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高千穂町まち・ひと・しごと創生総合戦略 平成 28 年 2 月 宮崎県 高千穂町
高千穂町まち・ひと・しごと創生総合戦略 −世界に誇る地域資源を活かした豊かな町づくり− 平成 28 年 2 月 宮崎県 高千穂町 高千穂町まち・ひと・しごと総合戦略 《目次》 1 高千穂町の目指す地方創生、人口減少に対する考え方 -------------- 1 -------------------------------------------- 3 ------------------------------------------------------ 3 2 総合戦略の位置付け 3 対象期間 4 効果の検証及び戦略の見直し(KPIとPDCAサイクル) 5 宮崎県や近隣市町村との広域連携 -------- 3 -------------------------------- 3 6 まち・ひと・しごと創生に向けた政策5原則の実現 7 基本目標について ---------------- 3 ---------------------------------------------- 5 8 目標達成のために取り組む重点プロジェクト 9 基本目標ごとの方向性、具体的施策 ---------------------- ------------------------------ 10 ① 地域資源を活かした安定した雇用の創出 ② 高千穂の魅力を発信し、ひとを導く 8 ------------------------ 10 ---------------------------- 14 ③ 結婚・出産・子育ての希望が叶う町づくり ---------------------- 17 ④ 高千穂の風土と特色を活かした安心・安全の町づくりと 次代を担う人づくり ------------------------------------------ 20 1 高千穂町の目指す地方創生、人口減少に対する考え方 高千穂町は、古事記や日本書紀の高天原神話や天孫降臨神話の舞台として知られ、 神話を題材とする高千穂神楽などの優れた文化や芸能を長年にわたり継承してきた。 神話・伝説にゆかりの深い神社や高千穂峡に代表される景勝地などの観光資源にも恵 まれ、年間 143 万人(H26 観光統計)もの観光客が訪れる宮崎県内でも代表的な観光 地の一つである。近年では、スピリチュアルスポットやパワースポット巡りなどの新 しい価値観により、神社や神話にゆかりの深い場所にも多くの若者が訪れている。 このように、その名を全国に知られる高千穂町であるが、平成 26 年度の宿泊客は 14.6 万人で観光客全体の 10.3%と、観光の形態は滞在型とはなっておらず、中心商店 街もかつての賑わいを失いつつある。 さらに、この 20 年間で約 4,200 人の人口減少が進み、平成 27 年 10 月 1 日現在の住 基人口は 12,977 人となっている。基幹産業である農業と林業、さらには商工業におい ても後継者の育成が喫緊の課題となっている。 また、本町の平成 20 年∼24 年の合計特殊出生率は 1.9 と宮崎県平均 1.66、全国平 均の 1.38 と比較して高いものの、人口が増える水準には達していない。 本町はこの様な現状にあるが、幸いなことに本町は、地域の努力によって独特の文 化資源を古代から継承してきた豊かな歴史をもっている。高千穂神楽の継承と発展は、 地域の持続性に向けた高千穂町民のエネルギーの源泉となっており、人々の町に対す る誇りを支えている。秋から冬にかけて町内の各集落で行われる神楽は、町外からも 多くの人々を惹きつけている。 この様な特色・独自性と現状に基づき、高千穂町の目指す地方創生は、高千穂の持 つネームバリューを活かし、次のような基本的考え方の下で取り組もうとするもので ある。 高千穂町の持つ地域資源(環境・景観・文化などの観光資源、農業・森林資源など) を活かし、古代から続く歴史を通じて継承された地域力の再活性化を行って、人々が ふるさと高千穂町に生きる喜びを実現することで、いま直面する厳しい少子高齢化、 人口減の時代の諸課題に対して果敢に取り組む。 東九州自動車道の開通によって、本町への県外からの訪問者は着実に増加している。 今後さらに九州中央自動車道が開通すれば、交通インフラの整備が進み、本町の地理 的条件は、九州地方の中核として産業や観光にとって重要な意味を持つ。 観光資源の活用という点では、高千穂町の地域力を充実したものにするために、既 存の豊かな地域資源を高度に活かす取り組みを行う。すなわち、点在する観光地を面 的に捉えた周遊型の観光地づくりを実現し、観光客がより長い時間にわたって滞在で きるような仕組みをつくる。また、年々増加傾向にある外国人にとっても魅力ある地 域づくりを行う。 また、本町の基幹産業は農林業であり、「農林業の活性化なしに町の活性化はない」 1 との視点から、これまでにも様々な支援策を講じ一定の成果を上げてきた。ただ、経 営主の高齢化や後継者不足、農作物の価格不安定等、今後解決すべき課題も多い。 雇用の点では、本町の特色として、豊かな文化や歴史に惹かれて U ターン、I ター ンする人々が増加している。これらの人々は、既にそれぞれの仕事をもっており、そ の仕事を活かすための空間として高千穂町を選ぶ傾向にある。本町としては、地域資 源を活かした新たな仕事の創出とともに、高千穂町を自分の仕事を活かす魅力ある空 間と考えている人々を積極的に支援する仕組みづくりを行う。 また、従来から地域の中核となってきた産業を活性化させ、収益性の改善を図るこ とで、農業人口の定着をめざす。高千穂牛のようにブランド力のある産品については、 「高千穂」のネームバリューによって付加価値を高めるとともに、新たな販路開拓に も取り組む。また、収益性の高い品種の作付けや商品の開発、機械化や農地の集約化、 集落営農、法人化の推進等により省力化・効率化を図ることで収益を向上させていく。 林業についても、地元材の利活用推進に繋がる施策や作業の効率化により収益性を高 めることで、新たな雇用の場を創出する方向で様々な施策を実行する。 一方、少子化の流れに歯止めを掛ける対策としては、各種福祉政策、特に中学生ま での医療費無償化を実現しているが、さらに、結婚・出産・子育ての切れ目無い支援 策を進める。 また、高千穂の将来を担う人材育成についても重要な要素であり、これまでも学校・ 家庭、地域が連携した教育の推進により、コミュニケーション能力が高く、豊かな教 養と人間性を持ち合わせた子どもを育成してきた。高千穂町の子ども達は地域の大人 に限らず、観光客に対しても大きな声で挨拶ができ、その素直な人間性も含めて、高 い評価を得ているところである。子どもたちは、世界農業遺産に認定された自然豊か で質の高い伝統文化が息づく本町の宝であり、その能力をより一層高め、本町をけん 引する人材へと育成する取り組みを更に前進させていきたいと考える。 確かに、本町では、高校卒業後に町外や県外に就職・進学により転出する傾向が特 に強く、人口ピラミッドでも若年層の人口が非常に少ない傾向にあり、子どもを生む 世代流出に伴う少子化も問題となっている。