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評価要旨(案)に対する事実誤認有無確認結果および、 実施者側コメント
「植物の物質生産プロセス制御基盤技術開発」 研究評価委員会 中間評価 第2回分科会 資料3 「植物の物質生産プロセス制御基盤技術開発」 研究評価委員会 中間評価分科会(第2回) 評価要旨(案)に対する事実誤認有無確認結果および、 実施者側コメント(暫定版) 1. 評価書の第一章 の評価要旨文章(□の枠の中の文章)のみを抽 出し、この要旨に対する実施者側の事実誤認有無の確認結果と誤 認があった場合の改訂(案)、そして実施者コメントまとめたも のです。 2. 対象となるのは、緑字で下線付の指摘の部分です。 3. 審議の順番;個別テーマ→プロジェクト全体に関する評価(各論) →総論の順番です。 「植物の物質生産プロセス制御基盤技術の開発」(中間評価)評価要旨(案)に対する事実誤認有無確認結果および実施者側コメント(審議のたたき台) 1.プロジェクト全体に関する評価 1.1 総論 1)総合評価 評価要旨(案) 現在の化石燃料依存の物質生産体系に対して、太陽エネルギーの直接的利用による植 物の物質生産へのチャレンジプロジェクトであり、強い魅力と期待を抱かせる。本プロ ジェクトに含まれる研究課題の多くは、極めて公共性が高く、実行には厳しいリスクが 伴うためNEDOとして取り組むべき課題である。得られた成果のうちモデル植物を用 いた解析はいずれも高いレベルに達しており、質の高いデータベースの構築、高度なゲ ノムツールの開発、モデル植物の物質代謝の網羅的解析、実用植物の遺伝子発現の解析、 そして実用植物の形質転換技術の開発など先進的な成果が数多く得られている。汎用性 ある技術として構築出来れば、微生物、動物細胞を使用しているバイオ産業にも多くの 知見を与え、関連分野や、世界の類似の研究者への波及効果は大きい。実用植物を用い る技術開発研究は、スタート地点に着いたばかりの段階のものが多い。これまでのモデ ル植物で蓄積してきた成果を駆使して実用植物での目的成分の飛躍的な生産の鍵にな る遺伝子を見つけることに全力を上げる必要がある。 【1-1-1】モデル植物課題の成果を具体的にどう実用植物課題に利用するのか、生産さ せた物質をどのように栽培した植物からどのように取り出して利用するのか、大量に消 費される工業原料を生産して実際に化石資源由来の原料を減らすにどうすればよいの か、という視点が弱い。これらの視点を意識し、他の方法(化学合成,微生物生産等) とコストを含めた比較を行い、遺伝子組換えの必然性を明確にして研究開発を進めるべ きである。 このプロジェクトでは遺伝子組換えを主要技術の一つに据えている。この技術に対す る市民の理解を得るためにも遺伝子組換え技術による有用物質生産を一日も早く実現 し、実用化に向けた展開を加速すべきだと考える。 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 【1-1-1】モデル植物課題の成果を具体的にどう実用植物 課題に利用するのか、生産させた物質をどのように栽培 した植物からどのように取り出して利用するのか、大量 に消費される工業原料を生産して実際に化石資源由来 の原料を減らすにどうすればよいのか、具体的に課題を 設定し取り組まれたいという視点が弱い。 資料3−1 実施者側コメント 【1-1-1】モデル植物で得られた統合データベース(リ ソースを含む)を活用して実用植物での物質生産制御 を行う基盤技術を開発することを計画しております。 具体的な課題の提示で不足もあるかと存じますので、 左記のように改訂をお願い致します。 2)今後に対する提言 評価要旨(案) 本プロジェクトの統合データベースの構築については、重要な公共財を創出しつつあ ると評価できる。遺伝子組換え技術による有用物質生産を一日も早く実現し、最先端科 学技術が生産力を向上させかつ環境保全に貢献できることを証明すべきで、さらなる推 進を希望する。これまでに得られた成果に基づき、今後の進め方について次の提言を行 う。 (1) 【1-2-1】類似の研究課題は出来る限り情報交換を密にし、共同研究の体制を構築し て、実用化に向けた展開を加速すべきである。 【1-2-2】また、実用化については実用 化担当グループに任せきりにしないでモデル植物研究グループも積極的に関与させ ることが有効である。 (2) すべてのテーマを平均的にサポートするのではなく、目玉となる成果を早く提出で きるように重点的なサポートを考えるべきである。 【1-2-3】また、早期に実用化の出 口を見出す方向を目指すプロジェクトであるため、物質生産の効率に期待が持てな い方向、自然界に実例もなく机上研究に陥っている課題に対しては今後の資金投入 を避けるべきである。特に再委託先の大学の研究で良質な論文がない場合、出口へ の到達不可と判定すべきである。 (3) プロジェクト前半で得た基礎データを基に,後半はできる限り定量的な目標設定を すべきである。また、実用化に向けた研究については、プロジェクトリーダーを中 心とした推進委員によるサポート体制を作って適切な助言をおこなって欲しい。 (4) 【1-2-4】光合成で容易に大量生産できる澱粉、セルローズ及び油などに対する技術 開発も重要である。これらの物質は工業原料として有用であり、採算が合うので検 討する価値がある。特に植物油は石油代替物質として有用である。 (5) 物質生産をする場合、物質生産の場のシンク能力が生産量の上限を決める可能性が ある。生産プロセスは連続した化学反応であるので、最終産物の貯蔵形態が反応速 度を規定して反応系に大きく影響することを念頭におき技術開発すべきである。葉 緑体で大量に物質生産させた場合に光合成を阻害するなどの障害が現れる。この点 も考慮した研究開発を進めるべきである。 (6) 実用化には実証試験が必要になるが、その場は少なく、自治体等による制限も行わ れている。 【1-2-5】NEDOのような公的機関が、実用化に近い状況の遺伝子組換え 植物の成果について実証試験等を行う場を設けることも検討すべきではないか。 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 【1-2-1】類似の研究課題は出来る限り情報交換をさらに 密にし、共同研究の体制を構築して、実用化に向けた展 開を加速すべきである。 【1-2-2】実用化については実用化担当グループに任せき りにしないでモデル植物研究グループもさらに積極的 に関与させることが有効である。 【1-2-3】削除を御願い致します。 【1-2-4】光合成で容易に大量生産できる澱粉、セルロー ズ及び油などに対する技術開発も重要である。これらの 物質は工業原料として有用であり、採算が合うので検討 する価値がある。特に植物油は石油代替物質として有用 である。 実施者側コメント 【1-2-1】類似した研究課題(組織培養・再生・形質転 換、代謝経路が共通する課題)での分科会を開催し、 情報交換を行っています。また、それ以外でも研究者 間での情報交換が行われています。共同研究体制の構 築というよりは、情報交換や機動的な協力が重要であ ると考えて、上記のような方法を取っておりますので、 左記のように改訂をお願い致します。 【1-2-2】上記分科会にはモデル植物グループの研究者 (再委託・共同実施先を含む)も可能な限り出席、議論 に参加し、助言していますので、左記のように改訂を お願いします。 【1-2-3】本プロジェクトは基盤技術の開発が目的で、 8 年後に最終製品を作ることが目的ではありません。 