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アズキ萎凋病に関する研究

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アズキ萎凋病に関する研究
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Author(s)
Citation
Issue Date
アズキ萎凋病に関する研究
近藤, 則夫
北海道大学農学部邦文紀要, 19(5): 411-472
1995-12-26
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/12168
Right
Type
bulletin
Additional
Information
File
Information
19(5)_p411-472.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
北大農邦文紀要 1
9(
5
) :4
1
1~4 7
2, 1
9
9
5
アズキ萎凋病に関する研究*
近藤則夫
(北海道大学農学部植物寄生病学講座)
9日受理)
(平成 7年 9月 2
S
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HokkaidoU
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6
0,J
a
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n
)
目
d
. 権病残澄中での生存
e アズキ萎凋病菌の各種植物根への侵入および根
次
圏土壌中菌密度
1.緒言
C
. アズキ萎凋病菌の分布に影響する要因
I
I
.研 究 史
a 種子伝染
I
I
I
. アズ寺萎凋病の発生状況と病原菌
b
. 十勝土壌への権病茎の混入
A. 発生実態
B. 病徴,発生消長及び収量に対する影響
a 発生消長と発病
c 土壌凍結と厚膜胞子の生存
D
. 連輪作とアズキ萎凋病の発病
b
. 収量に対する影響
a 非宿主作物がアズキ萎凋病の発病と土壌中菌密
C
. 分化型とレース
a 宿主範囲の検討
度に及ぽす影響
b
. 作物栽培歴とアズキ萎凋病菌の菌密度
b
. 近縁分化型との比較
c アズキ萎濁病菌密度と発病に及ぽす水稲栽培の
c レースの存在
影響
D
. アズキの齢と発病
d
. 土壌消毒
E. 考 察
E. 考 察
I
V
. アズキ萎凋病菌の遺伝学的分類
A
.体細胞和合性群による分類
Vr.抵抗性品種の探索
A. 抵抗性母本の探索
B. レース 3による抵抗性母本選抜
C. 間場検定
D. 幼苗検定による選抜
B. 分子遺伝学的分類
C
.考 察
V. 生態と防除
A. アズキ萎凋病菌の分布
a レースの分布
E. アズキ萎凋病抵抗性の遺伝子分析
F. 考 察
V
Il.総合考察
b
. 十勝地方の土壌中における病原菌存在の検討
c 非耕地土壌中でのアズキ萎凋病菌生存の有無
摘 要
B
. アズキ萎凋病菌の土壌中での生存
謝 辞
a 連作土壌中の菌密度変動
引用文献
b
. 土壌中厚膜胞子密度と発病
Summary
c 土壌中における厚膜胞子の形成
本北海道大学博士論文 (
1
9
9
5
)
411
4
1
2
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
I.緒
言
抵抗性品種の利用を含めた防除法確立のための基礎
的知見を得る目的で行ったものである。
北海道におけるアズキは畑作専業の十勝地方での
I
I
.研 究 史
栽培が主体であったが. 1
9
7
0年代からの水田利用
再編対策の進展に伴い,空知,石狩,上川地方の水
回転換畑での作付けが大幅に拡大した 9η 。高い土壌
水分あるいは湿潤状態になりやすい転換畑で問題と
A. 北海道におけるアズキの萎凋,あるいは立枯症
状に関する研究
北海道において,これまで報告されている代表的
な る 病 気 と し て 考 え ら れ た の が.P
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なアズキ(Vi忽naa
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-
u佐n
aeによるアズキ茎疫病 41,
99) であり,その対策
s
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i
) の萎凋,立枯症状の原因には,アズキ落葉病,
の 1つが抵抗性品種「寿小豆j の奨励であった 97)。
アズキ茎疫病,アズキ立枯病およびアズキ茎腐細菌
「寿小豆Jの作付け面積は 1
9
7
4年には 1
4
.
3
%
.ア
病があげられる 6九その病原菌,症状などについて
ズキ茎疫病が報告された 1
9
7
6年頃には 20%程度と
は以下に示すように多くの研究があり,一般に病徴
なった。
からそれらの区別は難しく,分離操作が必要となる
このような中. 1
9
8
3年にアズキが急激に萎凋し,
立ち枯れる「アズキ急性萎凋症」が石狩郡新篠津村
ことが多い。そのため,これら病害を混同すること
が多々ある。
の「寿小豆」にはじめて発見され42),激発地では 7月
アズキ落葉病は 1
9
3
2年 に 初 め て 注 目 さ れ た 病
末に全株枯死など惨状を呈した。 1
9
8
4年には深川
9
6
0年代
害 90) で,全道各地で発生したが,とくに 1
9
8
5年の発生面積は
市などでも発生が認められ. 1
後半から,主としてアズキ産地の十勝地方で大発生
空地,石狩地方だけで 2
,
0
0
0h
aを越え,新たに上
して問題となり 1),その後上川地方でも発生面積が
川地方でも発生が確認された 49)。
増加したが,アズキ畑の大部分は水回転換畑である
当初,この病気はアズキ立枯病として報告され42)
ことから,水回に戻す湛水化による防除の可能性は
すでに立枯病の病原菌として F
usarium o
x
y
,
;
ρo仰 m
あった。実際. 3か月湛水することでアズキ落葉病
a
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iが報告されていたにもかかわらず,
f
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.
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菌はほとんど死滅することが分かっている 9九 し か
新しい分化型 (
F
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.
勾ゆ orumf
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c
o
{
a
)と
し,十勝地方は純畑作地域が多いため,この方法は
して報告されるなど混乱もあったが,その後,本論
とれず,輪作,抵抗性品種の利用により対応してい
文で明らかにするように,アズキの新病害「アズキ
る。病原菌は最初
萎凋病」と命名され叫,今日まで研究が続けられて
71),ダイズについて既に報告があった B
rown
れ7o,
いる。本病の病原菌は土壌伝染性糸状菌である
S
t
e
mR
o
t3)の生態種の可能性があるとされた。そ
Fusarium o
x
y
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mであるが,この病気はその激
の後,病原菌は P
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aとするのが妥
C
ψh
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{
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宅
porium gregatumとさ
しさと数年に Eって土壌中に病原菌が生存すること
当とされ2円 寄 生 性 試 験 の 結 果 叫 お よ び DNAの
など防除の困難さから,アズキの重要病害であるア
相向性比較試験から,アズキを侵す分化型は
ズキ落葉病に匹敵するほどアズキ生産に多大な影響
g
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af
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c
o
{
aとされた 111)。
を与えると予想された。
p
.
アズキ茎疫病は 1
9
7
7年,特に上川地方の水回転
本病の防除対策試験として 1
9
8
5年から 3年間,
換 畑 で 多 発 し 問 題 と な っ た 98)。この病原菌は,
道立中央農業試験場と道立衛生研究所で生物農薬探
P
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i
c
o
l
aと命名さ
索試験を行い,生物的防除法の確立を目指した 47)。
99)
レースも明らかになっている。
れ41,
この試験研究の中で本病原菌に対し有効な細菌,放
また,アズキ立枯病は古くから報告のある病
害 28,2
線菌を同定し,この微生物が産生する括抗性物質を
単離するなど興味深い結果が得られた。しかし,温
〈
は得られておらずず、. F
us
α
ar
ぜ
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匂
u
仰m
ηs
叩p
.あるいは F
.
室内ではその効果が高かったものの,聞場での効果
0砂唱ゆ
p
o
r
;
問umとされ,アズキ立枯病として扱われたも
の判定にはさらに検討が必要であるとされ,実用性
のにはアズキ茎疫病が存在していた疑いがあるな
を欠いた。
ど,問題があった。この原因は,アズキ立枯病とい
本研究は,アズキ萎凋病菌の北海道内におげる分
われる病気の症状は単一ではなく,茎腐れを主体と
布,レース構成,生態を明らかにすることにより,
するものや,根腐れを主体とするものがあり,イン
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
4
1
3
ゲン根腐病菌による根腐れ,維管束褐変,アズキ茎
物病理学にとっては極めて都合が良い反面,菌学的
腐細菌病,アズキ落葉病,アズキ茎疫病などとの関
には不十分であったが, Ne
!
s
o
ne
ta
l
.72)は,胞子
係を検討する必要があるとされてきた 69)。
形成細胞とその形成様式のような形態的な面も重視
そのような中, 1
9
8
3年に石狩郡新篠津村におい
することで S
nyder & Hansenの分類をより厳密
て,北沢・柳田叫によりアズキの急性萎凋症状が発
にした。これは実際的な同定に有効なように伝統的
見され,アズキ立枯病として発表された。病原菌は
な菌類分類に忠実な分類体系の長所を生かし,上に
Fusarium o
x
y
s
p
o
r
u
mであり,新しい分化型の可能
あげた各分類体系の中の種名を交互に検索できるよ
性があるとされ,その病徴,発生消長についても報
うにしたものである。
告 さ れ た 4九 そ の 後 , 本 病 原 菌 は Fusarium
Fusarium o
x
y
s
p
o
r
u
mは,現在 1
2
0以上の分化型
o
x
y
s
p
o
r
u
mの 新 し い 分 化 型 F
.o
x
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.
ゆ orum f
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.
a
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k
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c
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l
aと命名された日)。しかし,すでにアズキ
立枯病の病原菌は F
.o
x
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,sρorum f
.s
p
.
ρh
a
s
e
o
l
iと
とレースを含み,それぞれ宿主特異性を示す 6) こと
せないが,病原性は温度 107),宿主の齢30),そして
されていたことから,本症状に対してはアズキ立枯
接種方法日)I
こ影響される。また,菌類遺伝学に基
病という病名は用いるべきではなく,アズキ萎凋病
づく,体細胞和合性 (VCG) による F
.o
x
y
.
ゆorum
が知られている。これらの決定には接種試験が欠か
とするのが妥当とされた。さらに本病原菌には 3つ
の分類が試みられた 16,
78)。また,そのほか宿主・病
のレースが存在することが明らかになった 51.52)。
原交互作用を用いないで分類する方法としては,免
防除法については,括抗微生物を利用した生物学
疫学的分類 109),制限酵素断片長多型 (RFLP) によ
的 防 除 法 に つ い て 検 討 さ れ,P
seudomonas a
e
r
.
る分類58),DNA-DNA再会合反応速度解析による
u
g
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a,P
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sか ら monazomycIn
n
i
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r
i
n,S
l
i
k
ecompoundが単離された。これらの微生物は
分 類 54) などによる遺伝的類縁性の比較研究が主流
となってきた。 F
usariumo
x
y
.
宅p
orumのリボソーマ
ル DNAは高度に保存され変異がほとんどないとさ
れ叫,種あるいは亜種のレベルでの分類は困難とさ
ポット試験において高い発病抑制効果を示した 31)0
れた。一方, ミドコンドリア DNA (m
tDNA) は
,
B. Fusariumoxysporumの分類に関する研究
Fusarium属菌の分類について最も基本となる仕
事は, W
ollenweber & R
e
i
k
i
n
gl08) に よ る 代 Die
抽出の簡便さと DNA分子の都合の良い大きさによ
F
u
s
a
r
i
e
n
"である。これによると Fusarium菌は,
とに特有な関係が認められている 38刷。最近は迅速
1
6亜属 (
s
e
c
t
i
o
n
J, 6
5種
, 5
5変種, 2
2型にまとめ
9
4
0
られ,その後の各分類体系の基礎となった。 1
年代には S
n
y
d
e
r& Hansen8叩,聞の分類体系が発
簡単に分化型聞のみならず,レースの判別もできる
表され,種を著しく広い概念でとらえ 8種とし,そ
4分 化 型 (
f
o
r
m
a
の下に病原性を基本とした 3
り RFLP解析に好適で, mtD
NA,レース, VCG
聞の関連性についていくつか報告があり,分化型ご
RAPD法 (Random Amplif
i
.ed Po!ymorphic
DNA) が利用されるようになってきた 61)。
I
I
I
. アズキ萎凋病の発生状況と病原菌
a
i
l
l
o79,l B
i
!ay8),
s
p
e
c
i
a
l
i
s
J を提唱した。その後 R
9
22
Gordon ),Booth),J
O
f
fe"4) な ど が 新 分 類 を 発 表
A
. 発生実態
した。これらの分類では,種のほかは変種を設けて
発したのを初めとして,石狩支庁管内では当別町,
かなり細分し, Wo
l
l
e
n
w
e
b
e
rの後継者と目される
江別市,空知支庁管内では深川市,美唄市,浦臼
G
e
r
l
a
c
h & Ni巴r
e
n
b
e
r
g21) は
, 7
8種 ま た は 変 種 を
上げている。これらは Snyd
巴r& H
ansenの分類
町,月形町,北村,岩見沢市,栗沢町,長沼町,南
体系とは基本的に異なる立場のものであるが,この
剣淵町,比布町,和寒町,旭川市,美瑛町,上富良
中で一般的なのは B
oothの分類体系である。一方,
野町,中富良野町,胆振支庁管内では鵡川町,後志
Snyder & Hansenの分類体系を発展させたものと
して, T
oussoun & Ne!son94), Messian & C
a
s
.
6
Matsuo65)の分類がある。 Snyder& Han.
s
i
n
i
ヘ
s
e
nの分類体系は,分化型とレースの確立という植
支庁管内では倶知安町,黒松内町で発生が確認され
1
9
8
3年に石狩支庁管内新篠津村水回転換畑で多
幌町,上川支庁管内では美深町,士別市,風連町,
た(図 1
,表1)0 1
9
8
5年にはその発生面積は石狩,
空知支庁管内で 2,
0
0
0haを超え, 1
9
8
9年には発生
面積約 6,
0
0
0ha,被害面積 4
4
0haで総アズキ栽培
4
1
4
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
表 l アズキ萎凋病発生の確認された年度と発生市町村
T
a
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a
i
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年度
発生場所
1
9
8
3
1
9
8
4
新篠津村
美唄市
深川市
和寒町
旭川市
上富良野町
中富良野町
鵡川町
村
北
月形町
南幌町
粟沢町
生田原町
岩見沢市
当別町
江別市
長沼町
倶知安町
黒松内町
美瑛町
剣淵町
土別市
比布町
j
甫臼町
風連町
美深町
1
9
8
5
1
9
8
6
1
9
8
7
1
9
8
8
1
9
8
9
1
9
9
0
1
9
9
1
1
9
9
2
1
9
9
4
備
考
水回転換畑
水回転換畑
水回転換畑
水回転換畑
水回転換畑
水回転換畑
水回転換畑
水稲苗畑あと
水回転換畑
水回転換畑
水回転換畑
水稲苗畑あと
種子から
水田首畑あと
水回転換畑
水回転換畑
水回転換畑
水回転換畑
水回転換畑
水回転換畑
水回転換畑
水回転換畑
水回転換畑
普通畑
水回転換畑
水回転換畑
面積の1.1%を占めた。その後,発生が激しい圃場
では他作物へ転換を余儀なくされたため,被害面積
9
9
2年には発生面積 2,
4
0
0ha,被害面
は減少し, 1
積6
5ha (被害面積率, 0_2%) となったが,新篠津
村,当別町,深川市の数カ所の連作間場の年毎の発
生推移は,数年前にはスポット状にわずかな発生で
あったのが,連作が続くに従い圃場全面に広がる傾
向にあり,潜在的に発生危険圃場が多数あると考え
られる。
また,新篠津村,当別町,江別市,岩見沢市およ
び栗沢町では水回転換畑だけではなく,水稲苗畑の
跡地にアズキを栽培して,そこに本病が発生する場
合があり,本病の拡大,生態の面から興味深い。
1
9
9
2年の調査では十勝支庁管内(浦幌町,豊頃
町,池田町,本別町,芽室町,士幌町,音更町,鹿
追町,新得町,清水町,帯広市),留萌支庁管内(遠
別町,羽幌町,苫前町,小平町,留萌市),北見支
庁管内(訓子府町,北見市,佐呂間町,生田原町,
遠軽町,丸瀬布町,白滝村),胆振支庁管内(壮瞥
町)および上川支庁管内の上川町,愛別町,名寄市
では発生は認められなかった。また,空知支庁管内
の幌加内町,砂川市,滝川市でも発生は認められな
かった。
9
9
3年度の調査においても,道南地方
さらに, 1
の長万部町,今金町,北桧山町,八雲町,厚沢部町
において発生は見られなかった。
以上のように本病の発生分布は主として石狩,空
知,上川支庁管内を中心とした北海道中央部から西
部に限られており,アズキの大産地である十勝支庁
管内では発生が認められていなしユ。
」
なお,生田原町産(自家採種)の「早生大粒 1号
の種子からアズキ萎凋病菌が分離されたことがあ
り,種子伝染について注意する必要があると考えら
れる。
B
. 病徴,発生消長及び収量に対する影響
本病は,アズキ茎疫病の常発地で発生が多いこと
から,病名に混乱があり,両病害を混同していた傾
向がある。品種ごとの本病の発生消長の差,病徴の
正しい記載,そして発病が収量に及ぽす影響を明ら
かにすることを目的として本試験を行った。
a 発生消長と病徴
9
8
7年 5月 2
2日(図
新篠津村発病園場において 1
図 l アズキ萎凋病の発生分布
2
) および 1
9
8
8年 5月 2
1日(図 3
) 矯種の試験によ
F
i
g
_1 D
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b
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no
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a
nw
i
l
t
ると,初発の時期は品種によって異なるが,本病に
4
1
5
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
1
0
0
変しており,導管には菌糸が充満している。茎ある
%
いは葉柄の維管束褐変が激しくなると,茎表面も褐
変する。さらに症状が進展すると落葉し,枯死す
8
0
発
る。枯死株の茎の表面には白桃色のスポロドキアを
病 6
0
形成する。
b. 収量に対する影響
率 4
0
材料と方法
2
0
1
9
8
7年 5月 2
8日,新篠津村多発生闇場において
。
「光小豆 J
.I
宝 小 豆J
.I
寿 小 立Jを播種した。 1区
5月
6月
7月
8月
図 2 アズキ萎凋病の発生消長(ハヤテショウズ)
F
i
g
.2 S
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lchang
巴 o
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u
)
1
8m2(
7
.
5mX2.4m)4畝. 2本立てとし. 2反復し
た
。 9月 2
9日に刈り取り乾燥後脱穀した。
結 果
「寿小豆」は. 8 月までに草丈が1O~15 cm程度ま
で し か 生 長 せ ず 100%枯 死 し , 収 穫 は 皆 無 で あ っ
感受性の品種の発病は,播種してからほぼ 1月後の
た。「宝小豆」も収穫時の発病率が 45%で,収量は
6月下旬から見られ(図 2
)
.I
ハヤテショウズ J
.I
寿
小 豆j などの擢病性品種は,播種してから 1月半か
1
0a当り 3
3
.
3kgと少なかった。一方. I
光 小 豆jは
ら 2 月で 90~100%発病した。一方.
I
宝 小 豆J
.
発病率は 30%であったものの 1
8
8
.
9kgの 収 量 が 得
)。
られた(表 2
「エリモショウズ j などはこれら品種よりやや遅れ,
無発病区との比較はできなかったが. I
寿小豆J
の
2 月半程で 80~90% 程度に達した。「ハツネショウ
ように生育初期から発病率が高く,発病株のほとん
ズjの発病率は 2月半経過しても 13%程度で,最終
どが枯死する弱い品種は収穫皆無となるなど,著し
的に 30%程度であった(図 3
)。
い被害を与えることは明らかである。
発病初期には初生葉が縁から黄化し,しだいに葉
c
.分化型とレース
脈にえそが現れる。本葉には葉脈えそのほかに萎縮
北 沢 , 柳 田 42) は , ア ズ キ , イ ン ゲ ン マ メ , ベ ニ
ハヤテショウズ J
.I
寿 小 豆jに比
症状が現れるが. I
バナインゲン,リョクトウ,ササゲ,ダイズ,ソラ
べて症状が現れるのに時間がかかる「エリモショウ
マメ,エンドウ,ライマメにアズキから分離した
ズ」のように葉脈のえそが明確ではなく,萎縮症状
Fusarium 0砂ゆorum菌を接種し,本菌はアズキの
が顕著な品種もある。ときには水浸状の褐色斑紋が
みに病原性を示すことを明らかにし,さらに
現れることもある。最終的には病株全体の棄がしお
Fusarium 0砂 sporum f
.sp.ρh
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,F
usarium
ゆorum f
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mを 供 試 し て , そ れ
o
x
y
れ,枯れ上がってくる。茎を切断すると維管束が褐
らに対するアズキ,インゲンマメ(ブラジ J
レ産を含
。
/
む).ササゲの反応の結果から,この新しい病害は
1
0
0
/
O
分化型F
usarium o
x
y
s
p
o
r
z
仰
HVAHVAHvnHV
発病率
。
06FOAAnL
上 記 2分化型と異なるとし,病名をアズキ立枯病,
Schlechtendahl:
表 2 アズキ萎凋病多発生国場における発病と収量
T
a
b
l
e2 Thei
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c
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c
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。
品種
I
s
月
6月
7月
8月
図 3 アズキ萎凋病の発生消長
F
i
g
.3 S
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1
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寿小豆
宝小豆
光小豆
発病率
100%
4
5
3
0
)
"
)
(
2
4
0
/
2
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(
1
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/
2
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(
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)
収量 (
k
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0
3
3
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3
1
8
8
.
9
a) 発病株数/供試株数
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sexamined
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
4
1
6
3%次亜塩素酸ナトリウムで表面殺菌
F
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l
aKitazawae
tYanagitaを提
植物の種子を
唱した。
し,滅菌水で洗浄後播種し,温室に静置して 2
8日
本試験ではまず,マメ科以外の各種作物及びアズ
後に発病の有無を調査した。また,同様にして得た
キに近縁の Vigna属植物に対する病原性から宿主
菌 株 FA3(美唄市の発病株から分離)の分生胞子懸
範囲,各種マメ科作物に病原性を有する各分化型の
濁液を土壌に混和(濃度 1
05/
g乾土)して素焼鉢につ
アズキに対する反応を再度調べた。
め,アズキ 3品種,インゲンマメ 1
0品種,ベニバ
また ,F
. oxystorumの多くの分化型にはレース
ナインゲン 1品種の種子 5
0粒を供試し,温室にお
が存在することが知られている。本病菌の場合に
いて発病の有無を確かめた。
も,様々なアズキ品種の反応から,レースの存否を
幼苗接種法
確認した。さらに接種試験と圃場でのアズキ品種の
菌株 KF6
4
6(新篠津村の擢病アズキから分離)を
反応を比べることにより,スクリーニング法として
PSAで培養し,同様にして得た濃度 1
0
',1
05,お
の幼苗接種法の有効性を検討した。
よび 1
0
6
/mlのそれぞれの懸濁液を用意した。パー
a 宿主範囲の検討
ミキュライトに 25 C で 7~10 日間育て,初生葉が
0
材料と方法
展開したアズキ幼苗を抜き取り,根を水でよく洗
土壌接種法による各種作物の反応
い,用意した各濃度の分生胞子懸濁液に 1時間浸潰
菌株 FA5(美唄市の発病株から分離)をジャガイ
し,無病土をつめたポットに移植して 4
0日後に発
モしょ糖寒天培地 (PSA) 上 で 2
5C1週間培養し,
病程度を比較した。なお,各処理において 12~15
滅菌水に懸濁後 3
5
0
0rpm, 1
0分間遠沈して再懸濁
本のアズキを供試した。
0
05/
g乾土)
した分生胞子懸濁液を土壌に混和(濃度 1
発病程度(Dis
e
a
s
eS
e
v
e
r
i
t
ylndex: DSI)は接種
して素焼鉢につめた。アズキを含む 1
8種(表 3
)の
各個体の発病の程度によって (
0
)発 病 指 数 1:無発
表 3 各種作物に対するアズキ萎凋病蘭の病原性a)
T
a
b
l
e3 P
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共
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アズキ
インゲンマメ
ダイズ
ナス
トマト
キュウリ
メロン
ユウガオ
スイカ
ネギ
タマネギ
イネ
コムギ
エンバク
トウモロコシ
ダイコン
ホウレンソウ
ニンジン
試
作
物
れgη aa
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品
種
寿小豆
大正金時
北見白
千両ナス
桃太郎
光 3号
キングメルティ
FR相生
縞王スイカ
石倉一本ネギ
フラヌイ
みちこがね
ホロシリコムギ
ハニーパンタム
耐病総太
クレメント
五寸太長
供試個体数
発病数
3
0
2
1
2
1
5
3
5
7
6
0
3
0
2
1
5
7
5
7
6
6
6
0
6
0
5
1
3
0
5
9
5
4
3
0
3
0
。
。
。
。
。
。
。
。
。
。
。
。
。
。
。
。
。
a) 接種試験は菌株 FA5 (美唄市で分離)の胞子を 1
05/
g乾土に調製して行った。結果は接種後2
8日目に測定した。
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.
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
4
1
7
表 4 アズキ萎凋病菌のインゲンマメに対する病原性
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。
。
。
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大正金時
大手亡
白金時
姫手亡
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大白花
寿小豆
栄小豆
光小豆
1
0
0
4
3
。
0:外部病徴
病,維管束の褐変なし,(1)発病指数 1
病原性はなく , F
. oxy
,sρorum f
.s
p
.
ρ加 s
e
o
l
iとは
2
)発 病
は認められないが維管束の褐変のみあり, (
)。
異なる分化型に属することが確認された(表 4
2
指 数 2X 1
0 :葉脈えそ,葉の黄化などの外部病徴
分生胞子による浸漬接種によって,自然発病と同
が認められ,維管束の褐変あり, (
3
)発 病 指 数
様に初期には葉脈えそ症状が見られた。接種濃度が
1
03 :枯死,をそれぞれ与え,次の式によって計算
1
0
5
/ml(DSI=1
.9
5
)
・
,1
0
6
/ml(DSI=2.79) のとき
し
, DSI>lを擢病性, DSI三
五 1を抵抗性と判定し
た
。
DSI=log {平均発病指数}
アズキ萎凋病発病土における各種マメ科作物の反応
1987年 4月に採取した新篠津村および深川市圏
「寿小豆jに発病が認められ,W/ml(DSI=0.60)
では僅かに維管束褐変のみが見られた(表 5
)。一
方
,
I
光小豆」はいずれの濃度でも発病は認められな
かった。以上のことより,浸漬接種における分生胞
子の濃度は 1
06/ml以上が適当であると考えた。
場の病土を 50X70X45cmの箱につめ,表 6, 7の
新篠津村,深川市の発病園場から採取した病土に
ような 9種のマメ科作物を対照の「寿小豆j と交互
おいて,供試した 9種のマメ科作物には全く異常は
にまいた。 5
0日後に各作物の発病調査並びにと妊
認められなかった(表 6
,表 7
)0 リョクトウ,ササ
軸(冠部)からの F
. oxysporumの分離を駒田培地叫
ゲ,ダイズに高率で F
. oxy
ゆorumが 感 染 し て お
を用いて行った。分離された F
. oxysporum単胞子
分離株は幼苗の浸漬接種法によりアズキ萎凋病菌か
否かを判定した。
発病圃場における各種マメ科作物の反応
1988年 6月 2日,あるいは 7月 2
1日に新篠津村
園場に表 8のようなマメ科作物 9種をまき 1
0月 6
日に発病を調査し,同様にアズキ萎凋病菌の感染に
ついて調べた。
結 果
土壌接種法において,本菌はアズキのみに病原性
)。本菌はアズ
を有することが明らかになった(表 3
キ以外の 1
7属の植物には病気を起こさず,さらに
インゲンマメ,ベニバナインゲン各品種に対しても
表 5 アズキ萎凋病菌の胞子濃度とアズキの発病程度
(
D
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)
)
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種
仁
口口
I
胞子濃度
(胞子 1m!)
寿小豆
宝小豆
光小豆
1
0
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1
05
1
06
0
.
0
0
0
.
0
0
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2
.
