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資生堂が1872年(明治5年)、日本初の洋風調剤薬局として東京銀座に誕生してから132年。
社名の由来となった「万物資生」―すべてのものは大地の徳から生まれる―は、新たな文化を
生み出そうという私たちのフロンティア・スピリッツそのものであり、それは現在に至るまで
「新しく深みのある価値を発見し、美しい生活文化を創造する」
という企業理念として生き続けて
います。この企業理念は化粧品からトイレタリー、プロフェッショナル、ビューティーフーズ、医薬品に
至るさまざまな事業において付加価値の高い商品やサービスとなって実現されています。
お客さまとともに
美しくありたい、健やかでありたい、幸せでありたい。このお客さまの願いを、
お客さまとともに育み、優れた品質と価値の創造を通じて、豊かに、かたちにしていきます。
取引先とともに
こころざしを同じくする取引先と、よきパートナーシップで連帯します。
そして、誠心誠意、目標に向けて、互恵の努力を続けます。
株主とともに
質の高い成長を通じた正当・健全な成果の蓄積・提供と、透明な企業経営により、
株主の理解と共感を得る活動に努めます。
社員とともに
社員一人ひとりの独創性と多様性が、わたしたちの財産です。その能力の限りない飛躍と活動を応援し、
公正に評価します。そして社員のゆとりと豊かさの充実に努め、ともに成長していくことをめざします。
社会とともに
すべての法律を遵守します。安全と地球環境への配慮を、なにものにも優先します。
わたしたちは、地域社会と連携し、国際社会との調和を図りながら、
持てる文化資本をベースに、グローバルレベルの美しい生活文化を創ります。
目 次
財務ハイライト .............................
ステークホルダーの皆さまへ ........
特集:
「攻め」の経営 ....................
国内化粧品事業 ......................
海外事業 .................................
ビジネス プロセス ....................
資生堂のCSR(企業の社会的責任)活動 ..
コーポレートガバナンス ..............
取締役、監査役および執行役員 ..
1
2
5
6
10
12
14
16
17
資生堂グループ 事業展開 ........... 18
2003年度事業別営業概況
ファイナンシャル・セクション
6年間の財務サマリー .............. 25
化粧品事業.............................. 20
経営の概況.............................. 26
トイレタリー事業 ..................... 22
連結財務諸表 .......................... 32
ビューティーフーズ事業 ........... 22
連結財務諸表に対する注記 .... 37
医薬品事業.............................. 22
監査報告書.............................. 48
プロフェッショナル事業........... 23
会社情報 ..................................... 49
ファインケミカル事業 .............. 23
グローバル・ネットワーク ............. 24
見通しに関する注意事項
当資料の記載内容のうち、歴史的事実でないものは、資生堂の将来に関する見通しおよび計画に基づいた将来予測です。これらの将来予測
には、リスクや不確定な要素などの要因が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。
財務ハイライト
株式会社資生堂及び連結子会社
2002年、2003年、2004年3月期
百万円
増減率
(一株当たり情報を除く)
(注2)
千米ドル
(一株当たり情報を除く)
2002
2003
2004
2004/2003
経営成績(会計年度)
売上高 ..............................................
営業利益...........................................
当期純利益
(損失)
..............................
¥589,962
25,572
(22,768)
¥621,250
48,993
24,496
¥624,248
39,052
27,541
財政状態(会計年度末)
総資産 ..............................................
株主資本...........................................
¥664,041
345,667
¥663,403
353,466
¥626,730
374,550
– 5.5%
+ 6.0
$5,697,549
3,404,998
一株当たり情報(円、ドル)
(注1)
.....................
当期純利益(損失)
株主資本(注1)
.....................................
配当金 ..............................................
¥ (54.6)
818.0
16.0
¥ 58.0
844.7
20.0
¥ 64.9
903.7
22.0
+12.0%
+ 7.0
$ 0.59
8.22
0.20
ROE .................................................
(6.4)%
7.0%
7.6%
+0.5%
– 20.3
+12.4
2004
$5,674,984
355,023
250,374
注:1. 一株当たり当期純利益
(損失)
は期中平均株式数に基づき、一株当たり株主資本は期末株式数に基づき算出しております。
なお、一株当たり当期純利益
(損失)
は潜在株式調整前数値に基づいて計算しております。
2. 米ドル表示は便宜上のものであり、概算為替レートである1米ドル=110円で換算しております。
売上高・海外売上高比率
7,500
当期純利益
(損失)
・ROE
(億円)
500
(%)
10
300
(%)
9
400
8
200
6
300
6
100
3
200
4
0
0
100
2
-250
0
-500
(億円)
20
5,000
10
2,500
0
営業利益・営業利益率
(%)
30
(億円)
0
2000 2001 2002 2003 2004
売上高
0
2000 2001 2002 2003 2004
海外売上高比率
営業利益
営業利益率
事業別売上高構成比(外円)
営業利益構成比(内円)
-10
2000 2001 2002 2003 2004
当期純利益(損失)
-20
ROE
所在地別売上高構成比(外円)
営業利益構成比(内円)
アジア・オセアニア
その他
アメリカ
11.0%
7.0%
10.6% 0.9% 5.7%
欧州
トイレタリー
93.4%
78.4%
6.9%
0.3%11.6%
11.6% 7.2%
80.9%
化粧品
74.5%
日本
※事業別および所在地別営業利益は、全社費用控除前の構成比です。
1
ステークホルダーの皆さまへ
2 0 0 4 年 度を「店 頭 基 点の改 革」
総仕上げの年と位置付け、積極的な
「攻 め」の 経 営を推 進することで
将来の成長基盤を磐石なものと
してまいります。
代表取締役 執行役員社長
代表取締役 執行役員副社長
池田 守男
清水 重夫
2003年度の業績
2003年度の資生堂は、2001年度から進めてきた経営改革をさらに進め、重点ブランドへの経営資源
の集中、お客さまへの提案力の強化を図ってまいりました。しかしながら、引き続く消費の低迷や競
争の激化などもあり、売上高は前年度比0.5%増の6,242億円にとどまりました。加えて、年金費用の
増加やオフィス再配置費用の発生などにより、営業利益は前年度比20.3%減の391億円となりました。
また厚生年金の代行部分返上益を267億円計上する一方、米国事業を中心とする構造改革費用41億
円
(不良在庫の処分損、合弁会社清算損等)、米国子会社の無形固定資産(営業権、商標権)減損損失
42億円等を計上しました。この結果、当期純利益は前年度比12.4%増の275億円となりました。
2003年度の取り組み
日本の化粧品業界は消費者ニーズの多様化、ドラッグストアを中心とする組織流通チャネルの拡大、
新規参入企業の増大による競争の激化など、業界全体の構造が大きく変化しています。この環境変化
に対応するため資生堂は2001年度から、お客さまとの接点である店頭をすべての基点として、販売か
ら生産、物流までさまざまな仕組みを変革する
「店頭基点の経営改革」を推進しています。
こうした中、2003年度は次の4つの重点戦略に取り組みました。
その第1は、
「専門店の活性化と組織小売業チャネルへの対応力強化」です。専門店に対しては、
店頭情報機器「パートナー21」やビューティーコンサルタントの携帯情報端末からの情報を活用した提
案営業の強化を図りました。また、組織小売業に対しては店頭のメンテナンスを強力かつ効率的に進
める専門部隊を導入するなど、売場拡大に向けた推進体制を強化しました。同時に、2003年7月に発
売した
「マジョリカ マジョルカ」、同10月に発売した
「ビューティー ボルテージ」など、チャネル特性に合
わせた新ブランドや新アイテムの導入を進めました。
第2は、
「グローバル化の加速と中国市場の展開強化」です。高成長が期待できる中国を最重点戦略
国と位置付け、同国専用ブランド「オプレ」
に新商品を導入し積極的なプロモーションを展開しました。
この結果、特に新型肺炎SARSの影響が一巡した下期以降、
「オプレ」は好調な売れ行きを示しました。
さらに、化粧品専門店ビジネスを展開するため、直営モデル店を上海、北京、杭州にオープンしました。
第3は、
「総合力の発揮∼複合価値の創出に向けた仕組みと体制づくり∼」
です。国内におけるグループ
2
総合力の発揮を意図し、コーポレートブランド「
」が持つ貴重な財産を国内グループ会社で
共有する戦略を進めました。また、多様化するお客さまの価値観に対応するため、資生堂の総合力を
発揮できる柔軟な仕組みと体制づくりを行いました。具体的には、グループ全体の各ブランドを「グロー
バル化粧品」
「リージョナル化粧品」
「プロフェッショナル」
「トイレタリー」
「多角化」の5つに明確に区分し
た事業体制とする国内外の組織再編を行いました。
第4は、
「収益体質のさらなる強化に向けた経営基盤の強化」です。提案型営業の定着と強いブラン
ド・商品の開発に取り組むとともに、生産・ロジスティクス面におけるさらなる効率化を推し進めました。
この一環として、2003年10月には国内の主力6工場の1法人化
(親会社への統合)
を完了し、生産機能の
統廃合へ向けた布石を打ちました。
2003年度はこれらの重点戦略により、売上の拡大と収益構造の変革に取り組みましたが、外部環境
の急激な変化に比してそのスピードはまだ満足のいくレベルにはなく、この改革をさらに加速すること
が急務であると考えています。
2004年度の重点戦略
国内では化粧品業界の再編が進み、海外では競合各社が中国市場への進出のスピードを早めるなど、
資生堂を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。一方で国内の個人消費は回復傾向にあります。
このような状況にある2004年度は、資生堂が市場に打って出るまたとない好機であると判断しました。
そこで、これまでの改革の成果を活かし、シェアの拡大を目指した積極的な投資を実行していきます。
また、そのための体制構築に向けた組織改革も進めています。国内においては、全国を7つのエリアに
分割し、執行役員をエリアごとの
「総代表」
として配置しました。このような体制のもとで販売第一線から
会社を変革し、
「地域シェア」の拡大を狙う
「攻め」の経営を推し進めます。
具体的には、以下の3つを重点戦略として、確実な成果に結びつけていきます。
1. 国内化粧品事業における成長基盤の確立とシェア拡大
これまで資生堂はリーディングカンパニーとして日本の化粧品市場を牽引してきました。そして現在、
われわれの培ってきたブランド「
」は多くの皆さまから高い評価をいただいています。しかし
ながら、流通構造の変化や新興メーカーの増加などにより、資生堂の国内シェアは徐々に低下する傾向
にあります。この現状に歯止めをかけることが資生堂にとって喫緊かつ最優先の課題です。そこで2004
年度は、
「営業」
「商品」
「宣伝」を特に強化し、全国各エリアごとの「地域シェア」を上げることによって市
場シェアの奪回を図ります。
「営業」
についてはまず、本年2月に先行して前述の
「総代表」
を販売第一線に配置しました。この
「総代表」
に責任と権限を委譲することで、経営資源を迅速かつ効果的に配分できる体制を敷いています。そして、
4月からは営業担当とビューティーコンサルタントも大幅に増員するなど、市場対応力の強化を進めています。
「商品」
については、お客さまの美しく健やかになりたいというニーズに応えるとともに、専門店、組織
小売業といった各チャネルの特性に適合した、強力な新商品を投入します。同時にブランドの集約も
進め、優位性のあるブランド体系を確立していきます。
「宣伝」では、お客さまを引きつける、
「売れる」広告の展開に重点を置くと同時に、TVスポットや雑
誌などにおける広告量を大きく増やし、現場を支援します。
3
これら諸施策を展開するため、国内化粧品事業だけで前年度比250億円を超える追加費用を投入し、
国内化粧品事業の売上を再び成長軌道に乗せていきます。
2. 中国市場での展開強化を軸とした、グローバル化の加速
中国における化粧品市場は依然として力強い成長を続けており、2010年には1兆2,000億円の市場規模
になるものと予想されています。資生堂は1994年から中国専用ブランド
「オプレ」
を展開しており、すでに中
国の国民的ブランドとして認知されています。しかし今後は、中国市場の急成長を背景にグローバル競争
が一層激化すると見られています。このため資生堂は、
「オプレ」のさらなる積極展開とともに、日本で培
ってきた化粧品専門店ビジネスのノウハウを活かし、2008年度5,000店を目標に資生堂のボランタリー
チェイン展開を図ります。また、日本同様、執行役員を
「総代表」
として現地に配置し、グループの中国事
業の一元的な統括と迅速な意思決定を可能とする体制を構築しました。これにより、2008年度には店
頭売上1,000億円規模にまで成長させ、中国市場におけるリーディングカンパニーを目指します。
3. さらなる成長・躍進に向けた構造改革と基盤整備
今後の力強い成長と躍進のため、グループの総合力の最大化を意図し、化粧品、トイレタリー、プロ
フェッショナル、医薬品など
「オール資生堂を俯瞰した統合戦略」
の策定に取り組んでいます。本年4月に新
設したマーケティング開発部を中心に、中長期的視点から資生堂グループ間のシナジーを高める施策を展
開していきます。また、現在推進している生産・ロジスティクス改革をさらに推し進め、2005年から2006年
にかけて予定している工場の統廃合などにより、コスト競争力の強化と収益性の向上を図ります。
企業価値の増大に向けて
資生堂は創業以来、
「お客さまの喜びをわが喜びとする」、そして「おもてなしの心」を持って社会の
「お役に立つ」
という経営理念を貫いてきました。すなわち、商いの原点は人と人との信頼関係であり、
ステークホルダーの皆さまからの
「信頼」
を拡大することが資生堂のコーポレートブランド向上につながり、
その結果として企業価値の持続的な増大が果たせるものと考えています。
そのために、現在推進中の経営改革を成功させ、持続的な利益成長を可能とする企業となることで、
企業価値、そして株主価値の向上を目指してまいります。株主還元については、配当と自己株式取得合
計額の連結利益に対する比率「総還元性向」60%を中期的に目指し、安定的な配当と機動的な自己株
式取得を実施していきます。そして、こうした株主還元に中期的な株価上昇も加味した
「株式トータル
リターンの実現」を図ってまいります。
また、資生堂は、社会とともに生きる企業として、経済性はもとより、文化性、社会性や人間性をも追
求してまいります。
「企業の社会的責任」
を全うし、
「株主」の皆さまや
「お客さま」
「取引先」
「社員」
「社会」
といったすべてのステークホルダーから価値ある企業として支持され、世界のお客さまのお役に立つ企
業であり続けるよう全力を尽くします。
