...

全体 (PDF形式 11521KB

by user

on
Category: Documents
9

views

Report

Comments

Transcript

全体 (PDF形式 11521KB
平成25年版
船橋市の環境
”みんなでつくり 未来へつなぐ 恵み豊かな環境”をめざして
三番瀬から撮影した景色。富士山は、平成25年6月に世界文化遺産に登録された。
船 橋 市
は じ め に
本市では、社会情勢の変化や環境行政をとりまく状況に対応しながら、多様な環
境問題の解決に取り組んでいくため、平成23年3月に平成32年度までの10年
間を期間とする新たな船橋市環境基本計画を策定し、様々な施策を展開しておりま
す。
また、平成24年3月には、地球温暖化対策の推進に関する法律の改正を受け、
本市においても船橋市地球温暖化対策地域推進計画を改定し、船橋市地球温暖化対
策実行計画(区域施策編)を策定しました。
このように様々な計画を策定し、それらの目標を達成するために環境問題に対す
る取り組みを推進しています。しかしながら、環境に関する諸問題は多岐に渡り、
かつ地球温暖化のように長期的に取り組まなくては解決できない問題も数多くあ
ります。今後もこれらの問題を解決し、より住みよい船橋市となるように、市民・
事業者の皆さまと一体となって環境の保全につながる施策を推進していきたいと
考えておりますので、ご理解、ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
本白書は、平成24年度における本市の環境の現状及び環境保全の施策などを取
りまとめ報告するもので、船橋市環境基本計画の達成状況なども記載しております
ので、本市の環境問題をご理解、ご認識いただくための一助となれば幸いです。
平成 26 年 2 月
船橋市長
松 戸
徹
目
第1部 総
論
第1章 船橋市の概要
第1節 自然条件 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
1 位置・地勢 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
2 気象 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第2節 社会条件 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
1 人口 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
2 産業 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
3 土地利用 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
4 交通 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第3節 組織 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
1 環境行政組織 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
2 環境審議会 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
1
1
2
2
2
2
5
6
7
7
7
第2章 総合的な環境施策の推進
第1節 環境基本条例 ‥‥‥‥‥‥‥‥
第2節 環境基本計画 ‥‥‥‥‥‥‥‥
1 計画の策定 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
2 基本的事項 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
3 望ましい環境像 ‥‥‥‥‥‥‥‥
4 施策の目標と展開 ‥‥‥‥‥‥‥
5 進行管理指標 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
6 環境配慮指針 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
7 計画の推進 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第3節 環境関連の法体系 ‥‥‥‥‥‥
1 法律について ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
2 条例について ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第4節 公害の未然防止に関する
総合的施策 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
1 環境影響評価制度 ‥‥‥‥‥‥‥
2 公害防止協定 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
3 事前協議 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
4 公害防止計画 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
5 公害防止管理者等 ‥‥‥‥‥‥‥
第2部 各
9
10
10
10
11
12
14
21
22
23
23
24
25
25
26
26
27
29
論
第1章 環境の現況と対策
第1節 大気環境 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 30
1 発生源 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 30
次
2 監視体制 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 32
3 環境基準等の達成状況 ‥‥‥‥‥ 35
4 現況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 37
5 対策 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 43
第2節 水環境 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 47
1 発生源 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 47
2 監視体制 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 47
3 環境基準と達成状況 ‥‥‥‥‥‥ 49
4 現況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 54
5 対策 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 56
第3節 土壌・地質環境 ‥‥‥‥‥‥‥ 60
1 土壌汚染 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 60
2 地下水汚染 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 63
3 地盤沈下 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 65
4 旧軍習志野学校跡地及び習志野演習場
における毒ガス弾等に関する環境調査
について ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 67
第4節 騒音・振動 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 69
1 発生源 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 70
2 監視体制 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 70
3 環境基準の達成状況と要請限度 ‥ 71
4 対策 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 76
第5節 悪臭 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 78
1 発生源 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 78
2 規制基準 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 78
3 対策 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 79
第6節 ダイオキシン ‥‥‥‥‥‥‥‥ 80
1 大気 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 80
2 水質・底質・土壌 ‥‥‥‥‥‥‥ 80
3 対策 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 81
第7節 廃棄物 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 83
1 背景 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 83
2 廃棄物の排出状況 ‥‥‥‥‥‥‥ 83
第2章 自然環境の保全
第1節 自然環境調査 ‥‥‥‥‥‥‥‥
1 調査の概要と結果 ‥‥‥‥‥‥‥
2 今後の課題等 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第2節 三番瀬(さんばんぜ) ‥‥‥‥
1 三番瀬とは ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
2 干潟とそのはたらき ‥‥‥‥‥‥
3 三番瀬の生物 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
4 水質と富栄養化 ‥‥‥‥‥‥‥‥
5 三番瀬の保全 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第3節 自然の保全対策 ‥‥‥‥‥‥‥
87
88
93
94
94
95
96
96
97
99
1 緑の保全 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 99
2 今後の取組み ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 99
第4節 湧水の保全 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
第3章 親しみのある水辺の整備
第1節 水辺の整備 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥101
1 現況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥101
2 講じた施策と今後の対策 ‥‥‥‥101
第2節 水循環への取組み ‥‥‥‥‥‥102
1 現況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥102
2 対策 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥103
第4章 地球環境保全
第1節 地球環境問題 ‥‥‥‥‥‥‥‥104
第2節 地球温暖化対策 ‥‥‥‥‥‥‥105
1 船橋市地球温暖化対策実行計画(区域施
策編) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥106
2 地球温暖化対策に関する取組み ‥108
第3節 市の事業者としての取組 ‥‥‥110
1 ふなばしエコオフィスプラン ‥‥110
2 省エネ・温対法に基づくエネルギー・温
室効果ガスの削減対策 ‥‥‥‥‥113
第5章 環境保全活動
第1節 市の環境保全活動 ‥‥‥‥‥‥116
1 環境週間行事 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥116
2 啓発事業 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥116
第2節 市民の環境保全活動 ‥‥‥‥‥119
1 市民の環境保全活動 ‥‥‥‥‥‥119
2 環境団体の環境保全活動 ‥‥‥‥119
第3節 事業所の環境保全活動 ‥‥‥‥119
1 環境管理システムの導入 ‥‥‥‥119
2 環境保全活動 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥119
第6章 その他
第1節
公害苦情の発生状況 ‥‥‥‥‥120
第3部 資 料 編
1
2
3
行政のあゆみ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥121
船橋市環境基本条例 ‥‥‥‥‥‥‥126
用語解説 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥129
第1章 船橋市の概要
に低く平坦であり、北部は緑に覆われ、低い丘陵
第1節 自然条件
が起伏しており、市街地と北部農耕地の中間の内
1.位置 ・ 地勢
陸部は住宅地が広がっています。
本市は、千葉県の北西部に位置し、首都東京と
表 1-1-1 位置
県庁所在地の千葉市のほぼ中間にあります。また、
陸上及び海上交通の要衝の地である東京湾最奥
部に面しているため、市勢の発展に極めて有利な
地理的条件を有しています。
区 分
経度・緯度
町 名
東 端
東経 140°05′23″
小野田町
西 端
東経 139°56′19″
本中山7丁目
南 端
北緯
35°39′50″
高瀬町
北 端
北緯
35°47′59″
小室町
2
面積は85.64km 、東西の距離は13.86km、南北
の距離は14.95kmとなっています。地勢は全般的
図 1-1-1 船橋市の位置
-1-
2.気象
第2節 社会条件
本市の過去10年間における気象については、
1.人口
気象庁が観測したデータによれば、年平均気温は
平成24年10月1日現在の本市の人口は611,799
14.6~15.9℃、年間降水量は1,203~1,687mm、
人、世帯数は265,327世帯です。また、1世帯当た
年平均風速は1.7~1.9m/s であり、比較的温暖な
りの人員は2.30人です。昭和35年から日本住宅公
海洋性気候を示しています。
17
団(現:独立行政法人都市再生機構)による大規
平均気温 (℃)
模団地が相次いで造成され、また民間による住宅
16
開発が盛んに行われたことにより、急激に人口が
15
増加し、昭和58年10月には50万人を超えました。
しかし、元号が昭和から平成に変わったころから、
14
