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鹿野川ダム湖の水を用いた魚類の生息調査の結果をお知らせします
鹿野川ダム湖の水を用いた魚類の生息調査の結果をお知らせします 平成 27 年 11 月 16 日 山鳥坂ダム工事事務所 このたび、肱川漁業協同組合の組合員の皆様より、鹿野川ダム湖の水を用い た魚類の生息状況調査への協力要請をいただきました。これを受けて、定期的な 採水調査の実施日にあわせ、10 月 6 日と 11 月 4 日に調査を実施しましたので、 その結果をお知らせします。 1.10 月 6 日 ①魚を入れた虫かごを湖に沈めて魚の状況を観察する調査と、②湖から採 取した水を入れた水槽に魚を入れて魚の状況を観察する調査の2種類を行い ました。 ①魚を入れた虫かごを湖に沈めて魚の状況を観察する調査 3 個の虫かごに、肱川漁協の方が準備され たアユを 1 匹ずつ入れ、湖面からそれぞれ 1m,25m,32m の深さまで沈め、40 分後に水 面まで引き上げましたが 3 匹とも異常ありま せんでした。なお、その後 20 分間水槽に入れ て継続観察も行いましたが異常はありません でした。 沈めた魚を引き上げている状況 ②湖から採取した水を入れた水槽に魚を入れて魚の状況を観察する調査 湖面からそれぞれ 0.5m,25m,32m の深さの水を採取した 3 つの水槽と、 参考に水道水を入れた水槽を設置し、その中に肱川漁協の方が準備された アユと、当所で準備したその他の魚類等(オオヨシノボリ、オイカワ、カマツカ、 ヌマチチブ、スジエビ)を入れて 24 時間後まで様子を観察しました。 その結果、湖面から 32m の深さの水が入った水槽に入れたアユ 2 匹のう ちの 1 匹が約 5 時間後に衰弱、約 10 時間後に斃死しましたが、それ以外の 魚類等に異常はありませんでした。斃死した 1 匹は、採取後の移動過程での 衰弱や環境変化に伴うストレスにより衰弱したこと等が推察されますが、その 他の魚類等に異常がなかったことから、湖の水質に問題はないものと考えら れます。 なお、それぞれの水槽にはエアレーションにより酸素を供給しています。 2.11 月 4 日 10 月 6 日の調査時に、肱川漁協の方よりもう 一度同様の調査を行いたいと要請をいただいた ことを受け実施しました。 なお、調査実施前に今回は中止したいとの連 絡を肱川漁協の方よりいただきましたが、事前 に準備を行っていたため中止はせず、当所のみ で調査を行いました。 水槽の設置状況 実施した調査は、前回調査で行った②の 1 種 類で、湖面からそれぞれ 0.5m,15m,29m の深 さの水と水道水を入れた水槽を準備し、その中 にオオヨシノボリ、オイカワ、カマツカ、スジエビ を入れて 24 時間後まで様子を観察しました。 その結果、約 17 時間後に水道水を入れた水 槽に入れたオイカワ 1 匹が斃死した以外、湖か ら採取した水の水槽の魚類等にはいずれも異 24 時間経過後の状況 (湖面より 29m の深さの水の水槽) 常はありませんでした。 さいごに 現在実施中の鹿野川ダム改造事業では、洪水時によりたくさんの水を貯めて 下流の被害を軽減するためのトンネル洪水吐以外にも、ダム湖の水を深さ方向 に循環させてアオコの発生を防ぐ「ばっ気循環装置」や、洪水後に濁りの大きい 水を下流に流す期間をできる限り短くする「選択取水設備」など、水環境を改善 するための取組みを行っています。 今後も、流域の市町や住民の方々と一緒に、肱川の環境をよくする取組みを 進めてまいります。