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仙台スクール報 Vol.3

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仙台スクール報 Vol.3
Vol.3
今月の作品は修士 2 年 佐藤秀憲さん
News & Topics
仙台スクールで起こった最新のたわいもないことからビッグニュースまでお伝えします
ションプロダクション大手、株式会社ぴえろ
今はようやく一段落し、前期のまとめと言っ
において、8 月に公開の「劇場版 NARUTO
たところでしょうか。なお、株式会社ぴえろ
には当スクールの卒業生も勤めています。
山形キャンパスでの研究レビュー
株式会社ぴえろでのインターンシップ
6 月下旬〜 7 月上旬にかけては、各講義で
- ナルト - 疾風伝」の完成を目前にして、熱
のゲストスピーカー、公開講義や山形でのレ
気みなぎる制作現場での見学・実習をさせて
ビューなどが盛りだくさん。学生にとっては
いただきました。( 株式会社ぴえろ代表 布川
とても忙しい時期でした。先日はアニメー
郁司先生へのインタビューは裏面に。)
黒澤明監督や大島渚監督の映画も手がけた名プロデュー
サー、原正人先生による公開講義
仙台スクール生をのぞく
大学院仙台スクールに通う院生の研究や日常を少しのぞいてみるコーナーです
今回はゲーム専攻の篠原さんからご紹介します。
好きな講義は
「ハリウッド・ビジネス論」
。
様々
就職ではなく、仙台スクールに入学したのは
な業界の第一線で活躍されているゲスト・ス
利益に関わらない研究を続けたかったからと
ピーカーの方がいらっしゃるのが楽しいのだ
言う篠原さん。アニメーション制作の時、光
そうです。
の加減によって人物や物の色を変えなくては
クリエイターではなく、企画側としてアニ
いけないというところに目をつけ、色のデー
メーションやゲームの制作に携わっていきた
タベース化の研究をしています。
いという篠原さん。研究の合間に廣岡さん
( スクール報・創刊号参照 ) とプレイステー
ション・ポータブルで対戦するのが日課。息
佐藤 秀憲 ( さとう ひでのり )
抜き ( ? ) をしながら効率的に研究を進めて
いるようです。
1983 年生まれ、山形県出身。東北芸術工科大学 情報デザ
イン学科 未来デザイン学系 ゲームコースを卒業、現在仙台
スクール修士 2 学年。
2 人目も本学出身、ゲーム専攻の佐藤さんで
が好きで、勉強のためにデジタルカメラで風
す。自分の目線でコントロールできる、リ
景を良く撮影するのだそうです。この間は松
アルタイム処理の 3DCG(3 次元コンピュー
島へ行き、とてもキレイな景色に感激した
タグラフィックス ) を研究しています。この
とのこと。あと半年余りの学生生活ですが
篠原 真伺 ( しのはら しんじ )
3DCG はゲームや観光案内等に用いられて
3DCG のスキルをさらに勉強し、将来は実
1983 年生まれ、長崎県出身。東北芸術工科大学 情報デザ
イン学科 未来デザイン学系 ゲームコースを卒業、現在仙台
スクール修士 2 学年。
いるそうです。
物以上の風景を製作できるようになるのが夢
佐藤さんは特に 3DCG で風景を作製するの
だそうです。
「大学院仙台スクール」は、山形にある東北芸術工科大学の大学院課程の一部として、一昨年より仙台駅前の高層ビル、
AER( アエル )16 階に開校しました。第一線で活躍する教授陣を迎え、仙台市および財団法人 仙台市産業振興事業団
と連携して、映画・アニメ・ゲームといったコンテンツのプロデューサーを育成します。この「仙台スクール報」は
そんな仙台スクールの今を月刊でご紹介します。
〒 980-6116 宮城県仙台市青葉区中央 1-3-1 AER16F(JR 仙台駅西口より徒歩 1 分)
Tel.: 022-716-6377 Fax: 022-716-6378 Mail: [email protected]
http://conpro.jp/
編集・発行 : 東北芸術工科大学 大学院仙台スクール
発行年月日 : 2007 年 7 月 21 日 (Vol.3)
教授陣に聞く
仙台スクールの講義をどんな方がされているのか毎号 1 人の先生にスポットをあててご紹介します
実際の仕事と講義とで学ぶものはどう違うでしょ
ターを示せばいいのです。そこから始まって
うか。
いくんだ…とね。好きなことをもっと好きに
仕事の中で人を育てるという事は、
「いかに
なる努力をすれば必ず、周りも何とかしたい
任せるか」ということです。これに対し、学
という気持ちになります。自分の好きなこと
校の場合は“社会に出るための準備期間”
。 を見つけるのも才能だと思いますよ。
準備は一生懸命にやった方がいいですよね。
布川郁司 ( ぬのかわ ゆうじ ) 客員教授
1967 年、アニメーション会社朋映プロ入社。アニメーター
として、
『宇宙少年ソラン』
『冒険ガボテン島』等に加わる。
その後、虫プロ、スタジオジャックなどを経て、竜の子プ
ロダクションに入社。アニメーターから演出家となる。主
な作品として、
『カバトット』
『タマゴン』
『いなかっぺ大将』
『てんとう虫の歌』
『キャシャーン』
『タイムボカン』
『ヤッ
ターマン』など、多数の作品を担当する。1977 年、スタ
ジオぴえろを発足、
『みつばちマーヤ』を手がけ、1979 年
には、株式会社スタジオぴえろ設立、現在に至る。代表作
に『ヒカルの碁』
、
『幽☆遊☆白書』
、
『十二国記』
。
『NARUTO
-ナルト-疾風伝』
『BLEACH』は、現在放映中。山形県酒
田市出身。
先生にとって講義はどのようなものですか?