今後とも皆さまのより一層のご支援を賜りますようお願い申しあげます。
2004年6月29日
代表取締役 執行役員社長
4
代表取締役 執行役員副社長
資生堂を取り巻く環境が大きく変わろうとしている今、
2001年から進めてきた店頭基点の改革をさらに加速しています。
資生堂の変わらない強みを最大限に活かし、新たな強みを創造していく
「攻め」の経営により、今後の飛躍的な成長を実現し、
企業価値の持続的な増大を目指していきます。
「攻め」の経営
国内化粧品事業
成長領域への投資の大幅強化
お客さま視点に基づくマーケティングの再構築
活力ある販売組織の構築
海外事業
中国市場への積極的な取り組み
海外におけるプレゼンスの拡大
ビジネス プロセス
生産・ロジスティクスの改革
進化し続ける研究開発体制
5
国 内 化 粧 品 事 業 「攻め」の経営
成長領域への投資の大幅強化
チャネル別戦略の推進
化粧品専門店の活性化
化粧品専門店はカウンセリングを通じて資生堂化粧品の価値を伝えるチャネルであり、
化粧品事業を支える重要な事業基盤です。その化粧品専門店との関係性強化を狙いとして、
2001年に導入した店頭情報機器「パートナー21」
をさらに進化させ、お客さま、お店、
資生堂三者間のコミュニケーション強化を図るために
「資生堂オンラインシステム」
を導入
しています。これにより、お客さま一人ひとりに合った美容サービス、情報提供が可能と
なり、お客さま、お店、資生堂の関係性がより深められます。
また、専門店の中核を担う約7,000店のカメリアサークル店を、
売上規模・売り方・立地などによって層別し、それぞれの特性に合わ
せた研修・教育支援策を展開していきます。同時に、専門店の抱え
る経営的な課題に対し、経営診断や経営ノウハウの提供といった経
営支援も行い、経営基盤の強化に取り組んでいきます。
さらには、これまで「アウトオブ資生堂」
として独自に展開してき
た「 ディシラ」を 専 門 店 に お ける 戦 略 ブランドと位 置 付 け、
ディシラ販売員の店頭派遣や新取引体系の導入などを行います。
「
」
ブランドと合わせ、このチャネルにおけるシェアを奪
回し、資生堂グループの圧倒的優位を確立します。
化粧品専門店などに設置している店頭
情報機器「パートナー 21」
。
組織小売業への対応力強化
ドラッグストア・GMSをはじめとする組織小売業は、お客さま
の
“自由に選びたい”
というセルフニーズから、
“適切なアドバイス
が欲しい”
という要望まで、幅広いニーズに対応する化粧品販売チ
ャネルとして大きく伸長しています。資生堂はこのチャネルを、
新たなお客さまとの接点を拡大していく重要なチャネルととらえて
います。
具体的には、各小売企業の本部に対し、その系列店の特性や
顧客特性を踏まえた積極的なマーケティング提案を行うとともに、
1店1店の店頭での品揃えを確実に行うメンテナンス専門部隊も派
肌と心の相乗効果をコンセプトとする
化粧品専門店向けブランド「ディシラ」
を新たな専門店における戦略ブランド
として位置付けます。
遣し、売場拡大、店頭訴求力の強化を図っています。今後は、売場
づくりに向けたコーナー投資の拡大や相手先のIT環境に合わせた
情報システムを構築し、集客力とインストアシェアの向上を図って
いきます。
6
マーケティング投資の強化
2004年度は、市場環境の変化や消費動向
の回復基調を踏まえ、従来以上に積極的な
マーケティング活動と投資を行い、国内化
粧品事業におけるシェアを奪回します。具体
的には、お客さまのニーズや願望に的確に対
応する
「魅力ある商品・強いブランドづくり」
など
商品の開発・導入への投資をはじめ、当社商
品とお客さまとの出会いを創出する
「宣伝」
に
ついても質・量の両面から強化します。さらに、
出会ったお客さまに満足していただくための
「ビューティーコンサルタント」
の増員も実施する
など、マーケティングのキーポイントに集中した
重点投資を強化していきます。
お客さまを引きつける「売れる」広告に重点を置いた
積極的な広告宣伝活動を展開していきます。
同時に、今後の成長を持続的なものとす
るため、中長期視点に立ったお客さまとの関係性強化に向けた
「資生堂オンラインシステ
ム」の導入推進、お得意先の応対・カウンセリング力向上に向けた
「教育・研修」の強化な
どにも積極的な投資を行います。これらを通じて、将来にもつながる成長基盤を確実な
ものとしていきます。
新たな成長領域への積極的な展開
化粧品事業を強化すると同時に、化粧品事業とのシナジー効果が期待できる新たな事
業領域への展開を図ります。特に、お客さまのヘルス&ビューティーケアに対する関心の高
まりをとらえ、化粧品、医薬品、健康食品を融合させた新たな価値の創造に積極的に取り
組んでいます。2003年10月には化粧品専門店の専用ブランド「ベネフィーク」
の愛用者拡大
を狙い、美容食品「ベネフィーク サプリケア」
を発売しました。今後も同様の商品展開を推
進することで、ヘルス&ビューティーケア市場での競争力をさらに強化していきます。
7
国 内 化 粧 品 事 業 「攻め」の経営
お客さま視点に基づくマーケティングの再構築
お客さまとチャネルを重視したブランド戦略の推進
お客さまの化粧意識や価値観の多様化・高度化に伴い、その購買スタイルも多様化して
います。お客さまには、自分だけに合ったお手入れ方法を知りたいというカウンセリングニーズ
から、自分で自由に試して使ってみたいというセルフニーズまで幅広い購買スタイルがあります。
しかも、これら複数のニーズが同じお客さまの中にあり、その時々のニーズに
より利用するチャネルが異なるという多様さを示しています。これらのニーズ
に的確に対応し、お客さまから選ばれ続ける
「魅力ある商品・強いブランド
づくり」
に一段と力を入れています。
化粧品専門店向けには、1996年に導入した化粧品専門店専用ブランド
「ベネフィーク」
のブランド力を強化するため、新たに
「ベネフィーク リニュー
ホワイト」ラインを追加するとともに、マーケティングコストも増加させ、
抗老化スキンケアの美白シリーズ「ベネ
フィーク リニュー ホワイト」。美白しなが
ら、うるおい・ハリ感を与える新シリーズ。
さらなる売上伸長を狙います。
組織小売業向けには、このチャネルに軸足を置いたブランドとして2003
年7月に新メーキャップブランド「マジョリカ マジョルカ」
を、同年10月には
若い女性のスキンケア市場を攻略する新ブランド「ビューティー ボルテージ」
を発売しま
した。いずれもターゲットとなるお客さまの支持を得て売上を伸ばしています。
今後も、こうしたお客さまのニーズやチャネル特性に合わせたブランドづくり・再配置を
進めることにより、光り輝く、強いブランドへと集約していきます。
そして、2005年3月末を目処に、こうした強いブランドに集中した体制を完成させます。
花椿CLUBの改革
資生堂はこれまでも共存共栄の理念のもと、お客さま、お店、資生堂の三者間の絆づ
くりに努めてきましたが、2004年4月から新たにIT技術を使った
「資生堂オンラインシス
テム」を導入し、今日的にその関係性をさらに強化していきます。これにより、三者間の
コミュニケーションと情報の共有化が可能となり、お客さま一人ひとりに対する最適な
美容サービスやさまざまな情報の提供、一対一の効果的な店頭活動と販売施策などを
通じて、お客さまとのより強固な関係を確立します。この考え方に賛同いただいたお店
約16,000店では、
「花椿CLUB」
メンバーを対象に、すべての資生堂商品の購入実績に基づ
いたポイントを付与し、そのポイントに応じた新たなサービスを提供していきます。
8
活力ある販売組織の構築
販売第一線の強化とサポート体制の再構築
国内化粧品市場におけるシェアと圧倒的な地位
を回復するため、販売第一線の活性化を図り、営業
力を強化しています。2004年4月には本社の若手社
員を中心に150名を販売第一線に振り向けました。
また、各販売チャネルの店頭において、お客さまと
接するビューティーコンサルタントを大幅に増強し、
店頭応対力の一層の強化を図っています。
さらに、これを支える本社組織についても再構
築を行っています。販売第一線の情報を経営に
若手社員を中心に販売第一線の増強を行い、店頭
販売力の強化を図っています。
スピーディーに反映させ、すべての意思決定の基点を店頭
に置く組織体制を構築しています。2004年4月には、重層的
であった
「総本部」
「本部」制を廃止するとともに、業務を集
約して本社部門を削減しました。本社は、店頭を支えるこ
とを最大の使命とし、販売第一線からの活きた情報に新
しい価値を盛り込み、商品や宣伝、施策として再び販売第
一線に送り返していきます。
資生堂の最大の強みであるビューティー
コンサルタントによるきめ細かなカウンセ
リング。
エリア対応力の強化
これらの取り組みにより、1店1店の売上を確実に上げ、地域でのシェアを拡大していき
ます。そして、このシェア拡大の集大成が、市場における資生堂のシェア拡大につながると
考えています。そのための対応として、新たに全国7つのエリアに執行役員を
「総代表」
とし
て配置しました。
総代表は、お客さまやお得意先に一番近いところで、担当エリアの状況や課題を踏まえ、
経営資源を有効に配分し、
「地域シェア」
の拡大を図ります。同時に、市場や販売第一線の声
を吸い上げ、本社のマーケティングに迅速に反映させることで、資生堂が目指す
「店頭基点」
「お客さま基点」
のマーケティング活動をより確実なものにしていきます。
また販売促進費用においても、販売第一線である支社・営業本部の裁量額を増額し、
エリア単位での課題に対して戦略的かつスピーディーに対応できる体制とすることで、各地
域ごとの対応力強化を図っていきます。
9
海 外 事 業 「攻め」の経営
中国市場への積極的な取り組み
中国専用ブランド「オプレ」の積極展開
成長を続ける中国経済の中で、所得の向上を背景に化粧品市場も大きな伸びを示し
ています。資生堂は1981年に中国で販売を開始して以来、積極的にこの市場での事業展
開を進めてきました。中国女性の肌研究をベースに1994年に投入した
「オプレ」は、現在
では取り扱い百貨店約360店の9割以上でインストアシェア1位となるなど、中国の国民的ブ
ランドとして絶大な支持を得ています。2004年1月には、品質、使用感、効果感の高さで既
に信頼を獲得している
「オプレ」に、高いファッション性という新たな価値を加えた新
「オプレ メーキャップ」を投入しました。今後は、百貨店に加え、直営の「オプレ専門店」
の展開も積極的に推進し、さらなる売上拡大を目指します。
化粧品専門店ビジネスの展開加速
中国では、百貨店の化粧品売場が充実する一方で、個人経営の化
粧品店が急増しています。資生堂は日本で培ったチェインストア運営
のノウハウを中国の化粧品店に活かし、中国における新たなビジネス
モデルの構築を進めています。その第一歩として、2003年9月以降
ホァンツァイ コンジェン
化粧品専門店の直営モデル店
「煥采 空間」
を上海、北京、杭州に開設
しました。2004年度は「資生堂化粧品専門店」を中国全土で展開し、
中国女性の美と健康に貢献することで、
「
」
ブランドの一層
の浸透を目指していきます。
資生堂ではこの新たなビジネスモデルを中国事業の大きな柱に据え、
中国における化粧品専門店ビジネスのモデル店「煥采
空間
(ホァンツァイコンジェン)
」
。
「正規商品」
「親近感」
「誠意」
「スキンケア専門家」の4つをコンセプトとし、
これまでにない新しい化粧品専門店を目指しています。
2008年度には5,000店規模へ拡大していく計画です。
中国市場におけるグループ総合力の発揮
2004年4月の組織改革により、執行役員を中国「総代表」
として現地に配置し、中国事業
を一元的に統括、迅速な意思決定を行う体制としました。これに先駆けて、専門店の開
拓を含めた新規事業と既存事業とを効果的にバックアップするため、持株会社「資生堂
(中国)
投資有限公司」
を2003年12月に設立しました。また2003年度に中国進出を果たした
トイレタリー事業に加え、今後はプロフェッショナル事業、医薬品事業等の中国市場での
展開も計画しています。これらの資生堂グループ各事業の総合力を発揮することで、2008年
度には中国におけるグループ全体の店頭売上1,000億円を目指します。
10
海外におけるプレゼンスの拡大
アロマスキンケアブランド「デクレオール」
。
100%ナチュラル・ピュアなエッセンシャル
オイルを配合したフェイシャル・ボディ商品。
徹底した成長戦略の実践
の理念をグローバルに展開し、すべての進出国にお
資生堂は、
「スキンケアハウス資生堂」
いて
「スキンケアNo.1」
ブランドを目指しています。各チャネルの動向を的確に見据え、カウン
セリング機器「スキンビジオムII」
の設置拡大や、ビューティーコンサルタントの強化など、積極的
な展開を行っていきます。また、
「ボーテ・プレステージ・インターナショナル社
(BPI)
」
など海外
のアウトオブ資生堂事業と
「
」
ブランドとの連携を強化することにより、百貨店など
のチャネルに対し
「オール資生堂」
としての総合力を発揮し、グループ全体のプレゼンス向上を
図ります。
また、トータルビューティー志向の高まりを受け、プロフェッショナル
(サロン)事業も強化し
ていきます。パリの高級美容サロン
「カリタサロン」
をイメージ拠点とした
「カリタ」
、パーマ剤の
トップブランド
「ゾートス」
や、スパビジネスにおいて高いノウハウを持つ
「デクレオール」
など各
ブランド間のシナジー効果を最大化させ、統合的な事業展開を行っていきます。
地域別・国別戦略の推進
資生堂の海外事業の売上高はグループ全体の26.0%を占
め、今後も高い成長が見込める分野となっています。しかし
ながら、営業利益率は国内事業の8.6%に対し、海外事業
は5.7%と低く、高収益体質への変革が急務となっています。
このため資生堂では、海外進出国における
「一国一国の
強化主義」
を戦略テーマとして、各国ごとに売上成長と損益
改善の優先順位を明確化した地域別・国別戦略を推進し、
グループ全体でのプレゼンスの拡大と収益性の向上を図り
ます。
フランスの化粧品店でのプロモーション展開。
多くのお客さまから高い評価をいただいてい
ます。
収益構造の改革
これまで日本国内で重点的に進めてきた経営改革を、今後は海外も含めグローバルに
推進し、収益体質を強化していきます。米国市場では既に構造改革に着手し、2003年度
には、商品・販促物・店舗などの事業資産について、将来的に利益を生み出せるかどうか
の観点から償却や整理を行いました。また、米国だけでなく海外各地域においても展開
ブランドの選択と集中を徹底することにより、戦う体制を整えています。
そして海外事業では、海外売上高比率40%を目指した売上拡大と欧米の利益率改善に
より、成長性と収益性を同時に高めていくことを目指します。
11
ビジネス プロセス 「攻め」の経営
生産・ロジスティクスの改革
欠品や偏在を生じさせない仕組みづくり
資生堂は全国1万6,000店の化粧品専門店
に対する店頭情報機器
「パートナー21」
の導入
をはじめとする情報インフラの整備により、
店頭での販売情報が瞬時にフィードバックされ
る体制を構築しています。これらの店頭情報を
活用しながら、需要変動対応型の生産方式と
ロジスティクス体制を確立し、欠品や偏在在庫
の発生を抑制する仕組みづくりを進めています。
具体的には、1品ごとの需要予測精度を高
めるとともに、セル生産方式の導入など生産の
店頭からの情報を最大限に活用し、欠品や偏在在庫を抑
制する実需対応型の生産体制を構築しています。
瞬発力と柔軟性を高め、在庫運用効率を向上
新製品偏在在庫と欠品率
させてきました。マーケティング改革との連動により、この改
革の成果は既に表れています。今後は取り組みをさらに強
化し、最終的には欠品、偏在在庫ゼロを目指していきます。
100
新製品偏在在庫
欠品率
80
(%)
4
60
3
40
2
20
1
海外においても、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各地域それ
ぞれの生産インフラを有効活用した適地生産を進めていき
ます。また、総在庫の低減によるキャッシュ・フロー改善を目
指し、全体最適なロジスティクス・ネットワーク基盤の構築に取
り組んでいます。2003年4月の国際物流部設置を機に、この
「グローバル・サプライチェーン・マネジメント改革」
を一層積極
的に推進しています。具体的には、流通段階別
(工場・物流
センター・販売会社)
に分散している在庫を集約するとともに、
0
0
2000年度 2001年度 2002年度 2003年度
新製品偏在在庫: 2000年度の額を
100とした指数
欠品率:単位
(%)
