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力を合わせて キングへアタック!!
平成24年度 神小研体育部ゲーム領域授業研究 第3学年「 キング ターゲット ボール 」体育科学習指導案 平成24年12月11日(火) 5校時 場所 神戸市立室内小学校 運動場 授業者 藤山 貴士 3年1組 男子14名 女子15名 計29名 1、子どもたちについて ○明るくひとなつっこい子どもたちである。女子に活発な子が多く、クラスを引っ張っている。男子はおとなし い子が多い。誰に対しても壁を作らず、元気な挨拶をしたり、気さくに話しかけたりすることができる。しか し、人の話を聞くことや自分で考えて行動することは苦手な子が多い。掃除や係活動には、一生懸命に取り組 むことができる。 ○体育学習に限らず体を動かすことが好きである。休み時間は運動場に出て元気に遊ぶが、個々で様々な遊びを して遊んでいる。 ○放課後や休日の習い事でスポーツに取り組む子は尐ない。そのため新しい活動には意欲的に取り組むが、運動 経験が尐ないため技術の向上は見えにくい。 ○新体力テストのソフトボール投げでは、円の中から投げるという制約があるものの、助動作がない、手の振り が小さいなど、投動作の小ささが気になった。また、経験不足からか、両手でボールを地面に叩きつけたり、 手足をうまく使えず、右足で踏み出し、右手で投げたりする姿も見られた。 ○1学期のベースボール型ゲームでは、ルールの理解が難しく、解釈の違いからトラブルになることも多く、付 け加えのルールを子どもたちに考えさせるには至らなかった。また、個を認めてもらいたい気持ちが強く、チ ームメイトへの声かけはほとんどなかった。 ○2学期のバウンドボールでは、どのようなゲームにしたいかを話し合ってから学習を始めた。また、1時間ご とに友達のがんばりをカードに書くようにした。夢中になってゲームに取り組んだり、みんなで楽しめるルー ルを考えたりする姿が見られた。ゲームの流れやルールが理解できるようになってくると、友達にも励ましや アドバイスの声が出始めるようになったが、まだ、勝敗を受け入れられない子どももいた。 2、教材について ○ランやパスでボールを運び、相手のキングにボールを当てれば得点が入るゴール型ゲームである。 ○人がアタックの対象となることで、動きを予測して狙いを定めたり、チームメイトと協力して攻撃したりする ことが重要になる。 ○ゴールエリアを三角形にすることでキングの動きが制限され、得点チャンスが増える。また、はずれたアタッ クがパスになったり、味方の回りこむ動きにつながったりすることから、攻め方が多様化する。 3、単元を通して ○目指す子どもの姿 力を合わせて キングへアタック!! ○単元を通しての指導者の願い ドッジボールの要素を使ったシンプルなルールのゲームに夢中になるだろう。しかし、攻守が入り混じるゲー ムを初めて経験するため、身体接触やルールの解釈の相違から、様々な揉め事が起こると思われる。その中で、 自分たちで話し合い、解決していく力を身に付けさせたい。また、ゲームの中でお互いに声を掛け合う姿を大切 にしたい。そして、勝敗を受け止め、友達のナイスプレーやアドバイスを紹介し合うなど、仲間と認め合い高め 合える子どもたちを育てたい。 動く的に向かって狙いを定め、力強く投球する力を身に付けさせたい。また、キングの活動を通して、ボール をよく見て、体を正対しようとする力も合わせて育てていきたい。 三角形のゴールエリアの特性を活かした攻め方を考え実行させていきたい。 4、単元目標 ○アタックやパスなどのボール操作をしたり、空いている場所に動いたりしてゲームをすることができる(技能) ○みんなが楽しめるようなルールを作り、チームが勝つための作戦を考えることができる。 (思考・判断) ○安全に準備や片付けをし、チームでアドバイスや励ましの声をかけ合いきまりを守ってゲームに取り組むこと ができる。 (関心・意欲・態度) 5、単元の評価規準 運動の技能 運動についての思考・判断 運動への関心・意欲・態度 ・ 力強くアタックできる。 ・ みんなが楽しめるようなルー ・ 安全に協力して準備や片づけ ・ 空いている所にすばやく動い てゲームができる。 ルを考えている。 をしようとする。 ・ どこに動けばアタックしやす ・ チームで励ましやアドバイス いかを考えている。 の声をかけ合い、きまりを守っ てゲームに取り組んでいる。 6、学習を進めるにあたって ○場の設定・工夫 ・サイド・エンドラインなし ゴールの前からでも後ろからでもアタックできる。ルールが簡単になる。ボールデッドがなくなり、活動量が 増える。 ・ゴールの大きさ 4m キングが恐怖感なくアタックされたボールと正対することができたり、投力が低い子がキングにアタックでき たりする広さ。 ・ゴールとゴールの距離 12.5m 間を広げすぎると攻守の役割分担がうまれる。 間が狭すぎると攻守の切り替えが早くなり、狭い空間に子どもたちが密集する。