ただ、三田井地区では、商店街の活性化 について商店街と高千穂高校とのコラボレーションがスタートしており、ふるさとの 活性化を願う高校生も増えている。そこで、県外の大学を卒業後、ふるさとに帰りた いと思う若者を受け入れるための雇用の創出を進めてゆく。 高千穂町の中心市街地では、宮崎県との協働により神代川再生事業、町による三田 井、岩戸地区のまちづくり事業など、高千穂町の環境・景観をハード面から改善する 事業が進行中である。そこで、ハード面と並行して、ソフト的な施策を重点的に行う ことで、高千穂町の魅力を高度化することが可能になる。 以上のような点から、今後実施が期待される高千穂町の地方創生事業は、全国のモ デルケースになるものと確信できる。 2 2 総合戦略の位置付け 高千穂町まち・ひと・しごと創生総合戦略(以下「総合戦略」という。)は、国のま ち・ひと・しごと創生法に基づき、高千穂町長期人口ビジョンを踏まえ、高千穂町の 地方創生に向けた目標や施策の基本的方向性をまとめるものである。 この総合戦略は、国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」及び「宮崎県まち・ひ と・しごと総合戦略」を勘案し、第五次高千穂町総合長期計画に基づいて策定するも のであり、町民アンケートの集計結果や「産・官・学・金・労・言」の多様な意見も 踏まえ、策定するものである。 3 対象期間 総合戦略の対象期間は、平成 27 年度から平成 31 年度の 5 年間とする。 4 効果の検証及び戦略の見直し(KPIとPDCA体制の構築) 施策の実施にあたっては、事業実施後にKPIに基づく効果検証を行うとともに、 PDCAの考え方に基づき常に改善を加えることで、より効果的な事業を展開してい く必要がある。 高千穂町では、外部有識者による「高千穂町まち・ひと・しごと創生会議」におい て毎年度、施策の効果検証及び見直しを行う計画である。 KPI=Key Performance Indicator → 政策毎の達成すべき成果目標 PDCA=Plan(計画) Do(実施) Check(評価) Action(改善) 5 宮崎県や近隣市町村との広域連携 総合戦略の推進にあたっては、宮崎県の戦略の中で取り組み可能な施策と連携し、 より効果的な事業としていくだけでなく、同じ課題を共有する近隣市町村とも連携を 深めることで相乗効果を生み出していく。 6 まち・ひと・しごと創生に向けた政策5原則の実現 高千穂町が総合戦略に基づき進めていく施策については、国の「まち・ひと・しご と創生総合戦略」 (以下、 「国総合戦略」という。 )に掲げられている「まち・ひと・し 3 ごと創生」政策5原則を踏まえ、以下の通り取り組んでいく。 (1) 自立性 新たに取り組む施策については、一過性の対症療法的なものにとどまらず、構造的 な問題に対処し、将来的に国や県、町の補助がなくても事業が継続可能な状態を目指 し、これに資するような具体的な工夫や展望が見いだせるものについて実施する。 また、町は事業のスタートアップや実証事業について支援するとともに、施策の推 進のために、地域内外の有用な人材を積極的に確保・育成していく。 (2) 将来性 町総合戦略により取り組む事業については、町民が将来に向け希望を持って住み続 けられる活力あるまちづくりに資するものであり、地域産業の活性化や新たな雇用の 創出、心豊かに暮らせる生活環境づくりが実現可能なものでなければならない。 事業の実施にあたっては、国や県の動向や社会情勢等を見据えながら、常に本町の あるべき将来像を検証しながら進めていく。 (3) 地域性 本町の地域特性としては、県内でも全国的に知名度が高く、多くの観光客が訪れて いることが強みとして挙げられる。この強みを、商業や観光業、農林畜産業の振興へ と結びつけ、安定した雇用の創出や所得の向上に繋げていく。 また、九州の中央部に位置し、宮崎市、熊本市、大分市が車で2時間圏内、福岡市 でも3時間圏内という地理的条件についても、今後見込まれる九州中央自動車道の開 通により、本町の強みとできる可能性も秘めており、将来的な地域優位性まで見据え た事業展開を検討していく。 (4) 直接性 全国的にも言えることであるが、本町の人口減少や少子高齢化の進行は待ったなし の課題である。限られた財源や時間の中で、最大限の成果を上げるため、行政だけで なく産・官・学・金・労・言といった様々な分野がお互いに情報交換又は連携し、効 果的な事業を展開しながら町を牽引する主体になることが望まれる。 場合によっては、民間事業者や各分野の専門家が直接、当事者となって地方創生に 取り組むような仕組みづくりも必要である。 (5) 結果重視 各種施策の実施にあたっては、達成すべき成果目標としてKPIを設定するととも に、PDCAサイクルのもとで事業の効果や進捗状況の検証を行い結果を重視してい く。また、結果を出すことが重要であるという一方、結果を恐れて事業が滞ることの ない様、経過の検証を踏まえ常に課題の現状分析や状況把握に努め、戦略の見直しに ついても柔軟に対応し、その時点に合った最大の効果を生み出すよう務めていく。 4 7 基本目標について 高千穂町まち・ひと・しごと創生総合戦略の基本目標の設定については、国や県の総 合戦略を考慮し、上位の施策を活用しながら、且つ地域特性に合った創意工夫を盛り 込む事業展開により、確かな成果を生み出すことを前提としたものとする。 《参考》 ○国総合戦略における、4つの「基本目標」 【基本目標①】地方における安定した雇用を創出する 【基本目標②】地方への新しい人の流れをつくる 【基本目標③】若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる 【基本目標④】時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るととも に、地域と地域を連携する ○宮崎県総合戦略における、4つの「施策目標」 【施策目標①】しごとを「興す」 【施策目標②】人を「育てる」 【施策目標③】まちを「磨く」 【施策目標④】資源を「呼び込む」 (1) 高千穂町が達成を目指す目標設定の視点 【視点 1】 国総合戦略では、地方に「しごと」と「ひと」の好循環を確立し、それを支える「ま ち」が活性化するイメージを地方創生の理想像として描いている。東京圏では年間約 10 万人の転入超過であり、主に 35 歳以下の若年層が地方から流入している実態が報 告され、国レベルでこの東京圏への「一極集中」の是正に取り組むとしている。 高千穂町では、継続して転出超過による社会減の状況が続いており、高校卒業後の 進学や就職をきっかけとした転出傾向が顕著に見られ、専門学校や大学等を卒業して も地元に戻らないという傾向が強い。戻らない主な要因は、端的に言えば「仕事がな い」或いは「魅力ある仕事がない」ということである。 高千穂町に稼げる「しごと」をつくることは若年層の転出抑制、またUIJターン の推進に繋がり、その結果として生まれてくる子ども達の数が増え、自然減から自然 増への転換を図る上でも最も重要な課題である。 高千穂町は高千穂峡や神社を核とした観光の町でもあり、中山間地域の特徴を活か した農林畜産業の町でもある。豊かな自然や深い歴史、温かみのある人間性などを最 大限に活用した雇用の創出や、九州中央部に位置する地理的優位性、光ケーブルによ るブロードバンド環境などを前面に出した企業誘致等が期待できる。 