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はいたっく 2011 年 12 月号
はいたっく 2011 年 12 月号 本印刷物は、Adobe 社 Acrobat により作成した PDFです。 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. イタリア ローマ ナポリ リオーネ・モンティ地区 2 Topics 3 はいたっくるぽ お客さまとの協創を実現するシステム開発手法 「Exアプローチ」 「Exアプローチ」 と 「FREIA21+」 で コミュニティ・バンクの実践を支える新営業店システムを構築 ―京都信用金庫― 7 ソリューション&サービス・ケーススタディ-1 社員の健康管理をサポートする 「はらすまダイエット/保健指導」 ―SCSK株式会社 (旧 住商情報システム株式会社) ― ̶ 富井義夫の世界遺産の旅 ̶ 連なるトゥルッリの屋根/リオーネ・モンティ地区 (イタリア・アルベロベッロ) 9 ソリューション&サービス・ケーススタディ-2 デジタルペン ソリューションによるショールーム見積もりシステム ―株式会社 LIXILインフォメーションシステムズ― 南イタリアのアルベロベッロには、 とんがり屋根 のチャーミングな家が立ち並ぶ。 トゥルッリと呼 ばれる、石灰岩を積み重ねたこの地方独特の 11 トラベルウォーキング 第106回 風情ある長町武家屋敷跡、 可憐な花街・ひがし茶屋を歩く (石川県金沢市) 住居である。円錐形の屋根と白壁の外観に統 一され、 しかしよく見ると屋根の頂に円盤や球の 飾り物を付けたり、屋根全体に星や十字のシン ボルマークを描いたりして個性を出している。約 450メートル四方の土地に1500軒ものトゥルッ 13ソリューション&サービス・ケーススタディ-3 日立のシステム基盤と開発力で電子図書館サービスを大幅に拡充 ―新潟県立図書館― リがぎっしりと建つその風景は、 おとぎの国のよ うである。 写真家 15 オープンミドルウェア・ケーススタディ 「JP1」 を活用し中国でデータセンタービジネスを展開 高品質な運用監視を日系企業に ―天津提愛斯海泰信息系統有限公司― 富井 義夫 ■ ホームページにて 「フォトギャラリー世界遺産」 を掲載中 http://www.tomiiyoshio.com/ 17 SOLUTION&SERVICE 19 IT’s eye ラボラトリー・レポート 「統合ID認証ソリューション」 のラインアップに 「指静脈−Novell Access Manager連携シス テム」 を追加 問題発生時の生産量変動をビジュアルに予測 ∼統計モデルを用いた生産管理技術∼ (横浜研究所) 21 プラットフォーム&ソリューション 22 索引 簡単・便利・高品位なビデオ会議を実現する 「Wooolive」 にスマートフォン対応機能を追加 2011年掲載記事索引 日立 uVALUE コンベンション仙台開催のご報告 発 行 日 2011年12月1日 通巻535号 発 行 株式会社 日立製作所 情報・通信システム社 お問い合わせ 経営戦略室 ブランド・コミュニケーション本部 TEL (03) 5471-8900(ダイヤルイン) 〒140-8572 東京都品川区南大井六丁目27番18号 日立大森第二別館 印 刷 日立インターメディックス株式会社 1 はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 10月18日、19日の2日間、仙台国際センターにおいて日立 uVALUEコンベンション仙台を開催いたしました。東日本大 震災からの復旧、復興に向けた日立の取り組みなどを講演 やセミナー、展示を通してご紹介いたしました。 おかげさまを もちまして、多数のお客さまにご来場いただき、盛況のうちに 終了いたしました。 ここに厚く御礼申し上げます。以下の Webサイトにて本イベントの模様をご紹介しています。 http://hitachi-uvcon.com 本誌は環境に配慮し、植物油インキを使用しています。 はいたっく誌情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/hitac-magazine/ お客さまとの協創を実現する システム開発手法「Exアプローチ」 を総合的に見るための「エクスペリエンステーブル」を作成。全員 お客さまとともに 「新たな価値」 を生み出す の合意による新たな価値創造へと向かいます。 いま企業のITシステムには、業務の効率化だけでなく、 お客さ そして「納得の感動」では、 これまでに検討した内容を実現可 ま満足やシステムの使い勝手の向上、 これまでにない商流を生み 能性や効果の観点で精査しながら、 メンバー全員が共感・納得で 出すといった、業務そのものの変革から生み出される「新たな価 きるシステムの全体像を描き出し、業務の付加価値を向上させる 値」が求められています。従来のシステム開発手法ではITの専 システム要件定義へとつなげていきます。 門家が、 お客さまへの「技術」や「機能」の提供に力を注ぐ形が こうした一連のステップにおいて日立は、 製品デザインの企画・ 一般的でした。 しかし、 これまでにない「新たな価値」を創造して 構想段階で培った「人間中心設計」や「創造的課題解決手法」 いくには、経営幹部、業務現場、IT 部門といったお客さま企業 などのデザイン技術を、 日立グループが保有する上流コンサルティ 内の幅広いステークホルダーが、課題の認識や解決策、解決ア ング技術と組み合わせて活用。構想策定の段階から理解しやす プローチなどを検討し合い、全員で合意形成を図っていくという い形で業務を見える化し、 ステークホルダーの合意形成を進めるこ とで、 後続プロセスでの手戻りを防止し、 お客さまの満足度を高め 「協創」のプロセスが不可欠です。 るシステムを確実性の高い形で開発していくことが可能となります。 そこで日立は、 システムの構想や計画といった要件定義以前の “超上流”工程において、 ビジネスコンサルタントやITエンジニア、 デザイナーといった各分野の専門知識を持ったスタッフが、ITを 幅広い業務分野へ適用を拡大 利用されるお客さまとともに、 喜び合えるエクスペリエンス(経験価 値)を「協創」 していく新しいシステム開発手法「Exアプローチ」 日立は、 銀行営業店や損保代理店、 コールセンターなど、 お客さ を提供しています。 ま満足度向上が課題とされる業務システム開発からExアプロー チの適用を進め、 現在はバックオフィスや設備メンテナンス業務な どにも展開し、 それぞれで高い成果を上げています。今後は、Ex 日立ならではの手法で業務デザインを構築 アプローチを実践する人財の計画的な育成と、 さまざまな業務分 Exアプローチでは、 システム構想策定から要件定義までの開 野における専門性の向上、 適用範囲の拡充などをとおして、 システ 発プロセスを「理解の感動」 「展望の感動」 「納得の感動」 という ムやサービスにおける新たな経験価値の創出をめざしていきます。 3段階のステップで進めていきます。 これからの展開に、 どうぞご期待ください。 本質的な課題を発見する 「理解の感動」では、 エスノグラファーと呼ばれる専門家が現場に入り 施。社会科学や心理学的な手法も駆使して、 お 客さまも気づかなかった本質的課題を見える化 検討の流れ 込み、 観察やデータ分析、 インタビューなどを実 日立ならではの見える化・合意形成手法を用いて、 実現性のある基本構想・システム化計画 策定を支援します。 どこを変えるか (改善箇所の特定) どう変えるか (改善施策の検討) 本当に変えられるか (実現性の検証) 理解の感動 展望の感動 納得の感動 し、 全員で共有します。 あるべき姿を描き、 “こうすれば解決できる” という 合意形成を図っていくステップが「展望の感動」 です。ここでは、参加者の意見を引き出して議論 を整理するファシリテーターと、 その流れをわかり やすく視覚化するデザイナーが、 お客さまとともに 「対話ワークショップ」を実施し、業務の流れに 沿ったさまざまな思い、 アイデアなどの経験価値 Exアプローチの特徴 共有した課題に対し、 お客さまの業務とITの 現場視点でオンサイトインタビュー 人間視点・全体最適の観点をふ を実施し、 潜在的、 本質的課題を まえた、全ステークホルダー参加 抽出 型の協創ワークショップによる議 論と共有 日立独自のプロトタイピング手法 により、新業務の実現性と効果 を見える化 Exアプローチの特徴 お問い合わせ先 (株) 日立製作所 Exアプローチ推進センタ TEL(03)5471-2615 ■ 情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/design/field/experience/ex_approach_01/ はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 2 カフェのようなくつろげる空間を コンセプトとした銀閣寺支店 指静脈認証でお客さまを特定し、 対面取引が開始される (銀閣寺支店) 京都・滋賀・北大阪を営業地域に86の店舗網を持つ京都信用金庫 都信用金庫 (以下、 京信) は、 日立と共同開発した 「新営業店システム」 の全店移行を2011年5月に完了しました。 開発にあたっては日立の超上流システム設計手法 「Exアプローチ※1」 を適用し、 来店されたお客さまへの “おもてなし” を実践する次期システムのあるべき姿を見える化したほか、 勘定系と情報系の情報をリアルタイム連携することで、 お客さまと対話しながら事務処理を完結できる PCベースの新営業店端末を導入。 インフラに統合チャネルソリューション 「FREIA21+※2」 を採用し、 拡張性と柔軟性を兼ね備えた次世代営業店システム基盤を構築しました。 ※1 Experience Oriented Approach ※2 Financial Retailing Delivery System of Information-Advance21+ 「Exアプローチ」と「FREIA21+」で コミュニティ ・バンクの実践を支える新営業店システムを構築 京都信用金庫 http://www.kyoto-shinkin.co.jp/ 京都信用金庫 専務理事 榊田 隆之 3 はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 氏 USER PROFILE 京都信用金庫 本 社:京都府京都市下京区四条通柳馬場東入立売東町7番地 設 立:1923年9月27日 総資産額:23,839億円 常勤役職員数:1,776名(2011年3月末現在) 京都・滋賀・北大阪を営業地域として、会員・地域の皆さまそして地域社会の発 展に寄与することを基本理念とし、取引先へのきめ細やかな接客を通して、地域 の皆さまと中長期的な信頼関係を構築し、 「地域の絆づくり」 に取り組んでいる。 本店外観 サービスを提供できる、簡便で使い勝手のよい営業店システムを構 地域の絆づくりに取り組むコミュニティ・バンクとして 築しようと決断しました。それを基盤に店頭での接客体制の強化を 図り、お客さま一人ひとりに最適なご提案ができる体制を整えること 1923(大正12)年の設立以来、お客さまとの親密で永続的な信 が、 わたしたち京信の使命だと考えたのです」 と榊田氏は続けます。 頼関係を構築しながら、付加価値の高い金融サービスを提供し続 けてきた京信は、Face to Faceのお付き合いをベースに地域経済 長年の実績を評価し日立をSIパートナーに の発展に貢献する「コミュニティ・バンク」という概念を、国内の金 融機関で初めて提唱したことでも知られています。 そこで京信は、次世代の営業店窓口体制を構築するべく、社内 「当金庫では地域のお客さまと同じ目線で生活を考え、地域に に営業店ワークフロー革新プロジェクトチームを設置。その答申に 役立つ金融サービスを提供するというコミュニティ・バンクの理念を 基づいた新営業店システムの開発を推進するWARP 計画 ※3 を 実践するため、営業店における対面・対話をセールスの基本と位 2008年4月に始動しました。新営業店システムの共同開発ベンダー 置づけ、来店されるお客さまへの“おもてなし” をいかに向上できる には、 絞り込まれた2社の中から日立を指名。 かを常に考え続けてきました」と語るのは、専務理事の榊田 隆之 「新営業店システムでは、これまで分離していた勘定系と基幹 氏です。店舗内をお客さま目線で見渡した場合、10年ほど前に更 データベース、情報系を連携させ、端末上ですべての情報を一元 改された営業店システムと店舗営業のあり方には「大きく3つの課 的に見せることが重要なポイントになっていました。この難しい要件 題がありました」 と榊田氏は振り返ります。 に対しては、当金庫の勘定系を長年にわたって支えていただいて 「1つは、お客さまの待ち時間が長いことです。受付書類が後方 いる日立さんの技術力やノウハウに頼る部分が大きかったことが の役席者を回って処理を終え、改めてお客さまをお呼びするまで 1つ。