...

横浜国立大学グリークラブOB会報 横国大グリー

by user

on
Category: Documents
14

views

Report

Comments

Transcript

横浜国立大学グリークラブOB会報 横国大グリー
2010.12.12.
第 32‐2 号
横浜国立大学グリークラブ OB 会報
特集!!
横国大グリー
クラブ OB 会
OB合唱団 第 10 回記念定期演奏会
かねてよりOB会報でご案内しておりましたが、OB合唱団
用、DVD作成、レクイエムの訳詞と電光表示、プログラム
の第 10 回定期演奏会が、さる 10 月 17 日、ミューザ川崎シン
の多色化などの特別出費が見込まれ、合唱団として第 10
フォニーホールにて開催されました。今回の演奏会の準備・
回定演のために蓄えた合唱団会計から 200 万円の特別支
運営と選曲・練習をそれぞれ担当された小泉(S40 卒)、石川
援金の支出に対し団員の了解を得ました。
3.プログラム
(S36 卒)両副団長に総括をお願いし、数多く寄せられたアン
第 10 回用の作成方針を、①表紙はカラーに、②読み易
ケート、感想文からいくつかを掲載しました。
いようにA4版に、③第1回からの定演の概略経緯がわか
第10回記念定演プロジェクト
副団長 小泉 進
るように、としました。表紙写真は永井さんお願いしました。
第 10 回定期演奏会という当団にとって節目の大事な記念
また、昨今の企業経営環境の一層の厳しさから特に広
演奏会のプロジェクトチーム長を務めさせて頂きましたが、皆
告取りが難しくなり、村上OB会長と瑞慶覧団長の根気あ
様の多大なご支援ご協力のお陰で無事終了することが出来、
る折衝で何とか Calbee 社のものは継続することが出来まし
先ずは深く感謝申し上げます。定演の詳しいことは当日の進
たが、結局中田研究室のものとの 2 件のみとなりました。
4.チケットの発行と入場者数
行表やプログラムに譲るとして、主にプロジェクトチームから
今回ミューザ川崎シンフォニーフォールの最大収容座席
みた特記的なことを総括しておきたいと思います。
数1997席の内、ステージの真後ろ部を除いて1613席分の
1.プロジェクトチーム
1月 23 日に第1回キックオフミーティングを行い、計9回の
チケットを発行しましたが、最終的には 1540 枚がさばかれ、
プロジェクト会議を開催して推進してきましたが、基本的に
当日の入場者数は合計1355人、前回の1303人を上回り、
は今までの進め方に準拠してやりました。
チケット配布数に対する入場者率も 88.0%とほぼ前回並
メンバーと主な役割は以下の通りです(順不同、敬称略)。
みの高率となりましたので、集客は先ずは大成功と言えま
石川節(技術)、瑞慶覧宏(招待者、現役対応)、永井善和
しょう。
5.出演者数
(デザイン)、江上侑雄(ステージ)、三戸部信夫(会場確保、
合宿)、坂井紀康(団会計)、鈴木重方(印刷)、真方顕(フ
先述の通り、今回は平成年代卒業の若手OBの参加は
ロント)、矢川一義(顧問)、小柳敏男(チケット)、木野恒雄
叶いませんでしたが、愛唱曲ステージ、レクイエムの経験
(打ち上げ)、斎田宣伸(会計)、堀史治(途中から参加不
者に現役を加え、総出演者は 116 名になりました。
6.定演当日にお手伝い頂いた方々
可)、小泉進(総括、記録)、計 14 名
1)フロント・受付:鎌倉女子大合唱団員 8 名(譜めくり含む)、
2.記念演奏会の構成・企画と予算
第 10 回を記念して念願のケルビーニの「レクイエム・ニ短 2)
横浜グリークラブ 3 名
調」全曲をオーケストラ付きで歌おうという大方針のもとに、
2)ステージ・進行:横浜グリークラブ 4 名
リーダー会議とも連係してステージ構成を検討してきました
