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報告書
◆日
時
平成24年11月18日(日)
◆会
場
響のホール
◆主
催
福井市
◆参加者
13:30~16:30
(福井市中央1丁目4-13)
142名
プログラム
■福井市景観賞2012表彰式
講評
選考委員長
白井
秀和
氏[福井大学大学院工学研究科教授]
■ 基調講演
「まちの再生
講師
西郷
~ライフスタイルのブランド化による地域活性化~」
真理子
氏[都市計画家]
■ 施策紹介
「中心市街地活性化の全国的な動きについて」
講師
横山
典弘[内閣府地域活性化推進室次長]
■パネルディスカッション
「出会う・暮らす・遊ぶ
まちなか」
コーディネーター
内村
雄二
氏[福井工業大学建築生活環境学科教授]
パネリスト
西郷
真理子
氏[都市計画家]
開発
毅
氏[合資会社開花亭代表社員社長]
松浦
麻衣
氏[福井大学EMP実行委員会代表]
越智
健吾
[福井市特命幹兼都市戦略部長]
1
目次
1
開会挨拶
・・・
3
2 福井市景観賞2012表彰式
・・・
4
3
基調講演
・・・
7
4
施策紹介
・・・
17
・・・
22
5 パネルディスカッション
2
開会挨拶
皆さん、こんにちは。
十分であるという風な反省を踏まえ、第 2 期の
本日は、中心市街地活性化全国リレーシンポ
基本計画策定にも力を入れていかねばならな
ジウム、そして、まちづくりフォーラム 2012
いという状況にあります。
を開催いたしましたところ、皆様には大変お忙
しい中、この様にご参加を賜りましたこと、厚
本日は、この後、西郷真理子様の基調講演が
く御礼申し上げます。
ございます。全国の都市再生に力を尽くしてい
また、皆様には、常日頃より、福井市の市政
ただいておりますので、いろいろな考え方が聞
推進に格段のご支援ご協力を賜っております
けるのではないかと思います。その後、内閣府
こと、この場をお借りしまして厚く御礼申し上
地域活性化推進室の横山次長からは、全国の状
げます。
況等につきましても、お話をいただくことにな
っております。また、その後は、パネルディス
さて、「中心市街地」という言葉を使った施
カッションも予定されております。
策が登場してから、もう久しくなるわけであり
こういう風な中で、これからの福井というも
ますけれども、やはり、人口の減少であるとか、
のがどうあるべきかということについて、しっ
少子高齢化であるとか、いろいろとまちを取り
かりと聞いていただき、そしてまた意見を言っ
巻く環境が変わってくる中にあって、そういう
ていただくということが、これからの福井を考
実感が日に日にあらたになってくるに付け、こ
えていく上においても重要ではないかと思い
の中心市街地に居続けるものも、また大きく変
ますので、よろしくお願いを申し上げます。
わろうとしています。
福井市におきましても、この間いろいろと、
また、このすぐ後には、福井市景観賞 2012
中心市街地の皆様とも、そして市民の広い皆様
の表彰式が行われますが、今回、表彰をお受け
ともお話をしながら、今後のあり方等について
になられます皆様、誠におめでとうございます。
検討を重ね、そして、中心市街地活性化基本計
この間、本当に素晴らしい取り組みをしていた
画も、今、1 期を終わろうとしているわけです
だきましたことに、深く感謝を申し上げます。
けれども、なかなか、この間進捗がまだまだ不
また、選考にあたりましては、白井先生をは
3
じめ、選考委員の皆様に大変ご苦労をおかけい
聞いていただきまして、また私どもにいろいろ
たしました。最高賞はまだ保留という形のもと
とご意見を賜ればと思いますので、よろしくお
におきましても、素晴らしい選考をしていただ
願い申し上げ、そして、このシンポジウム・フ
いたと感謝を申し上げます。
ォーラムが実り多いものになりますことをご
祈念申し上げまして、私からの開会の挨拶とさ
今後、シンポジウム・フォーラムが続くわけ
せていただきます。
でありますけれども、皆様にはぜひ、最後まで
本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
福井市景観賞2012表彰式
講評
選考委員長
白井
秀和
4
氏[福井大学大学院工学研究科教授]
■受賞作品
[まちなみ部門]
賞
部門賞
部門賞
奨励賞
名
称
表
福井市脇三ケ町のまちなみ
(脇三ケ町)
松本の家
(松本 2 丁目 26-11)
足羽川沿いの家
(中央 3 丁目 14-5)
彰
者
管理者
脇三ケ町自治会
所有者
橋本
設計者
株式会社
所有者
蓮浦
設計者
清水隆之建築設計事務所
正
橋本鉄工
義之
今市町自治会
北国街道、今市・浅水・浅水
奨励賞
二日町辺りの街並
管理者
(今市町、浅水町、浅水二日町)
浅水町自治会
浅水二日町自治会
[風景部門]
賞
名
称
表
彰
者
一乗谷朝倉氏遺跡
部門賞
中の御殿展望所 物見台
整備者
(城戸ノ内町)
5
福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館
■選考委員
〈委員長〉
白井
秀和
氏
福井大学大学院工学研究科教授
内村
雄二
氏
福井工業大学建築生活環境学科教授
加藤
美子
氏
カラリスト
鈴木
奈緒子氏
株式会社COM計画研究所統括研究員
田中
諭美
氏
建築士
中村
潤一
氏
社団法人福井県造園協会会長
西畑
敏秀
氏
仁愛女子短期大学生活科学学科教授
6
基調講演
まちの再生
~ライフスタイルのブランド化による地域活性化~
講師
西郷
真理子
氏[都市計画家]
【略歴】
一級建築士/株式会社まちづくりカンパニーシープネットワーク代表/社団法
人チームまちづくり専務理事/東大まちづくり大学院非常勤講師/東日本大震
災復興構想会議検討部会専門委員(2012 年 2 月まで)
明治大学工学部建築学科卒。住民主体のまちづくりを支援する専門家。高松丸
亀町商店街再開発事業(ABC 街区)、長浜まちづくり、川越蔵造りの町並み、山
口、沼津、板橋大山商店街、復興まちづくりとして石巻などの支援をしている。
2010 年ウーマンオブザイヤー大賞受賞、 2008 年日本都市計画学会石川賞受賞、
2011 年フランスカンヌでの国際都市開発会議(MIPIM)最優秀賞受賞など。
皆さん、こんにちは。ご紹介いただきま
るというシンメトリーな人口増減図があり
した西郷です。今日は、福井の中心市街地
ます。政府の発表で、2012 年までは、事実
を発展させ、強化させるために進めていこ
ですけれども、ここから先は推計になって
うという会でお話をさせていただくことは、
くるわけです。このまま推計して行きます
大変光栄です。ありがとうございます。私
と、日本の人口はなくなってしまうわけで
がお手伝いしてきたいくつかのまちの事例
すから、そんなことはないわけで、どこか
をご紹介させていただいて、皆様が考える
で横這いになるわけですね。ただ、まだ横
時の一つのヒントになればという風に思い
這いの兆しは見えてなく、減少の兆しだけ
ます。本日、スライドでご説明しますので、
であるということです。これは日本全国で
お手元の資料とちょっと合っていません。
すから、日本の各都市、福井をはじめ、東
すいません。こちらを見てください。
京も、こういう傾向になっているというこ
まず最初に、人口減少についてですが、
とです。
日本は 20 世紀の初めに人口が 5 千万人だっ
被災地はもっと厳しい状況です。実は、
たのが、22 世紀の初めにまた 5 千万人に戻
日本の全国の地方は被災地に限らず、経済
7
が停滞し、雇用が減少し、地域社会そのも
そのときに大切なのは、中心となる都市
のの結束力の低下、地域文化の衰弱など、
の存在ということです。市街地(都市)と
多くの問題を抱えているということです。
いうのは、一般的には人口が集中している
なぜそのようになってきたのかということ
ところを言います。人口減少で、その市街
ですが、人口が増えるということですべて
地がなくなってしまったまちがあります。
の考え方、行動がされてきた。人口が減少
例えば、陸前高田などがそうです。そうい
しても、考え方、行動は同じである。それ
う意味では、都市というのが消えてしまう
は、別の表現では、外からのお手本をもっ
かもしれないということです。都市という
て発展の道筋を決めて、外を真似しながら
のは、本来美しい自然に囲まれ、歴史があ
発展してきてしまったということではない
り、その歴史を知り、活かすことが必要で
かということです。例えば、工場誘致した
す。ですから地域資源とは何かというと、
が、その工場が、また何年かしたら撤退し
歴史ではないかと思います。
てしまった、という事実があるわけです。
都市が消えてしまうのは、スプロール化
外の価値観に依存しないで、内発的、自立
した市街地の大きさがそのままに、人口減
的に生き続ける生命力を育んでいかないと、
少することです。被災地においては、戦後
結局、持続可能なまちづくりはできないと
スプロール化したところが甚大な被害を受
いうことです。それ自体は何十年も前から
けています。中心市街地はあまり被害を受
言われている話でありまして、地域の資源
けていません。そういう意味で、もう一度
や個性を活かしましょうということを、何
中心市街地を再生するというのは重要なこ
十年と言ってきていながら、上手くいって
とです。リサイクル運動は環境に大切です
いないということも一方で事実です。です
が、市街地を再生するというのは最大のリ
から、何をしたらいいのかというのは、福
サイクルではないかと思います。中心市街
井をはじめ、いろんなまちでいろんなチャ
地に、住まいや学ぶところや職場や遊ぶと
レンジ、実証実験をしていくことではない
ころ、いろいろなものを集積することが大
かという風に思います。
切だということです。
実証実験のひとつとして提案しているの
こんなことを考えながら、いくつかのま
が、コンパクトシティ×ライフスタイルの
ちの人達のお手伝いをしてきたわけです。
ブランド化です。人口減少において、コン
ポイントは、ライフスタイルのブランド化
パクトに都市をつくるということが必要で、
と、デザインコードとまちづくり会社です。
それには土地利用の集約化ということが必
要です。それから、もう一つは、ライフス
~川越について~
タイルのブランド化です。生活スタイルに
川越事例をお話します。川越は、私鉄で
もとづいた生活文化を産業として創出する
30 分ほどのところにある都市なので、戦後
ことで、これを掛け合わせることで、上手
に東京に人口が急増したときに、衛星都市
なスマートシュリンクというのが実現する
として、人口が急増したまちです。一番街
ということです。
商店街は、駅から少し離れていただので、
8
蔵造りの町並みが遺りました。戦後すぐに、
規範をつくったわけですけれども、その一
都市計画道路が拡幅の都市計画決定がされ
つが、
「中庭」を大切にすることです。歴史
ました。そこで、積極的に拡幅して、立派
あるまちというのは、川越に限らず、中庭
な建物を建てていこうという人と、建物を
の位置が、同じ場所にありまして、これが
保存して歴史を大切にしたまちにするとい
住環境とか、まちのそのよさを保っていた
う人と、意見がまとまらないで、そのまま
わけです。ところが、そのルールを知らな
きたわけです。それで、その間いろいろな
い人が、土地を買って建物を建て始めると、
計画づくりをしてきても上手くいかなかっ
そのルールがどんどん壊れていきまして、
たけれども、1983 年に川越蔵の会というの
で、空地、空き店舗が増えてきてしまう。
をつくったのがきっかけになって町並み保
中庭が必要で、快適だということを、商業
存のまちづくりがはじまりました。これは、
としても、住環境としても大切であるとい
ナショナルトラスト運動というのがちょう
うことで、4 間 4 間のルールと言ってです
ど 1980 年の初めごろに日本に紹介されて、
ね、通りから 8 間から 12 間の間にちょうど
住民自身が資金を集めて保存していくとい
中庭が出来ているので、そこには建物を建
うことが可能だというのを知りまして、自
てないで、中庭にするということをルール
分達もそれを目指そうという風になったわ
にしたわけです。これに代表されるように、
けです。1983 年ですから、もう 30 年前に
まちのよさを、
「まちづくり規範」という形
なりまして、当時としては、商店街の活性
で確認して、町並みの改修をしていきまし
