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血液の流れと血圧 (血液循環) 水は高い所から低い所に流れる。 同様に
血液の流れと血圧 (血液循環) 水は高い所から低い所に流れる。 同様に、血液は圧力の高い所から低い所へ流れる。 灌流圧=動脈圧ー静脈圧 血流量=灌流圧/血管抵抗 心拍出量=静脈還流量 静脈還流量=(平均体循環圧ー平均右房圧)/静脈還流抵抗 p14 図(27) 5.血管系の機能 参考:血管系構造的特徴 図(29) 1)血管系の機能解剖学 弾性血管 elastic vessel:大動脈・中動脈 抵抗血管 resistance vessel:細動脈 交換血管 exchange vessel:毛細血管 容量血管 capacitance vessel:静脈 循環血液量の6割分布 2)血行動態 hemodynamics ポアズイユ Poiseuille の法則 Q=(π r^4/8ηl)ΔP =(1/R)ΔP (R:抵抗) 血液の血管内での流動: 血液の粘度 blood viscosity 赤血球の軸集中 axial accumulation と血漿層 plasma layer 血漿分離 plasma skimming ファーレウス Fahraeus 効果と逆ファーレウス効果 ファーレウス-リンドキスト Fahraeus-Lindqvist 効果 層流 laminar flow と乱流 turbulent flow:レイノルズ Reynolds 数 血流と臨界閉鎖圧 critical closing pressure ラプラス Laplace の法則と血管壁張力 circumferential tension 3)動脈系の機能 臓器への血流調節 並列 各臓器毎に調節 図(28)(30) 脳、腎 自己調節機能(autoregulation ) 血流量・血流速度の測定:Fick の原理による方法、超音波血流計など 動脈血圧 arterial pressure 血圧 blood pressure Bernoulli の原理: 全エネルギー=圧エネルギー+運動エネルギー+位置エネルギー 動脈圧波形と血管部位による差: 前方隆起 anacrotic hump、切痕 incisura、重複性波 dicrotic wave peaking 現象と steepening 現象 収縮期(最高)血圧と弛緩期(拡張期,最低)血圧 図(31) systolic (maximal) & diastolic (minimal) blood pressure 脈圧 pulse pressure =収縮期血圧ー拡張期血圧 平均動脈血圧 mean arterial pressure =1/3脈圧+拡張期血圧 (上腕動脈) Windkessel model:大動脈の空気槽作用による断続的血流から連続的血流へ 図(32) 動脈血圧の変動要因 血圧に対する重力の影響 血圧の測定法 sphygmomanometry: 図(33) 血圧計 sphygmomanometer 血管音(コロトコフ;Korotkoff 音): Swan の第 1-5 点 (聴診法) 脈波 pulse wave:記録法、脈派の伝播速度と動脈壁の弾性 4)微小循環 microcirculation 微小循環の調節と物質輸送 毛細血管の構造 血管運動 vasomotion 機能毛細血管 functional capillary 5)静脈系の機能 図(34) 静脈循環の調節: 神経性調節(交感神経性血管収縮神経) 筋ポンプ muscle pump 呼吸ポンプ respiratory pump 心臓のポンプ力と吸引力 静脈の圧平性 collapse 6.心臓血管系(循環)の調節 1)循環調節の基本:物質輸送 血圧の調節:心拍出量の調節(1回拍出量×心拍数)、 末梢抵抗の調節(全血管抵抗、局所血管抵抗、血液粘度) 各種血圧調節系と調節能力: negative feedback と開ループゲイン open-loop gain (G) 各調節系の応答時間と作動する血圧範囲 2)循環(心臓血管)中枢 circulatory (cardiovascular) center 橋・延髄循環中枢 pontomedullary cardiovascular center 孤束核 nucleus tractus solitarius (NTS):情報の入力 →心臓血管促進中枢 cardiovascular accelerating center (CVAC) →心臓抑制中枢 cardioinhibitory center (cardiac vagus preganglionic neuron, CVPN) 脊髄循環中枢 spinal cardiovascular center 脊髄心臓促進中枢 spinal cardioaccelerating center 脊髄血管運動中枢 spinal vasomotor center 皮質・視床下部循環中枢 corticohypothalamic cardiovascular center 3)血管運動神経 vasomotor nerve 交感神経性血管収縮神経 sympathetic vasoconstrictor fiber ノルアドレナリンとα受容体 細動脈と細静脈に対する作用 図(38) 緊張性放電 tonic discharge 交感神経性血管拡張線維 sympathetic vasodilator fiber 骨格筋の細動脈支配、運動性充血 exercise hyperemia 副交感神経性血管拡張線維 parasympathetic vasodilator fiber 唾液線など消化液分泌腺、外陰部支配 4)動脈血圧の調節 圧受容器反射 baroreceptor reflex 図(37) 動脈圧受容器反射 arterial baroreceptor reflex 頚動脈洞圧受容器 carotid sinus baroreceptor:頚動脈洞神経(→舌咽神経) 大動脈圧受容器 aortic baroreceptor:大動脈神経(→迷走神経) バルサルバ試験 Valsalva maneuver バルサルバ試験 Valsalva maneuver 図(39) 10-20秒間呼吸を止め、強い呼息圧(腹圧)をかける。 