Comments
Description
Transcript
PFI事
P.39 /病棟基壇部の屋上庭園(多摩総合医療センター) 身近な自然とのふれあいの場 上/北側より両病院全景を見る 手前は緑化を施した駐車場 来院者をやさしく迎える病院の前庭空間を演出 ■建築・意匠計画■ る空間構成をめざした。インテリアデザインは 「森」をメインテーマに成人とこどもの病院ご 進し、一体的整備による効率化のメリットをい っそう高めた。 事業概要 とに特徴を持たせて展開した。また、多用な 多摩総合医療センター:患者中心の良質な医 本プロジェクトは、東京都が推進する都立病 色彩やグラフィックスを採用し、インテリアと 療を継続的に提供 院再編整備の一環として、都立府中病院の建 一体になったわかりやすい案内・誘導にも配 多摩地区の高度救急医療を担い、都立府中病 替え(多摩総合医療センター)と、 3 つの都立 慮した。 院の医療機能を発展的に継承する基幹病院と 小児病院(清瀬小児病院・八王子小児病院・ 2 病院の一体的整備による医療の質の向上と して、患者中心の 「 迅速な医療 」 の提供をテー 梅が丘病院)の再編整備(小児総合医療セン 施設の効率的な運用 マとした。 ター)を一体的に行う我が国最大級の PFI 事 2つの医療センターそれぞれの医療機能を確 動線の短縮と見通しの良さを重視して T 字型 業である。 保すると共に、周産期医療、キャリーオーバ 平面の中央にスタッフステーションを配した病 豊かな自然環境に抱かれ、緑と自然の光に癒 ー医療、救急医療などの運用面で2病院の連 棟 構 成を採 用。 1 フロア 2 看 護 単 位 のスタッ される「 森の中の病院 」 携を重視し、一体的な施設整備で相互補完と フステーション間をスタッフ廊下で接続し、物 武 蔵 野 台 地 の 緑 豊かな環 境と計 画 地 南 側 の スタッフの連携を通して医療の質的向上と運 品搬送業務の効率化、スタッフ連携の推進を 国分寺崖線の既存樹林を生かし、屋上緑化や 営の効率化をめざした。 図った。 4 床室と 1 床室の明確なゾーニングに バルコニー緑化で建物内各所に自然を取り込 2 つ の 病 院 の 共 用 エントランスにはレストラ 加え、スタッフステーション前に重 症 病 室を むことで、環境に調和し、自然に癒される「 森 ン、カフェ、コンビニなどの利便施設や講堂 集 約して急 性 期 医 療に特 化した病 棟とした。 の中の病院 」をめざした。 西南に開いた高台 を配置した賑わいのある「ホスピタルモール」 また、西側に伸びる病棟ウイングを階段状に の立地に合わせた建物構成で景観の保全を図 を整備した。 診療部門の機能面では、二つの セットバックさせ、災害時にはベッドや車椅子 り、既存の緑豊かなアプローチ路に導かれる 病 院 の 境 界 位 置に設 けたスタッフ専 用 廊 下 で直接避難できる屋外空間を設けて病棟階の 敷地北側の駐車場と車寄せ廻りも既存樹と合 「コモンパス」を挟んで2病院の放射線部門、 わせて全面的に緑化した。 共用部の廊下や待 検査部門、手術部門を対称形に隣設配置し、 小 児 総 合 医 療センター:「こどもと家 族が主 合 の 端 部に極 力 大きな 開 口 部を設 けると共 病院間のスタッフの連携と物品搬送等の業務 役 」 の医療拠点 に、吹抜けのトップライトやハイサイドライト の効率化をめざした。 管理部門、供給部門は 小児精神科病棟をもつ国内有数規模 の小児 からも自然光を取り込んだ明るく開放感のあ さらに病院間の境界をこえて施設共有化を推 医療の拠点となることから、「 こころ 」 と 「 か 40 外観を特徴づけた。