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1
わが国主要港湾における
国際海上物流の現状と今後の展開
- コンテナ船運航の現状と今後の展開について -
東京港定航船主会
会長 田代 誠二
(一般社団法人 日本船主協会)
2
1.主要コンテナ航路の日本への寄港状況
その他アジア諸港との比較
北米航路・欧州航路のアジア主要港寄港数比較(週)
北米航路
1995
2001
2007
2013
欧州航路
1995
2001
2007
2013
香港
シンガ
ポール
上海
釜山
京浜
伊勢湾
阪神
35
44
42
39
25
39
30
18
15
10
9
15
31
37
34
25
1
9
33
38
0
9
17
23
17
30
41
44
10
11
10
5
49
40
39
32
11
9
6
2
20
18
14
9
5
4
4
2
48
31
21
12
10
11
6
2
出典:国土交通省港湾局計画課作成資料
3
<寄港数の変化の要因>
(ⅰ)マーケット規模の変化
中国vs日本、一方、香港・星港は南中国やインド亜大陸、インド
ネシア、マレーシアからの接続貨物に支えられる。
(ⅱ)地理的優位性
・日本/韓国→北米航路優位 (往航Last Port、復航First Port)
・星 港→欧州航路優位 (アジア最東端の日本・韓国不利)
(ⅲ)港湾コスト
釜山・星港は国策としてトランシップ・ハブとするために国費が投
入されている。
4
(ⅳ)利便性
日曜荷役、輸出入手続きの簡便さ、港湾設備(大型船荷役への
対応)、荷捌き地の広さ、同一ターミナルでの航路間接続、周辺
道路の整備 年末年始は特例荷役扱い→組合交渉
(ⅴ)港湾政策
選択と集中 (韓国 釜山に一極集中 vs 日本60余港、日本の地
方港による国際航路誘致策)
(ⅵ)メガアライアンスの出現と寄港地絞り込み
5
2.世界主要港コンテナ取扱量推移
1990年(H2)
港
国
2000年(H12)
取扱量
港
国
2012年(H24)
取扱量
港
国
取扱量
1 Singapore
シンガポール
5,223
1 Hong Kong
中国
18,098
1 Shanghai
中国
32,529
2 Hong Kong
香港
5,100
2 Singapore
シンガポール
17,087
2 Singapore
シンガポール
31,649
3 Rotterdam
オランダ
3,667
3 Busan
韓国
7,540
3 Hong Kong
中国
23,117
4 神戸
日本
2,389
4 Kaohsiung
台湾
7,426
4 Shenzhen*
中国
22,940
5 Busan
韓国
2,273
5 Rotterdam
オランダ
6,268
5 Busan
韓国
17,046
6 Los Angeles 米国
2,116
6 Shaghai
中国
5,560
6 Ningbo
中国
15,670
1,980
7 Los Angeles 米国
4,998
7 Guangzhou
中国
14,744
8 New York/NJ 米国
1,871
8 Long Beach
米国
4,601
8 Qingdao
中国
14,503
9 Keelung
台湾
1,841
9 Hamburg
ドイツ
4,281
9 Dubai
UAE
13,270
10 横浜
10 Antwerp
ベルギー
4,082
10 Tianjin
中国
12,300
15 東京
日本
2,899
18 横浜
日本
2,317
20 神戸
日本
2,266
28 東京
日本
4,752
43 横浜
日本
3,053
52 神戸
日本
2,568
7 Hamburg
ドイツ
日本
1,648
11 Long Beach 米国
1,637
12 東京
1,555
日本
(注) 出典:コンテナリゼーションインターナショナル 取扱量単位は千TEU
* Shenzhenは赤湾、蛇口、塩田の3港合計
6
3.主要コンテナ船社の動向
(1) 本船の大型化
コンテナ船竣工の12年実績と13年以降見通し
999TEU
以下
10003000500080001万TEU超
2999TEU 4999TEU 7999TEU 9999TEU
49
41
16
20
48
66,411
176,640 106,500
167,845