7
9
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0
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0
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8
北 海 道 大 学 農 学 部 邦 文 紀 要 第 四 巻 第 5号
表 6 アズキ萎凋病発病土(新篠津土壌)における各種マメ科作物の発病a) とそれらの座軸(茎)から分
x
y
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mの病原性
離される Fusanumo
T
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e6 Frequencyo
f Fusanum 0勾I
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マメ科作物
緑豆
十六ササゲ
赤種三尺ササゲ
大正金時
改良早生大福
白鶴の子
三十日絹爽エンドウ
アカクローパ
シロクローパ、
発病b)
腔軸(茎)からの
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菌
%)
の萎割凋合病
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発寿病小
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豆
対
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照)
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2
6
a) 試験は病土を箱につめて実施した
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b) 発病本数/調査本数
No. o
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c) F
. oxystorumが分離された佐軸(茎)数/供試座軸(茎)数
No.o
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d) アズキ萎凋病菌菌株数/供試 F
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学 orumt
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.
目
表 7 アズキ萎凋病発病土(深川土壌)における各種マメ科作物の発病 a) とそれらの匪軸(茎)から分
離される Fusanum o
x
y
s
戸orumの病原性
Table7 Frequencyo
fFusanum o
x
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マメ科作物
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アカクローノ f
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。
。
。
。
シロクローノ f
0
/
2
5
緑豆
十六ササゲ
赤種三尺ササゲ
大正金時
改良早生大福
白鶴の子
三十日絹爽エンドウ
/
1
5
0
/
1
5
/
1
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0
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1
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1
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1
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庇軸(茎)からの
F
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3
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b) 豆の
(対照)
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2
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6
/
2
7
2
7
/
2
8
a) 試験は病土を箱につめて実施した
Seedso
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Kotobuki-shozuwerea
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b) 発病本数/調査本数
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. oxystorumが分離された座軸(茎)数/供試座軸(茎)数
No. o
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d) アズキ萎凋病菌菌株数/供試 F
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ゆo
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制菌株数
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. oxystorumt
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d
4
1
9
近藤:アズキ萎鴻病に関する研究
表 8 圃場における各種豆科作物の各種マメ科作物の発
usarium
病とそれらの歴軸(茎)から分離される F
Oゆゆo
rumの病原性
T
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マメ科作物
緑豆
十六ササゲ
赤種三尺ササゲ
大正金時
改良早生大福
虎豆
白鶴の子
アカクローバ
シロクローノ f
J
I
E
軸(茎)からの
発病叫
萎凋病菌
の割合引%)
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ぐ 明ψo
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3
5
a
) 発病本数/調査本数
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(茎)数
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表 9 アズキ萎凋病発生閏場で生育したアカクローパ及
びシロクローパからのアズキ萎凋病菌の分離
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作物
アカクローノ f
シロクローノ f
。
秒
庇軸(茎)からの
F.oxy
ゆorum
の分離a)
5
/
1
2
2
/
1
4
萎凋病菌
の割合b) (%)
ものの,アズキ萎凋病菌が約 2
5あるいは 31%検出
された。
新篠津村発病圃場においては,シロクローパから
はアズキ萎凋病菌は分離されなかったが,アカク
ローノ f,赤種三尺ササゲからのみアズキ萎凋病菌が
分離された。ただし,赤種三尺ササゲを含めて生育
異常は認められなかった(表 8
,表 9
)。以上のよう
に本菌はシロクローノ f,アカクローノむ赤種三尺サ
サゲに対して頻度は低いが寄生性が認められた。
b
. 近縁分化型との比較
材料と方法
供試した菌株は深川市の発病株から分離した
KF843,American Type Culture CoI
lection
(ATCC) か ら の ATCC1
8
1
3
1,ATCC42145, (
F
.
o
x
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),ATCC16608,
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6
6
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9,ATCC1
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6
1
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F
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ゆorum f
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P
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),および元北海道農業試験場佐藤倫
造 氏 よ り 分 譲 さ れ た FO5 (
F
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x
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宅porum f
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) である。
表1
0に載せた供試植物の,播種 7日から 1
0日後
の幼苗を C-aの方法に準じ, 1
06胞 子 /mlの濃度に
調整した胞子懸濁液に 1時間浸潰し,殺菌土をつめ
たポットに移植した。これらを温室内
(18~330C)
におき, 4
0日後に発病の調査をした。
結 果
KF843はアズキのほか,ヤプツルアズキ (Vigna
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s (Ohwi
) Ohwie
tOhashi)を侵し,葉には典型的な病徴である葉脈えそが
現 れ て 後 に 枯 死 し た 。 し か し 発 病 率 20%と「寿小
0
)。ケツ/レアズキ (V押1
u
n
g
o
豆」より低かった(表 1
1
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4
0
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2
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2
5
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0
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0
.
0
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(茎)数
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) アズキ萎凋病菌菌株数/供試 F
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なかった。アズキに対して F
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かった。 F
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iは イ ン ゲ ン
マメのほかササゲにも葉の黄化症状を示し発病率は
低 い な が ら 病 原 性 が 認 め ら れ た 。 一 方,F.
oxysporum f
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mはササゲのほかイ
ンゲンマメに対して地上部の病徴は明確でなかった
り,座軸あるいは冠部からは F
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x
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porumが分離
ものの根腐症状を起こした。これら両分化型及び
されたが,シロクローパを除きアズキ萎凋病菌は検
F
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sは ア ズ キ に 病 原
出されなかった。両土壌でシロクローノてから分離さ
性がないことから,アズキから分離された F
.
x
y
ゆorumの割合は他の作物に比べ少ない
れる F
.o
oxy~ρorum はアズキのみを侵す,極めて宿主特異性
4
2
0
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
表1
0 各種マメ科作物に対する F
u
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u
m O;¥)ψorum4分化型の病原性比較
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張家口緑豆
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1
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0
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インゲン
戸h
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大正金時
改良早生大福
ダイズ
白鶴の子
エンドウ
早生絹爽エンドウ
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1
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1
0
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1
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(十)
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1
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(←)
(十)
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a) 発病株数/供試株数
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b) (+)維管束の褐変が認められる。(-)維管束の褐変が認められない。
(
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) 維管束褐変は認められないが根腐症状が現れた。
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が高い新分化型であると考えられた。
c レースの存在
材料と方法
擢 病 ア ズ キ か ら 分 離 し た 菌 株 KF6
4
6,KF8
9
5,
本菌には 3つのレースが存在することが明らかに
r
なった(表 1
1
)。レース 1は「エリモショウズ j 寿
小豆 j
r宝小豆J
などを侵すが「光小豆 j, r
ハツネショ
ウズ」は侵すことができず,レース 2は「光小豆」
KF6
4
8,KF1
0
2
5 (新篠津村圃場産アズキから分
を,レース 3は「ハツネショウズ」を侵す。「十育
離
)
, F2
8
5 (中富良野町圃場産アズキから分離)
123号 j, r花 小 豆 j, r赤 豆 j, r
十 系 325号 j,
KF6
5
4,KF6
5
5,KF8
4
3 (深川市圏場産アズキか
r
Acc6
8 (岩在 54-22)j, r円葉(刈 6
3号 )
j は,い
ら分離)を用いて浸漬接種法により表 1
1に示したア
ずれのレースにも侵されない抵抗性の系統である。
ズキ 3
2品種に接種し,その発病程度から抵抗性の
レースの判別品種として「十育 1
2
3号j
,r
ハツネ
有無を判定した。
ショウズ j, 光 小 豆 j, 寿小豆」を選び,以後の
九株
また,新篠津村圃場に各品種を l区1.2m
間1
0cm1粒まきで 2反復播種し,発病を調査して
r
r
レース検定に供試することとした。
なお,圃場検定の結果から,いずれのレースに対
幼首浸漬法による反応と比較した。
しでも抵抗性を示さない品種は, DSI が約 2.4~2.
結 果
9以上であることから,ほとんどの個体が外部病徴
4
2
1
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
表1
1 アズキ品種の幼苗検定と圃場検定の比較
T
a
b
l
e1
1 P
a
t
h
o
g
e
n
i
c
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t
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z
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k
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c
o
l
a
品種,系統
闘場.b)
幼苗検定
アズキ萎凋病菌株a)
KF646
花小豆(刈 1
5
4号)
。.
O
O
R
C
)
赤豆
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O
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O
O
R
十育1
2
3号
十系 3
2
5号
4
22
)
A
c
c
6
8(岩在5
円葉(刈6
3号)
ハツネショウズ
早生大粒 l号
早生大納言(女)
光小豆
十育1
2
2号
円葉 l号(刈 7
1号)
小豆早生系 3
茶殻早生
小豆早生系 4
知北種(I) (愛知)
剣
一3
小 豆 何1
2
8
)
小豆早生系 l
石野小豆(更別)
十育1
2
0号
不詳 (
1
3
)
エリモショウズ
栄小豆
蔓小豆(更別)
中納言(刈4
7号)
中国在来 l
小豆 (
M
2
)
宝小豆
寿小豆
ハヤテショウズ
斑小粒系 l
号
KF895
F
2
8
5
KF648
KF654
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4
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1
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KF843
K
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2
5
検定
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R
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.
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3
.
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2
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2
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0
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2
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2
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2
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.
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2
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a) 接種菌量は 1
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b) 園場検定は 1
9
8
8年新篠津村発病問場で行った。
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9
8
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)数字は DSI, R:抵抗性, S:擢病性を示す。
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i
b
l
e(
S
)
.
、
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
4
2
2
を示し,しかも枯死した。それに比ベレース 1に強
これらを無病土をつめた大ポットに載せ 8週間生育
い品種においては,レース 2
,3に対しでも高々
させて発病をみた。
DSIが1.7~2.3 であり枯死する個体は稀であった。
結 果
また,菌株 KF646 (レース1)と KF1025 (レー
「寿小豆Jの DSIは幼苗接種と同様ですべての
ス3
) が同ーの闘場から分離されたことから,圃場
レースで発病した。しかし, ["光小豆 j はレース 2
,
内には 2つ以上のレースが混在することが推測され
3では,また, ["ハツネショウズ」でレース 3では幼
た
。
苗接種の結果とは異なって発病が見られなかった。
r
圃場における検定と幼苗の浸漬接種による検定を
「光小豆 j, ハツネショウズ」ともそれらの旺軸から
比較すると,レース 3が示す反応と同様であること
接種菌が分離されることから,アズキ萎凋病菌はこ
から,レース 3を用いて幼苗で検定を行うことによ
れらアズキ品種の種子の発芽の早い時期に侵入し,
り抵抗性品種のスクリーニンクやが容易にでき,圃場
若い齢のときは発病させることができるが,アズキ
検定の前に効率よく選抜できると考えられた。
の齢が進むと発病が難しくなると考えられる(表
D. アズキの齢と発病
1
2
)。
アズキ萎凋病の病原性検定は,初生葉が展開した
幼苗で検定することとしたが,果たしてこの条件が
E
.考 察
1983年に新たに報告されたアズキの立枯性病害
最適かどうか,齢が進んだアズキにも接種して確認
について,その病原解明の試験を行う中で,北沢・
する必要がある。 C
-cの結果からもレースとアズキ
柳田叫が病名をアズキ立枯病,その病原菌を
品種の組み合わせによっては DSIがかなり変動す
る可能性があり, 3つのレースについて検討した。
Fusarium o
x
y
ゆorumと し , さ ら に 分 化 型 を F
.
o
x
y
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u
mf
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p
.a
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u
k
i
c
o
l
aと命名したことに対し
材料と方法
疑問点が浮かび上がった。つまり,すでに松尾附
3%次E塩素酸ナトリウムで滅菌,滅菌蒸留水で
.o
x
y
s
p
o
r
u
m f
.
によりアズキ立枯病の病原菌は F
洗浄した「寿小豆 j,["光小豆 j,["ハツネショウズ J
s
p
.
ρh
a
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o
l
iとされているにもかかわらず,北海道
および「十育 123号 j の種子を 5cm直径のパーミ
で発見された病害の病名をアズキ立枯病とした点で
キュライトをつめたプラスチック製ポット(小ポッ
ある。
ト)に 3粒まき各品種目ポット用意した。これらの
アズキ立枯病についての報告は,半沢28) の記載
ポットの上に置き(大ポット),種子が発芽したとこ
r
アズキ立枯病は F
u
s
a
r
iums
p
.により起こる病害で,明治 38年北海道札
ろで各ポット l本立てとした。アズキの第 2本葉が
幌付近の小豆畑に蔓延して細菌病の比ではないこ
ポットを 12cm直径のパーミキュライトをつめた
が最初である。この中で,
展開したときに静かに下のポットから根を抜き, 3
と,細菌病擢病小豆の茎幹部,地際部等に多数の菌
つのレース (KF646,KF654,K F8
4
3
)のC
-aの
F
.r
o
s
e
u
m
)の寄生する
叢をみ,一種の死物寄生菌 (
方法と同様にして用意した胞子懸濁液(濃度10"/
のを認めたこと,本年北海道より得た小豆立枯病を
ml
)に根を浸潰した。一晩浸漬後小ポットごと再び
みると茎幹に多数の紡錘状菌を付着していたこと,
これらのことから,細菌の寄生によって衰弱した部
表1
2 浸漬接種による第 2本葉展開期アズキの発病
T
a
b
l
e1
2 E仔e
c
to
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d
z
u
k
i bean age
"
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3(
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F
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4
3
)
3
.
0
0
0
.
2
8
は紡錘状菌がその主固なのか確定することはできな
いj と述べ,後日の確証を待つとした。
原 29) はこの報告を受け,
レース(菌株) 寿小豆光小豆ハツネショウズ十育1
2
3号
l
(K
F
6
4
6
)
分に死物的に多数の菌類の寄生したものか,あるい
0
.
0
0
0
.
0
0
0
.
0
0
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2
8
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0
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a) S
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b) D
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v
e
r
i
t
yl
n
d
e
x
r
本病は全株萎凋し遂に
枯死するもので, Oudomannによれば, Phaseolus
属作物に F
usarium o
x
y
ゆorum Sch
1.が寄生すると
いうことなので或は其菌だと信ずるが,未だその証
明はない」としている。
以上のように,これらの報告はアズキ立枯病があ
るとしているものの,その病徴記載は不十分で,病
気については不明確である。それ以後もいくつかの
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
4
2
3
アズキ立枯病についての報告がある。まず鋳方33),
の齢は子葉が展開した時期である。なお,本葉 2葉
渡遺 102) は被害アズキは茎の地際部に暗褐色ないし
光小豆 J
.I
ハツネショウズ」などの比較
期頃には. I
紅褐色の変色部を生じ,茎の一側に沿い上部に進展
的抵抗性の品種では,それらを侵すレースでも発病
し葉柄にも変色部を生じるとしているが,この症状
しにくくなるので注意する必要がある。
はアズキ茎疫病の記載41) とよく一致している。本
研究で扱ったアズキ病害の場合にも茎の外側に褐変
I
V
. アズキ萎凋病菌の遺伝学的分類に関する研究
が認められるけれども,これはあくまで導管内から
Fusarium o
.
y
ゲゆorumは各種植物に対する病原性
表皮に向かつて広がったのであって,決して茎表面
の有無により,多くの分化型に分けられている九
から菌が内側に侵入したのではない。本病は導管病
分化型を決定するのには原理的にはこれまで報告の
であることが前提である。
ある,すべての宿主に対して接種試験を行わなけれ
また渡浸 103) は発芽後間もない頃地際部が細く
ばならない。しかし,これには多大な時間と労力を
なって倒伏枯死するとしているが,本病は地際部か
要し,環境要素,宿主の齢,接種条件によってもそ
ら倒伏することはない。アズキ茎疫病でも苗立枯症
の反応は異なることから 10,見6 1 分化型の決定は難
状を示す 97) ことがあり,この点でも渡遁の報告し
しい。このことから,植物の反応を介さず,簡便
たアズキ立枯病によく似ている。北沢・柳田 41) も
,
に,より正確に分化型を判別する方法が求められて
アズキ茎疫病は擢病茎上には一時期 Fusarium菌の
し
'
t
.
.
こ
。
胞子を形成することが多く,鋳方 33) の報告したア
ズキ立枯病に酷似していると考察している。
さらに,接種試験あるいは自然発病でまず気づく
P
u
h
a
l
l
a78)は変異源を使わずに自然発生的に得た
硝酸代謝変異を選ぶ手法を導入した。つまり,二つ
の相補的な硝酸塩非利用突然変異 (
n
i
t変異)を得る
外部病徴としては,葉のしおれのほか葉脈えそ,上
ことにより,ヘテロカリオン形成の有無を肉眼的に
葉の縮れなどであるが,このような記載は上記二報
eg.
観察できるようにし,体細胞和合性群 (VCG:V
告には全く見られない。
e
t
a
t
i
v
eC
o
m
p
a
t
i
b
i
l
i
t
yGroup) に分類した。また,
もちろん排水の良好である方が発病し易いという
5)は,特異な調節遺伝子あるいは構
C
o
r
r
e
l
le
ta
l
.'
渡遁 103) の調査結果からも,それがすべてアズキ茎
造遺伝子に欠損がある n
i
t変異の表現型を選択する
疫病であったとは主張できないが,渡漫の分離した
のに生理学的試験を導入して. P
u
h
a
l
l
a78) の仕事を
菌が F
.o
x
y
.
ゆorumf
.s
p
.
ρ
h
αs
e
o
l
iであった 66) とい
より精密にし,この方法による分類をより能率的に
うこと,これまで明らかにしてきた実験結果から,
した。
F
.o
砂ゆ orumf
.s
p
.a
d
z
u
k
i
c
o
l
aによるアズキの病
気 を ア ズ キ 萎 凋 病.F
.o
x
y
.
司
porumf
.s
p
.
ρ加 s
e
o
l
i
ある植物に対して非病原性であるとしか認識され
による病気は,その病徴に疑問が残るもののアズキ
ず,遺伝的にどのような幅をもって土壌中に存在す
立枯病とすべきと考えられた。松尾の記載では,渡
るのか知ることは,不可能である。ところが硝酸塩
.o
y
.
汐ゆorumは
また,病原性試験では非病原性 F
浸の分離した菌はアズキに維管束の褐変を起こすと
非利用突然変異を利用した体細胞和合性群による分
しており,本試験でもこの症状が再現されている。
類は,非病原性菌株の生態的位置を知る上で多大な
同6,
目
18訓
,
却
2剖
町
3
)
情報を得ることを可能にした 1
したがって,本研究による病原性,病徴発現の結果
から,アズキ立枯病は F
.oxys
ρorum f
.s
p
.
本章では,まず北海道各地から分離,同定したア
ρ加 s
e
o
l
iに よ る 病 害.F
. oxysporum f
.s
p
.a
d
z
u
.
ズキ萎凋病菌株と各種マメ科作物に病気を起こす各
k
i
c
o
l
aによる病害をアズキ萎凋病とするのが妥当で
分化型との比較を体細胞和合性により行い,体細胞
ある。
和合性群とレースとの関係を検討した。次にアズキ
本試験により,アズキ萎凋病菌にはレースが 3つ
に対し非病原性と判定された菌株について体細胞和
存在することが明らかとなった。レース 3に対する
合性群で分類し,アズキ萎凋病発生地と非発生地の
発病程度が,圃場試験における各品種・系統の発病
比較を行った。
程度と一致することから,レース 3を用いた検定を
近年の分子生物学の発展に伴い,植物病原糸状菌
DNAレベルで類縁性を論じることが分
行うことで,より迅速な抵抗性品種の選抜に寄与で
においても
きると考えられる。この場合,接種に適当なアズキ
類学のみならず,生態学的研究においても重要に
4
2
4
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
なってきている 9九 F
. 0砂 ψorumの各分化型につ
05%亜硝酸ナトリウムあるいは 0.02%ヒポキサン
いての研究においても,体細胞和合性群と核 DNA
チンを加えた M M培地上で生育させ,両培地で良
あるいはミトコンドリア DNAの制限酵素断片長多
i
t1
,亜硝酸培地でのみ薄い
好な生育を示す菌を n
型 (RFLP)の関係,あるいは分化型聞の類縁性を考
察する報告が多数ある 24,
39,
5叩
, 106)。さらに,病原性
菌そうを示す菌を
ηi
t3
, ヒポキサンチン培地上で
のみ薄い菌そうを示す菌を NitMとした。
と非病原性 F
.o
x
y
ゆorumの遺伝的類縁性について
i
t1ある
相補性試験は, M M培地上で NitMと n
も mtDNAハプロタイプから明らかにされようと
i
t3との組み合わせで直径 6cmとペトリ皿
いは n
している 25)。また, P
o!ymerasec
h
a
i
nr
e
a
c
t
i
o
n法
を用い,菌株間の距離を 2cmにして対崎培養し,
0
25
Cで 2週間培養した。調査は接種後 1週間目と 2
(PCR法)を利用した種間,種内の変異,多様性に
61)。
ついての報告も増えてきている 27,
.o
x
y
s
j
Jo
r
本章では,アズキ萎凋病,非病原性 F
週日に行い,ヘテロカリオンを形成し,野生型様の
気中菌糸を形成した組み合わせのものを相補性があ
n
t
巴r
n
a
!
umのリボソーム RNA遺伝子 (rDNA)の i
るとし,和合性群を決定した。一連の体細胞和合性
t
r
a
n
s
c
r
i
b
es
p
a
c
e
r(
ITS) 領域,ミトコンドリアリ
群決定方法は Les
!
ie57)に依った。
ボソーム RNA遺伝子 (mtrDNA)の断片を PCR法
結 果
により増幅することで,病原性,非病原性菌株間の
アズキ萎凋病菌の体細胞和合性群
遺伝的変異の検出を試みた。
A. 体細胞和合性群による分類
材料と方法
アズキ萎凋病菌は 1
9
8
7年から 1
9
9
2年にかけて第
アズキ萎凋病菌を含む 4分化型間での体細胞和合
性 の 検 定 に お い て,F
.o
x
y
s
ρorum f
.s
p
.
m
e
d
i
c
a
g
i
n
i
sについては,用いた菌株が自己不和合
性で明らかではなかったものの,アズキ萎凋病菌は
I
I
I章,図 1に示した地点から採集した擢病アズキか
ら分離した 1
0
6株を供試した。また,分化型を決定
.o
x
y
ゆ orum f
. spρ h
a
s
e
o
l
i,F
.
少なくとも F
.o
x
y
s
j
Jo
rum f
f
.s
p
.
するのに比較として供試した F
.o
x
y
ゆorum f
.spρ h
a
s
e
o
l
iによるアズキ
れず, F
ρh
a
s
e
o
l
i (ATCC1
8
1
3
1,ATCC4
2
1
4
5
),t
r
a
c
h
e
i
.
立枯1
丙菌とは異なる分化型に属することが確認され
ρhilum (ATCC16608, ATCC16609,
3
)。
た(表 1
ATCC1
6
6
1
0
), m
e
d
i
c
a
g
i
n
i
s (FO5
) 計 6菌株につ
o
x
y
s
t
o
r
u
mf
.s
p
.t
r
a
c
h
e
i
p
h
i
l
u
mと和合性は認めら
KF646A, 89-823, 90-1391 (レース
0,
いて,相互に和合性を検討した。「寿小豆」を用いた
9
0
8
0
8, (レース 2
), 90-750B, 90-833, 9
1
7
5
9
.
病原性試験により明らかになった非病原性 F
(レース 3
) を最初の体細胞和合性試験の組み合わせ
o
x
y
司p
orumについては,権病アズキから病原菌と同
に用いた。その結果, 7菌株は同一の VCGに属す
時に分離された 3菌株,アズキ萎凋病発生閏場から
ることが明らかになった。次に代表変異菌株
3菌株,さらにアズキ萎凋
分離された 9圃場から 8
9
0
7
5
0B/3 (NitM),9
0
7
5
0B/10 (
n
i
t1
) を検定
7圃場から 1
1
1菌株
病未発生地である十勝地方の 2
菌とし,その他のアズキ萎凋病菌株について得られ
を供試した。
i
t1変 異 株 は 9
0
7
5
0B/3と
, NitM変 異 株 は
たn
硝酸非利用突然変異株の選抜は,以下のように
9
0
7
5
0B/10と相補性試験を行って,同ーのグルー
行った。 P
u
h
a
l
l
a78) と C
o
r
r
e
l
le
ta
l
.
'
5
)の 方 法 に 従
プに属する株を選んだ。この両検定株と相補性を示
い,窒素源として硝酸ナトリウムを加えた最少培地
さなかった株については,さらにこれらの中で相補
(MM) に塩素酸カリウムをl.5%添加した変異菌
性試験を繰り返してクゃループ分けを続けた。また,
作成培地 (MMC),あるいはトウモロコシ寒天培地
i
t
l株と相
得られた NitMについては,すべての n
(CMA:D
i
f
c
o社製)に同じくl.5%塩素酸カリウ
補性試験を行った。なお, NitMが得られたのは
ムを添加した変異菌作成培地 (CMAC)に M M上で
3
6菌株であった。この結果,表 1
4に示すように
.o
x
y
s
p
o
r
u
m菌糸片を置いた。
生育した野生型の F
1
0
6菌株中 9
1菌株は同一の VCG (VCG0
0
2
0HU)
22~250C で 5~10 日間培養し,良好な生育を示した
に属し,残りの菌株のうち 3菌株ずつを含む二つの
セクターの先端菌糸を M M上に移し,薄い菌そう
0
2
1HU,VCG0
0
2
2HU)が
体細胞和合性群 (VCG0
を呈する菌を変異菌として選抜した。
存在することが認められた。加えて, 0
0
2
0HUと
.
表現型の同定には,分離された変異菌株を O
0
0
2
1HUの両体細胞和合性群と相補性を示す 2菌
4
2
5
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
表1
3 各種マメ科作物に対し病原性を有する Fusarium o
.
砂ゆ.
o
rum分化型間における相補性試験
T
a
b
l
e1
3 V
e
g
e
t
a
t
i
v
ec
o
m
p
a
t
i
b
i
l
i
t
yamongi
s
o
l
a
t
e
so
f Fusarium 0
.
砂砂 orum f
f
.s
p
.a
d
z
u
k
i
c
.
o
l
a,
p
h
a
s
e
.
ol
i,t
r
a
c
h
e
かhilum,andmedicaginis
号
番
分
番号
化
菌
型
よ
ー
a
d
z
u
k
i
c
.
o
l
a
2
株
・
qL つd d 4
FhunhU
KF646A
9
0
7
5
0
B
KF654C
ATCC18131
ATCC42145
ATCC16608
Cl6
6
0
9
ATC
ATCC16610
F05
ρhase.
ol
i
t
r
a
c
h
e
i
P
h
i
l
u
m
tooQd
ヴ
m
e
d
i
c
a
g
i
目z
s
+al
3
4
6
5
7
8
9
+
十
+
+
寸
一
a) 十:反応あり,一:反応なし
十三c
omplementary;一二 noc
o
m
p
l
e
m
e
n
t
a
r
y
.
レース
VCGNo.
2
1
6
9
1
0
2
1
1
1
表1
5 アズキ萎凋病菌の VCG,菌株,レース及び分離場
所
o
rumf
.s
p
.a
d
.
s
o
l
a
t
e
so
fFusarium 0.砂 ゆ.
T
a
b
l
e1
5 I
h
e
i
rv
e
g
e
t
a
t
i
v
ec
o
m
p
a
t
i
b
i
l
.
z
u
k
i
c
o
l
a andt
i
t
yg
r
o
u
p
s
VCGNo
株
分離場所
美瑛町
美瑛町
美瑛町
nr-qJ
Lqδ
美瑛町
ワムワ・
つ白内
9
1
7
5
9
9
1
7
6
1
9
1
7
6
2
9
1
7
6
6
レース
qd
0020HU
菌
u 1 ム qJqr
・ -i っ' U 1 i 1 i q d 1 4
Racei
d
e
n
t
i
f
i
c
a
t
i
o
nwasn
o
texamined
b) 自己不和合性株
S巴l
fi
n
c
o
m
p
a
t
i
b
i
l
i
t
yi
s
o
l
a
t
e
s
.
