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Check Point
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清和監査法人定期セミナー 第2部
会計不祥事への対処の仕方
-事例分析と実務の流れ-
2012年3月22日
パートナー・公認会計士
清和監査法人
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江黒 崇史
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目次
I.
本セミナーの趣旨
II.
昨今の主な会計不祥事事例
III.
上場廃止となった事例
IV.
会計不祥事事例分析
V.
会計不祥事発生の実務
VI.
監査法人の関与
VII. 事例検証-オリンパス (上場維持)
VIII. 事例検証-クラウドゲート(上場廃止)
IX.
東京証券取引所の対応
X.
金融庁、法務省、日本公認会計士協会の対応
XI.
本日のまとめ
XII. Appendix 上場廃止基準(東証一部・二部、マザーズ、
ジャスダック)
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I.
本セミナーの趣旨
 本セミナーの趣旨
 近年、会計不祥事が増加
 その際、通常の実務とは異なる対応が必要
 例えば、不祥事に対する初動、社内調査委員会の設置や第三者委員会の設置等々
万が一の対応に備える
Check Point !
会計不祥事事例について知る
万が一生じた場合の実務を知る
近年の制度状況について知る
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会計不祥事の事例分析
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II.
公表年月日
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新興市場、新興企
業を問わず多く発生
昨今の主な会計不祥事事例
企業名
市場
主な事業
主な開示内容
2011年1月
ポプラ
東証一部
小売
子会社において、不適切な棚卸資産の計上
2011年1月
ホンダ
東証一部、大証一部、
ニューヨーク市場
自動車
2011年1月
大和ハウス工業
東証一部、大証一部
一戸建て住宅 子会社における売上原価の不適切な会計処理
2011年3月
ゲオ
東証一部、名証一部
レンタルDVD
2011年4月
大水
大証二部
水産物卸
2011年9月
大王製紙
東証一部
製紙
2011年10月
オリンパス
東証一部
2011年11月
ピーアンドピー
ジャスダック
2011年12月
マキヤ
ジャスダック
2011年12月
戸田建設
東証一部、大証一部
建設
2011年12月
住友大阪セメント
東証一部、大証一部
セメント
2011年12月
メガネスーパー
ジャスダック
小売
2011年12月
共同ピーアール
ジャスダック
2011年12月
野村マイクロ・サイエンス
ジャスダック
超純水装置
2011年12月
KFE JAPAN
名セントレックス
電子機器
子会社における売上原価の過少計上等
2012年2月
東理HD
東証二部
非鉄金属
貸付金の評価
子会社における不適切な棚卸資産計上
子会社の循環取引等
循環取引
元会長へ不適切な貸付
内視鏡、
過去の損失先送り
デジタルカメラ
店頭販売支援 連結子会社における売上の過大計上
ディスカウント店 棚卸資産の過大計上
子会社における売上の過大計上及び売上原価の繰延
売上及び原価計算に係る不適切な会計処理
棚卸資産の過誤の修正及び過年度決算修正の可能性について
広報活動支援 前代表取締役に係る資金の個人的流用
材料費の付け替え
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III. 上場廃止となった事例
 昨今の事例で、上場廃止となった主な企業例
年
企業名
市場名
2008年 アスキーソリューションズ
ヘラクレス
2008年 プロデュース
理由
虚偽記載(売上の過大計上、売上債権・棚卸資産の過大計上etc.)の影響が重大
上場契約に係る重大な違反
ジャスダック 虚偽記載問題(循環取引)を発端とした信用不安による事業続行可能性の低下
2009年 オー・エイチ・ティー
マザーズ
虚偽記載(架空売上)の影響が重大
2010年 ジャパン・デジタル・コンテンツ信託
マザーズ
事業活動の停止(金融庁から信託免許取消処分があり、信託業務の続行が困難となった)
2010年 エフオーアイ
マザーズ
上場書類の宣誓書で宣誓した事項に重大な違反を行った(売上高の大半が虚偽記載)
2010年 シニアコミュニケーション
マザーズ
虚偽記載(売上高、ソフトウェアの過大計上等)の影響が重大
2011年 日本産業ホールディングス
アンビシャス 虚偽記載(売上高、ソフトウェアの過大計上等)の影響が重大
2012年 クラウドゲート
アンビシャス
虚偽記載(売上高、ソフトウェアの過大計上等)の影響が重大
上場書類の宣誓書で宣誓した事項に重大な違反
Check Point !
虚偽記載の重要性や虚偽記載の内容が上場廃止基準に抵触すると上場廃止
判断は形式基準ではなく実質基準へ比重が置かれる
実質基準とは「上場企業としての格」
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IV.
会計不祥事事例分析
会計不祥事の内容
売上の先行計上
売上の架空・過大計上
費用の先送り
費用の未計上・過少計上
資産の評価替え
資産の架空・過大計上
負債の未計上・過少計上
その他
出典:日本公認会計士協会「上場会社の不正調査に関する公表事例の分析」より。
戦前~現在までの事例から30社を抽出し分析した資料だが抽出した個別会社名は公表されていない
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売上・利益に関する不祥事が一番多い
費用の先送りも結局は利益至上主義から
一つの不祥事で複数の手口が絡むこともある
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会計不祥事発生の実務
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V.