化だったら商店主の方が行う、と。歴史的
た。改修したお店から、中庭が見えると素
な建物の保存だったら文化財の人が行う、
敵ですね、ということです。川越では、町
という風に考えられていましたが、蔵の会
並み委員会で協議し、1 軒 1 軒のお店をま
がその考え方を変えました。住民が主体、
ちづくりのルールに沿って直していくとい
それから、景観保存しながら活性化しよう
うことをやっています。まちなみ委員会は
で、財団をつくろうということですね。そ
まだ現状でも続いており、活躍しています。
のときに、通産省のコミュニティマート構
川越は活性化の上手くいっている例として
想の支援を得て、三つのハードと二つのソ
紹介されますけれども、そのポイントは、
フトとして、道路をきれいにしたり個店を
このまちなみ委員会とまちづくり規範、デ
きれいにしたり、集客施設を作ったりとい
ザインコードということです。
うこととともに、まちづくりのルールとそ
~長浜について~
れを運営する町並み委員会の仕組み、意欲
それから、福井にすぐ近くの長浜ですね。
ある人達がスタートするまちづくり会社、
というこの二つのソフトが重要ではないか
これが開発される前の黒壁です、ここは、
ということで、ハードの整備をする前にこ
札の辻です。川越も長浜も、札の辻です。
の仕組みをつくろうということで、まちな
黒壁銀行として大変賑わっていました。け
み委員会を発足させました。
れども、郊外化にともない、まちの中はど
まちなみ委員会で 67 項目のまちづくり
んどん衰退してしまって、黒壁は、黒壁で
9
はなく白く塗られて教会になっていたとい
ている方に買ってもらって、あなたのリビ
うことです。この教会が、売却するために、
ングに置いておいてもしょうがないから、
まちの不動産屋さんに相談したら、不動産
ここに飾ってください、と言って飾り始め
屋さんは、この建物は使いにくい建物だか
たということです。黒壁の美術館に行くと
ら、壊して駐車場にしようという話になり
所有者名が記載されており、それは、そう
ました。それで、市民が、保存してほしい
いうきっかけからです。次に、工房を造っ
ということで、署名運動をはじめました。
て、レストランを造り、工房、レストラン、
その保存運動を支えたのが、
「長浜の教育と
ミュージアムを小さいながらも入れたこと
文化を語る会」です、その人達は、長浜の
が、成功の秘訣ではないかと思います。
黒壁運動が始まるのが 1988 年ですが、その
黒壁の開発がはじまる前には、こういう
10 年以上前に、長浜の文化と教育を考えな
町家がずっと並んでいたところですから、
くちゃいけない、ということを始めていた
とても、ここで成功するとは誰も思ってい
人達です。いよいよ、何か行動に起こさな
なくて、小さいながらもこれだけの開発を
くてはいけないというときに、この黒壁の
すると、やはりお金が数億円かかりますと
話が始まりまして、署名運動をして、市に
いうことで、借入金も多かったです。どん
買い取ってほしいということ、市に要望し
なにがんばっても、周辺のお店は 2 千万く
ました。その時に、市の担当者もナショナ
らいしか売っていないわけですから、8 千
ルトラスト運動の影響を受けていて、市が
万くらいしか売れないであろう。しかし、
買い取ってもかび臭い資料館が出来て終わ
スタッフも雇わなくちゃいけないし、考え
りでしょうから、皆さんで利用したらどう
ると、1 億 2 千万の売り上げがないと成立
ですかということで、受け取ったボールを
しない。4 千万くらい赤字になるだろう、
もう一回投げ返したわけです。で、まちの
と。4 千万の赤字といったら大変なもので
人達が、自分達もがんばろうということに
すけれども、10 人で割れば 400 万だし、20
なりまして、小さいながらも複合開発をし
人で割れば 200 万だし、みんなで協力し合
たということです。
ってやろう、というナショナルトラストの
長浜には長浜祭りに曳山というのがあっ
精神でスタートしていったということです
て、伝統文化がたくさんあるわけです。漆
ね。そうしたら、初年度から 30 万人来て、
とか、様々な工芸品があり、長浜縮緬もあ
1 億 2 千万売れて、今は 7 億円で、200 万
ります。しかし、あえてガラスということ
人くらい来ているエリアになってきたとい
で、当時のリーダーの方が決められて、ベ
うことです。
ネチアまで買い付けに行って始まったとい
長浜にはこういう空き家がたくさんあり
うことです。複合開発ですので、買いやす
ます。日本は、こういう建物をどんどん壊
いベネチアのガラスが 1 階にあって、2 階
してしまったが、長浜の人達は、これを大
は美術館のようにして、比較的高額商品を
切にしようということで、空き店舗を借り
置いておく、と。しかし、高額商品を置く
て直していきました。重要な建物は自分で
にもお金がないので、地元の、お金を持っ
取得して自分で使っているわけですけれど
10
も、それ以外の建物は借りる、あるいは勝
もう一つ、プラチナプラザというのは、
手転売するなど、合理的な発想で進めてい
新長浜計画が関与してできてきた仕組みで、
っているということで、空き地・空き店舗
空き店舗に内装投資をするのは新長浜計画
が減っていったということです。
で、商店街をリタイヤして、息子さん達に
これはまちづくり会社ではないかという
代を譲った人達が、ここにおかず工房とあ
ことで、まちづくり会社というのは商店街
りますけれども、コミュニティと言います
にタウンマネジメントを行っていくという
か、住んでいる人に対するサービスとして、
ことです。空き地や空き家を活用したり、
こういうお店を始めたということです。
ある意味での再開発をしたり、施設を運営
こういうことを通じて、長浜は歴史的な
したり、環境維持をしたりということです
都市の骨格を際立たせるというか、復活さ
けれども、ここではちょっと言い換えて、
せようということを目指しています。その
まちづくり会社が商店街に投資をすると考
ためには、まちのなかに住んでもらわない
えます。そうすると、その開発利益は商店
とだめなので、まちなか居住ということを
にいくわけですけれども、リターンあれば、
考えまして、例えば、土地利用をしていな
また投資が出来る。リターンがある、投資
いところの人達に対して借地権を設定して、
が出来る、というエンジンのスターターの
新しく住まいをつくる、建物を改修して、
ようなものが回り始める。まちづくり会社
住むようにする。これは、経産省さんが特
が長浜のように衰退してしまって、民間投
別認定まちづくり会社という制度を作られ
資が始まらないようなまちですとか、駐車
たので、それを利用してスタートしていき
場とかコミュニティ施設とかですね、そう
ました。これは黒壁とは違う大通寺に近い
いった収益性の低いものであれば、行政か
エリアに、旅館がありまして、旅館の隣に
らの支援がある。長浜も最初の資本は市民
空き店舗と駐車場があったわけです。この
というか中小企業の方から集めました。そ
空き店舗のパラペット看板を取ったらこん
ういう意味では、エンジンがスタートする
なにきれいな江戸時代の町家が出てきまし
のを後押ししてくれるということですね。
たので、この町家に住むということで、
「町
開発が順調にいって賑わいが戻ってくれば、
家ステイ」ということで、京都で「庵」が
政府が出した補助金はちゃんと税金で戻っ
やっていることと提携して、町家に住むよ
てくるし、市民が応援してまちがきれいに
うに泊まるということを始めました。駐車
なるという大きいサイクルが回り始めると
場になっているところは新築しました。こ
いうことです。
れは、土地建物の所有は別に人で、内装投
長浜にはこんなにたくさん会社がありま
資は新長浜計画が行い、利用と所有の分離
して、今言っているのはこの「黒壁」です
を行なっています。そこにはまた、
「季の雲
けれども、その他にこんなにたくさん会社
ゲストハウス」という、やる気のある、セ
があって、工務店の方が中心になってつく
ンスのいい若夫婦がそれを借りてやってい
った「新長浜計画」というのが次の活動の
るということで、一つのプロジェクトに
キー会社になっています。
様々な人達が参加をし、収益性の低い部分
11
に関しては公的支援をいただいて、事業を
りました。ところが高松は、歴史的建物が
行なっているということです。
みんななくなってしまいましたので、ペン
シルビルみたいなのが建ってしまいました。
~高松について~
でも、結局上の方は使っていないわけです
高松は、人口規模が大きく、33 万人で、
から、それを一度、再開発という手法を使
合併して 42 万人ですね。商圏人口が 100
って、中庭をつくっていこうということで
万人、四国を代表する商店街の一つという
す。この発想から出てきた再開発の手法と
ことですね。長浜は、今回まちづくり会社
いうのが、従来の再開発というのは高度利
を中心にしゃべりましたので、デザインコ
用というのが公共性だったわけです。人口
ードの話はしませんでしたけれども、長浜
が増えてくるわけですから、大きな建物を
にもデザインコードはあります。高松は、
つくって、その人口増を吸収して、立派な
このデザインコードをきちんと作って、そ
建物をつくっていくというのは、とても公
れを地区計画という都市計画の手法にのせ
共性があったわけです。再開発の手法もそ
てやってきました。
「道路を広場に」という
うなっていて、土地を共有して、権利者の
ことですね。快適な広場空間をまちの中に
人達は、その土地を共有したところの一部
つくっていこうということで、これは都市
を、権利変換という等価交換の仕組みを使
計画道路で事業済みという道路です。再開
って権利者の負担なく立ち上がるというの
発と一緒にやることによって、このように
が、これまでの再開発の手法だったわけで
広場のように使っていくことを消防や警察
す。しかし、人口が減ってきたときに、大
とも協議しながら了解をもらっていったと
きな空き店舗が出来てくるというのが地方
いうことです。で、美しいまちなみをつく
の再開発ではじまりました。それに対して、
っていこうということです。一つのショッ
適切な規模の建物を適切に配置するという
ピングセンターのように見立てて、エリア
こと、エリアをマネジメントするというこ
のマネジメントをしていこうということで
とが、再開発の公共整備ではないかという
す。
のを高松で議論しました。例えば、昔は百
また、まちのなかにコミュニケーション
貨店というのは、一つの中に全ての機能が
するのを楽しい場所をたくさんつくってい
ありまして、上にレストラン街があって、
きましょうということです。高松は戦災に
紳士服があって雑貨ショップがあって、み
あいましたので、古い建物は全く残ってい
たいな話だったと思いますが、それを横に
ないんですね、ですから、全く新しいデザ
しちゃうわけですね。レストラン街があっ
インコードというのをつくりまして、この
て、ファッションゾーンがあって生活雑貨
デザインコードにのっとってまちづくりを
が集積している場所があってという、横に
していくということです。川越の中庭の考
しちゃいましょうということで、それほど
え方は、高松の中庭であり、長浜の中庭で
大きな建物をつくらないでいくことで、か
あり、福井もみんな同じですね。歴史的都
えって事業が成り立っていくということス
市は、中庭を上手に使って美しい都市であ
キームをつくりました。そのためには、土
12
地を共有する必要がなくなりまして、土地
が主体となって、ということです。
の所有はそのままに、ということでしたの
で、権利者の方の合意もはやく進んでいっ
~ライフスタイルのブランド化~
たということですね。利用と所有の分離と
ライフスタイルのブランド化について話
をしますと、ハマチの養殖というのは瀬戸
いうことです。
高松の丸亀町というのは、ちょうどバブ
内海で始まったそうです。養殖ハマチと天
ル期ですね、地方のバブル期というのは
然ハマチでは天然ハマチの方がずっとおい
1992 年ですけれども、そこでだいたい 2 千
しいということだったわけですけれども、
万/坪もしており、信じられないくらい高
その養殖ハマチに、小豆島という島で採れ
かったわけですけれども、それが今はなん
るオリーブを食べさせたら、とってもおい
と 100 万円ですね、20 分の 1 になりました。
しいオリーブハマチが出来ました。そのオ
2 千万していたときに、1 階のお店が 5 万円
