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Weekly Outlook
投資情報部 2015 年 7 月 30 日(木) Weekly Outlook 週刊投資情報 CONTENTS 1. 日本株見通しとポイント~日経平均は当面横バイと予想 .....................................2 2. 米国株見通しとポイント~利上げ接近で神経質な動きに .....................................3 3. 円相場見通しとポイント~株安一巡後にドル高再開の見込み ..............................4 4. 国内経済動向~4-6 月の減産は一時的で先行きは緩やかな増産へ ...................5 5. 新興国市場・経済動向 ........................................................................................6 6. 主な国内株価指数とテクニカル指標の推移 ....................................................... 11 7. 今週のストラテジー・セレクション .......................................................................12 8. 日本株式~東証 REIT 指数は 10 月以降上昇へ ..............................................13 9. 向こう 3 ヵ月の主な注目スケジュール ...............................................................14 10. 来週・再来週の主なスケジュール ......................................................................16 1 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 No.215 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 1.日本株見通しとポイント~日経平均は当面横バイと予想 日本株担当: 長谷川 浩 足元の日米株価の推移は、NYダウが「上値切り下げ、下値切り下げ」型の軟調な動きとなっている。一方、 日経平均は今週にかけての下落局面で直近安値である7月第2週の安値を割っておらず、日本株の底堅さ が感じられる。とはいえ、国内生産が一進一退の状況から抜け出せずにいるなど、国内景気全般は積極的 に株価の上値を追える環境とは言えなさそうだ。当面、好業績銘柄への選別物色が継続しよう。 株価下落の背景は世界経済の回復遅れ 感があるわけではないが、世界景気の回復の遅れによ る米国株のさえない動きについても、当面の日本株の 上値を抑える要因となるだろう。 日経平均は7月24日から4日続落後、30日には反発 した。この期間を振り返ると、日本株が軟調だった要因 として、米国株式市場の5日続落と27日の中国株の大 幅 下 落 があげられる。米国 株 式 の下落 については、 28~29日のFOMC(連邦公開市場委員会)の結果待ちと いうこともあったとみられるが、21日発表のIBMや23日 発表の3M、キャタピラーの4-6月期決算が振るわなかっ たことがきっかけとなったとみられる。23日に発表された 7月18日終了週の新規失業保険申請件数が歴史的な 低水準となるなど、米国景気自体は比較的堅調とみら れるものの、世界景気の弱さに対して市場の耐性は脆 弱となっているようだ。 国内では決算発表が本格化 30日に発表された6月の鉱工業生産は回復したもの の力強さは感じられず、在庫水準も比較的高いままだ。 国内外の景気回復に力強さが感じられない状況が続く なか、当面は好業績銘柄を中心とした個別銘柄物色が 継続しよう。図表2は7月28~29日に2016年3月期の第1 四半期決算を発表した企業の内、弊社アナリストが決算 内容をポジティブと評価した主な銘柄である。 図表1. 日経平均とNYダウの推移 一方、24日に発表された7月の中国製造業PMIが事 前予想を下回って低調だったこと、27日の上海株式市 場の大幅下落が日米株価の下落の要因となった。日本 国内では、「中国株の下落が中国の景気に直接的に与 えるインパクトは大きくなく、日本経済への影響は限定 的」との見方が主流とみられるが、海外投資家の間では 中国株や中国景気の先行きに敏感となっている模様だ。 上海総合指数は当局が株価対策を実施しているものの 下げ止まりの気配が見られない。日本のインバウンド消 費が伸び悩む可能性は低いとみられるが、中国株の下 落が日本株に影響を与える場面は今しばらく覚悟する 必要があろう。 軟調な米国株が日本株の上値を抑える 上値切り上げ 日経平均 20,000 直近安値を割らず 19,000 上値切り下げ NYダウ 18,000 下値切り下げ 17,000 2015年 4/1 5/6 6/10 7/15 (月/日) 出所: Astra ManagerよりSMBC日興証券作成 図表2. 決算発表内容がポジティブだった主な銘柄 NYダウと原油価格の連動性は高くはないが、原油価 格の低迷がエネルギーセクターの新規投資や人員の削 減を招き、同分野の業績悪化が結果的に米国株の上 値を重くしている面はあろう。また、米国の政策金利引 き上げ観測を背景としたドル高傾向は、引き続き米国の グローバル企業の業績悪化の要因となっている。4月以 降の日米株価の推移を見ると、日経平均が6月に上値 を切り上げ、また、今週の下落でも直近の安値を割って いないのに対し、NYダウは6月の戻り高値は5月高値を 抜けず、また、7月27日には直近安値の7月8日の価格 を割っている(図表1)。企業収益全般は米国株より日本 株の方が好調なため、必ずしも日本株に相対的な割高 7/28発表分 コード 銘柄名 8586 日立キャピ 9744 メイテック 7/29発表分 コード 6471 6501 6770 6810 6952 7201 9020 銘柄名 日精工 日 立 アルプス 日立マクセル カシオ 日産自 JR東日本 7/30 決算のポイント 終値(円) その他金融業 3,385 コスト構造改革効果が顕在化 サービス業 4,940 エンジニアの稼働率が想定以上 業種名 業種名 機械 電気機器 電気機器 電気機器 電気機器 輸送用機器 陸運業 7/30 終値(円) 1,609 784.6 3,785 1,961 2,434 1,186.5 12,100 決算のポイント 円安効果、電動パワステの堅調 手堅い事業運営に加え円安効果 スマホ用部品シェア低下見られず 車載用製品の好調続く 時計は全地域で2ケタ増収 好採算車種の販売が伸びる 北陸新幹線上振れ 注:7月28~29日に発表された決算につき、弊社アナリストがポジティブな 内容だったと判断した主な銘柄を掲載。各銘柄の詳細については弊社 株式調査部レポートをご参照ください 出所: Astra ManagerなどよりSMBC日興証券作成 2 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 (日経平均:円 NYダウ:ドル) 21,000 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 2.米国株見通しとポイント~利上げ接近で神経質な動きに 日本株・米国株担当: 河田 剛 7月23日以降の米国株市場は、中国株の下落や一部企業の低調な決算などから当初は下落したが、その 後反発した。4-6月期決算は直前予想を上回るペースとなっており、株価の下支え材料となろう。一方、利上 げ開始の可能性が高まっていることから、決算発表が一巡する8月半ば以降は、9月16~17日のFOMCが 近づくにつれて神経質な動きとなり、場合によっては短期的に調整する可能性もあろう。 先週、今週のレビュー~続落後に反発 当面の見通し~利上げ接近で神経質な動きに 7月23日の米国株市場は、7月18日終了週の新規失 業保険申請件数が事前予想を下回り、利上げ期待が 高まったことや、キャタピラーやスリーエムが業績見通し を下方修正したことなどから、ダウ工業株指数(NYダウ) は前日比▲119ドルとなった。24日には、中国の経済指 標が低調だったことや、6月の新築住宅販売件数やバイ オジェンの4-6月期決算が事前予想を下回ったことなど から、NYダウは▲163ドルとなった。週明け27日は、6月 の耐久財受注が事前予想を上回ったものの、中国株の 下落や、FOMC(連邦公開市場委員会)の開催を控え ての様子見などから、NYダウは▲127ドルとなった。28 日は、5月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数や7月の コンファレンスボード消費者信頼感指数が事前予想を 下回ったものの、中国株が下げ幅を縮小したことや、フ ァイザー、フォードなどの決算が堅調だったことから、 NYダウは+189ドルと6営業日ぶりに反発した。29日は、 6月の中古住宅販売仮契約指数が事前予想を下回っ たものの、中国株が堅調な動きだったことや、FOMCの 声明文で、米国経済の改善が続いているとの認識が示 されたことなどから、NYダウは+121ドルとなった。 経済指標では8月3日発表予定の7月のISM製造業 景況指数(事前予想:53.5)、7日発表予定の7月の雇用 統計(事前予想:非農業部門雇用者数、前月比+22.0 万人、民間部門雇用者数、+21.5万人、時間当たり賃金、 +0.2%、失業率5.3%)などが注目される。4-6月期の決 算については、7月29日までにS&P500採用企業のうち 286社(57.2%)が発表を終えているが、全産業のEPS(1 株 当 た り 利 益 ) が 前 年 比 +2.8% 、 金 融 除 く ベ ー ス が +2.4%、エネルギー除くベースが+5.1%と、7月7日の直 前予想(全産業▲6.5%、金融除く▲7.6%、エネルギー 除く+0.6%)を上回るペースとなっており、株価の下支え 材料となろう。一方、7月28~29日に開催されたFOMC後 の声明文では、労働市場について「さまざまな指標は労 働力の活用不足の度合いが今年の早い段階以降に縮 小してきたことを示唆している」とし、雇用の判断を上方 修正した。また、「労働市場がさらに幾分か改善し、イン フレ率が中期的に2%の目標に戻っていくと合理的に確 信した場合は、FF金利の目標レンジの引き上げが適切 になると見込んでいる」との表現から、遅くとも年内に利 上げが開始される可能性が高いと考えられる。このため、 決算発表が一巡する8月半ば以降は、9月16~17日の FOMCが近づくにつれて神経質な動きとなり、場合によ っては短期的に調整する可能性もあろう。 不動産市場の動向 7月28日に発表された5月のS&P/ケース・シラー住宅 価格指数は、全米20都市ベースで、季節調整前の前 年比が+4.94%と事前予想(+5.60%)を下回った。また、 前年比では36ヵ月連続でプラスとなった。前月比では季 節調整前が+1.1%、季節調整後では▲0.2%となったが、 総じて住宅価格の回復傾向が続いている。