従って再委託先でも、将来生産拡大に結びつく基礎研 究を含んでいます。また、再委託先の大学については、 良質な論文を提出することは大事ですが、大学の研究 においても特許出願が優先します。委託先の研究に役 立つ成果を出すことを第一としたいと思います。再委 託先の成果は、委託先の成果と合わせて判断したいと 考えます。以上より、本評価から削除をお願いいたし ます。 【1-2-4】セルローズはパルプ原料として課題に挙げて おります。他の物質についてはプロジェクト開始時の 公募において適切な提案がなく、実施されておりませ ん。 【1-2-5】安全性に関する実験的証明については、H17 年度春期加速財源より特定網室を設置し、実用化の検 討が進んでいる実施者について進めていく予定です。 資料3−2 1.2 各論 1)事業の目的・位置付けについて 評価要旨(案) 本プロジェクトは、植物を用いた物質生産を目的として、その基礎となる遺伝子情報、 代謝経路、調節遺伝子情報などを網羅的に取得しデータベースを構築し、データベース を活用することにより物質生産とその制御の基盤技術を開発することを目指している。 本プロジェクトは我が国の植物科学研究のプロジェクトとして、地球規模での環境・エ ネルギー・水などに関する諸問題解決のために重要であり、国際的な問題解決のための 取り組みとしても大きな意義がある。このような研究基盤の整備は、研究の出口を短期 間で求められる民間企業単独での取り組みが困難であることから NEDO 事業として相 応しい。 【1-3-1】ただ、実用植物の技術開発を目指している研究では多量に必要な物質だけ ではなく、少量で付加価値の高い物質までも対象としている。後者の物質に関しては、 環境負荷軽減という観点から植物による生産が必要か否か、数十年先を見越して、議論 して選定すべきであった。 【1-3-2】類似のポストゲノム研究は理化学研究所や農林水産省のプロジェクトでも 実施されている。省庁の壁を越え協力し、重複することなく協調して最大限の成果をあ げ、植物バイオ企業を育てる努力が重要である。 【1-3-3】また、遺伝子組換え研究を更 に活性化するために、安全性に関しての啓蒙活動、技術的裏付けについても、専門家の 観点から意識して取り組んで欲しい。 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 【1-3-1】削除を御願い致します。 【1-3-2】類似のポストゲノム研究は理化学研究所や農林 水産省のプロジェクトでも実施されている。省庁の壁を 越え協力し、重複することなく協調して最大限の成果を あげ、植物バイオ企業を育てる不断の努力が重要であ る。 【1-3-3】また、遺伝子組換え研究を更に活性化するため に、安全性に関しての啓蒙活動、技術的裏付けについて も、専門家の観点から意識してさらに積極的に取り組ん で欲しい。 資料3−3 実施者側コメント 【1-3-1】少量で付加価値の高い物質の生産の意義につ いては各テーマの所で個別に御指摘されていますが、少 量で付加価値の高い物質でも、その生産の現行法は高エ ネルギー消費プロセスです。植物栽培法ではエネルギー コストがゼロであり、現行法と比較して大幅に環境負荷 低減が可能です。少量の物質も含めた植物による物質生 産の体系を作り上げることがプロジェクトの大命題で あり、削除を御願い致します。 【1-3-2】かずさ DNA 研が理化学研究所や農水系研究 機関、大学と共同研究を行っているほか、実用植物グル ープでもそれらとの研究協力を行うなど、積極的に省庁 の壁を超えた研究活動を行っておりますので、左記のよ うに改訂をお願いいたします。 【1-3-3】市民講座の開催など、既に取り組んでいるこ とは御理解頂いていると存じます。NEDO では現在、 プロジェクトの広報活動の一環としてビデオを製作し ています。まだ不足であるとのご指摘であれば、左記の ように改訂をお願いいたします。 2)研究開発マネジメントについて 評価要旨(案) 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 先進的な技術力をもつ実施者、事業化能力のある民間企業が各々の事業領域に近い植 ●要望事項なし 物開発でプロジェクトに入っている。また、プロジェクトリーダーが全体をよく把握し、 主要プロジェクトのサブリーダー間における連携は比較的密接にとれていると判断さ れる。しかしながら、モデル植物を用いた研究と実用植物を用いた研究にギャップがあ り、今後は強いリーダーシップをもって各テーマ間の有機的結合を図るべきである。 研究プロジェクトをモデル植物に関するものと実用化を目指すものに分け、前半期は モデル系を中心に研究を進め、後半期は前半の成果を実用植物に応用するという手法 は、効率的で、研究戦略として妥当であろう。今後は実用植物でのマネジメントを積極 的に行い、真に意味のある成功例を示して欲しい。本事業の成否は成功例の有無で判定 されるであろう。 中間評価段階の目標設定については容易に達成できるような安易な課題設定がなさ れている場合もあった。目標は出来る限り高度に据えチャレンジ精神が鼓舞されるよう な研究推進体制が望ましい。後半期においては、より重要で国際的にも進んだ研究を選 び、重点的な資金配分を行うことを提案したい 。 全体的には、最新の技術をいち早く取り入れるように運用されている。世界レベルで は類似のプロジェクトがあることから、今後も情勢変化に機敏に対応して、世界を先導 しうる立場を常に意識して、日本発の植物科学研究に発展することを期待したい。 資料3−4 実施者側コメント 3)研究開発成果について 評価要旨(案) モデル植物、培養細胞系を用いたデータベース構築に関しては、順調な成果を挙げて いると評価できる。特に、データベース構築やマイクロアレイ・システムの完成などめ ざましい成果が認められる。 【1-5-1】一部の研究成果はモデル植物であるアラビドプシ スには適用可能であるが、やや汎用性に欠けるものもある。今後はこれらの成果を実用 植物へ適用できる「役に立つ統合データベース」へと編集することが必要である。 実用植物を用いる技術開発研究は、スタート地点に着いたばかりの段階のものが多 い。今後、これまでのモデル植物で蓄積してきた成果を駆使して実用植物での目的成分 の生産に鍵になる遺伝子を見つけることに全力を上げる必要がある。 【1-5-2】16 件の特許出願、90 報の査読付原著論文発表があったが、機関によって は特許出願・原著論文発表がなく、また外国出願件数が少ない。欧米の植物バイオ産業 ではわすかな進歩に対しても巧妙に特許を出願している。適切に特許出願し、有用な特 許の増加を期待する。 【1-5-3】なお成果の普及のために、本プロジェクトに未参加の研究者に対するデー タベース、分子資材などのサービス提供も、類似分野の研究者の理解を得るために国家 プロジェクトとしては考えるべきだろう。 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 【1-5-1】一部の研究成果はモデル植物であるアラビドプ シスシロイヌナズナには適用可能であるが、やや汎用性 に欠けるものもあるが、それを補完するためにすでに実 用植物でのデータ収集も始まっている。 【1-5-3】なお成果の普及のために、本プロジェクトに未 参加の研究者に対するデータベース、分子資材などのサ ービス提供をさらに進めるとともにその認知を計るこ とが、類似分野の研究者の理解を得るために国家プロジ ェクトとしては考えるべきだろう。 実施者側コメント 【1-5-1】かずさ DNA 研では、マメ科のモデル植物ミ ヤコグサに関して、すでにcDNA 解読、DNA アレイ 解析を進めています。