講義というのはあくまでも講義であり、仕事
としての体験が伴ったものではありません。
学生に伝えたくても伝えられない、もどかし
さみたいなものが多少ありますね。とは言
え、教える側も彼らから教わるものが沢山あ
る。
去年そして今年の生徒にも、
「打てば響く」
手ごたえを感じているし、自分のために教え
に来てるっていうところも正直あります。そ
の辺はイーブンの関係でいることが大事なん
じゃないかな。
学生にとってのプロデューサーとは?
恐らく学生たちも『プロデューサー』という
仕事の実情をあまりよく知らずに講義を受け
に来たと思うんですね。確かに『プロデュー
サー』
という言葉をひとつぽんと言われると、
我々プロでもどこからどこまでがプロデュー
サーの仕事なのかを定義付ける事は難しいで
す。非常に幅広いんですよ。講義では『プロ
デューサーとは何だ』と色々伝えるけれど、
彼らが想像する『プロデューサー』とは、少
し茫洋として高い階段の上にいる人…、そん
な感じを持っているんじゃないかと思ってい
ます。
私の若い頃に比べると、少々社会性に乏しい
就職活動中の学生で、本当にそれが好きなのか分
現代の子供達。彼等が、社会人として仕事の
からなくなる人もいます。
世界に足を踏み入れる事はものすごいプレッ
分からなくなるのは当たり前だと思うんです
シャーだと思います。やはり仕事・社会を意
よ。ただの夢だったものに、だんだんリアリ
識した準備期間は、彼等にとって大切な時間
ティが出てくるわけですから。そこで悩んだ
となる事でしょう。
ほうがいい。逆に言うと、そういった好きな
仕事の喜びについて話せば、我々の業界での
ものは“趣味”にしておこうという気持ちが
喜びと言えば、
やはり「当てる!」ことです。 芽生えてもいいんです。自分が置かれた環境
当たらないものを延々と作り続ける事ほど寂
もあるでしょう。自身を取り巻く環境を含め
しいものはありません。反対に、当たった時
て、自分の人生をどうチョイスして行くか?
は、世界を牛耳ったような無上の喜びがあり
それはその人たちの考え方、人生観みたいな
ます。せっかくお金をかけて入学し、大切な
もの。人生観をなかなか振り切れないってと
準備期間の機会を得ることが出来た以上は、 ころもあるわけだから。
『金もらうな』って
「成功した喜びを掴むためにも元を取れ」と、 言うのは簡単なことだけれども、実際問題そ
そう思いますね。
れは簡単にできないっていう事情もあるわけ
だしね。
学部の学生も含め、業界に入ることに気後れして
まう人もいます。
大学院仙台スクールについては?
簡単なんです。好きなことをやるんだったら
この大学院の大きなメリットは、一線で活躍
最初は報酬をもらうな、と。自分自身に何も
する人たちが関わりあって教えてるというこ
技術も知識も無いのであれば、そのぐらいの
と。こんなのなかなか東京でもできないです
覚悟を持て、と。力をつけるまでは報酬はも
よ。そういうチャンスを活かすも殺すもまた
らわない、それくらいの覚悟があれば何でも
学生次第ですけどね。
出来るんです。最初のスタートはどんな仕事
でもいい。
業界に入るチャンスさえつかめば、 ありがとうございました。
仕事は幅広く色々あるわけだし。まずそこで
人間関係を作り、自分という一つのキャラク
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