会計不祥事の発覚
会計不祥事実務の流れ
調査報告書受領や訂正報告書提出予定等の開示により
証券取引所より監理銘柄に指定される可能性が高い
内部調査委員会等を立ち上げ調査
(弁護士、CPAなどの参加を要請することもある)
証券取引所が上場廃止の判断
重要な場合
第三者委員会を
立ち上げ調査
社会的影響の度合いに応じて判断
影響が大きい場合は第三者委員
会設置が事実上不可避
重要な場合
上場廃止決定・整理銘柄への
指定
重要でない場合
その他の措置
委員会調査報告書を受領
有価証券報告書、決算短信等の訂正作業
上場廃止
・特設注意市場銘柄への指定
・改善報告書の徴求
・上場契約違約金の徴求
・公表措置
Check Point !
上場廃止基準に該当した時点で監理銘柄指定(重要な虚偽記載、提出遅延、監査意見不表明等)
上場廃止か否かは「上場会社としてふさわしい会社に再生できるかどうか」がPoint!!
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V.
会計不祥事実務の流れ
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(前提)重要性の判断
 重要性とは
区分
判断基準
損益への影響額
金額的(量的)重要性
累積的影響額
財務諸表項目全体からみた影響度合い
企業の外部経営環境
企業の内部経営環境
質的重要性
影響のある財務諸表項目
企業不祥事が発生した原因
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重要性は総合的に判断される
金額的重要性よりも質的重要性の方が、その重要度は高い
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V.
会計不祥事実務の流れ
⓪ 会計不祥事発覚時
 不祥事発生においては初動が大事!!
 事実確認、情報集約、証拠保全
 証券取引所、財務局、弁護士、監査法人へ報告・相談
 金融庁への報告・相談
 不祥事当事者への対応
 適時開示の内容・時期の検討
 会社内部対応、危機管理本部の設置の検討
 会計不祥事を知った関係者によるインサイダー取引にも注意を
Check Point !
人的・物的証拠保全が大事(当事者の確保、資料やパソコンの保全等)
証券取引所への相談により、その後の指示や流れ、方針が決まることが多い
危機管理本部の設置も有効
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V.
会計不祥事実務の流れ
①内部調査委員会の設置
 主として下記の構成
(1)代表取締役を委員長、役員を委員
(2)内部調査委員会のメンバーに加え、多様な部門
関係者、外部の会計専門家、法律専門家
の協力を仰ぐ
(3)監査役
 内部調査委員会の主な活動内容は下記のとおり
 不正の内容の把握
 不正の原因や動機の解明
 不正の関与者の把握
 関係者の処分案の検討
 再発防止策の検討
Check Point !
不適切な会計処理のおそれ等が発覚した場合に、概要、数値的影響についてまとめる
社内調査委員会等とも呼ばれ、事例によっては弁護士、公認会計士等も参加することもある
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V.
会計不祥事実務の流れ
②第三者委員会の設置
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 第三者委員会とは
 企業から独立した委員のみで構成され、専門家としての知識
経験に基づき原因分析し、具体的な再発防止策を提言する
 下記の適時開示を要する
 第三者委員会設置の状況等の開示、報告書受領結果の開示
 訂正報告書を提出する予定である旨の開示
 調査後の措置に対する開示(ex,証券取引所から監理銘柄指定、報告書の受領等)
重要な場合は、すぐに第三者委員会が設立される場合が多い
社内調査委員会は設立される場合と設立されない場合がある
Check Point !
独立した委員で構成されること
その目的は、調査結果を開示し、企業の信頼と持続可能性を回復すること
会社、証券取引所、監査法人と密な連携を図ること
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V.
会計不祥事実務の流れ
③訂正報告等
 金融商品取引法における会計不祥事の規定
 有価証券報告書等に記載すべき重要な事項の変更等を
発見した場合、訂正報告書の提出が必要
 会社法上の対応
 訂正報告書を提出した場合(当期損益処理しなかった場合)
→当期の期首剰余金を修正する
 定時株主総会で既に承認された計算書類の取扱いは、法律専門家と協議して判断
Check Point !
有価証券報告書を訂正しても計算書類を訂正しない場合がある
監査報告書添付の有価証券報告書(四半期報告書)は法定期限から1ヶ月以内に提出しないと上場廃止
基準に抵触するため、訂正作業は監査対応と並行して実施
訂正作業中は監査法人のみならず証券取引所との連携も重要
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V. 会計不祥事実務の流れ
④-1証券取引所による上場維持可否検討
 下記の場合、原則として監理銘柄(審査中)に指定
 調査委員会報告書の受領、訂正報告書を提出した場合
でその内容が重要と認められるとき
 その内容が重要と認められる訂正報告書を提出
する予定の開示を行ったとき
 目安の一つとして事業年度の売上高10%、利益30%の変動を伴う修正が挙げられている
 最終的には総合判断
Check Point !