一方、実用マメ科植物アカシア、 カンゾウについてcDNA を取得して塩基配列の解読を 進め、それらを統合データベースに入れる準備を進めて います。これらの比較により実用植物へ適用性が分かっ てくると考えています。今後は、他の実用植物でのデー タベース化が必要になってくると認識しております。以 上より、左記のように改訂を御願いいたします。 【1-5-2】実質2年強の成果であり、現時点では特許の件 数が少ないですが、今後は特許件数を増やすようにマネ ージメントする予定です。国際的に権威ある論文につい ては、特許出願を行った後に投稿する必要があるため、 実際の発表はプロジェクト後半または終了後となる予 定です。 【1-5-3】かずさDNA研究所などよりデータベースの公 開を進めています。認知が不十分であれば反省するとこ ろであり、サービス提供の推進とその認知を計ることを さらに進めて行きます。 4)実用化、事業化の見通しについて 評価要旨(案) 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 本プロジェクトの統合データベースの構築については、重要な公共財を創出しつつあ ●要望事項なし ると評価できる。後半期において、遺伝子の絞り込みなど実用化の成否を決定する重要 な決断をおこなうことから、充分なデータを集めておくことと、役に立つわかり易いデ ータベースにしておく必要がある。汎用性ある技術として構築出来れば、微生物、動物 細胞を使用しているバイオ産業にも多くの知見を与え、関連分野や、世界の類似の研究 者への波及効果は大きい。 一方、実用植物については、現時点では出口イメージ、実用化イメージが弱いテーマ がある。最終目標のイメージを具体化し、そこから逆算して、基盤技術開発の課題を明 らかにして今後の研究に取り組むことが望まれる。 また、実用化を目指すものの多くが遺伝子導入されたものである。【1-6-1】これらが 社会的に受け入れられるためには、組換え植物についての一般市民に対するイメージを 変えるための安全性に関する実験的証明とマスコミの活用を含めた広報活動が重要で ある。 資料3−5 実施者側コメント 【1-6-1】安全性に関する実験的証明については、H17 年度春期加速財源より特定網室を設置し、実用化の検討 が進んでいる実施者について進めていく予定です。 NEDO では現在、プロジェクトの広報活動の一環として ビデオを製作しています。マスコミを活用した広報活動 については、昨年市民講座を開催しましたが、不十分と の御指摘もあり、さらに進めて行く予定です。 2.個別テーマに関する評価 2.1 モデル植物を用いた植物の物質生産機能の解析 ①物質生産プロセス基盤リソースの整備と植物の物質生産機能の解析(実施者;財団法人 1)成果、実用化の見通しに関する評価および今後の研究開発の方向性に関する提言 評価要旨(案) cDNA の取得・解析、発現プロファイリング、代謝産物プロファイリング、統合デ ータベース構築など、先進的なゲノミック研究リソースの構築が進められている。これ らの成果は評価できる。培養細胞の凍結保存技術、形質転換法など基盤整備に必要な技 術開発も確立している。得られた成果が、他の研究テーマで活用されるように、今後は より強力な指導力を発揮し、本プロジェクトを先導して欲しい。 今後の課題としては、事例を増やす必要がある。得られた制御遺伝子の成熟植物体に おける応用例は少ない。過剰発現系を用いた評価はストレス反応と導入遺伝子の本来の 機能を区別する方策を考える必要がある。過剰発現が植物細胞のストレス反応を誘導す る場合も多い。また、【2-1-1】多細胞の植物について、組織を構成する個々の細胞で営 まれている代謝を研究することも必要ではないか。培養細胞から容易にデータが得られ るという利点が生かされているが、得られた知見の適用範囲が限られているという欠点 も認識して取り扱うべきである。【2-1-2】多くのデータを得るだけではなく、意味のあ るデータを蓄積することが必要である。植物の代謝は昼と夜で異なるので、これをどの ように取り扱うか議論しデータベースの構築に生かして欲しい。 【2-1-3】一般の研究者にも技術・情報提供ができる体制を構築し、我が国の植物科学 研究の格段のレベルアップをはかる先導的な役割も期待したい。今後、より集約的な予 算措置も必要かもしれない。 かずさDNA研究所) 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 実施者側コメント 【2-1-1】多細胞の植物について、組織を構成する個々 【2-1-1】組織の微細部分での遺伝子発現を調べる方法で の細胞で営まれている代謝を研究する代謝の研究を あるレーザーキャプチャー法によりシロイヌナズナの茎 の遺伝子発現を詳細に調べております。 さらに進めることも必要ではないか。 【2-1-2】多くのデータを得るだけではなくが得られ 【2-1-2】メタボロミクスの研究では多くのデータを集め ているが、意味のあるデータをの蓄積するをさらに進 て包括的に理解することが必要だと認識しています。一 めることが必要である。 方で、プロジェクト目的にあったデータの蓄積として、 特定の代謝産物の特定も進めております。今後はそのよ 【2-1-3】一般の研究者にも技術・情報提供ができる うな意味のあるデータ蓄積を進めたいと考えています。 体制をの構築しが始まりつつあるが、我が国の植物科 学研究の格段のレベルアップをはかる先導的な役割 【2-1-3】代謝解析ツール KaPPA-View の国際誌での公表 も期待したい。 と同時に学会での講習会での研究者への周知を行ってお り、情報提供を積極的に始めています。 資料3−6 ②窒素化合物の物質生産プロセスの解析(実施者;味の素株式会社) 1)成果、実用化の見通しに関する評価および今後の研究開発の方向性に関する提言 評価要旨(案) 本研究は実用化を目指した基盤研究である。研究目標は、すべての物質生産の基盤と なる窒素代謝関連研究であり、組換え体植物を用いてアミノ酸を効率的に生産すること を目指している。完成すればバイオマス資源が効率的に利用可能で、従来手法に置き換 わる画期的な生産法となる。成分分析、遺伝子発現解析、形質転換植物解析等が研究計 画に従って行われており、一定の成果を上げている。 【2-2-1】ただ、研究手法、成果、コンセプトなどにおいて、革新的な内容に乏しい。 【2-2-2】本研究で得られる知見を、「植物によるアミノ酸生産方法の開発」にどのよう に結びつけていくのか、具体的な道筋は明らかではない。【2-2-3】また、アミノ酸合成 のために既知の微生物の遺伝子ではなく、植物の遺伝子を網羅的に解析し、その成果を 利用することについての理由付けが不明確である。 【2-2-4】この窒素代謝関連研究を進めることで、他の物質生産プロセスの解明にどう 役立つのか、その道筋を示すことも必要であろう。 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 【2-2-1】削除を御願い致します。 【2-2-2】本研究で得られる知見を、 「植物によるアミ ノ酸生産方法の開発」にどのように結びつけていくの か、具体的な道筋は明らかではないにして欲しい。 【2-2-3】また、アミノ酸合成のために既知の微生物 の遺伝子ではなく、植物の遺伝子を網羅的に解析し、 その成果を利用することについての理由付けが不を、 より明確であるにして欲しい。 