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安全と共生の都市学 - 神戸大学 自然科学系先端融合研究環
様式(HP用) 平成22年4月30日 平成21年度重点研究チーム年次報告書 1.研究チーム概要 研 究 チ ー ム の 名 称 安全と共生の都市学 研究代表者 工学研究科・市民工学専攻・道奥 部局・専攻・氏名 26人,修士 当 指導学生数 博士 該 外 部 資 金 科学研究費補助金 年 獲 得 実 績 奨学寄附金 44人,その他( 28,050 11,990 千円 2.構成員 部局・専攻 名 道奥 康治 工学研究科・市民工学専攻 森山 正和 工学研究科・建築専攻 塩崎 賢明 工学研究科・建築専攻 孫 玉平 工学研究科・建築専攻 川谷 充郎 工学研究科・市民工学専攻 澁谷 啓 工学研究科・市民工学専攻 朝倉 康夫 工学研究科・市民工学専攻 藤谷 秀雄 工学研究科・建築専攻 芥川 真一 工学研究科・市民工学専攻 山崎 寿一 工学研究科・建築専攻 浅井 保 工学研究科・建築専攻 齋藤 雅彦 工学研究科・市民工学専攻 人 千円,受託研究経費 度 特許出願件数 1件 氏 ) 康治 14,770 千円, 3.研究成果の概要等について 地理情報データベースに基づいて社会経済活動を反映する諸パラメータを解析し,河川流域圏で環 境平衡状態を達成するための営為活動限界や流域内の自然環境度の空間構造を明らかにするとともに 地先における自然共生型の河川整備技術を水工学的に検討した.一方,山地流域の環境負荷を軽減す るために,山腹斜面の不法廃棄物負荷の拡散・分散挙動を3次元解析で再現するとともに,室内模型 実験によって数値シミュレーションを検証した.これにより,汚染源の分布特性や降雨時系列特性と 環境負荷の拡散・分散挙動を再現するためのモデルパラメータが適正化された. 一方,都市化に伴う夏季の気温上昇機構を明らかにするために潜在自然植生下の気温と現状の気温 を比較し,土地利用の配置計画案として,市街地を集約化することで緑地を増加させるコンパクト・ エコシティモデルを提案した. 共生的安全デザイン手法を様々な建築・土木構造物に対して構築した.まず,超 高 強 度 鉄 筋 を 引 っ張り鉄筋に活用した鉄筋コンクリート造骨組の耐震性能を実験的に評価し,鉄筋の付着 易さと柱の靭性や除荷後の残留変形量との関係を明らかにした.これにより,超高強度鉄 筋 に よ る 耐 震 構 造 の 創 出 可 能 性 を 明 示 し た .また,日常的な橋梁交通振動が周辺の環境振動障害 をもたらすことから,地盤特性を考慮した都市高速道路高架橋の減振工法を検討した.地震発生時の 振動系に関しても新幹線高架橋・曲線桁道路橋・跨座型モノレールを対象に減振工法を検討した.一 方,セミアクティブ制御の有効性を検証するためのリアルタイム・ハイブリッド実験手法を確立した. 数値的に再現された構造物の応答を可変ダンパーに与え,その振動制御力を計測して運動方程式系か ら応答のリアルタイム予測と制御演算を実施し,可変ダンパーを制御することに成功した. 地盤構造物の変状を可視化するために,現場の安全管理から供用中のインフラの状態監視まで幅広 い応用分野で適応可能な視覚的情報アウトプット機能を有する装置を企業と共同開発し,様々な工事 現場に適用した.これらの活動は全国地質調査業協会連合会の安全管理ガイドラインに掲載されると ともに,全国規模の研究会設立やJICAプロジェクトによるインドでの実証などに展開されている.ま た,盛土構造物の耐震性を評価するために,表面波探査法,室内実験と数値解析を組み合わせた重合 的評価手法を新規に提案した.また,地震・豪雨の盛土災害を軽減するために,ジオシンセティック ス排水材を活用した盛土防水工を実用化した. 都市の環境負荷・エネルギー負荷を軽減し,循環型・低炭素型の共生的都市ネットワー ク を 再 構 成 す る こ と が 必 要 で あ る . 携帯電話・GPSやWEBを組み合わせた新しい交通行動の調査 手法,新規交通手段による需要変化の推定モデル,車両検知器やICカードシステムを用いた交通流の 可視化手法,交通システムのパフォーマンス評価手法,沿道環境改善のための料金負荷モデルなどを 新規に開発した. ま た ,地 域 の 社 会・文 化 に 根 ざ し た 参 加 型 の 都 市 空 間 デ ザ イ ン を 実 現 す る た め に ,安全形 成に寄与する共生デザイン戦略研究プロジェクト,地域社会・文化に根ざしたサスティナブル環境デ ザインに関するフィールド研究を能登,丹波,阪神地域などで実施した. 4.論文・著書 【論文】 論文名:河道リンク/マグニチュードと流域面積・河川流量の関係 著者名:宮本仁志・橋本翼・道奥康治 掲載誌,水工学論文集,第54巻,1201-1206,2010年 論文名:住宅とコミュニティを重視した災害復興を」 著者名:塩崎賢明 掲載誌,都市問題,100巻,12号,79-85、2010年 論文名:軟鋼製せん断パネルを取り付けた高強度鉄筋コンクリート造骨組の耐震性能に関する実 験的研究 著者名:孫玉平,福原武史 掲載誌,コンクリート工学年次論文集,Vol. 31,No. 2, pp.391-396, 2009年7月 論文名:Analytical and experimental investigations on correlation between bridge and vehicle vibrations for BHM 著者名:M.KAWATANI, C. W. KIM and T.TOSHINAMI 掲載誌,Proceedings of International Conference on Computational Design in Engineering (CODE2009), pp.580-583, Seoul, Korea, November 3-6, 2009. 