また今回から、高コストな専用端末に代えて、低コストで汎用 15 分ほどかかりますが、これはやはり長いと感じます。2つめは、 性の高い PCを営業店端末にしたいというわれわれのチャレンジ ATMは利用するものの、そこから先のロビーへ足を踏み入れるに に、開発面でのリスクや負担が大きいにもかかわらず、 “やってみま は、気軽に声をかけられる顔見知りの担当者がいない。このため、 しょう” と言ってくださった日立さんの力強い姿勢も、パートナー選択 どうしても敷居が高くなってしまう。3つめは、預金量の多寡にかか の大きな決め手になりました」とシステム部 部長の松井 哲二氏は わらず本当にすべてのお客さまへ適切なサービスを提供できてい その経緯を説明します。 たかどうか−−これらの課題は当金庫に限らず、全国の金融機関 ※3 京都信用金庫がめざす次世代の店頭体制を実現するための新営業店システム開発プロジェクト名 「Workflow Analysis and Reengineering Project」のこと の多くが長年抱えていた問題でもあります。しかしコミュニティ・バ ンクを標ぼうする以上、手をこまねいているわけにはいきません。改 Exアプローチで職員が課題と解決策を見える化 善するには何をすればいいかを皆で考え、まずは煩雑な事務処理 は極力システムに代替させ、人間にしかできない付加価値の高い システム設計にあたっては、 「最初からベンダーに頼るのではな るぽ Reportage 京都信用金庫 事務部・システム部・事務集中部担当 理事 京都信用金庫 システム部 部長 京都信用金庫 システム部 課長 河東 勝康 松井 哲二 中嶋 雅孝 氏 氏 氏 はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 4 ためのデザイン設計なども行われました。これにより、 その後のシステ ム構築プロジェクトでは「以前に比べて開発段階での手戻りが非常 に少なく、計画通りにシステムを完成させることができました」と松井 氏は評価します。 ワークフローモードで接客しながらの事務を実現 「ながらオペ」※4 お客さまのニーズに合う商品を笑顔で提案する 「くらしのアドバイザー」 (本店) く、現場とお客さまをいちばんよく知っている職員自身が、コンセプト 2010年4月より京信の営業店に順次導入され、 2011年5月に86店舗 メークや業務設計に取り組むべきだと考えました」と榊田氏は語り 全店への移行が完了した新営業店システム。そこでは京信と日立が ます。 その思いを実現するため、 日立は要件定義以前の “超上流” 共同開発した、 対面ディスプレイ、 スキャナ、 指静脈認証ユニッ トや各種 工程に、システム開発プロセスの改革を推進する手法「Exアプ 金融デバイスを自在に組み合わせることが可能なPCベースの新営業 ローチ」を適用。京信は、経営層、営業部門、システム部門、事務 ※5 」が採用されています。 店端末「Multimode Teller Station(MTS) 部門などから計 10 名程の参加者を集めたワークショップを半年間 MTS 端末は勘定系の事務処理用 Web 画面に加え、取り引き にわたって実施し、新システムのねらいや効果など、現場における に訪れたお客さまの基本情報やコンタクト履歴などを管理する情 本質課題の理解と整理、あるべき姿の見える化を徹底的に進めて 報系のWeb 画面も備えており、本人確認から取り引き完了までに いきました。 必要な情報を1つの画面で俯瞰しながら、インターネットバンキング 「手厚い接客を行うおもてなしと、待ち時間を短縮するための事 のように操作することが可能です。 「ワークフローモード」と呼ばれ 務の効率化、この一見相反する課題を両立させるには、すべての るこの新操作画面を使うことで、自動入力や選択項目方式による 関係者が課題を共有し、その解決策となる次期システムの理想像 事務負担の軽減により、 「お客さまと直接対話しながら、事務処理 を、互いに共感しながら導き出していく必要がありました。その点、 を自然と完結できるようになりました」 と中嶋氏は語ります。 Exアプローチでは日立さん側担当者も交えた徹底的な議論の積 また、 電子台帳を核に役席権限取引の申請・承認をフロー化する ふかん み重ねにより、来店からお帰りになるまでのお客さまの動線と思い、 「権限取引管理機能」、オープン出納システムと端末の現金取扱 そこで職員はどのように行動すれば、おもてなしと事務の効率化が データを一括管理して現金取扱事務の効率化を図る「出納システ 図れるのかをしっかり見える化することができました。この過程がな ム連動機能」 、MTS 端末 /オープン出納システム/ATMの現金有 かったら、今回のような革新的なシステムは作れなかったと思いま 高を管理して店舗ごとの現金照合事務を効率化する「勘定照合支 す」 とシステム部 課長の中嶋 雅孝氏はExアプローチの効果につ 援機能」など、 さまざまな新機能も提供され、処理の厳格性を担保し いて話します。 たうえでの業務効率向上を支援しています。 作業の最終工程となったシステム要件定義では、お客さまと対話 導入後は、照会取引にかかる時間が約 3 割削減されたことで、 「来店客 1 件あたりの平均取引時間が約 7 分の中で、お客さまとの しながら操作可能な窓口端末の仕組みや、お客さまと職員双方の ニーズを満たす情報支援、コンタクト情報をお客さま情報ファイルに 会話時間を従来の約2分から約6分へと生み出すことができました。 蓄積することなど、 システム面での要件整理と、操作性を向上させる エラー率については、20 数%から約 5%へ大きく低減でき、コード入 力のミスなどによる単純ミスはなくなりました」と松井氏は センター その効果を評価します。 勘定系システム 情報系システム 基幹データベースシステム 顧客統合 データベース 基幹 データベース これらの新機能は、関連システムとのスムーズな連携を支 援する統合チャネルソリューション「FREIA21+」を基盤に開 発されたものです。これにより京信は、お客さまへのよりきめ 細やかな接客を実現できる体制と、将来の伝票レス、印鑑 レス、 事務レスの実現に向けた拡張性、 柔軟性を兼ね備え システム連携基盤 た次世代営業店システムを構築することに成功しました。 ネットワーク 店外システム 営業店システム 指静脈認証 ATM 新端末 (MTS端末) オープン出納機 システム構成図 5 はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. ATM 操作性の向上と新規提案を可能とするワークフローモード さらに今回導入され が生まれ、お客さまも た新営業店システムは “自分のためにじっくり 環境配慮型製品の採 時間をかけて仕事をし 用により、消費電力を てくれている” という満 約 38%も削減。ITリ 足 感 が 得られるとい ソース管理やメンテナ う、職員とお客さま双方に新たな体験価値が生まれつつあるので ンスもセンター側で一 す」 と中嶋氏は分析します。 括運用できるようになっ 本店業務風景 ※6 店舗スペースなどの制約のため、 合計約30の営業店を改装対象としている たため、PC ベースの低コスト端末も含めた営業店 1 店あたりの投 資コストは「従来の約半分に低減できました」 と中嶋氏は語ります。 世界最高クラスのおもてなしを提供していく ※4「ながらオペ」=事務処理をしながら接客を行うこと ※5 Multimode Teller Stationは京都信用金庫の登録商標 「もちろん端末を変えるだけで、業務自体が激変するわけでは 職員とお客さま双方に新たな体験価値が ありません。この間、われわれは最初に挙げた2つめ、3つめの 課題にも対処するため、数々の施策に取り組んできました」と榊 田氏は語ります。 「例えば、お客さまと担当者がより親密な関係を 新システムの導入に合わせて京信では、営業店すべての窓口 作り、気軽にロビーへ訪れていただける『くらしのアドバイザー』 を、来店客が座って話せるローカウンターに改装する方針※6 を立 制度を設けました。これは窓口担当の職員全員を、お客さま一 て実施しています。その理由を事務部・システム部・事務集中部 人ひとりのご相談やご要望にお応えするスペシャリストと位置づ 担当 理事の河東 勝康氏は、 「新営業店システムによって事務の ける施策です。現在、営業店職員の70%となる約 500 名が店頭 効率化が図れたぶん、お客さまとの対話を増やし、窓口での営業 接客を行っていますが、それを可能としたのが、お客さまと接客し 強化につなげることがねらいです」 と説明します。さらに河東氏は、 ながら事務処理が行えるMTS端末です。新端末の導入で、退職 「こうした端末の入れ替えでは、必ずベテラン職員を中心に“ 以前 金や満期を迎えた定期預金の運用に投資信託などの商品を紹 の方がよかった” という不満が聞こえてくるものですが、今回ばかり 介するなど、個々のお客さまに合った提案がタイミングよく行えるよ はまったくそのような声が出てきません。特に若い職員は PC の うになりました。今後は職員の接客レベル向上と新システムとの相 Web 画面に慣れているせいか、切り替えた初日からほとんど違和 乗効果で、京都の老舗旅館と同様の世界最高クラスのおもてなし 感なく使いこなしているのに感心しました。お客さま側も、職員が端 をお客さまに提供していくことが目標です」 と榊田氏は続けます。 末を操作しながら対面で話すという新しいスタイルに戸惑われるこ 「そのためにも、ワークフローモードの活用をさらに広げるととも となく、自然に笑顔を見せられています。非常に大きな窓口改革が に、レベルの高い事務処理も画面を見ながら自動的に行えるよう、 進みつつあることを実感しています」とMTS 端末の使いやすさと このシステムをさらに進化させていくことが必要です。日立さんとの 窓口環境の変化にも言及します。 パートナーシップを一段と深化させながら、新しいビジネスモデルを 新営業店システムでは、新しい操作性のワークフローモードの 作っていきたいですね」 と河東氏は語ります。 ほか、従来型コード入力のスタンダードモードにも切り替えられるよ また松井氏も、 「日立さんには営業店システムだけで、新たな金 うになっています。当初、ベテラン職員には「従来型の方が“慣れ 融商品が生み出せるような、FREIA21+ のさらなる強化を期待し ていて速い” という先入観を持っていた人が多かった」とのことで ています」 と語ります。 すが、 「一度ワークフローモードを使ってみると非常に使いやすく、 「CHALLENGE TO CHANGE」 (変えること変わることへの挑 “これならお客さまと会話できる余裕が生まれる” と評価が一変し 戦)をテーマに掲げ、新しい時代のコミュニティ・バンクとして継続 たのが印象的でした。かつては黙々と端末へ入力することに追 的な経営改革を推進する京都信用金庫。その取り組みを、 これか われていた職員も、お客さまの顔を見ながらストレスなく処理が進 らも日立は幅広い金融ソリューションとプラットフォーム製品群によ むため、 “このお客さまのお役に立ちたい” というやりがいや楽しさ り、 力強くサポートしていきます。 るぽ Reportage お問い合わせ先 (株) 日立製作所 金融システム営業統括本部 ビジネス企画部 TEL(03) 3258-1111 (大代表) http://www.hitachi.co.jp/finance-inq/ ■ 情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/FREIA/ はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 6 ソリューション & サービス・ケーススタディ 1 社員の健康管理をサポートする 「はらすまダイエット/保健指導」 SCSK株式会社(旧 住商情報システム株式会社)▶ http://www.scsk.jp/ 社員の健康の維持・管理は企業経営に欠かせない重要課題の1つです。 長年にわたり積極的な健康増進策を展開してきた旧 住商情報システム株式会社は、 社員の生活習慣改善を目的に、 日立のASP型(SaaS※1)で支援する 特定保健指導支援サービス「はらすまダイエット/保健指導」を導入。 2011年10月にSCSK株式会社(以下、 SCSK)へと社名変更した後も、 対象者を拡大しながら能力と健康を兼ね備えた人材による成長戦略を推進しています。 ※1 Software as a Service SCSK株式会社 経営企画・人事グループ 人事第一部 健康管理センター 課長 SCSK株式会社 経営企画・人事グループ 人事第一部 健康管理センター課 保健師 永瀬 潤 氏 小山 佳代 氏 社員の健康管理を何よりも重視 高い実績を評価し導入を決断 住友商事グループの一員として、 ITインフラからアプリケーション 日立が提供する 「はらすまダイエット/保健指導」 は、 『がんばら 開発までをワンストップで提供してきた住商情報システム株式会社 ない!でもあきらめない!』 