3)アナウンサー:元NHKアナウンサー水野さん
が、このところ定着していた平成卒OBグループの参加が
4)電光表示:アルゴン社、斎田愛美さん(キュー出し)
今回は見込めないことが5月になってから初めて分り大き
国本静三神父(上智大講師)には同氏による日本語
な誤算となりましたが、現役時代にレクイエムを歌ったこと 甫
訳の使用を快く許諾して頂きました。
5)写真、ビデオ撮影:ケー・エス・ワン社(打ち上げも含む)。
のある年代層の応援出演や、愛唱曲主体のフェローメン
7.打ち上げ
バー勧誘、昭和 46~48 年卒メンバーの新加入、等の援護
川崎駅ビル8階の「カメリアホール」にて開催しましたが、
と現役グリーの賛助出演で乗り切る見通しがつき、安堵し
グリー及びオケの現役出演者も多数参加してくれましたの
ました。
当初から会場と横国大現役オケの共演は決まっていまし
で、いつもは女っ気の少ない打ち上げも今回は様相が一
たが、第 10 回の記念演奏会として、オーケストラ関係の費
変し、多数の女子大生と若者で華やかなムードとなりまし
1
演奏曲「Dulcinea」と「Impossible Dream」は、「Impossible
た。総勢160人位だったでしょうか。
Dream(見果てぬ夢)」が合唱の楽しさをどこまでも追及したい
8.終わりに
今回は第10回記念ということもあり、出来る範囲で新しい
という現役グリー、平成 OB、OB 合唱団の 3 世代の共通のキー
試みも取り入れ推進してきましたが、オール横国大で定演
ワードでもあるということで選曲しましたが、OB にとってはやや
を成功裏にやり遂げられたのは最大の収穫だったと思い
チャレンジングであったかなとの印象です。自在に歌いこな
ます。現役グリーと現役オケとの今後の益々の協調と発展
すところまではいきませんでした。ところでボイストレーナーの
を祈ります。
吉原先生が合同演奏は OB と現役の声が適度に混じりあって
次回の定演も2012年5月12日(土)、同じミューザ川崎と
大変良いサウンドになっていたとほめてくれました。合同演奏
決まりましたので、今回の経験と反省点を活かしてより良い
の狙いの 1 つが実証されたことに自信を持ちました。現役に
定演を目指し是非成功させたいものです。
とってあるいは負担になるかもしれませんが合同演奏は今後
も続けたいと思っています。アナウンスについては会場をな
第 10 回定演を終わって
副団長 石川 節
ごませる点では成功したと思いますがやや冗長に流れた面
もあり、次回以降の参考にしたいと思います。
第 10 回定演が無事終わった。合唱団員の皆さん、横浜国
現在リーダー会議は第 11 回定演の構成と選曲作業に取り
立大学管弦楽団の皆さん、現役グリーの皆さん、そして飛永、
佐藤両先生、有難うございました。プロジェクトチームの皆さ
組んでいます。ご承知のとおり日取りは2012年5月12日(土)
んにも改めてお礼申し上げます。またボイストレーナーの田
に決定しました。次回の構成も平成OBの参加の有無が重要
中、吉原両先生の日頃のご指導にも感謝申し上げます。 私
なポイントになると思われます。また現役グリーも時期的に 1
自身はお呼びしたお客様に恥ずかしくない演奏をお聞かせ
年生の参加が見込めないところからどのような形での賛助出
できたとの満足感を感じており、アンケートを見る限りお客様
演があり得るか検討する必要がありますがこの賛助出演の責
の満足感も伝わって来てほっとしています。
任を担うことになるのは現在の 1 年生です。両グループと緊
密に連絡をとりながら進めたいと思います。選曲その他に関
さて未編集版の CD を聞いた印象ですが、「レクイエム」は
するご意見ご提案を歓迎します。
上手く歌えたと思います。成功の理由は練習の成果というに
尽きると思います。この選曲がもっぱら団員の希望に基づい