域内在庫を一元管理・運用できる体制を整えることで、在庫
縮減と欠品・偏在の極小化を進めています。
生産拠点の再編
資生堂は、市場の需要変動に柔軟に対応できる生産体制への移行を進めており、今後も、
こうした改革をさらに推し進め、コスト競争力および市場対応力の一層の強化を図ります。
より効率の高い生産体制を目指し、2006年6月を目処に舞鶴工場と板橋工場を閉鎖、両工
場の生産機能を久喜工場、掛川工場等に移管し、各工場の生産稼働率を高めていきます。
また、物流面でも在庫運用効率や物流コスト削減の観点から、坂出・三原商品センターの
統合
(2003年6月)
、赤羽・深谷商品センターの統合
(2004年6月)
を行っています。
12
進化し続ける研究開発体制
資生堂の高い技術力・研究開発力
資生堂は
「Creative Integration=創造的統合」
を研究
開発のビジョンとして掲げ、
「機能と感性」
「 国内と国外」
「知恵と活力」
を融合し、新たな価値の創造に挑戦してい
ます。その研究開発テーマは、従来からの4大テーマで
ある
「美白」
「育毛」
「抗老化」
「紫外線防御」
に加え、市場
ニーズの高い
「敏感肌」
「自然・天然成分」
を重点領域と
して、研究開発を進めています。
資生堂の研究開発における最大の強みは、界面・粉体
科学と皮膚科学における技術力です。この優位性ある技
術力を活用し、シーズ開発を中心に、スキンケア領域ばか
皮膚から取り出した細胞を培養し、皮膚機能の
研究を進めています。
りでなく、すべての領域での応用研究も進めています。
新技術開発、新機能商品の導入
化粧品の新たな機能性に対するお客さまの要望や期待はますます高まっています。こう
したニーズの高まりに応えていくことが資生堂の使命であると考え、研究開発の成果を活
用した多くの新機能商品を開発しています。
大好評を博している
「レチノサイエンス」はそのひとつです。資生堂は、1993年に薬用有
効成分、純粋レチノールの医薬部外品クリームへの安定配合に初めて成功しました。その後、
純粋レチノールをみずみずしい液状で安定配合することに成功し、2003年11月には目もと用
シート状マスク
「浸透型レチノールシート」
を開発しました。これを
「リバイタル」
、
「ベネフィーク」
などの商品に応用し、お客さまから絶大な支持を得ています。
また、MGH/ハーバード皮膚科学研究所との共同研究では、紫外線を浴びると通常
の肌にはない太い毛細血管が増加するという、しわ発生の新たなメカニズムを解明しま
した。この成果に基づいて開発した しわ対応技術を、
「ベネフィアンス」などに応用して
います。このほか、ナノテクノロジー
を用いて立体感を演出することので
きる高機能パール剤や、毛髪へ塗布
した際の2層コート技術による高機
能ヘアスプレーなど、さまざまな新
技術を応用した画期的な新商品を
開発しています。
ナノテクノロジーを用いて立体感を演出することのできる
高機能パール剤配合の新固形乳化状ファンデーション
「プラウディア フォルミングアクアパクト UV」。
13
資生堂の CSR(企業の社会的責任)活動
CSRに対する基本方針
資生堂は創業以来「美と健康を通じてお客さまのお役に立ち、ひいては社会に
貢献する」
という創業の精神のもと、経済性のみならず、文化性や人間性、社会性
を追求してきました。
1997年、最も重要なステークホルダーはお客さま、取引先、株主、社員、そし
て社会であると規定し、それぞれのステークホルダー
に対する使命を明確化した
「企業行動宣言-THE SHIお客さま
SEIDO WAY-」を策定しました。同年、THE SHISEIDO WAYが規定したCSRの考え方に基づき、
安全・安心な商品
お客さま満足
株主
取引先
すべての国内外グループ会社の役員・社員が守るべき
「THE SHISEIDO CODE(資生堂企業倫理・行動基
適切な利益還元
良きパートナーシップ
共同での環境活動
準)
」を制定し、法令遵守の徹底と資生堂グループの
ブランドの価値向上を目指してCSR活動を推進してい
環境配慮、
社会貢献
働きがい、
ゆとり
ます。
資生堂のCSR活動は社会からも高く評価されており、
社会
社員
朝日新聞文化財団から2003年度「企業の社会貢献度
調査」大賞などを受賞しています。
2004年4月、全社的な観点からCSR活動を統合し、
CSR部を新設しました。CSRに関する対外的な窓口機能とともに、企業倫理、
環境、男女共同参画、社会活動等の推進・監査機能を担っていきます。
(資生堂のCSR活動の詳細は、サステナビリティ レポートをご参照ください)
企業倫理
「THE SHISEIDO CODE」の制定から6年を経た2003年7月、それまでの法
改正や社会環境の変化を踏まえて内容を大幅改定しました。新しい「THE SHISEIDO CODE」の浸透・定着のため、全役員・社員に対する定期的な企業倫理
「サステナビリティレポート」
(http://www.shiseido.co.jp/eco/html/)
研修をきめ細かく実施するほか、国内全事業所に企業倫理活動の旗振り役とし
てコードリーダー約600名を配置し、啓発活動や地域活動を推進しています。
また、
「資生堂オンラインシステム」の展開などによるお客さま情報の活用を
進めるにあたり
「個人情報保護方針」を宣言するとともに、個人情報保護のため
のシステム整備を進め、2004年3月には
「プライバシーマーク
(JIS規格)
」を取得しま
した。化学部門では第1号の取得となります。
14
環境対応
資生堂は、環境に関する経営方針として1992年に資生堂エコポリシー
を制定、1997年には国内化粧品メーカーで初めて国際環境規格ISO14001
の認証を取得するなど、先進的な活動を推進してきました。化粧品会社ならでは
使用済みガラスびんを回収、粉砕して
ガラスびんメーカーへ。
の環境活動として2001年4月から使用済み化粧品ガラスびんの回収とリサイクルを
全国で推進しています。また、2003年度までにすべての国内化粧品工場および汐留
オフィスでゼロエミッション
(廃棄物ゼロ)
を達成しています。
男女共同参画
資生堂は、21世紀の企業活動の基盤づくりとして、性別や年齢を問わず、多彩で
多様な人材が互いを尊重し協働していける職場環境づくりに向け、ポジティブ・ア
クション
(労働における男女間差別を解消するため、企業が行う自主的かつ積極的
な取り組み)
や子育て支援等の取り組みを行っています。
特に、少子化の進行に伴い、女性が働きながら子どもを産み育てやすい職場環境の
整備はますます重要になっています。2002年には、インターネットを通じて社内情報や育
児ノウハウ、職場復帰のためのスキルを自宅にいながら習得できる育児休業者支援シス
テム
「wiwiw(ウィウィ)
」
を開発し、現在では社内だけでなく50社を超える他企業に
提供・販売しています。また、2003年9月には本社に事業所内保育所を設置しています。
常勤の施設責任者、看護師、インターネッ
トカメラの配置等、高品質の安心・安全に
配慮した事業所内保育所「カンガルーム
汐留」
。近隣の趣旨賛同企業の従業員の
方にも一部を開放しています。
社会活動
資生堂は、化粧品という感性的消費財を提供する中で持ち続けた
「美意識」
を、事
業活動のみならず社会活動まで拡大してきました。その領域は①美しい生活文化
の創造につながる活動 ②資生堂の培ってきた財産
(ノウハウ、文化、人材等)
を活
かした活動 ③社会全体または地域ニーズをとらえた活動、の3つです。
社員の社会活動を支援する制度として、社員の社会参加を勤務とみなす
「ソーシャル
スタディーズ デー制度」
、社員がボランティア活動する施設へ会社も自社製品を提供
する
「商品マッチングギフト制度」等を実施しています。
企業文化・文化発信
資生堂は、メセナ
(芸術文化支援)
活動に力を入れるとともに、独自の
美意識で蓄積してきた企業文化資産を社会と共有していくことも使命と
考えています。資生堂の芸術支援・文化発信活動は、1919年に開設した
「資生堂ギャラリー」
に始まり、今日では
「資生堂企業資料館」
「資生堂アー
トハウス」
など、さまざまな形に発展しています。2004年4月には東京・銀
座の本社ビルに、資生堂の美に対する哲学や理念を分かりやすい形
でお 客さまに 伝えることを 狙いとする文 化 発 信 施 設「 HOUSE OF
「HOUSE OF SHISEIDO」は、資生堂が育んできた企業
文化資産を、風俗やファッションなどの社会的テーマに
合わせて展示・運営しています。
SHISEIDO」
をオープンしました。
15
コーポレートガバナンス
資生堂は、すべてのステークホルダーの皆さまから
「価値ある企業」
として支持され続けることが
コーポレートブランド
「
」の価値向上につながるとの認識のもと、コーポレートガバナ
ンスの強化にも積極的に取り組んでいます。
資生堂は、コーポレートガバナンスの強化を重要な経営課題であると認識し、
スピーディーかつ効率的な意思決定システムの確立による経営の機動性向上と
経営陣の責任体制の明確化を図っています。
そのための改革として、2001年度に執行役員制度を導入し、意思決定・監督を
担う取締役会の機能と業務執行を担う執行役員の機能を分離し、両機能の責任
を明確にしました。2002年度には、取締役会を取締役7名で構成する少人数体
制としました。さらに、執行役員の日常の業務遂行を決裁する
「経営会議」
(2002
年度新設した
「執行役員常務会」を2004年4月に改変)
を運営することで、執行役
員への権限委譲と責任の明確化を図っています。
このほかにも資生堂ならではのさまざまな制度、仕組みを取り入れています。
具体的には、社外有識者6名を中心とする
「アドバイザリー・ボード
(経営諮問委員
会)
」
と社外委員を含む「報酬諮問委員会」を設置し、経営の透明性・客観性の向
上に努めています。また、組織を横断してグループ全体の連結力強化をトップマ
ネジメントレベルで実施していく仕組みとして「コーポレート・ポリシー・ガバナー
(CPG)
」
のポストを設け、副社長がその任に就いています。CPGは、全社横断型
の政策・戦略を審議する全グループ政策委員会の委員長でもあります。
いずれの制度・仕組みについても、法律の要請よりも一段と高い企業倫理基準
で運用し、トップの強いリーダーシップのもとでその定着に努め、すべてのステー
クホルダーへの責任を果たすコーポレートガバナンスの確立につなげていきます。
株主総会
選解任
選解任
方針提案
(株)資生堂
監査
取締役会
決裁・承認
報告
アドバイザリー・ボード
監督
経営会議
執行役員政策会議
報酬諮問委員会
法令上の重要事項の提案
グループ政策委員会
総合リスク対策、CSR、個人情報保護、
ディスクロージャー、企業倫理、品質保証
など12委員会
16
監査役会
決議・承認
提案
決裁・承認
担当執行 役員
意 思決 定 会議
取締役、監査役および執行役員
(2004年6月29日現在)
取締役・監査役
代表取締役 執行役員社長
CEO兼COO
取締役 執行役員
CSR部長
池田 守男
岩田 喜美枝
代表取締役 執行役員副社長
CPG
(コーポレート・ポリシー・ガバナー)
取締役 執行役員
国際事業部長
清水 重夫
小松 正明
常任監査役(常勤)
守谷 一誠
監査役(常勤)
伊勢嶋 勲
監査役(非常勤)
取締役 執行役員常務
化粧品事業部長
資生堂販売
(株)
代表取締役社長
取締役 執行役員
経営企画部長
前田 新造
小林 敏光
大宅 映子
監査役(非常勤)
保田 博
取締役 執行役員常務
IR・財務・情報企画担当
大堀 毅志
執行役員
執行役員専務
近畿総代表
執行役員常務
基盤研究・新規事業開発担当
細川 治
山口 道廣
執行役員専務
中国総代表
執行役員常務
人事・秘書・法務・総務担当
お客さまセンター・ビューティーサイエンス研究・
ビューティークリエーション研究担当
執行役員
化粧品事業部 美容開発部長
国内アウトオブ資生堂事業担当
山内
大矢 和子
斎藤 忠勝
執行役員常務
中部総代表
明地 繁
執行役員常務
生産事業・ロジスティクス・
技術担当
浜口 正巳
執行役員常務
中国・四国総代表
日比野 嵩
執行役員常務
R&D戦略・製品開発・特許担当
熊野 可丸
執行役員常務
東京・西関東総代表
森 光平
執行役員常務
化粧品事業部 副事業部長
西森 誠二
執行役員常務
企業文化・宣伝・広報担当
鈴木 奎三郎
章
執行役員
トイレタリー事業担当
(株)エフティ資生堂代表取締役社長
野口 正
執行役員
宣伝部長
執行役員
人事部長
柿崎 孝夫
佐竹 一利
執行役員
監査部長
原田 康彦
執行役員
プロフェッショナル事業部長
ブティック事業担当
執行役員
化粧品事業部
フィティットマーケティング部長
執行役員
東関東・信越総代表
池田 敏秀
山中 健正
執行役員
北日本総代表
執行役員
国際事業部 米州部長
石丸 正之
山内 豊
執行役員
九州総代表
執行役員
医薬品事業部長
医薬品事業・ファインケミカル事業担当
宮川 宜之
佐藤恭一郎
矢野 英二
執行役員
生産企画部長
長屋 俊郎
執行役員
技術部長
中村 淳
17
資生堂グループ 事業展開
事業内容
化粧品事業
(資生堂、by 資生堂)
「クレ・ド・ポー ボーテ」
「オプレ」
資生堂グループの中核事業。国
内化粧品事業は資生堂グルー
プ全体を支え、海外化粧品事
業はグループ全体の成長を牽
引します。
「ビューティー ボルテージ」
「ピエヌ」
トイレタリー事業
生活環境を創造する事業。グルー
プ全体の愛用者拡大の尖兵とな
ります。
「フィーノ プレミアムタッチ」
「洗顔専科」
「イプサ」
アウトオブ資生堂事業
お客さまの価値観の多様化に対
応し、
とは異なる独
自の個性を発揮していくブランド
群です。
「アユーラ」
「エテュセ」
事業内容
プロフェッショナル事業
ヘアサロンへの商品供給やスパ
でのリラクゼーションサービスな
ど、モノとサービスの両面から
お客さまの美へのニーズに応え
「レシピスト」
ていきます。
「Fプログラム」
多角化事業
18
ヨーロッパ
アメリカ
日本
アジア・オセアニア
中国
百貨店
化粧品店
バラエティストア 総合スーパー ドラッグストア コンビニエンスストア
グローバルライン
リージョナルライン
ヨーロッパ
アメリカ
日本
アジア・オセアニア
中国
プロダクツ事業
サービス事業
医薬品、
ビューティーフーズ、
ファインケミカルなど
19
2003 年度事業別営業概況
化粧品事業
国内化粧品事業
国内化粧品事業においては、多様化するお客さまの変化をリアルタイムでとらえ、
店頭を基点にお客さまとチャネルと商品の最適な出会いに向けたマーケティングを推
進し、
“多くのお客さまとの出会いの実現”
と
“出会ったお客さまとの関係性の深化”に
向けた価値提供を目指しています。
新しい価値の創造
お客さまの化粧品を選択する基準として、
“即効性の高い本物”
への志向と
“十分に時
間をかけて気持ちのいい時間を過ごすスローライフ”
への志向が強まっており、購買パ
ターンもセルフとカウンセリングに二分化する傾向にあります。このような市場トレンドを
踏まえ、資生堂はチャネルの特性に合わせた売場展開や新機能商品の投入を積極的に
推進しています。
主力のカウンセリング市場においては、抗老化分野に対し集中的に高機能商品を
投入するとともに、ポスト団塊ジュニア世代といわれる20代に向け新ブランドを投入し
ました。
市場が拡大する抗老化分野においては、肌賦活効果に焦点を当
てた
「エリクシール」が伸長したほか、純粋レチノール配合の新機能
マスク
「リバ イタル リンクルリフト レチノサイエンス AA」
と
「ベ ネ
フィーク レチノサイエンスA EX」がその効果実感の高さにより、
計画を上回る実績を残しました。また、20代に向けて、
“見て分か
るキレイ”
を訴求した2003年10月発売の新ブランド「ビューティー ボ
ルテージ」が大きな支持を得ました。
ハリのない目もとを集中ケアし、若々しくしなやか
に弾む肌へ導く薬用マスク「リバイタル リンクルリ
フト レチノサイエンスAA」
。
一方、競争が激化するセルフ市場においては、ドラッグストアを
中心に明快な機能と選択し易さを訴求したブランドやシリーズを
導入しました。10代後半から20代前半女性の
“変化しやすい肌状態”
に着目した新薬用化粧水「オードレシピ」
を、また抗老化分野にお
いては
“特濃”
シリーズ「アスプリール グレイシィリッチ」を発売し、
新たなお客さまとの出会いを着実に拡大しました。
さらに“即効変身”
をコンセプトに2003年7月に発売した新ブラン
ド「マジョリカ マジョルカ」が新しいトレンドを生み出し、若い女性
の圧倒的な支持を獲得しました。
資生堂では、今後もお客さまの化粧意識や購買志向の変化を踏
若い女性向けの「マジョリカ マジョルカ」
。一瞬にして
変身できる演出効果を持ったメーキャップブランド。