人口増加数が対前年比3,000人未満となり、急激
13
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24 (年)
な増加は終わり、緩やかな増加を示しています。
図1-1-2 気温経年変化 (資料:気象庁)
これに対し、世帯数は一貫して増加傾向で推移
2000
降水量 (mm)
しており、近年は核家族世帯だけでなく、単独世帯
1800
などの増加が進んでいます。
1600
700
600
500
400
300
200
100
0
1400
1200
1000
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24 (年)
図 1-1-3 降水量経年変化 (資料:気象庁)
風速 (m/s)
人口 (千人)
S25 30 35 40 45 50 55 60 H2 7 12 17 22 23 24
(年度)
2.0
図1-1-5 人口の推移 (各年10月1日現在)
1.9
1.8
2.産業
1.7
本市の産業は、昭和35年以降、恵まれた立地条
1.6
件のもとに、工業団地や大規模住宅団地の造成に
1.5
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24 (年)
より、商工業を中心に大きく発展してきました。産業
図 1-1-4 風速経年変化 (資料:気象庁)
別就業人口構成比の推移を見ると、第一次産業と
平成24年の平均気温は15.0℃(最高35.2℃、最
第二次産業の占める割合は年々減少し、第三次
低-4.7℃)、年間降水量は1,493mm、平均風速は
産業の占める割合が増加しています。
1.9m/s でした。
-2-
比率(%)
100
第1次産業
第2次産業
表1-1-3 漁業生産額の推移
第3次産業
80
60
年度
20
21
22
23
24
生産額(億円)
8.6
6.5
6.6
6.9
5.4
(資料:船橋市漁業協同組合)
40
20
(3)工業
0
H2
H7
H12
H17
H22 (年)
本市の工業は、首都東京に近接しているという
図1-1-6 産業別就業人口構成比の推移
(資料:国勢調査)
地理的に有利であることや内陸部の工業系用途の
指定や臨海部の埋め立てによる工業用地の造成
(1)農業
などの積極的な企業誘致により、企業が進出し、
本市の農業は、都市地域の農業が持つ食料供
順調に発展を遂げてきました。
給基地として、優れた農業を維持し、露地野菜を
中心に果樹、花き園芸、畜産などの多彩な経営を
しかし、臨海部は既に工業地域としては、成熟し
行っており、次世代への育成及び個性豊かな船橋
てきており、大型工業団地の受け皿としての余地
農業の実現を図っています。
はなくなっています。
表 1-1-2 農業の推移
年
農家数
経営耕地面積
また、北部地区に高付加価値型の都市型産業
農業従事者数
や成長産業の新規立地及び市内住工混在地区の
12 1,355戸
1,290ha
3,996人
17 1,174戸
1,090ha
3,055人
区の特性を活かした環境保全型の新しい工業団
22 1,067戸
987ha
2,692人
地(船橋ハイテクパーク・約50ha)が民間開発により、
解消を目的とした中小企業の移転を図るため、地
(資料:2000年世界農林業センサス結果概要、
2005年農林業センサス結果概要、
2010年世界農林業センサス結果概要)
造成されています。
表 1-1-4 工業の推移(各年12月31日現在)
年度 事業所数
(2)漁業
本市の漁業は、漁場豊度に富んだ東京湾を漁
場として、長い歴史と伝統を誇っており、のり・貝
類・魚類の生産を行っています。
市では、共同・区画漁業権で養殖漁業の育成と
許可漁業のための近代化施設を活用し、栽培技
従業員数(人)
出荷額(億円)
18
346
15,596
6,179
19
373
16,788
6,785
20
381
15,662
6,779
21
340
15,111
6,000
22
320
14,603
5,829
※ 事業所数は、従業員4人以上の事業所。
術の向上等を図り、漁家経営の安定を図っていま
す。
-3-
海
図 1-1-7 工業地域分布状況
-4-
(4)商業
地がみられます。
本市の商業は、昭和35年以降の大規模団地の
中部地区は、台地部が宅地として利用され、海
進出等による人口の増加とともに発展を遂げてきま
老川沿いに水田、その周辺に畑地・果樹園、樹林
した。今日では、団地周辺に新興商店街、主要駅
地が見られます。
周辺には古くから形成された商店街や大型商業施
東部地区は、市街化が進み、大部分が宅地とし
設、幹線道路沿いには大型専門店が立地し、県北
て利用されています。
西部の一大商圏を形成しています。
北部地区は、南側の一部が宅地としての利用が
しかし、社会環境や消費者ニーズの変化などに
多く、その他は大部分が緑地、畑地・果樹園、水田
より、商業を取り巻く環境は厳しく、特に商店街及
として利用されています。
びその個店にあっては変化の時代に即した経営・
表 1-1-6 市街化区域及び市街化調整区域
活動戦略が求められています。
(平成 25 年 4 月1日現在)
市では、社会環境の変化に即した経営・活動支
総面積
市街化区域
市街化調整区域
援や商店街の環境整備に対する助成などを行っ
8,564ha
5,509ha(64.3%)
3,055ha(35.7%)
ています。
表1-1-7 用途地域
表 1-1-5 商業の推移
年 次
商店数 従業員数(人)
(平成23年8月16日変更)
販売額(百万円)
用途地域
面 積(ha)
平成 6年
6,636
50,339
1,441,909
第1種低層住宅専用地域
1,772
9年
5,046
37,856
1,322,908
第2種低層住宅専用地域
-
11年
4,799
39,128
1,277,149
第1種中高層住宅専用地域
1,270
14年
4,474
38,910
1,123,031
第2種中高層住宅専用地域
10
16年
4,249
37,801
1,099,864
第1種住居地域
959
19年
3,828
36,906
1,161,083
第2種住居地域
188
(資料:千葉県「商業統計調査結果」
)
3.土地利用
本市の土地利用状況を見ると、南部地区は、都
準住居地域
66
近隣商業地域
88
商業地域
285
市化が進み、商業、工業用地としての利用が多く
準工業地域
317
なっています。特に臨海部は、埋立てにより工業及
工業地域
206
び港湾用地として利用されています。
工業専用地域
348
西部地区は、南側が宅地や商業用地に利用さ
計
れ、北側の台地や河川沿いに畑地・果樹園、樹林
-5-
5,509
4.交通
(2)道路交通網
(1)鉄道網
道路網は、臨海部東西方向の道路と内陸部に
本市の鉄道は、東西方向にJR総武線、JR京葉
延びる南北方向の道路によって、その骨格が形成
線、東京メトロ東西線、東葉高速線及び京成本線
されています。
が延びています。南北方向には JR武蔵野線、東
東西方向には、東関東自動車道、京葉道路、国
武野田線、新京成線が延びています。また、北部
道357号(東京湾岸道路)と国道14号、南北方向に
地区に北総線が延びています。
は、国道296号、県道市川・印西線、船橋・我孫子
線、船橋・松戸線が走っています。
本市の道路は、交通容量の不足とともに有機的
なネットワークに欠けているため、慢性的な渋滞に
よる環境悪化を招いており、総合的な道路交通体
系の確立を図ることが急務となっています。
(鉄道)
ア.JR総武線
イ.JR武蔵野線
ウ.JR京葉線
エ.京成本線
オ.東武野田線
カ.新京成線
キ.東京メトロ東西線
ク.北総線
ケ.東葉高速線
(道路)
A.国道14号
B.国道16号
C.国道296号
D.国道357号
E.東関東自動車道
F.京葉道路
G.県道船橋・我孫子線
H.県道市川・印西線
I.県道千葉・鎌ヶ谷・松戸線
J.県道船橋・松戸線
K.県道夏見・小室線
L.県道長沼・船橋線
M.県道松戸・原木線
図 1-1-8 主要交通網
-6-
第3節 組織
1.環境行政組織
(平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 )
環境部
●環 境 保 全 課 (24人 )
環境政策班 大気騒音班 水質地質班
地球温暖化対策推進室
(1人 )
●クリーン推 進 課 (39人 )
庶務係
計 画 係 まち美 化 ・指 導 係
ごみ処 理 施 設 整 備 室
●産 業 廃 棄 物 課 (12人 )
●環 境 衛 生 課 (22人 )
監視班 審査班 指導班
生活環境係 衛生係 霊園葬祭係
馬込衛生管理事務所
西浦処理場
●北 部 清 掃 工 場 (24人 )
庶務係 業務第一係 業務第二係
●南 部 清 掃 工 場 (12人 )
庶務係 業務係
●清 掃 センター(119人 )
庶務係 業務第一係 業務第二係
図 1-1-9 環 境 行 政 組 織 図
2.環境審議会
境審議会」を設置し、現在に至っています。
(1)委員の構成
昭和38年10月に船橋市公害対策委員会条例を
制定し、公害の防止及び対策に関する必要な事
委員は、環境保全に関する学識経験のある方に
項を調査、審議することを役割とした公害対策委
委嘱していますが、環境施策や環境保全に関して
員会を設置しました。
広く意見を取り入れるため、平成14年から公募によ
昭和45年8月に公害対策委員会の役割を「事業
り一般市民の方にも委嘱しています。
(2)最近の審議内容
活動その他の人の活動に伴って生ずる大気の汚
染、水質の汚濁などにより人の健康又は生活環境
平成24年度は、環境審議会を一回開催しました。
に係る被害の対策に関する基本的事項を調査、審
この審議会においては、船橋市の環境行政の現
議すること。」に改めました。また、公害対策委員会
況及び環境関連計画達成状況について報告しま
から公害対策審議会に改称し、条例の題名につい
した。
ても船橋市公害対策審議会条例に変更しました。
その後、平成9年8月に船橋市公害対策審議会
条例を廃止して、新たに船橋市環境基本条例を制
定し、公害対策に限らず広く環境の保全全般につ
いて、調査、審議することを役割とした「船橋市環
-7-
表 1-1-8 船 橋 市 環 境 審 議 会 委 員 (平 成 25年 3月 31日 現 在 )
役 職
副会長
会長
氏
名
職 業 ・ 役 職 等
我 妻 みと
船橋市生活学校運動推進協議会 会長代行
岩井 茂雄
日本大学理工学部 教授
内倉 和雄
日本大学薬学部 元教授
大西 優子
船橋市地球温暖化対策地域協議会 理事
大野 哲也
船 橋 商 工 会 議 所 工 業 第 1部 会 副 部 会 長
小澤 信也
一般公募
河北 慶介
一般公募
川村 治一
市川市農業協同組合 常務理事
鈴木 恵子
一般公募
田川 暁
船橋市中学校長会 金杉台中学校校長
瀧 和夫
千葉工業大学工学部 名誉教授
滝口 宜彦
船橋市漁業協同組合 代表理事組合長
田島 正子
千葉県自然観察指導員協議会 自然観察指導員
角田 喜信
ニンジン・マス・モンド・クラブ 代 表
中村 俊彦
千葉県立中央博物館 副館長
深沢 規夫
船橋市医師会 会長
本木 次夫
船橋市自治会連合協議会 副会長兼事務局長
森 誠
矢沢 裕
千葉県環境保全協議会船橋部会 部会長
千 葉 県 環 境 研 究 センター センター長
(五 十 音 順 )
-8-
第2章 総合的な環境施策の推進
第1節 環境基本条例
本市では、「環境の保全に関する施策を総合的
かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民
基 本 理 念
の健康で文化的な生活の確保に寄与すること」を
●環境の恵沢の享受と継承
目的として、平成9年3月に船橋市環境基本条例を
●環境への負荷の少ない持続的な発展が可能
制定しました。
な社会の構築
本条例では、環境の保全についての基本理念
●人と自然との共生
や市、事業者、市民のそれぞれの責務を明らかに
●地球環境保全への貢献
するとともに、健全で恵み豊かな環境を保全し、創
造し、そして将来の市民に引き継ぐための環境施
策の基本的な方向と取組の枠組みを定めていま
す。
表 1-2-1 環境施策と具体例
環
境
施
策
具
環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進
・環境基本計画
環境の保全上の支障を防止するための規制
・環境保全条例
体
例
・環境保全に関する協定の締結
環境の保全に関する学習の推進
・ふなばし環境フェア
・船橋三番瀬クリーンアップ
情報の提供
・「船橋市の環境」(本書)及びデータ集の作成
・ホームページ
・広報ふなばし
・環境新聞(エコふなばし)
-9-
第2節 環境基本計画
このようなことを踏まえ、平成23年3月に、新たな
「船橋市環境基本計画」(計画期間:平成23年度か
1.計画の策定
ら平成32年度までの10年間)を策定しました。
環境基本計画の策定について
大量生産・大量消費・大量廃棄型社会がもたら
2.基本的事項
した環境に対する負荷の増大は、地球が本来持っ
(1)計画の趣旨
ている物質循環を破壊したことにより、地球温暖化、
オゾン層の破壊、酸性雨などの地球的規模の環境
問題を現実の問題として認識させるものとなりまし
た。
平成4年にはブラジルのリオデジャネイロにおい
て地球サミット(環境と開発に関する国連会議)が
本計画は、船橋市環境基本条例の基本理念を
受けて、市民、事業者、市が一体となって環境の
保全及び創造に関する施策を推進することにより、
人と自然が共生する環境づくりに努め、現在及び
将来の市民が健全で良好な環境の恵みを受けるこ
とができるようにすることを目的とします。
開催され、持続可能な開発に向けての国際合意を
示す各種の文書が採択されました。
こうした状況の中で、平成5年11月に「環境基本
法」が制定され、平成6年12月には同法に基づく
「環境基本計画」が策定されました。
本市では、平成9年3月に環境基本条例を制定
し、同条例第9条の規定により、市の環境施策を総
また、本計画は、近年急速に顕在化してきている
地球温暖化問題などの新たな環境問題を的確に
捉え、環境行政を取り巻く状況の変化や社会経済
情勢の変化、市民や事業者のニーズなどに対応し
た環境保全施策を総合的かつ計画的に推進する
ために策定するものです。
(2)計画の範囲
合的かつ計画的に推進していくための環境基本計
画(旧計画)を策定し、推進してきました。
しかし、計画策定後十数年が経過し、環境保全
本計画は、身近な環境問題から地球温暖化など
の地球規模の環境問題までを総合的に捉えていく
ものとします。
の取り組みには一定の進展がみられたものの、そ
の間に環境に関わる新たな法の施行や計画の策
定があり、循環型社会の実現に向けた取り組みの
強化、世界規模で深刻化しつつある地球温暖化
問題への対応、生物多様性の確保に向けた取り組
みの推進などが必要となりました。
本市においても、社会経済情勢の変化や環境
本計画の対象分野は、①生活環境、②自然環
境、③地域環境、④地球環境、⑤環境保全活動の
5分野とします。また、対象とする地域は船橋市全
域とし、広域的な対応が必要なものについては、国
や県、他の地方自治体などと協力しながら課題の
解決に取り組むものとします。
①生活環境
行政をとりまく状況に的確に対応しながら、多様な
水環境、大気環境、騒音・振動、悪臭、公害苦
環境問題の解決に向けて新たな環境施策に取り
組んで行くことが必要となりました。
情 など
②自然環境
