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外務省海外旅行登録「たびレジ」

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外務省海外旅行登録「たびレジ」
1/2
総
調査事案名
括
調査対象
予 算 額
(9)外務省海外旅行登録「たびレジ」
省庁名
外務省
調
組織
外務本省
会計
査
票
平成 27 年度:32 百万円
(参考:平成 28 年度:45 百万円)
調査主体
一般会計
取りまとめ財務局
本省
─
②調査の視点
①調査事案の概要
事案の概要
○ 外務省海外旅行登録「たびレジ」は、短期渡航者から任意により 、名前、旅行日程、メールアドレス、携帯電話番号等の個人情報の登録を受け、テ
ロ等の海外での緊急事態発生時に、外務省からメールで安全情報を提供しつつ、あわせて個人の安否確認にも活用することを目的とした仕組み。2014
年 7 月から運用が始まって間もないこともあり、まだ十分に認知されていない。今後も機能追加や周知活動がなされていくものと想定される。
○
アンケート調査等
を通じ、どのような
者が登録しているの
か、提供情報は真に
必要とされている情
報なのか、登録手続
が煩雑すぎないか等
を把握できないか。
○
今後の事業展開に
あたって、どのよう
な点に留意していけ
ばよいのか。
○ 短期渡航者の海外での安全確保のために本サービスの登録促進は必要であるものの、任意の仕組みであることや、個々人の安否確認に活用したいとの
行政側の必要性が背景にあることから、利用者ニーズを十分に踏まえた効果・効率的な事業展開がなされているかを継続的に確認していく必要がある。
【執行額の推移と措置内容】
平成 26 年度(26 百万円)
※平成 25 年度補正予算含む
平成 27 年度(32 百万円)
平成 28 年度(-百万円)
システム開発・運用開始(23 百万円、たびレジ広報カード作成[550 万枚]・配布等(3 百万円)
旅行代理店のツアー申し込みサイトとの連携インターフェイス開発・公開、簡易登録システム開発(28 百万円)
、ヘルプデスク等運
用経費(1 百万円)
、たびレジ広報カード作成[100 万枚]・配布等(3 百万円)
上記連携インターフェイスの改修、ヘルプデスク・たびレジサイト保守等運用経費、たびレジ広報カード作成[200 万枚]・配布等
「たびレジ」登録内容及び提供される情報内容のイメージ
【登録内容】
【簡易登録の内容】
●①個人情報の取扱いについての同意
●メール:①tarou@mofa.**.** 、
●②フランス、
③
パリ、 期間:④2015/11/10~2015/11/17、
宿泊先:⑤***hotel、宿泊先 TEL:⑥010-33-1234567、
信希望、
④
フランス
●パスポート No:⑧AB1234567、
外務太郎、
⑨
⑩
GAIMU TAROU、 生:⑪2014/7/1、
TEL:⑫090-1234-5678、メール:⑬tarou@mofa.**.** 、
PW:⑭abc012+-#(8~30 文字)、
ツアー会社利用無、
⑮
⑯
0 人(ツアー同行者人数)
件名:パリ市10区・11区における銃撃事件・人質立てこもり事件、
国立競技場における爆発事件の発生に伴う注意喚起
個人、 ③在公発出メールの配
②
目的地:⑦***美術館
「
【緊急時在公発出メール(実例)】
(※2) システムへの登録は以下の 4 種類。
●同行者パスポート No:⑰AB9876543、⑱外務次郎、
ア) 本人自らが個別に登録する場合
イ) ア)の同行者として登録される場合
TEL:⑲090-1234-5678、 メール:⑳jirou@mofa. **.**
ウ) ア)がツアー引率者であって、その
同行者数として登録される場合
(※1) 下線が入力項目。青字が選択式、赤字は直接入力式。
エ) メールアドレスのみを入力して登
渡航地、宿泊先、目的先が複数ある場合は②~⑦の入力量が増える。
録する場合
「たびレジ」
システム
本文:2015年11月14日
在フランス日本国大使館より
1.13日22時頃(現地時間)、パリ市10区・11区の3カ所(rue
de la Fontaine au roi、 rue de Charonne、 et au Bataclan)に
おいて銃撃事件が発生しました。現地の報道によれば、死者は当初
の報道では 18 人でしたがその後報道が更新される度に増えてます。
また、犯人は人質をとっていると報じられています。
2.また、現地の報道によれば、サッカー仏独親善試合が行われてい
たパリ北部近郊の国立競技場(Stade de France)で2度爆発が発生
し、観戦中のオランド大統領は現場から退避し、少なくとも負傷者
が1名でている模様です。
3.つきましては、フランスへ渡航・滞在される方は、以上の状況を
考慮し、テロ事件や不測の事態に巻き込まれることのないよう、最
新の関連情報の入手に努めてください。特に、パリ市を含むイル・
ド・フランス州へ渡航・滞在されている方は、特にテロの標的とな
りやすい場所(政府・軍・警察関係施設、公共交通機関、観光施設、
デパートや市場など不特定多数が集まる場所)は避けるようにして
ください。
【調査対象】
■ 回答数 297 件(※)
※ 2016 年 4 月 6 日から 5