ボールの動きが横に広がりア タックの機会が減ってしまう。 全員で攻めて、アタックチャンスがうまれやすい最適な距離を考えた。 ・得点板の位置 片側のゴールの後ろに並べる 得点者が得点を入れに行っている間、得点を入れられたチームに数的優位がうまれる。 得点が一目で分かるので、試合の経過を把握しやすい。 ゴールエリア4m×3辺 アタックゾーン 得 点 ● ● 板 5m ゴール間12.5m キング エンドラインはなし サイドラインなし ○用具について ・ソフトドッジボール ・ゼッケン STD-2R 6球 6色(1~5番) ・得点板 6個 ・コート用の長縄 12m 6本 ○チーム作り・役割分担 ・男女混合4・5名×6チーム 子どもたちの技能・人数差も考慮に入れて教師がチームを決める ・チーム内の役割分担 役割 番号 役割内容 あいさつマン ① 号令。チームカードの準備 ゼッケンマン ② ゼッケンの準備・片付け 得点マン ③ 得点板の準備・片付け ボールマン ④ ボールの準備・片付け ゴールマン ⑤ ゴールエリアの準備・片付け ※ゴールの設置はみんなで協力して行う。 ○ルールについて (はじめのルール) (付け加えのルール) ・じゃんけんに勝った方のキングが味方に ・得点板は、得点を決めた人がめくる。 パスをして始める。 ・ロープをふみこえてアタックしてはいけない。 ・相手のキングにボールを当てたら1点 ・持っているボールをとってはいけない。 ・キングは当てられたらゼッケンの順番に ・ワンバウンドで当たった場合はセーフ。 入れ替わり、入れ替わったキングから試 ・キングがあたったボールを味方がキャッチした場合はセーフ 合を再開する。 になる。 ・キングがキャッチしたら1点。 ・ファウルがあった場合は、その場所から再開する。 ・相手にタッチしたらその場に止まり、ボールをパスする。 ・タッチするときは大きな声で「タッチ」という。 ○ミニゲームについて ゲームで使用するゴールエリアでアタックゲームを行う。ゲームの中の得点の場面に特化したゲームを行うこと で、投力やコントロールの力を身に付けさせたい。三角形の形をしたゴールエリアの特性をより多く体感するこ とで、ゲーム中の動きや作戦立案のヒントをつかませたい。 (アタックゲーム) (ルール) ○ 1時~3時 チーム内でアタックゲーム(得点は入れない) 4時~6時 ● ● ○ ● ○ ● ● 対戦相手とアタックゲーム(得点は入れる) ・第1ゲームはアタックゲームに勝ったチーム からゲームをはじめる。 ○ ○ 得点板 ○ふり返りカード(個人カード) ○ 月 ○ふりかえり 日( (よくできた・・・◎ 楽しくゲームができた ○今日の一言 ) 名前( できた・・・○ ルールや作戦を考えた ( 友だちやチームのよかったところ ) できなかった・・・△) みかたに声をかけた 次の時間がんばりたいことを書こう ・対戦表 場所・対戦相手が色分けしており、 一目でわかり移動がスムーズになる。 ・勝敗表 チームカードを作り、ゲームに勝つと 相手から1枚もらえる。 ・音楽 たくさんアタックできた 準備からアタックゲームまで、スムーズにいくように音楽を合図とする。 ) 7、指導計画(全6時間) 時 1 2 3 オリエンテーショ 楽しみ方 1 ン ルールを考えながら、全 員アタックをめざそう 4 5 6 数 楽しみ方2 簡単な作戦を立てて、全員得点をめざそう。 学習の進め方やルー 主 な ルについて知る ・チーム作り 学 (チームのメンバ 習 ーを知り、名前を 内 考える) 容 ●ミニゲーム(3分) ●ミニゲーム(3分) ○めあての確認(2分) ○めあての確認(2分) ●第1ゲーム(11分) ●第1ゲーム(11分) (5分―1分―5分) (5分―1分―5分) ○話し合い(8分) ○話し合い(8分) ゲームの振り返り ゲームの振り返り 良い動きや困ったことを話 良い動きや作戦を知る ・役割を決める ・学習の進め方を 知る し合う。 ・はじめのルール 付け加えのルールを考える を知る ●チームタイム(5分) ・試しのゲーム① チームで練習する をする ・ルールづくりを する ・試しのゲーム② をする ●チームタイム(5分) 作戦を考える チームで練習する ●第2ゲーム(11分) ●第2ゲーム(11分) (5分―1分―5分) (5分―1分―5分) ○話し合い(5分) ○話し合い(5分) ゲームの振り返り ゲームの振り返り 次時のめあてを確認する 次時のめあての確認をする ・ルールづくりを する ○片付け ○片付け 第1コート 第2コート 第3コート 第1試合 青―紫 白―赤 橙―黄 第2試合 紫―黄 青―白 赤―橙 第3試合 白―黄 紫―橙 青―赤 第4試合 青―橙 赤―黄 紫―白 第5試合 紫―赤 青―黄 白―橙 8、本時の学習(5/6) ○本時の目標 ・空いているところに動いてアタックすることができる。(技能) ・空いている場所や味方を使った作戦を立てようとする。(思考・判断) ・チームでアドバイスや励ましの声をかけ合い、進んでゲームに取り組む。