上場企業が上場廃止基準に該当するおそれがある場合、投資家に周知させるため「監理銘柄」に指定
影響の重要性や上場廃止の審査中は「監理銘柄(審査中)」
株主数基準など上場廃止基準に抵触するかの確認中は「監理銘柄(確認中)」
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V. 会計不祥事実務の流れ
④-2証券取引所による上場維持可否検討
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 上場維持検討の主な作業は下記の通り
 証券取引所より書面による照会
 必要に応じ資料の提出指示
 上記と前後して説明面談
 回答書等に基づき、より詳細な事実確認ヒアリング
 必要に応じ、対象会社への訪問、関係者のヒアリング
Check Point !
会計処理については監査法人へも書面照会やヒアリングがあるため、監査法人と要協議
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V.
会計不祥事実務の流れ
④-3 証券取引所による上場維持可否検討
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 虚偽記載審査で一般的に求められる事項
 虚偽記載が発覚した経緯
 調査に関する事項(目的、実施者、期間、対象・手法、調査の過
程で行った関係者へのヒアリング・面談の内容及び結果)
 虚偽記載の原因行為の概要
 原因行為に基づき行われた不適切な会計処理等の概要
 不適切な会計処理等から適切な会計処理等への訂正方法
 原因行為への全関係者の関与状況
 関係者の行為が会計的に誤りであったこと及びかかる誤りが財
務
諸表等に与える影響に関する当時の各関係者の認識の有無
 各関係者の目的や動機
 内部管理体制等の問題
 再発防止策
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V.
会計不祥事実務の流れ
⑤上場廃止
 虚偽記載審査の結果、虚偽記載の影響が重大であると
認められる場合、上場廃止決定及び整理銘柄指定
 整理銘柄に指定されると、原則1ヶ月の整理売買の後
上場廃止
 上場廃止か否かは実質的な影響度で判断
Check Point !
上場廃止が決定した場合、原則として1ヶ月間整理銘柄に指定し、投資家へ周知させ、整理売買を可能とし
ている
上場廃止か否かは実質影響度
上場企業としてふさわしい企業に再生できるか否か!上場廃止が相当であるとする程度まで投資判断が著
しくゆがめられていたか否か
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V.
会計不祥事実務の流れ
⑥上場維持
 虚偽の影響が重大であるとは認められず上場廃止とは判断され
なかった場合でも、虚偽記載審査の結果判明した事実に基づき、
下記措置が行われることがある
 内部管理体制等について改善の必要性が高いと判断された場合
→特設注意市場銘柄へ指定
 適時開示を適切に行うための体制等について改善すべき事項が認められた場合
→改善報告書の提出
 上場契約違約金
 公表措置
Check Point !
上場廃止の恐れがあったが、廃止とはならず、しかし内部管理体制等について改善の必要性が高い
と「特設注意市場」に指定される
投資家に対する周知、注意喚起目的のための指定である
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V.
会計不祥事実務の流れ
⑦適時開示例
適時開示すべき事項
過年度決算に影響を及ぼす可能性のある事象が発生したこと
不
祥
事
発
覚
時
発覚の経緯・端緒
発覚から最初の開示まで時間を要した場合は、その旨及びその理由
現時点で判明している事実の概要や過年度決算への影響
今後の調査の方法、スケジュール等
証券取引所から監理銘柄指定される場合はその旨
証券取引所からの処分、警察・検察当局の処分、判決などがなされた場合はその内容
調
査
時
これまで開示されていない事項が判明した場合はその内容
調査委員会の中間報告
新たに発生・発覚した不祥事などの内容
調
査
結
果
判
明
時
調査委員会による最終報告
過年度決算短信の訂正
再発防止体制の整備
関係者の責任・処分
証券取引所からの処分内容
Check Point !
開示が遅れると心象が悪くなるため、その名の通り「適時開示」が必要
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V.
会計不祥事実務の流れ
補足 外部対応
 会計不祥事が発覚した場合、会社へ問い合わせが多く寄せられるため下記の対応も考慮する
 全社的な対応方針の決定
 対策本部の設置も有効
 想定問答集等の作成
 窓口の一本化
 ポジション・ペーパーの作成も重要
Check Point !
あいまいな対応は推測ばかりを呼び起こすため、全社的に対応を決定
ポジション・ペーパーとは、マスコミ対策目的で、当該不祥事に関する事実関係を整理し、会社の見解が
記録されている資料
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VI.
