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建設廃棄物の処理について

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建設廃棄物の処理について
丹後土木事務所管内建設業者講習会
建設廃棄物の処理について
京都府文化環境部循環型社会推進課
主査 岩城 吉英
建設廃棄物の処理について
環境基本法
循環型社会形成推進基本法
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
資源有効利用促進法
使用済自動車の再
資源化等に関する
法律(自動車リサイ
クル法)
食品循環資源の再
生利用等の促進に関
する法律(
食品リサ
イクル法)
建設工事に係る資
材の再資源化等に関
する法律(
建設リサ
イクル法)
特定家庭用機器再
商品化法(
家電リサ
イクル法)
容器包装に係る分
別収集及び再商品
化の促進等に関す
る法律(
容器包装リ
サイクル法)
• 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
22年改正
• 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律
• 建設廃棄物処理指針(マニュアル)
建設工事の一般的な実施形態
建設工事で生じた産業廃
棄物の処理については、
発注者、元請業者、下請
業者それぞれの立場に応
じた責務が生じる。
発注者
元請業者
(排出事業者)
一次下請業者の工事で生じ
た産業廃棄物を産業廃棄物
処分業者に一次下請業者
が運搬する場合は、一次下
請業者に産業廃棄物収集
運搬業許可が必要(二次下
請が存在する場合も同様)
一次下請
一次下請
一次下請
一次下請
(解体工事)
(掘削・造成工事)
(主体工事)
(設備工事)
産業廃棄物
産業廃棄物
産業廃棄物
産業廃棄物
収運許可
産業廃棄物処分業者
建設廃棄物の処理の例外(第21条の3)
廃棄物処理法22年改正(建設廃棄物関係①)
①注文者から直接建設工事を請け負った建設業者
(元請業者)を事業者とする。
大原則
②下請業者が行う産業廃棄物の保管は、下請業者を
事業者とみなし、産業廃棄物保管基準等の適用を
受ける。 当該建設工事の請負契約で下請業者が運搬する旨締結
③環境省令で定める下請業者の廃棄物の運搬は、下
請業者を事業者、当該廃棄物を下請業者の廃棄物
とみなし、収集運搬業許可不要で運搬可。産業廃
棄物処理基準等の適用を受ける。
④下請業者が元請業者の委託を受けずに、廃棄物の
処理を他人に委託する場合は、下請業者を事業者、
当該廃棄物を下請業者の廃棄物とみなし、産業廃
棄物委託基準等の適用を受ける。
例外規定
環境省令で定める下請業者の運搬(第21条の3③)
省令第18条の2第1項
①次のいずれかの工事で生じる廃棄物
ア 維持修繕工事で請負代金500万円以下
イ 建築物等の瑕疵の補修工事で請負代金500万
円以下
②特別管理廃棄物以外の廃棄物
③1回当たりの運搬量が1立方メートル以下
④廃棄物が生じた都道府県又は隣接都道府県内に
存在する元請業者の使用権限を有する施設までの
運搬
⑤当該廃棄物の運搬途中で保管が行われないこと
事業場外での廃棄物の保管(第12条③)
廃棄物処理法22年改正(建設廃棄物関係②)
法律
第12条第3項 産業廃棄物(環境省令で定めるもの
に限る。)を生ずる事業場の外において、自ら産業
廃棄物の保管(環境省令で定めるものに限る。)を
行おうとするときは、あらかじめ知事(保健所長)に
届け出なければならない。(非常災害のために必要
な応急措置は除く。)
省令
第8条の2 建設工事に伴い生ずる産業廃棄物
第8条の2の2 保管場所面積が300平方メートル以
上の保管(産業廃棄物処理業等の許可に係るもの
は除く。)
