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「自作PCのすすめ」

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「自作PCのすすめ」
「自作PCのすすめ」
電気電子工学科
舟越
久敏
私が学生の頃、PC を買おうとするとその価格は標準以下のスペックでも 20 万円以上と
いうのが当たり前だったので、
(貧乏学生だった私にとっては)そう易々とは買えない代物
でした。それが今や PC なんて、数万円出せば普通に使うには何ら問題ないスペックのマ
シンを買うことができ、一家に 1 台どころか、一家に数台持っている家庭も少なくないの
ではないかと思います。そんな身近になった PC の中身が知りたい!という方は、一度 PC
を自作してみてはいかがでしょうか。私自身、大学院の修士課程に入るまで、PC に関し
ての知識は全くと言っていいほどなく、ただ使えるというだけでした。今では、自分であ
る程度メンテナンスできるようになりましたが、PC の中身のことに関する理解の一助と
なったのは、やはり自分でパーツを調べて、選んで、組み立てた経験だと思います。以下
では、私がどのようにして自作の道へ進んだのか、思い出しながら書いてみようかと思い
ます。
大学院に在籍中、PC に詳しい同期がいたのが幸いでした。大枚叩いて購入した PC が 1
ヶ月も経たないうちに壊れ、無償で修理してもらったものの、またいつか壊れるのではな
いかという不安を抱えていた頃でした。そんなときに彼から「自分で作れば?安いよー」
と言われたものの、当時は作るにしても、まず何を買えばよいのやらさっぱり…でしたの
で、どのようにして作れば安く、しかも使えるマシンができるのか教えてもらいました。
そして一緒にどのようなマシンにするか検討した結果、CPU は Celeron300A にしようと
いうことになりました。この CPU は通常クロック周波数 300MHz で動作させるところを、
その 1.5 倍の 450MHz で動作させても大丈夫という代物でした。1.5 倍ということは、た
とえば現在のクロック周波数レベルで考えると、2GHz の CPU が 3GHz で動作するとい
うことですから、この数字はすごいということが分かります。当時のハイスペックマシン
は、PentiumⅢでクロック周波数が 600MHz ぐらいでしたので十分使える、というわけで
早速中古ショップへ行き 1480 円で購入。HDD、マザーボードなどその他の部品もほとん
ど中古で購入し、総額 2 万を少し超えるぐらいでパーツを揃えることができました。
組み立ては、マザーボードの説明書をインターネットからダウンロードして、それを読み
ながらやっていたので、最初は順調だったのですが、一部でコネクターをどう挿せばよい
のか説明書を読んでも分からないところがありました。結局、同期にいろいろと教えても
らいながら作業を進め、2 時間弱で組み立てが終わりました。
「やっとできたー」と喜んで
いるのも束の間、ディスプレイを調達するのを忘れていたことに気づき、出費がかさむこ
とと、誰でも気づくような基本的な物品の調達を忘れていたことに凹みました。その問題
は後で考えることにして、とりあえずすぐ脇にあった誰かの PC のディスプレイを拝借し、
動作チェックをするために電源を ON にしたのですが、画面には何も出てきませんでした。
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何とかしようと思うのですが、何をどうしたらよいのかさっぱり分からず、あちこち見な
がら「う~ん」と考えていたとき、
「メモリ挿し直してみたら?」と言われ、ちゃんと挿し
たのに…と思いつつ挿し直し電源を入れると、BIOS 画面が表示され正常に起動しました。
経験の差を実感しました。
「ディスプレイどうしよう…」インターネットで調べると、中古でも結構な値段だったの
で、お金を貯めて買うしかないかなと諦めていたその夜、私に自作を勧めた同期が「ゴミ
捨て場に PC のディスプレイがゴロゴロ捨ててあった」と教えてくれました。チェックす
るのを忘れていました。当時の大学のゴミ捨て場は、偶にまだまだ使えるものがゴソッと
捨ててあるので、時々同期とゴミの山をチェックしていました。ちなみに苫小牧に来るま
で使っていたテレビもこのゴミ捨て場で拾い、4 年間使いました。…ここまで書いている
と、なんだか当時の自分がみすぼらしく、かわいそうに思えてきましたが、めげずに話を
続けます。同期からの朗報(?)を聞いた私はすぐに大学のゴミ捨て場へ。話通り 17 イ
ンチの CRT ディスプレイが 5 台ほど転がっていました。同期に手伝ってもらい、その中
から外見がきれいなものを 3 台ほど選び、研究室まで運びました。深夜 2 時頃、暗いゴミ
捨て場の中で 2 人の男がゴソゴソ何かやっている姿はさぞかし怪しかったことと思います。
動作チェックをすると、2 台が正常に動作しました。しかも、発色が良いことで知られる
トリニトロン管の CRT(白っぽい背景を表示した場合、画面に細い 2 本の水平線が見える
のですぐ分かります)だったので、使えるのに勿体ないなあと、大切な資源をすぐさまゴ
ミにしてしまう社会をやわらかく批判しつつ、ありがたく頂戴しました。2 つのうち 1 つ
はもちろん自分用ですが、もう 1 つは 15 インチのディスプレイを使っていた人にあげま
した。
なんだか学生時代の思い出日記のようになってしまいましたが、こうして自作 PC の 1 台
目が完成しました。簡単な数値計算や論文・学会予稿の執筆などで修士課程の 2 年間、メ
インマシンとして大活躍しました。博士課程在籍中に一度中身をゴッソリ入れ替えました
が、今現在でもその PC とディスプレイは健在で、この原稿もそれらを使って作成してい
ます。自宅でメインに使っている PC も自作で約 2 年間使っていますが、今のところこれ
といったトラブルがありません。
冒頭でも軽く触れましたが、パソコンショップで数万円出せば新品の PC が手に入るこの
ご時世において、自作のメリットはもはや自分の思い通りに PC をカスタマイズできると
いう点しかないように思います。しかし、PC がどのようにして動くのか、それぞれのパ
ーツがどのような働きをしているのかなどを理解するきっかけを与えてくれるのは間違い
ありません。中身が分かると、動かなくなったときに何が原因なのかある程度推測するこ
とができるようになります。
あるサイト(初心者のための自作 PC 講座 http://www.eva.hi-ho.ne.jp/jun-king/)では、
自作 PC に挑戦しようかどうかの判断基準として、下記の 4 つを挙げています。
①
PC を今後、何年か使用し続ける。
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②
PC の知識を普通の人より身に付けたい。
③
始めは、基本スペックから始め、徐々にレベルアップをする。
④
不要な機能を付けずに自分の必要なものをとことんこだわる。
上記の項目に該当する方、または興味のある方は一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
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