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4) 海底鉱物資源開発 ア) パプアニューギニア(カナダ)

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4) 海底鉱物資源開発 ア) パプアニューギニア(カナダ)
4) 海底鉱物資源開発
ア) パプアニューギニア(カナダ)
質問状に対する回答より、海底鉱物資源開発に関する環境影響評価の国としての
ガイドラインは存在しない。また、これまでカナダにおける海底鉱物資源開発事業
はないため、環境影響評価報告書も提供すべきものはない。
一方、カナダのノーチラス社は、パプアニューギニアのソルワラ地区の海底の金、
銅を採掘する海底鉱物資源開発権をパプアニューギニア政府から付与された。
パプアニューギニアの海底鉱物資源鉱区ソルワラ1の位置は図 3.4.12 に示すと
おりである。また、ウェブサイトから得られた本業務に係る情報については
表 3.4.14 に示すとおりである。
出典:Golder Associates (2008), Mineral Resource Estimate Solwara 1 Project Bismarck Sea Papua New
Guinea for Nautilus Minerals Inc, Canadian NI43-101 form F1
http://www.nautilusminerals.com/i/pdf/2008-02-01_Solwara1_43-101.pdf
図 3.4.12
海底鉱物資源鉱区ソルワラ1の位置
267
表 3.4.14
パプアニューギニアにおける海底鉱物資源開発
【候補事業:海底鉱物資源開発】
項 目
候補事業に関する制度及び政策
の概要 *1
知見・研究・
事例
事業内容 *2
環境影響評価の
内容
環境影響
候補事業に係
る環境影響評
価手法
調査技術
予測技術
評価技術
環境保全対策
内
容
・パプアニューギニア
○鉱業法 1992
○環境法 2000
・その他
○国連海洋条約 1994
○南太平洋地域の自然資源および環境保護条約 1990
○オゾン層を保護するためのウィーン条約 1993
○国連気候変動枠組条約のための京都議定書 1997
○生物多様性条約 1993
○船舶からの汚染防止のためのマルポール条約 1994
○有害物質および放射性廃棄物を島嶼国に持ち込まず、ま
た南太平洋内で有害物質の越境移動を管理するための条
約 2001
・大気質と騒音については、オーストラリアのガイドライン
・赤道原則
・パプアニューギニア政府は、ソルワラ1地区の海底の金、銅
を採掘するため、20 年リースとする海底鉱物資源開発権を
カナダのノーチラス社に付与した。
・本事業は環境法 2000 のレベル 3 に位置付けられ、環境影響
評価を環境および保全局に提出することが求められた。
・事業者のノーチラス社は、注意深く取り扱うべき硫化物の多
い熱水鉱床であることから、調査の必要水準を認識した。地
熱源は開発によって失われないことおよび環境調査に必要
な機材がそのまま鉱物資源開発に流用できて、特別に大がか
りな装置を導入する必要がないことを環境影響評価におい
て示そうとしている。
・大気質
・深海底への堆積
・沖合の水質
・底質
・生物学的環境
・海洋の安全および船舶航行との相互関係
・検疫
・廃棄物処理および危機対応
・社会経済的影響
遠隔操作の海底探査車
−
−
・海底の生物多様性保護
・サンゴ礁および漁業の保護
資料:
*1, Nautilus Minerals Niugini Limited (2008), ENVIRONMENTAL IMPACT STATEMENT, Solwara 1 Project
http://www.cares.nautilusminerals.com/Downloads.aspx
*2, 国際機関太平洋諸島センター(2011), 太平洋諸島ニュース
http://blog.pic.or.jp/modules/bulletin/index.php?storytopic=13&start=50
268
イ) 韓国
ウェブサイトの調査から、2011 年∼2020 年までの韓国における付加価値のつい
た海底鉱物資源および社会サービス等の合計として、2,940 billion won(約 2,000
億円)という見通しがたてられていることから、海底鉱物資源開発を実施している
可能性がある。
ただし、それに関する環境影響評価の情報は得られなかった。
資料:Prof. Sang-Duk Choi, Chonnam National University (2011), Ocean Industry Promotion and Development
Strategies for Yeosu City
http://www.expo2012.kr/exponas/portal_data/symposium/2011_04/1-5.pdf
269
5) 洋上油田、ガス開発、パイプライン(海底)事業
ア) 英国
ウェブサイトの調査から、英国のフ リ ン ダ ー 及 び カ ウ ド ー 油 田 の 開 発 事 業 主
(MAERSK)は、事前に環境影響評価を実施し、2011 年 6 月に「環境影響評価報告書
(Flyndre and Cawdor Environmental Statement)」を作成していた。
フリンダー及びカウドー油田の位置は図 3.4.13 に示すとおりである。また、ウ
ェブサイトから得られた本業務に係る情報については表 3.4.15 に示すとおりであ
り、環境影響評価において注目された環境要因とその影響要素は表 3.4.16 に示す
とおりである。
出典:MAERSK (2011), Environmental Statement, Flyndre and Cawdor Development