月 5 日までの間、インタ
ーネットを通じて得られ
た回答の数。
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総
調査事案名
括
調
査
票
(9)外務省海外旅行登録「たびレジ」
③調査結果及びその分析
1.「たびレジ」登録状況の推移
④今後の改善点・検討の方向性
【表 1】「たびレジ」登録者数の推移
「たびレジ」の運用が始まった 2014 年 7 月から 2016 年 4 月までの 22 ヵ月
間の登録状況について確認したところ、
【表 1】のとおり、登録数は総じて増
加傾向にある中、ツアー引率者が登録した同行者の数(表 1 の「ツアー等同行
者数」)が総登録数の 7~8 割程度を占めていた一方、本人自らが個別に登録し
た数(表 1 の「登録者数」
)は 2 割程度となっていた。つまり、本人は意識し
ていなくても、同行者を介して本事業のサービスを受けていた場合が相当数存
在していたことが確認された。
なお、
【表 2】のとおり、年齢別出国者数は 40 代を最大とする分布となって
いることから、もし総出国者数に対する登録者の割合(登録率)が 40 代を中
心に高くなっていれば、効率よく登録者数が集められていることとなる。この
ため、調査期間中のある一時点における、総出国者数に対する【表 1】の登録
者数の割合を年齢別でみてみたところ、
【表 3】のとおり、概ね 30~50 代を中
心とする分布となっていた。年齢別でみれば、概ね効率よく登録されているこ
とが推察できるが、経年のデータが保存されておらず、推移や季節性等が確認
できなかった。
利用者視点で以下の取組を行っていく
べき
1.運用の改善について
○
入力項目が多く、内容が煩雑過ぎ、
また、
「メールが長い」等初歩的な声も
見受けられている。登録手続及び提供
される情報内容については、根本的に
見直し、その後も定期的に利用者の声
を聴き、着実に改善していくべき。
(※) 「簡易登録者数」
「ツ
アー等同行者数」は、
名前等は登録されて
おらず個人は特定で
きない。「同行者数」
「登録者数」は、名前
等の個人情報も登録
されている。
2.登録の促進方策について
【表 2】年齢別出国者数
【表 3】出国者に対する登録者の割合
2.「たびレジ」に対する声
○
本サービスの登録を促進していくた
めにも、個別の事業毎に具体的な目標
を持ち、PDCA サイクルを廻しながら取
り組んでいくべき。
○
出国率は 14%程度であり、海外旅行
は一部の者の特別な機会である。また、
本サービスは任意の仕組みでもある。
このため、例えば、年齢、渡航先等
の属性を基にした手法と目標を定める
など、より効率・効果的に事業を展開
していくべき。
少なくとも登録状況を経年で分析で
きるだけのデータは保存するべき。
一般の方を対象に「たびレジ」の利用有無や改善点等についてアンケート
で確認したところ、
【表 4】のとおり、登録方法の簡素化や提供される情報内
容の簡潔化を求める声が多数見られた。
具体的には、
「たびレジ」を知らないこと以外で利用しない理由は「登録方
法が面倒だから」が多く、その改善点としては「パスワード入力の手続きが
面倒」が多かったほか、「スマホ操作での入力がしづらい」「記入では無く項
目選択式にしてほしい」との提案もあった。さらに、名前、生年月日等の個
人情報を入力しない登録方法(簡易登録)については、9 割以上の利用希望
が見られるとともに、
「たびレジ」を利用しない理由として「個人情報を登録
したくないから」を上げる声も多かった。
また、提供される情報内容の改善点としては、
「同じようなメールが何回も
送られてくる」
「メールが長く、要点も分かりにくい」が多かったほか、「安
全情報以外のメールが多い」との声もあった。
なお、このアンケートとは別に、本サービスの HP アクセス状況を確認した
ところ、登録手続きに入ってから登録完了に至ったアクセスの割合は 4 割程
度と、6 割が途中で手続きを諦めていた。
(※1) 「出国者数」は 2014 年 4 月~2015 年 3 月の累計
(※2) 「登録者」の数は 2015 年 5 月 17 日時点のサービス享受者。
(※3) 「出国者に対する登録者の割合」は 2014 年度の出国者数と 2015
年 5 月 17 日時点の登録者数から計算
【表 4】「たびレジ」アンケート結果(抄)
(%)
Q)たびレジを利用しない理由は
登録方法が面倒だから
個人情報を登録したくないから
メリットが分からないから
Q)登録手続を改善するとしたら何か
パスワード入力手続が面倒
入力項目が多い
旅行日程の入力が面倒
Q)メール内容を改善するとしたら何か
同じようなメールが何回もくる
メールが長く,要点も分かりにくい
37.2
23.3
20.9
34.4
26.2
23.0
42.2
28.0
(※) 複数回答。その有効回答における割合
○
安全情報を届けるためには、必ずし
も旅行者全員が個別に登録する必要は
なく、同行者や、会社・家族等が登録
するだけでも足りる。
現在進めている事業を含め、事業の
検証にあたっては、単なる登録者総数
の多寡のみをもって成果を判断するこ
とは避けるべき。
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