実施者側コメント 【2-2-1】弊社は網羅的な解析結果から光呼吸に着目して 研究を進め、世界で初めて、①遺伝子欠損株の解析と GFP-融合蛋白質形質転換体の解析からペルオキシソーム 局在型酵素である GGAT1 遺伝子を同定(Plant Journal 発表)し、②当該遺伝子を GGAT1プロモーター制御下 で過剰発現させることによりセリン含量が数十倍に増加 すること(国際特許出願)、③微生物には存在しない植物 固有の光呼吸代謝系がアミノ酸の生合成の鍵酵素である ことを見出しております。 さらに、この知見はシロイヌナズナとイネで導入遺伝子 の効果を確認しており、普遍的な現象を見出したと考え ております。また、光合成や光呼吸がアミノ酸を数十倍 に増加させるという知見から、微生物にはないこれらの 経路の制御機構を理解することが重要と推察されまし た。そこで、光独立栄養条件下における代謝産物と網羅 的遺伝子発現解析データを世界ではじめて取得しまし た。 プロモーターレポータ遺伝子による発現解析は、いくつ かのグループが実施していますが、物質生産の主要機関 である葉における光合成、光呼吸といった微生物には存 在しない代謝系の組織局在性と発現応答を解析は解析が 進んでおらず、GUSとLUC両方のレポーター遺伝子 を使った例はありません。 以上の点より、 「革新的な内容に乏しい。」とのご指摘は、 不適切と思われますので、再度ご検討くださいますよう お願いいたします。(詳細別途説明) 【2-2-2】成果出口は、分科会説明資料 p.1 で説明させて 頂きましたが。本プロジェクトでは、その前段階の「窒 素化合物の物質生産プロセス」を行うということで、そ の道筋を詳細にご説明するに至りませんでした。別途ご 説明させて頂きたく、そのために左記のように改訂頂け れば幸いです。 【2-2-3】事業原簿 p21 に記載しましたように、光合成や、 光呼吸系のアミノ酸生合成に対する効果の解析には、微 生物由来の遺伝子を利用することは出来ないと考えま 資料3−7 す。植物には微生物と共通の代謝系もありますが、物質 生産に重要な役割を担う光合成や光呼吸系、窒素の同化 に関連したグルタミン酸、グルタミンの合成系の制御機 構は、微生物には存在しません。従って、微生物には該 当遺伝子がないため、植物の遺伝子を網羅的に解析する 必要です。ご説明が不十分であったということであるな ら、左記のように改訂をお願いいたします。 【2-2-4】植物は、すべての窒素を、無機窒素からグルタ ミン酸、グルタミンを生成する過程で取り込んでいます。 これらのアミノ酸の生合成は、植物中のタンパクなどす べての窒素化合物の生産性に影響を与えるので、他の物 質生産プロセスの解明に利用できると考えます。また、 全遺伝子の発現情報を取得しているので、特許出願後に 実用作物へ有用な情報提供が出来ると考えております。 資料3−8 ③葉緑体における物質生産プロセスの解析および制御基盤技術開発(実施者;財団法人 1)成果、実用化の見通しに関する評価および今後の研究開発の方向性に関する提言 評価要旨(案) 【2-3-1】本研究は有用遺伝子を葉緑体ゲノムに導入して、工業原料を生産する技術を 開発することを目標としている。この方法は先例が少ないため、改良植物を作出し、最 終目標を達成するには多くの試行錯誤が必要であろう。【2-3-2】対象とする有用遺伝子 候補の提案もなく、形質転換技術がタバコ近縁植物に限定されている現実を改善する提 案もない点、具体性に欠けている。従来から行われている学術的研究の進展が主な成果 であり、再委託先の大学での研究、特に転写・翻訳系に関する論文発表は活発で評価に 値する。しかしこれらの学術的成果は本事業目的の視点から評価するとまだ断片的であ り、技術開発への道が判然としない。実用化に向けてまとめるよう具体的な目標を設定 し、技術開発に資するよう改善して欲しい。 一方、葉緑体代謝増強植物の作出を目指して、代謝系の解析方法を検討する研究、統 合データベースの構築を志向した研究等も実施されている。当初の目標を達成したこと は評価できる。【2-3-3】しかし、いずれも手軽にデータが得られる段階に留まり、目標 を目指した意味のある成果には至っていない。 【2-3-4】RITE(財団法人地球環境産業技術研究機構)が主体的に実施している研究 の成果が不明瞭である。散漫にならないよう再委託先の研究を取捨選択して統合し、事 業目標に沿った研究として成果が得られるようにするべきである。葉緑体での物質生産 は葉緑体だけでは完結しないことを念頭におき、焦点を絞り目標が達成されることを期 待する。 地球環境産業技術研究機構) 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 【2-3-1】本研究は、植物の基幹代謝系である葉緑体 を中心としたオルガネラに注目し、ポストゲノム手法 の確立を通して植物を工業原料生産プロセスとして 活用するための基盤技術の確立を図ることを目的と している。植物での物質生産能力を高めようとする場 合に、まず光合成能力の強化に着目したことは評価で き、基幹代謝系の改良による生産性向上、母性遺伝に よる生物的封じ込めというコンセプトは大変魅力的 である。葉緑体遺伝子を操作するための多くの基礎的 知見が得られており、葉緑体での物質生産系構築に向 けての大きな進展が認められる。 【2-3-2】しかしながら、現時点では本プロジェクト の一端を担う技術開発という要素がやや弱く感じら れる。後半期においては、葉緑体において産生させる 具体的な遺伝子/タンパク質を決めるなど、具体的か つ実用的な、工業原料製造につながるプロジェクトの 位置付けを展望すべきである。 【2-3-3】今後は、 「物質生産プロセスの解析」をもっ と重点的に進めて、技術開発への手がかりを得て欲し い。また、【2-3-4】RITE(財団法人地球環境産業技 術研究機構)と共同あるいは再委託されている大学等 の研究内容を統合することにより、本基盤技術開発の 成果を応用するための、より具体的な提言を期待す る。 資料3−9 実施者側コメント 【2-3-1】本プロジェクト応募にあたって工業原料を生産 する技術を開発することではなく、そのための基盤技術 の開発を目的とし、その結果、採択された経緯がありま す。 【2-3-2】採択当時の技術としては実用植物に手を出すの は現実的でなく、モデル植物に専念することが適切と判 断しました。当時より技術が進歩し、今後は実用植物へ 手を広げていきたいと考えます。 【2-3-3】例えば、葉緑体のメタボローム解析に関してい えば、葉緑体代謝改変を目指した外来遺伝子導入にあた り代謝産物がどう変化するのかを見る系をこの中間評価 まで確立することを目標としました。ところが代謝産物 は遺伝的要因のみならず、むしろ栽培条件等おかれてい る環境要因の影響を多大に受けており、一方、実用化の 観点からダウンサイジングをも満足する手法開発は、決 して手軽にデータが得られる段階ではなく、現在の植物 科学の最先端の課題なのです。 【2-3-4】RITEは、シロイヌナズナ葉緑体タンパク質の実 体化を目指し、550種類の葉緑体主要タンパク質を同定 し、その機能分類を行いました。また、中間評価以降葉 緑体代謝改変を行うにあたり要求されるであろう、葉緑 体への長鎖DNA(50kb程度)導入手法の確率を行い、特許 出願に至りました。再委託先に対する「取捨選択」とい う表現は削除御願いします。 ④遺伝子特異的 cDNA マイクロアレイの開発および遺伝子発現制御技術の開発とデータベース化(実施者;タカラバイオ株式会社) 1)成果、実用化の見通しに関する評価および今後の研究開発の方向性に関する提言 評価要旨(案) 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 本研究テーマは、物質生産を直接、効率化する研究ではなく、物質生産に到達するた ●要望事項なし めに必要な代謝系の解析に必須な機材提供の技術開発である。