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サウディ携帯電話事業の新規参入動向
サウディ携帯電話事業の新規参入動向 作成日:2004 年 6 月 29 日 田中@SAGIA ジャパンデスク 1.入札 通信分野の民営化を推進・監督する「通信情報技術コミッション(the Communications and Information Technology Commission=CITC)は、第2次携帯電話事業者の入札を 2004 年 6 月 26 日に締め切った。 (注)CITC のアドバイザーは Goldman Sachs, Riyad Bank and EFG-Hermes (カイロに本店のある投資銀行) 入札参加資格者は海外の携帯電話事業者1社と最低 5 社のサウディアラビアの国内企業に よるコンソーシアムが条件付けられており、PQ(2004 年 3 月 8 日)では 11 コンソーシア ムが通過したが、今回実際に応札したのは 8 コンソーシアムであった。応札したコンソー シアムは次のとおり(メディア情報のみ) (英)Vodafone and Saudi Partners Consortium 1.Vodafone( 2.Telefonica Moviles (スペイン) Kingdom Holdings 3.Telecom Italia Mobile (伊) Samawat Consortium http://www.samawat.com/index.php (6 月 26 日、NTT ド コモとの協力を発表) 4.Bouygues (仏) Saudi Oger Telecom http://www.saudioger.com/ (南アフリカ)MTN Saudi Arabia 5.MTN( 6.Orascom Telecom (エジプト)) 7.Etisalat (UAE) GOSI(General Organization for Social Insurance)、Rana Investment Company, Al-Saghayer, Al-Jumaih and Riyadh Cables Company. (クウェイト) 8.MTC( (注)Deutsche Telekom (独)、Mobilkom Austria (オーストリア)および Maxis (マ レーシア)を事業者とするコンソーシアム3グループは応札を断念した。 2.落札者決定までのスケジュール 1)応札(2004 年 6 月 26 日) 2)第1審査:テクニカル、コマーシャルおよびオペレーション毎に審査し、最低 85 ポ イントを得たコンソーシアムだけが第2審査に残れる。 3)第2審査:残ったコンソーシアム代表者全員の立会いのもとで、フィナンシャルプロ ポーザルが開封される。 (今年 9 月∼10 月?) →最高の価格(*)を提示したコンソーシアムが「推薦された事業応募者」 として CITC に対して事業申請を行う。 (*)新規参入により独占企業の STC が影響を受けるため、損失補償の 金額提示の必要がある。 4)CITC は更にテクニカル、コマーシャルおよびオペレーションの観点から審査実施し た 後、落札者を決める「最終推薦」を出す。 5)CITC の「最終推薦」が閣議承認され、公式に第 2 携帯電話事業者として決定される。 (予定では今年の第④四半期中) 3.第2次携帯電話事業者ライセンス 1)ライセンス有効期間は 25 年 2)最低 150 万人のユーザーをカバーできるサービス網と施設設置が要求される 最終落札者は GSM のテクニカル審査が通れば、3G ライセンスも可能 3)外資の出資比率は 49%を限度とする 4)第3次携帯電話事業者ライセンスは、早くとも 2006 年第④四半期までは発行されな い (CITC コメント) 5)第2次携帯電話の電話料金は公平なベースで競争力が必要(SITC 方針) 6)既存のサウディテレコム(STC)携帯電話利用者が携帯電話サービスプロバイダーを 変更しても、電話番号は変わらないものとする。 (SITC 方針) 7)新会社はジョイントストックカンパニー(JSC)形態をとる。将来的なサウディ株式 市場での株式公開(IPO、売り出し比率は 20%)を条件とする。 (時価総額想定 10 億 ドル) 8)新会社の発足株主は最初 2 年間、株式売却できない。 4.その他 1)現在 STC の携帯電話加入者は 700 万人超(全人口 2400 万人) 、サウディ人ユーザーの 普及率は約 30%。 2)STC の携帯電話部門の売上げは 273 億リアル(72.8 億ドル)だが、STC はその 20%を 政府にロイヤルティーとして支払義務がある。 以上