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JA 尾道総合病院の早期膵癌プロジェクトにおける地域
展示5 JA尾道総合病院 消化器内科 【要約】 10mm未満の膵臓癌を発見するのに、EUS(超音波内視鏡)がCTやその他の 画像診断と比較して検出率が高い. 膵臓がんの内、特にstage0(上皮内癌)に 対して、我々はEUS及びMRCPがとても重要である事を報告している。また、 ERP(内視鏡的逆行性膵管造影)及びENPD(内視鏡的経鼻膵管ドレナージ)に よる複数回膵液細胞診が有用であることも報告している。 2007年より尾道医療地域における膵癌早期発見のプロジェクトを立ち上げた.開業医に膵臓癌の危険因子である、腹部超 音波(US)での異常所見、或いは膵酵素異常などに焦点を当て、これらの所見がある患者は地域基幹病院の膵 臓専門医へ紹介して頂く事を啓蒙した。2007年1月から2013年6月までに計4969名の膵癌疑いの患者が来院さ れた。4157名にCT・2303名にMRI・1692名にEUSを施行し、550名にERPを施行した。 ERP施行例の内、59名はENPD留置による複数回膵液細胞診を施行した。EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引 細胞診)は257例に施行した。これらの結果より338名に膵臓癌が見つかり、外科的切除が行われた内、13例の stage0及び28例のstageⅠa及びstageⅠb症例を認めた。 膵臓がんの早期発見には、開業医と地域基幹病院との相互協力を構築する事が重要である。また、ENPD 留置による複数回膵液細胞診が重要な役割を果たすと考えられる。 【背景】 膵癌の外科的治癒切除には早期発見が 必要である 膵癌の早期発見にはEUSが重要な方法 EUS である 10mm未満の膵癌における5年生存率は 80%以上である Egawa et al. Pancreas 41:2012 【早期診断の地域連携】 開業医 啓蒙 相談 ・危険因子 ・US所見 ・EUSの意味 ・EUS ・CT ・MRCP 地域基幹病院 【早期診断のアルゴリズム】 【早期診断のアルゴリズム】 臨床所見(腫瘍マーカーの上昇・膵酵素・膵炎・危険因子) 膵管狭窄や拡張・嚢胞 EUS, MRCP, CT ERCP (ENPD) 腫瘤性病変 EUS-FNA 膵癌と診断 経過観察 クリニカルパス 治療 EUS, MRCP, CT 地域基幹病院 血液検査, US 開業医 stage 0症例 (上皮内癌) Case 5 (82歳M) CT MRCP ERCP Tube Cytology EUS ENPD Specimen No.18 MUC1 MUC2 MUC5AC MUC6 HE CA19-9 p53 【総括】 地域基幹病院と開業医との連携は膵癌の 早期発見にとても重要である 主膵管の局所的な拡張や不整・嚢胞を EUS・MRCPで見つけることが、膵癌の 早期発見診断における最初の所見であ る ENPDによる複数回の膵液細胞診は膵癌 の早期診断に重要である