- 10 -
干潟、河川、森林、農地、動植物 など
するとともに、よりよい環境の再生・創出を行い、未
③地域環境
来の世代につなげていく責務を有しています。
公園・緑地、景観、都市環境 など
これらを踏まえ、船橋市環境基本計画では、望
④地球環境
ましい環境像を以下のとおり定め、この環境像の実
地球温暖化、省エネルギー、新エネルギー、廃
現を目指します。
棄物・リサイクル など
《みんなでつくり 未来へつなぐ
恵み豊かな環境》
⑤環境保全活動
(2)施策の基本方針
環境教育、環境学習、環境情報、環境保全活動
など
本計画では、望ましい環境像を実現するため、以
(3)計画の期間
下に定める基本方針のもとに、本市の特色を活かし
本計画の期間は、長期的な将来を見据えながら、
当面の目標として平成 23 年度(2011 年度)から
ながら各種の施策を展開していきます。
○安全な生活環境の保全
平成 32 年度(2020 年度)までの 10 年間としま
人の健康や生活環境へ被害を及ぼすおそれのあ
す。
る公害の未然防止に努めることにより、安全な生活環
境を保全し、未来に受け継いでいくものとします。
3.望ましい環境像
○生物多様性の確保
(1)望ましい環境像
生物多様性を確保するため、水辺や緑といった貴
私たちを取り巻く環境は、自然の生態系の微妙
重な自然を活かし、人と自然が共生するまちづくりを
な均衡のもとに成り立っており、私たちが健康で文
進め、良好な自然環境を未来に受け継いでいくもの
化的な生活を営む上において、健全で恵み豊かな
とします。
環境は欠くことのできないものです。健全で恵み豊
○快適な地域環境の保全
かな環境を未来の世代に受け継いでいくためには、
地域住民が生活していく上での満足度の向上に努
人間のあらゆる行為が地域の環境のみならず、地
め、誰もが安らげる環境を創出することにより、快適な
球規模の環境に影響を及ぼしていることを深く認
地域環境を保全し、未来に受け継いでいくものとしま
識することが重要です。
す。
また、環境との共生が健全な状態に保たれ、資
○未来に向けた地球環境の保全
源の適正な管理や循環的な利用を推進するなど
資源やエネルギーの合理的かつ循環的な利用、
持続可能な社会づくりを基本とした上で、市民、事
及び廃棄物の排出抑制とリサイクルの推進に努め、
業者及び行政のすべての関係者が協力し合いな
環境への負荷の少ない循環型社会を構築することに
がら、それぞれの立場で行動していくことが求めら
より、かけがえのない地球環境を保全し、未来に受け
れています。
継いでいくものとします。
私たちは、本市の恵み豊かな環境を維持・保全
- 11 -
4.施策の目標と展開
○協働による環境保全への取り組み
市民や事業者の環境保全への取り組みが促進さ
施策の目標と展開を以下のとおり設定します。
れるよう、環境学習や環境教育を推進し、恵み豊かな
環境を市民、事業者、市等でつくり、未来へつなげて
いくものとします。
表1-2-2 安全な生活環境の保全
ア.大気環境の保全
【目標】
イ.水環境の保全
ウ.身近な生活環境の保全
事業活動や自動車からの排出ガス対策 生活排水対策と効率的な水利用の推進に 事業活動や社会活動に起因する生活環
を推進し、大気環境の保全に努めます。 より、水環境と水資源の保全に努めます。 境問題の未然防止に努めます。
①大気環境への負荷の低減
○固定発生源(工場等)対策の推進
○移動発生源(自動車)対策の推進
②大気質の監視と意識高揚の推進
○大気汚染状況の監視
○大気汚染防止に向けた情報提供
○自動車運転者への意識高揚の推進
【施策】
①水環境への負荷の低減
○生活排水対策の推進
○事業所での排水対策の推進
○自然系排水対策の推進
○水質事故への対応
○水質汚濁状況の監視
②水資源の保全の推進
○地下水の保全
○水源の維持・管理
○節水、水の有効利用
①土壌環境への負荷の低減
○土壌汚染の未然防止対策の推進
○土壌汚染対策の実施
②騒音・振動、悪臭、地盤沈下等の防止
対策の推進
○騒音・振動、悪臭等の公害防止対策
○地盤沈下防止対策
○生活環境の保全に向けた意識の向
上
③公害苦情の適正処理、市民や事業者
に対する啓発
○公害苦情の適正処理
○市民や事業者の意識高揚と情報提
供
④公害の未然防止
○環境影響評価制度の適正な運用
○有害化学物質に関する情報の収
集、知識の普及
表1-2-3 生物多様性の確保
ア.水辺と緑の保全
【目標】
【施策】
イ.樹林地・農地の保全
ウ.干潟の保全
水辺空間・緑地空間を整備し、生物多様 樹林地・農地の保全により、動植物の生 将来の世代も干潟の恵みを享受できるよ
性への理解の促進を図ります。
息環境を確保します。
う、三番瀬の保全・再生に努めます。
①水辺空間・緑地空間の整備
○水辺とふれあえる場の整備と意識啓
発
○緑とふれあえる場の整備と意識啓発
②水辺空間・緑地空間のネットワーク化
○ビオトープ創りの推進
○水辺空間・緑地空間のネットワーク
化
①動植物の生息環境の確保
○動植物の生息環境の確保
○自然保護意識の醸成
②樹林地・農地の保全
○樹林地の保全
○農地の保全
○市民への情報提供
- 12 -
①三番瀬の保全・再生とワイズユース(賢
明な利用)の推進
○干潟への負荷の抑制
○ワイズユース(賢明な利用)の推進
○海辺のふれあいの推進
○三番瀬のラムサール条約登録
②保全・再生に向けた体制の整備
○一人ひとりの意識向上の推進
○連携・協働による取り組み
表1-2-4 快適な地域環境の保全
ア.自然とふれあう場の確保
【目標】
【施策】
イ.良好な生活空間の保全
自然とふれあう場の確保により、健康で快適な 魅力ある景観の形成や都市環境の整備により、
生活を推進します。
地域環境への満足度を高めます。
①自然を体感できる憩いの場の創出
○自然を体験できる場の維持・整備
○自然とふれあう活動の推進
○各種イベントの開催と対策
②公園、緑地の整備、緑化の推進
○公園、緑地の整備
○緑化の推進
①良好な景観の創出
○良好な景観の形成促進
○啓発活動、情報提供
○自然関係の指定地域の保護
②潤いのある都市環境の確保
○文化芸術活動の振興
○文化財の保存
○潤いのある都市環境の創造
○環境美化の推進
○不法投棄防止対策の強化
表1-2-5 未来に向けた地球環境の保全
【目標】
【施策】
ア.地球環境の保全
イ.低炭素社会の形成
地球環境の保全に貢献するため、地球
環境問題についての配慮行動を実践し
ます。
①地球温暖化防止の推進
○温室効果ガスの排出量の削減
○地球温暖化防止に向けた意識の向
上
○二酸化炭素の吸収源対策
②オゾン層の保護、酸性雨対策の継続
○オゾン層の保護
○酸性雨対策
化石エネルギー依存型の社会からの脱却
を目指し、低炭素社会の形成に努めま
す。
①省エネルギーの推進
○市民に対する理解・意識高揚の推進
○事業者に対する意識改革の推進
○自動車の適正利用、自転車利用の推
進
○省エネルギー設備・機器の普及推進
○省エネルギー型の建築物の普及推進
②新エネルギー等の導入の推進
○地域特性を生かした新エネルギー
等の導入の推進
○温室効果ガスの排出量の少ないエ
ネルギーへの転換等
○理解と意識高揚、情報提供等の推進
ウ.循環型社会の形成
廃棄物の減量と資源化を推進し、循環
型社会の形成に努めます。
①ごみの排出抑制、資源化の推進
○ごみの排出抑制
○資源化の推進
②産業廃棄物の減量・資源化、適正処
理
○産業廃棄物の減量化・資源化、適正
処理
表1-2-6 協働による環境保全への取り組み
【目標】
【施策】
ア.環境学習・環境教育の推進
イ.環境保全活動の推進
環境学習・環境教育を推進し、環境保全への
意識を向上させます。
市民、事業者、団体の相互連携による環境保
全活動を推進します。
①あらゆる場での環境教育の推進
○自然とふれあう機会の創出
○家庭や学校での環境教育の推進
○事業所での環境教育の推進
○総合的な環境教育の推進
②環境情報の提供、環境学習の場所・機会の
整備
○環境情報の提供
○環境学習の場所・機会の整備
①一人ひとりの環境保全の取り組みの推進
○市民の取り組みの推進
○事業者の取り組みの推進
○市の取り組みの推進
②各種団体等との連携・協力の推進
○人の交流や情報交換による環境保全活動
の活発化
- 13 -
5.進行管理指標
4.施策の目標と展開で示した目標を達成する
ため、計画を進行管理する指標と具体的な数値目
標を以下のとおり設定します。
表1-2-7
大気環境の保全
数値目標
基 準
現 状
(平成 21 年度)
(平成 24 年度)
80.7%
100%
改良済、暫定改
改良済、暫定改
改良済、暫定改
改良済、暫定改
良済 計 22 箇所
良済 計 23 箇所
良済計 23箇所
良済 計 24 箇所
49%
51%
51%
53%
改良済、暫定改
改良済、暫定改
改良済、暫定改
改良済、暫定改
良済 計 18 箇所
良済 計 20 箇所
良済 計 21 箇所
良済 計 24 箇所
75%
83%
88%
100%
70%
75%
80%
100%
浮遊粒子状物質の環境基準の達
一般局:100%
一般局:100%
一般局:100%
一般局:100%
成率(長期的評価) ★3
自排局:100%
自排局:100%
自排局:100%
自排局:100%
進行管理指標
市の公用車購入時における低公
害車の占める割合 ★1
市内幹線道路交差点での改良整
備実績及び達成率 ★2
その他交差点での改良整備実績
及び達成率 ★2
二酸化窒素の県環境目標値の達
成率
VOC(揮発性有機化合物)排出量
★1
2,310t/年
362t/年
★4
中間年度
目標年度
(平成 27 年度)
(平成 32 年度)
100%(毎年度)
1,617t/年
市の環境配慮物品調達方針で定める自動車で、環境に優しい低燃費かつ低排出ガス車です。ただし、特殊
自動車などで低公害車に該当しない車両は除きます。
★2
市内幹線道路交差点での改良整備実績における対象交差点は、過去に行った交通量調査を基に交差点
解析を行い、45 箇所を対象としており、その他の主要な交差点においても 24 箇所を対象としております。
★3
第 2 部 第 1 章 第 1 節の“3 環境基準等の達成状況”に大気汚染の環境基準等の達成状況について記載
しております。
★4
VOC の削減割合は、「船橋市揮発性有機化合物の排出及び飛散の抑制のための取組の促進に関する条
例」の対象事業者からの排出量を対象とし、削減割合の対象となる基準は平成 12 年度としていることから、
基準値欄に平成 12 年度実績値を記載しております。
- 14 -
表1-2-8
水環境の保全
基 準
現 状
(平成 21 年度)
(平成 24 年度)
排水規制に係る立入検査実施率★1
42%
BOD の環境基準達成率(河川)★2
進行管理指標
数値目標
中間年度
目標年度
(平成 27 年度)
(平成 32 年度)
38%
43%
50%
100%
100%
100%
100%
COD の環境基準達成率(海域)★3
75%
75%
100%
100%
全窒素の環境基準達成率(海域)★3
50%
75%
100%
100%
全りんの環境基準達成率(海域)★3
0%
0%
100%
100%
累計
累計
累計
累計
79,398 ㎡
89,429 ㎡
99,909 ㎡
126,700 ㎡
透水性舗装の整備実績
★1
水質汚濁防止法に基づく特定事業場(湖沼法のみなし施設を有する事業場を含む:平成 21 年度末 537 事
業場、平成 24 年度末 550 事業場)を対象に行った立入検査の実施率。
第 2 部 第 1 章 第 2 節の“5 対策”に平成 24 年度の立入検査結果について記載しております。
★2
調査地点については、利用目的等に応じて定められた類型指定されている河川を対象とします。
BOD の河川調査地点(下記5地点)
海老川 E 類型 八千代橋、さくら橋、八栄橋
真間川 E 類型 柳橋
桑納川 D 類型 金堀橋
第 2 部 第 1 章 第 2 節の“4 現況”に河川での水質調査結果(BOD)について記載しております。
★3
調査地点については、利用目的等に応じて定められた類型指定されている海域を対象とします。
COD の海域調査地点(下記4地点)
B 類型 船橋2(船橋沖)、海苔漁場
C 類型 船橋1(航路 A)、航路 C
全窒素、全りんの海域調査地点(下記 4 地点)
Ⅳ類型 船橋1(航路 A)、船橋2(船橋沖)、航路 C、海苔漁場
第 2 部 第 1 章 第 2 節の“4 現況”に海域での水質調査結果(COD)について記載しております。
- 15 -
表1-2-9
進行管理指標
数値目標
基 準
現 状
(平成 21 年度)
(平成 24 年度)
83.3%
89.1%
達成率の向上(毎年度)
28 件
13 件
減少させます(毎年度)
幹線道路に面する地域の騒音環境基
準達成状況(昼夜間基準値以下)★1
公害苦情件数 ★2
★1
身近な生活環境の保全
中間年度
目標年度
(平成 27 年度)
(平成 32 年度)
第 2 部 第 1 章 第 4 節の“3 環境基準の達成状況と要請限度”には、平成 24 年度の幹線道路に面する地
域の騒音環境基準達成状況について記載しております。
★2
典型 7 公害(大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭)への公害苦情件数です。
第2部 第 6 章 第 1 節に平成 15~24 年度の公害苦情件数の推移について記載しております。
表1-2-10
進行管理指標
多自然川づくり改修延長
水辺と緑の保全
基 準
現 状
(平成 21 年度)
(平成 24 年度)
2,527m
3,201m
★ 多自然川づくり改修延長根拠(中間年度以降の数値目標は未定)
・二重川 2,410m
・木戸川 2,700m
- 16 -
数値目標
中間年度
目標年度
(平成 27 年度)
(平成 32 年度)
5,110m ★
未定
表1-2-11
進行管理指標
自然観察会等の参加延人数 ★1
★1
植林地・農地の保全
数値目標
現 状
基 準
★2
(平成 22~24 年
中間年度
目標年度
度の平均)
(平成 27 年度)
(平成 32 年度)
841 人
583 人
900 人以上(毎年度)
自然観察会等の具体的内容
・環境保全課が実施する自然散策会、三番瀬生き物さがし、セミのぬけがら調査
・公民館で自然観察会に関する講座
★2
自然観察会等の参加延人数は、年度ごとに変動が大きいため、基準値は平成 19~21 年度の平均としており
ます。
表1-2-12
干潟の保全
数値目標
現 状
進行管理指標
三番瀬クリーンアップ参加延人数
ガンカモ類の個体数 ★3
ミヤコドリの個体数 ★5
★1
基 準
(平成 22~24 年
中間年度
目標年度
度の平均)
(平成 27 年度)
(平成 32 年度)
1,100 人
中止
★1
★2
37,772 羽
★4
164 羽 ★6
1,100 人以上(毎年度)
25,182 羽
2 万羽以上維持(毎年度)
225 羽
100 羽以上維持(毎年度)
三番瀬クリーンアップ参加延人数は、年度ごとに変動が大きいため、基準値は平成 20~22 年度の平均とし
ております。
★2
平成 24 年度は東日本大震災の影響により中止となりました。
★3
ラムサール条約の国際的な基準5(定期的に2万羽以上の水鳥)を満たすものです。
★4
平成 19 年~21 年の冬の観測(全国ガンカモ一斉調査)、3ヶ年の平均。
★5
ラムサール条約の国際的な基準6(水鳥の1種または1亜種の個体群で、個体数の1%を満たすミヤコドリ
100 羽以上)を満たすものです。