20
まえた新しい価値創造を実現していきます。
価値伝達力の強化
お客さま・チャネル・商品の結びつきが多様化しつつある中で、商品価値がお客さまに
確実に届くよう、従来のマーケティングの仕組みを抜本的に見直しています。
具体的には、お客さま一人ひとりとの絆の強化に向けて、チャネル特性に合わせたブラ
ンドを配置する一方、重点ブランドに集中し、ブランドパワーの一層の強化を図っています。
また、
「資生堂オンラインシステム」
の導入、
「花椿CLUB」
のお客さまサービス見直しなど、
一人ひとりのお客さまによりきめ細かな情報提供やアフターフォローを実現する仕組みも取り
入れています。
コミュニケーション面では、
「スキンケアハウス資生堂」
の理念に基づき、安心・安全志向
に対応した情報発信や、季節や肌ニーズをとらえた美容法の啓蒙など、
「すべてのお客さま
の肌をいい肌へ、生涯にわたって後押しする」
活動を全社一体となって推進しています。
今後もこのように、創造した価値がお客さまに確実に伝達され、資生堂の支持向上につ
ながる仕組みの一層の充実を目指していきます。
海外化粧品事業
海外化粧品事業においては、従来からの
「ハイ・クオリティ」
「ハイ・イメージ」
「ハイ
・サービス」
を継続的に追求しつつ、各国ごとに売上成長と損益改善の優先
順位を明確化した国別の戦略を推し進めました。同時に、アメリカ、ヨーロッパ、
アジアの3地域本社体制を解消し、本社と海外子会社間の意思伝達スピードを
速めるなど、海外子会社経営の効率化に努めました。
また、物流面では、海外子会社の情報システムとロジスティクスの整備を行う
グローバル男性用スキンケアブランド「シセイドウメン」
。
「グローバル・サプライチェーン・マネジメント改革」
に取り組んでいます。
海外における主力ブランドである
「
」
ブランドは、中核ラインとなる
「資生堂ザ・スキンケア「
」資生堂ベネフィアンス」
の育成を強化するとともに、高機
能商品
「資生堂フューチャーソリューション」
の愛用者拡大を図りました。また、
国内で大ヒットした
「イニシオ ボディークリエイター」
の海外向け商品を市場投入し、
ボディー市場で新たな愛用者を獲得しました。さらに、男性の化粧意識の高まり
をとらえた本格メンズスキンケアライン
「シセイドウメン」
をヨーロッパから先行導入
「ボーテ・プレステージ・インターナショナル
(BPI)
」
の女性用デザイナーズフレグランスブランド
「ナルシソ・ロドリゲス for her」
。
し、男性に対するスキンケアの啓蒙を図るとともに、愛用者獲得に努めています。
一方、セルフ市場では、アジアのミドルマス市場において、
「Za
(ジーエー)
「
」ピュアマイルド」
の導入・育成を強化し、さらなる市場開拓に向けた基盤の確立を図りました。
全世界でフレグランスビジネスを展開する
「ボーテ・プレステージ・インターナショナル
(BPI)
」
では、2003年秋に第3のデザイナーズブランド
「ナルシソ・ロドリゲス for her」
(女性用フレグ
ランス)
をアメリカ、カナダ、イギリス、スペインの4カ国で先行発売しました。
ZIRH(男性用高級スキンケアブランドの販売会社)
では、ライセンスブランド
「フレンチ
コネクションUK(ユーケー)
」
を全世界16カ国で発売し、好調な売上を確保しています。
21
トイレタリー事業
資生堂グループ商品の愛用者拡大の尖
兵を担う当事業では、市場競争力のある
トリプル効果アミノ酸配合で、ダメージヘアでも美し
くヘアスタイルがきまり、長時間持続するスタミナ系
スタイリング「アミーチェ」
。
高品質商品を数多く導入し、多くのお客さ
まに資生堂商品の価値を実感していただ
く活動に努めています。
国内では、主力カテゴリーのヘアケア分野において、
“うるおい補給”
で評価の高い
「水分ヘアパック」
に詰替品を配置したほか、
“持続型スタイリング”
を実現する新ヘアス
タイリングブランド「アミーチェ」を導入しました。2004年2月には資生堂のスキンケア
3つの美容液成分配合で、乱れ
た髪のきめを整え、指先をすべり
ぬける、なめらかな髪の感触を
実現するヘアケアブランド
「フィーノ プレミアムタッチ」。
テクノロジーを結集した
“髪のきめを整える”新価値シャンプー「フィーノ」を新たに発売
しました。
また、長期的視点でのブランドや商品育成を狙い、広告宣伝やサンプリングを中心
とする
「価値訴求マーケティング」を展開しています。営業面では、流通と協働した売
場展開や提案性の高い営業活動を通じて、顧客接点拡大に力を注いで
います。
海外では、韓国、台湾において引き続き事業基盤の整備を進めました。
さらに、2003年8月、中国にグローバルヘアブランド「アクエア」を導入す
るなど、新たな市場も開拓しています。
今後も、主力カテゴリーに集中したマーケティングと営業活動を推進し、
収益性の高い事業基盤の確立を目指すとともに、グローバル展開による
うるおい補給で高い評価を得ている「水分
ヘアパック」。
成長性確保に努めていきます。
ビューティーフーズ事業
医薬品事業
ヘルス&ビューティーケアの観点から、化粧品専門店
一般用医薬品の乾燥肌対策ブランド「フェル
と組織小売業の両チャネルに対し化粧品と連動したマー
ゼア」
およびシミ
・ソバカス改善剤
「ホワイシス」
に加
ケティングを積極的に展開しました。美容と健康により
えて、抗老化の保健機能食品
「Q10AA」
シリーズ
重点を置いた商品開発を進め、専門店へ
など主力ブランドへの経営資源の集中と提案営
は「ベネフィーク サプリケア」を、組織小
業力の強化を進め、売上をさらに拡大します。
売業へはサプリメント
「たすけてサプリ」
をそれぞれ発売し、売上拡大を図りま
した。
また、セルフ・メディケーシ
ョンの時代を迎え、今後は
「治療」
に加えて
「未病・予防」
今後も健康食品の成
の領域にも積極的に取り組
長領域であるドラッグス
んでいきます。
トア等の組織小売業向け
商品を中心に積極的な
展開を進めます。
22
化粧品専用ブランド「ベネフィーク」の美容
食品「ベネフィーク サプリケア」
。
コエンザイムQ10を配合し
細胞レベルで美容と健康
を考える
「Q10AA+HA」
。
プロフェッショナル事業
プロフェッショナル事業では、国内外の関連ビジネ
スそれぞれの強みを活かしつつ、市場競争力の強化
に努めています。国内では、成長分野のヘアカラー市
場において「レシピスト」、「トップスタッフ」の2ブランド
を 育 成 する一 方、業 務 用スタイリング 剤「デ ザイン
フレックス」、縮毛矯正剤「クリスタライジング」を発売、
新規サロンに対する積極的な営業を展開しました。
業務用縮毛矯正剤
「クリスタライジング」
。
また、2004年1月より国内スパ事業に本格参入し、2月
には新宿・伊勢丹に、スパ用化粧品の世界トップ・ブラン
ド、仏
「デクレオール」
の直営サロンをオープンしました。
都市型複合スパサロン「ISETAN
BEAUTY PARK」。伊勢丹と資生
堂グループのコラボレーションによる
ヘアサロン、エステサロン、スパサロン
を併せた複合サロン。
ここを情報発信拠点に一層の市場拡大を図っていき
ます。
海外では、すでに進出しているマレーシアやタイを
含むアジア7カ国において、日本からの情報発信と高
機能商品を軸に積極的な市場開拓に取り組みました。
また中国においても、資生堂グループの経営資源を
活用した拠点づくりに取り組み、早期に事業基盤を築いていきます。
このほか、米ゾートス社、仏デクレオール社、仏カリタ社の海外事
業会社については各社の連携を強化し、欧米市場を中心にそれぞ
れの商品・チャネルを相互に活用した事業拡大を推進しています。
ファインケミカル事業
化粧品で培った研究開発力を発展させた、粉体表
面処理技術から生まれた液体クロマト分野と、化粧
品用素材の用途を拡大したマテリアル分野における
事業展開を進めています。
クロマト分野では、医療と環境分野に特化して、
微量成分分析装置
「ナノスペースSI−2」
・カラム
「カプ
セルパック」
の市場への浸透を進めています。マテリア
ル分野では、
「バイオヒアルロン酸」
などを中心に薬品
シリカゲル系充填剤の優れた分離特性と、
ポリマー系充填剤の高い化学的安定性を
併せ持つ画期的なHPLCカラム「カプセル
パック」。
や高機能化粧品の原料の販路拡大を進めています。
23
グローバル・ネットワーク
(2004年3月31日現在)
事業名
生産・販売
親会社
連結子会社
海外(51社)
(株)
資生堂
国内(40社)
アメリカ
(13社)
生産
(*は販売も含む)
鎌倉工場
掛川工場
大阪工場
板橋工場
舞鶴工場
化粧品事業
販売ほか
生産
久喜工場
トイレタリー
事業
販売ほか
資生堂販売
(株)
資生堂フィティット
(株)
資生堂アジアパシフィック
(株)
(株)
ディシラ
(株)
エテュセ
(株)
アユーラ ラボラトリーズ
(株)
インターアクト
ボーテプレステージ
インターナショナル
(株)
(株)
資生堂インターナショナル
(株)
アクス
(株)
オービット
(株)
キナリ
(株)
ビューティーテクノロジー
台資商事
(株)
(株)
フルキャスト
資生堂リテールサポート
(株)
資生堂インターナショナル
コーポレーション
資生堂コスメティックス
(アメリカ)
資生堂オブ・ハワイ
資生堂カナダインコーポレーテッド
資生堂ブラジル
デクレオール アメリカ
ナーズ コスメティックス
ザー インターナショナル
ボーテプレステージ
インターナショナル(マイアミ)
資生堂大昌行化粧品有限公司
資生堂大昌行化粧品
(広州)
有限公司
北京花之友化粧品販売中心
法 麗国際股 有限公司
韓国資生堂
資生堂シンガポール
資生堂タイランド
サハ・アジア・パシフィック
資生堂オーストラリア
資生堂
(中国)
研究開発中心
有限公司
(ほかに親会社1工場)
台湾芳 絲股 有限公司
パエディア カナダリミテッド
資生堂美容室(株)
資生堂ビューティーカンパニー(株)
(株)
ジェニック
(株)資生堂パーラー
資生堂ビューティーフーズ(株)
(株)ザ・ギンザ
資生堂ショッパーズクラブ(株)
資生堂薬品(株)
資生堂開発(株)
資生堂物流サービス
(株)
資生堂情報ネットワーク
(株)
資生堂アステック
(株)
(株)求龍堂
資生堂リース
(株)
資生堂インベストメント
(株)
4社
2社/2工場
ジョイコ ホールディング
ジョイコ ラボラトリーズヨーロッパ
PTプラナ・デワタ・ウブド
19社
15社/17工場
6社/6工場
3社/3工場
2社/3工場
4社/5工場
(ほかに親会社6工場)
販売ほか
34社
10社
20社
12社
76社
計
40社
13社
22社
16社
91社
研究開発拠点
6工場
53社
1社/1工場
(株)
ミュウプロダクツ
資生堂医理化テクノロジー
(株) ゾートスインターナショナル
インコーポレーテッド*
販売ほか
リサーチセンター (株)
ジェニック
(新横浜)
リサーチセンター
(金沢八景)
ビューティサイエン
ス研究所・ビューテ
ィークリエーション
研究所
(3拠点)
24
資生堂ヨーロッパ
資生堂コスメティチ
(イタリア)
資生堂ドイチュラント
資生堂フランス
資生堂ユナイテッドキングダム
資生堂エスパーニャ
ボーテプレステージインターナショナル
ボーテプレステージインターナショナル
(イタリア)
ボーテプレステージインターナショナル
(スペイン)
ボーテプレステージインターナショナル
(ドイツ)
ボーテプレステージインターナショナル
(オーストリア)
レ・サロン・デュ・パレロワイヤル
シセイドー
カリタ
カリタインターナショナル
フィパル
SMB
ノム デュコード
331インターナショナル
(株)エフティ資生堂
資生堂アメニティグッズ(株)
(株)
プリエ
その他事業
合計
(91社)
資生堂アメリカインコーポレーテッド 資生堂インターナショナルフランス 台湾資生堂股 有限公司*
ダブリンインダストリーズ
(ジアン、バル・ド・ロワール/2工場)
(中 、新竹/2工場)
12社/14工場
インコーポレーション
ラボラトワール デクレオール*
資生堂麗源化粧品有限公司* (ほかに親会社5工場)
上海卓多姿中信化粧品有限公司*
資生堂ニュージーランド*
生産
合計
アジア・オセアニア
(16社)
(株)
資生堂ビューテック
(株)
エトバス
(株)
イプサ*
(株)
原町製紙所
(*は販売も含む)
生産
ヨーロッパ(22社)
資生堂アメリカインコーポレーテッド 資生堂ヨーロッパテクノセンター
(資生堂ヨーロッパ内)
ゾートスインターナショナル
資生堂インターナショナルフランス
インコーポレーテッド
(バル・ド・ロワール工場内)
資生堂アメリカテクノセンター
ラボラトワール デクレオール
(ゾートスインターナショナル
インコーポレーテッド内)
(1拠点)
(2拠点)
(3拠点)
資生堂(中国)研究開発中心
有限公司
「国内」
4拠点
「海外」
3カ国6拠点
(1拠点)
6 年間の財務サマリー
株式会社資生堂及び連結子会社
1999年3月期∼2004年3月期
1999
経営成績(会計年度)
売上高 ................................... ¥604,295
売上原価................................
203,380
販売費及び一般管理費 .........
365,553
営業利益................................
35,362
当期純利益(損失)
..................
10,332
財政状態(会計年度末)
流動資産................................ ¥314,283
総資産 ...................................
613,970
流動負債................................
143,162
短期借入金
(1年以内に返済期限の到来する
.................
6,056
(長期借入債務含む)
長期借入債務 ........................
30,138
株主資本................................
408,839
百万円
(注2)
千米ドル
(一株当たり情報を除く)
(一株当たり情報を除く)
2000
2001
2002
2003
2004
2004
¥596,643
196,760
361,887
37,996
15,294
¥595,152
202,510
360,351
32,291
(45,092)
¥589,962
200,194
364,196
25,572
(22,768)
¥621,250
212,963
359,294
48,993
24,496
¥624,248 $5,674,984
209,043 1,900,394
376,153 3,419,567
39,052
355,023
27,541
250,374
¥323,305
657,425
188,415
¥319,075
665,247
162,314
¥304,832
664,041
157,545
¥305,850
663,403
184,171
¥264,175 $2,401,593
626,730 5,697,549
176,609 1,605,534
34,123
6,021
431,721
16,642
50,544
361,696
25,685
72,485
345,667
55,117
44,291
353,466
47,678
18,480
374,550
433,439
168,000
3,404,998
$0.59
8.22
0.20
一株当たり情報
(円、
ドル)
(注1)
..........
当期純利益(損失)
株主資本(注1)
..........................
配当金 ...................................
期中平均株式数
(千株)
...........
¥24.5
980.0
14.0
420,877
¥36.7
1,040.0
16.0
416,752
¥(106.8)
868.1
16.0
422,097
¥(54.6)
818.0
16.0
416,708
¥58.0
844.7
20.0
419,580
¥64.9
903.7
22.0
414,723
主な財務指標
...........
売上高営業利益率
(%)
売上高当期純利益率
(%)
.......
総資産当期純利益率
(ROA)
(%)
...
株主資本当期純利益率
(ROE)
(%)
..
株主資本比率
(%)..................
流動比率
(倍)........................
デット・エクイティ
・レシオ
(倍)
....
(注3)
配当性向
(%)
...................
