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インターネットを利用した 文献の収集と管理のエトセトラ
2009 教育心理学課題演習 インターネットを利用した 文献の収集と管理のエトセトラ TA 平知宏 2009/10/20(Tue) http://qurl.com/tf24d 本日のお品書き • インターネット時代の文献収集 • 文献の収集法 – どうやって集めるか • 文献の管理法 – どうやって管理するか • 文献の共有法 – どうやって共有するか http://qurl.com/tf24d 文献収集とは • 心理学だけでなく,研究を進めていくための 必須のスキル. • 文献収集というと…… – 知りたいことを自分で探して – 知りたいことが載っている文献を探して – 知りたいことをコピーして読む ……と極めて個人的な作業のように見えるが……? http://qurl.com/tf24d 文献収集とは • 新たに知識を得るという側面だけでなく,共通認識の 確認という側面も強い. – 自分の知りたいことは何か? – 自分の知りたいことを自分がどこまで知っているか? – 自分の知りたいことが他人によってどれだけ知られてい るか? • 特に心理学のような学際分野では,情報の更新が早 く,知りたいことがコロコロ変化することが多い. – 知見はどんどん新しくなる – 実験や調査の結果はどんどん出てくる http://qurl.com/tf24d インターネットと文献収集 • 文献収集という作業は,その行為の性質上,インター ネットと非常に相性が良い. – インターネットは情報を発信・共有するための道具. – 誰でも情報の更新・修正が可能であるため,情報の鮮度 は非常に高い. – 情報にアクセスするのはほぼ無制限,知識の共有に有利 である. • 反面,使い方を間違うと,大変時間のロス. – 情報量が多いだけに,求める情報が簡単に手に入らない. – 玉石混合,ゴミな情報も多い. http://qurl.com/tf24d 本日めざすもの • Webを活用して,上手に知りたいことを「検 索」し,それらを上手に「管理」する方法を学 びます. • そのためには,インターネットを積極的に活用 する態度を身につけてください. – 実際に手を動かしましょう! http://qurl.com/tf24d 文献収集の三大悲劇(私見) • どこで何をどのように調べれば良いのか,全くわ からない状況に陥ってしまった. – 収集の問題 • 以前調べたはずの文献を,また収集する羽目に なってしまった. – 管理の問題 • 論文を収集しただけで読んだ気になってしまった. – やる気の問題 http://qurl.com/tf24d 文献をいかに収集するか • 何が知りたいかを決める(これ基本) – 「対人認知における印象形成について調べたい」 – 知りたいことから複数のキーワードを抽出する. • 「対人認知」「印象形成」…… • どのように調べたいかを決める – 目的にあった調べ方を! • 特に未定 • 知りたいことが書かれた論文・資料を見つける http://qurl.com/tf24d どのように調べたいか • 特に未定のとき – 知りたいことが漠然としすぎて,そもそもその「知りた いこと」がどういうものなのか,良く分からない. – 強い興味があるわけではないが,とりあえず調べて みたいという軽い動機があるだけ. • 知りたいことの論文・資料を見つける – 知りたいことのキーワードの定義をある程度自分で 把握していて,先行研究の内容について調べたい. – 専門的にどのような研究がなされているか,もっと詳 しく知りたい. http://qurl.com/tf24d 検索エンジンを活用する • 情報資源を抽出・要約するためのプログラム. – 自動型or手動型 – 学術情報に特化した検索エンジンも多い. • 自分の目的にあった検索エンジンを使用する ことをお勧めします. – 特に未定のときは……? – 論文・資料を見つけるときは……? http://qurl.com/tf24d 特に未定のとき • 公開されている学術情報のほとんどを網羅しているタ イプを選ぶ. • 「論文を見つけるとき」に使用するような検索エンジン を内包することもあるため,情報量が莫大である. • 情報の内容は実に様々なため,必ずしも「学術向け」 とは言い難いものも含まれる. – 知りたいことをピンポイントで探し出すには不向き. – 個人のWebサイトで公開されている資料までがヒットする ことも. http://qurl.com/tf24d 論文を見つけるとき • 「知りたいこと」について研究された論文,資料, 学会発表について網羅したエンジンを使用する. • 「査読」と呼ばれる過程をパスした資料がほとん どなので,情報の精度は高め.