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ハザードマップを解剖する - 東京大学社会情報研究所廣井研究室

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ハザードマップを解剖する - 東京大学社会情報研究所廣井研究室
ハザードマップを 解剖 する
中村
功
Nakamura Isao
廣井
脩
Hiroi Osamu
1.2003 年富士山 ハ ザ ー ド マ ッ プ ア ン ケ ー ト 調査
1.1
全 体 的 評 価と マ ッ プ概 要
1.2
住民評価 が低 か っ た項 目
1.3
ハ ザ ー ド マ ッ プの わ か り や す さ に影 響す る要 因
2. グ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ー の結 果
2.1
御殿場市印野地区
2.2 十勝岳美瑛町
3. 全国 のハ ザ ー ド マ ッ プ
3.1
利用 しやすさ
3.2
理解 しやすさ
3.3
避難 に対 する 実 用 性
3.4
ハ ザ ー ド マ ッ プの 進化
附属資料 )火 山 周 辺 自 治 体 における グ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ー
1
御殿場市 (1 )30 代グ ル ー プ
2
美瑛町
(1 )白 金 地 区
キ ー ワ ー ド:
富士山 、ハ ザ ー ド マ ッ プ 、火 山 防 災
執筆分担
中村
功( 東洋大学社会学部 )
廣井
脩( 東 京 大 学 社 会 情 報 研 究 所)
:
( 2)50 代グループ
(2 )三 沢 地 区
1 、監 修
※ 本 調 査 は 、文 部 科 学 省 科 学 技 術 振 興 調 整 費 先 導 的 研 究( 2001-2004)
「 富 士 火 山 の 活 動の 総 合
的 研 究と 情 報 の 高 度 化 3.情 報 の 高 度 化 の 研 究」( サ ブ テ ー マ 責 任 者 :廣 井 脩 )の「( 2)火 山
情 報 と避 難 体 制 の 研究 」 の 一 環 と し て 実 施 さ れ た も の で あ る。
1
はじめに
火山ハ ザ ー ド マ ッ プと は、 ある 火山 で将来起 きう る災 害の 被害想定( 危険 の種 類や 範囲)
や、 防災情報 (避 難 場 所や 避難 経路 など )を 示し た地 図のこと であ る。 わかりやすい ハザ
ー ド マ ッ プを 作成 し、 そ れ を住 民や 行政 が有 効に 活用 すれ ば、 迅速 で的 確な 避難 が促 進さ
れ、 噴火災害 に よ る被 害を 低減 す る こ と が で きる 。
日 本ではじ め て ハ ザ ー ド マ ッ プが 作ら れ た のは 、1983 年、北 海 道 駒ヶ 岳に お い て で あ っ
たが 、住 民に 公開 さ れ た の は十勝岳(上 富 良 野 町 1986 年、 美瑛町 1987 年)のもの がはじめ
てである 。そ の後 、雲 仙 普 賢 岳 や有 珠 山 等の 噴火 が あ り、 また 、国土庁 に よ る「 火山噴火
災 害 危 険 区 域 予 測 図 作 成 指 針」の作 成(1992 年)や 建 設 省による 技術指導 など 、国の 施策
もあって 、多 くの 火山 でハ ザ ー ド マ ッ プ が作 ら れ る よ う に な っ た。
そ の結 果、2003 年 現 在 、我 が国 に あ る 108 の活 火 山のうち 、33 の 火山 でハ ザ ー ド マ ッ プ
が作 ら れ て い る。 その 内訳 は「 活 動 的で 特に 重 点 的に 観測研究 を行 う べ き火 山」(全 13)
の う ち1 2、 「活 動 的 火 山 及び 潜 在 的に 爆発活力 を有 する 火山 」(全2 4)のうち 18 、そ
してその 他の 火山 が3 で あ る(「」 内は 文 科 学 省 測 地 学 分 科 会 火 山 部 会 に よ る分 類)。
表1
ハ ザ ー ド マ ッ プ が あ る火 山
・「 活 動 的で 特に 重 点 的 観 測 研 究を 行う べ き 火山 」
十 勝 岳、 樽 前 山、 有 珠 山、 北 海 道 駒 ヶ岳 、草 津 白 根 山 、浅 間 山 、伊 豆 大 島、 三 宅 島、 雲 仙 岳、
阿 蘇 山、 霧 島 山、 桜島 、
・「 活 動 的 火 山 及 び潜 在 的 に爆 発 活 力を 有す る火 山」
雌 阿 寒 岳 、岩 木山 、秋 田 焼 山、 岩 手 山、 秋 田 駒ヶ 岳、 蔵 王 山、 鳥 海 山、 吾 妻 山、 安 達 太 良 山、
磐 梯 山、 那 須 岳、 新 潟 焼 山 、焼 岳、 御 嶽 山、 九 重 山、 薩 摩 硫 黄 島 、 口 永 良 部 島 、 諏 訪 之 瀬 島
・そ の他 の火 山
ア ト サ ヌ プ リ、 恵山 、 中 之 島
しかし 、こ れ ら のハ ザ ー ド マ ッ プ は主 に自 然 科 学 的 観点 から 検討 ・制 作されて きたのが
現状 であ る。 その 結果 、自 然 科 学 的 には 正確 かも しれない が、 一般住民 には 分か りにくか
っ た り、利 用し に く いマップ も散 見される 。外 国の 例である が、1985 年のコ ロ ン ビ ア のネ
バド ・デ ル・ ル イ ス山 の噴 火で は、 せ っ か く のハ ザ ー ド マ ップ が活 用されず 、大 きな 被害
につながった ケ ー スも あ っ た。 そ こ で、 利 用 者である 住民 の立 場か ら こ れ を 再 検 討し 、よ
り有 効な ハ ザ ー ド マ ッ プを め ざ すことが 重要 になってくる 。
2000 年から 2001 年 にかけて 多発 した 低 周 波 地 震を き っ か け に、 富 士 山に お い ても 火山
防災対策 の重要性 が認 識さ れ、2003 年 度 中を めざして ハ ザ ー ド マ ッ プの 作成 が行 われてい
る。そして、2003 年8 月に は、御 殿 場 市、富 士 吉 田 市、足 柄 上 郡 用 のマップ 試 作 版が 作ら
れた。これらの マ ッ プは イ ン タ ー ネ ッ ト上 でも 公開 され、2003 年8 月か ら9 月に か け て一
般からの 意見 が募 ら れ た。
2
こ う し た状 況の 中で 、よ り よ いハ ザ ー ド マ ッ プ の条 件を 探る た め に、 筆者 らは 次のよう
な作 業を 行っ た。す な わ ち、第一 に、ハ ザ ー ド マ ッ プ作 成が 進 行 中の 富 士 山に 焦点 を あ て、
マ ッ プの 試 作 版に 対す る住 民の 評価 を明 らかにするために 、ア ン ケ ー ト 調査 を行 った 。調
査の 対象 は、 御殿場市 355 人、富 士 吉 田 市 361 人、 計 716 人の 住民 で、2003 年9月 に訪
問面接法 によって 実施 した 。
第 二に 、よ り詳 しい 生の 意見 を集 め る た め に 、ハ ザ ー ド マ ッ プ が作 ら れ た地 域に お い て、
住民 グループ イ ン タ ビ ュ ー を行 った 。対 象は 全国 のハ ザ ー ド マ ップ の中 でもわかりやすい
と思 わ れ る十勝岳(美瑛町)と 、マ ッ プの 試 作 版が 作られた 富士山(御 殿 場 市)の住 民である 。
美 瑛 町では 2003 年 12 月、白 金 地 区と 三沢地区 の住 民1 4人 に対 し、 また 御殿場市 では
2004 年2 月、 印野地区 の住民 12 人に 対し てグ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ーを 行っ た。
そして 第三 に、 住 民 向け に つ く ら れ た 全国 のハ ザ ー ド マ ッ プ を収 集し 、そ れ ら を概 観す
るなかで 、よ りよ いハ ザ ー ド マ ッ プ の条 件を 検討 した 。
1.2003 年 富 士 山ハ ザ ー ド マ ッ プ ア ン ケ ー ト調 査
1.1
全体的 評 価 とマップ 概要
前 述の よ う に、 筆者 らは 、ア ンケート 調査 において 、御 殿 場 市と 富 士 吉 田 市の 住民 に、
試 作 版の ハ ザ ー ド マ ッ プ( 火山 防災 マ ッ プ) を見 て も ら い な が ら、 どの 程度 わかりやすい
かを たずねた 。
全 体 的な わ か り や す さ と し て は 、
「ま あ わ か り や す い 」という 評価 が最 も多 く 、御 殿 場 市
で 66.2%、富 士 吉 田 市 で 75.3 %で あ っ た(図 1.1) 。全体的 には 、住 民にある 程度評価 され
ているといえるが 、
「と て も わ か り や す い 」と い う人 は1 割に も達 に て お ら ず 、ここに マッ
プの 問 題 点が 存在 している 。
地 域 別で み る と、 御殿場市 では 「と て も わ か り や す い 」という 人が 富 士 吉 田 市よ り若 干
多い が、「や や わ か り に く い 」、「と て も わ か り に く い 」という 人も 多く な っ て い る。
とてもわかりやすい
0%
御殿場
富士吉田
全体
10%
9.6
6.4
8.0
まあわかりやすい
20%
30%
40%
ややわかりにくい
50%
60%
70%
66.2
75.3
70.8
図 1.1 「防災 マ ッ プ」 全体 の わ か り や す さ
3
とてもわかりにくい
80%
90%
20.8
16.6
18.7
100%
3.4
1.7
2.5
次 に、ハ ザ ー ド マ ッ プ の各要素 について 評価 してもらった 。評 価の 高い 項目 としては「図
上の 色分 けや 線の 意味 」 、 「危 険 地 域の 場所 」 、 「火 山 現 象の 説明 」 、 「噴火時 にとるべ
き行 動」、「 火 山 情 報の 説明 」などの 項目 で、で い ず れ も半 数 以 上が 高い 評価 を し て い た。
ま た、 「マップ 全体 の大 きさ 」や 「地 図の 数」 も「 適当 」(図表表記 は「 中」) と い う人
が そ れ ぞ れ7 割、8割 を越 えており 、評価 は低 く な か っ た 。(数 字は い ず れ も 御殿場市 の場
合)
実 際の 図を み る と、 全体 の大 き さ はA 1(A 3×4 枚分)の 表裏印刷 で 、裏 面( 地域拡大
面) の図 中の 危険地帯 の色 分け は、 危険 な方 から 赤、 ピ ン ク、 黄色 、青 となっている 。火
山 現 象の 説明 は写真入 りで 13 の現 象があり 、住 民の と る べ き 防災対応 も含 めて 、説 明さ
れている(表紙面) 。ま た、 住民 の と る べ き行 動は 、普 段の 準備 、噴 火し そ う な と き、 避難
の場 合の 注意 、降灰時 と、 ほぼ A3 大の ペ ー スを 割い て図 入り で説 明さ れ て い る (地域拡
大面 )。 火山情報 に つ い て は、 緊急火山情報(赤) 、臨 時 火 山 情 報(黄)、 火山観測情報(緑)
と色 づ け さ れ たス ピ ー カ ー の絵 とともに 解説 さ れ て い る。(こ こ ま で は 両市共通) 。
地図 の数 は御 殿 場 市が 1( 地 域 拡 大 面) で、 富 士 吉 田 市が 2( 地 域 拡 大 面) で あ る。 実
際の 図を 見る と、 情 報 量の 多さ に圧 倒さ れ る が、 表記自体 は、 わ か り に く く な い よ う に み
える 。
図 1.2
御 殿 場 用ハ ザ ー ド マ ッ プ の試作品 (地 域 拡 大 面 )
4
図 1.3
図 1.4
富 士 吉 田 用 ハ ザ ー ド マ ッ プの 試作 品( 地 域 拡 大 面)
各 地共 通の 富 士 山ハ ザ ー ド マ ッ プ 試 作 品(表 紙 面)
5
1.2
住 民 評 価が 低かった 項目
一 方、 住民 の評 価の 低かった 項目 は、 「自 宅で の掲 示し や す さ」、「 地 図 上の 目印 とな
る も の」、「 避難経路 」 、 「地 図の 複雑 さ」 な ど で、 いずれも 1/ 4以 下の 人し か高 い評
価を 与え て い な か っ た 。(数字 は御 殿 場 市の 場合)
このうち 、掲 示の し や す さ はA 1版 だと 大き す ぎ る と い う こ と で あ る。 地 図 上の 目印 と
し て は線 路・ 駅と 国道 が色 付け さ れ て記 入さ れ て い る が、 その 名称 は記 入さ れ て い な い。
また 地の 図は 5万 分の 1図 を若 干 拡 大し て い る が 、そこに 書か れ て い る 文字 は小 さく 、ラ
ン ド マ ー クとなる 地名 は記 入さ れ て い な い。 避 難 所は 掲示 されているが 、そこに 至る 経路
は記 されていない 。地 の地 図が 5万 分の 1の 地 形 図そ の ま ま な の で 、図 は確 かに 複雑 であ
る( 地 域 拡 大 面) 。
高
0%
10%
#マップ全体の大きさ
自宅での掲示しやすさ
20%
19.0
60%
24.2
15.5
35.9
24.0
35.5
28.8
44.6
31.1
34.8
45.4
54.9
24.4
58.5
図上の色分けや線の意味
図に使われた用語の意味
12.0
32.4
24.3
20.7
100%
2.4
50.8
35.8
地図の複雑さ
90%
39.9
40.1
19.8
80%
54.6
52.1
避難経路
70%
26.4
25.0
避難場所の位置
火山現象の説明
50%
48.0
自宅のおおよその場所
#地図の数
40%
64.4
危険地域の場所
地図上の目印となるもの
30%
低
33.2
全体的文字の大きさ
地図の文字
中
31.0
43.4
45.9
19.7
10.6
76.7
58.5
10.5
3.6
34.4
7.1
噴火時にとるべき行動
52.4
40.2
7.4
火山情報の説明
52.2
39.4
8.4
図 1.5
ハ ザ ー ド マ ッ プ 要素 の住 民 評 価(御殿場市 ・富 士 吉 田 市の 合計)
(ただし #の 項目
は中 が「 適当 」高 =「 大きすぎ 」「 多すぎる 」低 =「 小さ す ぎ る 」「 少な す ぎ る。」)
6
ま た、 両市 で差 の あ る項 目は つ ぎ の と お り で あ る。
第 一に 、「 ハ ザ ー ド マ ッ プ全 体の 大き さ」に つ い て は富 士 吉 田 市 の 39.1%が「 大きすぎ
る」と し て い る の に 対し て、御 殿 場 市で は そ の よ う な人は 27.3%で あ っ た。そ れ と相 反し
て富士吉田市 では 、59.8%の人 が、 文字 の大 き さ が「 大きくて 見やすい 」と 、高 い評 価を
したのに 対し 、御 殿 場 市では 36.1%し か そ の よ う な 評価 をしなかった 。
富 士 吉 田 市の ほ う で、 図が 大き す ぎ る と 評価 する 人が 多か っ た の は 、メイン の図 が2 つ
に分 か れ て い た た め で あ ろ う。 また 字の 大きさは 、富 士 吉 田 市 では 市の 主 要 部の 拡 大 図が
あり 、そ の部 分に は主要路 ・線 路・ 駅な ど、 ランドマーク の字 が地 の地 図と は別 に大 きな
活字 で記 さ れ て い る。 一般住民 にとって 、こ う し た地 図の ほ う が見 やすいと 思われる 。図
は よ り縮 尺を 大きくし 、主 要な 地名 は別 に拡 大 文 字を 入れ る の が望 ま し い の で は な い かと
思う 。
第 二の 違い は、「 危険地域 の場所」や「自宅のおおよその場 所」など 、地図内容の
把握しやすさである 。評価の 高い人 は、 御殿場市 で そ れ ぞ れ 58.9%、43.4% に対 して 、
富 士 吉 田 市では 45.4%、36.8%と な っ て お り、い ず れ も御 殿 場 市の ほ う が評 価が 高い 。マ
表 1.1
ハ ザ ー ド マ ッ プ 要素 の住 民 評 価(御 殿 場・ 富 士 吉 田 別)
御殿場市
高
#マップ全 体の 大きさ
中
富士吉田市
低
高
中
低
27.3
70.1
2.5
39.1
58.7
2.2
18
29.3
52.7
19.9
23.5
56.5
全 体 的 文 字の 大きさ
36.1
46.5
17.5
59.8
33.5
6.6
地 図の 文字
21.1
48.5
30.4
28.8
53.2
18
危険地域の 場 所
58.9
27.9
13.2
45.4
36.8
17.7
自 宅のおおよその 場 所
43. 4
31.3
25.4
36.8
40.4
22.7
避難場所の 位 置
36.3
32.7
31
35.2
38.2
26.6
地 図 上の目 印となるもの
22.3
43.7
34.1
26.3
45.4
28.3
避難経路
14.4
32.1
53.5
25.2
37.4
37.4
地 図の 複雑さ
19.4
54.6
25.9
21.9
55.1
23
図 上の 色分 けや 線の 意味
57.7
29
13.2
59.3
33
7.8
図に使われた用 語の 意 味
44.5
44.8
10.7
42.4
47.1
10.5
# 地図の 数
13.2
83.4
3.4
26
70.1
3.9
火山現象の 説 明
58.6
33.5
7.9
58.4
35.2
6.4
噴 火 時にとるべき行 動
52.1
39.2
8.7
52.6
41.3
6.1
火山情報の 説 明
50.7
37.7
11.5
53.7
41
5.3
自 宅での掲 示しやすさ
ップ を見 ると 、御殿場 の場 合は 、危 険 場 所が 単純 な同 心 円 上に 分布 しているのに 対し て、
富士吉田 では 複雑 な形 になっている 。これは 災害 の様 態の 差で あ っ て、 表記 の問 題ではな
い の で、 し か た が な い と い う議 論も 可能 で あ る。
第 三の 相 違 点は「地 図の 数」に つ い て で あ り、御殿場市 で「多 す ぎ る」と い う人 は 13.2%
7
であったのに 対し て、富 士 吉 田 市 では 26% と倍 になっている。こ れ は、メ イ ンの 図が 富士
吉田 では 2つ に分 か れ て い る た め で あ ろ う。
1.3
ハ ザ ー ド マ ッ プの わ か り や す さ に 影響 す る要 因
では 、「 ハ ザ ー ド マ ッ プ( 防災 マ ッ プ )」 全体 の わ か り や す さ に は、 何が 最も 影響 し て い
る の で あ ろ う か。
このことを調べるために 、各項目の評価 と全体評価の間で 相関係数をとってみた(図
1.5)。
その 結果、いずれの 項目 とも 全体 の わ か り や す さ と は正 の相 関が 見られた が、そ の中 で「 マ
ップ全体 の大き さ」、 「 地 図の数 」との 関 係 性はあまり高 くなかった。 つまり 、マッ
プ全体の大きさ や掲 載さ れ て い る 地 図の数は、ハザードマップのわかりやすさとあまり
関係がないということである。
しかし、 それ以 外の項 目とは 0.3 以上と、 一定の 関係があった 。特に 重要なのは、
「 避難場所の 位置」、「地図上の 目印となるもの」、「地 図の複 雑さ」、「噴火時に
とるべき行動」 、 「火山情報の 説明」で相関係数が0.4 を越えており 、全体的なわ
#マップ全体の大きさ
自宅での掲示しやすさ
0.11
0.12
全体的文字の大きさ
0.32
地図の文字
0.32
危険地域の場所
0.36
自宅のおおよその場所
0.36
避難場所の位置★
0.41
地図上の目印となるもの★
0.41
0.36
避難経路
0.42
地図の複雑さ★
0.30
図上の色分けや線の意味
0.37
図に使われた用語の意味
0.21
#地図の数
0.36
火山現象の説明
0.42
噴火時にとるべき行動★
0.44
火山情報の説明★
図 1.6 各 項 目の 評価 と全体的 わかりや すさとの 相関係数(ただし #は「適 当 」= 高、
「大 き す ぎ」
「 多す ぎ る」
「 小さ す ぎ る 」
「少 なすぎる 」= 低の 2段 階の 評価 と し て計 算)
は相 関 係 数が 0. 4以 上の も の を表 す
8
★
かりやすさと高 い関 係 性があることがわかった。つまり、 避難場所の位 置や地図上の
目印となるもの が記さ れ て お り、、 地図が複 雑でな く、噴火時に と る べ き行動 や火山
情報の説 明がわかりやすく書 かれていると、 住民はそのハザードマップ をわかりやす
いと感じる傾向がある。
次に 、住 民の 性別 や年齢差 がわかりやすさに 影響 し て い る か を み て み た(図 1.6)。全 体 的
わかりや すさとの 関係 を見 ると 、男女別 では 、女 性の 方が わ か り に く い と い う傾 向がごく
わ ず か だ が見 ら れ る。一 方、年 齢 別で は、70 歳 以 上の 人で「と て も わ か り に く い 」という
人が 多い ほ か は、 一貫 した 傾向 は見 られなかった 。年 齢が 上が る ほ ど わ か り に く い と い う
人が 増えると 予想 していたのに 、意 外な 結果 であった 。
とてもわかりやすい
まあわかりやすい
0%
男性
ややわかりにくい
25%
50%
8.2
とてもわかりにくい
75%
100%
72.8
16.6
2.5
女性
7.7
68.8
20.9
2.6
20歳∼29歳
8.8
74.5
14.6
2.2
30歳∼39歳
11.7
72.7
13.3
2.3
40歳∼49歳
6.0
64.9
26.1
3
50歳∼59歳
73.8
23.1
3.1
60歳∼69歳
0
12.3
69.8
17.9
0
70歳以上
6.2
67.9
16.0
9.9
図 1.7
全 体の わ か り や す さ と性 別・ 年齢 の関 係
以 上が 、内 閣 府 作 成 のハ ザ ー ド マ ッ プ の試作版 に関 する 住民 の評 価で あ る が、 これらを
ま と め る と、 次の よ う に な る。
調査結果 を見 ると 、富士山 の防 災マップ(試作版) について 、住 民の 評価 は ま ず ま ず で あ
った 。特 に 、「噴火時にとるべき行 動」と「火山情報の説明」のわかりやすさが、全体
の評価を 高めているといえる 。また 年齢・性 別によってわかりやすさに 差が出 るとい
う傾向は 見られなかった。こ う見る と、わかりやすさという点で は一定 の水準 をクリ
9
アーしているといえる。
しかし、全体的評価で「とてもわかりやすい」と い う人が少ない 点には問題 がある。
とくに、 ハザードマップのわかりやすさに関係 の深い 「 避難場所 の位置 」、「 地図上
の目印と な る も の」 、 「地図 の複雑 さ」については 、評価 があまりよくない。 実際の
図を見て も、「 地図上 の目印 となるもの」や 「地図 の複雑 さ」に つ い て は改良 の余地
がある、と思わ れ る。
2. グループインタビューの結果
2.1
御殿場市印野地区
富士山 ハザードマップ試 作 版で、 全体的評価が 「とてもわかりやすい」という人
が少なかった原 因と し ては、 アンケート調査 で明らかになったマップ中 の各 要 素もあ
るが、そのほかにも重要な要素 があるのではないだろうか 。
住民に試作版をみてもらいながら、 自由に 意見を 言ってもらう 形式の グループイン
タビューから、それを検討していこう。
グループイ ン タ ビ ュ ー を行 って 、最 も印象的 だっ た の は、50 歳、60 歳代の 人が 、「字 が
多く て見 る気 がしない 」と 言っ て い た こ と で あ る 。会 場で 「後 で感 想を 聞き ま す の で 、ま
ず地 図をよく 見て く だ さ い 」と お願 いしたが 、50 歳、60 歳代 グループ でよ く見 ていたの
は5 人中 1人 に過 ぎ な か っ た。ある 50 歳 代の 女性 は、
「 新聞 でも 見出 し し か読 ま な い の に、
字は 読みたく な い 。」 といっていた 。ま た、 ある 60 歳代 の男 性は 、「マップ は何 でもかん
でも 情報 を入 れすぎで 、欲 張っ て い る。 ポイント だ け で い い。」と い っ て い た。
こ こ ろ み に御 殿 場 版の マ ッ プ( 試 作 版)の字 数を 数え ると 、全 部で お お よ そ 61 58 字(地
域 拡 大側 2261 、表 紙 側 3897) もあった 。これは 400 字詰原 稿 用 紙で い う と1 5枚以上 にあ
たり 、ち ょ っ と し た論 文な みの 分量 であ る。(こ の数 字は 凡例 は含 むが 、図中 の文 字はのぞ
いた 数字 で あ る)。
日 本 人の 平均読書 スピード は、 毎分 400−600 字とい わ れ て お り、 試 作 版の 字を 読む だ
けで 15 分は か か る計 算になる 。こ れ だ け の 文字 の多 い も のを 配布 さ れ て、 読ん で お くよ
うにといわれても 、読 む人 は少 な い だ ろ う。 ちなみに 、十勝岳 美瑛 町の マ ッ プは 、全 国の
中で もシ ン プ ルな も の だ が、これだと 約1 6 7 9字 と、原稿用紙 4枚 強で ある 。そ れ で も、
美瑛 の住 民に 話を 聞く と、 字が 多い と言 う人 が い た。 十 勝 岳に くらべる と災 害の 性質 が複
雑なこと もあるが 、富士山 ハ ザ ー ド マ ッ プで も、 なんとか 美 瑛 町なみに 字数 を抑 えられな
い だ ろ う か。
情報量が 多すぎるという問題 は、字 数ばかりではなく、 地図もしかりである 。図は
国土地理院発行 の地 形 図をベースに 作られているので、等高線か ら標高 、送 電 線、樹
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木の種類 まで描 かれている。 その一 方で、生活道路 、道 路 名・駅 名が把 握で き ず、見
にくいという意 見があった。 住民が 危険ゾ ー ンや避難先を 把握す る た め に、必要最低
限な情報 だけを 、適切 に表示 する必 要があるのではないだろうか 。住民 の話を 聞いて
いると、 主に主要生活道路と 、小・ 中学校の 位置を 手がかりに、 空間を 把握している
ようなので、ハザードマップ としては、これ 以外は 大胆に カット してもよいのかもし
れない。 とくに 、重要 と思わ れ が ち な等高線 だが、 煩雑なので、 ないほうがよい、と
いう声が多かった 。
また 御殿場の 地 域 拡 大 図は 、左半分 が山 腹の 無人地帯 で あ り、住民 は ふ だ ん そ ち ら に は
行かないので 、生 活 区 域だ けを 拡大 し た ほ う が よ い、 と い う意 見も あ っ た。 確か に、 表紙
面に は山 頂を 中心 と し た広域図 が あ る の で、 地 域 拡 大 図に 富士 山頂 まで 書き 入れるの は不
必要 かもしれない 。 全体に、よ りシンプルな 図を望む声が 多かったが、 ある 30 歳代の
女性は 、「デ ィ ズ ニ ー ラ ン ドの 案 内 地 図 の よ う な も の が よ い」 と 言っ て い た 。 防災 マップ
も、 わ か り や す さ を追 求すると 、そ の よ う な 地図 に近 づい て い く。
また 住民 が真 っ先 に見 る部 分は 地 域 拡 大 図と 火山現象 の説 明で あ っ た。 たしかにその 部
分が 最も 重要 で あ り、 それ 以外 の情 報は 副 次 的 情 報と い え る。 と く に「 豊か な自 然と の共
生」 に つ い て は、 防災目的 の地 図に は不必要 、と の声 が多 か っ た。
60 歳代 の あ る男 性は 、あ ま り の情報量 の多 さに 「こ れ じ ゃ、 実 務 用じ ゃ な く て 学 習 用 。
教室 で説 明し な く て は な ら な い 。『 火山学習 マ ッ プ』 とタ イ ト ルをつけ 替え な く て は 。」と
言っ て い た。 確か に そ の よ う な 面は 否めない 。実用的 なマップ には 、① 字は 少な く、 ②図
はシ ン プ ルに 、③ 不 必 要な 情報 は掲 載しない 、という 3つ の要 素が 不 可 欠である 。
表 2.1
富士山 グ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ー での 意見(要 約)
・ 新 聞で も 見 出 し し か 読 ま な い の に 、 字 は 読 み た く な い 。
・ マ ッ プ は 何 で も か ん で も 情 報 を入 れ す ぎ で 、欲 張 っ て い る。 ポ イ ン ト だ け で い い 。
・ こ れ で は 、 実 務 用 じ ゃ な く て 学 習 用 。 教 室 で 説 明 し な く て は な ら な い 。『 火 山 学 習
マ ッ プ』 と タ イ ト ルを つ け 替 え な く て は 。
・ 道 路 が 国道 し か 着 色 さ れ て い な い 。生 活 道 路 や 駅名 が わ か ら ず見 に く い
・避 難 の た め の情 報 が な い。 避 難 用 で は な く 危 険 を 知ら せ る 地 図 に な っ て い る。 自 分
が どこに 避 難 す れ ば よ い の か わ か ら な い 。
・ 避 難 用 の 図 と 、 今回 の よ う な 危険 を 示 す 地 図が 、 分 か れ て い た 方 が よ いの で は 。
・ メ イ ン 図 と 火 山 現 象 の 説 明 を 表裏 に 分 け る の は 見 に く い 。
・ 表 紙の 富 士 山 の 写真 は 地 元 ( 御 殿 場 ) 側 か ら撮 影 し た も の に し て ほ し い。
・ 重 要 施 設 は マ ー クで 示 し 、 デ ィ ズ ニ ー ラ ン ドの 案 内 地 図 の よ う な も の が よ い
・ 火 山 現 象 の 説 明 で 、「 逃 げ た 方 が よ い 」 で は な く 、 よ り 命 令 調 に し た ほ う が よ い 。
ま た 「巻 き 込 ま れ る と 死 亡 し ま す」 な ど 、 人 ご と の よ う に 書か な い で 欲 しい 。
・ 防 災 用 品 と 一 緒 に入 れ て お い て、 い ざ と い う と き に 携 帯 し て い き た い 。
・ 自 分 の 住 む 地区 が わ か り に く い 。 印 野 地 区 な ど (市 内 6 地 区あ る )地 区 を 色 分 け し て
ほ し い。
・ 字 で な く 、 視 覚 で う っ た え る 方が い い 。
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・ 地 図は 凡 例 ス タ イ ル で は な く 、図 中 に 説 明 を書 き 入 れ た 方が よ い 。
・漠然 と し た 不 安だ け が あ っ た の で 、こ う し た も の が 早 く で き る の を 待ち 望 ん で い た。
ハザードマップ は住民 の生命 と財産 にかかわる情 報であるから 、できるだけ 正確に
かつ詳細 に作成 しなければならない 、という 作成者 の意図 はよくわかるが、利用者で
ある地域住民の 読解能力と情報処理能力には 限界がある。 とかく 、「正 確さ」 は「わ
かりにくさ」に、 そして「詳細 さ」は「情報過多」に陥りやすい。
す で に 見た よ う に 、富 士 山マップ( 試 作 版)は 、わ か り や す さ と い う 面で は 、あ る 程度 の
水準 を達 成し て い る。 し か し災 害 情 報の 研究分野 では 、住 民に 伝え る情 報 内 容は 小学校高
学年 の児 童が 理解 で き る程 度が 望ま し い と い う意 見もある 。そ う考 え る と こ のマップ は情
報 過 多で 難解 な面 が あ る。 よく 読め ば わ か る が、 読む 気が し な い、 というのでは 高い 評価
は得 られない 。火 山 防 災マップ に科学的 な危 険 度 地 図 だ け で は な く て、 防 災 的な 意味 を持
た せ る と し た ら、 科 学 的な 正確 さや 詳細 さを ある 程度 犠牲 にしても 、住 民の 理解 しやすさ
を優 先するよ う な 、図 のデ フ ォ ル メ やシ ン プ ル化 を行 う選択肢 が十 分に あ る の で は な い だ
ろ う か。
以 上、 い く つ か の問題点 はあるものの 、こ う し たマップ を配 布す る こ と は 、も ち ろ ん有
意義 なことである 。実 際、 イ ン タ ー ビ ュ ーをした 住民 も、 こうした マ ッ プの 早期配布 を切
望していたし 、住 民 自 身が 火山防災 を考 える 上で 、貴 重な 第 一 歩と な る だ ろ う。 今後 は、
こ れ ま で のマップ を土 台にして 、避難用 の よ り実用的 なマップ に進 んで いくべき ではない
だろうか 。
2.2 十勝岳美瑛町
美瑛町 は十勝岳 に源 を発 する 美 瑛 川に 沿っ た地 区である 。火 山 災 害と し て は特 に融雪火
山 泥 流の 危険 が大 きく 、大 正 時 代に は大 きな 被害 にあっている 。美瑛町 のハ ザ ー ド マ ッ プ
はA 1片 面 印 刷で 、全 国の 中で も比較的 シンプル で見 や す い。 マ ッ プの 面積 を最大限 に使
って 町 全 体の 地図 が大 きく 載せられ 、山 に近 く危険度 の高 い白 金 温 泉 地 区に つ い て は 、避
難 経 路も 明示 した 拡 大 図も 掲載 さ れ て い る。 グ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ー は そ の白 金 温 泉 地 区の
ホ テ ル・民 宿 業 者(男性 5人)と 、よ り下 流の 三沢地区 の住 民(男性 5人 、女 性5 人)に対 して
行っ た。
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図 2.1
美瑛町 のハ ザ ー ド マ ッ プ (防 災緊 急 避 難 図 )
上 流の 白金温泉地区 では 次の よ う な声 があった 。
ま ずマップ の図 に つ い て は、
「 地図 は記 載が 細か す ぎ る 。等高線 な ど は い ら な い 。道 路だ
けでよい 。」、
「 地図 には 目印 に な る建 物が あ っ た方 が よ い 」と 、シンプル 化と ランドマーク
の明確化 が望 ま れ て い た。 そ し てマップ は「 難し く な れ ば な る ほ ど 見な い」 とい う声 もあ
った 。一 方「一 番 危 険な 白金地区 の地 図が 小さ い 」
「白 金 地 区だ け が も っ と大 きくあればよ
い。 他の 地区 は い ら な い」 と い っ た よ う に、 局 地 的な 詳し い図 を望 む声 もあった 。地 図に
は避 難 場 所が 数字 で書 か れ て い る だ け な の で 、理 解で き る かどうか をたずねたところ 、
「避
難 場 所は 番号 だけでも 地元 の人 な ら わ か る」 と い う答 えだった 。
そ の他 の記 述に つ い て は 、「 解 説 的な こ と が多 す ぎ る 」「 火山現象 の説 明は 必要 ないので
は。なぜ 発生 す る の か は我 々に は関 係な い 。」といった 解説 の簡略化 を求 める 声が 多かった 。
さ ら に「 重要 なことが 一目 でわかる よ う なポ ス タ ー的 なものがよい 」「 ど ん な危 険があり 、
どうなったら 、ど う す れ ば よ い か の 記述 が必 要」 というように 、行 動 指 示を 簡潔 に示 した
方がよい 、という 意見 もあった 。
マップ の活 用に つ い て は 、
「 食堂 に貼 ってある 」
「事務所・休憩所 に貼 ってある 」
「客 室の
イ ン フ ォ メ ー シ ョ ンに 一部 をコピー して 入れ て あ る」とかなり 活用 し て い る よ う で あ っ た 。
また 観光協会 では 「マップ を記 念に ほ し い と い う 観 光 客がいる 」という 。ハ ザ ー ド マ ッ プ
を土産物 と し て販 売す る事 を考 え て も よ い か も し れ な い。 また 緊 急 避 難 先として 作られた
「十 勝 岳 火 山 砂 防 情 報 セン ター 」に は修 学 旅 行などの 観 光 客が 訪れ る と い う 。これは 、平
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時は 、噴 火 防 災 対 策が 1つ の観 光 資 源と な り う る 可 能 性を 示す も の で あ る。
次 に富士山 のハ ザ ー ド マ ッ プ (試 作 版)と見 比べ て も ら う と 、
「 美瑛 のマップ はウ ラに 記載
がないの がよ い」
「 富 士 山は 字の 大きさが 小さ す ぎ る 、複 雑 」と 美瑛 のマップ を評 価す る声
があがり 、最 後に は全 員が 「全 体として 美瑛 の図 のほうが わかりやすい 。」 といっていた 。
他方 、下 流の 三沢地区 では 次の よ う な意 見が あ っ た。
ま ず図 についてだが 、
「 美瑛 の地 図は ぱ っ と見 て こ ち ゃ こ ち ゃ し て い る 。字 の小 さいとこ
ろが ある 。
」
「 等 高 線はない 方がよい 」と簡略化 を望 む人 が い る一 方 、
「マップ はわかりやす
い。避難場所 は番 号だ が、避難訓練 を毎年行 っているので 、番 号で も わ か る 。」と 評価 する