615,805
49
50
24
48
38
88,879
209,705 148,431
421,973
531,936
62
47
29
52
70
合計
隻数
TEU
隻数
TEU
隻数
15
8,353
7
4,231
7
TEU
4,293
102,191
198,255
169,848
464,118
928,986
1,867,691
隻数
0
35
10
13
44
57
159
TEU
0
57,516
39,700
73,830
396,380
878,172
1,445,598
2016
隻数
0
6
4
1
11
5
27
以降
TEU
0
12,150
15,857
5,000
98,400
70,000
201,407
2013-2016
隻数
14
152
111
67
155
170
699
合計
TEU
8,524
260,736
463,517
397,109
1,380,871
2,409,094
4,919,851
2012
2013
2014
2015
出典:NYK調査グループ編「世界のコンテナ船隊及び就航状況」
189
1,141,554
216
1,405,155
267
7
(ⅰ)本船大型化の理由
船の大型化はアジア/欧州航路でより顕著
Gate Portの分散
アジア側(中国で数港、香港、シンガポール)
(アジア側積3,000TEU×5港=15,000TEU)
欧州側(英、独、蘭、仏、東欧)
北米西岸航路ではLA/LBに一極集中の傾向が強く、
超巨大船は荷役時間の面で必ずしも効率的でない。
欧州航路は北米航路と較べ、費用の中に占める固定費の比率が
高く、大型船によるTEU当りの単価削減効果が大きい。
8
(ⅱ)メガアライアンスの実態
Grand Alliance
The New World Alliance
Hapag Lloyd(独)
APL(S'pore)
OOCL(香港)
Hyundai(韓国)
日本郵船(日本)
商船三井(日本)
↓
G6 Alliance
9
< G6 Allianceの概要>
Grand Alliance (GA)
The New World Alliance(TNWA)
欧州航路及び北米東岸航路での提携
北欧州航路 8,500−13,000TEU型で週6便
北米東岸航路(含地中海寄港2便)5,000−8,500TEU型で週6便
北米西岸航路
GA, TNWAそれぞれが独自サービスを維持
GA 3,600−8,500TEU型で週7便(1便は東岸とのPendulum)
TNWA 4,700−9,000TEU型で週10便
北米西岸航路においてもAlliance強化発表
10
P3 Alliance
Maersk Line
CMA-CGM
MSC
(Denmark)
(France)
(Swiss)
↓
P3 Alliance
11
<P3サービスの概要>(暫定)
(1) アジア/北欧州サービス
投入船腹
アジア側寄港地
①
19,000TEU X 10
中国、マレーシア
②
13,000TEU X 11
日本、中国、マレーシア
③
8,500TEU X 10
中国、マレーシア
④
13,000TEU X 11
韓国、中国、マレーシア
⑤
14,000TEU X 12
韓国、中国、マレーシア
⑥
13,000TEU X 12
中国、マレーシア、スリランカ
⑦
13,000TEU X 12
中国、韓国、シンガポール
12
(2)アジア/北米西岸サービス
①
4,500TEU X 6
日本、韓国
(3)アジア/北米東岸サービス(スエズ経由)
①
8,500TEU X 12
中国、シンガポール
②
8,500TEU X 12
台湾、中国、マレーシア
(4)Pendulumサービス
サービス
投入船腹
アジア側寄港地
①
欧州/アジア/北米西岸
②
地中海/アジア/北米西岸
9,500TEU X 15
中国、マレーシア、シンガポール
③
北米西岸/アジア/北米東岸
8,500TEU X 16
日本、中国、韓国
④
PSW/アジア/PNW
9,500TEU X 13
台湾、香港、中国
11,500TEU X 16
中国、マレーシア、シンガポール、ベトナム
13
<CKYHグリーンAlliance>
COSCO(中国)
TNWA
提携
USEC
陽明海運(台湾)
韓進海運(韓国)
川崎汽船(日本)
提携
Evergreen
欧州
14