監査法人の関与
 会計不祥事発覚後、一連の時系列の過程で監査法人が関与する主な事項と内容
項目
内容
第三者委員会
会計不祥事等に係る事実、不適切な会計処理の内容、訂正に伴う影響額等について、
第三者委員会と確認・意見交換
会社が財務諸表を自主的に訂正する場合
訂正後の財務諸表に対して監査報告書を発行
訂正内容に重要性が乏しい場合は監査報告書を再発行しないことがある
会社が財務諸表を自主的に訂正しない場合
会計不祥事が監査意見に影響を及ぼすと考えられる場合は、 会社に訂正を促す
調査報告書
調査報告書の内容を確認の上、適切と判断されれば調査報告書を利用する
法定書類の提出期限までに必要十分な監査手続が 意見不表明又は除外事項を付した限定付適正意見を表明
完了しない場合
会社が財務諸表を作成できない場合は監査意見の不表明
会計不祥事がJ‐SOXの範囲から生じた場合
内部統制の不備又はその評価範囲が適切に決定されていなかった場合は、内部統制報告書について
訂正報告書が提出されることもある
制度上、内部統制報告書の訂正報告書に対して監査証明は要求されていない
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会社と第三者委員会と監査法人との連携は非常に大事
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VII. 事例検証-オリンパス(上場維持)
①背景、動機、顛末
【オリンパス事件の特徴】
1.不正会計の背景と動機
 80年代に手掛けた財テク投資がバブル崩壊の影響で含み損に

金融商品会計基準が整備→含み損が顕在化する恐れ

損益へのインパクトを緩和させるため、M&Aを利用し巨額の手数料やのれんを発生
2.顛末
 一部は監査法人指摘により時価会計導入時点で損失処理

その後、M&Aで偽装したものの、結果として「のれん」を減損することとなった
Check Point !
価値の低い会社の買収とその手数料で処理
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VII. 事例検証-オリンパス(上場維持)
②概要
【パターン1】連結対象外ファンド利用したM&A
①連結対象外ファンドへ巨額の含み損を有する有価証券を簿価譲渡(図1)
②ファンド自体はオリンパスが設立したものの、当初は資金がないため、オリンパスが銀行へ預金等を預託しファ
ンドへ銀行から融資を実行。
その後、ファンドからオリンパスへ入金して「飛ばし」取引成立(図2)
図1
図2
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VII. 事例検証-オリンパス(上場維持)
②概要
③オリンパスは預託資金を回収する必要があるため、まずはファンドが有する価値の低い会社をオリンパスが高額
買収(図3)
④オリンパスからファンドへの高額買収金がファンドで余剰資金となり、ファンドが有する銀行借入の返済に充てら
れ、銀行からオリンパスへ預託資金償還が成立(図4)
⑤オリンパスは高額買収で「のれん」を発生させ、償却することで損失を期間費用として平準化する意図があったが、
結果として価値のない「のれん」であり減損している
図4
図3
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VII. 事例検証-オリンパス(上場維持)
②概要
【パターン2】M&Aファイナンシャル・アドバイザー(以下FA)の悪用
①あるM&AにおけるFA報酬は買収先の配当優先株により行われたが、FAはオリンパスへ当優先株の買取請求
②オリンパスは、当優先株を、帳簿価格より不当に高い金額で買い取り(図6)
帳簿と買取額の差額は【パターン1】と同様に「のれん」計上
図6
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VII. 事例検証-オリンパス(上場維持)
②概要
③FAは割増で支払いを受けた部分(=余剰分)を、オリンパスの連結対象外ファンドへ支払(図7)
④FAからの資金が連結対象外ファンドへ移され、当該資金はオリンパスに償還(図7)
図7
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VII. 事例検証-オリンパス(上場維持)
③適時開示
 オリンパスの適時開示例
年月日
適時開示内容
平成23年11月1日
第三者委員会設置
平成23年11月10日
第2四半期報告書提出遅延
平成23年12月6日
第三者委員会調査報告書受領
平成23年12月6日
当社株式の監理銘柄(審査中)指定
平成23年12月14日
第2四半期報告書提出完了
平成23年12月14日
内部統制報告書の訂正報告書提出完了
平成23年12月26日
有報等の訂正報告書の提出完了
平成24年1月20日
当社株式の監理銘柄(審査中)指定指定解除、上場契約違約金の徴求及び当社株式の特設注意市場銘柄の指定
Check Point !
上場維持はされたが、投資家の信頼毀損により上場契約違約金(10百万円)発生
上場維持の決め手は、「上場廃止が相当であるとする程度まで投資判断が著しくゆがめられていたと
は認められない」
特設注意市場銘柄へ指定
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VII. 事例検証-オリンパス(上場維持)
④今後の監査の方向性
 オリンパスの事例を踏まえて、今後の監査の方向性として下記事項が挙げられます

連結外ファンドスキームにより実態把握が困難であり、オリンパスも監査法人の金融機関確認を妨害


連結の範囲や部分的に取引通念上違和感のある取引について監査が厳しくなる(理由不明確な預金の
預託等)
金融機関に限らず、確認手続きの強化

投資資産、金融資産の評価から始まった会計不祥事であった

投資評価、金融商品評価においてより厳密性が求められる可能性がある。
Check Point !