5.9
1.7
1.7
2.5
66.6
2.20
0.09
45.1
6.4
2.6
2.4
3.6
65.7
1.72
0.09
38.8
5.4
(7.6)
(6.8)
(11.4)
54.4
1.97
0.19
—
4.3
(3.9)
(3.4)
(6.4)
52.1
1.93
0.28
—
7.9
3.9
3.7
7.0
53.3
1.66
0.28
77.8
6.3
4.4
4.3
7.6
59.8
1.50
0.18
57.9
注:1. 一株当たり当期純利益
(損失)
は、期中平均株式数に基づき、一株当たり株主資本は期末株式数に基づき計算しております。
なお、一株当たり当期純利益
(損失)
は、潜在株式調整前数値に基づいて計算しております。
2. 米ドル表示は便宜上のものであり、概算為替レートである1米ドル=110円で換算しております。
3. 配当性向は単独ベースとなっております。
当期純利益
(損失)
・ROE
営業利益・営業利益率
総資産・総資本事業利益率(事業ROA*)
(億円)
500
(%)
10
300
(%)
9
400
8
200
6
(億円)
300
6
100
3
200
4
0
0
100
2
-250
0
-500
0
2000 2001 2002 2003 2004
営業利益
営業利益率
-10
2000 2001 2002 2003 2004
当期純利益(損失)
ROE
-20
8,000
(%)
8
6,000
6
4,000
4
2,000
2
(億円)
0
2000 2001 2002 2003 2004
総資産
0
ROA
*事業利益:営業利益+受取利息及び配当金
25
経営の概況
業績概況
ました。これは、主に退職給付費用が増加したことに加
営業概況
え、オフィスの再配置費用が発生したことによるものです。
2004年3月期の業績は、売上高が前期に比べて2,998
百万円
(0.5%)増収の624,248百万円となったものの、営
販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、2.4ポ
イント上昇して60.2%となりました。
業利益は退職給付費用の増加やオフィス再配置費用の発
売上原価、販売費及び一般管理費に含まれている研究
生により、前期に比べ9,941百万円
(20.3%)減益の39,052
開発費は1.6%増加して17,594百万円となり売上高に対す
百万円となりました。当期純利益は、その他の損益に米
る比率は2.8%となりました。
国子会社の無形固定資産減損損失や米国事業における
■ 売上原価率・販売管理費率
構造改革費用を計上しましたが、厚生年金基金の代行部
分返上益を計上したことにより前期に比べ3,045百万円
(%)
37
(%)
63
36
62
(12.4%)増益の27,541百万円となりました。当期の円の
35
61
平均為替レートは、前期に比べ、米ドルに対して約8%円
34
60
高、ユーロに対しては約11%の円安となりました。
33
59
32
58
31
57
売上高
56
30
2000 2001 2002 2003 2004
売上高は、前期に比べて0.5%増収の624,248百万円と
なりました。このうち、国内売上は前期に比べ1.1%の減
売上原価率(左軸) 32.9
販売管理費率(右軸) 60.7
34.0 34.0
60.6 61.7
34.3
57.8
33.5
60.2
収でした。これは、個人消費の停滞、冷夏の影響に加
えて、上半期にインパクトのある新製品の市場投入がな
かったことによるものです。一方、海外ではイラク戦争
や新型肺炎SARSの流行などが影響しましたが、現地通
営業利益
営業利益は、前期の48,993百万円に対し20.3%減益の
39,052百万円となりました。
貨ベースの売上高で前期に比べ4.9%増収、円換算した
金額で5.3%の増収となりました。
その他の損益
■ 売上高・海外売上高比率
当期の業績におけるその他の損益は、前期の11,904百
7,500
(%)
30
5,000
20
(億円)
万円の費用
(純額)
に対し、13,683百万円の収益
(純額)
と
なりました。
受取利息及び配当金から支払利息を差引いた金融収支
の純額は、前期の1,430百万円の費用に対し、1,054百万
2,500
10
円の費用となりました。また、遊休不動産の処分を引き続
き進めており、固定資産売却益は、前期より1,644百万円
0
0
2000 2001 2002 2003 2004
売上高
5,966 5,952 5,900 6,213 6,242
海外売上高比率 14.7 17.9 22.4 24.8 26.0
増加の3,026百万円となっております。持分法投資損益は、
前期の922百万円の損失に対し、当期は1,073百万円の損
失となりました。
(株)
資生堂および一部の国内連結子会社は、当期に厚
売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、当期も生産・物流の効率化に努めた結果、
前期に比べ3,920百万円
(1.8%)
減の209,043百万円となり、
売上高に対する売上原価の比率も0.8ポイント低下して
33.5%となっております。販売費及び一般管理費は前期
に比べ16,859百万円
(4.7%)
増加し、376,153百万円となり
生年金基金の代行部分の返上益26,732百万円を計上して
おります。無形固定資産減損損失は、米国子会社の営業
権および商標権について減損判定した結果生じたもので
あり、4,194百万円を計上しております。構造改革費用は、
米国において事業の存廃や製造・販売・経営管理のすべて
の面から事業推進体制を見直したことによって発生した費
用であり、4,120百万円を計上しております。
26
税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前期の37,089百万円から
42.2%増加し、52,735百万円となりました。
旅行者減少に伴いボーテ・プレステージ・インターナショナル
(BPI)
のトラベルリテールビジネスも苦戦を強いられたもの
の、SARSの影響が一巡した下半期に中国を中心とする
アジアの売上が成長性を回復したことによるものです。
法人税等
当期の法人税等は、前期の10,572百万円から118.8%
増加し、23,134百万円となりました。
化粧品事業の営業利益は、国内における売上の伸び
悩み、退職給付費用とオフィス再配置に伴う費用の増加、
下半期の販売促進費用追加投入などにより、前期に比べ
14.6%減益の47,852百万円となりました。
少数株主利益
少数株主利益は、前期の2,021百万円に対し、当期は
2,060百万円となりました。
トイレタリー事業
トイレタリー事業の売上高は、前期に比べ4.1%減収の
66,397百万円となりました。国内ヘアケア市場における
当期純利益
メーカー間の競争が激化し、上半期には冷夏の影響も見ら
この結果、当期純利益は、前期の24,496百万円から
れるなど、市場環境は引き続き厳しく推移しました。こう
12.4%増加し、27,541百万円となりました。一株当たり当期
した環境下、資生堂は小売店の店頭における売上拡大を
純利益は、前期の58.0円に対し、64.9円となりました。株主
図るべくカテゴリーとブランドの集中化に取り組み、主力
資本当期純利益率
(ROE)
については、前期の7.0%から0.6
ブランドにおいてはカテゴリーNo.1に向けた価値訴求型
ポイント上昇の7.6%となりました。
マーケティングを推進しました。主力カテゴリーの強化を
狙い、資生堂のスキンケア・テクノロジーを結集した新価値
事業別セグメントの状況
ヘアケアブランド
「フィーノ」
も導入しました。また、新たな
化粧品事業
取り組みとして、流通との協働体制のもとで店頭活性化を
化粧品事業の売上高は、前期に比べ1.6%増収の489,587
百万円となりました。
国内化粧品売上は前期に比べ1.0%の減収となりました。
当期も、資生堂は経営改革の一環として重点ブランドへ
の集中、専門店への提案型営業、組織小売業への取り組
み強化などを積極的に推進しました。下半期には新製品
図る営業改革にも力を入れました。この結果、主力ブラン
ドの一部には好転の兆しも見えてきましたが、全体として
は減収となりました。
一方、海外では新たに中国への輸出を開始し、中国の
高価格ヘアケア商品市場に参入しております。
トイレタリー事業の営業利益は、売上の減少に加えて、
や広告宣伝を追加投入し、店頭の活性化を図りました。
退職給付費用も増加したことにより、前期に比べ84.4%減
この結果、店頭売上は下半期に回復傾向を示しましたが、
益の433百万円となりました。
上半期の低迷が影響し、年間では前期実績を若干下回
りました。
カウンセリング主体のプレステージ領域においては、
主力ブランドを中心にスキンケアが堅調に推移したほか、
その他の事業
その他の事業の売上高は、前期に比べ2.7%減収の
68,264百万円となりました。
専門店専用ブランドも高伸長を持続しました。セルフセレ
国内売上は前期に比べ1.9%の増収となりました。理・
クションのミドル領域ではスキンケア、メーキャップが下半
美容室向けのプロフェッショナル事業においては、市場全
期にかけて持ち直しましたが、期を通じて男性用が苦戦
体が伸び悩む中でヘアカラーやストレートパーマの重点ブ
したことなどにより、全般的には低調な実績となりました。
ランドの育成に努めましたが、全体としては厳しい市場環
海外化粧品売上は、前期に比べ現地通貨ベースで
境の影響を受けました。一方、主力の重点商品や新製品
6.9%、円換算後でも8.5%の増収となりました。これは、
が好調に推移した医薬品事業、化粧品ブランドとの連携策
欧州景気の低迷、イラク戦争の心理的影響に加えて、
を積極展開した美容食品が好調に推移したビューティー
新型肺炎SARSの流行が一部の地域を直撃したほか、
フーズ事業などは売上を伸ばしました。
27
海外売上は前期に比べ12.6%の減収となりました。そ
営業利益は、売上の伸び悩みと退職給付費用の増加、
のほとんどを占める北米ゾートス社の売上は米国サロ
オフィスの再配置費用の発生により、前期に比べ11,273
ン市場における競争激化の影響を受けたほか、2001年
百万円
(21.4%)減益の41,451百万円となりました。
末に買収し2003年1月に吸収合併したジョイコ
(JOICO)
製品の生産統合に時間がかかったこともあり、前期を下
アメリカ
現地通貨ベースの売上高は増収となりましたが、
ドルに
回りました。
その他の事業の営業利益は、各事業とも効率的な費用
対して円高が進んだことで、円換算後の売上高は、前期に
支出に努めた結果、前期より0.2%減益の2,923百万円と
比べ1,862百万円
(4.1%)
減収の43,523百万円となりました。
ほぼ前期の水準を維持しました。
営業利益は、販促費用の強化等により、前期に比べ2,062
百万円
(92.6%)
減益の164百万円となりました。
■ 事業別売上高
(億円)
7,500
欧州
ユーロに対して円安が進んだことで、円換算後の売上
5,000
高は、前期に比べ6,714百万円
(10.2%)増収の72,464百
万円となりました。営業利益は、売上増による売上総利
2,500
益の増加により、前期に比べ1,519百万円
(70.7%)増益の
3,668百万円となりました。
0
2000
2001
2002
2003
2004
化粧品
トイレタリー
その他
4,414 4,541 4,600 4,819 4,896
916
764
640
692
664
636
647
660
702
682
アジア・オセアニア
合計
5,966 5,952 5,900 6,213 6,242
前期に比べ2,030百万円
(5.0%)増収の42,974百万円とな
中国を中心とするアジアの売上が順調に伸び、売上高は、
りました。営業利益は、売上増による売上総利益の増加
■ 事業別営業利益率
により、前期に比べ1,254百万円
(26.8%)
増益の5,925百万
(%)
12
円となりました。
8
■ 所在地別売上高(在外)
4
(億円)
2,0000
0
1,600
-8
化粧品
トイレタリー
その他
2000
2001
10.4
4.0
1.0
9.0
1.5
2.0
2002
2003
2004
8.6 11.5
(7.0) 4.0
2.6
2.5
9.7
0.6
2.6
1,200
800
400
0
所在地別セグメントの状況
所在地別セグメントの業績は、次のとおりです。
日本
化粧品事業およびトイレタリー事業での売上伸び悩みに
より、売上高は、前期に比べ3,883百万円
(0.8%)
減収の
465,287百万円となりました。
28
2000
2001
2002
2003
2004
アメリカ
226
403
欧州
アジア・オセアニア 238
312
448
289
389
568
342
454
658
409
435
725
430
合計
867 1,049 1,299 1,521 1,590
■ 所在地別営業利益率(在外)
なお、2004年5月26日に、(株)資生堂が2007年5月償還
(%)
16
の無担保社債50,000百万円を発行しております。
また、グローバルな資本市場から円滑な資金調達を
12
行うため、ムーディーズ・インベスターズ・サービス
(以下
8
「ムーディーズ」)およびスタンダード&プアーズ(以下
4
「S&P」)の2社より格付けを取得しております。2004年5
0
月末現在の債券格付け(長期/短期)
は、ムーディーズ:
-4
2000
2001
2002
2003
2004
A1(見通し:安定的)
/P-1、S&P:A(見通し:安定的)
/
アメリカ
5.9
4.4
欧州
アジア・オセアニア 11.5
5.6
2.7
10.8
(0.1) 4.1
2.6
3.1
9.7 11.3
0.3
4.8
13.7
A-1となっております。
※所在地別営業利益率は、セグメント間の内部売上高を含めた売上高
に対するものです。
資産および負債・資本
2004年3月期末の総資産は、前期末に比べ36,673百万
円
(5.5%)減少の626,730百万円となりました。流動資産
流動性と資金の源泉
は、前期末に比べ41,675百万円
(13.6%)減少の264,175百
資金調達と流動性マネジメント
万円となりました。流動資産項目のうち、有価証券は、
資生堂は、事業活動のための適切な資金確保、適切な
44,962百万円
(66.8%)減少の22,349百万円となりました。
流動性の維持、および健全な財政状態の維持を目指し、
投資その他の資産は、前期末に比べ28,822百万円
安定的な営業キャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達
手段の確保に努めております。
(41.4%)増加の98,498百万円となりました。投資有価証
券は11,257百万円
(24.6%)
増加の56,966百万円、その他の
運転資金、設備投資資金および投融資資金について
投資は14,204百万円
(65.7%)
増の35,810百万円となりまし
は、主に手元の資金と営業活動からのキャッシュ・フロー
た。有形固定資産
(減価償却累計額控除後)
は、前期末に
に加え、借入や債券の発行により調達しております。
比べ4,010百万円
(2.3%)
減少の167,645百万円となりました。
2004年3月31日現在、現金及び預金、有価証券の総額
当期の有形固定資産増加額
(設備投資額)
は、前期に比
は61,554百万円であります。また、各地域の資金需要に
べ4,578百万円
(25.7%)
増加の22,362百万円となりました。
対応するため、2004年3月31日現在、米国子会社が1億米
一方、繰延税金資産は、14,388百万円
(32.2%)減少の
ドルのコマーシャル・ペーパー
(以下「CP」)発行枠
(全額使
30,344百万円となりました。
用中)
、(株)資生堂及び欧米子会社2社を発行体とするミ
当期末の流動負債および固定負債合計は、前期末に比
ディアム・ターム・ノート
(以下「MTN」)発行枠3億米ドル
(未
べ57,280百万円
(19.2%)
減少の241,394百万円となりました。
使用枠98,262千米ドル)
を有し、メインバンクを中心とする
当期末の長短借入債務を合わせた有利子負債残高は、
取引金融機関との関係も良好であり、資金調達基盤は安
33,250百万円
(33.4%)
減少の66,158百万円となりましたが、
定しております。
これは
(株)
資生堂発行の国内無担保社債30,000百万円が
また、2004年3月31日現在、短期借入金の残高は17,942
2003年10月に償還を迎えたことによるものです。退職給付
百万円で、借入金と米国子会社発行のCPから構成され
引当金は、厚生年金基金の代行部分の返上により22,505
ております。1年以内に返済期限の到来する長期借入債
百万円
(35.6%)
減少しました。
務の残高は29,736百万円で、(株)資生堂発行の無担保社
当期末の資本は、前期末に比べ21,083百万円
(6.0%)
債20,000百万円
(2005年1月償還)
と米国および欧州子会
増加の374,550百万円となりました。これは、利益剰余
社発行のMTNから構成されております。また、長期借入
金の積上げおよび保有株式の上昇によるその他有価証券
債務の残高は18,480百万円で、主に借入金と欧米子会社
評価差額金の増加等によるものです。なお、当期末の株主
発行のMTNから構成されております。2004年3月31日現
資本比率は、前期末の53.3%から59.8%に上昇しました。
在の長短借入債務を合わせた有利子負債残高は、66,158
百万円です。
29
■ 営業活動によるキャッシュ・フロー・
■ 固定資産投資(有形+無形)
■ 株主資本・株主資本比率
5,000
(%)
70
4,000
65
3,000
60
2,000
55
1,000
50
(億円)
(億円)
800
600
400
0
200
45
2000
2001
2002
2003
株主資本
4,317
株主資本比率 65.7
3,617
54.4
3,457 3,535 3,746
52.1 53.3 59.8
0
2004
キャッシュ・フロー
当期の営業活動においては、前期より19,774百万円
営業キャッシュフロー
固定資産投資
2000
2001
2002
2003
2004
343
359
5
403
365
259
668
220
471
280
研究開発活動
資生堂の研究開発活動は、神奈川県横浜市内2カ所の
(29.6%)少ない47,074百万円の現金及び現金同等物を
リサーチセンター、東京都品川区の2つの研究所をはじめ、
獲得しました。これは、主に法人税等の支払額が13,628
米国
(東海岸)
、欧州
(フランス)
、アジア
(中国)
に設置した
百万円と前期より11,625百万円増加したことによるもの
研究開発拠点がグローバルレベルでの連携を図って推進
です。
しています。特に、今後さらに市場拡大が見込まれる中国
当期の投資活動においては、前期に比べ1,015百万円
における研究開発を強化してきました。その成果として、
(2.3%)少ない43,033百万円の現金及び現金同等物を使
2004年3月、中国・広州市で開催された
「2004年中国化粧品
用しました。当期は、既存設備の改修・更新に加えて、オ
学術研討会」
において、資生堂の発表が1∼3等賞をトリプル
フィス再配置に伴う有形固定資産の取得や、出資金払込
受賞しました。
による支出等がありました。
当期におけるグループ全体の研究開発費は17,594百万
当期の財務活動においては、前期に比べ33,673百万円
円であり、各事業別の研究の目的、主要課題、研究成果
(275.7%)
多い45,884百万円の現金及び現金同等物を使
および研究開発費は、次のとおりであります。なお、基礎
用しました。主に国内の無担保社債30,000百万円の償還
研究などの各事業に配分できない費用4,391百万円が含
によるものです。当期においても、引き続き株主還元を重
まれております。
視し自己株式を5,150百万円取得したほか、配当金を8,735
百万円支払いました。
以上の結果、為替相場変動の現金及び現金同等物に
■ 研究開発費・売上高研究開発費比率
200
(%)
4
150
3
100
2
50
1
(億円)
対する影響額を加味した現金及び現金同等物の期末残
高は、前期末に比べ41,739百万円
(41.3%)
減少し、59,364
百万円となりました。
0
30
0
2000
2001
2002
2003
2004
研究開発費
155
168
170
173
176
売上高研究
開発費比率
2.6
2.8
2.9
2.8
2.8
化粧品事業
業績見通し
より美しい肌、美しい生活を実現することを目的に、基
資生堂を取り巻く市場環境は、国内・海外とも依然楽
礎的な皮膚科学の研究から化粧品原料素材の開発、製品
観できない状況にあります。その中で、資生堂はグルー
の開発、美容法、美容理論の開発に至るまでの研究開発
プ一丸となって引き続き経営改革を進め、店頭基点の仕
を推進しています。当期には、肌あれの原因酵素を吸着し
組みを最大限活用するとともに、競争優位を確立するた
肌あれを防止する
「スキンケアパウダーSCZ」
をさらに進化
めの市場への投資を増強させます。
させ、毛穴、小じわといった肌の凹凸を目立たなくするとと
2005年3月期は、国内において当期下半期に見られた
もにしみ、ソバカスなどの肌の色ムラを自然に隠す効果を
売上回復の動きを確実なものとすべく、化粧品事業を中
持つ
「美肌パウダー」
を開発しました。この画期的技術は、
心としてコンスタントに新製品を投入するとともに、広告
若年層向け新スキンケアブランド
「ビューティー ボルテージ」
宣伝・施策を質、量とも充実させ、さらに販売第一線の
に応用されています。また、ナノテクノロジーを用いた最新の
人員増強を行います。一方、海外事業については、
粉体合成技術である
「形態制御被覆技術」
を用いて、光を
SARSや戦争の影響がなくなることによる市場の好転を
制御し立体感を演出する高機能パール剤を配合した
「プラ
見込むことに加えて、マーケティング費用を中国等の戦略
ウディア」新ファンデーションを発売しました。
市場に積極投入することにより、アジアを中心に成長加
当事業に関わる研究開発費は9,985百万円であります。
速を図ります。
このような背景から、2005年3月期は広告宣伝・施策関
トイレタリー事業
連の販促費や人件費等の投資的費用を戦略的かつ大幅
化粧品開発の技術を最大限に活用し、低コスト、高品質
に増加させてまいります。一方で、売上の伸長に伴う利
な製品の開発に努めています。当期には、髪を本質から
益増と代行返上等による退職給付費用の軽減は見込み
美しく変えるために「髪のきめ」に着目して研究を進め、
ますが、これを上回る投資的費用の増大により一時的な
ローヤルゼリーEX(保湿成分)、PCA(ひきしめ成分)、
増収減益を計画しております。連結売上高は6,450億円
リピジュアEX(補修成分)
といった3つの美容液成分を配
(前期比3%増)
、営業利益は250億円
(同36%減)
、当期純
合した新ヘアケアブランド「フィーノ」を発売しました。ま
利益は120億円
(同56%減)
と見通しております。
た、セット樹脂と感触向上剤の2層コート技術により
「高
なお、業績見通しの前提となる日本の実質GDPは2%
いセット力・キープ力」
と
「ごわごわしない・フレーキングし
台のプラス成長と見ております。化粧品の需要動向として
ない」を両立する高機能ヘアスプレーを開発し、これを新
は、経済産業省の化粧品出荷統計ベースで微増を想定し
ヘアスタイリングブランド「アミーチェ」
に応用しています。
ております。また、主な為替レートは105円/米ドル、125
当事業に関わる研究開発費は1,193百万円であります。
円/ユーロ、13円/中国人民元で計画を策定しております。
その他の事業 医薬品事業の研究開発については、横浜市金沢区の
医薬品研究センターで進めております。一般用医薬品で
は、スキンケアの技術を活かし従来にない優れた使用性
を持つ皮膚外用剤などを開発し販売しております。医療
用医薬品では、女性の更年期に特有の症状を改善するホ
ルモン補充療法薬を、早期の発売を目指して日本化薬
(株)
と共同で開発を推進しています。
ファインケミカル事業においては、メーキャップに用いられ
る粉体の開発技術を応用した分析用の高性能カラムの開発、
種々の分離精製用機器装置の開発などを行っております。
利益還元方針
資生堂では、株主への直接的な利益還元に、中長期
的な株価上昇をプラスした
「株式トータルリターンの実現」
を目指しております。
利益還元の目安として、資生堂は配当と自己株式取得の
合計額の連結利益に対する比率を
「総還元性向」
ととらえ、
中期的におよそ60%を目処としております。
(株)
資生堂の当期の一株当たり配当は、2円増配の22
円としました。また、
(株)
資生堂では、当期に3,897千株の
自己株式を4,992百万円で市場より購入いたしました。
当事業に関わる研究開発費は2,025百万円であります。
31
連結財務諸表
連結貸借対照表
株式会社資生堂及び連結子会社
2003年及び2004年3月31日現在
)
千米ドル(注1(1)
百万円
2003
2004
2004
資産の部
流動資産
現金及び預金 .........................................................................