論文名:Study on the urban heat island mitigation effect achieved by converting to grass-covered parking 著者名:Hideki Takebayashi and Masakazu Moriyama 掲載誌,Solar Energy, 83(8), pp.1211-1223, 2009 論文名:神戸空港海底粘土の非排水せん断挙動における異方性及び時間効果 著者名:鄭珉守・澁谷 啓 掲載誌,土木学会論文報告集C,Vol.65, No.2, pp.51-58,2009年 論文名:ジオシンセティックスを用いたL型排水盛土防水工の水位上昇抑制効果に関する研究 著者名:齋藤雅彦・原健二・澁谷 啓 掲載誌,水工学論文集,第53巻,pp.505-510,2009年 論文名:Modelling of Road Pricing Considering Local Emissions of Road Transportation Network 著者名:Yasuo Asakura and Nataraju Jakkula 掲載誌,International Journal of ITS Research, Vol.7, No.1, pp.67-75,2009. 論文名:MODELING AND IDENTIFICATION OF LONG-STROKE MAGNETO-RHEOLOGICAL FLUID DAMPER 著者名:Arturo RODRÍGUEZ, Norio IWATA , Hideo FUJITANI and Jose RODELLAR 掲載誌,構造工学論文集 Vol.56B, 2010年3月. 論文名:ひずみ軟化モデルの粘性改良土および砂質土への適用性に関する研究 著者名:中岡健一,畑浩二,芥川真一 掲載誌,トンネル工学論文集,第19巻,pp.51-58, 2009.11. 論文名:能登半島地震被災集落・道下の地域性と震災復興 著者名:山崎寿一 掲載誌,日本建築学会計画系論文集,第74巻,第646号,pp.2617-2626,2009年 論文名:竹造漆喰構法建築の実験的研究 ─ジャワ島中部地震後におけるワークショップを通じて ─ 著者名:藤原圭祐,重村力,浅井保 掲載誌,日本建築学会近畿支部研究報告集 第49号 計画系,2009年 【著書】 著 書:ヒートアイランド対策都市平熱化計画の考え方・進め方(共著) 著者名:空気調和・衛生工学会編(森山 正和) 発行所,発行年:オーム社,2009年 著 書:復興まちづくり 著者名:塩崎賢明(共著) 発行所,発行年:日本建築学会、2009年 著 書:平成21年台風9号による地盤災害調査報告書(共著/澁谷啓) 著者名: 社団法人地盤工学会関西支部 平成21年台風9号による地盤災害調査団 発行所,発行年: 地盤工学会,2009年 著 書:田園で学ぶ地球環境 著者名:重村力,山崎寿一,他18名 「森を創り出す学校―尼崎市立成徳小学校の場合」pp.198-210 技報堂出版,2009年 【特許】 2010/1/8 出願 特願2010-2653 土木・建築作業現場における計測データの変状表示及びデータ収集アダプターユニット 5.関 連 活 動 及 び 特 記 事 項 (1)学位 (博士)13名 (修士)25名 (2)受賞 2009年度 JC-IGS技術奨励賞 (表彰団体名:国際ジオシンセティックス学会日本支部,対象研究テーマ:ジオシンセティ ックスを用いた「L型排水盛土防水工」の研究開発) 受賞者名:原健二,澁谷啓,齋藤雅彦 受賞年月日:平成21年12月3日 平成21年度地盤工学会功労章 (表彰団体名:(社)地盤工学会) 受賞者名:澁谷 啓 受賞年月日:平成22年3月19日 第23回交通工学研究会論文賞 (表彰団体名:交通工学研究会,対象研究テーマ:車両検知器データを用いた 交通流可視化 技術の開発) 受賞者名:日下部貴彦,井料隆雅,朝倉康夫 受賞年月日:平成21年5月20日 (3)その他 コミュニティ重視の住宅復興-復興災害を防ぐためにー 塩崎賢明 四川大地震精華大学・神戸大学ワークシップ 精華大学公共安全研究所・神戸大学都市安全研究センター 2009年9月14日、四川省綿陽市 JOINT CONFERENCE PROCEEDINGS Yoshimitsu Shiozaki 7th International Conference on Urban Earthquake Engineering (7CUEE) & 5th International Conference on Earthquake Engineering (5ICEE) March 3-5, 2010, Tokyo Institute of Technology, Tokyo, Japan Housing Reconstruction and Community OSV研究会設立記念ワークショップ 主催 OSV研究会 開催場所 (会長 芥川真一) 神戸大学百年記念館 2010年1月9日