http://www.maerskoil.com/Responsibility/Documents/Publications/PoliciesAndReports/Flyndre%2
0and%20Cawdor%20Development%20Environmental%20Statement.pdf
図 3.4.13
フリンダーおよびカウドー油田(英国北海)の位置
270
表 3.4.15(1)
英国における洋上油田・ガス開発
【候補事業:洋上油田・ガス開発】
項 目
候補事業に関する制度及び政策
の概要 *1
内 容
・Offshore Petroleum Production and Pipelines (Assessment
of Environmental Effects) Regulations 1999 (as amended
2007 and 2010)は基本ガイドライン。
(1)下記該当の開発事業においては、環境影響評価を記述する
環境ステートメントが必要
・日当たりの石油生産量が 500 トン以上、もしくはガス生産
量が 500,000m3 以上の開発(もしくは増産)事業
・直径 800mm のパイプラインを距離 40km 以上に舗設事業
(2)下記該当の開発事業においては、環境影響評価を記述する
環境ステートメントが求められるかもしれない。
・イギリス沿岸より 40km 以内
・特別保護区もしくは特別保全区より 10km 以内
・指定文化財があり、被害もしくは攪乱される恐れがある
・季節性環境活動に敏感する地域、ニシンもしくは砂浜に生
息する魚の産卵場もしくは重要漁場
・他の海洋利用者に著しく影響を及ぼす
・他の国が開発の参加を求める国際境界より 10km 以内
知見・研究・
事例
事業内容
環境影響評価の
内容
・以下のガイドラインを準拠
○Offshore Petroleum Production and Pipelines
(Assessment of Environmental Effects) Regulations
1999 (as amended 2007 and 2010);
○EU Habitats Directive 92/43/EEC;
○EU Birds Directive 79/409/EEC;
○Conservation (Natural Habitats &c) Regulations 1994
(as amended);
○ Conservation of Habitats and Species Regulations
2010;
○Offshore Marine Conservation (Natural Habitats, &c)
Regulations 2007 (as amended 2009 and 2010);
○ Offshore Petroleum (Conservation of Habitats)
Regulations 2001 (as amended 2007);
○Greenhouse Gas Emissions Trading Scheme (Amendment)
Regulations 2007;
○Offshore Petroleum Activities (Oil Pollution
Prevention and Control) Regulations 2005 (&
Amendments 2011);
○OSPAR Recommendation;
○Marine and Coastal Access Act (MCAA);
○ Merchant Shipping (Oil Pollution in Preparedness,
Response and Co‐operation Convention) Regulations
1998.
Flyndre and Cawdor 開発(北海油田)
・提案したプロジェクトによる環境影響を判断するために、環
境影響評価(EIA)を行わなければならない。
・ここでは、開発活動による排ガスや排出を特定し、定量化し
た上、開発活動による環境への影響の重大さを判断する。更
に、影響軽減対策を報告する。
資料:
*1, Flyndre and Cawdor Environmental Statement, June 2011, MAERSK
271
表 3.4.15(2)
項 目
知見・研究・ 環境影響
事例
候補事業に係
る環境影響評
価手法 *1
調査技術
予測技術
評価技術
英国における洋上油田・ガス開発
内 容
・作業段階に分けて、それぞれ係る環境影響について評価を行う。
(1)掘削段階
○排ガス
○海への排出
○掘削リグアンカーの物理的攪乱
○騒音
○船舶及びアンカーの物理的プレゼンス
(2)水中施設設置段階
○パイプ施設及び支援船舶からの排ガス
○船舶アンカー及び水中インフラ施設の物理的プレゼンス
及び攪乱
○海への排出
○騒音
(3)製油/製ガス段階
○排ガス
○油汚濁水の排出
・なお、下記の広範にわたる開発懸念事項に対して、環境影響
評価を行う。
○事故
○保護区及び動植物保護種
○排ガス、油汚濁水、水中騒音の累積影響
○越境影響
・排ガス監視項目:CO2, NOx, N2O, SO2, CO, CH4, VOC。
・ 掘 削 騒 音 : 比 較 的 低 い レ ベ ル の 騒 音 ( <195db (rms)
re1μPa@1m)が発生する。1km 離れているところでは周辺騒
音と区別できない。
・杭打設時発生する騒音の予測
・製油/製ガス段階においては、2013~2026 年の年間油汚濁
水排出量を予測できる。
・モデルによると、オイル流出が発生した場合、近隣諸国(ノ
ルウェー、デンマーク、ドイツ、オランダ)の海域に厚さ 4μm
の油膜を発生する確率は 1~5%である。
・潜在的影響は、その影響が起きる可能性と起きた後の重大性
と合わせて評価する。
①可能性
活動の継続期間に応じて、1から 5 までの点数をつける。
点数の低いほうは発生可能性が低いことを意味する。
②重大性