をキーコンセプトに、むりせず賢くダイ と、 独立系情報サービス事業者として独自のポジションを築いてき エットすることを目的に考案された自己改善型の内臓脂肪減量 た株式会社CSK。 その経営統合により誕生したSCSKは、 これまで プログラムです。100kcal相当の飲食内容や運動量の目安を記 培ってきた両社の強みを生かし、 システム開発からITインフラ構築、 載した100kcalカードを使い 「缶ビール1缶の1/3を減らす」 「自転 BPO※2、 ITハードウェア、 ソフトウェア販売までを幅広く展開するグ 車で12分走る」 といった減量メニューを参加者みずからが選択 日々の体重とメニューの実施状況をWeb上から記録。90日間 ローバルITサービスカンパニーとして新たな一歩を踏み出しました。 し、 7 企業力の源泉となる社員の健康管理を重視する同社では、 で体重の5%減※3を目標に、効率よく減量できる仕組みになって 本社オフィスに、 ゆったりくつろげるカフェテリアやリラクゼーション います。 ルーム (マッサージルーム)、診療所などが設置され、社員が常に 実際に日立グループ内ではこれまでに約2,000名以上の特定 心身をリフレッシュできる環境が整備されています。 保健指導にはらすまダイエットを適用し、開始から6か月を過ぎた 「体を動かす機会の少ないSE (システムエンジニア) 比率の高 964名のうち52.1%が目標体重への減量に成功。継続率93.3%、 い当社では、 社員の健康管理を推進するため、社長みずから指 平均で4.5kg減少という高い効果が得られています。 また、ASP 揮をとり、 早くから全館における禁煙の実施や、 禁煙・歩行数の目 型でのサービス提供により、指導者と参加者は自席や自宅のPC 標を達成すれば報奨を与えるキャンペーンなどを展開してきまし からシステムを利用できるため、初期投資や運用コストも低減で た。 また、生活習慣改善に向けた体組成測定や食事指導なども きるのが特長です。 行ってきましたが、 体重コントロールの面では今ひとつ効果が出て 「医療関係者や保健業界での評判が非常に高かったこと、 ま こない。何かいい策はないかと考えていたところで出会ったのが た日立グループ内で実行した結果を詳しくご説明いただき、 “こ “はらすまダイエット” だったのです」 と語るのは、 経営企画・人事グ れなら間違いない” と信頼できたことが大きな決め手になりまし ループ 人事第一部 健康管理センター 課長の永瀬 潤氏です。 た」 と永瀬氏は語ります。そこで同社は福利厚生の一環として ※2 Business Process Outsourcing 2010年9月より、 まずは5名を対象としたトライアル適用をスタート。 はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. SCSK株式会社 本 社 設 立 資 本 金 事業内容 東京都江東区豊洲3-2-20 (豊洲フロント) 1969年10月25日 21,152百万円 システム開発、ITインフラ構築、ITマネジメント、BPO (ビジネス・プロセス・アウトソーシング)、ITハードウェ ア、 ソフトウェア販売まで、 フルラインアップでサービス を提供 90日後の確かな成果をふまえて、1回約30名ずつ が参加する本格導入へと移行しました。 ※3 90kg以上の人は体重の7% 全国ユーザーの中でもトップクラスの成果 「30代∼40代を中心としたメタボ予備軍の社員 が参加していますが、皆さん減量はもちろん、体脂 肪率測定や血液検査でも非常にいい結果が出て います。 日々コンピュータプログラムを相手とする仕 事柄か、体重変化のグラフが刻々と下がっていくの がおもしろくてやめられなくなる方が多いようで、 な かには10kg以上減量した方もいます。 あまり急激 保健指導者と参加者の初回面談の風景 に減らさないよう、 こちらからアドバイスすることもし ばしばです」 と笑顔で語るのは、指導にあたる経営 ■減量プログラムの手法に 「はらすまダイエット」 が採用されました 企画・人事グループ 人事第一部 健康管理セン SCSKでの従業員の健康を守る取り組み ター課 保健師の小山 佳代氏です。 減量 プログラム 仕事中のおやつを減らす、通勤時や昼休みに 禁煙 キャンペーン ウォーキング キャンペーン マッサージ ルーム 健康相談室 など 積極的にウォーキングするといったように、 人それぞ れのやり方でむりなく減量を達成しているSCSKの 皆さま。 これまでの参加者は約60名ですが、継続 SCSK 健康管理センター 率92%、体重5%減の成功率64.3%と、全国のはら すまダイエットユーザーの中でもトップクラスの数字 を記録しています。 健診結果や福利厚生とし て幅広い層から参加希望 者を募集 サーバ (日立) 指導者 参加者 (1回約30名) 「10日ごとに保健師から励ましのメールがきたり、 相談すればすぐにレスポンスがあったりすることな どが、継続への大きなモチベーションになっている ようです」 とASP型ならではの利便性と機能性を永 瀬氏は高く評価します。 また小山氏も 「社員からの 要望でプログラムへの参加は秘密厳守となってい インターネット ますが、Web経由で私たちときちんとコミュニケー パソコン ションがとれることや、 自宅からでも自分の体重変化、 パソコン 生活習慣の改善ポイントが一目で理解できるのが SSL通信 好評のようです」 と付け加えます。 2社の経営統合で社員数が一気に倍増した現 携帯電話 SSL:Secure Socket Layer 「はらすまダイエット」 の概要 在も 「非常に高い効果が出ていますので、 “はらす まダイエット” は継続的に提供していきます」 と永瀬氏は語ります。 健康で幸福な社員の人材力を基盤に企業競争力の向上を 今後は適用者数をさらに増やし、 導入効果も一段と高めるため、 めざすSCSKの取り組みを、 これからも日立は、ITを活用した医 保健師・スタッフの増強も含めた体制づくりや、 自発的な健康管 療/健康分野へのソリューション拡充により、全力でサポートして 理をうながす啓発活動にも力を入れていきたいとのこと。 いきます。 お問い合わせ先 (株) 日立製作所 公共システム営業統括本部 カスタマ・リレーションズセンタ E-mail:[email protected] ■ 情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/app/harasuma/ はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 8 ソリューション & サービス・ケーススタディ 2 デジタルペン ソリューションによる ショールーム見積もりシステム 株式会社 LIXILインフォメーションシステムズ ▶ http://www.lixil-is.co.jp/ リク シ ル 日本を代表する総合住宅設備・建材メーカー 株式会社 LIXIL(以下、 LIXIL)は、 全国のショールームにおける見積もりシステムに、 日立の「デジタルペン ソリューション」 を採用。 コーディネーターが接客しながら記入した内容を、 わずか5分で見積書や図面などの提案資料として提供するサービスにより、 お客さま満足の向上と接客業務の効率化を実現しました。 Solution & Service case study 株式会社 LIXILインフォメーションシステムズ プロジェクト開発部 統合・刷新企画グループ 加藤 一茂 氏 住宅関連のさまざまな商品・サービスを展開 株式会社 LIXILインフォメーションシステムズ 開発1部 住設営業システム開発グループ 小出 有紀恵 氏 備・建材メーカーです。同社が全国で展開するショールームに は、 「トステム」 「INAX」 「新日軽」 「サンウエーブ」 「TOEX」 といっ 住関連の企業集団として2001年に誕生した住生活グループ。 たブランド商品がトータルに展示され、新築やリフォームに向けた その中核企業であるトステムやINAXなど5社が2011年4月に経 商品選びに多くのお客さまが訪れます。 営統合して発足したLIXILは、 売上高1兆円を誇る総合住宅設 ここで、 お客さまの希望や住まいの条件を聞きながら、 さまざま な商品提案を行うのが、 ショールームのコーディネーターです。 そ の手に握られているのは、 一見普通のペンに見えますが、 記入し た文字を自動的に電子データに変換する専用のペンです。 お客 さまに商品説明を行う際、専用の見積もりシートに希望商品のサ イズや色、 オプションなどを記入していくだけで、ペンがコーディ ネーターの携帯電話と通信を行い、 各種情報が見積もりシステム に転送されるという、 日立の 「デジタルペン ソリューション」 が活用 されています。 「デジタルペンを活用した見積もりシステムは、 LIXIL統合前の 2008年に、 当時のINAXが導入したものです。 それ以前の見積 もりは、 コーディネーターがお客さま対応を終えた後、PCへ手入 力して算出していました。 このため休日などで混み合う際には、 見積書をお渡しするのに長時間お待たせしたり、翌日以降にご 自宅へ送付したりするようなケースが多々発生していました。 そこ で、 お客さま満足と接客業務の効率化を両立できる仕組みとし て導入したのがデジタルペン ソリューションだったのです」 と、 LIXILに導入されたデジタルペン ソリューションの概要 9 はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 同社のグループ企業で情報システム業務を担当する株式会社 USER PROFILE 株式会社 LIXILインフォメーションシステムズ 本 社 設 立 資 本 金 従業員数 事業内容 東京都江東区大島2-1-1 2002年1月1日 100,000,000円 (2011年4月1日現在) 社員 358名 / パートナー 134名 (2011年10月1日現在) システム企画支援、 システム設計、 開発、 導入その他、 情報システムに 関する事項などグループ各社に対する情報システム化の推進 LIXIL東京総合ショールーム Solution & Service case study LIXILインフォメーションシステムズ (以下、LIXILインフォメーショ 合併後の業務変化にも柔軟に対応 ンシステムズ)プロジェクト開発部 統合・刷新企画グループの 加藤 一茂氏はそのシステム導入の背景を説明します。 2011年7月末から稼働を開始した新見積もりシステムの適用 接客スタイルを変えずにシステム化を実現 コーディネーター数がそれぞれ大幅に拡大しました。 これにともな い、 CGレンダリング用のサーバを強化したことで、 従来PDFファイ 日立のデジタルペン ソリューションは、特殊なドットパターンが ルの出力に10∼20分かかっていたものが5分弱へと短縮され、 印刷された専用紙に記入した文字や絵を、 そのまま超小型カメ 今まで以上にお客さまへの迅速な提案資料の提供が可能にな ラを内蔵したデジタルペンで読み取り、 自動的に電子データに変 りました。 範囲は、INAX時代と比較してショールーム数、 そして利用する 換するシステムで、 さまざまな業務システムとの柔軟な連携が可 「1つのショールームで取り扱うブランド数が増えれば、 その分 能です。 商品構成や見積もり作業が複雑化し、 コーディネーターの負担も 当時INAXでは、 お客さまの要望を聞き取りながらメモすると 増えていきます。 しかし、 新しい商品構成に対応した見積もりシー いう接客スタイルを変えることなく、紙からシステムへの転記作業 トと、 ミスや漏れのない提案が行えるデジタルペンシステムは、 こ をなくし、 わずかな時間で見積書を作成できる本ソリューションの れまでシステムを使っていなかったコーディネーターにもスムーズ 特長を高く評価。 日立とともに、 デジタルペンで記入された情報を に接客が行えると喜ばれていると思います」 と小出氏は語りま デジタルペンデータ処理用サーバへ転送し、筆跡情報の文字認 す。 また加藤氏も、 「新会社が発足したばかりですので、 現状では 識、選択商品の組み合わせチェックなどを経て、商品構成の3次 まだシステムを活用しきれていないコーディネーターが少なくありま 元CGイメージと合わせたPDFの提案資料(見積書・図面・カ せん。今後も経験年数やスキルにかかわらず接客品質や業務 ラーシミュレーション) に反映するシステムを構築しました。 これに 効率の向上に寄与できるよう、 日立さんからのアドバイスを参考 より、商品選定の検討に役立つ資料を、 お客さまがお帰りの際に に、 継続的なシステム改善に取り組んでいきたいと思います」 と語 直接お渡しする流れを標準化し、 お客さま満足の向上に加え、 ります。 コーディネーターの見積もり業務負担や転記ミスなどを大幅に低 幅広い商材を生かした満足感の高い提案で、住生活の未来 減することに成功したのです。 を創造し続けるLIXIL。 日立はこれからも、 デジタルペン ソリュー 「LIXILの発足で5社のショールーム運営を一本化した際も、 ションのさらなる進化と関連ソリューションの拡充により、 同社の事 どのような仕組みでお客さま満足と業務効率向上を実現していけ 業発展を強力にサポートしていきます。 