ていることから歌う方は気持ちよくても聴く方はどうなんだろう
アンケート並びに寄稿感想文から抜粋
という点を最も懸念していましたが、オケの好演や電子掲示
[その1] (OB合唱団の大ファンという国大卒女性の方から)
版の助けもあってお客様を退屈させないで済んだようです。
とても楽しい音楽会を有難うございました。知人のお母さ
これに対して休憩後の OB 単独ステージは第 1 ステージの高
んをお誘いし楽しい一時を過ごすことが出来、彼女も喜ん
揚の反動でしょうか、呼吸が浅くなりエネルギー不足で、練習
でおられました。
の成果を 100%は出せなかったような気がします。出だしがそ
合唱とオーケストラの共演は見事でした。OBの方々の努力
ろわないのとフレーズの最後まで音を保持することができず
の賜物でした。
尻つぼみになってしまうのが気になりました。アインザッツに
現役の学生達の素晴らしい声は、やはり若さとハモリですね。
ついては先日の定演反省会で曲名アナウンスがないと次に
OBの方々の声は、優しい丸みを帯びたマシュマロの様な
何を歌うのか自信がなく、それがアインザッツの欠如につな
声、安らかさを与えます。学生達の声はスカッとしたレモンス
がっているのではないかとの指摘がありびっくりしました。これ
カッシュの様なすがすがしさを感じさせます。二通り(三通
まで暗譜ができれば指揮を見られる、指揮を見られれば声は
り)の良さを出しているのがこのコンサートの面白さと人気な
揃うと信じてやってきましたが、それ以前の問題があったとは。
のでしょう。
確かに 3~4 小節目からは揃ってくるのでこの指摘は案外当
たっているのかもしれません。広く皆さんのご意見を伺った上
[その2] (団員の知人で川崎混声合唱団員の方から)
で歌い出しの練習方法や本番での音取りの方法などを改善
初めて貴合唱団の演奏を楽しませて頂き、感謝しています。
したいと思います。
オーケストラとの共演が出来る貴合唱団は幸せですね。一
第 3 ステージの現役の演奏ですがいつもながら若々しい
般的には費用の関係で困難ですから羨ましく思います。歴
声には魅了されます。低音の響きがやや不足ですが高音部
史のある合唱団らしく落ち着いた良い演奏だったと思いま
のハーモニーは透明で力感があります。第 4 ステージの合同
す。お客の集客力はさすがなものですね。
2
て貰った林光編曲の「箱根八里」「浜辺の歌」「待ちぼうけ」
気になった事をひとつ。予め一曲毎の拍手はしないよう
案内出来ないものでしょうか?何時も音楽会に慣れない方
も深く心に刻み込まれています。何時の日かもう一度「日
が多いと問題になることですが。
本抒情歌曲集」の中からピアノ伴奏付合唱の「名演」をまと
めて聞かせてもらえたら最高ですね。
細かい事では、曲によって男声合唱でしか出せない音の
膨らみと言うか抑揚があったら、もっと素晴らしかったと思い
今後とも一層ご精進なさって、いい音楽をお聞かせくださ
ます。ただ、あの会場は場所によってかなり聞こえる響きが
い。まことに有難うございました。
違いますので、会場のせいかも知れません。部分的にテナ
[その4] (国大卒の女性で管弦楽団員OGの方から)
ーの飛び出た声が気になりました。
第1ステージ:素晴らしかったです。字幕もあり言葉の重み
現役の響きはさすが透明感があり、とても楽しめました。
そして合同の最後の 「The Impossible Dream」は練習が
が伝わりました。第 2 ステージ:どの曲も良かったです。(熟
良く出来ていて素晴らしかったと思います。今後も頑張って
年)男声の「早春賦」は多分私は初めて聴きました。「へー、
下さい。
そうかー」という感じ。新しい春の感覚を理解出来たように思
いました。 第 3 ステージ:在学中に一度定期演奏会に行きま