影響の重大性に応じて、1 から 5 までの点数をつける。点数
の高いほうは影響の重大性が高いことを意味する。
③総合リスク評価
可能性と重大性と合わせて、マトリックスを作成し、総合
リスクを評価する。
資料:
*1, Flyndre and Cawdor Environmental Statement, June 2011, MAERSK
272
表 3.4.15(3)
項 目
候補事業に係 環境保全対策
る環境影響評
価手法 *1
英国における洋上油田・ガス開発
内 容
・排ガス対策:イギリス基準に基づくエンジン運転及び維持
管理、できる限り船舶数の削減、段階的に HCFCs やハロンガ
スの使用終了、フレアーリング管理、モニタリング
・海への排出対策:化学物資の有効使用、低毒性化学物質の使
用、モニタリング装置の導入、汚水や廃棄物の収集、有害廃
棄物の海への排出禁止、放流前の油汚濁水・汚水処理、排水
管網の点検
・陸への排出対策:廃棄物の分類収集及び再利用
・物理的プレゼンスの対策:リグ移動の削減、他の海域利用者
への注意喚起、パイプラインの最適配置、衝突防止、騒音規
制
・事故対策:悪天候時の輸送作業中断、ホースの点検、化学物
資やディーゼルの安全保管管理、熟練作業員による作業、オ
イル流出緊急時対策、分散剤の常時備蓄、全職員に対するオ
イル流出緊急対応訓練
資料:
*1, Flyndre and Cawdor Environmental Statement, June 2011, MAERSK
273
表 3.4.16(1)
活動及び発生源
掘削段階
大気への排出
①掘削作業中発電時の排気
②フレアーリングとテスト
③支援船舶及びヘリからの排気
④ 冷 却 シ ス テ ム か ら の CFCs 及 び
HCFCs の排出
⑤消火システムから有害物ハロカー
ボンの排出
海への排出
①塩水や洗浄用化学物質の排出
②作業中の廃油・廃液
274
③汚水
④生活排水及び残飯
陸への排出
・掘削リグ及び支援船舶から一般廃棄物
(廃油、廃水、金属クズ等)の排出
物理的プレゼンス
①水中掘削リグ及び支援船舶
②水中掘削及び支援船舶の騒音及び
振動
環境影響評価における環境要因とその影響要素:英国
非生物環境
生物環境
−
景観/景色
−
①大気へ CH 4 、CO 2 、SOx、NOx、VOC 等の排出
②大気へ CH 4 、CO 2 、SOx、NOx、VOC 等の排出
③大気へ CH 4 、CO 2 、SOx、NOx、VOC 等の排出
④CFCs によるオゾン層の破壊。
⑤ハロカーボンによる大気層上層の破壊。
−
①水質への短期影響、部分的海床及び生物
相の窒息
②−
③開放管渠に入り込む流出油及び汚水
④排出口周辺の水質への影響
①−
②敏感生物及び生態系への毒害、
海生生物の重金属残留、海底の
底生生物の死亡
③毒害及び催奇形性影響
④−
−
−
・埋め立て地では、浸出水や将来土地利用
面積の減少の問題。処理施設では、排ガ
スや潜在的土壌汚染の問題。
−
①リグ固定用アンカーの延長による海床へ
の影響、リグ及び支援船舶活動による他
の海洋利用者への影響
②海域の魚類及び哺乳類の行動への影響
資料:Flyndre and Cawdor Environmental Statement, June 2011, MAERSK
−
表 3.4.16(2)
活動及び発生源
環境影響評価における環境要因とその影響要素:英国
非生物環境
掘削段階
小規模事故
①化学物質流出
②潤滑油及び油圧オイル流出
③ディーゼル流出
①COD もしくは BOD の上昇
②周辺の水質への影響
③−
④オイル流出
④−
275
大規模事故
①油井損失でオイルとガスによる火
災爆発
②リグ損失で燃料流出
施設の設置
温室効果ガスの排出
・支援船舶及び水中構造物からの排気
海への排出
①パイプライン圧力テストによる水、
メタノール、ワックス阻害剤、化学
添加物の排出
②水中制御システムからの油圧オイ
ル流出
③掘削装置から油汚泥の排出
陸への排出
・パイプ基礎工事、構造物工事及び支
援船舶から一般廃棄物(廃油、金属
クズ、生活排水等)の排出
生物環境
景観/景色
−
①動物の中毒、体内の毒性物残留
②周辺の水生物への影響
③鳥類への直接影響、プランクト
ンや魚類、底生動物、海洋哺乳
類への影響
④鳥類への直接影響、プランクト
ンや魚類、底生動物、海洋哺乳
類への影響
−
−
−
−
①漁業へのダメージ、底質と水質への影響、
排ガスの排出
②海生生物、特に鳥類への潜在的影響
・大気へ CH 4 、CO 2 、SOx、NOx、VOC 等の排出
−
①地域的水質への影響
①−
②−
②短期間に海洋動物植物への影響
③−
③底生動物への潜在的影響、毒害
−
・埋め立て地では、浸出水や将来土地利用
面積の減少の問題。処理施設では、排ガ
スや潜在的土壌汚染の問題。
資料:Flyndre and Cawdor Environmental Statement, June 2011, MAERSK
−
表 3.4.16(3)
環境影響評価における環境要因とその影響要素:英国
活動及び発生源
施設の設置
物理的プレゼンス
①工事用船舶
非生物環境
276
製油/製ガス段階
温室効果ガスの排出
①緊急時及び減圧時のフレアーリン
グによる排気
②電源供給のための燃料ガス使用
海への排出
①油汚濁水、溶剤の排出
②油汚濁砂
③廃水
④化学物質の排出
廃棄物
①生活排水及び食物ざんぱいの排出
②陸上に固体・液体有害物質の排出
③一般廃棄物
景観/景色
−
①工事用船舶周辺海域への輸送船舶や商業
漁船の立ち入り禁止
②インフラ施設(水中構造物、油井、 ②漁業活動への潜在的影響
パイプライン、制御装置)
③主に杭打設時の騒音
③−
小規模事故
①化学物質流出
②潤滑油及び油圧オイル流出
③ディーゼル流出
生物環境
①−
②底生動植物への攪乱
③魚類及び海洋哺乳類の行動へ
の影響
−
①COD もしくは BOD の上昇
②周辺の水質への影響
③−
①動物の中毒、体内の毒性物残留
