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高等学校授業料無償化スタート
第725号 平成 22年6月 1日 (1) 6 月号 第725号 平成22年6月1日発行 編集人、発行人 新潟県教育委員会 <今月号の記事> 1:高等学校授業料無償化スタート 2 : 魅力いっぱい 宝の島、佐渡を学ぶ P1~2 P3~5 高等学校授業料無償化スタート 財 務 課 いわゆる「高校授業料無償化法」が平成22 年3月31日に成立し、平成22年4月1日から 高等学校授業料の実質無償化が始まりました。 これにより、公立高等学校(全課程)及び 中等教育学校の後期課程の生徒からは授業料 は徴収しないことになりました。 なお、私立高等学校の生徒には、就学支援 金が支給されます。 □高校授業料無償化法(略称) 『公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高 等学校等就学支援金の支給に関する法律』 公立高等学校について 第3条第1項 学校教育法第6条本文の規定にかかわら ず、公立高等学校については、授業料を徴 収しないものとする。ただし、授業料を徴 収しないことが公立高等学校における教育 に要する経費に係る生徒間の負担の公平の 観点から相当でないと認められる特別の事 由がある場合は、この限りでない。 <文部科学省リーフレット> ◆対象 ・高等学校(全日制・定時制・通信制) ・中等教育学校後期課程 新潟県立高等学校等においては、第3条た ・特別支援学校高等部(特科生除く) だし書きの適用は行わず、すべての生徒の授 (特別支援学校は従来から授業料無償) 業料を不徴収とします。 ※社会人講座など一般者を対象とした科目 受講者は無償化の対象にはなりません。 (2) ◆国の負担 第 725号 平 成 22年 6 月 1 日 ◆支援金の加算 所得が低い世帯の生徒には、その所得に応 第3条第2項 じて就学支援金を加算する制度があり、1.5倍 国は、公立高等学校における教育に要す または2倍まで加算されることになっていま る経費のうち、前項の規定の適用がないと したならば地方公共団体が徴収することと す。 ※私立高等学校の場合、実際には授業料が県 なる授業料の月額の標準となるべき額とし 立高等学校を上回るため、就学支援金のみで て政令で定める額(中略)を基礎として政 は授業料の完全無償化にはなりませんが、低 令で定めるところにより算定した額に相当 所得者を対象とした新潟県の学費軽減制度や する金額を地方公共団体に交付する。 各学校独自の減額あるいは免除の制度があり ますので、該当校に確認してください。 国からは、県に対して、毎年10月1日現在 の生徒数を基礎に算定する年間の授業料に相 当する「公立高等学校授業料不徴収交付金」 が交付されることになります。 なお、生徒は何も手続き等を行う必要はあ りません。 ◆支援金の受給手続き 私立高等学校の生徒は、以下の書類を在学 校に提出する必要があります。 ・高等学校等就学支援金受給資格認定申請書 ・高等学校等就学支援金の加算支給に関する 届出書(所得が低い場合のみ) 県教育委員会が生徒数の報告等も含め、交 付金の申請を行うことになっています。 法律名にもあるとおり、公立と私立では、 私立高等学校について 無償化の制度に違いがあります。 公立高等学校では、授業料を「不徴収」と 第4条第1項 高等学校等就学支援金(中略)は、私立 するのに対し、私立では生徒に「就学支援金」 を支給する制度となっています。 高等学校等に在学する生徒または学生で日 ※国立(独立行政法人)の生徒には、私立と 本国内に住所を有する者に対し、当該私立 同様に、「就学支援金」が支給されます。 高等学校等(中略)における就学について 支給する。 無償化制度開始に伴い懸念されることのひ 在学する生徒には、就学支援金が県立高校 の授業料相当額と同額支給されることになっ ていますが、この就学支援金は学校設置者が 代理受領します。 とつが、学校に係る経費がすべて無償化であ ると認識されることです。 