リーブハマチが中心市街地の中で食べられ
/坪の家賃でして、これも信じられない値
る、周辺の農村や漁村の素晴らしいものが
段ですけれども、今、1 階の値段が 2,500
ここで体験できるという、ショーケースの
円になっているかというと、そんなことは
役割を担っているのが中心市街地である。
なく、1 万円から 1 万 5 千円ですね。それ
このお店をやっている人達は、昔からやっ
だけの家賃が払えるというのは、それだけ
ている人もいますけれども、新しくお店を
の売り上げが取れている場所です。ですか
始めた人もいて、インキュベーション機能
ら、この 1992 年のときには、なんと 200
を持っているということで、まちの中は、
億も売っていたのですけれども、今は、減
ショーケースでありインキュベーション機
りましたけれども、120 から 130 億は売っ
能があると上手くいくのではないかという
ている商店街ですね。そういう意味では、
ことで、高松でも少しずつ実験してきてい
逆にいうと利回りは上がっているわけなの
るということです。
で、エリアのマネジメントをちゃんとやる
これは、地元の方がつくった漆で、iPad
ことによって、収益性は上がるというのを
のケースを漆でつくるというのが今流行っ
権利者の方に理解していただいて、借地権
ていますけれども、これをパリに持ってい
を設定して、まちづくり会社がディベロッ
ったら大変評判がよくて、これは、まちの
パーしていくというのを高松で構想し、実
シューレというところが中心になって始め
証していったということです。
てきたわけです。そういう意味で、地域の
お金の地産地消という風に言っている方
人達が普段使いしているものを上手にブラ
もいますけれども、地域で集めたお金は地
ッシュアップして商品化することで、実は
域に投資をするという仕組みを、まちづく
地域の産業自身が始まってくるということ
り会社というのが中心になって始めていっ
で、これは何も難しいことではなく、少し
たということです。で、ワークショップに
歴史をたどれば、日本のまちはみんなこれ
行っていますけれども、こういうことを繰
をやっていたわけですから、もう一度、き
り返しやっていきながら、商店街の皆さん
ちんとこういった生活文化を産業にしまし
13
ょうということです。
もあり、1,700 プロジェクト、2 万人の来場
長浜も、工場誘致をして成功したわけで
者の中での投票で、選ばれました。それは、
すけれども、工場誘致で成功した人達が始
住民主体のプロジェクトであること、ヒュ
めたまちづくりが今成功していて、工場は
ーマンなデザインであること、地域の文化
撤退してしまったが、長浜のまちは次の道
を継承していることというのが評価のポイ
を見つけつつあるということですね。これ
ントであったというわけです。
が、クールジャパンとして、輸出戦略とし
~被災地の様子から~
ても政府が考えてきているということなの
で、輸出するのは何も工業生産品だけでは
これらを踏まえて、復興を考えてみます
なく、生活文化産業を輸出しようというこ
と、これは石巻市です。ピンク色のところ
とです。
が、市街地と言われている DID というとこ
ろです。ブルーが水害にあったところです。
それから、もう少しコミュニティの人達
にサービスをするということで言えば、こ
それで、被災直後の写真を見てみますと、
れは沼津でやっている、iPad を使ってカフ
南浜と言われているよくテレビの映像でも
ェで皆さん楽しんでいるのですけれども、
出ていたと思いますが、は、建物が全然残
高齢者の人達に IT 関係の色々なものを使
っていないのですね。それから、これは北
っていただきながら、まちの中のコミュニ
ですけど、やっぱり水害にあっているんで
ティーツールにしていこうという取り組み
す。ところが、ここはほとんど水が来てい
も始まってきているということです。
なくて、建物がほとんど残っているのです。
実は、情報というのはみんな東京を見て
これを昔の地図で比較すると、もともとの
いる。意外と地域の情報というのは地域に
中心部はここだったわけです。南浜、沼地
ないんですよね。ですから、東京発でない、
だったり湿地帯だったりするわけです。そ
身近な情報が地域を掲げるような場をつく
ういうところを宅地開発したところが被害
っていこうということも始めてきていると
にあっているのですね。
気仙沼も同様で、気仙沼と言うくらいで
いうことです。
英語になりましたのは、これを海外の、
すから、実は沼地だったのです。沼地だっ
世界の都市開発の会議にプレゼンテーショ
たところを開発したところが、壊滅的打撃
ンをしたら最優秀賞をもらしました。横の
と言われているところで、もともとの市街
つながりを持っていくということがとても
地があったところは、一部は水も来ていな
大切で、ツリーからセミラチスへという言
いのですね。
い方をしているんですけれども、こういう
陸前高田は、DID と言われているピンク
仕組みを構築しようとしているということ
色がなくなってしまいまして、市街地がな
と、それから、まちづくり会社が主体とな
くなってしまったのですけれども、もとも
って始めていく、と。この二つが評価をも
との市街地は、山の裾野にあったというこ
らって、世界で最優秀賞というのをもらっ
とです。
これは、千葉県の、今は香取市と言って
たわけですけれども、投資家が集まる会で
14
いますけれども、まちなみ保存している佐
車場になっているわけです。しかし、駐車
原ですね。利根川の流域を開発したところ
場も必要があって出来たわけですから、1
が、液状化で 1,200 世帯が家が壊れてしま
階は駐車場にして、2 階から上を中庭にす
ったのですね。
るということで、安心安全のまちに寄与す
そういう意味で、人口が増えて、都市が
るということですね。後は、エリアのマネ
スプロール化したところが被害を受けてい
ジメントということを、考えつつ進めてい
ます。これは DID の面積ですけれども、面
って、再開発という手法を使って、災害公
積は増えているんだけれども、人口密度は
営住宅をつくります。石巻のプロジェクト
どんどん減っているということです。それ
ですが、歴史的な建物は、建物を保存しな
から、単身世帯がどんどん増えてくるとい
がら、1 階は駐車場、2 階からは住宅、とい
うことは、地域のつながりが上手にいかな
うことです。4 階だてくらいで高い建物を
いといけないということで、石巻で言うと、
建てないということです。
石巻はなんと 1955 年、戦後すぐの人口より
石巻での、ライフスタイルのブランド化
も減ってきているという風になっているの
は、これは大漁旗をリユースして、服とか
に、DID だけまだ伸びているということで
帽子をつくって、これをフランスに持って
す。もう一度、コンパクトに都市をつくっ
いったら、とても評判がよかったので、こ
ていくということがとても大事だというこ
れを販売しようというようなプロジェクト
とですね。
が始まってきていています。生活文化を産
それには、デザインと、利用と所有の分
業にということですね。
離のまちづくり会社のスキームと、それか
で、復興計画では、まちづくり会社の位
ら、ライフスタイルのブランド化と、三つ
置付け計画がないのですね。それは、復興
の掛け合わせだろうということです。石巻
計画に限らず、都市マスタープランの中に
では、コンパクトシティということで、2
も、この位置づけがあまりされていなくて、
千戸構想というのを実行しようとしていま
ここをきちんと位置づけるということが大
す。では、2 千戸つくるのに一気にやるか
切ではないかということです。後は、ワー
というと、そうではなく、住民の声が整っ
クショップによる主体形成、中庭をつくっ
たところから始めていく、しかし、デザイ
ていくデザインコードによる計画づくりと
ンコードを持っているので、全体としてバ
いうのを始めてきているということです。
ランスのとれたまちが出てきて、エリアと
資金に関しては、最初は公的支援が多い
しての魅力が高まるということです。
のですが、だんだんに民間投資が始まって
デザインコードというのは、川越、長浜、
くる、という仕組みをつくらないと上手く
高松、みんな同じです。やはり歴史的なま
いかないということです。そのためには、
ちのつくり方を、上手にしながら、現代版
まちづくり会社というのを中心に、基金を
石巻町家ということで、細長い敷地で、中
組成して、事業を支援しましょう、と。公
庭があって、川越みたいにみんなきれいだ
的支援を、資本金のような扱いにして、し
ったんですけれども、石巻では今そこが駐
かし、全部補助金では出来ませんから、当
15
然、借入金も始まるとわけですけれども、
くさんあります、自然と共生しながら美し
その資本金の一部を、社債という形で上手
いなまちが出来てきています、というのを
につくることで、社債というのは返還され
プレゼンテーションしたものです。まちを
てきますから、先ほど言った仕組みが上手
再生しています、と。それは、歴史を大切
に組み立てられるのではないかということ
にしながらまちづくりをしていきます、連
です。これは、実は日本の地方都市みんな
携しています。ライフスタイルをブランデ
がそうでありまして、福井市のような立派
ィング化していくのを同時にやっていきま
な都市では民間投資があると思いますが、
しょう、ということですね。日本の都市は、
長浜を始め、民間投資が始まらないという
「間」というのを、これは中庭ですけれど
ようなところは、この資金を上手に使って
も、上手につくっているので、都市の中に、
事業を立ち上げるということがとても必要
その間をつくっていくということですね。
ではないかということです。
クリエイティブな都市をつくっていこう、
と。中心市街地というのは、言ってみれば
~MIPIM での
プレゼンテーションから~
クリエイティブシティではないかというこ
とです。
最後に、MIPIM でプレゼンテーションし
た映像を見ていただいて、終わりにしたい
後でまた、パネルディスカッションのと
と思います。
きにお話をしたいと思います。どうもあり
これは、日本は素晴らしい自然景観がた
がとうございました。
16
施策紹介
中心市街地活性化の全国的な動きについて
講師
横山
典弘 [内閣府地域活性化推進室次長]
1985 年東京大学経済学部卒業。同年通商産業省(現 経済産業省)入省後、
産業政策局産業構造課、イェール大学大学院、生活産業局総務課長補佐、特
許庁秘書課長等を経て、2008 年産業技術環境局リサイクル推進課長就任。
2010 年内閣官房地域活性化統合事務局総括参事官就任の後、2011 年より現
職。
今、ご紹介をいただきました、内閣府で
とを内外の指摘も受けてですね、平成 12 年
地域活性化統合事務局、中心市街地活性化
に廃止になって、その後、大店立地法とい
の担当をさせていただいております横山と
う法律で、いわゆる生活環境の保全という
申します。どうぞよろしくお願いいたしま
ことで、駐車場、交通渋滞が起こらないか
す。
とか、騒音が夜遅く大丈夫か、そのような
早速、資料に沿って説明させていただき
点での規制という形に衣替えをしたんです
ますが、細かくて恐縮なんですけれども、
けれども、商業調整というのは前面からな
左上のところに簡単なこれまでの中心市街
くなったというのが平成 12 年で、大店立地
地活性化の概要が書いてありますけれども、
法が出来たときに併せて、旧法の中心市街
ご案内のように、最初は、いわゆる「商業
地活性化法というもの、それから都市計画
調整」という形で、大店法という法律に基
法を併せて、
「まちづくり 3 法」というもの
づいて、中小小売業、サービス業の健全な
が、平成 12 年ごろに整備をされたというこ
育成ということを目的に、大店舗の位置規
とです。これが第 2 ステージだとすると、
制をやっていた時代がございました。それ
現在は、中心市街地活性化法が平成 18 年ご
が、競争上おかしいんじゃないかというこ
ろに非常に議論になりまして、見直しが行
17
われたということでございます。大店立地
いう風に法律上は書かれているんですけれ
法の法律改正はなかったんですけれども、
ども、ここへ来て、福井もそうですけれど
中心市街地活性化法については抜本的な見
も、1 期目の計画も終わりが来ているとこ
直しがなされて、従来は各省庁が寄り合い
ろが非常に多くなっているところから、春
でやっていたのが、今私が属している内閣