¥ 35,679
¥ 39,205
$ 356,409
有価証券(注3)
..........................................................................
67,311
22,349
203,175
グループ外取引 ..................................................................
103,335
111,691
1,015,372
非連結子会社・関連会社との取引 .....................................
60
32
292
.......................................................................................
103,395
111,723
1,015,664
貸倒引当金 ........................................................................
(1,147)
.......................................................................................
102,248
110,215
1,001,955
たな卸資産(注4)
......................................................................
66,360
65,707
597,338
繰延税金資産(注8)
..................................................................
26,401
18,555
168,685
受取手形及び受取債権
(1,508)
(13,709)
その他の流動資産 .................................................................
7,851
8,144
74,031
流動資産合計.................................................................
305,850
264,175
2,401,593
...................................................................
投資有価証券(注3)
45,709
56,966
517,877
非連結子会社・関連会社への投資・貸付 ...............................
2,361
5,722
52,016
その他の投資 .........................................................................
21,606
35,810
325,546
投資その他の資産合計..................................................
69,676
98,498
895,439
建物及び構築物 .....................................................................
176,466
174,947
1,590,427
機械装置・車両運搬具及び器具備品 .....................................
175,256
174,821
1,589,286
.......................................................................................
351,722
349,768
3,179,713
減価償却累計額 .....................................................................
(243,762)
(244,277)
(2,220,702)
.......................................................................................
107,960
105,491
959,011
土地 .......................................................................................
62,439
60,716
551,960
建設仮勘定 ............................................................................
1,256
1,438
13,076
有形固定資産合計 .........................................................
171,655
167,645
1,524,047
無形固定資産及び繰延資産(注5)
...............................................
69,530
63,882
580,741
連結調整勘定 ............................................................................
1,960
2,186
19,874
繰延税金資産(注8)
......................................................................
44,732
30,344
275,855
.......................................................................................
¥663,403
¥626,730
$5,697,549
投資その他の資産
有形固定資産
添付の注記はこの財務諸表の一部です。
32
)
千米ドル(注1(1)
百万円
負債・少数株主持分及び資本の部
流動負債
短期借入金 ............................................................................
1年以内に返済期限の到来する長期借入債務(注6)
................
支払手形及び支払債務
........................................................
グループ外取引
(仕入)
非連結子会社・関連会社との取引 .....................................
その他 ................................................................................
2003
2004
2004
¥ 16,269
¥ 17,942
$163,113
38,848
29,736
270,326
47,242
54,161
492,372
1,288
1,213
11,024
39,447
41,311
375,558
.......................................................................................
87,977
96,685
878,954
未払法人税等 ........................................................................
未払費用 ................................................................................
繰延税金負債(注8)
..................................................................
その他の流動負債 .................................................................
流動負債合計.................................................................
10,074
4,461
40,551
18,066
17,204
156,401
149
40
362
固定負債
..................................................................
長期借入債務(注6)
(注7)
退職給付引当金
...............................................................
役員退職慰労引当金(注2(9))
..................................................
(注8)
繰延税金負債
..................................................................
その他の固定負債 .................................................................
固定負債合計.................................................................
少数株主持分 ............................................................................
12,788
10,541
95,827
184,171
176,609
1,605,534
44,291
18,480
168,000
63,294
40,788
370,806
—
849
7,720
2,740
377
3,429
4,179
4,291
39,005
114,504
64,785
588,960
11,262
10,786
98,057
偶発債務(注9)
資本の部
資本金
授権株式数
784,561,000株(2003年及び2004年3月31日現在)
発行済株式総数
................................
424,562,353株(2003年及び2004年3月31日現在)
資本剰余金 ............................................................................
利益剰余金 ............................................................................
その他有価証券評価差額金 ..................................................
為替換算調整勘定 .................................................................
64,507
64,507
586,425
70,258
70,258
638,709
242,463
260,493
2,368,121
(2,504)
7,208
65,528
(11,926)
(13,440)
.......................................................................................
362,798
389,026
自己株式 ................................................................................
資本の部合計 .................................................................
353,466
374,550
3,404,998
.......................................................................................
¥663,403
¥626,730
$5,697,549
(9,332)
(14,476)
(122,187)
3,536,596
(131,598)
33
連結損益計算書
株式会社資生堂及び連結子会社
2002年、2003年、2004年3月期
)
千米ドル(注1(1)
百万円
2002
2003
2004
2004
売上高 .......................................................................
¥589,962
¥621,250
¥624,248
$5,674,984
売上原価 ....................................................................
売上総利益 ........................................................
200,194
212,963
209,043
1,900,394
389,768
408,287
415,205
3,774,590
販売費及び一般管理費 .............................................
営業利益 ............................................................
364,196
359,294
376,153
3,419,567
25,572
48,993
39,052
355,023
1,614
1,120
1,334
12,129
(2,104)
(2,551)
(2,388)
(21,714)
413
336
118
1,073
4,177
1,382
3,026
27,507
964
(559)
(53)
(478)
(498)
(922)
(1,073)
(9,752)
(34,361)
—
(585)
(5,323)
その他の損益
受取利息及び受取配当金 ......................................
支払利息 ................................................................
有価証券売却益 .....................................................
固定資産売却益 .....................................................
為替差損益 ............................................................
持分法投資損益 .....................................................
法令対応等たな卸資産償却費用(注4)
....................
(注4)
たな卸資産評価減
...........................................
投資有価証券及びその他の投資評価損 ...............
構造改革費用 .........................................................
事業譲渡損 ............................................................
厚生年金基金代行部分返上益(注7)
........................
無形固定資産減損損失(注5)
...................................
オフィス集約化・再配置費用 ..................................
役員等退職慰労引当金繰入額(注2(9))
....................
その他 ....................................................................
(9,601)
—
—
—
(12,775)
(8,870)
—
—
(464)
—
—
(473)
(4,120)
—
(37,451)
—
—
—
26,732
243,017
—
—
(4,194)
(38,132)
—
—
(1,899)
(17,262)
—
—
(1,233)
(11,210)
(2,582)
(1,367)
(1,982)
(18,015)
(55,217)
(11,904)
13,683
124,389
税金等調整前当期純利益(損失)
........................
(29,645)
37,089
52,735
479,412
法人税等(注8)
当期分 ....................................................................
繰延分 ....................................................................
6,084
12,275
8,241
74,915
(13,440)
(1,703)
14,893
135,395
.......................................................................
(7,356)
10,572
23,134
210,310
.......................................................................
(22,289)
26,517
29,601
269,102
少数株主利益.............................................................
(479)
(2,021)
(2,060)
(18,728)
当期純利益(損失)
..............................................
¥ (22,768)
¥ 24,496
..........................................................................
¥ 27,541
$ 250,374
(注1
(1)
)
米ドル
円
一株当たり情報(注2(5))
当期純利益(損失)— 単純 ....................................
— 潜在株式調整後 .................
配当金 ....................................................................
期中平均株式数(千株)
..............................................
添付の注記はこの財務諸表の一部です。
34
¥(54.6)
¥58.0
¥64.9
$ 0.59
—
58.0
64.9
0.59
16.0
20.0
22.0
0.20
416,708
419,580
414,723
連結株主持分計算書
株式会社資生堂及び連結子会社
2002年、2003年、2004年3月期
千株
百万円
資本剰余金 利益剰余金
その他有価証券 為替換算
評価差額金
調整勘定
発行済株式数
資本金
自己株式
2001年3月31日現在残高 ..............................
2002年3月31日終了年度当期純損失 .......
配当金 .........................................................
役員賞与 .....................................................
連結子会社増加による剰余金減少高 .....
その他の剰余金減少高 .............................
資生堂販売
(株)
の株式と株式交換 .........
自己株式の購入・売却 ...............................
その他有価証券評価差額金 .....................
為替換算調整 .............................................
418,587
¥64,507
¥66,094
¥255,370
¥(3,352)
¥(18,315)
¥(2,608)
—
—
—
(22,768)
—
—
—
—
—
—
(6,667)
—
—
—
—
—
—
(104)
—
—
—
—
—
—
(3)
—
—
—
—
—
—
—
(28)
—
—
5,975
—
4,164
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
(23)
—
—
—
—
1,597
—
—
—
—
—
—
—
7,803
—
2002年3月31日現在残高..............................
2003年3月31日終了年度当期純利益 .......
配当金 .........................................................
役員賞与 .....................................................
連結子会社増加による剰余金減少高.....
その他の剰余金減少高 ..........................
自己株式処分損.....................................
自己株式の購入・売却............................
その他有価証券評価差額金 .....................
為替換算調整 .............................................
424,562
64,507
70,258
225,800
(1,755)
(10,512)
(2,631)
—
—
—
24,496
—
—
—
—
—
—
(7,570)
—
—
—
—
—
—
(62)
—
—
—
—
—
—
(131)
—
—
—
—
—
—
(63)
—
—
—
—
—
—
(7)
—
—
—
—
—
—
—
—
—
(6,701)
—
—
—
—
(749)
—
—
—
—
—
—
2003年3月31日現在残高..............................
2004年3月31日終了年度当期純利益 .......
配当金 .........................................................
役員賞与 .....................................................
連結子会社増加による剰余金減少高 .....
その他の剰余金減少高 .............................
自己株式処分損 .........................................
自己株式の購入・売却 ...............................
その他有価証券評価差額金 .....................
為替換算調整 .............................................
424,562
64,507
70,258
242,463
—
—
—
27,541
—
—
—
—
—
—
(8,741)
—
—
—
—
—
—
(102)
—
—
—
—
—
—
(195)
—
—
—
—
—
—
(467)
—
—
—
—
—
—
(6)
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
9,712
—
—
—
—
—
—
(1,514)
2004年3月31日現在残高..............................
424,562
¥64,507
¥70,258
¥260,493
¥7,208
¥(13,440)
¥(14,476)
自己株式
—
(2,504)
(1,414)
(11,926)
—
(9,332)
(5,144)
—
—
)
千米ドル(注1(1)
千株
発行済株式数
資本金
資本剰余金 利益剰余金
その他有価証券 為替換算
評価差額金
調整勘定
2003年3月31日現在残高..............................
2004年3月31日終了年度当期純利益 ......
配当金 .........................................................
役員賞与 .....................................................
連結子会社増加による剰余金減少高 .....
その他の剰余金減少高.............................
自己株式処分損 .........................................
自己株式の購入・売却 ...............................
その他有価証券評価差額金 .....................
為替換算調整.............................................
424,562
$586,425
$638,709 $2,204,206
$(22,763) $(108,412)
—
—
—
250,374
—
—
—
—
—
—
(79,464)
—
—
—
—
—
—
(928)
—
—
—
—
—
—
(1,772)
—
—
—
—
—
—
(4,243)
—
—
—
—
—
—
(52)
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
88,291
—
—
—
—
—
2004年3月31日現在残高..............................
424,562
$586,425
$638,709 $2,368,121
—
(13,775)
$(84,832)
(46,766)
—
—
$65,528 $(122,187) $(131,598)
添付の注記はこの財務諸表の一部です。
35
連結キャッシュ・フロー計算書
株式会社資生堂及び連結子会社
2002年、2003年、2004年3月期
)
千米ドル(注1(1)
百万円
2002
2003
2004
2004
営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益(損失)
...........................
減価償却費 ............................................................
法令対応等たな卸資産償却費用...........................
たな卸資産評価減 .................................................
無形固定資産減損損失 .........................................
投資有価証券及びその他の投資評価損 ................
退職給付引当金増減額 .........................................
連結調整勘定償却額 .............................................
販売費引当金増減額 .............................................
受取利息及び受取配当金 ......................................
支払利息 ................................................................
持分法による投資損益 ...........................................
有形固定資産処分損益 .........................................
売上債権の増減額 .................................................
たな卸資産の増減額 ..............................................
仕入債務の増減額 .................................................
その他 ....................................................................
小計 ....................................................................
利息及び配当金の受取額 ......................................
利息の支払額 .........................................................
法人税等の支払額 .................................................
営業活動によるキャッシュ・フロー ....................
¥(29,645)
27,953
16,310
9,601
—
12,775
(2,963)
(724)
(4,504)
(1,614)
2,104
498
(2,421)
20,484
(2,879)
(6,855)
(2,274)
35,846
2,043
(1,948)
576
36,517
¥ 37,089
27,187
—
—
—
8,870
(3,883)
(1,078)
—
(1,120)
2,551
922
(396)
3,386
2,959
(9,409)
2,868
69,946
1,136
(2,231)
(2,003)
66,848
¥ 52,735
27,218
—
—
4,194
—
(22,386)
—
—
(1,334)
2,388
1,073
(1,250)
(9,208)
(450)
7,151
1,735
61,866
1,416
(2,580)
(13,628)
47,074
$ 479,412
247,440
—
—
38,132
—
(203,509)
—
—
(12,129)
21,714
9,752
(11,366)
(83,711)
(4,088)
65,005
15,770
562,422
12,873
(23,458)
(123,890)
427,947
投資活動によるキャッシュ・フロー
有価証券の取得による支出 ...................................
有価証券の売却等による収入 ...............................
投資有価証券の取得による支出 ...........................
投資有価証券の売却等による収入 .......................
出資金の払込による支出 .......................................
有形固定資産の取得による支出 ...........................
有形固定資産の売却による収入............................
無形固定資産の取得による支出 ...........................
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出 ....
連結子会社株式の取得 .........................................
その他 ....................................................................
投資活動によるキャッシュ・フロー ....................
—
5,832
(12,891)
10,660
—
(22,561)
7,157
(3,352)
(13,395)
(173)
(4,045)
(32,768)
(4,456)
3,522
(26,552)
10,012
—
(17,783)
3,986
(4,246)
—
(4,117)
(4,415)
(44,049)
(390)
1,516
(7,853)
10,453
(16,034)
(22,362)
8,009
(5,648)
—
(1,000)
(9,724)
(43,033)
(3,545)
13,782
(71,395)
95,025
(145,763)
(203,288)
72,813
(51,342)
—
(9,092)
(88,405)
(391,210)
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入による収入 ..............................................
長期借入による収入 ..............................................
長期借入債務の返済による支出 ...........................
自己株式の売却による収入/購入による支出......
配当金の支払額 .....................................................
少数株主への配当金の支払額 ..............................
財務活動によるキャッシュ・フロー ....................
(975)
30,376
(884)
(23)
(6,665)
(608)
21,221
(4,418)
12,113
(4,827)
(6,707)
(7,568)
(804)
(12,211)
1,296
4,848
(37,306)
(5,150)
(8,735)
(837)
(45,884)
11,783
44,077
(339,152)
(46,818)
(79,410)
(7,609)
(417,129)
現金及び現金同等物に係る換算差額.......................
現金及び現金同等物の増減額 ..................................
現金及び現金同等物の期首残高 ..............................
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 ........
現金及び現金同等物の期末残高 ..............................