,
。
品
a) レース未検定
9
1
7
7
8
9
1
7
8
2
9
0
1
3
9
1
*
9
0
1
3
9
7
KF-843
8
7
3
9
6
8
7
6
0
0
9
0
7
5
0
B*
8
8
1
6
2
8
8
1
8
6
8
8
2
2
7
8
8
5
1
3
8
8
5
2
9
8
8
1
7
4
8
8
8
1
7
5
0
8
8
1
7
5
3
F8
8
8
7
8
7
8
8
7
9
0
8
8
7
9
3 キ
8
9
8
0
8 *
8
9
8
1
3 *
8
9
8
2
3 *
8
9
8
2
5 *
8
9
1
7
8
8
8
9
1
8
0
6
9
1
4
9
7
υ 1ム 1
1
0
6
*叫
今、
4
9
1
7
7
6
9
1
7
7
7
J
内 q L
3
3
レース
株
u 1 ムワ・つ d
0
0
0
0
0
0
1
6
菌
今、
担
日
合計
3
ぬ 1000001
ロ 0000003
M1331110M
0020HU
0
0
2
0
/
2lHU
0
0
2lHU
0022HU
0023HU
0024HU
0025HU
6
l
002-HU
合計
n
d
.al
VCGNo.
qd141i1i1iqO
表1
4 アズキ萎凋病菌の VCGとレースの関係
e
g
e
t
a
t
i
v
e c
o
m
p
a
t
i
b
i
l
i
t
y groups and
T
a
b
l
e1
4 V
.
勾ゆorum f
.s
p
.a
d
z
u
.
r
a
c
e
si
nFusarium o
k
i
c
o
l
a
分離場所
美瑛町
美瑛町
美瑛町
美瑛町
江別市
江別市
深川市
深川市
深川市
深川市
深川市
深川市
深川市
深川市
深川市
深川市
深川市
深川市
深川市
生田原町
生田原町
生田原町
岩見沢市
岩見沢市
北 村
北 村
北 村
北 村
倶知安町
4
2
6
VCGNo.
北海道大学農学部邦文紀要
菌
レース
株
9
1
5
0
0
9
1
5
0
2
9
1
5
0
3
9
1
5
0
5
9
1
5
0
8 •
9
1
5
1
0
9
1
7
8
6
“
ヮ
9
0
8
0
3
9
0
8
0
5
9
0
8
0
8
9
0
8
1
0
9
0
8
1
1
F285
F288
8
8
1
3
1
本
8
8
5
3
3
ホ
8
8
8
9
1
8
8
9
0
8
8
8
9
1
0
市
9
0
3
1
6
9
0
4
2
7
事
9
1
1
2
5
9
1
6
4
5
9
1
8
1
2
9
1
1
5
1
5•
9
2
1
8
5
9
2
1
8
7
KF625
KF647
KF653
9
0
8
1
6
9
0
8
3
3
9
0
8
3
7
9
0
8
3
8
9
0
8
3
9
9
2
1
5
4
9
2
1
5
5
9
2
1
5
6
ホ
9
2
1
6
5
9
2
1
7
4 •
B
6
9
2
2
0
2
9
2
2
0
3
9
2
2
0
4
倶知安町
倶知安町
倶知安町
長沼町
南幌町
南幌町
南幌町
9
0
6
0
3
0
0
2
0
/
21HU
0
0
21HU
新篠津村
新篠津村
0022HU
新篠津村
新篠津村
0023HU
新篠津村
0
0
24HU
0025HU
002-HU
新篠津村
新篠津村
新篠津村
新篠津村
新篠津村
新篠津村
新篠津村
B
2
B-5
B-3
9
2
1
7
6 •
9
1
7
2
6
事
新篠津村
新篠津村
レース
株
9
2
1
5
7 •
9
2
1
6
4
倶知安町
倶知安町
倶知安町
倶知安町
倶知安町
長沼町
菌
8
8
1
7
0
4•
9
1
6
5
3
9
1
6
9
6
8
8
1
5
5 •
8
8
9
1
3 •
8
8
1
3
6
4
ホ
KF654C'
8
8
1
4
9 •
9
0
8
3
6
9
1
1
1
4
ワムηδqru
8
8
7
5
1 •
8
8
8
8
6
8
8
8
8
8
8
8
8
9
0 •
VCGNo.
U
8
8
5
9
2
8
8
7
2
6
8
8
7
3
1
1 i ? ・ ? ・ っ i u つ ・ q d ' i ワω つ ム 1 4 1 ょ っ ・ 1 i 1 4 q J q d 1 i 1 A 1 4 1 i ? ・ 。 、 υ つ d q r ・ つ ・ つ - q d q d つ ム 1 4 1 i 1 4 q d つ i u
KF646A'
第 5号
J
内 q J q ο 1 ム 。 a t i q δ q δ 1 4 q J 1 i 1 i t i - - T I 1 4 1 ム 可 i t - - A ワ
ワμ1iqd1A1iqJつd1iqJ1ムワ臼14
9
1
4
9
9
分離場所
第1
9巻
分離場所
浦臼町
士別市
士別市
剣淵町
剣淵町
比布町
比布町
比布町
鵡川町
剣淵町
剣淵町
剣淵町
剣淵町
黒松内町
新篠津村
新篠津村
新篠津村
深川市
新篠津村
新篠津村
深川市
深川市
当別町
新篠津村
a) NitM分離された菌株
A
s
t
e
r
i
s
kい
)indicatesisolatesfromwhichNit
M mutantswered
e
r
i
v
e
d
.
新篠津村
新篠津村
新篠津村
新篠津村
株(剣淵町から分離)から成る体細胞和合性群
(VGC0020/21HU)を得た(表 1
4, 1
5
)。そのほか
新篠津村
自己不和合性株が 4菌株,単独の自己和合性株が 3
新篠津村
菌株認められた。なお,体細胞和合性群のコード番
新篠津村
号は L
e
s
l
i
e56)の方法に従い, 0020か ら 始 め て H U
新篠津村
(HokkaidoU
n
i
v
e
r
s
i
t
y
) を番号の最後につけた。
新篠津村
レースと体細胞和合性群,あるいは地域と体細胞
新篠津村
和合性群には特に対応関係はなく,菌株の大部分を
新篠津村
美唄市
当別町
当別町
占める 0020H Uには 3レースすべてが含まれてお
り,表 1
5に示すように北海道内各地の菌株が含ま
れていた。相補性のある組み合わせではほとんどが
当別町
当別町
2週間以内に,早い反応は菌糸が接触して l日ほど
当別町
浦臼町
非病原性 F
.o
x
y
s
p
o
r
u
mの体細胞和合性群
浦臼町
浦臼町
ズキ栽培圃場から分離した非病原性 F
.o
x
y
.
司
p
o
r
u
m
で(接種から 5日ほど)強い反応を示した。
発病圃場及び十勝地方のアズキ萎凋病未発生のア
菌株について,それぞれ 86菌株, 1
1
1菌株,計 1
9
7
4
2
7
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
菌株を供試して体細胞和合性群により分類した。
M M培 地 上 で は 強 い 反 応 か ら と き に 弱 い 反 応 ま で
組み合わせによってさまざまであったが,これらす
べてを同じ体細胞和合性群とみなした。なお,得ら
れた各菌株の NitMについては,すべての n
i
t1あ
るいは n
i
t3と相補性試験を行った。これにより単
7 非病原性 Fusarium o
x
y
s
p
o
r
n
mの VCG,菌株及
表1
び分離場所
T
a
b
l
e1
7 V
e
g
e
t
a
t
i
v
ec
o
m
p
a
t
i
b
i
l
i
t
yg
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n
o
t
i
n
f
e
s
t
e
d五e
l
d
s
独自己和合性株も含めて 3
5 (単独自己和合性株 1
1
VCGNo_
菌株
6,
株を含む)の体細胞和合性群が認められた(表 1
2
0
0
1HU
8
8
1
4
9
0
8
9
6
3
1
8
9
6
9
0
8
9
1
6
6
2
9
0
1
3
3
1
9
0
1
3
3
4
9
0
1
3
6
4
9
0
1
3
8
4
9
1
7
2
4*
a
)
1
7
)。この中で単独自己和合性株を除く VCGでは
アズキ萎凋病発生地と未発生地(十勝地方)で共通
表1
6 アズキ萎凋病発生地及び未発生地から分離され
p
o
r
た,アズキに対し非病原性の Fusarium 0砂 s
um菌株と VCG
T
a
b
l
e1
6 V
e
g
e
t
a
t
i
v
ec
o
m
p
a
t
i
b
i
l
i
t
yg
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x
y
s
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l
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l
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h
e
n
o
t
i
n
f
e
s
t
e
df
i
e
l
d
s
VCGNo
発生地
2
0
01HU
2002HU
2003HU
2004HU
2005HU
2006HU
2007HU
2008HU
2009HU
2010HU
2011HU
2012HU
2013HU
2
0
14HU
2015HU
2016HU
2
0
17HU
2018HU
2019HU
2020HU
2
0
21HU
2022HU
2023HU
2024HU
単独自己和合性株
自己非和合性株
合計
1
0
1
2
1
1
2
6
8
3
4
2
3
3
。
。
2
2
。
。
。
。
。
1
2
2
1
1
8
6
未発生地
2
2
1
1
7
1
4
9
6
8
4
3
2
1
4
4
1
1
1
2
2
2
2
1
2
。
。
。
3
1
1
1
T3
8
T5
2
1
*
T1
5
T6
3
T6
5
*
T1
0
2
T1
0
3
T1
2
9
T2
3
2
4
T2
4
1
合計
3
2
2
3
1
8
1
6
1
5
1
4
1
1
8
5
5
4
4
4
3
3
2
2
2
2
2
2
2
2
2
1
4
1
1
9
7
2
0
0
2HU
TN2
TN1
2
TN19
TN39
TN4
4
TN8
T1
0
8
T2
7
4
T1
0
1
5
T7
1
3
3
3
2
4
TN24
8
8
1
4
8
1
8
8
1
4
9
5
8
8
1
5
0
7
*
8
8
1
5
3
1
8
8
1
7
4
9
8
9
7
2
8
9
0
1
3
0
4
9
0
1
9
6
9
*
9
1
7
2
1
9
1
7
2
2
分離場所
新篠津村
深川市
深川市
深川市
当別町
当別町
当別町
当別町
黒松内町
浦幌町
豊頃町
浦幌町
豊頃町
豊頃町
本別町
本別町
本別町
音更町
鹿追町
芽室町
芽室町
芽室町
芽室町
芽室町
芽室町
本別町
新得町
本別町
池田町
浦幌町
芽室町
新篠津村
発病土壌
発病土壌
発病土壌
発病土壌
発病土壌
発病土壌
発病土壌
発病土壌
発病茎部
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
未発病土壌
新篠津村
新篠津村
発病土壌
発病土壌
発病土壌
新篠津村
発病土壌
深川市
発病土壌
深川市
発病土壌
発病土壌
発病土壌
発病茎部
発病茎部
新篠津村
南幌町
黒松内町
黒松内町
4
2
8
VCGNo
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
菌株
分離場所
9
2
1
9
2
1
9
T5
1
3
T6
7
*
T6
1
9
*
T6-20
T6-21
T1
4
4
T1
8
1
*
T2
7
1
3
発病土壌
豊頃町
未発病土壌
豊頃町
未発病土壌
豊頃町
未発病土壌
豊頃町
未発病土壌
豊頃町
未発病土壌
士幌町
未発病土壌
中札内町
未発病土壌
新得町
未発病土壌
清水町
未発病土壌
清水町
未発病土壌
TN-1
8
8
1
4
9
1
芽室町
未発病土壌
新篠津村
発病土壌
8
8
1
5
1
4
8
8
1
5
5
7
新篠津村
発病土壌
新篠津村
発病土壌
8
9
5
1
5
8
9
6
6
9
9
0
1
3
3
3
*
9
0
1
3
5
6
新篠津村
発病土壌
深川│市
発病土壌
当別町
発病土壌
当別町
発病土壌
9
0
1
3
8
7
*
9
1
8
4
0
9
2
3
当別町
発病土壌
本
事
本
キ
市
2
0
0
4HU
発病土壌
新篠津村
T2
9
1
T3
0
1
2
本
2
0
0
3HU
新篠津村
9
2
2
2
T3
2
3
T7
4
T1
2
1
T1
6
7
T2
4
1
2
T2
5
2
1
TN3
6
9
0
1
3
1
9
*
9
0
1
3
7
0
T1
1
T1
2
T2-5
T3
2
0
T3
2
5
T5
6
T5
1
6
T8
2
T1
1
3
T1
9
7
*
T2
3
6
*
T2
4
1
4
TN1
1
新篠津村
発病土壌
新篠津村
発病土壌
新篠津村
発病土壌
浦幌町
未発病土壌
池田町
未発病土壌
本別町
未発病土壌
芽室町
未発病土壌
鹿追町
未発病土壌
鹿追町
未発病土壌
芽室町
未発病土壌
新篠津村
発病土壌
当別町
発病土壌
浦幌町
未発病土壌
浦幌町
未発病土壌
浦幌町
未発病土壌
浦幌町
未発病土壌
浦幌町
未発病土壌
豊頃町
未発病土壌
豊頃町
未発病土壌
池田町
未発病土壌
本別町
未発病土壌
中札内村
未発病土壌
音更町
未発病土壌
鹿追町
未発病土壌
ネ
芽室町
未発病土壌
TN4
2
芽室町
未発病土壌
VCGNo.
菌株
2
0
0
5HU
8
8
1
5
4
5
8
8
1
5
4
9
8
9
5
6
1
8
9
5
6
2
分離場所
新篠津村
発病土壌
新篠津村
発病土壌
深川市
発病土壌
深川市
発病土壌
9
0
1
3
0
5
9
2
8
T1
1
0
T1
1
6
T1
2
6
T1
2
1
4
T17-12*
T1
7
2
5
新篠津村
発病土壌
新篠津村
発病土壌
浦幌町
未発病土壌
T2
4
1
6
T2
6
1
5
TN7
8
8
1
4
7
0
8
8
1
4
8
2
9
0
1
3
2
5
9
01
3
5
1
9
0
1
9
9
5
*
9
1
6
9
5
*
9
1
8
5
5
9
2
1
2
T7
1
2
*
T1
2
5
T1
7
2
0
T1
7
2
5
T2
3
2
3
*
地
事
2
0
0
6HU
←
2
0
0
7HU
2
0
0
8HU
TN3
0
8
9
6
2
3
8
9
6
8
5
*
9
2
1
8
T1
0
8
T17-16
T2
1
1
8
T2
2
5
*
T2
3
2
0
T2
5
5
T2
6
3
T2
7
1
2
8
8
1
5
4
2
8
96
0
5
9
0
1
3
1
0
*
9
0
1
3
1
1
T7
4
T1
6
7
*
T2
2
9
←
本別町
未発病土壌
本別町
未発病土壌
本別町
未発病土壌
帯広市
未発病土壌
帯広市
未発病土壌
鹿追町
未発病土壌
鹿追町
未発病土壌
芽室町
未発病土壌
新篠津村
発病土壌
新篠津村
発病土壌
当別町
発病土壌
当別町
発病土壌
南幌町
発病土壌
新篠津村
発病土壌
新篠津村
発病土壌
新篠津村
発病土壌
池田町
未発病土壌
本別町
未発病土壌
帯広市
未発病土壌
帯広市
音更町
未発病土壌
芽室町
未発病土壌
深川市
発病土壌
深川市
発病土壌
未発病土壌
新篠津村
発病土壌
本別町
未発病土壌
帯広市
未発病土壌
帯広市
未発病土壌
音更町
未発病土壌
音更町
未発病土壌
鹿追町
未発病土壌
鹿追町
未発病土壌
新得町
未発病土壌
新篠津村
発病土壌
深川市
発病土壌
新篠津村
発病土壌
新篠津村
発病土壌
池田町
未発病土壌
芽室町
未発病土壌
音更町
未発病土壌
4
2
9
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
VCGN
o
.
2
0
0
9HU
菌株
分離場所
TN2
0
*
8
8
1
5
3
9
8
8
1
5
5
6
T5
1
8
*
T1
0
1
0
T
2
1
1
7
*
8
8
1
7
5
8
8
8
1
7
5
9
8
8
1
7
6
1
T2
5
5
TN4
1
8
9
1
6
0
7
8
9
1
6
5
4
9
0
1
3
5
7
*
T3
0
1
8
T4
2
T5
1
2
T5
1
9
T2
4
7
T7
1
0
*
T9-2
T9
4
*
T9-9*
9
0
1
3
8
8
9
2
7
*
T7
1
4
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1
47l*
8
9
5
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5
T4
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*
9
0
1
3
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T5
9
*
T1
2
8
*
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1
1
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1
*
T9ーゲ
T1
6
1
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*
TN3
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T1
0
1
T1
0
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*
8
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6
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9
*
T1
8
2
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1
7
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7
*
T1
9
T3
1
6
T1
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1
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0
1
3
5
3
9
0
1
3
6
4
*
本
2
0
1
0HU
本
2
0
1
1HU
2
0
1
2HU
2
0
1
3HU
事
2
0
1
4HU
2
0
1
5HU
2
0
1
6HU
2
0
1
7HU
2
0
1
8HU
2
0
1
9HU
2
0
2
0HU
2
0
2
1HU
2
0
2
2HU
2
0
2
3HU
2
0
2
4HU
芽室町
未発病土壌
新篠津村
発病土壌
新篠津村
発病土壌
豊頃町
未発病土壌
本別町
未発病土壌
帯広市
未発病土壌
新篠津村
発病茎部
新篠津村
発病茎部
新篠津村
発病茎部
鹿追町
未発病土壌
芽室町
未発病土壌
北
村
発病土壌
深川市
発病土壌
当別町
発病土壌
清水町
未発病土壌
浦幌町
未発病土壌
豊頃町
未発病土壌
豊頃町
未発病土壌
鹿追町
未発病土壌
VCGN
o
.
2
0
2
5HU
2
0
2
6HU
2
0
2
7HU
2
0
2
8HU
2
0
2
9HU
2
0
3
0HU
2
0
3
1HU
2
0
3
2HU
2
0
3
3HU
2
0
3
4HU
2
0
3
5HU
2
0
3
6HU
2
0
3
7HU
2
0
3
8HU
2
0
3
9HU
200-HU
分離場所
菌株
9
2
1
5
新篠津村
9
2
2
0
*
新篠津村
9
2
1
7
新篠津村
T2
7
ι
1
1 新得町
8
9
1
6
6
4 深川市
T1トア
本別町
8
9
8
2
1
* 北
村
9
0
8
2
2
*
当別町
8
9
6
0
3
* 深川市
8
9
1
6
5
8 深川市
9
2
5
3
新篠津村
8
9
57
l
会
深川市
T7
1
5
池田町
8
9
1
6
6
5
* 深川市
新篠津村
9
2
1
7
*
9
2
1
1
新篠津村
9
0
1
3
0
7
* 新篠津村
本
発病土壌
発病土壌
発病土壌
事
未発病土壌
ホ
発病土壌
本
本
律
本
未発病土壌
発病土壌
発病土壌
発病土壌
発病土壌
発病土壌
発病土壌
未発病土壌
発病土壌
発病土壌
発病土壌
発病土壌
a
) NitMが分離された菌株
A
s
t
e
r
i
s
k(
勺 i
n
d
i
c
a
t
e
si
s
o
l
a
t
e
sf
r
o
mw
h
i
c
h
N
i
tM m
u
t
a
n
t
sw巴r
ed
e
r
i
v
e
d
池田町
未発病土壌
池田町
未発病土壌
池田町
未発病土壌
未発病土壌
な VCGは 1
5で あ り , 発 生 地 単 独 の VCGは 2
,未
池田町
当別町
発病土壌
発 生 地 で は 7で あ っ た 。 最 も 多 い VCG(
2
0
0
1HU)
新篠津村
発病土壌
は発生地 1
0, 未 発 生 地 2
2菌 株 を 含 み , そ れ ぞ れ の
池田町
未発病土壌
1.2%, 19.1%を占めた。ただ,
地域中の割合は 1
新篠津村
発病土壌
体細胞和合性群を両地域まとめて菌株数の多い方か
深川市
発病土壌
浦幌町
未発病土壌
ら並べたとき, 1
0番 固 ま で の VCGに 含 ま れ る 菌 株
当別町
発病土壌
豊頃町
未発病土壌
本別町
未発病土壌
胞和合性群は認められなかった。
池田町
未発病土壌
池田町
未発病土壌
アズキ萎凋病菌の変異株9
0一7
5
0B/3 (NitM),
9
0
7
5
0B/10(
n
i
t1)との相補性についても検討した
池田町
未発病土壌
が,すべての組み合わせで反応は見られなかった。
芽室町
未発病土壌
芽室町
未発病土壌
本別町
未発病土壌
本別町
未発病土壌
深川市
発病土壌
中札内村
未発病土壌
北
発病土壌
村
浦幌町
未発病土壌
浦幌町
未発病土壌
中札内村
未発病土壌
当別町
発病土壌
当別町
発病土壌
の割合は発生地,未発生地それぞれ 7
1
.3%, 7
7
.
7%と な り , そ の 中 に は そ れ ぞ れ の 地 域 単 独 の 体 細
B
.分子遺伝学的分類
材料と方法
DNAの抽出
表1
8, 1
9に 示 し た F
.o
x
y
.
ψorum各 分 化 型 2
9菌
株,非病原性F
.o
x
y
.
者p
orum4
9菌 株 , お よ び F
.
l
a
t
e
r
i
t
i
u
m, F
.s
o
l
a
n
i, F
. moniliforme, F
.
r
o
s
e
u
mの 単 胞 子 分 離 株 を 0.2%酵 母 抽 出 エ キ ス
(
D
if
c
o社 製 ) 加 用 ジ ャ ガ イ モ し ょ 糖 寒 天 培 地 で 培
養 し た 。 こ の 液 体 培 地 を 9cm直 径 シ ャ ー レ 5枚 に
2
0ml分 注 し て , そ れ ぞ れ の 菌 株 を 接 種 し 5日間
2
5Cで 培 養 し た 。 菌 体 を 吸 引 ろ 過 し , 液 体 窒 素 を 加
0
4
3
0
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
表1
8 Fusarium属菌各種の菌株と 3組のプライマー組み合わせを供試して PCR法により増幅された
rDNA断片長 (
b
p
)
Table1
8 rDNAfragmentso
fFusariums
p
p
.i
s
o
l
a
t
e
sa
m
p
l
i
f
i
e
dbyp
o
l
y
m
e
l
a
s
ec
h
a
i
nr
e
a
c
t
i
o
n
w
i
t
ht
h
r
e
ecombinationso
fp
r
i
m
e
r
s
プライマー組み合わせ
KF646A
4
8
0
MS1
.2
ーbp
7
0
0
90-750B
9
21
7
4
4
8
0
7
0
0
9
2
0
4
8
0
7
0
0
一
_8)
8
8
5
9
2
4
8
0
7
0
0
8
8
1
3
1
VCG
.a
d
z
u
k
i
c
o
l
a
F
.o
0020HU
菌株番号
♂
F
.o
.1
う
hωe
o
l
i
.t
r
a
c
h
e
i
p
h
i
l
u
m
F
.o
F
.o
.m
e
d
i
c
a
g
i
n
i
s
f
ぐ o ωp
:
a
r
a
g
i
F
.o
. cucumerinum
F
.o
.r
a
p
h
a
n
i
F
.o
.b
a
t
a
t
,
ω
F
.o
.m
e
l
o
n
i
s
F
.o
.l
y
c
o
p
e
r
s
i
c
i
F
.o
.l
i
n
i
F
.o
. (クリムソンクローノ Tより分離)
F
.o
. (インゲンマメより分離)
F
.l
a
t
e
r
t
i
u
m
F
.s
o
l
a
n
if
.s
p
.
ρz
s
z
F
.m
o
n
i
l
i
f
o
丹M
F
.o
. roseumf
.c
e
l
e
a
l
i
s
ITS1,
4
.4
M L1
9
2
0
4
8
0
7
0
0
9
1
6
5
3
4
8
0
7
0
0
8
8
2
2
7
4
8
0
7
0
0
9
1
7
6
1
4
8
0
7
0
0
0020/21HU
B-2
4
8
0
7
0
0
9
2
0
0
0
21HU
B-3
4
8
0
7
0
0
9
2
0
0022HU
8
8
1
7
0
4
4
8
0
7
0
0
9
2
0
0024HU
9
1
6
5
3
4
8
0
7
0
0
9
2
0
002-HU
KF654C
4
8
0
7
0
0
9
2
0
ATCC42145
4
8
0
7
0
0
C
l8
1
3
1
ATC
4
8
0
7
0
0
9
2
0
ATCC16609
F05
R2-5
4
8
0
9
2
0
4
8
0
7
0
0
7
0
0
4
8
0
7
0
0,
6
1
0
5
0
7
4
9
4
SUF221
4
8
0
7
0
0
4
8
7
5
1
5
5
1
2
2
5
4
8
0
7
0
0
4
8
0
4
8
0
7
0
0
7
0
0
4
8
0
7
0
0
4
8
0
7
0
0
4
8
0
7
0
0
KF901-3
4
8
0
7
0
0
4
8
8
4
8
0
7
0
0
4
7
7
4
8
0
6
1
0
CB86318
4
8
0
7
0
0
SUF554
4
8
0
7
4
0
a) 未検討
No
texamined.
ATCC42145,ATCC18131,ATCC16609は AmericanTypeC
u
l
t
u
r
eC
o
l
l
e
c
t
i
o
nより入手
SUF221,SUF554は信州大学より分譲
CB89318は京都府立農業総合研究所より分譲
F05は北海道農業試験場より分譲
その他は北海道大学保存菌株
巴 0妊e
r
e
dfromAmericanTypeC
u
l
t
u
r
eC
o
l
l
e
c
t
i
o
n
.
ATCC42145,ATCC18131,andATCC16609wer
SUF221andSUF554wereo
f
f
e
r
e
dfromShinsyuU
n
i
v
e
r
s
i
t
y
CB89318waso
f
f
e
r
e
dfromKyotoPr
巴f
e
c
t
u
r
a
lA
g
r
i
c
u
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r
a
lI
n
s
t
i
t
u
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e
.
r
e
dfromHokkaidoN
a
t
i
o
n
a
lA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lExperimentsS
t
a
t
i
o
n
.
F05was0任e
Theo
t
h
e
ri
s
o
l
a
t
e
swer
巴 p
r
e
s
e
r
v
e
di
nHokkaidoU
n
i
v
e
r
s
i
t
y
4
3
1
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
えて乳鉢で磨砕(約 4~5g) した。その粉体を 30ml
合液をサーマルサイクラーで次の要領で反応させ
プラスチック管に移し, 1
0mlの抽出用緩衝液 (
1
0
0
4Cで 4分間,続い
た。すなわち,最初の変性を 9
m M Tris,pH8.0; 5
0m M EDTA;1
0
0m M
て 94T
変 性 1分間, 5
5Cで ア ニ ー リ ン グ 1分間,
NaCl;1
0m Mp-mercaptoethanol;1% SDS) を
7
2Cで伸長 2分間のサイクノレを 3
0回繰り返し,最
加え,混合した。懸濁液を W C
で1
0分間保ち,そ
20Cで 1
0分間とした。
後の伸長を 7
の後 5mlの氷冷した 5 M酢酸カリウム(酢酸カリ
0
0
0
増幅産物は TBE緩衝液 (
1
0
0
0ml中 T
r
i
s1
0
.
8g,
ウム 2
9
.
4g, 酢 酸 1
1
.
5mlを 蒸 留 水 で 1
0
0mlと
ほう酸 5.5g
,EDTAO.05M (
pH8.0) を含む)中
してオートクレーブ滅菌)を加えた。この懸濁液を
2
0分間氷上に置いた。 4C, 1
0,
0
0
0g1
0分 間 の 遠
1
.5%低温融解アガロースゲルで電気泳動し,ゲル
.