に取りまとめられた、閣議決定された再生
府官房に中心市街地活性化の推進本部を置
戦略の中で、中心市街地活性化法のあり方
いて、関係省庁の連絡調整を統括的に行う
について再検証しろというのが言われたわ
ということとか、それから、計画を、従来
けでございます。それに基づいて、我々、
は届出で済んでいたということだったんで
中心市街地活性化の担当局としては、一つ
すけれども、内閣総理大臣の認定制という
はこのリレーシンポジウムというものを企
ものをしいたというようなこととか、それ
画いたしました。もう一つ、実はですね、
から、中心市街地活性化協議会、法律上、
ちょうど 1 ヶ月くらい前に有識者の方から
そういったものを置いた、と。それから、
なる見直しの検討委員会というものを立ち
いろんな施策の中で、「まちなか居住の推
上げたところでございまして、その後、経
進」という 1 項目が入ったとか、そういう
済産業省の方でも同様に委員会を立ち上げ
ような改正が行われたのが平成 18 年でご
られまして、今、委員会が政府に二つ走っ
ざいました。その後、新法になってから認
ているんですけれども、西郷先生は残念な
定をされたのが全国で 107 の市で、これま
がら経済産業省に取られてしまいまして、
で認定をいただいております。計画の数で
今日非常に濃密なお話をいただいて、ちょ
いえば 118 になっていまして、というのは、
っとメモがなかなか全部取れなかったです
もう 2 期目に入ったところがございます。
けれども、ぜひこれからも経産省と連携を
平成 18 年で、だいたい一つの計画が 5 年で
取って、今の見直し作業にも反映させられ
ございますので、もう 8 つの計画が 2 期目
ればなぁと思っているところでございます。
に入っています。それから、例えば北九州
~内閣官房の施策~
のように、一つの市で、小倉と黒崎という
ような形で、中心市街地がどうしても二つ
ここからが各省庁の施策の紹介でござい
ある、北九州は豊前の国と、それから筑後
ますが、まず、内閣官房、我々の事務局で
の国と、市の中にもともと二つあって、そ
すけれども、いろんな施策がございます。
れぞれ、長崎街道の出発点としての黒崎と
中心市街地活性化法、活性化というのも一
城下町の小倉と二つの核があって、二つの
つ重要な施策として位置づけられているん
計画を持っている、と。後、市町村合併の
ですが、その他に、お聞きになられたこと
形で二つになったというところもございま
があるかもしれませんけれども、規制改革
すけれども、そういうような形で、118 の
について、誰でも提案が出来て、しかも本
べの計画がございます。
則を変える前に、特定の地域で社会実験的
実は、平成 18 年に出来た中心市街地活性
に特例措置をやってみようというもので、
化法については、10 年後に見直しをすると
例えば、
「どぶろく特区」とかいろんなもの
18
が出ていますけれども、そういうものが、
支援をしますと言ったようなこととか、専
例えば中心市街地活性化で規制改革が必要
門委員会の派遣だとかについて補助をしよ
であるところと上手く連携を取るとかです
うというものでございます。
ね。それから、
「総合特区」というのが、新
こちらも経済産業省の施策でございます
政権、おととい解散してしまいましたけれ
が、人材育成もございますし、それから成
ども、この中で唯一、新政権で出来たのは、
功事例、失敗事例などの情報交換などにつ
この総合特区なんですけれども、この中で
いてのソフトな支援措置でございます。
も先ほどの高松の事例なども特区の一つと
~国土交通省の施策~
して指定がされているというような形であ
こちらが、ちょっと細かくて恐縮ですけ
ります。
れども、国土交通省の施策でございまして、
それから、後、
「環境未来都市」というよ
うなもの。これは法律に基づくものではな
ハード事業を中心に、非常にきめ細かくい
いですけれども、まちづくり、都市づくり
ろんな補助制度がございまして、金額的に
というときに、環境問題、超高齢化問題、
も非常に大きなものがあります。例えば、
そういうような二つの制約要因を、まさに
先ほどのまちなか居住の推進といったよう
先ほどの話が先生からあったような、課題
なものも含まれておりますし、それから、
を克服する技術に変えて、いろんな先進的
先ほど西郷先生のお話の中にもあったこと
なモデル都市をつくっていこうというよう
と関連するかもしれませんけれども、
「身の
な取り組みでありまして、それをさらに海
丈再開発の推進」というような施策もござ
外にも、やがて、今日本が抱えている課題
いまして、いわゆる、容積率の高いような
は海外にも出てくるだろうということで、
再開発でかえって床が埋まらなくて、借金
発信していこう、と。そういう施策と、い
を抱えて上手く回らなくなったというよう
ろんなものがございまして、またご活用い
な事例も多いということもあってか、容積
ただければと思っておりますのでよろしく
率の低いような再開発に対して、補助率を
お願いします。
むしろ上げるというような措置でございま
す。
~経済産業省の施策~
~総務省の施策~
これは、経済産業省の施策でございまし
て、従来、戦略補助という補助金があった
こちらは、総務省の施策でありまして、
んですけれども、これが、事業仕分けと言
こういったソフト事業でありますとか、そ
いますか、経済産業省の事業仕分けで廃止、
れからハード事業に対して、一定の要件を
と、抜本的見直しという形になって、見直
満たすものについて、交付税措置の対象に
しをしている、新規要求をしているという
しようという措置であります。これが、対
ものでございます。まちの魅力の掘り起こ
象になる事業と。ソフト事業がこちら、ハ
しというようなことをして、さらにそれに
ードな事業がこちらということで。
対して、先導的で収益性の低い実証適用に
19
今申し上げたもの、それぞれ非常に細かく
府と議論をしているときに、むしろ先生の
て、内閣府の方でも、実際、我々ワンスト
方からも出てきたような話なんですが、リ
ップでつなぎますけれども、詳細はそれぞ
レーシンポジウムではこういうものを示し
れの担当省庁でまたご紹介いただければと
たということで、
「考え方 1」ということで、
いう風に思っております。
コンパクトシティ、集約化の道をたどるの
か、引き続き開発、開発ということで外へ
~中心市街地活性化への
抜本的取組に向けた論点~
の拡散ということを進めていって、低密度
な、資産価値の低下を招くというような、
最後の紙でございますが、先ほど申し上
あるいは重い投資のメンテナンス費用とい
げたように、閣議決定された再生戦略の中
うようなことを含めてのことをしていくの
にも中心市街地活性化についての検証とい
かという、そこはもうかなりはっきりとし
うことで、実は先ほどのまちづくり 3 法の
ていかなければいけないんじゃないかとい
見直しでコンパクトシティということが強
うような問いかけであります。
く言われて、中心市街地活性化法の改正と
もちろん、中心市街地活性化に取り組ま
か、都市計画法も強化されて、それに伴う
れているようなところは、基本的に「考え
条例化がされるといったような措置が、平
方 1」を取っているかと思いますけれども、
成 18 年ごろに非常に多く盛り上がって、実
そう言ったことも含めて、いろいろと、先
は私も、その頃中小企業庁の商業課長とい
ほど人口のちょうどピークから下がってき
うので、いろんな勢いを肌で感じていたん
ているというようなところで、日本が体験
ですけれども、久しぶりにこの内閣府でま
していなかったような対応が求められると
ちづくりの担当をさせていただいて、ちょ
いうわけでありまして、それは行動的にも
っとその頃に比べると、やや盛り上がりに
やはり抜本的に変えていかなきゃいけない
欠けているかなと勝手に勘違いしていたん
というところでございます。
ですけれども、今回、リレーシンポジウム
先ほども申し上げましたように、いろん
のお声かけをしたら、最初は本当に、それ
な施策の見直しをちょうどかけているとこ
ぞれブロックごとにどこかお願いをしない
ろでございまして、ちょうど施策に反映さ
と回らないんじゃないか、リレーにならな
せるとか、中心市街地活性化法の基本方針、
いんじゃないかくらいに思っていたら、全
これは法律改正までいかなくても、そうい
国で 20 を超えるご提案、手を挙げていただ
うものもございますので、またいろいろと
いて、結局、21 の都市で開催をいただくと。
ご指摘をいただければ、ちょうどいい機会
ここ福井も手を挙げていただきまして、非
だと思いますので、ぜひお願いを出来れば
常に、それぞれの意気込みと言いますか、
という風に思っております。この後のシン
熱意を感じているところでございます。た
ポジウムの議論とか、先ほどの先生のご講
だ、そういう中で、まだ郊外の開発という
演の話なども、ぜひ我々としては取り込ま
ことと併せて中心市街地の開発が進んでい
させていただきたいなという風に思ってい
るということがございまして、これは、政
るところでございます。どうもありがとう
20
ございました。
21
パネルディス
カッション
出会う・暮らす・遊ぶ
まちなか
コーディネーター
内村
雄二 氏[福井工業大学建築生活環境学科教授]
1996 年京都工芸繊維大学大学院博士後期課程修了。(株)地域計画建築研究
所勤務を経て、2004 年より福井工業大学にて教鞭を執る。専門は、都市デザ
イン、建築・ランドスケープデザイン、都市・地域、景観等計画論。主な著
書に、「まちづくり新書7{都市環境セミナー}景観・まちづくりによる地
方都市中心市街地再生の取組み」(共著、学芸出版社、2011 年)、「土木デザ
イン・キーワード集」(学芸出版社、1994 年)がある。大分県出身。
パネリスト
西郷
真理子 氏 [都市計画家]
開発
毅 氏[合資会社開花亭代表社員社長]
1968年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、2005年に(社)福井青年会議所理
事長、2006年に(社)日本青年会議所北陸信越地区担当常任理事を務める。
現在も、福井商工会議所議員や福井経済同友会常任幹事、(社)福井経済ク
ラブ副理事長等を務める他、NPOこみちこまち浜町代表や県都デザイン懇話会
委員を務め、様々な場面でまちづくりを推進している。
松浦
麻衣 氏[福井大学EMP実行委員会代表]
1992 年生まれ。2010 年福井大学教育地域科学部地域科学課程入学。生涯学習
系3年。EMP は、
「歩きたくなる駅前」をコンセプトに、自分たちのまちを活気
づけるための活動を行なう学生団体。これまでの主な活動内容に、福井駅前活
性化プランを考えるイベント、まち歩きツアーの実施、フリーペーパーの発行
がある。今年度は、「福井の未来を担う子どもの育成プロジェクト」を開催。
越智
健吾
[福井市特命幹兼都市戦略部長]
1990 年東京大学工学部都市工学科卒業。同年建設省(現 国土交通省)入省
後、山形県庁、外務省出向、総合政策局政策課長補佐、都市・地域整備局街
路課長補佐等を経て、2007 年中国地方整備局松江国道事務所長就任。2009
年独立行政法人都市再生機構出向。2011 年都市・地域整備局まちづくり推進
19
課企画専門官就任の後、2012
年より現職。愛媛県出身。
●内村氏
いいたします。
ただ今ご紹介
福井工業大学の
~福井市の中心市街地活性化
基本計画について~
内村と申します。
●越智
いただきました、
よろしくお願い
みなさん、こ
します。本日は、
んにちは。では、
「出会う・暮ら
まず私の方から、
す・遊ぶ
市が取り組んで
まちな
おります中心市
か」ということで、
現在 2 期計画がリファインされている途中
街地活性化の、
であります。最初に、今日のテーマである
全体像をご理解
「出会う・暮らす・遊ぶ」ということを、
いただくのがよ
先ほどの西郷先生のお話の「ブランド」と
ろしいかと思い
いうことをキーワードに、いかに、もうち
ますので、現在策定中の第 2 期の基本計画
ょっと参加をしたり楽しんだりとか、夢の
の案について、ご説明をしたいと思います。
あるようなことを、現状の中から出来ない
そもそも、中心市街地活性化がなぜ必要
かと思います。ブランドというのは、ご存
かという話ですけれども、中心市街地活性
知のように、銘柄、商標でございますけれ
化が、行政の主要なテーマという風になっ
ども、それは何のためかというと、区別を