★6
平成 19 年~21 年の冬・春の観測(モニタリングサイト 1000 シギチドリ類調査)、3ヶ年の平均。
- 17 -
表1-2-13
自然とふれあう場の確保
基 準
現 状
(平成 21 年度)
(平成 24 年度)
潮干狩り入場者数 ★1
139,722 人
64,852 人
市民一人当たりの都市公園面積
2.84 ㎡/人
2.97 ㎡/人
進行管理指標
数値目標
中間年度
目標年度
(平成 27 年度)
(平成 32 年度)
維持
維持
5.0 ㎡/人 ★2
(当面の目標水準)
★1
潮干狩り入場者数は、有料入場者数(開催期間は4月~6月)を示します。
★2
船橋市緑の基本計画では、目標水準を 9.0 ㎡/人としていますが、当面の目標水準としては 5.0 ㎡/人で
す。
表1-2-14
進行管理指標
風致地区指定面積
良好な生活空間の保全
基 準
現 状
(平成 21 年度)
(平成 24 年度)
508.3ha
508.3ha
- 18 -
数値目標
中間年度
目標年度
(平成 27 年度)
(平成 32 年度)
維持
維持
表1-2-15
進行管理指標
市民一人あたりの温室効果ガス
排出量
市の事業による温室効果ガスの
排出量
地球環境の保全
基 準
現 状
(平成 21 年度)
(平成 24 年度)
6.7t-CO2
196,439t-CO2
数値目標
中間年度
目標年度
(平成 27 年度)
(平成 32 年度)
7.1t-CO2
7.4t-CO2
★1
★2
190,520t-CO2
6.4t-CO2
186,617
★4
t-CO2 ★3
緑のカーテンコンクール応募件数
64 件
106 件
100 件
200 件
地球温暖化防止推進員派遣回数
4 回
6 回
20 回
30 回
14 回
6 回
20 回
30 回
地球温暖化に関する環境講座
実施回数 ★5
★1
統計書が整備される時期の関係で、現状値は平成 22 年度の数値となっています。
★2
平成 24 年度の目標値。
★3
平成 26 年度の目標値。
★4
平成 26 年度に地球温暖化対策地方公共団体実行計画(事務・事業編)を改定し、その際に平成 31 年度の
目標値を作成予定。
★5
出前講座の実施回数。
表1-2-16
進行管理指標
駐輪場への駐輪可能台数
市内における太陽光発電システ
ムの設置総 kW 数
公民館への太陽光発電システム
の導入館数
小中学校への太陽光発電システ
ムの導入校数
★
低炭素社会の形成
基 準
現 状
(平成 21 年度)
(平成 24 年度)
38,041 台
数値目標
中間年度
目標年度
(平成 27 年度)
(平成 32 年度)
37,032 台
39,000 台
41,000 台
3,934kW
15,167kW
★
12,700kW
0 館
2館
2 館
3館
0 校
9校
8 校
8校
目標を設定した船橋市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)においては、中期目標を平成 32 年度として
おり、平成 27 年度における目標値はありません。
- 19 -
表1-2-17
進行管理指標
基準 ★1
現 状
(平成 17 年度)
(平成 24 年度)
ごみ発生量
ごみのリサイクル率
最終処分量
★1
循環型社会の形成
数値目標
中間年度
目標年度
(平成 28 年度)
(平成 33 年度)
247,223t
212,029t
214,000t
214,000t
21.2%
23.6%
23.0%
25.0%
14,335t/年
5,998t/年
10,800t/年
10,000t/年
本表の基準値は、本計画策定時における一般廃棄物処理基本計画(平成 18 年度策定)の値です。
表1-2-18
環境学習・環境教育の推進
数値目標
現 状
進行管理指標
環境に関する講座の参加延人数
★1
(平成 22~24
中間年度
目標年度
年度の平均)
(平成 27 年度)
(平成 32 年度)
2,212 人
★2
環境フェア来場者数
★1
基 準
4,766 人
★3
1,718 人
2,300 人以上(毎年度)
4,600 人
4,800 人(毎年度)
環境に関する講座の具体的内容
・環境に関する出前講座、訪問学習、環境学習講座
・公民館で実施する環境に関する講座
★2
環境に関する講座の参加延人数は、年度ごとに変動が大きいため、基準値は平成 19~21 年度の平均とし
ております。
★3
環境フェア来場者数は、年度ごとに変動が大きいため、基準値は平成 20~22 年度の平均としております。
- 20 -
表1-2-19
進行管理指標
こどもエコクラブ登録団体数
エコアクション 21 の認証・登録
事業者数
環境保全活動の推進
数値目標
基 準
現 状
(平成 21 年度)
(平成 24 年度)
8 クラブ
4 クラブ
増加(毎年度)
10 件
16 件
増加(毎年度)
6.環境配慮指針
中間年度
目標年度
(平成 27 年度)
(平成 32 年度)
イ.生物多様性の確保のための配慮指針
私たちは、日常の生活や事業活動におけるエ
○河川敷や親水公園などの身近な水辺を大切
ネルギー消費や廃棄物の排出などを通して、直
にしましょう。
接的・間接的に環境に負荷を与えています。
○水辺や緑の価値や役割について学びましょ
本計画に定める「望ましい環境像」を実現する
う。
ためには、自らの行動が環境へ及ぼす影響を認
○身近な自然や市域に分布する動植物につい
識し、身近なところから環境保全の行動を実行し
て知識を深めましょう。
ていくことが必要です。
○三番瀬の価値や役割への理解を深め、干潟
市民・事業者のみなさまに実践して頂きたい
を守る大切さを学びましょう。
環境配慮の具体例を以下に示しますので、市と
ウ.快適な地域環境の保全のための配慮指針
一緒に「望ましい環境像」の実現に向けて、環境
○雑木林や街路樹、河畔林、公園などの身近な
に配慮した生活や事業活動の実践をお願いしま
緑を大切にしましょう。
す。
○自分の住むまちを愛し、美しい景観の保全や
(1)市民の環境配慮指針
創出に協力しましょう。
ア.安全な生活環境の保全のための配慮指針
○地域の緑化活動、清掃・美化活動などには積
○自動車を使用するときは、アイドリング・ストップ
極的に参加しましょう。
を心がけましょう。
○たばこの吸い殻やごみのポイ捨てをしないよう
○自家用車を購入する際には、低公害車を選び
にしましょう。
ましょう。
エ.未来に向けた地球環境の保全のための配
○洗剤やシャンプーなどは、使いすぎないように
慮指針
しましょう。
○地球環境問題について関心を持ち、理解を深
○騒音などで近所に迷惑をかけないよう、生活
めましょう。
マナーの向上に努めましょう。
○照明やテレビなどの節電を励行し、省エネル
ギーに努めましょう。
- 21 -
○エコマーク商品など、環境にやさしいエコ製品
ウ.快適な地域環境の保全のための配慮指針
を優先して購入しましょう。
○建築物や広告物は、周辺環境との調和を図り、
○ごみはルールを守って、きちんと分別して所定
景観に配慮しましょう。
の場所に出しましょう。
○敷地内や敷地周辺の清掃を定期的に行い、
オ.協働による環境保全への取り組みのための
地域の環境美化に努めましょう。
配慮指針
○所有地の適正な管理に努め、雑草の繁茂や
○身近な自然とのふれあいなどを通して地域の
害虫の発生、ごみの不法投棄などが生じないよ
環境に関心を持ちましょう。
うにしましょう。
○日々の生活や行動が、環境に関わっていると
エ.未来に向けた地球環境の保全のための配
いう意識を持ちましょう。
慮指針
○自然観察会などに積極的に参加し、環境保
○省エネ法、温対法を遵守し、温室効果ガスの
全に関する知識を深めましょう。
削減に努めましょう。
○環境について学んだ知識や体験を子どもたち
○夏季のクールビズ、冬季のウォームビズを推
に伝えましょう。
進し、冷暖房機器の設定温度は、冷房は 28℃、
(2)事業者の環境配慮指針
暖房は 20℃を目安とし、使用時間を適正に管理
ア.安全な生活環境の保全のための配慮指針
しましょう。
○ボイラーは適切に維持・管理し、大気汚染物
○廃棄物については、排出者責任の原則に従
質の削減に努めましょう。
い、適正な処理を行いましょう。
○低公害車を積極的に導入しましょう。
オ.協働による環境保全への取り組みのための
○事業活動に伴う排水は適正に処理し、水質汚
配慮指針
濁の防止に努めましょう。
○社員に対する環境研修・環境教育を実施し、
○事業活動で騒音や悪臭などを発生させないよ
環境への意識を高めましょう。
うに周辺に配慮しましょう。
○省エネルギー・省資源、ごみの排出抑制など、
イ.生物多様性の確保のための配慮指針
環境に配慮した行動を事業所全体での取り組み
○事業活動では、樹林地・農地への負荷を少な
として定着させましょう。
くするよう配慮しましょう。
○地元住民と協力して、地域の美化活動などに
○食品加工原料などに地元産の農林水産物を
積極的に参加しましょう。
使いましょう。
7.計画の推進
○三番瀬の価値や役割について理解を深め、
三番瀬の保全に向けた活動に積極的に協力し
環境の保全を図るためには、市による施策の
ましょう。
実行だけでなく、市民、事業者、市が互いに連
携・協力し、それぞれの役割と責任を自覚した上
- 22 -
で環境保全に率先して取り組むことが必要です。
「公害対策基本法」を発展的に継承した「環境基
このため、市民、事業者、市が互いに連携・協力
本法」が制定されました。
して計画を推進していくことができる体制づくりを
その後、廃棄物問題、地球温暖化現象の顕
進めます。
在化、ダイオキシンなどの有害化学物質による
本計画を着実に推進していくためには、施策
環境問題などに対応するための法律が次々と制
の取り組みの進捗状況などを定期的に点検・評
定されています。
価し、計画を継続的に見直していく必要がありま
深刻な社会問題となっている廃棄物問題につ
す。このため、計画(Plan)、実行(Do)、点検・評
いては、平成12年6月に循環型社会の形成を推
価(Check)、見直し(Action)というサイクルを繰り
進する基本的な枠組みとなる「循環型社会形成
返すことにより、計画を進行管理します。
推進基本法」が、その個別法としての「建設工事
に係る資材の再資源化等に関する法律」(建設リ
見直し(Action)
・目標、施策、取り組みなどの
見直し
・必要に応じて計画の見直し
計画(Plan)
サイクル法)、「食品循環資源の再生利用等の促
・目標、施策などの設定
・市民、事業者の環境配慮の
取り組みなどの設定
進に関する法律」(食品リサイクル法)等と一体的
に制定されました。
継続的改善
点検・評価
(Check)
・計画の進捗状況、施策の
実施状況などの点検・評価
・課題の抽出
地球温暖化対策については、平成14年3月に
実行(Do)
京都議定書の締結に向けて、地球温暖化対策
・市の施策の実行
・市民、事業者の環境配慮の
取り組みの推進
推進大綱の改定が行われ、また京都議定書発
効の際に京都議定書目標達成計画を定めること
等を内容とする地球温暖化対策推進法の改正
本計画の進捗状況は、毎年、年次報告として、
が行われました。
施策の実施状況、環境の改善状況などを踏まえ
【環境関連法の制定状況(平成13年以降)】
て、目標の達成状況を点検・評価するとともに、
評価の結果をもとに、施策や事業の見直しにつ
●平成13年
いて検討します。
・特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実
施の確保等に関する法律(フロン回収破壊法)
・ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推
進に関する特別措置法(PCB 特別措置法)
第3節 環境関連の法体系
●平成14年
・土壌汚染対策法
1.法律について
・使用済自動車の再資源化等に関する法律(自
環境関連の法令は、公害防止を目的とした
動車リサイクル法)
「公害対策基本法」を中心として構成されてきま
・鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律
したが、人間の活動の拡大に伴う地球環境保全、
・自然再生推進法
・環境の保全のための意欲の増進及び環境教
廃棄物処理、都市・生活型公害問題などの新た
育の推進に関する法律
な環境問題に対応するため、平成5年11月に、
- 23 -
●平成16年
次世代への影響あるいは地球規模の問題として
・環境情報の提供の促進等による特定事業者等
捉える必要が生じています。
の環境に配慮した事業活動の促進に関する法
家庭からの生活雑排水による河川汚濁、自動
律
・特定外来生物による生態系に係る被害の防止
車の排出ガスによる大気汚染、大量生産・大量
に関する法律
消費・大量廃棄によるゴミ問題などの私たちの生
●平成17年
活そのものが公害を引き起こす原因となっていま
・特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法
す。公害の発生源は工場であり、被害者は市民
律
・石綿による健康被害の救済に関する法律
という図式は崩れ、市民は被害者であると同時
●平成19年
に加害者であるという面も持つようになり、環境
・エコツーリズム推進法
問題を克服するには、全ての主体(市民・事業
・国等における温室効果ガス等の排出の削減に
配慮した契約の推進に関する法律
者・行政)が公平な役割分担の下に環境への負
●平成20年
荷の少ない社会を構築していくことが必要となっ
・エネルギーの使用の合理化に関する法律(一
ています。
部改正)
市では、こうした環境を取り巻く変化に的確に
・地球温暖化対策の推進に関する法律(一部改
正)
対応するため「環境基本条例」を平成9年3月に
・生物多様性基本法
制定しました。この条例は、「①現在、将来にわ
●平成21年
たり、市民が健全で恵み豊かな社会を維持する
・土壌汚染対策法(一部改正)
●平成22年
ため、それぞれの主体が公平な役割分担の下に、
・大気汚染防止法(一部改正)
環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社
・水質汚濁防止法(一部改正)
会を構築すること、②人と自然が共生できる環境
・地域における多様な主体の連携による生物の
多様性の保全のための活動の促進等に関する
をつくること、③地球環境の保全を積極的に推
法律
進すること」を基本理念とし、これらを具体化する
●平成23年
ための「環境基本計画」の策定を義務づけてい
・環境影響評価法(一部改正)
ます。
・環境教育等による環境保全の取組の促進に関
する法律
(2)船橋市環境保全条例
●平成24年
平成9年3月に「環境基本条例」を制定した際
・環境基本法(一部改正)
に、その本旨を達成するため、「公害防止条例」
を発展的に継承した「環境保全条例」を制定しま
2.条例について
した。
(1)船橋市環境基本条例
この条例には、従来型の公害防止対策以外
今日の環境問題は、社会経済活動の拡大や
に都市・生活型公害や地球環境問題に対応す
ライフスタイルの変化によって新たな局面を迎え、
るため、①自動車交通公害に関する施策、②生
- 24 -
活排水対策に関する施策、③土壌・地下水汚染
第4節 公害の未然防止に関する
総合的施策
防止に関する施策、④化学物質等の適正管理
1.環境影響評価制度
に関する施策、⑤地球環境の保全に関する措
(1)環境影響評価
置、⑥市民が行う環境保全活動に対する援助措
環境影響評価(環境アセスメント)は、米国に