ばいいのか、 再検討を行いました。 その結果、 確かな導入効果と、 取り扱い商品が増えた際にも商品提案や実績管理が容易に行 える方法として、 デジタルペンのシステムを拡張していくのがベスト と語るのは、 LIXILインフォメーションシステムズ だと判断しました」 開発1部 住設営業システム開発グループの小出 有紀恵氏です。 超小型カメラの内蔵された専用ペン 「デジタルペン」 と特殊なドットパターンが印刷され た用紙を用い、 情報の読み取りとデータ送信を行う お問い合わせ先 (株) 日立製作所 公共システム営業統括本部 カスタマ・リレーションズセンタ E-mail:[email protected] ■ 情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/app/tegaki/ はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 10 6 1 小堀遠州好みの名園を望む (武家屋敷跡野村家) 7 オリジナルのミニ染額を手に笑顔の皆さま (長町友禅館) 大野庄用水が流れる長町武家屋敷跡にて 106 トラベルウォーキング 4 石川県金沢市(取材日:2011年10月) 川口さん 風情ある長町武家屋敷跡、 可憐な花街・ひがし茶屋を歩く 3 ん 松本さ 5 吉村 さん 藩政時代から加賀百万石の城下町として栄え、 加賀藩の政治、 経済、 文化の中枢機能を果たした古都・金沢。 現在でも北陸の中心都市として大きな役割を担っています。 金沢は戦禍を免れたために、 古い街並みが数多く残り、 中でも代表的なエリアが江戸時代の武家屋敷の様子を伝える長町武家屋敷跡とひがし茶屋街。 今回のトラベルウォーキングは、 “鐡屋” としての 「本業」 を基本に、 地元企業としての 「本分」 を大切に、 地域の産業、 モノづくり産業に貢献する株式会社 金太 (以下、 KINTA) の皆さまと、 着物が似合うしっとりとした城下町、 金沢を歩きます。 金沢の伝統工芸を体験 加賀友禅工房・長町友禅館 巡るのがとても楽しみです」 と優しい笑顔を 財務部の吉村 千晴さん。金沢では、嫁ぎ 向けます。 また、本格的な手書き友禅染め 先に用意された花嫁の部屋に 「花嫁のれ 1907 (明治40) 年、 初代社長・南 太吉氏 を体験することができ、 KINTAの皆さまに ん」 と呼ばれる 特別な祝いのれんを飾る風 が、金沢において金太商店を創業、以来 もミニ染額を自分の好きな地色を選んで染 習があります。街着の着物姿に変身した “鐡屋” としての本業一筋に104年の歴史を めていただきます。 「配色をイメージしなが 建築開発部の松本 響子さんは、 「着物を ら、 ぼかしなど本格的な技法を施していく 着ると凛とした気持ちになり、 所作や歩き方 「建築開発部」 「 土木開発部」 の営業4部 のはなかなか難しいものですが、 3週間後 にも気を使いますね」 と鮮やかな花嫁のれ 体制を敷き、 時代とともに変化し深まるお客 にオリジナルのミニ染額ができあがるのがと んの前で微笑みます。 さまニーズに対して、 真剣に取り組み、 お応 ても楽しみですね」 と笑みを浮かべるのは、 長町友禅館の近くには、 古都情緒あふれ 誇るKINTA。 現在では 「鉄鋼部」 「機械部」 えしています。 KINTA本社から北へ3km ほど行くと、金沢の伝統工芸・加賀友禅の 本流を伝承する加賀友禅工房・長町友禅 館があります。 桃山末期から江戸時代にかけて、加賀 にはすでに約200軒の紺屋があったといわ れ、 加賀のお国染めとして種々の染色がな されていました。加賀友禅の染色技法が 確立されたのは江戸元禄の頃、宮崎友禅 斎により始められたといわれています。 「加 賀友禅は落ち着いた古風な文様や地色 で、決してきらびやかでも豪華でもありませ んが、 なぜか心のときめきを感じさせてくれ る着物ですね」 と語るのは、土木開発部の 川口 未来さん。 「着物を着る機会はなかな かありませんので、今日は着物姿で市内を 11 はいたっく2011-12 土塀が続く石畳の小路を散策する皆さま。 武家屋敷跡には着物姿がよく似合う 8 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 石川県金沢市 ご参加いただいた 株式会社 金太の皆さま 「黄金ぜんざい」 懐華樓は、 ひがし茶屋街に現存する茶屋建築の中で最大級の 株式会社 金太 規模を誇るお茶屋。 当時の繁栄を伝える貴重な建物として金沢 本店:石川県金沢市泉本町5-61 TEL(076) 242-3333(代) http://www.kk- kinta.co.jp/ 市指定保存建造物に指定されています。 また、 金沢は湿度が高 いため、 伝統工芸の金箔製造に適し、 今でも金箔の製造は全 創 業 1907 (明治40) 年 従 業 員 数 132人 (2011年10月現在) 事業内容 国シェアの98%を占めます。 その金箔を贅沢にあしらった一品 が懐華樓カフェでいただける 「黄金ぜんざい」 。 福を招き金運を もたらす縁起物として人気メニューの一品です。 普通鋼、 特殊鋼、 ステンレスの販売 、建築土木資材の販売、 金属加工機械、 工具、機器の販売、鉄鋼材の加工(シャーリング、溶接、 プレス曲げ、 ファイン カット、穴明、 その他)、機械器具設置工事の設計施工、建築工事・鋼構造物 工事・建具工事・土木工事の設計施工など 11 お問い合わせ先 懐華樓 金沢市東山1-14-8 TEL(076) 253-0591 る武家屋敷跡エリアがあり、 早速、 KINTA の皆さまと武家屋敷散策に出かけます。 106 ■導入システム HA8000など ■担当営業 日立製作所 北陸支社 担当:田辺 加賀百万石の城下町の風情が残る ひがし茶屋街 ひがし茶屋街は、国の重要伝統的建造 物群保存地区に指定され、加賀百万石 土塀が続く静かな街並み、 長町武家屋敷跡 の城下町の風情を今にとどめる街並みの 金沢の街並みにさまざまな表情を醸し出 1つ。 1820 (文政3)年、前田公によって整 し潤いと安らぎを与えてくれる用水。 その金 備された街で、 長らく繁華街として栄え、 時 沢で最 古 の 大 野 には文化人達の社交場にもなりました。石 庄用水が流れる静 畳の道の両側に紅殻格子のお茶屋が並 かな街並みが長町 び、江戸時代の雰囲気を醸し出していま 武家屋敷跡です。 す。 「昔からの景観とあわせてどこからとも 長町界隈はかつて なく、三味線の音色が聴こえてきそうです の藩士が住んでい ね」 (松本さん) 。 ひがし茶屋街を歩くと茶屋 た屋敷跡であり、重厚な門構えや土塀が 様式と言われる建物が軒を連ね、特に 「志 続く屋敷では今も市民生活が営まれていま 摩」 や 「懐華樓」 などは江戸時代当時の雰 す。 「石畳の小路を散策すれば、 まるでタイ 囲気を伝えるお茶屋として文化財にも指定 ムスリップした空間に迷い込んでしまったか されています。 「路地に入っても華やかな茶 のようですね」 (吉村さん) 。 なかでも野村家 屋文化を感じさせる風情がそこかしこに 川口 未来さん(土木開発部) (写真左) 「着物を着て街に出ると背筋がピーンと伸びて、気持ちが引き締 まる感じがしますね。長町武家屋敷跡では、外国人ツアーの方と 一緒に記念写真におさまったり、 着物姿ならではのメリットもありま した。 また、懐華樓では、和服を着た女性の所作がとてもきれい で、 お客さまをおもてなしするという気持ちがよく表われていました。 やはり金沢は着物が似合う街ですね」 松本 響子さん(建築開発部) (写真中) 「加賀友禅染め体験を通して、金沢には前田家が奨励してきた 数々の伝統文化や工芸があり、 今も市民生活のなかにしっかりと 息づいていることを実感しました。 着物姿で長町武家屋敷跡やひ がし茶屋街をゆっくり歩くのは初めてでしたので、 いい気分転換が 図れました。次に散策する時は、 また違った角度からいろんなもの が見えてくるでしょうね」 べんがら 9 伝統ある 「あめの俵屋」 にて 吉村 千晴さん(財務部) (写真右) 「着物姿で街を歩くとやはりテンションがあがりますね。 ウキウキし た気分で散策が楽しめました。 武家屋敷跡野村家や懐華樓のお 座敷などは、内部も往時の姿をほぼとどめている貴重な文化財 で、当時の人々の暮らしぶりをうかがい知ることができました。 ひが し茶屋街では外国人の方や修学旅行生も多く、改めて観光都 市・金沢を再認識しました」 かい か ろう は、 当時の武士の邸宅の様子をうかがうこ 漂っているようですね・ ・ ・( 」川口さん) 。 とができる武家屋敷。 1583 (天正11)年、 加賀百万石の基礎を築いた前田利家公 城下町金沢は着物が似合う街。 皆さまも の金沢城入りに直臣として従った野村伝 情緒ある街並みを訪ねて “北陸の小京都・ 兵衛信貞に遡る由緒ある家柄です。 さらに 金沢” で癒されてみてはいかがでしょう。 2 加賀友禅工房・長町友禅館にて 至 金石・大野 浅野川 JR金沢駅 北 陸 本 線 10 11 進むと創業以来176年の伝統を誇る 「あめ 長町 武家屋敷跡 157 ひがし 茶屋街 懐華楼 兼六園 株式会社 金太 加賀友禅工房・ 長町友禅館 麦だけで作られた金沢で一番古いあめ屋 1 2 3 4 5 さんです。 私も子どもの頃によく食べていた 水 庄用 大野 の俵屋」 ののれんが見えてきます。 「米と大 6 7 武家屋敷跡野村家 懐かしいあめですよ」 (川口さん) 。 風情ある 土塀のまちなみ 9 ※ 長町武家屋敷跡から、金沢に3つ ある茶 あめの俵屋 屋街の中で一番規模の大きい茶屋街・ひ 老舗記念館 10 がし茶屋へ向かいます。 かずさ ※ ひがし茶屋街、 にし茶屋街、主計町茶屋街 道の両側に紅殻格子のお茶屋が並ぶひがし茶屋街。 加賀百万石の城下町の風情が残る 観光お問い合わせ先 ●金沢市観光協会 TEL (076)232-5555 http://www.kanazawa-kankoukyoukai.gr.jp/ 8 長町 武家屋敷跡 ウォーキング参加者募集 はいたっく誌読者の皆さまで、 当コーナーに参加をご希 望される方がいらっしゃいましたら、 当社担当営業または はいたっく誌事務局 ([email protected]) までご連絡ください。 はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 12 ソリューション & サービス・ケーススタディ 3 日立のシステム基盤と開発力で 電子図書館サービスを大幅に拡充 新潟県立図書館 ▶ http://www.pref-lib.niigata.niigata.jp/ インターネットの急速な普及にともない、 人々の情報探索行動が大きく変化する中で、 全国の図書館にも環境変化に対応した新たな取り組みが求められています。 開館以来100年近くの歴史を持つ新潟県立図書館は2011年、 図書館システムを日立の「公共向け図書館情報総合システム」にリニューアルし、 インターネットを基盤とした電子図書館サービスの拡充を図りました。 日立のITインフラとサービス開発力をベースに、 利便性の高いWebサイトの機能強化や、 所蔵資料のデジタルライブラリー化など、 次世代に向けた電子図書館づくりを積極的に推進しています。 Solution & Service case study 新潟県立図書館/文書館 館長 安藤 哲也 氏 電子図書館の構築をめざす 「これまでの県立図書館は市町村図書館との役割分担を図る ため、 かなり専門的・学術的な資料を収集・公開するという位置 市街地とは思えないような湖沼と緑に囲まれた鳥屋野潟公園 づけにありました。 しかしこの十数年の間にインターネットが急速に 内に広大な敷地を持つ新潟県立図書館は、 1915 (大正4) 年の開 普及してきたことで、 専門的な情報は自宅のPCからも気軽に検索 館以来、 100年近くにわたって蓄積してきた貴重書をはじめ、 74万 できるという環境変化が起こりました。 このため全国の県立図書 冊もの豊富な資料を備えています。 半円形の閲覧室がワンフロア 館の多くが利用者の減少という大きな課題に直面するようになっ に広がるゆったりとした館内には、約14万冊の開架図書のほか、 たのです」 と館長を務める安藤 哲也氏は語ります。 40万冊以上の資料を利用者が直接見ることができる公開書庫、 新潟県立図書館もこの流れに逆らうことはできず、 10年前には Webが使えるインターネットコーナー、 新聞や雑誌記事などを検索 年間33万人ほどだった利用者が、 4年ほど前には約22万人に減少 できる総合データベースセンターなどが備えられ、 気軽な読書から していたとのこと。 そこで2008年に館長に就任した安藤氏はみず 専門的な調査・研究まで幅広く対応する知的空間として、 多くの から陣頭指揮を執り、 抜本的な図書館改革に取り組み始めます。 利用者に親しまれています。 「改革には大きく2つの方針を掲げました。 1つは、専門的な資 料の提供は維持しつつ、 小さなお子さまから高齢者の方まで、 幅 広い年齢層の方に足を運んでもらえる魅力ある図書館づくりを推 図書館運営に大きな影響を与えたインター 進すること。 