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1408KB - SPring
その場X線回折による溶接時の相変態と応力測定
2016/2/1 第11回金属材料評価研究会
株式会社 日立製作所 研究開発グループ
基礎研究センタ 平野辰己
© Hitachi, Ltd. 2015. All rights reserved.
Contents
1.緒言
2.実験条件
3.その場X線回折によるTIG溶接時の相変態
4.その場X線回折によるTIG溶接時の応力
5.結言
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1-2 課題
高容量
高出力
従来は解体分析や静的挙
動の計測が主流
安全性
信頼性
見る・測るから現象の理解
非平衡・不均一性・動的な
挙動の多くは未解明
長寿命
低コスト
課題
作動下のおける計測手法
の確立へ
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2
1-3 溶接評価の研究背景
自動車、鉄道車両、建設機械、プラント、
原子力設備、火力設備
設計指針の提示
3.溶接部の熱履歴モデル
2.熱履歴-疲労DB
4.実機の疲労強度モデル
1.熱履歴-組織‐疲労メカニズム
TIGトーチ 二次元検出器
移動
X線
回折X線
x
溶接材
冷却板
y
溶接その場計測(大型施設)
溶接条件と疲労強度の関係を解明
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3
1-4 実験の概要と目的
二次元検出器
移動
X線
回折X線
x
溶接材
冷却板
y
TIG溶接による
HAZ・母材の応力
その場計測
時間
応力
TIGトーチ
位置
溶接時の相変態・応力・温度のその場計測とシミュレーションの検証
4
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1-5 計測手法のベンチマーク
Neutron diffraction
X-ray diffraction
D. Dye et. al., Metall. Mater. Trans. A, 45A (2014) 2038.
Strain ( 
J. Gibmeier et. al., J. Mater. Process. Technol., 214 (2014) 2739.
a(T )  a0 (T )
) to Stress
a0 (T )
a: lattice parameter
T: Temperature
X-ray diffraction
Isolation of a and stress
using sin2y technique.
S. Zhang et. al., MECA SENSE 2013
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5
2-1 実験条件など
TIG溶接のその場X線回折。
原子力研究開発機構、SP8産業利用推進室と共同で実験。
大型放射光施設のSPring-8:BL46XU。
試料:SS400(フェライト)。100mm角×12mm厚さ。
ビームサイズ:500μm(H)×50μm(V)。X線エネルギー:30keV。入射角:5度
TIG溶接の電流:150A。アーク長:3mm。
溶接トーチ:-40~40mm。速度:1mm/秒。
二次元検出器:PILATUS2M。1475(水平)×1679(鉛直)、0.172mm角/素子。
溶接開始から0.1秒毎、300秒間、連続露光。
溶接ビード幅:~6mm、溶接試料板:水冷した銅板上に固定して冷却。
X線照射位置:x=0 mm、y=0、2、3、4、5、6、7、8、12 mm。y方向の歪に対応。
トーチと試料板が一体となったステージをCCWに90度回転して測定。x方向の歪。
各点毎に試料板交換。
CeO2(420)の回折線から較正したカメラ長:1005 mm。
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6
2-2 実験配置(SPring-8、BL46XU)
二次元検出器
溶接システム
溶接トーチ
X線
X線
溶接材
冷却板
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7
2-3 SS400のTIG溶接(150A、アーク長:3mm)
PILATUS2M
→0.1秒露光
0~300秒
トーチ
x:-40→40mm
1mm/秒
ビード幅:6mm
回折X線
→y、x方向の歪
y
測定位置(y):
0,2,3,4,5,6,7,8,12mm
測定点毎に試料交換
SS400:
・低炭素鋼
・100×100×12mm
x
入射X線(E=30keV)
0.5mm(水平)×0.05mm(垂直)
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8
3-1 溶接中央(y=0mm)での相変態
α(211)
溶接前Fe3O4(444)
Fe3O4(622)
Fe3O4(533)
Fe3O4(620)
α(200)
Fe3O4(440)
Fe3O4(511)
Fe3O4(422)
α(110)
Fe3O4(400)
Fe3O4(222)
Fe3O4(311)
Fe3O4(220)
溶融直前
・FeO、Fe(γ)
の順で出現
FeO(222)
γ(220)
FeO(311)
FeO(220)
γ(200)
γ(111)
FeO(200)
FeO(111)
α(211)
溶融中
・FeC
凝固直後
γ(220)
・Fe(α)、Fe(γ) α(200)
FeC(203)
FeC(201)
γ(200)
α(110)
γ(111)
FeC(010)
FeC(002)
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3-3 SS400:溶接近傍での溶接後(80秒後)
溶接中央から:0mm(Y)
溶接中央から:2mm(Y)
溶接中央から:3mm(Y)
溶接中央から:4mm(Y)
α(200)
α(110)
α(211)
α(211)
α(200)
α(200)
α(110)
他FeO
溶接中央から:5mm(Y) 溶接中央から:6mm(Y)
α(110)
他Fe3O4
溶接中央から:7mm(Y) 溶接中央から:8mm(Y)
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3-4 溶接近傍の相変態(Y=0、4mm)
○
○
○:α相
●:γ相
△:Fe3O4
▲:FeO
■:FeC
溶接中央から:4mm(Y)
溶接中央から:0mm(Y)
○
○
▲▲
○ ▲
○▲
▲
●
●
●
●
●
■
●
▲ ▲
○
△
1.5
●
▲
○△ △
■
■
●
▲
▲
○△
2.0
d /Å
△
2.5
●
△
3.0
○
△
1.5
○△
△
○△
2.0
△
2.5
△
3.0
d /Å
溶融部:α相+Fe3O4→γ相+FeO→溶融(FeC)→γ相→α相
HAZ部:α相+Fe3O4→γ相+FeOで膨張と収縮→α相+FeO
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3-6 SS400:溶接近傍での相変態
溶接中央から:0mm(Y)
溶接中央から:2mm(Y)
溶接中央から:3mm(Y)
溶接中央から:4mm(Y)
溶接中央から:5mm(Y)
溶接中央から:6mm(Y)
溶接中央から:7mm(Y)
溶接中央から:8mm(Y)
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4-1 無歪CeO2(420)による検出器の補正
回折X線に対する検出器のあおり角度の補正
24個の検出ブロック間の位置ズレ補正
補正前
420
20.246
2θ
補正後
応力:60MPa
20.245
20.244
2 /deg
2 /deg
20.245
応力:8MPa
20.244
20.243
20.242
20.243
20.241
20.242
20.240
20.241
0.0
ψ
0.1
0.2
0.3
0.4
20.239
0.0
0.1
sin2y
2d sin   
 