声も あ っ た。 また 「地図中 の主 要 建 物( 小 学 校な ど) は大 きな 字で 書い て ほ し い 。」「 道路
は は っ き り書 い て ほ し い」とラ ン ド マ ー クの 明 確 化を 求め る声 もあった 。避難 に つ い て は、
「避 難は 車で 行う こ と に な っ て い る 。避 難 訓 練も 車で お こ な う 。昭 和6 3年 の噴火時 には
車に 位牌 など 避難道具 を積 み込 み避 難 準 備し た。
」
「 子 供に 服を 着せ て車 に押 し込 んだ 。」と
いう 。そ う し た中 で「 避難 路が 描か れ て い な い。もっとも 現場 には 看板 はあるが 。」と 避難
路の 記入 を求 める 声が あ っ た。 融雪火山泥流 は積雪期 に起 こ る が、 すべての 道が 除雪 され
て い る わ け で は な い 。そこで 、
「除 雪し て い な い(通行止 めの)道 路も か か れ て い る と よ い。」
と言 う人 も い た。 ただ し、 町で は噴 火の 危険 が迫 ると 避難道路 に重 機を 出し て、 緊急 に開
通させる と い う こ となので 、こ れ に つ い て は 問題 な い の か も し れ な い 。ま た図 を見 な が ら、
火山情報(緊 急・臨時 の区 別)について 尋ねたが 、あ ま り ぴ ん と き て い な い よ う で あ っ た。
よりわかりやすい 記述 が必 要か も し れ な い。
次 に活 用だ が、 5人 中3 人は 配布 さ れ たマップ を紛 失し てお り、 1人 はイ ン タ ビ ュ ーの
た め に、 奥か ら出 してきた 。ペ ン シ ョ ン 経営 の1 人だけが 、フ ロ ン トに 掲示 していた 。一
般の 住宅 では マ ッ プは ほ と ん ど 貼ら れ て い な い よ う で あ る 。
その 理由 と し て、ある 主婦 は 、
「イ ン テ リ ア 的に 地図 を室 内に 貼るのは 抵抗 が あ る 」と い
う。また「 貼れ る大 き さ はカ レ ン ダ ー 大が 限度 」
「 私は A3 程度 」と い う声 もあった 。やは
りA 1版 は、 住宅 に貼 る に は、 大き す ぎ る の で あ ろ う 。ま た「 地図 が折 って 配布 されるの
で貼 ら ず に し ま わ れ る の で は。 丸め て配 布さ れ れ ば貼 る し かな い の で は 。折 ると 貼ったと
き に も で こ ぼ こ し て、きたない 。」と配 布 方 法の 工夫 を促 す声 もあった 。配られた マ ッ プの
保存 も、 1つ の問 題である 。
3. 全国 のハ ザ ー ド マ ッ プ
防災に 役立 つハ ザ ー ドマップ は、 住民 が利 用し や す く、 容易 に理 解で き、 かつ 避難 のた
めの 実 用 的な 情報 が簡 潔に 記されて い な く て は な ら な い。 そこには 具 体 的に ど の よ う な工
夫が 必要 なのだろうか 。そこで 次に 、こ う し た防災的 観点 から 、す で に あ る ハザードマッ
プを 分析 し、 ハ ザ ー ド マ ッ プ改 善の 手が か り を抽 出してゆ く。
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われわれは 2003 年に、 火山 を擁 する 全国 の自治体 に依 頼し 、 住 民 向け のハ ザ ー ド マ ッ
プを 収集 した 。そ の結 果、 別表 のように 25 種類の マ ッ プを 収集 することができた(富士山
の試作版 は含 ま な い)。
ハ ザ ー ド マ ッ プ (あ る い は防 災マップ )は 火山周辺 の自治体 によって 作ら れ る が、 ほと
ん ど の場 合、 1つ の火 山が 複数 の自治体 に ま た が る の で、 火 山 防 災 協 議 会な どの 協 議 会を
設け て、 共通 のマップ を作 っている 。そ の結 果、 1つ の火 山で 1つ のマップ が作 成される
こ と が多 い。 し か し中 には 十 勝 岳の よ う に、 各町 が独 自の マ ッ プを 作成 し た り、 富 士 山の
よ う に、 1つ の協議会 が方面別 に複数作 る こ とで 、1 火山 に複 数の マ ッ プが 存在 すること
も あ る。
3.1
利用し や す さ
マップ の使 い や す さ に影 響す る要 素として 、ま ず考 え な く て は な ら な い の は、 全体 の大
き さ で あ る。 字を 大き く す る な どマップ の見 やすさを 考えると 、全 体の サ イ ズが ど う して
も大 き く な っ て し ま う が、 そ う な る と見 る の も大 変だ し、 貼る 場所 にも 困っ て し ま う 。
図 3.1
A 3サイズ の有珠山 のハ ザ ー ド マ ッ プ (表 面)
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全国 のマップ を概 観すると 、最 もポ ピ ュ ラ ー なサイズ は 59.4cm×84.1cm の い わ ゆ る A
1サイズ で あ る。 美 瑛 町、 岩 木 山、 岩 手 山、 蔵 王 産、 磐 梯 山、 浅 間 山、 九 重 硫 黄 山、 阿蘇
山、 霧 島 山 、富 士 山(試 作 版)などが 、 縦横 はさ ま ざ ま で あ る が、 い ず れ も こ の サ イ ズ に該
当す る。 しかしすでに 述べ た よ う に 、富士山 ア ン ケ ー ト調 査で は こ の大 き さ が適 当である
と す る人 は住 民の 1/ 3に し か す ぎ ず、 多く の人 が大 き す ぎ る と感 じている 。こ の大 きさ
では ドア や ふ す ま に貼 る こ と は で き な い し、 壁に 貼る に し て も 面積 が大 きすぎて 、インテ
リア 的に 敬遠 さ れ が ち に な る。 貼り や す さ を 考えると マ ッ プは 小さ いほ う が い い 。
最も 小さ いマップ は、有珠山 や那須岳 のA 3(42 ×29.7cm) サイズ であった(恵 山もほぼ 同
じ大 きさ)。この サ イ ズな ら冷蔵庫 にも 貼れるし 、コ ピ ーも 簡単 にできるので 使い 勝手 がよ
い で あ ろ う。
第二 に、 情 報 量を 確保 す る た め に表 裏 印 刷さ れ て い る マ ッ プが 多い が、 貼る こ と を考 え
ると 裏面 は な いほ うがよい 。も ち ろ ん、 裏に は緊急性 が な い内 容を 選ん で載 せるといった
工夫 も見 られるが 、地 域 拡 大 図 と現 象 説 明が 表裏 に分 か れ て し ま っ て い る富士山 のような
場合 は、 配られた 当初 に見 る際 にも 、図 の理 解が 妨げ ら れ る こ と が あ る 。
も し、 ど う し て もA 3片 面に 収ま ら な い よ う な 内容 を伝 達したい 場合 には 、思 い切 って
冊子形式 にして も よ い の で は な い だ ろ う か。
3.2
理解し や す さ
で は ど の よ う な 地図 が 望ま し い ので あ ろ う か。 小山(2001) によると 、ハ ザ ー ド マ ッ プ
のタイプ には表 3.1 のよ う な も の が あ り、中 でも 3)、特に 複数 の典型的 ケ ー スからの 想定
図が 望ま し い と述 べている 。
表 3.1
ハ ザ ー ド マ ッ プの タ イ プ
1 )最 大 実 績 想 定 型 ( 噴 火 史 上 に起 きた 各 現 象の 最 大 実 績 を想 定し ,危 険 区 域を 求め る)
2 )特 定 現 象 着 目 型 ( 噴 火 史 上 に起 きた 特 定 現 象 (複 数 可 )に 着目 し, 危 険 区 域 を求 める)
3 )典 型 的 噴 火ケ ー ス 想 定 型(噴 火 史 上 に起 きた 典 型 的な 噴 火( 複 数 可) を想 定し ,危 険 区 域
を求 める)
4 )現 行 噴 火 対 応 型 ( す で に噴 火 開 始し て い る場 合, その 時点 ま で に生 じた ,あ る い は生 じつ
つ あ る噴 火
を想 定し ,危 険 区 域を 求め る。
( 小 山 真 人 , 月 刊 地 球 2001 年 11 月号 )
これまでの 議論 か ら も明 らかなように 、住 民の 立場 か ら す る と 、シ ン プ ルで 要点 を絞 った
図が 最も 望ましい 。そ う な る と 実 績 図は ど う し て も煩 雑に な る し、 複数 の現 象 別 想 定 図も
ど れ に注 目す べ き か を は っ き り さ せ な い と、 と ま ど い を与 える こと になるだろう 。多 くの
場合 1つ の地 図に 、様 々な 火山 現象 に よ る危 険が 書き 込ま れ て い る が、 書き 込まれる 現象
が多 す ぎ る と わ か り に くく な っ て し ま う 。
たとえば 焼岳 のように 、火砕流 と火 災サージ を区 別し て表 示す るマップ もあるが 、住 民
に と っ て はど ち ら も危 険な こ と に は 変わ り な い の で、 区別 する 必要 は な い の で は な い だろ
16
うか 。ま た火砕流 ・噴 石・ 溶岩 といった 噴火当初 に危 険な 現象 と、 土 石 流な ど、 噴 火 後の
降 雨 時に 危険 な現 象が 同一地図 にあ ることが 多い が、 このあたりは 図を 分け たほ うが 実用
的か も知 れ な い。 島 原 市の マ ッ プで は土石流 だけ を対 象に し て いた し、 十 勝 岳で も融雪火
山 泥 流を 中心 に し て い るが 、思 い切 って 最も 注意 を促 す べ き現 象に 的を 絞っ てマップ を作
るの もよ い か も し れ な い。
危 険を 知ら せ る に は 凡例 など 図の 説明 が必 要だ が、 記述 はシ ン プ ルに し、 できれば 図中
に説 明を 書き 込む こ と で、 凡例 をなくす ほう が望 ま し いの で は な い か。 実際 、美瑛町 、有
珠山 、雲仙普 賢 岳 などには 凡例 が な い。 そ し て危 険の 程度 が、 赤・ 黄色 ・青 ・白 等のよう
に色 分けされ 、空間的 に一 目で 分か る工 夫も 必要 で あ る。 富 士 山( 試 作 版) な ど は比較的
わ か り や す い が、 御 嶽 山の よ う に、 危 険 度の グレード が わ か り に く いものも ある 。それと
ならんで 、噴 火 現 象の 説明 を し て、 具 体 的に ど の よ う な危 険が あ る か を 知ら せ る こ と も重
要である 。そ の際 、単 なる 火山学的知識 ではなく 、被 害の 程度 や対 処の 指示 をすることが
重要 で あ る。 写真 を入 れ た り、 字の 大き さ に よ っ て、 各 現 象の 危 険 度が 一目 で分 かるよう
に工 夫するこ と も 必要 で あ る。
次 に地 の地 図が わ か り や す く 、空 間 理 解が し や す い こと も重 要である 。これは 言い かえ
ると 、自 宅の 位置 や危 険 場 所の 認識 しやすさ のことである 。ほ と ん ど の マ ッ プの 原図 は、
国 土 地 理 院発 行の 地 形 図を ベ ー スに し て い る 。地形図 には 2万 5千 分の 1、 5万 分の 1、
20 万分の 1と い っ たシ リ ー ズ があるが、その 中で は5 万分 の1 図ベース が比 較 的 見やすい 。
2万 5千 図で も よ い が 等 高 線・ 土地利用区分 など 、情 報が 細か す ぎ る。 20 万分 の1 は原
図に 緑の 濃淡 が あ り、 縮尺 も大 きすぎて 自宅 の位 置確 認が 難し い。 後で 危険度等 の色 分け
を施 さ ね ば な ら な い の で、 地の 図は 無 着 色がよい 。ま た浅間山 のような 衛 星 図は 非常 にわ
か り に く い。 原図 は拡 大し た ほ う が 見やすく 、縮 小すると ベ ー スの 縮尺 が大 きくても 字が
小さ く な り見 に く い。 美瑛 な ど は5 万分 の1 図を 拡大 しているので 見やすい 。
し か し、そもそも 国 土 地 理 院の 地 形 図に は 、住 民にとっ て不必要 な情 報が 多す ぎ る の で 、
原図 もロ ー ド マ ッ プの よ う にシ ン プ ルに 加工 し直 す必 要がある 。メ ン タ ル マ ッ プ の認識上 、
道路 ・鉄 道と い っ たライン だ け で な く地 名・ 建物 といった 点的 ランドマーク が豊 富なほう
が よ い。 特に 読図 の苦 手な 人は 方 向 性で は な く、 目印 で場 所を 認識 するので 、そ う し た人
への 配慮 が必 要である 。吾妻山 、草 津 白 根 山 な ど のマップ では 、施設名 や地 名の 表示 がわ
か り や す い。 また 危険区域 の着 色が 濃すぎず 、地 の文 字が は っ き り 読め るほ うがよい 。樽
前山 、有珠山 、浅間山 、焼 岳、 御 岳 産などは 危険区域 の色 が濃 かったり 、網 掛け 表示 がし
て あ り、 地の 地図 が見 に く い。
3.3
避難に 対す る実用性
適切な 避 難の た め に は、 いつ( 避難 のタ イ ミ ン グ)、ど の よ う に(注 意 事 項)、ど こ に(避難
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所)避難し た ら よ い か が 分か ら な く て は な ら な い 。ま ず避 難の タ イ ミ ン グである 。たとえば
気 象 庁が 出す 緊急火山情報 な ど は、 事態 の逼迫性 を知 る よ い指 標と な る は ず で あ る。 マッ
プを 見る と、 その ほ と ん ど で火 山 情 報の 種類 は解 説さ れ て い る 。し か し そ れ が行 動 指 示と
連動 している ケ ー スは 少な い。 それでも 焼岳 、御嶽山 、那須岳 など では 、「 緊急火山情報 」
=「 要 避 難」、「臨 時 火 山 情 報」=「 要 注 意」、「火 山 観 測 情 報」=「 随時 」な ど、 行動指針
とセット になっており 、実用性 があ る( 例は 那 須 岳)。
ま た美 瑛や 草 津 白 根 山で は火山泥 流の 、そして 那 須 岳で は溶岩流 の予 想 到 達 時 間があり 、
こうした 情報 も避 難の タ イ ミ ン グや スピード を考 える 際に 重要 で あ る。 一方 、樽 前山 、有
珠山 、恵 山、 吾 妻 山、 那 須 岳、 霧 島 山な どで は、 噴火 の前 兆 現 象が 書か れ て い る 。これも
単な る知 識の 羅列 ではなく 、ポ イ ン トを 絞り 、避難 との 関 連 性を つ け る こ と が 重要 で あ る。
たとえば 有 珠 山で は、
「地 震 多 発は 必ず 噴火 につながると 考え て 、早 めに 避難 す る こ と が大
切で す」 とな っ て い る 。
注 意 事 項と し て は住 民の 心得 と し て、 どの マ ッ プに も類 似の 項目 が並 んでいる 。典型的
な例 と し て、たとえば アトサヌプリ では 、
「 噴火 に備 えて 」と題 して 、非常持 ち出 し品 を用
意す る、 避難収容施設 を確 認す る、 町内 の協 力・ 連絡体制 を確 認す る、 など があ げ ら れて
いる 。ま た「 噴火 が始 まったら 」と 題し て、 あわてず 落ち 着い て行 動す る、 火山情報 に注
意す る、 戸締 まり ・火 の元 ・電 気などを 確認 する 、テレビ ・ラジオ ・役 場の 防災無線 や広
報車 な ど で正 しい 情報 を収 集す る、 デマ に惑 わ さ れ な い、 役場 の指 示に 従っ て避 難す るな
どが 載っ て い る 。 そのほか 、 災 害 用 伝 言 ダ イ ヤ ルの 利 用(岩 手 山)、 高 齢 者 等の 災 害 弱 者や
観 光 客の 避難 を助 ける(吾 妻 山、 浅間山他)、 避難勧告・ 避難指示 に従 う(雌阿寒岳 、霧島山
他)、谷底 や川 沿い は泥 流の 危険 が あ る(美瑛 、恵山他)なども ポ ピ ュ ラ ーな 項目 で あ る。
こ れ ら も必要性 が高 いものに ポイント を絞 って 伝え る必 要が あ る の で は な い だ ろ う か。
たとえば 「あ わ て る な 」と い っ て も 、あ わ て て い る人 はマップ の記 述な ど思 い出 さ な いだ
ろ う し、 また 、「 デマ に注 意」 と い っ て も、 デマ だと 知っ て惑 わされる 人は い な い 。「 不確
かな 予知情報 は み だ り に人 に伝 え な い」 というほうが 、ま だ実際的 で あ る。
そ の一 方で 、
「 親戚 や知 人などに 避難 する 旨を 連絡 しておく 、子供 や高齢者 な ど は避 難に
時間 がかかるので 早め に避 難させる 、夜 間の 避難 は大 変 危 険な の で で き る だ け余 裕をもっ
て避 難す る」(北海道駒 ヶ岳)などは 、実際的 な注 意 事 項と い え る。
ま た、 非 常 持ち 出し 品の リ ス トや 、避難時 の服 装も 多く のマップ に載 っている 。たとえ
ば持 ち出 し品 としては 「携 帯 電 話・ ラ ジ オ、 貴 重 品・ 現金 、ヘ ル メ ッ ト ・マスク など 、常
備薬 ・応急医 療 品 、非常食 ・飲料水 、懐 中 電 灯・ 雨具 など 、防 寒 用 衣 料 ・下 着、 乳幼児用
品・ 介 護 用 品」( 恵山)な ど は典型的 な も の で あ る 。ま た 詳し い も の に は 「 着替 え( 長 そで
上着 、T シャツ 、ズボン 、下着 、く つ下 など )、ヘ ル メ ッ ト 、(防 災ずきん )、手 ぶ く ろ ・軍
手、ゴ ー グ ル、 マ ス ク、 かさ ・カッパ 、リ ュ ッ ク サ ッ ク 、毛 布・ タ オ ル、非常食 (水 3 リ
ッ ト ル以 上、乾パ ン、もち 、缶 詰、レトルト 食品 、ア メ、チ ョ コな ど )、常備 く す り・救急
箱、現金 ・小 銭、預金通帳 ・印鑑 、健 康 保 険 証 、携 帯 電 話 、ラジオ(予 備 電 池 )、懐中電灯
(予 備 電 池)ろ う そ く・ ライター 、赤 ち ゃ ん い る場 合( ほ乳 ビン 、ミルク、おむつ )、お年
寄り が い る場 合( お年 寄り 用常備薬 など )」(鳥海山)と い っ た も の も あ り 、絵 入り で説 明さ
れている こと も多 い。 ま る で登 山で も す る よ う な 厳重 な装 備だ が、 噴火避難 の際 に本 当に
これらが 必要 なの だろうか 。噴 火の 場合 は地 震と 異な り、 よ ほ ど大規模 な噴 火でない 限り
18
広 域 的な 停電 や断 水は ま れ で、山か ら多 少離 れ れ ば日常的 な生 活が 行わ れ て い る ので ある 。
噴 火 避 難 時に 本当 に必 要な も の を、 ポイント を絞 って 提示 する 必要 が あ る。
た と え ば有珠山 では 、
「 学校 や病 院・福 祉 施 設で は教 材や カ ル テなどの 持ち 出し を考 えて
おく 」「 農 作 物や 家畜 ・ペット のことを 考え て お く」 など 避難生活 の長 期化 を考 えており 、
実 際 的である 。そ の ほ か、 位牌 や思 い出 の写 真な ど、 家の 焼失 を考 えた 持ち 出し 品の 提示
も必 要な の で はな い だ ろ う か。
一方 、車 での 避難 の可 否は 、グ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ーで も住 民の 知りたい 情報 としてあ
がっていたが 、ほ と ん ど の マ ッ プで 欠如 し て いた 。今 回 収 集し たマップ では 桜島 のものに
「避 難は 徒歩 で、 車は 使わない 」と あ っ た。 また 、駒 ヶ岳 や島 原市 のマップ でも 、車 によ
る避 難は ひ か え る よ う に と 記載 さ れ て い るという 。そ の一 方、 有 珠 山の マ ッ プに は「 避難
が遅 くなると 車が 渋滞 する 」とあり 、車 での 避難 を前 提と し て い る 。ま た聞 き取 りに 行っ
た美 瑛町 でも 、車避難 を前 提として 、車 での 避難訓練 を し て い た。 自 治 体 自 身が 「決 めか
ねている 」あ る い は「 黙認 している 」という 面も あ る の だ ろ う が、 なんとか マ ッ プに 記載
す る こ と は で き な いだ ろ う か。
地震 や風水害 とは 異な り、 噴火 では 、① 避難 する べき 距離 が長 い こ と、 ②避 難が 長 期 化
し一 度 避 難し た ら な か な か 自宅 に戻 れ な い こ と(荷物 が多 く な り が ち)、③噴 石に は車 の屋
根が 一定 の有効性 を持 つ こ と、 そ し て④ 一般 に火 口 付 近の 危険地帯 には 人口 が少 なく 渋滞
が少 ない こと 、などの 特徴 が あ る。 こうしたことから 、郊 外で は で き る だ け 車 避 難を 可と
する 方向 で検 討す べ き で は な い か と 考え ら れ る。
第 三に 、避 難の 目 的 地である 避難場所 に つ い て で あ る。 ほ と ん ど のマップ では 避難所一
覧が 掲載 されているが 、ど の地 区の 住民 がどこに 避難 す べ き か や、 使用 す べ き避難路 につ
い て は記 述のない マ ッ プが 多い 。噴 火の 状況 によって 避難場所 が異 な る こ と も あ り、 はっ
きりできない 場合 もあるだろう が、 すくなくとも 避難 の方向性 くらいは 明示 しておくべき
だ ろ う。
以上、 必要 な実用的 情報 を述 べ た が、 実 用 的な マ ッ プは 同時 にシ ン プ ルで な く て は な ら
ない 。従 って マ ッ プに 載せ る情 報は 、必 要性 を基 準に 厳選 し な く て は な ら な い。
し か しこ れ ま で作 ら れ たマップ を見 ると 、必要性 が低 い情 報が 多く 載っ て い る。 た と え
ば、 グループ イ ン タ ビ ュ ー でも 出た 「山 の恵 み」 はそ れである 。そ こ に は、 火山 は様 々な
観光資源 や、 おいしい 水を 作り 出し て く れ る 、と い っ たことが 書か れ て い る 。しかし 、こ
う し た情 報は 、ハ ザ ー ド マ ッ プ とは 別に 教 育 現 場 等で 知っ て も ら う 必要 があるが 、避 難に
は不必要 な情 報で ある 。そ の ほ か必要性 の乏 しい 情報 に、 山の 写真 やマップ の製 作 目 的、
想定条件 な ど も あ る。 さ ら に観 測 態 勢や 火山情報伝達 の流 れ、 協 議 会の 活動 な ど は、 行政
職員 は知 ってお い た ほ う が よ い 情報 か も し れ な い が、 住民 に と っ て は不必要 で あ る。 噴火
の歴 史に つ い ては 微妙 なところだが 、噴 火の 歴史 がマップ に反 映さ れ て い る わ け だ か ら、
詳し く述 べる 必要 は な い の で は な い だ ろ う か 。
「 防災 マ ッ プ」の目 的 は、教育 ではなく 、あ
くまでも 「防 災」 であることを 忘れ て は な ら な い 。
3.4
ハザードマップ の進 化
様 々な ハ ザ ー ド マ ッ プを み る と、 製作 さ れ た年 代に よ っ て か な り の違 いが 見られる 。
その 違い を お お ざ っ ぱ に言 えば 、危 険 度 地 図 を中 心にした 堅い 内容 の も の か ら、 防 災 情
19
報を 強化 した 、住民向 けのものへと 進化 してきた と い え よ う(表 3.1)。
かつては 「危 険 区 域 予 測 図 」な どという 名称 も使 われていたが 、最 近で は「 火山防災 マ
ップ 」に 統一 さ れ て い る。すでに 述べ た よ う に 、国土庁 の指 針が 1992(平成4)に 作られて
以 降 、 ハ ザ ー ド マ ッ プ 作 り が 進 ん だ が、 よ り 多 く 作 ら れ る よ う に な っ た の は 有 珠 山 噴 火
(2000∼01 年)以降である 。と く に有 珠 山 以 降 の新 しいものでは 、見 やすさが 改善 されたり 、
防災情報 が充 実す る な ど、 それ 以前 とは 大き な相 違が 見られる 。
しかし 、現 在 一 般 的 な「 火山防災 マ ッ プ」 の内 容は 、危 険 度 予 測 図に 様々 な防 災 情 報を
付け 加え た も の に す ぎ な い よ う にも み え る。 その 結果 、情 報の 網 羅 性・ 学 習 性に は富 んで
きた が、 避難 のための 実 用 性に は問 題が 残っ て い る。 もちろん 、こ う し た「 防災 マ ッ プ」
も自治体職員 や住 民の 啓 蒙 用と し て は有 用である 。しかし 次の 段階 としては 、避 難に 的を
絞っ た、 より 実用 性の 高い マ ッ プの 製作 が必 要な の で は な い だ ろ う か。
たとえば、美 瑛 町の マ ッ プは「火 山 防 災マップ 」で は な く「 防 災 緊 急 避 難 図」と題 され 、
いざというときの 住民 の緊 急 避 難を 想定 して 作ら れ て い る 。そ の意 図はまだ 十分 に実 現し
てい る と は必 ず し も い え な いが 、今 後は 、そ う し た方 向へ の発 展が 、お お い に望 まれると
こ ろ で あ る。
表 3.1
ハ ザ ー ド マ ッ プの 進化
名称
①危 険 区 域 予 測 図
②火 山 防 災マップ
③防 災 緊 急 避 難 図
内容
科学的危険度地図
危 険 度 地 図+ 防災情報
避難 を中 心にした 地図
特徴
科学的正確性
情報 の網羅性 ・学習性
シンプル さ・ 実 用 性
主な 対象
科 学 者+ 行政
自 治 体 職 員+ 住民
住民
富士山
美瑛町
(防 災 部 局 )
例
北海道駒 ヶ岳
大島
20
その 他
図 3.2
伊 豆 大 島の ハ ザ ー ド マ ッ プ
21
全国の火山ハザードマップ(火山防災マップの特徴の概要
火山名
1
2
3
アトサヌプリ
雌阿寒岳
1外観
2タイプ
3危険の理解
4空間理解
5避難タイミ
(タテ x ヨコ)
(メイン図)
しやすさ
(自宅把握)
ング
59.4 × 42 ㎝
典型的噴火ケ
凡例シンプ
地の文字は見
火山情報の直
裏有
ース推定型
ル、地図内に
づらい5万図
感的解説あり
書き込みあり
を縮小
6行動指示
7必要度の低
8発行元・制
い情報
作者・発行年
噴火が始まっ
弟子屈町の活
弟子屈町
たら
火山」噴火史
際航業
国
9特記事項
ことばが平易
平成
59.4 × 42 ㎝
複数の典型的
凡例シンプ
困難
裏有
噴火ケース推
ル、シナリオ
を拡大
定型
あり
13 年
20 万図
火山情報に注
服装出し品避
山の写真
意
難所一覧
去の噴火
過
足寄町
国際
平成 12
航業
工夫あり
地
図は見にくい
年
十勝岳
59.4×84.1 ㎝
過去 2000 年
凡例なし
美瑛町
裏なし
をもとにした
象解説なし
現
想定図
可能
(5万
火山情報
地
避難経路図
立入規制の種
美瑛町
北海
図を拡大)図
図内に泥流到
避難所171
類
道地図
は見やすい
達時間記入
泥流からの逃
服装
「火事が起き
上富良野町
他イラスト多
たら」
「地震の
平成 13 年3月
用
時は」
火山情報の種
噴火が始まっ
火山情報の流
道市町
たら災害に備
れ
航業
地図を最大に
取りシンプル
げ方図示
4
十勝岳上富良
51.5×72.8 ㎝
野町
裏なし
想定図
凡例シンプル
可能(2万5
図中に書き込
千図を縮小
み
なし
避難所
解説は泥
流のみ
5
樽前山
42×59.4 ㎝裏
1739 年と同規
凡例大きい現
困難
20 万図
なし
模を想定
象・被害の説
危険範囲の着
類
明雲仙との比
色が濃い
象
較
22
前兆現
えて
風向頻度
年
国際
真ん中で2つ
平成6
折り、めくる
方式
火山名
6
有珠山
1外観
2タイプ
3危険の理解
4空間理解
5避難タイミ
6行動指示
7必要度の低
8発行元・制
い情報
作者・発行年
噴火史
市町村 国際
(タテ x ヨコ)
(メイン図)
しやすさ
(自宅把握)
ング
42 × 29.7 ㎝
1822 年と同規
凡例なし 各
困難
(20 万
地震多発は噴
避難のポイン
裏有り
模噴火を想定
現象の写真
図を拡大)危
火に直結→早
ト(車の渋滞
航業
ケース別に現
険域の着色濃
期避難
長期避難を考
年
(A3)
象、場所解説
い
噴火史、航空
駒ヶ岳火山防
行政資料型ハ
写真 協議会
災会議協議会
ザードマップ
の活動、観測
平成 11 年
巨大
「もし噴火し
火山防災会議
情報コンパク
たら」
協議会(恵山
ト
平成 14
9特記事項
避難場所なし
コンパクト
え教材,カル
テ,家畜の持ち
出し)
7
北海道駒ヶ岳
84.1 × 118.9
特定現象着目
危険度分けあ
困難(250m メ
火山情報の種
㎝
型×3図 そ
るが、どの現
ッシュ図を 1/20
類・発令基準
の他8図あり
象の危険度が
万分に縮尺
裏有り
避難所一覧
高いか不明
8
9
恵山
岩木山
体制
44.5 × 31 ㎝
小噴火と中噴
凡例
項目は
やや困難(2
裏なし
火に分けた想
少ないが説明
万5千図を縮
定図
が多い
火山
小)危険区域
町、椴法華村)
現象の解説な
の着色に透過
アジア航測
し
性なし
平成 13 年
凡例普通
見にくいが可
噴火推移解説
能(20 万図ベ
あり
59.4×84.1 ㎝
典型的ケース
裏有り
想定図
前兆現象
なし
作目的
ース)
10
岩手山
84.1×59.4 ㎝
過去2回から
裏無
の想定図
凡例単純
可能
山の恵み
案内
(5万
図ベース)
なし
避難所の場所
なし
制
観光
火山史
県
砂防地す
キャラクター
べり技術セン
によるナビゲ
ター
建設省 県市
町村
年
23
14 年
平成 10
ーションあり
火山名
11
蔵王山
1外観
2タイプ
3危険の理解
4空間理解
5避難タイミ
(タテ x ヨコ)
(メイン図)
しやすさ
(自宅把握)
ング
59.4×84.1 ㎝
2000 年間最大
凡例簡素
可能
火山情報の解
裏有り
規模による想
王山 Q&A
説
蔵
若干見
づらい(20 万
定図
6行動指示
7必要度の低
8発行元・制
い情報
作者・発行年
避難時の心得
想定条件噴火
県 市町村 砂
5箇条
史火山情報の
防地すべり技
流れ観光案内
術センター H14
服装
図と5万図ベ
については図
ース)
示
9特記事項
持ち出し
品
12
吾妻山
84.1×59.4 ㎝
1893 年実績と
凡例わかりに
可能(2 万 5
火山情報の種
避難経路と方
噴火歴、観測
市町村(火山
泥流について
裏有り
同程度を想定
くい
千図ベース縮
類
向あり
態勢、火山情
防災連絡会
具体的記述
小)
兆現象
報の伝達方法
議)平成 14 年
イラスト豊富
なし
市町村(火山
危険度
不明
学校
噴火の前
名・施設名入
避難
所
避難の心
得
持出し品
り
13
安達太良山
59.4×42.0 ㎝
900 年前噴火
裏なし
凡例標準
可能(5万図
火山情報の種
避難の心得
と同程度を想
ベース縮小)
類
携行品リスト
定
危険区域の色
防災連絡会議)
制作年不明
分けわかりに
くい
14
磐梯山
84.1×59.4 ㎝
1888 年と同程
凡例簡素
裏なし
度を想定
険度不明
危
困難(2万5
火山情報の種
千図を縮小
か)→見にく
い
避難経路
山の写真
火
市町村(火山
類は提示され
山情報の伝達
防災連絡会
るが解説なし
経路
議)製平成 13
年
24
火山名
15
那須岳
1外観
2タイプ
3危険の理解
4空間理解
5避難タイミ
(タテ x ヨコ)
(メイン図)
しやすさ
(自宅把握)
ング
42 × 29.7 ㎝
水蒸気爆発と
凡例簡素
裏なし
マグマ噴火の
険度なし
危
2図を想定
可能(5万図、 火山情報を行
6行動指示
なし
7必要度の低
8発行元・制
い情報
作者・発行年
山の写真
市町村・県
20 万 図 ベ ー
動指示に結び
ダイヤコンサ
ス)
つけ明快 溶
ル タ ン ト
岩流の予想到
H14 年
9特記事項
達時間 前兆
現象
16
草津白根山
72.8×51.5 ㎝
50 年、100 年、 凡例複雑(3
可能(5万図
火山情報の種
心得 噴火時
火山情報の流
町村
裏有り
200 年に一度
種類の想定が
ベース)地名
類
の注意 持出
れ
業
の3種の想定
混在)噴石・
豊富
泥流の到達時
し品リスト
旨
火山灰の解説
17
18
浅間山
焼岳
平成7年
1108 年噴火を
凡例簡素
危
不可能(20 万
裏なし
想定
険度不明
発
分の一衛星
生する現象の
図示
市町村
火が始まった
れ
航業
図)危険域網
ら
噴火に備
の被害
掛け表示で、
えて
地の文見えず
火山情報
避難場所
噴
天明噴火
経緯
国際
砂防地
御嶽山と同型
年
凡例簡素(説明
部分的に可
火山情報(解
防災用品リス
噴火史
裏あり
規模を想定
なし) 火砕流
(20 万図を拡
説・行動指針
ト
情報伝達経路
滑り技術セン
と火砕サージ
大)→見やす
付き)
注意
目的
ター
を区別
い危険域の表
現象
示濃く地が見
にくい
25
前兆
噴火時の
真
火山
山の写
図が見にくい
サブ図が多い
2000 年前と同
度なし
火
平成7
59.4 × 42 ㎝
危険
制の細目
戒呼びかけ
火山情報の流
語の解説
登山・交通規
山ガスへの警
間図示
84.1×59.4 ㎝
火山用
作成の趣
国際航
各村
年
平成 14
式
火山名
19
御嶽山
1外観
2タイプ
3危険の理解
4空間理解
5避難タイミ
(タテ x ヨコ)
(メイン図)
しやすさ
(自宅把握)
ング
59.4 × 42 ㎝
過去 9-2 万年
凡例簡素(説明
部分的に可
火山情報(解
防災用品リス
噴火史
トピッ
村 県 砂防地
裏あり
の実績をもと
なし)火砕流と
(20 万図を拡
説・行動指針
ト
ク火山情報伝
滑り技術センター
に想定
火砕サージを
大)→見やす
付き)
注意
達経路
アジア航測
区別
い危険域の表
危険度
なし
6行動指示
噴火時の
7必要度の低
8発行元・制
い情報
作者・発行年
目的
山の写真
成 14 年
9特記事項
焼岳と同型式
平
示濃く地が見
にくい
20
伊豆大島
88 × 62.5 ㎝
実績図と現象
凡例複雑 地
可能
裏なし
別想定図の混
質学的でわか
5千図)
合型
りにくい
績多い
21
九重硫黄山
(2万
実
溶岩
避難情報(サ
避難時の身支
災害時の情報
町
イレン・打鐘
度
の流れ
平成 6 年
パターンの図
避難所
示)
壕
避難
ヘリポート図
難施設が詳細
示
59.4×84.1 ㎝
想定図だが根
危険について
可能(2万5
火山情報の種
噴火が始まっ
裏なし
拠は不明
は土石流流出
千図)
類
たら 持出品
地質学的情報
が詳細すぎる
桜島と同タイ
避難港
流下区域・避
方向のみ。
国際航業
プ
山情報の流れ
町
危険情報が少
ない
リスト 火山
災害に備えて
避難路図示
22
阿蘇山
59.4×84.1 ㎝
裏有り
不明
噴石・火砕サ
可能(2万5
火山情報
立
火口付近から
ージ・降灰の
千図)地の地
入禁止の赤い
の避難方法フ
危険度区分の
図が薄く読み
吹き流しにつ
ローチャート
境界線のみ同
にくい
いて
山上の避難計
心円上に図示
画図
シンプル
所
26
避難場
火山史
町村
業
国際航
平成7年
火山灰の厚さ
と被害の関係
がある
火山名
23
1外観
2タイプ
3危険の理解
4空間理解
5避難タイミ
(タテ x ヨコ)
(メイン図)
しやすさ
(自宅把握)
ング
雲仙岳
29.7 ×42.0cm
現行噴火対応
土石流のみを
可能(2万5
大雨注意報で
児童・要介護
平成5年度
別 刷 (マ ッ プ
(H5 年まで 13
(広報誌版)
型(+土石流
対象
千図を縮小)
避難準備、自
者についての
建設省復興工
型)を全戸配布
想定図)
凡例無し
取り決め詳細
事事務所+市
分析は広報誌
枚その1例
島原)
避
主判断と防災
難対象区域を
無線で避難開
示すものでシ
始
6行動指示
7必要度の低
8発行元・制
い情報
作者・発行年
9特記事項
版
ンプル
24
霧島山
84.1×59.4 ㎝
500 年に一度
凡例はシンプ
可能(20 万図
火山情報の種
噴火が始まっ
火山情報の流
県町村
裏なし
の想定図
ル絵入り 想
を拡大)
類
たら
れ
航業
前兆現象
定火口別の想
国際
火砕物の厚さ
平成8
と被害の関係
年
火山ガスに注
定のため図は
煩雑
意
火山現
象の解説はあ
るが危険度は
不明
25
桜島
75×54 ㎝
なし
裏
有史以来の実
凡例
績図+大正噴
シンプ
可能
(2万
大規模噴火で
避難先
ル過去の溶岩
5千図を縮
は、噴火が始
港
火規模想定の
流/火砕流/降
小)
まる前の避難
心得 車は使
現象別予測図
灰域の3種
が大切
わない
現象
27
前兆
避難
避難時の
なし
市町
業
国際航
平成6年
伊豆大島と同
タイプ
火山周辺自治体におけるグループインタビュー
1.御殿場市
(1)30 歳代グループ(?印は発言者不明:**印は発言内容不明)
Q : これは 30 歳代、皆さん、で良いんですかね。20 歳代の方もいらっしゃる?若手の会ということでお集まりいただ
いたんですが。もう1 つ 3 時から、ちょっと年配の、ちょっと老眼が入ったような感じの人をお願いしているんですけ
れども。最初にちょっと簡単に自己紹介をしていただきたいんですが。そちらの方から、よろしいでしょうか 。
A : Aと申します。歳は 36 です。今、一応火防隊に所属しております。
Q : 火防隊って言うのは消防団?
