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速度超過等判定装置の開発
速度超過等判定装置の開発 交通安全環境研究所 吉永 純 独立行政法人 交通安全環境研究所 0/23 目次 1.まえがき 2.運転の異常を検知する装置の開発 (1) 標準運転パターンから速度超過を検出 (2) 軌道、信号の異常を検出して、車上で記録 (3) 映像により運転士の異常操作を検出 3.走行実験 4.あとがき 独立行政法人 交通安全環境研究所 1/23 1.まえがき プローブ車両技術のうち、運転状況に係る異常の検出 ¾ 速度で判断(標準運転曲線からのずれ)して検出 ¾ ノッチ操作、モータ電流変化等の情報から判断(一定時間 等)して検出 軌道、信号等からの異常情報を受信して記録 ¾ GPSにより列車の位置検知を車上で行う ¾ 軌道、信号の異常情報を受信して、列車上に表示 映像による運転異常の検知 ¾ 運転士のノッチ操作を画像解析することにより異常を検知 ¾ 標準ノッチ操作からの逸脱 走行実験取得データ 独立行政法人 交通安全環境研究所 2/23 2 運転の異常を検知する装置の開発 (1) 標準運転パターンからのずれを検出して、速度超過を検出 停車駅へ停止する場合 信号C 信号B 停車駅 信号A 80km 制限 100km/h ATS (ATS-P等) 速度のパターンマッチング 80km制限 ブレーキ 再力行 再力行 ATS停止パターン ブレーキ 速度制限標識失念? →危険 通過駅と誤認識? 0km/h 信号A カーブ 信号B 信号C 停止点 "逸脱"の累積量 速度超過の蓄積量 独立行政法人 交通安全環境研究所 3/23 停車駅への停止∼先行列車に接近する場合∼ 速度のパターンマッチング 100km/h ATS停止パターン 80km/h制限 ブレーキ 速度制限標識失念? 45km/h 制限 注意信号見落し? 再力行 0km/h 信号A カーブ 信号B 信号C 停止点 速度超過の蓄積量 独立行政法人 交通安全環境研究所 4/23 運転異常検知に関する情報 (1) 速度情報 → 運転の異常が最終的に現れる (2)ノッチ操作、モータ電流情報 → 運転の異常が直ちに現れる (1) 標準運転速度からの偏差(特に超過) → 意図的な異常運転に対応 (2)標準運転速度からの偏差の蓄積 → 運転傾向の異常に対応 独立行政法人 交通安全環境研究所 5/23 (2) 軌道、信号の異常情報を受信して記録する装置の開発 ・列車の位置、異常検出位置をGPSにより記録する方式の開発 (1)GPSによる位置検知、進行方向自動判別機能 GPSからの自列車の進行方向から自動で運転方向を認識し、行き先設定する (2)キロ程による距離情報 GPSによる緯度経度に加え、基点からの距離及び地図上へのプロット表示をする (3)速度 GPS による位置変化から、速度を算出して表示する (4)ソフトウェア間通信 マップマッチングソフトで把握した(1)∼(3)の情報を、軌道異常検出ソフトに伝送する 独立行政法人 交通安全環境研究所 6/23 ・軌道、信号の異常情報の画面表示 ・測定データと、設定されたしきい値を比較し、異常と判定される場合、 画面上の警報表示と、地図上に自列車位置を専用色で地図上に表示する。 ・ログファイルに記録されたデータによる再生表示も可能。 モニタ画面上の列車位置検知情報に、軌道、信号からの異常情報を表示 独立行政法人 交通安全環境研究所 7/23 ソフトウェア間通信により軌道異常等の測定値データ、列車の状況を入出力 独立行政法人 交通安全環境研究所 8/23 (3) 映像による運転異常の検知 ・運転士の操作、動作を画像解析することにより異常を検出 速度発電機 GPSアンテナ カメラ 処理装置(PC) デッドマン検出ソフトウェア 記録装置 システム構成:ノッチ操作を記録し、標準操作からの 乖離を検出(ソフトウェア処理) 独立行政法人 交通安全環境研究所 9/23 項 目 スペック 画像素子 1/3 インチ Sony Super HAD Color CCD 総画素数 H:512 V:492 信号方式 NTSC 走査方式 2:1 インターレース 同期方式 内部同期 