<CKYHグリーンAllianceの概要>
アジア/欧州航路
Evergreenとの提携により8,000TEU-13,000TEU型を投入、
北欧州航路8便、地中海航路4便、計12便/週のサービス
北米東岸航路
4,200−4,500TEU型を投入、パナマ経由サービスを週4便、
加えてTNWAとの提携によりスエズ経由サービスも週1便提供
北米西岸航路
4,500−10,000TEU型を投入し、アジア折り返しサービスを週
10便、加えて地中海航路との Pendulumを5,500TEUで1便
15
(2) 主要コンテナ船社の運航状況
主要船社のコンテナ船運航状況(2012年8月末現在)
隻数
コンテナ
対世界比
積載数
(千TEU)
日本船社
中国船社(含香港)
台湾船社
韓国船社
シンガポール船社
船社名
(%)
278
384
263
166
252
1,261
1,711
1,026
907
859
7.8KL, MOL, NYK
10.6COSCO, CSCL, OOCL
6.4Evergreen, Yangming
5.7Hanjin, Hyundai
5.3APL, PIL
欧州船社
1,596
6,956
43.5Maersk, CMA-CGM, MSC, Hapag, H-Sud
中東船社
その他
合計
125
2,023
5,087
584
2,727
16,030
3.7UAS, ZIM
17
100
出典:海運統計要覧2013
日本周辺における欧州航路の寄港状況
欧州航路
16
欧州航路はシンガポール周辺、香港周
辺、上海周辺まではほとんどのループが
寄港するが、それ以北では寄港地が分
散する。
出典:「国際輸送ハンドブック
2013」等をもとに国土交通省港湾
局作成
日本周辺における北米航路の寄港状況
北米航路
17
北米航路は航路数が多い。地理的条
件から日本周辺を航行している。
経由
出典:「国際輸送ハンド
ブック2013」等をもとに
国土交通省港湾局作成
日本周辺における南米航路の寄港状況
南米航路
18
南米西岸航路は太平洋回り、南米東岸航路はイ
ンド洋回りである。釜山港は双方を多く寄港させ
ている。
出典:「国際輸送ハンド
ブック2013」等をもとに
国土交通省港湾局作成
日本周辺におけるアフリカ航路の寄港状況
アフリカ航路
19
アフリカ航路は、上海周辺よりも北の
港湾への寄港が少ない。
出典:「国際輸送ハンドブック
2013」等をもとに国土交通省港湾
局作成
アジア主要港に寄港する航路
20
○ 釜山港は欧州、北米航路に加え、南米、中東・インド、アフリカ航路など多様な航路を有している。
○ さらに、釜山港は近海航路が多数就航し、周辺国からの集貨体制を整えている。
出典:国際輸送ハンドブック2013等をもとに国土交通省港湾局作成
アジア主要港におけるトランシップ貨物取扱率(2011年) 21
※[ ]内はトランシップ貨物取扱率
(千TEU)
40,000
35,000
30,000
[36%]
[84%]
29,938
[59%]
24,384
25,000
31,787
11,475
[45%]
20,000
25,237
15,000
16,185
14,281
[4%]
7,364
20,312
10,000
5,000
10,103
4,701
0
総取扱貨物量
トランシップ
貨物取扱量
8,821
[0.1%]
6,960
258
6,703
4,271
6
4,265
(出典)
日本:港湾統計(年報)
ただし、京浜港のうち東京港の積み替えコンテナ個数については、実績値が不明の
ため計上していない。
海外:Drewry 「Container Market Review and Forecast Annual Report 2012/13」
22
2012年
日中韓コンテナ取扱量比較
(1月∼12月)
中国
1億7,651万TEU
韓国
(昨年比+8.1%)
香港(2,310万TEU含まず)
2,250万TEU
(昨年比+4.1%)
取扱量
全国合計
日本
1,728万TEU
(昨年比+0.9%)
昨年比
1億7,651万
8.10%
上海港
3,253万
2.49%
深圳港
2,294万
1.64%
寧波船山港
1,683万
14.34%
広州港
1,474万
2.24%
青島港
1,450万
6.15%
天津港
1,230万
6.15%
取扱量
取扱量
昨年比
