保険争議事項弁法(民国48年
9月26日内政部公布−18粂)。
上の法令に依り台湾省の社会保険梗概を見るに次の如し。
㈹ 保険機関
各省(市)政府に労工保険局を設置し,労工保険業務を運営する。ただ
し省(市)労働者人数が5万人以下の時は,労工保険業務は郵便局に委託
する事が出来る。労工保険の行政機関は,中央政府では内政部,省(市)
では省(市)社会処(局)で,保険業務監督及び保険争議事項の審議機関
は,各省(市)政府が代表を指派し,それと専門家,学者及び労資双方が
各4分の1の代表を推薦して労工保険監理委員会を組織する。
桓)被保険者の範囲
中華民国国内の満14歳以上の労働者(労働者を10人以上を雇用してい
る公営民営工場,砿場,塩場,林場,茶場に雇われている産業労工,交通
公用事業の労工,職業労工,漁業を専業としている労働者及び労働組合会
員資格を有する職員全部をしてこの保険に加入せしめることとなってい
る。法文に「応全部加入労工保険」とあって強制保険の規定である。又前
記の各業に従事する外国人労働者も保険に参加することが出来る。しかし
て本条例規定以外のその他各業の労働者職人も,やはり保険に加入するこ
とが出来るようになっている。尚強制保険の結果として,各事業主は保険
手続を履行し,保険料を納付する義務を負わされ,これに違う者は処罰さ
−336−
れる規定となっている。各事業或は団体の責任者は,所属する労工或は会
員が就職,退職,或は入会,脱会の当[=こ名冊を作り保険機関に通知し,
保険加入叉は脱退を申請しなければならない。その保険効力の開始又は停
止は,保険機関に通知した翌日の朝零時より計算する。被保険者が保険を
脱退して2年末満にして,納めた保険料期間又は法令に依り保険料を免除
された期間,又は両者合併した期間が満3カ月以上であれば,保険に再加
入した時は,それ以前保険料を納付した期間又は法令に依り保険料を免除
された期間の権利は全部承認する。尚被保険者が保険を脱退してから2年
以上経過して保険に再加入した時は,新加入の被保険者と見る。
い 保 険 料
労工保険の生育(分娩),傷害,残廃,老年及び死亡等5種の保険給付
の保険料は,被保険者当月分の月給保険加入工賃(投保工賃)の100分の
3を以って計算し,疾病給付入院診療の保険料は,被保険者当月分の月給
投保(保険加入)工賃の100分の1を以って計算する。前記の「工賃」は
産業労工,交通公用事業労工及び職員が実際に毎月受領する工賃及び実物
給付(現金に換算して)の総教を指し,又は職業労工及び専業漁業労働者
の毎月収入を以って,「投保工賃分級表」に照し合して決めた額である。
保険料の負担は次の割合によるものである。
(1)産業労工,交通公用事業の労工及び職員,一定雇主のある職業労工
は,被保険者1(油分の35,事業主100分の65である。
(2)一定雇主のない職業労工は,省(市)政府補助100分の30,被保
険者100分の70である。
(3)専業漁按労働者の保険料は漁務労働者保険料準備金より支払う(こ
の準備金は,省(市)政府が許可した各生産及び消費魚市場が,専業漁操
労働者が上記の市場に持って来て売った魚の売額より100分の0.5ないし
100分の2の金額を徴収して積み立てたものである)。
政府負担割合が相当の額に上っていることは,創始当初保険基金を出捕
していることと併せて,省政府のこの制度に対する熱意と期待とを窺うに
−337一
足るものである。保険料は翌月末迄に毎月の分を納付するものであるが,
事業主は被保険者負担分を併せて,これを台湾銀行叉は郵便局に納付すべ
きものとし,事業主は被保険者負担金を賃金(又は工賃)支払の際に控除
することが出来る。保険料は傷害給付受給中は納付を要しない。尚保険料
の滞納については,期限より15日以上滞納した時は,毎日保険料額の100
分の0.5の滞納金を附加する。
⇔ 保険給付
保険給付としては傷害(負傷及び職業病)給付,残廃(廃疾)給付,生
育(分娩)給付,死亡(葬式及遺族)給付,疾病(入院治療)給付及び老
年給付の6種とする。
保険給付については債権者の差押を禁じ,叉課税の対象とならないこと
が規定されている。なお保険給付の請求権は保険給付決定の日から2年間
行使しなければ,消滅することとなっている。
各種給付の内容次の如し。
(1)生育(分娩)給付:被保険者が産前2年内に保険料を納付又は規定
に依って免除され,又は2者合併して満10カ月後に分娩叉は妊娠4カ月以
上の流産をした時は,生育給付をする。尚被保険者の配偶者が分娩又は流
産した時も,前の規定に依って生育給付を支払う。給付標準としては,被
保険者の場合,分娩費は投保工賃の15日を支払い,生育補助費は投保工賃
の45日(分娩は活産叉は妊娠7カ月以上の死産を持す)である。被保険者
の配偶者分娩手当金は投保工賃の15日であり,双生以上の活産は比例的に
増給する。
(2)傷害給付:偶然の傷病を蒙った場合,左に該当する者に対して傷害
津貼(手当金)を支給する。
の 被保険者が偶然な傷害を蒙り,工作不能で報軸を失い,治療を受
けている者。
匝)被保険者が職務執行中傷害を蒙り,工作不能で原采の報酬を失い
治療中の者。
−338−
傷害給付標準については,次の通りである。
① 普通傷害補助費:投保工賃の半数で,毎月1回給付する(最高6カ
月)。ただし保険料を納付叉は規定に依り免除された期間,又は2者を合
併した期間が港1年以上になる者は,給付を3カ月増加する。
⑧ 職業傷害補償費:投保工賃の100分の70で,毎月1回給付する(最
高6カ月),もし6カ月経過して未だ完治してない時は,投保工賃の半額
を支給する(最長1年)。
⑥ 職業病に依り工作不能に成った時は,下の規定に準じて支給する。
傷害給付は負傷の第4日目より支給する。
(3)疾病給付:疾病給付の受領資格は次の通りである。
㈹職業傷害を受けた者。(ロ)職業病に罷った者。(う普通傷害をうけ
又は疾病に躍った者で,入院治療を申請する以前に,すでに保険料を納付
又は規定により免除され,又は2者合併して満3カ月以上の者。
これらの被保険者は必ず指定病院の診断を受け,入院治療を必要と認め