もう1つが、 ネットを逆に取り込み、 新たな可能性を持った電子図書館を作り上 げていくことでした」 と安藤氏は振り返ります。 新たなシステムパートナーに日立を選択 そこで県立図書館では貸し出しやレファレンスといった本来の 業務のほかに、 文化や暮らし、 子どもなどをテーマとした講演会や 資料検索機利用の様子 13 はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 展示会、 イベントなどを積極的に開催。 1人でも多くの利用者に資 USER PROFILE 新潟県立図書館 所 在 地 新潟県新潟市中央区女池南3 -1-2 蔵 書 数 約74万冊 (2011年10月末現在) 利用者カ 利用者カード ドは好みのデザインを 選ぶことができる 半円形の閲覧室が広がるゆったりした館内 Solution & Service case study は語ります。 デザイン性に優 れ、操作性も向上し たWebサイトでは、 予約や貸し出し延 長のほか、 自分専用 の本棚を作ることが できるマイページ機 イベント情報などを伝えるデジタルサイネージ (電子看板) 能や、 外部の書店サイトと連携し、 検索資料の表紙をはじめ詳細 な情報を入手できる機能などが追加されました。 1月以降、 電子図 書館を利用するパスワード登録者数は約5,000人、Webサイトへ のアクセス数は年内には累計30万件を超える見込みであり、 電子 図書館に対する利用者の関心の高さがうかがえます。 「越後佐渡デジタルライブラリー」 では歴史資料を画像で見ることができる 「今回は通常の館内システムに加え、 新たに立ち上げた電子図 料を手にとってもらうためのテーマ別コーナー設置や職員手づくり 書館についても短い期間内に満足のいくものを作っていただき感 の館内サインの作成なども行いました。その努力が実を結び、 謝しています。 今後もわれわれは、 より本格的な電子図書館の構 2010年には年間41万人、 2011年には45万人 (見込み) と、 利用者 築に向け、 スピード感を持った取り組みを進めていきます。 日立さん 数を倍増させることに成功したのです。 にはそこでもぜひ力を貸していただきたいですね」 と安藤氏は期 一方、 もう1つのテーマである電子図書館づくりに向け、 2010年 待を寄せます。 その期待に応えるため、 これからも日立は図書館 には図書館システムの刷新プロジェクトを始動。 同年4月に行われ 情報総合システムのさらなる機能強化とインターネット関連ソ た一般競争入札でSIベンダーに選ばれた日立は、 利用者と職員 リューションの拡充により、 同館の理想の実現を強力にサポートし の利便性や効率性を向上させる図書館情報総合システムの構 ていきます。 築に着手するとともに、電子図書館の顔となるWebサイトのリ ニューアルや、 インターネットサービスの機能強化に取り組み、 2011 年1月7日より本稼働をスタートさせました。 インターネットサービスを大幅に拡充 「今回私たちは、職員や利用者が館内で利用するためのシス テム整備はもちろん、 日本全国どこからでも当館の資料を柔軟に 利用できる仕組みづくりに注力しました。 最終的にはネットワーク上 の電子図書館から、 いつでも電子書籍を閲覧したり音楽を聞い たりできる環境を提供したいと考えていますが、 その段階へいくま では少し時間がかかります。 そこでまず、 当館と県立文書館が所 蔵する上杉謙信以降400年間の歴史資料を 『越後佐渡デジタル ライブラリー』 としてWeb上で公開することからスタートしました。 こ れにより貴重な歴史資料を手軽に利用できるとともに、資料をより 良い状態で保存し、 永く後世に伝えることが可能となります。 また、 電子図書館の入り口となるWebサイトとインターネットサービスも、 日立さんの力をお借りして大幅にリニューアルしました」 と安藤氏 新潟県立図書館のシステム概要 お問い合わせ先 (株) 日立製作所 公共システム営業統括本部 カスタマ・リレーションズセンタ E-mail:[email protected] ■ 情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/app/looks-i/ はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 14 オープンミドルウェア・ケーススタディ 「JP1」 を活用し 中国でデータセンタービジネスを展開 高品質な運用監視を日系企業に 天津提愛斯海泰信息系統有限公司 ▶ http://www.tis-hitech.com/ 金融業界向けのシステムを得意とする国内大手SIerのTIS株式会社 (以下、 TIS) が、 天津市の投資会社・海泰集団と合併して設立した天津提愛斯海泰信息系統有限公司 (以下、 天津TIS海泰) 。 天津TIS海泰のように、 中国全土で建物の設計段階から関わった自前のデータセンター (以下、 DC) を持っている日系企業は まだ少ないのが現状です。 同社では 「 『ジャパンクオリティ』 を 『チャイナスタンダード』 で提供する」 というコンセプトのもと、 日立の統合システム運用管理 「JP1」 を採用。 日本のDC運営ノウハウを生かした、 きめ細かい運用監視サービスで、 中国市場に進出する日系企業をサポートしています。 天津提愛斯海泰信息系統 有限公司 董事 総経理 丸井 崇 氏 「日本品質」 を中国で 自社保有のDCを天津市で開業 15 天津提愛斯海泰信息系統 有限公司 専業服務部 副総監 小柳 隆司 氏 天津提愛斯海泰信息系統 有限公司 専業服務部 総監 首席技術官 肥田 圭介 氏 支えているのが、 日立の統合システム運用管理「JP1」です。 JP1には、TISの日本におけるDC運用ノウハウが凝縮されてい 天津TIS海泰は、2010年4月に 「天津濱海高新インターネット ます。 「日立さんの海外での実績や、 中国におけるJP1のサポー データセンター (以下、 天津濱海高新IDC) 」 を全面開業し、 中国 ト体制が確立されていたことも、製品選定のポイントとなりまし 国内でアウトソーシング事業を展開しています。 同社には今、 その た」 と丸井氏は評価します。 サービス品質の高さから、 日系企業からの関心も高まっています。 天津TIS海泰は、 JP1をDC運用基盤として導入するにあたり、 中国全土をみても、天津TIS海泰のように自前のDCを持っ これまで培った運用監視の考え方を組み込みながら設計・構築 ている日系企業はまだ少ないのが現状です。 日本のDC運営 を行いました。 その際JP1に種々のカスタマイズを実施していま 思想に基づいてセキュリティ体制を構築しているだけでなく、 す。 天津TIS海泰 専業服務部 副総監の小柳 隆司氏は 「DCで 中国の複数キャリアとのアライアンスによって、信頼性の高い は1つのツールを活用して、 複数のお客さまの個別運用監視を統 キャリアフリーのネットワークを提供できることを強みとしていま 合的に行っていく必要がありました」 とシステムの要件を説明しま す。第一期施工分の200ラックはほぼ完売し、開業当時から目 す。 そのため、JP1をカスタマイズして、 オペレータの監視画面で 標として掲げている1,200ラックの販売に向けて、好調な推移 お客さまにユニークIDを付与する機能を追加しました。 をみせています。 また、多くのお客さまから 「サーバー入れ替え時やメンテナン 天津TIS海泰 董事 総経理の丸井 崇氏は 「高品質な運用 ス時に出るエラーメッセージを抑止してもらいたい」 という要望 監視を中国の現地価格で利用できることが日系企業のお客さ が挙がっていました。 そこで、不要なエラーメッセージをシステム まにとって最大のメリットになります。高度な運用監視ノウハウ に事前登録することで、 自動静観する機能を組み込みました。 は、現地のDC事業者が視察に訪れるほど注目を集めていま さらにJP1が標準で提供している、 メッセージ画面から視覚 す」 と語ります。 的にステータスを識別できる機能に手を加えました。正常なス 親会社である日本国内大手SIerのTISは、金融向けシステ テータスの場合はメッセージ画面にそれを表示しないように変 ムを得意とし、40年以上のアウトソーシング経験を持ち、 日本国 更するとともに、 オペレータがエラー対応を終えたタイミングでも、 内では9か所のDCを運営しています。 日本のDC運用思想を組 メッセージを画面上から消去する仕組みに変更したのです。画 み込んだ天津濱海高新IDCは、 日本と同等の高セキュリティ・ 面上からエラーメッセージを消しても過去ログとして記録が保 高品質なサービスを提供することができます。 この運用監視を 持されているため、後で参照することができます。 はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 天津提愛斯海泰信息系統有限公司 天津TIS海泰は、 国内大手SIerのTISと、天津市の投資 会社である天津海泰控股集団の合弁企業として2008年2 月に設立。2010年4月に全面開業し、中国市場向けにITア ウトソーシング事業を展開している。顧客の構成比は中国 現地企業が5割、 外資系企業が3割、 日系企業が2割。 また、 ネットワークでは、 マルチキャリア環 境 で お客さまA 環境 お客さまB 環境 お客さまC 環境 TIS Cloud環境 (翔雲) キャリアの切り替えを自 動的に行えるBGP ※ 1 接 続を採用。万一障害が (お客さまID:AAA1) (お客さまID:BBB1) (お客さまID:CCC1) お客さまD 環境 (お客さまID:DDD1) お客さまE 環境 (お客さまID:EEE1) お客さまF 環境 (お客さまID:FFF1) 発生した場合にも、他の キャリアネットワークに接 続することが可能となっ ています。 アジア最大の 監視Server #1・#2 通信事業者であるパック ※JP1/IM:JP1/Integrated Management 監視室 JP1監視 Server群 ActiveDirectory Back−Up #1・#2 Server 静観監視画面 JP1/IM画面 お客さま連絡 電話 メール お客さまA お客さまB お客さまC お客さまD お客さまE お客さまF ネットとの提携により、国 際回線接続も実現。信 頼性の高いネットワーク サービスにより、 グローバ Disk ル企業の拠点としても天 Time Server #1・#2 Status 発生時間 顧客ID HOST名 未処理 2011.1.3 10:00 AAA1 AAAAAAA1 Msgmsg−E [Memory Error] Server 83% Over 処理中 2011.1.3 10:00 BBB1 BBBBBBB1 Msgmsg−A [死活Error] Server Down… 対応不要 2011.1.3 10:00 CCC1 CCCCCCC1 処理中 2011.1.3 10:00 AAA1 AAAAAAA4 静観対象 2011.1.3 10:00 DDD1 DDDDDDD5 処理完了 2011.1.2 12:00 EEE1 EEEEEEE6 Msgmsg−E [Memory Error] Server 83% Over 処理完了 2011.1.2 16:00 EEE1 EEEEEEE7 Msgmsg−E [Memory Error] Server 80% Over 処理完了 2011.1.2 23:00 BBB1 BBBBBBB8 Process xxxxx Down… Msgmsg−E [Process Error] 2011.1.1 9:00 FFF1 FFFFFFF4 処理中 MSG−ID Msgmsg−I Message内容 [information] xxxx information Msg… Process xxxxx Down… Msgmsg−E [Process Error] Msgmsg−W [死活Error] Serverxx Down… Msgmsg−A [DISK Error] DiskXX 90% Over… 津濱海高新IDCを利用 できます。 天津濱海高新IDC JP1監視システム環境 システムの工夫に加えて、 オペレータの運用手順書を整備 天津TIS海泰 専業服務部 総監 首席技術官の肥田 圭介 し、現地で人材を採用して、運用オペレータに育成することで、 氏は 「クラウドサービスは、お客さまのご要望にあわせてリソー きめ細かく効率のよい運用管理体制も実現しています。 スの変更を行えることが利点の1つです。今後は、 リソースの監 ※1 BGP:Border Gateway Protocol 視状況をリアルタイムに把握できるようにすることで、お客さま からもやりたいことを速やかに反映できる、競争力あるサービス クラウドサービス開始で事業強化 JP1の仮想化対応強化に期待 の展開を視野に入れています」。 そうした点を踏まえて、天津TIS海泰がJP1に要望すること は、仮想環境への対応強化です。 「 仮想環境は中国でも非常 天津TIS海泰は、今後、 ハウジングだけでなく、 クラウドサービ によく使われています。 