今後はより厳密な監査がなされる傾向にある
複雑な取引の際は事前に監査法人へ相談するとともに関連書面を整備
投資の評価については客観的に説明できる資料の整備
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VIII. 事例検証-クラウドゲート(上場廃止)
①背景・動機・顛末
1.会計不祥事の背景と動機、概要
 上場申請・承認を得ることを意図
 上場後は金融機関へ財務内容をよく見せるため
2.顛末
虚偽記載の影響が重大、新規上場申請に係る宣誓書における宣誓事項について重大な違反を行った
として上場廃止
 監査法人を欺く架空売上、資産の過大計上
 調査の結果、上場後不祥事発覚まで一度も正しい決算を開示していない
 平成20年12月期、平成21年12月期は2期連続債務超過であった
 上場申請期も黒字から赤字に転落し、予算と実績が大幅にかい離していた
Check Point !
不正会計処理が意図的
訂正後の決算は大幅に売上・利益を減少させるもの
信頼を著しく毀損する重大なものであることから上場廃止
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30
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VIII. 事例検証-クラウドゲート (上場廃止)
②概要
3.不正会計の概要
【主なパターン】資金の循環を前提とした架空取引、水増し取引(図1)
図1
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VIII. 事例検証-クラウドゲートのケース(上場廃止)
③適時開示
年月日
Check Point !
適時、詳細に開示がなされている
適時開示内容
平成23年10月25日
第三者委員会設置
平成23年12月13日
第三者委員会報告書受領
平成23年12月13日
監理銘柄(審査中)指定
平成23年12月14日
監理銘柄(審査中)指定理由の追加
平成23年12月27日
訂正有価証券報告書及び訂正有価証券届出書の一部提出
平成23年12月28日
訂正有価証券届出書の提出
平成24年1月20日
訂正有価証券報告書の訂正報告書を提出
平成24年1月27日
証券取引等監視委員会による当社及び当社元役員に対する課徴金納付命令の勧告
平成24年2月7日
過年度決算短信等の一部訂正
平成24年2月9日
答弁書と課徴金
平成24年2月14日
事業再生計画の策定
平成24年2月14日
札幌証券取引所による事業再生計画の認定及び上場時価総額審査の開始
平成24年2月22日
札幌証券取引所による上場廃止の決定及び整理銘柄の指定
平成24年3月5日
金融庁による課徴金納付命令の決定
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現在の制度の動き
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IX.
東京証券取引所の対応
昨今のオリンパス事件などを受けて、東京証券取引所は証券市場信頼回復のため下記を中心にコーポレート・
ガバナンスの強化を平成24年2月に発表、平成24年5月より運用予定
 独立役員に関する情報開示の拡充
 独立役員で特定の事項(取引先・相互就任・寄附先etc.)に該当する場合は該当事項の概要を開示
 株主総会招集通知等に、独立役員に関する情報をわかりやすく記載
 社外役員に関する情報開示の拡充
 独立性に関する事項を開示
 株主総会招集通知等に、独立性に関する情報をわかりやすく記載
 業務の適正を確保するために必要な体制の構築・運用
 上場会社として、上場ルールに従って業務の適正を確保する体制について構築・運用を求める
Check Point !
独立役員とは一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役又は社外監査役
社外取締役、社外監査役は現在または過去において子会社も含め役員、使用人等になっていないもの
上場会社に対して、上場会社としての組織体制構築・運用を求める
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X.
金融庁、法務省、日本公認会計士協会等の対応
 日本公認会計士協会等は、ガバナンス強化のため、下記のような取り組みを実施
年度
対応・項目など
2001年
エンロン事件発生
2002年
米国でSOX法が施行(US-SOX)
2008年
日本版SOX制度導入(J-SOX)
2010年
日本弁護士連合会 「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」公表
2011年
オリンパス・大王製紙事件発生
2011年
会計士協会会長通牒「循環取引等不適切な会計処理への監査上の対応等について」公表
2011年
会計士協会会長声明「最近の企業不祥事と監査対応について」公表
2011年~
会社法改正議論(※1)
2012年
研究報告草案「不適切な会計処理が発覚した場合の監査人の留意事項について」公表
2012年
会計士協会 監査制度充実強化調査会の発足
2012年
金融庁 課徴金制度見直し
※1主な検討項目は社外取締役の義務化、監査・監督委員会制度の創設、多重代表訴訟制度導入
Check Point !
監査制度充実強化委員会は監査制度の強化・理解に向けての委員会であり検討結果を踏まえたのちに
実務指針が改訂される予定
監査・監督委員は3名以上の委員で構成され、委員資格には取締役、そして過半数は社外取締役で構成
多重代表訴訟制度とは親会社の株主が子会社の取締役を提訴可能にする制度
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XI.
本日のまとめ
近年の事例
• 企業の歴史やその規模、上場市場に関係なく発生
• 内部統制、コーポレートガバナンスの強化必要
不祥事実務
• 社内委員会、第三者委員会設置の設置や迅速かつ正確な
適時開示が必要
• 弁護士、監査法人、証券取引所と早期に相談・連携
の流れ
制度環境
• 企業統治のさらなる強化
• 会計監査も制度強化の動きあり
Check Point !