販売面につ いては、22日に発表された6月の中古住宅販売件数は 前月比+3.2%、年率549万件(事前予想:540万件)、24 日に発表された6月の新築住宅販売件数は前月比▲ 6.8%、年率48.2万件(事前予想:54.8万件)となった。29 日に発表された6月の中古住宅販売仮契約指数は前 月比▲1.8%と事前予想(+0.9%)を下回った。17日に発 表された6月の住宅着工件数は前月比+9.8%の年率換 算117.4万件と事前予想(110.6万件)を下回った。新築 住宅販売件数などは低調だったものの、全体的には改 善傾向が続いていると考えられる。 事前予想は Bloomberg、2015 年 7 月 30 日 10 時時点のもの 図表1. S&P/ケース・シラー住宅価格指数の推移 (ポイント) (%) 60 50 220 住宅価格指数(20都市) (右軸) 40 180 30 160 20 140 10 120 0 100 -10 80 前年同月比(左軸) -20 60 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 出所: BloombergよりSMBC日興証券作成 3 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 200 (年) 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 3.円相場見通しとポイント~株安一巡後にドル高再開の見込み 欧米・為替担当: 田中 浩介 足元のドル円相場は、方向感に欠ける値動きとなっている。米国のマクロ面からはドルにとって中立的な週 であった一方、主に中国株や米国株の下落がドルの上値を抑制した。ただ、中国株は徐々に落ち着きを取 り戻しつつあり、今後も下落局面があれば中国政府の下支え策が期待できるほか、米国株も目先は安定化 に向かうとみられ、焦点が米景気や金融政策に移るにつれてドル高の動きが再開しよう。 この1週間(7/23~)のレビュー ドル円は、23日に米雇用関連指標の良好な結果を受 けて一時124.19円に上昇した。週明け27日には、中国 株の大幅下落によるリスクオフの流れから一時123.01円 まで下落したが、28日以降は中国株が落ち着きを取り 戻すにつれてリスクオフムードが後退し、ドル円は30日 に再び124.19円まで持ち直した。ユーロ円は、27日のリ スクオフ局面でユーロ売りポジションの解消が進んだこと を受けて137円台を回復する場面もあったが、29日の FOMC(連邦公開市場委員会)後には対ドルでのユー ロ売りが対円にも波及し、一時136円割れまで下落した。 豪ドル円およびNZドル円は、予想外に弱い中国の経済 指標を受けて24日に一旦下落したものの、28日以降は 水準を切り上げている。(東京時間7/30正午時点) ドル円は、足元で米国金利だけでなく米国株市場の 動向にも左右され易くなっている。そのため、米国株が 落ち着きを取り戻すにつれて、リスクオフに伴う円買いド ル売りの動きは一巡しよう。 円相場の見通しと来週にかけての注目材料 その後については、市場の焦点が米国のマクロ環境 や金融政策に改めてシフトしていくと考えられる。米国 の景気は、引き続き緩やかな改善傾向を辿っている。 28~29日のFOMC後の声明文では、経済活動の緩やか な拡大が示されたほか、労働市場に対する見方が上方 修正された。実際、米国の景況感を示すISM製造業景 況指数は、3月にかけて5ヵ月連続で低下後、4月に横 ばいとなったのち、6月まで2ヵ月続けて改善。また、雇 用者の増加ペースも堅調を維持している(図表1)。今後 も利上げに向けた環境が着々と整うにつれて、為替市 場ではドル高の再開が期待できよう。 株安一巡後にドル高再開が見込まれる 来週にかけて相次ぐ重要経済指標に注目 足元のドル円は、方向感に欠ける値動きとなっている。 先週以降発表された米経済指標を振り返ると、2007年2 月以来の高水準となった 6月中古住宅販 売件数や、 1973年以来の低水準となった新規失業保険申請件数 など、記録的な結果がみられた一方、6月新築住宅販 売や7月消費者信頼感指数など、一部には依然として 期待外れの結果が残った。米景気が今後改善傾向を 辿るという基本的な見方は変わらないものの、マクロ面 からみるとドルにとって中立的な週であった。 来週にかけては、米国で重要経済指標の発表が相 次ぐ。今週は、30日の4-6月実質GDPや31日の4-6月雇 用コスト指数に注目。週明け以降は、3日に7月ISM製 造業景況指数や6月個人消費支出、7日には7月雇用 統計が発表される。これらの一連の指標は、弊社では9 月を見込む米国の利上げに対する思惑を大きく左右す ることが予想される。良好な内容が続けば、ドル円が改 めて125円を目指す展開も想定されよう。 一方、ドルの上値を抑制したのが、中国株安や米国 株安を受けた投資家心理の悪化である。27日には中国 政府による株安対策の縮小懸念などを背景に上海総 合指数が前日比▲8.5%安となった。もっとも、同日に政 府は引き続き市場や投資家心理の安定のために対策 に全力を尽くすと表明。その後、足元にかけて中国株の 動きは安定化しつつあり、今後も下落局面があれば政 府による下支え策が期待できよう。一方、米国株につい ては、上述の中国株安や商品市況の下落、一部大企 業の決算動向を受けて軟調に推移した。しかし、これに ついても中国株安や企業決算の一巡(来週末時点で S&P採用企業の大半が決算発表を終える)によって目 先は徐々に安定化していくと考えられる。 図表1. ISM製造業景況指数と非農業部門雇用者数 (千人) 500 450 60 ISM製造業景況指数(右軸) 400 58 350 56 300 54 250 52 200 50 150 48 100 13/1 13/5 13/9 14/1 14/5 14/9 出所: ISM及び米労働省よりSMBC日興証券作成 4 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 62 非農業部門雇用者数(前月比、左軸) 15/1 46 15/5 (年/月) 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 4.国内経済動向~4-6月の減産は一時的で先行きは緩やかな増産へ 日本経済・金利担当: 野村 真司 6月の鉱工業生産は2ヵ月ぶりの増産となり、市場予想も上回った。但し、4-6月の生産は3四半期ぶりの減 産に転じ、出荷・在庫とのバランスを勘案すると依然として停滞感が残る。一方、同時に発表された生産予 測調査では7~8月は4-6月平均を上回る見込み。今後も輸送機械工業の停滞は続く一方、内需の底堅さを 反映して電気機械工業等を牽引役に緩やかな増産トレンドへの回帰が期待されよう。 6月鉱工業生産:7~8月は増産見通し 6月小売業販売:横ばい圏の動き 6月の鉱工業生産(季調値)は前月比+0.8%(5月同 ▲2.1%)と2ヵ月ぶりの増産となり、市場予想(同+0.3%、 Bloomberg調査)も上回った。生産指数は15業種のうち 9業種で増産。マイナンバー対策向け(10月から国民に 個人番号通知を開始)の企業向けパソコンが好調だっ た情報通信機械工業、新製品効果やインバウンド需要 の旺盛な化粧品が押し上げた化学工業、内外の需要 が回復した普通乗用車等の輸送機械工業の増産が目 立った。一方、スマートフォンの生産が一服していること を受けて、電子部品・デバイス工業等は減産。生産全 体は増産に転じ、市場予想は上回ったものの、出荷・在 庫とのバランスを勘案すると依然として停滞感が残る。 出 荷 は 同 +0.3% と 生 産 の 伸 び を 下 回 り 、 在 庫 は 同 +1.3%と2ヵ月ぶりの増加に転じた。特に想定したほど需 要が強くない乗用車、中国等、新興国経済の減速の影 響を受けて建設用機械(ショベル系掘削機、クレーン等) で在庫が積み上がっている。経済産業省は生産の基調 判断を「一進一退で推移している」に据え置いた。 6月の商業動態統計の小売業販売額指数(季調値) は前月比▲0.8%(5月同+1.7%)と3ヵ月ぶりのマイナス。 6月は気温がやや低めで西日本中心に降水量が多かっ たこと等、天候不順も影響している。明るい材料としては、 これまで小売業販売の足を引っ張っていた自動車は販 売台数でプラスが続いており、自動車増税の反動減が 一巡した可能性を指摘できよう。一方、家電等、機械器 具は4ヵ月連続のマイナスで耐久財消費の一部に弱さ が垣間見える。経済産業省は小売業の基調判断を「一 部に弱さがみられるものの横ばい圏」に据え置いた。 図表1. 最近の主要産業の生産動向 120 (2011年2月=100) (季節調整値) 輸送機械 はん用・生産用・業務用機械 110 100 90 80 四半期ベースでみると4-6月は前期比▲1.5%と3四半 期ぶりの減産に転じた。一方、同時に発表された製造 工 業 生 産 予 測 調 査 ( 前 月 比 で 7 月 が +0.5% 、 8 月 が +2.7%)を勘案すると、7~8月の生産は4-6月平均を1.7% 上回っており、再び増産に転じる見通し。7月は海外か ら受注が入っているはん用・生産用・業務用機械工業、 定期修理前の増産を計画する化学工業が押し上げる。 8月は夏場の増産サイクルに入る電子部品・デバイス工 業や情報通信機械工業が増産に寄与する見込み。し かし、生産の裾野の広い輸送機械工業は一進一退の 見通しで、増産トレンドに転ずる兆しは窺えない。今後 の生産動向について主要産業でみると、輸送機械工業 の停滞は続く一方、個人消費、設備投資等、内需の底 堅さを反映して電気機械工業、はん用・生産用・業務用 機械工業等が牽引する公算が大きい。従って、鉱工業 生産は再び緩やかな増産トレンドへの回帰が期待され よう。 70 鉱工業生産 電気機械 60 50 電子部品・デバイス 情報通信機械 生産予測指数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 2014年 2013年 2012年 出所: 経済産業省「鉱工業生産」よりSMBC日興証券作成 図表2. 小売業販売額指数の推移 140 (2011年2月=100、季節調整値) 130 120 消費増税前の 駆け込み需要 のピーク 小売業計 各種商品 エコカー 補助金終了 110 織物・衣服 等 100 飲食料品 90 自動車 80 機械器具 70 60 1 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 (月) 12 13 14 15 (年) 出所: 経済産業省「商業動態統計」よりSMBC日興証券作成 5 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 (月) 2015年 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 5.新興国市場・経済動向 新興国担当: 山本 正樹 / 白岩 千幸 / 武田 泰典 / 前田 佑太 新興国株式市場は、中国株急落を受けて総じて下落したが、その下げ止まりを受けて足元でやや反発して いる。新興国通貨も概ね同様の展開。FOMC後の新興国市場の反応は限定的となったものの、来週にかけ ては経済指標などから、米利上げ観測が高まり、新興国通貨等が下押しされる可能性に注意が必要だろう。 新興国のスケジュールでは、インドの金融政策、インドネシアの4-6月実質GDP等が注目される。 