1μg/mlエチディウムブロマイド溶液で染色
は0
沈 の あ と , 上 清 は 10mlの pheno
1
/chloroform/
した。
i
s
o
a
m
y
la
l
c
o
h
o
l(
2
5
:2
4:1)で抽出した。核酸は
結 果
0
2倍量の無水エタノール(-20C
)で沈殿させ, 5分
0
0
0
0gで 1
5分間遠心し,
間室温に保った。試料は 5,
プライマー ITS1と ITS4による増幅産物の大き
さは,すべての菌株で約 480bpであった。 MS1と
ペ レ ッ ト は 70%エ タ ノ ー ル で l回洗った。エタ
MS2の組み合わせでは,約 7
0
0bpと 6
1
0bpの増
ノールは減圧して除き, 3
0分間乾燥した。試料に 1
.o
x
y
s
j
Jorumf
.s
p
.a
s
j
J
a
r
a
g
i
幅産物が認められた F
mlの TE (
10m M T
r
i
s,1mM EDTA,pH7
.
4
)
の各分化型では約 700bpのバンドが 1本のみ見ら
を加えて 6
0分間室温に置いた後に, -20Tで保存
れ ,F
.s
o
l
a
n
i
した。
c
e
r
e
a
l
i
sで 7
4
0bpであった(表 1
8
)。アズキに対し
DNAの増幅
非病原性の F
.o
x
y
s
j
Jorumについてはバンドが 1本
オリゴヌクレオチドプライマーはWh
i
t
e e
t
a
l
.105)によりまとめられたリボソーム RNA遺伝子
(rDNA) の増幅用プライマーを利用した。核内リ
f
.s
p
.p
i
s
iで 6
10bp,F
.r
o
s
e
U
1
冗
f
.
(
7
0
0b
p
) のみの菌株と, 2本 (
6
1
0bp,7
0
0b
p
)の
2型が認められた(表 1
9
)。また, ML1と ML4で
2
0
はすべての菌株については行わなかったが,約 9
ボソーム RNA反復ユニットの内部のスペーサー領
域を増幅するために ITS1 (5'-TCCGTAGGTGA-
ACCTGCGG-3') と ITS4(5'-TCCTCCGCTT-
、
ATTGATATGC-3'), ミトコンドリア 4 rDNAに
は MS1 (5'-CAGCAGTCAAGAATATTAGT-
CAATG-3') と M S2 (
5
'
-GCGGATTATCGAATTAAATAAC-3'), ミ ト コ ン ド リ ア 大
rDNAには M L1 (5'-GTACTTTTGCATAATGGGTCAGC-3')と M L4(
5
'-GAGGATAATTTGCC G A G T T C C -3')
,
M L 5 (5'
CTCGGCAAATTATCCTCAT
AAG-3') と ML6
(5'-CAGTAGAAGCTGCATAGGGTC-3'),
M L7(5'-GACCCTATGCAGCTTCTACTG-3')と
M L8(
5
'
-TTATCCCTAGCGTAACTTTTATC
3
'
) を用いた。
反 応 用 チ ュ ー プ に 10XTaq用 緩 衝 液 1
0
μ1
,
dNTP混合液 (2mMの各 dNTPを含む)4μfを混
合し,各プライマーを 0.2μM
,Taqポリメレース
を2
.
5U になるように滅菌蒸留水を加え 50μJとし
て,これに 5
μ g/mlと し た 各 DNA試 料 50μJを
加えて反応溶液 1
00μfとした。次に l滴 の 鉱 物 油
を加え,微量遠心機で短時間遠心した。この反応混
表1
9 非病原性 F
.0
.
坦y
s
p
o
r
u
mの各 VCGに属する菌株
と3組のプライマー組み合わせを供試して PCR法
により増幅された rDNA断片長 (
b
p
)
T
a
b
l
e1
9 rDNA f
r
a
g
m
e
n
t
so
fn
o
n
p
a
t
h
o
g
e
n
i
ci
s
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l
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fFusanum OXYSJうoruma
m
p
l
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dby
p
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l
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c
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m
b
i
n
a
t
i
o
n
so
fp
r
i
m
e
r
s
VCG
菌株番号
2
0
01HU TN39
T6-3
8
9
6
9
0
TN12
T
1
0
3
9
0
1
3
3
4
T15
T
3
2
4
TN19
TN41
9
0
1
3
8
4
2
0
0
2
T
2
9
1
T
5
1
3
T
1
4
4
8
8
1
4
9
5
4
ITS1,
MS1,2
4
8
0
4
8
0
4
8
0
4
8
0
4
8
0
4
8
0
4
8
0
4
8
0
4
8
0
4
8
0
4
8
0
4
8
0
4
8
0
4
8
0
4
8
0
6
1
0
7
0
0,
7
0
0
7
0
0
7
0
0
7
0
0
6
1
0
7
0
0,
6
1
0
7
0
0,
7
0
0
6
1
0
7
0
0,
6
1
0
7
0
0,
7
0
0
7
0
0
6
1
0
7
0
0,
7
0
0
6
1
0
7
0
0,
ML
1
,4
一
_a)
9
2
0
9
2
0
9
2
0
9
2
0
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
4
3
2
VCG
ITS1,
4
MS1,
2
8
9
7
2
8
4
8
0
7
0
0,
6
1
0
8
8
1
4
8
1
4
8
0
7
0
0
9
0
1
6
9
6
4
8
0
7
0
0
.
6
1
0
TN1
T27-13
4
8
0
7
0
0
d坐
a444ιA
官
06060606
aq4444AaAA
旬
咽 ム
にd A υ 1 i n
叩
り
2
0
0
9
LOt-υ
戸
QJ
T m刊 川 町 m叩 T M出 m別 T m刊 T m
2
0
0
8
‘ 1inυ0・u'boOTi
川町
2
0
0
7
nυQd
T
2
0
0
6
ワS I L 1
﹄ム
2
0
0
5
孟
QJ
弓
t
6p n3
3 一
13-39
8
3-5
日
一8
U1
EA
BApnv
TJu--1E44A3
1E41EApnυ ,EAAHV
一 一 ド 1 一 2 一 一 一 2E 一 一 一 {
m間 川 刊 で
9
2
3
4
T25-21
2
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4
4
8
0
HUAHυnHUAHU ハHV ハHU
ハHUAHVnHV ハ
HU ハ
T7-4
0 0 0 6 0 6 0 6 0目 。 白
2
0
0
3
菌株番号
F
.o
x
y
.
ゆ orumf
. sp.ρh
a
s
e
o
l
iとは異なる分化型に
.o
x
y
s
t
o
r
u
mによって起こることが明らか
属する F
であれ従って病名もアズキ萎凋病とすることが適
当であることが確認された。
,2
,
アズキ萎凋病菌の VCGの構成は,レース 1
9
2
0
3はほとんどの菌株(約 85%) が同ーの VCGに属
7
0
0
9
2
0
菌株から成る VCGが存在するという特徴を示し
7
0
0
9
2
0
た。これは F
.o
x
y
ゆorumf
.s
p
.l
y
c
o
.
ρe
r
s
i
c
iのレー
7
0
0
9
2
0
7
0
0
.
6
1
0
し,その他に単独の自己和合性 VCGを含む少数の
7
0
0
7
0
0
スと体細胞和合性群の関係とよく似ている 18)。
他の分化型のレースと体細胞和合性群の関係につ
7
0
0
7
0
0
9
2
0
いては, Correll
'4) の総説に詳しいが,この中で提
7
0
0
9
2
0
案されている体細胞和合性群とレースの進化モデル
7
0
0
I
I型の特
から見ると,アズキ萎凋病菌はここでいう I
徴を表している。つまり,各レースが共通の体細胞
4
8
0
7
0
0
7
0
0
4
8
0
7
0
0
.
6
1
0
4
8
0
7
0
0
レースと体細胞和合性群には 1対 1の関係が見られ
4
8
0
7
0
0
4
8
0
n
.ab)
和合性群から進化してきたというモデルである。
9
2
0
9
2
0
ないため相補性検定でレースを決定することはでき
ないが,体細胞和合性群による分類は,病原菌の遺
.
伝的な多様性を検出できるとともに,非病原性 F
4
8
0
7
0
0
9
2
0
4
8
0
7
0
0
9
2
0
oxy~ρorum と区別する有効な方法である。ただ,問
4
8
0
4
8
0
7
0
0
7
0
0
9
2
0
9
2
0
題となるのが次の 4点である。つまり(1) n
i
t変
4
8
0
7
0
0
9
2
0
性菌株の取り扱い,
2
0
1
4
9
2
7
2016
9
0
1
3
8
6
4
8
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7
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0
2
0
1
7
T7-11
4
8
0
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0
2
0
1
9
Tl6-19
TlO
5
4
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ML
1
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3
9
9
2
1
1
4
8
0
7
0
0
異株を作りにくい菌株の取り扱い,
(
2
) 自己非和合
(
3
)弱い反応を示す組み合わせ
をどのように判断するか,
(
4
)複数の体細胞和合性
群と反応する菌株の取り扱いである。
9
2
0
2
)については体細胞和合性群による分類の
(
1
)
, (
9
2
0
最大の弱点であり,ミトコンドリア RNA遺伝子の
25,
38) による検出など,分子遺
制限酵素断片長多型 24,
伝学的手法が必要になってくる。
9
2
0
a) 未検討
b) 増幅されず
a) No
texamined. b) No
ta
m
b
l
i
f
i
e
d
.
次に弱い反応をどのように扱うかであるが,この
問題については Gordon & Okamoto24)が議論し
i
o
s
t
o
m
a
ている。弱い反応の原因については,命h
η
φh
u
l
m
i1九 C
o
n
e
c
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r
i
aρ
a
r
a
s
i
t
i
c
a
"
)の例のように遺
bpの増幅産物が病原性,非病原性を問わず得られ
伝 的 類 縁 性 が 低 い た め な の か , Gordon &
た。なお, ML5と ML6お よ び ML7と ML8で
Okamoto23)が示したように,同ーの菌株の組み合
はいずれの菌株でも増幅産物は得られなかった。
わせでも使用した n
i
t変異株によって異なる可能性
C. 考 察
F
.o
x
y
.
φor
U1
ηの各分化型はそれぞれ固有の
もあり,明らかでないとしている。彼らも推測して
いるように弱い反応でも細胞質的相互連絡が可能と
VCGとなることが,これまで多数報告されてい
考えられ,異なる体細胞和合性群とすることには同
る7,
15,
19,
叫 78)。本研究においてもアズキ萎凋病菌は
意できない。
宿主が近縁と考えられる 3つの分化型のいずれの分
最後に複数の体細胞和合性群と相補性のある菌
化型とも相補性を示さなかった。本病害は病原性試
株 , い わ ゆ る "Bridging Isolate"の 問 題 で あ る
験で明らかにしたように,アズキ立枯病を起こす附
が
, Katan e
t a
l
.37) は F
. oxysporum f
. sp.
4
3
3
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
r
a
d
i
c
i
s
l
y
c
o
p
e
r
s
i
c
iの体細胞和合性群に関する報告
で,進化の観点からこのような菌株は体細胞和合性
m
a
c
u
l
a
n
sの強病原性株と弱病原性株のミトコンド
リア大 rDNAの V領域の掃入塩基配列の違いから
群の集中化過程の段階を意味するのか,あるいは反
病原性の違いを説明しようとしたが,その機能につ
対に,新しい体細胞和合性群を形成し多様化の段階
いては明らかにしていなし h 本研究においても比較
を示しているのではないかと述べて,他の分化型内
的 研 究 が 進 ん で い る ITS領 域 と ミ ト コ ン ド リ ア
の体細胞和合性群聞にも存在する可能性があると考
rDNA領域を PCR法により増幅することで,病原
察している。アズキ萎凋病の場合,剣淵町あるいは
菌と非病原菌の系統発生学的比較を目的にしたが,
黒松内町という本病害の発生地域の周辺に近い所
アズキ萎凋病菌と非病原性株には明確な差は認めら
で,既存の体細胞和合性群から新たな体細胞和合性
れなかった。ただ,非病原性株の中にプライマー
群への多様化が見られつつあるのではないかと考え
MS1と MS2で増幅したとき 2本のバンドを示す株
T
こ
。
が相当数存在したことが病原性株と異なっていた。
植物病理学的側面から見て非病原性 F
.o
.
y
汐
宅t
o
r
umは,いくつかの報告で示されたように M 九 病
しかし,この意味については不明である。
原菌との括抗作用について関心が払われてきた。そ
V
. 生態と防除
こで問題になって来るのが,どのくらい非病原性
I
I章の結果より,アズキ萎凋病は北海道中央部
第I
F
.o
x
y
s
p
o
r
u
mに遺伝的多様性が存在するのか,括
を中心として発生しており,十勝地方を中心とした
抗作用を有する系統がどのくらいの占有度で存在す
北海道東部には一部例外はあるが,存在しないこと
るのか,あるいはそもそも遺伝的相違の有無を証明
が明らかになった。また,同時にアズキ萎凋病菌に
できるのか否かであった。
は 3つのレースが存在することが確認された。そこ
C
o
r
r
e
l
le
ta
.
l15) は 非 病 原 性 F
. OX
y
.
宅t
orumにつ
で,これらレースの分離頻度は発生地により異なる
いても硝酸還元能欠損変異株を用いた相補性試験に
か否か検討し,非耕地土壌及び未だ発生の見られな
より遺伝的に類似した群に簡単に分類できることを
い十勝地方の土壌から直接 F
usan'umo
x
y
s
p
o
r
u
m
セロリの根からの分離株について示した。このほ
を分離して病原性を検定することで,さらに詳しく
か
,
本菌の分布について検討した。
トマトの根からの非病原性株の分類について 18)
なじいくつかの報告がなされてきた。その後
Fusarium oxy~ρorum
の土壌中における生存形態
Gordon & O
k
a
m
o
t
o
2
3
.
2
4
.
2
5
)は,メロン栽培地の非
は厚膜胞子であるとされる 80)。宿主が生きている
VCGによる分類をするとともに ,F.
o
x
y
.
ゆorum f
.sp. m
e
l
o
n
i
sも含めた ,F
.o
x
y
.
ゆo
r
-
間,導管内に繁殖していた菌は宿主の枯死後導管周
辺の柔組織細胞の死滅に伴って,しばらく腐生生活
um株の mtDNAのハプロタイプを比較することに
を営み,栄養の欠乏あるいは他の微生物の繁殖によ
病原性株の
より,体細胞和合性群聞の関係についてそれらの類
る代謝産物の集積により,厚膜胞子を形成し,耐久
似度,起源について考察している。
生存の生活を始めると考えられている 7九
アズキ萎凋病は道央から西部にのみ存在し,アズ
厚膜胞子の生存には作物の根が大きな影響を与え
キの大産地である十勝地方で未だ発生は見られない
る。連作,あるいは輪作によって土壌中の菌密度が
ので,F
.o
x
y
s
p
o
r
u
mの集団構造が未発生地と発生
どのように変化するか,それを把握することは耕種
地でどのような差異を示すのか,両地の非病原性株
的防除法を確立する上で重要なことである。本章で
について体細胞和合性群による分類を試みた。調べ
は,様々な条件下における土壌中菌密度を測定し,
た菌株の大部分 (70%以上)は 1
0の共通の体細胞和
効果的な防除法を確立することを目的とした。
合性群に含まれ,明確な違いは認められなかった。
また,病気の伝搬には擢病残澄,病原菌汚染種子
ミトコンドリアの制限酵素断片長他型 (RFLP)を
が関わることが多いが,十勝地方にアズキ萎凋病の
比較することで F
.o
x
y
.
ψorumの分化型間,あるい
発生が見られないことに関して,これらの要因との
は非病原性株との系統発生学的な研究がなされてき
関係について考察した。また,発生地である北海道
5,38)。しかし,病原性とミトコンドリア遺伝
ている 2
中央部と十勝地方で異なる環境要因のうち,土壌凍
子の関連についてはほとんど明らかになっていな
結とアズキ萎凋病菌の生存についても検討した。
い
。 Xue &
Goodwin"O) は Le
ρt
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レース 3
レース 2
レース 1
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黒松内町
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中富良野町
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剣淵町
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町
市よ勺ム“。 a A 官 11 つ臼丹、 υAaz-- 。b q a - - つ白
町町村
臼
長浦北
沼
町
当 別
市市
唄川
美深
鵡川町
胆振地方
倶知安町
後志地方
士別市
上川地方
岩見沢市
空知地方
新篠津村
石狩地方
分離株数
供試
菌株数
園場 N
o.
採集場所
第 5号
第四巻
北海道大学農学部邦文紀要
4
3
4
表2
0 擢病アズキから分離されたアズキ萎凋病菌のレース
d
e
n
t
i
f
i
c
a
t
i
o
no
fF
. 。砂ゆorumf
.s
p
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巴df
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u
T
a
b
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e2
0 Racei
k
ibeani
nHokkaido
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
4
3
5
調査した 40地点の F
.o
x
y
s
t
o仰 m の土壌中密度
A. アズキ萎凋病菌の分布
a レースの分布
は 0.4~48. 3X 1
02c
f
u
/
乾土であり,分離された
6
5
9菌株にアズキ萎凋病菌は存在しなかった(表
材料と方法
北海道各地から採集されたアズキ発病株からアズ
2
2
)。なお, 1
9
9
2年 の 調 査 は 8月に行ったことも
キ萎凋病菌を分離した。これから得られた単胞子分
あってか,アズキ落葉病の症状はいずれの圃場でも
離株をレース検定品種に接種してレースを判定し
認められなかった。
I
I章 C-aと同様にして接種を行った。
た。第 I
c 非耕地土壌中でのアズキ萎凋病菌生存の有無
結 果
新篠津村は 1
9
5
5年頃より開拓された地域であり,
レースの頻度分布は圃場あるいは地域により異
開拓初期の頃は実に全耕地の 70%をアズキが占め
0
6菌株で最も
なったが,全体的にみてレース 1が 1
ていたこともあった問。現在,防風林地帯になって
多く,レース 2と 3はそれぞれ 33と 3
9でほぽ同率
いるところもかつては畑であった所が多く,アズキ
であった(表 2
0,表 2
1
)。石狩,空知,上川支庁管
萎凋病の起源を探る上で重要と考え,非耕地の土壌
内では同様な傾向を示した。調査 3
7圏場のうち 2
1
中に本菌が存在するか否か調査を行った。
聞場では同一の圃場から複数のレースが分離され
材料と方法
た。また,倶知安町の例では同ーの発病アズキから
新篠津村の発生園場付近の 8箇所の非耕地土壌約
1)。ほとんどの圃
複数のレースが分離された(表 2
1kgから駒田培地を用い,Fusarium0.砂ゆorumを
場では複数のレースが混在している可能'性が高いと
分離して,第 I
I
I章 C-aの方法でアズキ萎凋病菌か
考えられる。
否かを検定した。
1 単一アズキから分離されるアズキ萎凋病のレース
表2
T
a
b
l
e2
1 R
ace i
d
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t
i
f
i
c
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1
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np
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個体a)
No.
菌株数
レース 1
8
7
4
1
9
2
1
1
2
3
合計
4
れたが(表 2
3
),泥炭採集地からは分離されなかっ
レース 2
レース 3
1
4
3
1
8
3
2
6
る
。
結 果
3箇所の非耕地土壌からアズキ萎凋病菌が分離さ
分離株数
供試
土壌の採集地は,激発圃場隣接地 1カ所を含む防
風林内 6カ所,河畔 1カ所,泥炭採集地 1カ所であ
a) 擢病アズキは 1
9
9
1年後志管内倶知安町の園場で採
集した
D
i
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c
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di
n
Kucchani
n1
9
91
.
た。アズキ萎凋病菌が分離された 3地点のうち発生
畑近傍防風林を除いて少なくとも 1
0年以上は水田
が周辺にある地点であり,擢病残澄,病土の混入の
可能性も考えられるが,アズキ栽培圃以外でも相当
生存できる可能性がある。また,一般の発病畑と同
様にいずれのレースも存在した。
B. アズキ萎凋病菌の土壌中での生存
a 連作土壌中の菌密度変動
材料と方法
b
. 十勝地方の土壌中における病原菌存在の検討
材料と方法
1
9
8
7年から 1
9
9
2年まで石狩支庁管内新篠津村連
作園場(1984年発生が認められ,その後アズキを連
1
9
8
8年と 1
9
9
2年に十勝地方の合計 4
0地点より
0箇所から計 2kgを採取し,風乾し
作)の土壌を 1
採取したそれぞれの土壌約 1kgから,駒田埼地を
た。これから土壌希釈平板法により選択分離培地
用いて希釈平板法により F
usariumo
x
y
s
p
o
r
u
mを
(駒田培地)で F
usariumo
x
y
s
t
o
r
u
mを分離した。
分離し,その土壌中菌密度を測定するとともに,前
分離した F
usariumo
x
y
s
t
o
r
u
mについてアズキ萎
に述べた方法と同様にしてアズキ萎凋病菌の検定を
凋病菌であるか否かを確かめるため,幼苗検定法で
9
8
8年の試験では,アズキ落葉病
行った。なお, 1
述べたと同様の方法で「寿小豆Jあるいは「斑小粒
選択分離培地45) を用いてアズキ落葉病菌の菌密度
系 1号」を用いて接種試験を行った。また,分離さ
についても調べた。
れたアズキ萎凋病菌について検定品種を用い,接種
結 果
試験によりレース検定を行った。
4
3
6
北海道大学農学部邦文紀要
第四巻
第 5号
表2
2 十勝地方アズキ栽培圃場土壌から分離した Fusanumo
x
y
s
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r
u
mのアズキに対する病原性
T
a
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2 P
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年
圃場N
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o
1
9
9
2
浦幌町
池田町
本別町
士幌町
芽室町
鹿追町
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計
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清水町
可i
新得町
にd A U 1 n d η L G U つ ム の ム ? ム A - Aせ
音更町
1iqL
中札内村
1
可
帯広市
にd q υ q u o o q L η L F b q L 1 よ O U Q J Q , u n v τ ょ っ , U
豊頃町
q J 1 1 q L q ペリ 1 ょ っ u q t d A - 1 - q ム T ょ っ ム q d 1 i n L つ d Aせ 1 i つ μ 1 ム 寸 ょ っ , “ n J 1 i q L 1 ム ヮ , u 1 ょ っ , “ 9 d 1 ょ っ , u 1 i q L
池田町
4EA
浦幌町
の頻度 a)
2
ハHU
豊頃町
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本別町
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清水町
の菌密度
F
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0
iつd?よ凋斗Ati'よt白、?よq,
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芽室町
Tよ1ーム噌i141i ワ
白
1
9
8
8
採集場所
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0
4
3
7
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
表2
3 非耕地土壌(新篠津村)からのアズキ萎凋病菌の分離
T
a
b
l
e2
3I
s
o
l
a
t
i
o
no
f Fusarium 0.砂 '
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6
萎凋病菌
分離頻度
(レース)
・引ザ
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グ''i
g
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山山脚土
分
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離
鴻
ー
頻
病
ス
度
菌)
b)
h
M一
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採取月日
河畔雑木林
品開守備
発生畑近傍防風林
Fusarium
0
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土
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1
a) 土壌から分離された全 Fusarium 0
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b) アズキ萎凋病菌数/供試菌株数
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.
表2
4 連作土壌中におけるアズキ萎凋病菌の菌密度変動と各レースの頻度
T
a
b
l
e2
4 Populationd
e
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。
1
1
2
1
。
a) 病原性を検定した F
.o
Y
.
;
y
storum菌株に占めるアズキ萎凋病菌の割合(アズキ萎凋病菌数/供試菌株数)
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ψorum.)
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
4
3
8
結 果
が5
0c
f
u
/
g乾土でも 80%以上の発病率を示し,病
土壌の採取時期により変動はあるが,全 F
u
s
a
r
.
ium 0砂ゆorumの 菌 密 度 は l .1X103~ 1
.7X 1
04
原力が高いと考えられる(図 4
)。また,アズキの発
病には先に述べた 1
02c
f
u
/
g乾土オーダーのアズキ
cfu/g乾土であるのに対し,アズキ萎凋病菌の割合
.
0x102~4.1 X1
03c
f
u
/
g
から推定される菌密度は 5
萎凋病菌の土壌中菌密度で十分であることが推定さ
れる。
c 土壌中における厚膜胞子の形成
乾土で,その割合は 4.0~34.0% であった(表 24) 。
1
9
9
0年 7月
, 1
9
9
1年 6月
, 7月 に は そ の 他 の 時 期
材料と方法
と比べ菌密度は高い水準となったが,これは,この
9cm直径ペトリ皿中のジャガイモしょ糖寒天培
時期は丁度アズキに病徴が現れる時期に重なってお
地にアズキ萎凋病菌の各レースを生育させ,滅菌ガ
り,茎表面に形成したスポロドキアからの胞子を計
ラス小片を聞にしてスライドグラスを菌叢の上に置
測した可能性がある。その他は 3~5 X 1
02c
f
u
/g乾
2
5C) した。表面に菌糸が伸びたス
き 1週間培養 (
土程度であった。
ライドグラスを静かにはぎとり,新篠津村発病土壌
レースの頻度はレース 1が圧倒的に多く,レース
0
(蒸留水を風乾土に対し 25%加える)中に垂直に埋
没して室温 (20~25"C)に置いた。埋没後 1 , 4およ
2 と 3はほぼ同程度の頻度であった。
b
. 土壌中厚膜胞子密度と発病
び1
0日目に各 2枚ずつのスライドグラスを病原菌
材料と方法
の付着した面を傷めないように静かに掘り上げて風
厚膜胞子の作成は以下のように行った。 2
0gア
乾した。風乾したスライドグラスは火炎固定後石炭
ズキ切断茎, 5mMKN0
3と 0.5%ブドウ糖を含む
栄養培地 1
2
5mlを 5
0
0mlフラスコに入れ,滅菌
酸ローズベンガル液(ローズベンガル1.0g
,5%
した。こ
色,水洗,風乾して顕微鏡観察を行った。観察は×
nにレース 1(KF646A)レース 2(KF654
フェノール 1
0
0ml,塩化カルシウム 1
0
0mg) で染
9
0
7
5
0B)の胞子懸濁液を接種し 2週
C
),レース 3(
4
0の対物レンズを用いて,任意 1
0視野について厚
間培養した。これを滅菌ペーパータオル上で 2週間
膜胞子数を測定した。
0メッシュの飾を通して
乾燥させ,細かく砕いて 5
結 果
厚膜胞子を含むアズキ残澄を得た。滅菌した川砂に
埋没時の菌体の状態は原形質の充満した菌糸であ
これらを所定量混和して素焼きポットにつめ, [
'
寿
り,ところどころ小型分生胞子が認められた。厚膜
小豆」を播種して温室内においた。発病の有無は 4
0
日後に確認した。
%
1
0
0
結 果
レース 1(KF6
5
4A),レース 2(KF6
4
6C
)は 1
02
cfu/g乾 土 以 下 の 菌 密 度 の と き 発 病 率 は 12%と低
8
0
かったのに対し,レース 3(90-750B) では菌密度
発 6
0
病
2
.