走査周波数 H:15.734KHz V:59.94Hz 水平解像度 330 本以上 S/N 比 48db 以上(AGC OFF) シャッタースピード 1/60∼1/10.000sec 最低被写体照度 0.1 ルクス(F:1.2) インフラデッドライトコンディションで 0.00 ルクス 使用したカメラ (赤外線) :夜間も使用可 処理装置上で見る カメラの映像 運転士の操作 検出例 (頭部の動き) 運転手の頭部が 一定時間以上動き無し 運転手の頭部が 警報判定位置を一定時間以上超過 独立行政法人 交通安全環境研究所 10/23 3 実験線による走行実験 検知、記録装置 表示装置 車内運転状況 前方位置 位置検知、運転状況記録と表示装置 軌道、信号 異常検知装置 からの異常出力 映像取得カメラ 車内に位置検知、記録装置、表示装置、カメラを設置して、 軌道、信号の異常検知システム(日大)からの異常出力を表示 独立行政法人 交通安全環境研究所 11/23 1501-E-25 1503-E-25 40 35 30 25 20 15 10 5 0 1502-E-25 1504-E-25 直線部 R100 標準運転パターンの作成 0 100 200 300 距離 [m] 東行き 西行き 速度 [km/h] 速度 [km/h] 実験線における運転状況 400 500 40 35 30 25 20 15 10 5 0 600 1501-W-25 1503-W-25 直線部 1502-W-25 1504-W-25 R100 0 100 200 300 距離 [m] 400 500 600 独立行政法人 交通安全環境研究所 12/23 標準運転と実運転の比較 標準運転曲線 実運転 独立行政法人 交通安全環境研究所 13/23 列車位置検知例 :速発データ :GPS生データ :GPS補正データ 進 行 方 向 島地トンネル GPSと速度発電機による位置検知でトンネル内でも検知可能 独立行政法人 交通安全環境研究所 14/23 列車位置検知方法 :速発による自車両位置 :GPSによる自車両位置 低速時はGPSによる位置検知、高速時は速発による位置検知 独立行政法人 交通安全環境研究所 15/23 標準運転からの速度超過を検出して異常を出力 速度情報 状況 映像による データ 波状摩耗位置 位置 走行履歴 速度超過位置 独立行政法人 交通安全環境研究所 16/23 標準運転からの速度偏差の蓄積を検出して異常を出力 速度偏差設定値 速度偏差の 蓄積制限値 列車走行 独立行政法人 交通安全環境研究所 17/23 軌道の異常を検出してその位置、そのときの列車の状況を表示 速度情報 軌道異常発生表示 波状摩耗位置 独立行政法人 交通安全環境研究所 18/23 信号の異常を検出してその位置、そのときの列車の状況を表示 速度情報 軌道境界で異常を検知 軌道回路A 軌道回路B 独立行政法人 交通安全環境研究所 19/23 軌道、信号の異常情報を受信して記録する装置による試験 実路線でのGPS測位結果 走行試験1 有効データ 数 全データ数 1,673 走行試験2 全データ数 1,445 平均補 正距離 最小補正 距離 1,673 4.4m 0.0m 有効データ 数 平均補正 距離 最小補正 距離 1,445 8.6m 0.0m 最大補正 距離 平均健康 衛星数 15.1m 最大補正 距離 6.5 平均健康 衛星数 49.7m 6.6 平均可視 衛星数 12.0 平均可視 衛星数 12.1 独立行政法人 交通安全環境研究所 20/23 最大補正距離 49.7m 補正距離 14.2m 独立行政法人 交通安全環境研究所 21/23 映像による運転異常検知システムの実験例 角度解析 ノッチ 取得画像 解析画像 独立行政法人 交通安全環境研究所 22/23 4.あとがき (プローブ技術として標準運転からの乖離) 速度超過を検出して異常を判断 速度超過量を蓄積して異常を判断 列車の位置検知(GPS、速発)表示と組み合わせ (軌道、信号異常情報の表示) 軌道、信号の異常を受けて、その位置を表示 位置はGPSと速発によりリアルタイムに検知 軌道、信号の異常箇所がリアルタイムに検知、表示 独立行政法人 交通安全環境研究所 23/23