旅行積立・生徒会費等学校徴収金、PTA等団 体徴収金など学校運営上の経費は必要ですの で、誤解による納付意識の欠如などトラブル ◆支援金の支給期間等 全日制課程の場合36か月間、通信制課程の 防止に努めたいと考えます。 制度が定着するまで、各種徴収金は必要な 場合48か月間の標準修業年限の期間に限って 旨繰り返し周知してくださるようご協力をお 支給されます。 願いします。 第725号 平成 22年6月 1日 (3) 魅力いっぱい 宝の島、佐渡を学ぶ ―佐渡金銀山出前授業― 文化行政課 県教育委員会では、世界遺産登録を目指す 佐渡金銀山遺跡を教育の場に活用することを 目的に、昨年度から出前授業を開始しました。 文化行政課職員が直接学校に出向き、スラ イドや資料・パンフレットを用いて児童・生 徒に佐渡金銀山遺跡や世界遺産について説明 するものです。昨年度は、佐渡への修学旅行 を実施した小学校22校(事前学習15校、事後 学習7校)を対象として出前授業を実施しま した。 本号では、今年度も引き続き実施している 佐渡金銀山出前授業について紹介します。 1 出前授業の実施までの流れ 各学校からの要望に基づき、以下のとおり 出前授業を実施します。 学校より出前授業の依頼 ↓ 実施日時・授業時間等の打合せ ↓ 学校より派遣依頼・旅行日程表の送付 (授業内容に対する要望等ご連絡ください) ↓ 授業内容について学校側と協議 ↓ 県より配付資料の送付 ↓ 出前授業の実施 2 出前授業の内容 時間やテーマなど、各学校の要望にできる だけ応じる形で授業内容を構成します。 〔45分間の例〕 ○修学旅行コースの学習 ・佐渡金銀山遺跡全般の紹介 ・西三川砂金山と砂金採取の方法 ・採掘から小判ができるまで(佐渡金山、 奉行所等見学の際のポイント) ・佐渡金銀山と関連した文化 ○佐渡金銀山の世界遺産登録に向けて ・日本の世界遺産の紹介 ・佐渡金銀山の世界遺産登録の取組 〔90分間の例〕 「修学旅行コースの学習」に加え、 ○佐渡の自然と歴史 ・佐渡の地形と自然 ・今昔物語集に記された佐渡の金 ・世阿弥と佐渡の金 ・上杉景勝、直江兼続と佐渡金銀山 ・江戸幕府と佐渡金銀山 ・日本の近代化と佐渡金銀山 ○世界遺産についての学習 ・世界遺産とは ・国内外の世界遺産の紹介 ・佐渡金銀山の世界遺産登録の取組 【長岡市立下川西小学校での出前授業】 出前授業は小学校の修学旅行の事前・事後 学習を中心に実施しますが、中学校や高校の 総合的な学習の時間への活用についても対応 しますので、お問い合わせください。 問い合わせ先:文化行政課世界遺産登録推進室 TEL 025-280-5726 FAX 025-284-9396 (4) 佐渡への修学旅行の事前学習として、昨年 度に出前授業を活用した南魚沼市立浦佐小学 校の先生にお話を伺いました。 **************************************** 1 出前授業を活用しようとした理由は? 佐渡や金山の歴史を理解するのは6年生に はやや困難です。修学旅行の実施にあたり、 児童の興味関心を高めるためには事前学習を うまく進める必要があると考えていました。 本やインターネットでの資料収集よりも、佐 渡について詳しい方に直接話を聞くことが、 児童の興味関心と修学旅行に対する意欲を高 められると考え、出前授業を申し込みました。 第 725号 平 成 22年 6 月 1 日 では今でも砂金を採ることができるよ」と聞い ていた児童は、訪問前から気合いが入ってい たようです。彼らは自らの手で砂金を採る難 しさと喜びを体感していました。 2 出前授業はいかがでしたか? 出前授業では、写真や映像により佐渡金銀 山の歴史をわかりやすく説明していただきま した。また、修学旅行のコースをイメージし ながら、見学の際の視点や注目すべきポイン トについても話していただきました。児童の 興味関心を引く説明のおかげで、あっという 間に時間は過ぎ、たくさんの質問が出て時間 が足りなくなるほどでした。児童にとっても、 とても有意義な時間でした。 