お客さまからお預かりするシステムも、仮 ス販売の両輪を回すことで、DC事業の拡大を狙っています。 想技術を活用していることが多いので、仮想環境に適した監視 2011年3月、天津TIS海泰は中国の大手コンピュータメーカー でのJP1の強化に期待しています」 (丸井氏)。 である曙光と提携して、PaaS/IaaSサービスである 「翔雲(シャ 今、 中国市場でも高度なセキュリティやSLA※2契約に対する ンユン)」 を新たに開始しました。 ニーズは高くなっていますが、一方で、 それに応えるだけの設備 ハウジングはいわば「不動産」 を販売しているのと同じなの や運用体制を持っているDCは少ないのが現状です。そのた で、他の地域の企業へ拡販しようにも、距離の問題が障壁と め、お客さまから天津TIS海泰に問い合わせがくるケースが増 なっていたのです。 クラウドサービスを展開することで、場所の えています。JP1の性能と、 日本で培ったDC運用ノウハウを最 概念は気にせず、幅広い地域に販売のすそ野を広げていくこ 大限に生かした天津TIS海泰の天津濱海高新IDCならば、 日 とができます。運用監視の費用も料金に含まれているため、信 系企業も安心してサービスを任せられます。 頼性の高いサービスを享受できる点で日系企業が利用する価 ※2 Service Level Agreement 値は大きくなっています。 ● この記事は週刊BCN 2011年10月31日号に掲載されたものです。 お問い合わせ先 ■ 情報提供サイト HMCC(日立オープンミドルウェア問い合わせセンター) 0120-55-0504 http://www.hitachi.co.jp/soft/jp1/ 利用時間 9:00∼12:00、 13:00∼17:00(土・日・祝日・弊社休日を除く) 携帯電話、PHS、一部のIP電話など上記フリーダイヤルがご利用いただけない場合 TEL(03)5439-2733 はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 16 「統合ID認証ソリューション」のラインアップに 「指静脈−Novell Access Manager 連携システム」 を追加 企業のクラウド活用が本格化する中、 システムごとに異なるIDとアクセス権限の統合管理が、多様なサービスを安全かつ効率的 に運用するうえで重要な課題となっています。 そこで日立は、分散するIDやアクセス権限を一元管理する 「統合ID認証ソ リューション」 を提供。 またノベル株式会社(以下、 ノベル) とともに、利便性の高いシングルサインオンと高精度な本人確認を ノベ ル アクセス マネージャー 両立させた認証管理システム 「指静脈−Novell Access Manager連携システム」 を共同開発し、高度なセキュリティと業務効 率の向上を強力に支援しています。 ID管理/ユーザー認証に関する脅威と リスクが拡大 日立の統合ID認証ソリューション いま多く いま多くの企業では、 さまざまな種類のセキュリティシステムが ■ID管理ソリューション 導入されていますが、ID情報やパスワードが個別に管理されて 組織内に多数存在する業務システムごとにID/パスワードを いるケースが少なくありません。 このため、人事異動や組織変更 設定すると、管理が煩雑になるだけでなく、業務効率の低下や にともなうメンテナンスが頻発する一方、共用IDの利用や他者ID ID/パスワードの漏えい事故などを招くおそれがあります。 そこで の使いまわしの常態化に加え、ID管理の抜けや漏れによるゴー 「ID管理ソリューション」 では、散在する利用者IDの登録・削除を ストID(利用者不明ID)がセキュリティホールとなり、大規模な情 一元管理し、統一的なアカウントポリシーを設定。内部統制対応 報漏えいに発展する可能性も指摘されています。 としてID/アクセス権の発行・変更・削除のログも取得できる環境 特に近年は、 ネットワーク上のアプリケーションやITリソースを企 を整備します。 これにより、管理負荷を大幅に削減しながらセキュ 業内の情報と連携しながら活用するクラウドコンピューティングの リティリスクを低減し、人事異動などのさまざまな変化に即応でき 導入が本格化。 システムごとに異なるIDとアクセス権限を統合管 るシステム環境を実現。 また、 日立ならではの 「ID管理コネクタ」 に 理することが、社内外の多様なサービスを安全かつ効率的に運 より、IT系セキュリティと物理系セキュリティの連携による統合シス 用するうえで欠かせない要件となっています。 テムを構築することができます。 こうしたニーズに対応す るため、 日立はメールシス テムや業務システムなどの 「IT系セキュリティ」 と、入 退管理システム、勤怠管 (1) ■I D管理:散在する利用者I Dの登録・削除を一元管理 (2) ■ 特権I D管理:OSやシステムの特権I Dの登録・削除を一元管理 (3) ■ シングルサインオン:1回のユーザー認証で、 各種システムへの認証を代行 (4) ■ ユーザー認証強化:より確実な本人確認 (I Cカードや指静脈などを利用) 利用のつど、 毎回パスワード発行など 理システムなどの 「物理系 特権I D管理 システム 従業員情報の取り込み セキュリティ」双方のIDや I D管理 システム アクセス権限を一元管理 できる「 統 合 I D 認 証ソ リューション」 を提供してい ます。本ソリューションは、 (2) 特権I D管理 人事情報システム I D管理コネクタ (1) I D管理 調達システム IT系・物理系両システ 物理系両システムに IDと関連づけられた役職・権限情報を配信 IDの不正利用による情報 漏えい事故を防ぎながら、 (3) シングルサインオン システム開発・運用管理 各業務システムへの 認証代行と アクセスの制御 工 数の削 減を実 現 する トータルセキュリティソ リューションとして、次のメ 物理系システム ・入退管理システム ・設備監視システム ・映像監視システム 業務システム シングル サインオン システム ニューをラインアップしてい ます (図1)。 図1 ID管理と情報セキュリティの流れ 17 (4) ユーザー認証強化 はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 認証 ユーザー認証 利用者 入退管理における ユーザー認証 ① ICカード ② 指静脈 ③ RFID ログ管理システム ■特権ID管理ソリューション 指静脈-Novell Access Manager 連携システム 高いレベルの権限を持った特権IDは、すべてのシステムリソー スにアクセスが可能です。 このため、特権IDを利用した不正行為 は、操作ログの改ざん・削除などにより、情報漏えいが検知できな シングルサインオンの導入は、一度の認証で複数システムを利 いおそれがあります。 そこで 「特権ID管理ソリューション」 では、毎 用可能とし、ユーザーの利便性を向上する一方で、 そのログイン 回のパスワード発行などで特権IDのユーザーを特定する一方、 認証が破られた場合の影響範囲が大きいことも指摘されていま 管理者権限の情報や生成、削除を一元管理できる環境を整備 す。 そこで、 日立の指静脈認証管理システムと、 ノベルのアクセス します。 これにより、多大なID管理作業の負担軽減とセキュリティ 管理製品「Novell Access Manager」 を連携し、 より高いセキュ 向上に加え、 システム障害時の原因究明や不正アクセス発覚時 リティレベルと利便性を両立させた認証管理システム 「指静脈− のトレーサビリティなどに役立てることができます。 Novell Access Manager連携システム」 を共同開発しました (図2) 。 ■シングルサインオンソリューション 複数の業務システムでID/パスワードを個別に入力してい ■安全・安心・便利な業務システム利用環境を実現 ては、ユーザーの利便性を損ない、生産効率の低下も招いて ノベルが提供するNovell Access Managerは、異なるセキュ しまいます。そこで「シングルサインオンソリューション」では、複 リティレベルやパスワードを設定した複数のシステムを統合認証 数業務システムへのアクセスを、たった1回のログイン操作で できる基盤です。異機種混在環境でのシングルサインオン機能を 実現するシングルサインオン環境を実現します。Webシステム 備え、一元化されたシンプルなアクセス管理を実現します。 ごとの認証情報管理やアプリケーションごとの認証機能の作り 今回、共同開発した指静脈−Novell Access Manager連携 こみも不要となり、 システム保守や運用にかかわるコストも大幅 システムは、 日立の指静脈認証管理システムとの連携により、 パス に低減できます。 ワード入力を、装置に指を置くだけの操作に代替し、 スピーディな 認証を実現します (図3) 。ID/パスワードの盗難・流出による、 なり ■ユーザー認証強化ソリューション すましや不正アクセスを強固に防ぐことができるため、利便性を向 従来のID/パスワードだけでは、不正アクセスやなりすましな 上しながら高精度な本人確認が可能となります。 どを防ぐことはできません。 「 ユーザー認証強化ソリューション」 本システムを活用することで、 お客さま企業は高いセキュリティ では、ICカードや指静脈認証などの2要素認証の提供により、一 レベルを維持しながら、内部統制対策やアクセスの一元管理にか 段と確実な本人認証を実現。 ユーザーやアプリケーション、 目的な かわる情報システムの運用コストを削減できるようになります。 どに応じ、 さまざまな認証方式を柔軟に組み合わせて利用する ことで、 セキュリティレベルに応じた認証強化が可能となります。 日立ではこの連携システムを統合ID認証ソリューションのライ ンアップに追加し、ユーザーの利便性と高度な 指静脈認証管理システム セキュリティを維持したいお客さまに向けて、幅 指静脈情報の一元管理 広く提 供していきます。 また、今回連 携した Novell Access Manager以外にも、 ノベルの 1 指静脈情報の 読み取り ID管理製品「Novell Identity Manager」 を 2 指静脈情報の 照合 活用したシステム開発など、 ソリューションのさ 3 らなる拡充を図っていきます。 業務システムに ログイン クライアントPC 指静脈認証装置 Novell Access Manager アクセス制御、 シングルサインオン 業務システム 図2「指静脈−Novell Access Manager連携システム」 概要図 図3「指静脈−Novell Access Manager連携システム」 の画面例 お問い合わせ先 (株) 日立製作所 セキュリティ・ トレーサビリティ事業部 http://www.hitachi.co.jp/secureplaza-inq/ ■ 情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/secureplaza/ http://www.hitachi.co.jp/veinid/ はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 18 横浜研究所 問題発生時の生産量変動をビジュアルに予測 ∼統計モデルを用いた生産管理技術∼ ビジネスのグローバル化を背景に生産拠点や物流が世界規模で拡大する中、 予期せぬトラブルや災害で、 サプライチェーンが寸断してしまうケースが増えています。 そこで横浜研究所は、 部品の入荷不足や装置故障といったトラブルが発生した際に、 統計処理を用いて生産量の変動を高い精度で予測する生産管理技術を開発。 予測データに基づいた挽回策を講じることで、 納期の遅延や歩留まりを最小限に抑えることができるため、 柔軟で強じんなサプライチェーンの実現をサポートする技術として注目されています。 野中 シミュレーションに使うデータが異なりま 生産変動にともなう 後工程への影響を可視化 見極める作業を行いました。 例えばその工場で す。従来手法では生産工程の実績を、例えば は、 1つの装置を複数工程が共有しているとい 溶接は1時間、組み立ては30分と、人が決めた う特徴がありました。 そこで、 どの製品がどの順 ̶̶ 今回の技術を開発した背景から教えてく 「固定値」 で入力しており、 その見直しも年に数 番で着工され、1日あたり何個作られるかといっ ださい。 た処理内容を解析し、 日々のばらつきも含めて 回ほどしかやっていませんでした。 このためデー 横浜研究所 主管研究員 工学博士 野中 洋一 タと実態との差が開いてしまい、高精度な予測 忠実に再現できるようにシミュレーション用の入 シミュレーションには使えません。 一方、 大きな生 力データをモデリングしていったのです。 産工場では各種装置から1日あたり数百万件ほ どの実績データが上がってきます。 そこで、 この 野中 こうした、 ものごとのばらつきを表す指標 実績データを分単位で分析し、 いま現場で何が と呼びますが、 それを を統計用語で 「CV値※1」 起きているかを統計処理に基づいて把握して ベースに生産工程全体をシミュレーションするこ いく手法を考えました。 