A : 印野の消防団と火防隊ってあるんですけど、火防隊の方なんですけど。
Q : それはどういうことをやっているんですか?
A : 一応地区の防災って言うか、そういうのですけど。
Q : 字はどう書くんですか、火防隊って。
A : 火に防災の。
Q : もうずっとお生まれもこちらですか。
A : いえ、生まれは違います。
Q : 居住歴って言うか、ここに、地元に住んで何年ぐらいかをちょっと教えてください。
A : えーと、20 年ぐらいかな。
Q : 20 年ぐらいいらっしゃるんですね。分かりました。じゃ、次の方。
B : Bと言います。生まれも育ちもここの印野です。で、消防団に所属しています。あとは何を?
Q : お歳を伺ってもよろしいですか。
B : 歳はですね 36 歳です。
B(妻): なるんでしょう。
B : なります。申年です。
Q : では。Cさん、ちょっとお願いします。
C : Cです。歳が 34 です。で、生まれも育ちもずっとここです。消防団に所属してます。
Q : はい。では。
D : Dと申します。年令は 35 歳です。生まれも育ちも印野です。今、消防団に所属しております。
Q : 三十幾つでしたっけ?
D : 5 です。
Q : で、奥さんですね?
D(妻): はい。
Q : じゃ、これで、7 人ですね。じゃ、ですね、このマップを見てもらいたいんですが、こちらのマップが、一応、両方
とも試作版で、配られるのはちょっと違うみたいなんですけども。こっちが御殿場用、で、こっちは富士吉田用なんで、
これ参考程度で。こっちを良くメインで見ていただきたいんですけれども。こちらの方が表ですね。ここが表紙になる
んですけど。ここに過去の被害と言うんですかね。で、これが広い目のやつ。海の方まで出ているやつが広めのや
つがあって。で、ここにこれから起きる可能性のある火山現象、溶岩流とか火砕流とかの説明が載っています。それ
からこっちにもっと広い範囲でこう火山灰が東京の方まで行くよって言うことが書いてあります。で、こっちは火山灰
について風向きによって東京の方まで行く、千葉の方まで行くと、西風が強いとこうなると、言うことが書いてあります
かね。で、ここに火山灰があったらというので、火山灰の時の注意事項、マスクをしてどうのこうのとか、そういうような
注意事項ですね、が書いてあります。それからあと、ここに「富士山の豊かな自然との共生」と言うことで、火山の被
害とは関係ないんですが、良い事が書いてありますね。火山の鍾乳洞とかこう豊かな自然があって、水がおいしいと
かですね、そういうことがここに書いてあります。
それから、こっちがメインの画面の方ですね。で、これがこう、富士山の山頂があって、こっちに駅がある。**駅
がある。こういう図になっています。ちょっとこれを良く見ていただいて感想を言っていただきたいんですけれども。
具体的にここを見てもらいますと、ここの赤い部分が、ここに凡例がありますが、火口が出来る可能性のある部分で。
このピンクが噴火しそうな時にまず避難しなくちゃいけない。で、黄色が直ぐに危険にならないけれども、避難が必
要なところ。で、青は暫く経って大変な時に避難しなくちゃいけない。こういうように分かれています。後、ここら辺に
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こう点々がある。火砕流の危険性ですかね。それからあと噴石、溶岩流と、こう書いてあります。ちょっとこれを見てい
ただいて、バッと見ていただいて見易いかどうか。なんか改良点があるんじゃないかというような 話を忌憚のないご
意見をいただきたいんですが。何か思い浮かぶことってありますかね。
例えば自分が今住んでいる所はどこかとか、なんかそんなのが分かり易いとか分かりにくいとか。そういうのはどう
でしょう。
B : どうかな。地図が薄いかな。薄いって言うか。
D : 下のでしょう。
B : 地元の人が見てもどこが自分の家かって見つけるのがちょっと大変かな。
Q : 地の地図が薄いと。
D : あと、これ、国道だけですよね 、色が付いてるのは。もうちょっと、県道・・県道と言うか主にそれぞれの住んでい
る人がメインで使ってるっていうか 、御殿場市の人が大体分かる道路に色が付いてるといいかなと思いますけど。
Q : やっぱりその辺で道路が見にくいですか。
D : そうですね。国道しか出てないんで。例えば例を挙げると、原里中学校まで来ている国道があるんですけど、
その国道は交差点からいきなり分岐で曲がるんですよ。でも実際生活している人間は、そこは基本的には真っ直ぐ
駅まで行ってる道だっていうイメージがあるんで。ある日突然、国道に繰り上げになったんで。その辺がちょっとイメ
ージと違っちゃって、この道はどこだろうと言うような感覚になると思うんですけど。
Q : 国道だけでもなんか分かりにくいと。
D : そうですね。
Q : これパッと見て、皆さんお住いの家っていうのは場所は分かるようになっていますか。
Q : 大体どのゾーンにあるかって言うのは分かりますか。
女性 : この丁度、印野小学校が線になちゃったから。
D : 丁度ね、たまたまこの「施策」って言うラインに乗っかっちゃってるんで。
女性 : でも学校の位置が分かれば、行ける・・。
D : 県道が色が付いてると分かりいいよね。
? : この四角は?
D : 小学校。
? : 小学校エリア?
D : の校庭じゃないかな。
Q : それがですね。なんか右の方にその意味が書いてあります。その色が黄色みたいなエリアですよね 。
D : 「**可能性のある避難施設」、印野小学校だろう。
? : それで使えないかもっていうんだね。
D : なんか道に色が欲しいよね。思わない?たぶん、**道路とかさ。だから主に使っている生活道路、メインとな
るのは県道だよね、家からの。県道に色が無いから。例えば、この印野小学校 って言う字がなかったらまるっきり分
かんないと思うんですよ。
? : 難しいね。探すのね。
B : 具体的に噴火があった時にはこの白い所に逃げなさいよって言う地図なんですかね。
Q : うん、白いところは危険性が全然無い所なんです。
B : 御殿場市のところ、御殿場だけをもうちょっとクローズアップした方が良いかなと思ったんだけど、殆ど御殿場は
危険だからね。
? : 御殿場は逃げられるところ無いと思うね。
Q : ただまあ、色分けしててより色がなんか青い方に行くと。
B : 山頂が入ってるのは大事かも知れないかもしれないけど、入ってなくても、この辺がもっと大きくても良いのかな
と。
Q : 市街地の部分ですね。
D : 裾野だよね。須山じゃないかな。
B : これ須山?
? : これがこっち側。**。須山だから、ここ***。あの**。
? : この辺はあんまり御殿場には関係ないから。
? : 関係ない。
? : この辺がでかいのがいいのかな。
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Q : 噴火して山の方に行く人はいないですからね 。
? : これはもう富士五湖。
Q : あと、どこに、今白い所に逃げれば良いんですねっていう話しだったんですが、どこに逃げたら良いかっていう
のは分かりますかね。
A : 結局、黄色いところはもう火災が起きた時には避難場所は使えないということですよね。この地図だと。
Q : ええ、そうなってますね。黄色いところの避難場所は。
A : 黄色から赤、赤は絶対に使えないって言うことですよね。
Q : そうですね。それが書いてありますよね。じゃ、どこに逃げたら良いのかって事ですよね 。
A : まあでかい所は書いてあると思うんですよ、小学校の避難場所とかは。それ以外にもたぶんたくさん避難場所
というのは設けられていると思うんですけど、そこが 1 番近ければマップに沿って逃げると思うんですが、そういう所
書いて無いと思うんですよ。たぶん小学校のでかい所、でかい所しか書いてないんで。
Q : 大きい小学校の避難場所しか書いてない。とりあえず、どこに行こうと言ったときに、それは分かりますか。その
行き方とかは。そこに書いてあるような 大きな避難場所が書いてあるんですが、そこにどうやってどう行けばいいか、
なんていうのは分かりますか。
D : 土地勘がある人だったらこの名前で全部分かりますよ。
Q : それは分かりますか。はい。どうしろとは言って無いんですよね 、ここではね。
? : ここにありますよっていう。
Q : ありますよとりあえずって言うことは言ってるだけで。
D : 例えばこの地区の人はこっち方面にとかっていうふうにしないと、例えば極端な話し、家族がバラバラの所に行
くとかってなるじゃないですか。それはきっと市とかが、市の方がじゃあ、印野地区の人はこちら方面にとかっていう
ふうにしないといけないと思うんですけど。個人のレベルじゃこれでどっちに行こうかって、逆に風向きとか考えて逃
げなさいよっていわれても、難しいって言えば難しいですよね 。
Q : 具体的な指示が欲しいっていうことですね。
D : そうですね。せっかく地図を作って配布していただけるんであれば、各部落ごとに方面を大まかな、こちら方面
はじゃ印野地区とか、こっちは玉穂地区とか。それ以外の場合は、市街に逃げる場合は、じゃ、どこの、市のどこに
行けば一応窓口になってるよって言うようなものがあればね。行政と一体となってやらないと出来ないと思うんです
けど。
Q : そうすると避難場所も印野地区の人は遠くだったら、ここだよみたいなのはほしいと言うことですね。
D : そうですね。
? : 市の防災課**。
D : 防災課。うん。
? : あれ、もう今日決めないといけない**。
D : **。
Q : 後はなんか気が付いたところはありますか。
Q : 線の意味とかは分かり易いですか。青とか赤とかいろいろありますね。線が。
Q : 色分けですね。線とか。色分けの意味とか。いかがでしょうか 。
B : 素人さんって言うか、一般の方が見て、溶岩流がどういうものだとか、火砕流がどういうものだとかって言うのは、
これは裏とかに書いてあります?
Q : 裏にちょっと書いてあるんで、ちょっとそれを見ていただけますか。意味がね。それを見て覚えた上でこっちを
見ないと。
B : 同じページに載せるわけにいかないんですか。
Q : 同じページに載せてくれると分かり易いんですけど、たぶん大きさの関係で。でもそれはでも良い提案ですね。
同じページにあった方が分かり易いということですね。
B : この写真の下に例えば点線が、表示があると。
Q : なるほど。
D : あと点線の地図の方には火砕流とか溶岩流とか書いてあるじゃないですか、線と一緒に。こちらにも火砕流と
かいうふうにはできないですかね。この点線の色の前に、この名称があれば、これについての線がこれだと言う、色
を見るだけじゃなくて字でも。
B : これと同じものがここに欲しい。
D : そう、ここに同じものがあれば。
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Q : 凡例に点線の所に添えてある字も、凡例に点として、載せてほしいと。
D : そうですね。この頭に火砕流とか。これと同じ色であれば良いかなと思うんですけど。
Q : 後、その今裏側で見てもらったいろんな火山現象の説明がありますけども、その記述なんていうのは、ちょっと
読んでもらえます。読んでみて分かり易いですか、それともちょっと難しい、小難しい感じですか。
B : こっちも大体同じことだね、書いてあるのはね。
良くやさしい字で書いてありますよ。おばさんが読んでも分かりそうな。「たくさん積もる」とかって書いてあります
よ。
D : 次の行動がやさしいって言えばやさしいよね 。「余裕を持って逃げた方がいいよ」とか「必要ですよ」って言う感
じで。何て言うのかな、「逃げてください」じゃなくて「逃げた方がいいよ」っていうような言い方。どっちが良いのかな
こういうのは。
Q : 口語的な感じで書いた方が良いのでは無いかっていう。
D : そうですね。まあこのぐらいで平気だろうと良く逃げ遅れる人がいるじゃないですか、そういう意味では優しく、
「こうした方がいいんじゃないの」って言うよりは「こうしなさい」の方が、逆に。
Q : 命令調の方が良いと行動指示は。
D : その方が取り残される人も少ないかなって言うように感じますけど。
Q : 、じゃ、「逃げた方がいいよ」じゃなくて、「逃げなさい」みたいな「逃げてください」。
D : そうですね。結局誰も経験が無いんで。これが危険なのか危険じゃないのかの判定を個人レベルでされるとマ
ズいかなとは 思いますけど。
Q : 行動指示をある程度決めて欲しいと。
D : そうですね。
Q : 表現は優しいけれども、もっとどうしろと言うのはきっぱりと言い切って欲しい。
D : そうですね。個人的にはそう思いますけどね。
Q : 後他の方何かありますか。Aさん辺りはいかがですか、そちらの方では。同じことが書いてありますが。
A : まあ分かり易く書いてあるんですけど、ここを例に上げると「余裕を持って逃げることができます」とかこの「人が
歩く程度なので」って言う程度。このくらい、おばあちゃんにしろありますよね 。それで「余裕を持って逃げることが出
来ます」というのは、ちょっとなあっても思うし、それとあと、こっちでは「巻き込まれると死亡します」って書いてありま
すね。で、これだけざっと読んじゃうと人事のようにこうなっちゃうんですね。で、本当は危険なところだったら赤字で
書くとか、そういう
強調した言い方でやっぱり書いた方が。
Q : 「人が死ぬことがあります」って言われても、死ぬのは自分たちですからね 、それは人事じゃ無いですよね 。
あと何かありますかね。どんどん。何でもいいです。どんなところでもいいんで、気がついた所を。全体的な字の
大きさとか、そういうのはいかがですかね。ま、皆さんのレベルだと問題はないですよね 。
D : あと避難する場合だと、服装があるじゃないですか。その他に例えば最低 3 日間必要な持ち出すべき食糧なり
水なりの量とかその辺のポイントみたいなのが一緒に記載してあれば、逆にこの「富士山の豊かな自然と共生」なん
ていうのはこの地図には要らないかなと思うんですよ。危険ですよって言ってるのに、逆にこういうのもあるんですよ
って言うのは要らないんで、却ってそういう
避難に必要なものとか、こういうものを持っていったほうが良いとか、水は
何リットルとか。そういう避難の時に一緒に持ち出すものを優しくここに入れてもらった方が、まあ、場所は別ですけ
ど。あえてここにこれは要らないかなと。
Q : 皆さん、いかがですかこの「共生」は。でもここにも写真があることはあるんですね。御殿場用には無くて富士吉
田用にはここに、「避難に備えて準備しましょう」がありますね。
D : あ、本当だ。全然違いますね。
Q : でもこっちにも共生は、こっちにもありますよね。無いものは。
D : こっちの方が地図が大きいからですね。これもあれですよね 、例えば、よく今テレビ等でやるのは、例えば水だ
ったら人が 1 日何リットルでどのくらい必要だっていうとこまで書いてあるんで、これだとアバウトすぎますよね 。これ
だと感覚的に自分が背負える分で、水の備蓄っていうか 1 本持って行けばいいかなって言う感覚ですけど、本当に
その必要な量ってあるじゃないですか、そういうのは本来はこのくらいの量が各家庭で備蓄しておくべきだっていう
のがあれば。
Q : 量は書いてない。何日分とかね。
D : 無いですね、こっちには。
Q : 「噴火しそうな時」「噴火が始まった時には」って言うものも無い。
D : ここにはありますね。
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Q : それはありますか?
D : はい。
Q : それ辺はどうでしょう。「火山情報に注意しましょう」っていうのは**。**「
勧告、指示に従う」これは同じです
か。
D : 一緒で。
B : これは、この部分は全く同じ内容でここに載ってるじゃないですか。
Q : 避難する時の格好ですね。
B : ええ。それがギュッと凝縮されちゃって。
Q : 小さくなっちゃってると。
B : ええ。やっぱりこっちの方が見易い。*。
Q : ちょっと小さめになってますね、「避難する場合には以下に注意しましょう」を大きくした方がいいんじゃないか
と。
B : それと水のやつはやっぱり、自然との共生?
Q : 水は必ずあるんですよね 。両方必ずあるんですよね 、水は旨いと。
D : なんでそれを入れたいんですかね。要するにあれですかね 、怖く無いというか怖さだけを強調しないって言う
ために出てるんですかね。あえてこれは要らないと思いますけど。
B : これが結構ウエイト占めてるから、その分他がもっと広くなれば見易いかなって。
Q : それから後地図の字の大きさって言うのはどうですか。地図の中の字の大きさは。
B : 俺らは平気だよね。
Q : 大丈夫。
D : ちょっとおばさんたちはどうかな。
B : 太さがね。
D : 太さがね。大きさはいいんですけど太さが、もうちょっと細い方が。例えばこの辺ですと、ゴチャゴチャゴチャっ
てただ赤いのが、却って読みにくいって言うんですか。
? : この辺も。御殿場小学校は分かりにくい。
Q : 避難所の字が赤くなっているけど太すぎて読みにくい。
D : そうですね。大きさはまあ、赤字のは、ポイント**。
Q : 僕らはいいですってね。
B(妻): でも1 回見て自分の所を知っちゃえば、もう大体ここって言うのが分かるから。
Q : ちょっと女の人の意見は違うようなんですが、奥さんの方たち。いかがですか、地図の見易さって言うのは男と
女、違うようなんですが。
C(妻): **まだ 2 年も経ってないんで、2 年も経ってから。
Q : そうだ、そうだ。
B(妻): 学校を探して、自分の所っていうか 、これは確かに学校を出してるからいいと思うんですけど、今言ったみ
たいに 1 回この地図を見てここが印野小学校だ、じゃこの辺だっていうのが、1 回見ればもう次ぎ見るときはこの辺と
言うのが分かるから。
Q : これたぶん全部の小学校これ太字になっているわけじゃ無いですよね 。
? : 違いますよね。
Q : 避難所にたまたまなってるところだけ。
B(妻): あ、避難所になってる所?
Q : うん。印野小学校は避難所だから赤くなってるんですが。この辺にも小学校あるでしょう?
? : 玉穂小はあるけど中学校は無いからね。
女性 : 西中学校ないんだけど。
? : 西中は無いよね。
? : そういうの入れてもらった方がいいよね 。黒字かなんかで。
? : かまど幼稚園とかあるしね。
? : そうだよね。
? : 中学校は**。
Q : それはあまり馴染みが無い、中・高やかまど幼稚園は。
? : あるんですけど避難地なんですよ。
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Q : 避難所だから。
? : 書いてあるんですよ。
D : 目標物があった方がいいですよね 。
Q : 目標物ね。
? : これただ地図がもっとはっきり分かれば目標物無くても分かるじゃない。
? : 地図が細かいからね 。
? : だからもっとこれがでかければいいんだ。山頂は要らないからって。
女性 : ここに書いてあるのがこれ 。
? : そうだね。
? : ここで道路が分かんないですよ。どこに道路があるのかが。
Q : 道路が分かんないですよね 。余計なものが入ってるんですよね 、等高線とか、後ここのなんかこう。
? : あ、そうですね。
Q : 森林の利用方法とか。地図が地形図そのままだから。
? : そのままですね。
? : 全リンの地図の方が分かり易い。
Q : そうですね。道路地図ですね。
Q : で、2 年目の奥さんとしてはどうですか、これは。
C(妻): わかんない。でも小学校とかがあれば。駅が**。
? : 駅がどこにあるか分かんない。
Q : 駅も、あれも、御殿場駅って黒く書いて無いんですよね 。
C(妻): 書いて無いんですね。だからどこの駅か分かんないですね。
? : ここ御殿場がある。南だな*。
Q : 駅の名前ぐらいはほしいですね。
? : ここは南でしょう。南御殿場。これ分かる人は分かるけど
? : 違うよこれ、岩波だよ。神山じゃないここ。南御殿場無いでしょう、これ。藤岡か、南御殿場、どっちかが無いはず
だよ。
女性 : 藤岡がないんじゃない。
? : だってここ神山より下だから岩波でしょう。
女性 : **だから。
? : この辺じゃない**?
女性 : 南**。
Q : 駅がよく抜けてるし、名前も無いから分かんない。
女性 : 混乱しちゃう、今みたいに。
Q : 混乱しますね。
Q : 富士岡駅が無いのかな。
? : 南御殿場がありますね。黄色が下に行ってるもんね。
? : ここ足柄?
? : そうそうそう
。
Q : やっぱり奥さんとしてもこれ、新しく入ってきた新住民としても、これは分かりにくい。やっぱり道路が書いてない
のがわかりにくい、それとも目標物がもっとたくさんあった方がいい。
C(妻): あんまり多すぎても困る。分かんなくなっちゃう。道路かな、グチャグチャ。
B : 例えばこういうふうな 状況になったときってトイレとかって困ると思うんですよ。その時にコンビにとかってよく指
定されて、あとはガソリンスタンドとか。だから地震の時はよくそんなこと**ですけど。そういうコンビニのマークで点
みたいな、星マークとか。
Q : コンビニとかスタンドとかが書いてあってもいいんじゃないかってね。トイレ用にね。
B : そうですね。
Q : それからあと、美瑛って言うところで、十勝で聞いたときはこの等高線とかは要らないんじゃないかっていう話な
んですが。こういうものはもう、道路地図にはあんまり、薄くしか書いてないですけど、その辺はどうでしょうね 。それと
もまあ、上下がわかった方が良いと言うか。
B : 等高線を見て逃げる?
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C : この辺は赤い範囲があってもいいかと思うんです。こっちはまるっきり要らないので。余分なものは消してもらっ
て、道路だけ。
B(妻): 白い所に逃げると良いってこと?
Q : ただ白いところは事実上山だから。
B(妻): そうなんだよね。だからそれがね、今、こっちに逃げるって言ったけどこっちは山だし、実際に私達が見た
時に、「避難しなさい」「逃げなさい」って言われた時に、どこに、どっちに行けばいいんだろうって迷っちゃうから。
? : どっちに逃げなさいって方向が。
B(妻): なんかそういうちょっとアドバイス、どっち方面にどこどこが混雑しそうだけど、こっち方面にとか、って書い
ていただければ、女の人は。結局「お父さん、どうする?」みたいな。
B : この地図は、こういうふうなところがこういうときにはここが危険ですよって言う地図だから、白い所に逃げろじゃ
なくて。
C : 逃げなさいの地図じゃないよね。
B(妻): ここは危険ですよって言う。あ、ここが危険になりますって言う。
Q : 逃げなさいの地図じゃないってことですかね。
C : そうですね。危険ですよねの地図だよね。
B : そうですよね。だから自分でここは危険なんだっていって例えば沼津に行くとか。
C : 遠くの親戚に電話掛けた方がいいよね 。
B : そういう地図だと思うんだけど。
B(妻): え、でも、やっぱり避難するのにこれ 参考にするでしょ。
B : するから、例えば。
C : 例えば自分たちが住んでるところはもう直ぐ危険だから、もしもの時は直ぐ逃げなきゃっていう、気持ちになって
なさいよって言う地図じゃないの。
B : 溶岩流だよっていったら、ああ、じゃ、ここまで来るんだろうなって。
B(妻): じゃ、これを見て事前にどこにどういうふうに避難するって言うのを検討しておいてって言う、参考にするた
めの。
? : そう。
C : でもこれ見た限りじゃ御殿場から出ろってことだ よね。
? : そうそう。
Q : ただまあ、この辺とこの街の中心では色が違いますから、かなり安全性はこっちに逃げれば高くなるわけですよ。
例えばこっちの方に親戚とかね、いれば、こっちよりも安全だからとりあえずそこに行こうかということは考えられると
思うんですけど。
B(妻): 私なんかはもう何年も印野にいるから、これを見て、この辺は山だとかこっちも演習場って言うか、そういう
のが分かるけれども、実際、分かんないですよね 。だから例えばこの 小さい版でもいいけど、写真みたいなこういう
地形になってる。ここがゴチャゴチャしてる。
C : こっちじゃなくて
B(妻): 何ていうんだろう。
Q : 航空写真見たいのが分かり易い?
B(妻): そうそうそうそう
。カラーでなんか山、こっちが山でここが街でとかって言うのが。
Q : 絵なんかだとこんな絵はあったりするんですけど。で、
B(妻): そうすれば見方が、雰囲気を掴みながら見るから。
Q : 航空写真だとこうなっちゃったりするんですよ。衛星航空写真。
? : あー、みんな緑になっちゃう。
Q : みんな緑になっちゃうんですよ。絵の方がいろいろ分かるかも知れないけど。ちょっととにかく地形図って言うの
はわかりにくいって言うことですね。
B(妻): イメージしながら見るのがやっぱりこう。ちょっと女として。
Q : イメージがしにくい。
B : 男はこれでいいかも知れないですね。
Q : そうなんですよ。女の人は地図を見るのが不得意な人が多いと思うんですよ。なんかこういうのをなんか見せる
らしいんですが。昨日の新聞でね(静岡新聞2月7日付掲載のコンピューターシュミレーション図を提示)。これ、でも、
これ全然、道路は書いて無いですから。だいぶ図上には**けど。
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B(妻): でも。
? : みんなもう溶岩の**。
? : ここ流れてるよ。
B(妻): でもこんな感じでもイメージ付け易いっていうか 。
Q : 立体図の方がまだイメージが。
B(妻): ちょっとそういうのが、ちょっとでも載ってれば、これはこれでいいんですけど。
B : どっから火吹くか分かんないですよね 。ここから吹いた場合のですよね 、例えば。これだってこっちかも知れ無
いし。
B(妻): **の仕方によってはこっちに**。必ずこっちに**。
B : だから吉田の方にも。だから吉田があるんだよ。向こうが。
Q : 吉田の方の山よりも吉田側に火口が出来る場合がありますから、その場合には当然溶岩こっちに来ませんね。
B : そういうふうにしてもらえば良いんだな。穴掘ってもらうか。
B(妻): あっちで噴火してもらおうよ。
Q : 山頂から吹くことは滅多に無いらしいんですよ。
B : もう、じゃあ。
Q : 山腹のどこかからなんで。これだとやっぱりこちら側にもかなり出来る可能性がありますから、それによってずい
ぶん対応違うと思いますけどね。
そういうことで女性にとっては非常に見にくい地図である。男性にとっては何とかっていう感じなんですかね。
B : さっきみたくこれでかくなると結構分かるんじゃないかなって。
Q : 縮尺を大きくして細かいところまで見れるようにすると分かるようになるんじゃないかと。
B : 思うんですけどね。
C : さっき言った余計な線がなくなれば大分地図自身もすっきりしてくると思うんで。
Q : 余計なものがね。
C : それがあるんで余計分からないんですよね 。それでも元々あった、ほら地図に。ポンと乗っけちゃっただけでし
ょう。
Q : 殆ど変わんないですよね 。観光地図なんか、別に余計なもの無いから、新たに地図作れば。何か聞きたいこ
と。
Q : 僕、ちょっと聞きたいなと思うのは、1 回閉じてもらって開いたら、どこをまず普通見るのかなっていう、どういう順
番で知りたい情報なのかなって言うのを教えていただきたいんですけど。
Q : こういう
状況でまあ、閉じたら。やってみてください。こっちはこっちでやってみます。これはでも違うこっちのや
つだろう。
Q : どう見るもんなんでしょうね 、こういうのって配られてくると。
C : こっち。最初こっちだよな。
B : メインの大きな字で。ダンの小さいのはあまり先には見ないですね。
C : やっぱりこういうのは後でゆっくり。
Q : 説明文は。
C : は、見るって言う感じで、とりあえずは自分が住んでいるところがどこなのかって言うのをやっぱり見つけに行き
ますよね。
Q : それが最初ですね。
B : ここで初めてこれ見た時にも自分の所探したですよ。
C : そう、で自分の家がどこで、この黄色はなんなんだろうなとかっていう
感じで。で、最後に、最後はやっぱりこっ
ちですね。
Q : 説明。
C : 説明は最後。
B : 1 番最初に見た時に黄色はなんだなって。読むよりも、そこにやっぱり写真が、黄色はこれだって。
C : まるっきりさっきのこれは見ないですよ。
Q : 「自然との共生」は見ない。
C : やっぱり防災マップなんで、これは別にねどっちでもいいって言うか。
Q : 後、左下の過去のやつはどうですか。
C : これは落ち着いたら見たいかも知れないですよね 。やっぱり自分が住んでいるところの色と昔の状況を比べて、
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「あ、こっちにもやっぱり来てるんだな」って言うのがあれば余計。気にするっていうか 、不安には当然なりますけど。
Q : 過去に、「あ、自分の家は大丈夫だったんだな」と思ったらどんな感じになりますかね。今回は、次はどうだろう
って言う時には、安心できますかね。
B : 家が平気だったら思うかもしれないね。そこだけ丁度流れが決まって、地形が同じなら大体結構流れが同じに
なる。
C : かすっているようじゃ気になりますけど、まるっきり自分たちの範囲が白だったら。
Q : 今回も大丈夫かなって言う感じですかね。
? : 実際、これ家が分かる?自分の家とかが。
Q : 分かんないですかね。
C : 分かる、この辺だもん。溶岩流の範囲に入ってるか入って無いかだね。
女性 : 溶岩流の範囲にいるって聞いちゃうと、来そうな気がするとかって。
C : でもまあ、こっちを見ると、過去のものを見ると御殿場市の大半が入ってるわけじゃないですか。部分的に白い
所もあるんですけど、例えば今のこの時の巣のちょっと上は白なんですよ。来なかったみたいに書いてありますけど
溶岩流は傍を通っているんで、やっぱり不味いかなっていうのは。やっぱりオタニダニの辺なんだよね 。丸尾ぐらい
かな。
Q : 後その説明を見て怖いなと思うのはやはり溶岩流ですか、まずは。順番って分かんの?