てきましたのが、モータリゼーションが進
するためですね。ですから、そういう意味
みました 20 年、30 年前からですけれども、
の戦略面で、基調講演いただいた中に多く
今、都市全体のまちづくりそのもの、そう
のヒントがありました。それから、本日の
いう考え方で近年取り組んでいるところで
パネリストの方々がいろんなことをお考え
ございます。西郷先生、あるいは横山様か
かと思います。そういったことを掘り起こ
らも、
「コンパクトシティ」ということでの
しながら、建設的な意見を賜りたいところ
お話があったわけでございますので、その
です。会場からも、ご忌憚のないご意見と
基本的意味というのは割愛しますけれども、
かご感想を後ほどお聞きしたいなというこ
図面をご覧いただきながらお聞きいただけ
とで、短い 60 分間でございますけれども、
ればと思います。
何とぞよろしくお願いしたいと思います。
福井市におきましても、ストックを活用
早速でございますが、福井市の中心市街
すべし、と、あるいは、都市の膨張、都市
地活性化基本計画、先ほど、2 期が 8 自治
の外延化に歯止めをかけるべきだというこ
体ということで、内閣府の横山さんがおっ
とで、そういう方向に舵を最近きっていた
しゃっておられましたけれども、今、福井
わけでございます。福井市におきましては、
市が策定中の 2 期計画につきまして、越智
地域地域のコミュニティ、あるいは生活と
特命幹の方からご説明のほどよろしくお願
いうのがあるわけなんですけれども、都市
23
機能のストックの多くが中心市街地にある
が貫けておりまして、新しい建物が建って
わけでございます。また、公共交通もこち
きているということでございます。それか
らで、縦の軸、あるいは 6 方向の軸という
らもう一つ、特筆出来ることかと思うので
風に、幹線軸を表わしておりますけれども、
すけれども、市民の皆さんによる文化活動
こういったものが福井駅を中心に結節して
ということで、イベントを含めまして、こ
いるということで、ここが県都の玄関口で
ういったものが、中心市街地でかなり浸透
ある、と。そうしますと、市民の皆様、県
してきたのではないかという風に思ってい
民の皆様誰にとっても行きやすくして、
ます。それ以外にも、いくつかの民間投資
様々なサービスを受けられる中心市街地、
があったという風に思っております。
こういうことになろうかと思います。公共
ただ、ちょっと反省すべきことというの
交通のストックの活用というのが出来るわ
も踏まえながら、次期の計画策定に取り組
けでございます。
んでおるところですけれども、特に西口、
そういうことで、中心市街地活性化の問
西口再開発もそうですけれども、こちらが
題というのは、中心市街地だけではなく、
まだ未整備の状況だというようなことがあ
福井市全体、あるいは、県庁所在地という
ります。新幹線という大きなプロジェクト
ことで地域全体の利益になる、と、こうい
があるわけですけれども、その着工がここ
う風に考えて、福井市においては中心市街
数年なかなか見えない中で、公共投資も若
地の活性化をこれまで進めてきたというと
干足踏みしたというのが実情かと思います
ころでございます。今、第 2 期ということ
し、そういったこともありまして、民間投
で、中心市街地の基本計画を策定して進め
資の方も、踏切がなかなか難しかったのか
ております。目標、三つ挙げまして、
「訪れ
なという風に推定しています。ただ、ご案
やすい環境」、それから、「居住する人を増
内のとおり、平成 37 年の開業を目指して新
やす」ということで、今、中心市街地、高
幹線の着工がなされたということ、それか
齢化が進んでおりますし、あるいは人口減
ら、西口の再開発についても事業化がなさ
少もございます。まずは、機能維持のため、
れたということで、今まさに駅周辺、ある
居住する人を増やす。それから、
「歩いてみ
いは中心市街地全体が動いていく、と。こ
たくなる魅力」ということで、やはり中心
ういうタイミングで、第 2 期の基本計画の
市街地ならではの魅力を高めるという、こ
策定を進めておるというところでございま
ういう三つの目標を立てて進めてきたわけ
す。
でございます。5 年近くやってきて、今、
今の計画が 3 月に切れますので、引き続
総括しているところなんですが、皆さんご
きということで考えておるわけですけれど
存知のとおり、福井駅の東につきましては、
も、引き続き、
「出会う・暮らす・遊ぶ」と
駅前広場がだいたいできておりますし、そ
いうようなことを基本的な方針に掲げてお
ういうことで、高速バスが入ったりだとか、
ります。先ほども申しましたとおり、
「官民
便利になっておるかと思います。それから、
協働のまちなかにぎわいステージづくり」
やはり東側につきましては、今、幹線道路
というのを、今回新しく掲げたわけですけ
24
れども、市民の皆様による、例えばイベン
それから、遊ぶということなんですけれ
トが根付いてきたというところもございま
ども、福井市の中心市街地活性化の一つの
す。それから、公共投資のスケジュールが
これまでの大きな方針ですけれども、ここ、
明らかになってきた中で、民間の皆さんの
特に赤く塗っている部分ですけれども、そ
投資の誘発、こういったことがなされるん
こを「にぎわいの軸」としまして、ここか
ではないかということを期待しつつ、第 2
らいろんな方向に展開していくという、そ
期基本計画を進めていきたい、と、こうい
ういう考え方できております。東口にはア
う考えでいます。
オッサがあり、今度の西口の再開発があり、
中心市街地ということで、今、基本計画
そして西武百貨店があるというような、こ
の対象エリアは 105ha くらいなんですけれ
ういう軸になるわけですけれども、ここに
ども、その将来像といたしまして、先ほど
つきましては、先ほどからちょっと触れさ
から掲げております、
「出会い・暮らし・遊
せていただいています、再開発のようなハ
びに満ちた県都のまちなか」、まさしく、い
ードだけではなくて、ソフトも、というこ
ろんな都市機能がぎゅっと集積した活力の
とかと思います。イベントもいろいろ根付
あるまちというのをつくっていく、こうい
いているということでございますので、引
うイメージで考えております。三つの方針
き続き、遊ぶ、にぎわい、ということを目
ごとに若干整理いたしますと、出会う、行
的に、施策を展開していくということを考
き交うということなんですけれども、福井
えております。
駅を中心とした、交通、あるいは交流の場
目標、ということで、三つの目標に対し
の整備ということで、こちら、西口再開発
て、ちょっと細かくは割愛いたしますけれ
の絵ですけれども、これはもう、年内、近々
ども、指標を持っていまして、進めていく
現場がいろいろ工事が始まっていくという
というところでございます。
状況になっておりますし、こちらが、福井
最後、推進体制ということなんですけれ
鉄道の新型車両ですけれども、こちらにつ
ども、官民の連携で、という、そういう絵
きましても、年度内には第 1 号車が導入さ
になっているわけでございますが、市民の
れるというようなことで進みつつあるとい
皆様、本日も多くの方にいらしていただい
うことでございます。
ているわけでございますけれども、中心市
それから、暮らすということなんですけ
街地の問題につきましては、まさしく、中
れども、商業の中心地、あるいは、業務の
心市街地の住民の方、あるいは、中心市街
中心地ということを含めまして、まちなか
地の事業者の方、だけではなくて、広い関
居住をしていく必要があろうかということ
心を持っていただきたい、と、こういう風
でございます。リフォームとか、二世帯型
に考えております。そういう中で、先ほど
の一戸建て、こういったことにつきまして
目標を掲げて進めていくという説明をいた
も、これから支援を強化して、皆さんが、
しましたけれども、その目標についても、
いろんな方が住める、住みやすいというま
官民が含めましてフォローしながら、確実
ちづくりが必要だと思っております。
に進めていくという風に思っております。
25
案につきましての概略というのは以上で
ったわけなん
ございますけれども、案につきまして、現
ですが、その当
在パブリック・コメント、22 日までという
時というのは
ことですので、もう後数日というところで
福井に帰って
すけれども、これをしております。本日も、
きたくはなか
今日の私の説明は非常に概略だったんです
ったですよね。
けれども、詳しい資料、あるいは、案に対
ある日突然で
するご意見の提案用紙、これを受付に置い
すね、私の先代
てありますので、ぜひ、本日いろいろな話
が病に倒れま
を聞いた上で、ご意見を皆様方からもいた
したので、本当に突然、
「帰ってこい」とい
だけるようお願いして、第 2 期計画案につ
うことで帰ってきたんですが、泣く泣く帰
いての説明を終わります。
ってきた、と言いますけど、本当に帰る日、
泣きましたもんね。本当にこんなとこ帰っ
~自己紹介及び
現在の中心市街地について~
てきていいのかな、と思いながら。勤め先
●内村氏
しくなりましてですね、どんな感じで涙を
が日比谷だったもんで、落差というか、悲
ありがとうございました。
流したか、今でも覚えております。だた、
ここからは、本題のパネルディスカッシ
自分の生まれた家でもありますし、小学校
ョンということになります。フランクに進
から、幼稚園、ずっと慣れ親しんで、こん
めるために、敬称を略させていただきます。
な話は私しか出来ないと思うんですけど、
開発さん、最初に自己紹介と、それから、
幼稚園の送り迎えは、ずっと芸者さんにし
現在の福井のまちなかに対してどのように
てもらってたんですよね、そういうエリア
今お考えをお持ちかということを自己紹介
で育てられた私がですね、帰ってこないっ
代わりにお願いします。
ていうのは。地域に対する、非常に義理を
欠くことになるということなので、涙を乾
●開発氏
かして、跡継ぎになることにさせていただ
皆さん、こんにちは。開花亭の開発と申
いたんです。
します。どうぞよろしくお願いをいたしま
当たり前ですけど、しばらくは、商売さ
す。
せていただいても若造ですから、仕事を覚
自己紹介しろって言われて、なかなか自
えさせていただいてるようなことですとか、
分のことを語れるほど饒舌じゃないんです
27 歳のとき、これ覚えてるんですが、どん
けれども、私自身、中央 3 丁目、旧称で「浜
な、あなたの、住んでいる地域っていうん
町」と言われている地域で、書いてありま
ですか、まちを、どういう風にしたいんで
すけれども、開花亭という料亭を経営させ
すかということで、福井新聞社さんからイ
ていただいております。私自身、東京で大
ンタビューを頂戴したんですね。そのとき
学を卒業して、しばらくは東京に住んでお
私はですね、金沢とかにありますような、
26
東の茶屋街みたいなまちにしていきたいと
かもう、殺す気かと思いました。誰かにつ
いうことに夢を語っていたんですけど、そ
っこみたくなる気持ちだったんですけれど
れを、当時の社の方が、コンピューターグ
も。いろんな大きな投資をしましてですね、
ラフィックにやき直していただいて、それ
「さあ、これから福井を活性化させるぞ」
を、新聞の一面で出していただいたことが
と思った矢先の 8 月に、そういう事件が起
あるんです。リアルに、昔はそんなにコン
きまして、本当に、経営するということ、
ピューターグラフィック発達してなかった
マネジメントしていくということの難しさ、
時代ですから、合成画像つくるのは大変だ
どんだけ計画立てても、なかなか上手くい
ったと思うんです。新聞社さんもよくご英
かないことの大変さというのを、如実に、
断されたと思うんですが、地域のそういっ
肌身を通じて感じてるわけなんですけど、
たところに、言ってみれば上手く重なった
実際そういう中で、私自身がした行動に対
感じで、石畳のまちが実現されているのを
してですね、地域のためにやってるんじゃ
見て、地域の方々も、
「あ、これはいいんじ
ないか、と、地域をもっと良くしようとい
ゃないか」という風に思っていただいたの
う風な形で、行政の方々や地域の方々、応
と同時に、私自身も、こういったまちに、
援してくださる方たくさんいらっしゃいま
もし出来るのであれば、ぜひ、自分の社業
して、今 NPO をつくらせていただきなが
と一緒に併せて、地域で何とか実現してみ
ら、
「こみちこまち浜町」という女性風の名