厳密な意味での 「論文」検索が専門. • 全文閲覧に制限があることも – 会員以外はキーワード,要旨,引用文献のみ. – 大学内ネットワークからだと,大抵の論文は閲覧でき るはずです. http://qurl.com/tf24d 有名どころ • Google Scholar(特に未定) – http://scholar.google.co.jp/ – Googleが提供する学術情報に特化した総合デー タベース.情報量の多さがウリ. – 厳密な意味での学術情報以外のものが含まれて いる可能性もあり. • Googleのエンジンでも良いが,専門性はさらに落ちる. http://qurl.com/tf24d 日本語 • CiNii(論文を見つける) – http://ci.nii.ac.jp/ – 国立情報学研究所が提供する学術論文情報のデータ ベース. – 科学技術振興機構が運営するJ-STAGEとの連携が強化さ れ,より多くの情報が閲覧可能に. • http://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja • J-GLOBAL(特に未定) – http://jglobal.jst.go.jp/ – 文献に限らず,研究者,特許,研究課題などの学術情報 を総合的に網羅したデータベース. http://qurl.com/tf24d 英語 • PubMed(論文を見つける) – 医学系の文献が多い – http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi • ScienceDirect(論文をみつける) – ELSEVIER社の論文検索エンジン.生物系・建築系など幅 広く網羅 – http://www.sciencedirect.com/ • 学内からであればSCOPUSの方が利便性は高い? http://www.scopus.com/home.url http://qurl.com/tf24d 検索する際の基礎事項 • 窓にお目当てのキーワードを入力するだけ! – ……ではなく,検索の基本的な手法を理解しましょう. – and検索「対人認知」かつ「印象形成」が含まれる – or検索 「対人認知」もしくは「印象形成」が含まれる – not検索 「対人認知」はあるが「印象形成」が含まれない http://qurl.com/tf24d 全検索エンジンにおいてほぼ共通 • and検索 – スペースで区切られた複数のキーワード検索は すべて「かつ」で検索される. • 「対人認知 印象形成」 • or検索 – 「OR」で区切られた複数のキーワード検索はすべ て「もしくは」で検索される. • 「対人認知 OR 印象形成」 http://qurl.com/tf24d 検索エンジンによって仕様が異なる • not検索 – 「対人認知」は調べたいが「印象形成」は調べたくない. • Googleなど一般のエンジンでは「対人認知 –印象形成」で可能 • Science DirectやPubMedでは「対人認知 AND NOT 印象形成」 • 3つの組み合わせ次第では,より複雑な検索が可能. – 対人認知 印象形成 –対人行動 – 対人認知 AND (印象形成 AND NOT 対人行動) • いわゆる「検索オプション」「詳細検索」などで指定して やることもできますが,無駄な労力を省くためにも,こ の3つはすぐにできるよう押さえておきましょう. http://qurl.com/tf24d より効率よく発見するために • 自分好みのテーマの論文がたくさん収録され ている論文誌が見つかった! – 今後も自分好みのテーマの論文が掲載される可 能性が高い. • 論文検索に特化した検索エンジンサイトでは, 新規論文が発表されるごとにお知らせしてく れるシステムが充実しています. – メールの登録,RSSの更新など http://qurl.com/tf24d 文献を管理する • お目当ての文献を見つけてきたので,うまく 管理する! – 検索結果を記憶する → 消えるかも! – 紙に印刷して保管する → なくすかも! – PDFをPC上に保存する → 個人的にお勧め! • もちろんバックアップをしっかりと! – どのように管理すれば効率が良いか? • 興味範囲ごとにフォルダに入れる? 