した。「とても上手だった」と思ったのを覚えていますが、今日
[その3] (横浜グリー団員で宗教音楽にも詳しい方から)
素晴らしい演奏を有難うございました。ケルビーニ「レクイ
本当に感動しました。歌詞がはっきりと聞き取れる、ハーモニ
エム」の全曲をオケ伴で聴けたのは初めてでした。ずっと昔、
ーも美しく、「こういう若者が国大にはまだいるんだ!!」とうれし
楽譜を購入してCDを何枚も聞きながら歌える日を夢見たも
かったです。第 4 ステージ:とても素晴らしかったです。声の
のの機会を与えられずにいた曲でしたので、最高の喜びの
豊かさ(と言うのか・・・)や幅というか若いだけでは出せずベ
日でした。どの曲もよく歌い込まれていました。中でも秀逸は
テランというだけでは出せない広がり、ボリューム、深さ、男ら
「Offertorium」だったと思いました。
しさにあふれていました。
一曲終わるごとに拍手が鳴ってしまいましたが、今日は同
オーケストラも予想を超える立派な出来でした。他大学か
らも協力を得ておられるようでしたが、あそこまで演奏できる
世代の方々はうれしく、感動して、一曲ごとに拍手せずには
とは正直驚きました。東京オラトリオ協会の郡司博氏がオラ
いられない!!という感じ。私もその気持ちに共感していたので、
研の演奏会にオーケストラを頼んだプロの管弦楽団のやる
今日の拍手は許せました。
気の無さに困り果てて嘆いていたことを思い出します。アマ
[その5] (同志社グリーOB東京クローバークラブのHPから)
チュア合唱団との共演にプロの連中の手抜きがひどかった
からでした。そして言うには、早稲田や慶応のオーケストラ
80名からなる男声合唱と、同大学管弦楽団によるフルオー
の連中の方がはるかに音楽性があって、一緒に音楽をやっ
ケストラが奏でるケルビーニの「レクイエム ニ短調」全曲演奏
ていく上で大きな喜びを得られる、といったものです。横浜
が圧巻であった。指揮者の飛永悠佑輝氏は声楽家で、かつ
国大生のオーケストラが、あのレベルの音楽を作り出せるの
男声合唱を熟知しておられると見えて、80名の均一な発声と
には驚きました。今後も現役諸君との共演で挑戦して下さ
流れるような曲運びが聴衆に心地良く感じられる。特にテノ
い。
ール陣の決してがならないソフト発声は、作曲者がレクイエム
にこめた想いが遺憾なく表現された。
私的には日本で演奏の機会が殆どないリスト「レクイエム」
ケルビーニの後「中国地方の子守歌」「ロバートショウ曲集」
(男声合唱:パイプオルガン)など、本邦初演の男声合唱
曲に挑戦できるのは数ある男声合唱団のなかで国大OB
などの愛唱曲を楽しく歌い上げ、現役グリークラブの熱演を
位しかないと思います。期待しています。
挟んで、最終ステージでは現役と合同による「ラ・マンチャの
男」抜粋で締めくくった。
第二部の合唱はまさに水を得た魚のようでした。ことに佐
藤さんのピアノが綴る林光編曲の「日本抒情歌曲集」から
アンコールの「嘆きのピエロ」は、さすがによく歌い込んでい
の2曲は国大OBならではの、国大OBしか生み出し得な
るとみえ、指揮者の流れるような表現そのままに、見事に歌い
いステージでした。さまざまな演奏会で演奏される曲です
こなした。演奏会には東京クローバークラブから数名が馳せ
が、これほどまでに指揮と合唱とピアノが一体となって深い
参じた。
感動を与えてくれるのは稀有です。何年か前でしたか、国
大OB演奏会で飛永・佐藤コンビでみなとみらいで聞かせ
3
訃 報
幾年(いくとせ)も説き給う
現役グリークラブの団友、OB会の名誉会員として永年、お
隣人を愛せと
世話になりました小田切清光氏が本年 2 月にご逝去されまし
やさしく語りぬ
た。ご遺族からの年始ご挨拶ご欠礼のお知らせで事務局も
忘れまい 忘れ得ぬ人
初めて知りました。事務局の不手際をお詫び申し上げますと