参考~300㎡での堆積で430m3
50%勾配で、約26度の角度
イメージ
高さ4.3m
奥行 17.3m
間口17.3m
ちなみに100%勾配で、45度の角度
高さ8.6mで860m3
建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律
目的
特定建設資材の分別解体・再資源化等の促進、解体工事業
者の登録制度の実施、再生資源の利用・廃棄物の減量等を
通じて、資源の有効利用の確保・廃棄物の適正処理を図る。
義務
①分別解体
建設資材廃棄物を種類毎に分別
②対象建設工事の届出(着工7日前まで届出)
解体工事(床面積80㎡以上)、新築・増築工事(500㎡以上)、
修繕・模様替工事(1億円以上)、その他(500万円以上)
③再資源化
特定建設資材廃棄物(別掲)を再資源化施設等で再資源化
京都府HPで紹介
建設廃棄物処理指針(マニュアル)の概要
• 指針の目的
建設廃棄物の特殊性を考慮
• 廃棄物処理の基本事項
z 発生場所が一
定しない
z 発生量が膨大
z 廃棄物の種類
が多様
z 重層下請構造
①排出事業者の責務と役割 別掲
②発注者の責務と役割
廃棄物の発生抑制、再生利用を考慮した設計に努めるとと
もに廃棄物処理の条件を明示する。
③建設廃棄物の種類 別掲
• 計画・管理
①管理体制と役割、②支店・現場における計画・管理
• 委託処理の際の手続き 別掲
建設廃棄物処理マニュアルの概要(つづき)
• 発生の抑制 工法・資材の検討
• 分別・保管
①分別 廃棄物の適正処理の前提、再生可能品目毎・種類
毎・処理に適合した品目毎に分別、計画・表示・容器
②現場保管 産業廃棄物保管基準(施設・掲示板・方法等)
の遵守
• 収集運搬
①収集運搬 産業廃棄物処理基準(表示、飛散・流出防止、
悪臭・騒音・振動発生防止等)の遵守
②積替・保管 産業廃棄物処理基準(施設・掲示板・方法・上
限等)の遵守 → 届出義務(平成22年改正:別掲)
建設廃棄物処理マニュアルの概要(つづき)
• 中間処理
①基本的事項 減量・減容・安定・無害化等を目的に、破砕・
脱水・中和・焼却・溶融等廃棄物の形状を変化させること。
②中間処理施設 設置に許可が必要な施設あり
③選別設備 目的に適合した必要な選別
• 再生利用 減量化・資源化を図るために再生利用
• 最終処分
①基本的事項 廃棄物の種類に応じて適正に最終処分(埋
立処分・海洋投入処分・再生)すること。
②最終処分場 埋立処分を行う施設で、安定型・管理型・遮
断型に分類。設置に許可が必要。
排出事業者の責務と役割
• 建設工事等における排出事業者には、元請業者が
該当する。
• 排出事業者は、建設廃棄物の発生抑制、再生利用
等による減量化に努めなければならない。
• 排出事業者は、自らの責任において、建設廃棄物
を廃棄物処理法に従い適正処理しなければならな
い。
• 排出事業者は、建設廃棄物の処理を他人に委託す
る場合、廃棄物処理法に定める委託基準に従い、
収集運搬業者及び中間処理業者又は最終処分業
者とそれぞれ事前に委託契約を書面にて締結、適
正な処理費用の支払い等排出事業者として適正処
理を確保しなければならない。
排出事業者の責務(建設廃棄物処理マニュアルの解説)
• 建設工事等は、下請業者が多数存在し、元請業者からの受
注関係が複雑であるため、廃棄物の処理責任が曖昧になる
ことから、建設廃棄物は、施工は下請業者が行っている場
合でも、元請業者を排出事業者として、処理責任を負わせて
いる。従来の平成6年衛産第82号厚生省産業廃棄物対策室長通知に代わり
廃棄物処理法第21条の3第1項で明記(平成22年改正)
• 排出事業者は自らの責任で適正処理し、廃棄物の発生抑
制、・再生利用等による減量化・再生資材の活用を積極的に
図るほか、以下の役割を履行しなければならない。
①元請業者が中心に協力体制を整備し、円滑に運営