置等を新たに追加しました。環境基本条例が理
おいて1969年に国家環境政策法によって制度
念と施策の基本的枠組みを主体としているのに
化されたものがその始まりとなっています。
対し、環境保全条例は具体的な規制措置等を
環境影響評価は、環境に影響を及ぼす事業
定めています。
について、事業者自らがその環境影響を調査・
また、平成15年4月の中核市移行に伴う移譲
予測・評価し、環境保全対策を検討するなど、そ
事務を受け入れるため、平成14年12月に環境保
の事業を環境保全上より望ましいものにするため
全条例を全部改正しました。
に行われるものです。環境悪化を未然に防止し、
(主な改正点)
持続可能な社会を構築するためにはきわめて重
・県からの移譲事務を規定するとともに、環境影
要なものとなっています。
響の事象ごとに構築しました。
国においては、平成5年11月に施行した環境
・新たに揚水施設(小規模揚水施設)の規制を
基本法に環境影響評価の推進が位置づけられ、
見直し、規制対象の範囲を拡大しました。
平成9年6月に「環境影響評価法」が制定されま
(3)揮発性有機化合物の排出及び飛散の
した。また、千葉県では平成10年6月に「千葉県
抑制のための取組の促進に関する条例
環境影響評価条例」を制定しました。法律、県条
国は、浮遊粒子状物質及び光化学オキシダン
例とも平成11年6月に施行されています。
ト対策の一環として、その原因物質の一つである
(2)法、条例に基づく手続き
揮発性有機化合物(以下「VOC」という。)を低減
平成24年度に本市域への影響が懸念される
するため、大気汚染防止法の一部を改正し、新
事業計画として実施された環境影響評価に係る
たな排出抑制策を講じました。本市でも光化学
手続きは、県条例に基づく1件です。
スモッグ注意報等の発令状況等を考慮し、法制
これは、老朽化の進んだ船橋市南部清掃工
度として新たに導入された自主的な取組を確実
場の建替事業に係るものです。
に促進するため、条例を制定しました。
なお、平成18年度に羽田再拡張事業(4本目
また、同条例の規定により事業者が自主的に
の滑走路建設)に係る環境影響評価の手続きは
行う VOC の排出及び飛散の抑制のための取組
終了しましたが、千葉県及び関係25市町村で設
の促進に関し必要な事項を定めた指針を定めま
置した連絡協議会で、事業者(国土交通省)との
した。
協議は継続しております。
- 25 -
2.公害防止協定
ます。
(3)基本的な指導方針
昭和30年代後半から昭和50年頃には、高度
経済成長に伴い本市に進出する企業や生産施
○大気汚染
設等を増設する企業が増加したため、事業活動
ばい煙等の排出量を極力少なくするため、
に伴う公害の発生防止と地域住民の健康の保
燃料は灯油、ガス等の低硫黄燃料の使用に努
護と生活環境を保全することを目的として、一定
めること。
規模以上の企業と公害防止協定を締結していま
○騒音
す。また、具体的な数値目標を定めた細目協定
敷地境界線において規制基準から5デシベル
を併せて締結している企業もあります。
減じた値以下になるよう努めること。
今日の環境問題は、地球存続自体にも影響
○振動
を及ぼすオゾン層の破壊、地球温暖化など社会
敷地境界線において規制基準から5デシベル
経済活動が環境への負荷をあまりにも増大させ
減じた値以下になるよう努めること。
たことにあり、循環型社会を基調としたスタイルに
○悪臭
変換していくことが重要となってきています。
三点比較式臭袋法による臭気濃度が、敷地境
本市では、このような状況から、環境への負荷
及び排出口において「千葉県悪臭防止対策
の大きい企業・事業所と環境保全に関する協定
指針」の指導目標値以下になるよう努めるこ
を新たに締結することや現行の公害防止協定を
と。
環境保全に関する協定へ移行することを検討中
です。
3.事前協議
(1)公害防止協定
(1)公害防止協定に基づく事前協議
燃料使用量が毎時1,000リットル以上(重油換
公害防止協定を締結した事業者は、生産施
算)又は日平均排水量が1,000m3以上の工場を
設又は公害防止施設を新設、増設又は変更しよ
対象として協定を締結しています。
うとするときは、事前に市と協議のうえ、その同意
(助言及び指導)を得なければならないとしてい
今年度末における協定締結工場は12社とな
っています。
ます。
(2)施設等の建設に関する協定書に基づく
公害防止協定
(2)開発行為等における事前協議
宅地開発事業を行おうとする事業者は、周辺
施設等の建設に関する協定書において京葉
環境への影響を未然に防止するため、事前に市
港地区に進出する企業は、市と公害防止協定を
と協議しなければならないとしています。
締結しなければならないと定めています。今年度
末における協定締結工場は、三者協定(県・市・
企業)6社、二者協定(市・企業)13社となってい
- 26 -
4.公害防止計画
オ.主要課題に係る公害防止施策
(1)策定の経緯
「印旛沼に係る湖沼水質保全計画」、「手賀沼
公害防止計画は、環境基本法第17条の規定
に係る湖沼水質保全計画」、「化学的酸素要求
に基づき、現に公害が著しい地域又は著しくな
量、窒素含有量及びりん含有量に係る総量削減
るおそれのある地域を対象に、公害防止に関す
計画(東京湾)」、その他諸関連計画を踏まえ、
る諸施策を総合的・計画的に講ずるもので、環
目標達成に必要な、生活系排水対策、産業系
境大臣が基本方針を示し、都道府県知事が策
排水対策、その他の水質汚濁発生源対策、地
定するものです。
下水浄化対策等の公害防止施策を総合的に講
本市は、昭和49年に第5次計画として策定さ
じることとしています。
れた「千葉臨海地域公害防止計画」の策定地域
カ.千葉地域公害防止対策事業計画
となり、計画を推進してきました。しかしながら、
主要課題に係る公害防止施策のうち、環境大
環境基準の達成が充分でなく、引き続き総合的
臣の同意が得られた、県及び市が実施する下水
な対策が必要であるため、現在も公害防止計画
道の設置・改築事業などの公害防止対策事業
の策定地域となっています。
等を定めています。
なお、平成元年度に計画の名称が「千葉地域
公害防止計画」に変更され、現在の計画は平成
24年3月26日に作成されたものです。
(2)計画の概要
ア.対象地域
千葉市、市川市、船橋市、木更津市、松戸市、
野田市、成田市、佐倉市、習志野市、柏市、市
原市、流山市、八千代市、我孫子市、鎌ヶ谷市、
君津市、富津市、四街道市、袖ヶ浦市、印西市
及び白井市の21市
イ.主要課題
○印旛沼、手賀沼の水質汚濁
○東京湾の水質汚濁
○地下水汚染
ウ.目標
主要課題に係る環境基準の達成等
エ.期間
平成 23 年度~平成 27 年度
- 27 -
図 1-2-1 公害防止計画策定地域
- 28 -
5.公害防止管理者等
直し、国家試験の科目別合格制の導入、国家試験
特定工場(製造業、電気供給業、ガス供給業及
科目及び講習科目の共通化などの見直し(以上国
び熱供給業に属する事業の用に供する工場のうち、
家資格制度の見直し)です。
ばい煙発生施設、汚水等排出施設、騒音発生施
(1)届出状況
設、特定粉じん発生施設、一般粉じん発生施設、
本市における公害防止管理者等を選任する必
振動発生施設及びダイオキシン類発生施設を設
要のある特定工場は、平成24年度末で27工場であ
置している工場)における公害防止組織の整備に
り、公害防止管理者等の選任状況は、次の表のと
関する法律に基づく公害防止統括者等の選任・解
おりです。
任に関する届出等及び特定工場等における公害
なお、公害防止管理者は、事象ごとに定められた
防止技術の維持向上と公害防止管理者制度を推
施設を設置している製造業などにおいて選任する
進するため、公害防止管理者等に対する指導育
必要がありますが、公害防止統括者は、常時21人
成を行っています。
以上の従業員を使用する事業者が設置する特定
工場において選任する必要があります。
なお、
「特定工場における公害防止組織の整備に
関する法律施行令」及び「特定工場における公害
また、公害防止主任管理者は、ばい煙発生施設
防止組織の整備に関する法律施行規則」の一部が
の排ガス量が4万立方メートル以上、かつ、汚水等
改正され、項目ごとで異なりますが、平成17年4
排出施設の排出量が1万立方メートル以上である
月1日以降から施行されました。 改正点は、公害
事業所において選任する必要があります。
防止管理者の兼任要件の追加、公害防止主任管理
者を選任すべき工場の要件の緩和(以上必置資格
制度の見直し)
、公害防止管理者の選任の区分の見
表 1-2-20 公害防止管理者等の選任状況(平成24年度末)
(単位:人)
公 害 防 止 管 理 者
区 分
選任者数
統括者
22
主任管理者
0
大気汚染
水質汚濁
騒 音
特定粉じん
一般粉じん
振 動
ダイオキシン
14
12
6
0
1
5
1
- 29 -
第1章 環境の現況と対策
て発生するため、これらの状況を把握し対策を講じ
第1節 大気環境
ることが重要となります。
大気汚染は、事業活動や社会活動などを支える
環境保全課では、市内の固定発生源の燃料使
エネルギー源として石油や石炭などの化石燃料を
用量の把握のため、例年、大気汚染防止法に基づ
大量に消費することが原因となっています。特に大
くばい煙発生施設が設置されている工場、事業場
都市周辺では窒素酸化物、浮遊粒子状物質や光
に対してアンケート調査を実施しています。以下は
化学オキシダントなどによる大気汚染が続いていま
回答があったものをまとめた原燃料使用量となりま
す。
また、特定フロンやハロンによるオゾン層の破壊、
二酸化炭素やメタンによる地球温暖化、越境大気
す。
ア.燃料使用状況
液体燃料は、扱い易く貯蔵も容易であるため最も
汚染、酸性雨等の問題が起きており、地球規模の
取り組みが必要となっています。
1.発生源
大気汚染物質の主な発生源は、工場・事業場等
使用量の多い燃料ですが、灯油など一部のものを
除き硫黄分が比較的高く、硫黄酸化物の排出原因
の一つとなっています。
平成24年度の液体燃料の種類別の使用量は、
の固定発生源と自動車・船舶等の移動発生源に
大別されます。
本市の大規模な固定発生源は、昭和30年から
C重油が約4千トン、特A及びA重油が約7千トン、
灯油が約8千トンとなっています。
(千トン)
40年代の高度成長期に臨海・内陸部の工業系地
40
灯油
域に進出した工場等であり、中小規模の固定発生
源は、工業・商業系地域を中心に立地している工
30
場・事業場です。現在は法令等の規制によりこれら
20
の発生源からの大気汚染は改善されています。
特C及びC
重油
特A及びA
重油
その他
10
一方、移動発生源のうち自動車については、平
0
成4年6月に自動車NOx法、平成14年10月には前
H20 H21 H22 H23 H24 (年度)
法を改正した自動車NOx・PM法、平成15年10月
図 2-1-1 液体燃料使用量の推移
に千葉県ディーゼル条例による規制が始まり、問
気体燃料は、硫黄分が低く二酸化炭素の排出
題となっていた窒素酸化物及び浮遊粒子状物質
について改善の兆しが見えつつあります。
量も比較的少ない良質な燃料です。平成24年度
(1)固定発生源
の気体燃料の総使用量は約44千トンで、種類はほ
固定発生源からの汚染物質は、主に燃焼に伴っ
ぼ全て都市ガスでした。
- 30 -
自動車登録
台数(千台)
千トン
60
200
自動車
軽自動車および二輪車
軽自動車及び
二輪車登録台
数(千台)
100
50
40
その他
180
90
30
都市ガス
20
160
10
80
15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
図 2-1-4 自動車登録状況の推移
0
H20
H21
H22
H23
H24 年度
図 2-1-2 気体燃料使用量の推移
固体燃料は、鉄鋼業等の業種で多く使われてい
ますが、二酸化炭素の排出量が多く排煙処理が必
要な燃料です。平成24年度の固体燃料の総使用
量は約29千トンで、種類別では、コークスが約17千
トン、石炭が約12千トンとなっています。
千トン
45
40
35
30
25
20
木材
15
10
石炭
コークス
5
0
H20
H21
H22
H23
H24 年度
図 2-1-3 固体燃料使用量の推移
(2)移動発生源
大気汚染物質の移動発生源には、自動車、船
舶及び航空機があります。
このうち主要な移動発生源である自動車の登録
台数は、平成15年頃からやや減少傾向にあります
が、軽自動車及び二輪車は、ここ数年緩やかに増
加しています。
- 31 -
年
2.監視体制
定車の測定データも含め、すべての環境データを
(1)環境監視テレメータシステムによる常時監
視
本庁舎の中央監視局で把握することができます。
(2)固定局による測定
本市では前記システムに接続した一般環境大気
環境監視テレメータシステムは、測定値をオンラ
インで中央監視局に伝送し、短時間で処理するシ
測定局(一般局)、自動車排出ガス測定局(自排局)
ステムであり、大気汚染状況をリアルタイムで把握
など11ヶ所の固定測定局で常時監視を行っていま
し、光化学スモッグなど緊急事態に対応することが
す。
できます。平成16年度から最新のネットワーク技術
なお、微小粒子状物質については、高根台局・
を取り入れ、光化学スモッグ情報をホームページで
日の出局に加え、平成24年度から新たに印内局に
提供するなど、環境に関する様々な情報を発信で
おいて微小粒子状物質の測定を開始しました。
きるシステムに生まれ変わりました。これにより、測
表 2-1-1 環境大気常時監視局と測定項目
項
局
舎
目
名
印内局(葛飾小学校)
印内1-2-1
豊富局(農業センター)
金堀町522-1
丸山局(法典東小学校)
丸山5-25-1
高根局(高根小学校)
一 高根町2895
高根台局(高根台第二小学校)
高根台5-2-1
般 前原局(前原小学校)
前原西2-28-1
若松局(若松中学校)
若松3-2-3
局
南本町局(子育て支援センター)
南本町10-1
若松団地局(若松団地)
若松2-5-4
自 海神局(京葉道路入口)
海神町3-399-1
排
日の出局(日の出交差点付近)
局 日の出1-16
大気測定車
設
置
年
月
二
酸
化
硫
黄
浮
遊
粒
子
状
物
質
微
小
粒
子
状
物
質
光
化
学
オ
キ
シ
ダ
ン
ト
二
酸
化
窒
素
一
酸
化
窒
素
メ
タ
ン
炭
化
水
素
非
メ
タ
ン
炭
化
水
素
S45. 1
○
○
○
○
○
○
○
S46. 8
○
○
○
○
○
○
S46.10
○
○
○
S46. 8
○
○
S46. 8
○
○
○
一
酸
化
炭
素
風
向
風
速
温
湿
度
度
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
S48. 8
○
○
○
○
S54. 3
○
○
○
○
S57.11
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
S58. 3
S54.12
○
S57. 3
○
S49. 3
○
○
○
※若松団地局は、局地汚染監視をしています。
- 32 -
○
○
○
○
図 2-1-5 環境大気常時監視局位置図
- 33 -
(3)大気測定車による測定
平成24年度は、毎月測定地点を移動し、12地点
固定測定局に加え、機動性を生かし道路沿道
で測定を行いました。
や地域の局所的な大気汚染状況を把握するため、