2,449
27,419
62,017
857
¥ 90,293
222
10,810
90,293
0
¥101,103
(276)
(42,119)
101,103
380
¥ 59,364
(2,508)
(382,900)
919,119
3,457
$ 539,676
添付の注記はこの財務諸表の一部です。
36
連結財務諸表に対する注記
株式会社資生堂及び連結子会社
1. 連結財務諸表作成の基準
(1) 会計原則及び開示方法
(株)
資生堂及び連結子会社は、日本の商法及び各国の会計規定や一般に公正妥当と認められる会
計原則に準拠して財務諸表を作成しております。これらの財務諸表を基礎として連結財務諸表を作成
しており、国際会計基準に基づく会計処理方法や開示要求とは異なる部分もあります。
日本の関東財務局長に提出した連結財務諸表を日本以外の国の投資家にわかりやすくするために、
表示形式の組替えを行っております。
米ドル表示は専ら日本以外の国の投資家の理解を促すために記載しております。1米ドル=110円で換
算しております。この米ドル表示は、円金額がそのレートで米ドルに交換、実現あるいは決済できることを
示すものではありません。
(2) 連結の範囲
2004年3月31日現在、
(株)資生堂には99社
(2003年3月31日は99社、2002年3月31日は104社)の子
会社
(親会社によって意思決定機関が支配されている会社)があり、連結財務諸表ではそのうち91社
(2003年3月31日は96社、2002年3月31日は98社)がその対象となります。
主要な連結子会社は以下の通りです。
出資比率
(間接出資も含む)
資生堂販売
(株)
......................................................................................
資生堂フィティット
(株)
............................................................................
(株)
エフティ資生堂 ................................................................................
資本金
(百万円)
100.0%
100.0
100.0
¥1,590
¥10
¥110
(千米ドル)
資生堂インターナショナルコーポレーション...........................................
100.0
$300,080
(千ユーロ)
資生堂ヨーロッパ .....................................................................................
100.0
台湾資生堂股 有限公司 .....................................................................
51.0
資生堂麗源化粧品有限公司.................................................................
61.0
234,893
(千ニュー台湾ドル)
NTD 1,154,588
(千中国元)
CNY 94,300
一部の連結子会社は、3月31日以前3カ月以内に到来する各社決算日で連結しております。
非連結子会社8社については本格的な営業を行っておらず、総資産、売上高、当期純損益及び剰
余金は僅少で、連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないため連結の範囲に含めておりません。
(3) 連結及び消去
連結財務諸表の作成にあたっては、グループ内取引、債権債務及び未実現利益を消去しております。ま
た、少数株主の持分については少数株主持分として控除しております。
(株)
資生堂の投資勘定は、それに相当する連結子会社の資本勘定と相殺消去しております。投資額と資
本額との消去差額は、重要なものは連結調整勘定として計上し、その個別案件ごとに判断し、20年以内の
合理的な年数で償却しております。
(4) 非連結子会社及び関連会社への投資
2004月3月31日現在、
(株)
資生堂には6社の関連会社
(財務及び営業方針の決定に対して重要な影響
を親会社から受ける会社)
があり、2004月3月31日現在の連結財務諸表では5社
(2003年3月31日は6社、
2002年3月31日は6社)
に対して持分法を適用しております。
持分法の適用に際しては、持分法適用関連会社の当期純利益のうち、
( 株)
資生堂の持分はグループ
内利益を消去した後、連結しております。
非連結子会社8社への投資については、原価法を適用しております。
37
(5) 連結子会社の資産及び負債の評価
子会社の資産及び負債について支配獲得日の時価で評価することが義務付けられています。
資本連結を行う際の連結子会社の資産及び負債の評価については、全面時価評価法を採用してお
ります。
2. 重要な会計方針
(1) たな卸資産
(株)
資生堂は総平均法による原価法で評価しており、連結子会社は主として最終仕入原価法で評価
しております。
(2) 有形固定資産
有形固定資産は取得原価で計上しております。
建物
(附属設備を除く)
は定額法、建物以外については主として定率法で償却しております。
耐用年数については、見積り耐用年数を採用しております。
修繕費や維持管理費用は支出時に費用として計上しております。
(3) 有価証券
(株)
資生堂及び国内連結子会社が保有する有価証券は、金融商品に係る会計基準に従ってその他
有価証券に区分されます。時価のあるものについては市場価格等に基づく時価法で評価しております。
評価差額は全部資本直入法によって処理し、税金を控除して資本の部に区分表示しております。なお、
売却原価は主として移動平均法によって算定しております。時価がないものについては主として移動平均
法による原価法で評価しております。
1年内に満期の到来する債券及び現預金と認識される債券は流動資産の有価証券、それ以外は投資
有価証券として表示しております。
(4) リース会計
リース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの以外のファイナンス・リース取引については、
主として通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っております。
(5) 一株当たり当期純利益及び配当金
一株当たり当期純利益の基準となる株式数は、期中平均株式数によって算出しております。潜在株式
調整後一株当たり当期純利益は、新株発行をもたらす権利の行使や約定の履行あるいは新株への転換
によっておこる希薄化の影響を考慮して計算しております。
連結損益計算書の各年度の一株当たり配当金は、当該年度の公表配当額であり、支払配当額ではあ
りません。
38
(6) 消費税
日本では商品やサービスの消費
(例外あり)
に対して一律5%の消費税が課せられます。
(株)
資生堂は販売時に預った消費税と商品やサービスの購入時に支払った消費税を相殺した後、国
に納付しております。
また、
(株)資生堂は消費税を連結損益計算書の関連項目から控除しております。
連結子会社についても、主として連結損益計算書の関連項目から控除しております。
(7) 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、
(株)
資生堂及び国内連結子会社は、一般債権につい
ては貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能
見込額を計上しております。在外連結子会社は、主として特定の債権について回収不能見込額を計上
しております。
(8) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、退職給付債務及び年金資産の見込額に基づいて退職給付引当金
を計上しております。
過去勤務債務は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数
(10年)
による定額法
により費用処理しております。数理計算上の差異は、主としてその発生時の従業員の平均残存勤務期間
以内の一定の年数
(10年)
による定額法により翌期から費用処理することとしております。
(9) 役員退職慰労引当金
2004年3月31日に終了する年度において、
(株)資生堂の取締役会において、2004年3月31日にかか
わる定時株主総会の日をもって役員、監査役及び執行役員に対する退職慰労金制度を廃止すること
とし、2004年3月31日までの在任期間中の職務遂行の対価部分相当を、支給すべき退職慰労金の額
として決定しております。
このうち、役員及び監査役にかかわる分を役員退職慰労金として、執行役員にかかわる部分を退職
給付引当金として計上しております。役員、監査役及び執行役員に対する退職慰労金については、従
来退任時に計上しておりました。
この変更により、従来の方法に比較して、営業利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ463百
万円
(4,209千米ドル)、1,696百万円
(15,418千米ドル)減少しております。
(10) 外貨換算
外貨建金銭債権債務は、各社の決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として
処理しております。
外貨建の非連結子会社及び関連会社への投資は、取得日レートで円貨に換算しております。
(11) 在外連結子会社等の財務諸表項目の円換算
在外連結子会社等の資産及び負債は、各社の決算日の直物為替相場により円貨に換算し、資本及
び剰余金の項目は当該項目の発生時の為替レートによって換算しております。収益及び費用は各社
の会計期間に基づく期中平均相場により円貨に換算しております。換算差額については、少数株主
持分及び資本の部における為替換算調整勘定に含めております。
(12) 固定資産の減損会計
2002年8月9日に、企業会計審議会より
「固定資産の減損に係る会計基準」が公表されました。同基
準は、固定資産の帳簿価額が回収されない可能性を示す事象や環境の変化がある場合には、減損
損失を認識するかどうかの判定を行うことを求めています。減損損失を認識すべきであると判定された
資産または資産グループについては、帳簿価額を回収可能価額
(正味売却価額と使用価値のいずれか
高い方の金額)
まで減額し、当該減少額を減損損失として損益計算書に計上します。
同基準は、2005年4月1日以降開始する連結会計年度から適用することとされています。
39
3. 有価証券
2003年及び2004年3月31日現在の、有価証券で時価のあるものの種類別、取得原価、連結貸借対照表
計上額、評価差額は以下の通りです。
その他有価証券
百万円
2003
取得原価
連結貸借対照表計上額
評価差額
(益)
評価差額
(損)
株式 ................................................................
債券 ................................................................
その他 ............................................................
¥13,475
¥13,337
¥1,223
9,938
9,900
18
56
12,364
8,370
—
3,994
.......................................................
¥35,777
¥31,607
¥1,241
¥5,411
¥1,361
百万円
2004
取得原価
連結貸借対照表計上額
評価差額
(益)
評価差額
(損)
株式 ................................................................
債券 ................................................................
その他 ............................................................
¥13,581
¥27,651
¥14,399
2,898
2,991
94
1
11,042
8,970
4
2,076
....................................................................
¥27,521
¥39,612
¥14,497
¥2,406
¥ 329
千米ドル
2004
取得原価
連結貸借対照表計上額
評価差額
(益)
評価差額
(損)
株式 ................................................................
債券 ................................................................
その他 ............................................................
$123,464
$251,372
$130,898
$2,990
26,342
27,190
853
5
100,382
81,548
41
18,875
....................................................................
$250,188
$360,110
$131,792
$21,870
2003年及び2004年3月31日現在の、時価のない有価証券の内容及び連結貸借対照表計上額は以下の通り
です。
その他有価証券
百万円
千米ドル
2003
2004
2004
株式 ............................................................................................
¥17,576
¥17,371
$157,921
債券 ............................................................................................
15
1,098
9,979
その他 ........................................................................................
63,822
21,234
193,041
..................................................................................
¥81,413
¥39,703
$360,941
2003年及び2004年3月期に売却したその他有価証券の売却額は以下の通りです。
百万円
受取高 ........................................................................................
総実現益 ....................................................................................
総実現損 ....................................................................................
40
千米ドル
2003
2004
2004
¥20,015
¥4,119
$37,446
318
118
1,073
135
—
—
4. たな卸資産
2003年及び2004年3月31日現在のたな卸資産は以下の通りです。
百万円
商品・製品 .................................................................................
原材料 .......................................................................................
仕掛品 .......................................................................................
貯蔵品 .......................................................................................
千米ドル
2003
2004
2004
¥41,551
¥42,815
$389,229
13,347
12,720
115,636
4,120
3,982
36,201
7,342
6,190
56,272
¥66,360
¥65,707
$597,338
薬事法の改正並びに厚生労働省の通知に従って、一部の製品について回収・処分を行いました。これ
により、2002年3月期に総額34,361百万円の損失を計上しています。
また、経営改革の一環として、在庫を圧縮し良質化するために取り組んでいるサプライ・チェーン改革に
あわせて、製商品の翌期以降の販売見込を勘案の上、相応の評価減を実施しております。
5. 無形固定資産及び繰延資産
2003年及び2004年3月31日現在の無形固定資産及び繰延資産は以下の通りです。
百万円
千米ドル
2003
2004
2004
営業権* ......................................................................................
商標権** ....................................................................................
その他 ........................................................................................
¥27,783
¥23,475
$213,408
20,225
18,706
170,057
21,522
21,700
197,276
.......................................................................................
¥69,530
¥63,882
$580,741
*
**
2004年3月期の営業権には、ヘレンカーチスインコーポレーテッド
(以下ヘレンカーチス社)の北米プロフェッショナル部門、ラモアコーポレー
ションのプロフェッショナル部門、デクレオール、シーブリーズブランド及びジョイコブランドにかかわる営業権が含まれております。
2003年3月期ならびに2004年3月期の営業権の取得総額は、4,391百万円と1,690百万円であります。
また営業権は定額法によって国内は5年、海外は主として20年で償却しており、2002年3月期、2003年3月期ならびに2004年3月期の償却費
はそれぞれ1,354百万円、1,096百万円、769百万円であります。
なお、2003年3月期の営業権に含まれていたナーズの営業権については、2004年3月期において3,879百万円を減損処理しております。
商標権には、ヘレンカーチス社の一部ブランド、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の一部ブランド、ナーズ、デクレオール、シーブリーズブランド
及びジョイコブランドの取得に関する商標権が含まれております。
2003年3月期ならびに2004年3月期の商標権の取得総額は3百万円と8百万円であります。
また、商標権は主として定額法によって10年で償却しており、2002年3月期、2003年3月期ならびに2004年3月期の商標権の償却費はそれぞ
れ1,004百万円、808百万円、805百万円であります。
なお、2003年3月期の営業権に含まれていたナーズの商標権については、2004年3月期において、316百万円を減損処理しております。
米国子会社は2002年1月時点で、営業権及びその他の無形固定資産についてSFAS No.142を採用しております。SFAS No.142のもとでは
営業権及び耐用年数が確定できないその他の無形固定資産は償却されず、毎年減損処理の是非が検討されることとなります。
SFAS No.142の採用以前は、営業権及び商標権は定額法により償却され、回復可能性を評価されます。この変更による影響は軽微であり
ます。
6. 長期借入債務
2003年及び2004年3月31日現在の長期借入債務は以下の通りです。
百万円
銀行その他の金融機関からの長期借入金 ...............................
第1回無担保普通社債
(2003年10月償還、利率0.90%)
.......
第2回無担保普通社債
(2005年1月償還、利率0.42%)
........
ユーロMTN
(2003年∼2007年償還)* ...................................
千米ドル
2003
2004
2004
¥ 8,037
¥9,106
$82,780
30,000
—
—
20,000
20,000
181,818
25,102
19,110
173,728
.......................................................................................
83,139
48,216
438,326
1年以内に返済期限の到来する長期借入債務 ........................
(38,848)
(29,736)
(270,326)
.......................................................................................
¥44,291
¥18,480
$168,000
* 資生堂ヨーロッパ、資生堂インターナショナルコーポレーションが発行したものであります。2004年3月31日現在の利率は0.19%∼4.57%であります。
41
7. 退職金及び年金基金
(株)
資生堂及び国内連結子会社及び一部の在外連結子会社は従業員の退職金に備えた年金積立を行っ
ております。退職金の額は退職時の給与水準、勤続年数、諸条件によって決まります。
2003年、2004年3月31日現在の連結貸借対照表における、退職給付債務、年金資産、未積立退職給付
債務及び退職給付引当金の額は以下の通りです。
百万円
千米ドル
2003
2004
2004
退職給付債務 ...........................................................................
年金資産 ....................................................................................
¥(280,307)
¥(211,061)
$(1,918,734)
140,029
139,691
1,269,921
未積立退職給付債務 ...............................................................
会計基準変更時差異の未処理額* .........................................
未認識数理計算上の差異 .......................................................
未認識過去勤務債務(債務の減額)
........................................
連結貸借対照表資産計上額* .................................................
(140,278)
(71,370)
退職給付引当金 .......................................................................
(648,814)
1,257
1,060
9,635
97,020
45,038
409,433
(20,058)
(14,279)
(129,812)
(1,235)
(1,237)
(11,248)
¥ (63,294)
¥ (40,788)
$ (370,806)
2003年及び2004年3月期の退職給付費用は以下の通りです。
百万円
千米ドル
2003
2004
2004
勤務費用 ....................................................................................
利息費用 ....................................................................................
期待運用収益 ...........................................................................
会計基準変更時差異の費用処理額* ....................................
数理計算上の差異の費用処理額 ..........................................
過去勤務債務の費用処理額...................................................
退職給付費用 ...........................................................................
厚生年金基金の代行部分返上に伴う損益 ..........................
¥11,466
¥ 13,123
$ 119,296
6,953
6,573
59,750
(6,138)
(5,531)
(50,281)
—
(26,732)
(243,017)
計 ...........................................................................................
¥14,078
¥ (4,972)
$ (45,197)
102
94
859
4,117
9,849
89,536
(2,422)
(2,347)
(21,339)
14,078
21,760
197,820
* 在外連結子会社が自国の会計制度に基づいて計上した金額であります。
(株)資生堂及び国内連結子会社の一部が加入する厚生年金基金制度における退職給付債務の、2003
年及び2004年3月31日現在の現在価値算出に使用した割引率は2.5%であります。2003年及び2004年3月
31日現在の、年金資産の期待運用収益率は4.0%であります。退職給付見込額は期間定額基準によってお
ります。
(株)資生堂及び一部の国内連結子会社は、確定給付企業年金法の施行に伴い、厚生年金基金の代行
部分について、2004年2月25日に厚生労働大臣から将来分支給義務免除の認可を受けております。
それに伴い、㈱資生堂及び一部の国内連結子会社は、「退職給付会計に関する実務指針
(中間報告)」
(日本公認会計士協会会計制度委員会報告第13号)第47-2項に定める経過措置を適用し、代行部分に係
る退職給付債務と返還相当額の年金資産を消滅したものとみなして処理しております。本処理により2004
年3月31日に終了する年度において26,732百万円
(243,017千米ドル)
を計上しております。
なお、2004年3月31日現在において測定された年金資産の返還相当額は38,308百万円
(348,256千米ドル)
であります。
42
8. 繰延税金
2 0 0 3 年 及び 2 0 0 4 年 3 月3 1日現 在の繰 延 税 金 資 産 及び 繰 延 税 金 負 債
( 流 動 及び固 定)
の発 生の主な
要因別の内訳は以下の通りです。
百万円
繰延税金資産
減価償却費 ...........................................................................
販売費引当金・未払費用 ....................................................
未払事業税等 .......................................................................
賞与引当金限度超過額 ......................................................
たな卸資産、貯蔵品 ...........................................................