C : 分かんないですけど、まあ。火砕流、火砕流って言う言葉を何年前から聞いて、火砕流は怖いなっていうイメ
ージはありますけど、基本的にたぶん子供とか、自分が子供だった時に怖いのはやっぱり溶岩の方が怖いなって言
う気持ちが個人的にはあるんで。
B : 1 つは例えば噴火なり、火山、始まるじゃないですか、1 番最初の所から火山の流れって言うか。最初に溶岩流
が来るよとか、例えば火砕流の方が先に来るよとか、そういうのは決まってないですか。
Q : 噴火のプロセスが分かったほうが 良いって言うことですよね。
Q : どっちが先に来るか。
B : どっちが先に来るんですかね。それを書いてない。普通はどっちが先に来るんだろう。
C : 例えば土石流ってあるじゃないですか。御殿場って川無いんですよ、富士山からは。そうすると例えば雪をこう
やって背負ってると土石流が来るよって書いてありますけど、イメージの中には川が無いんで、御殿場は土石流は
無いだろう思っちゃうんだけど。
B : でも、前にはあったんですね。砂田を。
Q : 土石流ありますね。この地をずうっと伝わってきますから、川が無くても。小さい川って言うんですかね。チョロッ
とした川でも。
B : 何時も流れてない川を。
Q : そうです。これはでも後ですよね 。噴火があって灰が積もった後ですから、何日か後ということですね。積もる方
が先ですよね 。融雪火山泥流は直ぐ解けて、熱で溶けて、雪が、ありますけれども。
B : 1 番最初降灰ですか。
Q : 降灰、噴石ですかね 。降灰じゃ死なないです。家が潰れるって言うことはありますけども、相当積もった時です
ね。前、降灰で死んだ人はいないと思うんですけど。こっちで死ぬ人は多いですね、土石流で死んだ人はいますね。
溶岩流でもあんまり死なないんですよね 。
B : これ流れになってるって言う、例えばこうなって、こうなって、こうなって。矢印のような。
Q : シナリオみたいにね。シナリオほしいですな。
Q : 写真はあった方がいいですかね。
B : いいですね。
Q : 写真はいいですね。
B : こっちも欲しいですよ。
C : 写真が無いと、こっち、写真が無いじゃないですか。写真が無いとこっち全て安全なんだなと言う気持ちが。起
こっても大した事無いんだなっていう気になっちゃうんですけど。
? : **。
C : 分かんないけど。
? : 安政地震の写真って。
C : 写真は無理だけどね。
? : 水蒸気爆発の写真・・。
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Q : やっぱり危ない物は写真になってるでしょうね 。やっぱりね 。
? : そうですね。
Q : マップについてはそんな感じですかね。後ね、大きさとかはどうですか、全体的にこれ新聞見開きの大きさなん
ですけど。これもらった時にどうするかと言う。
B(妻): この大きさだと絶対に仕舞っちゃってそのままだろうなって。
B : ここの間にこうやって入れてどっかに入っちゃう。
B(妻): そう。だから、これはこれで読むためにはいいかもしれないけど、この地図はなんかね 無理やり貼っちゃう
ような形にしちゃった方が 1 番危険なところでしょう、御殿場のこの辺は。だから。
Q : ということはもう少し小さい方が貼り易いということですか。
B(妻): これはこれでいいと思うんですけど。
B : これと同じ例えば地図なら地図を1 部作ってそれを例えば家庭に貼る、どこかに。
B(妻): 「気にしてください」、「
気を付けてください」みたいななんか。そうすれば、貼ってあれば自分が**。
Q : これは持って逃げたいですか。
B(妻): 持って逃げるかも、私だったら。
B : お前はね。
B(妻): 私だったら持っちゃうな。
B : **。
Q : 小さかったら実際に貼られます、じゃ、皆さん。家には。
B(妻): ここまで大きいと貼らないなって。
D : 貼らないんじゃないの。基本的に関心のあるなしは市の広報誌を配ってもそうですけど、関心の無い人はその
ままみんな捨てちゃうんですよ。だから、どんなに配る側が気にしてもそれは根本的に一緒だと思います。気にして
る人はきっと何時も気が付く所に置くだろうし、気にもして無い人は「そんなのあったの?」っていつの間にか捨てち
ゃってるだろうし。
B : 気にしてる人は拡大コピーしても貼る。自前で。
D : でも各家庭 1 つじゃなくて 2 つ欲しいかなって。
Q : と言うのは。
D : 何時も手に取れる所に置いておくのと、後は例えば。最近、避難する物とかそういうものを備蓄したりしている
家庭も結構あるみたいなんで、それと一緒に置いて・・。
Q : 防災用品と一緒に置いておくのと、何時ものと。
D : そうですね。それと何時も目に付くとこ。
B(妻): 防災のリュックに入る程度のものが、何時も、だからそこにあれば必ずなんかあったときに避難バックって
いうか リュック、そこにはあると思って出して見るかも知れない。
? : 避難リュック。リュックの中に何でもあるぞ。水も。
B(妻): 何でも。
B : 最近良くこういう
紙で雨に濡れても平気な紙がありますから。持ち出すんだったらやっぱり雨のときとか考えて。
Q : 携帯用ね。
B : 強い紙で。
Q : 防水加工。
B : いいかなあってね。泥だらけになっても水洗いひとつで**。
Q : カレンダーと一緒にするとか、そういうのはどうですかね。
D : カレンダー・・。逆にカレンダーが付いたようなポスターとかって、大体次の日に皆さん捨てるでしょう。
Q : そうですか。
D : だからカレンダーは無い方が。
Q : 例えば印野地区だけを大きくして、印野地区に必要な情報だけをある面に載せようとすると他の地区も必要に
なってきますよね 、たくさん分割地図が。そうすると何枚もの地図になってしまう。だけど必要なのは印野地区だけ。
それぞれの地区が、というとカレンダーみたいにして 12 ヵ月あったら、ある所だけ、印野だったら印野地区だけをや
ってしただけを捲っていくとかね。そういう
方式は・・。あるいはもう本にしちゃってそういうふうに 道路地図みたいな形
にしちゃうとか。
B(妻): 道路だとカレンダーにならないでしょう。
B : 本だったらとっとけば。取っとけば。
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B(妻): だから逆に取っときたいから本の方が良い、カレンダーより。
Q : 冊子スタイル。
D : 見開きのこういうのは俺も欲しいわね。本は本で欲しいわね。本だったらこっちが載っても別に文句言わないだ
ろうと思うし。
B : は、いいね。どうしても先生が載っけたいって言うんだったらね。
D : だから、こちらの方はその地図メインで、本の方はいろんな情報とかね、そういうの載せてもらっても。
Q : 貼りますか?これ。事務所に貼りますか?
B : 俺のエリア。
B(妻): そう、あんたのところの部屋にね。自分ちのとこじゃなくて。
Q : やっぱり家に貼るとなると。
B(妻): どっかに貼りたいなとは 思うけど、でも、家に・・。
Q : インテリア的にどうですか。
B : お前のエリアには嫌だって事でしょ。私のエリアに入れたいって事だよね。
B(妻): どっかに貼りたいから、あなたの事務所の。
Q : 自分の家には貼りたくないけど、事務所みたいなとこならいいだろうと。
B(妻): でも、どこかには貼って何かあったときには直ぐ見れるような状態にはしてたいなと思う。
B : **。
Q : やっぱりこれだけのものだとインテリア的に違和感がありますよね。公民館辺りには当然貼ってもらうでしょう。
B(妻): でもせっかく配ったらみんなに活用して欲しいというものもあるから。一番目にし易いところにね。
Q : じゃ、事務所だったら貼ってみたいと。えっ?折った状態?
女性 : 折った状態だったらリュックの中に入れておける大きさ。
Q : ああ、折った状態なら。
女性 : ***。
Q : こんなところですかね。
Q : 避難所のリストが載ってますよね 。それなんかどうでしょうかね。
? : いいと思うけどね。
Q : パッと見てそれで分かるようになって。
B : これって御殿場の方に配られるんですか。
Q : そうです。
B : 全部?
Q : 全員、一戸ですね。
B : だったらここに番号付けて、こっちにも番号を付けてもらえると。
Q : ああ、なるほど。
Q : こんな名称入れないで、数字で置いちゃう?
B : いえ、名称も。
Q : 名称も入れて数字も入れる。
B : そうそう。数字だけでもいいかもしれないけどね。見易いって言ったら。各支所が無いんだね。**。
? : 避難場所指定されてるとこだけ?**。
? : 支所が**。
D : だって、逆に消防署って頭にあるじゃん。分署が無いわけじゃん。警察署があるじゃん。要らないよね、駐在所。
居ないことが多いじゃん、駐在所って。駐在所に連絡とっても何もしてもらえないでしょ。
Q : 連絡先のところが。駐在所はあんまり意味が無い。で、却って意味のあるところは、抜けてるところはありますか?
? : 支所もあんまり連絡しないよね。
Q : 市役所はあってもいいけど、市役所の支所とか書いてあるが、それは要らないんじゃないかと。
D : 市役所の支所は無いようだね。駐在所って言うのは要らないと思うんですよ。
Q : これは人が居ないことが多い。
B : 掛けたところで人ひとりしか居ないもんね。
D : 支所はあってもいいけど、防災課とかって要らないですよね 。防災課動かないじゃない*。
Q : 市役所、総務課。総務課の中に防災課があるのかな。あと、この辺りはどうですか。火山情報について書いてあ
りますが。危なくなると気象庁から情報が出ますよね 。緊急火山情報と臨時火山情報、火山観測情報。3 つ並べる
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んですが。
? : **。
? : 臨時火山情報が出た*。
Q : え、何時?
? : 今週ですかね。
Q : どこで?
? : 箱根で。
Q : 箱根で。
? : 一昨日ぐらいかな。震度 2 か、1 か?御殿場。
B : 主な訓練は、これは**。
? : **。
Q : あ、訓練。はい、はい。マップが無ければ次は訓練聞くんだよね。じゃ、またマップについてはまたちょっと見な
がら、あとまた何か思いついたことがあったらまたあとでお聞きしますが。今ちょっと訓練という
話が出たので、その辺
りの話を聞きたいんですけど。ちょっと誰が説明していただけます。訓練、何時、どんなことをやったのか。
D : 12 月の昨年。
(以下録音不良により要約)
避難訓練について
D:2003 年 12 月7日にはじめて火山向けの避難訓練をやった。住民避難訓練の対象は印野地区。臨時火山
情報が出たという想定で広報し、まず一時避難場所(公民館など)に避難。避難するときには玄関に白いタオ
ルを掲げる事になっていた。その後、緊急火山情報が出たという想定で、第二次避難場所(丸尾パーク)に自
衛隊のトラックやバスで移動した。避難後避難者リストを作った。この地区では8割ほどの住民が参加し
た。
消防団は広報、避難者避難車両の誘導、避難状況の確認を行った。
問題
・今回はとりあえず丸尾パークに避難したが、そこは集落より山寄りの危険区域である。実際はどこに避
難するのかが明確でないのが問題。
・2時避難場所へ運搬する車両が少なく。ただ一時避難場所で待っていた。
・寝たきりの人の問題がある。市内の他の場所では、寝たきりの人を対象にしたモデル避難をやっていた
ようだった。障害者のリストは各区長(印野地区には3区ある)はリストを持っている。
訓練してみてよかったこと
B(妻)子供3人を一人でつれていくのは大変だと実感できた。(二次避難場所へは自家用車で避難)
C(妻)近所の人と声を掛け合って避難したので、地区のつながりを実感した。
最後に
A全体的に見てわかりやすいが、危険をしめすインパクトに欠ける。
Bこういう地図がほしかったので、よかった。火山情報を伝えるメディアがあったほうがよい。
B(妻)富士山が危ないのはわかっていたので、こうした地図ができて、よかった。冊子にするのであれ
ばディズニーランドの地図のようわかりやすくしてほしい。施設がマークになっていたりして。
C地図ができたことはよかった。図の縮尺をもっと大きくして、線の色を濃くして、見やすくしてほしい。
C(妻)地図は、家での備えが載っているのでよかった。
D地図は前に行ったような改善をしていけばいい。防災訓練の前にこれを見せてほしかった。早く配布し
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てほしい。
避難用の図と、今回のような危険を示す地図が、分かれていた方がよい。(今回の地図は避難用ではなく、
危険を示す図だ)その上で避難のことを考えてほしい。
D(妻)夫が消防団なので子供を一人で見なくてはいけない。いつ子供を学校に迎えに行くべきかとか、
わかればよい。子供用に避難用のマスクやヘルメットがなかった。子供はどうしたらいいのかが載ってい
たらよい。「171」の説明には(イナイ)と語呂合わせをつけた方がよい。
富士山について
Bいつもあって当たり前の存在。誇りもあって、危険もある。
B(妻)きれいで誇りも持っている。近くにあって幸せを感じる。
Dどこかへ出かけて、帰ってきたとき見えると安心する。地元に戻ってきた実感がする。
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(2)御殿場市 50 歳代グループ
Q : それではいよいよ始めたいと思いますが。ちょっとそちらの方の方から簡単に自己紹介をお願いしたいんです
が、お名前?
A(女性) : Aです。先ほどそこ。ひろきが。
Q : ああ、はい。もうここに住んでずうっと、生まれてからですか?
A : 2*位からですか。
Q : 何年ぐらいになりますか。
A : 35 年。
Q : で、ええと。一応録音してるのでお名前を。
B(女性) : Bです。嫁いで 35 年。
Q : 地元歴。はい。で、次の方。
C(女性) : 私Cです。私も35 年ぐらいですけど、住んでた所もこの直ぐ近く、実家が。
Q : そうですか。市内は市内ですか。
C : 隣り、玉穂です。
Q : 印野に住んで 35 年だけれども、市内に生まれてるとい うことですね。
C : 2、3 分の所だから。
Q : はい。それからおじさん。
D(男性) : Dです。よろしくお願いします。60 です。
Q : で、ええと。
E(男性) : E。生まれも育ちも地元です。
Q : それと皆さん 50 代以上で。
女性 : 60 に近いし。
Q : 60 代。60 前後。
C : こっちは 50 代後半です。
Q : 50 代後半組みと60。
E : **さんに 1 番近いのが俺。
Q : ああ、そうですか。じゃ、上が 50 代、下が 60 代ですね。分かりました。それではAさんの方から見ていただいた
率直なご感想をいただきたいんですが、まず。
A : 今見せていただいて、あんまりこういう
見方って分からないもんで話をしていたんですけど。地域ごとって、印野
なら印野、地域ごとですね、そういう
枠があったら良いなって。ちょっとこうやってやって見えないですよね 。
Q : 印野地域見たいのが。
A : ええ、1 番危ない所とかね。してもらいたいと思いますけど。
Q : やっぱり自分の住んでるところは分かりにくいですか。
A : ちょっと分かりにくいです。段々歳をとってくると見えなくなって。
Q : あと何かご感想はありますか。
A : うちも子供が小さいもんでやっぱりこういう
事態になった時に、どこに避難したらいいかとそういうことはすごく考
えてますね。
Q : あとは。そんなもんですか。
A : 実感が無いから、そのう、どういう
・・。きっとそういうふうになった時の対応の仕方がちょっと見えないですね。
Q : その地図以外のところでなんかバッと目に付いたところとか、なんか気が付いたところとかありますかね。
A : そうねえ。ゆっくりじっくり見ないと。
Q : 結構時間掛かりますね、これちゃんと見ようと思うと。
A : そうですね。見たくてもね、見えないから。
Q : そもそも見る気がしないって言うのも反応なんですけど。
A : なんか面倒だっていう形になっちゃうからね。実際。
B : 新聞も段々ね、見えないしね。
A : このマップはあくまで推定だからどういうふうに ・・例えば実際に起こったときにどんな風に流れるかって事は分
からないわけでしょう、結局。
Q : どこに噴火口が出来るかが分かんないから。
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A : そうですよね。だから、それがちょっとね 。
Q : 実際にどう流れるのかが分かんないから。
A : 一応やっぱりこれは推定のね。
Q : そうです。字の大きさとか書いてある内容とか。
A : 今実際にこれを見たときは字が同じような字をしてて、分かんないですけど。
Q : 地図の部分の字が見にくい。
A : ええ、見にくいですね。これ、色分けしたところはともかく、この後のぼやけたところですか、こういう
所は特に分
からないですね。
Q : 着色しているところは見えると。
A : そうですね。
Q : どうですかね。とりあえずそれじゃ、次、Bさん、どうでしょう。
B : 今 3 人で地域別にした方がいいって言うのは話し合ったんですけど、丁度印野小学校がこの赤い線の、これ
分かんない、色の区別が。
C : ああ、そこにあるんだ。
B : ここにあるんだけどね。ちょっとこれ立体的だとちょっと分かんない。なんか年寄りからいろいろ地震の時の話な
んか聞いてると、実際に無いから、だから実感が無くて、それで、いろいろリュックに詰めたりしてたりとかしたけど、
最近、全然また。何十年もそのままで、もういいかって。ちょこちょこ地震があるけど、ちょっとそんなにしっかりその
荷物を揃えてっていう気にならない。荷物の中身がね。何入れていいか分かんない。言われても分かんない。
この前の市の防災訓練の時でもみんなリュックを背負って、印野地区はリュックを配ったんですよ。
Q : 防災グッズを。
B : そうです。防災用の。中もあって。中にちょっと入ってたんですよね 。
A : そう、箪笥を止めるものとか。
C : そんな入ってんの。
B : それは別で。リュックに入ってなくて。で、後からこう。最近は防災訓練にそのリュックはみんな背負って来ない
もんね。
A : 殆ど防災訓練にリュック背負ってませんよね 。
B : 前は背負ってきたよね。配った時は。
Q : もう何年も前ですか。
C : そう。
Q : 10 年位前ですか。
B : 十何年前。去年こういうことがあって、これをね。
Q : そうすると要するに防災意識は落ちているっていうことですか。
B : これ例えば震度 4 とかの地震があれば、結構揺れ方がひどいからみんなもちょっと気を付けるだろうけど、その
割りにこの辺はせいぜい 3 度ぐらい。だからあまりそういうのに本当に怖い思いをして無いから実感が無い。やっぱ
り。
Q : 富士山の噴火って言われてもやっぱり同じように不安は無いですか。
C : 噴火って言っても実際ね。
B : この間ちょっとず うっと揺れあったからって、ちょっとドキッとしたけど、もう今じゃ忘れてしまって。
C : 地震ぐらいじゃそんなにあれだけど、噴火っていうことは ・・。
B : 噴火って言うのはきっとその時のやっぱりその時の溶岩流とかね、考える**。こんなに近くに富士山がね。
C : 死ぬ時は一緒だろうとなんて思っちゃって。
Q : 分かりました。
B : 何年か前にその防災訓練の時に中学生が足の悪い年寄りとかなんかを、こう地域を調べて、それでうちのおば
あさんなんか足が悪いから、近くの中学生が 2、3 人ばかり来て連れて行きますって、そういうの連れに来たの。でも、
その 1 回だけであとは 。家辺りのミネラルウォーター、子供がいるから、よく買い溜め。あれも結局時間が経つとまた
買い換えなきゃなんないから。そういうのはちょっとある。
C : それは**は家の周りにいっぱいあるから、水は大丈夫と思っちゃったり。逃げるところはいっぱいあるしとか。
もう。この辺はそういう本当に迫られて。
B : ただ、逃げる時にどこ・・交通、みんな思う時は一緒だから、その方が怖いですよね 、やっぱり。
C : まあ、富士山噴火の場合は逃げなきゃなんないけど、地震の場合だったら逃げる必要ないわけじゃん。本当に
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自分の家の周りに安全なところいっぱいあるから、だから別になんとも思わないのに。まあいろいろ、火事にさえしな
ければ大丈夫だって、そういうあれはあるけど、噴火となったらね。
Q : じゃ、次勝又さんは、図を見て印象はいかがですかね。
C : だからさっき一緒に各地域ごと、印野、玉穂とかみんな御殿場に地区がありますでしょ。それをこう分かるような。
自分家はこの辺、大体ここだなとか、そういうのがちょっとパッと見て分かれば。
Q : 自分の家はそのままだと見にくいですか。
C : そうね、さっき探したけど「どこかな?」なんていう感じ。だからこう囲って、線かなんかで。印野の地区、地区別に
こうなってって、そしてその中に印野とかみんな分かればね、細かくは無くていい。
Q : 若い人たちは道路がもっとあった方がいいって言うんですが、道路よりもやっぱり地区があった方が実感が掴
めますか。
C : そうだねえ。
Q : そうですか。
C : 道路もだいたい 138 と246 は分かりますけど、あとこの幹線道路は大体分かるけど細かいのはね。そんなに入
れたらきりが無いんじゃない、こればっかり一面に。また、分かんなくなっちゃうわね、きっと。
Q : 地区って言うのは印野地区ぐらいのレベルがこう欲しい。
C : そう、印野地区とか玉穂地区とかみんな御殿場市にある。
Q : ホンソン地区とかそういう
細かくなくていいわけですね。
C : そこまで細かくしちゃうとまた見辛くなっちゃうと思うの。
Q : 後は何か。
C : あとはねえ。何しろ字を読むのが嫌いだから。字を読まないでパッとみんな分かるような、そういうの一番年寄り
なんかも、絵とかなんかで分かるとか、そういうのが一番。面倒くさいのよね、字を読むのが最近。この色分けのこれ
はね、こういうのは大体分かるからね、これは。
Q : 色分けは分かり易いですか。
C : ええ、これは分かり易いですね。これはどういうあれで仕切ってあるのかって。海抜とかそういうの?
Q : でしょうね 。
C : 山とかの関係をみんなあれしてこういう風にしたの?この色分けは。
B : みんな高いよね。裾野から、沼津の海が見えるんじゃない?
Q : はい。今、まず第一印象ということで、また細かい点は 1 つ、1 つ聞きますが、Dさんの方はどうでしょう。
D : パッと見てね、今こっちの方に出てるんだけど、視覚で、読むということじゃなくて視覚で、目で訴えるマークの
方を中心にした方が説明は説明でまた必要だろうけど、視覚に訴える方のが、第一義的には目に訴える、そういう
のがいいかなって思いました。もう1 つ色分けの中では、この色分けによってここに説明文が書いてあるんだけど、
それよりもこの範囲内は凡そどのぐらい、もし噴火した場合には何分ぐらいでこの範囲内には到達するとか、この図
面の中に入れられるかどうかね。いろいろ難しいかも知れないですけど。そうして色分けすることによって図面だけ
見ればもし万が一噴火した時には自分の家、まず誰しも自分のことを思うじゃないですか。自分の住んでいるところ
には何分ぐらいで来ちゃうのか、あるいは噴火と同時に、その噴火の規模にも寄るけれども、火山弾だとか灰だとか、
そういったものが何分ぐらいで到達するかとか、そういうのを言葉じゃなくて視覚で訴えた方が、まず図面のところは
いいかなと思うことと。同時に先ほどこちらからも出たように、御殿場市内の、6 地区あるもんで、その6 地区の凡その
エリアの枠組み、それをこの図面の中に入れた方が、御殿場市のね、いいかなと思ったんですけど。で、後はやっ
ぱり避難。どこへ 避難したらいいか。どういう
ルートで避難したらいいか、道路関係、交通関係、そういう時間の時、
車で行っていいのか歩いて行っていいのか、そういうこともどこかに書いてあると思うんだけど。
Q : 車で行っていいかどうかは書いて無いですね。
D : だからそういうのが大事じゃないかと。要するにポーンと出た時にパニクル 訳ですよ、人間は。パニクル やつを
どういうふうに、日頃から頭の中にイメージとして持たせるかっていう、持っていられるか、持続させられるか。で、もう
1 つはマップのこの折ってある、こういう
スタイル になっているんだけど、パンフレット的になっているんだけど、できれ
ば図面だけはこう何か額か何かでいいけれども、ポンとどこかに置けるような形の方が。だからここで全部言おうとし
たら無理ですから、危険地域、あるいは自分のところが直ぐ間近になってボーンと噴火したら、1 時間以内には自分
の所に来ちゃう、30 分以内には来ちゃう、だから避難しなさいっていう。そういうのをこう額に入れてパッと置いてお
けるような、これはこれでもいいと思うんですけれども。
Q : やっぱりこれ貼るには大きすぎますか。
D : これ全部貼るって言ったら、ちょっと一軒の家じゃ貼れないですよ。せいぜいこのぐらいだね。この枠内だね。
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Q : 半分以下。
D : うん。で、これを折って「持ってろ」って言ってもね、もう仕舞っちゃうんですよ。たいがい仕舞ってしまいますん
で。こうやってこれは持っておくことも必要だけれども、まず図面を日頃から掲げられるような 図面にしたらどうかなっ
て思うんですよ。とにかく本当に年取ってくるとこういうの面倒くさいんですよ。こういうふうにゴチョゴチョ
、本当に読
みたいと思わないんですよ。だからどうしても視覚に訴えた方がいいのかなと。パッと見たときには思いましたけどね。
どうしてもこういうのを作ると欲張りたがるじゃないですか。製作者側からすると。何でもかんでもこれで済まそうとする
じゃないですか。こういうの見る側からするとそうじゃないんですね。
C : その時のだけで良いんだよね 。
D : そう、ポイントだけで良いんだから。
C : そのほかのことは 後で見れば良いんだから。
D : そんなことをちょっと感じたから。
Q : ありがとうございます。それではEさんいかがでしょうか。
E : みんなが大体出たんですけど、今、この全体的な印象では、漢字、字が多すぎちゃって読む気しないというこ
とで。早い話がこういうところもこんなに解説をやらなくて 1 行にするとかさ。
Q : 説明ですね。
E : 説明ね。それで、これ本じゃないんだから、マップなんだから、本の場合だったらいいと思うんですけど、そして
今言った、Dグルさんから出たように、一番大事な部分の地図はまあこの大きさでやるんだったら半分ぐらいまでに
落としてやった方がいいのかなって。従ってこういう、これは地理院か何かのを使って何分の 1・・?だと思うんだけど、
その辺である程度これよりももうちょっと地図の部分をこういう所をカットすれば、大きくすればそこら辺のさっき言っ
た区分だとかレイアウトが出来るのかなと。
Q : どの辺をカットすれば。
Q : 説明文。
E : こういう
説明文をカットして。
D : 例えば今、Eさん言われてるのは、こういうふうに図面をしちゃって、こういうのは別にして裏の方へ。
Q : それは裏がそうなって。あれは大きすぎる?
E : 欲掻き過ぎてる、字が。どうしても入れたいもんで、いろんなことをクリアしたいから。
女性 : これはそうでしょ。
E : これはそのくらいの大きさになってる。
Q : 内容がいっぱい過ぎる。
A : 見ないよね、こんなにいっぱいあってもね 。
B : この赤いところはなんだって、こっちを見なくても分かるようにって言うことでしょう。
E : 早い話が年寄りになったらなお見ない。これだと高校生から大学生、20 代ぐらいの、20 代から嫌になると言う
か、学生とかそういう
人は見るかも知れないけど、年寄りとかはこれじゃ字を見ただけで嫌になる。その辺のことと、そ
れからさっき言った、要するに御殿場市だけじゃなくて隣りとの連携というのはやっぱり必要だから、その辺のここの
区切りというのをどういうふうに**って言うのはやっていかないと実際に起きた場合に御殿場市のところで止まっち
ゃうわけじゃないから。そこら辺のあれが、連携がどういうふうになるのかなって言うのが、ちょっとこう。
Q : 連携が気になる。
E : 市町村の境のあれね。あまり崩れないもんというか 、表口、それから裏口って言うことは無いけど、どこが正面か
ちょっと分かんないんですけど。1 番主に流れていくのがここなんですよね 。こういうね 。そういうその辺の何て言うの
かなあれが、大掴みにどういうふうに 出るのかって言うのがね。ま、これだけの色を使ってこれだけに欲を掻いて落と
すのうんと大変だと思うんですよ。
D : あのう、ちょっといい?有珠山のあれ、視察に行ってきたんだけど、有珠山の防災マップのやつはこういう部分
だけであんまりゴチョゴチョ
書いてなかったような 気がしたんだけど。
Q : あ、有珠山持ってきて無いな。
D : 確かにこういう
他の保管する部分についてはこういうのいっぱいあったんだけど、やっぱり 1 番最初はこういう
ふうな。
Q : 確かにパンフレットとかいろいろあるんですよ。
D : こういう
感じだったような 気がするんですが。
Q : それは美瑛。1 つの例だね。
D : さっぱりしている。で、もし噴火したらこういう
図面があって。
44
C : 出入り口とかね。そういうのがパッと見て。
D : そういうのパッと見れば。御殿場のやつもこうする**。
E : こういうのいいかも知れない。さっき言った時間とか入って。何分、何分って、到達時間が書いてある。こういう
のが。こうやって見てて、こういうものとずうっと見比べてって言うんじゃなくて。
D : 説明文とか。
女性 : ここはこっちを見て、読んでこうして行かなきゃいけない。
Q : 全部図の中にあった方が分かり易いということですね。
A : ここの赤いところを見ると、これはここだって、そこをまた見て読むより、パッと見て**。
D : もう1 つ、作るのに裏面が駄目になっちゃうかも知れないけれども、こうやって切っちゃって、切っちゃって、さっ
き自分が言ったように図面だけ貼っておけるかどうか 。そういうことが出来るかどうか 。そうすればわざわざあれしなく
ても済むんじゃないかと思うんだけど。裏面にも大事な事が書いてある方がいいんじゃないかと。
Q : 裏にもね。裏と表があるから。これなんか裏は無いんですよ。
E : 裏表があると2 枚っていう形になるから。
D : この面には持ち出しだとか避難場所だとか書いておけば、貼っとけばそれをパッと見れる。
E : 仕舞っておくという意味だとあれだけど。
Q : 避難場所っていうのはでも、火山の避難場所っていうのは無いんでしょう。
D : いや、同じ、避難、火山というと同じにしてある。ここがそうだ。
Q : ここが一時避難場所ですよね 。ここの辺りでは。コミュニティーセンター。
D : で、最終的には学校。
Q : 最終的には印野小学校。で、印野小学校はそこに図に書いてあるんですけど、噴火の時には使用できなくなる
可能性があるみたいなんですよね 。そうするとどこに行けばいいんだって。
D : そうすると今度は玉穂の地区の方に行く。第二ステップで。
Q : 玉穂の小学校?
D : 玉穂の小学校。
E : 何しろね、医者のほら、医療マップって言うのを御殿場市で作ってあるんだけど、やっぱりこの医療マップで作
ったって言うのはこの半分ぐらいですよ。マップ作ってあるの、半分ぐらいのを。それはもう余計な事は書いてなくて、
ここが、A点が何病院、B点が何病院ってなってるわけ。そしてここに病院の電話番号が書いてあるんですよ。そう
いうのだけど、それでもやっぱり貼っておいてもあれなんだけど。やっぱりそういう何て言うのかなあっさり型っていう
ようなものの方が却っていいのかな。仕舞いこまれちゃうんですよ。
D : これだとね 。
Q : まずその大きさが大き過ぎるって言うんですかね。それとも内容が豊富過ぎるんですかね。
E : 内容が豊富過ぎる。
Q : 内容が豊富過ぎる。
E : 内容が欲を掻きすぎてるんです。
D : 緊急事態用のあれじゃなくてパンフレットだよね。
E : これじゃ学習用パンフレットだね。学習用の実際の実務用じゃなくて、勉強用みたいに。
D : だからこれからこれも必要なんだけど。
E : こういうことは必要なんですよ、本当は。これにはこれだけの学習の研修をやって、そしてみんながそれの気に
するまでが容易じゃないんですけど。
D : 導入部分だよね。
E : これだけ入ったら防災のテストみんな受かるよ。
Q : テストになっちゃう。
E : これだけあれすれば。
Q : これじゃ教室を開かないといけないぐらいな内容。
E : うん、ぐらいな内容で。若干ね。
D : これ説明していくっていったら90 分の講義じゃ終わんないでしょう。
E : 終わんない、終わんない。とっても終わんないですよ、これ。だって消防の連中で給料をもらってる連中だって
これをみんなが頭があれになってるから、こんなのやったら、テストやったら分かんないんだよ。だから、そういうあれ
でなると思うよ。学習マップって、**の無い所付け直せばいいかも知れないよ。
D : だけど、それはそれでまた必要なんだよね。
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E : そうそう。これは必要だけれどもね 。一般的に使うには。
D : 使うには、各家庭で使うにはそれよりももっとそこから引っ張り出して、抽出しちゃった、凝縮したものでこう掲げ
られておくような 物が大事じゃないかと。
Q : 分けた方がいいんですか、じゃあ。緊急用と学習用。
D : だと思いますね。だから今アクリル 板でパーンとこれをやれば雨に濡れてもいいようなものがあるじゃないです
か。そうすれば裏表を見れば、裏には非常の時の持ち出しだとか、どこに行ったらいいのかって書けるじゃないです
か。で、表には常にこれがあれば良いし。だからこれ 1 つでとにかくね 、何でもかんでもやろうとすることはちょっと無
理だなと。だからといってこれが駄目って言うことでは無いですよ。これはこれで必要なんですよ。
E : : 駄目って言うことじゃないけれども、要するに一般の家にいる年寄り型でないって言うか、年寄り・子供型で
ないですね。
D : 私達だってそうだよね、パッとあればパッと目に入るはずだけど。山噴火したって言ったら、それをパッと見てあ
あどうしよう、こうしようって。
E : なんかざっくばらんに言ってるもんで悪いんだけど。
Q : いいえ、そういうお 話を伺いたいんで。
E : 字体はうんといいんですよ。ゴチック体とかね。**(明朝?)使ってないから。
Q : 大きさはどうですか、字の。
E : うーん、だからちょっとまあ。
Q : 小さい?
E : 小さいって言うか内容が豊富だから、自然と小さくなってくる。
C : だから字の数が多すぎて「読むの面倒くさいな」なんて思っちゃう。
D : さっき喜代弘さんが言ったみたいに、こういうのもあんまりこう説明しないで、2、3 行でポンポンと流す。ポイント
をさ。
C : そうそう、そういう感じならね。細かくこうやって全部見るって言うのはなかなか面倒くさいなって思っちゃう。暇
でも有るときに。
Q : よっぽど暇でも見ないでしょう?
C : 暇でも有る時に、暇つぶしに見るならあれだけど。
E : 本当にテスト以外じゃ見ないよ。
C : 何でもそうだもんね今。新聞でも何でも写真を見たり絵を見たり。見出しの記事を見て中身は見ないもんね。見
ないところ多いから。
E : インターネットで出て来る内容的な感じでこう。
D : これもう載ってるらしいよ。
E : もう載ってる?
D : 載ってるって。意見求めてるらしいよ。
Q : インターネットで持ってきたんですよ。
E : 持ってきたんですか。何枚かのやつを集積してるんでしょ、これ。
D : だからこの静岡新聞に載ってるのも、そういう中に、こういう
中に学習用の中に入れるって言うふうに書いてある
んだけどね。こういうのはほら視覚に訴えているわけだよね 。危機感がパーッと見れば 130 時間後にはこういうふう
になるっていうことになれば、これだけ見ればもう「ああヤバイな」って分かるじゃないですか。だからそういう部分が
大事かなと思うんだけど。
Q : あと**。
C : 本当にこういう見出しでもう頭に入っちゃうでしょう。見出しを見ただけで。細かくそんな見ようなんて。
D : よっぽど時間が無いと読まないし。
Q : 見出しを見ただけで分かるような感じにして欲しいっていうね 。
C : そう。
D : 大体そうですよね。そんなのパーッと見て、見出しを見て、興味があるから、必要な部分を。
C : そうそう、なんか見るけど。
Q : 地図、いろいろたくさん書いてあるんですけど、やっぱりそれも多すぎますか。いろいろ地図があるんですが。
C : 何の地図だろうなんてね。
B : 1 つ 1 つはすごい良いんだけど、パッと見た時は。
D : 内容はいい事を書いてあるんだけど。
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B : だからこういうようなね。
Q : 見ないですか、やっぱり、パッと見たときは。
C : 1 番危ないところだけ見て、後は余裕があったらって言う感じです。
D : こういうのも興味あるんだよね。東京の方までさ、千葉の方まで。
E : そうそう
、これが興味あるね、これは。見てて興味あるね。だから広域的に。単発的じゃなくて広域的に全体*
*の。だから富士山の 1 番最近の噴火がある。320 年前ぐらいの宝永噴火。宝永山の噴火の時に流れたのがこっ
ち側に繋がって印野なんかも砂地なんですよ。宝永の噴火で砂が**。その**川から向こうに行くと砂が無いわ
け。これが神奈川の方に行った時にみんな降っちゃったんだよ。そしてあとあすこの山下の方の、神奈川県の。あ
すこで伊豆半島は離れてたんですけど、それがここに割れ目の何とかって言うのがあるんだけど、断層が、小山町
に行けばはっきり見えてくるのが。そこのイケノベ っていう所にあるんですけど、そこのところで向こうの伊豆半島の
方の、それが付いて伊豆半島ができたんですよ、ここは。それで、そういう形でこっちにかけてやっぱり、こっちに風
が吹いたの、そんなことは 絶対考えられないそうです。こっちの神奈川県で、だから。
Q : その昔の起こったやつについてはここに書いてあるんですけど、これはいかがですか。
D : 歴史は必要だよ。
Q : 歴史はあった方がいいですか。
E : こっちに何断層って言う断層があるんですよ。ここの小山町のこの辺に。ここで伊豆半島がくっ付いたんですけ
ど。
Q : それからあとそっちの右下に火山との共生って言うのがございますけど、これはいかがでしょう。
D : これはあんまり、ただ出すだけだもん。これは勉強だ。
C : これは勉強でこれには必要ない。
Q : 必要ないですか?
D : 学習用だよ。
E : これは小学校 5 年生用だ。大体クラスは。これくらいの程度は。
Q : あと全体的にこれは必要だなって言う分部とか、これは必要ないっていう部分はなんかありますでしょうかね。
E : どうせカラーでやるでしょう。
Q : うん。カラー。これもカラーなんで。こっちに載ってて無いのは、持ち出し品は富士吉田には載ってるんですが
御殿場の方には無いです。あることはありますが。
D : ちょこっとね、ちょこっとあるんですよ。
Q : 富士吉田版はその市街地の方が大きな地図に載ってるんですが、御殿場版は 1 コしかないんですよね 。駅の
周辺細かく載ってるんですよね 、富士吉田版はね。
E : 細かい点だけど防災機関の連絡先の中に自衛隊が入って無いんだよね 。やっぱりここの場合は自衛隊がポイ
ントですからね 。4 つありますからジャンル(?)が。
D : 直接はさ。
E : 直接は向こう通じてやるんだけど、県・・。
Q : 直ぐには自衛隊に行って欲しくないっていう
。そこら辺のことはあると・・。
D : それはあのう、機関が考えることで。そっちに載って無いでしょう。自衛隊はね。
B : 載ってない。自衛隊載って無いよ。
D : だからそういうのは**。
E : 本当は県を通じてだけど、ルートはね。
B : 市では駄目なわけでしょう。県で**。
D : そこに載せてるやつのもっと大きいのが印野だとかさ。
B : これを避難場所とか連絡先?