昭和49年度から大気測定車による大気汚染状況
の測定を行っています。
平成17年度には、大気測定車を更新しました。
新測定車は4代目となり、炭化水素及び温度湿度
を新たな測定項目に追加し、車両も低公害のCN
G(圧縮天然ガス)車にしました。
大気測定車
図 2-1-6 大気測定車測定実施地点図
- 34 -
また、平成23年度から高根台局において測定を
3.環境基準等の達成状況
開始した微小粒子状物質は、環境基準を達成してい
(1)一般局
ます。
二酸化硫黄は、長期的評価、短期的評価の環境
(2)自排局
基準を6年連続して達成しました。
自排局2局とも二酸化窒素は、環境基準を達成し
なお若松局については適正配置計画により廃止
ましたが、県目標値は達成していません。
したため評価の対象から除外しました。
浮遊粒子状物質は、2局とも長期的評価及び短
二酸化窒素は、環境基準より厳しい千葉県環境
期的評価の環境基準を達成しています。
目標値について2局が達成していません。
一酸化炭素は、2局とも長期的評価及び短期的
光化学オキシダントは、環境基準を達成していま
評価の環境基準を達成しています。
せん。
また、平成 24 年度から日の出局において測定を
浮遊粒子状物質は、長期的評価では全局で環
境基準を達成していますが、短期的評価について
開始した微小粒子状物質は、環境基準を達成して
いません。
は高根局で環境基準を達成していません。
表 2-1-2 大気汚染の環境基準達成状況
項
目
環 境 基 準
測 定 局 名
一
般
局
短期的 長期的 短期的 長期的
評 価 評 価 評 価 評 価
長期的
評 価
短期的 県環境 長期的 短期的 長期的
評 価 目標値 評 価 評 価
評価
○
○
○
○
-
×
○
○
-
-
豊富局
○
○
○
○
-
×
○
○
-
-
丸山局
-
-
○
○
-
×
○
○
-
-
高根局
-
-
×
○
-
×
○
○
-
-
高根台局
○
○
○
○
○
×
○
○
-
-
前原局
-
-
○
○
-
×
○
○
-
-
若松局
-
-
○
○
-
×
×
○
-
-
南本町局
-
-
○
○
-
×
×
○
-
-
100%
100%
88%
100%
100%
0%
75%
100%
-
-
海神局
-
-
○
○
-
-
×
○
○
○
日の出局
-
-
○
○
×
-
×
○
○
○
-
-
100%
100%
0%
-
0%
100%
100%
100%
環境基準達成率(%)
※
浮遊粒子状物質 微小粒子状物質
印内局
環境基準達成率(%)
自
排
局
光化学
二酸化窒素
一酸化炭素
オキシダント
1 時 間 値 の 1 1 時 間 値 の 1 1年平均値が15 1 時 間 1 時 間 値 の 1 1 時間値の1 日
日 平 均 値 が 日平均値が0.10 μg/ m3 以下であ 値が0.06 日平均値が0.04 平 均 値 が 1 0 p p m
0.04ppm 以 下 か mg/m3以下かつ り、かつ、1日平均 ppm以下 ppm~0.06ppm 以下かつ1時間値
つ 1 時 間 値 が 1時間値が0.20 値が35μg/ m3以
のゾーン又はそ の8時間平均値が
0.1ppm以下
mg/m3以下
下であること。
れ以下
20ppm以下
二酸化硫黄
○:達成 ×:未達成
- 35 -
表2-1-3 環境基準の評価方法
項
目
短 期 的 評 価
長 期 的 評 価
1時間値の1日平均値が0.04ppm以下
年間にわたる1時間値の1日平均値のうち、高い方から2%の
であり、かつ、1時間値が0.10ppm以下 範囲にあるものを除外した値が、0.04ppm以下であること。
であること。
ただし、1日平均値が0.04ppmを超える日が2日以上連続し
ないこと。
二酸化硫黄
1時間値の1日平均値が0.10mg/m 3
年間にわたる1時間値の1日平均値のうち、高い方から2%の
以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3 範囲にあるものを除外した値が、0.10mg/m3以下であること。
浮遊粒子状物質
以下であること。
ただし、1日平均値が0.10mg/m3を超える日が2日以上連続
しないこと。
光化学
オキシダント
1時間値が0.06ppm以下であること。
二酸化窒素
-
年間にわたる1時間値の1日平均値のうち、低い方から98%
に相当するもの(1日平均値の98%値)が0.06ppm以下であるこ
と。
-
1時間値の1日平均値が10ppm以下
年間にわたる1時間値の1日平均値のうち、高い方から2%の
であり、かつ、1時間値の8時間平均値 範囲にあるものを除外した値が、10ppm以下であること。
が20ppm以下であること。
ただし、1日平均値が10ppmを超える日が2日以上連続しな
いこと。
一酸化炭素
微小粒子状物質
1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ、1日平均値(1日平
均値の98%値)が35μg/m3以下であること。
-
千葉県環境目標値
二酸化窒素 : 日平均値の年間98%値が0.04ppm
(3)有害大気汚染物質
根台局と日の出局で測定を実施した結果、平成24
ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン
年度は全ての項目が環境基準を達成しました。
及びジクロロメタンに環境基準が設定されており、高
表2-1-4 有害大気汚染物質に係る環境基準
項
目
環
境
基
準
局舎名
評価
高根台局
達成
日の出局
達成
ベンゼン
年平均値が0.003mg/m3 以下
トリクロロエチレン
年平均値が0.2mg/m3 以下
高根台局
達成
テトラクロロエチレン
年平均値が0.2mg/m3 以下
高根台局
達成
ジクロロメタン
年平均値が0.15mg/m3 以下
高根台局
達成
- 36 -
4.現況
ってきました。
mg/m3
0.06
(1)一般局と自排局の測定結果
ア.二酸化硫黄(SO2)
0.04
二酸化硫黄は、主として工場等で燃料として使
0.02
用される硫黄を含む化石燃料を燃焼することにより
0.00
発生され、また、火山活動によっても発生するもの
15
16
17
19 20
年度
一般局平均
で、大気中の濃度が高くなると気管支などの呼吸
18
21
22
23
24
自排局平均
図 2-1-9 浮遊粒子状物質の経年変化
器系に影響を与えるといわれています。
二酸化硫黄は、環境基準を大幅に下回る範囲
mg/m3
0.06
で横ばい状況にあります。
0.04
ppm
0.010
0.008
0.006
0.004
0.002
0.000
0.02
0.00
4
15
16
17
18
19 20
年度
21
22
23
24
5
6
7
8
9 10 11 12 1 2 3
月
一般局平均
自排局平均
図 2-1-10 浮遊粒子状物質の経月変化
図 2-1-7 二酸化硫黄の経年変化(一般局)
ウ.微小粒子状物質(PM2.5)
微小粒子状物質は、浮遊粒子状物質のうち、さら
ppm
0.010
0.008
0.006
0.004
0.002
0.000
に微細な粒径 2.5μm以下のものを言い、粒径が
小さいことから、肺の奥深くまで入りやすく、様々な
健康影響の可能性が懸念されています。一般局の
4
5
6
7
8
9 10 11 12 1
月
2
み環境基準を達成しました。
3
図 2-1-8 二酸化硫黄の経月変化(一般局)
イ.浮遊粒子状物質(SPM)
浮遊粒子状物質は、大気中に浮遊するばいじん
や粉じん等のうち粒径10μm以下のものを言い、そ
μg/m3
25.0
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
4
の発生源は工場、自動車など人為的なものと、黄
砂、土壌の舞い上がり、花粉などの自然的なものが
あり、肺や気管等に沈着して呼吸器に障害をあた
5
6
7
8
9 10 11 12 1 2 3
月
一般局平均
自排局平均
図 2-1-11 微小粒子状物質の経月変化
エ.光化学オキシダント(OX)
えます。
光化学オキシダントは、工場や自動車等から排
環境基準を下回り、経年変化では、徐々に減少
出される窒素酸化物や炭化水素が、太陽の強い紫
し横ばい傾向にあり、一般局と自排局の差がなくな
- 37 -
外線の作用を受けて反応し、生成される二次汚染
化窒素に変化します。この二酸化窒素は、二酸化
物質であり、光化学スモッグの原因物質とされてい
硫黄に比べ呼吸器深部に影響を与えると言われて
ます。
おり、光化学反応により光化学オキシダントを生成
一般局のみにおいて監視を実施しており、環境
基準の 0.06ppm を超えた日数は、平成 24 年度は
し、光化学スモッグの原因物質の一つにもなってい
ます。
過去 10 年間の平均より若干低下しています。
二酸化窒素の環境基準はすべての測定局で達
成しましたが、より厳しい県目標値は4局(一般2局、
日
80
70
60
50
40
30
20
10
0
自排2局)で達成しませんでした。
年平均値は横ばいの傾向にあり、月平均値は冬
季に高い値を示しています。
15
16
17
18
19
20
年度
0.06ppm超過日数
21
22
23
ppm
0.060
0.050
0.040
0.030
0.020
0.010
0.000
24
0.12ppm超過日数
図 2-1-12 光化学オキシダントの環境基準を超過した
日数経年変化(一般局平均)
15
平成24年度の葛南地域(船橋市・市川市・浦安
市・八千代市・鎌ケ谷市・習志野市)の光化学スモ
16
17
18
一般局平均
ッグ発令数は、注意報が5回です。なお、船橋市内
19 20
年度
21
22
23
24
自排局平均
図 2-1-14 二酸化窒素の経年変化
で健康被害は発生していません。
ppm
0.060
日
15
0.040
10
0.020
5
0.000
4
0
15
16
17
18
予報
19 20
年度
注意報
21
22
23
24
5
6
7
8
一般局平均
9 10 11 12
月
1
2
3
自排局平均
警報
図 2-1-15
二酸化窒素の経月変化
図2-1-13 光化学スモッグ注意報等発令状況経年変化
カ.炭化水素(HC)
オ.窒素酸化物(NOX)
炭化水素は沼地・土壌及び生物から発生するメ
大気中の窒素酸化物は、物の燃焼に伴い発生
するものが主であり、工場・事業場等の燃焼施設や
自動車などが発生源です。
タンや、化石燃料の不完全燃焼に伴い発生する非
メタン炭化水素があり、通常、大気に存在する濃度
程度では人体への影響は少ないとされています。
一酸化窒素は大気中で酸化されて安定な二酸
- 38 -
しかし、大気中で太陽光線により窒素酸化物と
反応し、光化学オキシダントの生成に大きな役割を
による中枢神経の障害を起こすおそれがあります。
もつ物質です。
測定は自排局2局において実施しておりますが、
この炭化水素は、環境基準が定められていませ
んが、光化学オキシダントの生成防止の濃度レベ
環境基準値を大きく下回り、経年的には横ばい状
態になっています。
ppm
2.0
ルとしての指針値(午前6時から9時までの3時間平
均値が0.20~0.31ppmC の範囲であること。)につ
1.5
いては達成することができませんでした。
1.0
非メタン炭化水素については、3時間値の年平
0.5
均値は一般局平均が0.16ppmC、自排局平均が
0.0
15
16
17
18
19
0.17ppmCであり、徐々に減少傾向を 示し ていま
20
年度
21
22
23
24
図 2-1-18 一酸化炭素の経年変化(自排局平均)
す。
経月変化では、一般局は12月、自排局は1月が
ppm
2.0
ピークとなっています。
1.5
ppmC
0.40
1.0
0.30
0.5
0.20
0.0
4
0.10
0.00
15
16
17
18
19 20
年度
一般局平均
21
22
23
5
6
7
8
9 10 11 12
月
1
2
3
図 2-1-19 一酸化炭素の経月変化(自排局平均)
24
自排局平均
ク.有害大気汚染物質
図2-1-16 非メタン炭化水素(3時間値)の経年変化
大気中からは、種々の物質が検出されますが、
ppmC
0.40
「継続的に摂取した場合に人の健康を損なうおそ
0.30
れがある物質」も含まれています。このうち、健康被
0.20
害を防止するために、優先取組物質として21物質
0.10
が指定されています。
0.00
4
5
6
7
8
一般局平均
9
10 11 12 1 2
月
自排局平均
有害大気汚染物質のうち、環境基準が定められ
3
ている4物質(トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ン、ベンゼン、ジクロロメタン)はすべて環境基準を
図 2-1-17 非メタン炭化水素(3 時間値)の経月変化
達成しており、近年はほぼ横ばい状況です。また、
指針値の定められている7物質(アクリルニトリル、
キ.一酸化炭素(CO)
塩化ビニルモノマー、クロロホルム、1,2-ジクロロエ
一酸化炭素は、自動車の排ガスや焼却の際に
タン、水銀、ニッケル、1,3-ブタジエン)についても
発生し、血液中のヘモグロビンと結合し、酸素欠乏
- 39 -
指針値を下回っています。
μg/m3
0.080
μg/m3
1.00
0.060
0.80
0.040
0.60
0.020
0.40
0.000
15
0.20
16
17
18
0.00
15
16
17
18
19 20 21
年度
高根台局
22
23
24
0.200
0.20
0.100
0.10
0.000
15
0.00
17
18
23
24
μg/m3
0.300
μg/m3
0.30
16
22
図 2-1-24 アクリルニトリルの経年変化
図2-1-20 トリクロロエチレンの経年変化
15
19 20 21
年度
高根台局
19 20 21
年度
高根台局
22
23
16
17
18
24
19 20 21
年度
高根台局
22
23
24
図 2-1-25 塩化ビニルモノマーの経年変化
図2-1-21 テトラクロロエチレンの経年変化
μg/m3
0.25
μg/m3
0.20
3.0
0.15
2.0
0.10
1.0
0.05
0.00
0.0
15
15
16
17
18
19 20
年度
高根台局
21
22
23
16
17
18
24
19 20 21
年度
高根台局
22
23
24
日の出局
図2-1-22 ベンゼンの経年変化
図 2-1-26 クロロホルムの経年変化
μg/m3
0.15
μg/m3
3.0
0.12
0.09
2.0
0.06
0.03
1.0
0.00
0.0
15
16
17
18
19 20 21
年度
高根台局
22
23
15
24
16
17
18
19 20 21
年度
高根台局
22
23
24
図 2-1-27 1,2-ジクロロエタンの経年変化
図 2-1-23 ジクロロメタンの経年変化
- 40 -
μg/m3
2.5
μg/m3
80
2.0
60
1.5
1.0
40
0.5
20
0.0
15
16
17
18
19 20 21
年度
高根台局
22
23
0
24
4
5
6
7
8
9
10 11 12
月
1
2
3
図 2-1-32 浮遊粉じんの経月変化
図 2-1-28 水銀の経年変化
イ.降下ばいじん
μg/m3
5.0
本市では、ダストジャー法により中央消防署の屋
4.0
3.0
上で測定を行っています。
2.0
経年変化では前年度よりやや高くなっています。