られた時に,保険者に対して入院治療を申請し,入院治療給付の権利を亨
有することが出来る。
疾病給付項目としては,入院費,会診費検験費,手術費,処置費,薬材
費,食事費等がある。給付しない項目としては,法定伝染病,結核病,精
神病,麻療病,麻酔薬品中毒症,接生,ラヂュム治療,美容外科,義足,
義歯,義眼,メガネ或いはその他附属品の装置,病人運送,特別看護婦の
看護,輸血,手続費,証件費,病院無設備の治療(但し緊急傷病にて指定
病院の診断に依り輸血も必要とする時はこの限りにあらず)。
給付標準は次の通りである。
① 普通傷害或は疾病:同一傷病の入院日数は, 4カ月を最高限度と
し,入院日数が1カ月超過した者は,毎月1回の総統入院手続をする必要
がある。但し指定病院が退院を認めたならば,即時退院しなければならな
い。
⑧ 職業傷害又は職業病:同一傷病の入院日数は,7カ月を最高限度と
−339−
し,入院日数が1月超過した者は,同じく毎月1回継続入院手続をし,退
院を認められた時は即時退院する。
診療費用については,保険機関は3等病室の費用で以って指定病院に支
払い,叉省(市)政府が公布した診療費用支払標準で以って支払う。又退
院すべき時に退院しない者は,普通傷病では,入院治療費用は本人が負担
し,職業傷病では,事業主が負担しなければならない。
(4)残廃給付:残廃補助費(授保工貴の1カ月から40カ月)及び残廃補
償費(投保工賃の1カ月から60カ月)がある。その受領資格は次の通りで
ある。
の 被保険者が普通傷害を蒙り,又は疾病に罷患し,永久残廃に成り
(保険料を完納した者叉は保険料を免除された者),その傷病が治療終止
になった者。
(ロ)普通傷害柿助寅をすでに受領し,又は疾病が1年以上の治療を経
過しても完治しておらず,拇定病院の診断に依り永久に復原不能と決定さ
れた者。
い 職業傷害叉は職業病で,診療を終止した後,永久的に残廃に成っ
た者。
⇔ 職業傷害補償を最高度迄受領し,なお未だ完治せず,指定病院の
認定に依り永久的に復原不能の者。
保険効力については,被保険者が残廃給付を受領後継続的に仕事に従事
出来ない者は,保険関係は消滅し,中止される。
(5)老年給付:老年給付は養老金としての一時金給付である。被保険者
が満60歳に達して後業務から隠退し,しかも15年以上保険料納付済の場
合はこの養老金を支給され,以後保険関係は消滅する(坑内工作の労働者
は満55歳と規定し,坑内仕事を満5年したならば養老金を支給する)。
養老金は日給15カ月分であるが,60歳を超してなお就業する者につい
ては以後就業1年を加える毎に養老金1カ月分を増給することとなってい
る(最高45カ月)。
−340−
(6)死亡給付:死亡給付は4種類ある。第1は被保険者本人に対する喪
葬費であって,日給3カ月分が遺族に支給される。この喪葬費は死亡が業
務上たると否とを問わない。
死亡給付の第2は,被保険者死亡の場合遺族に支給される遺属津貼(遺
族一時金)である。この一時金は普通死亡の場合は父,母,子,女,又は
 ̄配偶者ある場合下の区別により支給される。
(1)保険加入後1年未満の者一日給10カ月分。(2)保険加入後1年以上
め者一日給17カ月分。(3)保険加入後2年以上の者一日給27カ月分。
上の一時金受領の順位は,第1,配偶者及び子女,第2父母,第3孫
子女.第4祖父母,第5,兄弟姉妹とす。受領人については,普通死亡は
父母,子女,配偶者叉は被保険者に扶養された祖父母,孫,兄弟姉妹で,
職業傷病で死亡した時は,祖父母,配者,子女或いは兄弟姉妹である。
遺族一時金は業務上の死亡の場合は保険加入期間を問わず日給37カ月
である。又専業漁業労働者である場合,漁摸作業中に不慮の事故で失踪し
戸籍登記をしてから3年経過し,死亡と宣告された者は,保険加入期間を
問わず日給37カ月である。
死亡給付の第3は喪葬津貼であって,被保険者の父,母,子,女,配偶
者が死亡した際に支給される葬式費用である。その額は,父,母,配偶者
の死亡は日給2カ月,10歳未満の子女は1カ月,満10歳以上の子女は1
カ月半分である。この給付支給により保険効力の変動はない。
死亡給付の第4は失踪津貼であって,専業漁摸労働者が漁撰作業中事故
により失踪した時は,その失踪の日より(戸籍登記の日付を基準とする)
平均月給(投保工賃)の100分の70を3カ月ごと(期末)に1回給付し
生き返った前1日又は失踪が満3年になる前1日迄とする。
㈹ 保険基金と事務費
保険基金は省(市)政府が一時に撥充する(最低2カ月分の保険料総
額)。その運用方式としては,第1は公債,社債等に投資,第2は不動産
に投資,第3は国家銀行叉は政府指定の銀行に預ける。
−341−
事務費は省(市)政府より受取り,金額は前年12月分収入の保険料総額
の100分の8を超過することが出来ない。
㈹ 罰 則
罰則としては次の通りの規定がある。
(1)詐欺に依り保険給付を受領した処罰一一刑法に依り制裁を加える
か又は民法に依り損害賠償を請求する。
(2)保険に加入しない罰金一一労働者が加入を拒否した時は,その情
況に依り20円以上100元以下の罰金を科す。雇主又は団体が労工保険手
続を怠侵した時は,200円以上3,000円以下の罰金を科す。
(3)保険料滞納の罰金一一滞納30日以上の者は,滞納金額の1倍以上
3倍以下の罰金を科す。
(4)罰金の執行一一罰金を30日以上故意に納めない時は,保険者は
法院は依頼して強制執行することが出来る。
以上の如き機構を以って台湾社会保険は,昭和26年3月より実施され
た。その実横は漸次徹底しつつあり,過去10年間に相当の成績を挙げ得た
と認められる。その業務成績を見るに,以下配列する表の如くである。
−342−
卓
出
]]
潮
辛
鯉
喧
嘩
嘩
く
尊
重
国
華
廿
喝、
喧
嘩
H
敦
ー343一
鰯・
朝
日
璃
専
塊
畿
堪
幣
鳴
饉
堪
り
蛮・
冨
lロ
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一
一
胡
曜
日
+
.
