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2016 年度 世 界 史
2016 年度 世 界 史 ■ 大学・学部(日程):筑波大学(前期) ■ 出題構成(時間/配点):120 分/比較文化,社会 400 点,人文,国際総合 300 点,日本語・日本 文化,教育,心理,障害科,生物資源,知識情報・図書館 200 点 大問 形 式 Ⅰ 論述(400 字) II III IV 論述(400 字) 論述(400 字) 論述(400 字) 分野・内容 等 アレクサンドロス大王の帝国の分裂後からイスラーム勢力台頭 までの西アジアの歴史と文化 明・清の海上貿易管理体制とそれに対する国家・集団の動向 中世ヨーロッパにおける教皇権の拡大と衰退 19 世紀末~20 世紀前半の朝鮮半島をめぐる歴史 難易度 標準 標準 標準 標準 ※難易度は筑波大受験生を母集団とする基準で判定しています。 ■ 出題傾向 ・例年,大問4題の構成で,各大問 400 字の論述問題である。 ・ほとんどの場合,指定語句が各問5つずつ提示されている。 ・一定の期間の中で歴史的経緯を説明させる問題が多い。 ・明~清代の中国や中世~近代のヨーロッパが頻出であり,中国史は年度によっては2題出題される こともある。古代オリエント史・古代地中海世界からの出題も多い(古代オリエント史に関する大 論述の出題は他大学ではあまり見られない)。 ■ 2016 年度入試の特記事項 ・4題とも概ね教科書レベルを逸脱しない内容であったが,持っている知識をつなぎ合わせて長い時 代について論じなければならず,完成度の高い答案を書き上げるにはかなりの練習を積み重ねてお く必要がある。 ・Ⅰでは古代の西アジアについて問われた。「歴史」は基本的な知識で解答できるが,「文化」につ いてはやや詳細な知識が必要である。指定語句「アラム文字」の使い方に苦戦した受験生は多かっ ただろう。長い時代を論述する中で,各時代の特徴とつながりを的確に捉える力が求められた。 ・Ⅱはオーソドックスなテーマであり,指定語句をヒントにして手堅くまとめたい。 ・Ⅲの中世ヨーロッパの教皇権についての問題は,標準的な内容であるが,問題文に年代の指定がな いため,指定語句を手掛かりにして論述すべき期間を特定する必要がある。 ・Ⅳの朝鮮半島をめぐる歴史は,時系列に沿って正確に説明すればよい。想起できる事項は多くあ るが,「国際関係にも留意しつつ」という条件に注意して盛り込む事項を取捨選択しよう。 ■ 求められる力とその養成 ・様々な時代・地域が扱われるので,古代から現代まで幅広く学習して苦手な範囲を作らないことが 肝要である。似たような時代・地域から出題されることもあるので,過去問の対策も十分に行って おきたい。教科書でまとまって扱われることの少ない地域について長い時代を論述する問題がしば しば出題されるので,日頃から資料集の地図などに目を通し,地域ごとの国家・王朝の推移にも注 目しておきたい。 ・歴史の大きな流れに対する理解が求められる。詳細な用語の暗記に腐心するのではなく,王朝・国 家の盛衰を初めとする時代の動きを,その背景・理由なども含めて自分で説明できるように理解を 深めたい。教科書の熟読と,論述形式でのアウトプットを定期的に行い,実力をつけよう。 ・400字×4題と制限時間に比して分量が多いため,答案を手早く作成する力が必要である。短い字 数の論述から徐々に解答作成に慣れてゆき,秋以降からは本番と同程度のレベルの問題で実戦力を 養うといった,計画的な学習を進めよう。Z会の通信教育を利用し,実際に数多くの論述答案を 自分で作成していく中で実戦力を養いたい。