当初の目標を達成してい る。特異性が高いために実用化植物を利用した研究への貢献度はまだ低い可能性がある ものの、シロイズナズナ以外の植物種のマイクロアレイ作製に関する基礎技術を確立し たことは評価できる。バイオ研究に威力を発揮する DNA チップを国産化しており、実 用化の見通しもついている。 今後の課題として、汎用性を更に確定して、利用者のニーズに応えるツールへと進化 させて欲しい。標準的なシステムとして、多くの研究者が利用するためには、【2-4-1】 データの守秘に対する処置を施した上で、利用者が得たデータを集約してデータベース として公開できる仕組みが必要である。また、本技術開発の権利化を急いで欲しい。 すでに市場にでているマイクロアレイとの差別化を意識しないと、広く実用化には結び つきにくい。【2-4-2】かずさ DNA 研究所が担当する実用的植物に関する遺伝子情報を もとした、これらの遺伝子発現を効果的に検出できるアレイの開発を期待する。 資料3−10 実施者側コメント 【2-4-1】当初からかずさDNA研究所の発現データベー スと連携し公開することを念頭に開発しており、利用者 が得たデータに関してはかずさDNA研究所のデータベ ースに集約する計画でおります(事業原簿 p.27、D)。 【2-4-2】今回のプロジェクト内容には含まれておりませ んが、実用植物に成果を活かすという意味で重要な課題 と認識しております。NEDO、バイオ組合およびかずさ DNA研究所と遺伝子情報の取扱など協議のうえ推進し ていきたいと考えております。 ⑤植物の統括的な遺伝子発現制御機能の解析 (実施者;独立行政法人 産業技術総合研究所) 1)成果、実用化の見通しに関する評価および今後の研究開発の方向性に関する提言 評価要旨(案) 膨大な数の転写因子の中から技術開発に有用と推定される因子を探し出す本研究テ ーマは有意義であり、世界的にも重要である。植物細胞の可塑性を考慮すると、おびた だしい相互作用が推定されるため、代謝系に絞り込み、調べるという試みも評価できる。 遺伝子発現制御を転写因子の側から網羅的にアプローチする方法や、キメラリプレッサ ーを用いる方法も独自性がある。転写因子による物質生産プロセス制御をめざし、配列 情報収集、cDNA 収集・解析、発現解析、機能解析など、研究計画に従って成果をあげ ている。実用植物への応用も期待が持てる。 課題としては、転写因子による形質転換実験を更に数多く進めること、その結果を基 にして、本手法の有用性を確認すること、実用樹木等への応用展開を早急に進めること などがある。 【2-5-1】ERF 遺伝子の過剰発現において、形態及びその他の形質に影響は 出ていないか注意する必要がある。【2-5-2】さらに、未知な転写制御因子の抽出とその 機能解明にも取り組んで欲しい。新しい転写因子を探すことで新たな展開が期待でき る。 【2-5-3】一般的・汎用的な基盤技術研究という性格が強いと感じられる。本事業目的 に沿う様に「植物の物質生産プロセス制御」と実用化に具体的に貢献しうる特徴を強く 出すべきである。 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 実施者側コメント 【2-5-1】ERF 有用機能が期待される転写因子遺伝子 【2-5-1】ERF 遺伝子を含めて、有用機能の知見が得られ の過剰発現において、形態及びその他の形質に影響は た転写因子遺伝子については、形質転換植物体を作成し 出ていないか注意する解析をさらに進める必要があ て当該機能の検証とその他の形質への影響の評価を進め る。 ています。(事業原簿 p116) 【2-5-3】一般的・汎用的な物質生産プロセス制御の 基盤技術研究という性格が強いと感じられる。本事業 目的に沿う様に「植物の物質生産プロセス制御」実用 化に具体的に貢献しうる特徴をさらに強く出すべき である。 資料3−11 【2-5-2】本研究では、機能未知の新しい転写因子の探索 とその機能解明を進めています。未知の DNA 結合ドメイ ンを有する転写因子を探索することも、重要な課題であ ると認識しています。しかし、その場合は未知の DNA 結 合ドメインの探索という研究開発になり、より一般的な 基礎研究という性格が強くなります。 ただし、未知の DNA 結合ドメインを有する転写因子の探索への展開も意識し ながら研究開発を進めることは重要だと考えています。 【2-5-3】本研究開発では、物質生産プロセスに関与する 代謝系遺伝子群の転写因子による発現制御を解析してお り、本事業の目的に沿って「植物の物質生産プロセス制 御」の基盤技術開発を進めています(事業原簿 p29)。研 究成果は、植物の物質生産プロセス制御の実用化技術開 発の技術基盤であると考えます。<提言>での指摘のよ うに、本研究開発は「実用植物を見据えた転写因子での 代謝制御の解析であり」、今後さらに「転写因子の代謝制 御機能解明を加速させ」、「その成果を、具体的に実用化 技術開発に生かしていくために、さまざまな取り組みを 進めていくこと」が重要であると考えています。 2.2 実用植物を用いた物質生産制御技術の開発 ①高バイオマス生産性樹木の開発と遺伝子発現制御システムの最適化(実施者;日本製紙株式会社) 1)成果、実用化の見通しに関する評価および今後の研究開発の方向性に関する提言 評価要旨(案) 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 本研究テーマでは、ユーカリの物質生産に関わる研究を分子生物学的に進めている。 ●要望事項なし 世界的にも重要な研究である。実用化の方針、戦略が明確であり、新手法の開発に積極 的である。MAT ベクターなどの独自の遺伝子導入技術によって、組換え体植物ができ ている。周縁キメラ作成技術の研究も、生殖器官に目的遺伝子が導入されないとすれば、 画期的な技術である。実用化すれば、他の植物にも応用可能であり、組換え植物の安全 性という問題の克服に大きな力になる。 実用化を進める上で、【2-6-1】高収量化(高成長性・高パルプ化適性)を、環境適応 性(耐寒性・耐塩性の形質)が導入されたのかを調べる必要がある。また、組換えユー カリの材を用いて、実際にパルプ化特性(材積、脱リグニン挙動、繊維長など)を確認 する必要がある。また、種々の至適化技術を施し導入した遺伝子が長期にわたって安定 的に発現するシステムや、地力低下を防止しユーカリの成長を何世代にもわたって継続 させる方法も検討すべきであろう。 【2-6-2】本研究内容の、国際的な評価を得るためにも、インパクトのある学術雑誌に 成果を報告する努力をして欲しい。【2-6-3】また、海外で栽培を行なう計画であること から、国際的に全く問題のない状況で実験を行なうよう、細心の注意を払って欲しい。 資料3−12 実施者側コメント 【2-6-1】樹木は多年性植物であるため、温室あるいは野 外で栽培を行い形質を評価する必要があります。しかし、 未だ組換え樹木栽培試験のシステムは確立されておりま せん。前期はシステムの確立を目指し、後期に形質評価 試験および遺伝子発現の長期安定性に関する評価を実施 する予定であります。 【2-6-2】組換えユーカリを作成では、ポイントの高いジ ャーナルへの掲載は難しいと考えられます。むしろ、時 間を要しますが、野外での形質評価試験を行った後に投 稿する方がインパクトを得られると存じます。 