(関心・意欲・態度) ○展開 学習活動 ◎目指す子どもの姿(評価)○手立て 0、学習の準備をする ・留意点 ○安全に留意し、役割を意識しながら準備できているか確認する。 ○チームの作戦を前もって把握しておく 1、アタックゲーム(3分) ○各チームをまわり、技能を高めるための言葉かけを積極的に行 う。 2、本時のめあてを確認する (2分) おいこんでアタックしよう ○本時のめあてを提示し、めあてを意識してゲームができるように する。 3、第1ゲームをする(11分) ○話し合いで取り上げるために、めあてを意識して動けている児童 やチームを見つけておく。 前半(5分) コートチェンジ(1分) 後半(5分) 4、話し合いをする(7分) ○めあてにあった動きができていた児童やチームを紹介する。 全体で ・ゲームの結果 ・本時のめあてができている 児童の動きを知り、技能の ポイントを確かめる チームで (5分) ○めあてを意識した練習になっているかどうかを確認し、できてい ・作戦を考える ない場合は助言する。 ・話し合いが終わったチーム ・負けているチームを中心にかかわり、勝つための助言を積極的に は実際に体を動かして練 行う。 習してみる。 6、第2ゲームをする(11分) ○めあての動きができている児童やよい言葉かけができている児 前半(5分) コートチェンジ(1分) 後半(5分) 童を積極的にほめる ◎空いている所に動いてアタックすることができたか。 ◎めあてを意識して作戦をたてることができたか。 ◎チームでアドバイスや励ましの声をかけ合い、進んでゲームに取 り組むことができたか。 7、本時のまとめをする(5分) ○勝敗の結果と本時のめあてについて確認し、次時のめあてに見通 ・ゲームの結果 ・めあての振り返り しを持たせる。 9、学習の流れ 1 時 準備片付けの仕方を理 め あ て 予 想 さ れ る 子 ど も の 姿 解しよう。 ルールを知り、ゲーム を楽しもう。 攻 め の 動 き 2 3 4 楽しみ方1 ゲームを楽しみながら、全員アタックしよう ○どんどんアタック ⑤本時 6 楽しみ方2 ○全員がアタックしよ しよう 簡単な作戦を立てて、全員得点をめざそう ○ねらってアタッ う ○おいこんで クしよう アタックしよう ○はさみうちにして アタックしよう 一人がボールを独占する。 ボールをみんなが追いかけて一緒に動く。 アタックできる子とできない子がいる。 パスを投げてゴールエリアを目指すようになる。 全員でせめる。 ゴールエリアに近づいてアタックする。 キングを角においこんでアタックする。 ルーズボールを捕りアタックする ゴールエリアでパスを回 して、はさみうちでキン グにアタックする。 守 り の 動 き やみくもに手を出し、接触が起こる。 キングがボールを怖がり、アタックに対して背を向ける。 相手の行く手を阻もうとする キングがアタックに対して体を正対して、ボールをよけたり捕ったりする。 全員で守る タッチしに行く子と、キングを守る子の役割分担が見られる。 相手の動きを予測して動けるようになる。 パスがうまくまわらないように、相手をマー クするようになる。 ボ ー ル を 持 た な い 児 童 の 動 き 周りから見ているだけになる。 ボールを追いかけるだけで、ボールに触ることができない。 ゴールエリアに先走りしてパスをもらおうとする。 アタックが外れてもボールを捕れる位置にいない。 声を出してボールを呼ぶ子がいる。 ボールと一緒に動く。 友達がアタックするときにゴールの反対へまわ りこむ。 ゴールエリアの3辺に分かれて動く。 教 師 の 働 き か け ・準備や片付けの仕方 「みんなが楽しめるルールを考えよう」 「近づこう」 など安全面を確認す 「アタック」 「追いこもう」 る。 「全員で攻めて全員で守ろう」 「まわりこもう」 ・ゲームを見ながら困 「得点を入れたれたらすぐに攻めよう」 「はさもう」 っていることを見つ 問題点を出させ、話し合ってルールを追加していく。 「ボールを呼ぼう」 ける。 ボールがもらえるように声を出させる。教師が見本と 味方にアドバイスの声かけをしたり、味方を活かす動きをし なる動きや声を出す。 たりしている子がいたときは、どんどん褒めて全体に広める。 安全面・チームの動 き・得点状況 ル ー ル 作 り ・じゃんけんに勝った ・得点板は、得点を決めた人がめくる。 方のキングが味方に ・ロープをふみこえてアタックしてはいけない。 パスをして始める。 ・持っているボールをとってはいけない。 ・相手のキングにボー ・ワンバウンドで当たった場合はセーフ。 ルを当てたら1点 ・キングは当てられた ・キングがあたったボールを味方がキャッチした場合はセーフになる。 ・キングがキャッチしたら1点。 らゼッケンの順番に ・ファウルがあった場合は、その場所から再開する。 入れ替わり、入れ替 ・相手にタッチしたらその場に止まり、アタックかパスをする。 わったキングから試 ・タッチするときは大きな声で「タッチ」という。 合を再開する。