D : だからそれを裏面に持って行くとかどうかですよ、地図の裏側にね。印野地区の世帯に配るやつは印野地区
の避難場所はここと、ここと、ここ。なんかあったらここに電話しなさいって印野地区は出来るわけだよ。で、玉穂地
区は玉穂地区でまた出来るし。御殿場市全体のやつも出来るだろうし。そういうのが個々に必要になってくるかどう
かって言うことも考えて行かなくちゃいけない。だからアクリル 板みたいなのでパーッと貼ってパッとひっくり返せば
連絡場所があるって言うのが実践型っていうか、より家庭に置くのには具体的にそれが生きてくる、いうふうになって
ね。だからそれも考えていってもらわなきゃ困るんだよ。実感としてまだ沸いてない状態なんで。だけれども、危機管
理は持ってなきゃいけないって言うのは低周波地震やその駿河湾や西部沖地震が必ず来るって言うことがもうかな
りの確立で高くなってるってわけだよね 。だけどそれをじゃ、一般住民の人たちはどれだけ認識しているのかって言
47
ったら、認識度、認識度によっても違ってくるわけだよ。
Q : 今何ていいました、そっちの人は。小さい?分からない?
A : いや、避難した時に例えば地図は普段見てるとして、そういう避難場所なんかのこういう連絡網ありますよね。
で、こういうの、本当は個々にあるとすごく便利だなと。こう自分の中に、リュックの中に入れられるとかね。そうすると
すごく。
Q : 持ち運べると。
A : 慌てると絶対にもう電話番号もみんな忘れちゃうわけですからね 。そういうものは今使えないけどね。そういう場
所まできっとパニックになってくると、きっと分かんなくなると思うんですよ。
Q : それは、そういうの載ってましたね。
A : で、こういうのって割合ともうパニックになったら絶対に忘れてしますと思うんですよ、どこに行っていいのかね。
で、そういう
時に例えばリュックの中にこれが入ってたとかね。そうすると楽じゃないかなと思ったんですけど。
Q : ちょっとリュックの中に入れるには大きいけど。
A : うん、もっと小さい物をね。
Q : それは。逆に。
D : 今のアイデア***。
B : 避難始めた時点ではもうこんなもん見てる。
D : それだったら今勝又さんが言うみたいな、その避難場所のお互いの**。
A : そうそう、お互いの。例えばお互いに連絡が出来るし。今携帯が使えるんだからね 。
E : 今ね、時の巣版のを作るから、これ。
D : 非常持ち出しをそれに入れとけばいいとかさ。
E : 時の巣版を。
D : 持ち出し用のその中に入れとけば良い。
A : そうそう
、入れとけば、もうそういうときは慌ててるからそれを持って逃げるなんていうことは 無いから。先に入れ
とけばね。
D : あとで見れる。それはいいアイデアかも知れないな。これは区長さんに考えてもらわないと。
B : それは個人で、だってやれることだから。その家、その家の**。
A : でもね、ある程度きちんとしたものがあれば。
D : 作ってね、入れちゃっておけばいい**。
Q : リュックに入れる用のやつを作って欲しいということですね。
A : それいいかなと思ったんですけどね。
D : まあ**切り張りしてね。ちょっと**。
A : あんまり切り張りしてね、**半分にしちゃうから。
D : **。
E : 時の巣版を今度作るんだ、今年。
C : リュックも今あれだもんね。
A : リュック仕舞っちゃったもん。何十年も前だもんね。もらったときの乾パンとか入ってるのがそのまま入ってる。
C : **押入れに入れたまま。
B : 1 回それの再点検をした方がね、いいんだと思う。
Q : たぶん地震と火山の時は逃げる、持って出る物が違うと思うんですよ。
全員 : そうですね。
Q : 火山の時は遠く出だし、滅多には帰って来れないしね 。
D : 火山の時は時間があるわけですよ。地震の時は待った無し。
(このあとずっと女性達の雑談が続く・・)
女性 : 地震だと何にも持っていけないよね 。
女性 : 貴重品しか持って行けないよ。
女性 : 貴重品持ってお金持って行くのにも持っていけないよね 。
D : そうい う災害のシナリオを考えて行くとやっぱりこういうハザードマップって言うのは富士山の噴火によるハザー
ドマップはやっぱりこういうパンフレットも必要だし、そのさっき言った図面も、これが生きるんですよね。地震の時は
本当にボーンとなっちゃうから。ただね、こっちのこの地域は富士山の山麓で岩盤なんですよ。だから地震にはあん
まり恐怖心が無いんですよね 。どっちかって言ったら富士山の噴火の方が恐怖心があるんですよ。
48
E : 富士山だけ。何でかって言うと小山が無いから、小さい山が。盆地的な。この周囲を丹沢山、箱根山、愛鷹山、
富士山に囲まれてて、小さいこういう
小山が無いんですよ。
D : そういうあれもあるかも知れないね。
E : だから小山町に行けば谷に川があるんだけど、隣の。御殿場市には小山が無いから。
D : だから崖崩れとかそういうのが。
E : そういうことの心配が無い。
D : 何にも心配が無いから。
E : それと川が、大きい川が無い。
Q : ただ土石流は。
E : うん、土石流は心配ある。
Q : 土石流は心配ある。
D : 土石流はだから心配してる。
E : 土石流の心配はあるんです。
D : だから測量、今**ちゃんのいる、その向こう側にね、当時の噴火した時のやつの最終地点、到達地点がシュ
ウレイトウって言うところで止まってるんですよ。それが丸尾。
Q : あ、丸尾パークですね。
D : で、全部この富士山の周辺してるのは、丸尾って名前が付いてるのは、山梨でも何でも付いてるのは丸尾、富
士山が噴火して溶岩が流れてきた尾っぽ。それを昔から丸尾って言うんですよ。だからみんな丸尾、丸尾ってみん
な丸尾なんですよ。するとこの図面に当てはまるんですよ。
E : 伊豆の城ヶ島なんて、伊豆の方までそうですよ。伊東の。
Q : この間、でもその丸尾パークに逃げたんですよ。避難訓練。危ない所に。
D : だけどそこまで来るのに、ほら到達する時間が掛かってくるわけだよね 。3 時間とか。雲仙普賢岳みたいにゴー
ンと急じゃないですよ。富士山円錐形ですからなだらかじゃないですか。先ほど勝又さんが喜代弘さん言ったみた
いに、富士宮の方は急なんだけど御殿場の方は円錐形でなだらかだから一気に雲仙普賢岳みたいにボーンと来
ないって言うことは地域の住民は分かってるんですよ。あと、怖いのは噴火した噴出物の火山弾だとかそういうのが
怖いのと降灰。
女性 : 石が降ってくるのが 1 番怖いね。
D : 火砕流ですよ。雲仙普賢岳は。いきなりボーンと来た時には空中に上がった灰とか石とかそういうのが落ちてく
るから、それが到達し易いんだから。
E : ちょっと聞くんだけど、途中で。NさんもFさんも当然この研究されてる中で、この富士宮の方にもあるかも知れ
ないけど、あっちの方の山梨にもあると思うんだよね 。ここで行くと須山って言う裾野の、そこに富士山資料館がある
んですよ。そこはもう行かれました?
Q : 行って無いですね。
E : それからもう1 つは国立中央青年の家には行ってない?
Q : 行って無い。
E : その 2 つ。国立中央青年の家はこれについてのもの凄く勉強してるわけ。それだけで子供の、あすこに勉強に
来る連中の学習のメッカなんですよ。従ってね、青年の家に行ってそこら辺の意見を聞くこともいいことだと
思うんで
すけど。もし行ってなければ。それからもう1 つはそこの富士山資料館という
、裾野市の。そこはこういうものがみんな
展示してあると思うから。実際今渡辺の言った溶岩。それで、そういうもんは全部。それで。だけど昔炭焼きするとき
に溶岩が流れてきてやっちゃって、それで木が溶けたらそれを煙突に使って炭焼きをやったんだよ。昔煙突が無か
ったから。そのくらいその溶岩の関係の展示があるから。それはねもう行ってると思ったから。今度出張でそこに行っ
てね、両方、勉強するとこういう
意見、いいと思いますよ。
Q : 地域の小学生とかは勉強しに行ったりするんですか、学校で。
E : 行く、行く。富士山資料館とかさ。青年の家なんていうのは全国から来るよ。
女性 : 印野小は行ったかな。
女性 : 印野小は行って無い。
女性 : 裾野は結構行ってるみたいね。
E : だから俺ね、今度御殿場市にも富士山資料館作ろうって言うことで一応旗揚げたんだけど銭が無いので止し
ちゃったんだけど。まだ日本一の火山弾って言うのがあるんだけど。火山弾って。
Q : 落っこって来たやつが。
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E : それを展示して、それを目玉商品にして、という構想があるんだけど、これはまだ出来上がって無いんですよ。
Q : さっき、避難の時の避難先、それから避難経路がちょっと分かりにくいっていう話が誰かから出たから、その辺り
はそれを見てどうでしょうね 。それはこっちの方ですね、御殿場市の下の方。黄色いところの方が印野なんですが。
裏面
Q : 次にこの間避難訓練をやったと思うんですけど、大体の様子はもう若い人から聞いたんですが、実際に参加し
てみてどんな印象だったのかをおひとりづつ。勝又さんはどういう印象でした?参加しました?
A : 行きました。避難訓練といっても私は何も持たないで行きました。
Q : 参加しても役に立ってる気がしない?
A : 役にというかまあ、こういうあれをしなけばだめなのかという。煙体験はしましたね。
Q : 行ってから?
A : 行ってから。
B : バスから降りて、いきなりもうそこで。煙の中を通り抜けてみんなが集まっているところへ逃げたから。
Q : Dさんは?
D : 仕事で当局として参加してました。災害想定が通常の場合は市役所で本部会議をやるんですよ。それを今回
は取りやめて、現地本部のシュミレーションをやると、それともうひとつは今言っていたように 、地域の人たちがこうい
うときにはどうしたらいいのかということを、交通輸送や避難の方法や避難して来る人たちの状況を把握、生のままの
状況を把握すると。それで、みんなが集まってそれで終わりというのではなくて、地域の人たちが防災リーダーの人
たちが各地区のどれだけの世帯が安全に避難したかの確認、区長さんたちを中心に、現実に安全に避難した人た
ちの生命を確認して、そういうのをシュミレーションした。自衛隊のヘリも飛ばしたし、ということをやったんですよ。だ
から、第一義的には、Cツコさんが言ったみたいに、ここの地域の人たちは共栄会館ですよ、あるいは、ここの人た
ちはここに集まって、そして隣近所の安否を気遣って、みんな来たねというのを確認してもらって、じゃあここにいた
ら危ないから丸美に行こうと。たまたま丸美を設定したわけですよ。で、地域の人たちがさっき意見を言ったように、
丸美に集まっても、本当の災害の時に危ないじゃないかという意見も出たわけです。それで、本部会議は、丸美の
テントの中でやって、本部長は市長がなって、関係機関みんな、NTT から始まり東京電力から始まりガス会社や警
察とか、メンバーのそういう人たちは来ていた。そういう
訓練でした。
今度は 9 月1 日、国を挙げて、防災局かな?国を挙げての防災訓練が防災日にあるんですよ。それには、小泉首
相など政府の・・・。そういう大規模なものがある。前回は県下一斉の県内のやつもやったことがある。消防庁のや
つ。
Q : Eさんはどうでした?
E : 参加しなかった。用事があって。
Q : ご年配の皆さんの防災訓練に対する意識というのは、一般的にどうですかね。
D : 若い人よりかえってその。我々らの年代の方が関心が。
A : 年寄りも足の悪くない人というか、元気な人なら・・・。
D : どっちかというと、30 代の人たちよりも、働き盛りの人たちよりも、逆にそれを一寸過ぎた人たちのほうが関心が
強い。
Q : さっき若い皆さんにお話し伺った時に意識高いなあと思ったんですが、それはやっぱり消防のこととかされてい
るからですかね。
D : 携わってるもんで、余計災害に対する危機感というのは持っているんですね。たまたまそういう
人に来てもらっ
た。防災というよりも消防に関心が高いね。
Q : 火防隊と消防団はどう違うんですか?
E : ぜんぜん違う。火防隊は自主防。火防隊という
言葉はパソコンで打っても出ないんですよ。ということは自主防
なんですよ。火防隊はあくまでも自主防で、その地域の予算はこことは 関係ないよという。
Q : この間の訓練の時には、足が不自由な人は参加しなかったんですか?
D : 弱者訓練は違う地域でやった。ここの印野地域ではなくて。地域割りしてやるから。こっちは医療の関係、弱者
の関係、こちは何々。
E : プライバシーの問題があって。弱者がどの家にどの程度の障害を持った人がいて名前は何で何歳という、そう
いう情報を掌握しているリストがある。そういうのをやっぱり召集かけたりなんかしないと出て来ないですよ。自主的に
普通参加しないですよ。
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Q : リストは作ってあるんですか?
E : プライバシーであんまり公表できなくて。
Q : じゃあとですね、富士山についての感想ですね。普段はいつもあるわけですけど、この 2∼3 年前から噴火どう
のと騒がれていますけども、いつもの富士山と2∼3 年前からの話を聞いた富士山についての印象はいかがでしょう
か。
A : きれいな富士山しか印象がなくて。あと山梨の地震がおきてるでしょ?それで向こうが噴火してくれればいいな
あと、みんなそう思っているんじゃないかな。
E : 気象判断は富士山を見れば分かる。
Q : そうすると、富士山はきれいで、雲を見たりして天気を判断するみたいな、火山に対する噴火の脅威みたいなも
のはあまり普段は感じないという。
A : ないですね。旅行行って帰って来て見えると安心しますね。
D : ひとつ 言い忘れたんだけど、御殿場のハザードマップの時は、御殿場から見た富士山じゃないと。これは一番
大事ですよ。吉田のは吉田でいいんだよ。
51
火山周辺自治体におけるグループインタビュー
十勝岳美瑛町
(1)白金地区
Q : ・・という中でまとめてお話させていただきますので。
A : それでは、私の方から白金温泉地区の方をご紹介申し上げます。一番そちらにおりますのは、Sホテル常務
取締役、総支配人のB。
B : Bと申します。
A : 次はホテルPの支配人Cでございます。
C : Cでございます。
A : 次の方は白金温泉ホテルのD社長でございます。
D : Dです。よろしくお願いします。
A : その隣は民宿「R」
のEでございます。
E : よろしくお願いします。
A : 先ほど申しました美瑛町総務課のFでございます。
最後になりますが、組合の事務長をしております、Aでございます。どうぞよろしくお 願いいたします。
Q : 何となく堅苦しいお見合い風で入ってしまいましたけれども、少しここからは簡単に。ちょっとお 聞きしたかった
のはそれぞれの方が町のどの辺に住んでいらっしゃるか。それでこの町に住んでどの位の年数が経っているのかを。
Bさんの方から一言ずつ。
B : 私、自宅は旭川市内なんですよ。従いまして、ここに仕事で来ておりますのは昭和 60 年からおりますから約
19 年位ということになりますね。従いまして、住民としての感覚というのはちょっとそういった意味では薄れるかも知
れませんけれども。ただ、1 番山に近いところに勤務しておりますから。そういったことに対する認識度と言いますか、
それはやはり住民以上にあるのかも知れないですね、近くですので。そういった状況でございます。
C : 私、Cでございます。Pに勤めておりますけれども。やっと勤務が 3 年過ぎたところです。3 年 2 ヶ月に入ったと
ころですか。あと、住んでいるところは旭川でございまして車で小一時間で通勤しております。月に 4∼5 回は泊まる
んですけれども、大体通勤。それで月の20 日間位は大体、普通の月ですと会社におりますんで、営業もやっており
ますけども。ここの周辺につきましては一応町のイベントとかそういったのに参加して、山開きとか、あとは 散策に関
するいろいろコースがあるんですが、大体大雑把ですけど大体見たかな、白金地区については大体見たかなという
感じですね。まだ、3 年ですから、まだ***。
Q : 3 年前も旭川にはいらっしゃったんですか。
C : 旭川には、5 年ぐらい札幌にいまして、その前旭川に 20 年いまして。噴火の時に旭川に居ました。
Q : 前回の?
C : はい。
Q : 前回、いつ頃になりましたっけ。
C : 元年。
B : 噴火ですか。噴火は 63 年 12 月です。24 日です。1 回目が 16 日ですので。
A : あのですね、ちょっと申し訳ないですが。
Q : どんどんもう。
A : 63 年の爆発の時の白金地区の温泉組合があるじゃないですか。その時の組合長がBなんですよ。
Q : 1 番大変だった時。
A : そして、行政いろいろな分野でご苦労された、非常に大変なお仕事をされて。もちろん、この地区の開発との
交渉、そうするといろいろな流路工とかそういったものの役所との交渉。もちろん美瑛町も含めまして。それから避難
されてる地域の住民の方を含めまして相当ご苦労されて、我々の知らないところで細かい、小さい、詳細な話しを全
部知っていると思っております。
Q : なるほど、わかりました。じゃ、Dさんは。
D : 白金温泉ホテルのDと申します。私も住いは旭川です。このホテルに勤めましてから11 年になります。ですか
ら、1 回目の噴火は分からなかったんですけど、どうしても先ほどB常務もおっしゃったように 噴火してる山の近くで
商売しているものですから、あちこちの山がもし噴火するなどというと非常に興味と言いますか、そういうのはいつも
他の人以上に持っているのかなと思っております。
Q : 分かりました。Eさんの方は。
E : 昭和 36 年からです。
Q : 36 年から「R」
をやってらっしゃる?
E : そうです。
52
Q : それで、もうそこにお住い。
E : そうです。
Q : 町の中で言うと部分的にはどの部分?
E : すぐそこです。昔からだと、昔はそっちだったんですけど、もうちょっと。**のすぐ傍です。
Q : 川のすぐ傍ですよね 。
E : そうですね。
Q : 民宿される前も美瑛の方に?
E : 土産屋を。
Q : じゃ、ずっとこの白金地区にはいらっしゃるんですか。
E : はい。
Q : 1 番長くいらっしゃるんですか、この中では。
E : そうですね。
Q : こちらにいらっしゃったのはいつ頃なんですか。その「R」
の前。
E : 36 年です。
Q : 昭和 36 年から。その前はどちらにお住まいだったんですか。
E : 登別温泉。
Q : 登別ですか。Aさんは?
A : 私は美瑛町の旭町というところに住んでおります。40 年近く住んでおります。ここに勤めまして約 8 年経って
おります。先ほどのお話しにありました 63 年の爆発の時には全く知らない旭の町内に住んでおりました。
Q : 40 年ぐらい。ここには 8 年ですね?
A : はい。
Q : 8 年目。旭町にお住まいになって 8 年。
A : いいえ、白金にお世話になってから、お仕事で。旭町に住んでから40 年経っております。
Q : 市街の方までほとんどもうよく、かなり離れていますかね。
A : はい、約 25 キロぐらい離れておりますから。
Q : はい、分かりました。何故そんなことを伺ったのかというのは、災害って結構過去の体験とかそういうところでず
いぶん判断が大きくいろいろと影響する事が多いということがございました。そういう面では、早速本題の方に入らせ
ていただいて。藤原様の方も、ちょっとハザードマップの改定もいずれはしてみたいというご 希望もおありのようなん
ですけれども。これはお金の掛かることでもございますので、少しでも良いものにしていきたいと。で、これは皆様方、
大分何回もご覧になったものだと思うんですけど。
Q : これは、皆さんはご覧になったことがありますよね。旭川に住んでいる人もお持ちはお持ちですか。ご自宅に
はもちろん配られてませんけれども。
B : これは施設に。お客さまに貼り出すところもあるかも知れませんけれども、社員が心得ていなければならない
基本じゃなかろうかと思っております。ですから、私共を例にあげますと、事務所だとか従業員食堂だとか、そっちの
方には現在貼っておりますけれども。
Q : 私もさっきふらふらして。ロビーにはないなぁと。
B : ただですね、これは施設さんそれぞれ違うんですけど、私共の方はそれとは 違うものなんですけど、こういうも
のを客室のインフォメーションの中に入れてあるんですね。
Q : この部分ですね。
B : で、これは当初、恐らくお話を後から触れられるんじゃないかと思ったんですけど、お客様に果たしてこれがど
のような イメージを与えるのだろうかという
問題がありましたですね。これは皆さんそうお 考えになると思うんですけれ
ども。でもまあ、それはそれとしてとりあえず入れて見ていただく方には見ていただく。いわゆる疑問の引き金を 1 つ
提供しようということで入れておりますけれども。
Q : 今も田中の方からありましたけれども、全国のハザードマップの中で、美瑛町のマップは 1 番分かり易いなとい
うことで。良い例として、こちらの住民の方々にとってはどんなものなのかなというのを、直接聞いてみようということで
来た訳ですが。多分見慣れていらっしゃる地図だと思うんですが、これを見て分かり易いところ分かり難いところ、い
ろいろあると思うんですが、いかがなものでしょうね 、これは。最初にご覧になったときと今じゃずいぶん印象が違う
んじゃないかと思うんですが。
B : 結局、住民に対する告知のものなのか、いわゆる利用される、宿泊されるお客様に対する、あるいは観光地と
しての利用されるお客様に対してのものなのかということに大きく分かれるんじゃないかと思うんですが。と申します
のは、来られる方というのは、いわゆる私共ご利用のお客様はその地域を熟知している方というのはあまり少ない訳
ですね。しかし、地域に居住している、あるいは仕事をしているという人たちは地域を熟知しているわけですから、例
えば具体的に「どこどこの松の所から逃げなさい」と言ったらすぐ分かるわけですよね 。ところが、観光とかで来られ
るお客様というのは、そういうことは関係ないわけですよね 。ですから基本的に、観光のお客様が表を歩いている時
53
に避難だといった時にどうするのかという、それは大事なことですけれども、施設がお客さまの安全を守るという大原
則の中で考えた場合に、どっち向けに作っていくのかというところで大分違ってくるんじゃないかと思うんですね。
Q : これはどっちかと言うとやはり住民向け。
B : そうですね、住民向けですね。
Q : ということでつくられていると思いますし。そういう面でやはり両方はなかなか難しいですね。そういう面で、じゃ、
まず、皆様よくご存知の立場の方からのご意見をいただいて、それはそれで、これはなかなか施設を預かるものとし
てはやはりこういうのがあると良いなみたいな、その二段構えで少しお話しを伺えればと思いますが。あまりこう順番
にご指名してというのは堅苦しいので、思いつくままに。
Q : 口火を切らしていただくと、これはすごくイメージが分かり易いなと思うんですね、この写真の部分ですね。で、
火砕流の説明として適切かどうかちょっと難しいところもありますけれども、でもやはり生々しさが伝わって参りますし、
という
工夫があるという印象は持ったんですけれども。これは皆様方、例えば最初にご覧になって、何かここ良く分
かり難いなとかありましたか。
B : 僕は 1 冊のいわゆる参考書であるのか、ただ、その見た目で訴えるそれだけにするのかというところだと思うん
ですよね。ですから具体的に調べてきますと何でも出てるからすごく便利ですよね 。うちなんかもそうですけれども
ね。ですから、さっきも言いましたように 、それを見て全部を勉強しなさいよという
本を作るのか、それとも危険があっ
た場合にこうこうこうしなさいよというポイントだけを出していくのかによって、全然作り方は違ってくると思うんですね。
ですから、そういう
理論から行きますと、全部を眺めて見て覚えなさいよというのは、大事なことで全部出ております
から良いんですけど、なかなか一字一句読んでそこまで行かないのが現実じゃないかと思うんですよ。うちの社員
辺りを見てても、ポイントだけこう、例えば緊急時にはどういうことをするんだ、緊急時にはどこに避難してどこに連絡
してどうするんだ、というところしかやはり掴まないですよ。より、聞かれた場合には図面を広げて、ここの場所はここ
ですからこの辺こうなります、という説明は出来る要素を持っておりますけれどもね 。そういう形になっちゃいますね。
Q : とすると、これは余計なものがたくさん書き込まれているということですか。
B : 余計なものではないと思うんですが。大事ではあるけれども、そこまで実際ですね。
D : そうですね、山だとかいろいろ書いてありますよね。
B : 書いてありますから、却ってその分かり辛いという。
Q : 山というのは。
D : 例えばこういったのが書いてありますよね。
Q : 山とか、周りの地図の中に。
D : 道路だけで良いような。その方が逃げ易いんじゃないか、分かり易いということですよね。
Q : 例えば、これは美瑛町なんかでは避難訓練なんかするんですか、防災の日かなんか。
藤原 : 防災って言いますか、2 月に。合同で。美沢地区も併せて実施しています。
D : だから観光客用じゃなければもっと簡素化して分かり易い地図でも充分活用できるんじゃないかという気がし
ますが。
Q : まず、道路が良く分かんなかったですけどね。
B : やっぱりこうメインになるものが。
D : 僕の地区なんかはみんな避難訓練してますから、避難するのは流路工というか、あのシェルター を通って逃
げるというのをみんな知ってますからね 。
Q : あれは立派ですね。立派ですが 1 度登って懲りました。もう2 度と登りたくないです。
Q : 結構しんどいですよね 。
Q : Eさんは。
E : 観光客にはこれで良いと思うんですよ。ただ、住民に対しては、これではちょっとまずいんじゃないんですか。
Q : というのは。
E : 実際に白金温泉に泥流が発生した場合に、何分で泥流が白金に来るかというのを、やっぱり住民に知っても
らわなけりゃいけない。多分、ここまでだったら10 分かそこいらという認識がないんだよ。
Q : それはこの地図に、ここのところに何分、何分というのは。
E : あります。
Q : 書き込んでありますね。
E : あります。ただ住民に対しては分かんないわけですよね 。目が覚めたらもう泥流が来ている状態になると思う
んですね。
Q : 逆に言えば、きっかけと言うんですかね。こうなるともう危ないんだからというそこの基点が掴みにくいと言うこと
ですかね。藤原さんは渋い顔をなさってますんで、ちょっとカバーをしておきますね。実はこの美瑛町のハザードマ
ップを我々の中でも高い評価をしたのは、1 つの理由はあまりいろいろ入って無いんです。実はこれでも1 番入って
無い部類なんですね。1 番我々から見ると要らないんじゃないかと思うのは、「山の恵み」なんていう写真があったり
ですね。いや、これはこっちは、結構入っているんですね。こんな風な「恵み」とか、あと、それぞれの現象の説明と
54
か過去のこととか、いろいろこうあるわけなんですよね 。
Q : そういう面で言うと表、裏になっていて、で、どうやって貼るんだろうねという
悩みもまず出てくると思うんです。
どっちを上にするんでしょうねというのもございますね。浅間もそうですね。
Q : 浅間山は、もうマップは 4 分の 1 ぐらいで、あとはいろんな説明書きがあるという形で、どちらかというと美瑛の
方がシンプル版という感じなんですね、他のに比べますとね 。裏無いんです。これは表も裏もないんです。
C : やっぱりポスター的に見てインパクト、何と何をという最低限のことがぱっと目に入るものと、マニュアル上でじ
っくり地元の人とか勤めている従業員が勉強してご案内するという、2 通りの要素が含まれていれば良いんじゃない
かと思うんですね。今のお話、ご案内の通り、皆さんおっしゃるとおりぱっと見て優先的に何を、お客さん自身が直
接見たとしてもぱっと見て優先は何をという話しになると思うんですね。あと、もう1 つはやっぱりサービス業、宿泊業
はサービス業ですからあまりそういったものは施設内に公にベタベタとなると、逆に不安感、やっと癒しに来て非日
常的なものを求めてきているのに、そういうものをどんどんどんどん全面に出していくというのもちょっとどうかなと
。
Q : 立場上は難しいことなんですね。
C : そうですね。
Q : 有珠の虻田町なんかの洞爺湖温泉街は、割りとずっとそれで来てたんですけど、95 年ぐらいから各施設がも
うロビーにバッと貼るというスタンスをとってきていますね。
D : 有珠の時はすぐに噴火したんでしたっけ。大体兆候はありましたよね。
Q : 27 日に無感地震。で、28 日に有感地震があってその日に避難勧告が出て、30 日の 12 時ぐらいに噴火とい
うことで。まあちょっと有珠って山が特殊で、良く笑い話的に言うと私みたいに非常に素直な山なんですね。割りと分
かり易いところはあるんですけども、ちょっと他の山はそう簡単に行くかというと言われると、そうでもないところがある
んですね。
D : 結局雲仙なんかの時も逃げ遅れなんですよね 。逃げ遅れと言うか、避難しなさいと言ったのにしなかった人た
ちですよね 。
Q : 見に行っちゃったんですよね 。あれは、実はここに書いてある火砕流と呼ばれる、火砕流というものをやっぱり
なめていたというところ、むしろ泥流イメージで捉えていたということだと思うんですけどね。今、恐らくCさんがおっし
ゃったポスターとマニュアルって、多分 1 つでは難しいんだろうという
気もしてはいるんですけどね。基本的にはこれ
はポスターバージョン というイメージですよね 、藤原さんが作られたイメージですね。これは逃げる時にこれを見てく
ださいと。Bさん辺りからすると、こういうところの何か読んで勉強するようなところはむしろ要らないんじゃないかと。
B : お客様としてはあまり必要ないような 気がしますね。ですから、いわゆるそれに関連するスタッフ、これは当然
そういうことを心得るために勉強資料としては必要だと思いますけれども、お客様という
立場からしますと、もう少し絞
った、こういうことがあった場合に危険ですから、例えば関係社員の指示に従ってどうだとかというところに始まり、そ
ういう
類の程度で良いんじゃないかというような 気がしますね。
Q : これはEさんなんかは比較的民宿というお 客様と近い距離にいらっしゃる。Eさんなんかはこのハザードマップ
とかはお客様との関わりではどんな扱いを。多分貼ってはらっしゃらないと思いますけど。
E : いや、貼ってますよ。
Q : 貼ってらっしゃるんですか。
E : 食堂に。
C : このマップについてはどこに貼りなさいという話しがあったのか。うちも事務所とかに貼ってあるんですよ。多分
そういう指示が出て貼ってあるのかなと。
B : これはあれですよ。やはり自己防衛というかね、やはり私達が社員に意識向上を図るということでいく訳ですよ
ね。まあ、できればお客様、皆さんに一字一句読んでいただいて理解してもらえば良いと言ったって、そんな1 週間
も何も滞在するわけじゃないですからね 、そういう
気にはならないですよね。
D : 観光客の人はまず入んないと思うんですよね 、受けてないと思うんですよね、旅館側も。ただ、じゃあ噴火した
時にどうするんだと。例えば白金地区だったら分かりますけれども、他で逃げる時はどこで逃げたら良いんだという
のをもっと分かり易くしてもらった方が良いのかも知れないですよね 。
Q : これは、藤原さん、観光客はとりあえずはこの砂防センターに。
藤原 : そうですね。シェルターの下の。
Q : で、そこからどうすれば良いんですかね。我々今日もここに来る途中のバスの中で、さてここで出たら我々どう
するんだろうと。美瑛町の市街に戻るのか。
D : そこですよね。
Q : あの道路は大丈夫なのかなとか。
藤原 : 一時的にそこの上の所に、階段を上がって行くと思うんですね。そうすると、そこのセンター がありますので
そこで一時避難ということで今やってますけれども。その後の処置については、この間も話しましたが、もし道路が塞
がっているようであれば、隣のヘリポートによって輸送ですとか、陸の輸送だとか、そういう形になると思いますけれ
ども。一時的にそこに避難するということになります。
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Q : そうでしょうね 。
B : どちらかの施設の管理下にあれば、それはお客様は分かりますけど、今おっしゃられたように 、フリー で来られ
ている途中に遭った場合にどうするかという。そういった意味での標識とかは無いですよね 。美瑛町はね。
Q : 宿泊施設にその時に居れば案内してもらえるけれども、フリーで来てその辺を散策していたりしたら、分らない
なということはありますね。
Q : それはまあ、お客さん自体の責務もあるんですけど。ただ、やっぱりそうも言い難いところはありますよね。
D : まず観光の人が、火山が噴火するんじゃないかって時に入ってくる人って、少ないと思うんですよね、もうその
時点では。だから、地域住民の人が分かり易い地図の方が良いのかなという気がしますよね。我々も受けないしもう
来ないですよね 、お客さん自体が。
B : これはハザードマップ の趣旨なんですけどね。実は美瑛町で作るという
話しが十数年前にあった時に、どうな
んですかという問い合わせが、実はあったんですね。その時に、ハザードマップというものが一体何なのかという認
識というのが、まず私たちなかったですね、その時は。それは要するに、危険に備えての、もしやの時にどうしたら良
いかというのを考える、1 つのいわゆる学習帳と言うか参考書なのか、そういうものの考え方がまずありまして。それ
から、もう1 つはいわゆる建前で、ここは危険が予知されるんだよ、そういう
場合に皆さん分かってて泊まっているん
だから理解してくださいよ、というためのものであるのかという、そこらがちょっとね 。
Q : 率直に言っちゃえば、後で弁解の。
B : 表現悪いんですけど、大体そういうところというのはいろんなケースにありますよね。「床が滑りますから気を付
けてください」と置いとけば、滑ったあなたが悪いんですよと言えると同じような、そういう類のもので。ですから、これ
をいかに活用、どのように活用していくのかというのはそれぞれの施設の考え方もありますけども。ですからその辺
ですね、1 番初めに思いましたのは。ですから、この地区がそういう危険性を持っているんだからということの、意識
を高めるためのもので活用していくのかどうかという、その辺を、それをはっきりと私達が認識していなければならな
いんじゃないかと思いますけどもね 。
Q : じゃ、どちらかというとこの観光客向けの「山の恵み」とか、こういう
感じのはそんなに必要ないんじゃないかと。
D : そうですよね 。見ないですよね 。見せないですよね 。うちも観光さんと同じでインフォメーション のあれには入
れているんですよ。
Q : 入れているんですか。避難経路?