内部統制により不祥事発生を防止できる体制を構築
何よりも健全な企業風土を!!!
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ご静聴ありがとうございました
清和監査法人 パートナー 江黒 崇史
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Appendix 上場廃止基準(一部・二部)
項目
株主数(注1)
流通株式数(注2)
流通株式時価総額(注4)
流通株式比率(注5)
時価総額(注6)
債務超過
虚偽記載又は不適正意見等
売買高
その他
上場廃止基準(一部・二部)
400人未満(猶予期間1年)
2,000単位(注3)未満(猶予期間1年)
5億円未満(平成24年12月末までは3億円未満)(猶予期間1年)
5%未満(所定の書面を提出する場合を除く)(猶予期間なし)
10億円未満(平成24年12月末までは6億円未満)である場合において、9か月(所定の書面を3か月以内に提出しない場合は3か月)
以内に10億円以上(平成24年12月末までは6億円以上)とならないとき
又は
上場株式数に2を乗じて得た数値未満である場合において、3か月以内に当該数値以上とならないとき
債務超過の状態となった場合において、1年以内に債務超過の状態でなくならなかったとき(原則として連結貸借対照表による)
a. 有価証券報告書等に「虚偽記載」を行った場合で、その影響が重大であると当取引所が認めたとき
b. 監査報告書等において「不適正意見」又は「意見の表明をしない」旨等が記載され、その影響が重大であると当取引所が認めたとき
最近1年間の月平均売買高が10単位未満又は3か月間売買不成立
銀行取引の停止、破産手続 ・再生手続・更生手続、事業活動の停止、不適当な合併等、支配株主との取引の健全性の毀損(第三者
割当により支配株主が異動した場合)、有価証券報告書又は四半期報告書の提出遅延、虚偽記載、上場契約違反等、株式事務代行
機関への不委託、株式の譲渡制限、完全子会社化、指定振替機関における取扱いの対象外、株主の権利の不当な制限、全部取得、
反社会的勢力の関与、その他(公益又は投資者保護)
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Appendix 上場廃止基準(一部・二部)
注
1. 「株主数」とは、1単位以上の株券等を所有する者の数をいう(詳細については「株主数(分布状況)基準」の項
を参照)。
2. 「流通株式」とは、上場株券等のうち、上場株式数の10%以上を所有する者が所有する株式その他の流通性
の乏しい株式として施行規則で定めるものを除いたものをいう(詳細については「流通株式数等(分布状況)基
準」の項を参照)。
3. 「1単位」とは、単元株制度を採用する場合には1単元の株式の数をいい、単元株制度を採用しない場合には
1株をいう。
4. 「流通株式時価総額」とは、上場会社の事業年度の末日における当取引所の売買立会における最終価格に、
上場会社の事業年度の末日における流通株式の数を乗じて得た額をいう。
5. 「流通株式比率」とは、上場会社の事業年度の末日における流通株式の数の上場株券等の数に占める割合
をいう。
6. 「時価総額」とは、月間平均時価総額(当取引所の売買立会における日々の最終価格に、その日の上場株式
数を乗じて得た額の平均)又は月末時価総額(月末日における当取引所の売買立会における最終価格(最終
価格がない場合は直近の最終価格)に当該末日における上場株式数を乗じて得た額)をいう(詳細については
「時価総額基準」の項を参照)。
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Appendix 上場廃止基準(マザーズ)
項目
株主数(注1)
流通株式数(注2)
流通株式時価総額
(注4)
流通株式比率(注
5)
時価総額(注6)
株価(注7)
債務超過
売上高(注9)
虚偽記載
又は
不適正意見等
売買高
その他
上場廃止基準(マザーズ)
150人未満(猶予期間1年)
1,000単位(注3)未満(猶予期間1年)
2.5億円未満(平成24年12月末までは1.5億円未満)(猶予期間1年)
5%未満(所定の書面を提出する場合を除く)(猶予期間なし)
5億円未満(平成24年12月末までは3億円未満)である場合において、9か月(所定の書面を3か月以内に提出しない場合
は3か月)以内に5億円以上(平成24年12月末までは3億円以上)とならないとき
又は
上場株式数に2を乗じて得た数値未満である場合において、3か月以内に当該数値以上とならないとき
上場後3年を経過するまでに新規上場の際の公募の価格(注8)の1割未満となった場合において、9か月(事業の現状、
今後の展開、事業計画の改善その他当取引所が必要と認める事項を記載した書面を3か月以内に当取引所に提出しない
場合にあっては、3か月)以内に当該価格の1割以上に回復しないとき
※平成21年11月9日以降に新規上場したマザーズの上場会社に限る。
債務超過の状態となった場合において、1年以内に債務超過の状態でなくならなかったとき(原則として連結貸借対照表
による)(上場後3年間に終了する事業年度において債務超過となった場合を除く)