0
厚
膜
胞
子l.0
率 4
0
2
0
/
菌
糸
。
。
。
1
0
埋没後日数
図 5 土壌中に埋没した菌糸に形成されるアズキ萎凋
病菌の厚膜胞子
hlamydosporef
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nb
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1
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gc
f
u
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図 4 アズキ萎凋病菌厚膜胞子量と発病
F
ig
.4 E任巴c
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s
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4
3
9
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
胞子形成数は菌株により異なったが,埋没した後
また,大きな根,茎などを取り除いた新篠津村ア
1~4 日日に菌糸に形成された(図 5) 。菌糸は次第に
ズキ連作圃場土 5
0
0gに 2000mlの水道水を加え,
2
よく撹持した後数分間静置し,浮遊した残澄を 3
原形質の染色'性が失われていった。
d
. 擢病残j
査中での生存
メッシュ, 1
0
0メッシュのふるいを通した。この操
材料と方法
作を 1
0回行ってふるい上に残った残澄を上述の方
1
9
8
8年 9月に採集したアズキ萎凋病発病「エリモ
1
5cmに切断)
ショウズ J(新篠津村園場産)の茎 (
1月にナイロンストッキ
を 2カ月自然乾燥させ, 1
ングに 1
0本ずつつめた。これらを 1mX1m枠内
法で磨砕してアズキ萎凋病菌の残澄に含まれる菌密
のアズキ萎凋病無発生の自然土壌の地上部 (
0c
m),
度を推定した。
結 果
地表においた権病茎は 2
5
1週後でも原形を保って
いたが,地中に埋没した茎は細かい断片に分解して
0cm,2
0cmおよび 30cmに設置し,所定
地下部 1
いた。しかし,その擢病残澄の埋没位置にかかわら
の時期に取り出し,アズキ萎凋病菌を分離して生存
ず
, 4.2x104~3.5x105/g 乾燥残漬の菌密度を示
の有無を確かめた。その方法は, 5gの茎を 1
0
0ml
し,その変動幅は小さかった(表 2
5
)。この残澄を
の滅菌水とともにホモジナイザーで 1
5
0
0
0rpm, 5
顕微鏡で観察すると厚膜胞子が多数観察され,厚膜
分間磨砕して 1
0倍あるいは 1
0
0倍に希釈して駒田
胞子の形で長期間に亘って,ほぽ一定の菌密度が維
培 地 に ひ ろ げ,F
. oxysporumの 菌 叢 数 を 計 測 し
持されていた。
た。分離された菌について「寿小豆Jを用いて前述
2あるいは 1
0
0
自然発病園場から得た残澄は, 3
メッシュのふるいに残った,細かい残澄で,普通土
のように病原'性検定を行った。
5 アズキ萎凋病菌の擢病残澄中での生存
表2
T
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b
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e2
5R
e
c
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f Fusarium 0.砂ゆorum f
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深
催
の
さ
病
位
(
残
c
置
m
さ)
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l
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g
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乾
n燥
S
1
Jo
残
m澄
m中
の
の
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数
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x
1
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萎凋病菌割合a)
%
8
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0
6
4
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6
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0
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6
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0
3
8
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0
a
) ( )内の数字は,アズキ萎凋病菌数/供試した F
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No
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5
0
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5
0
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1
7
/
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3
2
/
5
0
)
(
1
8
/
5
0
)
(
1
7/
4
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2
4
/
5
0
)
(
2
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/
5
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)
(
1
1
/
5
0
)
(
2
0
/
5
0
)
(
1
0
/
5
0
)
(
4
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/
5
0
)
(
2
3
/
5
0
)
(
3
4
/
5
0
)
(
19
/
5
0
)
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
4
4
0
0C
の恒温室においてみ 7
,1
0日
種子をまいた。 2
0
壌希釈平板法ではこのぐらいの残溢も含めて計測し
ていると考えられる。乾土 19中に換算すると,土
後に発芽した種子を取り出し, 3%次亜塩素酸で表
壌希釈平板法で測定したときの菌密度の 1
0分の l
面殺菌し滅菌蒸留水でよくすすぎ,よく水分をとっ
から 1
0
0分の lになること(表 2
6
) から,土壌中で
て駒田培地に置床した。なお,分離された F
.
は厚膜胞子の大部分が遊離した状態で,単独で存在
oxysporumについては接種試験によりアズキ萎凋病
していると考えられる。
菌であることを確認した。
e アズキ萎凋病菌の各種植物根への侵入および
アズキ品種と根圏土壌中の菌密度
1
9
9
2年 6月 1
0日新篠津村圃場に「十育 1
2
7号 j,
根圏土壌中菌密度
材料と方法
「十育 1
3
1号 j, I
エリモショウズ」を 1区 3m2に, 1
アズキ根への侵入
粒 ず つ 10cm間 隔 で 3畝まいた。 9月 1
6日に発病
アズキ萎凋病菌のアズキへの侵入時期を調べるた
率を調査後,各品種 5株を抜き取り振重量法により得
め
, 5
0X6
0X4
0cmの箱につめた新篠津村圃場病土
た根圏土壌から土壌希釈平板法により菌密度を測定
に「寿小豆 j, I
光小豆Jをまき,所定の日数後に土
し,分離された F
.0
.
勾I
s
p
o
r
u
mについて幼苗検定を
から取り出して以下の方法で F
.α
xysporumを分離
行ってアズキ萎凋病菌の割合を推定した。
した。すなわち,アズキ根を流水で一晩洗浄し,
また,大箱 (
5
0cmX7
0cmX4
5cm)に新篠津村発
1
0
0ppmストレプトマイシン硫酸塩を加え,滅菌蒸
9
9
3年 6月 2
9日に上記の品
病土壌をつめ,これに 1
.
0とし,その溶液中で 1時間
留水をリン酸で pH4
種をまいて, 7月 8日(初生葉展開期), 8月 2
0日
ゆるやかに撹持して表面殺菌した。滅菌蒸留水で 3
(
第 5本葉展開期), 9月 3
0日(枯凋期)にそれぞれ
回洗浄後瀦紙で水分をとって駒田培地にのせた。得
5本抜き取り根圏土壌から分離して,上記と同様に
られた単胞子分離株については「寿小豆Jを用いて
してアズキ萎凋病菌の割合を出し,アズキ萎凋病菌
に及ぽす品種の影響を考察した。さらに 1
9
9
4年 6
アズキ萎凋病菌であるか否かの検定をした。
月 2日に「エリモショウズ Jを栽培した大箱に再び
また, 2
3Cの恒温室においたポット(直径 20cm,
0
高さ 3
0cm) に新篠津村発病圃場土をつめて上記と
「エリモショウズ j, I
十育 1
2
7号」のあとに「十育
同様の方法で「寿小豆 j, I
光小豆 j, I
ハツネショウ
1
2
7号 j, I
十育 1
3
1号」のあとに「エリモショウズ」
ズ」および「十育 1
2
3号 J
について分離,検定を行っ
を播種して同様に土壌中菌密度と発病率を測定し
7
こ
。
た
。
さらに bと同様にして作成じた厚膜胞子を土壌
各種作物根へのアズキ萎凋病菌の侵入と根国土壌中
中 濃 度 が 5.0X102cfu/g乾 土 に な る よ う に よ く 滅
菌密度
菌川砂と混和し,同様の試験を行った。 1
0
0mmX
1
9
9
2年 4月新篠津村発病園場から採取した土壌
80mmX8mmのアクリ Jレ製の根箱につめ 3%次亜
を 20cm直径, 25cmの 高 さ の ポ ッ ト に つ め , 表
2
3号」
塩素酸で表面殺菌した「寿小豆」と「十育 1
34に示した作物を播種した。 2
0"Cのコイトトロン
表2
6 土壌中植物残澄からのアズキ萎凋病の分離
T
a
b
l
e2
6 I
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I
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1
19/May,明
メッシュ a)
3
2
1
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I
.
,
'8
8
萎凋病%
菌割合
2
4
審
員
萎凋病%
菌割合c)
のF菌
• 0
密
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萎凋病%
菌割合
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菌o
密
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度
3
1
2
3
2及び 1
0
0メッシュのふるいを通して得た。
a) 残澄は 3
le
c
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dt
h
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2and1
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b) F
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o
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y は乾土 1g中の残澄内の F
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)
c) ( )内の数字は,アズキ萎凋病菌数/供試した F
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/
5
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)
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4
/
5
0
)
4
4
1
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
表2
7 病土における播種後日数と根から分離されるアズ
キ萎凋病菌(室外)
T
a
b
l
e2
7 I
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a
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播種後日数
4ム
吋
つι u Q U 9 d
寿小豆
光小豆
/
3a)
0
/
3
2
/
4
0
/
3
。
3
/
4
0
/
3
5Cで培養した。その後風乾して
袋にいれ, 4週間 2
0
使用までどCで保存した。
結 果
アズキ根への侵入
自然発病土壌で生育させたアズキ各品種を駒田培
地に置いた場合,まず子葉あるいは子葉付近の根か
ら菌叢が現れ,続いて主根中間部,あるいは側根か
らも分離された。播種後 2~3 日ではアズキ萎凋病
菌は分離されなかったが, 7あるいは 8日目に供試
a) アズキ萎凋病菌数/供試 F
. 0)(汐ゆorum株数
No.o
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No
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l
a
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e
so
fF
. 0九;
y
sporum
したすべての品種で分離されるようになった(表
2
7, 2
8
)。しかし, 1
0日目,あるいは 1
3日目には
旺盛に F
. ox
y
.
ゆorumが根から出現したものの,ア
内で 3カ月栽培し,茎を切断して枯死させ, 2週間
ズキ萎凋病菌は再び検出できなくなった。また,こ
水を供給しないで保持した。これから根を掘りだ
の傾向は擢病性,抵抗性品種にかかわらず同様で
し,洗浄せずに分離までど Cにて保存した。分離法
あった。
は水道水で 1時間洗い,次いで滅菌水中で、 2時間振
厚膜胞子接種土壌では自然発病土とは異なり,播
とうし, 3%次亜塩素酸ナトリウムで滅菌,滅菌水
種 3日後から 7
,1
0日目まで下座軸と,それに接し
で洗浄後駒田培地にのせる方法で、行った。分離され
た根の付近からのみ F
.o
x
y
宅porumが分離され,ど
た菌は前述と同様にしてアズキ萎凋病菌か否か検定
の時期においてもアズキ萎凋病菌は分離された(表
した。
2
9
)。
1
2
0C,3
0分間オートクレーブした滅菌新篠津村
0
アズキ品種と根圏土壌中の菌密度
土壌に 4Xl
0
3
c
f
u
/
g乾士となるように厚膜胞子形成
自然発病圃場においては,これまでの品種試験の
土壌 (KF6
4
6A/13(
n
i
t1
) を供試して作成)を混和
2
7号 J
, 十育 1
3
1号」には全
結果と同様に「十育 1
し,各種作物を播種して 8週間後に駒田培地を使
くアズキ萎凋病は発病しなかった。また,根圏土壌
い,根と根圏土壌から接種菌を分離した。接種菌の
中 の 全 Fusarium oxysporumの菌密度は「エリモ
確認は
MM培地で行った。なお,厚膜胞子を含む
土壌は次のようにして作成した。すなわち, 0.2%
r
ショウズ Jを含めた 3品種でほとんど同じ程度で
あったが,アズキ萎凋病菌の割合は「十育 1
2
7号
」
r
酵母抽出物を含むジャガイモしょ糖液体培地 (
1
0
0
で 0%, 育 1
3
1号」で 3.6%と抵抗性の 2品種では
mlフラスコ)で 25T5日 間 培 養 し た 菌 体 ( 菌 株
0
)。一方「エリモショウズJでは 2
2
.
低かった(表 3
KF646A/13:n
i
t1)を蒸留水で 5分間洗い, 20枚
2%と高かった。
の菌体マットを 1
5
0mlの蒸留水を加えてミキサー
で 1分間混合した。これを 3
5
0
0rpm,1
0分間遠心
枠圃場で行った試験では,播種前の全F
.
o
x
y
.
ゆorumの 菌 密 度 は 3.6X103c
fu/g乾土で,ア
し,再度 1
5
0mlの蒸留水に懸濁して風乾した土壌
ズキ萎凋病菌の割合 3
/
4
1から推定されるアズキ萎
1kgによく混合した。この土壌をプラスチックの
凋病菌の菌密度は, 2.6X102cfu/g乾土であった
8 病土における播種後日数と根から分離されるアズキ萎凋病菌 (
2
3C
恒温室)
表2
T
a
b
l
e2
8 I
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2
3C)
0
0
播種後日数
3
7
1
0
寿小豆
光小豆
0
/
1
8a)
0
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4
6
3
/
5
0
0
/
5
0
2
/
4
9
0
/
5
0
ハツネショウズ
0
/
4
6
6
/
5
0
0
/
5
0
a) アズキ萎凋病菌数/供試 F
.o
.
砂'
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m株数
No
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十育 1
2
3
号
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3
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1
/
2
6
0
/
5
0
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
4
4
2
I
エ リ モ シ ョ ウ ズ jは 8月 に は 62%が 発 病
I
十育1
2
7号 J
,r
十育1
3
1号 J
は,全く発病
(
表 31
)0
したが,
しなかった。「エリモショウズ」の場合,発病株のほ
かに無病徴の株の根圏土壌中菌密度を測定した。無
病徴株の場合,発病株ほど菌密度は増えなかった
表3
0 アズキ各品種根圏土壌におけるアズキ萎凋病菌密
度(自然発病土壌)
T
a
b
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0 E仔e
c
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df
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la)
土壌中の
表2
9 接種土壌における播種後日数と根から分離される
アズキ萎凋病菌 (
2
0C
恒温室)
品種
T
a
b
l
e2
9 I
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. oxystomm f
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n(
2
0C)
2
7号
十育1
発
(
病
%
率
) F
(
c
.
f
o
u
菌
,
/
ゆ
ハ
g度
乾
o土
m
m
)
萎凋病(%菌)
割合b)
0
0
播種目数
十育 1
2
3
号
寿小豆
3
/
4a)
3
7
1
0
2
/
4
6
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4
/
5
7
/
9
4
/
4
a) アズキ萎凋病菌数/供試 F
.耳
.
0ystomm株 数
No.o
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. 0砂ゆomm f
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No
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. 。砂ゆomm.
3
1号
十育1
エリモショウズ
0
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0
0
.
0
8
2
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1
2
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0x
I
03
1
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2
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0
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目
(
0
/
4
9
)
3
.
6 (
1/
2
8
)
2
2
.
2 (
10
/
4
5
)
a) 試験は新篠津村のアズキ萎凋病発生圃場で行っ
た
。
The e
x
p
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m
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u
b) ( ) 内 は , ア ズ キ 萎 凋 病 菌 菌 株 数 / 供 試 R
明 I
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No
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No
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so
fF
. 0砂 stomm.
表3
1 アズキ各品種根圏土壌におけるアズキ萎凋病菌密度(枠圃場a
)
)
T
a
b
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e3
1 E任e
c
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fa
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ds
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!a)
じ3
口口
.0
.
砂
高pommの菌密度 b)
根圏土壌中 F
(x1
03)
種
十 育1
2
7号
3
1号
十 育1
(xI03)
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Ju.
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2
0
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A
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3
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1/
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2
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.
0(
2
6
/
4
4
)
エリモショウズ(発病)
エリモショウズ(健全)
土壌中菌密度
C
)
4
.
6
(
2
2
/
5
0
)
a) 播種前 (
4月1
6日)の土壌中菌密度は 3.6xl03 (アズキ萎凋病菌の割合:3
/4
1
)
.。
勾Istommwase
s
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.
砂
ゆomm:3
/
4
1
)
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b) ( )内は,アズキ萎凋病菌菌株数/供試 F
. oxystomm菌株数
No.o
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fF
. 。砂ゆomm.
c
) 8月2
0日の発病率はエリモショウズ 62% (
13
/
21),十育 1
2
7
号,十育 1
3
1号は 0%であった。
%o
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sw巴r
巴6
2,0
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nd0
,i
nErimo-shozu,ToikuNo. 1
2
7,andToikuNo.1
3
1,r
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l
y
.
表3
2 アズキ各品種根圏土壌におけるアズキ萎凋病菌密度
T
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2 E妊e
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l
品
種(前作)
エリモショウズ(エリモショウズ)
3
1号)
エリモショウズ(十育 1
2
7号(十育 1
2
7号)
十育 1
播種時の
土壌中菌密度 a)
1
.
3x1
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'(
1
0
/
4
6
)
3
/
4
8
)
7.8XI03 (
1
/4
8
)
7.1XI03 (
a) ()内は,アズキ萎凋病菌菌株数/供試 F
. o~汐ゆomm 菌株数
No.o
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. 。勾Istommf
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. 。勾Istomm.
発病率
(%)
6
2
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5
2
5
.
0
0
.
0
4
4
3
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
が,菌密度は発病株に次いで高く,1.5X103c
fu/g
自然発病土壌では根から分離されたのはアズキと
乾土 (
9月 3
0日)と推定された。
コムギのみであった(表 3
3
)。ジャガイモと水稲は
一方,抵抗性の 2品種の根圏土壌中菌密度とは明
非病原性の F
.o
:
l
汐ゆorumの根への着生率も低かっ
らかな差が認められた。 1
2月の根雪前の土壌中菌
た。接種土壌においてはアズキ,インゲンマメ,コ
W cfu/
ムギのアズキ萎凋病菌分離率が高く,根圏土壌中菌
I
エリモショウズ j栽培区では 2.0X
0
0倍から 3
0
0倍に増加してい
密度は接種菌密度の 1
密度は,抵抗性品種栽培区では 1.4~4.2X
g乾土に対し,
1
03cfu/g乾土と推定された。この傾向は翌年も同
4
)。一方,テンサイ,水稲ではアズキ萎凋
た(表 3
様であり, 6月の播種時のアズキ萎凋病菌菌密度
病菌分離率は低く,根圏土壌中菌密度はほとんど変
I
エリモショウズ jあとで 2.8X103c
fu/g乾土,
「十育 1
2
7号」あとで1.5X1
02cfu/g乾土, I
十育
化しないか,あるいは水稲の場合は 1
/
8ほどに減少
は
,
した。アズキ萎凋病菌の水稲根への着生が困難であ
2
1
3
1号 」 あ と で 4
.9X1
0 cfu/g乾 土 で あ っ た ( 表
ると考えられる。
3
2
)。この菌密度を反映してアズキ萎凋病発病率は
C
. アズキ萎;周病菌の分布に影響する要因
a 種子伝染
十育 1
3
1号
」
「エリモショウズ j連作区で 62.5%, I
あとの「エリモショウズ」で 25.0%となった。
材料と方法
1
9
8
8年 1
0月に発病,無発病まとめて収穫し,脱
各種作物根へのアズキ萎凋病菌の侵入と根圏土壌中
菌密度
穀した新篠津村アズキ萎凋病発病圃場産の「エリモ
表3
3 自然発病土壌(新篠津土壌)における各種作物根からのアズキ萎凋病菌の分離
T
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3I
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‘の分離率a)
萎凋病の分離b)
1
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/
1
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/
1
0
0
/
1
2
アズキ(寿小豆)
ジャガイモ(男爵いも)
インゲンマメ(改良早生大福)
テンサイ(モノミドリ)
トウモロコシ(スイートコーン)
コムギ(チホクコムギ)
水稲(ゆきひかり)
。
/
1
1
0
/
1
2
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a) F
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.
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) アズキ萎凋病菌株数/供試菌株数
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. 0ゆ ゆornm.
目
4 人工接種土壌におけるアズキ萎凋病菌の各種作物根への着生と根圏土壌中菌量
表3
T
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e3
4C
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no
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yi
nf
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ds
o
i
l
供試作物(品種)
アズキ(寿小豆)
インゲンマメ(金時豆)
テンサイ(モノミドリ)
コムギ(チホクコムギ)
水稲(ゆきひかり)
萎凋病(菌%分)離率a)
2
5
/
4
7
1
5
/
3
0
7
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)
(
1
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)
(
5
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根
(
圏
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土
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壌
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中
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菌
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密
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0,
1
3
0
a) 萎凋病菌が分離された根切片数/供試切片数
No
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No
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d
b) 播種時の土壌中菌密度は 1,
0
0
0c
f
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g乾土
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.
ゆornmf
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P
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no
fF
4
4
4
北海道大学農学部邦文紀要
表3
5 収穫したエリモショウズ種子(新篠津村発病圃場)
からのアズキ萎鴻病菌の分離
.s
p
.adzu
T
a
b
l
e3
5 I
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l
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s
供試種子数
も
;
y
sporum
F.o;
が分離された
種子数
1
8
9
第1
9巻
第 5号
1回の試験終了直後,再び第 2回試験として「エリ
モショウズ」を播種して発病を見た。
結 果
擢病残澄を混入することにより,十勝地方土壌に
萎凋病菌数/供試菌数
おいてもアズキ萎凋病が起き,続けてアズキを栽培
しでも 1回目と発病率は変わらないことから(表
(2
8.6%)
6
/
21
2
4
3
7
),十勝地方の土壌が抑止型土壌である可能性は
低い。
ショウズ J種子を塩化第二水銀で殺菌し滅菌水で洗
浄後,駒田培地に置き F
..
o
x
y
s
t
.
o
rumを分離した。
c 土壌凍結と厚膜胞子の生存
材料と方法
これらの単胞子分離株について「寿小豆Jを用いて
B-eと同様にして作成した厚膜胞子土壌を1.4X
1
04cfu/g乾土の菌密度に調整し, 40%の蒸留水を
病原性検定を行った。
また,新篠津村産の[エリモショウズ」発病株爽
加えてポリプロピレン製容器につめ,密閉した。こ
から滅菌ピンセットで種子を取り出し,同様にして
れをどCおよび -20'Cにおいて所定の時期に菌密度
検定を行った。
を計測した。
結 果
結 果
脱穀後の種子の 28.6%からアズキ萎凋病菌が分
-20'CにおいてはどCと比べると若干菌密度は低
離された(表 3
5
)。脱穀作業をとおさないで直接爽
いが,ほとんど最初に接種した菌密度と変化がな
から種子を無菌的に取り出したときの分離率は
く
, 1
6週間菌密度が維持され(表 3
8
),土壌凍結は
21%あまりとなり(表 3
6
),脱穀作業の有無にかか
本菌の生存に影響を与えなかった。
わらず分離率は変わらなかった。本病の種子伝染が
D. 連輪作とアズキ萎凋病の発病
a 非宿主作物がアズキ萎凋病の発病と土壌中菌
考えられた。
b
. 十勝土壌への躍病茎の混入
密度に及ぼす影響
材料と方法
材料と方法
アズキ萎凋病多発生圃場(新篠津村, 1985年 7月
新篠津村の発病園場から得た「エリモショウズ」
擢病茎を 20X30X7cmの箱につめた十勝農試落葉
には,圃場全体にほぼ 100%発生した)の各区 50m2
病検定闘場土(表 1
4の 1
9
8
8年芽室町園場 1
)にすき
に畝幅 6
0cmとして,株聞はインゲンマメ「大正金
I
エリモショウズ」を播種し発病を見た。試験
時 j,ジャガイモ「メークイン j,テンサイ「モノヒ
込み,
は温室内(I 8~28'C) で行い, 4
0日後に抜き取りア
l
レj,トウモロコシ「ハニーパンタンム」は
ズキ庇軸から駒田培地で分離し確認した。また,第
し,コムギ「はるひかり」は畝間 30cmで 1
0a当た
30cmと
表3
6 催病したエリモショウズの種子からのアズキ萎凋病菌の分離
T
a
b
l
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dErimo-shozu
個体 N
o.
全節数
褐変が認められる
最上位節 No
9
2
9
9
3
9
9
iucu
FhdoORd日υ つ
1
4
供試種子の節 No R
o
z
y
s
ρorum
が分離
された種寸ーl
合a)
7
/9
1
8
/
1
9
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5
/
1
5
7
/7
3
/5
5
/6
a) F
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x
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rumが分離された種子/供試種子
No.o
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No
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萎凋病菌が分離
された割合 b)
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1
1
/
3
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/
3
1
/
1
0
/
1
1
/
5
4
4
5
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
r
寿小豆」
り1
0kg条播きした。これらを 2年 連 作 , あ る い は
ox
y
.
ゆorum中のアズキ萎凋病菌の割合は,
インゲンマメ,ジャガイモ,コムギを栽培した後ア
で病原性を検定して調べた。各年の播種あるいは苗
ズキ「エリモショウズ」を栽培し,発病率を調べた。
の移植日は, 1
986年 5月 1
9日
, 1
987年 5月 21日
,
これと同時に根圏土壌中の F
. ox
y
.
司
porumの 菌 密
1988年 5月 20日
, 1
989年 6月 3日であり,アズキ
.
度を土壌希釈平板法により,また,分離された F
, 1
989年 は 9月 8日
の 発 病 率 は 1988年 は 9月 4日
に調査した。
表3
7 アズキ萎鴻病未発生土壌での擢病残溢混入による
アズキ萎凋病の発生
Table3
7 C
o
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ds
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l
残澄混入
第]回試験
第 2回試験
十
2
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9 (
1
)
1
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)
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0
)
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0
/
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.
0 (
2
5
/
4
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)
5
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6 (
0
/
2
2
)
0
.
0 (
17
/
4
3
)
3
9
.
5 (
0
/
4
2
)
0
.
0 (
+
表3
9 非宿主作物導入によるアズキ萎凋病の発病
Table3
9 E
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a) 土壌中菌密度(10
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接種後の時間(週)
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Table3
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(
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C
)
栽 培 来 歴a)
-Aη'uqdATphdnhUηJ
表3
8 土壌温度とアズキ萎凋病の生存
温度
2年連作することにより,アズキ
したが,他の作物では連作区とほとんど差が認めら
園場恥
+
+
インゲンマメを
連 作 区 で の 発 病 率 が 98%に 対 し て 75%と 若 干 低 下
発病率(%)
(発病株数/供試株数)
土壌及び残澄の処理
土壌殺菌
結 果
発病率(%)
'
8
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8
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0
AB
目
。
AB
a) AB・アズキ, KB: インゲンマメ, SW: 春小麦,
PO: ジャガイモ, BE テンサイ, SC: トウモロコシ,
AB:Adzukibean,KB: Kidneybean,
S羽T
:S
pring wheat,PO: Potato,BE: Beet,
SC: Corn
表4
0 非宿主作物導入によるアズキ萎凋病土壌中菌密度変動 (
1
9
8
7年)
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/
8
5
)
a) 表 3
9と同じ圏場
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c) NDは萎凋病菌が検出できなかったことを示す。
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(ND/15)
(ND/15)
(
1
/
1
4
)
(
1/
1
4
)
北海道大学農学部邦文紀要
4
4
6
第四巻
第 5号
れなかった(表 3
9
)。また, 3年間アズキ以外の作
培歴の開き取りを行った。
物,すなわちインゲン,ジャガイモ,コムギを栽培
結 果
することにより連作区と比べ発病率は低下したが,
アズキ栽培から次のアズキ栽培までの期間,水稲
の作付けが連続し,かつ,その回数が多いほど土壌
依然 50%以上の発病率であった。
土壌中の菌密度については検出限界以下であった
中の菌密度が少ない傾向にあった。一方,コムギを
ためかアズキ萎凋病菌が検出されないことがあっ
アズキの聞に栽培した圏場では菌密度はアズキ連作
た。非宿主作物が栽培されている聞の菌密度はアズ
区と変わらない場合が多く,アズキ栽培後 6作コム
キ連作区より少ない傾向があった(表 40,4
1,4
2
)。
ギを栽培しでもアズキ連作区とほとんど変わらない
しかし,再びアズキを栽培すると菌密度は連作区と
ところがあった(表 4
3
)。
同程度となり,菌密度の面からみても 2年あるいは
c アズキ萎;周病菌密度と発病に及ぼす水稲栽培
3年これらの作物を導入しでも発病抑制は困難であ
ることが推定される。
の影響
材料と方法
b
. 作物栽培歴とアズキ萎凋病菌の菌密度
1987年に水回転換した深川市のアズキ萎凋病激
材料と方法
発園土壌 (A園場)を 1988年から 1992年まで 5年
実際の圃場における連輪作との関係をさらに探る
ため,実態調査を行った。調査した圃場ではほとん
間 毎 年 4月あるいは 5月 に 圃 場 20箇 所 か ら 計 4
0
kg採取し,枠 (45x
70x
40cm)につめた。 5月下旬
どアズキ,水稲,コムギが栽培作物であった。 1989
に「エリモショウズ」と「光小豆」をまいて
年から 1990年にかけ,水回転換畑のアズキ萎凋病
その発病を見た。
発生地域あるいはその隣接地などから土壌を 2kg
(
2反復)
また,上の圃場と 1988年から水回転換した深川
採取し,前述の方法と同様にしてアズキ萎凋病菌の
市の圃場 (B園場), 1984年から既に水田に転換し
菌密度を推定した。また,その園場について作物栽
ていた新篠津村の圃場 3カ所についてそれぞれ水田
表4
1 非宿主作物導入によるアズキ萎凋病土壌中菌密度
変動 (
1
9
8
8年)
Table4
1 E妊e
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19
8
8
)
取して常法によりアズキ萎凋病菌菌密度の変動を調
と畦畔から,所定の日に土壌を 1
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結 果
「エリモショウズ」の場合,
A圃場において前年
には 100%の発病率であったが 1年間水稲を作付け
表4
2 非宿主作物導入によるアズキ萎凋病土壌中菌密度
目
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2
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べた。
(
2
/
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)
(
1
/
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(
2
/
4
9
)
a) 表3
9と同じ園場
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4
4
7
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
表4
3 作物栽培歴とアズキ萎凋病菌の土壌中菌密度
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南幌町
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当別町
当別町
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A
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四川附肌附
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当別町
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深川市
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北村
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深川市
深川市
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新篠津村
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/
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2
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/
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)
(
4
1
/
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0
)
(
1/
31
)
(
10
/
4
5
)
a) 同一番号は隣接する同一農家園場を示す
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b) A:アズキ, W:秋小麦, R 水稲, B 水稲苗床, S 春小麦, 0:タマネギ, P カボチャ, L 食用ユリ,
V:野 菜
A:Adzuki bean,W:Wheat,R:R
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r
u
m
.