年代ごとにフォ ルダを作る? 論文誌ごとにフォルダ分けする? http://qurl.com/tf24d 一般的なPCでの管理イメージ 論文 対人認知 論文A 印象形成 論文C 対人行動 論文D 論文B 論文E 論文F http://qurl.com/tf24d 一般的なPCでの管理イメージ 論文A 論文 《興味》 対人認知 論文B 《興味》 印象形成 論文C 論文D 論文E 論文F 《興味》 対人行動 http://qurl.com/tf24d PC上での管理の難点 • 一般的なPCのデータ管理では,フォルダ指向型のイン ターフェースがとられている. – Windows エクスプローラーに代表されるような,階層構造 (フォルダによる分類)重視. • 大量の文献が階層構造によって分類可能かどうか? – 多分無理. • A,Bという論文は「対人認知」関係の論文としてまとめよう!……で もそのうちBの論文は「印象形成」とも関係がある – 論文間の関連性を把握しにくくなるという点においても, 階層型の分類はお勧めしない! http://qurl.com/tf24d PC上での管理の難点 • 近年では,属性指向型インターフェイスを用いたデータの管 理方法が用いられている. – 「このファイルは何年に作成されたもので,作成者は誰々で,コメント は○○である」 →EndNoteやiPapersなどの市販の文献管理ソフトはこれに当たる. • 属性の新規作成はできない,属性ごとに内容を入力するの は面倒,入力できる内容は一つのみという問題が残る. – 使える属性は最初から「年」「作成者」……のみ – いちいち「年」「作成者」ごとに入力する必要がある – 属性に「対人認知」「印象形成」という2つのキーワードを同時に入れ ることはできない. http://qurl.com/tf24d タグ型文献管理のすすめ • ファイルごとに自由に情報を付与する方法 – 「このファイルは何年で,誰々作成でテーマは ○○と××で……」 – 属性はかぶっていても良い 平知宏 心理学 対人認知 論文A 印象形成 2009 ぜったい読む タグ型文献管理を勧める理由 論文A 対人認知 論文B 印象形成 論文C 論文D 論文F 対人行動 論文E タグ型文献管理 • Windows Viata – PDFには未対応? • Tag2find – 若干重い – http://www.tag2find.com/ • Cite U Like(おすすめ!) – 論文の発見と管理と共有のソーシャルブックマーク – http://www.citeulike.org/ http://qurl.com/tf24d 例 Cite U Likeの利点 • タグ型文献管理に優れる点 – 論文間の関連性がわかりやすくなる • 文献情報の管理が容易な点 – ScienceDirectやPubMedなどの主要エンジンのページから,自動的に 書誌情報,掲載ページ,著者,要旨などを収集できる. • Web上にPDFのバックアップがとれる点 – 容量無制限 • 登録した文献に興味のある人がわかる点 – その文献がどの程度興味を引くものであるかの目安となる. – 文献情報の共有にも役立つ http://qurl.com/tf24d Cite U Likeの難点 • 基本的に英語対応 – 日本語の検索エンジンなどにはあまり対応していない. – もちろん,自力で書誌情報等の登録を行うことは可能. • フリーのサービスである点 – いつサポートが打ち切られてもおかしくないので,文献管 理の手段としては,あくまでもサブで. – EndNoteなど有料の文献管理ソフトの方が万全といえば 万全.複数を併用すると良い. • Webベースである点 – ネット環境がなければ使えない. http://qurl.com/tf24d 文献の発見と管理ができました • あとは読むだけ! – 三大悲劇のうち「やる気の問題」 • 発見と管理をした段階で,読む気が失せた… – 他人に対するフィードバックを意識するように. – 論文を読むのは自分のためだけではなく,同業者と 知見を共有するためでもある. – 他人にも見える形で「論文メモ」を公開してみる. • ブログ,SNS,SBM http://qurl.com/tf24d