5 この様な視点から、基本目標の①を「地域資源を活かした安定した雇用の創出」と する。 【視点 2】 国の調査によれば、東京在住者の約4割が将来的に「移住する予定」又は「今後検 討したい」と地方移住に前向きであることが分かっている。一方で、移住に対する不 安・懸念の要素は地方の雇用であるという結果がある。 社会減の傾向が続く本町においては、地元出身者も含めた町外からのUIJターン を推進し人口の減少に歯止めを掛けていかねばならない。そのためには、不安要素と して挙げられる「仕事」や「住宅」を選択できる環境作りやワンストップで情報を得 られる体制づくりが求められる。 また、町の活性化のためには交流人口を増やすことも大切な要素であり、町外から 多くの観光客を呼び込み、町内に外貨を落としてもらう仕掛けの工夫が必要である。 高千穂の魅力をさらに効果的に発信し、高千穂峡や神社だけでなく、市街地にも観光 客を導くまちづくりを含めた、官民一体の取り組みを急がねばならない。 現在、 「高千穂郷・椎葉山地域」として「世界農業遺産」の認定を受け、さらに「ユ ネスコエコパーク」という世界ブランド取得を目指す最中であり、登録に相応しい地 域と認められたことを最大限活用し、新たな魅力を発信できる好機でもある。 2020 年には東京オリンピックが開催されるが、合宿候補地や必勝祈願の聖地など、 神社に伝わる神話も含め、地域資源を有効に活用し誘客に繋げられる可能性もある。 この様な視点から、基本目標の②を「高千穂の魅力を発信し、ひとを導く」とする。 【視点 3】 国総合戦略では、若年世代の結婚・妊娠・出産・子育ての切れ目ない支援や、仕事 と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の確保に取り組むことによって、夫婦が 希望する充実した子育て環境を提供し、夫婦の予定する子ども数の実現割合を引き上 げるとしている。 少子高齢化が進む本町においては、平成 20 年∼24 年の合計特殊出生率が 1.9 と宮 崎県の 1.66、国の 1.38 よりも高い。しかし、社会動態による転入・転出が同程度で安 定している場合に人口が維持される合計特殊出生率、「人口置換水準」の 2.07 には達 しておらず、今後なお一層女性が子どもを生み育てやすい環境の整備が求められる。 また、最近では都会で未婚化・晩婚化が進むことがクローズアップされるが、本町 でも同様の傾向は見られ、出会いの形態や結婚観など、若者の意識が様変わりしてき たこともあり、農業後継者を中心に結婚を支援する組織についても、成婚に結びつく 結果が出しにくい状況が続いている。 結婚や出産については多様な事情や考え方があるが、地域が将来に亘り活力を維持 していくためには、地域内で一組でも多くの成婚が実現し、一人でも多くの子どもが 生まれることが望まれ、それを地域全体で支援する環境づくりが重要となる。 これらの視点から、基本目標の③を「結婚・出産・子育ての希望が叶う町づくり」 6 とする。 【視点 4】 将来に亘って活力ある高千穂町であり続けるためには、ここに住む人達が高千穂町 に誇りや愛着を持ち、安心して住み続けられることが重要である。 高千穂町には古来から「天孫降臨」や「岩戸開き」などの神話や伝説が語り継がれ、 高千穂峡や天安河原、霊験あらたかな神社といった神秘的な資源が数多く残り、多く の町民がそれを誇りに思いながら暮らしている。夜神楽に代表される伝統文化の継承 も高千穂町民の誇りの一つであり、今後もそれらの文化資源や環境を守り続けていく ことが本町の魅力維持のためには必要な要素である。 町内の集落では、昔からの「結い」の精神があり、集落の機能維持のため共同で活 動する場も多い。少子高齢化が進む中にあっても、この繋がりを維持しながら共助の 精神で子育て世帯や高齢者を見守り、さらに住みよい地域づくりに取り組んでいく。 また、将来の高千穂を担う人材育成も必要であり、幼少期から小・中・高と、地元 に誇りを持ち愛する心を育むキャリア教育を連携して行うことにより、一度は町外に 出たとしても将来的には高千穂に戻る、あるいは町外から高千穂の発展に携わるとい った人材を育成することが可能である。 以上の視点から、 「高千穂の風土と特色を生かした町づくり・人づくり」を基本目標 の④とする。 ◎上記4つの視点から、高千穂町の目指す地方創生の基本目標を 【基本目標 1】地域資源を活かした安定した雇用の創出 【基本目標 2】高千穂の魅力を発信し、ひとを導く 【基本目標 3】結婚・出産・子育ての希望が叶う町づくり 【基本目標 4】高千穂の風土と特色を生かした町づくり・人づくり と定め、各施策に取り組んでいくものとする。 ◆主な数値目標(KPI) 指標 数値目標 総人口 2030 年時点で1万人を維持する 合計特殊出生率 2040 年時点で 2.3 を上回る 若年層の人口流出抑制 2040 年時点で 2010 年比 30%抑制 年間出生数 2040 年時点で年間 63 人 年間の移住者数 2040 年時点で年間 50 人 7 8 目標達成のために取り組む重点プロジェクト 設定した目標達成に向けては、次項に定める基本目標毎の具体的施策を効果的に展開す る必要があるが、単独の事業実施では大きな効果を生み出しにくい場合もある。 本町が直面する課題を、より効果的に解決し目標達成に近づけていくためには、施策分 野の垣根を越えた連携の下で事業を推進する体制づくりが求められる。 本町においては次に示す 7 項目を重点プロジェクトと定め、目標達成に向け民間活力を 活用しながら官民一体となって取り組んでいく。 ① 高千穂の誇る観光資源を活かしたまちづくりプロジェクト ▶年間 140 万人を超える観光客を市街地に導くことによる賑わいのある通りの再生、 それに伴う外貨の獲得と雇用の創出を目指す。 ▶既存の観光資源の保存や再整備事業と合わせ、新たな観光資源の発掘や創造によ るニューツーリズム事業の展開により、観光客の増加と雇用の創出を図る。 ▶全国的に増加傾向にある外国人観光客に選ばれる観光地づくりにより、インバウ ンド消費を喚起し、外貨の獲得と雇用の創出を図る。 ② 世界農業遺産を活用した地域活性化・ブランド化プロジェクト ▶「高千穂郷・椎葉山地域」として、世界食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産 に認定された、まさに世界に誇る地域資源や伝統文化を守り続ける活動を推進して いく。 ▶世界農業遺産の認定地域として、県や日之影町、五ヶ瀬町、椎葉村、諸塚村と連 携し、農林畜産物や加工品のブランド化を図り、所得の向上や新たな産業創出を目 指す。 ▶世界農業遺産に認定された地域資源と知名度を活用し、新たな観光資源の発掘や 積極的なグリーンツーリズム事業の展開により、観光客や交流人口の増加を図る。 ▶高千穂ブランドの農畜産物や加工品を活用し「ふるさと納税」による財源を確保 することにより、効果的な地方創生施策を力強く推進していく。 ③ 高千穂らしさ、地域資源を活用した雇用創出プロジェクト ▶町内全域に整備された光ケーブルによる高速通信網や宮崎、熊本、大分まで2時 間、福岡まで3時間圏内という地理的優位性、恵まれた自然環境などを活用した企 業やサテライトオフィス等の誘致に取り組み、雇用を創出する。 ▶高千穂に伝わる神話・伝説、生活や文化を活用した新たなビジネスの創造、空き 家や空き店舗をリノベーションしたニュービジネスの展開により雇用を創出する。 ④「生まれてよかった・住んでよかった高千穂町!」移住・定住推進プロジェクト ▶転出超過による社会減の状況を改善するため、空き家の確保や紹介事業、お試し 8 移住事業等の展開によりUIJターン者の増加を目指す。 ▶高千穂の自然環境や文化資源、人の素晴らしさを町内外に積極的にアピールし、 移住や定住の促進に繋げていく。 ▶今の若者のニーズに合った結婚支援対策の充実、自然な出会いを創出するイベン トの開催により結婚へと導き、移住・定住の促進と出生率の増加に繋げていく。 ⑤ 子育てしやすさ「宮崎一番」プロジェクト ▶中学生までの医療費無償化や町独自の保育料負担軽減制度、子育て支援金制度な ど、高千穂町の経済的な子育て支援施策を積極的にPRしていく。 ▶0 歳から受け入れ可能な保育環境の充実、病児・病後児を預けられる施設の整備、 子育て支援センターの機能拡充、宮崎子育てサポーター制度の普及等により、保育 環境の優位性を高めていく。 ▶乳幼児健診、各種予防接種事業のお知らせや一部助成制度、妊婦健診費用の助成 等、子育て世帯を支援する取り組みを積極的にアピールしていく。また、平成 28 年度までに不妊治療の助成制度を創設する。 ⑥ 未来を担う「高千穂人」育成プロジェクト ▶家庭、地域、学校の連携、また幼保園から小・中・高の連携により、豊かな人間 性と高い教養を持ち合わせ、高千穂町の将来を担う人材育成に取り組んでいく。 ▶就職や起業に有利となる研修参加や資格取得支援制度の創設により、人材として のスキルアップや雇用の創出、所得の向上を図っていく。 ⑦「みんながいきいき! 心豊かに!」自慢のふるさとづくりプロジェクト ▶高齢化や過疎化が進む中にあっても、個人や地域がいきいきと輝き続けられるよ う、地域の繋がり「結い」の力を高める取り組みを強化していく。 ▶救急医療を含めた医療提供体制の充実、医療従事者の育成・確保対策により、町 民の医療に対する満足度を高めていく。 ▶町コミュニティーバス「ふれあいバス」の利便性向上や、町外からのアクセスに 便利な交通システムの検討により、公共交通機関に対する満足度を高めていく。 ▶町民の利便性向上に加え、雇用の場となる企業誘致、更なる観光入込み客の増加、 通勤可能圏内都市のベッドタウンとしての移住促進等に対する大きな効果も期待 されることから、延岡∼熊本間で整備が進む「九州中央自動車道」の早期完成に向 けた取り組みを一層強化していく。 9 9 基本目標ごとの方向性、具体的施策 【基本目標①】地域資源を活かした安定した雇用の創出 《基本的方向①》 ○高千穂町の強みを活かした収益性の高い儲かる農林畜産業への転換 新たな雇用や安定した就労を確保するためには、町の基幹産業である農林畜産業を活 性化させる必要があるが、労働に対する所得率の低さや、自然条件・市場相場の変動に より所得が安定しないこと等が要因となり、中核農家と位置付けられる担い手の離農や 後継者不足が課題となっている。 農林畜産業が魅力ある産業として若者に選ばれるためには、「稼げる仕事」でなけれ ばならない。そのために、観光地「高千穂」のネームバリューや世界農業遺産という世 界ブランドの認定地という付加価値、あるいは高冷地という自然条件を活かしたブラン ド化、新たな販路開拓、新品種の導入により販売価格を向上させる施策に加え、集落営 農や法人化など効率的な農業経営への転換を図ることが重要である。 観光地である本町では、観光客が立ち寄る道の駅や、がまだせ市場での直売も収益に 繋がる販売ルートとして欠かせない。農産品を活用した加工品の商品開発等、6次産業 化の推進や他産業との連携についても施策の強化を進めていく。 新規就農対策としては、農業体験により農業の魅力を知る機会の創出や高校、大学と 連携した就農のきっかけづくりに取り組むと共に、実際に就農した場合には国の制度を 活用しながら自立に向けた支援を行っていく。 また、最近では田舎暮らしを志す若者も増加傾向にある。町内でも今後増えることが 予想される有休農地の利活用推進も視野に、町外出身者によるIターン就農を支援する 施策の充実を急ぐ必要があり、農地や住宅を紹介・斡旋するなど、相談窓口の設置を含 めた支援体制の整備に取り組んでいく。 〔具体的施策と事業〕 ① 農畜産業の生産性及び収益性の向上 (ア) 世界農業遺産認定地域としての積極的PRと地場産品のブランド化 (イ) ふるさと納税推進による農産物の販路拡大 (ウ) アンテナショップ設置による農産物や加工品の販売 (エ) ネット社会に対応した新たな販路開拓 (オ) 収益性の高い新規作物の導入(冬場の収益確保品種等) (カ) 道の駅やがまだせ市場での販売強化及び他産業との連携強化 (キ) 農業機械の導入助成による効率化推進 (ク) 作業受託組織の充実や集落営農、法人化の推進 (ケ) キャトルステーションなど畜産業支援環境の充実 10 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 農畜産物生産額(町独自集計値H26) 4,658 百万円 → 4,750 百万円 農業経営体数(農林業センサス) 1,084 → 1,084(現状維持) 新たな販路開拓件数 5年間で5件 町内母牛飼養頭数 3,248 頭 → 3,183 頭(2%減で維持) ② 新規就農対策の強化 (ア) 若者のIターン就農を支援する組織の立ち上げ (イ) 農家民泊や農業体験による農業魅力発見プログラムの実施 (ウ) 耕作放棄地の貸付制度創設 (エ) 高校や大学等と連携した就農支援制度の創設 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 5 年間で 5 人 新規就農者数 ③ 6次産業化の推進 (ア) 農産品を活用した新商品開発、販路開拓、起業支援 (イ) 名物を生み出す6次産業化コーディネーターの誘致、人材育成 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 6次産業化による新商品開発数 目標値(H27→H31) 5 年間で 20 品目 ④ 林業の収益性改善と担い手の育成 (ア) 木材による新商品開発やブランド化による高付加価値化 (イ) 神々の里で育ったご神木としての苗販売や造林 (ウ) 機械化推進による作業軽減、収益性の向上 (エ) 林業体験や林業の技能講習機会の創出 (オ) 循環型林業の促進 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 林業経営体数(農林業センサス) 174 → 174(現状維持) 素材生産量(町独自集計値) 63 千立方㍍ → 66 千立方㍍ 11 《基本的方向②》 ○市街地の賑わいづくりと活性化による雇用創出 高千穂町は県内でも有数の観光地として知られ、年間 143 万人(H26 観光統計)が 訪れているが、高千穂峡や神社以外に人が流れず、市街地の賑わいや地元商店の売り上 げに繋がっていない。 現在の通りを、観光客が歩きたくなる魅力ある通りに再生し、駐車場の整備や歩かせ る仕掛けづくりに総合的に取り組むことで市街地に賑わいを取り戻す必要がある。