1. この操作によりまず血圧が上昇する。これは腹圧によって大動脈が圧迫されるからである。 2. この血圧上昇は数秒で下降する。これは胸腔内圧が上昇して心臓に還流する血液量が減少し、拍 出量が減少するからである。 3. 次に血圧および脈圧の減少により昇圧反射機序が作用して血管収縮が起こるので、血圧は再び上 昇に転じ、心拍数が増加し始める。 4. 声門を開き呼吸を始めると、大動脈の圧迫が解除されるので一時的に圧が下がるが、 5. 血管収縮よりも先に拍出量減少が回復するので、まずは拍出量増加による血圧上昇がみられる。 6. この血圧上昇により減圧反射機序が作用して心拍数減少と血管拡張が起こり、血圧は次第にもと に戻る。 図(40) 心肺圧受容器反射 cardiopulmonary baroreceptor reflex ベインブリッジ Bainbridge 反射 化学受容器反射 chemoreceptor reflex 頚動脈体と大動脈体、呼吸反応と循環反応 脳虚血反応 cerebral ischemic response:脳血流維持機構 ストレス緩和反応 stress relaxation / reverse stress relaxation 毛細血管領域における体液移動 capillary fluid shift: Starling の原理 視床下部からの反応 防衛反応:視床下部防衛反応領域、視床下部降圧領域 体温の変化と循環、運動と循環の変化 図(41) 各種ホルモンによる調節 ノルアドレナリンとアドレナリン noradrenaline & adrenaline α & β-receptor と血管反応 バゾプレッシン vasopressin(抗利尿ホルモン antidiuretic hormone) 浸透圧受容器 osmoreceptor と容積受容器 volume receptor 血管収縮作用と腎での水の再吸収 レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系 renin-angiotensin-aldosterone 図(42) レニン分泌の刺激:輸入細動脈圧低下、交感神経刺激、緻密斑の低 Na 刺激 アンギオテンシンⅡとアルドステロンの作用 心房性ナトリウム利尿ペプチド atrial natriuretic peptide (ANP) 図(43) ANP の分泌調節、ANP の作用(アンギオテンシンⅡの作用との比較) 各種血管作動性物質 vasoactive substances: endothelium-derived relaxing factor (EDRF = NO), kinines, serotonin (5-HT), prostaglandins, endothelin (ET), endothelium-derived contracting factor (EDCF), vasoactive intestinal peptide (VIP), calcitonin gene-related peptide (CGRP), neurotensin, encephalin, neuropeptide Y (NPY), adrenomedulin, etc. 自己調節 autoregulation: 筋原説、代謝説、組織圧説、など 7.冠状循環 冠状血管の構築 冠血流と心周期との関係 冠血流量の調節:物理的(心臓周期との関係) 代謝性(アデノシン、酸素、炭酸ガス、pHなど) 神経性(交感神経と迷走神経) 左冠状動脈(左室、中隔前2/3、右室前/3、乳頭筋、左心房) 前下降枝 左回旋枝 (図44) 右冠状動脈(右室後1/3、右心房、His束・・・) 洞結節動脈 房室結節動脈 静脈系 冠状静脈洞 左心系 前心静脈群 右心房、右心室へ Thebesius静脈群 右心室、右心房から心腔へ Thebesian vessel & arterio-luminal vessel 冠血流量の調節: 物理的(心臓周期との関係 ) (図45) 左冠状動脈 収縮期 血管圧迫 血流減少 拡張期 血流増加(70~90%) 右冠状動脈 心外膜側 epicardial coronary artery 心内膜側 収縮期血流0 subendocardial arterial plexus 代謝性(アデノシン、酸素、炭酸ガス、pHなど) アデノシン 酸素濃度低下(ATP→AMP→adenosine)血管拡張 酸素 PO2低下(静脈)−冠血流増加 CO2,pH −冠血流への影響少なし 神経性( 交感神経と迷走神経) 代謝性、神経性のまとめ CoronaryFig.5 交感神経 α 収縮 心外膜側 β 弛緩 心内膜側 副交感神経 弛緩 8.脳循環 脳循環系の解剖学的特徴と代謝 脳血流の調節 9.骨格筋の循環 代謝と血流 筋血流の調節 交感神経性血管収縮線維と血管拡張線維 運動性充血 小テスト ・バルサルバ手技(試験) について書け。 ・動脈血流動態のWindkessel モデルについて ・微小重力下でのムーンフェイス について ・左心室心筋内膜側の血流について バルサルバ試験 Valsalva maneuver 10-20秒間呼吸を止め、強い呼息圧(腹圧)をかける。この操作によりまず血圧が上昇する。こ れは腹圧によって大動脈が圧迫されるからである。この血圧上昇は数秒で下降する。これは胸腔内 圧が上昇して心臓に還流する血液量が減少し、拍出量が減少するからである。次に血圧および脈圧 の減少により昇圧反射機序が作用して血管収縮が起こるので、血圧は再び上昇に転じ、心拍数が増 加し始める。声門を開き呼吸を始めると血管収縮よりも先に拍出量減少が回復するので、まずは拍 出量増加による血圧上昇がみられる。この血圧上昇により減圧反射機序が作用して心拍数減少と血 管拡張が起こり、血圧は次第にもとに戻る。