【2-6-3】共同研究を実施している筑波大学の渡邉教授は カルタへナ会議の委員ですので、会議参加時に情報収集 を行っていただき、条約に則った計画の立案、推進を行 う予定であります。 ②循環型工業原料木質バイオマス統括的生産制御技術の開発(実施者;王子製紙株式会社) 1)成果、実用化の見通しに関する評価および今後の研究開発の方向性に関する提言 評価要旨(案) 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 実施者側コメント 【2-7-1】【2-7-2】マイクロアレイ解析の結果は予備的結 実用化を目指して、ユーカリの物質生産に関わる研究を分子生物学的に進めており、 世界的にも重要な研究である。統括的制御因子を見出して、生産性を制御しようとする 果、とのご指摘の通り、最終の判断ではありませんが、 研究方向は重要である。材形成に関わる遺伝子群の網羅的解析は今後の研究発展のため 事業原簿、12 頁(2.1.4 個別テーマ毎の研究開発の内容)、 の知的財産となる。マイクロアレイ解析等から興味深い知見が得られている。積極的な 並びに 33、34 頁(2.1.5 個別テーマ毎の研究開発の内容) 特許申請、成果発表も評価できる。【2-7-1】ただ、マイクロアレイ解析の結果は予備的 【2-7-1】削除を御願い致します。 に記載通り、アレイ解析により絞り込んだ遺伝子につい 結果である。結論とするには不十分であるため、研究成果の判断は時期尚早である。 ては機能解析を実施し、制御因子及び該当プロモーター 今後の課題として、研究の方向性の正しさを実証できる因子の特定が重要である。 【2-7-2】マイクロアレイ解析で得られるデータを基 の相互作用を詳細に検討しており、17 年度中の最終結論 【2-7-2】マイクロアレイ解析で得られるデータは二次的な効果によるものが多いため、 に目的とする木質バイオマスの向上に関わる因子を を獲得できる見込みですので左記のようにご修正頂けれ 目的とする木質バイオマスの向上に関わる因子を効率よく特定する必要がある。この研 効率よく特定する必要がある。この研究もあわせて実 ば幸いです。 究もあわせて実施して欲しい。実用化には、野外での大規模な植栽を行わなければなら 施して欲しい。 【2-7-3】日本製紙の技術開発は遺伝子組換えユーカリ作 ない。遺伝子組換え植物に対する社会的コンセンサスの獲得を含めた基盤整備も必要で 出技術の改良に主点を置かれており、プロジェクト後半 ある。また、研究内容について国際的な評価を得るために、インパクトのある学術雑誌 はその検証を行われると理解しております。当社は、モ に成果を報告して欲しい。 【2-7-3】日本製紙とユーカリの育種で共同研究ができないだろうか。材質の改善では王 【2-7-3】日本製紙とユーカリの育種において、で共 デル植物での目的遺伝子の早期確認、花芽形成抑止等の 子製紙が、遺伝子拡散抑止技術では日本製紙がそれぞれ優位であると思う。両者が共同 同研究ができないだろうか。材質の改善では王子製紙 観点で研究を継続する予定であり、遺伝子組換えユーカ して、すばらしい成果を出すことが、本プロジェクトにとっても、また、遺伝子組換え が、遺伝子拡散抑止技術では日本製紙がそれぞれ優位 リの植栽は日本での実施を想定して居らず、海外での植 であると思う。両者が共同協力して、すばらしい成果 栽適地における試験を構築中です。このように、日本製 技術に対するパブリックアクセプタンスを得るためにも重要なことだと思う。 を出すことが、本プロジェクトにとっても、また、遺 紙の実施方針とは大きく異なることから、共同研究を行 伝子組換え技術に対するパブリックアクセプタンス う意義はあまり大きくないと存じ、今後ともプロジェク を得るためにも重要なことだと思う。 ト内での必要な情報交換は行い、協力して成果を出して 参りますので、左記のように改訂頂ければ幸いに存じま す。 資料3−13 ③トランス型ゴム工業原料植物のゴム生産制御技術の開発(実施者;日立造船株式会社) 1)成果、実用化の見通しに関する評価および今後の研究開発の方向性に関する提言 評価要旨(案) 本研究テーマは、トランス型ゴムの生産に関与する遺伝子の解析に関する研究であ り、未利用資源の活用につながる。実用化を視野に入れて、中国との共同研究を進めて おり、資源のない日本にとって重要な研究である。トチュウの成分分析、精英樹選抜、 変異体育種、生合成系解析、メタボローム解析などについて、研究計画に従い一定の成 果をあげている点は評価できる。ただ、本来の研究目的については、これから本格的に 取り組む段階にある。 【2-8-1】最終的な研究成果の達成目的が、ゴムの生産性に関わる遺伝子の抽出・機能 解明なのか、実用的な品種の育成なのか明確ではない。実用化だとすれば、実用化に至 るまでの戦略と道筋を明確にすることが必要である。【2-8-2】たとえば、実施者が示し ている植物の変異体作出方法とメタボローム解析とは結びつかない。【2-8-3】メタボロ ーム解析とゴム含量との関連が不明確である。まず、【2-8-4】どういう細胞がゴムを生 合成し、どのように輸送され、どこに蓄えられているのかという基本的情報を把握すべ きである。その後どのような条件でゴムが蓄積するかを把握するために、段階別の研究 計画を立てる必要がある。また、研究の鍵となる遺伝子をいかにして見つけるか、その 道筋を立てる必要がある。 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 【2-8-1】最終的な研究成果の達成目的が、ゴムの生 産性に関わる遺伝子の抽出・機能解明なのか、実用的 な品種の育成なのか明確ではない。は実用化だとすれ ばであろうが、実用化に至るまでの戦略と道筋を今少 し明確にすることが必要である。 【2-8-2】削除を御願い致します。 【2-8-3】削除を御願い致します。 【2-8-4】どういう細胞がゴムを生合成し、どのよう に輸送され、どこに蓄えられているのかという基本的 情報をさらに詳細に把握すべきである。その後どのよ うな条件でゴムが蓄積するかを把握するために、段階 別の研究計画を立てる見直す必要がある。また、研究 の鍵となる遺伝子をいかにして見つけるか、その道筋 を立て再検討する必要がある。 資料3−14 実施者側コメント 【2-8-1】最終目標は,ゴム生産に耐えうる実用品種の取 得ですが,本プロジェクトでの目標は事業原簿 p.35 にあ るように「工業原料植物としての用途を高める分子育種 技術の開発」であります。しかしゴムの生合成メカニズ ムが未だ明らかにされていないため,まず基礎的な研究 に取り組んでいる、ということですので左記のように改 訂をお願いいたします。 【2-8-2】事業原簿 p35 の B で述べてありますように、変 異体の育種はトチュウゴム代謝の基礎科学的評価を行う ためのものであり、基礎科学的評価には当然メタボロ− ム解析を含みますので関係は明白であり、削除をお願い します。 【2-8-3】事業原簿 p36 の D で述べてありますが、今後, 取得したゴム含量の異なるトチュウについて,遺伝子解 析およびメタボローム解析を進めることにより,ゴム生 合成における鍵遺伝子群の同定を行うとともに,メタボ ローム解析によりゴム代謝と連動する代謝物も明らかに することができ,個体全体の代謝を追うことにより栽 培・管理方法の改善など実用化の目的に応じた、ゴム含 量の向上を含めたゴム高生産植物の技術として構築でき ると考えております。このように、メタボローム解析と ゴム含量は大きな関連がありますので削除をお願いしま す。 【2-8-4】事業原簿 p36 の C で述べてありますように、ゴ ム生合成部位や輸送については既に検討を進めておりま すし、鍵となる遺伝子同定のために【2-8-2】で述べた取 り組みを行っております。