甘
く
十
日
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l
l
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川腑 ll田川l用旧川腑Ⅲ …出
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345
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∃
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毒
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湘
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i 諦 錮 雨 知 日 画 鴫 ‥忙O Il
347
現在労土保険では,保険に加入した事業数は1,758単位あり,被保険者
は296,917人に昇る。その中,農林漁猟業が14,983人(事業数40),鉱
業が70ブ477人(事業数452),製造業122,割0人(事業数915),建築芙
10,707人(事業数馳), ̄水電瓦斯衛生服務業が12,390人(事業数31),
交通運送業49,由2人(事業数177),服務業16,188人(事業数84)の如
きである。次に保険給付件数日数及金額を見れば,件数は493,錦4件,給
付日数は18,051,000日,金額は270,016,370.04円である。その内容を見
れば,次表の通りである。
合
計
次に労工保険の歴年支出した保険給付件数と金額の100分比を見れば,
次の通りである。
ー348−
又歴年各県市が支出した保険給付の統計を見れば次の通りである。
歴 年 累 計
歴 年 累 計
県 市 別
総 計
台 北 県
宜 蘭 県
桃 園 県
新 竹 県
南 栗 県
台 中 県
彰 化 県
南 投 県
雲 林 県
嘉 義 県
台 南 県
県 市 別
件 数I 金
406
730
728
378
901
122
219
615 04
238 73
34
63
雛370
圭子溜写13:監霊:
iii
藷
高 雄 県
屏 東 県
台 東 県
花 蓮 県
膨 湖 県
台 北 市
基 隆 市
台 申 市
台 南 市
高 雄 市
陽明山管理局
384.02
932.27
267.48
730.25
974.40
なお漁民保険においては
労工保険歴年各業支出保険給付統計表
総 計
,巣
別
合
農
林
件
計
現在加入人数は145,978人
歴 年 給 付
数 l 金
で,事業数は77である。
額
そして各県市別に見ると,
493,88 4
270,016,
3 70 .
04
漁
猟
業
8,
847
6,639,879.
86
台湾県7,739人,宣蘭県が
業
18 7,
795
109,440,095.36
10,ユ75人,桃園県が3,227
168 ,
412
例)
,191,860.11
鉱
製
造
業
営
建
業
7,
別7
5,486,738.39
人,新竹県が4,107人,苗
水 電 瓦 斯 衛 生 服 務業
13 ,73 5
10 ,
262,048.62
栗県が6,628人,台中県4,
交
通
運
送
業
8 1,
984
38,287,452.11
服
2 5,
604
9 ,708 ,
295.59
務
業
930人,彰化県6,782人,
南投県72人,雲林県5,639
其
他
活
動
業
人,嘉義県8,044人,台南
県5,347人,高雄県16,688人,屏東県9,690人,台東県2,173人,花蓮
県1,148人,影湖県23,434人,基隆市8,770人,台南市6,220人,高雄
市15,158人となっている。
次に漁民保険に関する各種の統計資料は余り完備ではないが,大体にお
いて次の様なことが見られる。
漁.民保倹歴年支出保険給付件数日数及び金額統計表
給 t
付 種 合 類
件
計
総 計 歴 年 給 付
数 l 給付 日数 l 金 110,751 5,665,690
額
33,342,756.88
傷 害 給 付
因 意 工
外
7,
302
172
246,124
5,031
1,
026,414,71
15,680.別
残 廃 給 付 因 意 因 エ
外
病
308
12
30
48,486
3,
826
8,405
321 ,
195,00
21,250.00
50,上
逼0.00
31,
222 1,
884 ,
980
53,
20 5
53 5,350
10 ,
930 ,
200.00
3,
18 7,
990.00
生 育 給 付
!霊 急 芸
補鵠
−350・−
[
…− .._l■ ●り∵
I三≠三三三
漁民保険歴年支出保険給付件数及金額百分比統計表
・二一一一一一一廿一漁民保険歴年各県市支出保険給付統計表
件
次に甘煮農民保険の加入人数を見れば,45,607人であり,その成績は次
の通りである。
甘煮農民保険歴年支出保険給付統計表
l
給 付 種 類
件
l 合 12 ,
6 46
額
750 ,
973
6,
379,236.65
ユ3,845
2,508
102,321.15
14,270.50
9
3
12
2,10
870
5,175
22,425.00
も500.00
64,200.00
宴
910
5,565
54,660
55,980
522.240.00
406,030.00
家 属 死 亡 喪 葬 津 貼
1,840
55,200
439,080.
00
喪 葬 費
遺 属 津 貼
5
450
5,400
2,520 .
00
30 ,240 .
00
1,062
9 5,580
3 57,
6 50
79 4,700 .
00
2,
9 54,
0 40 .
00
2,
628
10 1,
550
1,
0 22 ,
670 .
00
一傷 害 給 付 l 残 廃 給 付
・生 育 給 付 死
亡
給
.付 計
総 計 歴 年 給 付
数 l 給付 日数
金 豊 完
因 工
意 因 外
病
鉛
本人因工死亡
著 晶
㌔
本人普通 死亡 l 慧 属葬津
老 年 給 付
l 養 老 荒
金
ー352−
鷲
以上創始以来の状況を概観したのであるが着々として社会保険の実を挙
げつつあること,施設の撤底的な充実に対して当局が努力をしていること
等が資料から察せられるのである。振りかへって見れば,台湾において社
会保険を行なうに適する条件として,次のことが挙げられている。