②周辺の水生物への影響
③鳥類への直接影響、プランクト
ンや魚類、底生動物、海洋哺乳
類への影響
−
−
①大気へ CH 4 、CO 2 、SOx、NOx、VOC 等の排出
②大気へ CH 4 、CO 2 、SOx、NOx、VOC 等の排出
−
①水質への損害
②水質への影響
③−
④COD もしくは BOD の上昇
①排出口周辺の水質への影響
②埋め立て地では、浸出水や将来土地利用
面積の減少の問題。処理施設では、排ガ
スや潜在的土壌汚染の問題。
③埋め立て地では、浸出水や将来土地利用
面積の減少の問題。処理施設では、排ガ
スや潜在的土壌汚染の問題。
資料:Flyndre and Cawdor Environmental Statement, June 2011, MAERSK
①海洋動植物への損害、
②海洋動物植物への影響
③毒害、催奇形性及び体内の毒性
物残留
④動物の中毒、体内の毒性物残留
−
−
表 3.4.16(4)
環境影響評価における環境要因とその影響要素:英国
277
活動及び発生源
製油/製ガス段階
物理的プレゼンス
①製油・製ガスインフラ施設
②騒音及び振動
①他の利用者(漁業、輸送業)との紛争
②−
①生物の引き付け
②周辺の魚類及び海洋哺乳類の
行動への影響
小規模事故
①化学物質流出
②潤滑油及び油圧オイル流出
③ディーゼル流出
①COD もしくは BOD の上昇
②周辺の水質への影響
③資産損失
④オイル流出
④資産損失
⑤油汚濁水流出
⑤−
①動物の中毒、体内の毒性物残留
②周辺の水生物への影響
③鳥類への直接影響、プランクト
ンや魚類、底生動物、海洋哺乳
類への影響
④鳥類への直接影響、プランクト
ンや魚類、底生動物、海洋哺乳
類への影響
⑤毒害、催奇形性及び体内の毒性
物残留
−
その他の環境影響
①化学品及び鋼鉄の消耗
②放熱
メンテナンス
・メンテナンス作業による廃棄物排
出・排ガス
非生物環境
生物環境
景観/景色
−
①−
②−
③景観への損害
④景観への損害
⑤−
−
①非再生可能資源の利用
②放出口の気温の上昇
−
・水質への影響
資料:Flyndre and Cawdor Environmental Statement, June 2011, MAERSK
・海生生物への影響
イ) オランダ
i)質問状による調査
オランダからは質問状に対しての直接の回答は得られず、下記の部署経由で
2つのウェブサイトを紹介された。
●質問項目:
a. 洋上油田開発について(ガイドライン、EIA、主な影響要因と環境要因)
b. 海底パイプラインについて(ガイドライン、EIA、主な影響要因と環
境要因)
c. 洋上風力発電について(ガイドライン、EIA、主な影響要因と環境要因)
d. 海底鉱物資源開発について(ガイドライン、EIA、主な影響要因と環
境要因)
● 回 答 部 局 : Ministry of Housing, Directorate General for Energy,
Telecom and Competition
●紹介されたウェブサイト
・ NOGEPA (Netherlands Oil and Gas Exploration and Production
Association)http://www.nogepa.nl/language/en-GB/Home.aspx
省の外郭組織で、オイルおよびガス開発に係る企業、組織、団体の集ま
り。開発に伴うバランスのとれた経済性と安全性を追及することを目的
とした団体。
・サイトでは環境関連の法令等についても紹介。
・NLOG :オランダのオイルとガス情報
http://www.nlog.nl/en/home/NLOGPortal.html
Ministry of Economic Affairs, Agriculture and Innovation の要請で
作成され、Geological Survey of the Netherlands(TNO)が運営してい
る、油田・ガス開発に関するサイト。
ii)洋上油田、ガス開発、パイプライン(海底)事業の事例
上記のウェブサイトから得られた本業務に係る情報は表 3.4.17 に示すとお
りであり、環境影響評価において注目された環境要因とその影響要素は表
3.4.18 示すとおりである。
278
表 3.4.17
オランダにおける洋上油田・ガス開発およびパイプライン事業
【候補事業:洋上油田・ガス開発及びパイプライン】
項 目
候補事業に関する制度及び政
策の概要 *1
知見・研究・
事例
事業内容
環境影響評価
の内容
環境影響 *4
候補事業に
係る環境影
響評価手法 *5
調査技術
予測技術
評価技術
環境保全対策
内 容
・開発セクタ ーと政府 の 間で環境約款 (長期間 省 エネルギ
ー契約:MJA-3)を締結。
・2001 年に NEGOPA が EIA のガイドラインを作成、2008 年
に改訂。
・2010 年、政府と企業間の環境問題での協議基盤を確率。
・沿岸より 12 マイル以上沖合では、Mining Act のもと、環
境許可が必要。
・ 陸 上 を 含 む 距 岸 12 マ イ ル 未 満 で は 、 Environmental
Management Act のもと、環境許可が必要。
・北海を含む北大西洋の海洋環境保護に関する OSPAR 条約
に 15 のヨーロッパ諸国が加盟。15%のオイル排出、生産
終了後の全 ての構造 物の 撤去、掘削 ・産油・ メン テナン
ス中に使用する有害物質の代替化等を規定。
・以下の EU ガイドラインを準拠
○Emission Trading System;
○Water Framework Directive;
○Marine Strategy Directive;
○Natura 2000;
○Birds Directive;
○Habitats Directive;
○NEC (National Emission Ceilings);
○REACH (EU policy on chemicals).