1.0
0.0
15
16
17
18
19 20 21
年度
高根台局
22
23
また、経月変化では時期的に3月が高い値を示し
24
ております。
図 2-1-29 ニッケルの経年変化
t/km2/月
10
μg/m3
0.40
8
6
0.30
4
0.20
2
0.10
0
15
0.00
15
16
17
18
19 20
年度
高根台局
21
22
23
16
17
18
19
20
21
22
23
24
年度
24
図 2-1-33 降下ばいじんの経年変化
日の出局
図 2-1-30 1,3-ブタジエンの経年変化
t/km2/月
15
(2)その他の測定結果
ア.浮遊粉じん
10
本市では、ローボリュームエアサンプラー法によ
5
り、中央消防署の屋上で測定を行っています。
0
経年変化では、横ばい傾向にあります。
4
μg/m3
80
5
6
7
8
9
10 11 12
月
1
2
3
図 2-1-34 降下ばいじんの経月変化
60
ウ.酸性雨
40
20
本市では、船橋豊富局で平成5年度から測定し
0
15
16
17
18
19 20
年度
21
22
23
24
ています。平成24年度の調査結果では、pH3.7~
7.0、平均はpH5.0であり、105回の降雨のうち88回
図 2-1-31 浮遊粉じんの経年変化
- 41 -
の酸性雨が確認されました。
いました。二酸化窒素の測定値からは、若干道路
の影響が考えられました。
PH
7.5
7.0
6.5
6.0
5.5
5.0
4.5
4.0
3.5
4
ウ.藤原2丁目(中山競馬場藤原駐車場:6月)
主要地方道松戸・原木線の影響を調査するため
に測定を行いました。測定期間中、中山競馬場で
の競馬の開催はなかったものの、通過車両の量は
普段と変りない状態で、二酸化窒素の測定値から
5
6
7
89
10
11 12
1 2 3月
は、一般局に近い値を示しました。
エ.夏見台6丁目(運動公園:7月)
図 2-1-35 酸性雨の経月変化
市道夏見・馬込線と県道夏見・小室線の影響を
エ.アスベスト(石綿)
本市でも石綿の飛散状況を平成 17 年度から調
査を行っていますが、これまで検出下限値以下で、
平成 24 年度も特に高い濃度は見られていません。
調査するために測定を行いました。二酸化窒素は、
一般局に近い値を示しました。
オ.海神町南1丁目(海神南小学校:8月)
京葉道路船橋インターチェンジからの影響を調
表 2-1-5 大気環境中のアスベスト濃度測定
査するために測定を行いました。二酸化窒素は、
(単位:本/L)
夏季調査
冬季調査
一般局よりやや高い値を示しました。
(H24.7.10-12)
(H25.1.29-31)
カ.本町6丁目(中央卸売市場:9月)
高根局
0.081
0.21
JR船橋駅北口周辺の一般環境を調査するため
高根台局
0.11
0.14
に測定を行いました。周辺には幹線道路がありま
豊富局
0.070
0.11
せん。二酸化窒素は、一般局と同程度の値を示し
印内局
0.15
0.18
ました。
海神局
0.11
0.19
キ.古作町(中山競馬場古作第2駐車場:10月)
若松局
0.081
0.10
県道市川・印西線の影響を調査するために測定
を行いました。二酸化窒素は、一般局よりやや高い
(3)大気測定車による局地汚染測定結果
値を示しました。
ア.藤原5丁目(法典公園:4月)
藤原地区の一般環境を調査するために測定を
ク.東船橋(船橋税務署:11月)
行いました。当所は幹線道路からはやや離れてお
国道296号線の影響を調査するために測定をし
り、二酸化窒素は、一般局と同程度の値を示しまし
ました。対象道路の影響からか自排局と同程度の
た。
測定結果が観測されました。
イ.小室町2丁目(小室ハイランド:5月)
ケ.芝山3丁目(芝山出張所:12月)
芝山3丁目周辺の一般環境を調査するために測
国道16号線の影響を調査するために測定を行
定を行いました。周辺には幹線道路がありませんが、
- 42 -
二酸化窒素の測定結果からは、一般局よりもむし
です。このうち、ばい煙に係る特定施設を有してい
ろ自排局に近い値を示しました。
る事業所は47事業所、粉じん特定施設を有してい
コ.滝台1丁目(二宮出張所:1月)
る事業所は13事業所となっています。
国道296号線の影響を調査するために測定を行
いました。二酸化窒素の測定結果からは、ほぼ自
イ.規制
(ア)大気汚染防止法による規制
排局と同じ値を示しました。
工場・事業場における事業活動や建築物の解
サ.米ヶ崎町(東電船橋洞道換気孔:2月)
体等に伴うばい煙や粉じんの排出等が規制されて
主要地方道船橋・我孫子線の影響を調査するた
います。
め測定を行いました。二酸化窒素の測定結果は、
【硫黄酸化物】
自排局とほぼ同じ値を示しました。
硫黄酸化物の排出規制は、ばい煙発生施設ご
シ.薬円台4丁目(郷土資料館:3月)
とに排出口(煙突)の高さに応じた許容排出量を定
国道296号線の影響を調査するために測定をし
めるK値規制がとられています。
ました。二酸化窒素は一般局に近い値を示しまし
た。
また、工場・事業場が集中している地域として総
量規制が適用され、工場・事業場ごとに総排出量
を規制するほか、小規模工場・事業場については
5.対策
使用する石油系燃料中の硫黄含有率を規制して
(1)工場・事業場
います。
大気汚染物質の固定発生源である工場・事業場
【窒素酸化物】
に対して、大気汚染防止法、船橋市環境保全条例
窒素酸化物の排出規制は、ばい煙発生施設の
等により、規制・指導を行っています。
種類及び規模並びに設置年月ごとに排出基準が
ア.法・条例に係る届出状況(平成25年3月31日現
在)
定められています。
【ばいじん・有害物質】
大気汚染防止法によって設置届出などの義務が
ばいじん及び有害物質(窒素酸化物を除くカドミ
課される施設を有する工場・事業場については、ば
い煙発生施設を有している工場・事業場が170事
業所、粉じん発生施設を有している工場・事業場
が10事業所、揮発性有機化合物排出施設を有し
ウム及びその化合物、塩素、塩化水素、ふっ素等)
については、ばい煙発生施設の種類別に排出基
準が定められています。
また、大気汚染の実態を考慮し特に排出の抑制
ている工場・事業場が6事業所となっています。
また、特定粉じん(アスベスト)の解体・除去等の
作業は、届出が必要となっており、平成24年度の
を図るため、千葉県条例により上乗せ基準が定め
られ、排出基準が強化されています。
【揮発性有機化合物】
届出件数は、21件でした。
平成16年5月に大気汚染防止法の一部が改正
市環境保全条例の対象事業所数は、60事業所
され、揮発性有機化合物の排出及び飛散の抑制
- 43 -
に係る規制が平成18年4月から開始されました。
例」を平成21年4月1日から施行しています。平成
揮発性有機化合物の排出規制は、揮発性有機
23年度以降についても、当面の間、基準年度の3
化合物排出施設の種類及び規模ごとに排出基準
割削減を目標として条例を運用していきます。なお、
が定められています。
事業者から報告された年度毎の取組計画と実績は、
【一般粉じん】
市ホームページ上で公表しています。
一般粉じんの規制は、一般粉じん発生施設(堆
(エ)要綱による指導
積場、コンベア、ふるい等)の種類ごとに、構造基
【船橋市窒素酸化物対策指導要綱】
準、使用及び管理の基準が定められています。
窒素酸化物による大気汚染が改善されないため、
【特定粉じん】
ばい煙発生施設で使用される原料及び燃料使用
吹き付け石綿や石綿を含有する断熱材・保温材
量を重油換算した合計量が2kl/h以上の工場・事
及び耐火被覆材等の特定建築材料が使用されて
業場に対し、昭和58年4月から千葉県窒素酸化物
いる建築物を解体・改造又は補修する作業につい
対策指導要綱に基づいて総排出量の指導を行っ
ては、「特定粉じん排出等作業」として作業基準が
ていました。平成15年4月からは、「船橋市窒素酸
定められています。
化物対策指導要綱」を定め、継続して指導を行っ
(イ)船橋市環境保全条例による規制
ています。
【船橋市発電ボイラー及びガスタービン等に係
る窒素酸化物対策指導要綱】
大気汚染防止法の規制規模以下で一定規模以
上のボイラー及び廃棄物焼却炉について、硫黄酸
化物、ばいじん、窒素酸化物及び塩化水素に係る
施設ごとの規制基準を定め規制しています。
発電用のガスタービン、ディーゼル機関、ガス機
関及びガソリン機関は、窒素酸化物の排出量が多
く、かつ、排出口の高さが比較的低いことから二酸
また、粉じんに係る特定施設についても、構造、
使用及び管理の基準を定め規制しています。
化窒素の局地的な汚染が懸念されるため、平成4
年4月から大気汚染防止法より厳しい排出基準を
(ウ)船橋市揮発性有機化合物の排出及び飛散の
抑制のための取組の促進に関する条例による規
制
定めた千葉県発電ボイラー及びガスタービン等に
係る窒素酸化物対策指導要綱に基づいて指導を
行っていました。
大気汚染防止法では、排出規制と事業者の自
主的取組により平成22年度までに工場等の固定発
生源からの揮発性有機化合物の排出量を平成12
年度比で3割程度削減することを目標としています。
また、平成7年12月に電気事業法が改正され、
電力会社以外の企業が電気事業へ新規参入でき
ることになったことに伴い、同要綱の一部が平成8
年4月に改正されました。
このため、市では、事業者の自主的取組を促進す
ることを目的に、事業者による削減取組の公表制
度を盛り込んだ「船橋市揮発性有機化合物の排出
平成15年4月からは、「船橋市発電ボイラー及び
ガスタービン等に係る窒素酸化物対策指導要綱」
を定め、継続して指導を行っています。
及び飛散の抑制のための取組の促進に関する条
- 44 -
ウ.立入検査等状況
制するため「千葉県ディーゼル自動車から排出さ
大気汚染防止法に基づき、23工場・事業場に対
れる粒子状物質の排出の抑制に関する条例」を平
し立入検査を実施し、窒素酸化物、ばいじん等の
成14年3月に制定し、ディーゼル自動車から排出さ
排出基準の遵守状況を確認するため、37のばい
れる粒子状物質の低減を図っています。この条例
煙発生施設の排出ガス測定を実施しました。また、
により規制基準を満たさない自動車は、平成15年
揮発性有機化合物に係る特定施設について排出
10月から市内を通行することができなくなりました。
基準の遵守状況を確認するため、5工場・事業場、
また、千葉県環境保全条例も併せて改正され、
6施設に対して、立ち入り検査を実施しました。検
一定規模以上の自動車を保有している事業者に
査の結果、全ての工場・事業場が規制基準を満足
対して、低公害車の導入や駐車場にアイドリングス
していました。
トップを行う旨の掲示をすることが義務づけられまし
冬期は大気汚染物質がよどみやすい気象条件
た。
が多くなります。このため、窒素酸化物等の大気汚
本市でも、市環境保全条例で市内事業者・市民
染物質の排出を抑制する目的で、大気汚染防止
に対し、低公害車(電気・CNG・ハイブリッド車・メタ
法に基づくばい煙発生施設を設置している全ての
ノール車)や九都県市が指定する低公害車の導入
事業所に対して文書を送付し、具体的な対策を周
及びアイドリングストップの実施に努めるよう定めて
知しています。
います。
また、特定粉じん排出等作業の届出があった21
市自らも事業者の一員として低公害車等を積極
件について、アスベストの飛散防止のため、立入検
的に導入し、公用車使用時のアイドリングストップを
査を実施し、全ての作業で作業基準が遵守されて
徹底するとともに、市内事業者・市民に対しては、
いることを確認しました。
春・秋に強調月間を設けて、「広報ふなばしによる
(2)自動車排出ガス対策
市民への啓発」、「主要駅にアイドリングストップの
国では、大気汚染防止法により自動車の排ガス
横断幕の掲示」などを行っています。
本市の低公害車導入状況 (平成25年3月時点)
について規制(単体規制)し、新車の規制強化を行
ってきました。
○軽自動車を除く所有台数339台のうち国土交通省低
また、自動車NOx法により使用過程車の対策を
燃費車及び九都県市指定低公害車104台(31%)です。
行ってきましたが、平成13年6月にこれを改正し、
主な低公 害車は、 CNG車 3 台・ハイ ブリ ッド車 2 台・
自動車NOx・PM法に改めて、窒素酸化物や粒子
LPG車50台です。
状物質の排出の少ない自動車を使用するよう規制
(3)光化学スモッグ対策
の強化を図りました。
大気汚染防止法第23条の規定による緊急時の
千葉県では、東京都、埼玉県、神奈川県と共同
措置を適切に行うため県では「千葉県大気汚染緊
で、使用過程車の粒子状物質対策としてディーゼ
急時対策実施要綱」を、市では「船橋市光化学ス
ル貨物自動車を自動車NOx・PM法より厳しく規
モッグ対策実施要綱」を定め、光化学スモッグが発
- 45 -
生しやすい4月から10月までの間に光化学スモッグ
11
船橋市北部清掃工場
の監視体制を敷いています。
12
船橋市南部清掃工場
大気汚染が著しく悪化し、人の健康や生活環境
表 2-1-7 光化学スモッグ市協力工場等
に被害が生ずる恐れのある場合は、光化学スモッ
グ注意報等を発令し、県と協力して、小・中学校や
番 号
市民に対して、防災無線・インターネット・メール配
1
(株)ニチレイフーズ船橋工場
2
前田道路(株)
3
協同乳業(株)千葉工場
4
東瀝青建設(株)船橋工場
5
(株)日本金属印刷船橋工場
6
(財)船橋市文化・スポーツ公社
場)等には、ばい煙排出量の削減要請を行ってい
7
日本大学生産工学部
ます。
8
誠和工業(株)潮見工場
なお、千葉県では、京葉臨海工業地帯を中心に
9
南船橋ビビットスクエア
大規模工場に対して、電話回線を利用した発生源
10
(株)柴橋商会船橋工場
テレメータシステムにより燃料使用量などの常時監
11
千葉県済生会習志野病院
視を行い、光化学スモッグ注意報等の発令時に、
12
イケア船橋店
13
阪和流通センタ―東京(株)
信及びテレフォンサービスなどにより、発令状況を
周知し、健康被害の未然防止や自動車の使用自
粛を呼びかけております。
また、緊急時協力工場(市内では25工場・事業
ばい煙等の削減措置状況を確認していましたが、
工
場
名
平成17年度の県テレメータシステムの更新に伴な
い対象工場の規模見直しがあり、市内には県の発
(4)アスベスト(石綿)対策
市民のアスベストによる健康等に対する不安や
生源テレメータシステムの対象工場はなくなりまし
懸念の高まりから、平成 17 年 8 月 1 日に「船橋市
た。
表 2-1-6 光化学スモッグ千葉県協力工場
番 号
工
場
アスベスト対策本部」を設置しました。
アスベスト対策本部では、アスベストによる被害
名
防止、健康や建物に関する相談、情報提供及び、
1
(株)クボタ京葉工場
2
日鉄住金鋼板(株)船橋製造所
3
日本メサライト工業(株)
するため、それぞれの所管が緊密な連携・協力を
4
ボーソー油脂(株)船橋工場
図りつつ、総合的な対策を推進できるよう調整をし
5
合同製鉄(株)船橋製造所
ています。
6
(株)NIPPO京葉合材工場
7
第一熱処理工業(株)
8
京葉ユーティリティ(株)
9
京葉ケミカル(株)
10
船橋環境(株)
市有建築物対策等を効果的に、かつ円滑に推進
- 46 -
第2節 水環境
止法、千葉県公害防止条例などが整備・強化され、
本市の公共用水域は、東京湾につながる河川
その後、総量規制が導入されたことなどにより、工