多く の観光客が市街地に流れることで既存商店が活性化し、空き店舗のリノベーションによ り経済を拡大し、新たな雇用を生み出すという好循環を創り出していく。 〔具体的施策と事業〕 ① 観光客が歩いて楽しめる通りの創造 (ア) 景観条例制定による「神々のまち」に相応しい統一感のある町並みづくり (イ) ポケットパークやトイレ設置による観光客に配慮した通りの創造 (ウ) 軽トラ市など定期的なイベント開催による賑わいづくり (エ) 駐車場との連動、通りでのスタンプラリー特典など、歩かせる仕組みの創設 (オ) Wi−Fi などの通信環境を活用した、歩いて楽しめる仕掛けづくり ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 市街地での新規開業店舗数 5年間で3店舗 市街地イベントでの集客数 5年間で 25,000 人増 《基本的方向③》 ○企業やサテライトオフィス等の誘致推進 高千穂町はいわゆる中山間地域に位置しており、工業団地等の大規模な敷地の確保が 難しいことに加え、現時点では高速道路も未整備のため物流面での効率性が低く、大企 業の誘致は容易なことではない。 しかし、九州中央自動車道の開通を視野に入れれば、本町は九州の中央部に位置して おり、宮崎市や熊本市、大分市は2時間圏内、さらには福岡市まで含め全て3時間圏内 となり、産業によっては地理的優位性を見いだせる可能性がある また、本町には町内全域に光ケーブルによる高速通信網が整備されており、ネット環 境を活用したサテライトオフィス等の誘致も期待できる。 ITを活用したサテライトオフィス等の誘致は、市街地の空き店舗対策とも繋がりが 深く、また移住に結びつく可能性も高い。 企業誘致については、大規模な造成地がなくても豊かな自然環境の中で受入れ可能な 業態もあることから、様々な可能性を探りながら誘致推進に取り組む。 12 〔具体的施策と事業〕 ① 雇用の場となる企業の誘致 (ア) 光ケーブル網や地理的条件などの優位性をアピールした誘致推進 (イ) コワーキングスペースの魅力発信と利活用推進 (ウ) 空き店舗等を活用したサテライトオフィス等の誘致と支援 (エ) 可能な範囲での敷地造成と企業への働き掛けの強化 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 新規企業立地件数 目標値(H27→H31) 5年間で1企業 新規オフィス開設数(個人事業者含む) 5年間で5件 《基本的方向④》 ○起業しやすい環境づくり 若者が町外に転出する理由として、地域に「魅力ある仕事がない」ことが挙げられる が、地域の観光資源や空き店舗を活用し、専門知識や技術等を生かして起業し活躍して いる若者もおり、起業あるいは創業しやすい環境づくりや支援策の充実により、若者の 定住、移住者の受入れ促進に繋がるものと考えられる。 また、本町では平成 27 年度から中心市街地の空き店舗にコワーキングスペースを置 き、U ターンしたプログラマーが入居し新たな雇用を創出するなど、一定の効果を上げ ている。今後も町内にインキュベーション機能を持った環境を創設し、起業を目指す若 者達をターゲットに勉強会や情報交換の場を設け、起業へと結びつけていく。 市街地の空き店舗を活用した起業については、まちづくりや観光誘客についても関連 が深く、移住促進にも繋がるため、官民一体となり支援策を講じていく。 〔具体的施策と事業〕 ① 新規起業に繋がる環境づくりや専門知識を持った人材の招聘 (ア)市街地でのインキュベーション機能の整備 (イ)アーティストやクリエーターを招聘した事業展開支援 (ウ)空き店舗や空き家を活用する際の家賃支援制度の創設 (エ)金融機関と連携した低利融資制度の検討 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 新規起業者数 5年間で5人 外部有識者を招聘した事業展開数 5年間 2 事業 空き店舗を活用した開業数 5年間で3店舗 13 【基本目標②】高千穂の魅力を発信し、ひとを導く 《基本的方向①》 ○高千穂町への移住の促進 本町では昭和の時代から継続して転出超過の状況が続き、平成 26 年度では 88 人の社 会減となっている。一方、豊かな自然環境や神秘性、町民の穏やかな人間性など高千穂 の魅力を知り、空き屋を紹介する事業の推進も功を奏し、近年では町外からの移住者も 増えつつある。 内閣官房の調査によれば、東京都在住者の約4割が「移住する予定」又は「今後検討 したい」としている。東京圏に限らず、最近では「田舎で暮らしたい」という若者も増 えているが、移住に対する不安・懸念の第一は地方の雇用であるという調査結果もあり、 この課題を解決することが移住の推進には欠かせない。仕事と住宅に関する情報提供を 積極的に行うことで移住者を増やし、社会減に歯止めを掛けていく。 〔具体的施策と事業〕 ① 高千穂の魅力を広くPRする施策の強化 (ア)県と連携した都市部をターゲットとした移住先としてのPR強化 (イ)メディアやネット環境を使った情報発信の強化 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 新たな情報発信施策の実施数 目標値(H27→H31) 5年間で2事業 ② 移住先・定住先として選ばれるための環境整備 (ア)空き屋を含めた移住者向け住宅の確保・整備 (イ)Iターン就農支援制度と連携した就農環境の整備 (ウ)道路や公共交通機関など交通インフラの整備充実 (エ)移住者の住宅新築に対する助成や減税制度の創設検討 (オ)老後に暮らしたい町として選ばれる環境の整備検討 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 空き屋紹介によるマッチング数 5年間で 10 世帯 転入者数(住基人口) 391 人 → 400 人 14 《基本的方向②》 ○何度も訪れたくなる魅力ある滞在型の観光地づくり 本町には年間 143 万人(H26 観光統計)が訪れているが、宿泊客は 14.6 万人で全体 の 10.3%と、通過型の観光が主流となっている。 観光地としての活力維持の為には、さらなる誘客推進策を実行し観光客に外貨を落 としてもらう工夫が必要であり、高千穂峡をはじめとする観光資源の維持や新たな観 光拠点の整備により魅力を高め、進化していかなければならない。 本町は熊本県及び大分県との県境に位置しており、年間 2,000 万人を超える阿蘇く じゅう地域の観光客を取り込める可能性があるため、魅力的な観光地づくりと連動し ながら広域的な連携をなお一層強めていく。 また、国の統計によると訪日外国人旅行者(インバウンド)は 2014 年に 1,341 万人 であり 2020 年には 2,000 万人を目標に据えている。高千穂町においてもインバウンド は目に見えて増加傾向にあり、インバウンド消費を喚起する環境整備を進め、国内外 に選ばれる観光地づくりを目指す。 