B : そうです。それを見てお客様が質問されるというのはゼロですね。
D : 無いですね。
Q : ちょっと私も事実確認をしたいんですけど。私、今Pさんに今回で 2 回泊めていただくんですが。記憶に無い
んですね、客室にあったかどうか 。あるんですかね。
C : 多分。今見せられて初めて分かったんです。見てます、あるのは。でもお部屋に。
Q : じゃ、お客さん自体は見てないんですね。申し訳ございません。
C : 私、館内のインフォメーション、来て 3 年目だったんですけど、見直ししたんですよ。中で、入れてる中には間
違いなく入ってないですよ。ただその地図は見たことありますよ。だから支給されたんでしょうね 。多分支給されたと
思います。ただ特に、ちょっと本題と離れるかも知れないけど、この地図の活用方法もやはり考えなきゃならないの
かなと。で、たまたま私共の宿泊施設ができた年と噴火した日にちが何日も違わないんですよ。で、半年ぐらい営業
できなかったんですけれども。当時の従業員というのは今、常勤で居るのは 1 人なんですよ。ほとんどもう。
Q : そのベースとなるのは今何人ぐらいいらっしゃるんですか。常勤でいらっしゃるのは。
C : 正社員が三十数名。
Q : その中で 1 名ですか。
C : そうですね。あと下請けさんの中に何人かはいらっしゃるのかも知れないですけど。下請けさんもピーク時に
は 2 倍ぐらいの人数になっちゃうんですけども。それは別として。これが秋口に町と消防とで合同で、組合だの訓練
されますよね。そんな時にもあるのは分かって。実際私共がこれを熟知して、従業員各自に指導すればよろしいん
ですけど、なかなか日々の仕事の中に難しいんで、これがあるということで 、前提で、役場さんなのか消防さんなの
かは分かんないんですが、これの解説じゃないですけども、このマニュアルをちょっと噛み砕いて1 年に1 回勉強会
やりましょうよみたいなことを言って、使っていただければ更に活かされるかなと。私勉強したくないわけじゃ、まあ、
それもあるかも知れないけれども。
Q : なるほど。町としては心強いお言葉ですね。勉強会。町は仕掛けたいと思うんですけどなかなかやはり難しい
という思いあると思いますね。
C : ですから、避難訓練やっておられますから。それにあわせてマニュアルの原本はこれだというみたいな形で。
他地区の町と隣接の町と合同でやっているのも分かるんですけれども。
Q : マニュアル的なものとしてはもう少し詳しい方が良いとお考えですか。
C : 充分じゃないですか。僕的には。
Q : 避難路を示したものだと、もうちょっと単純にして。これはマニュアル的なもので使う。
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C : そうだと思うんですね。これはマニュアル要素だと思う。例えばこれは火山情報が出て避難しなけりゃならない。
それは 3 分なのか 10 分なのか分からないけども。それまでにこれを熟知せいと言ったってなかなか現実問題難し
いと思いますよね。それにはやっぱり最低項目の数項目を、これだけはというものをポスター上である程度見て、直
ぐ万人が分かるようなものがあれば。
Q : この図には 2 つこうありますよね。全体のものと、先ほどインフォメーションの中に入れてある白金だけの図とい
うのがあるんですけれども。これだけをインフォメーションに入れているようですけれども、これぐらいのもので充分と
いう、そんな感じになるんですよね。
C : そうですよね。
Q : これだと場所も分かりますからね。自分のホテルはどこにあるか。
C : 自分の現在地が分からないと分からないですよね 。
B : 思うんですけれども。1 枚の紙にだだっ広く作るのと小さくもう少しして冊子見たくした方が良い場合と。僕はど
ちらかと言うと小さくした方が、覚えようとする意欲がわくと思うんですね。これは非常に焦点ボケしているんですね、
ある意味では。
C : なかなかリピート
するのに大変ですね。
B : ですからね 、やっぱり何枚かに分けて、それを見て項目ごとにした方がうんと良いような感じがしますね。
D : 例えば我々もここに住んでないですからあれですけど。白金からここに砂防センター に逃げると言っても、そ
れもし、もう少し下に降りてた時に、じゃあ逃げると言ったって 20 センというのがどこだか分かんないですよね 、正直
言って。ここに 20 セン。美沢小学校だったら分かりますよね。だから大きな建物がないとなかなか表現し難いでしょ
うけど。
C : 目印でも良いですよね 。白金インフォメーションセンターとか、そういう。
Q : 目印が入って無いですね、あんまりね 。
D : だから大きな建物があったりなんかしたところをポンと載せていただいた方が分かり易いと思うんですよね。
B : 観光客として。ただ、住民は分かっているわけですよね 。
Q : Eさん辺りは長いと思うんですが、これはもうどこの場所っていうのはもう分かりますか。
E : この図を見てですか。
Q : どこに居ればどこに逃げれば良いんだなみたいなのは。
E : いや、全然もう。噴火したら死ぬと思ってるから。
D : 逃げ遅れない限り死なないですよね 。避難しなさいって言ってるのに避難しない人たちですよね 、正直言って。
だから先ほども言いましたけど、もう噴火するよといった時に泊まりに来る人は居ないですから。まああれですね、よ
っぽど好きな人かなんか。
Q : 研究者。
D : 隠れてでも来る人いますよね。
Q : 特にここのところで分かり難いと思うんですけど。建物に避難するようにできてないんですけど。広場なんです
けども。この広場なんていうのは地元の人は直ぐに分かるもんですかね。ああ、あそこの広場なんだな、みたいの
は。
E : 道路見たら大体全部分かると思いますよ。
A : 地元の人は分かると思いますよ。
Q : 大体分かる。
A : 観光客はちょっと分かりません。ただ、このマップ、美瑛のマップ、藤原係長に悪いんですが、これだけのスペ
ースのもので白金地区の略図といいますか、マップが非常に小さいんですね。これは白金から美沢方面全町かなり
やってますけど。1 番危険度の強い、となるとこの地区なんですよね 。
Q : 白金、美沢。
A : だからこのマップのスペースから言うと、これは誠に、係長に悪いんですが一考をしてもらいたい、スペースを
もう少し作っていただきたいと私は思っております。
Q : 多分いくつかパターンがあると 1 番良いんでしょうけど、予算の問題もあると思いますけれども。ただ、もうちょ
っとコンパクトにやはり危険度のあるところは分かり易くということですね。1 番有効なところが小さいと。明日住民の
方々に伺うんで、それも含めていろいろ教えていただければと思っているんですけれども。なるほど。
B : 今これを拝見して思ったんですけども、災害用伝言ダイヤルなんていうのは最高ですね。
Q : 171 ですね。これは入ってますけども。
B : 入ってるんですか。
Q : はい。入ってます。一応基本要素はかなり入っているんですね。ただ、先ほどから皆さんおっしゃっているよう
にたくさんあるから。
C : 優先順位ですね。みんなボッと目に入って来ちゃって、どれが先、自分の命が先だって。
Q : 特に皆様の場合、施設を管理されているという立場から、責任感から、かなりご覧になってると思いますけれど
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も。E様は住民のサイドの気持ちも分かるって言うんですかね、住民の方々だとどこまでそれほど真剣に読むかとい
うところあるんだと思うんですが。Eさんの方からご覧になっていて、両面のお立場がある、住民側に立つとこの地図
はどの程度活用してもらえるのかなと。
E : 僕 1 番知りたいのは、この地図お客さんがくれくれって言われるんですよ、結構。何かポスターと間違えて。
A : 一体これ何するんですかって来ちゃったんですね。言うならば記念品ですね。
Q : それは綺麗だと言うことですか。
A : 見たことないと言うことで、要望はあります。
Q : これは大分渡せるんですか。
E : 役場さんからとって置きなさいって。
A : まだ余分にあると思いますけれども、うちの方の事務所には。
Q : 記念品に欲しいわけですね。お渡しになることもあるわけですね。
A : ええ、希望者が。一応そこが事務所ですから。センターの中に、もちろん貼ってありますけれども、それを見て
「いただけませんか」というお 客様が結構いらっしゃいます。それの理由は記念ですね。
Q : 地元グッズですからね 。観光に来る人は大分感覚違いますからね 。住んでる人間と。
E : 結構言われます。
Q : それはどうなんでしょう。観光客に対してこういう
危険図みたいなのを配るのはお仕事をされてる皆さんにとっ
てどういうものなんでしょうか。
A : まあ、お互いに難しいご質問ですが、ただ、我々お客様第一主義ですから。ある程度お客様のご希望を聞い
てあげなければならないというの は第一初歩ですから。あるものは出来るだけお客さんに配って。我々がこれを持っ
ていて白金地区は他の町で白金温泉はこういう活火山であるということも1 つのPR になるのかも知れませんね。と、
同時に先ほど言いましたような 、いつあっても止むを得ないなと。そこでどこで宣言制限するかというのが、これはや
っぱり火山ですから。
B : 思うんですけれども、いわゆる行政あるいは各施設が、お客様を獲得して営業している事実に対しては、お客
様がそれほど危険感覚というのを持っているのかと言えば、持ってないですよ、はっきり言って。実は昭和 63 年に
噴火しまして、平成元年の春先辺りも本州の旅行代理店の仕入れ担当の方々はそういうことを全く知らない方ばか
りだったんですよ。不思議ですよね 、それは。「あ、そうだったの?」って。それは取り引き理由にもよりますけれども、
それくらいすごい事故、事件になってしまえば別ですけれども、そうでない限りはそこまで神経質に捉えてないんで
すね。お客様自体も、5 月に営業を開始しました時にもすごい人並みなんですよ、その時も。もうすごいんですよ。
それは恐いもの見たさって言うのがあったかも知れませんけれども。じゃ、そこはつい最近まで危険だったから来な
いとかということじゃなくて、いわゆる営業をしますよと。そうすると行政の応対というのにはすごい信頼性が高いわけ
ですね。行政がゴーって出すとね。ですから、そういう点では利用される方々が特殊な先生方は別としまして、知識
が、こういったことに興味を持っている方々を含めて別として、一般の方はさほど問題ないんですね。実は北海道新
聞に十勝岳の地震がありましたというのが良く出ることがあります。僕たちはそんな余計な事を出さないでくれって言
うんですよね。
Q : それはやっぱり言われるんですか。
B : 地震大丈夫ですかって言われる人も、新聞記事を見て言う人もいますけれども、興味半分と確認の意味で泊
まる方がと言うんじゃないんですよ。泊まりたいという
意思を持っている方かも知れませんけれども。予約している方
というのは。そういう問い合わせは来るみたいですけれども。ですから、そういった意味では、新聞その他で具体的
に十勝岳の火山云々となってくると、あ、そうなんですかって興味あるかも知れませんけれども。しかし、現実問題と
して多くの方はあまりそういうことに神経質になってないような 気がしますね。
Q : 極端に言えば、知らない人間から見ると白金温泉は知っていても、十勝岳がこの地にあるというのを知らない
人も一杯いますからね 。
B : そうですね。いっぱいいらっしゃいますね。
Q : それで、活用の面に戻りたいんですけれども。このマップをどう活用しているのかということなんですが。住民
の立場から言うとEさんだけなんですけれども、Eさんはお宅ではこれは貼ってあるんですか。
E : 貼ってあります。食堂に。
Q : 食堂というのは自分の食堂ですか、それとも営業中の食堂ですか。
E : そうです。
Q : 営業中の食堂に、はい。これは観光客向けっていう面がかなり大きいんですか。それとも自分のためっていう
部分もありますか。
E : そうですね。「噴火するんですね」みたいな感じでお客さんは受け止めているんですね。
Q : じゃ、皆さん一応これはホテルの中、どこかに貼ってある。事務所と従業員食堂。
C : 従業員の休憩所。
Q : 事務所辺りには貼ってあるんですね。これは大変つかぬ問題ですが、C様は 3 年前にいらっしゃって、何かレ
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クチャーとかあったんですか。
C : なかったですね。それであえて町の訓練の時に、私も忘れちゃうから、定期的にこの日はやらなきゃならない
という日を年に 1 回位あっても良いんではないかという話ですね。
B : 災害は忘れた頃にやってくるというじゃないですか。のど元過ぎればやっぱり忘れちゃいましてね。本当にそ
れじゃ、日々にお題目唱えてお参りしているかというとそんなことないです、現実問題として。ただ、要するに、第一
に危険であれば逃げなければならないのは、お客様であれ私たちであれ同じですね。誰だって自分の身は大事で
ね。同時に宿泊産業にいる限り、お客さまの身を優先してというのは、これはまあ当然ですね。同時に私たちの身が
危険に晒すようなことは しませんからね 。ですから、そういう点では最小限度のものは、やはり心得ておくというのは
ありますけれども。あとの詳細問い合わせについては、やっぱりその都度見ながら対応するということと、同時にちゃ
んとこのようにしなさいという
指示も出てきますしね、関係機関から出てきますし。ですからこれを見て、これだけで独
自に知っておらんということにはなりませんしね 。ですから最小限度の心得を持っておくというのが、私たちのメイン
だと思っておりますね。ただ、それだけではハザードマップの本当の大事なところには触れてないとなりましょうから、
縷々書かれるというのは絶対必要だと思いますけどね。しかし、本当に必要なものは何かと言いますと、何が危険な
のかということ、その危険があったらどのようにして自分達の身を守るのかという
、ここの部分だと思うんです。
Q : それは、先ほどEさんがおっしゃった、切っ掛けみたいなものですよね。どうなったら危ないかということですよ
ね。これ、皆さん方、今直感としてはどうしたらというイメージを。やはり大規模に噴火をしたらという
イメージ。それと
も町の行政の避難勧告という。
B : そうでしょうね 。避難勧告でしょうね 。
Q : なるほど。なかなか責任が重くなってきましたけれども。要するに 1 つはハザードマップの中でも、さっきEさん
からもBさんからもご指摘があったのは、要するに契機ですよね 。危険でアクションを起こさないといけない。どういう
状況になったらアクションを起こしなさいということなのかという
。これが良く分からないということをご指摘だと思うん
ですけどね。その中でやはり日本の場合、行政に対する信頼が高いですから、避難勧告というのが1 つの基準だろ
うという、今ご意見が出たんですけれども。それで間に合いますですか。
藤原 : このマップの中で明示はしてないんですけれども、臨時火山、この真ん中の3 つのレベルがありますが。臨
時火山情報が出た際に避難をしていただこうと。
Q : 臨時ですか。緊急じゃなくて。
藤原 : それが発せられた時に住民に避難を呼びかけようと。
Q : 臨時で出しちゃうと。
? : 臨時では避難しないんじゃない?
藤原 : いや、一応事前の呼びかけですね。
? : それは情報提供でしょう。まず。
藤原 : 情報提供というか。
Q : 勧告ではなくて呼びかけ?
藤原 : 呼びかけですね。完全にもう逃げなさいという時なんかも緊急火山情報。
? : それでも臨時火山情報が出たときに誰も逃げなかったよ。
藤原 : 今年ですね。臨時火山情報。で、避難も出そうかというところまで行ってたんですよ。ですが、情報を収集
した結果、噴火した事実は無いということが分かったので止めたんですよ。
? : そこまで緊迫していたっけ。
藤原 : ここで実施していた避難訓練ですね、その 1 つの切っ掛けとしては、臨時火山情報を受けてということにな
ります。
Q : あれ、5 月でしょう?
藤原 : 2 月が実際。
D : 雪あったんですよね 。
藤原 : 2 月は臨時火山情報で 1 号です。で、第 2 号が発せられた。
Q : いつ?
藤原 : 3 月だったら火山情報ですね。
Q : そうか、そこまで緊迫感があった。
藤原 : ありましたね。第 1 号が朝の 8 時半くらいに発せられて。我々もどう判断しようかと。場合によっては防災無
線で避難の呼びかけを考えました。
Q : それ、臨時火山が出ましたよっていうことは 放送されたんですか。
藤原 : それは放送しました。
Q : それは皆さん方は。
B : ファックスでも流れてきます。
D : あれもありましたね。有線。防災無線。
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藤原 : 防災無線でも一応流しましたよね。実際のところはテレビ、ラジオの方が早く情報が流れた。
Q : 確かにそうですね。
? : インターネットだ。
? : テレビ、ラジオだな。
Q : それはやはり、テレビでご覧になるのと、町から入るファックスとで、インパクトは違いますよね 。なるほど。その
時はDさんなんかもやはりその情報を受けられて。
D : ええ、防災無線で聞きましたね。その前にラジオなんかでも入ってましたけど。
Q : 当時は朝ですからお 客さんいらっしゃる時間帯ですよね 。
D : チェックアウト終わったような時間でしたよね。まだいるのかな。
Q : まだいるぐらいの時間ですよね 。
C : うちの従業員が麓に登っていたんですよ。登っている最中だったんですよ。ですからそんなに早い時間じゃな
いですよ。9 時とか、9 時半か。そのくらいの時間ですよ。10 時にはなってなかった。その 10 分前ぐらいだった。
Q : そんな情報が出て、何か大変だなという時には、もうこのマップには別に目をくれるということはなかったです
か。
D : いや、もう、外に逃げようという頭がありますから。
Q : それは分かってるんで、わざわざマップを見るまでもない。
C : 避難のシェルターがありますからね。そこへ行っちゃいますよね 。
D : だから持ち物を持って、こういうものを持ちなさいとかいろいろ書いてありますけど持たないですよね 。
C : 見て判読しているよりも先にシェルターに入ったほうが 勝ちだって。
D : まして住んでないから余計なのかも知れませんね。ホテルで持って行くものといったら、正直言って現金ぐら
いしかないですもんね、もうね。はっきり言って。後はお客様を逃がす方が先ですよね 。
Q : そうですね。家財を持ってらっしゃるわけではないので。唯一Eさんだけが箪笥を持って逃げなきゃいけない。
C : でっかい金庫は持っていけないしね 。
Q : これちょっと話しが少し飛んでしまうんですけれども。A様に伺っていいのかどうか 分からないところがあるんで
すが。ちょっと明日午前中暇なもんですから、ネイチャリングウォーキングでもやってみようかと思って見ていたんで
すが。例えばああいう様々なオプショナルツアーみたいな、むしろ施設の中ではないという、そういう方々への連絡
とか体制というのは観光協会で議論されたことはおありなんですか。
A : 私の方ではございませんけれども、美瑛の白金地区に「美瑛・白金ネイチャークラブ」というのが事務所を構え
て今年の春から常駐しております。お客様の希望にあわせてご案内してますけれども。このネイチャークラブに対し
てもハザードマップ をすでに配布してあります。これをただ、ネイチャークラブの方々が熟知しているかどうか 。例え
ば山側の方を散策する、ここら辺りはまだ私の方ではチェックはしておりません。逆に言いますとネイチャークラブと
懇意にされているC支配人の方が、そこら辺りは案外詳しいかも知れません。
Q : 何か汗かかれてますけど。
Q : ネイチャークラブという
のはネイチャリングゲームをするということですか。スキーを履いて歩いたりという
。
C : そうです。散策が夏場、冬場がありまして、日中版と夜のスターウォッチングみたいなものですとか 四季を通し
てあるんですよ。多分その今、ネイチャークラブを北海道で一本化して組織を作られてるんですけど、そこに代表の
小倉さんという
方が理事で入っておられますんで、業界さんでそれなりのこういった非常時のそういったことは 想定
して、専門家さんもついておられますので、私、確認はしてないんですけど、それなりのことは 熟知されているんじゃ
ないかと思うんですけどね。
Q : 一般的には、防災行政無線はやはり住民用に作られてますんで、やはり観光客で妙な所に入ると分からない。
日本海中部でもやはり釣り客の方に聞こえなかったというような 問題もありました。
藤原 : 私の方から、2 月 8 日の時の実際のどんなことを実施したのかというのをお話ししたいんですが。2 月 8 日
の日、登山者がかなり入っていたんですよ。で、山が危険な状態になったので美瑛町で中腹と、私達は登り口と中
腹に防災無線のあるところを利用したんですね。
Q : 中腹と登り口ですね。
藤原 : そこから呼びかけをして。直ぐ山から下山するようにという
呼びかけ。で、カメラも設置してありますんで、そ
れらの方が実際に下山したかどうか確認したんですが、それでもまだ下りないと。それで最後にうちの方からヘリコ
プターを要請しまして、北海道警察に。そして、ヘリコプターから、上空からスピーカーで呼びかけまして。ということ
をやっておりました。
Q : じゃ、かなり念入りに。
Q : 2 月 8 日と言ったら雪山ですよね 。
藤原 : はい。
Q : じゃ、かなりプロの方々ですよね 。
藤原 : いや、アマチュアなんですね。
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C : うちの従業員もあまり。美瑛に来て 2 年目だからね。
藤原 : ですから、先ほど来、このマップを見てから登山するとか 、看板にも、登山口にも書いてあるんですけども、
もう目的地に真っ直ぐって言うもんでそういうものはあまりご覧にならないみたいですね。具体的に発生した時に行
政がどう対応していくのかという以前の、以外の話ではないかなと気がしました。
Q : 登り口というのは望岳台のところから橋を渡って行く。吊り橋みたいのがありましたよね 。
藤原 : いや、渡って行きましたら駐車場、ちょっと左に。そこのとこから。
Q : あそこはレストハウスがありますけど、もうこの時期は閉まっていますよね 。
藤原 : **クローズ。
数人で会話。不明。
藤原 : 先ほども話したんですけど、臨時火山情報が発されたんですよ。
Q : これ、Eさんの方ではどんな感じだったんですか。あるいはEさんは多分ここに来ていただいておるんで、かな
り対応良くしていただいている。いくつか他にも民宿、ペンション ございますよね 。
E : 白金には 2 軒。
Q : 2 軒だけなんですか。と、両方とも同じような感じ。あるいはEさんはその時どんな感じだったのかって言うの
は。
E : 2 月ですか?
Q : ええ。
E : その時確か警察が来てましたね、白金に。それでうちの嫁に聞かれたらしいんですよ。言われたらしいんです
よ。そしたらうちの嫁が、「したら、爆発することかい?」って言ったらしいんですよ。そしたら警察の方でいやいやそう
いうことでは無いって。だから避難の準備しなさいっていうふうに言われたらしいんですよ。ただ、過去に有感地震
が起きるものですから、その時は有感地震が無かったですけどね。で、悩んで。
Q : じゃ、本当の微動だったんでしょうね 。登山口にもこういう
避難マップみたいなものは。
藤原 : いや、マップは掲載しておりません。サイレンとかでお知らせしますから。防災無線で。ゲストハウスにはあ
るはずなんですね。そこに立ち寄ればの話しなんですけれども。真っ直ぐ登山してしまうと何もありませんので、看
板。
Q : そこの看板にあるような感じの。
藤原 : そうですね。
Q : なるほど。行って来れば良いんですけど。この前はあまりきちんと見なかったものですから、雪の中だったもん
ですから。
ありがとうございました。そしたら利・活用の方も大分伺ってきたところなんですけれども。もう少し個別のところで、
今例えば、我々もちょっとこの山の陰影は要らないんじゃないかとか 。ただ、これ、バックが白なんで、こういう
浅間タ
イプよりは見やすいかなというようなことがあったり。あるいは我々が見てて良く分かんない、この緑で囲った線は何
なんだろうとかですね。何かもうちょっと細かいところも含めて各自いくつか個別に質問があれば。
Q : まず、全体としてのことについて聞きたいんですけど。大きさなんですが、先ほどもちょっと出ましたけれども、
もう少し小さい方が良いという風な話がありましたけれども、大きすぎるということがやっぱりありますかね。
B : 大きすぎるという意味は、全体をなかなか、視野を全体に移動というのはなかなか難しいんじゃないかと思うん
ですね。ですから、例えば地図なら地図、あるいは避難するときに必要な方法なら方法、そういったマニュアルを区
分した物にした方が却って見易いんじゃないかと思うんですね。また、理解し易いんじゃないかと思うんですね。
Q : それは内容的な面で地図は地図。注意書きみたいな説明みたいな物は説明と分けてやった方がいいだろう
と。
B : そうですね。その方が活用し易いと思うんですよね 。
Q : それじゃ地図そのものはこの大きさあっても別に構わないということですか。この大きさですね。新聞サイズな
んですが。
B : 大きさはその入れ方ですけどね。要するに的を絞った用紙にしても良いと思うんですが。
Q : 実は住民の方ぐらいになると、どこに貼るかというとトイレに貼るという
方が多くて。トイレには大きいだろうと。あ
るいはうちの冷蔵庫に貼るんだけれど、これじゃ入らないというご要望があるにはある。まあ、ホテルぐらいになります
と大きいでしょうから。それは大きさはまあ良いだろうと。
B : ただ、1 枚貼り付けて裏にもありますよというのはこれ 1 番不便ですよね 。そういった意味では美瑛町は大した
もんですね。裏は何も無いんですから。裏をひっくり返して見るというのは、これはほとんどありません。
Q : あと、これ、字の大きさなんかはどうですか。書いてある、この。
B : 若い人は 1 回聞いたら分かるんです。年取ってくると分かりませんから、その方はその字じゃ小さすぎるんで
すね、読み返すにあたって虫眼鏡がいるようじゃやっぱり。
Q : そうするとやっぱり字の細かい、中に書いてある何とか線とか、そういうのも小さいという
感じがしますかね。地
図の中の文字なんかも。
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B : 参考書としては良いんでしょうけどね。実際の活用の意味から見たらもう少し省略する物はして、わかり易いも
のの方が良いような気がしますけれどもね 。
Q : あと、色分けなんかは分かりますかね。泥流が危ないところとか、そういうのが赤くなっていて、火砕流 とか降
下物とかありますが、そういうのっていうのはその区別はこんなところで良いかなというところはありますか。
B : 良いと思いますね。流れてくるであろう予想時間とかね。
C : 予想時間なんかというのは、これは防災マップとしてはポンと目に入って良いんじゃないですかね。
Q : これはあんまりたくさんのところに**する必要は無いんですね。
? : ここだけですよね。
Q : いやもう1 個ありますね。
? : ありますか。
Q : 2 つ 3 つぐらいしか到達時間はないですね。
B : 実際、詳しく分かるんですけども、いろいろ持ってきますと何が何だか。
Q : そうですよね。
B : 注意書きを読みながらなるほどなって言うのは分かりますけどもね。
Q : ちょっと複雑ですか。
B : 複雑ですね。
? : 富士山の方が複雑だって。
B : 富士山の方が複雑ですね。
Q : 富士山はね。富士山の方が自然現象が複雑なんですね。割りとここの場合、泥流が多いんで書いてあります
よね。あと、我々が観光客という
立場で見てしまうからなのかも知れないんですが、避難場所とかが数字で示されて
いるんですよね 。それが何とか小学校と書いてくれた方が僕なんかは分かり易いですけど。逆にもう良くご存知の方
は分かるということでしょうかね。3、4、5、6 と。これは別に問題無いってことですかね。
Q : 比較的Aさんなんかは長い方なんですが、その辺はもう数字でバッと大体「あ、あそこだな」ってイメージは沸
くんですか、避難場所は。
A : 白金地区はわかります。これから下に下がると。
Q : 分からない。
A : 分かりません、はっきりは 。おおよその見当はつきます。
Q : Eさんだと大体分かりますか。あそこだろうと。
E : はい。
Q : というと、そこはあんまり問題ないということですね。
Q : あと、避難に使う道というのも赤線で入っているみたいなんで、それはもう分かり易いというか、あそこは使える
んだなというのは、あそこだなというのは。
E : はい。これ通ってるから。
Q : あ、これはこっちですね。あとは、白金温泉から市街に抜けるというのは1 本しかないんですよね 、基本的には。
他は考えようがないと言うところですね。
Q : 僕らが分からなかったのはこの緑の丸なんですけど。これは別に問題ないんですかね。多分この地区はここ
に、この地区はここにというのが、境が緑の枠で入ってると思うんですけど。これは別に混乱は無く。何地区だなとい
うのは。
A? : 限定はしないでしょうけど。それは避難する方の判断だと思いますよ。必ずしもこの地区はここって言う限定
は・・。例えばしておいても現実にその通りに行くかどうかというのはあると思います。
Q : 今、わかりませんって、何か。
D : 「マイナス1」だとか、「マイナス2」だとか。
C : 赤に白抜きの。
D : あ、6 のハイフン 2 になっているのかな。近くの人は分かると思うんですよね、どこに避難するというのは。住民
の人は。
C : そうそうそう
、近くの人は。
Q : え、この「マイナス1」って何ですか、これは。
? : ここを示しているんですね。
? : 避難場所ですよね 。だから、そういったことが。
? : 枝番でしょう。
B : マニュアルだから注意書きがさ、ちゃんと。参考書引っ張ったら分かるけど。
D : 良く、ちゃんと読めば分かるんだね。
B : 一応書いておけば。
D : そうだよね 。傍の人たちは見ますよね 。ただ、白金の人間が美沢のどこの避難所というのは見ないですよね 。
62
正直言ってね。
B? : そういう
観点から行くと、先ほど私申し上げたこのスペースで白金だけのことを見ますから。ちょっと白金地区
の目に留まらんなと。全体的にはよろしいでしょうが。
D : 正直言って逃げるの大変だから、白金の人が美沢のあそこまで逃げようとは思わないですよね 。
C : そうですね。高いところ**ますよね。
B : 危険ですよね 。交通事故の危険もありますし。原則はやっぱり自分の身ですからね 。ま、お客様が第一で、だ
からお客さんと自分の身ですからね 。
C : 自分の方だけですよ、まずおっかないのは。じゃ、どこ行くっていう優先順位になりますよね。
Q : やっぱりそこだと。
C : お客様本人も含めて。どうしてもここだけしか見ないから。D社長じゃないけど、マイナスの枝番だなんて、今
までマイナスが付いてると思ってたけど気にもしない。うちはここだからこの辺だけ。
D : そうですよ。まず逃げようと思いますよね。
B : そこだってね。皆さん確かに大きなホテルに泊まった時に非常口を確認してくださいって言われてますけど、
一般的に、確認されますか?
Q : しません。
B : しないでしょう。そうだと思います。本当に巨大なホテルに泊まっても分かりませんもの、図面を見ただけでは。
D : お客さん聞いてないですよね 、説明してましても。そして、「聞いてない、聞いてない」って言いますからね 、お
客さんはね。
Q : 飛行機の安全なんかは聞いたことないですからね 。なるほど。あとはここの中に入っている言葉なんですけど
も。泥流という
言葉は分かり易いんですけれども、火山礫とか岩屑雪崩とかですね、そういう
言葉、ちょっと専門的な
言葉が書いてあるんですがそれは大体イメージはつきますか。
B : それは心配ないと思います。
Q : 比較的、岩屑雪崩は難しいかなという
気はするんですけどね。
B : 専門用語の勉強はしてませんね。
B : ・・だからさっき言いましたけれども、要するに、避難を勧告、いわゆるそういうことがあり得るんだよ、と。だから、
そういうときにはちゃんと理解して指示に従ってくださいよというものに使うべきなのか。それとももう少し学問的に、
学問的と言っても本当に覚えなければね、表面だけでも覚えることによってそれがどうなるのかということになれば何
も関係ないんですね、現実、運用面におきましてはね。
Q : ある意味では我々素人から見るとどういう
危険性がどっちが高くて、どういう行動をとらなけりゃいけないかとい
うことが分かれば良いということなんですね。
B : そういうことだと
思います。
Q : そういう面ではご指摘のあった雲仙の時に完全に火砕流のイメージをミスしてしまって、巻き込まれてしまった。
ということだと
思うんですね。その程度ですよね 。それ以上、何故発生するのかなんてどうでもいい。
D : これだって岩屑雪崩っていうんだって、山に登らない人は関係ないんですものね、正直言って。
Q : 規模によりますけども。ちなみに駒ケ岳、あれは山体崩壊で岩屑雪崩起こっているんですね。2 キロ以上、3∼
4 キロは海岸線を埋め立てて対岸の虻田町に津波が来ているんですね。ですから、山体崩壊を伴う岩屑雪崩という
と町が完全に埋まってしまう。だから、それが十勝岳でどの程度起こるかっていうのはこれは学者先生の話になりま
すけれども、まあ、ある意味そんなに軟なものではないということですね。あと、皆様方からご覧になって泥流という
のは時期としては何時が 1 番恐いのかなというイメージを持つのかなと。
全員 : やっぱり雪の時ですね。
Q : これはかなりきっちりと皆さん持ってらっしゃる。一般的には泥流と言うとやっぱり梅雨の時期という
イメージが
強いんですけど。こういう融雪、雪が積もっている時なんでしょうね 。やはり非常に危ないといわれている。
A : 火山というのは案外夏危ないんですね。いろいろな問題起こす。
Q : そうですね。泥流なんかは今の雪がある時期というのは被害が大きいですね。
A : 小さなことですけれど。この地区だけじゃなく、北海道冬ですから。冬場の避難となると足場が。これも大きな
問題だと思います。昔みたく除雪が行き届いてなければ動き易いんですけど。ご存知のように、今日お歩きになっ
て足元が大変だと思うんですよ。その時に最悪の時が来た時に、それの事故のあるようですね。
Q : 温泉ですとご年配の方多いでしょうからね。
A : はい。そういうのはマップに関係ないことですけど。現実的にはそういうこともありえると思いますね。
Q : 足元だけじゃなくて寒いですから、屋外避難なんていうことになると長くは避難できないと。
Q : 火山砂防センターの鍵はAさんがお持ちになっているんですか。
A : いえ、あそこに管理人がいるんです。
Q : 常駐しているんですか。
63
藤原 : 日中のみです。
Q : 夜の場合はどうするんですか。
藤原 : 夜にもしも噴火した場合に、保養センターに、美瑛町の保養センターに。あそこの管理人の方に鍵をお渡
ししてあるんです。
Q : じゃ、この地区の方で持っているということですね。
藤原 : ですから、その方が鍵を持っている。
Q : Cさんご存知でしたか。
C : 今聞きました。分かりました。
藤原 : ですので、また2 月 8 日の話しを申し上げますが、そこに**を**て、まだ施設が閉鎖状態にありました
ので直ぐ開けろということで。
D : あれ電話回線の自動ロックじゃないんですか、そこは。電話回線でブーッと鍵が閉まってないんですか。
A : 閉まってないんです。
藤原 : で、直ぐ、うちの観光課の歩いて直ぐに。
Q : 聞けば聞くほど美瑛町はいろいろとやってらっしゃる。
藤原 : いや、やっているうちに入らないですよね 。
C : 知らなくちゃいけない。活用しなくちゃいけない。
Q : **ぱっと見たらの反応というと。
A : これがですね、そういう立場でないですから。ただ、目にした限りでは**。それと同時に初めて十勝岳が活
火山であるかどうかというのを、私知らなかったという**があります。
Q : これ、伺い忘れたんですが。Eさんの所は貼ってありますんで、「ああ、良いな」というのは分かるんですけれど
も。例えばA様の方にこれほしいと言ってくる契機は何ですか。
A : それはセンターに貼ってありますんで。
Q : センターに貼ってあるんですね。
A : はい、そこの観光センター の中に貼ってありますから。施設は行政の方ですから、当然そうなります。
Q : じゃ、あそこに積んでおけばよろしいんですね。1 部 100 円とかで頒布すればいいんですね。
Q : 売ったら儲かりますね。
藤原 : 現実問題、うちも窓口でそういうことでいろいろ来られる方いらっしゃるんです。美瑛町のハザードマップを
頂戴と。地元の方であれば、町内の方であれば当然無料で配布しますし、**方に随時お配りしてはいるんです
が。目的は何なんでしょうかと聞いて、コレクションということであれば有料で差し上げてます。
Q : やはり有料で。何か、お土産品売り場で売っても良いですよね 。1 枚 1,000 円ぐらいで。
Q : なるほど。
Q : このマップを見て恐いみたいな形の、そういう観光にマイナスの効果みたいなものは、とりあえずは無いという
感じなんでしょうかね。
B : なきにしも有らずでしょうね 。アンケートはとってませんけれども、ただ、考え方によってはそういうことをオープ
ンにして理解していただくというような 考え方だと思うんですけどね。結局、1 番困るのは不意に新聞で「十勝岳の火
山性微動がどうの」というようなのが1 番恐いんですね。
Q : かなり敏感ですか。僕、そうでも無いんじゃないかという
気も。
D : 来ますよね。夏場のお客さんなんかは。大丈夫ですかって。わざわざ噴火するところに泊まりに行く必要は無
いというのはありますよね。何があるか分からないんで。
Q : それはずいぶん上がって来たんですね。前、三宅島が噴火した時には観光客がドーンと増えて大変だったで
すもんね。そういう意味じゃ雲仙のインパクトは大きかったということだと思うんですが。逆に観光客の方がどういう
イ
ンパクトを持つか恐いというのがあるのかも知れませんが、皆様方の目からご覧になって、ハザードマップ を見て、
やはり恐いという感じがあるんですか。一般的な住民の方々は「フーン」とそのまま何となくゴミにいってしまうという
感じが無きにしも非ずなんですが。
D : 恐いという
感覚はないですね。
C : 僕、3 年数ヶ月前に来た時には、役員がこんなことあったよって、1 番最初に話しを聞かされたじゃないですか。
で、当然そういう
話し家でもしたら、「お父さん大変なところに仕事に行くんだね」って。いや、やっぱり、6 年とか 10
年、長く住んでおられると麻痺してくると思うんですけど、改めてここへ 仕事場とか何とか言うと、やっぱり僕もウーン
と思いましたもんね。
Q : Dさんが先ほどそんなことはないとおっしゃったのは、どちらかというとハザードマップ というのは、地震動とか
火山弾***ということに関してであって、ハザードマップというわけでは。
D : 無いですね。これをして、まして観光客に見せる必要も無いと思うんですよね 。逆に、貼ってこういうことありま
すよって言うのはあれですけれど。わざわざお配りする必要も無いわけだし。例えば役場から火山情報が出たら当
然避難しなければならないわけですから、という
感覚ですよね。
64
Q : インフォメーションの中には入ってはいるけれども、見ているか見てないかも分からないけれども、別にそれに
対する反応は思わないという感覚ですよね 。
Q : 担当者は見てああって言う雰囲気で、別にそれで恐いと思うことはないですか。
D : それで、これを見たからってじゃ、避難路を確認するお客様は誰もいないでしょうね 。
Q : Eさんの所は食堂に貼ってあるんですが、見てるお客さんなんかはいますか。
E : 結構いますよ。
D : 1 番見やすいところに貼ってあるもんね。レジのこっち側に。レジ待ちで。
Q : それはどんなコメントがあるんですか。「綺麗だね」に始まって「火山なんだ」とか。いろんなコメントがお客さん
から。
E : ただ、要するに火山で泥流が発生するんですねぐらいですね。ただ、この 10 キロ下、ここに 20 分って書いて
ありますね、それを言ったらビックリしますね。それは教えてあげなかったら、これは見てないみたい。先に逃げます
からって言うんですよ。お客さんより。前回の避難命令にかかる前に僕は逃げたんですよ。美瑛にいました。
E : 先に逃げた。2∼3 日前に。
Q : それ何か。
Q : 火山性微動とかそんな。
E : そうですね。
Q : あと、もうひとつ、年越えて 5 月になってからは 観光客の****思うんですけれども、有珠山の噴火の後っ
て言うのは洞爺湖温泉**。その違いって何なんでしょう。
B : いわゆる直接的に被害があったか無いかといわゆる規模の問題ですよね 。恐いもの見たさに来るというのと、
本当に人的被害が予想されるものというのは、やはり、新聞記事、いろんな情報、それから行政の判断によっても、
それはやっぱりお 客様は見ていらっしゃったことですよね 。ですから、完全に交通が遮断されているところに誰も来
ないと同じようにですね。OK ということになれば規模が違いますからね 、分母が違いますからね 、根本的に。ですか
ら、これが大きな温泉街に打撃を与えたということになれば、これは危険視というのはお客様により高まるでしょうか
ら。そうじゃなくて、この地区の場合は泥流が若干あったよという、あとに 分かったことですからね 。ですから、そうい
った意味では全然捉え方が違うと思いますよ。噴火という言葉は同じでも内容の違いですね。
D : 有珠山は何月でしたっけ。
Q : 前回、77 年から78 年が夏の火祭りの時。先回の 2000 年の時が 3 月 21 日に起きてます。
D : あれ、12 月ですよね 。我々洞爺湖に行ったの。あの時でも結構岩とか飛んでましたもんね。
Q : 12 月?