最近の新興国市場の動向 新興国通貨は、ユーロに連れ高となった東欧通貨を 除き、リスク回避姿勢の強まりから対ドル、対円ともに総 新興国株式市場は、週明けの中国株急落を受けて 総じて下落したが、中国株下げ止まりを受けて足元でや じて下落後、足元ではやや反発している。直近1週間の や反発している。直近1週間の株価指数騰落率(図表1、 通貨騰落率(図表1、29日、対円)では、ブラジルレアル 29日時点)では、中国・上海株が▲5.9%と大幅安。政 (▲3.3%)やトルコリラ(▲2.2%)等の下落が目立つ。ブ 府による株価対策の縮小観測が浮上したことなどから、 ラジルレアルは、基礎的財政収支目標の引き下げや、 27日の上海総合指数は前日比▲8.5%と2007年2月以 これに伴う格付けへの懸念が重石となった(詳細は後 来の大幅な下落率となった。翌28日以降は、政府の株 述)。トルコリラは、地政学リスクの高まり等が嫌気された。 価対策が継続するとの見方から下げ止まりの動きとなっ この他、商品市況の下落を受け、ロシアルーブル(▲ ている。また、トルコ株(▲3.9%)は、地政学リスクの高ま 2.2%) 、メキ シコ ペ ソ( ▲ 1.2% ) 、南 アフリ カラン ド(▲ りが売り材料となった(詳細は後述)。この他、中国との 1.1%)等の資源国通貨の下げも目立っている。(前田) 経済関係が深いインドネシア(▲3.8%)など東南アジア 株も下げが目立った。インド株(▲3.3%)は、一部企業 の決算や国会の空転が嫌気され、売られた。 図表1. 主な新興国市場の動向 直近値 騰 落 率 (% ) 7月 29日 2015年 初 来 2014年 年 間 過 去 1週 間 過 去 30日 間 過 去 90日 間 過 去 1年 間 株価指数 中国 インド 韓 国 インドネシア タイ マレーシア フィリピン ロシア トルコ 南アフリカ ブラジル メキシコ 為替 上海総合指数 香港ハンセン指数 SENSEX30種指数 韓国総合指数 ジャカルタ総合指数 SET指数 FBM KLCI総合指数 フィリピン総合指数 MICEX指数 イスタンブール100種指数 JSE全株指数 ボベスパ指数 ボルサ指数 3,789.16 24,619.45 27,563.43 2,037.62 4,721.12 1,417.49 1,698.99 7,482.83 1,622.32 78,079.76 51,598.54 50,245.14 44,471.29 17.1 4.3 0.2 6.4 ▲9.7 ▲5.4 ▲3.5 3.5 16.2 ▲8.9 3.7 0.5 3.1 52.9 1.3 29.9 ▲4.8 22.3 15.3 ▲5.7 22.8 ▲7.1 26.4 7.6 ▲2.9 1.0 ▲5.9 ▲2.6 ▲3.3 ▲1.3 ▲3.8 ▲2.1 ▲1.8 ▲2.0 ▲0.8 ▲3.9 ▲0.7 ▲1.3 ▲0.4 ▲6.5 ▲5.2 ▲0.3 ▲1.1 ▲3.3 ▲6.2 0.4 ▲1.1 ▲0.8 ▲4.5 ▲0.8 ▲5.2 ▲0.5 ▲14.7 ▲12.5 2.0 ▲4.2 ▲7.2 ▲7.2 ▲6.6 ▲3.0 ▲3.9 ▲7.0 ▲5.2 ▲10.6 ▲0.2 73.6 ▲0.1 6.0 ▲1.2 ▲7.2 ▲6.8 ▲9.5 9.2 18.4 ▲7.3 ▲1.2 ▲12.0 ▲0.0 3.5 2.3 ▲2.5 ▲4.7 ▲2.6 ▲5.1 1.6 2.5 ▲12.6 ▲4.5 ▲17.4 ▲6.2 10.9 11.4 9.4 11.7 13.0 6.5 12.8 ▲35.6 4.6 3.2 1.0 0.5 ▲0.0 ▲0.5 ▲0.4 ▲0.6 ▲0.8 ▲0.6 ▲0.8 ▲2.2 ▲2.2 ▲1.1 ▲3.3 ▲1.2 1.1 1.1 ▲2.5 0.2 ▲2.3 ▲0.2 ▲0.3 ▲3.9 ▲1.1 ▲1.3 ▲5.3 ▲2.6 3.7 2.9 ▲3.7 0.0 ▲2.0 ▲2.8 1.8 ▲8.6 0.4 ▲1.3 ▲6.0 ▲2.1 20.8 14.4 7.2 4.4 10.5 1.1 15.6 ▲25.9 ▲7.2 2.6 ▲18.7 ▲2.6 ※プラスは外貨高・円安、マイナスは外貨安・円高 中 国 インド 韓 国 インドネシア タイ マレーシア フィリピン ロシア トルコ 南アフリカ ブラジル メキシコ 円/人民元 円/インドルピー 円/韓国ウォン(x100) 円/ルピア(x100) 円/バーツ 円/リンギ 円/フィリピンペソ 円/ルーブル 円/トルコリラ 円/ランド 円/レアル 円/メキシコペソ 19.96 1.94 10.66 0.92 3.54 32.43 2.71 2.11 44.80 9.88 37.21 7.60 注: 「直近値」については、当該日付が休場となっている場合は、その前営業日の値を掲載 出所: BloombergよりSMBC日興証券作成 6 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 新興国市場関連トピック めている。加えて、6月の総選挙で与党AKP(公正発展 党)の獲得議席が過半数を割り込み、大統領の求心力 が低下していることもあり、中銀にとって従来よりも金融 政策運営の自由度が増していると推察される。そのため、 今後国内の政治的混乱や地政学リスクの高まり(詳細 は後述)、米利上げ等を背景にリラが急落した場合には、 中銀は利上げに踏み切るとみられ、トルコリラの大幅な 底割れは回避されよう。(前田) 中国~7月の財新製造業PMIは予想に反して低下 24日に発表された7月の財新製造業購買担当者指 数(PMI)(旧HSBC製造業PMI)速報値は、前月比▲ 1.2ptの48.2と市場予想(Bloomberg、49.7)に反して低 下。5ヵ月連続で景況感の分岐点となる50を下回った。 サブ指数をみると、輸出向け新規受注が大幅に低下 (▲3.6pt)し、新規受注全体でも▲2.1ptの48.1と昨年4 月以来の低い水準となった。ギリシャ問題等を背景に中 国の主要輸出先である欧州の景気に対する不透明感 が高まったことに加え、株価急落による国内景気への影 響を懸念した企業が発注等を一時的に控えた可能性も あろう。(白岩) 図表3. トルコの消費者物価指数(CPI)と政策金利 12 10 8 6 図表2. 中国の製造業購買担当者指数と鉱工業生産 インフレターゲット (+5±2%) 4 (前年比、%) 54 (%) 15 2 中国物流購入連合会の 製造業PMI(左軸) 0 12/1 52 10 主要政策金利(1週間物レポ金利) CPI(前年比) コアCPI(前年比) 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 (年/月) 注: コアCPIは食品、飲料、エネルギー、タバコ、金を除いたもの 出所: CEIC、Bloomberg、トルコ統計機構よりSMBC日興証券作成 50 5 トルコ~シリア・イラク国境付近の情勢が緊迫化 48 財新製造業PMI (左軸) 46 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 トルコでは20日以降、シリア・イラク国境付近の情勢 が急速に悪化している。20日に「IS(イスラム国)」による ものとみられるクルド人を狙った自爆テロが起こると、22 日にクルド系過激派組織PKK(クルド労働者党)の関連 団体による警察官殺害事件が発生。23日にはISとトル コ軍が交戦し、24日にトルコ軍はISおよびPKKに対する 空爆を実施した。その後も両者に対する空爆は継続的 に実施されており、一連の動きはリラ下落の一因となっ ている。地政学リスクが長期にわたって通貨リラを下押し する可能性は低いとみているが、当面はリスク要因とし て引き続き警戒が必要であろう。 鉱工業生産(右軸) 14/7 15/1 0 15/7 (年/月) 注: 鉱工業生産の2月は1-2月の累計値 出所: CEIC、Markit、中国国家統計局等よりSMBC日興証券作成 トルコ~5会合連続で政策金利の据え置きを決定 トルコ中央銀行は23日、主要政策金利である1週間 物レポ金利(7.50%)をはじめ、すべての政策金利を市 場予想通り据え置いた。声明文では、食品およびエネ ルギー価格が短期的にインフレに好ましい影響を与え ているとする一方、通貨安がコアインフレの改善を遅ら せていると指摘。通貨安に加え、国際金融市場の不確 実性と食品・エネルギー価格のボラティリティを考慮する と、慎重な金融政策スタンスを維持する必要があるとの 見解を示した。総じてみると、前回と同様の内容であっ たと言えよう。 年内にも米国の利上げが見込まれること、これまでの リラ安等によるインフレ圧力が今後強まるとみられること などから、中銀は引き続き追加利下げを回避すると予想 している。 他方、6月の総選挙で与党AKPが過半数の議席を失 った後、7月13日から正式に連立交渉が始まっているが、 依然として大きな進展はみられない。市場では再選挙 の可能性も懸念され始めており、仮に再選挙となれば、 政治的な不透明感が高まり、リラが急落するリスクもあろ う。もっとも、再選挙になったとしてもAKPが再び過半数 を獲得することは難しいとみられること、野党各党が再 選挙は回避すべきとの見解で一致していること等を考 慮すると、最終的には連立政権が樹立される可能性が 高いと予想している。 なお、3月半ばに行われたエルドアン大統領と中銀総 裁との会談以降、大統領からの利下げ要求は鳴りを潜 為替市場では米国の利上げ時期が最大の焦点とな っており、当面は新興国通貨に売り圧力がかかりやす 7 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 い状況が想定される。トルコでは地政学リスクや連立協 議を巡る不透明感が高まっているため、連立政権が樹 立され(期限は8月下旬)、地政学リスクが一服するまで は、新興国通貨の中でもリラは相対的に売られやすい 地合いが続くと予想される。(前田) 図表5. 南アフリカの消費者物価指数(CPI)と政策金利 7.0 6.5 6.0 5.5 5.0 図表4. トルコリラ相場 2.05 (%) (リラ/ドル) (円/リラ) 4.5 55 政策金利(翌日物レポ金利) 4.0 2.15 53 3.5 2.25 リ ラ 高 2.35 2.45 2.55 51 3.0 49 2.5 12/1 対米ドル(左逆軸) 13/1 コアCPI(前年比) 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 注: コアCPIは食品、飲料、エネルギー、ガソリンを除いたもの 出所: CEIC、Bloomberg、南アフリカ統計局等よりSMBC日興証券作成 45 対円(右軸) 12/7 消費者物価指数(CPI、前年比) (年/月) 47 2.65 インフレターゲット (+3~6%) 2.75 43 14/1 14/3 14/5 14/7 14/9 14/11 15/1 15/3 15/5 ブラジル~S&Pが格付け見通しを引き下げ 15/7 (年/月) 大手格付け会社S&Pは28日、ブラジルの外貨建てお よび自国通貨建て長期国債格付けの見通しを「安定的 *」から「ネガティブ*」に引き下げた。声明文では、ルセ フ政権2期目に入って政策が改善しているものの、汚職 問題や、議会における政治的対立、景気の悪化などを 背景に財政の見通しが悪化していると指摘した。S&Pの 外貨建て長期国債格付けは現在「BBB-*」と投資適格 級の中で一番低い格付けを付与しており、仮にあと一 段階引き下げられると、投資不適格級となる。 