たいという思いが、その時期からふつふつ
前をつけさせていただいて、地域の活性化
と湧き上がってまいりました。
を、何とか模索させていただいているとこ
ただ、料理屋の経営をするのは大変なん
ろでございます。まだまだ道半ばでござい
ですよ。本当に、日本中どこでもつぶれて
まして、これからまだまだ、皆様方からご
るんですよ、たくさん。それくらい大変な
意見ご指導いただきながら、活性化という
んですけど、何とか自分の会社を生き残ら
ものは何たるかということを踏まえて、が
せようということで、ああでもない、こう
んばってまいりたいという風に思っており
でもないって考えるんですけど、やっぱり
ます。今日はよろしくどうぞお願いいたし
それも地域のことを考える中で、自分だけ
ます。
が生き残っても、たぶん、お陰様で今年 121
年目になるんですが、次の 100 年ぐらい迎
●内村氏
えられないんじゃないかというようなこと
どうもありがとうございます。
を考え始めるんですよね。それで、本当に
では、松浦さんお願いします。
厳しい中といいますか、私がですね、新し
い新館をつくるんです。東京から、今歌舞
●松浦氏
伎座の設計を担当しておられます、隈研吾
皆さん、こんにちは。本日はよろしくお
さんという人を、説得して連れて来たんで
願いします。私、福井大学 EMP 実行委員
すけど、それを建て直したときに、リーマ
会代表の松浦麻衣と申します。この、
ンショック起きるんですよね。本当に、何
「EMP」なんですけど、2 年前に発足しま
27
し て 、「 Enjoy
My
●内村氏
town
はい、ありがとうございます。
Project 」とい
ここでは、
「特命幹」と言わず「越智さん」
う頭文字の略
ということで、率直なご意見お願いします。
称でありまし
て、また、「エ
●越智
キ・マエ・プロ
改めまして、越智です。実は私、出身母
デュース」の意
体と言いますか、本業は国土交通省でして、
味合いも込め
これまで、全国のいくつかの都市で生活を
ております。私は今年から活動を始めたん
しましたし、まちづくりの仕事もしてまい
ですけれども、駅前活性化を目標に、自分
りました。この 4 月から、福井市において
達のまちを活気付けようと活動している団
まちづくりを担当させていただいておりま
体です。これまでは、1 年目は、福井駅前
す。4 月に転勤する直前のことですけれど
の活性化プランを考えるイベントを行いま
も、福井に住んだことがある方から、
「福井
して、まち歩きを行ったりもしました。2
は住みやすいよ。だから家族で赴任したら
年目は、まち歩きツアーを行ったり、フリ
いいよ。」というような話をいただきまして、
ーペーパーを発行したりしました。
「歩きた
実際そういたしました。また、それから実
くなる駅前」をコンセプトに活動している
際来てみて、第一印象といたしましては、
んですけれども、2 年間は若者を対象に活
まちが整っていて、それから、中心市街地
動してきたんですけれども、今年は子ども
の話になりますが、いろいろなものがぎゅ
達まで対象を広げて、順化地区の子ども達
っと集積しているという感じを持ったわけ
と一緒に活動を行ってきました。
ですけれども、こういったことが福井のま
私自身は、福井市で生まれて、ずっと 20
ちの強みなのではないかという風に思いな
年間福井市に住んでるんですけれども、中
がら、今、日々の仕事をしておるところで
心市街地に対する、率直な、一市民として
ございます。
の意見は、この活動を始めて、すごいかわ
福井市民歴 7 ヶ月ということで、非常に
いらしい雑貨屋とか、おいしいランチが食
短いんですけれども、そういった個人的な
べられるお店がいっぱい駅前にあるんだな
経験も踏まえながら、そういった視点で、
っていうことを知ったんですけれども、そ
またお話させていただきたいと思います。
のために行くっていうか、そこに行って、
よろしくお願いいたします。
買い物して帰るんじゃなくて、そこに行っ
て、すぐ帰っちゃうっていうか、結構、食
●内村氏
とか遊びが点々としてしまっていて、まと
ありがとうございます。
まってないから、食べに行って、ついでに
西郷さん、今お聞きしてまして、あるい
どっか行こうとかはあんまりならなくて、
は、非常にいろんな都市をご存知かと思い
そこがちょっと課題かなって思います。
ますが、福井についてのご印象をお聞かせ
28
いただければと思いますが。
実は結果ですね。ですから、そういう意味
では、魅力あるまちがない限り、全部吸い
●西郷氏
上げられてしまうという事実があるという
私は、たまた
ことです。では、魅力ある都市とはどのよ
ま開発さんと
うな都市ですかということですが、魅力あ
知り合いにな
る都市がつくれるのが福井だと思います。
ったことがは
そのときに、素晴らしい歴史があると思い
じまりで、とて
ますので、お城も上手に遺っているようで
も人材が素晴
すし、そういう、都市の骨格みたいなもの
らしいという
を、もう一つ深堀りした方がいいのではな
風に思いまし
いかと思います。メインストリートのつく
た。まちに対す
り方とか、お城に行く軸線というのが見え
る思いを持つ人がいるというのは素晴らし
ないですよね、ですから、そういう意味で
いことだと思いますね。今日、松浦さんと
は、歴史をもう少し深堀りした形で福井の
お会いして、松浦さんもそうでありました
まちの骨格をつくりあげるということをす
し、まちをよくしていこうと思う人達が、
れば、まさに、市民の人達が日常的に楽し
先ほど、経産省さんの政策でも「人材」と
み、その楽しみを外からの人達が楽しむと
いうのがかなり柱になっていたように、人
いう、ここに書いてあるようなことが実現
の力っていうのが素晴らしいなと思いまし
していくのではないかと思いました。
た。
うことに関しては、もう少しイメージを共
~私の思う、
まちなかにある「ブランド」~
有していかないといけないのではないかな
●内村氏
一方で、都市をどうつくっていくかとい
貴重なご意見ありがとうございました。
という風に思いました。
非常に時間が少なくてですね、もっとお
まず第一点は、ちょっと厳しいことを言
うようですけれども、新幹線というのは、
聞きしたいんですけれども、実は、今日、
人を吸い上げていくものでありまして、人
「ブランド」というテーマと、
「今の福井の
を連れて来ないのですね。これは、都市計
まちなか」ということで考えてみようとい
画ではハフモデルで集客を推計するのです
うことでございまして、事前にパネリスト
が、あれはパワーのある方に吸収されてい
にですね、少しプレゼンの準備をしていた
くのです。ですから、交通が発達すればす
だいております。
るほど、パワーのあるところに引かれて吸
早速ですが、越智さんの方から、7 ヶ月
収されてしまうのですね。ですから、高速
の経験の中でということで、コメントいた
道路や高速鉄道が出来ると人が来るだろう
だきたいと思います。
と思ったのが大きな間違いで、みんな人が
出ていってしまったというのが、各都市の、
29
●越智
やっぱり非常に集積しているというのが私
冒頭、自己紹介の中で、福井は住みやす
の感覚を裏付けたという、そんな感じがい
いよ、という話があったという話をしまし
たします。さらに、戦災復興、震災復興で
た。よく見るデータですけれども、幸福度
の道路整備、あるいは、公共交通が残って
ランキングで 1 位、先日新聞に出ていまし
いるわけでございます。こういう先人の努
たけれども、宿泊旅行の調査ということで、
力でいろんなものが残ってるというのが、
「食」について 5 位という高い評価があっ
福井のまちの特徴であると私は思います。
たということでございます。食はともかく
北陸の近くの都市、新幹線が来ると、みん
ですが、幸福度ランキング 1 位と言われて、
な競争相手になってくるわけなのですけれ
皆さん私よりもはるかに長い間福井に住ま
ども、例えば金沢ですとか富山、皆さんも
れていると思うんですけれども、
「実感して
よくご存知だと思いますけれども、JR の駅
いる」、と、全国一だと実感がある方という
と中心市街地、商業地というのは結構離れ
のはどれぐらいいますでしょうか。
(挙手な
ております。そういう中で、福井のまちっ
し)まあ、そういうことかもしれません。
ていうのは非常に集積しているっていうの
ちょっと、後ほどその話をします。
は特徴的であり、これは非常に強みとして
それで、もう一つ、ぎゅっと集積した感
考えなきゃいけない、考えるべきだという
じ、と、第一印象はそうだったということ
風に思います。やっぱり、こういう狭いと
なんですけれども、私がこちらに赴任しま
ころにいろんなものが集積していますと、
して、データをいろいろ調べてみたんです
人が集まる、と。それから交流する、と。
けれども、それが、よくデータには出てこ
交流によって、いろいろな活力なり、付加
ないのです。おかしいな、と思いまして、
価値が出てくるわけでして、インターネッ
今までいくつかの地に住んだわけですけれ
トがいくら発達しても、人と人とが会わな
ども、そういった住んだまちと地図で比較
いことには生まれない、そういう価値があ
するということをやってみました。これが、
るんだなという風に私は思います。
中心市街地の大体全体ですけれども、非常
それで、今、コンパクトな福井のまちと
に特徴的だという風に地図見て気付いたん
いうことで、こういったことを書きました。
ですけれども、JR の駅のすぐ近くにお城が
「行きやすい」、と。これは、車でも公共交
あるというのは、たぶん全国でも片手で数
通でも、今かなり行きやすいと思います。
えられるぐらいしかないと思います。それ
こういった魅力をアップしていくべきだと
は、とりもなおさず、すぐ近くに市役所が
思います。それから、先ほどの幸福度ラン
あり県庁がありと、そういう行政機能があ
キングで挙げられている福井の良いところ、
って、それ以外の業務機能、あるいは商業
いろいろありますけれども、その他にもで
機能というのが、非常に狭い範囲、もちろ
すね、世帯の所得が多いですね。全国 2 位
ん歩ける範囲に固まっている、と。そうい
ぐらいだと思います。あまり実感ないかも
うことで、片町、浜町も含めました、中心
しれませんが、データとしては、東京に次
市街地全体という、105ha 全体からしても、
いで全国 2 位です。それから、家庭内での
30
助け合いということもあるんでしょうけど、
では、楽しめる場、楽しめる空間というこ
時間も結構自由になると思いますし、これ
とで、こんなんだったらどうかな、という
から、自由時間が増えていくということ。
一つなんですけれども、とりあえず、用事
それからデータには出てこないですけど、
がなくてもまちに来て、楽しめる。お金が
歴史、あるいは文化、あるいは自然。こう
ある人はお金を使ってもいいし、お金を使
いった素晴らしいところがあるかと思いま
わなくても楽しめる。時間を使って楽しむ。
すけれども、そういったところも、やはり
このような空間というのが、福井のまちに
アップしていく必要があろうかと思います。
必要かなと思っております。
そうなんですけれども、
「幸福度の実感があ
それから、市民の活動が活発化していく
りますか」という風に冒頭で申し上げたと
んじゃないかなという期待をしているとこ
きに、手を挙げられる方がいなかったとい
ろでございます。
うのは、まあ意外でもなく、予想はある程
もう一つ、今、いろいろ駅の周辺ご覧い
度していたんですけれども、幸福度のわり
ただくと分かるとおり、公共事業、公共先
に、ちょっと物足りないというところが、
導でいろいろなプロジェクトが動きつつあ
きっとあるんだろうなという風に思います。
るわけなのですけれども、こういったスケ
これは私の完全な主観なんですけれども、
ジュールを明確にして、民間の皆さんの投
皆さん、お金をかなり持ってらっしゃるし、
資を誘発していくというのも、もう一つ大
時間もかなりあるんですけれども、それを
きな役割の一つかなという風に思っており
使うところがちょっとないんじゃないかな、
ます。今、にぎわいの軸っていうのを先ほ
と。楽しいところ、おしゃれなところって
ど説明いたしましたけど、にぎわい交流拠
なるとちょっとないのかな、というのが。
点、再開発、あるいは屋根付き広場、実は
おそらく、非常に良いところがあるんだけ
さっきのイメージというのは、屋根付き広
れども、ちょっと物足りないというところ
場のイメージなんですけれども、ああいう
かなという風に私は個人的に感じていると