の 大規模企業の中政府事業の比率が大であって,被保険者数約300,
(氾0人(労工保険)の中その3分の1以上が公企業使用人である。このた
め保険の強制,手続の履行上便宜が大である。
桓)衛生施設普及度高く人口平均2,0∝)人に医者1人(台北市の如きは
5′−600人に医者1人)の割であって,保険事業遂行上利便大である。
い 交通の発達により大多数の企業は鉄道その他交通便利の地に在り,
保険行政費節減となる。
⇔ 人民思想純朴であって,勤勉であり,徒食を好まず,保険に有利な
条件である。
台湾省としては上の如き好条件を考えながら,かつてビスマークが独逸
において社会主義の進出を阻止するための労働者の生活安定を企図して,
彼の労働保険制度を創始した範に倣ったものと推察せら′れる。
現在保険料積立金は台幣円約1億4,000万円で,その運用は大部分台湾
銀行の優利存歎に預っていると見られる。以上概観するに,現行制度では
充分な社会保険制度と言えないことは当局もこれを認めて,改善の計画が
審議されていることでもある。勿論或は保険種類に,或は加入範囲に或は
保険給付の内容に,或は給付支給の形式において,改善さるべき点は多々
あると考えられる。しかしながら政府がこの保険のために相当の補助を負
担している点,当局者が絶えず改善の努力を続けている点,関係者が協力
を悟まない点等,台湾における社会保険に対する熱意が少なからぬもので
あることは,資料から判断してこれを看取することは困難ではない。
由来中華民国においては夙に社会保険に関心を有していたのであるから
戦後台湾に諸政を整えるに当って労工保険という制度の整備を企図するに
至ったことは偶然ではない。即ち今を去る30数年前民国15年中国国民党
−353−
常2次全国大会において労工保険実施の決議があり,民国が年国民政府は
勅法を公布し,傷病老廃のため労働不能の労働者に対し労働保険制度を施
行すべきことをその中に規定している。更に民国30年その6次全国代表大
会において決定した労工政策綱領中に先ず傷害及び疾病の保険を制定し漸
次他の社会保険を制定することを定め,又更に同会の戦後社会安全初歩施
設綱領中にも社会保険制定のための詳細な規定がある。民国灘年元旦公布
の中華民国憲法においては,国家は社会福利を謀る為社会保険制度を実施
すべLと規定している。しかして社会保険実施準備のため社会保険局菩傭
処が設置されたが,戦乱の為事業停頓に陥っていた。民国39年9月,中国国
展党の実行民生主義的経済措置中には社会保険を施行して労工生活の安定
を期する旨を述べ,行政院の40年度施政計画綱要中には台湾省を輔導して
労工保険事業を拡張し,以って労働者の福利を増進する旨を述べている。
以上の如く中国の社会保険に対する関心は淵源する所遠いのであったが
不幸にして戦乱のため実現の期が遅れていた。漸く台湾省においてその前
芽を見出したのであるが,今後朝野の関心を一層強くなるべく,その沿革
に照してもその発展期して待つべきものあることを興味を以って信ずるも
のである。
参考資料
(暫時台湾地区に適用する)
労工保険投保工賃分級表
投保工賃
等 級
第1級
第2 級
第 3 級
第 4 級
第 5 級
第 6 級
第 7 級
第 8 級
第 9 級
毎 月 実 支 工 賃
(実物給付は現金に換算する)
300円の者
3㈱円以上訴0円以下の者
360円以上420円以下の者
420円以上480円以下の者
480円以上封0円以下の者
540円以上600円以下の者
600円以上660円以下の者
660円以上780円以下の者
780ト円以上900円以下の孝
一354−
月給投保工賃
300円
360円
420円
480円
540円
600 円
660円
780円
900円
日給投保工賃
註;①産業労工,一定雇主の有る職業労工(独立労働者)及び労働組合員資格の
有る職員は上表の1級から14級迄通用する。
⑨一定雇主の無い職業労工は本表の1級から6級迄通用し,即ち300円∼封0
円以上各労働組合(独立労働者)は任意に連続した3級を選び,各組合員
の毎月平均収入に照して分級して投保する。
⑧専業漁業労働は本義を適用しない。遠洋漁民は毎月420円,その他漁民は
一律毎月300円で保険に加入する。
労工保険職業病種類に次の通りがある。
⑧鉛,その合金,もしくは化合物又は四エチル鉛に因る中毒並びにその続発症。
⑧水銀,そのアマルガムもしくは化合物に因る中毒並びにその続発症。
⑧マンガンもしくはその化合物に因る中毒並びに続発症。
④批素もしくはその化合物に因る中毒並びにその兢発症。
㊥焼又はその化合物に因る中毒並びにその続発症。
⑨二酸化窒素又は亜硫酸ガスに因る中毒並びにその続発症。
⑦硫化水素に因る中毒並びにその続発症。
⑧二硫炭素に因る中毒並びにその続発症。
⑨一酸化炭素に因る中毒並びにその続発症。
⑳青酸その他シアン化合物に因る中毒並びにその様発症。
⑪ハロゲン又はその化合物に因る中毒並びにその続発症。
⑲ベンゼン又は同系物に因る中毒並びにその鏡発症。
⑲ベンゼン又その同系物のニトロ及びアミノ誘導体に因る中毒並びにその続発症
⑲脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素のハロゲン置換体の有機溶剤に因る中毒並
びにその続発症。
⑲アセトンあるいは前三項以外の炭化水素化合物有格溶剤に因る中毒並びにその
続発症。
⑲ニコチンに因る中毒並びにその続発症。
@異常気圧下における(潜痴症)ケーソン病。
⑩電気性眼炎。
⑳炭疫病
⑳石綿肺
㊨環肺症。
−355−
単二保険に於ける珪廊症診断症度区分L
豆鼠鼠
昆
‘‘・.、.
ノ.
\
li
三二王室ト 一
升
力7
l
升
型 型
型
里
升
【ID
4.台湾の公務人員保険事情
台湾の公務人員保険は民国47年(1958年)1月17日に立法され,同月
29日に公布され,ただちに施行された。この公務人員保険は,文官制度か
らいえば,職場保障による生活保障に1歩前進したとは言え,広義の社会
保障制度の見地からは,憲法上の社会保障に重要な一環が加えられたとも
いえる。
台湾の公務人員保険梗概を見るに次の通りである。
(1)保険対象:この保険は団体保険制度を採用し,すべての公務員は当
該保険に加入しなければならない。ここに指す公務員とは,法の規定に依
り,法定機関編制内の有給人員及び有給公職人員であり,換言すれば,総
統府及びその所属機関,五院及びその所属機関,国民大会及び各省市県各
激民意機関,地方行政機関,公立学校及び教育文化概関,衛生機関,公営
−356−