山根一夫先生
共に、氏のご冥福をお祈り申し上げます。先生とグリークラブ
隣りの人を 少しでいい
とのお付き合いのきっかけになった年代の戸川さんに想い出
あたたかく 思って上げよう
を綴って戴きました。
説き給う 隣人への愛を
2004.10
小田切清光さんを悼む
山根一夫先生に捧ぐ
*注:
( )内は実際はルビ
S43 年卒 戸川宏一郎
「小田切さん、どうしてるかねえ。
」妻が唐突に言い出
折にふれ小田切さんは山根先生を引き合いに出しては
したのは、11 月初旬の暖かい日だった。
「そうだな、た
「あこがれ」のまなざしで語ったものだ。
「戸川さん、こ
まには電話でもしてみるか」
。そんな会話をしたのは、病
の言葉は僕の宝なんですよ。あんないい先生に指揮をし
気で伏せっていた叔母が「もうそろそろか」と言われて
ていただくあなた方は幸せ者ですねえ。
」
僕は答えに窮し
いた時だった。そして間もなく叔母は逝った。葬儀を終
てしまった。大変失礼な言い方だが「アル中の初老の指
えて久しぶりに自宅へ戻り、
メールボックスを開けると、
揮者」としか見ていなかった自分を恥じた。
神野先輩からの「小田切さん」の文字が目に付いた。あ
「今僕は『もぐら』なんですよ。布団をこう頭からか
る「予感」を感じながらクリックすると「果して・・」
ぶって『もぐら』になるんです。
」喫茶店の片隅で、テー
だった。迂闊にもその時まで小田切さんの「死」を知ら
ブルに頭を両手で押しつけながら茶目っけたっぷりに笑
なかったのだ。「心筋梗塞」という大病を患っても、それ
っている。
「三木さんの注文が厳しいんですよ。
」と言い
を屈託なく笑いに変えていた人懐っこい顔が目に浮かん
つつも言葉ほどに深刻ではないのが小田切さんの持ち味
だ。追悼文の依頼への引き受けの返事を何の考えもなく
だった。後でこう述懐している。
送ってから、「俺は小田切さんの何を知ってるのだろ
「私のもぐらは思うように時代の中を生きてくれず、私
う?」と自問してみた。
「早まったかなあ・・・」とも思
が目が見えるからいけないのだ、片目だけでも無くそう
った。
「小田切さんが国大グリーを理解していたほど、俺
と本気で考えたり、深夜、真暗闇の中を歩きまわったり
は小田切さんを理解していただろうか?」そんな思いが
もした。
・・・
『来るたびに小田切さん、だんだんともぐ
時の経つにつれて心に重くのしかかってくる。
らみたいになりますね』と那名子夫人に褒めて頂けるほ
どになった。
」那名子夫人とは勿論三木さんの奥さんだ。
今更ながらではあるが、贈られた詩集や小冊子を読み
返してみると、
「国大グリー」そして山根先生を始めとし
「もぐら」という一見ユーモラスな動物を介して、高度
たグリーメンとの交流を綴ったものが多くあるのに驚く。
成長期直前までの昭和の時代を語らせたテーマのヒント
多分最後の詩集である「隣人」(2005 年水仁舎)の末尾の
は那名子夫人の思いつきらしい。
一篇は詩の題も「隣人」
。少し長くなるが、引用させてい
(
「もぐら」
の成り立ちについては50年記念誌の石川勉
ただく。
久君の寄稿に詳しい。
)
冗談もほどほど・・・・という言葉があるが、小田切
隣 人
横浜の海原に
さんには当てはまらない。遅まきながらの弔問で墓参り
新しき風流れ
を案内していただいたご子息は、
「仕事はほどほどに、い
人々は胸ひろげ
たずらや冗談はまじめにというのがオヤジのモットーで
姿勢を正しぬ
した。
」と道すがら話してくれた。その日、ご自宅を訪ね
そのひとり その人の名は
る前に花屋に立ち寄り、仏前に供える花束を買った。店
山根一夫先生
主が「菊を多くしましょうか?」というから、
「そんな人
コーラスを愛し 酒を愛し
じゃないから、
色っぽく作ってください。
」
とお願いした。
説き給う 隣人への愛を