最近1年間に終了する事業年度において売上高が1億円に満たないこととなった場合(利益の額(注10)が計上されている
場合及び上場後5年間において売上高が1億円未満である場合を除く)
a. 有価証券報告書等に「虚偽記載」を行った場合で、その影響が重大であると当取引所が認めたとき
b. 監査報告書等において「不適正意見」又は「意見の表明をしない」旨等が記載され、その影響が重大であると当取引所
が認めたとき
最近1年間の月平均売買高が10単位未満又は3か月間売買不成立
銀行取引の停止、破産手続 ・再生手続・更生手続、事業活動の停止、不適当な合併等、支配株主との取引の健全性の
毀損(第三者割当により支配株主が異動した場合)、有価証券報告書又は四半期報告書の提出遅延、虚偽記載、上場契
約違反等、株式事務代行機関への不委託、株式の譲渡制限、完全子会社化、指定振替機関における取扱いの対象外、
株主の権利の不当な制限、全部取得、反社会的勢力の関与、その他(公益又は投資者保護)
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Appendix 上場廃止基準(マザーズ)
1. 「株主数」とは、1単位以上の株券等を所有する者の数をいう(詳細については「株主数(分布状況)基準」の項を参
照)。
2. 「流通株式」とは、上場株券等のうち、上場株式数の10%以上を所有する者が所有する株式その他の流通性の乏し
い株式として施行規則で定めるものを除いたものをいう(詳細については「流通株式数等(分布状況)基準」の項を参
照)。
3. 「1単位」とは、単元株制度を採用する場合には1単元の株式の数をいい、単元株制度を採用しない場合には1株を
いう。
4. 「流通株式時価総額」とは、上場会社の事業年度の末日における当取引所の売買立会における最終価格に、上場会
社の事業年度の末日における流通株式の数を乗じて得た額をいう。
5. 「流通株式比率」とは、上場会社の事業年度の末日における流通株式の数の上場株券等の数に占める割合をいう。
6. 「時価総額」とは、月間平均時価総額(当取引所の売買立会における日々の最終価格に、その日の上場株式数を乗
じて得た額の平均)又は月末時価総額(月末日における当取引所の売買立会における最終価格(最終価格がない場
合は直近の最終価格)に当該末日における上場株式数を乗じて得た額)をいう(詳細については「時価総額基準」の項
を参照)。
7. 「株価」とは、月間平均株価(当取引所の売買立会における日々の最終価格(当取引所が適当と認める場合には、
日々の最終価格に、株式分割、株式無償割当て、株式併合その他の行為の影響を勘案して修正した価格)の平均を
いう)又は月末株価(毎月末日における当取引所の売買立会における最終価格(当該最終価格がないときは、直近の
最終価格))をいう。
8. 新規上場の際の公募の価格について、当取引所が適当と認める場合には、株式分割、株式無償割当て、株式併合
その他の行為の影響を勘案して修正を行う。
9. 「売上高」とは、連結損益計算書に掲記される売上高をいう。
10. 「利益の額」とは、連結損益計算書に掲記される経常利益金額をいう。
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Appendix 上場廃止基準(ジャスダック)
項目
株式の分
布状況・
株主数
浮動株時
価総額
債務超過
株価
業績
その他事
項
上場廃止基準
[浮動株式数](注1)
500単位未満[猶予期間1年](注2)
[株主数]
150人未満[猶予期間1年](注3)
※浮動株式数の上場廃止基準については,旧JASDAQ又はNEOの上場会社は,平成25年4月1日以後最初に開始する事業年度から適用します。
2億5千万円(平成24年12月末までの間は1億5千万円)未満[猶予期間1年](注4)(注5)
※旧JASDAQ,NEO又はヘラクレスグロースの上場会社は,平成25年4月1日以後最初に開始する事業年度から適用します。
※当該適用を開始する事業年度の前日までに終了する月までの間においては,(1)旧JASDAQ又はNEOの上場会社は,上場時価総額5億円(平成24年12月末までは3億円)未
満(注6)(注7)又は株価2円基準(注8)(2)旧ヘラクレスグロースの上場会社は,浮動株時価総額1億円(平成24年12月末までの間は0.6億円)(注9)が適用されます。)
債務超過の状態となった場合において,1か年以内に債務超過の状態でなくならなかったとき(注10)
※旧ヘラクレスグロースの上場会社は,新規上場後3年間は適用を猶予します。
10円未満である場合において,3か月以内に10円以上とならないとき(注11)(注12)
[スタンダード・グロース共通]
最近4連結会計年度における営業利益及び営業活動によるキャッシュ・フローの額が負である場合において,1か年以内に営業利益又は営業活動によるキャッシュ・フローの額が正
とならないとき(注13)
※平成23年4月1日以後に開始する連結会計年度を最初の連結会計年度として適用します。
[グロースのみ]
上場会社の上場申請連結会計年度の営業利益の額が負であり,かつ当該上場会社の上場後9連結会計年度の営業利益の額が負である場合において,1か年以内に営業利益の
額が正とならないとき(注14)