0.2
0.3
0.4
sin2y
E

 (2 )
 (2 )
cot 


7
.
95
GPa
2(1  ) 180
 (sin 2 y )
 (sin 2 y )
精度:8MPa以内で応力解析が可能
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2ψ法による応力解析(Y=4mm)
sin
4-2
X線回折像
20.26
α(211)
20.24
150
Intensity /a.u.
2θ
2θ /deg
20.25
20.23
100
50
0
20.22
20.10
20.20
20.30
20.40
2θ /deg
20.21
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
sin2ψ
ψ
 
E

 (2 )
 (2 )
cot 


7
.
95
GPa
2(1   ) 180
 (sin 2 y )
 (sin 2 y )
平面応力を仮定したsin2ψ法による応力解析
回折X線像→2θ/φ像→ピークフィッティング
ヤング率:211GPa、ポワソン比:0.29
格子定数から温度を算出
線膨張係数:11.7×10-6 /℃
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2ψ法による応力解析(Y=4mm)
sin
4-3
2θ
α(211)
2θ /deg
X線回折像
sin2ψ
ψ
 
E

 (2 )
 (2 )
cot 


7
.
95
GPa
2(1   ) 180
 (sin 2 y )
 (sin 2 y )
平面応力を仮定したsin2ψ法による応力解析
回折X線像→2θ/φ像→ピークフィッティング
ヤング率:211GPa、ポワソン比:0.29
格子定数から温度を算出
線膨張係数:11.7×10-6 /℃
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2ψ法による応力解析(Y=4mm)
SS400:sin
4-4
0
23 45678
300
Ⅰ ⅡⅢ
12
Ⅳ
y方向の応力
1000
200
Stress /MPa
0
600
-100
400
-200
-300
200
-400
-500
0
40
80
120
Temperature /℃
800
100
領域Ⅰ:引張応力増加
領域Ⅱ:圧縮応力増加
領域Ⅲ:(γのみ)
領域Ⅳ:引張から冷却
過程で圧縮応力残留
0
Time /sec
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5-1 結言
溶接シミュレーション解析による温度、応力の検証を目的に、
SPring-8においてTIG溶接のその場X線回折によるHAZ領域
の相変態、温度、応力の時間変化を評価した。
 SS400の相変態(HAZ):α+Fe3O4→γ+FeO→α+FeO
→Fe-Oの状態図と一致
 溶接シミュレーションを検証する基礎データの取得に成功
 SS400の応力(HAZ):領域Ⅰ:引張応力増加、領域Ⅱ:圧縮応
力増加、領域Ⅲ:γのみ、領域Ⅳ:引張から冷却過程で圧縮応
力残留
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謝辞
本研究をご支援頂いた方々に、感謝申し上げます。
総合科学研究機構
張朔源
日本原子力研究開発機構
菖蒲敬久, 城鮎美
高輝度光科学研究センター
佐藤眞直
㈱日立製作所 研究開発グループ
高松 大郊、桑原孝介
本研究は、SPring-8の実験課題(2014A1569、2014B1941)で実施しました。
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