〔具体的施策と事業〕 ① 豊かな自然や神話・伝説が残る神々の町としてのPR強化 (ア) メディアの有効活用による情報発信の強化 (イ) 海外を見据えたPR強化と受け入れ環境の整備促進 (ウ) 高千穂の営業マンとなる人材の育成又は誘致 (エ) 阿蘇くじゅう観光圏での広域的な誘客対策の強化 (オ) 外国人観光客によるインバウンド消費を喚起する仕掛けづくり ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 メディアによる取材件数 目標値(H27→H31) 年間 54 件→65 件 (企画観光課独自調査 H26) ② 新たな観光資源の掘り起こしと誘客の強化 (ア)高千穂峡の一極集中解消に繋がる、新たな観光資源(施設)の掘り起こしとPR (イ)縁結びや子宝の御利益を前面に出したPRや、歴史・神話に詳しい女性(例えば 歴女)をターゲットとした誘客の推進 (ウ)祖母傾山系のユネスコエコパーク登録申請と連動した登山客の誘致 (エ)中心市街地活性化事業と連動した「観光客が歩きたくなるまちづくり」の推進 (オ)外国人観光客に対応した受入れ環境の整備 (カ)教育旅行で訪れてもらうための環境整備 (キ)観光及び情報発信の拠点となる施設の整備 (ク)観光業でチャレンジ精神を持つ新規担い手の起業支援 (ケ)特区制度を活用した商品開発や魅力ある観光拠点整備 15 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 高千穂町の年間観光客数 1,429 千人 → 2,000 千人 県外からの観光客数 1,246 千人 → 1,744 千人 観光客による消費額 4,140 百万円 → 4,968 百万円 (参考)H26 観光統計を基準とする ③ 宿泊を伴う滞在型観光への転換 (ア)宿泊施設や飲食店等が連携した、宿泊に結びつく集客イベントの実施 (イ)高千穂峡や神社等で夜の観光資源として活用できる仕掛けづくり (ウ)宿泊施設のおもてなしサービス向上による泊まりたい宿づくり ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 高千穂町の年間宿泊者数 目標値(H27→H31) 147 千人 → 200 千人 (参考)H26 観光統計を基準とする 《基本的方向③》 ○スポーツ振興と関連した誘客事業の推進 宮崎県総合戦略では、2019 年ラグビーワールドカップの日本開催、オリンピック・ パラリンピック東京大会等を見据えた国内外の代表チームの合宿やスポーツ大会誘致 など「スポーツランドみやざき」の充実を推進するとしている。 本町にも総合公園や全面芝生敷の第2グラウンドがあり、温泉施設等も活用し代表チ ームの合宿、スポーツ大会等の誘致が可能である。 また、町内の神社では勝負に勝つこと、いわゆる必勝祈願に御利益がある場所もあり、 その御利益を活用した新たな仕掛けにより誘客に繋げていく。 〔具体的施策と事業〕 ① 合宿やスポーツ大会の誘致、神社の御利益を活用した誘客推進 (ア) 国際大会参加チームの合宿誘致 (イ) スポーツの盛り上がりを契機としたスポーツ大会の誘致 (ウ) 神社等の「必勝祈願」の御利益を前面に出したPRの推進 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 誘致した合宿、スポーツ大会数 目標値(H27→H31) 5年間で 10 事例 16 【基本目標③】結婚・出産・子育ての希望が叶う町づくり 《基本的方向①》 ○若い世代の結婚の希望を叶える取り組みの強化 国総合戦略によれば、全国独身男女の約9割は結婚意思を持ち、希望子ども数も2人 以上である一方、未婚率は上昇し、夫婦の子ども数は長期的に減少傾向にあるなど、結 婚・妊娠・出産・子育ての希望は叶っていないという現状にある。 本町で実施したアンケート調査によれば、独身男女の約 68%が結婚の意思を持って いるが、本町においても未婚化や晩婚化が進む状況にある。 将来に亘り町の活力を維持していくためには、少子化の流れを食い止める必要があり、 その実現のためにはまず若い世代の結婚を促進する必要がある。 時代の流れとともに、結婚に対する意識も変化してきており、今のニーズに合った出 会いの場を創出するなど、結婚希望の実現を町全体で応援していく。 〔具体的施策と事業〕 ① 男女の出会いの機会を創出する事業の拡充・強化 (ア) 結婚希望者に対する情報支援や研修会の開催 (イ) 自然な出会いへと導く婚活イベントの開催 (ウ) 町外からの婚活ツアー企画の実施 (エ) ブライダル産業と連携した婚活イベント企画の実施 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 婚活イベント参加人数 5年間で 100 人 新たな婚活イベントの企画件数 5年間で5件 イベントを契機とした成婚件数 5年間で5件 《基本的方向②》 ○子どもを持ちたい家庭に対する支援拡充 少子化を食い止める視点では、女性が安心して子どもを生み育てていく環境の整備が 特に重要なポイントとなる。また、その様な環境整備は「子どもを生み育てやすい町」 として移住者を呼び込む力ともなる。 本町には常設の産科医がないことが継続的な課題となっているが、平成 25 年度より 週2回、町外の医師に依頼して診療所を開設し、妊婦健診等の利便性を高めている。今 後もニーズに対してできる限りの対策を講じていく。 また、子どもを持ちたくても妊娠・出産に結びつかない家庭もあり、出産の希望を叶 えるため、不妊治療の助成制度を創設するなど、効果的に支援していく。 17 〔具体的施策と事業〕 ① 安心して出産できる環境の整備や出産支援策の拡充 (ア)不妊治療支援制度の創設(平成 28 年度に実施) (イ) 出産奨励金の拡充 (ウ)町内で出産できる医療体制の構築(産科医の開業支援) ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 年間出生数(住基人口) 目標値(H27→H31) 5年間で 435 人 (H26 年度 79 人) ② 里親制度の啓発強化による子どもを育てる機会の創出 (ア)里親制度の理解を深める啓発事業の推進 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 年間の里親成立件数 目標値(H27→H31) 5年間で 2 件 《基本的方向③》 ○子育て支援の充実 今求められる子育て支援は家庭環境によって様々である。国総合戦略においても、結 婚・妊娠・出産・子育ての切れ目ない支援により少子化に歯止めを掛けていくとしてい るが、子育てや教育に掛かる費用負担の軽減や多子世帯への支援、働きながら子育てし やすい環境の整備が求められている。 また、児童公園の充実や子育てについて相談、情報交換ができる場所の整備・拡充に 取り組み「子育てしやすい町高千穂町」の定着化と情報発信を進める。 〔具体的施策と事業〕 ① 子育ての経済的負担軽減策の拡充 (ア) 中学生までの医療費無償化(H27 より先行実施) (イ) 子育て支援金など、多子世帯を支援する奨励金制度の拡充 (ウ) 保育園等の負担軽減制度の拡充 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 中学生までの子を持つ親の医療費 5年間で 20%向上 助成制度に対する満足度 18 ② 子育てしやすい環境の整備・充実 (ア) 病児・病後児を預けられる施設の整備 (イ) 0歳児から預けられる施設の整備・拡充 (ウ) 県のファミリーサポーター制度啓発とサポーターの新規登録支援 (エ) 大人の目が行き届き、町外からも来たくなる大規模な公園や遊具施設等の整備 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 待機児童数 0人 → 0人を維持 病児・病後児の施設利用者数 0人 → 年間延べ 50 人 みやざき子育てサポート会員数 0人 → 5年間で 20 人登録 《基本的方向④》 ○ワーク・ライフ・バランスの実現可能なまちづくり 特に共働き世帯にとって、仕事と子育ての両立は、休暇を取りやすい職場環境や子ど もを安心して預けられる施設、近隣に住む親族等のサポートがなければ継続していくこ とが困難である。 