そして真っ赤なバラを2本別に買った。病気で倒れた後
幾度(いくたび)も繰り返し
の詩の「街角の花の店で薔薇二本もとめる これが私の
4
今日の贅沢」という一節を思い出したからだ。冗談好き
非、来年一月の定期演奏会には多くの OB の方々のお越し
の小田切さんなら墓前に飾っても許してくれるだろう。
をお待ちしております。
お墓は京急線の「青物横丁駅」近く「真了寺」という由
OB 合唱団だより
緒正しい名刹の一角にあった。隣が小学校で子供の元気
1.今年の活動を振り返って
合唱団団長
瑞慶覧 宏
な声が聞こえる。横を真っ赤な京浜急行がバラの赤と競
今年度 OB 合唱団は、4 月 10 日蒲田のアプリコホール
うよう走っている。
「たった二本かい?」そんな声が聞こ
における北海道大学合唱団東京 OB 会クラーククラブとの
えた。
第 2 回ジョイントコンサートを皮切りに、6 月 26 日県立音楽
最後にお会いしたのはもう5年以上も前になると思う。
での神奈川県合唱祭への参加、10月17日ミューザ川崎シ
寂しそうに「グリーの引き継ぎはどうなっているでしょ
ンフォニーホールでの第 10 回定期演奏会、10 月 30 日母
うか、この頃案内が来ないんですよ。
」と柄にもなくぼや
校教育文化ホールでのホームカミングデー・コンサート、11
いた。
「体を気遣ってくれてるんですかねえ。
」こんな時
月 23 日鶴見公会堂における鶴見区合唱のつどいへの参
でも悪くは言わない小田切さんの人柄を感じさせる会話
加と演奏活動を続けて参りましたが、年が明けますと練習
だった。その後の演奏会の折にグリー現役の誰かには伝
会場を提供していただいている横浜市保土ヶ谷区にありま
えたが、その結果を聞かずに小田切さんは逝ってしまっ
す特養老人ホーム太陽の国での 1 月 29 日の謝恩ミニコン
た。
「もぐら」から半世紀近い年月が流れ、小田切さんと
サートに続き、2 月 6 日(日)横浜みなとみらい大ホールで
の接し方も時代とともに変わるのは仕方のないことだっ
のヨコハマ・コーラルフェストへの参加で今年度の活動を締
たのかもしれない。また大方は4年という限られた期間
めくくることになります。
でのお付き合いにならざるを得ないという事情もあった。
OB会員の皆様には、ジョイントコンサートや第10回定期
でも小田切さんとの交流は国大グリーの宝だったのだ。
演奏会、ホームカミングデー・コンサートにご来場いただき、
それを後輩たちにしっかり伝えられなかったOBにも責
ご寄付を頂くなど、OB 合唱団の活動にいつも変わらぬ温
任はあろう。そんな自戒をこめて追悼の筆、いやパソコ
かいご支援を賜わり、深く感謝致します。
第10回定期演奏会では、平成卒の若手OBの皆さんが
ンのキーボードを納める。合掌。 2010 年 11 月 14 日
都合で参加いただけず、ご来場のお客さんからも残念との
現役便り
現役部長
声が聞かれましたが、フェローとして昭和 40 年代から昭和
山田晴一郎
60 年代に掛けて卒業された OB 会員 12 名の方に参加し
日頃より現役グリークラブに対して温かいご支援ありがとうご
ていただき、演奏を盛り上げていただきました。
ざいます。横浜国立大学グリークラブ部長の山田晴一郎で
2.これからの活動予定
す。10 月に行われた OB 定演、またホームカミングディでは
OB の方々とご一緒に演奏することが出来、現役グリークラブ
来年度始めの 2 件の演奏会について、次の通り場所と
としてとても良い経験が出来ました。まずはお礼を申し上げた
日取りが決まりました。 詳細は次号でお知らせ致しますが、
いと思います。
OB の皆様のご来場をお待ちしています。
1)第 9 回神奈川男声合唱協会(KAMCA)演奏会
さて我々現役グリークラブでは来年の 1 月 15 日(土)に行わ