Groningen Gas Field 開発
・海生哺乳動 物への音 響 による影響に ついて、 英 国のガイ
ドラインを参照 *2
・海底の撹乱 に対する 考 古学的な検討 において ア クション
プランを設定: *3
・水の排出(掘削抗、生産時)
・海底の撹乱、考古学的配慮
・大気への放出
・水中騒音
・廃棄物
・パイプ敷設
・解体時配慮
・海生哺乳動物
・ガス燃焼
・燃焼ガス監視項目:CO 2 ,NOx,CO,CH 4 ,VOS,SO 2 、船舶、ヘリ
コプター、発電機のエンジンガス監視項目:CO 2 ,NOx,CO,
SO 2 ,VOS,す す 、 単 時 間 当 た り の 燃 料 消 費 量 に よ る 大 気 排
出量で評価
・水質への影響:掘削リグデッキの洗浄水
・掘削騒音は 200-300m 離れて 60dB(A)、ガス燃焼時騒音は
400m 離れて 60dB(A)
・燃焼による熱(テスト燃焼:100m で 1 kW/m2、オイル燃
焼:40m で 1 kW/m2)
・景観
・掘削リグの存在期間は 3-14 週間、生産井戸は 20-30 年
・掘削による粒度組成の変化
・一次生産量 への影響 、 産卵場の損失 、ベント ス 量損失、
鳥類への一時的影響
・流況変化
・事故対策: 噴出、衝突、漏出、パイプライン事故
279
資料:
*1, http://www.nogepa.nl/
*2, Guidelines for minimising acoustic disturbance from SEISMIC surevys, April 2004, JOINT NATURE
CONSERVATION COMMITTEE
*3, Action to EIA for archeology, February 2008, Orangewoud
*4, Generic document EIA for offshore oil and gas industry -Update and supplement of the generic
document EIA in 1999, April 2008, NOGEPA
*5, Basic document for an offshore EIA, August 2001, NOGEPA
280
表 3.4.18(1) 環境影響評価における環境要因とその影響要素:オランダ
活動及び発生源
予備掘削/調査
土壌調査
・地震調査
・土壌調査
整地、改変
・土壌技術的調査
施設の設置
・搬入、設置
・パイプラインの敷設
281
製油/製ガス井戸の掘削
掘削準備
・準備段階
・掘削準備
掘削
・掘削
・掘削土の排出
掘削抗の調査
・フレアーリング(ガス掘削時)
非生物環境
生物環境
景観/景色
・部分的な底質構造、底質の変化
・一時的な音響、作業活動
・一時的な鳥類への撹乱
・水質への一時的な影響(濁り)
・部分的な底質構造、底質の変化
・一時的な音響、作業活動
・一次生産(植物プランクトン増殖) −
への一時的な影響
・底生動物の損失
・魚類の摂餌、産卵場の損失
・鳥類の採餌場の損失
・一時的な鳥類への撹乱
・水質への一時的な影響(濁り)
・部分的な底質構造、底質の変化
・部分的な流れと侵食・堆積過程の変化
・一時的な音響、活動
・一次生産(植物プランクトン増殖) ・開放的な水平線の損失
への一時的な影響
・底生動物の損失
・魚類の摂餌、産卵場の損失
・一時的な鳥類への撹乱、磁気撹乱
・音響、作業活動
・一時的な鳥類への撹乱
・音響、作業活動
・閃光
・水質、底質への影響
・底質の変化
・植物プランクトンへの一時的な影響 ・開放的な水平線の一時
・底生動物、魚類への影響
的損失
・一時的な鳥類への撹乱
・静穏の損失
・一時的な鳥類の誘引
・音響、作業活動
・大気への影響
・閃光
・一時的な鳥類への撹乱
・一時的な鳥類の誘引
資料:Basic document for the environmental impact of oil and gas on the Dutch Continental Shelf, August 2001, NOGEPA
−
−
表 3.4.18(2) 環境影響評価における環境要因とその影響要素:オランダ
活動及び発生源
掘削時の活動
・輸送作業
・汚水排出
非生物環境
生物環境
景観/景色
・音響、活動
・大気への影響
・水質への影響
・底質への影響
・一時的な鳥類への撹乱
−
・一時的なプランクトン、底生動物、
魚類、鳥類、海生動物への影響
・音響、作業活動
・一時的な鳥類への撹乱
・開放的な水平線の一時
的損失
・静穏の損失
・大気への影響
・水質への影響
・底質への影響
・プランクトン、底生動物、魚類、
鳥類、海生動物への影響
−
・音響
・閃光
・大気への影響
・音響、作業活動
・照明
・大気への影響
・漁業による底質の撹乱からの保護(保全効果)
・鳥類、海生生物への撹乱
・鳥類の誘引
−
・鳥類、海生生物への撹乱
・鳥類の誘引
−
掘削リグの撤去
282
製油/製ガス
・エンジンからのガス・揮発物の排出
(Hydrocarbons, CO, NOx, SOx, etc.)