これらの取り組みが不十分で あるとのご指摘と受け止めました上で、左記のように改 訂頂ければ幸いに存じます。 ④パラゴムノキのゴム生産制御技術の開発(実施者;株式会社 ブリヂストン) 1)成果、実用化の見通しに関する評価および今後の研究開発の方向性に関する提言 評価要旨(案) 本研究テーマでは、世界的に不足する可能性のある天然ゴムの増産を目標にしたイン ドネシアとの共同プロジェクトが含まれている。NEDOの事業として成功させて欲し い。天然ゴムは重要な工業原料であるが、その生合成系については未解明な点が多く、 技術基盤確立のための研究開発に着手した点は評価できる。パラゴムノキの組織培養や 形質転換など実用植物育成のための重要な成果を得ており、今後の成果が期待される。 【2-9-1】本プロジェクトの目的を考慮すると、高品質ラテックス、非ゴム成分組成等 について、具体的な目標設定の上、最終的には実用的で優良なパラゴムノキの作出に挑 戦すべきである。そのための作業計画を再検討する必要がある。 【2-9-2】最初に、ど の細胞がゴムを生合成し、どのように輸送され、どこに蓄えられるかという基本的情報 を把握すべきである。ゴム生産に関わる遺伝子群として機能未知のものを多数得ている が、【2-9-3】重要遺伝子の絞り込みは今後の課題である。この絞り込みの際の指針も明 確にしておく必要がある。 【2-9-4】また、インドネシアで実施している研究内容と重複しないように、棲み分け と相互理解のための十分な討論が必要である。 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 【2-9-1】本プロジェクトの目的を考慮すると、 高品質ラテックス、非ゴム成分組成等につい て、具体的な目標設定の上、最終的には実用的 で優良なパラゴムノキの作出に挑戦すべきで ある。そのための作業計画を再検討する必要が あるしてはいるが、高品質ラテックス、非ゴム 成分組成等について、更に具体的目標を設定し て進めることが望まれる。 【2-9-4】また、インドネシアで実施している 研究内容と重複しないように、棲み分けと相互 理解のための十分な討論を継続してゆくこと が必要である。 資料3−15 実施者側コメント 【2-9-1】分科会説明資料 p2 に記載したように、天然ゴムの実用 的な目標に挑戦しています。生産性ではラテックスの生産量増 加、品質ではシスポリイソプレン分子構造制御による加工性・物 性バラツキの改善、非ゴム成分の組成制御による機械強度向上・ 加硫特性向上・耐候性の向上、配合薬品の低減・廃止などを目指 し、実用的効果を考慮して取組む計画としており、挑戦していな いということではございませんので、改訂をお願いいたします。 【2-9-2】ご指摘の通りであり、ラテックスは樹幹の篩部にある 乳管細胞で生産され蓄積されるという文献情報は得ており、確認 を計画しています。一方、原料となる物質あるいは前駆体の生産 部位は不明ですので、a.新たなサンプリング方法を開発して、 転写産物と産生されたラテックス成分の組成を照らし合わせ、ゴ ム生合成に関与する遺伝子群の発現様式を解析することでゴム の生合成・蓄積の機構を明らかにする、b.電子顕微鏡観察で乳 管 と そ の 周 囲 の 組 織 を 詳 細 に 観 察 す る と と も に 、 in situ hybridization や免疫電顕などの手法で遺伝子発現を組織・細胞 レベルでとらえること、を計画しています。 【2-9-3】取得した EST の中で、既知遺伝子と相同性を持つもの (非ゴム成分及びゴム成分の生合成に関わる酵素遺伝子)に関し ては、すでに数十種類の完全長 cDNA を得て、酵母および大腸 菌を用いた相補系実験で機能を確認済みです。これらの成果に関 しては特許申請後に順次公表する予定です。ほかに転写制御因子 候補などについても、抽出・分類作業が進行中です。さらに、機 能未知遺伝子に関しては、マイクロアレイを用いた網羅的な転写 解析を通じて時間的・空間的な発現様式での分類を行い、ゴム生 合 成 そ の も の に 関 与 す る 遺 伝 子 群 を 特 定 し ま す 。 in situ hybridization や免疫電顕などの手法で得た情報も絞込みに活用 します。今後の研究を通じて、この絞込みの方法論をより深化さ せてまいります。 【2-9-4】分科会資料説明 p.3 でご説明しましたように、日本と イ ン ド ネ シ ア の役 割分 担 は 明 確 に して おり 、BSKP お よ び BPPT には約 8 回/年研究員が出張および訪問して、重複が起こ らないように調整して進めています。また、利用できる clone 種 が場所により異なりますので複数の拠点で行なうことにメリッ トもあると考えます。以上の理由から、改訂を要望いたします。 ⑤生理活性物質等の有用物質生産制御技術の開発(実施者;株式会社 常磐植物化学研究所) 1)成果、実用化の見通しに関する評価および今後の研究開発の方向性に関する提言 評価要旨(案) 本研究テーマでは、重要な医薬品・食品原料であるカンゾウについて、重要成分の効 率的な生産を目的とした技術基盤確立のための研究開発に着手した点は評価できる。計 画した研究項目も一定の成果をあげている。最新手法による成分の変動と栽培方法によ る変動の分析、グリチルリチン蓄積と肥大根の相関に注目した進め方も評価できる。 本研究では、形質転換手法は、主要実施項目のひとつと位置づけられているが、供試 材料が限定されており、検討が不充分である。また、 【2-10-1】網羅的解析から得られる 制御因子を特定して二次代謝産物の含量を高度に生産する手法が適応できる可能性が あるが、計画されていない。実用化見通しの時間軸も記されていない。 【2-10-2】現時点で再分化系が確立されていないことから、この植物ではカルスから の再分化が非常に困難であることが予想される。根の培養系での生産を考えるとか、育 種以外の方法も考えたほうが良い。また、野生種での高蓄積結果を見ると、生育環境の 要因を調査するし、この栽培条件に応答する遺伝子を調べることで効率的生産の道が拓 ける可能性がある。 【2-10-3】なお、なぜグリチルリチンを取り上げたのか、NEDOの事業としての重 要性はどこにあるのかについて明確にしておくべきである。 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 実施者側コメント 【2-10-1】網羅的解析から得られる制御因子の特定につき ましては、既に確立した毛状根培養を用いて検討を行う 計画となっております(事業原簿 p.138)ので、左記に改 訂をお願いします。 【2-10-1】網羅的解析から得られる制御因子を特定し て二次代謝産物の含量を高度に生産する手法が適応 できる可能性があるが、計画されていない。実用化見 通しの時間軸もが記されていない。 【2-10-3】削除を御願い致します。 【2-10-2】ご指摘のようにカルスからの植物体再分化が困 難であることが予測されますので、実生へのエレクトロ ポレーション法など他の手法の検討も開始すると共に、 毛状根での生産も考えて感染条件や培養条件の最適化を 検討しています(事業原簿 p.138、プレゼン資料 p.2, 3)。 また、生育環境の要因を調査するために、すでに確立し た人工気象室内での栽培方法を用い、温度や照度、土壌 pH や塩類濃度について検討を行う予定です。これら環境 条件に応答する遺伝子を効率良く調べるために、現在塩 基配列を解読中の 20,000 クローンの EST を用いて DNA アレイの作製を予定しています(プレゼン資料 p.9)。 