事業機関,及びその他法に依り組織された機関等の編制内の有給人員は全
て包括される。当初の統計によれば,被保険者数は大体にして180,㈱0人
で,将来は200,000人に達する可能性がある。
(2)保険概開:公務人員保険の主管観閲は中央政府考試院詮叙部にして
保険業務の監督は鐙叙事と当該保険に関係ある機関と合同して監理委員会
を組織して行なう。公務人員保険業務は中央信託局が担当し,かつその損
益責任を負う。その必要なる保険事務費は,保険料総額の100分の7を超
えてはならない。
(3)保険料:保険料率は被保険者の毎月俸給の1㈲分の7となっており
その中100分の35は被保険者が負担し,100分の65は政府が補助する。
被保険者が兵役に召集され原職を保留する者は,政府がその全額保険料を
負担する。尚保険料の納付が30年を満たす者は,保険料が免除される。上
記の保険俸給とは,統一薪俸,職務加給,服装費及び医薬補助費等の4項
を包括する。被保険者が法に依り兵役に服し,原職を保留する者は,その
自分で支払う保険料の部分は,所属する機関が負担する(復職する迄)。
(保険俸給=統一薪俸+服装費+医薬補助費÷職務加給)
次に保険料の計算表を見れば,次の通りである。
−357−
毎 月 俸 給
250元以下至250元 者
251元至 300元 著
301元至 39)元 者
351元至 400元 者
401元至 450元 者
451元至 部0元 者
説)1元至 550元 者
551元至 600元 著
601元至 650元 者
651元至 乃0元 者
701元至 750元 者
751元至 800元 著
801元至 850元 者
851元至 900元 者
901元至 950元 著
951元至 10(泊元 者
1001元至 10別元 者
1051元至 1100元 者
1101元至 11測元 著
1151元至 1200元 者
1201元至 12説)元 著
1251元至 1300元 者
1301元至 13卸元 者
1351元至 1400元 者
1401元至 1450元 者
1451元至 1勤0元 者
1501元至 1550元 者
1551元至 1600元 者
1601元至 1650元 者
1651元至 1700元 者
1701元至 1750元 者
1751元至 1800元 者
1801元至 1850元 者
1851元至 1餌)0元 者
1901元至 1950元 者
1951元至 2000元 者
2000 元至 2050元 者
2051元至 2100元 者
2101元至 2150元 者
2151元至 2200元 者
保険俸給
保 険 料(単位元)
日付35%1補助65%l合 計
250元
300元
350元
400元
450元
劉0元
550元
600元
650元
mO元
7馳元
800元
850元
鮒0元
950元
1000元
1050元
1100元
1150元
1200元
12別元
1300元
1350元
1400元
14説)元
1500元
1550元
1600元
1650元
1700元
17瓢元
1800元
1850元
1900元
19説)元
2000元
2050元
2100元
2150元
2200元
(4)保険給付
公務員保険の保険給付には医凍給付と現金給付があり,医療給付の保険
事故としては生育(出産),廃疾,負傷で,現金給付はもっぱら残廃(障
害),老齢,死亡,家属葬祭等を対象とする。
−358−
㈲ 医療給付(免責):その範囲としては
の 生育及び助産:産前検査,分娩入院及び新生嬰児7日内の費用を
含む
桓)健康検査:毎年1回行なう。
M 疾病予防:各種の防疫措置を含む。
(⇒ 傷病医療:
(1)内科系統に属する普通内科,胸腔内科,胃腸科,椅神病科,各
病症の診察及び治療。
(2)外科系統に属する外科,眼科,耳鼻咽喉科,産婦人科,泌尿科
骨科,皮膚科の診察及び治療。
(3)歯科に属する口塵疾病診察及び治療,病歯抜除,癖歯治療及び
磁粉銀粉填補。
(4)放射及び一般物理治療,レントゲン検査治療,超短波電療。
(5)臨床検験に於ける病理化験.細菌検査,生化検査及び病理検査
(6)その他必要なる疾病検査及び治療。
帥 保険病院の病棟は等級を分けず一律平等とし,特約病院の病棟は
一律2等を規準とする。
被保険者が伝染病に罷った時は,保険機関は特約病院に委託して治
療して貰うことが出来る(特約病院は全ての公立病院を包括する)。
ただし,以下の事情に該当する者は医療給付を行なわない。
(1)医療弁法の規定を守らない者。
(2)疾病にあらずして生理に違反する手術を行なった者。
(3)整容整形の者。
(4)不正当行為により負傷又は疾病に串そわれた者。
尚下記の費用は免費医療範囲のなかに含まず,被保険者自身が負担
しなければならない。
1.初診費の半額
2.30日を超過した入院食事費の超過部分。
一359−
3.陪客費
去.指定医師費及び特別護士費
5.急救にあらずして医師が輸血を必要と認めた一切の費用。
6.入院特効性医療に必要でないビタミン,ホルモン及び肝樽柿剤類
等の薬品費
7.医療に必要でない薬品費
仙)現金給付
(1)死亡現金給付:被保険者に死亡事故が発生した時は,その受益者
が現金給付を申請する。もし法定継承人が地域環境の制限に依り保険給付
を申請出来ず,且つその親友をも受益者として指定せざる時は,保険者が
利息をつけて保管し,法定継承人が申請した時に支払う。
死亡給付の現金額に,一般物価が100分の50以上の増減がある時は,
物価指数に応じて給付額を調恕する。そして死亡給付は事故が発生して2
カ月以内に申請しなければならない。もし期限をこえて申請し,物価が
100分の勤以上の増加があったとしても,受益者は現金額の調整を要求す
名車が出来ない。尚被保険者が死亡し,受益者が現金給付を申請するにつ
き,申請出来る日より2年を経過して尚申請しなかった時は,その権利は
消蔵する。
′給付標準は次の通りである(保険俸給額に準ずる)。
甲,公務執行又は兵役に服して死亡した者は36カ月部を給付する。
乙,疾病叉は意外傷害に依り死亡した者は知力月分を給付する。
但し,以下の事情に該当す・る者は給付をしない。
甲,公務に依らず,自殺して死亡した者。
乙,犯罪に放り死刑に処せられた者。
丙,戦争災害に依り死亡した者。
(2)父母死亡葬祭手当金:被保険者の父母が死亡した時は,当月保険
俸給3カ月分の葬祭手当金を支給する。ただし,その父母が養父母である
時は,法に依り収養関係が確立し,且つ戸籍登記をした者に限る。葬祭手
−360−
当金の現金額が,一般物価に100分の50以上の増減がある時は,物価指