・海域への汚水(副生水、湧出水、洗浄
水)の排出(放射能、炭化水素、重金
属や化学物質)
・防食対策によるプラットフォームから
のアルミニウム、亜鉛の溶出
・フレアーリング
・プラットフォーム上の活動
・プラットフォームへの照明
・輸送活動
・プラットフォームの存在
遠隔井(satellite)での製油/製ガス(影響は本井よりも小さい)
・エンジンからのガス・揮発物の排出
・大気への影響
(Hydrocarbons, CO, NOx, SOx, etc.) ・水質への影響
・海域への汚水(副生水、湧出水、洗浄 ・底質への影響
水)の排出(放射能、炭化水素、重金
属や化学物質)
・防食対策によるプラットフォームから
のアルミニウム、亜鉛の溶出
・底生動物、魚類、鳥類への影響、 ・開放的な水平線の損失
磁気撹乱
・プランクトン、底生動物、魚類へ
の影響
資料:Basic document for the environmental impact of oil and gas on the Dutch Continental Shelf, August 2001, NOGEPA
−
表 3.4.18(3) 環境影響評価における環境要因とその影響要素:オランダ
活動及び発生源
・活動
・照明
・輸送活動
・サテライトの存在
撤去
・解体
事故(本井/サテライト)
漏洩
非生物環境
生物環境
景観/景色
・音響、作業活動
・鳥類、海生生物への撹乱
−
・照明
・鳥類の誘引
・大気への影響
・漁業による底質の撹乱からの保護(保全効果) ・底生動物、魚類、鳥類への影響、 ・開放的な水平線の損失
磁気撹乱
283
・音響、作業活動
・鳥類、海生生物への撹乱
・水質、底質への影響
・プランクトン、底生動物、魚類、 −
鳥類、海生動物への影響と死滅
・プランクトン、底生動物、魚類、 ・開放的な水平線の一時
鳥類への影響と死滅
的損失
・魚類の摂餌、産卵場の損失
・静穏の損失
・鳥類の採餌場の損失
・プランクトン、底生動物、魚類、 ・開放的な水平線の一時
鳥類への影響と死滅
的損失
・魚類の摂餌、産卵場の損失
・静穏の損失
・鳥類の採餌場の損失
・プランクトン、底生動物、魚類、 −
鳥類への影響と死滅
・魚類の摂餌、産卵場の損失
・鳥類の採餌場の損失
噴出
・水質、海底汚染
・大気汚染
・音響と活動
衝突
・水質、海底汚染
・大気汚染
・音響と活動
パイプラインからの漏洩
・水質、海底汚染
・大気汚染
資料:Basic document for the environmental impact of oil and gas on the Dutch Continental Shelf, August 2001, NOGEPA
・開放的な水平線の回復
ウ) カナダ
質問状に対する回答より、連邦または地域の合意の下で管理されているので
ない限り、国家エネルギー委員会が洋上油田探査およびガス開発を管理してい
る。カナダとニューファウンドランド・ラブラドル州の間およびカナダとノバ
スコシア州の間の合意の結果、それぞれの州の沖合における油田探査およびガ
ス開発事業を規制するために、カナダ-ニューファウンドランド・ラブラドル
洋上油田委員会およびカナダ-ノバスコシア洋上油田委員会という 2 つの特別
委員会が設立された。これらの管理者の環境保護の要求事項に関する追加的な
情報および実際の環境影響評価報告書は次のアドレスから入手可能である。
・カナダ-ニューファウンドランド・ラブラ ドル洋上油田委員会:
http://www.cnlopb.nl.ca/
・カナダ-ノバスコシア洋上油田委員会:: http://www.cnsopb.ns.ca/
・国家エネルギー委員会:http://www.neb-one.gc.ca/clf-nsi/index.html
以上の情報から、カナダのテラノバ洋上油田開発について整理した。
テラノバ洋上油田開発の位置は図 3.4.14 に示すとおりである。また、ウェブ
サイトから得られた本業務に係る情報は表 3.4.19 に示すとおりであり、環境へ
の影響要因と環境要素は表 3.4.20 に示すとおりである。
出典:Petro-Canada (1996), Development Application, Terra Nova Development Environmental Impact
Statement: http://www.cnlopb.nl.ca/pdfs/tnenvimpact.pdf
図 3.4.14
テラノバ洋上油田開発の位置
284
表 3.4.19(1)
カナダにおける洋上油田開発およびパイプライン事業
【候補事業:洋上油田開発およびパイプライン】
項 目
候補事業に関する制度及び政
策の概要 *1
知見・研究・
事例
事業内容
環境影響評価
の内容 *2
内 容
・カナダは連 邦国家で あ り、立法は連 邦議会と 各 州に分か
れている。 環境に関 する 権限は連邦 、州、地 域で 分担さ
れている。 例えば、 非再 生可能な天 然資源の 管理 は完全
に州の権限 であり、 一方 漁業の管理 は連邦議 会の 排他的
権限である 。こうし た権 限の分担の 結果、国 全体 を網羅
する環境影響評価の制度はない。
・カナダ環境 庁所管の カ ナダ環境影響 評価法は 、 連邦政府
の決定また は承認が なけ ればならな い公的機 関お よび民
間の事業に 適用され る法 律である。 この法律 は、 次の 4
つ全てに適合する場合に適用される。
1.この法律における「事業」の定義を満たすこと
2.事業が環境影響評価を行うことが除外されないこと
3.事業が、法律に定められた連邦機関の行動または決定