とで、 トラブルなどによる生産量の変動が後工 ̶̶ 統計処理によって、 どのようなことがわかる このアウトプットを誰でも直感的に理解できるよう 程へ波及する状況を予測できます。 われわれは 野中 東日本大震災やタイの洪水などを例に のですか。 するまでもなく、 いま世界各地では予期せぬ災 見える化するカラーマップを考案しました。 実際 の電子デバイス生産ラインに適用した例では、 害やトラブルで、 サプライチェーンが寸断してし 野中 例えば、電子デバイスなどの大量生産 装置故障が起きた際、過去の生産実績からそ まうケースが少なくありません。 日常的にも、 納期 品の工場ですと、 この作業工程に何時何分に れが後工程にどのような影響を及ぼしていくか が、生 産 変 動が大きい「 赤 」から中程 度の 変更で月末の生産目標が急に高く設定されて 材料が入り、何時何分に1つの部品が出来上 しまったり、工場設備の故障で生産能力が低 、 影響がほとんどない 「青」 へと “雨だれ” の がったというデータがラインから上がってきます。 「黄」 下したりして、納期までに約束数が出荷できな しかしこの情報は単に工程の開始と終了の時 ように変化していく様子がはっきりと示されまし いような問題が頻発しています。 これに対しわ 間を示すもので、 その中での段取りや待ち時間 た。 これにより、同様のトラブルが起こった際に れわれは、 ITの力で問題が及ぼす影響を最小 なども含まれているため、実際に1つの部品が は、 これから5日後にはこの工程にこれだけ影響 化できないかと考えました。 何分で作れたかは計量できていません。 そこに が出る、 1週間後にはこれだけの数量しか生産 具体的には、突発的な部品の入荷不足や 統計処理を適用すると、 各工程の段取りや待ち できないといった高精度な予測が行えるように 装置の故障が発生した際に生じる将来の生 (図1) 。 時間によって遅れたり早まったりする “ばらつき” なるのです 産量変動をきちんと予測する、 そしてその段階 も含め、最終製品1つあたりに要する工程別の で適正な挽回策を立案し、納期の遅延や歩留 作業時間が正確に抽出できるようになります。 ものごとのばらつきを表す指 ※1 Coefficient of Variation値:変動係数と呼び、 標。 この変動係数を用いれば、 工程ごとに時間あたりの生産数などが異なって いても、 それぞれの工程に生じた生産変動を一律に表すことができる まりの低下を抑制しようというアプローチです。 そのためにはまず、 リアルタイムな生産実績を 現場と合致した“ばらつきモデリング手法” ベースに高精度なシミュレーションを行い、 突発 的な生産変動にともなう後工程への影響を可 杉西 抽出される情報の正確性を高めるため 視化することが必要でした。 には、 さまざまな業種や工場ラインの特徴を、 あ らかじめアルゴリズムとして組み込んでおくこと 19 ̶̶これまでも、 さまざまな実績把握や生産シ が必要です。 私は今回の技術を検証するため、 ミュレーションの手法が使われてきたと思います 日立グループの電子デバイス工場に1年ほど通 が、 今回の技術は何が異なるのですか。 い、実績情報と現場がどうかい離しているかを はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 横浜研究所 生産技術研究センタ 生産システム第一研究部 主任研究員 加茂田 浩司 ̶̶ その結果をもとに、 を行って どのような対策を行って 装置の故障 いくのでしょう。 生産シミュレーション 生産工程 現在 生産実績データ の定量化 や歩留まりの低下を最小化していきます。 す。例え ば作業員不足で最終納期に間に合いそう そうにな いとわかった場合には、挽回策としてこの工程 の工程 に1人追加したらどうなるか、 2人追加したら たらどう 時間 員したりするといった対策を講じ、納期の遅延 の遅延 物流変動の 波及予測 累累累積積積生産量 野中 問題が発覚した時点で、 ボトルネ ネックと なる生産工程に装置を追加したり、 作業員を増 員を増 挽回策立案 月 月次生産量を予測 システムサイズ 98%に 挽回 生産シミュレーション による予測 60%に 低下 装置故障 ・工程数 : 約1,000∼1,300 (製品によって異なる) ・装置台数 : 約400台 ・作業者数 : 約150人 ・実績データ数 : 約100万件/日 月末生産目標 月 標 ・ 保守計画の見直し ・ロット優先度の変更 累積生 累積生 積生産 産量 量 (実 実績 績) ) 生産変動 動 小 中 大 図1 シミュレーション適用例 (量産製品) 1 5 10 15 20 25 30 8月生産 8月生 月生産日 産日 日 [日] 図2 本技術によるトラブル対応事例 なるかをシミュレーション予測してみます。 そこで 始/終了時間が蓄積される仕掛けになっ っていま 何が起こっているのか、今後どうなるのかをビ 何が起 カラーマップがすべて 「青」 になった時点で問題 問題 す。 す それを配管の増産対応や納期変動に耐え それを配管 増産対応や納期変動に 動に耐え ジュアルに示すカラーマップ作りに苦労しました。 ジ が回避可能と判断できるため、 常に適切なリソー うる生産ラインの構築といったシミュレーション用 しかしこのツールがあったことで、 現場だけでなく ス追加でトラブルを防止できるようになります。 の入力データに生かすため、 溶接や穴開け、 曲 経営幹部の方からも満足していただけたことが げといった各作業に実際かかる時間と、 山積み 非常にうれしかったです。 杉西 実際に電子デバイス工場で装置故障 された固定値との誤差を統計モデルを用いて が起こった際には、 シミュレーションで納期まで 最小化していきました。 その結果、 従来なら60% 加茂田 配管工場では担当者の方たちが、 に約束数量の60%くらいしか出荷できないこと ほどしか予測できなかった1か月先の生産量の 独自の作業理論やノウハウを持たれているの がわかりました。 そこでいくつかの挽回策を打っ 変動を90%まで予測できることを確認しました。 で、 シミュレーションで出た数値を納得のいくよ たところ、98%まで数量を回復できた例がありま これら変数間の相互関連を分析す ※2 複数の変数に関するデータをもとにして、 る統計的理論。 部品や作業の種類によって作業時間が変化する課題に対し て、 収集した作業時間のデータから、 部品の大きさ、 加工箇所数、 作業者の熟 練度など、 作業時間を決定する因子を本理論を用いて求めることができる う証明するところが大変でした。最終的には、 す。 もともと電子デバイスは需要変動が激しい が足りなくならないよう多めに製品を作っていま すが、 この技術を使えばそういった余剰在庫も 解消できると考えています (図2) 。 また、突発的 な装置の故障が発生した際、生産状況の予 測に応じて挽回策を講じた結果、従来に比べ われわれの提案の有効性を認めていただけて 苦労が報われました。 ため、従来なら何か問題が起こっても納品数 横浜研究所 生産技術研究センタ 生産システム第一研究部 研究員 博士 (理学) ̶̶ 今回の技術は、他の産業分野にもそのま ま適用できるのですか。 杉西 優一 野中 できると考えています。業種や工場設 て装置稼働率が15%、納期順守率が8%向上 備ごとに若干のチューニングは必要でしょうが、 することを実証しました。 材料を切る、溶接する、組み立てるといったモ ノづくりの基本要素はだいたい同じですので、 大規模なプラントなどにも適用可能 ̶̶プラントなどへの適用で、 どのようなメリット 幅広い産業分野に適用できると考えています。 が期待できますか。 ̶̶ 今後の展開を教えてください。 野中 いまお話ししたのは、 年間数万∼数千万 台も作る量産品向けの事例ですが、 日立グルー 加茂田 プラント建設は設計から建設完了ま プには発電プラントといった、 年間数件から数十 で10年ほどかかるプロジェクトです。配管1つ 野中 基本的な技術は確立できましたので、 ま 件ほどの少量生産品もあります。 こうした生産現 とっても、各工程に合わせた設計・生産計画か ずは各産業向けのノウハウを蓄積していくた 場では実績データが1日数百件ぐらいしか上がっ ら、現場に運んでいくための輸送計画、据え付 め、 日立内の他の事業所への展開を行ってい てきません。 通常では統計処理で意味を見出す ける際の作業員の配置計画などに適用すれ きます。 また、社外のお客さまへのパッケージ販 ことが難しくなりますが、 われわれは少ないデータ ば、最小限の投資で最大効果を上げることが 売も予定しています。 ここでは各社に適した生 を でも統計処理を行える 「多変量解析理論※2」 可能となります。 産管理の手法を確立できるよう、導入時のコン 導入し、 今回の技術を適用できるようにしました。 サルティング事業も行っていく予定です。 開発技術のパッケージ化も予定 ̶̶ ITの力でグローバルなサプライチェーンを強 加茂田 発電プラントでの適用実験を行うた め、私は約1年、 プラントで使われる配管製品を ̶̶ 今回の技術、 どのあたりにいちばん苦労し 対象にさまざまな情報収集にあたりました。 各配 ましたか。 高まってくるでしょうね。皆さんが開発した技術を ベースに、大きな事業が立ち上がることを期待し 管には伝票と一緒にRFIDタグが貼り付いてお り、 そのタグを読み取ることで配管ごとの作業開 化できるソリューションとして、 今後ますます期待が 杉西 やはり可視化の部分ですね。 いま現場で ています。 本日はどうもありがとうございました。 お問い合わせ先 (株) 日立製作所 横浜研究所 https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/hqrd/rd/jp/form.jsp はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 20 P & Platform Solution プラットフォーム & ソリューション & S 簡単・便利・高品位なビデオ会議を実現する 「Wooolive」 に スマートフォン対応機能を追加 ※1 日立ビジュアルコミュニケーション 「Wooolive」 に、 このたびAndroid端末からの会議参加はもちろん、 保守現場、 お客さま先など、 さまざまな現場向け遠隔支援といった会議用途を超えた利活用を可能とする スマートフォン対応機能が追加されました。 専用端末やPC利用端末に、 機動性の高いスマートフォン、 タブレット端末も加わることで、 屋内外のさまざまな拠点をつないだ迅速な情報共有と意思決定が容易に実現できます。 ※1 Woooliveは、 日立ハイビジョンテレビ 「Wooo」 と日立ビデオ会議システム 「NetCS-HD」 を活用したビデオ会議システムの名称です 機動性の高いAndroid端末をサポート でき、他の会議端末からのデータ共有の参照 スマートフォンやタブレット端末などを、 ワンシス も実現することができます。 テムでシームレスに構築と一元管理できるのも これにより、 遠隔地からのリアルタイムなビデ 大きな特長です。 どなたでも容易に操作できる スマートフォンやタブレット端末の急速な普及 オ会議参加に加え、 工場などの保守員に対す インタフェースと、 むだなく拡張できるスケーラビ を背景に、 これらモバイル性に優れた多機能 る設備管理・保守作業の遠隔支援、専門知 リティにも優れており、利用目的や規模に合わ 情報端末を、 リアルタイムなコミュニケーションに 識が必要な取引先での営業支援など、幅広 せたフレキシブルかつ適切なシステム構成で 生かしたいというニーズが高まっています。 また いシーンでのビジュアルコミュニケーションが実 の導入が可能です。 一方では、 不必要な出張を減らすといったコス 現できます (図2) 。 新たなビジネスツールとして期待が高まる ※2 またWoooliveは、会議室内に設置する専 Android端末に対応し、幅広いコミュニケー や、 遠隔地との協同作業などにもビデオ会議の 会議の オフィスで 用端末や他社製ビデオ会議端末、 ション用途に利用できるWoooliveを、 お客さま 有効性が強く認識される時代となってきました。 気軽に使えるPC利用端末、Android対応の のビジネス価値向上に、 ぜひお役立てください。 ト削減のみならず、 自然災害に対するBCP このニーズに対応するため日立は、 高画質 画質・ スマートフォン(Andro i d端末)が会議端末として利用可能 高音質で定評のある 「Wooolive」 に、 オープン ープン ソースOSであるAndroidを使ったスマー ートフォ お持ちのAndroid端末とWoooliveの端末(専用端末「セットトップ」、 PC利用端末「デスクトップ」) との間で、多地点接続が可能となります。 ンで利用できるスマートフォン対応機能を追加 を追加 3G しました。 