数に応じて調整する。尚給付請求権は申請出来る日より2年を以って消滅
し,事故が発生した日より2カ月以内に申請せざる時は,物価が1(油分の
50以上の増加があっても,その金額の調整を要求出来ない。
(31配偶死亡葬祭手当金:被保険者の配偶が死亡したる時は,当月保
険俸給の3か月分の葬祭手当金を支給する。葬祭手当金の現金額が,一般
物価に100分の討以上の増減がある時は,物価指数に応じて調整する。
尚給付請求権は申請出来る日より2年を以って消滅し,事故が発生した日
より2カ月以内に申請せざる時は,物価が100分の50以上の増加があっ
ても,その金額の調整を要求出来ない。
(4)子女死亡葬祭手当金:被保険者の子女が死亡したる時は,当月保
険俸給の2カ月分の葬祭手当金を支給する。子女死亡葬祭手当金は,溝12
歳から25歳未満の子女に限るもので,その年齢は10足計算でもって,戸
籍上記載の出生年月日をもって基準とする。又父母が同じく同じくこの保
険の被被保険者であり,同一子女が死亡したる時は,父母の中から1人を
選んで保険給付を申請する。葬祭手当金の現金額が,一般物価に100分の
50以上の増減がある時は,物価指数に応じて調整する。尚給付請求権は申
請出来る日より2年をもって消滅し,事故が発生した日より2カ月以内に
申話せざる時は,物価が100分の討以上の増加があっても,その金額の
調整を要求出来ない。
(5)残廃(障害)現金給付:残廃(障害)現金給付の標準は次の通り
である。
甲,公務執行叉は兵役に服して完全障害に成った者は,当月分保険俸
給の訴カ月分,半障害の者は18カ月分,部分障害の者は8カ月分
を支給する。
乙,疾病叉は意外傷害に依り完全障害に成った者は討カ月分,半障
害の者は15カ月分,部分障害の者は6カ月を支給する。
ただし公務執行又は兵役に服して障害に成った条件としては,次の如く
−361−
である。
甲,職務執行中に発生する危険に依り身体障害に成った者。
乙,職務に忠実に尽し過労にして病気になり身体障害に成った者。
丙,出張して危険に出逢い又は病気に罷って身体障害に成った者。
丁,出勤退勤路上又は仕事場で意外危険に出逢い又は病気に罷って身
体障害に成った者。
戊,服役期間中過労にして病気となり,身体障害に成った者。
巳,応召して入営又は服役満期して路上意外危険に出逢い,又は病気
して身体障害に成った者。
庚,演習中意外危険に出逢い身体障害に成った者。
尚被保険者の身体障害確定については,保険病院又は特約病院が下記の
情況に依って審定する。
甲,傷口愈合,又は石膏赫帯を開いた後,症状がすでに停止した時,
乙,もし傷口が愈合,叉は石膏赫帯を開き,或いは病状が停止した後
も,相当の時間を経過して始めて身体障害が確定できる者は,その
確定日期を標準とする。
丙,病息がすでに停止した時。
被保険者に下記の事情のある時は,給付をしない。
甲,公務に依るのでなく,自殺して負傷し,身体障害になった者。
乙,戦争災害に依り,身体障害になった者。
障害給付の現金額が,一般物価に100分の50以上の増減がある時は,
物価指数に応じて調整する。尚給付請求権は申請出来る日より2年をもっ
て消滅し,事故が発生した日より2カ月以内に申請せざる時は,物価が
100分の馳以上の増加があっても,その金額の調整を要求出来ない。
(6)養老現金給付
被保険者が法に依り退職した時は,養老現金給付を申請する事が出来
る。この養老現金給付金額は,被保険者当月保険俸給金額を以って計算標
準とする。これは一時金にして,被保険者が保険料を5年以上納付し,退
−362・一一
職した時に申請出来る。その給付規定は次の通りである。
(甲)保険料を満5年納めた者は,5カ月分を給付する。
(乙)保険料を5年以上納めた者は,第6年目より第10年目迄,1年を
超えるごとに1カ月分を増給する。
(丙)保険料を10年以上納めた者は,第11年目より第15年目迄,1
年を超えるごとに2カ月分を増給する。
(丁)保険料を15年以上納めた者は,第16年目より第19年目迄,1
年を超えるごとに3カ月分を増給する。
(戊)保険料を20年以上納めた者は,36カ月分を増給する。
被保険者が法に依り退職する年齢は,出生の日より,10足計算をしなけ
ればならない。なお養老給付の現金額に,一般の物価が100分の50以上
の増減がある時は,物価指数に応じて調整しなければならない。
叉被保険者が養老給付を申請するには,事故発生後2カ月内に行なわれ
なければならない。もし期限を超えて,物価に100分の50以上の増加が
発生しても,被保険者は養老給付現金額の調整を要求する事が出来ない。
なお保険者が給付を延誤し,そして物価が100分の50以上の増加があっ
た時は,保険者はその物価上昇による差額の損失に補償責任を負わなけれ
ばならない。
lF・363−
台湾省公務人員保険給付一覧表
給付種類l給付数額l 給 付 条 件l 給 付 制 限
老
死 亡
甲 36個月
乙 30個月
甲18個月
乙15個月
甲 8個月
乙 6個月
因執行公務或服兵役
因疾病或意外傷害
因執行公務或服兵役
因疾病或意外傷害
寓執行公務或服兵役
因疾病或意外傷害
1 5個月
2 6個月
3 7個月
4 8個月
5 9個月
610個月
712個月
814個月
916個月
1019個月
1120個月
12 23個月
13 29個月
14 29個月
15 32個月
16 36個月
、轍付保険費満5年
甲 36個月
因執行公務或服兵役
乙 30個月
因疾病或意外傷害
非因公自殺致残廃者
因戦争災害致残廃者
′′ 〝6′′
′′ 〝7′′
” 〝8′′
〝 〝9〝
〝 〝10〝
〝 〝11〝
〟 〝12〝
〝 〝13〝
〝 〝14〝
〝 〝15〝
〝 〝16〝
〝 〝17〝
〝 〝18〝
〝 〝19〝
〝 〝20年以上
年満12歳未満25歳
一364−
罪因公自殺者犯罪被
執行死刑者
因戦争災害致死者
台湾省公務人員保険障害給付標準表 で
悪意
障 害 程 度 ・
公慧笥 慧慧外l
障
虫
R
半
.
障
虫
白
部
分
障
考
失明 とは両眼の視力が眼前
指数以下に減退 した者
1.両眼失明の者
2・慧配 !
ま譜 完賢慧 増 量だ
全
備 も従事 出来ず,飲食起居 も他
人の扶助を必要す る者。
3.言語,岨囁機能全障害の者。
4.胸腹部内漉槻能 に顕著な障害
が遺存 し,終身如何 なる仕事 36 カ月 30 カ月
にも従事出来 ず 飲食起居 も
I とす る者。
他人の扶助 を必要
5.半身不随の者。
内臓 とは肺胃脾臓腎臓 を指
す
身体が麻痺 して床上で飲食