たな卸資産・固定資産等の未実現利益 ............................
退職給付引当金 ...................................................................
役員退職慰労引当金 ..........................................................
繰越欠損金 ...........................................................................
千米ドル
2003
2004
2004
¥ 9,518
¥ 9,179
$ 83,447
2,575
2,795
25,409
939
476
4,324
4,543
4,068
36,985
6,093
4,408
40,076
7,440
5,526
50,236
25,264
16,073
146,116
—
348
3,165
8,787
6,697
60,886
金融資産評価損 ..........................................................................
その他有価証券評価差額金 ..............................................
その他 ....................................................................................
8,586
10,533
95,752
1,686
0
0
3,322
3,709
33,717
繰延税金資産小計 ...............................................................
評価性引当金 .......................................................................
78,753
63,813
580,114
繰延税金資産合計 ...............................................................
¥74,744
¥58,355
$530,499
¥ 1,220
¥ 1,345
$ 12,225
1,626
1,062
9,658
3,132
1,885
17,138
—
4,929
44,812
繰延税金負債
買換資産圧縮積立金他 ......................................................
減価償却費 ...........................................................................
無形固定資産評価益 ..........................................................
その他有価証券評価差額金 ..............................................
その他 ....................................................................................
繰延税金負債合計 ...............................................................
(4,009)
(5,458)
(49,615)
523
651
5,917
¥ 6,501
¥ 9,872
$ 89,750
9. 偶発債務
(株)資生堂は2004年3月31日現在、銀行からの保証債務63百万円
(572千米ドル)
を負っております。
10. ストック・オプション・プラン
2000年6月29日の株主総会で承認されたストック・オプション・プランに基づき、承認時点の取締役と幹部社
員をカバーするストック・オプション・プランを目的として、
(株)
資生堂は自己株式を保有しております。1,878,000
株がオプションとして付与され、一株当りの譲渡価格は1,396円、権利行使可能期間は2002年7月から2005年
6月30日までとなっています。
2002年6月27日に株主に承認されたストック・オプション・プランに基づき、
(株)
資生堂は2003年3月期にス
トック・オプションとして、637,000株に相当する新株予約権を付与しました。
2003年6月27日に株主に承認されたストック・オプション・プランに基づき、
(株)
資生堂は2004年3月期に
ストック・オプションとして936,000株に相当する新株予約権を付与しました。
43
2004年3月31日現在における、付与済みストック・オプションに関する要約情報は下記の通りです。
2002年7月16日に
承認されたストック・オプション
2003年2月28日に
承認されたストック・オプション
578,000株
1,669円
2004年7月1日∼2012年6月26日
59,000株
1,512円
2003年4月1日∼2006年3月31日
2003年7月31日に
承認されたストック・オプション
2003年11月28日に
承認されたストック・オプション
2004年3月8日に
承認されたストック・オプション
878,000株
1,287円
2005年4月1日∼2013年6月26日
18,000株
1,229円
2003年12月1日∼2006年11月30日
40,000株
1,361円
2004年4月1日∼2007年3月31日
付与済みオプション株式数
行使価格
行使期間
付与済みオプション株式数
行使価格
行使期間
11. リース取引
(株)
資生堂及び連結子会社は、借主、貸主の双方立場で各種リース契約を締結しております。リース物件の所
有権が借主に移転すると認められるもの以外のファイナンス・
リース契約では、通常の賃貸借取引に係る方法に準
じた会計処理を行っており、2003年及び2004年3月期のファイナンス・リース取引の内容は以下の通りです。
百万円
千米ドル
2003
2004
2004
①(株)
資生堂または連結子会社が借主側となる取引
未経過リース料期末残高相当額
1年内 .................................................................................
1年超 .................................................................................
¥ 4,860
10,707
¥ 4,733
9,644
$ 43,026
87,671
.......................................................................................
¥15,567
¥ 14,377
$ 130,697
支払リース料 .........................................................................
¥ 5,533
¥ 5,118
$ 46,526
減価償却費相当額 ...............................................................
¥ 5,533
¥ 5,118
$ 46,526
リース物件取得価額相当額、減価償却累計額相当額
及び期末残高相当額
機械装置、器具備品等取得価額相当額 ......................
機械装置、器具備品等減価償却累計額相当額 .........
¥31,763
(16,196)
¥ 30,376
(15,999)
$ 276,142
(145,445)
機械装置、器具備品等期末残高相当額 ......................
¥15,567
¥ 14,377
$ 130,697
上記注記は利子込み法によって算定しております。また、減価償却費相当額は定額法によっております。
百万円
2003
②(株)
資生堂または連結子会社が貸主側となる取引
未経過リース料期末残高相当額
1年内 .................................................................................
1年超 .................................................................................
616
2,335
¥
796
2,597
2004
$
7,233
23,608
¥ 2,951
¥ 3,393
$ 30,841
受取リース料 .........................................................................
¥
743
¥
922
$
8,383
減価償却費 ...........................................................................
¥
646
¥
807
$
7,340
受取利息相当額 ...................................................................
¥
118
¥
149
$
1,356
リース物件取得価額、減価償却累計額及び期末残高
機械装置、器具備品等取得価額 ..................................
機械装置、器具備品等減価償却累計額 ......................
¥ 4,636
機械装置、器具備品等期末残高 ..................................
¥ 2,847
.......................................................................................
44
¥
千米ドル
2004
(1,789)
¥ 5,398
(2,116)
¥ 3,282
$ 49,071
(19,237)
$ 29,834
2003年及び2004年3月期のオペレーティング・リース取引の内容は以下の通りです。
百万円
千米ドル
2003
2004
(株)
資生堂または連結子会社が借主側となる取引
未経過リース料
1年内 .................................................................................
1年超 .................................................................................
2004
¥252
283
¥ 3,823
34,582
$ 34,755
314,380
.......................................................................................
¥535
¥38,405
$349,135
12. デリバティブ取引関係
(株)資生堂及び連結子会社は、通常の営業取引の中で、為替予約取引及び通貨スワップ取引を含む
デリバティブ取引を利用しております。これは、外貨建て債権・債務及び長・短期負債の為替変動による
リスクを回避し、安定的な利益の確保を図ることを目的としたものであり、投機あるいは利益獲得の目的
で派生商品を用いることは行っておりません。
2003年及び2004年3月31日現在、デリバティブ取引に係る契約額、時価、評価損益については以下の
通りです。
百万円
2003
種類
契約額等
契約額等の
うち1年超
通貨スワップ取引:
受取円/支払米ドル ................................
受取円/支払ユーロ ................................
¥5,491
¥5,491
¥ (201)
8,749
5,227
(890)
時価
評価損益
¥
(201)
(890)
百万円
2004
種類
契約額等
通貨スワップ取引:
受取円/支払米ドル ................................
受取円/支払ユーロ ................................
¥4,905
契約額等の
うち1年超
¥
5,586
時価
—
¥
3,773
4
評価損益
¥
4
(1,200)
(1,200)
時価
評価損益
千米ドル
2004
種類
契約額等
通貨スワップ取引:
受取円/支払米ドル ................................
受取円/支払ユーロ ................................
$44,595
50,785
契約額等の
うち1年超
$
—
34,298
$
33
(10,912)
$
33
(10,912)
なお、ヘッジ会計の要件を満足するデリバティブ取引については、上の表から除外しております。
45
13. セグメント情報
(1) 事業の種類別セグメント情報
(株)
資生堂及び連結子会社は以下の3つの事業区分により事業活動を行っております。
化粧品事業:女性化粧品、男性化粧品
トイレタリー事業:石けん、ヘアケア製品、コスメ製品、生理用品
その他の事業:理・美容製品、美容食品、医薬品、ファッショングッズ、ファインケミカル等
(株)
資生堂及び連結子会社の2004年3月期までの3期間の事業の種類別セグメント情報は以下の通りです。
百万円
売上高:
化粧品事業 ...............................................
トイレタリー事業 .......................................
その他の事業 ...........................................
...........................................................
配賦不能営業費用控除前営業利益:
化粧品事業 ...............................................
トイレタリー事業 .......................................
その他の事業 ...........................................
2003
2004
2004
¥460,004
¥481,868
¥489,587
$4,450,794
63,976
69,216
66,397
603,607
65,982
70,166
68,264
620,583
¥589,962
¥621,250
¥624,248
$5,674,984
¥ 39,885
¥ 56,065
¥ 47,852
$ 435,020
(4,554)
2,775
433
3,934
2,966
2,931
2,923
26,577
...........................................................
38,297
61,771
51,208
465,531
配賦不能営業費用 .......................................
(12,725)
(12,778)
(12,156)
(110,508)
営業利益 ........................................................
¥ 25,572
¥ 48,993
¥ 39,052
$ 355,023
¥317,690
¥316,466
¥321,124
$2,919,311
資産:
化粧品事業 ...............................................
トイレタリー事業 .......................................
その他の事業 ...........................................
48,940
42,622
43,502
395,469
112,849
109,849
104,851
953,192
...........................................................
479,479
468,937
469,477
4,267,972
全社 ...........................................................
184,562
194,466
157,253
1,429,577
...........................................................
¥664,041
¥663,403
¥626,730
$5,697,549
¥ 13,160
¥ 12,720
¥ 13,406
$ 121,872
2,925
2,670
2,526
22,970
7,460
7,550
7,097
64,515
23,545
22,940
23,029
209,357
減価償却費:
化粧品事業 ...............................................
トイレタリー事業 .......................................
その他の事業 ...........................................
...........................................................
全社 ...........................................................
46
52
48
...........................................................
¥ 23,591
¥ 22,992
¥ 23,077
$
¥ 13,849
¥ 16,566
¥ 18,641
$ 169,463
資本的支出:
化粧品事業 ...............................................
トイレタリー事業 .......................................
その他の事業 ...........................................
...........................................................
46
千米ドル
2002
432
209,789
1,481
1,363
1,977
17,975
21,402
9,588
8,142
74,016
36,732
27,517
28,760
261,454
全社 ...........................................................
69
113
6
58
...........................................................
¥ 36,801
¥ 27,630
¥ 28,766
$ 261,512
(2) 所在地別セグメント情報
2004年3月期までの3期間の所在地別セグメント情報は以下の通りです。
百万円
千米ドル
2002
2003
2004
2004
売上高:
日本 ...........................................................
アメリカ ......................................................
欧州 ...........................................................
アジア・オセアニア ..................................
¥460,095
38,924
56,805
34,138
¥469,170
45,386
65,750
40,944
¥465,287
43,523
72,464
42,974
$4,229,887
395,666
658,760
390,671
在外計 .......................................................
129,867
152,080
158,961
1,445,097
...........................................................
¥589,962
¥621,250
¥624,248
$5,674,984
配賦不能営業費用控除前営業利益:
日本 ...........................................................
アメリカ ......................................................
欧州 ...........................................................
アジア・オセアニア ..................................
¥ 33,379
(29)
1,582
3,365
¥ 52,725
2,226
2,149
4,671
¥ 41,451
164
3,668
5,925
$ 376,832
1,489
33,343
53,867
在外計 .......................................................
4,918
9,046
9,757
88,699
...........................................................
38,297
61,771
51,208
465,531
配賦不能営業費用 .......................................
(12,725)
(12,778)
(12,156)
(110,508)
営業利益 ........................................................
¥ 25,572
¥ 48,993
¥ 39,052
$ 355,023
資産:
日本 ...........................................................
アメリカ ......................................................
欧州 ...........................................................
アジア・オセアニア ..................................
¥308,147
78,874
57,501
34,957
¥293,608
69,049
70,164
36,116
¥297,535
57,441
77,035
37,466
$2,704,862
522,194
700,316
340,600
在外計 .......................................................
171,332
175,329
171,942
1,563,110
.......................................................
479,479
468,937
469,477
4,267,972
全社 ...........................................................
184,562
194,466
157,253
1,429,577
.......................................................
¥664,041
¥663,403
¥626,730
$5,697,549
(3) 海外売上高
2004年3月期までの3期間の海外売上高
(
(株)資生堂及び国内子会社の輸出売上に海外連結子会社の
日本以外に対する売上を加えたもの)
は以下の通りです。
百万円
千米ドル
2002
2003
2004
2004
海外売上高:
アメリカ ......................................................
欧州 ...........................................................
アジア・オセアニア ..................................
¥ 41,621
51,329
39,355
¥ 46,684
61,677
45,807
¥ 45,808
68,104
48,485
$ 416,436
619,125
440,777
...........................................................
¥132,305
¥154,168
¥162,397
$1,476,338
連結売上高に占める海外売上高の割合:..
22.4%
24.8%
26.0%
26.0%
14. 後発事象
(1)2004年3月31日以降の事象として、
(株)
資生堂は2004年6月29日の株主総会で現金配当4,557百万円
(41,429千米ドル)
、一株当たり配当金11円の承認を受けました。この配当は2004年3月期の利益処分
によるもので、2004年3月31日現在の株主に対して支払われます。
(2)2004年5月26日、
( 株)
資生堂は無担保社債
(2007年5月25日償還、利率0.40%、額面発行)50,000百万
円を発行しております。
47
監査報告書
株式会社資生堂取締役会 御中
当監査法人は、株式会社資生堂及び連結子会社の、日本円で表示されている2003年及び2004年3月31日現在の連結貸
借対照表ならびに2004年3月31日に終了した3年間の各連結会計年度の連結損益計算書、連結株主持分計算書及び連結
キャッシュ・フロー計算書について監査を行った。これらの連結財務諸表の作成責任は経営者にあり、当監査法人の責任
は独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。
当監査法人は、日本国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。これらの基準は、連結
財務諸表に重要な虚偽の表示がないかどうかの合理的な保証を得るように、当監査法人が監査を計画し、実施することを求め
ている。監査は、連結財務諸表における金額や開示の基礎となる証拠の試査による検証、経営者が採用した会計原則及び
経営者が行った重要な見積りの検討、および全体としての連結財務諸表の表示を検討することを含んでいる。当監査法人は、
監査の結果として意見表明のための合理的な基礎を得たと判断している。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、株式会社資生堂及び連結子会社の2003年及び2004年3月31日現在の連結財政
状態ならびに2004年3月31日に終了した3年間の各連結会計年度の連結経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、日本国
において一般に公正妥当と認められる会計原則に準拠して、すべての重要な点において適正に表示しているものと認める。
連結財務諸表に対する注記2.(9)
に記載のとおり、株式会社資生堂は2004年3月31日に終了する連結会計年度において、
役員及び執行役員に対する退職慰労金に関する会計方針を退任時基準から発生基準に変更している。
米ドル表示の数値は、読者の便宜をはかることだけを目的に表示されたものであり、連結財務諸表に関する注記1.(1)
に
記載された基準に準拠して換算されたものである。
中央青山監査法人
東京、日本国
2004年6月29日
(注)
:この監査報告書は英文アニュアルレポートに含まれている英文監査報告書の和訳です。
株式会社資生堂及び連結子会社の連結財務諸表に係る日本語の監査報告書の正文につきましては、
「有価証券報告書」をご参照ください。
48
会社情報
(2004年3月31日現在)
定時株主総会
本社
株主会社 資生堂
毎年6月に東京で開催
〒104-0061
東京都中央区銀座七丁目5番5号
電話:03-3572-5111
上場証券取引所
普通株:東京証券取引所
米国預託証券:米国店頭市場
創業
会計監査人
1872年9月17日
中央青山監査法人
設立
名義書換代理人
1927年6月24日
64,506,725,140円
〒105-8574
東京都港区芝三丁目33番1号
中央三井信託銀行株式会社
従業員数
米国預託証券
3,672名
(グループ従業員数 24,839名)
Cusip No.:824841407
比率
(米国預託証券:普通株)
:1:1
取引所: 店頭市場
コード:
SSDOY
発行銀行:The Bank of New York
101 Barclay Street, New York, NY
10286, U.S.A.
資本金
決算日
3月31日
発行済株式総数
424,562,353株
株主数
41,180名
大株主
株主名
持株数
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
株式会社みずほ銀行
日本興亜損害保険株式会社
日本トラスティ
・サービス信託銀行株式会社(信託口)
資生堂従業員自社株投資会
朝日生命保険相互会社
株式会社みずほコーポレート銀行
メロン バンクトリーティー クライアンツ オムニバス
日本生命保険相互会社
東京海上火災保険株式会社
議決権比率
24,476 千株
17,226
15,056
14,462
12,141
12,079
11,382
11,337
10,830
10,795
5.99 %
4.21
3.68
3.54
2.97
2.95
2.78
2.77
2.65
2.64
所有株式数別比率
その他国内法人
証券会社
1.55%
5.42%
自己株式
2.42%
外国人
24.35%
金融機関
44.17%
個人
22.09%
株価・出来高推移
(円)
2,000
株価
出来高
1,750
1,500
1,250
1,000
(千株)
750
45,000
500
30,000
250
15,000
0
0
’99/4
’00/4
’01/4
’02/4
お問い合わせ先
ホームページ
〒105-8310
東京都港区東新橋一丁目6番2号
株式会社資生堂 IR部
ファックス:03-6218-5544
日本語版 http://www.shiseido.co.jp/
英語版 http://www.shiseido.co.jp/e/
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