B : 雪降ってなかったんじゃないですか。
D : いや、雪降ってバスが故障した時ですね。
B : 1 月からなんですね。まだ飛んでましたよね。
Q : タマチャン、ユウクンがまだちょっと吹いてたんですよね 。ただもうあの時には完全に温泉街は。
B : 営業はしてましたよね。
Q : 8 月にオープンしましたから。まだ空震があったくらいだと思うんですよね。
Q : 最後ちょっと聞いておきたいんですけど。全体としてマップのわかり易さを。レベル的に言うと。富士山と比べ
て見ていただきながらの方が良いかも知れないですね。とても分かり易い、まあ分かり易い、やや分かり難い、とても
分かり難いという
ランキングで言うとどれくらいになりますかね。Eさん、どうでしょうね 。
E : やっぱり1 番分かり易いんじゃないですか。
Q : やはり分かり易いですか。藤原さんいらっしゃいませんよ、今。
E : いやいや、分かり易いと思いますよ。
Q : ただ、問題点いくつか指摘していただければ藤原さんの方も対応し易いと思いますけど。
D : 難しく書けば書くほど見ないですからね 。我々。
Q : じゃ、私の方からちょっと1 つご質問させていただいて。この配布というのが平成 14 年で、皆さんのお手元に
はまだ残ってらっしゃると思うんですが。これはお手元に届いたのは 1 回だけですか。それとも足りなくなってまた補
充とか、そういうことはあるんですか。
C : ハザードマップが 1 番先にできたのは平成の 3 年ぐらいですか。
藤原 : 昭和 63 年。
C : 昭和 63 年に第 1 回ですか。これが改善されたんですか。
Q : これは 2 回目のものですね。これは 10 年以降は 1 回、その後は追加で配布とか言うことは無いんですか。
D : 必要に応じて役場に来てもらうとか。
A : 私共の事務所に、先ほど申し上げたように余分なものがありますから。何かの施設が必要であれば。
Q : 転入者とかも見られる。必要があれば。なるほど、分かりました。あとはやはり我々としていろいろな火山を見て
いて、今 1 番有珠山が火山との共生ということで、むしろ火山は噴火するものだと、そして、むしろ過去のというか先
65
回の火山の被害を出来るだけ残そうという
形での共生という
形で 1 番やっているところだと思うんですが。逆に言うと、
そういう
目で見てあの避難路はすごいなと思ったんですね。そういう面ではこういう
ハザードマップの避難路もやはり
ネガティブなものではなくて、これだけやっているんだよという
、むしろPR 的なポイントとして是非存分にご利用いた
だければなと。Eさんのように 全部の施設で貼っていただけるかどうかは別問題として、十勝岳、火山の危険性はあ
るけれども町も我々もこういうことをやってますという
、むしろ防災を、安心情報を出す形で是非やっていただければ
というような気がしております。1 時間半ぐらいという
長丁場を拘束させていただいて申し訳ございませんでした。い
ろいろと貴重な情報をいただいておりまして。是非今度は家族連れでお伺いできればと思っております。
どうも本当に今日はお忙しいところありがとうございました。
66
火山周辺自治体におけるグループインタビュー
美瑛町(2)三沢地区
Q : ・・お話しいただければと思います。先ほども言いましたように美瑛町のものは全国レベルから言えば 1 番良い、
我々から見ると 1 番良い見本だと思いますので。それでもやはり中にはこういうのをしてほしいとか、やっぱりこれじ
ゃ捨てちゃうよとか、その辺の話しも含めて伺いたいと思っております。じゃ、どうぞ簡単に自己紹介の方を。
A: 私は嫁いで 31 年になりますAです。
Q : A様って、**の*に−−の−?
A : いいえ、あ、いいんです、それで。**まで言われたから・・。
Q : あ、申し訳ございません。その 31 年前というとお生まれになったばっかりだと思いますけれども。
A : いや、私は実家は富良野の方です。
Q : 富良野の方ですか。富良野市の方?上富良野?
A : いや、富良野の中ですから老節布という本当のずうっと山の中というかな。
Q : じゃ、わりと十勝岳とはずっと。
A : そうですね。遠くの方から眺めてましたね、十勝岳は。老節布の方といったら遥かかなたの方にちょっとこう見
えるというかな、そういう場所に居ました。私は生まれました。
Q : 今は、美沢は皆さんご近所でいらっしゃる。それともかなり。美沢って結構広いですよね 。
B : 近所と言えば近所という。ちょっと広いよね。
Q : 我々のところからいくと100 戸ぐらい入りそうなところに1 戸ずつあるような 、やはり敷地がゆったりしたところです
よね。
C : 端から端までといったら3 キロぐらいあるよね、美沢は。
B : いやもっとあるよね。
C : 3 キロ以上あるか。
A : だいたいうちらの所からこの学校までで 3 キロあるから、Cさんだったらまだまだ、ね。
B : 全部なら7、8 キロ。切り無いね、どこまで・・。
C : 8 セン(8,000?)。
B : Bと言います。**の*と書きます。美沢に住んで 27 年目です。でも生まれは美瑛なので。でも、ちょっと向こ
う。
Q : 市街の、あるいは丘の方とか。
B : ちょっと、美瑛町の中のちょっと違う方です。だから十勝岳は眺めてた方かな。直接噴火なんかは全然関係な
く。私、子供の頃に 1 回噴火しているんですよね 。
Q : 88 年の頃ですね。
B : そうですね。その頃はただ「ああ、噴火したんだ」くらいしか思っておりません。
Q : 特に市街の方はほとんど。こちらの方は、白金なんかは避難されたり。硫黄を採っていた方が亡くなったのは
88 年、もっと前だったんですかね。
B : 昭和 37 年じゃないんですか。
A : 昭和 37 年。
Q : いくらなんでもそうですよね。
A : 西暦で言われるとちょっとぴんと来ないけど、昭和で言うと37 年。
Q : そうですね。1962 年の時ですね。5 名の方が亡くなって。はい、ありがとうございました。他に何か PR、そんな
ことは無いですね。
B : ああ、いいえ、ただこの前、十勝岳噴火した時には子供が小さかったんでちょっと慌てました。やっぱり防寒着
を着たまま寝た夜が何晩かありましたよね。
Q : その昭和 63 年の時にはこちらに来ていらっしゃってたことになりますよね。
B : 来ていました。
A : 私も居ました。避難しました。
Q : 昭和 37 年が市街の方にいらっしゃったんですね。
B : そうです。
Q : 東京オリンピックの少し前ぐらいですかね。
B : そうだね。
67
Q : はい、わかりました。
D : D。*らすの*に。
Q : **の。で、*は?
D : *は*です。
Q : 美沢でお生まれに?
D : 60 年。物心ついてからだから、50 年間ぐらいのことは 分かるかな。
Q : そうですね。小さいころは言われたことなのか、本人の記憶が良く分かりませんよね。
D : 37 年の時、丁度 20 歳ぐらいかな。その前のことはちょっと分からない。
Q : その前は大規模なものは大正 15 年ですから。
D : 生まれてない。
Q :ですね。
C : Cと申します。今 60 を過ぎましたけれども。ここへ住むようになったから50 年。それから 37 年の爆発ももちろ
ん避難をしましたし。私は白金に 1 番近い所に居るもんですから、十勝岳の。そんなんで、子供、親はみんな町の
方へ下げて、そして我々だけが家に 2 人だけ残って留守番をしていたんです。
Q : 男手の中核的な。2 人、残られたんですか?
C : ええ、残っていましたね。農家なもんですから仕事したりしなかったりで、いつでも避難できるような態勢をとりな
がら居たということです。
Q : 大変失礼ですがCさまは農業は、この辺いろいろ馬鈴薯とか麦とかいろいろありますけど、何が 1 番メインなん
ですか。
C : そうですね畑作産品だいたい作っているんですけれども、数は相当いろいろ作っています。馬鈴薯、麦、アス
パラだとか。
Q : 美味しそうだな。朝摘みのアスパラは。Dさまは農業をしてらっしゃる?
D : はい。
Q : だいたい同じような感じで。畑作中心の?
D : はい。
Q : Bさまのご世帯はメインのご職業というのは。
B : 同じです。
Q : 農業で。だいたい畑作、この辺の方々は。
B : はい、そうです。
Q : Aさまのところは?
A : 同じですよ。
Q : じゃ、わりと皆さん、お仕事柄というか、組合、農協さんとかで良く顔を合わせられたり。
C : そうですね。
Q : この地区の方は農業の方が多い?圧倒的に多い地区?
B : 馬が圧倒的に多いよね。
C : そうですね。**がまだ多いからな。
B : 最近、でも結構他の。
C : 多くなったよね。
B : 農家以外他の。
C : ペンション だとか、食堂。
Q : ちょくちょくペンション とか。
B : 喫茶店とかで。
Q : でも、あまりやってない。先回伺った時はやってらっしゃらなかったんで。わりと閉まっている期間が多いのかな
と思ったんですが。
B : いや、そんなこと無い。
A : やってるよね。
B : 個人差があるかもしれないけど、結構、今オープンしてますよ。
Q : あとはいろいろと地の利から言うと旭川に通勤圏内ですもんね。分かりました。ありがとうございます。そんな範
囲のところで、皆さんやはり昭和 37 年ぐらい。記憶がどの程度、小さい頃で、どういうところの差は幾分おありである
ようですが。だいたい私と同世代の方々のような気がします。昭和 20 年代なんですけれども。ま、そんな感じなのか
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なと思って伺っておりました。そういう面ではまず率直に、あとでもうちょっと細かく伺っていこうと思うんですけれど
も。
ハザードマップ、これをご覧になってのAさまの第一声は「あったかしら」ということだったと思うんですけれど。そうい
う素朴なところから、何かこれを見て、Aさまは何となくあったかも知れない。でも。
A : そうですね。はっきり記憶に無いんですね。失礼。本当に申し訳ないんですけど。
Q : いいえ、私は別に。それをAさんがちゃんと「これは!」って思うようになるようにすればいいんであって。
A : 見せられたら、ああ、見たかなという。
B : うち、探したんですけど、出て来ないんですよね 。
Q : Bさんの所も探してみたけど出て来ない。
B : すいません。
Q : いえいえ。
? : 旦那さんがちゃんとしまってあるから。これっていうときにパッと出てくるから。
B : それなら苦労しないって。真っ先に握ってくるわ。
Q : でも、もらったことは 覚えている?
B : はい。
Q : その時って、何かご覧になりました?
B : ああ、そうなのって言う感じ。すいません。そんな程度です。
Q : Dさまは。これは今どちらに。
D : これはもう机の引き出しに。
Q : 入ってらっしゃる。じゃ、いつでも見られるところにあるということなんでございますね。でもほとんどご覧になる機
会はないですよね 。
D : 普段はまず 、見ないね 。やっぱり、何か兆候があるようなときは見るのか知らないけれども。それ以外は見な
い。
Q : ということはここ暫く見ない。2 月の 8 日に臨時火山情報が出たようですけれども、その時はご覧になられまし
た。
D : いいや。
Q : じゃ、多分、そういう意味では配られた以降は、そんなに大きな異常って無かったんですよね 。
D : この前、防災も入ったかな。
C : 入った。
Q : 最後の頼みの綱のC様は壁に貼ってない?
C : ないですね。机の下敷きの下に入れてある。
Q : あのう、マットみたいなのに。
C : いつでも出せるように。そんなような 状態で置いてはあるけども。でも普段はやっぱり見ないですね。
Q : そりゃそうですよね。これ毎日見てても、それほど、ね。
C : ただ、これ全部広げておくわけにいかないから、こういうようなコンパクトなのが 1 つあったらいいのかなと。
Q : 大きさの問題ですね。
C : そんな感じはするんですよね 。
Q : なるほど。引き出しということは当然D様も畳んだまま。Bさんはどうやって保管されてたかは、とりあえず今は伺
いませんけれども。
B : きっと畳んであると思います。それは間違いないです。
A : でも、こう広げてはね。
B : この大きさでね。
A : そうそうこの大きさになって。ちょっと本箱かなにかに立ててあると思いますよ。いつも物を上げておいてある所
に、多分あると思います。
Q : 電話帳とか何かあるところにね。
A : そうです。
C : 私のところに近くに障害者の施設があるんですけども、そこはバンと貼ってあります。
Q : これだとほとんど分かんないんですね。
C : ただ、そこに貼ってあるけれども、自分の居る場所ってどこなのって聞くとあんまり良く分かってない。貼っては
あるけれども。
69
A : 目印つけておかないといけないね。美沢ってこの辺なの?
Q : 美沢は。
B : 美沢はこの辺だよ。
C : 何千、何千って数字は書いてあるんだけど、何の数字か良く把握してないって言うような。
Q : A様、いきなり、どこに避難されますか。
A : 私達はあるんですよ、避難場所は。
Q : ご存知でいらっしゃるんですね。
C : 公園なんだよ。
Q : 何と言うところに行かれるんですか。
A : 双葉の方だから、ここだ、ここだ 1 番だ。そこに避難場所ってちゃんと作ってあるんですよ。
Q : これを見るとみんな丘陵地ですね。
A : そうです。
Q : 施設じゃないんだ。
A : 結構高いところですよ。
Q : 高い所に上がるというところですね。
A : うん。私達はそうですね。高いところで。
Q : でも結構ここ丘陵地まで。こっち側は近いけど、こっち側はありますよね。どっちだ。どっち側が近いんだ、丘は。
道路を走っていると美瑛に向って左側の方が。
C : 川の方が近いけども、向こうは美瑛川を渡る橋が 2 ヶ所しかないですね。
Q : なるほど。
C : このカミと美生とカワムカイと。
Q : 川はこれですよね 。だからこちらの方はちょっと行きづらいかな。こちらの方にいくんですかね。
D : 全部。
C : 川を挟んでこっちとに逃げる人とこちらに。
Q : わざわざ泥流の危険の川に向うというのもあれですからね。
C : このハザードマップ の中で小さい川が抜けているんですよね 。小川が抜けていて大雨の時には直接小川が本
流になるということはしばしばあるんですよね。この美瑛川の丁度カーブのところは大分直してはいるんだけども。
Q : 結構大きな流れになるんですか。
C : うん、大きな流れになる。丁度私のところはその中間に居るんですよ。美瑛川とその小川の中間に居るような格
好になっているんですよ。
Q : ある意味中島みたいなですね。
C : どっちが早く、もし泥流が来た時には、どっちに逃げたらいいのか。逃げる場所は決まってるけどね。それが今
のところ、私のうちの心配かな。
Q : 1 番、今想定してらっしゃる避難場所って、車だと何分ぐらいかかるんですか。
C : 2 分もしないうちに着くな。
Q : 2 分。Aさんもそれくらい。
A : そうですね。
Q : Bさんのところですと。
B : うち双葉に避難するのか。違う、うちミエだよね。確か。ミエだから。
A : ミエならちょっと遠いね。
D :どこに行くの。
B : **。だからミエだから5 分。5 分でいくか。
Q : Dさまは 5 分ぐらい。
D : いやいや。
Q : Bさんのところが5 分ぐらい。
D : うちはもう5 分あったら間違いなく行く。
Q : 確かに寝てて着替えてったら、結構ありますよね。もちろんそういう状況からはね。
A : それから言えばまだまだありますよ。
Q : 活動したことから考えると結構早い時間で。
A : 車に乗った時点では 2 分ぐらいでちょっと届くかも知れないけど。
70
Q : 結構避難場所なんかも出てらっしゃるんで、住民の方々、だいたいどこに避難するかということは 頭に入ってい
て。
全員それぞれ : 毎年訓練をしてますから。
A : 2 月ですよね 。2 月の。
Q : なるほど、防災訓練の成果が。わりと防災訓練って、皆さん参加されて。
A : してますよ。
Q : いい地区ですよね 。そういう意味では。
B : いい地区ですか。
Q : いやいいですよ。それはそれでまたいろいろありますけども。今、1 割とか 5%とか、なかなか難しいんですよね 、
防災訓練の参加もね。やはりそういう面では周りの方々もこれを常時貼ってらっしゃる方っていうのはあんまり見かけ
られませんか。多分、Aさんが見たかなとおっしゃるって言うことは他所の家に貼ってあれば記憶にあるでしょうか
ら。
A : そうですね。見たこと無いな。
Q : 久しぶりにご尊顔を拝見したような。
C : 僕はその施設に時々行くもんですから。
Q : 障害施設に。
C : はい、時々行くもんですから、目にはしているんですけどね。
Q : なるほど。
A : 美沢の学校に貼ってあるんだろうか 。
B : 私、今日午前中に美沢の学校に用事があったので行ってきたんですけれども。学校には配られなかったんで
すって。校長先生は個人的に持ってきて学校に貼ってありました。たまたま、その話しをしたら「いやー、実は学校
には来てないんですよね 」って。
Q : 校長先生はご自宅のを持ってこられた?
B : はい、自分ちのを持って来たそうです。それと防災無線の入りが悪くて、アンテナの向きをどうか、何か変えた
って。
Q : Fさん、呼びましょうか。
B : 言って来ますからって言ったんだけど。
A : いちばん防災無線は大事ですよね 。
B : アンテナの位置を変えて入るようにしたとかって。
Q : 全般に美瑛町というのは大変防災活動が進んでいるところですし、そういう面では皆さん方がおっしゃることと
いうのはやっぱり大事なご指摘と思うんですけどね。何もやってないところとは 違いますので。
A : でもね、ここは本当に危険な場所だもんね。だからみんなが一生懸命になるんじゃない。
B : 学校のところはね、**の時に一杯くる**。
A : それは危険な場所だから。
B : それ聞いたら、保育所にも貼ってあるのかなってちょっと心配になって。
Q : **ってないですね。ただ、保育所で小さな方ご覧になっても難しいですよね 。
B : いや、先生方が把握してるのかなんか。
Q : ということですよね。
C : ただ、訓練はしてるけれども、その訓練どおりの中身に出来るのかどうか。この日は訓練ですよって言われてる
んだけども。
B : いざとなったら慌てて。
C : ある程度気持ちの余裕は持ちながらやれるんだけれども。実際に爆発が起きた時にはたしてどうなるのかなと
いうのは、私は心配だよ。
B : いざっていう時はね。
Q : その訓練って、結構参加なさってらっしゃるんですけど。美沢地区だとだいたい、訓練だと何人ぐらいの方が。
出来るだけBさんは見ないようになさっているんですが。
C : 僕はちょっと最近。僕らのところの場所は 4 軒か 5 軒位しか集まらない。軒数もないからって言う感じなんです
けども。僕ちょっと消防団に入ってるもんですから、その時は白金に上がってしまうもんだから。
A : この 1 番に避難する人たちは美生地区って言うんですけど。
Q : 美生っていうのはどんな字を書きますか。
71
B : 美しいに生まれる。
A : 9 軒か 10 軒の人はだいたい車で来ますね。
Q : 元々は何軒くらいのところですか。
C : 19 戸あるかな。
Q : じゃもう半分ぐらいは。
A : だいたいね。
C : 50%ぐらいは。
A : 集まりますね。
C : というのはやっぱり爆発して、何と言うかな、爆破して、そういうのあった後はね、結構訓練しても真剣にやるっ
ていうか。半分ぐらいじゃないかと思いますけどね。
B : そうね 。毎年やってきたら段々ね、出るときもあるし、「あれ、今年多いわ」と思うときもある。いろいろ。
C : ただ、やっぱり皆さん逃げる場所だけはきちっと把握していたら。
Q : でも、今こういう
数えてらっしゃいましたけど。それはかなりもう把握されてらっしゃるぐらいに、わりと良く知ってら
っしゃる方ばかり。
A : そうですよ。
Q : なるほど。そういう
面では日常的なご利用から見ると保管をしてあるけれどもあんまりご覧に。88 年が昭和 63 年。
このバージョンが作られましたのは平成 14 年。違うか。配られたばっかりじゃないですか。自信がないので。14 年に
配布されたもの・・。そんな感じでわりと新しく改訂版が出た形になるんですけど。これ以外に何かパンフレットとか入
手されたりしたことが、配られてきた記憶にあるものはありますか。
C : 個人的なのかな、こんな綺麗な色刷りじゃないやつは、1 回はあったような 記憶がありますけど。
Q : 町としては正確にはあんまりパンフレットは作ってないようですけれども。
C : 何かこれの半分ぐらいのやつかな。何で手に入れたのかちょっと記憶にないんですけど、何か見たことはありま
すね。真っ黒なやつを。
Q : わかりました。そうしたら、ちょっとこれが富士山で、見慣れたものと目新しいもので良く見えるかも知れませんけ
れども、ちょっとご覧に。ちょっとまた色もね。こちら綺麗な印刷でこちらは**かも知れませんけれども。少しご覧い
ただいて、「これはちょっと分かりづらい」とか「こういうのがあるとこっちも良いかな」とか。そういうところの何かお気付
きになる点があれば。少し見ていただいて。
? : ***。**が書いてあるんですよね 。
Q : 赤はこれですね。火口が出来る可能性がある。これに火口、どこにあるのか分からないと。この青い範囲が要す
るに直接大きな岩が噴出したのが落ちてくる範囲ですね。これがこちらで言うとこの範囲ですね。で、それからこの
黄色が避難場所。
C : 火口の口によっては避難が必要。
Q : そうですね。わりとここまでを詳しく書いてあるんですね。
A : でも流れる方を優先的に書いてありますね。
Q : そういう意味では美沢地区を見る分にはこちらの方がいいのかも知れません。ただ、色使いというのは 1 つのポ
イントがあるんですかね。ただ、それぞれが何を意味するか分かりにくいところもあるんですね。あとは何かあります
か。決してこちらの方が良いとかいうことも無いと思いますので。裏もあるんですけどね、こちらはね。富士山でっか
いですからね 。
A : 富士山もまだ爆発する恐れってあるんですか。
Q : ちょっと可能性はある。ただ、何時かは全然分かりませんし。あいつらは 1 万年に 1 遍気まぐれを起こすタイプ
ですから。我々から見ると良く分からない。
C : 活火山。危険よって早くこういうふうにパッと言えるのかなと。
D : これは富士山を中心としてこう周りに人が住んでるというか 。ここの場合は。
C : ここからこっちは反対側は非常に遠いけどこっちは近いじゃないですか。
Q : そうですね。その選び方、逆に言えばそちらはそこだけをクローズアップして書いた。だから、こういう
絵をする
代わりにそこで切り取ったということになりますよね。
C : ま、ここの部分ぐらいを内側に移してもらって、こういうやつ。そっちはそっちでさあ。
Q : 皆さん方、これ例えば、まずパッと見てどの辺かというのはまず直ぐお分かりになるんですか、この地図ですと。
C : いや、見にくいですよ。
B : 小さいのをちょっと探して、ああという
感じで。
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Q : ご自宅は。
C : 何か大きな。目星のようなものがあった方が、自分の家この辺だなというのはありますね。
B : 学校とかね。
A : 虫眼鏡を持ってきて探さないと。
C : そこをもっと考えてもらった方がね。
Q : 目印を拡大して。ちょっとこの頃だんだん字が小さいときついですからね 。
A : そうそう。
Q : この赤が何だかパッとお分かりになられます?
B : その線? さあ、何でしょう。
A : 道ではないんでしょう?
Q : いや、私も良く分かってないんですけど。これですね。恐らく避難路だと思うんですけど。避難路というか道路。
今、Dさんがおっしゃった。
D : **。
Q : 育成牧場の方。
B : これ 3 号線のことをいってるの、したら。避難道路って言うんであれば。
Q : これが市街地に行っている道道ですね。
A : こっちがオキキネンシだわ。だからこっち、3 号線?
D : 本線じゃない? 3 号線って言ったら。肝心なのはこの避難道路のラインが無い。肝心な避難道路にラインが無
いというのは。
Q : 多分それが赤で描いたことになりますよね。
A : この辺違うわね。これ。これが避難場所でしょ。そっちの方にちょっと赤印で道路きっちり。
Q : 逆にここに行く避難道路が良く分からない。それはそうですね。避難場所が行く道がね。
A : ただ、番号を打ってあるというだけでね。どこからどう行ったらいいのっていう感じで。
Q : もちろん皆さん方良くお分かりでしょうけど。
A : 分かってはいるけれども。分かっていると思うからこういうふうにしたんだろうとは 思うけどね。
B : でも、あれっていうことはあるからあれだよね。ここの人はこの地区だよみたいに色分けみたいな感じで、避難
場所と。色分けあれば分かり易いね。
A : それは 1 番に行く人は分かってはいるだろうけれどもね 。
Q : これ多分、これがこの地区ごとの。この地区の人はここにということなんだと思うんですけどね。Bさんはどの辺に
なるんですか。3 つ辺りでいうと。5 つか。
B : 16 センだから、ここ。
Q : ご自宅はどの辺になるんですか。
B : 自宅はここら辺です。美瑛の瑛って言う字のここら辺です。
Q : じゃあ、もう住んでらっしゃる方はあることは パッとある。すいません、突然。
あとは何かありますか。ずいぶんとこちらいろんな細かいことまで書いてあるのと表、裏であるんですが。これはお使
いになる立場から言うと。これ、情報をたくさん入れて表、裏。これは非常にシンプルにしてますね。これ壁に貼れる
ように。
A : そうだね。壁に貼ろうと思ったらこれですよね 。裏に書かれたらあれになっちゃう。
B : 壁に貼るんであればもうちょっと小さくてもいいかなと思うんだけど。
Q : 先ほどCさまもおっしゃった、もうちょっと小さい方がいいかなと。
C : 例えばその絵であるとある区域分けみたいにこういう
風にして。自分の場所が常に分かるようにしておけば。
B : なんか避難先の色分け見たいのがあれば区域ごとの。分かり易いかな。
Q : もっと小さく避難区域分け。
B : それと小学校とかそういう建物の目印と。
C : 避難訓練しているときにも2 回かそこらぐらいあったんだけども。例えば避難する場所を間違えて行ってしまっ
たとか。そういうことが2 回か3 回あったんです。うちの方の障害者の居る場所も、ここは全く不思議で東警察署が来
るんですよ、迎えに。そうするといざっていうときに本当にそれでいいのかっていう、何かそんな感じがするんだよね 。
わざわざ旭川東警察署から来るんだから。
B : 間に合わないよね。
C : その人が乗っけて行った時に場所を間違えて行ってしまって。さあ、今度はその人は避難訓練に出なかった
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んだなと思っていたわけなんだけど。実際は別なところに行っておったという。だからそういうような 。例えばその地
域、地域の中の担当者みたいのが変わらない担当者がいて、そういう
人と連絡が取れるような。
A : あそこもやっぱりこの 1 番に避難するんでしょ、**さんも。
C : だから、そういうような誰か常に変わらない担当者、責任者みたいな人がいれば。
Q : いれば、把握してるでしょうからね。
C : その人に連絡すれば、分かるんだっていうのがあればね。
Q : 何かあったときにじゃうちはどこに行くんだと。
B : 集落単位で連絡が取れるような横の繋がり。
A : 自衛隊さんも参加するの?
C : 自衛隊さんは後の見回り。避難したかどうかを見回りになるのは自衛隊さん。
Q : 東警察署って旭川っておっしゃってますけど、それは市の。美瑛町ではなく。
C : 美瑛の派出所から来るのかなと思ったらそうじゃなくて東警察署から来るんだっていう話なんですよね 。よくよく
聞いたら。
Q : 別市町さんになるんですね。どれ位かかるんですか、車だと。20 分くらい。
全員それぞれ : 40 分ぐらい。
A : そりゃ、こうやってくればどうかは知らんけど。
B : こうやって来ても40 分ぐらいかかるんだよ。
A : それでも40 分ぐらいはかかりますよね。
Q : 空港からでも20 分、30 分ぐらいかかりますよね。それをずっと待っているんですか。
C : 一応はね。でもスタッフたちはみんな免許を持ってますから、その前に逃げれるんだったら逃げた方が良いん
だけれども。そこまで迎えに来るまで待つんであればね。訓練は良いんですけれども。
B : いざっていう時に待ってないとね 。
Q : どっちにするかですよね 。
C : だからその時にきちっと連絡出来るような体制を。もう間に合わないから逃げましたよって。
Q : 今のお話伺っていると皆さん方も良くその施設をご存知で。心配もされてらっしゃるからそういう発想が出るけれ
ども。そうじゃなかったら、「何かあったっけ?」みたいなね。
あと、ここでは非常に特徴的なのは到達時間というのが入っているんですね。ここまで泥流が。どれくらいでCさんは
いらっしゃる?ご記憶で。いやいや、それは知識テストをしてるわけじゃないですけれども。だいたい 20 分以内ぐら
いで来るんだろうというふうに 。
C : 川には来るかもね。川以外ではそんなに。
Q : 溢れるっていう感じで。
C : 溢れてからっていうことだから。途中、途中で防災対策がきちんと川にもできてるから。大正の時代から見たら
格段の差が。ただ、時期的な問題ですよね 。
Q : 雪があったらね。
C : はい。時期的な問題で早いか遅いかだと。
Q : 1 番皆様方の目から見て、「ああ、嫌だな」と思う時期はどんな時期なんですか。何月とか。
B : 1 番雪が多いときだよね。
A : 雪のあるときは。
D : 規模にもよるだろうからね。規模が大きければ雪があったら。
B : 規模と雪だよね。
C : 雪解け時期というのが1 番脅威でないかな。雪自体も溶けかかってるそこへ 熱が加わるという
流れになったら。
足が速くなるかなっていうのがありますけどもね。
A : 88 年の 12 月、昭和 63 年か?
Q : 12 月 16 日ですね。
A : ね。あの時だって山、雪あったんだよね 。
B : あった、あった。
Q : 12 月だからもうあるでしょうね 。丁度虻田町、有珠山が噴火した時に、あの辺はそんなに雪が多いところではな
いですけど。それでも雪が凍って。3 月の時ですけどね。
A : 確かに雪があると恐いですね。
D : 前のは 5 月 24 か。
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Q : 24 日ですか。
D : 5 月って言ったら山肌がこう、ある程度見えてる時期で。見たことないから分からんけど。
A : それで、その時の時間なんでしょ? 書いてあるのは。
Q : そうです。ですから融雪時期ではないです。
B : そうなんだ。
A : だって、じゃなかったらこの時間どうやって書かれる?研究したもんで無かったら分からんっていう時間でない、
これは。
B : 過去のデータなんだよ。
Q : だと思いますけれどもね。これ、大正 15 年のを目安に作ってますので。
B : それはそれこそ雪のある状態と無い状態で違いもあるということも何か。
Q : 書いて置いた方がいいということですか。
B : でも段々ややこしくなるから。
Q : そこなんですよね 。
B : 見辛いというのも見辛いんだよね 。
Q : パッと見た目にはこういうのって分かり易いんですけど、でも結局何だか複雑になっているという
。厳密に書け
ば書くほど複雑になるという。で、結構大きくなるというような。
B : 丁度中間ぐらいの時間になっちゃうんだね、変な話だけどね。
A : ある程度おおよそっていう感じ。
B : 予想なんだからおおよそで。
A : それでいいと思うんだけどね。
Q : 皆さん方やっぱり雪の時がとおっしゃっていたのは、それは何かそういう話、古老の方に聞いたとか、何かそう
いうことですか。
B : やっぱり年配。家の年寄りなんかはやっぱり。昔、山に雪が無いから大丈夫って、安心して布団被って寝たっ
ていう。
A : 経験した人がやっぱりそうやって教えてくれるんで。
B : ああ、そうなんだって言うことだよね。
C : 大正 15 年のは家の母親が経験しているんですよ。
B : 雪が無い時は大丈夫だって寝たって。隣は慌てて逃げていったって。
A : そうなの?
B : そうなんだと。
Q : その前になりますと本当に大きなものはズーッと前になっちゃいますので、融雪時期に起きたというのは体験者
いらっしゃらない可能性ありますよね。
C : そうですね。大正 15 年の時に雪が残ってたみたいですけどね。
Q : 山頂の方はそうかも知れませんね。
D : 今ならね。
C : 今みたいに温暖化して無いからもっと雪があったかも知れない。
A : 万年雪というのが。
Q : やっぱり十勝岳ってずーっと5 月連休ぐらいまで、上は雪が残っているんですか。
A : 6 月になってもあるんじゃない。
B : 6 月の末ぐらいまで。
C : 7 月の 20 日ぐらいまで?
D : そうだね。
B : ほら、良く小学校で登山だって行ったら雪あったでしょう。子供たち滑って遊んだでしょう。
Q : そういうご経験もおありになる。
B : 学校行事で親子登山ってあるんですよ。
D : 雪が見えなくなるのは 2 月ぐらいかい。
Q : ただ、雪渓自体小さい。
A : それは小さいだろうけどね。
B : 雪ありますよね。
A : ある、ある。
75
Q : 今お話伺っていると結構皆さん方いろんなことをご存知でいらっしゃるんですけれども。十勝岳の話しとか噴火
の話しって、あまり楽しくない話しですけど出ることがあるんですか。例えば有珠山が噴火したのをご覧になったと
か。
D : 昨日チラッと地震が来た時には。コトコトって来た時には山大丈夫かって、やっぱり恐がるんですよね 。
A : テレビ見てても結構出るじゃないですか。今地震が何度とかって。どこどこというと。「あ、この辺大丈夫だね」と
か言って、やっぱり見なされますよ。
Q : やっぱり地震と火山、十勝って結びついているんですか。
C : そうですね。それはありますね。
Q : 十勝沖地震のときってこの辺結構有感地震があったって伺いましたけどね。
C : 大きなのは無かったけれども。地震があればやっぱり山は気に掛かりますよね。
Q : あといろんな情報が書いてあるんですけど、こういうのはここにあってこれもう要らないよとか、こんなの要らない
とか、あるいはこっちにあるけどこっちにほしいなっていう具体的な項目ってあるでしょうか 。
D : やっぱり連絡網っていうか。
Q : これはあった方がいい。
D : 電話番号とか何とか何にもそれにないでしょう?
