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橡 _00.11.14_第4号商社廃止

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橡 _00.11.14_第4号商社廃止
監査第二委員会報告第4号の廃止について
平成 11 年 10 月 22 日付けで、企業会計審
議会は「外貨建取引等会計処理基準」を改訂
し、当協会では、会計制度委員会報告第4
号「外貨建取引等の会計処理に関する実務
指針」の見直しを行い、平成 12 年3月 31
日付けで公表いたしました。
業種別監査委員会では、
平成 12 年1月 19
日付けの会長からの諮問事項「改訂外貨建
取引等会計処理基準において、銀行業・商
社に固有の取扱いを必要とするものはある
か、あればこれらの取扱いを検討された
い。」を受け、商社における改訂外貨建取引
等会計処理基準に関する商社の取扱いを検
討いたしました。
この結果、平成 13 年4月1日以後開始す
る事業年度から、監査第二委員会報告第4
号「商社における外貨建取引等の会計処理
について」
(昭和 54 年 11 月6日、
改正昭和
60 年3月 26 日)を廃止することが、平成
12 年 11 月 14 日の理事会において承認され
ましたので、お知らせいたします。
(常務理事 伊藤 大義)
監査第二委員会報告第4号の廃止について
平 成 1 2 年 1 1 月14日
日本公認会計士協会
次の委員会報告は、平成13年4月1日以後開始する事業年度から廃止する。
監査第二委員会報告第4号「商社における外貨建取引等の会計処理について」
(昭和54年11月6日、改正昭和60年3月26日)
(廃止の理由)
1.外貨建短期金銭債権債務の決済による損益及び決算時の換算損益
(1) 改訂外貨建取引等会計処理基準の下での商社特例の論点
商社の商品売買取引に係る為替差損益は、
「商品売買取引に係る外貨建短期金銭債権
債務の決済による損益及び換算損益は売上損益として処理する。
」方法によった場合に
は、その内容の注記を条件として「外貨建取引等会計処理基準」にかかわらず、監査上、
「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」に従っているものとして取扱うことが
できるものとされていた。
今回の外貨建取引等会計処理基準及び「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」
の改訂に伴い、外貨建長期金銭債権債務も決算時レートによる換算の対象となったため、
多額の長期延払債権等に係る換算損益が発生することになった。これらは通常、長期外
貨建借入金等によってヘッジされている。上記特例処理を適用すると延払債権の換算損
益は売上損益に計上され、借入金等の換算損益は営業外損益に計上されることになり、
ヘッジ取引であるにもかかわらず換算損益が別々の損益区分に計上され営業利益を歪
1
めることになるので、当該ヘッジ取引に係る長期借入金等の換算損益についても営業損
益に計上することを認めていただきたいとの申し入れが社団法人日本貿易会からあっ
た。
(2) 検討結果
商社の商品売買取引に係る外貨建長期金銭債権の為替損益は、外貨建資産を保有する
ことから発生する換算損益又は決済損益であり、売上損益ではない。売上が前期以前に
計上されている場合であっても、商社特例によれば、その為替差損益は売上損益、言い
換えれば売上高又は売上原価に計上されることになるが、当初の売上高又は売上原価は
前期以前に計上済みであり、当期に財又はサービスの受渡しがないのに当期の売上高又
は売上原価に計上する合理的な理由を見出し難い。それは、単なる為替損益であり、一
般事業会社と異なるところはなく、商社特有の事情があるとは認められない。
従来認められていた商社の商品売買取引に係る外貨建短期金銭債権の為替差損益に
ついても、新しい外貨建取引等会計処理基準と為替取引が自由化された現状の下で、こ
れらは、原則としてメーカーズ・リスクであること、また、ヘッジ対象項目に計上する
予定取引に係るヘッジ会計の導入を考慮すると、営業外損益に計上しても特に問題が生
じるとは考えられず、商社特有の事情があるとは認められないものと判断した。
2.包括為替予約の決算時の取扱い
この取扱いは、決算時における振当処理に言及しているが、今回の実務指針の改訂によ
り、包括ヘッジとしての包括予約は、グループ(包括)ヘッジとしてのヘッジ要件を満た
すことを前提に、予約締結時に振り当てることとされたため、決算時の振当処理は認めら
れないこととなった。
3.商社を通じて行う輸出入取引に係る為替差損益を製造業者等が負担する特約がある場合
の商社における会計処理
この処理は、メーカーズ・リスクに係る処理であるが、既に改訂前の外貨建取引等会計
処理基準に明確に取り入れられ、その趣旨の処理が記載されているので不要と考えられる。
また、監査第二委員会報告第4号の解説で言及されている外貨建資産負債に関する表示に
ついても、メーカーズ・リスクに係るものは為替リスクがないため、表示の対象外となっ
ている実務慣行が確立しており問題点は解決している。
以 上
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