【坑道内の見学】 3 【砂金採り体験】 出前授業の効果は見られましたか? 修学旅行で金山へ向かうバスの車窓から どうゆう わりと ふゆうせんこうば 道遊の割戸や北沢浮遊選鉱場が見えたとき、 児童から「あれが割戸か」、「写真で見たとこ そうだゆう ろだね」という声が上がりました。宗太夫坑 すいしようりん の内部を見学したときには、「『水 上 輪』って 想像していたよりも大きいんだ」、 「本当に『上 田はし』を使っていたんだ」、「 『やわらぎ』っ ておもしろいかっこうだね」などの声が聞こ えてきました。出前授業でこれらの話を聞い ていなければ、素通りしていたかもしれない ポイントだったと思います。 そして、修学旅行で児童が一番盛り上がっ た活動が、西三川の体験型資料館での砂金採 り体験でした。出前授業で、「西三川では昔は かなり大きな砂金が採れたことがあるし、川 「いろいろな場所を回りながら出前授業で 教えてもらった見学のポイントを1つずつ見 つけていくのがとても楽しかった」と修学旅 行記に書いた児童もおり、出前授業が修学旅 行の事前学習としてかなり効果があったと考 えています。 4 佐渡について一言お願いします 佐渡金銀山が世界遺産に登録されれば、佐 渡への関心はもっと高まるのではないかと考 えます。豊かな自然と文化に富んだ佐渡だけ に、旅行先としての魅力をさらに多くの人に 認識してほしいと感じています。 **************************************** 第725号 平成 22年6月 1日 (5) 佐渡金銀山では約400年もの長期間にわたり 金銀が採掘されてきたため、戦国時代末から 江戸時代、さらに明治・大正を経て昭和に至 るまでの幅広い時代の遺跡が多数残っていま す。これまでに知られている修学旅行コース 以外にも、近年調査が進んで国指定史跡となっ た遺跡など、魅力ある見学場所が増えていま す。ここでは、最新の修学旅行おすすめスポッ トを紹介します。 ○旧佐渡鉱山近代化遺産 佐渡鉱山は明治2年(1869年)の鉱山官営 化以降、欧米の先進技術を導入していち早く 近代化が図られた鉱山です。平成元年(1989 年)に操業を休止するまでの間に多くの鉱山 技術が導入され、関連する施設が建設されて きました。現在でも明治から昭和期にかけて の施設群の多くが残されており、日本の近代 化の歴史を物語るものといえます。 大立竪坑は明 治10年(1877年) に完成した日本 最古の洋式坑道 やぐら です。前面の 櫓 は昭和13年(1938 年) に 建 設 さ れ たもので、これ により鉱石採掘 量が大幅に増加 しました。 【大立竪坑櫓】 道遊坑は明治32 年(1899年)に開坑した坑道で、内部には鉱 車用レールが敷設されました。鉱石とともに 作業員や資材が鉱車で運搬され、作業効率が 格段に高まりました。 【道遊坑】 ○鉱山都市の面影を残す町並み 金銀山と奉行所を結ぶ京町通りは、江戸時 代の鉱山都市相川の繁華街でした。西陣織を 扱う京都商人の店があったことからその名が つき、現在でも当時の地割そのままで、かつ こうちししよ ての面影を残しています。旧相川拘置支所な ど由緒ある建物が並び、地元の人々によりその 歴史的景観を保全する取組が進められています。 【京町通り】 金銀山遺跡に代表される歴史に加え、豊か むみよういやき な自然や能、無名異焼などの独特の文化を体 験できる佐渡は、小学生の修学旅行先として 注目が高まっています。新潟県の宝の島を世 界の宝の島とするため、学校でも佐渡金銀山 出前授業をご活用いただき、世界遺産登録の 取組をご支援いただくようお願いします。 ◇会期 6 月 4 日 (金 )~ 7 月 11日 (日 ) ◇会場 新潟県立万代島美術館 TM ●ビアトリクス・ポター 展 ピーターラビット® の 生 み の 親 、ビアトリクス・ ポター(1866-1943) (新 潟 市 中 央 区 万 代 島 5-1万 代 島 ビ ル 5階 ) ◇開館時間 の絵本の絵を貴重な資料とあわせて紹介します。 