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花巻人形(猫)
花巻人形 ねこ 猫 花巻人形は、江戸時代中期の 世紀初め頃、全国の土人形の源流といわ れる京都の伏見人形と仙台の堤人形の流れを汲み、独自に発展した人形で す。人形の表面だけを彩色し、背面は白い胡粉のままなのが特徴です。ま た、人形の胴体部分は空洞になっており、そこに小粒の石や砂を入れて、和 紙で底に蓋をします。そのため人形を振ると、「カラカラ、サラサラ」と軽 い音が響き、幼児をあやすときに、使われていたといわれています。 人形の種類は、内裏雛のほかに縁起物、信仰の対象となるもの、歴史上 の人物、浄瑠璃や歌舞伎、説話や昔話に登場する人物など、多く作られて います。今回紹介する「猫」は、農作物や蚕を食べるネズミを駆除するた め、古くは養蚕の縁起物でした。その後、養蚕が衰退してからは、商売繁盛 の縁起物とされています。花巻人形には猫をモチーフにしたものが多くみ られ、人気があります。花巻人形の猫はひな壇と一緒に飾られることが多 く、ネズミから人形を守るという思いを込めて置いている家庭もあるそう です。 6 7 18 花巻市博物館所蔵(高15.1 幅11.7 奥10.0)