②仕様書に記載されてない廃棄物の処理は発注者に確認
③廃棄物処理計画書を作成し、発注者に提出
④建設廃棄物を再生資源として利用
⑤廃棄物の取扱方法を定め、従業員等に周知徹底
⑥マニフェストの交付
⑦分別排出、分別物の回収方法等は処理業者と打合せ
排出事業者の責務(建設廃棄物処理マニュアルの解説)
つづき
⑧下請業者まかせにしない。
⑨建設廃棄物の性状・処理方法を把握しておくこと。
⑩廃棄物処理の結果を発注者に報告すること。
⑪マニフェスト及び処理実績を整理して記録、保存すること。
⑫多量排出事業者(1000t/年↑)は処理計画を知事に提出
⑬建設リサイクル法に従うこと。
• 排出事業者が行う廃棄物の処理には、自己処理と委託処理
がある。
自己処理とは、排出事業者自らが行う運搬、中間処理、最終処分をいう。
それぞれ、廃棄物処理法に定める処理基準に従い処理を行う。
委託処理とは、処理業者に委託することをいう。
収集運搬業者及び中間処理業者又は最終処分業者とそれぞれ事前に委託契
約を締結するなど、廃棄物処理法に定める委託基準に従い適正処理を確保しな
ければならない。現場内の処理であっても、下請業者に処理させる場合は、委託
処理に該当する。ただし、下請業者の保管は、下請業者を事業者とみなして、保
管基準の適用を受ける。(廃棄物処理法第21条の3第2項)
建設廃棄物の種類(例示)
一般廃棄物
現場事務所における生ごみ・新聞・雑誌等
建設廃棄物
産業廃棄物
汚泥
含水率が高く微細な泥状の掘削物
廃油
防水アスファルト、アスファルト乳剤等の使用残さ
廃プラスチック類
発砲スチロール、廃ビニール、合成ゴムくず、廃タイヤ、廃シート類
紙くず
工作物の新築・改築・除去に伴って生ずる紙くず(包装材・段ボー
ル・壁紙くず等)
木くず
工作物の新築・改築・除去に伴って生ずる木くず(型枠・足場材・残
材・抜根・伐採材・木造解体材等)
繊維くず
工作物の新築・改築・除去に伴って生ずる繊維くず(廃畳・廃ウエ
ス・縄・ロープ類等)
ゴムくず
天然ゴム
金属くず
鉄骨鉄筋くず・金属加工くず・足場パイプ・保安塀くず等
ガラス陶磁器くず※
ガラスくず・陶磁器くず・がれき類に該当しないコンクリートくず等
がれき類
工作物の新築・改築・除去に伴って生じたコンクリートの破片その
他これに類する不要物
特別管理
産業廃棄物
廃油
揮発油類・灯油類・軽油類
廃PCB・PCB汚染物
トランス・コンデンサ・蛍光灯安定器
廃石綿等
飛散性アスベスト廃棄物
※正式には「ガラスくず、コンクリートくず(工作物の新築・改築・除去に伴って生じたものを除く)及び陶磁器くず」
特定建設資材廃棄物と産業廃棄物
建設リサイクル法で規定する
特定建設資材廃棄物の種類
廃棄物処理法で規定する産業
廃棄物の種類
コンクリートが廃棄物となった
もの
がれき類(工作物の新築、改築又は
除去に伴って生じたコンクリートの破片そ
の他これに類する不要物。以下同様)
コンクリート及び鉄から成る建
設資材が廃棄物となったもの
がれき類
木材が廃棄物となったもの
木くず(建設業に係るもの(工作物の新
築、改築又は除去に伴って生じたものに
限る。)・・・・)
アスファルト・コンクリートが廃
棄物となったもの
がれき類
排出事業者の廃棄物処理フロー
事業者
(元請業者)
①自ら処理
建設工事場所
産業廃棄物処理基準等
に従い適正に処理
(廃棄物発生場所)
②委託処理
運搬業者
運搬・処分をそれぞれ委託
処分業者
処分業者
(中間処理)
中間処理施設
(最終処分)
運搬業者
埋立処分場
5年間保存
(社)全国産業廃棄物連合会標準契約書
建設九団体副産物対策協議会標準契約書
(社)全国産業廃棄物連合会マニフェスト
5年間保存
建設九団体副産物対策協議会マニフェスト
産業廃棄物処理業者の選択について
• 許可関係(必要な廃棄物処理法上の許可を有すること。)
産業廃棄物収集運搬業
産業廃棄物処分業
再生事業者登録
優良認定制度