を必要とすること
4.特定の連邦機関の行動または決定が、環境影響評価が実
施されることを確実なものとする義務をもたらすこと
・事業が上記 の基準を す べて満たす場 合、その 事 業はこの
法律に依る こととな り、 連邦機関は 事業を進 める ことを
可能にする 権限また は機 能を行使す る前に環 境影 響評価
が実施され ることを 保証 する。環境 に関する 権限 が分担
されている ため、そ の事 業は地域の 規制また は地 域の環
境影響評価 にも依る こと になり得、 そのよう な場 合どち
らのレベル の政府も それ ぞれの法律 の要求事 項を 満たす
ように調整された評価となるよう行動する。
・連邦または 地域の合 意 の下で管理さ れている の でない限
り、国家エ ネルギー 委員 会が洋上油 田探査お よび ガス開
発を管理し ている。 カナ ダとニュー ファウン ドラ ンド・
ラブラドル 州の間お よび カナダとノ バスコシ ア州 の間の
合意の結果 、それぞ れの 州の沖合に おける油 田探 査およ
びガス開発 事業を規 制す るために、 カナダ− ニュ ーファ
ウンドラン ド・ラブ ラド ル洋上油田 委員会お よび カナダ
−ノバスコシア洋上油田委員会という 2 つの特別委員会
が設立された。
・これらの管 理者の環 境 保護の要求事 項に関す る 追加的な
情報および 実際の環 境影 響評価報告 書は次の アド レスか
ら入手可能である。
○カナダ−ニューファウンドランド・ラブラドル洋上油
田委員会:http://www.cnlopb.nl.ca/
○カナダ−ノバスコシア洋上油田委員会:
http://www.cnsopb.ns.ca/
○国家エネルギー委員会:
http://www.neb-one.gc.ca/clf-nsi/index.html
テラノバ洋上油田開発
・ 環 境 影 響 評 価 の 手 法 は 、 Hibernia *3 EIS 、 the C-NOPB
guidelines (1988) *4 およびカナダ環境影響評価法(CEAA)
と そ れ に 付 随 す る Responsible Authorities Guide
(1994)に記載されるているものである。
資料:
*1, 質問状回答より。
*2, http://www.cnlopb.nl.ca/pdfs/tnenvimpact.pdf
*3, http://www.cnlopb.nl.ca/pdfs/hibdrill/hibprojectdesc.pdf
*4, http://www.cnlopb.nl.ca/leg_guidelines.shtml
*5, Basic document for an offshore EIA, August 2001, NOGEPA
285
表 3.4.19(2)
カナダにおける洋上油田開発およびパイプライン事業
項 目
知見・研究・ 環境影響
事例
候補事業に
係る環境影
響評価手法 *5
調査技術
予測技術
評価技術
環境保全対策
内
容
・構造物の存在
(安全地帯、人工礁の効果、海中構造物、海面構造物)
・信号灯と水路標識
・水中構造物
・掘削泥水
(油性の泥水、水性の泥水、グリコール性の泥水)
・その他の液体および固体
(完成・仕上げ・改修、セメント、BOP(防墳)液、耐圧
試験液、冷却水、甲板排水、ビルジ水(船底の汚水)、
衛生および一般廃棄物、ゴミ、その他廃棄物)
・大気放出物質
・船舶
・ヘリコプター
・騒音
(掘削装置、支援船、ヘリコプター)
・海岸施設
(大気放出物質、液体および固体の放出、ゴミおよび廃
棄物、騒音、信号灯と水路標識、船舶航行、事故)
・燃焼ガス監視項目:CO 2 ,NOx,CO,CH 4 ,VOS,SO 2 、船舶、ヘリ
コプター、発電機のエンジンガス監視項目:CO 2 ,NOx,CO,
SO 2 ,VOS,す す 、 単 時 間 当 た り の 燃 料 消 費 量 に よ る 大 気 排
出量で評価
・水質への影響:掘削リグデッキの洗浄水
・掘削騒音は 200-300m 離れて 60dB(A)、ガス燃焼時騒音は
400m 離れて 60dB(A)
・燃焼による熱(テスト燃焼:100m で 1 kW/m2、オイル燃
焼:40m で 1 kW/m2)
・景観
・掘削リグの存在期間は 3-14 週間、生産井戸は 20-30 年
・掘削による粒度組成の変化
・一次生産量 への影響 、 産卵場の損失 、ベント ス 量損失、
鳥類への一時的影響
・流況変化
・事故対策: 噴出、衝突、漏出、パイプライン事故
資料:
*1, 質問状回答より。
*2, http://www.cnlopb.nl.ca/pdfs/tnenvimpact.pdf
*3, http://www.cnlopb.nl.ca/pdfs/hibdrill/hibprojectdesc.pdf
*4, http://www.cnlopb.nl.ca/leg_guidelines.shtml
*5, Basic document for an offshore EIA, August 2001, NOGEPA
286
表 3.4.20
カナダ・テラノバ洋上油田における環境への影響要因と環境要素との関係
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アザラシ
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クジラ
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陸生鳥類