Q : いえ、あると思います。一応あるんですね。電話連絡先はあった方がいい。あと何かこんなの要らないんじゃな
いっていうのはありませんか。これはいかがですか、このイメージは。
B : このぐらいでこれだったら良いような気がすると思うんだけど。
Q : 本当の避難のこれだけで。こんなのどうですか。緊急火山情報、臨時火山情報、火山観測情報。
C : これ、我々には要らないんだよね 、あんまり。というのはそこに載っけなくたっていいっていう感じはするんです
ね。防災無線やなんかで流れていることは 。
Q : 皆さん方はこの臨時とか緊急というのは良くご存知でらっしゃるんでしょうか 。
C : 訓練やなんかではやってるから。
Q : 臨時火山情報が出ましたとか。それはどんな形で流れるんですか、例えば臨時だと。
C : だから、「訓練です。訓練です」って始まってから。そして、火山のあれを言って、避難をしてくださいって。
Q : 臨時火山情報が出ましたので避難をしてくださいという
。
C : 始まって。あと何だ。ブザーかサイレンの音が出て。
A : 何個目で避難してくださいとかって言ってたんじゃなかった?3 回だったかな。
D : 観測しながら状況を見て、こういう
想定でやるからね 。直ぐに緊急だからどうのこうのじゃなくてね。
B : 前もってそういう連絡は防災無線を通して入るから。それを頼りにするっていう
、当てにするって。ただ、こういう
のは。
D : ある日突然に一気に避難しろ何てね。
Q : 要するにある程度の。
B : 前もっての情報が伝わる。
Q : 情報があるだろうと。
A : 88 年の時もそうだったもんね。前もって事前に入ったものね。だからそんなに慌てるということは無かったんだよ
ね。
Q : 皆さん方はこの地区ですと避難は、先ほどCさんはされたっておっしゃってましたけど、皆さん避難はされたん
ですか。
A : はい、しました。
Q : 美沢地区は基本的には全部?
A : あの時はしたっけ。
D : 個々の判断だったっけ。いや、びくとも動かない人もいた。
C : その前にもう訓練ですから。参加しますか、しませんかっていう。
Q : 88 年のときそのものを。
A : それからだからね 訓練したのは。
C : あの時にはそれらしいものは無かったですね。
B : 無かったですね。実際にみんなして。
D : 施設が無かったもんな。
Q : Dさんその時はどうされたんですか、88 年の時は。
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D : たまたま家の父が集落の集会があって、何時ごろかな。夜に入って十勝岳噴火してるわって、見てた。ただ、
何ていうかな、大正 15 年というか、**噴火した時にそれなりの恐ろしいというか、経験するというか目の当たりにそ
ういうのを見てる人は、やっぱりCさんのばあちゃんみたくやっぱり準備万端整えて、やっぱり避難した人がいたけれ
ども。
C : あの時にも、僕、遊びに行ってて帰ってきたんですよ、夜中。そしたらパトカーだとか消防車だとかで「おいお
い、本当か」と思って。11 時ぐらいかな。そして帰ってきたら、ちょうど家を曲がるところで警察の人に怒られて、「爆
発した。何こんなところでやってんだ」と。それから家に帰ってひょっとみたら稲光だもんね。
Q : 稲光はやっぱりする?
C : しましたね。それでこれはまずいなということで 、隣近所全部廻って起こして歩いて、爆発したって。みんな知ら
なくて。
B : そうなんだよね。1 番最初ってそんなもんだよね 。
A : そうだよね。そして何か音がしたんで起きて山見たらあれ赤いわとか言って。
B : テレビ見てこんなにすごかったんだって。テレビで見たのが 1 番分かったから。
Q : これですね。これが。
C : 夜中はね、何か稲光で何も見えないもんね、バタバタバタバタって何か。あとから聞いたら石が上がってそれ
がぶつかりあって火が出るんだって聞いたんですけど。ものすごかったですよね 。そのちょっと前ぐらいに。僕らは
自転車で行ったんですよ。遊びほうけてたときね。そしたらゴーッて戦車かブルドーザーか何かが来るような音。ダ
ダダダダダって地響きをしながらこっちに向ってくるような感じだったね、自分の方に。ライトを点けられるし。知らな
かったもんだから。そうやって帰っていくとその曲がり角にパトカーだとか消防車が。
A : まず、すごい縦揺れみたいな状態で地響きがしたんだよね 。
C : すごい音だった。
A : したらもう、山爆発したって言って大騒ぎしたのは覚えている。どこへ避難していいか分かんなくてね、あの頃
はまだそんなのはなってなかったから。
C : だから隣の人は家まで寄せて、家に入れておいた。いざという時困るから。明るくなるまで。
Q : 分かりました。また、ちょっと先ほどの話しに戻していただきたいんですが。さっき何か、これは 1 つの表現として
はこの避難場所にどう行くか。それがあって電話連絡先があって。こういう
基礎的な話は事前に流れてくるはずだか
らこれはいいんじゃないかと。いうようなお話しもあったんですが。例えば過去の災害はこんなふうなイメージなんだ
よっていうのはいかがなんでしょうか 。これはもう例えば、皆さん 88 年の話はご存知でいらっしゃるし、あるいはC様
のお母さんたちなんかはもうご自分でいろんな経験をしてらっしゃる。そんなものは必要は、なんていうとこはあるか
も知れないですけど。この辺はいかがなんでしょうか 。これ、先ほどの矛盾もあるんですね。入れれば入れるほど大
きくなるという
。
C : 規模によっては相当変わってしまうから。今の防災施設みたいなのがあちこち川を堰き止めたり、堤防**を
作りながら、昔は。全然変わって来ているということですね。例えばそこに 行って変わってしまったやつが一発に切
れた時にはどの位のものになってくるのか、それがまず分からないわね、我々としては。昔の中だけじゃ、ちょっと分
かりにくい。
Q : ちょっと社会が変わってきているかも知れないですね。あっても越したことは無い。
C : あっても確かに越したことは無いんだけれども。やっぱりその頃とは変わってきているなというのも確かで。
D : 道路の幅も広くなってきているし。規模が大きくて雪だったらもう。もっと速いんじゃないかな。一気に来るんじ
ゃないかな。ただ、どこへ行くのかね。全体に行くのか。
B : どこを通るかね。
Q : あとこういうのもあるんですね。こんな恵みがあります。これらの図は十勝岳という
。これは白金温泉**だと思
いますけど。
A : 爆発したらしたで観光客がね、いろいろと。
Q : 別に要らない。
C : 必要がないと思うけどな。
B : それはちょっと。
A : 地元の人たちにはあまりね 。
D : 白金温泉地区で営業している人はやっぱりね 。
A : 多分そうね 。地元にはそういうのは。
Q : 皆様方のイメージとしてはこの地図、こういう
地図で、こういうときに使うものなんだというのはどんな感じなんでし
77
ょうか。やっぱり避難、何かあっていざ避難するときに使うのか、予め配られて、「ほう、こういうことがあるのか」ってい
うのか。あるいはもっと先ほどおっしゃった社会も変わり規模も変わるとどんな事が起きるかわかんない。そういうのを
勉強するためのものなのか。何かその辺は皆さん 1 番ほしいのは何なのか、今 3 つぐらい挙げた中ですと。
C : やっぱり1 番は命だろうね 。命を守れりゃそれで。道標だろうね 。
A : いざという時にね。
C : これはやっぱり日頃の中身って、例えば 1 年に1 回の避難訓練だとか。そういうのに体験しておくということ。い
ざという時にはこんなにするんだよっていうのをやっぱり頭の中に叩き込む。これは 1 回か 2 回見ればだいたいこの
地域の人だったらみんな分かってしまうから。1 番大事なのは毎年避難訓練あるんだったらそれに参加して、やっぱ
り体にそれを植えつけておくというのが1 番必要だと思うんです。
A : 大事だよね。
Q : なるほど。これはそういう面では切っ掛け、あるいは、そんなもんで毎日見るようなものではない。むしろそれは
対応を自分で覚えてしまう。
C : 僕は思いますけどね。
Q : 1 つはこういう
、今おっしゃっていたような 小さなタイプの、**限定的にどうすればいいのかという地図のものが
1 枚あって、で、こういうものは別のパンフレットでもいいんじゃないのっていうような 話しもあるんですけど。もし、その
小さいものが出来て、そしたらどこかに貼るとしたらどこにお貼りになりますか。家の中だったらここに貼るかなと。つ
まり場所によって、北海道のお宅はだいたい大きいんですけど、うちだと貼れるところはこれぐらいしかないとかある
んだと思うんですけれども。もしこれを常に 1 番分かり易いところに置くためにはここに置けば良いんだけれども、そ
のためには大きすぎるとか。あるいは見場が悪いとかですね。
C : 僕は車の中に置いておくのが1 番いいと思うんですけどね。
Q : 車の中。
C : 車の中。その時に使う車の中に。
Q : 本当に避難のためですね。
C : ま、コンパクトなものが出来ればそれが 1 番いいと。
Q : D様なんかはいかがですか。
D : やっぱりあれですね。本当に何ていうのかな、頭の中に家族のものが見てくれて、と言ったら飯食うところぐらい
じゃないですかね。
C : トイレの中でじっとこれ見てたらね。
Q : 学生に聞いたらトイレが意外に多かったですね。逆にそんなに貼る場所がないんですね。冷蔵庫はそんなに
面積ないですから。
B :いまどきの家なんて茶の間ないしね。
Q : Bさんだと玄関はちょっと大きい?
B : いやあ、玄関はなかなか貼らないでしょう。
Q : よっぽど綺麗ならね。
B : そうですね。
D : いや、額に入れとくさ。
B : うちの方は何も飾るもの無いからそれで良いんだけど。普通一般的にね。
A : やっぱりトイレが 1 番。
B : 案外そのトイレというのはすごくいいかも知れないね。何回も目で、特別見なくても目で覚えているというのかな。
自然と頭に入って。
D : うちはトイレに貼る場所ないもんな。日記帳を書く場所になってるから。トイレに貼っておいて。
A : 地図をトイレに貼ったことがある。
Q : 暇ですもんね。
A : 覚えやすいかなと思って。
B : うちは**ぐらいかな。
A : え、トイレに**貼るの?
B : うん。
C : 1 番落ち着いて見れる場所かな、ひょっとしたら。
Q : そうするとちょっと字が大きくないと無理ですね。
A : そうなの。確かにそれはある。あまり細い字で書かれると何も見えなくなっちゃうから。ちょっと。黒くて。
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Q : くらいですよね。字が大きい。どれぐらいの字だといいですか。例えばこれぐらいの字もありますし、こんなのもあ
るけれども。
A : これじゃちょっと辛いね。こうやって。
D : これぐらいあった方がいいね、年寄りになるから。
B : 本当につくづく思うよね。字は大きい方がいい。
A : 遠くから見ても見えるしね。いっぱい要らないから。
D : あんまりこうやって同じような色を使われたら見えにくいんだよね。白地に黒なら黒の方が本当に見やすいよ
ね。
Q : 逆にこの赤に黒なんて。
B : 見辛い。程々シンプルな方がいいね。
A : そうね 。
Q : それで字の背景は白の方がいいと。
A : 白に黒っていうのははっきりするだろうけどね。
C : 下地はこういう薄い色だったら見やすくなりますよね。
Q : ある方はこういう等高線も要らないという方もいらっしゃったんですけどね。
A : 必要ないかも知れないね。
B : 却って見辛くしている。無い方が見易いと。
A : 地図だからこれが必要かなと思っては見るけどね。無くても別に。
D : こっちは結構こうやって見易いんだよね 。全体にかかっているから。これはもうこの部分だけだからこの辺が。
Q : 要するにこちらは塗りつぶしてあるということですね、おっしゃってたのは。ただ、そうやって見てみると実はあん
まりこっちは良くないような気もしてきたりもするでしょう。いろいろ入っているんで。こちらを見た方がいいのかな。
C : 周り全部そうだからね。そういうところは細長く危険地帯があるから。
Q : あとは言葉がですね。これ結構専門用語がいっぱい出てくるんですけどね。先ほどちょっと緊急火山とか臨時
火山とかお伺いしたんですけども。これどっちがより厳しいかって。そんなに一般の人って知っているような 話しじゃ
ないですよね 。Aさんは例えば緊急火山情報が出ました、臨時火山情報が出ましたって何か差がありますか。
A : 緊急と臨時と。そうですね緊急というと即という
感じで臨時って言うとちょっと大丈夫なのかなって。
Q : そういう感じで。Bさんはどうですか。
B : 緊急って言ったらね。
Q : これはかなり混乱があると思われるんですよね 。
B : でも、防災無線で先に前もってそういう情報が伝わるだろうっていう
、そういう安心感と言うか信頼しているもの
がありますよ。
Q : なるほど。2 月 8 日の日に臨時火山情報が出たんですね、今年。ご存知でらっしゃいましたか。
C : 僕は直接電話が来ましたから。
Q : 消防団で。
C : 消防団の方から。でも、待機していてくださいって言うことだったですから。
Q : Dさんはあんまりさっきは。
D : 聞いてないね。
B : 何かちょっと。あったような 無いような。
Q : でもあの時、町としては。
D : 解除の話しだけ聞いたよな。「解除されました」って。
Q : 避難勧告を出すかどうか結構ギリギリの決断まで行ったようで 、町としては結構シビアだったみたいですよ。だ
けれどもどうも異常じゃなさそうだということで。その時防災行政無線は流れて?
C : 流れた。
Q : 臨時火山情報出ましたって、多分流れたはずなんですよ。
A : あ、そうかも知れない。流れてはいたかも。
D : 聞いてないんだ。
B : いや、それぐらいじゃびくともしないんだ。緊急という**。
A : で、山見て、なんとも無いって。山が見えるからね 。連絡よりも先に山を見てしまうというの。望遠鏡を持ってき
て見たりとかね。
Q : ここからだと丁度道道まで出れば正面、ちょっと隠れた?ちょっと隠れますかね。
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C : 私ら部屋の中から見てますから。
A : 家から見える。もう噴火していると。
D : だいたいの家は見えるんじゃないかな。
Q : そうですか。
A : これくらいなら大丈夫だわって、勝手に。
C : あの時はあんまり無かった。少なかった。
A : そうなんでしょう?
C : すごく少なかった。
B : 少ないも恐いし、多いも恐いよね。
C : だけど分かんないですよね 。
A : 次の日天気よかったですもんね。それで煙なんも上がってないわとか言って。思い出したわ、そういえば何か
騒いだんだよね 。
C : だから、我々が 1 番先に動き始めると危ないんだなと。家のところ 1 番先にくるんだわ、白金から。
A : そうだろうね 。
Q : どうも皆さまのお話し伺って、教えていただくと、やはり何かあったときの皆さんの行動のパターンって多分こん
なふうになるんではないか。今のお話を伺っていると何か町の防災行政無線や、あるいは地震があったり、テレビで
この辺で地震かって、そんなことがあって、そういうことから始まっていくような イメージだったんですけれども。こうな
るんじゃないのって、良く、もちろん我々素人には分かりませんけれども、何かA様の頭の中にある、起きてほしくな
いけれども多分十勝岳で避難もするような必要がある状況って、こんなふうに 流れていくんじゃないかって言うイメー
ジはどんなイメージなんでしょうか 。まず、防災行政無線なりテレビで、それで。
A : どうなのかな。
Q : Bさんちょっと助けてあげてください。
B : やっぱり無線でそういうのが入って、避難する際の避難するような サイレンが何回か鳴ったら避難してください
よ、みたいの、何かあったよね ?
A : あるよね。
B : したら、その指示に従うと思うんですよね。
Q : 要するに町の避難勧告。
B : に従って避難場所に家族連絡しあって、みんな家族揃って家にいるということはあり得ないと思いますので、今
時は携帯電話をみんな持ってますので連絡をとって、そしてみんなして家族避難。
Q : を始める。とりあえずさっきの避難場所に。D様はそんな。そんなんじゃないんじゃないかなというのは何か。
D : 多分なんと言うのかな、そういう情報は防災無線が出て来ただとか何らかのあれがあると思うんだよね。やっぱ
り山を見るのが。晴れとったら。
B : そうね 、1 回は山を見るね。
A : 山は見るわね。
D : 晴れてればだよ。それでまあ、煙がモクモクしてたら、これは本物だなと思って。多分そんなに出て無かったら
ね、
・・・山見てたら、もう明日辺り危ないとか、そんなこと何もわからない。何かその兆候があったら**から情報が入る
ようなね。
Q : C様は。
C : 僕は起きるまでというのはそういう今までの訓練の中でシステムが出来上がってきているからほぼ大丈夫だろう
と思う。ただ、いざ実際に避難をするときに果たしてうまくいくのかなというのが今 1 番心配なとこなんですよね 。例え
ば、さっきBさんが言ったように家族がバラバラになっている時に、自分は役目上白金に行かなくちゃならないんで
すね。家族だからって逃げれたのか、そういう連絡場所とかそういう連絡をする人だとかっていうのがきちっとしてい
るのかどうかっていう。やはり1 番の不安だと思うんですよね。
Q : 結構この辺だと遠くに行ってらっしゃる方がいらっしゃるんでしょうか 。
C : そうですね。夏ですと仕事している時にしても、結構 1 キロやそこらぐらいの**がありますからね。
Q : だいたい普通奥様方は旦那はどうでもいいけど、お子さんは居ないと困るということがあると思うんですけれども。
例えばお子さんだと高校生ぐらいになると結構遠くまで通っている可能性ありますよね。
B : そうですね。
Q : 何故そんな話しを伺ったのかというと。恐らくこれ何かあったときに使うという
先ほどからのお話しを伺うと。じゃ、
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これを見るあるいは避難をするという
切っ掛けって何なのかなということ。今、避難勧告というのが大きいんじゃない
かと思います。で、Dさんは山を見て自分のそれなりの意見もあるよということだと
思うんです。逆に言えばこの 20 分
って、何からの 20 分なのか良く分からないところがあってですね。
D : 火が見えてからの 20 分なのか。勧告が出てからの 20 分なのか。
Q : 皆さん、やはり泥流っていうのはどれくらい心配。多分ちょっと上がります。88 年なんかはかなり上がったわけで
すけど。あの状態というのは皆さんかなり泥流を気にされるんですか。今だったら。
D : 今だったら気になるだろうね 。こういう
時期ならね。
Q : あれだけ上がるともう避難を考える。
全員 : 考えますね。
Q : で、避難勧告が出たらもう避難をするという。
D : 今ならそうかも知れないね。
B : 車に荷物積んで置いて。
Q : で、いざ何か出たらパッと逃げる。
全員 : 逃げるね。
Q : とするとやっぱり避難の意思決定はやはり避難勧告で。
B : 余裕があれば年寄りの人をまず避難させてね。
Q : でも夜だったら丘の上って寒いですよね 。車の中で…。
A : それは寒いですよね 。別に何か建物があるわけじゃないからね 。
Q : 市街の方に行くということはないですか。
B : どうなんだろう。何か避難場所がここまでしかない。この日の段階で知らないよね。
D : この次、ここまで避難してその後どうするかというのは、その後の話であってね。
B : 次の段階だよね。あるよね。ずっと山に居るというわけじゃないよね。
D : こういうとこまでとにかく勧告に従って皆さん避難してくださいよって。その後はやっぱり長くなれば市街の?
B : 学校だよね。私達は学校だね。美馬牛の学校に避難してくださいって。
D : 最終的には美馬牛だよね。
Q : 多分状況にはよると思いますけれども、美沢地区は。これは火山じゃないんですけども。風水害なんかだとそれ
こそ美沢の小学校、あと美沢保育所、が、一応指定避難場所になっていますね。
A : でもね、1 番の人は、この人たちは美馬牛小学校に避難してくださいって言われてましたよ。
Q : 何小学校ですか。
A : 美馬牛小学校。
Q : これですか。美しい馬、牛の。
A : そうです。と、言われてたね。
Q : 新生地区とか。
C : 避難場所から、あとは自衛隊さんだとかそういう人たちの誘導でそこまで行くというようなことになってるんじゃな
いかな。僕らのとこも自衛隊さんが来て。
Q : すごく素朴な質問なんですけど、この至近の安全な丘陵地 1 番って書いてありますけど。これって皆さん何とな
く集まる場所は同じなんですか。つまり丘に登ったはいいけどバラバラでポツポツというわけではないんですか。
C : 場所はちゃんと決まっているんです。
Q : 決まってるんですか。それじゃ集合場所みたいのがあって。
C : そうです。役場の人たちというか 消防の人たちが皆集まってきて。
Q : 不安ですよね 。私一体どこに行けば良いのか。
A : だいたい誰が来るというのはみんな分かってますから。
Q : 分かってるんですね。この辺は自主防災組織とかはあるわけですか。
C : ないですね。
Q : と、消防団の方なり。誰が来るのか分かっているというのはどなたなんですか。
A : きちっと名簿を持って立ってましたよ。立ってましたって言ったらおかしいけど。
B : あれは防災の訓練だからですよ。
A : 訓練の時にね。
B : 訓練だから出来てるんじゃないですか。実際の時は、名簿も無い。
D : だから連携プレーなのか。例えば地域の中で問題なのは、例えば 1 番の責任者とかって言えば、確認をする
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人が居れば。
B : 良いね。
D : 例えば役場の人だとかお巡りさんだとか。来なくても、まだこの人来てないなということになるんだけど。あなた
任せなんだ。そこの辺は。
A : そうかも知れない。
B : 横の連絡無いわね。
A : 訓練だからそうやってきちんと名簿が出来てるんだよね 。
B : 実際に災害の起きた時は横の繋がり無いもん。
Q : 特に夜だったら寝込んじゃってたりね 。分かんないですもんね。
C : 前の時のそれみんな怒ってましたよね。知らなかったって。
Q : 起こして。
C : あの時どうしたっけな。車で**家まで連れて来たもんな。
D : 夜中にサイレン鳴ったら目が覚めるんだけど。緊急避難は分からないからな。
B : あれ、ボリューム関係なく音すごく鳴るんだけど。
D : そこら辺の鳴るよ。
Q : これ家の中にもあるんですよね 、戸別無線が入ってますよね 。皆さんのご自宅ではちゃんとオンになってます?
結構切る方おるんですよね 。
B : でも鳴ってる。
C : 緊急に鳴ったら関係なく入る。
Q : いや、元のスイッチ、コンセント抜いちゃうと。
C : コンセント抜いたら同じですね。
Q : いや、うるさいって。で、困っちゃうんですよね 。
B : でもね、間隔を置いて外に。
C : 外にもあるから。
Q : 外にもついてます。
A : それは聞こえない。
D : 家の中に居たら聞こえない。
Q : 特に冬は難しいですよね 。
A : 本当に聞こえないわ。
Q : で、段々やっぱり耳が悪くなってきますし。
A : そうだね。よっぽど傍にいる人はどうかもわかんないけど、聞こえないかも知れない。
C : 白金の方でも真ん中についているんだけど、白金でも聞こえない場所がある。向きによってはね、全然聞こえ
ないところがある。
A : 風向きがあるのね。
C : 家はお客さん来たらビックリしますよ。これ鳴ったら。とっても大きすぎて。
A : でもこれ噴火のするようなときって東風吹くのかな。
Q : それはもう。
A : 関係ないの。東風が吹くと私たちすごい聞こえるんだよね。
Q : 確率としてはどっちが多いということはあってもね。それは風なんていうのは。
C : 今までに火山灰こっちに来たことは無いんだから。反対側に行っちゃうから。
A : じゃ、やっぱり聞こえないということもあるね。カミサワノの方にだいたい流れるんだものね。
Q : だいたい大きなお話は伺えたと思うんですけれども。いくつかコメント的に伺ってみたいなと思っているのは。こ
のハザードマップ自体は、Aさんはちょっと怪しげだけど、だいたいご存知だったということだと思うんですけれども。
今改めてご覧になって、大きさとしてはいかがですか。大きすぎる、ま、こんなもんじゃない、小さい。さっきのお話か
らするとここの中に出てたような気がするんですけど。
A : だいたいこれ 半分ぐらいあってもいいかな。
Q : 新聞の一面ぐらい。
A : それぐらいだったらちょっとトイレに貼っても邪魔にならないかなと思って。
Q : 今の半分ぐらい。Dさん、何か異論がありそうなのに黙ってらっしゃるのか。
D : いや、いや無いですよ。
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Q : 帰って蹴られる、そんなことはないですよね 。そういう
意味で掲示のし易さからみるとそれぐらいの方が貼ってお
いたりはし易いだろうと。ただ、緊急時に使うことを考えて、C様は逆に家に貼るよりは車かなと言うようなことをおっし
ゃっていた。もしそうならもっと小さい方が良い。
C : そうですね。小さいというより、もちろん無駄なものを省いて、地区別みたいな形で、自分のところがすっと見え
る。場所を見たりなんか、例えばこうやったら、3 つか 6 つぐらいに分けて、そしてある程度コンパクトにして。そこを、
例えば折っておいても自分の所 1 番フイッて出てくるような折り方をしておけば。
Q : いや、実は何かというと皆様方がこの美沢地区に居る時間って、1 日のうちでどれぐらいになりますか。
D : ほとんどでないかい?
B : それはほとんどよね 。
C : ま、他へは行かない。
Q : 市街とかあんまり行かない。
A : たまに買い物に出るぐらいなもんで。
D : ショッピングぐらいだよね。他はやっぱり自宅に。
B : だいたい居ますよね。
Q : あとは近くの畑にいらっしゃる。
B : 畑に居ますよね。
Q : そういう
面では美沢の方は美沢にいらっしゃる可能性が高いから、ここの地区で良いんですよね 。普通は自宅
に居るのは 3 分の1 とかそういう時間になっちゃいますんで。他に居る時に、例えばこの地図を見て、永くていらっし
ゃるので白金とか美沢、市街とかはパッとお分かりになるんですか、皆様方なら。例えば役場はどこだパッとだいた
い分かるもんなんですか、この地図で。
D : この地図だったらちょっと。
B : 小さくてちょっとどこかなという
感じ。
D : **直ぐは分からないけれども。
B : 町のこっちだということぐらいは分かるけれどもね 。
A : それぐらいならね 。
Q : なるほど。分かりました。そうするとほとんどそういう意味ではこの辺に居ると。
C : だから、今ペンションだとか食堂が増えていると、他の土地からそこへ来ていた人たちの避難だとか。
Q : お客さん。
C : お客さんの避難とか、そういうものが1 番大変じゃないかなと思うんですよね。みんな逃げる場所から逆流してく
る人もいるだろうということでね。ちょっと今心配なのは、この線ではそれなんですよね 。
Q : 消防団の方としてですね、ペンションとか食堂の方とのコミュニケーションというのはかなり密ですか。
C : あんまり、この辺はまだそこまで感じてないんじゃないかなと思うんですよね。
Q : わりと北海道って開放的なところなので外来者、よそ者っていう感じは無いとは思うんですけれども。でもまあど
うしても生活パターンが違いますからね 。コミュニケーションがない。結構A様は近くでペンションをやってらっしゃる
1 番近い方とは良くお話しなさったりはします。
A : 家も町内の方にいますよ、やってる人。だから結構出入りって、それほどはしてないけれども。
C : その辺の。
Q : 顔は。
A : 合わせてはいますね。
C : ただ、お客さんですよね 、そこへ来ている。
Q : そうですね。私みたいなやつですね。あと、文字はどこに貼るかにもよるけれども、このくらいはほしいなというこ
とですね。地図はそういう面では小さいと。これも小さいかなということだと思うんですが。そして恐らく先ほどから何
度も出ていたのは目印がほしいなと。もっと詳しくほしいなと。それで、危険な場所というのはだいたい皆さんパッと
イメージとしてはどこがどういう
危険かというのはだいたい分かりますか。これがピンクで表されているところが皆様に
1 番関係するんですけれども。これは何で白いんですか。
D : そこは高いところで多分泥流が乗らないだろうという
イメージだと思う。この地図でいったら。だけど、こういう
風
にしてこういう
流れになって。
Q : 多分沢とどうなんですかね。
D : これ、こっち山だからここを流れてくるんだけれども。
C : これ大正の時の流れた場所になってくるんじゃないでしょうかね、これ。
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D : 来る時、もうちょっと年寄りというか。大正 15 年のときに結構経験してても90 歳だから記憶が定かじゃないか。
C : いや、まだ大丈夫だと思いますよ。
D : その時のイメージで流れたところは結構あると思うんだよね、これの方は?
Q : これを見ると例えばここに、大丈夫ですね、来ませんね、Bさんの所は。
B : それでも大正の時は来たそうです。
Q : 来たんですか?
B : だってうちのおばあちゃん、裏は泥流が流れた跡だから石がどうとかこうとか、じいちゃんが良くそういうのよね。
D : 多分ここら辺だって水が乗ってると思うよ。
B : 泥流が流れて馬が流されてどうとかっていうよ。
Q : そうなんですか?
D : ここの流れる図面はこれ本当にインチキかも知れないですね。
Q : じゃ、逆に言うと今の流路工とかで、ここで止まるというふうなのが入っているのかも知れませんね。
C : かもしれないね、これね。
Q : でも今のお話聞くと恐いからとてもじゃないけど安穏とはしてられないという感じですね。
B : うちの場合は本当に川の傍だから気をつけないといけないね。
C : これで、川って言うのは流木やなんかここでひとつ 止まっているから大丈夫なんだ**。
Q : あと88 年には小規模な火砕流が出たんですけど、皆さん方の頭の中で火砕流って。
D : ぜんぜん知らんかった。
B : 飛んでくるんだよね。石やなんかがね。
D : 普賢岳のあれは泥流。
C : 十勝岳のあれは飛ばされてる場合はそんなに**、ちゃんと来るくらい向いているから。
B : 泥流が心配よね。
Q : やっぱり泥流がメインですか。
C : 白金辺りは火砕流って言ったら**。
B : 白金はね。うちの方まで来るともう泥流だね。
C : 泥流だったら白金はわりとちょっとしたらいいのかも知れない。火砕流でしょう、どちらかと言うと。
B : **。
C : それでドーッと来た方が白金は恐ろしいです。
Q : Aさんはご自宅はどの辺ですか。
B : Aさんはここだよね。20 センだから、この緑と赤の。
A : そうです。
Q : Dさんはどの辺ですか。
D : 16 センだから。変ななんか書いてある。
Q : それでCさんはこの辺なんですか。20 センとかおっしゃいましたか。
C : この辺でないですか。
Q : それじゃ、わりとパッと自宅は。
全員 : そうですね。
C : ただ、これに載ってないけどそのパワーは私のところに、反対側に 1 つあるんですよ。
Q : 小さな。
D : これ、うちらの畑があるでしょう。そして美瑛川とこっち側に流れた、昔。そしてカンノの家があってよ。で、あす
このところ流れになったって*。
Q : じゃ、実際にそう流れてない**。
A : それまで明確に詳しくは載ってないって言うことだ。
B : まして同じようなところを流れるとはね。
D : 分からん。よう分からん。
B : それは絶対分かんないもんね。
C : これが溜まって、溜まって、溜まって来るんだから、今度はボコッて広がる可能性も出てくるわけですよ。
D : うまい具合にこっち側に行ってくれて、流れが変わってこっち側にドーッと来たら、それで**だからな。
Q : あと2 点ほどあるんですけど。この白金はこれだけ温泉地区、危険度も高いということでかなり細かい地図にな
っているんですけれども。この地図をご覧になっての美沢の地図と比較するといかが。ここまで細かくすると大変だと
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思うんですけど。
D : ちょっとね。1 軒、1 軒。
Q : 1 軒 1 軒、ホテルから何から全部入ってますからね 。そしてここに例の避難施設があって砂防センターに上がり
なさいということになっているんですけれども、ここですね。これはもう避難路が、先ほどBさんがおっしゃっていた避
難路がはっきり書いてあるんですね。これだけあればかなりはっきりしていると思うんですけどね。でも、多分地元に
方といったらここまでは要らない、あるいはあった方がいい、その辺はどうなんでしょう。
C : こんなには細かくは要らないけれども避難路だけはひとつ 色分けして書いた方が。例えばどの地点に行くにし
ても避難路というのはやっぱりきちっとしておいて方がいいような 気がするね。
D : ある日突然にそういう緊急事態になったときに、地域の人はいいさ。現実に道路走っている人もいるし、ショッ
ピングというか観光で来ている人もし、電車で来ている人もいるわけじゃん。そういうところにそういう何て言うのかな、
細かい気配り。
Q : 観光客用のということですね。
D : 中継点に貼り付けておかなかったら、地元に住んでいる人は何だかんだといったって、「ああ、あそこに逃げれ
ば良いんだな」って、頭の中に入っているのがあるんだけど。
D : やばかったりしたら、あっちに行けばいいんだもんだとか 。地域外の人に。
C : そんなことにはならないと思うんだけれども。却ってその地域の人よりも地域以外の人に。
B : 慌てるとね 。
Q : もっとやっぱり避難路なりがほしいということですね。
全員 : と思うけどね。
D : やっぱり避難場所に行く時の土地の人の、地域の人の誰か責任者みたいのをやっぱり決めておく必要性とい
うのが絶対あると思うね、俺。
C : 決まっているかも知れないよ。
B : そこまで決まっているとは 思わないけど。
A : でもやっぱり必要かも。
Q : 昨日聞いたらBさんでしたよ。違いますね。
A : 本当に言われてみれば今まで聞いたこと無いもんね。
Q : 最後に、いかがですか今までご覧になってて。それなりに工夫を充分されたマップなんだと思うんですね。あん
まり不要なものを、少なくともこの裏表にあってかなりいろんな情報を盛り込んだ、それはそれでいいところもあるん
だけれど、やはりシンプルで小さいものということだとずいぶん整理された地図だと我々は評価しているんですけれ
ども。全体的に見てどうでしょうか。まあまあ分かり易いんじゃないか、いやいや分かりにくい、すごく分かりにくい、全
体のイメージとしては総括してみるといかがですか。
C : 例えば字がもうちょっと大きくなって、避難路が色分けされていて、ということであればこんなんで良いのかなと
いう気はしますよね。
Q : あとはサイズですね。
C : サイズですね。
D : 欲を言えば、極端に言ったら、ここに住んでいる人はこれは要らないのよ。
Q : やっぱり地区別。
B : この山は要らないって。
D : こんなの関係ないんだもん。流れてくるところは流れてくるんだ。問題はここのところをもっと見やすく。
Q : 要するにそれぞれの地区ごとにしっかり分けて。
D : ここは言ってみればここへ ***、問題はここの範囲をもうちょっと何ていうのかな。
C : この辺は消防団員だけで良いんだよ。
B : 専門家の人だよって。うちらのほしいのはここだよって。
Q : 逆に言えばこんな地図でここに詳しい避難路が出ていればベストっていう感じ。
C : そんなもんでしょ。
Q : そういうことになるんでしょうね 。
B : そうすれば貼ってもらえるかも知れないね。
Q : 貼ってもらうためには美しい写真が要ると思うんですけど、難しいところですね。だいたいそんなところでどうもあ
りがとうございました。逆に皆さまがたの方からこれだけくっちゃべってやったんだから、これぐらい言わせろとかです
ね。何か町にこれはちょっと面と向っては藤原さんには言いにくいんだけどとか、何か、聞こえてますね、藤原さん。
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何かあれば。
C : ま、今の時期だからね 。
D : この流れる範囲って、みんな塗ってしまうのか、みんな、感じるんだよな。ここら辺は大丈夫だと思ってるんだよ。
今、そして、土地条件もずいぶん変わって。昔木が生えていたところが木が無くなっているとか。だから遮るものが
無くなってきているからね。
A : 山坂もみんな建平して平らにしてるしね。だから、なおさら流れてくるのも速いかも知れないね。
Q : 分かりました。次回は、私は観光で来ようと思っておりますけれども。また、機会がありましたらお目にかかる。ど
うもありがとうございました。
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