起居を し他人の扶助 を必要
とす る者。
6.両上肢腕関節以上 を失 った者
7.両下肢蝶関節以下を失 った者
楓能喪失 とは完全麻痺又は
8.両上肢又は両下肢三大関節放
強直 した者。
能を完全に喪 失した者。
孟宗 甥 欝 莞精 畠‡b 婁霊姦 であれば36 カ月以下18 カ月以上,公 務外
付
9.一眼失明の者。
10.両眼の視力が0.04以下 に減退
した者。
11.精神鬼 は神経 が顕著な障害を
遺存 し終身仕事 につ けない者
12.岨囁機能全廃 の者。
王莞‥蚕豆 警学年憂鞄
孟雷
視力の謝定は萬 園視力検査
表の規定を根拠 として矯正
後の視力を標準 とす る。
18 カ月 15カ月
に従事出来 る者 。
15.−上肢腕関節以下 を失 った者
16.一下肢躁関節以下を失 った者
17.一上肢又は−下肢の 中二大関
節の機能を喪失 した者。
18.10 手指の全 部を失 った者。
19.両耳聴覚機能 を失 った者。
その他障害程度に応 じで公務上であれば18 カ月以下 8 カ月以上,公務外は
15 カ月以下 6 カ月以上 の現金給付0
20 .局部に頑固な神経症状を遺存
す る者。
2 1.胸骨 ,肋骨,鎖骨,骨盤或は
肩骨 に著形 を遺存す る者。
2 2.一眼の視力 が,0.04以下に滅
退 した者。
8 カ月 6 カ月
2 3.−耳の聴覚機能 を喪失 した者
2 4・堤賢 造語 譜 讐 に蹄 な
2 5.脊柱 に攣 曲を遺存 し顕著な障
害であ る者 。
空
白 2 6・一足艶を完全 に失 った草。
−365−
27.一手指を完全に失った者。
28.一手指の機能を喪失した者。
関節又は掌関節が麻痺又は
強直した者。
註:1.被保険者身体の同一部位の障害にして,本表二種以上の規定を同時に適
用出来る者は最高の一種の標準をもって給付する。合併して計算出来な
い。
2.被保険者身体の同一部位でない障害は,同時又は前後に本表二種以上の
規定に遭遇するに拘わらず合併して計算する。数額は最高36カ月を限度
とする。
以上は台湾の公務人員保険の内容を概略的に述べたのであるが,この公
務員保険法の立法の経過を尋ねるに,以下の通りである。
1.1947年5月27日,中央政府行政院と考試院が合同して「公務員保
険法」草案を立法院に送り,これを審議した。原草案合計17条。
2.1947年10月21日,立法院は第16会期第11次会議において本案に
対し報告を提出し,内政,法制,財政等3委員会に審査してもらうこ
とを決定した。この審査期間中において,行政院及び考試院詮叙部は
1955年10月28日にそれぞれ中央公務員保険弁法草案,公務人員保険
条例草案を立法院に送り,参考して貰った。
3.1955年11月24日,立法院3委員会は2回に亘り聯席会議を開き,
内政,鍍叙及び財政3部長に列席説明を要請,そして3委員会が委員
を推還し,初歩の審査に取りかかる事を決議した。
4,1955年12月22日から1957年5月23日迄,前後に13回に亘る初
歩の審査会を開き,審査の結果,原案の名称を「公務人員保険法」草
案と改めた。合計23条。
5.1957年6月19日から12月23日迄,3委員会は6回に亘り聯席審
査会議を開き,初歩の審査案に対し修正を加えた。合計25条。
6.1958年1月17日,立法院第20会期第31回会議に於て,3読修正
通過。同月29日,総統に依り公布施行された。
このように誕生した台湾省公務員保険法ではあるが,その優点としては
以下の点が見られると思う。
1.保険事故を包括する範囲がはなはだ広く,失業を除いて,生・老・
−366−
病・死・傷・残は皆その範疇に包括され,公務人員の実際の必要に適
応する。
2.生育(出産)給付は被保険者の配偶生育をも含んでおり,公務人員
をして,配偶分娩費用を節約させる。
3.疾病給付は門診及び入院を含んでおり,かつ検査,‘予防及び医療の
3部分を包括しておるので,範囲ははなはだ広く,又如何なる制限も
ないので,被保険者に無制限の医療を与える。なお伝染病に患ってお
る公務人員は本法実施以後,ただちに入院治療の権利を受けることが
出来た。
4.保険料率は余り高くなく,被保険者の月給の100分の7に過ぎない。
5.被保険者が負担する保険料も低く,100分の3.5である。
6.被保険者が保険料を満30年間納付したならば,保険料を免除する
ことが出来,しかも同様の保険給付の権利を受けることが出来る。
但し以上の優点にもかかわらず,以下のような欠点も見られると思う。
1.本保険は社会保険の範疇に入るもので,各国の先例に依り,政府が
保険局を設置し,自ら保険業務を運営していかなければならず,その
他の機構を指定して業務を委任することは妥当であるとは思えない。
保険事務費も政府が負担しなければならず,保険料内で支出すること
は合理的ではないと思う。
2.本保険の準備金には計算基礎があるべきで,利益があってはならな
い。もし利益があるならば,当然にして給付を引上げるべきで,もし
損失があれば,保険料率を引上げて,保険財政の収支相当の原則をま
もり,損失があった時に,中央信託局がその営業利益金より負担する
ことは,国庫収入に多大な影響を及ぼす。
3.社会保険の主管官署は社会行政主管機関に属するもので,一中央では
内政部に所属し,省では社会処に所属するものにして,本保険が鍍叙
事(考試院)の主管になっていることは,適当ではない。
4.被保険者の範疇には工友(給仕等)を含んでいない。
−367−
5.保険料率は100ノ分の7と定めているが,その計算基礎を説明してい
ないので,正確であるかいなかは疑問であり,事後に保険料を引上げ
るとすれば,被保険者の権益に多大の影響を及ぼす。
「公務人員保険法」と「台嘩省政府並びに所属各機
関学校員工団体生命保険弁法」の比較
比較項目1公務人員保険l員工団体生命保険l備 考
保険対象l全国公務人員及び公職人員 台湾省公教人員及び工友
保険機関
中央信託局
台湾人寿保険公司
保険料率 被保険者月給の7%
被保険者月給の1%
保険料分担
比 例
被保険者35%
政府補助65%
番任被保険者70%
孝任被保険者糾%
服務機関補助30%又は20%
保険給付
生育.疾病,傷害,死亡,
残廃(障害),老齢,家属
死亡
1,残廃(障害)一公務上
給付 8−36カ月
病気又は意外事故給付
6−30カ月
2.死亡一公務上の給付36
カ月,病気又は意外事
故による給付30カ月
3.家属死亡一父母及び配
偶3カ月,12至25歳の
子女2カ月
4.生育,傷害,疾病一免
費 医療
残廃(障害),死亡,家属
死亡
種 類
給付標準
5.
6.