ものに先導して取り組んでいるということ
ころです。そういうところを強化していく
をやっています。駅周辺の整備につきまし
っていうところで、幸福度や、さらに言う
ては、今、そういう、市民の皆さんから愛
と幸福度の実感度というのがさらにアップ
される場所になるよう、西口の空間デザイ
する、そういう強みってのを、福井のまち
ンを策定しているところです。また、行き
は持っている、と、そういう風に私は思い
やすさの向上という意味では、いろいろや
ます。ということで、そういうところを深
っているわけなんですけれども、一つ、福
掘りしてまちづくりを進めていきたい、い
井鉄道の駅前線延伸など、こういったこと
ったらどうかなという風に思います。
についても案を提示しまして意見募集をし
イメージですけれども、行政としまして
ておるところです。なお、意見募集につい
は、やはり基盤の整備ですとか場の整備、
ては 20 日までということで募集しており
あるいはソフトの仕掛けづくりということ
ます。
なんですけれども、これは、そういう意味
こういう中心市街地の活性化を通じまし
31
て、幸福度アップにお役に立てる、そして
いかなと思って、今年度は、連続して地区
それを誇っていくことが出来るんじゃない
の人達と関わっていこうということで、こ
かという風に思っているというところでご
のようなスケジュールで活動してきました。
ざいます。
順化の子達と活動してきたんですけれども、
全く関わったことがなかったので、まず 1
●内村氏
回目に交流をして、2 回目のワークショッ
ありがとうございます。都市戦略の点か
プでまち歩きをして、1 番メインのまち歩
らのブランドと言いますか、今の遺産の活
きは 10 月に行ったんですけれども、その、
かし方ということで、貴重なご意見かと思
まち歩きとまち歩きの間で準備を行うとい
います
う 4 回の連続ワークショップを行って、ま
松浦さん、お願いします。
ち歩き後にはニューズレターを発行すると
いう連続した流れで活動を行ってきました。
●松浦氏
まち歩きについて、詳しく紹介したいと
では、始めさせていただきます。ライフ
思います。まず、1 回目に行ったまち歩き、
スタイルのブランド化とはちょっと離れて
「発見しよう!駅前の魅力」と題して、こ
しまうかもしれないんですけど、今年、私
ちらにいらっしゃる開発さんなど、昔から
達がした活動の紹介を交えながら、今後の
駅前に住んでいたり、駅前のことについて
駅前づくりに対する考えを発表させていた
詳しく知っている地元の方々にガイドを依
だきたいと思います
頼し、地元の「おんちゃん」「おばちゃん」
先ほども申し上げたんですけれども、
にガイドをしてもらうまち歩きを行いまし
EMP は今年で 3 年目になるんですけれど
た。このことで子ども達は、教科書とか学
も、「まち歩き」と「フリーペーパー発行」
校で行う郷土歴史の時間だけでは知れない、
を 2 本柱に活動しています。2 年間は若者
地域に密着した歴史を学んだり、地区の大
を対象に、ツアーを行ったりフリーペーパ
人の方々ががんばっている姿を見る機会を
ーを発行したりしてきたんですけれども、
提供しました。また、地区に住んでいる方々
今年度は対象をもっと広げようということ
の未来に残したいものや、語り継ぎたいも
で、未来の駅前を担う、駅前に住んでいる、
のを子ども達に伝えていくという場も提供
順化地区の子ども達を対象に、まち歩きを
しました。このようにして、今まで住んで
行ったり、その活動の報告としてニューズ
いた身近な地元なんですけれども、そこの
レターを発行したりしてきました。そして、
魅力を再認識してもらったり、新しく発見
子ども達を、福井の魅力を自らの言葉で語
してもらいました。
ることが出来る福井人に育てることを目標
もう 1 回の、メインのまち歩き、2 回目
に活動してきました。今年度は、4 回の連
は、「伝え合おう!駅前の魅力」と題して、
続のワークショップを行ってきたんですけ
1 回目のまち歩きで地区の方々にいろいろ
れども、どうしても、やっぱり 1 発のイベ
教えてもらったことを、次は子ども達が他
ントだと、そのときしか賑わいがつくれな
の地区の子ども達に伝えようという企画の
32
まち歩きをしました。このまち歩きでは、
ども、活動して思ったのは、すごい、駅に
うわさを使ってまち歩きを行ったんですけ
住んでいる方々は優しい方が多くて、魅力
れども、写真のように、うわさ型のポップ
的な人も多くて、熱い方も多かったんで、
を使って、子どもらしい表現の仕方で自分
物も大事なんですけれども、駅前の人が強
達のまちの魅力を発信してもらいました。
みだと思います。
私達は今年度、このように活動してきたん
二つ目は、都会や郊外に人が行ってしま
ですけれども、1 回目のまち歩きで、地区
ったっていうのもあるんですけれども、郊
の大人の方々が地区の子どもへと、まちの
外と同じものをつくっても、駅前に来るっ
魅力を伝承して、その後に 2 回目のまち歩
ていう風にはならないと思うので、駅前に
きで、他の地区の子達や家族を招いてまち
しかないものをつくって、駅前独自の個性
歩きをし、もっともっと魅力を発信してい
をつくっていくと、もっともっと賑わって
きました。その魅力を発信するパイプ役を
いくんではないかと考えました。そして、
私達が担っていきました。このようにして、
駅前に行って思ったんですけれども、学校
福井の魅力を県内外や世代を越えて発信し
帰りとかは高校生がいたり、お年寄りの
ました。
方々とかも駅前で目にすることが多かった
今年度の活動を通して、すごい、駅前で
ですけれども、あまり家族で来てる人を見
活動している方々とか、実際に働いている
ることがなかったんで、子ども達が気軽に
方々と関わってきて、すごい熱い方が多く
遊びに行ける場所をつくって、子ども達と
て、そういう風に地元が好きな人を増やし
親と、みんなで楽しめるような駅前づくり
ていって、その人達が自分達のまちを盛り
をしていくといいんじゃないかと思いまし
上げようっていう風にしていくことで、そ
た。これで終わります。
ういう人が増えることで、まちが賑わって
●内村氏
いくんではないかと考えました。それで、
はい、ありがとうございます。素晴らし
私なりに考えたんですけれども、もちろん
い活動を紹介いただきました。時間も非常
新しい建物とかも強みだと思うんですけれ
にハイピッチでやらなければならないので、
33
すいません。開発さん、よろしくお願いし
やっているか、よそと比べるとどんな風に
ます。
良いのかということも、全部インターネッ
トに書かれているし、それをソーシャルに
●開発氏
やり取りするような個人的なネットワーク
私、1 枚だけで、短時間でプレゼンテーシ
も出来上がっちゃってる中に、今、上から
ョンさせていただきますが、今日も、加藤
もう一度土をかけたところで、もう覆いか
さんとか藤井さんとかお見えになって、僕
ぶされない時代が来てるんですよね。とな
から見えるんですけれども、駅前商店街の
るとどうするかというと、もう、この卵が
皆様と課題を共有するっていうと変ですけ
強くなるしか方法はないわけなんです。で、
ど、現実をきちんと確認したいなという風
実際私どもが、今、地域の NPO としてや
に思ってます。
らせていただいているこみちこまち浜町と
よく、まちづくり、鶏が先か卵が先かっ
いう活動は、エリアに対する運動、みたい
ていう風におっしゃること多いので、私、
に皆さん捉えていただいて、非常にありが
いわゆる地域、商店のお店なんかも、卵に
たいんですけど、実はですね、個店力を上
例えて書いてきたんです。上から下に時系
げるための事業なんです。それぞれのお店
列で流れていくんですが、やっぱり昔は結
に、これから新幹線もやって来る、先生も
構土の中に埋まっていて、卵が地域のコミ
おっしゃっていただいたように、目利きの
ュニティにきちんと支えられてたんですよ
ある、非常に視点の高い、そういったお客
ね。でもそれが、どんどん厳しい競争環境
様が福井まで来てくれる可能性もあるし、
というか、風雪にさらされるようになって
少なくとも、金沢は東京のお客さんに合わ
きて、上の土がどんどんはがれていくよう
せて、目利きの高いお店づくりをしていく
な時代が、近年ずっと続いてきて、そうす
はずです。でもその中で、今まで通り、周
ると、どんどん、今まで整然と並んでいた
りに土があるだろうと思うようなお店づく
卵がゆるやかにずれてきたりして、動いて
りをするんじゃなくて、自分のお店は、も
っちゃう。それで、最後に 1 番下、土が全
う全て、本当におしりの裏まで見透かされ
部取れちゃうと、卵が全部むき出しになっ
てるんだという事実を、きちっと現状に受
ちゃって、中の二つは割れてどっかいっち
け止めた状態の中で、どうやって自分達の
ゃったっていう風に思っていただけばと思
個店力を育んでいくかっていうことを、相
います。これが、今の地方都市の現状じゃ
互に考えていかなきゃいけない時代が、今
ないのかという風に私は思います。これに、
来てるんじゃないかっていうことです。実
どうやって抗うかってことなんですけど、
際に、例えばインターネットを使ったりと
実はこの、「現在」に書かれているこの姿、
か、そういういろんなイベントしかけたり
いわゆる卵が全部、おしりまで見られちゃ
してとかですね、このご時世でも、むしろ
ってる時代っていうのが、今の現状です。
自分自身を全てさらけ出して、そういうこ
つまり、お店の実力、どれくらいのことが
とを前提として流行ってるお店、流行って
出来て、何が売っていて、これがいくらで
る企業っていうのは実際あるわけです。で
34
すから、今この状況を、別にノスタルジッ
今タイミングに来てて、その時期に西郷先
クに語る必要なくて、今こうなんだから、
生が福井に来てくださってることは、非常
じゃあどうするのか、というようなことを
にありがたいことだという風に思ってます。
考えていけば良いのが実状ではないかとい
う風に思います。
●内村氏
「ライフスタイルのブランド化」ってい
どうもありがとうございます。非常に、
う、本当に素敵なフレーズを、西郷先生に
まちなかでいろいろ活躍されて、実感と言
授けていただきましたが、実はそれは非常
いますか、リアリティのあるお話だと思い
に難しいことであろうと、今日こちらにい
ますが、西郷さん、その辺り、今の 3 人の
らっしゃる方、皆様方ご理解いただいてる
方と、先生のいろんなお考えも含めて、コ
と思います。ブランド化するってことは、
メントいただければと思いますが。
結局、差別化戦略です。よそがやってない
ことをやり続けるだけの根性と、それから、
●西郷氏
どこまでお金をかけるのか、手間をかける
皆さん大変素晴らしい発言と、現実がよ
のか、時間を使うのかというマネジメント
く見えていて、やっぱり、これから進んで
の、いわゆるリスクマネジメントの領域で、
いく方向が見えてきていると思います。
どこまで考えるか、度胸試しって言います
一つは、先ほど越智特命幹がおっしゃっ
か、そういうところがあるわけです。で、
ていた、みんなが幸福を感じる中に、食べ
その中で、福井っていうのは、浜町ってい
物ですね、食べ物の集積っていうのは、福
うところは、浜町で語らせていただくと、
井の持っているパワーの一つじゃないかと
やはり、幕末の歴史があるところ、これ、
思います。海の幸と山の幸が集まる場所。
富山も金沢もありませんから。福井はあり
ライフスタイルのブランド化というのは、
ます。それから越前がにとかおいしい日本
何か難しいことを考えるのではなく、そこ
酒があるということで、そういった食文化
に住んでいる人達が生活していることがか
もある。そういうことを切り口にして、ブ
っこいいものを見つける。で、福井はたぶ
ランド化していくことが必要だと思うんで
ん、福井に住んでいる人達が普通に食べて
すが、その二つだけ掲げても、絶対に周り
いる物が、すごくおいしいのです。皆さん
の人は良いって言うわけがないんですよね。
が普通に毎朝、毎日食べている物が、たぶ
その上で、どうやったらいろんな人達が、
ん外から見るとすごくおいしい物を食べて
いわゆる私達自身もそうですけど、
「ああす
いる。で、食べ物が美味しいっていうのは
ごいなぁ、浜町ってすごいなぁ、福井って
素晴らしい文化です。採ってきた物を、焼
すごいなぁ、福井の中心部ってすごいなぁ」
いて、調味料かけて、手をかけて食べるっ
って思えるだけの商品をつくれるかってい