出所: BloombergよりSMBC日興証券作成 南アフリカ~利上げサイクルを再開 南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)は23日、政 策金利である翌日物レポ金利を0.25%pt引き上げること を決定した(政策金利は6.00%に)。利上げは2014年7 月以来、6会合ぶり。市場では、利上げと据え置きで見 方が大きく割れていた。 声明文では、予想される米利上げに伴うランド安、食 品価格の上昇、電力料金の引き上げ等によるインフレ の上振れリスクを指摘。その上で、2016年前半には消費 者物価指数(CPI)の前年比が目標上限(+6%)を超える との見通しを示すなど、総じてインフレに対する警戒感 を強めていることが窺える。クガニャゴSARB総裁は、イ ンフレ圧力の高まりやリスクに対処しない場合にインフレ 期待が高止まりする可能性があるため、引き続き段階的 な金利正常化(利上げ)の道筋を辿ると発言。今後も 徐々に利上げを行うことを示唆している。 今後は投資不適格級に格下げされるか否かが焦点と なるが、S&Pによる次の格付け見直しのタイミングは少 なくとも半年程度先とみられる。従って、当面はS&Pが 格付けの判断材料に挙げた政治や景気の動向が焦点 となろう。 レアル相場については、政治情勢への不安感や財 政再建策に対する先行き不透明感、格下げに対する警 戒感などを背景に、当面下押し圧力がかかりやすい状 況が続こう。一方、昨年後半以降の大幅なレアル安によ り経常収支は年末にかけては改善するとみられることか ら、レアルも徐々に下げ止まるとみている。(武田) このような利上げサイクルの再開は、通貨ランドに対 して一定の下支えになると期待される。もっとも、南アフ リカでは電力不足等を背景に景気の低迷が続き、経常 赤字は縮小傾向にあるとはいえ依然として高水準、財 政再建への道筋も不透明であるなど、経済ファンダメン タルズは良好とは言い難い。年内にも米国の利上げが 見込まれていることを踏まえると、通貨ランドは当面は対 ドルで緩やかな下落基調、対円では概ねボックス圏で の推移を予想している。(前田) 注:「*」は日本では無登録の格付け機関による格付け又は見 通し ブラジル~中銀が利上げ打ち止めを示唆 ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、28~29日の金融 政策委員会で市場予想通り政策金利を0.50%ポイント 引き上げ、14.25%にすることを全会一致で決定した(29 日の市場取引終了後に発表)。利上げは2014年10月の 会合以降7会合連続。 8 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 来週にかけてのスケジュールと見通し 今回の会合では声明文の内容に大きな変更(新たな 文言の追加)があった。声明文では、「委員会は、この 金利水準を十分に長い期間維持することがインフレ率 を来年末にターゲットに収束させるのに必要だと考えて いる」との文言を追加し、今後は政策金利を据え置く可 能性を示唆した。 今週は米国のFOMC(連邦公開市場委員会)を控え る中、一旦は落ち着いていた中国株が週明け早々に急 落。市場はリスクオフモードとなり、商品や新興国株式、 通貨が下押しされる展開となった。もっとも、中国株式 市場の落ち着きをみて、直近ではリスクオフモードは後 退、FOMCの結果に対する反応も限定的となった。 一方、足元では政府による財政収支目標の引き下げ やレアル安など新たなインフレリスク要因が浮上してい る。現時点では次回会合で政策金利が据え置かれる可 能性が高いとみているものの、今後、政府による財政緊 縮路線が更に後退した場合やレアル安が一段と進んだ 場合は中銀が再び利上げを迫られるリスクもあろう。 一方、本日30日の日本時間夜には米国の4-6月実質 GDP(速報値)の発表が控える他、来週にかけては米国 で重要経済指標の発表が目白押しとなっている。これら の結果次第では、米利上げ観測が急速に高まる可能 性にも警戒が必要だろう。米利上げは中長期的には円 安ドル高要因となるが、世界的に株式市場の調整色が 強まる中では、一時的に「安全資産」の円が買われるこ とも予想される。新興国通貨は、目先的には対円でより 下落しやすい展開も想定されよう。 今回の声明文変更を受けて、ひとまず通貨レアルは 売り、株式市場では買いが先行しよう。ただ、足元の市 場では、財政再建策や汚職問題等を巡る政治動向、商 品市況に対する注目度が高く、金融政策に対する反応 は一時的なものに留まるとみている。(武田) 米国の金融政策を巡っては、利上げがひとたび開始 されれば、利上げ開始時期については材料出尽くしと なる。その後も利上げペースを巡る不透明要因は残るも のの、新興国市場の動因としての米金融政策のウェイト は徐々に低下し、新興国ごとの個別の材料がより重要と なってこよう。その意味では、目先的に新興国資産が全 般的に下押しされる局面は、ファンダメンタルズが良好 な新興国へ投資する機会と捉えることが可能であろう。 図表6. ブラジルの政策金利および拡大消費者物価指数 9.0 (%) (前年比、%) ※データは物価が2015年6月、 政策金利が7月29日まで 8.5 18 8.0 17 拡大消費者物価指数 (左軸) 7.5 19 16 7.0 15 6.5 6.0 14 5.5 13 5.0 12 4.5 来週にかけての新興国のスケジュールでは、以下の ようなイベントが注目される。 11 4.0 10 政策金利 (右軸) 3.5 3.0 中国では、8月1日に中国物流購入連合会の7月製 造業PMIと非製造業PMI、3日に財新の7月製造業PMI (確報値)が発表される。財新の7月分確報値では、ギリ シャ不安や株価急落等の一時的要因の剥落により、速 報値が上方修正される可能性もあるとみられ、注目され る。株価下落による個人消費などの下押し効果(逆資産 効果)は限定的とみられるものの、企業の景況感等に及 ぼす影響も注視する必要があろう。 9 8 2.5 2.0 07/1 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1 13/1 14/1 7 15/1 (年/月) 出所: CEIC及びブラジル中央銀行などよりSMBC日興証券作成 インドネシアでは、3日に7月の日経製造業購買担当 者景気指数(PMI)(旧HSBC製造業PMI)と7月の消費 者物価指数が、5日に4-6月の実質GDPが発表される。 1-3月の実質GDPは前年比+4.7%と5年半ぶりの低い伸 びとなるなど景気の低迷が続いている。一方、日経製造 業PMIは6月時点で依然として景況感の分岐点となる50 を下回るものの、3ヵ月連続の上昇となっている。こうした ことから、4-6月の実質GDP(前年比)は若干上向く可能 性があるとみており、景気底打ちの兆しが窺えれば、こ のところ再び軟調となっている株価や通貨のサポート要 因となろう。 9 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 インドでは、4日に金融政策が決定される。インド準備 銀行(RBI、中央銀行)は、前回6月に、1月、3月に続い て0.25%ptの利下げを決定したが、声明文でインフレ警 戒色を強め、当面追加利下げに慎重な姿勢を示した。 6月の声明文では、インフレリスク要因として①モンスー ン(雨季:6~9月)の雨量不足、②原油価格、③外部環 境の変化(米国の金融政策等に起因する通貨安圧力 等)の3つを指摘した。このうち、①については、懸念さ れたほど雨量不足とはなっておらず、②についても、最 近では原油価格が下落していることから、インフレリスク は総じて前回よりも低下したと考えられる。もっとも、リス ク要因の筆頭に挙げたモンスーンについては、特に7~8 月の雨量が重要とされ、今しばらくは状況を見極める必 要があろう。このため、今回は市場予想通り、政策金利 据え置きの可能性が高いとみている。一方、先行きの政 策スタンスに関しては、前回よりもややハト派的なガイダ ンスとなる可能性があり、その場合は、株式市場などで はポジティブに受け止められよう。 ブラジルでは、引き続き財政・政治動向が注目される。 ブラジル政府は投資不適格級への格下げを回避する ために追加の財政再建策を打ち出す姿勢を示す一方、 ムーディーズやフィッチはS&Pに続いて格付けの見直し を検討している。大統領にも疑惑が及んでいる汚職問 題を巡っては、野党が来週以降、大統領弾劾の手続き 開始を視野に議会で政府を追及する方針を示している。 また、政府が昨年の財政収支をかさ上げしていた問題 について、8月には連邦会計検査院が違法かどうかの 最終判断を下す予定となっており、最大野党が全面的 に支援する反政府デモも計画されている。当面は政情 不安や格下げに対する警戒感から、通貨レアルに下押 し圧力がかかりやすい状況が続こう。 (山本、白岩、武田) 10 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 6.主な国内株価指数とテクニカル指標の推移 日本株担当: 横山 敦史 日本株は再び中国・上海株急落の影響を受け、軟調な相場展開となった。足元では商いも芳しくなく、テクニ カル面ではストキャスティクスなど一部の指標に弱さが見られ始めているなど、方向感に欠ける展開が続い ている。米国の利上げが早ければ9月にも控えていることや、日本の4-6月期実質GDP成長率が前期比マ イナスに落ち込むとの予想もあり、投資家の様子見ムードが広がっているようだ。 図表1. 主な国内株価指数とテクニカル指標の推移 【国内主要株価指数】 130 (150日前を100として指数化) 125 120 115 110 105 100 95 90 日経平均 東証マザーズ指数 85 日経JASDAQ指数 80 12/17 1/16 2/15 3/17 4/16 5/16 6/15 7/15 【日経平均と25日移動平均・乖離率】 (円) 【東証REIT指数と日本10年物国債利回り】 (pt) (%) 0.7 東証REIT指数(左軸) 2,000 0.6 1,950 0.5 1,900 1,850 0.4 1,800 0.3 1,750 1,650 (%) 20 0.2 日本10年物国債利回り (右軸) 1,700 (月/日) 2014年 2015年 22,000 2,050 1,600 12/17 1/16 0.1 0 2/15 3/17 4/16 5/16 6/15 7/15 (月/日) 2014年 2015年 22,000 (円) 【日経平均と100日移動平均・乖離率】 (%) 20 日経平均株価(左軸) 日経平均株価 (左軸) 20,000 15 15 20,000 10 25日移動平均(左軸) 18,000 10 5 18,000 5 0 0 16,000 16,000 -5 25日移動平均乖離率 (右軸) 14,000 12/17 1/16 2/15 3/17 4/16 100日移動平均(左軸) 5/16 6/15 2014年 2015年 (円) 22,000 7/15 -10 14,000 12/17 1/16 (月/日) (円) 250 3/17 4/16 5/16 6/15 7/15 (月/日) 【日経平均 ストキャスティクス(9日)】 300 22,000 20,000 -5 -10 2/15 2014年 2015年 【日経平均と東証一部25日騰落レシオ】 日経平均株価(左軸) 東証一部25日騰落レシオ(右軸) 100日移動平均乖離率(右軸) 300 日経平均株価(左軸) %D(右軸) Slow %D(右軸) 20,000 250 200 200 (%) 18,000 18,000 150 150 120%ライン 16,000 100 50 2014年 2015年 20%ライン 50 2/15 3/17 4/16 5/16 6/15 100 16,000 70%ライン 14,000 12/17 1/16 (%) 80%ライン 7/15 (月/日) 14,000 12/17 1/16 2014年 2015年 0 2/15 3/17 4/16 5/16 6/15 7/15 (月/日) 注: データは2015年7月29日まで。 