【2-10-3】「1.2 各論 1」事業の目的・位置付けに ついて」で説明しています。個別テーマの評価要旨から 削除をお願いいたします。 資料3−16 ⑥ステロイド生産制御技術の開発(実施者;株式会社 植物工学研究所) 1)成果、実用化の見通しに関する評価および今後の研究開発の方向性に関する提言 評価要旨(案) 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 本研究テーマでは、動物由来で生産されていたステロール・トリテルペン類を植物由 来のものに代替することを目指している。動物原料経由によるウイルス汚染などの危険 性を避けるための方法として有効であり、方向性は評価できる。カイコ由来の遺伝子を 用いて、植物由来の遺伝子のみでは不可能な反応を植物体で実現しようとする試みはユ ニークであり、意欲的な発想である。また研究の戦略も論理的である。 アマにおいて5%以上の蓄積という目標設定は明確であり、計画に従い着実に成果を 上げている。 【2-11-1】ただ、アマを選択した根拠は明確にしておいて欲しい。 【2-11-2】 【2-11-1】削除を御願い致します。 微生物を用いた発酵法との違い、ステロール生産を植物で行なうことの利点、問題点も 明確にすべきである。 課題として、コレステロールを高生産するには集積の効率と安定性も重要であるため、 集積に必要な細胞内オルガネラの研究も必要である。植物体内に存在しない物質を植物 細胞中に作る場合、正常に貯蔵されるか、細胞組織内の反応も考慮すべきである。また、 未知の制御遺伝子が大きな役割を担っている可能性も配慮して欲しい。 本研究テーマは、分担先である(株)植物工学研究所間が解散を余儀なくされた。 【2-11-3】研究テーマを引き継ぐ研究機関にこの研究成果が有効活用され、実用化へつ ながることを期待する。また当初の目的達成のために、プロジェクト推進委員会の支援 を望みたい。 資料3−17 実施者側コメント 【2-11-1】事業原簿プロジェクト用語集1、p.41 に記し た通り、アマは遺伝子組換え実験が可能な比較的栽培面 積の大きい作物であり、その油は工業油として用いられ ています。さらに植物体は繊維としての用途もあり、高 付加価値の作物を創造できる可能性が大きいという理由 で選択したものですので、削除をお願いいたしたく存じ ます。 【2-11-2】発酵法にせよ、植物を用いた生産系にせよ、い かに効率の良い抽出法を確立できるかが実用化の成否を 分けるポイントであろうと考えられる。植物では、脂質 を貯蔵する種子に、特異的に抽出しやすい形で目的物質 を蓄積させることで、発酵法とは異なる生産系を構築で きる可能性があると考えている。さらに、糖源の添加を 必要としないことからも、より優れた自己充足生産系と なる可能性があると考え、これを実証しようとしており ました。 【2-11-3】カイコ遺伝子に関しては主に東工大に、ステロ イドおよびステロール類をアマで高生産させるプロジェ クトに関しては石川県立大学に、研究を引き継いでいた だき、今年度内に成果をとりまとめる予定です。 ⑦カロテノイド生産制御技術の開発(実施者;株式会社 海洋バイオテクノロジー研究所) 1)成果、実用化の見通しに関する評価および今後の研究開発の方向性に関する提言 評価要旨(案) 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 本研究テーマは、植物を使ったアスタキサンチンの大量生産を目指している。生合成 の鍵となる因子の導入で高収量が達成できれば、バイオマスを利用した物質生産法の先 駆的存在となる。目標設定は“アマ、又はナタネで 1 mg/g 湿重量のカロテノイドの発 現”と明確である。crtB などカロテノイド生合成の鍵になる遺伝子をモデル植物で明ら かにし、代謝物解析から鍵遺伝子の特定まで進んでおり、着実に成果をあげている。プ ロジェクト内で共同研究を進めていること、成果をある程度公表していることも評価で きる。 カロテノイド生合成系は複雑であるため、今後、網羅的解析だけでは鍵遺伝子の同定 が難しくなる可能性がある。カロテノイドの代謝を制御する遺伝子も検索する必要もあ る。 また、モデル植物を利用した遺伝子の絞り込み作業や改変 crtW 遺伝子を導入した植 物体を作出し、生産性向上の検証作業が必要になるかもしれない。高生産性を確立させ るには、集積部位への集積関連機構の分子生物学的解析と最適化を配慮する必要もあ る。実用化に向けて、有機合成法、発酵法に比べてこの方法が有利であることを明確に 示す必要がある。 健康食品用途では遺伝子組換えに対する消費者の不安感がある。 【2-12-1】このような 【2-12-1】このようなハードルを超えるような、(組 ハードルを超えるような、(組換え以外の)他の方法では生産できない高価値のカロテ 換え以外の)他の方法では生産できない高価値のカロ テノイド生産を、アスタキサンチン以外にも期待した ノイド生産を期待したい。 い。 資料3−18 実施者側コメント 【2-12-1】アスタキサンチンは緑藻ヘマトコッカスでも生 産され、すでに市販されておりますが、この緑藻による 生産法等の従来法をコスト的にも品質的にも凌駕できる ことを示すのが、本テーマの目標と理解しております。 他の方法では生産できない高価値のカロテノイド生産に ついても検討していきたいと考えております。 ⑧外来糖質生産植物の研究開発(実施者;東洋紡績株式会社) 1)成果、実用化の見通しに関する評価および今後の研究開発の方向性に関する提言 評価要旨(案) 事実誤認確認結果および実施者側改訂案 本研究テーマは、化粧品や医薬品の素材として重要なヒアルロン酸を植物で生産する ●要望事項なし ことである。目標設定は比較的明確になされており、理解しやすい。実際に、遺伝子導 入タバコにおいて、ヒアルロン酸生産能が確認されている。この成果は、タンパク質以 外の動物性成分が植物を使って生産可能であることを示している。植物を動物由来有用 物質の生産工場として使うモデルケースとしても魅力的である。基礎研究としても重要 な内容を含んでおり、研究の展開を期待する。海外を含めて特許出願を進めており、実 用化に向けた開発としても評価できる。 【2-13-1】課題としては、糖ヌクレオチド代謝全体を制御する統括的制御因子の特定、 引き続く遺伝子レベルでの改質等に配慮すべきである。効率的にヒアルロン酸を取り込 む工夫も必要である。また、 【2-13-2】植物において生産したヒアルロン酸を、効率よく 精製・純化することを考慮に入れた上で、生産のために用いる実用植物の種類と株につ いて早急に決定する必要がある。今後の計画策定に際し、以上の点をふまえて、展望を 明らかにして欲しい。 【2-13-3】実用化研究ではあるが、インパクトのある国際学術雑誌で、積極的に成果 を公表して欲しい。 資料3−19 実施者側コメント 【2-13-1】モデル植物のトランスクリプトミクスおよびメ タボロミクスのデータも活用し、ヒアルロン酸の生産性 向上に寄与する糖ヌクレオチド代謝遺伝子を解明する方 向で進めております。 【2-13-2】ご指摘の通り、ヒアルロン酸の大量生産に適し た実用植物を早急に決定したいと考え、調査を進めてお ります。 【2-13-3】民間企業としては、先ず特許出願・取得を優先 しますので、特許出願が可能となるレベルまでデータを 蓄積し、出願後も公開となるまで(約1年半)は論文発 表を控えております。ご指摘の通り、成果の公表も重要 な課題であると受け止めており、準備を進めております。