※旧NEO又はヘラクレスグロースの上場会社については,上場申請を行った日の属する連結会計年度以降,営業利益の額が負である連結会計年度が継続している場合に,平
成23年4月以後に最初に開始する連結会計年度から適用します。
銀行取引の停止
破産手続,再生手続又は更生手続
事業活動の停止
実質的存続性の喪失(不適当な合併等)
支配株主との取引の健全性の毀損
有価証券報告書又は四半期報告書の提出遅延
虚偽記載又は不適正意見等
上場契約違反等
株式事務代行機関への委託
株式の譲渡制限
完全子会社化
指定振替機関の振替業における取扱いの対象とならないこととなった場合
株主の権利の不当な制限
全部取得
その他(公益又は投資者保護)
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Appendix 上場廃止基準(ジャスダック)
1. (1) (注1)浮動株式数とは,上場株式数から,役員(役員持株会を含み,取締役,会計参与(会計参与が法人
であるときは,その職務を行うべき社員を含む。),監査役,執行役(理事及び監事その他これらに準ずる者を
含む。)の持株数,上場会社が所有する自己株式数及び上場株式数の10%以上を所有する株主の持株数
(明らかに固定的所有でないと認められる株式を除く。)を除く株式の数をいう。
2. (注2)審査対象事業年度の末日の翌日から起算して1か年目の日までの期間(猶予期間)に浮動株式数が
500単位以上にならない場合に上場廃止となる。
3. (注3)審査対象事業年度の末日の翌日から起算して1か年目の日までの期間(猶予期間)に株主数が150人
以上にならない場合に上場廃止となる。
4. (注4)浮動株時価総額とは,浮動株式数に事業年度の末日における最終価格を乗じた数値である。
5. (注5)審査対象事業年度の末日の翌日から起算して1か年目の日までの期間(猶予期間)に浮動株時価総
額が2億5千万円(平成24年12月末までの間は1億5千万円)以上にならない場合に上場廃止となる。
6. (注6)上場時価総額とは,月間平均上場時価総額又は月末上場時価総額いずれか低い額をいう。
7. (注7)上場時価総額が5億円(平成24年12月末までの間は3億円)に満たない場合において,9か月(事業の
現状,今後の展開,事業計画の改善その他当社が必要と認める事項を記載した書面を3か月以内に当社に
提出しない場合にあっては,3か月)以内に5億円(平成24年12月末までの間は3億円)以上とならないとき。
ただし,市況全般が急激に悪化した場合において,当社がこの基準によることが適当でないと認めたときの上
場時価総額に係る基準については,当社がその都度定めるところによるものとする。
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Appendix 上場廃止基準(ジャスダック)
8. (注8)上場時価総額が上場株式数に2を乗じて得た数値未満である場合において,3か月以内に当該数値以上とな
らない場合をいう。
9. (注9)浮動株時価総額が30日間(休業日を除外する。)連続して1億円(平成24年12月末までの間は0.6億円)未満
である場合において,6か月の間に5日間(休業日を除外する。)連続して1億円(平成24年12月末までは0.6億円)以
上とならない場合をいう。
10. (注10)債務超過の状態となった場合において,1か年以内に債務超過の状態でなくならなかったとき。ただし,当該
上場会社が法律の規定に基づく再生手続又は公正手続を行う場合若しくは私的整理に関するガイドライン研究会に
よる「私的整理に関するガイドライン」に基づく整理を行うことにより1か年以内に債務超過の状態でなくなることを計
画している場合(当社が適当と認める場合に限る。)には,債務超過の状態となってから2年以内に債務超過の状態
でなくならなかったとき。
11. (注11)10円未満である場合とは,月末終値又は月間終値平均が10円未満である場合をいう。
12. (注12)3か月以内に10円以上とならないときとは,10円未満となった月の末日の翌日から起算して3か月目の日ま
での期間(猶予期間)の最終日において,月末終値及び月間終値平均の両方が10円以上とならない場合をいう。
13. (注13)1か年以内に営業利益又は営業活動によるキャッシュ・フローの額が正とならない場合とは,最近4連結会計
年度における営業利益及び営業活動によるキャッシュ・フローが負となった連結会計年度から1か年目の日までの期
間(猶予期間)において営業利益又は営業活動によるキャッシュ・フローの額が正とならない場合をいう。
14. (注14)上場申請連結会計年度とは,上場会社がJASDAQへの上場に係る上場申請を行った日の属する連結会計
年度をいい,上場後9連結会計年度の営業利益の額が負である場合とは,上場申請連結会計年度の翌連結会計年
度から起算して9連結会計年度の間,一度も営業利益が正でない場合をいう。1か年以内に営業利益の額が正とな
らないときとは,9か年目の連結会計年度の末日の翌日から起算して1か年目の日までの期間(猶予期間)において
営業利益が負の状態でなくならなかった場合をいう
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