10時 ~ 18時 (金 曜 は 20時 ま で ) 観 覧 券 販 売 は 閉 館 30分 前 ま で ◇料金 一 般 1,000円 /大 高 生 800円 ※小中生無料 (6) 第 725号 ●彫刻家・籔内佐斗司展 -動き出す彫刻たち- 平 成 22年 6 月 1 日 ●小千谷縮・越後上布展 「せんとくん」の作者としても知られる彫刻家 ・ 「小千谷縮・越後上布」はユネスコ無形文化遺 藪 内 佐 斗 司 (や ぶ う ち さ と し 1953年 大 阪 市 生 ま 産に工芸品第1号として登録された、国の重要無 れ )に よ る 人 気 の あ る 童 子 た ち の 作 品 と 、 近 年 の 形文化財です。文化庁の協力のもと、後世に残す 新たな展開である≪平成伎楽団≫の新作も交え、 べき人類の財産として世界が認めた織物の優れた 2部構成で作品をご紹介します。 名 品 を 展 示 し ま す 。ま た 、実 演 を 交 え た 工 程 な ど 、 ◇会期 7 月 24日 (土 )~ 9 月 26日 (日 ) 織物のすべてを多角的にご紹介します。 ◇会場 新潟県立万代島美術館 ◇会期 6 月 12日 (土 )~ 6 月 27日 (日 ) (新 潟 市 中 央 区 万 代 島 5-1万 代 島 ビ ル 5階 ) ◇会場 新潟県立近代美術館 ◇開館時間 10時 ~ 18時 (金 曜 は 20時 ま で ) 観 覧 券 販 売 は 閉 館 30分 前 ま で ◇観覧料 一 般 900円/大 高生 700円 (長 岡 市 千 秋 3 丁 目 278-14) ◇開館時間 9 時 ~ 17時 ※ 小中生無 料 観 覧 券 販 売 は 閉 館 30分 前 ま で ◇観覧料 ●親子考古学教室 一 般 500円 /大 高 生 300円 ※小中生無料 ◇関連イベント 展 示 品( 土 器 ・石 器 ・木 製 品 等 )に つ い て の 解 説 。 ・実演 模 造 土 器 を 使 っ た 煮 炊 き 、 勾 玉 (ま が た ま )作 り 、 毎週土・日 9時~17時 企画展示室ロビ ー に て 火おこしの体験を行い、親子で考古学について学 織り、苧績み 6 月 12・13・26・27日 べる講座を開催します。 織り、絣 手くびり 6 月 19・20日 ◇期日 8 月 10日 (火 )・20日 (金 ) 10時 か ら 15時 ◇会場 新潟県埋蔵文化財センター (新 潟 市 秋 葉 区 金 津 93番 地 1 ) ◇定員 ・作品解説会 毎 週 日 曜 日 14時 ~ 企 画 展 示 室 に て ・着装体験会 両 日 と も 小 学 生 親 子 20組 40名 毎 週 土 曜 日 12時 ~ 講 座 室 に て( 先 着 10名 ) ※申込み多数の場合は抽選 「小千谷縮を着て美術館を闊歩する」 ◇参加費 300円 程 度 (体 験 材 料 費 ) ◇申込先 新潟県教育庁文化行政課埋蔵文化財係 保 証 金 ( 3,000円 ) 預 か り 制 電 話 025-280-5620 (着物返却時にお返しします) ・講演会&ファッションショー ◇申込方法 上記申込先へ電話でお申込みください。 ◇申込受付期間 ※身分証明書の提示 7 月 20日 (火 )~ 23日 (金 ) (8 時 30分 ~ 17時 ) 6 月 19日 ( 土 ) 講 堂 に て ※ 入 場 整 理 券 を 6 月 1日 よ り 当 館 受 付 に て 配 布 し ま す( 本 展 観 覧 券 を ご 提 示 く だ さ い )。 13時 ~ 講 演 会 「“ 夏 衣 ” 現 代 に 楽 し む 」 講 師 : 木 村 孝 ( 染 色 研 究 家 ・ エッセイスト) 14時 ~ 夏 着 物 フ ァ ッ シ ョ ン シ ョ ー 本号のインフォメーションで紹介したもの は以下のホームページでご覧いただけます。 新潟県立近代美術館 http://www.lalanet.gr.jp/kinbi/ 新潟県立万代島美術館 http://www.lalanet.gr.jp/banbi/ 新潟県埋蔵文化財センター http://www.maibun.net/center/