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ニホンイヌワシ - 盛岡市動物公園
きしょう もうきん はんしょくせいたい ① 希少な猛禽『ニホンイヌワシ』 ⑤ イヌワシの 繁 殖 生態 せいそく すいてい こ た い す う ニホンイヌワシは北海道から九州にかけての全国に生息しますが、その推定個体数 ていど はんしょくりつ て い か けいこう こたいすう きゅうそく げんしょう は約 500 羽程度と少なく、繁 殖 率も低下傾向にあることから、個体数の 急 速 な 減 少 いっしゅ ところで、イヌワシは普通 2 個の卵を産み、1 卵目を産卵してすぐ抱卵を始め、4 ふ か ~5 日後に 2 卵目を産みます。42~45 日抱卵し 1 卵目が孵化、4~5 日後に 2 卵目が孵 ひな が心配されている猛禽の一種です。 たい か く さ しょう 化します。孵化日がずれるため 2 羽の雛には体格差が 生 じ、後からうまれた雛は負 ② 動物園の取り組み けて巣から落とされることがよくあります。それを保護して飼育下の個体に育てさせ き き て き じょうきょう ぜつめつ しゅ ほぞん そうした危機的な 状 況 にあるイヌワシを絶滅させないよう、飼育下での種の保存、 はな さらには将来動物園で繁殖した個体を野生に放せるよう全国の動物園が協力してイ かくほ ると新しい飼育下繁殖の基礎となる個体を確保することができます。 ⑥ 平成 26 年の取り組み し や ヌワシの飼育・繁殖に取り組んでいます。 今回当園では、将来の野生のイヌワシの雛の受け入れを視野に入れ、秋田市大森山 ③ 盛岡市動物公園の取り組み 動物園と共に、盛岡の個体が抱卵している卵と秋田で孵化した雛を交換しての繁殖を 盛岡市動物公園もそれに加わり、平成 16 年よりイヌワシの飼育を開始しました。 で わ き そ じゅんすい けっとう かのうせい ところがオスの『出羽』が 純 粋 な日本産の血統ではない可能性があることが明らか ひか になり“ニホンイヌワシ”の血統を守るため、『出羽』による繁殖は控えることとし しせつ ました。イヌワシは大型で、イヌワシを飼育できる施設は日本中の動物園をあわせて ゆうせん も限りがあるため、純粋な血統の個体を優先しなければなりません。そこで平成 24 ほうらんちゅう こうかん 年、当園で抱 卵 中 の卵と秋田市大森山動物園で産卵された血統が確かな卵を交換し あさひ たかも自分の卵が孵化したように思わせるのが一番良いのですが、当園と秋田のイヌ ふ か よてい び ワシの雛の孵化予定日には大きなズレがあり、そのままではかなり先に当園の雛が孵 もんだい けいじょう えんちょう けつえんかんけい 実は全国で飼育されている多くのイヌワシに血縁関係があります。この事は繁殖の しょうがい 障 害 になり、これを解決するには新しい“血(血縁のない新たな血統をもつ個体)” が必要です。それには野生個体の保護を待つしかありません。 はか けっか いるアヒルの卵にすり替えて、抱卵日数の 延 長 を図った結果、 『空』は当初の孵化予 す しんぼうづよ 定をはるかに過ぎた 4 月 11 日まで辛抱強く抱卵を続け、同日の雛とのすり替えに見 げんざい 『空』もとても大事に『秋田から来た雛』を育て ④ 全国の動物園のイヌワシが抱えている問題 にかよ 化してしまう問題がありました。そこで『空』が抱卵していた卵を 形 状 が似通って 事に成功しました。現在オスの『出羽』もメスの かか ご 試 みています。雛を別の親鳥に育ててもらうには、抱卵中の卵を雛にすり替え、あ せいこう て繁殖させ、『朝日』がうまれました。 ほ こころ ています。 (イヌワシが抱卵していたアヒルの卵は 孵卵機で孵化し、元気に育っています♪)