れる第 59 回定期演奏会に向けて、やっと本格的に練習に取
横浜さかえ男声合唱団、横浜グリークラブ、横浜国大グリ
り組み始めたところです。というのも 10 月は OB 定演、ホーム
ークラブ OB 合唱団 KAMCA 加盟 3 団体によるジョイント
カミングディ、また 11 月の頭には常盤祭があり、ほとんど定期
コンサート
演奏会の練習が出来なかったのです。最近では練習時間が
賛助出演:東京メトロポリタン横浜、矢沢男声合唱団
9 時を過ぎることもあり、部員一丸となって定期演奏会に向け
日時:2011 年 4 月 16 日(土) 13:30 開場、 14:00 開演
て練習を行っています。
場所:栄公会堂ホール(JR 根岸線本郷台駅徒歩 9 分)
合同合唱: 野ばら、Staendchen、箱根八里
特に今年の一年生は、合唱に対してやる気があり、一年生
同士でも合唱曲を練習していたりと、入団当初より目を見張
各団の演奏曲は未定
るほどの演奏技術が向上していて、とても頼りがいのある一
入場料: 1000 円(全自由席)
2)女声合唱団コーロ・サモワール定期演奏会への賛助出演
年生となりました。
12月の頭からはオーディションも解禁される予定で今以上に
日時: 2011 年 5 月 31 日(火)
団員が定期演奏会に向かって、練習に励んでいきます。是
場所: 横浜みなとみらいホール・小ホール
5
曲目:OB 合唱団有志とコーロ・サモワールによる混声合唱
幹事会終了後、JR鶴見駅西口の「翆華楼」にて懇
ブラームス 愛の歌より 6 曲
親会を予定しております。
3、役員会・幹事会の議題:
OB 合唱団の単独ステージ曲、開演時間、入場料等は追っ
1)平成 22 年度(第 32 期)OB会/OB合唱団上
てご案内します。
半期事業報告及び通期計画
3.第11回定期演奏会の日取りと会場は 2012 年 5 月 12 日
2)平成 22 年度(第 32 期)OB会/OB合唱団上
(土)ミューザ川崎シンフォニーホールに決まりました。ステ
半期報告及び通期予測
ージ構成や演奏曲目はこれから検討されます。
3)OB会年会費の件
4.団員の動静(敬称略)
休 団:高田信昭(S34 卒)
4)その他
退 団:川原敏令(S25 卒)
5)現役グリークラブの状況報告(幹事会のみ)
入 団:扇敏晃(S41 卒)、堀田啓一(S47 卒)、
横浜国立大学グリークラブOB会報 第 32-2 号
手島茂樹(S47 卒)、小林祐一(S48 卒)
発行日:平成 22 年 12 月 12 日
事務局だより
発行人:横浜国立大学グリークラブOB会事務局
1、OB会 32-2 役員会の開催
236-0031 横浜市金沢区六浦 3-38-24 永井方
日 時:2011 年 1 月 22 日(土)10:00-12:00
Tel.&Fax. 045-783-5319
場 所:関内ホール B2 第 2 研修室
E-maill: [email protected]
(JR関内駅北口から徒歩 5 分)
HP:http://www7b.biglobe.ne.jp/~ynugleeob./pageob/html
2、OB会 32-2 幹事会の開催
編集人:神 野 清 彦
日 時:2011 年 1 月 30 日(日)15:00-17:00
E-mail: [email protected]
場 所:豊岡小学校音楽室
会員名簿記載内容の変更(2010 年 7 月 19 日以降 2010 年 11 月 30 日現在、 物故者のみ、敬称略)
頁
卒 年
氏
名
事 由
p12 S30 年卒 赤木邦夫
ご逝去 (H22, 9, 7)
p10 S25 年卒 長谷川和夫
ご逝去 (H19,11,18)
変 更 後
P 6 名誉会員 小田切清光 ご逝去 (H22, 2,26) 「樹木頌」、「潮音歌」、「もぐらの歌」作詞者
6
Fly UP