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海鳥
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漁業
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底生魚
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○
浮魚
○
付着生物
底生生物
構造物の存在
安全地帯
人工礁の効果
海中構造物
海面構造物
信号灯と水路標識
水中構造物
掘削泥水
油性の泥水
水性の泥水
グリコール性の泥水
その他の液体および固体
完成、仕上げ、改修
セメント
BOP(防墳)液
耐圧試験液
冷却水
甲板排水
ビルジ水(船底の汚水)
衛生および一般廃棄物
ゴミ
その他廃棄物
大気放出物質
船舶
ヘリコプター
騒音
掘削装置
支援船
ヘリコプター
海岸施設
大気放出物質
液体および固体の放出
ゴミおよび廃棄物
騒音
信号灯と水路標識
船舶航行
事故
魚の幼生
プランク トン
水質
大気質
環境への影響要因
環境要素
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資料:Petro-Canada (1996), Development Application, Terra Nova Development Environmental Impact
Statement: http://www.cnlopb.nl.ca/pdfs/tnenvimpact.pdf
287
エ) 米国
ウェブサイトの調査より、米国の洋上油田としてメキシコ湾沖合の大陸棚に
おける石油及びガス開発がある。本項ではこの事業について整理した。
メキシコ湾沖合大陸棚における石油及びガス開発地域は図 3.4.15 に示すと
おり であ る 。ま た、 ウ ェブ サイ ト から 得ら れ た本 業務 に 係る 情報 に つい て は
表 3.4.21 に示すとおりである。
出典:Bureau of Ocean Energy Management, Gulf of Mexico OCS Region (2012), Gulf fo Mexico OCS,
Oil and Gas Lease Sale: 2012, Central Planning Area Lease Sale 216/222, Final Supplemental
Environmental Impact Assessment
http://boem.gov/Environmental-Stewardship/Environmental-Assessment/NEPA/nepaprocess.aspx
図 3.4.15
メキシコ湾沖合大陸棚における石油及びガス開発地域
288
表 3.4.21
米国における洋上油田開発およびパイプライン事業
【候補事業:洋上油田開発およびパイプライン】
項 目
候補事業に関する制度及び政
策の概要
知見・研究・
事例
事業内容
環境影響評価
の内容
環境影響
候補事業に
係る環境影
響評価手法 *5
調査技術
予測技術
評価技術
環境保全対策
内 容
・メキシコ湾エネルギー安全法
・沖合大陸棚土地法
・環境影響評価レビューの過程
・沿岸管理法
・米国文化財保護法
・絶滅危惧種法
・漁業保全および管理法
・海洋哺乳類保護法
・その他連邦、州、地方が適用する法
メキシコ湾沖合大陸棚石油およびガス田借用権売り出し
Deepwater Horizon 事故(2010 年 4 月のメキシコ湾におけ
る油掘削施設 の爆発事 故 )等を受け、 それ以前 に 既に実施
されていた環 境影響評 価 に加えるべき 新たな情 報 を追加す
ることを目的としたもの。
・大気質
・沿岸および沖合水の水質
・沿岸洲およびそれに伴う砂丘
・湿地
・海草生息地
・生物のいる海底
・地形の特徴
・ホンダワラ
・化学合成および非化学合成の深海底生生物生息地
・海洋哺乳類
・ウミガメ
・海岸のハツカネズミ
・沿岸および海洋鳥類
・漁業資源および不可欠な魚類生息地
・商業的漁業
・釣り
・レクリエーション資源
・歴史的および先史の考古学的資源
・土地利用および海岸のインフラストラクチャ
・人口
・経済要因
・環境の公正さ
・軟底の生息地
・ダイヤモンドバックテラピン(ウミガメ)
・最悪の油流出
調査技術は、 科学的ま た は受け入れら れている 技 術という
記述で一貫している。
異なるシナリオに基づく、油流出時の影響評価。
原案に対し、何もしないという選択肢を含む 4 種類のシナ
リオのもとで同様の評価を行って比較した。
通常は起こり えない、 考 え得る最悪の 油流出事 故 を想定し
た流出分析を環境影響評価の中で行った。
資料:Bureau of Ocean Energy Management, Gulf of Mexico OCS Region (2012), Gulf fo Mexico OCS,
Oil and Gas Lease Sale: 2012, Central Planning Area Lease Sale 216/222, Final Supplemental
Environmental Impact Assessment
http://boem.gov/Environmental-Stewardship/Environmental-Assessment/NEPA/nepaprocess.a
spx
289
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