)
することでそれが 34.8%に低下し,さらに水稲作
た,水稲 1回作付け後の枠画場内土壌の菌密度は,
付け回数が増えるほど低下していって, 4年以上作
「エリモショウズ」栽培区で「光小豆j 栽培区の 5~38
4
)。一方,
付けすると発病は見られなくなった(表 4
倍と推定された。
「光小豆」では,水稲作付け前は 87%の発病率が水
深 川 市 A 圃場の土壌中菌密度は転換後 1年目, 2
稲作付けにより, 2.2%になり,それ以降,作付け
年目には 8月末から 9月初めに病原菌が検出されな
回数を増やすと全く病気は見られなくなった。ま
くなったものの 1
0月 中 旬 に 再 び 分 離 さ れ た ( 表
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
4
4
8
表4
4 水稲栽培後の土壌におけるアズキ萎凋病の発生
I
[市
, A圃場)
(
深I
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4 E
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l
t (Fukagawaf
i
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dA)
水稲作付け回数
発病率(%)
年
1
9
8
8
2
1
9
8
9
3
1
9
9
0
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9
9
1
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1
9
9
2
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3
4
.
8
(
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1
/
8
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2
.
2
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0
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2希釈の Nu
t
r
i
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n
tAgar (栄研社製)
と放線菌は 1
を用いて,希釈平板法により測定した。
また,土壌消毒が翌年の発病に及ぽす影響を見る
9
9
1年 7月 2
0日から 2週間同様な方法で
ために, 1
2
0m2 に処理し,2週間後に
ダゾメット粉粒剤を 1
9
9
2
ガス抜きを行い,無作付けのまま放置し,翌 1
年 6月 1
0日,そこに「エリモショウズ」を播種して,
発病率と土壌中の菌密度を測定した。
(
0/
7
1
)
0
.
0
(
0
/
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)
0
.
0
(
0
/
4
3
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結 果
(
0
/
1
5
)
区の 1
/
1
0
0ほどになり,アズキ萎凋病菌は全く検出
。
。
a) 発病株数/全株数
No
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fp
l
a
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a
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/
No
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ft
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t
a
lp
l
a
n
t
s
1
9
9
0年試験の場合,発病率は無処理 92.0%に対
し,処理区 15.3%と顕著な発病率の差が認められ
. oxysporumの菌密度は無処理
た。処理直後から F
されなかった(表 4
8
)
0
また, 1
9
9
1年から 1
9
9
2年にかけての試験におい
/
3とな
ても,前年処理区の発病率は無処理区の 1
4
5
)。ところが 3年目以降は 5年目の春から夏にか
り,効果が認められた(表 4
9
)。ただ,アズキ萎凋
けて検出されたが, 7年目まで秋期に再び菌密度が
病菌密度は処理当年から翌年 4月までは明らかに低
増加することはなかった。 B園場では 4年目の春か
下していたが,翌年 6月の播種時期には無処理と変
ら夏にかけてに一時高い菌密度を示したが,転換 2
わらない菌密度であった。
年目以降,秋にはほとんど検出されなかった(表
E
.考 察
4
6
)。
アズキ萎凋病の発生地において各レースの分離頻
新篠津村圃場においては 6年目以降アズキ萎凋病
度は各国場で異なるものの, 3つのレースすべてが
菌が検出されなくなり,深川市閏場とほぼ同様な結
混在して分布している可能性が高いと考えられる。
7
)。また,いずれの箇場でも畦畔
果となった(表 4
また,十勝地方の土壌から分離した F
. oxy~ρorum
からは時々検出されるのみで,圃場内ほど緊密度は
の中にアズキ萎凋病菌は存在せず,本菌は十勝地方
高くなかった。
にはもともと存在しなかった可能性が高い。
いずれの圃場でもレース 1が分離される頻度が高
カ〉つ T
こ
。
d
. 土壌消毒
材料と方法
アズキ連作圃場,各種作物を栽培した輪作圃場,
また,激発圃場での水稲作付け後の水田における本
病原菌密度の推移について調べた。土壌伝染性病害
の輪作あるいは,湛水による発病軽減効果について
1
9
9
0年 6月 2
9日,新篠津村アズキ萎凋病発生圃
はこれまで多数の報告があり,下長根ら 82) はこの
2
場において 1区 5m
(
1mX5m)にダゾメツト粉粒
輪作効果について多くの例をまとめている。オオム
3,5
ージメチルテトラヒドロ 2H-1,3
,5
ーチア
剤 (
ギ,アルフアルファ,コムギ,
.
5kg(
3
0kg/10
ジンー2ーチオン,有効成分 95%)を 1
によるインゲンマメ根腐病の発生軽減 60.印刷,アノレ
トウモロコシの輪作
a
) 散布し,よく混和してビニールフィルムで被覆
フアルファとの輪作によるトマト萎凋病,ジャガイ
した。 7B後の 7月 6日にビニールフィルムを除去
モ萎凋病の軽減 26) のように輪作効果の認められる
6日に「寿小豆」を播
し,ガス抜きをしたあと 7月 2
場合もあり,逆に病気を増加させる効果も作物に
種した。なお,処理区,無処理区ともに 3反 復 行
よってはある。トマト萎凋病に対するダイズ,ク
い,土壌中の F
. oxysporumおよびアズキ萎凋病菌
ローパの栽培63),サツマイモつる割病に対する 5年
菌密度は前述のように測定した。糸状菌数はローズ
輪作も全く効果がないという例もある 77) が,一般
.
0g MgS04 ・
7H200
.
5
ベンガル培地 (KH2P04 1
に非宿主であるイネ科作物及びアルファノレファを含
g,ぺプトン 5
.
0g,グルコース 1
0
.
0g,ローズベ
む輪作体系はフザリウム病を軽減する傾向があると
.
0
0
3g,寒天 2
0g,蒸留水 1
0
0
0m l),細菌
ンガル 0
される。発病軽減効果が現れる原因として次の 3つ
4
4
9
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
表4
5 水稲栽培とアズキ萎凋病菌菌密度の変動(深川市, A園場)
Table4
5 Change o
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7
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2
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2
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1
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HVAHυ ハ
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nリ ハ リ ハ リ ハ U A H U A H u nリ ハ HvnHvnHvnリ ハ リ ハ リ
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九仏
1ム s u z q J 0 0 0 6 Q d ワ4 8 告 つ ん q L n b 1 i q J n J A U Q d q d つI u - - q J n b A U T
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g乾土),アズキ萎凋病菌の割合, ( )内の数字は,アズキ萎凋病菌数/供試した F
.
o
x
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戸
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r
u
m
.
)
)病
に要約される。1)土壌中病原菌密度の低下, 2
り,おそらく生育期間中,茎表面に生じたスポロド
原力の低下, 3
) 複合病の軽減による発病抑制であ
キアからの大型分生胞子も土壌中で厚膜胞子に転換
る
。
するものと考えられる。
Fusarium病菌は土壌中で菌糸から容易に厚膜胞
病原菌密度に関して,本病連作圃場において,播
子を形成することが知られていて円土壌微生物の
種前には全体の F
. oxysporumの 密 度 は
代謝産物により誘発された溶菌を伴って厚膜胞子が
1. 1~12.0X 10 3 に対し,本病原菌は 1. 6~5.3X102
形成されると考えられている。本菌も土壌中では菌
と推定された。一般に自然圃場における,播種直前
糸に速やかに厚膜胞子を形成することが明らかであ
の菌密度は厚膜胞子数を測定しているに等しいと推
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
4
5
0
表4
6 水稲栽培とアズキ萎凋病菌菌密度の変動(深川市, B園場)
T
a
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e4
6 Change o
fp
o
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rum菌密度 (
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g乾土),アズキ萎凋病菌の割合, ( )内の数字は,アズキ萎凋病菌数/供試した F
.
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ρorum.)
F
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x
y
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測され叫厚膜胞子密度と発病の試験から 5
0cfu/g
作圃場と変わらない菌密度を示した。また,これら
乾土以上あれば発病に充分な量であり,この菌密度
コムギ作の後から分離されたアズキ萎凋病菌の病原
は妥当と考えられる。松田聞は,キュウリつる割
性試験においても,これらの圃場のアズキの発病は
病の場合発生を顕著にするのに 3XI03/
g乾土以上
軽減せず,病原カがコムギ栽培で低下する可能性は
を必要としており,本病の場合とは際立つた違いが
低い。コムギは輪作作物としては不適であると考え
認められる。
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p
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c
t
u
mの 場 合
られた。 F
. oxysporum f
他作物との関連という点で実態調査を行い,栽培
も宿主であるワタの栽培後より,イネ科作物特にオ
歴と菌密度の関係を調べた。傾向として水稲の作付
オムギ後のほうが菌密度が増加することがある 84)
け年数が長いところで菌密度は低く,激発園場に隣
など,残溢を利用して腐生的に生存する能力が高い
接する圏場であっても水稲栽培が 6年以上のところ
と考えられる。
では,ほとんど病原菌は検出されなかった。二一方,
イネ科でもコムギ後では 7作以上作付けしても,連
インゲンマメ,ジャガイモ,
トウモロコシ 3作を
栽培することで確かに発病率は対照と比べ減少した
4
5
1
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
表47 水固化したアズキ萎凋病発生土壌中での菌密度の
変動(新篠津村画場)
T
a
b
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e47 Changeo
fp
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1
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2
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1
9
9
1
。
。
除法としては基本となる防除法である。本病の場合
も水稲作付けにより顕著に発病は減少し, 5~6 年
後には発病は認められなくなって効果的な方法であ
ると考えられた。ただ,湛水期間中は検出限界以下
が分離されることが,水田に転換後 3年から 4年固
まで見られたことから,本菌の完全な死滅には相当
1
3
0
の年月が必要である。
7
0
. oxy
s
j
Jorumの 生 存 に 関 す る 研 究 は 駒
湛水と F
田叫に詳しいが,この中でトマト萎凋病菌,キュ
4
0
4
.
2
6
ス イ カ つ る 割 病 , バ ナ ナ 萎 凋 病67), ト マ ト 萎 凋
病 40),キュウリつる割病64) の 例 が あ り , 耕 種 的 防
.
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水稲栽培(田畑輪換),湛水による防除については
に菌密度は減少するが,秋以降になると再び病原菌
7
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1
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.
)
ウリつる割病菌については水稲作期間程度の湛水は
病原菌の生存には影響を与えず,病原菌は 4ヶ月後
も相当生存しており, 3年間水稲を栽培しでも逆に
菌密度が増加することもあったとしている。また,
水稲根圏の菌密度に対する影響は認めていなし〉。し
かし,本病の場合これとは異なり, 1年栽培しでも
ある程度効果があり, 5 年~6 年水稲を導入するこ
とでほとんど防除できると考えた。幸いなことに本
病の発生分布はほとんどが水回転換畑に集中してお
が,菌密度低下が原因か否かは判然としなかった。
り,水稲栽培による防除が可能である。
J
擢病性及び抵抗性アズキへの病原菌の侵入につい
ネグサレセンチュウの量と発病にも明確な関連はな
く(未発表),複合病の軽減効果の面からも 3作で低
て自然発病土における試験では 7~8 日目に根から
下する事の原因とは考えにくい。確かにこれら作物
分離されるようになり,培地上では主として子葉下
を栽培すると僅かだが発病は低下するが,本病の防
部付近から分離されることから,本菌の侵入場所は
表48 土壌消毒によるアズキ萎凋病菌菌密度変動と発病軽減効果(1990年度)
T
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ゅorum.)
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
4
5
2
9 土壌消毒によるアズキ萎凋病菌菌密度の変動と発病軽減効果(19
9
1年度)
表4
T
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e4
9 E
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無処理
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菌
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放
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処理
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無処理
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無処理
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5
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8
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この部分と推察される。その後1O ~13 日目には分
い地域が存在する一方,連作によっても病害の発生
離された F
. oxy
:
s
戸orumの中にアズキ萎凋病菌が含
しない,あるいは拡大しない地域が存在し,後者は
まれておらず,その時期腐生性の F
.oxy
ゆorumが
発病抑制型土壌として注目され,その要因について
急速に増殖したと考えられる。また,抵抗性アズキ
これまで多くの報告がなされている 12,8
にも本菌の侵入が認められるものの発病しないこと
における本病の分布が偏つている原困が,十勝地方
から,抵抗性の機作は進展抵抗性と考えられる。
の土壌が発病抑止型土壌によることなのか否か調べ
抵抗性品種と擢病性品種の根圏における菌密度の
た。その結果,権病残溢を十勝土壌に混入すると発
違 い に つ い て は, F
. oxystorum f
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壌とは考えられない。また,環境要因のーっとして
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u
m36) について報告がある。抵抗性
気温,特に冬季の凍結が菌の分布に影響すること
の品種の根圏土壌では菌密度が小さしその機作と
が,コムギあるいはイネ科牧草の雪腐病で知られて
して根からの渉出物の胞子発芽に対する抗菌的ある
いる 93)。ここでは十勝地方が土壌凍結地帯として良
いは栄養的な抑制,あるいは他の微生物の活動促進
く知られている 96) ので,土壌凍結が本病病原菌の
による病原菌の抑制など考えられたが,依然として
生存にどのような影響を与えるかを調べた。実験室
明らかではない。いずれにしても抵抗性品種の根圏
において長期の凍結にもかかわらず,それほどの菌
では菌の増殖を促進しないために菌密度に差が生じ
密度の低下はなく,土壌凍結は本菌の分布に影響す
ると考えている。ワタの場合同抵抗性品種の後に
る要因ではないと考えられた。
権病性品種を栽培しても発病が少ないことが報告さ
前年まで発病が全くなかった所に突然,アズキを
れているが,アズキ萎凋病の場合も同様の結果と
連作すると坪状にアズキ萎凋病が発生することが
なった。今後この機作を明らかにする必要がある。
あった。そのような場所は多くが前年にアズキの脱
Fusarium菌による病気においては,発病の激し
穀作業を行った所で,擢病残澄がその感染源である
4
5
3
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
と考えられる。現在までのところ発病が認められて
A
. 抵抗性母本の探索
いない十勝地方にも擢病残澄を持ち込むことで容易
材料と方法
2品種・系
アズキ萎凋病抵抗性母本探索のため 7
に発病させることができるので,今後発生地の拡大
に注意する必要がある。また,実験的に明らかには
統(表 5
0
) について新篠津村の発生圃場において試
できなかったが,自然発生圃場産のアズキ種子から
験 を 行 っ た 。 試 験 区 は l区1.2m2, 株 間 1
0cm1
病原菌が分離されたことから,種子による伝搬も懸
粒まきで 2反復した (
1
9
8
7年 5月 2
8日は種)。施肥
念される。
量は農家慣行法によった
土壌消毒は施設園芸などの集約的,高収益の作物
に適用し易いが,畑作物の土壌病害に利用する方法
(
N:3.0,P205:16.0,
K20:9
.
0kg/10a
)。調査は 7月 1
0日及び 3
0日に
圃場で外部病徴が現れた本数から発病率を, 9月 4
としては,スポット的な発生をしている場合,それ
日には維管束の褐変程度を基準に下記の式から発病
以上の拡大を防止するために行うのが最適な方法で
度を算出した。なお 9月 4日の発病率はアズキを採
あると考える。ダゾメット粉粒剤などの土壌消毒剤
取してから調査まで期間をおいたため,外部病徴を
は,アズキ萎凋病に対し効果が高いので,本病の拡
見分けられなかった。
大防止のためには有効な方法であると考えられた。
VI,抵抗性品種の探索
ヱ(指数×当該個体数)
-• x1
0
0
全個体数 X5
発病度--~..
指数発病程度
アズキ萎凋病の病原菌の同定などに混乱があり,
0
無発病
アズキ萎凋病の正しい認識がなされていなかったの
1
維管束の褐変が全節数の 25%以下
で,本病はアズキ落葉病,アズキ茎疫病のように育
2
維管束の褐変が全節数の 50%以下
種目標にはなっていなかった。しかし,その実態が
3
維管束の褐変が全節数の 75%
以下
明らかになるに従い,その重要性が指摘されるよう
4
維管束の褐変が全節数の 100%以下
になった S九これまでの結果から,畑作物の輪作な
5
ど耕種的防除法はほとんど効果がなく,水稲栽培で
結
枯死
果
は被害が相当な程度まで低下するのには 5~6 年の
「十系 3
2
5号 J [
"
十
系3
3
7号 J [
"
十
系3
5
0号 J ["十育
栽培が必要ということで,即効性は期待できない。
1
1
8号 J ["十育 1
2
3号 J ["円葉(刈 6
3号 )
J ["花小豆j
そこで,既存のたとえば「エリモショウズ Jなみの
"
[
Acc6
8
(岩在 5
4-2
2
)J"
[
Acc1
0
5
6
Jは 7月 3
0日(播
品質を有し,かつアズキ萎凋病に対し抵抗性の品種
種6
3日後)の発病率が 0%,9月 4日の発病度も 2
0
に対する期待が大きい。
以下と低く,抵抗性と判定された(表 5
0
)。
抵抗性の品種を育成しようとする場合,特に必要
抵抗性の母本となった品種を検討した結果, [
"
十
とされるのは,遺伝資源となる抵抗性育種素材と,
系3
2
5号 J [
"
十
系3
3
7号」は「黒小豆(岡山 )
Jから,
抵抗性の系統を確実にかつ能率的に選抜するための
「十系 3
5
0号 J ["十育 1
1
8号」は「円葉(刈 6
3号 )
J
検定法である。北海道立十勝農業試験場は,アズキ
から, [
"
十
育1
2
3号」は「小長品
育種場所であり遺伝資源が豊富なことから,同場の
由来したと推定される。
協力を得てこの中から抵抗性育種素材の探索を行う
B. レース 3による抵抗性母本選抜
こととした。また,検定法については第 I
I
I章の結
材料と方法
果から,幼苗を用いた抵抗性品種のスクリーニング
が効率的にできると考えられた。
1
0
Jから抵抗性が
1
9
8
9年
, 1
9
9
0年 に は 3
3品 種 に つ い て レ ー ス
3(KF8
4
3
)による前述と同様な幼苗検定と圃場検定
本章では抵抗性母本の探索に圃場検定,あるいは
(区制は 1区1.2m2, 株 間 1
0cm1粒まき, 2反
幼菌検定を行い,続いて各交配系統の抵抗性につい
復
, 1
9
8
9年 6月 1
2日播種, 8月 1
7日調査あるいは
ては圃場検定,あるいは交配後世代が比較的新しい
1
9
9
0年 6月 1
3日播種, 8月 1
2日調査)を行った。
系統については幼苗検定を行って有望な品種・系統
また, 1
9
9
1年
, 1
9
9
2年
, 1
9
9
3年は幼苗検定のみを
を選抜した。次に代表的系統・品種のアズキ萎凋病
レース 3 (
9
0
7
5
0B) を供試して行った。
抵抗性遺伝子分析を行い,その抵抗性の遺伝様式を
結 果
明らかにすることを目的として本研究を行った。
「十系 4
4
0号」と["Acc8
6
J を除く 3
1品種につい
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
4
5
4
に
戸
ウ
ム
よ
4
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円
“
ヮ
門
1
zn 一;ρ0.7.ι3287.7.9. J3ρ30.0.336.3.6.3.26525.5.0.530962
発川町一
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訊巴
03
#
S一一6
79
73
70
76
88
55
82
85
96
85
95
82
85
70
44
71
68
69
49
64
22
73
52
73
66
68
56
08
70
61
06
80
71
11
ウ
ハU
。
剣先(刈 4号)
小納言(刈 5
5号)
円葉(刈 6
1号)
円葉(刈 7
1号)
能登小豆
Acc1
7
5 (西根在 3M)
茶小豆(中国)
中国在来 1
g
)
USSR-3 (
Acc1055
1iqJFb
2 Acc1
0
5
6
1
0
0
.
0 7
1
0
0
.
0
知北種(I) (愛知)
円
6
9
.
7
浦佐(島根)
栃木円葉 l号(刈7
9号)
早生(刈 8
2号)
高橋早生(刈 8
7
号)
中納言(刈 4
7号)
早生小豆(刈 9
1号)
円葉(刈 6
3号)
岩手大納言
花小豆
Acc6
8 (岩在 5
4
2
2
)
一.︾う
小豆 (
W
7
4
)
小豆 (
W
3
0
)
小豆 (M2)
小豆 (
W
6
9
)
小豆 (
W
1
4
)
小豆 (
W
2
8
)
小豆早生系 4
北庚 1号(端野)
早生円葉(女)
不詳(13
)
小豆早生系 1
小豆早生系 3
石野小豆(更別)
川島小豆(北見)
-qJ
~
4
7
.
4 3
8
7
0
.
6 3
9
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.
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2
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3
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1
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.
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1
.
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2
4
.
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2
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3 4
9
8
5
.6 5
0
81
.6 5
1
8
8
.8 5
2
9
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.
8 5
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2.
3 5
4
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4
.
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5
7
9
.9 5
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6
.
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1
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6
.
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1
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0
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0
1
2
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1 6
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3
4
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2
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.
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1
.
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1
0
.
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0.
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6
1
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1
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0
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0
0
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.3
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0
4
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.
4
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6
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2
.
6
3
.
1
8
.
2
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6
.
0
0
.
0
1
5
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4
7
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6
7
.
5
9
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7
6
2
.
5
一n
一8 3 9 0 9 2 1 2 4 5 2 2 2 6 5 8 2 2 6 6 0 9 0 0 2 7 0 2 5 2 1 2 0 3 7 0
z
u ヮ' q d つんの U つU O D A U
1-u
rl-oo'iFhdoo
ワ
臼 ooqJ1 ιvqdT 7aAUFUn
りハリハ U A U 0 6 0
i
、
ι R d ワ'円t q u Q υ 7
白U F D
ワ ワd 且U Q u o d Q U i o u Q J F U
d Q J 白U F b d b n b
/O-fr. o d Q d n b Q d n b 4
~.O
品種・系統
E 一一
~.9
No
一
1
0
/
J
u
n
.3
0
/
J
u
n
. 4
/
S
e
p
病一 m 一ι ι ρ ρ ρ ρ 5 3 7 1 1
・5 6 7 3 3 3 5 1 3 ρ f ρ ρ 3 3 1 1 0 3 1 3 3 5 ρ
訟 七 一 LH 一 Qd ワd A せ Aせ 1i 氏U にυ n b A せ Q d q δ Q o n y q d Q U A U 7 a Q U つd つb n v n b A υ ハU ハU 1 ょ 。 δ q d Q d i A - A せ
4111111112211241623961
発病度
旬EA
12
0
2
0
2 2
0
2
5
36
0
4
1
46
0
6
7
56
1
3
3
8
5
号
6 十系 1
7 十系 2
0
7
号
8 十系 3
2
5号
9 十系 3
3
7号
1
0 十系 3
5
0号
1
1 十系 3
9
9号
1
2 十 育8
0号
1
3 十 育9
6
号
1
4 十 育1
0
6号
1
5 十 育1
0
8
号
1
6 十 育1
1
5
号
1
7 十育 1
1
7
号
1
8 十 育1
1
8号
1
9 十 育1
1
9号
2
0 十 育1
2
0号
2
1 十 育1
2
2号
2
2 十 育1
2
3
号
2
3 茶殻早生
2
4 ハヤテショウズ
2
5 光小豆
2
6 宝小豆
2
7 栄小豆
2
8 寿小豆
2
9 ハツネショウズ
3
0 エリモショズ
3
1 早生大納言
3
2 早生大粒 1号
3
3 アカネダイナゴン
3
4 べニダイナゴン
3
5 ホッカイシロショウズ
3
6 斑小粒系 1号
発病率(%)
ハHV一
品種・系統
一
一
ヲ
一
ト
人
一
No
O
- 一仏一一
一
表5
0 アズキ萎凋病激発闘場における品種抵抗性の比較
T
a
b
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e5
0 R
e
s
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t
a
n
c
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n
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l
dc
o
n
d
i
t
i
o
n
てはレース 3を用いた幼苗検定と圃場検定の結果は
らの 2系統のみであり,その理由は明らかではな
一致した(表 51
)0 ["十系 4
4
0
J 号の場合,幼苗検定
い。しかし両系統の DSIは比較的低く,初生葉に
.9
3
),園場検定では抵抗
での判定は擢病性 (DSI=1
病徴が現れる程度で全く弱い系統とは言えず,耐病
性 (DSI=O.30), [
"Acc86J の 場 合 , 幼 苗 検 定 で
'性といってよい。
DSI=1
.3
1,圃場検定で DSI=O.77となった。この
ように幼苗検定と圃場検定の結果が異なるのはこれ
アズキ萎凋病抵抗性母本の候補を 5年間で 2
8品
1,5
2
)。
種選抜した(表 5
4
5
5
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
表5
1 抵抗性品種作出のためのアズキ母本の幼苗検定選
抜と圃場検定の比較
Table5
1 R
e
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s
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s
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表5
2 抵抗性品種作出のためのアズキ幼苗検定
Table5
2 R
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n
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i
n
巴sa
ndc
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年度
品種,系統
9
0
苗7
検
5
0
定
B)
(
幼
D
S
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a
)
年度
品種,系統
幼苗検定
(KF843)
1
9
8
9
アカネダイナゴン
2
.
0
2Sb
)
1
.
6
4S
金時(長野)
2
.
7
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2.
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2.52S
2
.
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O.OOR
2
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O.OOR
2.13S
2.99S
2.77S
2.04S
2
.
1
2S
美甘大納言
小長品 1
0
浦佐(島根)
丸葉(刈 6
8号)
黒小豆(岡山)
京都大納言
大納言(兵庫)
川島小豆(北見)
十育8
0号
十育9
6号
十育 1
2
5
号
十系 2
0
7号
十系 3
2
3号
O.OOR
2
.
4
0S
O.OOR
O.OOR
2.18S
2.80S
2.67S
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.
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2.02S
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1.95S
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1
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O.OOR
O.OOR
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1
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O.OOR
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1
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3
1S
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0
Acc1
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1
2
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5
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0.40R
Acc2
6
6
Acc1
0
5
6
O.OOR
O.OOR
2.65S
十系 3
3
7号
十系 3
5
0号
十系 4
4
0
号
十系 4
2
5
号
寿小豆
1
9
9
0
園場検定
(新篠津村)
清原春小豆
黒小豆(刈 1
1
4号)
十育9
1号
姉子系ー1
Acc7
8
7
Acc1
0
9
0
Acc1
5
5
3
十育1
1
8
号
O.OOR
2.69S
1
.7
4S
1
.