Android端末は3G※3やWi-Fi通信で 通信で インターネット 利用ができるため、IPネットワーク回線設備を 設備を IPネットワーク Wi-Fi 備えた拠点間のビデオ会議だけでなく、 屋外や 訪問先など、 どこからでも場所を選ばずリ リアル タイムなコミュニケーションが行えます※4 (図1) 図1) 。 ※2 Business Continuity Plan:事業継続計画 ※3 第3世代の携帯電話方式の総称 通信品質が劣化する場合があります す ※4 3GやWi-Fiの通信状況により、 Android端末 セットトップ デスクトップ 図1 システム構成例 スマートフォン対応機能により、新たな利用シーンで活用できます さまざまな端末をワンシステムで一元管理 管理 保守業務 今回、 提供を開始したスマートフォン対応機 対応機 能は、Woooliveの会議サーバのオプション機 Woooliveの専用端末 「セットトップ」 やPC利用 C利用 端末 「デスクトップ」 との多地点接続が可能と 能とな ります。 Android端末上では最大3画面を表示 を表示 現場保守員 災害現場 図2 スマートフォン対応機能の利用シーン お問い合わせ先 (株) 日立製作所 通信ネットワーク事業部 企業ネットワーク本部 製品企画部 TEL(045)881-1221 21 業務支援センター 災害対応 能です。 会議サーバからスマートフォン用ク クライ アントソフトウェアをダウンロードすることで、 対象設備 はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. ■ 情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/wooolive/ 災害対策本部 2011年 掲載記事索引 ●表紙 富井義夫の世界遺産の旅 ※数字は月号を表します。 ●OPEN MIDDLEWARE ●プラットフォーム&ソリューション・ケーススタディ 雪の白川郷 (岐阜県・白川村) 1 愛知医科大学 1 バッチ処理時間の短縮と基幹システム向けの高信頼性を確保する 運河を行くゴンドラ (イタリア・ヴェネツィア) 2 中外製薬株式会社 4 グリッドバッチソリューション エローラ石窟群/第16窟 (インド・エローラ) 3 日本精機株式会社 4 大量の実世界データから 「今」 を分析する 2 移動するクイーン・エマ橋(オランダ自治領/キュラソー島/ウィレムスタッド) 4 三井物産株式会社 7 ストリームデータ処理基盤 「uCosminexus Stream Data Platform」 6 首里城と守礼門 (沖縄県・那覇市) 5 パシフィックリプロサービス株式会社 9 本格化するクラウドビジネス時代を支えるJP1 V9.5 8 トロギルの町並み (クロアチア共和国・ トロギル) 6 株式会社 日立インフォメーションアカデミー マチュ・ピチュ (ペルー共和国・マチュ・ピチュ) 7 株式会社 明治 10 ●Learning Solution 日立研修ソリューション モン・サン=ミシェル/夜景 (フランス共和国・モン・サン=ミシェル) 8 ゼビオ株式会社 10 クラウドコンピューティング関連講座のご紹介 4 羅漢寺と反り橋 (島根県・大田市) 9 NHN Japan株式会社 11 CMMI® 研修コースのご紹介 9 万里の長城/金山嶺長城 (北京郊外) 10 ラグーザ・イブラ地区 (イタリア・シチリア島) 11 連なるトゥルッリの屋根 (イタリア・アルベロベッロ) 12 ●新春メッセージ 新しい100年を、 お客さまとともに 1 ●新年度のごあいさつ 4 ●特集 いますぐ使える日立IT製品の省電力化機能 日立 uVALUEコンベンション仙台 9 7 ●IT's eye ラボラトリーレポート ●オープンミドルウェア・ケーススタディ 株式会社 ジャムコン 1 設計者気づき支援システム (機械研究所) 株式会社 キューデンインフォコム 2 IT機器と空調機のリアルタイム連係制御技術 (中央研究所) 2 株式会社 INAXメンテナンス 4 来店者の行き先を予測できる動線解析技術 (中央研究所) 3 システム障害の根本原因をスピーディに特定できる 株式会社 すぎはら/株式会社 日立中国ソリューションズ 4 ユニプレス九州株式会社 9 障害対策支援システム (横浜研究所) 4 東京航空計器株式会社 10 リアルタイム人物追跡技術 (中央研究所) 5 株式会社 建設新聞社 11 酸化物半導体TFTを用いたフレキシブルデバイスの実用化に 株式会社 近畿大阪銀行 11 大きな第一歩 (中央研究所) 天津提愛斯海泰信息系統有限公司 12 ネットワーク仮想化を活用した通信利用効率を高めるための 6 制御技術を開発 (横浜研究所) 10 7 経年変化にともなう顔画像データの更新が不要な 「なりすまし」検知技術 ●SOLUTION&SERVICE ●はいたっくITウォッチ 1 8 (中央研究所) 日立IFRS導入支援ソリューション 1 流通BMS® 2 GEMPLANET Ver.2 1 超音波探傷システム (日立研究所) 9 指静脈認証 3 日立のWindows® 関連ソリューション 1 通信経路制御技術 (横浜研究所) 10 センサネットワーク 5 SaaS型特許情報提供サービス 「Shareresearch」 が BCP/BCM 8 グローバル対応機能を一段と強化 2 Microsoft® 統合開発環境提供サービス 2 SaaS型サービス 「CommuniMax コンタクトセンターサービス」 3 データセンタ統合管理サービス 3 GEMPLANET/WEBSKY-Light 3 SaaS型サービス 「Sherpa/倉庫管理クラウドソリューション」 4 日立ISマネジメント・サービスに 「ランブック自動化サービス」 を追加 5 雲海に浮かぶ城・備中松山城と城下町高梁を歩く (岡山県高梁市) 下町情緒と近未来都市 新旧が交錯する隅田川ウォーターフロントを歩く ●Topics スマートグリッド/スマートコミュニティの一翼を担う 「日立EV充電管理ソリューション」 6 ITによる地球環境貢献プラン 「GeoAction100」 における 「ITエコ実験村」 の取り組み 7 アラーム到達遅延時間を低減する高信頼無線通信技術 幅広い企業の環境経営と節電対策を支援する 「EcoAssistシリーズ」 9 「外光対応モード」 を搭載した 日立クラウドソリューション 「Harmonious Cloud」 の1つとして提供される 「機器組込み用小型指静脈認証ユニット」 新モデル 5 (中央研究所) 11 統計モデルを用いた生産管理技術 (横浜研究所) ●トラベルウォーキング 江戸・明治の面影を残す情緒漂う街並み 大洲、 内子を歩く (愛媛県大洲市・内子町) 株式会社 愛媛電算 2 11 大学向けクラウド型仮想デスクトップソリューション 6 (東京都中央区・台東区) 株式会社ジャノメクレディア お客さまとの協創を実現するシステム開発手法 「Exアプローチ」 12 無線LAN位置検知システム 「AirLocationⅡ」 の機能を一段と強化 6 水と緑と歴史が息づく町、 熊本を歩く (熊本県熊本市) 8 株式会社 RKKコンピューターサービス 8 琉球王国の栄華を物語る世界遺産 大学向け学習設計支援システム 「UNIPROVE/LE」 「モジュール型データセンタ」 に 「外気導入冷却システム」 を追加 株式会社 フジテレビジョン 3 「Harmonious Cloud」 BCM対応ソリューションを強化 9 鹿島建設株式会社 5 クラウド型サイネージソリューション 「サインチャンネル」 9 株式会社 沖縄銀行 株式会社 エヌ・ティ・ティ・ ドコモ 6 情報共有基盤サービス Lotus Notes/Domino Edition 9 花と緑の公園・浜名湖ガーデンパーク、 情報共有基盤サービス Groupmax Collaboration Edition 株式会社 北洋銀行 7 スギホールディングス株式会社 8 「統合ID認証ソリューション」 に 森ビル株式会社 9 「指静脈−Novell Access Manager連携システム」 を追加 名豊興運株式会社 11 京都信用金庫 12 11 12 「琉球王国のグスク及び関連遺産群」 を歩く (沖縄県那覇市・南城市) 5 深緑に覆われた舘山寺遊歩道を歩く (静岡県浜松市) 7 金魚が泳ぐ城下町、 大和郡山を歩く (奈良県大和郡山市) 株式会社 オービーシステム ●プラットフォーム&ソリューション 8 「奈良井千軒」 と謳われ、 かつては木曽路一の賑わいを見せた 宿場町奈良井を歩く (長野県塩尻市) ネットワーク拡張性とストレージメニューを一段と強化 1 株式会社 アドヴァンスト・インフォーメイション・デザイン 日立プリント運用管理ソフトウェア 「Prinfina MANAGER SP」 1 運河の流れるレトロタウン小樽、 小樽の奥座敷・朝里川温泉郷を歩く 2 独立行政法人 国立病院機構 嬉野医療センター 2 株式会社 パワーリハ 3 指静脈認証プリントシステム 株式会社 日刊スポーツ新聞西日本 4 サーバ仮想化機構 「Virtage」 が 株式会社 ジェーシービー 4 株式会社 九電工 5 3 4 アイエックス・ナレッジ株式会社 BladeSymphony 「BS320」 が ●ソリューション&サービス・ケーススタディ 1 東和ハイシステム株式会社 グローバルなSaaSニーズに対応する 「TWX-21」 ●はいたっくるぽ 12 (北海道小樽市) 株式会社 ジャパンテクニカルソフトウェア 9 10 歴史、 文化、 伝統が薫る水の都・松江を歩く (島根県松江市) クラウド運用の柔軟性を向上する機能を強化 「VOS3/US」 ストレージの運用性を向上 2 株式会社 山陰合同銀行 2 風情ある長町武家屋敷跡、 可憐な花街・ひがし茶屋を歩く 株式会社 エー・イー・シー 6 エントリーブレードサーバ 「HA8000-bd/BD10」 を強化 3 兵庫県西宮市 6 HA8000 かんたん仮想化ソリューション 3 11 (石川県金沢市) 株式会社 金太 12 大熊本証券株式会社 7 ハイエンドモデル 「SR16000 モデルVM1」 をラインアップ 5 日本たばこ産業株式会社 8 AirSense UWB Hi-bandモデル 5 リテールテックJAPAN 2011開催のご案内 2 セイコーエプソン株式会社 8 日立アドバンストサーバ 「HA8000シリーズ」 を強化 7 スリムサーバ 36%OFFキャンペーンのご紹介 2 三菱重工業株式会社 8 「Hitachi Virtual File Platform」 「Hitachi Command Suite」 「Hitachi Virtual File Service」 7 ●Topics&Information はらすまダイエット 導入事例のご紹介 3 東北地方太平洋沖地震への支援と対応について 4 アイホン株式会社 10 高崎市立中央図書館 10 BladeSymphony 「BS2000」 の処理性能や信頼性を一段と強化 8 日立電子行政ショールームCyberGovernment Squareが 東海大学 10 簡単・便利・高品位なビデオ会議を実現する 「Wooolive」 9 リニューアルオープン 国立大学法人 九州大学 11 ビジネスPCの節電対策 9 株式会社 日立システムズ社長の髙橋 直也が 高石市立図書館 11 センサネット情報システム 「AirSenseⅡ」 に機能を追加 10 同志社大学 11 オラクルがOracle RACの稼働環境としてVirtageを認定 10 SCSK株式会社 (旧 住商情報システム株式会社) 12 水冷方式のハイエンドモデル 「SR16000 モデルM1」 11 中堅・中小企業向けNASストレージ 11 株式会社 LIXILインフォメーションシステムズ 12 新潟県立図書館 12 「Wooolive」 にスマートフォン対応機能を追加 ●本誌記載の他社登録商標 ※ Multimode Teller Stationは京都信用金庫の登録商標です。 ※ Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商 標です。 ※ LotusおよびNotesは世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。 ※ CMMIは、 アメリカ合衆国特許商標庁に登録されています。 ※ 流通BMSは、 財団法人 流通システム開発センターの登録商標です。 7 「IEEE Reynold B. Johnson Information Storage System Award」 を受賞 10 12 ※ Oracleは、Oracle Corporationおよびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登 録商標です。 ※ その他記載の会社名、 製品名は、 それぞれの会社の商標または登録商標です。 ●本誌記載の内容について 社外からの寄稿や発言は、 必ずしも当社の見解を示しているわけではありません。 画面表示をはじめ、製品仕様は改良のため変更することがあります。 はいたっく2011-12 All Rights Reserved,Copyright ©2011,Hitachi,Ltd. 22