また、出産や子育てのために休業する機会に、そのまま離職を余儀なくされるケース もあり、そのことが妊娠・出産の妨げになる場合もある。 男性・女性に限らず、職場で子育てや介護のために必要な休暇が取りやすい環境づく りを進め、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現を目指す。 〔具体的施策と事業〕 ① 仕事と家庭の調和が図られ女性が継続して就業可能なまちづくり (ア) 仕事をしながら、家庭での役割分担を協力的に行う意識付け(男女共同参画)の 推進 (イ) 女性が活躍できる地域や職場づくりの推進 (ウ) ワーク・ライフ・バランスに関する企業等の意識醸成と就労環境の整備 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 「仕事と家庭の両立応援宣言」を 4事業所 行う事業所数 高千穂町男女共同参画基本計画 策定完了 高千穂町女性活躍推進基本計画 策定完了 19 【基本目標④】高千穂の風土と特色を活かした安心・安全の町づくりと次代を担う 人づくり 《基本的方向①》 ○健やかに暮らし続けられる安全・安心な支え合いのまちづくり 救急医療を含めた医療環境の充実や災害に強い環境整備は、住民の安心・安全な暮ら しを支える条件として重点を置かなければならない。 救急業務については、平成 27 年度から日之影町、五ヶ瀬町と共に西臼杵広域行政事 務組合による消防署を開署し、専門的な知識や技術を持った職員配置により住民の救急 要請に応えることが可能となった。また、災害発生に備えた行政、消防団、消防署、防 災士等の連携や公民館組織等による備えについてもさらに充実を図る。 医療環境については、町立病院を核に地域医療の充実に努めているが、常勤の専門医 不足が課題でもある。安心なまちづくりのため、常勤の専門医確保や県立病院等の高次 救急に対応可能な医療機関との連携を強化していく。 本町は、県内でも高血糖で糖尿病罹患のリスクが高い傾向にある。病気を予防し健康 寿命を延ばすことは各個人のQOL(生活の質)の向上に繋がる。高血糖の予防対策と 合わせ、低糖質を使った料理の考案とそれを提供する店舗展開により、町民の健康意識 醸成と健康に配慮した町のイメージづくりに繋げていく。 また、年々高齢化が進む中、老いても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられ る地域包括ケアシステムの構築を進めるとともに、障がいを持つ人や生活の支援が必要 な人達も、地域で支え合いながらいきいきと暮らせるまちづくりを進める。 〔具体的施策と事業〕 ① 住民ニーズに応える医療環境の充実 (ア) 町立病院の専門医確保に向けた継続的な取り組み (イ) 近隣自治体との医療連携の強化 (ウ) 二次救急に対応する医療機関との連携強化 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 高千穂町立病院の常勤医師数 10 人 → 12 人 本町出身の常勤医師数 1人 → 2人 町外の非常勤医師(連携)数 36 人 → 38 人 ② 高血糖傾向の改善によるQOLの向上 (ア) 特定健診の受診率向上に向けた取り組み強化 (イ) 糖尿病リスク者に対する予防事業の強化 (ウ) 食生活の改善指導など糖尿病予防啓発の強化 20 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 特定健診の受診率 51.1% → 65% 人工透析者の糖尿病性腎症割合 50%(H26) → 45% 糖尿病の合併症により透析に至る 患者数 年間 4 人(H26)→ 2 人 ③ 災害に強いまちづくりの推進 (ア) 防災行政無線のデジタル化、防災マップの更新 (イ)要援護者の確実な避難に結びつくシステムの活用と地域連携 (ウ) 常備消防署との連携強化 (エ) 防災士の資格取得推進とネットワークの強化 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 防災マップの整備 最新のデータに見直し完了 消防署、消防団との合同演習 年 2 回開催 防災士の育成 ネットワーク会員 20 人 → 30 人 要援護者支援システム登録人数 226 人 → 237 人 ④ 住民に優しい福祉のまちづくり (ア) 老いても地域で住み続けられる地域の支え合い体制づくり (イ) 地域包括ケアシステムの充実 (ウ) 障がいがあっても就職などの積極的社会参加ができ、それを全体で支え合えるま ちづくり (エ) 社会的・経済的に支援が必要な人達を支える助け合いのまちづくり ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 高齢者見守りモデル地区の指定 5地区増 (H26 時点 16 地区) 地域支え合いに関する研修会開催 年1回 《基本的方向②》 ○教育環境の充実による人材育成 ふるさとを愛し、将来の高千穂町を担う人材を育成するためには、幼少期を含め充実 した教育環境の中で学ばせ、子ども達を地域全体で育むことが重要である。 21 本町の特色として、高校卒業後に就職や進学で町外あるいは県外に転出する傾向が強 いが、高千穂高校生の約 6.5%は高校あるいは大学卒業後の進路について「生まれ育っ た高千穂町に貢献するため地元で就職したい」と回答しており、43.8%は「分からない」 「まだ決めていない」としている。 高千穂町に定住するためには、町内で仕事に就くか通勤可能な近隣地域に就職する形 態が考えられるが、町内在住者の中には、いったん都市部などに出た後、高千穂の良さ に改めて気付きUターンした若者も多い。また、就職により長年都市部で生活した後、 退職後にUターンするケースも見られる。 高千穂に住む、あるいは帰って来る理由の中には、住民同士の繋がりやそこに残る自 然や文化など人それぞれに「誇りに思う何か」があり、高千穂の人々はそれを幼少期か ら学び、ふるさとを愛する心を育んできた。 「高千穂で暮らす」ということは、雇用の問題と密接に関連するが、幼少期の幼稚園 や保育園、小学校、中学校、高校まで一貫し、これまで以上に学校等や家庭、地域の全 体で郷土愛を醸成する教育の充実を図っていく必要がある。 また、現在高千穂高等学校は全校生徒 365 人であり、この 20 年前と比較し生徒数が 約 600 人減少している。少子化の影響はもちろんであるが、町内の中学校を卒業後、郡 外の高校に進学する生徒も年々増えているという実情もある。 生徒数の減少は町の活気が失われるだけでなく、将来的に通学先の地域で就職するき っかけともなり、社会減の一つの要因ともなる。 逆に例えば全国レベルで好成績を残す剣道部は、町外・県外から入学者を集める魅力 の一つとなっている。 