出所: 各図表ともAstra ManagerよりSMBC日興証券作成 テクニカル指標の見方 騰落レシオ(25 日):過去 25 日間の値下がり銘柄数に対する値上がり銘柄数の割合。一般的に、120%以上で買わ れ過ぎを、70%以下で売られ過ぎを表す。 ストキャスティクス(9 日):直近の終値が過去のレンジで相対的にどのレベルに位置するのかを見るための指標。 %D=(直近終値と直近 9 日間の安値の乖離の 3 日移動平均)÷(直近 9 日間の高値と安値の乖離の 3 日移動平均) Slow%D は%D の 3 日移動平均。一般的に%D が 80%以上で買われ過ぎ、20%以下で売られ過ぎを表す。 11 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 7.今週のストラテジー・セレクション 日本株担当: 井場 浩之 / 松永 良輔 日興ストラテジー・セレクションのなかから、株価トレンド面を踏まえて以下の銘柄を紹介する。それぞれのポ イントは下記の通り。4-6月期決算発表で堅調な業績を確認もしくは確認できそうな銘柄に着目したい。 【株価チャート(週次)】 ◎日本触媒(4114) 売買単位:1,000 株 2,000 【会社概要と株価状況】 紙おむつに使用される高吸水性樹 脂(SAP)で世界トップ。 週次移動平均線状況 7/30 現在 1,848.0 円 株価 13週線 1,717 円 乖離率 7.62% 26週線 1,702 円 乖離率 8.58% 【注目ポイント】 SAP 販売好調、コスト低減で会社計 画 16/3 期営業利益は前期比 19%増 で過去最高 益水準となる見通し。堅 調とみられる 1Q(4-6 月期)決算は 8/5 に発表予定。株価は 7/27 に 3 月高値 を上抜き、年初来高値を更新中。 週次移動平均線状況 7/30 現在 2,098.0 円 株価 13週線 2,009 円 乖離率 4.42% 26週線 1,963 円 乖離率 6.86% 1,500 1,000 13週線 26週線 500 13/8 14/2 2,500 週次移動平均線状況 7/30 現在 10,345.0 円 株価 13週線 9,416 円 乖離率 9.87% 26週線 8,812 円 乖離率 17.40% 【注目ポイント】 2Q(7-9 月期)以降、国内農機の排ガス 規制対応機種への切り替え前の需要 増や北米での芝刈り機卸売りの改善等 で 15/12 期は会社計画比上ブレ期待。 1Q 決算は 8/5 に発表予定。株価は上 場来高値を 7/21 に更新。 週次移動平均線状況 7/30 現在 5,990.0 円 株価 13週線 5,465 円 乖離率 9.60% 26週線 5,290 円 乖離率 13.23% (年/月) 2,000 1,500 13週線 26週線 1,000 13/8 14/2 【注目ポイント】 7/22 発表の 16/3 期 1Q 決算はコンセ ンサスを上回るポジティブな印象。連 続最高益予想ながら保守的とみられる 16/3 期業績の会社計画は据え置き。 決算発表後の株価は堅調で 7/27 に上 場来高値を更新。 15/2 (年/月) (円) 9,000 6,000 3,000 13/8 13週線 26週線 14/2 14/8 15/2 (年/月) 【株価チャート(週次)】 【注目ポイント】 需 要 回 復 、不 採 算 案 件 減 で会 社 計 画 16/3 期営業利益は前期比 19%増 で過去最高を 7 期ぶりに更新する見 通し。堅調とみられる 1Q 決算は 7/30 に発表予定。株価は 7/21 に 4 月高値 を上抜き、年初来高値を更新中。 7,000 (円) 6,000 5,000 4,000 3,000 13週線 26週線 2,000 13/8 14/2 【会社概要と株価状況】 ゲーム大手。ドラクエ等人気タイトル 保有。アミューズメント施設運営も。 【注目ポイント】 15/3 期 1Q 営業利益が大幅増益であ ったため、当初は反動から 16/3 期 1Q は減益とみられていたが、スマホ向け 週次移動平均線状況 7/30 現在 の好調等で増益となる可能性大。1Q 3,175.0 円 株価 決算は 8/6 に発表予定。株価は年初 13週線 2,847 円 乖離率 11.53% 26週線 2,665 円 乖離率 19.13% 来高値を 7/27 に更新。 3,500 15/2 (年/月) (円) 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 13/8 13週線 26週線 14/2 注: 中期的な株価トレンドが良好な銘柄を紹介。各種テクニカル指標をベースに判断 出所: 株式調査部アナリストレポート、東洋経済会社四季報最新銘柄レポート、Astra Manager等よりSMBC日興証券作成 12 14/8 【株価チャート(週次)】 ◎スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684) 売買単位:100 株 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 14/8 【株価チャート(週次)】 12,000 ◎NTT データ(9613) 売買単位:100 株 【会社概要と株価状況】 SI 専業国内最大手。官公庁、金融 機関向け大型システムに強み。 15/2 (円) ◎日本電産(6594) 売買単位:100 株 【会社概要と株価状況】 精密モータ大手で HDD 用は世界首 位。車載、産業用等に注力中。 14/8 【株価チャート(週次)】 ◎クボタ(6326) 売買単位:1,000 株 【会社概要と株価状況】 農業機械(国内首位)、建設機械、エ ンジンなど内燃機器事業が主力。 (円) 14/8 15/2 (年/月) 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 8.日本株式~東証REIT指数は10月以降上昇へ 日本株担当: 溝渕 彩乃 東証REIT指数は、上値の重い状態が続いている。背景としては、①度重なる公募増資によるJ-REIT市場 の需給悪化、②高値での物件取得への警戒感、などが挙げられる。これらの問題については、10-12月以 降は①各J-REITの資金調達の動きが一段落し需給悪化懸念も後退、②賃料上昇がREITの分配金にも寄 与してくることで、東証REIT指数は上昇に転じるとみられる。今後6~12ヵ月で2,200ptを目指そう。 東証REIT指数軟調の理由 図表1. 東証REIT指数の分配金利回りなどの推移 東証REIT指数は、足元では国債利回りの低下など から一旦上昇に転じたものの、依然として上値の重い展 開が続いている。背景としては、①度重なる公募増資に よるJ-REIT市場の需給悪化、②高値での物件取得への 警戒感、などが挙げられる。またこれらを原因とする下 落を受けての狼狽売りもREIT指数下落に拍車をかける 要因となったようだ。 (%) 3.4 ①については、7-9月もJ-REIT市場における資金調 達は旺盛な模様。今後も各J-REITの物件取得意欲によ って資金調達ニーズは強く、活発なエクイティファイナン スが需給環境を軟化させる可能性があろう。しかしなが ら、10-12月に関しては資金調達の動きは一段落するこ とが期待され、需給悪化懸念は次第に払拭される見通 し。②については、10月以降はオフィス賃料の上昇が J-REITの分配金に反映されるタイミングである。オフィス 賃料の上昇がJ-REITの分配金に目に見える形で反映 されれば、海外投資家を中心に投資意欲の改善にもつ ながることが期待される。 1.2 3.0 1.0 2.8 0.8 2.6 0.6 2.4 0.4 2.2 0.2 日本国債利回り(10 年)(右軸) 2.0 14/10 14/12 0.0 15/2 15/4 15/6 (年/月) 注: 東証REIT指数分配金利回りスプレッドは東証REIT指数の分配金利 回りから国債利回り(10年)を引いたもの 出所: Bloomberg、Astra ManagerよりSMBC日興証券作成 図表2. 東証REIT指数の推移と目標値2,200pt (pt) 2200 東証 REIT 指数目標値 2,200pt 2000 以上のことから、7-9月は需給悪化などに対する懸念 が引き続き意識され、東証REIT指数はボックス圏相場 となることが予想されるが、10-12月以降は需給悪化懸 念も後退、賃料上昇がREITの分配金にも寄与してくる ことで上昇に転じよう。さらに、東証REIT指数の分配金 利回りは2014年後半以来の高水準となっている(図表1)。 国債利回りや貸出金利が低下している状況において、 J-REITの分配金利回りは地方銀行をはじめとする地域 金融機関にとっては魅力的な水準であり、積極的な買 い姿勢が持続しよう。 これはテクニカル面からも同様のことが言える。東証 REIT指数は1月にピークアウトして以来半年が経過する など、日経平均に先行して調整が進んでおり、8月初旬 頃まで調整が継続した後、上昇が再開するとみられる。 ファンダメンタルズ面からもテクニカル面からも、東証 REIT指数は当面調整し易い環境にあるものの、秋頃以 降上値を追う展開に転じ、2,200ptを目指そう(図表2)。 13 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 1.4 東証 REIT 指数分配金利回り スプレッド(左軸) 3.2 東証REIT指数は10月以降は上値を追う展開に (%) 東証 REIT 指数分配金利回り(左軸) 1800 1600 10 月頃から上昇 に転じる見込み 1400 1200 1000 14/1 14/7 15/1 15/7 出所: Astra ManagerよりSMBC日興証券作成 16/1 (年/月) 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 9.向こう3ヵ月の主な注目スケジュール 日本株担当: 溝渕 彩乃 国内では、8月に戦後70年の安倍首相談話発表、9月に自民党総裁選、10月にマイナンバー開始などが予定 されている。海外では、8月にギリシャ金融支援実行、9月にFOMCなどが予定されている。米国で年内利上げ が取り沙汰される中、イエレンFRB議長が記者会見するFOMCは9月と12月のみであり、弊社では9月利上げ を予想している。米国経済指標や関係者の発言に今まで以上に注目が集まろう。 <向こう3ヵ月の主な注目スケジュール①> 8月 月内 1日 ・ 改正介護保険法の施行 ・ 16年卒の大学生に対する主要企業の選考活動解禁 5日 6日 ・ ・ ・ ・ 7日 9日 ・ ・ 10日 12日 14日 15日 17日 20日 ・ 27日 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 30日 ・ ・ 戦後70年の安倍首相談話を発表(閣議決定は見送 り?)(14日までに) リオデジャネイロ五輪まで1年 ・ 改正公職選挙法、衆院成立(上旬?) 日銀金融政策決定会合(~7日) ・ 子育て支援・介護・障がい者支援など複数のサービスを 一体的に提供するための総合戦略をまとめる(今夏中) 広島平和記念式典 ギリシャ短期債償還(10億ユーロ) ・ スエズ運河が一部複線化 アルゼンチン大統領予備選挙 ・ 自民党行革推進本部が新国立競技場の建設計画見直し の経緯を検証(中旬) 長崎平和祈念式典 九州電力川内原発1号機再稼働 ・ ギリシャと債権団が新支援策で事務レベル合意(中旬?) 日航ジャンボ機墜落事故から30年 ・ ドイツやフィンランドなど、ギリシャ新支援策を議会承認 (中旬?) ギリシャ短期債償還(14億ユーロ) 70回目の終戦記念日 ・ ユーロ圏財務相がギリシャ新支援策を正式決定へ(中旬?) 4-6月期実質GDP(国内総生産)(1次速報)発表 ・ 改正労働者派遣法成立(下旬以降) ECBが保有するギリシャ国債の償還(約31.9億ユー ・ ESM(欧州安定メカニズム)がギリシャ支援を正式決 ロ) 定、金融支援の実行(?) ジャクソンホールで経済シンポジウム(~29日、米国・ワ イオミング州)(イエレンFRB議長欠席予定) デング熱の国内感染確認から1年 岸田外相ロシア訪問(8/30~31を軸に調整中) 9月 1日 3日 4日 7日 9日 10日 月内 ・ 厚生年金保険料の引き上げ ・ ECB(欧州中央銀行)理事会 ・ 九州電力川内原発2号機再稼働(下旬) ・ 軽減税率最終案策定(今秋めど) ・ 北京で抗日戦争勝利70年記念式典。前後に安倍首相 ・ 米議会が欧米など6ヵ国とイランの核協議の最終合意の承 認・不承認を決議(9月中旬) が訪中検討 ・ G20財務大臣・中央銀行総裁会議(~5日、トルコ・ ・ 国土交通省が基準地価を公表 アンカラ) ・ 安全保障関連法成立目指す(上旬) ・ 米国市場休場(レイバーデー) ・ フランシスコ・ローマ教皇が即位後初の訪米 ・ 世界経済フォーラム夏季ダボス会議(~11日、中国・大 ・ デンマーク議会選 連) ・ ポルトガル議会選(9~10月ごろ) ・ 無線通信技術見本市「スーパー・モビリティー・ウィーク」 ・ 外部有識者の検証委員会による新国立競技場の建設計 (~11日、米国・ラスベガス) 画見直しに関する検証(中間報告)(中旬) ・ 第22回APEC財務大臣会合(~11日、フィリピン・セブ) ・ 習近平国家主席訪米 出所: 各種報道等をもとにSMBC日興証券作成。特に断りがない限り日本。スケジュールは予告なしに変更されることがあります 14 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 <向こう3ヵ月の主な注目スケジュール②> 9月 13日 14日 15日 16日 17日 20日 21日 22日 23日 27日 30日 月内 ・ グアテマラ大統領選 ・ 日銀金融政策決定会合(~15日) ・ 九州電力川内原発1号機営業運転開始 ・ 政府が民間企業の投資を後押しするための官民対話の ・ 安全保障関連法案が「60日ルール」による再可決 場を設ける(今秋にも) が可能に ・ 日中韓首脳会議と日韓首脳会談同時開催(9月~11月に ・ IAEA(国際原子力機関)定例理事会(オーストリア・ かけて調整中、韓国?) ウィーン、~18日) ・ ギリシャのIMFへの返済が9月合計で15億ユーロ強 ・ 国連総会(~28日、米国・ニューヨーク) ・ ギリシャ短期国債償還が9月合計で46億ユーロ(9/4、11、 ・ フランクフルト国際自動車ショー(~27日、ドイツ・フラン 18) ・ クフルト) ギリシャ総選挙(?)(9~10月) ・ FOMC(米連邦公開市場委員会、~17日) ・ 安倍首相国連総会出席(検討中)(下旬) ・ ゲーム見本市「東京ゲームショウ」開幕(~20日) ・ 防衛省、辺野古沖の埋め立て着工(?) ・ 自民党総裁選(?) ・ 日本市場休場(敬老の日) ・ 日本市場休場(国民の休日) ・ 日本市場休場(秋分の日) ・ スペイン・カタルーニャ州議会選 ・ 延長国会会期末 ・ 安倍首相の自民党総裁の任期満了 10月 1日 6日 9日 12日 月内 ・ 第20回国勢調査 ・ 社会保障・税番号制度(マイナンバー)開始 ・ 3共済(国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済 ・ ポーランド議会選 ・ ・ ・ ・ 17日 22日 25日 ・ 27日 30日 ・ ・ ・ ・ 組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団)とGPIF が運用一元化 日銀金融政策決定会合(~7日) IMF・世銀年次総会(~11日、ペルー・リマ) 米国債券市場休場(コロンブス記念日) 日本市場休場(体育の日) 靖国神社で秋季例大祭(~20日) ECB(欧州中央銀行)理事会 アルゼンチン大統領選挙(決まらない場合は11月24日 に決選投票) FOMC(米連邦公開市場委員会、~28日) 日銀金融政策決定会合(展望レポート公表) ・ 中国共産党、経済運営の5ヵ年計画を討議する党中 央委員会第5回全体会議(5中全会)を開く ・ IMF(国際通貨基金)が世界経済見通し(World Economic Outlook)を発表 ・ 防衛装備庁発足 ・ 2020年以降の地球温暖化対策の次期枠組み交渉の国連 作業部会(事前合意目指す) ・ 日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険が同時上場 ・ 在京民放5社(日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレ ビ東京、フジテレビジョン)が共同で、インターネットで無 料見逃し配信サービス「TVer(ティーバー)」開始 ・ 安倍首相、カザフスタン、ウズベキスタンなど中央アジア 諸国訪問を検討(10月めど) 出所: 各種報道等をもとにSMBC日興証券作成。特に断りがない限り日本。スケジュールは予告なしに変更されることがあります 15 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 10.来週・再来週の主なスケジュール <来週のスケジュール> 発表日 国・ 地域 日本 市場予想 前月・ 前期・ 前年 7月 4-6月期 6月 6月 米国 8 月3 日(月) ユーロ圏 中国 インドネシア タイ トルコ 日本 米国 英国 8 月4 日(火) 豪州 インド ロシア ブラジル 日本 米国 8 月5 日(水) ユーロ圏 NZ インドネシア フィリピン 日本 8 月6 日(木) 英国 豪州 日本 米国 8 月7 日(金) 独 ブラジル メキシコ 8 月8 日(土) 中国 8 月9 日(日) 日本 6月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 6月 4-6月期 6月 7月 6月 6月 - - - 7月 6月 4-6月期 6月 7月 7月 6月 7月 4-6月期 4-6月期 4-6月期 7月 6月 6月 4-6月期 - - - 7月 7月 4-6月期 - 7月 7月 7月 6月 6月 6月 6月 7月 7月 7月 7月 7月 - 新車販売台数(除く軽自動車、前年比) JT決算 個人所得(前月比) PC Eコア ・ デフレータ ( 食品・ エ ネルギ ーを除く 個人消費デフレータ、 前年比) 個人支出(前月比) 自動車販売台数(年換算) ISM 製造業景況指数 製造業PMI(確報、前回値は速報値) 財新製造業PM I( 確報、 前回値は速報値) 消費者物価指数(前年比) 消費者物価指数(前年比) 消費者物価指数(前年比) 毎月勤労統計-現金給与総額(前年比、速報) 三菱商、トヨタ決算 製造業受注(前月比) 全国住宅価格(前年比) 小売売上高(前月比) 貿易収支 政策金利 政策金利 (レポレート) (リバースレポレート) 消費者物価指数(前年比、発表日未定、~5日) 鉱工業生産(前月比) 丸紅、NTT、クボタ、博報堂DY、日触媒、セコム決算 貿易収支 ADP雇用統計( 前月比) ISM非製造業景況指数(総合) 小売売上高(前月比) サービス業PMI(確報、前回値は速報値) 就業者数(前期比) 失業率 実質GDP( 前年比) 消費者物価指数(前年比) 景気一致CI指数(速報) 景気先行C I指数( 速報) 三井物、大成建、三井不、ソフトバンクG、住阪セメ、スクエニHD、楽天決算 日銀金融政策決定会合( ~7 日) 広島で平和記念式典 政策金利 新規雇用者数(前月比) 失業率 東京海上、住友不、KDDI、岩谷産業決算 黒田日銀総裁が記者会見 民間部門雇用者数( 前月比) 失業率 非農業部門雇用者数( 前月比) 貿易収支 輸出(前月比) 輸入(前月比) 鉱工業生産(前月比) IPCA(拡大消費者物価指数、前年比) 消費者物価指数(前年比) 貿易収支 輸出( 前年比) 輸入( 前年比) 長崎で平和祈念式典 - - 0.4% 1.2% 5.4% - 0.5% 1.2% 0.1% 0.9% 1,720万台 1,711万台 53.5 53.5 52.2 - 48.4 48.2 7.00% 7.26% ▲0.98% ▲1.07% 7.20% - 0.7% - - - 1.6% ▲1.0% 3.5% 3.3% 0.4% 0.3% ▲29.50億豪ドル ▲27.51億豪ドル 2.00% 2.00% 7.25% 7.25% 6.25% 6.25% 15.3% - 0.6% - - - ▲423億ドル ▲419億ドル 2 1 . 0 万人 2 3 . 7 万人 56.2 56.0 0.2% - 53.8 - 0.7% - 5.9% 5.8% 4.78% 4.71% 0.8% 1.2% 109.0 - - 106.2 - - - - - - 0.50% 0.50% 13,900人 7,300人 6.0% 6.0% - - - - 2 1 . 5 万人 2 2 . 3 万人 5.3% 5.3% 2 2 . 0 万人 2 2 . 3 万人 195億ユーロ - 1.6% - 0.4% - 0.0% - 8.89% - 2.9% - - 4 6 5 . 4 億ドル - 2.8% - ▲6 . 1 % - 注: 発表日は現地時間。