保険の損益
責 任
保険事務費
票差盈)(公務上外を問
2・弄妄謡芸菖)(公務上
3.家属死亡一父母子女配
偶1カ月
養 老−5∼36カ月
離職の際の保険料返還
一如何なる給付をも受
領してな
は本人の
納めた部宗吾 保際料を
返還する
台湾人寿保険公司が負う
中央信託局が負う
保険主管
官 署
台密省機関
が毎年負担
する保険料
1.残廃(障害)−10から
台湾省政府
55,036,800元
1,782,988元
保険総額の1伽)分の7を超
える事が出来ない
規定無し
−368−
6.保険争執審議委員会は社会保険の特有な組織にして,被保険者と保
険機構の争議を処理するのであるが,本保険にはこの種の槻横を設け
ておらず,もし何か争議があれば,法院に訴える外すべがない。
7.本法の条文はいたって粗略にして,僅か25条にしか過ぎず(日本
の公務員保険法は98条もある),若干の関係条文,例えば被保険者の
権利等は詳細に規定していない。
8.本法は全国性立法で,中国の領土は広く,中央が集中して本保険を
行なうことは,困難がいたって多く,中央が立法して,各省が執行
し,各省が自分で保険の損益責任を負うことが望ましい。
最後に台湾の公務人員保険に対し,幾つかの私見を述べて見たいと思
う。
(1)免費医療問題
イギリスにおいて社会保険を実施した時,色々な困難が発生したので,
当時イギリスの保守党チャーチルは,保険法を修正し,若干の免費医療に
関する規定を廃止した。台湾のように公医制度がいまだ全面的に確立して
ないのに,突然に免責医療を実施することは,少し大胆なる普試ではない
かと思う。その結果被保験者の権益を保障する反面,被保険者の権益をも
剥奪することになるであろう。もし施行するにあたって,何かと制限を加
えるならば,被保険者に損害をあたえ,その従来の効果を発揮出来ないこ
とになる。
次に保険病院の設置も,叉客観的条件にかんがみ,問題が少くない。更
に有効なる健康検査及び疾病予防も,費用上の事由に基づき毎年真に定期
的に行なうことも難しい。特約病院の病房を,規定上2等を標準としてい
るが,調査資料に基づけば,現在台湾には2等病床が僅か500台余りにし
か過ぎず,このような大勢の被保険者の需要に適応出来るかどうかも問題
である。同時に又各病院の設備標準も様々にして,将来において被保険者
と保険機関との問の摩擦及び紛争も多いことと思われ,特に門診治療の場
−369−
合に多いと患われる。このような問題の解決は,当然にして各関係機関の
共同努力に待つものである。
(2)現金給付の問題:
甲,公務上及び公務外の差別給付一一本法の規定に依れば,本人死亡と
残廃(障害)給付には,皆公務上と公務外の差別給付法を設けている。そ
の本来の趣旨は艮否に拘わらず,もしこの種の規定を厳重に制限すれば,
事実上被保険者に対し給付上に大きな差別となり,被保険者の権益に損失
を与える。反面,もしその尺度を大きく弛めるとすれば,有名無実とも
なり,紛争を招くので,同一給付法を採用することが望ましいかと思われ
る。
乙,物価指数に応じての給付調整一一この種の規定の本来の趣旨は,被
保険者叉は受益者が実意を得る事を保障し,余りの大きな物価の上昇の為
損害を受けるようなことのないのを目的とし,従って保険給付又は保険料
の返還につき,その現金額が,物価に100分の50以上の増減がある時は
物価指数に応じて調整するということを条文に明らかに定めている。この
点,本法の実施細則の中に明確に規定があって,始めて色々な紛争を避け
ることが出来る。特にその技術的運用面に注意をし,例えば時間及び段階
上の合理的な区分,集団の計算と個別的適応等には,簡明な公式で推計出
来てこそ,簡単明瞭,画一公平に出来る。
(3)保険俸給問題:
保険俸給は統一薪俸,職務加給,服装費,医薬補助費等の4項を包括し
ている。保険俸給は保険料及び保険給付の計算基礎にして,その偏差(高
い叉は低い)は,被保険者の権利義務に対して連帯なる関係を発生する。
故に保険俸給の高低には,3方面に関係する:第1は,被保険者の負担能
力の問題,もし保険俸給を引上げるとすれば,被保険者は必然にして保険
料額を増加することになり,被保険者の負担比率100分の2.45(7%×
35%)は,保険俸給の増加によって増加するのである。例えば,元来保険
俸給が400元であれば,被保険者が毎月支払わなければならない保険料は
−370−
僅か9元ではあるが,それを2,㈱0元に引上げるとすれば,45元納めるこ
とになる。故に保険俸給は,一般収入及び可能な負担能力に準じて合理的
に規定しなければならない。第2は,被保険者の受益権の問題,現在公務
員の4項の収入(統一薪俸,職務加給,服装費,医薬補助費では,絶対多
数は2′}300元の問にして,仮りに3㈲元の保険俸給の被保険者が半廃疾
により15カ月分の障害給付を貰ったとしても,僅か4,駒0元にしか過ぎ
ず,部分廃疾は6カ月給付にして,1,800元の僅かの金額であり,その所
得はその廃疾に受けた損害を実際に填補するには程遠く,足りないのであ
る。このようにして,死亡給付にしても,本人死亡計30カ月 9,000元,
父母配偶死亡手当金計3カ月900元,子女死亡手当金計2カ月600元とい
う僅かな金額にして,公務員及びその家族の生活を保障する目的より見れ
ば,余りにも貧弱と思われる。この解決の道としては,保険俸給又は保険
給付の引上げに依存すると思われる。第3は,保険後閑の危険問題,痍険
機関は保険の健全を求める為,原則上,保険料収入と保険支出の敵こ相当
の距離を保持することを望むものである。換言すれば,保険料を高くする
程好み,反面保険給付を低くする程良いと,そして収入金額が支出金額を
大きく超えることによって,危険を避けることが出来る。故に将来の修正
法案準備工作には,統計資料に注意し,危険機率を研究する外,以上の3
点を同時に注意することに依って,合理性がもたらされるのである。
(4)損益責任問題:本法の規定に依れ豆,損益責任は保険機関が負うこ
とになっている。この立法の趣旨は,保険機関に運営の責任を加重するの
は明らかである。第1,もし国庫が損益責任を負うとすれば,その剰余は
累積して,保険医薬設備を拡充するか,又は保険給付の増加に使用出来,
この保険利益を受ける者は当然にして被保険者である。事実上,この種の
保険がもし有効に合理的に運営出来れば,毎年には必ず大量の剰余があり
損失の可能性が非常に少ない。第2,もし保険機関が損益責任を負うとな
れば,その剰余金は規定により積立金及び奨金等に依存する外,残りは悉
く国庫に入れなければならない。保険機関は国家の放関の1つであり,毎
−371−
年政府が予算を編成するので,相当の剰余金を国庫に入れることを規定し
ている。第3,事務費用では保険料総額の100分の7を超えることが出来
ず,及び一切の保険帳簿証書及び業務収支は全て免税の規定を設けてい
る。この趣旨は,1つは事務費の支出を制限し,1つは保険の収益を増加
し,被除者の権益を保障することにある。保険機関が自ら損害責任を負う
にも拘わらず,その事務費の総額を制限することは,不合理であり,又も
しこれは剰余金は不断に動かしてはならず,保険準備金に使わなければな
らないと解釈するとしても,本法にはこの条文の規定がない。
5.結 び
以上は戦後における台湾生命保険,労工保険及び公務員保険事情の梗概
である。「保険発達の程度は正に1国文化並に国力を測定する最良の尺
度」であるといわれるが,不幸にして中華民国は長期に亘る戦乱の為め旧
存の保険の復興も,新規の社会保険の実施の期も遅れ,未だ充分な保険制
度とは言えない。しかして国民の祖国再建の熱意と努力による他の諸産業
の発展と共に,台湾の生命保険,労工保険及び公務員保険事業の復興発展
も必ず「文化と国力との充実と相侯って実現せられることは,火を陪るよ
りも明かである」と確信する。台湾保険事業の将来より高き発展を祈念し
て,私のこの報告を了る次第である。
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