6
4S
2.97S
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0.45R
0.34R
1
9
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1
1
9
9
2
1
.00R
1.72S
0.79R
O.OOR
0.64R
0.30R
0.79R
1.00R
0.77R
2.45S
1
.00R
0.54R
O.72R
2.86S
1
.00R
2.96S
2.87S
2.66S
2.80S
2.56S
0.90R
1
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b) S :擢病性反応, R:抵抗性反応
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Acc66
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2
Acc1
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Acc1
2
0
5
Acc1
2
5
0
Acc1
4
9
0
Acc1
5
5
3
小豆 (W20)
1.96S
2.08S
2.24S
2.35S
2.64S
2.37S
2.30S
1
.8
1S
2.02S
早生大粒 (
W13)
1
.88S
1
.43S
0.22R
1
.
1
6S
2.85S
O.OOR
2.08S
0.19R
0.58R
0.31R
0.47R
2
.
8
1S
2.94S
0.81R
2.43S
2.79S
1.23S
1
.
2
2S
小豆(日試) (
W24)
Acc2
3
9
Acc3
8
5
Acc9
1
0
十系 5
6
0
号
9
2
0
8
9
8624F5-6
1
9
9
3
Acc6
2
Acc8
2
0
Acc8
2
6
Acc1
0
8
5CBu
Acc2
0
3
8
北 育 3号一3
十系 3
4
号
エリモショウズ
ハツネショウズ
アカネグPイナゴン
0.51R
1.79S
a) D
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ylndex
b) S:擢病性反応, R 抵抗性反応
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i
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e, R:R
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i
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t
a
n
t
.
場において十育系統,十系系統,予備選抜系統のア
ズ キ 萎 凋 病 抵 抗 性 検 定 試 験 を 行 っ た 。 区 制 は 1区
l
.2m2, 株 間 10cm1粒まきとし, 2反 復 し た 。 施
C. 圃 場 検 定
肥は農家慣行法とした。
材料と方法
結
1988年 か ら 1
9
9
2年 ま で 5年 間 , 新 篠 津 村 発 病 圃
果
5年 間 で 616系 統 に つ い て 検 定 を 行 っ た 。 そ の 中
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
4
5
6
から「十育 1
2
7号(十系 4
5
4号 )
jは
, 4年間供試し
9
9
4
て,いずれの年においても抵抗性反応を示し, 1
年には「きたのおとめ」として品種登録された(具
体的データは略)。
D
. 幼首検定による選抜
材料と方法
十勝農業試験場豆類第 2科で育成したアズキ系統
の中から,アズキ萎凋病抵抗性の有望品種が特性検
定試験で選抜されてきたので,レースごとの反応を
3 液体培地の組成
表5
T
a
b
l
e5
3 C
o
n
t
e
n
t
so
fl
i
q
u
i
dmediumf
o
ri
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o
c
u
l
u
m
K,
HP04
MgS04
KCl
Fe-EDTA
0
.
5
g
0
.
5
g
0
.
5
g
10.0mg
3
0
.
0
g
2
.
0
g
1
.0
g
1
.0L
しょ糖
L-アスノ fラギン
酵母抽出物
蒸留水
3に示した胞子形成用液体培地で各
確認した。表 5
菌株を 3週間培養し, 4重のガーゼでろ過した分生
胞子様菌体を 1
0
6
/ml濃度にして,この懸濁液に子
葉展開期の各系統 12~15 本の苦を 1 晩浸潰した。
これらをポットにつめた無発病土壌に移植し, 4
0
日後に前述の基準で調査し,判定した。供試菌株は
KF646A(レース1), KF654C(レース 2
),90-750
B (レース 3
) である。
同様にして,育成系統の中からアズキ萎凋病抵抗
性品種を選抜するため,菌株 9
0一7
5
0B (レース 3
)
あるいは B-6(レース 3,1993年剣淵町の擢病アズ
表5
4 液体培地で形成した接種源による発病
Table5
4 D
i
s
e
a
s
es
e
v
e
r
i
t
yo
fa
d
z
u
k
ibeanc
u
l
t
i
v
a
r
s
w
i
t
hi
n
o
c
u
l
u
mmadei
nl
i
q
u
i
dm巴dium
菌株
KF646
KF654
KF843
レース
1
2
3
寿小豆
2
.
2
1a
)
2
.
5
6
2
.
7
3
品
種
光小豆
ハツネショウズ
0
.
4
5
1
.4
5
1
.5
2
0
.
0
0
0
.
2
8
1
.3
4
a) D
i
s
e
a
s
es
e
v
e
r
i
t
yi
n
d
e
x
キから分離)を用いて幼苗検定を行った。
次に,幼苗検定法により F5,F6世代の抵抗性
系統選抜を行った。菌株は KF843 (レース 3
) を用
いT
こ
。
なお,液体培地 47) で形成した接種源を用いて,
PDA培地で培養した分生子による接種方法と同様
に「寿小豆 j, 1
光小豆 j, 1
ハツネショウズ」に接種
して各レースについて病原性を確認した。
結 果
「十育 1
2
7号 J
,1
十育 1
3
1号 j, 1
十育 1
3
2号」は 3
つのレースに対して抵抗性の反応を示した(表 5
5
)。
また, 1993年と 1994年の試験では,対照の「エリ
モショウズ j, 1
ハツネショウズ j, 1
アカネダイナゴ
表5
5 アズキ萎凋病抵抗性有望品種の幼苗検定
Table5
5 Rooti
n
o
c
u
l
a
t
i
o
nt
巴s
tf
o
rc
e
r
t
i
f
i
c
a
t
i
o
no
f
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tc
u
l
t
i
v
a
r
st
oa
d
z
u
k
ibeanwi1
t
D
S
l
a
)
系統・品種
十育 1
2
7号
十育 1
3
1号
十育 1
3
2号
ハヤテショウズ
エリモショウズ
レース 1 レース 2 レース 3
(KF646A) (KF654C) (
9
0
7
5
0
B
)
O.OOR
O.OOR
O.OOR
2.28S
1
.
9
1S
O.OOR
O.OOR
O.OOR
2.63S
2.28S
O.OOR
0.20R
0.
40R
2.98S
2.60S
a) D
i
s
e
a
s
es
e
v
e
r
i
t
yi
n
d
e
x
ンj を除く 3
4品種・系統が抵抗性であった(表 5
6,
1
ハヤテショウズ j, 1
エリモショウズ」はもと
抜できた(表 5
8
)。このほかにも 1
8
2
0
2F5
2
3
J,1
十
より,すべての抵抗性の品種の匪軸からもアズキ萎
5
1
3
5
j, 1
十系 393号J を交配母本する
系 379号 j,1
5
7
)0
凋病菌の各レースが再分離され,維管束の褐変など
ことも有効であった。「十系 4
4
0号Jについては,幼
の症状がないにもかかわらず病原菌が侵入してい
苗試験で弱いながら羅病性の反応を示し,圃場では
た
。
抵抗性を示す系統であるが,これを母本としたとき
液体培地で培養した接種源を用いても先の結果と
同様であり(表 5
4
),本接種源は幼苗検定に有効で
ほとんどが抵抗性であることから,抵抗性系統と考
えて差し支えないと考えられた。
1
十系
ただ,羅病性と判定された「光小豆 Jx1
6
0
41Jの
3
5
0号 j
,1
十育 1
2
3号 j
,1
十 系 337号j, 1
6
0
6
7j を
組み合わせでも抵抗性系統が相当選抜されたことに
交配母本とすることで,高い確率で抵抗性系統を選
ついては,今後さらに検討する必要がある。
ある。この方法で接種試験を行った結果,
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
表5
6 幼苗検定による有望系統の探索 (
1
9
9
3年試験)
Table5
6 Root i
n
o
c
u
l
a
t
i
o
nt
e
s
tf
o
rs
c
r
e
e
n
i
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go
f
r
e
s
i
s
t
a
n
tl
i
n
e
so
fa
d
z
u
k
ibeani
n1
9
9
3
系統名
母
十育 1
3
4号
十育 1
3
5号
十育 1
3
6号
十系 5
4
2号
十系 5
5
6号
十系 5
7
3号
十系 5
7
6
号
十系 5
8
2号
十系 5
8
3号
十系 5
8
4
号
TA2
9
0
0
1
7
十系 3
2
5
号
十育8
0号
3
8号
十系 4
十育 1
1
9号
十育 1
1
9号
6
0
6
7
十系 3
9
3号
十育 1
2
3号
十系 3
2
5号
十系 3
5
0号
十育 1
2
0号
6
0
6
7
十系 3
5
0号
6
1
3
3
十育 1
2
3号
十系 3
5
0号
十系 3
5
0号
十系 3
5
0号
十系 3
5
0号
十系 3
5
0号
十系 3
5
0号
十系 3
5
0
号
Acc1
5
5
3
十系 4
5
9号
エリモショウズ
十育 1
2
3号
十育 1
2
3号
十育 1
2
3
号
十育 1
2
3号
十育 1
2
3号
十育 1
2
3号
十育 1
2
3号
十系 3
5
0号
8
0
4
9
8
0
3
9
十系 4
3
8号
十系 4
9
1号
十系 4
2
5号
十系 4
8
5号
十系 5
8
5号
十系 5
8
6号
十系 5
8
7号
十系 5
8
8号
十系 5
8
9号
十系 5
9
0号
十系 5
9
1号
十系 5
9
3
号
十系 5
9
4号
9
3
心0
2
父
DSI
0.79R
2
.
2
4S
O.OOR
0.51R
0.62R
0.94R
0.77R
0.19R
O.OOR
0.33R
O.OOR
O.OOR
0.43R
0.41R
47R
0.
O.OOR
0.33R
0.33R
0.19R
O.OOR
0
7
5
0B (レース 3)
供試菌株は 9
I
s
o
l
a
t
e9
0
7
5
0B (
r
e
c
e3
)wasu
s
e
df
o
rt
h
i
st
e
s
t
E
. アズキ萎凋病抵抗性の遺伝子分析
材料と方法
レース判定品種の「光小豆JrハツネショウズJr十
育 123号」と 3レースすべてに擢病性の「斑小粒系
1号 Jと交配を行い,それぞれの F1
, F2の各レー
4
5
7
表5
7 幼苗検定による有望系統の探索(19
9
4年試験)
Table5
7 Root i
n
o
c
u
l
a
t
i
o
nt
e
s
tf
o
rs
c
r
e
e
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a
n
tl
i
n
e
so
fa
d
z
u
k
ibeani
n1
9
9
4
DSI
系 名
十育 1
3
6号
十育 1
3
7
号
十系 5
8
5
号
十系 5
9
4号
十系 6
0
4
号
十系 6
0
5
号
十系 6
0
6号
十系 6
0
7号
十系 6
0
8
号
十系 6
0
9号
十系 6
1
0号
十系 6
1
1号
十系 6
1
2号
十系 6
1
3号
十系 6
1
4号
十系 6
1
5号
十系 6
1
6
号
十系 6
2
2号
十系 3
6
号
母
父
B-6 9
0
7
5
0B
十系 4
3
8号 十 育 1
2
3
号
7
0
6
7
十系 3
5
0号
十系 3
5
0号 十 育 1
2
3号
十系 4
3
8号 十 系 4
2
5号
十系 4
9
1号 十 系 4
8
5
号
0.49R 0.58R
0.31R 0.58R
0.64R 0.67R
0.49R 0.81R
0.76R 0.80R
十系 4
8
7号 0.30R 0.76R
9
0
4
3
十育 1
2
7
号 十 系4
8
5号 0.81R 0.88R
十育 1
2
7
号 十 系4
8
5号 0.81R 0.86R
十育 1
2
7号 十 系 4
8
5
号 0.56R 0.87R
十育 1
2
7号 十 系 4
8
5号 O.71R 0.97R
十育 1
2
7
号 十 系4
8
5号 0.85R 0.93R
8
0
6
4
十育 1
2
3号 0.60R 0.97R
8
0
6
4
十系 4
2
5
号 1
.56S 2.48S
8
0
6
4
十系 4
2
5号 0.83R 0.88R
十系 4
5
9号
十育 1
2
5号
十育 1
2
2号
8
4
1
9F5
Acc7
1
8
0
6
4
8
0
3
9
十系 4
5
9号
9
4
0
1
1
9
4
0
1
7
9
4
0
2
5
9
4
0
3
2
Acc2
1
0
0
エリモショウズ
ハツネショウズ
2.
3
5S
1
.43S
O.OOR
3
.
0
0S
2
.
0
3S
1
.4
7R
O.OOR
2.60S
2.62S
2.
7
2S
2.40S
0.41R
3.00S
2.06S
1
.98R
0.18R
2.75S
2.81S
3
.
0
0S 3
.
0
0S
2.74S 2.96S
2
.
0
9S 1
.79S
1
.1
7S 1
.9
8S
アカネダイナゴン
スに対する反応を見, X2分析により遺伝子分析を
行った。接種法は,前述の方法と同様である。
対する抵抗性と擢病性の分離比は 1:3と推定され,
「光小豆 j I
ハツネショウズ j I
十 育 123号」の抵抗
「光小豆Jのレース 1に対する抵抗性は 1対の劣性
性遺伝子座についてその異同を検討した。「光小豆」
遺伝子に支配されていると考えられた。同様に「ハ
と「十育 123号 j
,I
ハツネショウズ jと「十育 123号 J
ツネショウズ jのレース 1
, 2に対する抵抗性は 1対
の 交 配 か ら 得 た F,
1 F2の,レース 1
,レース 2
の劣性遺伝子に支配されていることが明らかになつ
に対する反応からそれを推定した。
た(表 5
9
)。ただ,これら抵抗性遺伝子の遺伝子座
また,レース 2あるいはレース 3を「光小豆」に
接種したときの発病率を「斑小粒系 1号」の場合と
についての異同については明らかではない。
一方
I
十 育 123号」のレース
1
, 2, 3に対する
比 較 し た 。 浸 根 接 種 し た 両 品 種 の 苗 30本 づ つ を
抵抗性は 1対の優性遺伝子に支配されていることが
40X30XI0cmの同一の箱(中に滅菌土壌をつめた)
明らかになり,
に移植し,発病を見た。実験は 3反復した。
小豆 j, I
ハツネショウズ j の抵抗性遺伝子のとは異
結 果
なる遺伝子座に存在すると推定された(表 6
0
)。
「光小豆」と「斑小粒系 1号」の F2のレース 1に
I
十育 123号」の抵抗性遺伝子は「光
「斑小粒系 1号」はレース 1
, 2,3に対し 100%発
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
4
5
8
表5
8 幼苗検定による系統選抜
Table5
8 Scr
巴巴 n
i
n
go
fr
e
s
i
s
t
a
n
tl
i
n
e
sfromF5p
r
o
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i
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su
s
i
n
gas
e
e
d
l
i
n
gr
o
o
td
i
pprocedure
試験年度
世代
F5
1
9
8
9
1
9
9
0
F5
交配組合わせ
抵抗性系統数
十系 3
5
0号×ハツネショウズ
十育 1
2
0号×十系 3
5
0号
小豆 (M2)X十系 350号
小豆 (W30)x十系 350号
エリモショウズ×十系 350号
5
0号
6041X十系 3
十育 1
1
9
号×十系 350号
エリモショウズ x8202F5-23
十育8
0号×十系 3
5
0号
十育8
0号×十系 3
7
9号
十育8
0号 X5135
十育8
0号×十系 3
9
3号
エリモショウズ×十系 337号
光小豆×十系 3
3
9号
十育 1
1
9号×十育 1
2
3号
光小立 X6041
十系 440号×ハツネショウズ
5
0
号
7067X十系 3
6067X十育1
2
0号
十系 438号×十育 1
2
3号
小豆 (M2)X十育 1
2
3
号
6
0
6
7x6
1
3
3
5
8
権病性系統数
2
4
7
4
4
5
2
1
0
3
2
2
7
6
1
7
7
4
1
3
3
4
2
8
6
6
9
。
3
2
7
2
1
0
9
2
1
3
7
7
6
5
3
8
1
7
7
1
3
9
3
4
9
。
3
2
2
。
1
8
5
1
4
6
7
2
6
6
1
4
病したのに比べて. I
光小豆」は,平均でレース 2に
遺伝子と「光小豆」あるいは「ハツネショウズ jの
対して 9.9%. レース 3に対しては 16.3%と,供試
抵抗性遺伝子は複対立遺伝子ではないことが明らか
したすべての個体が発病することはなかった(表
になった。さらに. I
十育 123号」は「光小豆」ある
61
)
。
いは「ハツネショウズ j が持つ抵抗性遺伝子は持た
F
.考 察
ないと考えられ,すべてのレースに抵抗性を示す抵
アズキ萎凋病菌のレースを明らかにし,多数の品
赤豆」
抗性遺伝子のみを有する品種である。一方. I
種・系統の圃場での反応との関連を明らかにする過
は「ハツネショウズ Jの親品種であるが,すべての
程で,レース 3を用いた幼菌検定が抵抗性品種選抜
ハツネショウズ」の
レースに抵抗性の反応を示し. I
1 主として抵抗
に有効であることが明らかになり 5
抵抗性遺伝子の他に,これとは別の遺伝子座に座乗
性系統を交配親として 22組み合わせ. 1217系統を
する抵抗性遺伝子を持つと考えられ,抵抗性遺伝子
検定した。その結果,高率で抵抗性系統が選抜され
を複数持つ品種の一例であろう。
た。圃場検定も同時に行って 5年間で 616系統を検
他の品種・系統についての抵抗性遺伝子分析は,
討したが,幼苗検定法は閏場検定より大量,正確か
Jについて行った
部分的ながら「花小豆(刈 154号)
っ迅速に抵抗性系統の選抜が可能であることは明ら
(未発表)。この品種は「十育 123号」と同様にすべ
かである。これまでの結果から,アズキ萎凋病の防
てのレースに抵抗性を示すが,その抵抗性遺伝子は
除法として最も効果的であるのが抵抗性品種の栽培
異なるようである。抵抗性に関与する遺伝子は複数
であるが,これらの系統の中から将来有望な品種が
存在する可能性があり,抵抗性かつ良質品種を育種
選抜されると考えられる。
する上で今後それを明らかにする必要がある。ま
抵抗性の遺伝子分析から「十育 123号 J(抵抗性は
「小長品
1
0
J に由来すると考えられる)の抵抗性
光小立」あるいは「ハツネショウズ jが「寿小
た. I
豆 Jや「ハヤテショウズ」のように接種個体のほと
4
5
9
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
表5
9 アズキ萎凋病抵抗性の遺伝子分析
Table5
9 I
n
h
e
r
i
t
a
n
c
eo
fr
e
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s
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i
b
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u
k
ibeanc
u
l
t
i
v
a
r
s
レース(菌株)
1
(KF
6
4
6
)
供試本数
品種と交配
光小豆
ハツネショウズ
十育 1
2
3号
斑小粒系 1号
F1 (光小豆×斑小粒系 1
号)
号)
F2 (光小豆×斑小粒系 1
F1(ハツネショウズ×斑小粒系 1
号)
F2 (ハツネショウズ×斑小粒系 1
号)
F1(十育 1
2
3号×斑小粒系 1
号)
2
3
号×斑小粒系 1
号)
F2 (十育 1
2
(KF
6
5
4
)
光小豆
ハツネショウズ
十育 1
2
3号
斑小粒系 1号
号)
F1(光小豆×斑小粒系 I
F2 (光小豆×斑小粒系 1
号)
号)
F1 (ハツネショウズ×斑小粒系 1
号)
F2 (ハツネショウズ×斑小粒系 1
F1(十育 1
2
3号×斑小粒系 1
号)
F2 (十育 1
2
3
号×斑小粒系 1
号)
3
(KF843)
光小豆
ハツネショウズ
十育 1
2
3
号
斑小粒系 1号
号)
F1(光小豆×斑小粒系 1
号)
F2 (光小豆×斑小粒系 1
号)
F1(ハツネショウズ×斑小粒系 1
号)
F2 (ハツネショウズ×斑小粒系 1
2
3号×斑小粒系 1
号)
F1(十育 1
2
3号×斑小粒系 1
号)
F2 (十育 1
3
0
3
0
2
7
3
0
3
1
2
0
1
4
1
2
0
3
3
6
7
3
0
3
0
3
0
3
0
2
0
1
4
9
1
5
9
9
3
0
1
3
2
3
3
3
0
2
9
3
0
1
9
1
2
0
8
1
2
0
3
1
2
1
3
分
理論比
離
観察比
30R:OS
30R:OS
27R:OS
OR:30S
2R:IS
39R:81S
10R:4S
31R:89S
33R:OS
51R:16S
20R:10S
30R:OS
30R:OS
OR:30S
7R:13S
A
l
lS
52R:97S
A
l
lS
3R:13S
lR:3S 27R:72S
A
l
lR
30R:OS
3R :1S 1
0
2R :3
0S
llR:19S
A
l
lS
A
l
lS
21R:9S
A
l
lR
29R:OS
A
l
lS
OR:30S
6R:13S
A
l
lS
4R:116S
6R:2S
A
l
lS
7R:113S
A
l
lR
31R:OS
3R :1S 1
6
5R :4
8S
A
l
lR
A
l
lR
A
l
lR
A
l
lS
A
l
lS
lR:3S
A
l
lS
lR:3S
A
l
lR
3R:IS
A
l
lS
A
l
lR
A
l
lR
A
l
lS
x
'i
{
直
P
3
.
6
0
0.05~0.10
0
.
0
4
0.80~0.90
0
.
0
8
0.70~0.80
0
.
2
7
0.50~0.70
0
.
3
6
0.50~0.70
0
.
6
9
0.30~0.50
表6
0 十 育1
2
3
号と光小豆及びハツネショウズの抵抗性遺伝子座について
e
s
i
s
t
a
n
c
e Gen
巴 L
o
c
it
o Fusarium o
x
y
ゆo
rum f
.s
p
.a
d
z
u
k
i
c
o
l
ai
n Adzuki Bean
T
a
b
l
e6
0 R
C
u
l
t
i
v
a
r
sH
i
k
a
r
ishozu,Hatsunes
h
o
z
uandToikuNo
.1
2
3
レース
1 (KF646A)
2 (KF654C)
組み合わせ a)
HIKX123 Fl
HIKx123 F2
HATx123 Fl
HATx123 F2
HATx123 Fl
HATX123 F2
分
理論比
離
観察比
A
l
lR
13R:3S
A
l
lR
13R:3S
A
l
lR
13R:3S
9R:OS
85R:10S
10R:OS
1S
78R:l
10R:OS
68R:10S
a) HIK:光小豆, HAT:ハツネショウズ, 1
2
3
:十 育 1
2
3号
HIK:H
i
k
a
r
is
h
o
z
u,HAT:Hatsunes
h
o
z
u,1
2
3
:ToikuNo. 1
2
3
x
'値
P
3.
42
6
0.02~0.05
2
.
3
8
6
0.05~0.10
1
.8
0
0
0.10~0.20
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
4
6
0
表6
1 レース 2, 3の小豆と斑小粒系 1号に対する病原
力の比較
T
a
b
l
e6
1 Comparisono
fv
i
r
u
l
e
n
c
eo
fr
a
c
巴 2a
nd3
on H
i
k
a
r
i
s
h
o
z
u and Buchishoryukei
N
o
.
l
レース
(菌株)
反復
2
(KF
6
5
4
)
2
3
3
1
(KF
8
4
3
)
2
3
口
口口
種
光小豆
斑小粒系 1号
光小豆
斑小粒系 1号
光小豆
斑小粒系 1号
光小豆
斑小粒系 1号
光小豆
斑小粒系 1号
光小豆
斑小粒系 1号
抗性遺伝子が強い連鎖関係にあるのだろう。
Jのようなアズキ茎疫病
将来的には「浦佐(島根)
抵抗性品種を利用して,アズキ茎疫病も含めた 3病
害に抵抗性の品種育成が可能と考えられる。
R:S
V
I
I
.総 合 考 察
2
8
:2
3
0
津村で初めて発見された病害である。その後,空
。
:
2
8
:2
:
。30
1
7
:4
:
。25
2
6
:5
。
:25
2
3
:7
。
:30
2
8
:3
。
:30
アズキ萎凋病は, 1
9
8
3年に北海道石狩支庁新篠
知,上川支庁管内で発生が確認され,面積は少ない
ものの後志,胆振支庁管内でも発生している。しか
し,北海道のアズキ生産の 40%以上を占める大産
地である十勝支庁管内では未だ発生は認められてい
ない。
アズキの主要な土壌病害であるアズキ溶葉病は
1960年代後半から,そして 1
9
7
0年代中頃からはア
ズキ茎疫病の発生が認められてきたが,アズキ立枯
病も古くからアズキの病害として注目されてきた病
害の一つである。当初,アズキ萎凋病はアズキ立枯
んどが発病するということがなく,常に一部のみし
usarium
病として報告され,その分化型は F
か発病しないことからから,これらの抵抗性には主
Q;l汐ゆ o
rumf
.s
p
.a
d
z
u
k
i
c
o
l
aとされた。しかし,ア
働遺伝子のほかに微動遺伝子が関与している可能性
ズキ立枯病の病原菌は F
.o
x
y
s
ρorum f
.s
p
.
