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チャプター4 冠動脈の見方 講師:石原 弘貴 先生 (2014年5月8日)
チャプター4 冠動脈の見方 講師:石原 弘貴 先生 (2014年5月8日) 冠動脈造影でわかること ・冠動脈の解剖 ・虚血性心疾患の重症度 ・冠動脈病変とその形態 ・側副血行路 ・虚血性心疾患の重症度 ・冠動脈スパスムの程度 3Dイメージを頭に描く 右冠動脈 AHA( (Seg.) ) 略語 1~4 RCA 1 RCA proximal 近位部 2 RCA mid. 中間部 3 RCA distal 遠位部 4 PD Posterior descending branch 右後下行枝 4 PL Posterolateral branch 右後側壁枝 4 AV Atrio Ventricular branch 房室枝 CB Conus branch 円錐枝 SN Sinus Node branch 洞結節枝 RV Right Ventricular branch 右室枝 AM Acute Marginal branch 鋭角枝 AP Septal Perforating branch 中隔穿通枝 フルスペル 和文表記 右冠動脈 出典:AHAガイドライン 左冠動脈 前下行枝 AHA( (Seg.) ) 略語 5~15 LCA 左冠動脈 5 LMT 左主幹部 6 LAD proximal 近位部 7 LAD mid. 中間部 8 LAD distal 9 Dg1 1st Diagonal branch 第一対角枝 10 Dg2 2nd Diagonal branch 第二対角枝 SP Septal Perforating branch 中隔穿通枝 フルスペル 和文表記 遠位部 出典:AHAガイドライン 左冠動脈 回旋枝 AHA( (Seg.) ) 略語 11 LCX 12 OM 13 LCX distal 14 PL Posterolateral branch 左後壁枝 15 PD Posterior Descending branch 左後下行枝 AC Atrial Circumflex branch 心房回旋枝 HL High lateral branch 高位側壁枝 フルスペル 和文表記 回旋枝近位部 Obtuse Marginal branch 鈍角枝 回旋枝遠位部 出典:AHAガイドライン 読影のポイント • 狭窄度の評価方法 • 病変形態 • 血流評価 • 側副血行路 AHA分類 冠動脈の狭窄度もAHA分類による評価では、多方向から 多方向から の撮影でも最も狭窄が強く見える造影像を利用し評価 ①狭窄がない場合を0% ②25%以下の狭窄を25% ③26~50%の狭窄を50% ④51~75%の狭窄を75% ⑤76~90%の狭窄を90% ⑥91~99%の狭窄を99% ⑦完全閉塞を100% と視覚的に7段階にて評価する。 病変形態 • 求心性狭窄(concentric) ) 求心性狭窄( • 偏心性狭窄(eccentric) 偏心性狭窄 病変形態によるリスク評価 出典:AHAガイドライン 撮影方向 撮影方向の命名法 ・前後方向(anterior-posterior):前後方向 ・右斜位方向(RAO) ・左斜位方向(LAO) ・頭側方向(cranial) ・尾側方向(caudal) 頭側方向はLAD用、尾側方向はLCX用 枝が重ならいないように分離することが重要 ルーチンの冠動脈造影方向 左冠動脈 ・RAO-Caudal → Caudal → Cranial → RAO Cranial → LAO Crania 右冠動脈 ・LAO → LAO Cranial → RAO 冠動脈造影方向 左冠動脈 注視すべき血管区域 ・APまたは10°RAO ・・・左主幹部 左主幹部 ・45°LAO+20~30°Cranial・・・LADと左回旋枝の分岐部 と左回旋枝の分岐部 ・30°RAO+30°Caudal・・・回旋枝 回旋枝+鈍角枝 回旋枝 鈍角枝 ・30°RAO+30°Cranial・・・LAD+対角枝 対角枝 ・50°LAO+30°Caudal・・・LADと とLCXの分岐部 の分岐部 ・50°LAO ・・・バイパス術前、全体像 バイパス術前、全体像 血流評価の分類 TIMI 分類 TIMI = Thrombolysisi in Myocardial Infarction Trial Grade 0 ; 完全閉塞で順行性血流を認めない 全く病変部より末梢が造影されない Grade 1 ; 明らかな造影遅延があり、末梢まで造影されない わずかに冠動脈は造影される程度 Grade 2 ; 造影遅延を認めるが、末梢まで造影される 冠動脈は末梢まで造影されるが 造影剤が冠動脈内にたまってしまう Grade 3 ; 末梢まで正常に造影される。 全く正常の冠動脈血流 側副血行路評価の分類 Collateral (側副血行路) Grade 0 ; なし Grade 1 ; かろうじてある程度、本幹が造影される Grade 2 ; 部分的に本幹が造影される Grade 3 : 本幹が十分に造影される 壁運動異常から、冠動脈病変を推定しても冠 動脈造影所見と必ずしも一致するとは限らない。 冠狭窄は75%以上で Flow reserveが低下し はじめて、99%で安静時の冠血流が低下する ため、安静時の壁運動異常は99%以上の狭窄 でないと出現しない。 急性心筋梗塞の場合は、責任冠動脈と壁運動異常は 急性心筋梗塞の場合 ほぼ100%一致する。 しかも、急性心筋梗塞の場合は壁運動はほとんどが、 dyskinesis。 急性心筋梗塞では多量のカテコラミンが体内から分泌 されているため、梗塞以外の部位はむしろ壁運動が亢 進し、そのため心内圧があがり、梗塞の部位に圧をか けるためdyskinesisとなる。 LVGや心エコーにて判断 Finish Thank you for your attention. より少ない造影剤の量で より少ない放射線量で より安全に CAGが施行できますように