市場予想と実績は2015年7月30日12時時点のBloombergの値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります 出所: Bloombergおよび各種報道などよりSMBC日興証券作成 16 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 - 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 <再来週のスケジュール> 発表日 国・ 地域 日本 8 月1 0 日(月) 中国 8 月1 1 日(火) 独 ロシア トルコ 日本 ユーロ圏 英国 8 月1 2 日(水) 中国 インド ブラジル 日本 米国 8 月1 3 日(木) マレーシア フィリピン 韓国 ブラジル 日本 米国 8 月1 4 日(金) 8 月1 5 日(土) 8 月1 6 日(日) ユーロ圏 独 NZ インド インドネシア 日本 市場予想 前月・ 前期・ 前年 6月 7月 7月 4-6月期 - 7月 7月 8月 4-6月期 6月 6月 - 6月 4-6月 7月 1-7月 7月 7月 6月 7月 6月 6月 7月 7月 4-6月期 - - 6月 4-6月期 - 7月 4-6月期 7月 4-6月期 4-6月期 7月 7月 - 経常収支( 季調済) 景気ウォッチャー調査-現状判断DI 景気ウォッ チャー調査- 先行き判断DI 千代建決算 九州電力川内原発1号機再稼働 新規銀行融資( 発表日未定、 ~1 5 日) マネーサプライM2(前年比、発表日未定、~15日) ZEW景気期待指数 実質GDP(前年比、速報、発表日未定、~12日) 経常収支 鉱工業生産指数( 前月比、 確報) 日銀金融政策決定会合議事要旨(7月14~15日分) 鉱工業生産(前月比) ILO失業率 失業保険申請件数 固定資産投資( 都市部、 年初来、 前年比) 小売売上高( 前年比) 鉱工業生産( 前年比) 鉱工業生産(前年比) 消費者物価指数(前年比) 小売売上高指数(前月比) 機械受注( 船舶・ 電力除く民需、 前月比) 小売売上高( 除自動車、 前月比) 小売売上高( 前月比) 実質GDP(前年比) 政策金利 政策金利 経済活動指数(前月比、発表日未定、~14日) サイバダイン決算 戦後70年の安倍首相談話を発表(閣議決定は見送り?)(14日までに) 鉱工業生産指数( 前月比) 実質GDP( 前期比、 速報) 消費者物価指数(前年比、確報、前回値は速報値) 実質GDP(前期比、速報) 実質小売売上高(前期比) 卸売物価指数(前年比) 貿易収支(発表日未定、~17日) 70回目の終戦記念日 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 1 6 , 3 6 3 億円 51.0 53.5 - - 1 2 , 7 9 1 億元 11.8% 29.7 ▲2.2% ▲39.9億ドル 0.8% - ▲0.4% 5.6% 7,000人 11.4% 10.6% 6.8% 2.7% 5.40% ▲0.9% 0.6% ▲0 . 1 % ▲0 . 3 % 5.6% 4.00% 1.50% 0.03% - - 0.2% 0.4% 0.2% 0.3% 2.7% ▲2.40% 4.77億ドル - 注: 発表日は現地時間。市場予想と実績は2015年7月30日12時時点のBloombergの値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります 出所: Bloombergおよび各種報道などよりSMBC日興証券作成 17 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 投資情報部作成最新レポートのご紹介 【定期発行レポート】 Daily Outlook(日刊投資情報)、主要通貨デイリー 、新興国通貨デイリー、Global Market Review 、Japan Market Review、Weekly Outlook(週刊投資情報)、投資部門別売買動向(現物・先物)、月刊投資情報(株式・為替・金利の見 通し)、日本株投資戦略(月刊プレゼン資料)、日興ストラテジー・セレクション(注目銘柄リスト)、注目スケジュール etc 【スポット・レポート】 <日本株式> 2015/07/14 J-REIT 市場の今後の見通し 2015/07/08 日経平均 2 万円割れの背景と今後の見通しについて <マクロ・為替・金利・新興国・海外株式> 2015/07/30 ブラジル経済 中銀が次回会合での政策金利据え置きを示唆 2015/07/29 ブラジル経済 S&P が格付け見通しを引き下げ 2015/07/28 中国株式 7 月 27 日の中国株の急落を受けて、政府は介入強化へ 2015/07/27 ブラジル経済 政権の弱体化で財政再建に暗雲 2015/07/23 NZ ドル 利下げ観測のくすぶりとともに地合いの悪い展開が続こう 2015/07/23 日本政治 「60 日ルール」適用前に安保法成立できるか注目 2015/07/21 米国株式 Hot Topics:米国市場の中国関連株 2015/07/17 NZ ドル 乳製品価格の下落で当面下振れしやすい地合い 2015/07/16 日銀金融政策 当面は原油価格動向と賃上げの影響を見極める時間帯 2015/07/16 中国経済 4-6 月実質 GDP は政策効果による景気持ち直しを示唆 2015/07/10 中国株式 上海総合指数は 4,000~4,500 のボックス圏へ 2015/07/10 豪ドル 鉄鉱石価格の底固めが反転上昇のカギ 【カンパニー・ブリーフ】 2015/06/30 東京海上(8766) 2015/06/26 岩谷産業(8088) メキシコ概観 2015/06/10 ブラジル概観 【カントリー・レポート】 2015/07/14 【注目の投資テーマ&業界ナビ】 2015/07/24 ROE 重視の姿勢が一層強まる日本株市場~自社株買いと配当金に着目した銘柄選別~ 2015/07/22 動意づく、「ロボット関連」~ロボットの普及促進を政府も後押し~ 2015/07/13 単元株式数(売買単位)引き下げ銘柄に注目! 【その他プレゼン資料】 2015/07/30 TOPIX の予想 EPS から日経平均の水準を探る 2015/07/29 戦後の株価、長期金利、為替相場の推移 2015/07/24 南アフリカランドの見通し(南アフリカランドへの投資を検討されているお客様向け情報) 2015/07/24 1Q 決算:高進捗率銘柄は発表後も好パフォーマンス続く 2015/07/24 2015 年 4-6 月期米国主要企業決算発表スケジュール 2015/07/14 日本株市場を泳ぐ「5 頭のクジラ」 2015/07/10 原油価格下落の主な 5 つの要因 2015/07/10 トルコリラの見通し(トルコリラへの投資を検討されているお客様向け情報) * 上記レポートをご希望の方は、最寄りの支店までお問い合わせください。 18 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 無登録格付に関する説明書 格付会社に対しては、市場の公正性・透明性の確保の観点から、金融商品取引法に基づく信用格付業者の登録制が導入されてお ります。 これに伴い、金融商品取引業者等は、無登録格付業者が付与した格付を利用して勧誘を行う場合には、金融商品取引法により、 無登録格付である旨及び登録の意義等を顧客に告げなければならないこととされております。 つきましては、格付会社(ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク、スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ、フィ ッチ・レーティングス)の「無登録格付に関する説明書」を下記の通りお知らせ致します。 <無登録格付に関する説明書(ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク)> ○登録の意義について 登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務管理体制の整備義務、③格付対 象の証券を保有している場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成及び公表・説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を 受けるとともに、報告徴求・立入検査、業務改善命令等の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、これらの規制・ 監督を受けておりません。 ○格付会社グループの呼称等について 格付会社グループの呼称:ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号:ムーディーズ・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第2号) ○信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要 に関する情報の入手方法について ムーディーズ・ジャパン株式会社のホームページ(ムーディーズ日本語ホームページ(http://www.moodys.co.jp)の「信用格付事業」をク リックした後に表示されるページ)にある「無登録業者の格付の利用」欄の「無登録格付説明関連」に掲載されております。 ○信用格付の前提、意義 及 び限界について ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(以下、「ムーディーズ」という。)の信用格付は、事業体、与信契約、債務又は債務類似 証券の将来の相対的信用リスクについての、現時点の意見です。ムーディーズは、信用リスクを、事業体が契約上・財務上の義務を期 日に履行できないリスク及びデフォルト事由が発生した場合に見込まれるあらゆる種類の財産的損失と定義しています。信用格付は、 流動性リスク、市場リスク、価格変動性及びその他のリスクについて言及するものではありません。また、信用格付は、投資又は財務に 関する助言を構成するものではなく、特定の証券の購入、売却、又は保有を推奨するものではありません。ムーディーズは、いかなる形 式又は方法によっても、これらの格付若しくはその他の意見又は情報の正確性、適時性、完全性、商品性及び特定の目的への適合性 について、明示的、黙示的を問わず、いかなる保証も行っていません。 ムーディーズは、信用格付に関する信用評価を、発行体から取得した情報、公表情報を基礎として行っております。ムーディーズは、こ れらの情報が十分な品質を有し、またその情報源がムーディーズにとって信頼できると考えられるものであることを確保するため、全て の必要な措置を講じています。しかし、ムーディーズは監査を行う者ではなく、格付の過程で受領した情報の正確性及び有効性について 常に独自の検証を行うことはできません。 この情報は、平成26年2月18日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を当社が保証するもの ではありません。詳しくは上記ムーディーズ・ジャパン株式会社のホームページをご覧ください。 19 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 <無登録格付に関する説明書(スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ)> ○登録の意義について 登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務管理体制の整備義務、③格付対 象の証券を保有している場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成及び公表・説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を 受けるとともに、報告徴求・立入検査、業務改善命令等の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、これらの規制・ 監督を受けておりません。 ○格付会社グループの呼称等について 格付会社グループの呼称:スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号:スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第5号) ○信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要 に関する情報の入手方法について スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社のホームページ(http://www.standardandpoors.co.jp)の「ライブラリ・規制関 連」の「無登録格付け情報」(http://www.standardandpoors.co.jp/unregistered)に掲載されております。 ○信用格付の前提、意義 及 び限界について スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(以下「レーティングズ・サービシズ」)の信用格付は、発行体または特定の債務の将 来の信用力に関する現時点における意見であり、発行体または特定の債務が債務不履行に陥る確率を示した指標ではなく、信用力を 保証するものでもありません。また、信用格付は、証券の購入、売却または保有を推奨するものでなく、債務の市場流動性や流通市場 での価格を示すものでもありません。 信用格付は、業績や外部環境の変化、裏付け資産のパフォーマンスやカウンターパーティの信用力変化など、さまざまな要因により変 動する可能性があります。 レーティングズ・サービシズは、信頼しうると判断した情報源から提供された情報を利用して格付分析を行っており、格付意見に達するこ とができるだけの十分な品質および量の情報が備わっていると考えられる場合にのみ信用格付を付与します。しかしながら、レーティン グズ・サービシズは、発行体やその他の第三者から提供された情報について、監査・デュー・デリジュエンスまたは独自の検証を行って おらず、また、格付付与に利用した情報や、かかる情報の利用により得られた結果の正確性、完全性、適時性を保証するものではあり ません。さらに、信用格付によっては、利用可能なヒストリカルデータが限定的であることに起因する潜在的なリスクが存在する場合もあ ることに留意する必要があります。 この情報は、平成26年2月18日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を当社が保証するもの ではありません。詳しくは上記スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社のホームページをご覧ください。 <無登録格付に関する説明書(フィッチ・レーティングス)> ○登録の意義について 登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務管理体制の整備義務、③格付対 象の証券を保有している場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成及び公表・説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を 受けるとともに、報告徴求・立入検査、業務改善命令等の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、これらの規制・ 監督を受けておりません。 ○格付会社グループの呼称等について 格付会社グループの呼称:フィッチ・レーティングス(以下「フィッチ」と称します。) グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号:フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社 (金融庁長官(格付)第7号) ○信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要 に関する情報の入手方法について フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社のホームページ(http://www.fitchratings.co.jp)の「規制関連」セクションにある「格付方針等 の概要」に掲載されております。 ○信用格付の前提、意義 及 び限界について フィッチの格付は、所定の格付基準・手法に基づく意見です。格付はそれ自体が事実を表すものではなく、正確又は不正確であると表現 し得ません。信用格付は、信用リスク以外のリスクを直接の対象とはせず、格付対象証券の市場価格の妥当性又は市場流動性につい て意見を述べるものではありません。格付はリスクの相対的評価であるため、同一カテゴリーの格付が付与されたとしても、リスクの微 妙な差異は必ずしも十分に反映されない場合もあります。信用格付はデフォルトする蓋然性の相対的序列に関する意見であり、特定の デフォルト確率を予測する指標ではありません。 フィッチは、格付の付与・維持において、発行体等信頼に足ると判断する情報源から入手する事実情報に依拠しており、所定の格付方 法に則り、かかる情報に関する調査及び当該証券について又は当該法域において利用できる場合は独立した情報源による検証を、合 理的な範囲で行いますが、格付に関して依拠する全情報又はその使用結果に対する正確性、完全性、適時性が保証されるものではあ りません。ある情報が虚偽又は不当表示を含むことが判明した場合、当該情報に関連した格付は適切でない場合があります。また、格 付は、現時点の事実の検証にもかかわらず、格付付与又は据置時に予想されない将来の事象や状況に影響されることがあります。 信用格付の前提、意義及び限界の詳細にわたる説明については、フィッチの日本語ウェブサイト上の「格付及びその他の形態の意見に 関する定義」をご参照ください。 この情報は、平成26年2月18日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を当社が保証するもの ではありません。詳しくは上記フィッチのホームページをご覧ください。 20 2015 年 7 月 30 日(木) 投資情報部 Weekly Outlook No.215 本資料について 【免責事項】 本資料は証券その他の投資対象の売買の勧誘ではなく、SMBC日興証券株式会社(以下「弊社」といいます)が投資情報の提供を目 的に作成したものです。本資料は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手した情報に基づいて作成していますが、これらの情報 が完全、正確であるとの保証はいたしかねます。情報が不完全または要約されている場合もあります。本資料に記載する価格、数値等 は、過去の実績値、概算値あるいは将来の予測値であり、実際とは異なる場合があります。かかる価格、数値等は予告なしに変更する ことがありますので、予めご了承くださいますようお願いいたします。本資料は将来の結果をお約束するものでもありませんし、本資料に ある情報をいかなる目的で使用される場合におきましても、お客様の判断と責任において使用されるものであり、本資料にある情報の 使用による結果について、弊社及び弊社の関連会社が責任を負うものではありません。本資料は、本資料を受領される特定のお客様 の財務状況、ニーズ又は投資目的を考慮して作成されているものではありません。本資料はお客様に対して税金・法律・投資上のアド バイスを提供する目的で作成されたものではありません。投資に関する最終決定は、契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目 論見書、お客様向け資料等をよくお読みになり、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。 本資料は、弊社又は弊社の関連会社から配布しています。本資料に含まれる情報は、提供されましたお客様限りでご使用ください。本 資料は弊社の著作物です。本資料のいかなる部分についても電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製 または転送等を行わないようにお願いいたします。本資料に関するお問い合わせは、弊社の営業担当者までお願いいたします。 本資料に記載された会社名、商品名またはサービス名等は、弊社または各社の商標または登録商標です。 【金融商品取引法第 37 条(広告等の規制)にかかる留意事項 】 手数料等について 弊社がご案内する商品等へのご投資には、各商品等に所定の手数料等をご負担いただく場合があります。例えば、店舗における国内 の金融商品取引所に上場する株式等(売買単位未満株式を除く。)の場合は約定代金に対して最大 1.242%(ただし、最低手数料 5,400 円)の委託手数料をお支払いいただきます。投資信託の場合は銘柄ごとに設定された各種手数料等(直接的費用として、最大 4.32%の 申込手数料、最大 4.5%の換金手数料又は信託財産留保額、間接的費用として、最大年率 5.61%の信託報酬(又は運用管理費用)及 びその他の費用等)をお支払いいただきます。債券、株式等を募集、売出し等又は相対取引により購入する場合は、購入対価のみをお 支払いいただきます(債券の場合、購入対価に別途、経過利息をお支払いいただく場合があります。)。また、外貨建ての商品の場合、 円貨と外貨を交換、又は異なる外貨間での交換をする際には外国為替市場の動向に応じて弊社が決定した為替レートによるものとしま す。上記手数料等のうち、消費税が課せられるものについては、消費税分を含む料率又は金額を記載しております。 リスク等について 各商品等には株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等及び有価証券の発行者等の信用状況(財 務・経営状況を含む。)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)、又は元 本を超過する損失を生ずるおそれ(元本超過損リスク)があります。 なお、信用取引又はデリバティブ取引等(以下「デリバティブ取引等」といいます。)を行う場合は、デリバティブ取引等の額が当該デリバ ティブ取引等についてお客様の差入れた委託保証金又は証拠金の額(以下「委託保証金等の額」といいます。)を上回る場合があると共 に、対象となる有価証券の価格又は指標等の変動により損失の額がお客様の差入れた委託保証金等の額を上回るおそれ(元本超過 損リスク)があります。 また、店頭デリバティブ取引については、弊社が表示する金融商品の売付けの価格と買付けの価格に差がある場合があります。 上記の手数料等及びリスク等は商品毎に異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書又はお客様向け資料等をよ くお読みください。なお、目論見書等のお問い合わせは弊社各部店までお願いいたします。 商 号 等 SMBC日興証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 2251 号 加入協会 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商 品取引業協会 (2015/04/09 版) 21