今後、高千穂高校に仕事に結びつきやすい魅力ある学科の新設や、高千穂の環境を生 かした専修学校等の新設を検討し、人材育成と合わせて定住人口の増加を図っていく。 〔具体的施策と事業〕 ① 高千穂の担い手を育成する教育環境の充実 (ア) 幼稚園・保育園から小・中学校までのキャリア教育に関する連携強化 (イ) ふるさとへの誇りと愛着を育み、将来の高千穂町を担う人材育成に繋がる教育の 充実 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 幼稚園・保育園∼中学校までの連 新たな連携プログラムの構築完了 携強化プログラムの構築 将来地元での就職を希望する高千 6.5% → 10% 穂高校生の割合 ② 地元で学び続けられる教育環境の整備 (ア)魅力ある学科の設置など郡外から学生を呼び込める高千穂高校づくりへの支援 22 (イ)就職に直結する資格取得も可能な専門学校等の新設検討 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 高千穂高校全校生徒数 目標値(H27→H31) 365 人 → 365 人(現状維持) 《基本的方向③》 ○豊かな人間性を育むまちづくりの推進 生涯学習を推進する環境づくりとして、誰もが利用しやすい図書館の整備や、生涯学 習の拠点となる文化センターの設置などが求められている。また、新たな趣味を持つき っかけとなったり自己研鑽につながる各種講座の実施等により、豊かな人間性や高い教 養を持つ人づくりを推進していく。 〔具体的施策と事業〕 ① 生涯学習の拠点となる施設の整備・拡充と学習プログラムの充実 (ア) 生涯学習講座等の充実したプログラムの計画・実施 (イ) 子どもから大人まで、多くの人達が交流できる町立図書館の再整備検討 (ウ) 高千穂の文化発信、社会教育の拠点となる文化センターの新設検討 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 公民館講座への参加者数 331 人 → 350 人 公民館講座のプログラム数 12 講座 → 13 講座 《基本的方向④》 ○伝統文化継承や歴史資源保存による地域振興 高千穂町には国指定重要無形民俗文化財として「高千穂の夜神楽」があり、現在でも 町内 19 集落で夜神楽が伝承され、祭りの維持・継承が地域の繋がりを深める大きな力 となっている。 「高千穂の夜神楽」は、将来的にユネスコの世界無形文化遺産登録を目 指しており、世界ブランドとして認められることで町民の継承に対する意識も高まり、 町民あるいは町出身者の大きな「誇り」となることは間違いない。 また、地域内で伝承される棒術や楽踊り、高千穂を代表する民謡「刈干切唄」や食文 化など、高千穂の資源として残すべき文化の継承も高千穂町民の「誇り」であり、世代 を超えた交流を生むきっかけともなっている。 地域に伝わる様々な文化に加え、神話や史跡も高千穂の神秘的なイメージを創り出す 貴重な資源であり、観光の振興と関連も深いことからその保存に取り組んでいく。 23 〔具体的施策と事業〕 ① 地域の文化を守り継承する活動を通した地域振興 (ア) 神楽や棒術などに代表される伝統芸能継承事業の展開 (イ) 地域に残る食文化や生活習慣など、地域の暮らしの再認識と継承 (ウ) 地元学の推進等による地域資源の掘り起こしと魅力の再発見 (エ) ユネスコ世界無形文化遺産登録に向けた取り組みの推進 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 町指定無形文化財の保存会数 (町補助金対象) 保存会で活動する児童・生徒数 目標値(H27→H31) 30 団体 → 30 団体(現状維持) 25 人 → 30 人 《基本的方向⑤》 ○地域の繋がりを維持し暮らしやすい地域づくり 町内には 56 の自治公民館組織があるが、地域によっては急速に過疎化が進み、いわ ゆる限界集落といわれる集落、あるいは近い将来にその様な状況になる集落も見られる。 将来的に地域コミュニティを維持し、活力ある地域として存続させていくため、公民 館組織の再編についても検討すべき課題の一つと位置付け、行政と自治公民館組織が連 携した元気な地域づくりに取り組んでいく。 〔具体的施策と事業〕 ① 公民館組織再編の研究と地域活力の維持 (ア) 一定規模の人口を維持し、地域活力を維持できる公民館組織の再編検討 (イ) 行政と公民館組織が一体となった総合的な地域づくりの推進 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 公民館組織再編に関する検討会 年 1 回開催 地域づくりに関する研修会開催 年 1 回開催 《基本的方向⑥》 ○利便性のある快適なまちづくりの推進 中山間地域に位置する本町では、域内移動は自家用車の依存度が高く、町営コミュニ ティーバス「ふれあいバス」や2社のタクシー事業が、交通弱者を支える住民の足とな っている。 「ふれあいバス」の利便性向上は、近年特に交通事故が増加傾向にある高齢 24 者の運転免許証自主返納を促進することにも繋がり、安全・安心の確保にも効果が高い。 町外とのアクセスについては、熊本方面あるいは延岡方面からの路線バスに加え、福 岡市と延岡市を結ぶ高速バス「ごかせ号」がある。 平成 17 年 9 月の豪雨により、観光及び生活の足として活躍したTR高千穂鉄道が被 災し、平成 20 年 12 月に廃線となったことで、域内の利便性は大きく損なわれた。 今後、観光面でのアクセス向上や生活路線として、さらに利便性の高いバス路線や新 たな交通システムの構築を検討していく。 一方、道路の整備については、町内を走る国道、県道、町道、広域農道などについて、 地域住民の安全で快適な生活維持のため、なお一層整備を進めていく。 早期開通が期待される九州中央自動車道については、延岡∼北方蔵田間の平成 27 年 4 月の開通により時間短縮が図られ、現在国道 218 号線高千穂日之影道路の工事が急ピ ッチで進められている。熊本県側においても御船∼矢部間の工事が進み、残る区間の着 工が切望される。 高速道路は、住民の利便性向上だけでなく、観光客の入り込み増加、物流の効率アッ プなど、企業誘致による雇用創出等との関連が深く、早期開通に向けた働きかけを一層 強め、早期開通の実現を目指していく。 〔具体的施策と事業〕 ① 公共交通機関の利便性改善 (ア) 町内でのバスやタクシーのあり方を工夫し、利便性を高める事業展開 (イ) 町外からのアクセスを改善する方策の立案 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) ふれあいバスの利用者数 69,754 人 → 70,000 人 高齢者の運転免許証自主返納件数 年間 55 件 → 60 件 町外からのアクセス改善事例件数 5 年間で 1 事例 ② 高規格道路の整備促進 (ア) 県内外で開催される期成同盟会等への積極的参加 (イ) 近隣自治体と連携した国や県、関係機関に対する要望活動の強化 ◎重要業績評価指標(KPI) 指標 目標値(H27→H31) 期成同盟会等への参加人数 118 人 → 130 人 提言活動、促進大会等開催回数 9 回 → 10 回 九州中央道の共用開始進捗率 15.76% →36.30% 25