• 優良基準(廃棄物処理法上の優良性判断基準)
遵法性(不利益処分を受けていない)、透明性(業者情報をH
P等で公表)、環境配慮(ISO等)、電子マニフェスト、財務健
全性(自己資本比率・利益・納税)
• 最終的には委託者が判断
委託者が廃棄物処理法を知り、義務を果たす。
事務所・事業場訪問、許可証の原本確認等、委託者自らが
確認する。
排出事業者等の罰則について
• 委託基準違反
廃棄物処理法での罰則
許可を有しない者へ廃棄物の処理を委託。(A)
委託契約に係る不備。 (B)
A:5年以下の懲役又は
罰金1000万円以下
• 無許可営業・無許可変更・無許可設置(A)
下請業者で廃棄物を処理する場合に許可が必要であるにも
関わらず、許可なく廃棄物を処理。許可の範囲を超えて処理。
施設設置許可を有さず施設を設置。
B:3年以下の懲役又は
• 不法投棄・不法焼却(A)
罰金300万円以下
みだりに廃棄物を捨てる行為。処理基準・例外に適合しない
廃棄物の焼却行為
• マニフェスト関係・各種届出義務違反(C)
マニフェストの不交付・不回付・記載義務・虚偽記載・保存義
務違反、各種届出義務等
C:6月以下の懲役又は
罰金50万円以下
廃棄物の再生利用について
• 廃棄物を再生利用するための基準
有償売却できる性状とすること。
• 判例~総合判断説
①物の性状、②排出の状況、③通常の取扱い形態、④取引
価値の有無、⑤占有者の意思の5項目をもとに個別に廃棄
物か否かを判断する。
• 京都府の方針(建設廃棄物について)
京都府における特定建設資材に係る分別解体等及び特定建
設資材廃棄物の再資源化等の実施に関する指針で例示
• 実際の摘発・指導例
土砂と廃棄物の混合物(発生元が工事場所か?産廃業者か?)
ガラスくず・瓦くず・陶磁器くず
京都府の建設廃棄物再生利用方針
■京都府における特定建設資材に係る分別解体等及
び特定建設資材廃棄物の再資源化等の実施に関
する指針
• コンクリート塊
破砕、選別、混合物除去、粒度調整等を行うことにより、再生クラッ
シャーラン、再生コンクリート砂、再生粒度調整砕石として、道路、港湾、
駐車場及び建築物等の敷地内の舗装(以下「道路等の舗装」という。)の
路盤材、建築物の埋め戻し材又は基礎材、コンクリート用骨材等に利用
• アスファルト・コンクリート塊
破砕、選別、混合物除去、粒度調整等を行うことにより、再生加熱アス
ファルト安定処理混合物及び表層基層用再生加熱アスファルト混合物と
して、道路等の舗装の上層路盤材、基層用材料又は表層用材料に利用
• 建設発生木材
チップ化し、木質ボード、堆肥等の原料として利用。これらの利用が技術
的に困難、環境への負荷の程度等の観点から適切でない場合には燃料
として利用。古材(歴史的価値、梁・床柱等)の再利用
土砂と廃棄物の混合物を篩いにかけたが
遠目ではきれい?
拡大すると(廃棄物だらけ)
コン殻・木くず・紙くず等
埋立・盛土現場
拡大すると(ガラスくず・瓦くず・陶磁器くず?)
不法投棄
廃棄物の処理等に関する問い合わせ
■京都府丹後保健所 環境衛生室
•
•
•
•
住所 京丹後市峰山町丹波855
電話 0772-62-1361
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
産業廃棄物収集運搬業・処分業・処理施設設置許可
再生事業者登録
使用済自動車の再資源化等に関する法律
引取業者・フロン類回収業者登録、解体業・破砕業許可
京都府土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例
面積3,000㎡以上の土砂等の埋立を許可
その他
ダイオキシン特措法、PCB特措法、水質汚濁防止法、大気
汚染防止法、浄化槽法、不法投棄防止条例など
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