ていうのは素晴らしい文化があるというこ
うこと。それは人も含めてです。サービス
とだと思います。
も含めて、全部含めてつくっていけるかど
それからもう一つは、子育てとか子ども
うかっていうことを考えなきゃいけない、
達と言いますか、子育てしやすい、住みや
35
すいっていうことは重要です。海外の例で
緒にマネジメントしなきゃいけない。です
すけど、高齢者の人に住みやすいまちをつ
から、そういう風にしくみをつくっていく
くったらば、子育て世代が住み始めたとい
というのが、実は中心市街地ですね。そう
うことです。ですから、高齢者の人達が増
いう意味では、発想を変えるということが
えてきても、その人達が住みやすいまちを
大切で、人口が増えていくときの経済成長
つくると子育て世代が住みやすくなるとい
は拡散だったのです。拡散することに合理
うことで、子ども達がもう一つのキーワー
性を持っていた。ですから、郊外に人が住
ドかなという風に思いました。子育てしや
み始めたのは、合理性を持っているのです。
すいとか、松浦さん達が子ども達と一緒に
けれども、人口が減ってきたときは、集約
まちづくりを始めてきてるですとかね、そ
することで経済が発展するのですから、そ
ういう意味で、子どもが育てやすいとか、
ういう意味では集約というのが合理性を持
子どもが楽しめるというか、そういうのが
っています。集約するためのマネジメント
もう一つのキーワードで、その二つでライ
の仕組みやいろんなことをつくってかなく
フスタイルのブランド化じゃないかなと思
てはいけなくて、それは、公共側も発想を
います。
変えるということと、市民の方も発想を変
それを実現していくときになんですけれ
えて一緒にやっていこうという仕組みが大
ども、実は成熟社会における都市計画とい
切です。たぶん、福井はそれがこれから出
うのはマネジメントです。ヨーロッパの
来ていくのではないかなと思いました。
国々というのは、19 世紀につくった都市を
~会場質問~
とても大事にしていて自慢をしていて、よ
●内村氏
く言われますけれども、ワルシャワでは、
戦災にあったけれども全部復元したわけで
はい、どうもありがとうございます。大
す。そのままに。傷まで含めて。そのくら
変心強いお話をいただきまして、たくさん
い、19 世紀につくった都市に誇りを持って
の課題がございますけれども、それは全国
います。そういう意味ではたぶん、日本は
も同じだと思います。
福井を始め歴史ある都市で、その歴史に大
早いもので、時間が、ほとんど 1 時間近
変誇りを持っているはずですけれども、そ
く経ちまして、ここで会場の方からご質問
の誇りとは、福井の生き方に対してでなな
とかですね、ご意見なりございましたら。
いかと思います。そういうものをマネジメ
非常に時間限られておりますので、大変申
ントすることが大切で、それは、公共がし
し訳ないんですけれど手短に、もし質問ご
なくてはいけない。公共、ですから国、県、
ざいましたら挙手でお願いしたいかと思い
市と言われているところが、それをマネジ
ますが。
メントしなきゃいけない。マネジメントは、
●質問者
じゃあ誰が受けるかっていうと、まちの人
達と一緒にマネジメントしなきゃいけない。
私は、隣まちの鯖江の一市民でございま
す。本日の次第の、中心市街地活性化とい
で、まちの人達は一人ひとりではなく、一
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うことに関しまして、問題が一つございま
●質問者
す。それは、路面電車ですね。路面電車の
福井は、今はどこにでもあるようなまち
終点が、JR の福井駅の手前、わずか 150m
って言われます。それでいて、金沢があっ
ぐらいのところでとまってるわけですね。
て福井はあまり目立たない。石川県を見て、
そういうことで、非常に路面電車の利便性
その隣だって言うと、
「そうだそうだ」って。
が低下しております。ですから、私はこれ
その点、あまり全国的に有名じゃありませ
は、150m あと JR まで伸ばして、延伸して
ん。
いただきたいということを考えます。全国
私が思うには、福井はやっぱり残したい
で路面電車が残っている都市というのは、
ものがあって、先ほどもおっしゃったよう
いくらもないわけなんですよね。ですから、
な路面電車、それと笏谷石、それともう一
路面電車の利便性が向上すれば、これは全
つは福井城跡です。本丸は残っていますけ
体に福井の売りになると思います。売りに
れども、将来的に、50 年、100 年かけてで
なるということは、人が利便性の向上した
いいですから、福井城を全部発掘する。今
ところに集まってくるということで、駅前
計画しているものがあっても、これは 50 年
の商店街にとってもプラスになることだと
経てば、もうつくり変えなきゃいかん。新
思います。やはり私は、県都の姿がちょっ
幹線でも同じです。100 年ももたない。そ
と不自然な形でいまだにあるというのが、
ういう中で、福井市街地を、そこを公園に
どうも一県民として非常に残念だと思いま
するなり、将来の災害の避難場所にしたり
すから、正常な状態というか、商店街の方
とかいう風につくり変えていってもらえた
は渋滞するんじゃないかということをおっ
らなと思います。今 400 年かかってここま
しゃる方もありますけれども、私はこれは
で残ってきたものをここで壊してしまうよ
工夫次第であって、これがあるからいけな
りも、これから 500 年、1,000 年後の人達
い、あれがあるからいけないのじゃなくて、
にこれを残したい。それがまず第一です。
どうやったら出来るかということを考える
発掘している委員の人に聞きましたら、福
のが肝要ではないかなと思いますけれども、
井市全体では残ってる、って。部分的には、
この点、西郷先生どんなお考えでしょうか。
ビルが建っている部分は壊れてるけれども、
全体としては残ってる、って。でも、それ
●西郷氏
はばかげた話ですよ、っては言われました
おっしゃるとおりだと思います。ぜひ、
けどね。以上です。
そういう意味で、駅の再開発とともに、上
手に整備したらいいと思います。
●内村氏
はい、ありがとうございます。
●内村氏
時間も近づきまして、後ですね、越智さ
はい、じゃあ他にございませんでしょう
んの方から、どうしてもという一言ずつ、
か。
最後に西郷さんの方まで、何か言い忘れた
ことありましたらお願いしたいと思います。
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●越智
●西郷氏
行政の立場でまちづくりを進めておりま
私、最近いろんな方に申し上げているの
すけれども、市民の皆さんと進めていくこ
は、科学技術というのも大切なんですけれ
とが、もちろん非常に大事だと思っており
ども、生活文化っていうのが大切で、生活
ますし、出来れば、今日も松浦さんいらっ
文化っていうのは実は産業になります。福
しゃいますけれども、若い人の意見なんか
井は、その生活文化を産業にしたまちだと
もどんどんいただいて、それを取り入れる
思います。そういう意味で、先ほど、ちょ
ような形で進めていきたいという風に思っ
っと名前が知られていないっていうのは、
ております。よろしくお願いいたします。
プロモーション活動がいまいちちょっと足
りなかったかなということで、たぶん中心
●内村氏
市街地が上手に出来てくると、そのプロモ
ありがとうございます。
ーションが上手に出来ると思うのですね。
松浦さん、何かありますか。
そういう仕組みを上手につくれば、成功す
ると思います。
●松浦氏
今回のように、もっともっと市民や若者
●内村氏
達が、県とか市の方々に提言できるような
はい、ありがとうございます。
機会が増えるともっともっと良いまちづく
そうしましたら、予定の時間になりまし
りが出来るんではないかと思います。
た。私の方は簡単にまとめさせていただき
ます。
●内村氏
誰にとってのまちなかかってことを一つ
ごもっともですね。
の切り口として、今日、内閣府さんのリレ
開発さん、お願いします。
ー講演、あるいは中心市街地活性化基本計
画の 2 期という一つのタイミングも合って、
●開発氏
良い機会ではなかったかなと感じています。
私どもも、やはり西郷さんをぜひとも福
基本的に、まちなかというのはまちの顔
井にお招きしてですね、新しいまちづくり、
であるということは紛れもない事実なので
本当によそが良いと思わなくてもいいよう
す。地理学者で(エドワード)レルフとい
な、誇りに思えるまちづくりっていうのを、
う人がいますが、その方が、まちづくりと
今日からスタートさせてもらいたいなと思
か、そういったことには二つあるというこ
っております。どうも本当に、ご来福いた
とを述べています。すなわち、外向きのア
だきありがとうございました。
イデンティティと内向きのアイデンティテ
ィです。これは言い方を変えると、外側に
●内村氏
向けた個性のことで、よそから観光に来て、
西郷さんお願いします。
例えば東京タワーに行くとか、そういう風
なことですね。分かりやすい、来街者にと
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ってどういうことが、今日のテーマである
ィが幾つかの同じようなアイテムとなって
ブランドなのかということになります。も
あがってくるというのが、ある意味今の金
う一つは内向きのアイデンティティという
沢を物語っていると思います。
もので、これが実は、レルフが言うにはラ
2 点目は富山ですけども、富山はシンボ
イフスタイルだということ、要するに、そ
ルは「マリエ」でした。今、再開発が急速
の地域ならではの生活文化ということです。
に進み、新幹線が来たときには大きく変わ
すなわち、地域人の価値観ということを指
ると思いますけど。じゃあ、アイデンティ
摘しているんですね。ここのところが、実
ティは何かと言うと、富山は「ライトレー
は住民の心のよりどころになっているとい
ル」と答えた人が圧倒的でした。ですから、
うことで、開発さんがおっしゃった卵のよ
まちごとにもう全然違います。
うなものが、かなり崩壊しつつあるという
で、最後に福井は何ですかと、皆さんは
ようなことや、そういうことは何とかなる
どうお考えでしょうか。平成 20 年に調査し
よという西郷さんの心強いご意見もありま
たとき、シンボルは「アオッサ」と「西武」
した。たぶん、今からの福井、あるいは全
でした。それからアイデンティティは、や
国共通かもしれませんが、特にまちなかを
っぱり「県庁」、要するに城跡ということで
考えると、外と内にそういうことをふんば
あります。あとは「プリズム」という方も
らないといけない。地域ってのは、やっぱ
いました。ちょうど高架化の後でございま
り地元の人達の心のよりどころというのが、
したので。でも、圧倒的に城跡であるとい
1 番ポイントになると思います。そういう、
うことですね。
アンケートはそれぞれ 100 人ずつくらい
いわばブランド資源といったものが、今日
にヒアリングしたわけですが、この 3 都の
確認出来たように私は思っております。
私の研究室では、平成 19 年、20 年で北
違いそのものが、ブランド(区別化)の今
陸の 3 県都比較を 2 ヵ年やりました。簡単
のスタート地点であると思います。本日、
にご紹介します。アイデンティティ、つま
パネラーの方に有益なご意見をいただきま
りここにしかないものは何かという点と、
した。参加された皆さんも、個々にご意見
まちのシンボルは何かという 2 点を聞いて
をお持ちかと存じますが、これからも議論
みました。
がもっと盛んになっていくと私はうれしい
金沢は、シンボルっていうのは「フォー
なと思います。
ラス」と「鼓門」を最もあげている。それ
最後に、いわば傑作撰のような、アンソ
から、アイデンティティは、
「買い物が出来
ロジーと言いますか、今日は佳句をパネラ
る」とか「駅」、「モニュメント」、「フォー
ーの皆さんからいただきました。私は、つ
ラス」、
「バスターミナル等広場」、要するに、
まらないことを言いましたけれども、最後
金沢は 50 万人も超えて都市機能がまちな
にパネラーの方々に拍手をもって終えたい
かに集積、複合化してきているんですね。
と思いますので、どうかよろしくお願いい
それによって、シンボルとアイデンティテ
たします。
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