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介護予防(リハビリとフットケア)を体験しよう
「介護予防(リハビリとフットケア)を体験しよう」 申請者 松浦久美子 はじめに 高齢者にとって、転倒は骨折などの重大な事故にもなりかねない危険なものである。転 倒により骨折などで寝たきりになることもある。筋力の低下、バランスの障害、骨関節の 問題に加えて巻き爪・タコなどの足のトラブルも転倒のリスクになる。 「有限会社もものは」 は、デイサービス、訪問看護の介護保険サービスを行っているが、リハビリテーションを 中心とし機能維持に取り組むとともに、さらにフットケアを取り入れ巻き爪・タコなどの 足のトラブルの改善に努めている。昨年度、貴財団の在宅医療助成を得て、在宅における フットケアの調査研究を行ってきたが、歩行状態を維持していくためにはリハビリテーシ ョンに加えフットケアの意義や効果について広く地域の方々に認識していただくことの必 要性がわかってきた。そこで今回、高齢者のみならず、地域住民にもリハビリテーション やフットケアの認識を広げる活動として、市民、介護関係者を対象にした「介護予防のフ ットケアとリハビリを体験しよう」というワークショップを開催した。 ワークショップの参加者募集 チラシ広告を地域に配布し参加者を募集した。また、地域包括支援センターや健康福祉 事務所、居宅介護支援事業所、各病院の地域連携室にも案内を配布した。 日時、会場 第1回 平成 23 年 4 月 30 日 9:30〜11:30 高砂市文化会館 第2回 平成 23 年 7 月 2 日 9:30〜11:30 たつの市はつらつセンター 結果 1.来場者 一般の地域住民、ケアマネジャ、高齢者及び家族、デイサービスのスタッフ、介護職、 訪問入浴サービス提供者など 2.実施内容 1)血圧測定 血圧計にて看護師が測定を実施。 2)リハビリ体操 ① 頸部 ② 上肢 ③ 手指 ④ 体幹 ⑤ 下肢 ⑥ 深呼吸 *前方への転倒予防のため足底をしっかり椅子前方に固定し腰痛のない範囲で行う。 理学療法士が体操の説明し椅子に座り体操を実施。 3)フットケア ①説明 爪の構造 爪の切り方 爪の必要性 転倒と足・爪の関係 靴下・靴の履き方や選び方 メディカルフットケアJF協会 1 級取得の看護師が説明。 ②フットケアの実際 足浴 足浴後の拭きとり方法 爪切り(ニッパ・キューティクルニッパ・ゾンデ・ヤスリ使用) 下肢マッサージ その他注意点 メディカルフットケアJF協会 1 級取得の看護師が実施。 ③物品説明 爪切り、保湿クリーム、足浴剤、タコなどの処置に必要な機材など 4)足圧測定 フットビュー足圧測定機にて測定。 5)アンケート ・イベントを何で知りましたか ・なぜイベントに足を運びましたか ・体験しての感想 ・今後も参加してみたいか など 6)その他 熱中症予防として、飲料水を配布 足浴剤の配布 3.アンケート結果 「またイベント(ワークショップ)をしてほしい」、「職場で役に立つ」、 「自分で行 えそう」 、「身体を動かしてよかった」、 「今後の役に立つ」 ,「フットケアの大切さがわ かった」など好評であった。 考察 デイサービスや訪問看護を通して、 「足が痛い」 、 「足が冷える」 、 「足がつまづく」 、 「腰 が痛い」、 「膝が痛い」など腰や下肢に対する心配や不安など多数の声を聞いてきた。 介護している家族やこれから介護しようとする人達を通して、簡単にできる体操や爪 切りなどのフットケアが転倒予防及び介護予防にとって大切だと感じていたが、実際 に地域住民のみならず、介護を提供している事業所のスタッフにも好評であった。介 護の現場で働いている職員にも体操やフットケアの内容及び必要性は広めていく必要 があると思われる。 おわりに 看護師・理学療法士・作業療法士・介護職などのスタッフもボランティアとして参加 したことで知識の幅が広がり、認識を共有することができた。また、地域での必要性 が理解でき、今後も定期的にワークショップを開催したいという動機づけになった。 地域での活動として今後も定期的に開催し広めていきたい。 公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成による 平成23年8月31日