があり,多様な抵抗性遺伝子を持つと考えられる。
ρh
a
s
e
o
l
iとして既に記載されているとと,病徴など
また,
r
黒小豆(岡山 )
Jr
円葉(刈 6
3号)Jr
小長
記載と異なる点が多いことなどから,本研究で再確
品1
0
J は,アズキ萎凋病の抵抗性の遺伝子素材で,
認を行った。各種作物に対する病原性試験,病徴の
いずれも本州から採集された品種・系統である。現
検討からこれまでのアズキ立枯病の報告とは異な
在までの所,本州ではアズキ萎凋病の発生は確認さ
り,新病害であることを確認した。なお,病原菌の
れていない。これら品種・系統あるいはこれらを母
. 0λ:
y
s
t
o
r
分化型は,先命権の関係からそのまま F
本とする品種がどのくらい本州に分布しているか明
umf
.s
p
.a
d
z
u
k
i
c
o
l
aとされた。
かではないが,本州に何故本病が存在しないのかと
また, 3
2品種・系統を用いた接種試験の結果,ア
いう問題を考える上で,抵抗性の品種・系統の存在
,
ズキ萎凋病には 3つのレースが存在し,レース 1
は重要な鍵になると考えられる。これまでのアズキ
2および 3 と名付けた。これら 3レースは本病が発
落葉病の抵抗性品種の育種結果とアズキ萎凋病の抵
生している所からほとんど同時に分離されたが,
抗性品種・系統の選抜結果を比べると大部分の品
レース 1の分離頻度が他の 2レースに比べ高かっ
種・系統は両病害に対する抵抗性擢病性が一致し
た。レース 1に侵されるのは最も弱い品種と判断さ
2
7号」として 4年間圃場
ている。ちなみに「十育 1
, 寿小豆」
れるが,この中には「エリモショウズ J
試験に供試し,幼苗検定でも各レースに対する反応
を確認した「きたのおとめ」も両病害に対して抵抗
r
「ノ¥ヤテショウズ」など主要品種が含まれており,
発生の拡大が懸念された。
性であり, 2つの病気に抵抗性の品種は比較的容易
本病の発生は主として北海道中央から西部の水回
に選抜できると考えられる。中にはアズキ萎凋病に
9
6
0年代から始まった水田利用再編対
転換畑で, 1
抵抗性,アズキ落葉病に擢病性,またその逆の反応
策の進展に伴い,アズキ栽培が増えた地域にあた
を示す系統も見つかったが,同じ導管病に対する抵
9
7
6年に発見されたアズキ茎疫病が 1
9
7
7年に
る
。 1
抗性の機作を考える上で興味深い。おそらく,アズ
は大発生したこともあり,抵抗性品種が求められ,
キ萎凋病の抵抗性に関与する遺伝子がアズキ落葉病
比較的抵抗性であった「寿小豆」の作付けが, 20%
に対しでも多面発現的に作用するのか,両病害の抵
ほどに増えた。しかし,後に明らかになったよう
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
に
,
r
寿小豆」はアズキ萎凋病に対しては最も弱く,
4
6
1
して考えてよい。
激烈な症状を示すため,アズキ萎凋病の存在を際立
F
.o
X
Y
:
S
ρorumは有性世代を欠く糸状菌であるた
たせたのではないかと考えられる。発見当初は先に
め,その遺伝的な多様性については不明なことが多
述べた病名の混乱もあり,明確にアズキ萎凋病と他
いが,近年,硝酸還元能欠損変異株を利用した体細
の病害を区別することができず,一部アズキ茎疫病
胞和合性群により分類する方法が確立され,遺伝的
と判断して積極的に「寿小豆j に転換して行き,ア
背景が明らかにできるようになった。アズキ萎凋病
ズキ萎凋病の大発生を助長した場所もあった。 1
9
8
3
菌の集団構造についてもこの方法で検討した。その
年の新篠津村での大発生も同様な状況だったのでは
結果,ほとんどが一つの群に属し(約 8
5%),その
ないかと考えられる。また,発生地の作物栽培歴と
中には 3つのレースがすべて含まれていた。いずれ
アズキ萎凋病の土壌中菌密度調査あるいは,各作物
の地域の菌株も遺伝的にほぼ同一な集団と考えられ
根圏でのアズキ萎凋病菌の推移から,転作作物とし
る
。
てのコムギはアズキ萎凋病の菌密度減少にはほとん
ど影響しないと考えられる。 F
.o
X
Y
:
S
ρorum f
.s
p
病原菌の起源について言及した中で有名なのは,
P
h
y
t
o
p
h
t
h
o
r
a がωt
a
n
sのメキシコ中央高地起源説
u
αs
i
n
f
e
c
t
u
mはオオムギ栽培後のほうがワタ栽培後
である 7九この説の証拠として病原菌の集団が病原
より菌密度が増加することがある町など,アズキ
性も含めて様々な遺伝的マーカーに関して多様性を
萎凋病菌もコムギ残澄を利用して生存する可能性が
O
')
示すことをあげている。また, V
a
v
i
l
o
v'
は栽培
高い。水稲の栽培はこれとは対照的に菌密度を減少
作物の起源についてではあるが,集団の遺伝的変異
させ,発病率を低下させる。水田化については効果
性はその種が発祥し,他の地域への分布の中心と
があるという報告刊と,それほどの効果が認めら
なった地域に最も高いと提唱した。これらに従う
れないという報告 50) があるが,アズキ萎凋病に対
じ主として新篠津村土壌にはいくつかの別の体細
しては効果的な防除方法である。
胞和合性群が存在しており,遺伝的に多様性が大き
アズキ萎凋病は現在のところ,北海道中央
西部
し先に述べた地域が発生の起源地の可能性が高い
に発生しているのみで,北海道以外ではその発生の
と考えられる。実際この地域は 1
9
5
0年代の開拓期
報告はない。十勝地方の各地のアズキ栽培土壌から
にアズキ栽培に偏っていた経緯もあり,淘汰圧が働
アズキ萎凋病菌の分離を試みたが,全く検出できな
いたと推測される。また,発生地の周辺部に近い剣
かった。一方,発生地付近の防風林内,河畔など非
淵町では,菌株の大部分を占める体細胞和合性群と
耕地土壌からも, 3レースすべてがみつかってお
他の体細胞和合性群と相補性を示す体細胞和合性群
り,本病原菌の拡大,起源を考察する上で興味深
が存在しており,新しい体細胞和合性群の派生の可
い。どのようにしてこの分化型が生じてきたか,ア
能性を示すーっの現象ではないかと考えられる o
ズキの栽培歴もそれほど変わらない十勝地方で何故
発生地の偏りが両地域の非病原性株の体細胞和合
発生しなかったか,その機構は依然として不明であ
性群と関係があるか否かについて,アズキ萎凋病菌
るo 十勝地方の土壌に擢病残澄を接種するとアズキ
と同様な方法で非病原性の F
.o
x
y
s
p
o
r
u
mの遺伝的
萎凋病が同様な発病程度で起きることから,発病抑
多様性について調べた。アズキ萎凋病の発生地と未
止型土壌の可能性はないと考える。また,十勝地方
発生地で一つの体細胞和合性群に顕著な頻度の差が
の土壌凍結が病原菌の生存に及ぼす影響について検
認められた以外は確認された 3
5体細胞和合性群の
討したが,凍結状態で厚膜胞子は長期間生存してお
うち上位 1
0体細胞和合性群の中に両地域とも 70%
り,全く影響が認められなかった。作付け品種も羅
以上の菌株が含まれ,優先する体細胞和合性群はほ
病性である「エリモショウズjが 70%程を占め,当
然病原菌が存在すれば発病が認められると予想さ
ぼ同様と考えてよい。アズキ萎凋病菌と非病原性株
9)のように
の聞には F
.o
X
Y
:
S
ρorumf
.s
p
.a
s
t
a
r
a
g
i'
れ,抵抗性品種による影響もないと考えられる。
相補性は認められる場合はなかった。
広い発生面積,発見の経緯などを考えるとアズキ
萎凋病の発生の起源は新篠津村から当別町付近では
K
i
s
t
l
e
re
ta
l
.38)は,1
ぐo
x
y
.
司
porumの rDNAの
制限酵素サイトは N
eurospora属菌に比べ変異が少
ないかと推測される。新篠津村と当別町の発生が激
なく,種レベルで現れるもので分化型段階では検出
しい地域はほとんど隣接するところで,同一地域と
できないと論議している。それに対し mtD
NAの
4
6
2
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
RFLPは個体群聞の遺伝的相違を探索できるとし,
ズキ急性萎凋症」が北海道石狩支庁石狩郡新篠津村
アブラナ科作物に病原性のある F
. oxysporum各 分
の「寿小豆」にはじめて発見された。激発地では 7月
化型について調べ,明瞭な違いを認めた。さらに,
末に全株枯死するなど惨状を呈した。発見当初,こ
PCR法を用い,ランダムな単一プライマーを使う
RAPD法により,簡便に分化型を判別することを
の病害の病名について混乱が生じたのでそれを整理
した。次いで,病原菌の生態,分類について検討
目的とした報告がなされた 61)。このような方法は,
し,抵抗性品種の利用も含めた防除法を確立する目
遺伝的な分類,系統発生学的研究に多大な威力を発
的で本研究を行った。
揮すると思うが,その病原性がどのような機能で発
1
,発生状況と病原菌
現されるのか明らかにするのは困難であるo
Xue&Goodwin110)は,Lψt
o
s
p
h
a
e
r
i
a maculans
1
. 発生実態
の強病原性株と弱病原性株の病原性の違いをその機
アズキ萎凋病の発生分布は主として石狩,空知,
能については明らかにしていないものの,ミトコン
上川│支庁管内を中心とした北海道中央部から西部に
ドリア大 rDNAの V領域の挿入塩基配列の違いか
限られており,アズキの大産地である十勝支庁管内
ら説明しようとした。本論文でも rDNAの ITS領
では発生が認められていない。
域のほか,ミトコンドリア小 rDNAとミトコンド
2
.病 徴
リア大 rDNAについて同様なプライマーを用いて
初発の時期は品種によって異なるが,標準的な栽
検討したが,分化型聞はもとより,病原性と非病原
培(
5月下旬播種)においては本病に感受性の品種の
性菌株の問でも増幅産物に明らかな違いは,一部を
発病は,播種してからほぽ 1月後の 6月下旬から見
除いて認められなかった。今後,ミトコンドリア
られ,発病初期には初生葉が縁から黄化し,しだい
DNAの他の部分の塩基配列さらに構造の検討が必
に葉脈にえそが現れる。また,本棄には葉脈えその
要と考えられる。
ほかに萎縮症状が現れる。また,
r
I
ハヤテショウ
アズキ萎凋病菌のレースの検討の過程から,アズ
ズJ
, 寿小豆」に比べて症状が現れるのに時間がか
キ萎凋病抵抗性の多数の品種・系統を園場検定,あ
かる「エリモショウズ j のように葉脈のえそが明確
るいは幼苗検定で選抜することができた。幼苗検定
ではなく,萎縮症状のみが顕著な品種もある。ま
法は簡易検定法として優れており,短期間で多数の
た,ときには水浸状の褐色斑紋が現れることもあ
品種・系統を検定できる。また,アズキ落葉病とア
る。最終的には病株全体の葉がしおれ,枯れ上がっ
ズキ萎凋病抵抗性の強い連鎖あるいは多面発現が推
てくる。茎を切断すると維管束が褐変しており,導
測されたことにより,アズキ落葉病の接種試験が難
管には菌糸が充満している。
しいことを考慮して,アズキ萎凋病による検定で同
3
. 病原菌の同定と病名
時にアズキ落葉病抵抗性系統の選抜ができる可能性
接種試験では,アズキ萎凋病菌はアズキ以外の
がある。このためには遺伝子分析など,まだ検討す
1
7属の植物には病気を起こさず,さらにインゲン
べきことは残っているが,両病害の反応を多数比較
マメ,ベニバナインゲン各品種に対しても病原性は
する限りでは充分現実性がある方法と考えられる。
え
ない。また,近縁の宿主の病原菌である, 1
本病の防除法として 5年から 6年水稲を栽培するこ
o
x
y
s
p
o
r
u
m f
.s
p
.
ρh
a
s
e
o
l
i,F
. oxysporum f
.s
p
.
とで本病の発生を防ぐことができると結論したが,
tracheiphilumは , F. oxysporum f
.s
p
.
この方法は効果的であるが時聞がかかることもあ
m
e
d
i
c
a
g
i
n
i
sはアズキに対し病原性を示さなかっ
り,計画的な運営が必要である。一方,抵抗性品種
た。これらのことから本菌はアズキのみを侵す F
.
の栽培は農業生産のコストを下げ,アズキ生産への
o
x
y
s
p
o
r
u
mの新分化型であることが再確認された。
貢献は大である。アズキ萎凋病の他,アズキ落葉
病,アズキ茎疫病すべてに抵抗性の品種を育成する
ことが望まれている。
摘 要
1983年にアズキが急激に萎凋し,立ち枯れる「ア
そこで本病害をアズキ萎凋病,病原菌を F
.
0
砂I
s
p
o
r
u
mf
.s
p
.a
d
z
u
k
i
c
o
l
aとし,アズキ立枯病菌
. oxysporum f
.s
p
.
ρh
a
s
e
o
l
iとは異なる分
である F
化型であることを明らかにした。
4,レースの存在
アズキ萎凋病菌には 3つのレースが存在すること
4
6
3
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
が明らかになった。レース 1は「エリモショウズ j
0番固
まとめて菌株数の多い方から並べたとき, 1
「寿小豆 j I
宝小豆J
などを侵すが「光小豆 j, I
ハツ
までの VCGに含まれる菌株の割合は発生地,未発
ネショウズ」は侵すことができず,レース 2は「光
生地それぞれ 7
1
.3%,77.7%となり,その中には
小豆」を,レース 3は「光小豆 j, I
ハツネショウズ」
それぞれの地域単独の VCGは認められなかった。
I
十育 1
2
3号 j, I
花小豆 j, I
赤豆 j, I
十系
3
2
5号j,I
Acc68(岩佐 54-22)j,I
円葉(刈 6
3号 )
j
3
. リボソーム RNA遺伝子からの増幅断片の比較
を侵す。
F
.o
x
y
:
s
ρorum f
.s
p
.a
d
z
u
k
i
c
o
l
a1
1菌 株,F.
'
s
t
o
r
u
m1
1分 化 型 計 1
2菌 株,F
.s
o
l
a
n
i f
.s
p
.
は,いずれのレースにも侵されない抵抗性の系統で
0砂
ある。レースの判別品種として「十育 1
2
3号 j, I
ハ
ρi
s
i, F
.r
oseum f
.c
e
r
e
αl
i
s,F
.m
o
n
i
l
:
グorme,F
.
光小豆 j, I
寿小豆」を選び,以後
ツネショウズ j, I
l
a
t
e
r
i
t
i
u
m各 l菌株,非病原性 F
.o
x
y
ゆorum5
0菌
のレース検定に供試することとした。
株について検討した。
また,圏場における検定と幼苗の浸漬接種による
核内リボソーム RNA反復ユニットの内部のス
検定を比較すると,レース 3が示す反応と同様であ
ペーサー領域(プライマー ITS1と I
TS4)の増幅産
ることから,レース 3を用いて幼苗で検定を行うこ
物,ミトコンドリア大 rDNA (プライマ一 MLlと
とにより抵抗性品種のスクリーごシグが容易にで
ML4) の増幅産物は同様の大きさで差はなかった。
き,閏場検定の前に効率よく選択できると考えた。
1
1
. アズキ萎凋病菌の遺伝学的分類
1.アズキ萎凋病菌の体細胞和合性による分類
ミトコンドリア小 rDNA(プライマー MS1と MS2)
から ,F
.o
x
y
高p
orum f
.s
p
.a
s
t
a
r
a
g
iを除いて f
o
x
y
ゆorumの各分化型では約 700bpの増幅産物が
得 ら れ,F
.s
o
l
a
n
i f
.s
p
.
ρ
1
5
1で 約 6
1
0bp, F
.
硝酸塩非利用突然変異株を利用した体細胞和合性
roseumf
.c
e
r
e
a
l
i
sで約 740bpであった。アズキに
により,アズキ萎凋病菌 F
.0
.
品
ア'
s
p
o
r
u
m f
.s
p
.a
d
-
対し非病原性の F
. 。宅Y
砂'
o
r
u
mについてはバンドが
z
u
k
i
c
o
l
aと ア ズ キ 立 枯 病 菌 F
.o
x
y
s
p
o
r
u
m f
.s
p
.
1本 (
7
0
0b
p
)のみの菌株と, 2本 (
6
1
0bp,7
0
0b
p
)
1
う加s
e
o
l
iとの比較を行った。両者に和合性は認めら
の 2型が認められた。
れず,この分類法によってもアズキ萎凋病菌はアズ
I
I
I
. 生態と防除
キ立枯病とは異なる分化型に属することが確認され
1
. レースの分布
た
。
検定した萎凋病菌 1
0
6菌株中 9
1菌株は同ーの
レースの頻度分布は圃場あるいは地域により異
VCG (VCG0020HU) に属し,残りの菌株のうち 3
0
6菌株で最も
なったが,全体的にみてレース 1が 1
菌 株 ず つ を 含 む 二 つ の VCG (VCG0021HU,
多く,レース 2と 3はそれぞれ 3
3と 3
9でほぼ同率
VCG0022HU)が存在することが認められた。加え
であった。ほとんどの圃場では複数のレースが混在
て
, 0020HUと002IHU,両 VCGと相補性を示す
している可能性が高いと考えられる。
2菌株から成る VCG(VCG0020/2IHU)を得た。そ
2
. 十勝地方の土壊中における病原菌存在の検討
調査した十勝地方 4
0地点の F
.o
x
y
ゆorumの土
壌中菌密度は 0.4~48.3X 1
02c
f
u
/
g乾土であり,
のほか自己不和合性株が 4菌株,単独の自己和合性
株が 3菌株認められた。
レースと VCG,あるいは地域と VCGには特に
分離検定した 6
5
9菌株にアズキ萎凋病菌は存在しな
対応関係はなく,菌株の大部分を占める 0020HU
かった。
には 3レースすべてが含まれており,北海道内各地
の菌株が含まれていた。
3
. 非耕地土壌中でのアズキ萎凋病菌生存の有無
3箇所の非耕地土壌からアズキ萎凋病菌が分離さ
2
. 非病原性 F
. oxysporumの体細胞和合性によ
れたが,このうち発生畑近傍防風林を除いて少なく
る分類
とも 1
0年以上は水田が周辺にある地点であり,ア
アズキ萎凋病発病問場及び十勝地方の未発生アズ
ズキ栽培園以外でも相当生存できる可能性がある。
キ圃場から分離した非病原性 F
.ペ
。ysporum菌株に
また,一般の発病畑と同様にいずれのレースも存在
ついて,それぞれ 8
6菌株, 1
1
1菌株,計 1
9
7菌 株
した。
を供試して体細胞和合性群により分類した。単独の
4
. 連作土壌中の菌密度変動
和合性群を含めて 3
5群認められた。 VCGを両地域
土壌の採取時期により変動はあるが,全 F
u
s
a
r
-
4
6
4
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
lum o
x
y
,sρorumの菌密度は1.1X103~ 1
.7X1
04
た根の付近からのみ F
. oxys
j
Jorumが分離され,ど
c
f
u
/
g乾土であるのに対し,アズキ萎凋病菌の推定
.
0x102~4.1 X1
03c
f
u
/
g乾土で,
される菌密度は 5
の時期においてもアズキ萎凋病菌は分離された。
9
. アズキ品種と根圏土壌中の菌密度
その割合は 4.0~34.0% であった。レースの頻度は
自然発病問場,枠圃場において品種と根圏土壌中
レース 1が圧倒的に多く,レース 2と 3はほぼ同程
のアズキ萎凋病菌菌密度の関係について検討した。
度の頻度であった。
5
. 土壌中厚膜胞子密度と発病
「十育 1
2
7号 J
,[
"
十
育1
3
1号」などの根圏土壌中の
本菌菌密度は擢病性品種「エリモショウズ」よりは
アズキの発病には 1
02c
f
u
/
g乾土オーダーのアズ
るかに低かった。枠圃場試験では 1
2月の根雪前の
キ萎凋病菌の土壌中菌密度で十分であることが推定
本菌の土壌中菌密度は,抵抗性品種栽培区では
1
.4~4. 2x1
02c
f
u
/
g乾土に対し, エリモショウ
さ れ た 。 た だ , レ ー ス 1 (KF646A),レース
2(KF654C)は 1
02c
f
u
/
g乾土以下の菌密度のとき発
病率は 12%と低かったのに対し,レース 3 (
9
0
7
5
0
B)では菌密度が 5
0c
f
u
/
g乾土でも 80%以上の発病
率を示し,病原力が高いと考えられる。
6
. 土壌中における厚膜胞子の形成
アズキ萎凋病菌の厚膜胞子形成頻度は菌株により
異なったが,埋没した後 1~4 日目にいず、れの菌株
r
ズ」栽培区では 2.0X103c
f
u
/
g乾土と推定された。
この傾向は翌年も同様であり, 6月の橋種時の本菌
菌密度は, ["エリモショウズ」あとで 2.8X103c
f
u
/
g
乾土, ["十育 1
2
7号j あとで1.5X102cfu/g乾土,
「十育 1
3
1号」あとで 4.
9X1
02c
f
u
/g乾土であった。
この菌密度を反映して本病発病率は「エリモショウ
ズ」連作区で 62.5%,[
"
十
育1
3
1号」あとの「エリモ
の菌糸にも形成された。菌糸は次第に原形質の染色
ショウズ」で 25.0%となった。
性が失われていった。
1
0
. 名種作物根へのアズキ萎凋病菌の侵入と根圏土
7
. 擢病残j
査中での生存
壌中菌密度
擢病残澄を地表,地下 1
0cm,2
0cm,3
0cmに
接種土壌においてアズキ,インゲンマメ,コムギ
おき,擢病残澄中のアズキ萎凋病菌の生存菌密度を
からのアズキ萎凋病菌分離率が高く,根圏土壌中菌
測定した。地表においた擢病茎は約 5年後でも原形
密度は接種菌密度の 1
0
0倍から 3
0
0倍に増加してい
を保っていたが,地中に埋没した茎は細かい断片に
た。一方,テンサイ,水稲ではアズキ萎凋病菌の分
分解していた。しかし,その権病残澄の埋没位置に
離率は低く,根圏土壌中菌密度はほとんど変化しな
かかわらず,約 5 年間 4.2X104~3.5X105/g 乾燥
いか,あるいは水稲の場合は 1
/
8ほどに減少した。
残澄の菌密度を示し,その変動幅は小さかった。こ
アズキ萎凋病菌の水稲根への着生が困難であると考
の残澄を顕微鏡で観察すると厚膜胞子が多数観察さ
えられた。
れ,厚膜胞子の形で長期間に亘って,ほぽ一定の菌
1
1
. 種子伝染
密度が維持された。
8
. アズキ萎凋病菌のアズキ根への侵入
自然発病土壌に播種したアズキの場合,選択分離
培地に置くと,まず子葉あるいは子葉付近の根から
脱穀後のアズキ種子の 28.6%からアズキ萎凋病
菌が分離された。脱穀作業をとおきないで直接爽か
ら種子を無菌的に取り出したときの分離率は 21%
あまりとなり,脱穀作業の有無にかかわらず分離率
アズキ萎凋病菌の菌叢が現れ,続いて主根中間部,
は変わらなかった。本病の種子伝染が考えられた。
あるいは側根からも分離された。播種後 2~3 日で
1
2
. 十勝土壌へのアズキ擢病茎の混入と発病
はアズキ萎凋病菌は確認されなかったが, 7あるい
アズキ擢病残澄を混入することにより,十勝地方
は 8日目に供試したすべての品種で分離されるよう
土壌においてもアズキ萎凋病が起き,続けてアズキ
になった。しかし, 1
0日目,あるいは 1
3日目には
を栽培しでも 1回目と発病率は変わらないことか
F
.o
勿ゆorumが根から旺盛に出現したものの,ア
ら,十勝地方の土壌が抑止型土壌である可能性は低
ズキ萎凋病菌は再び検出できなくなった。また,こ
いと考えられた。
の傾向は擢病性,抵抗性品種にかかわらず同様で
1
3
. 土壌凍結が厚膜胞子の生存に及ぼす影響
あった。
厚膜胞子接種土壌では自然発病土とは異なり,播
種 3日後から 7
,1
0日目まで下匪軸と,それに接し
2
0Cにおいてはど Cと比べると若干菌密度は低
0
下するが,ほとんど最初に接種した菌密度と変化が
4
6
5
近藤:アズキ萎凋病に関する研究
なし 1
6週間菌密度が維持され,土壌凍結は本菌
り,効果が認められた。
の生存に影響を与えなかった。
1
4
. 非宿主作物がアズキ萎凋病の発病と土壌中薗密
度に及ぼす影響
2年あるいは 3年インゲン,ジャガイモ,コムギ
VI.抵抗性品種の探索
1.抵抗性母本の探索
園場試験の結果から,アズキ萎凋病抵抗性母本と
r
円葉(刈 6
3号)Jr
花小豆 Jr
Acc6
8(岩在
を導入しでも発病抑制は困難であった。
して
1
5
. 各種作物の栽培歴とアズキ萎凋病菌の菌密度
日一 2
2
)]r
Acc1
0
5
6
Jr
黒小豆(岡山 )
Jr
小長品 1
0
J
実際の園場における運輸作との関係をさらに探る
が選抜された。また,レース 3を用いた幼苗検定と
ため,実態調査を行った。調査した闘場ではほとん
圃場検定より,アズキ萎凋病抵抗性母本の候補を 4
どアズキ,水稲,コムギが栽培作物であった。アズ
年間で 2
3品種選抜した。
キ栽培から次のアズキ栽培までの期間,水稲の作付
けが連続し,かつ,その回数が多いほど土壌中の菌
2
. 圃場検定による選抜
5年間で 6
1
6系統について検定を行った。その中
密度が少ない傾向にあった。一方,コムギをアズキ
から「十育 1
2
7号(十系 4
5
4号 )
Jは
, 4年間供試し
の聞に栽培した圃場では菌密度はアズキ連作区と変
9
9
4
ていずれの年においても抵抗性反応を示し, 1
わらない場合が多かった。
年には「きたのおとめ」として品種登録された。
1
6
. 水稲栽培の菌密度と発病に及ぼす景建
3
. 幼苗検定による系統選抜
「エリモショウズ」の場合,前年には 100%の発病
率であった土壌で 1年間水稲を作付けすることによ
「十系 3
5
0号 J, r
十育1
2
3号 J
,r
十系 3
3
7号 J,
r
6
0
6
7
Jを交配母本とすることで,高い確率で抵抗性
り 34.8%に低下し,さらに水稲作付け回数が増え
系統を選抜できた。
るほど低下していって, 4年以上作付けすると発病
になり,それ以降,作付け回数を増やすと全く病気
4
. アズキ萎凋病抵抗性の遺伝子分析
「光小豆」と「斑小粒系 1号 Jの F2のレース 1に
対する抵抗性と擢病性の分離比は 1:3と推定され,
「光小豆」のレース 1に対する抵抗性は 1対の劣性
は見られなくなった。また,水稲 1回作付け後の枠
遺伝子に支配されていると考えられた。同様に「ハ
r
エリモショウズ」栽培区で
ツネショウズ」のレース 1
,2に対する抵抗性は 1対
は見られなくなった。一方,
r
光小豆jでは,水稲作
付け前は 87%の発病率が水稲作付けにより, 2.2%
閏場内土壌の菌密度は,
「光小豆J 栽培区の 5~38 倍と推定された。
土壌中菌密度は転換後 l年目, 2年目には 8月末
の劣性遺伝子に支配されていることが明らかになっ
た
。
から 9月初めに病原菌が検出されなくなったものの
十育 1
2
3号Jのレース 1
,2
,3に対する抵
一方, r
1
0月中旬に再び分離された。ところが 3年目以降
抗性は 1対の優性遺伝子に支配されていることが明
は 5年目の春から夏にかけて検出されたが, 7年固
らかになり, r
十育 1
2
3号」の抵抗性遺伝子は「光小
まで秋期に再び菌密度が増加することはなかった。
豆J
, ハツネショウズ」の抵抗性遺伝子のとは異な
また,畦畔からは時々検出されるのみで圃場内ほど
る遺伝子座に座乗すると推定された。
菌密度は高くなかった。
いずれの圃場でもレース 1が分離される頻度が高
かった。
1
7
. 土壌消毒の効果と土壌中のアズキ萎凋病菌菌密
度の変動
r
謝
辞
本試験を行うに当たり,北海道立十勝農業試験場
豆類第二科村田吉平氏,島田尚典氏,藤田正平氏
には貴重な種子の分譲,さらに遺伝子分析のための
当年処理の場合,発病率は無処理 92.0%に対し,
交配をしていただ、いた。また,北空知地区農業改良
0kg/10a土壌に混和して殺菌
ダゾメット粉粒剤を 3
普及所(現農業改良センター)佐々木高行氏(現南
処理した区では 15.3%と顕著な差が認められた。
羊蹄地区農業改良センター)には本病の調査,闘場
処理直後から F
. oxystorumの菌密度は無処理区の
の選定に全面的に協力していただいた。そして,新
1
/
1
0
0ほどになり,アズキ萎凋病菌は全く検出され
篠津村武田氏には貴重な畑を永年に亘り貸してい
なかった。
ただいた。この場をかりで謝意を表する。
また前年処理区の発病率は無処理区の1/3とな
元北海道立中央農業試験場病虫部長赤井純博士
4
6
6
北海道大学農学部邦文紀要第 1
9巻 第 5号
(現北海道植物防疫協会会長), 同 斉 藤 泉 博 士 ( 現
北海三共株式会社),北海道立北見農業試験場長土
屋貞夫博士には終始暖かいご助言と激励を賜った。
北海道立中央農業試験場病虫部長児玉不二雄博士
には本研究を行うに当たり,初期の頃から種々ご教
授をいただき,貴重なご意見を頂いた。また,田村
修博士,角野晶大氏はじめ北海道立中央農業試験場
病虫部の皆様には園場試験等で多大なご協力を頂い
た。さらに小林喜六博士,秋野聖之氏はじめ北海道
大学農学部植物寄生病学講座の各位には有益なご助
言とご協力をして頂いた。各位に哀心から感謝の意
を表する。
本論文の校閲の労をとっていただいた北海道大学
農学部教授生越明博士,同教授木村郁夫博
士,同教授喜久田嘉郎博士に対し深甚なる謝意を
表する次第である。
引用文献
1.赤井 純・坪木和夫・後木利三: 十勝地方に多発し
たアズキ落葉病の発生と被害について,日植病報,
3
7・1
6
8,1
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. AIABOUETTE,C
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の生態,松尾卓見・駒田 E ・松田 明編集作物の
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5, 全国農村教育普及協会,
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. 小倉寛典・山田 巧・ 土壌病原菌の腐生生活に関
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