指定93港合計
1,728万
全国合計
2,250万
4.10%
東京港
399万
釜山港
1,703万
5.20%
横浜港
283万
(T/S)
(845万)
9.50%
名古屋港
241万
光陽港
214万
2.80%
大阪港
240万
仁川港
197万
-1.40%
神戸港
198万
出典:日本港運協会
23
4.日本のコンテナ港の競争力強化
国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会の中間とりまとめ
政策目標
○ 概ね5年以内
国際コンテナ戦略港湾に寄港する欧州基幹航路を週3便に(現在
2便)、北米基幹航路のデイリー寄港を維持・拡大。南北航路での
寄港誘致
○ 概ね10年以内
国際コンテナ戦略港湾において、グローバルに展開する我が国立
地産業のサプライチェーンマネジメントに資する多方面・多頻度の
直航サービスの充実
24
(1) 国際コンテナ戦略港湾への「集荷」
① 国際コンテナ戦略港湾への新たな集荷支援
② 内航コンテナ船の競争力強化
③ 鉄道・トラックによる国際海上コンテナ輸送の促進
(2)国際コンテナ戦略港湾への産業集積による「創貨」
① 戦略港湾背後地への企業誘致のための支援措置の導入
② 戦略港湾背後に立地する物流施設の再編および高度化
(3)国際コンテナ戦略港湾の「競争力強化」
① 国際コンテナ戦略港湾のコスト低減
国が整備した高規格コンテナターミナルを港湾運営会社へ直貸し
(水深16m・耐震岸壁・液状化防止ヤード・免震構造荷役機械)
25
② 国際コンテナ戦略港湾の利便性の向上
ゲート前渋滞の緩和、
ITを活用した効率的・一体的な港湾物流システムの構築
その他物流の効率化・可視化を目的とした情報システムの改善
③ コンテナ船の大型化、取扱貨物量の増大等への対応
高規格コンテナターミナルの整備
④ 戦略的な港湾運営
統合する港湾運営会社の体制のあり方
26
国際海上コンテナ輸送にかかるコスト
○企業の輸送コストは、「陸上運送」、「港湾」、「海上運送」の各コストの積み上げにより決定される。
○港湾コストは、「船舶関係費用」、「ターミナル施設費用」 、「ターミナル運営費用」で構成される。
出典:国土交通省港湾局
企業
港湾コスト
サプライチェーンコスト
トラック輸送
陸上運送コスト
地方港
港湾コスト
フィーダー輸送
海上運送コスト
(フィーダー)
船舶関係費用
○とん税、特別とん税
○入港料
○曳船料
○水先料
○綱取放料
○その他各港独自費用
積替港
(進路警戒船料等)
港湾コスト
ターミナル運営費用
本船輸送
海上運送コスト
(本船)
コンテナハンドリング
チャージ(CHC)
ターミナル施設費用
積卸港
港湾コスト
トラック輸送
陸上運送コスト
荷受人
○岸壁使用/借受料
○荷捌地使用/借受料
○ガントリークレーン等使用/借受料
○上屋等使用/借受料
等
27
港湾コストの内訳とその支払先
○港湾コストは、様々なサービス、税・手数料、施設利用への対価として支払われている。
○それぞれの費用低減の総体として、港湾コストの低減が達成される。
税関
関税
※輸入のみ
給油業者、
船用品業者
※港で支払う費用ではあるが、全ての港で支払うわけではないので、
港湾コストには含めない。
出典:国土交通省港湾局
船舶関係費用
荷
主
船
海上運賃
給油、船用品費用
とん税、特別とん税
国・自治体
入港料
港湾管理者
曳船料
曳航業者
水先料
パイロット協会
綱取放料
綱取業者
その他 各港独自費用
(進路警戒船料等)
曳航業者等
社
○岸壁使用/借受料
船社がターミナルを借り受ける場合
※ターミナル施設費用とターミナル運営
費用は、別々に支払われる。
ターミナル施設費用
ターミナル運営費用
○荷捌地使用/借受料
ターミナル
ハンドリング
チャージ
(THC)
港運事業者がターミナルを借り受け
る場合
ターミナル運営費用
※ターミナル
施設費用は、
ターミナル運営
費用(CHC)に
含まれる。
コンテナ
ハンドリング
チャージ
(CHC)
コンテナハンド
リングチャージ
(CHC)
港運事業者
○ガントリークレーン等
使用/借受料
○上屋等使用/借受料
等
港湾
運営
会社
港湾
管理者
国
28
ご清聴ありがとうございました。
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