場・事業場による汚濁は改善されてきています。
及び印旛沼につながる河川です。
河川は、新京成電鉄の軌道をおおまかな分水
(2)生活排水
現在の河川の水質汚濁は、大部分が生活排水
嶺として、南西側には東京湾につながる二級河川
海老川(E類型)と長津川、一級河川真間川(E類
型)及び普通河川があり、北東側には印旛沼につ
ながる一級河川神崎川(A類型)、二重川、桑納川
によるものであることから、公共下水道や高度処理
型の合併処理浄化槽の普及に努め、水質の改善
を図っています。しかし、未だに生活排水をそのま
ま放流する単独浄化槽を利用している家庭が多い
(D類型)及び普通河川があります。
河川の水質は、生活排水による汚濁が続いてい
た海老川、真間川などでも、徐々に改善されてきて
ことから、河川に与える負荷が大きな状況の流域も
あります。
(3)自然系の負荷
います。
近年産業系及び生活系以外に、農業地や市街
地先海域は、東京湾の最奥部に位置しているた
め水の入れ替えが乏しく、河川水などにより富栄養
化が進み、二次汚濁と考えられる赤潮、青潮が毎
面からこの問題に対する行動が始まっています。
2.監視体制
年発生しています。
(1)常時監視
表 2-1-8 主な河川の概要
河川名
地からの汚濁物質の排出が問題になり、様々な方
本市では、公共用水域の水質汚濁状況を把握
流域面積
水系総延長
環境基準
(ha)
(m)
類型指定
するために、毎年度「公共用水域水質測定計画」
海老川
2,682
40,945
E類型
を定め、河川15地点及び東京湾船橋地先海域4地
真間川
705
2,969
E類型
点において常時監視を行っています。
桑納川
1,662
18,041
D類型
このうち八千代橋(海老川)・船橋1(海域)の2地
神崎川
1,342
20,085
A類型
点が環境基準点、船橋2(海域)が環境基準補助
※ 流域面積の数値は、本市域に属する部分。
1.発生源
点になっています。
ア.通年調査
河川等の公共用水域における水質汚濁の主な
河川4地点(八千代橋・さくら橋・八栄橋・船橋ハ
原因は、工場・事業場からの産業系排水と一般家
イム前)及び海域4地点(船橋1・船橋2・海苔漁場・
庭からの生活排水及び自然系の負荷によるもので
航路C)においては、毎月1回、調査を行っていま
す。
す。また、その他の河川11地点においては、隔月1
(1)工場・事業場
回、調査を行っています。
河川の水質汚濁は、以前は工場・事業場の排水
イ.通日調査
が主な原因でしたが、昭和45年頃から水質汚濁防
通年調査を補足する目的で、海老川・長津川
- 47 -
(海老川水系)の3地点と二重川・桑納川(印旛沼
(2)その他の監視・調査
水系)の2地点において、それぞれ春季・秋季に通
ア.底質調査
日調査を行っています。
底質調査は、河川6地点(八千代橋、さくら橋、
船橋ハイム前、柳橋、金堀橋、長殿橋)及び海域3
表 2-1-9 公共用水域の常時監視地点
公共用水域
海老川
地点数
8
地点(船橋1、船橋2、海苔漁場)にて5年ごとに行
調 査 地 点
っています。次回の調査は、平成27年度を予定し
八千代橋・さくら橋・
相之谷橋・東橋・八栄橋・
念田橋・金杉下・高根
ています。
イ.異常水質
公共用水域において、有害物質や油類の流出
長津川
2
船橋ハイム前・夏見
真間川
2
柳橋・藤原
等の事態が発生した場合は、市・県の関係機関と
桑納川
1
金堀橋
連携して現地調査を行い、必要に応じて吸着マット
二重川
1
長殿橋
等による除去や拡大防止対策を行っています。
鈴身川
1
鈴身
海
域
4
合
計
19
河川
平成24年度の異常水質の報告は5件でした。そ
の内海域に関するものが3件、その他に関するもの
船橋1・船橋2・
海苔漁場・航路C
が2件でした。
※ 八千代橋・船橋1は、環境基準点。船橋2は環境
基準点の補助点
表2-1-10 主な異常水質発生状況
発生日
内容
発生源
対策
平成 24 年 4 月 6 日(金)
北谷津川にてコイのへい死
平成 24 年 6 月 25 日(月)
日の出水路にて油の流出
平成 24 年 9 月 2 日(日)
二俣川にて魚のへい死
不明
-
平成 24 年 11 月 15 日(木)
日の出水路にて油
不明
-
平成 24 年 11 月 28 日(水)
潮見町地先海域にて油の流出
- 48 -
不明
-
違法係留船舶
オイルマットを設置し拡散を防
の沈没
止した
給油の際のオ
中和剤及び吸着マットの敷設
ーバーフロー
を行い拡散を防止した
図 2-1-36 水質調査地点
3.環境基準と達成状況
(1)人の健康の保護に関する環境基準
公共用水域の水質汚濁に係る環境基準は、環
人の健康の保護に関する環境基準の項目(健
境基本法の規定に基づき、人の健康を保護し及び
康項目)については、人の健康に支障をきたすお
生活環境を保全するうえで維持することが望ましい
それのあるものとしてカドミウムや全シアン、総水銀
基準として定められています。
などの27項目が指定され、すべての公共用水域に
また、環境基準に準ずるものとして、要監視項目
一律の基準が定められています。
が定められています。
これら27項目については、八千代橋、船橋1及び
船橋2の環境基準点等で環境基準を達成しました。
- 49 -
その他の河川6地点、海域2地点で主要な項目に
フェノールに加えて、化学的酸素要求量(COD)・n-
ついて測定していますが、いずれも環境基準を達
ヘキサン抽出物質・全窒素・全りんの9項目が指定
成しました。
されています。
これらの生活環境項目は、河川・湖沼・海域ごと
表2-1-11 人の健康の保護に関する環境基準
項
目
カドミウム
全シアン
鉛
六価クロム
砒素
総水銀
アルキル水銀
PCB
ジクロロメタン
四塩化炭素
1,2-ジクロロエタン
1,1-ジクロロエチレン
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,1,1-トリクロロエタン
1,1,2-トリクロロエタン
トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
1,3-ジクロロプロペン
チウラム
シマジン
チオベンカルブ
ベンゼン
セレン
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素
ふっ素
ほう素
1,4-ジオキサン
基 準 値
0.003mg/L以下
検出されないこと
0.01mg/L以下
0.05mg/L以下
0.01mg/L以下
0.0005mg/L以下
検出されないこと
検出されないこと
0.02mg/L以下
0.002mg/L以下
0.004mg/L以下
0.1mg/L以下
0.04mg/L以下
1mg/L以下
0.006mg/L以下
0.03mg/L以下
0.01mg/L以下
0.002mg/L以下
0.006mg/L以下
0.003mg/L以下
0.02mg/L以下
0.01mg/L以下
0.01mg/L以下
10mg/L以下
0.8mg/L以下
1mg/L以下
0.05mg/L以下
に利用目的等に応じて区分された類型ごとに環境
基準が定められています。
船橋市は、河川では海老川(八千代橋)が利用
目的の適応性について E 類型の環境基準点に指
定され、水生生物の生息状況の適応性について
は平成23年度に生物 B 類型に指定されました。
海域では利用目的の適応性について船橋1が
C 類型の環境基準点に、船橋2が B 類型の環境基
準補助点に指定されています。
なお、海域の全窒素・全りんの環境基準につい
ては、東京湾は6つの水域に分けられ、それぞれに
類型指定がされています。そのうち、船橋1及び船
橋2は環境基準の評価点には指定されていません
が、Ⅳ類型に属する水域に該当しています。
また、海域の水生生物の生息状況の適応性に
ついては、東京湾は6つの水域に分けられ、それぞ
れに類型が指定されています。そのうち、船橋1及
び船橋2は環境基準の評価点には指定されていま
せんが、生物A類型に属する水域に該当していま
す。
有機物による汚濁の代表的な水質指標である
(2)生活環境の保全に関する環境基準
生活環境の保全に関する環境基準の項目(生
BOD(河川)・COD(海域)の環境基準の達成状況
活環境項目)については、生活環境を保全する目
は、海老川(八千代橋)では 12 年連続して達成し、
的として、河川は水素イオン濃度(pH)・生物化学
船橋1では毎年達成しています。しかし、より厳しい
的酸素要求量(BOD)・浮遊物質量(SS)・溶存酸素
基準の環境基準補助点である船橋2では、基準を
量(DO)・大腸菌群数・全亜鉛・ノニルフェノールの7
達成していません。
項目、海域はpH・DO・大腸菌群数・全亜鉛・ノニル
- 50 -
表 2-1-12 BOD、COD の環境基準達成状況の経年変化
水域の種類
海老川(BOD)
環境基準点
八千代橋
船橋1<全層>
船橋2<全層>補助点
環境基準値
E類型10mg/L以下
C類型8mg/L以下
B類型3mg/L以下
年
東京湾(COD)
度
20
21
22
23
24
20
21
22
23
24
20
21
22
23
24
達成状況
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
×
×
×
×
×
75%水質値※
5.3
4.0
3.8
4.1
3.1
4.8
3.1
4.3
4.6
4.2
5.2
3.6
4.1
3.9
4.8
※ 年間の日間平均値の全データをその値の小さい順から並べ、0.75×n番目(nは日間平均値のデータ
数)の値をもって 75%水質値とし、環境基準点において、この値が環境基準値を満足している場合に「環境
基準を達成している」と評価しています。
表 2-1-13 海域における全窒素・全りんの経年変化
基 準 項 目
全窒素
全りん
環境基準値 Ⅳ類型
1mg/L 以下
0.09mg/L 以下
年
度
20
21
22
23
24
20
21
22
23
24
船橋1(表層)
0.95
1.1
1.2
1.1
0.99
0.11
0.11
0.12
0.11
0.13
船橋2(表層)
0.83
0.98
0.90
0.91
0.82
0.082
0.094
0.083
0.076
0.10
表 2-1-14 生活環境の保全に関する環境基準(河川)
基
項目
利用目的の
適応性
類型
水素イオン
濃度
(pH)
AA
水道1級、自然環
境保全及びA以下
の欄に掲げるもの
6.5以上
8.5以下
A
水道2級、水産1級
、水浴及びB以下
の欄に掲げるもの
B
準
値
生物化学的
浮遊物質量 溶存酸素量
酸素要求量
大腸菌群数
(SS)
(DO)
(BOD)
該当水域
(測定地点)
1mg/L以下
25mg/L
以下
7.5mg/L
以上
50
MPN/100ml
以下
6.5以上
8.5以下
2mg/L以下
25mg/L
以下
7.5mg/L
以上
1,000
MPN/100ml
以下
水道3級、水産2級
及びC以下の欄に
掲げるもの
6.5以上
8.5以下
3mg/L以下
25mg/L
以下
5mg/L
以上
5,000
MPN/100ml
以下
C
水産3級、工業用
水1 級及びD以下
の欄に掲げるもの
6.5以上
8.5以下
5mg/L以下
50mg/L
以下
5mg/L
以上
―――
D
工業用水2級、農
業用水及びEの欄
に掲げるもの
6.0以上
8.5以下
8mg/L以下
100mg/L
以下
2mg/L
以上
―――
桑納川(金
堀橋)
10mg/L
以下
ごみ等の浮
遊が認めら
れないこと。
―――
海老川(八
千代橋、さく
ら橋、八栄
橋) 真間川
(柳橋)
E
工業用水3級、環
境保全
6.0以上
8.5以下
※ 八千代橋:環境基準点
- 51 -
2mg/L
以上
表 2-1-15 生活環境の保全に関する環境基準(河川)
項目
基 準 値
該当水域
(測定地点)
水生生物の生息状況の適応性
類型
イワナ、サケマス等比較的低温域を好む水
生物A
生生物及びこれらの餌生物が生息する水域
全亜鉛
ノニルフェノール
0.03mg/L以下
0.001mg/L 以下
0.03mg/L以下
0.0006mg/L 以下
生物Aの水域のうち、生物Aの欄に掲げる水
生物特A 生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生
育場として特に保全が必要な水域
海老川(八千代
橋、さくら橋、八
コイ、フナ等比較的高温域を好む水生生物
生物B
0.03mg/L以下
及びこれらの餌生物が生息する水域
0.002mg/L 以下
栄橋) 真間川(柳
橋)桑納川(金堀
橋)
生物A又は生物Bの水域のうち、生物Bの欄
生物特B
に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は
0.03mg/L以下
幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水
0.002mg/L 以下
域
表 2-1-16 生活環境の保全に関する環境基準(海域)
項目
基
利用目的の適応性
類型
A
B
C
水産1級、水浴、自
然環境保全 及びB
以 下の 欄に 掲 げる
もの
水産2級、工業用水
及びCの欄に掲げ
るもの
環境保全
※ 船橋 1:環境基準点
準
値
水素イオン
濃度
(pH)
化学的
酸素要求量
(COD)
溶存酸素量
(DO)
7.8以上
8.3以下
2mg/L以下
7.5mg/L
以上
該当水域
(測定地点)
n-ヘキサン
抽出物質
(油分等)
大腸菌群数
1000
検出されない
MPN/100ml
こと。
以下
7.8以上
8.3以下
3mg/L以下
5mg/L以上
―――
検出されない
こと。
7.0以上
8.3以下
8mg/L以下
2mg/L以上
―――
―――
東京湾(9)
(船橋2、
海苔漁場)
東京湾(3)
(船橋1、
航路C)
船橋 2:環境基準補助点
表 2-1-17 生活環境の保全に関する環境基準(海域)
項目
基 準 値
利用目的の適応性
類型
Ⅰ
Ⅱ
自然環境保全及びⅡ以下の欄に掲げるもの
(水産2種及び3種を除く。)
水産1種、水浴及びⅢ以下の欄に掲げるもの
(水産2種及び3種を除く。)
全窒素
全りん
0.2mg/L以下
0.02mg/L以下
0.3mg/L以下
0.03mg/L以下
- 52 -
該当水域
(測定地点)
Ⅲ
水産2種及びⅣの欄に掲げるもの
(水産3種を除く。)
0.6mg/L以下
0.05mg/L以下
東京湾(ロ)
Ⅳ
水産3種、工業用水、生物生息環境保全
1mg/L以下
0.09mg/L以下
(船橋1、船橋2、
海苔漁場、航路 C)
表 2-1-18 生活環境の保全に関する環境基準(海域)
項目
基 準 値
水生生物の生息状況の適応性
全亜鉛
類型
生物A 水生生物の生息する水域
ノニルフェノール
0.02mg/L以下
0.001mg/L 以下
東京湾
(船橋1、船橋2、
航路 C)
0.01mg/L以下
0.0007mg/L 以下
東京湾(イ)
(海苔漁場)
生物Aの水域のうち、水生生物の産卵場(繁
生物特A 殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全
が必要な水域
該当水域
(測定地点)
表 2-1-19 人の健康の保護に関連する物質の要監視
項目及び指針値
(3)要監視項目
公共用水域等における検出状況等からみて、直
ちに環境基準とはせず、引き続き知見の集積に努
めるべきと判断された項目です。
現在、人の健康の保護に関する物質が26項目、
水生生物の保全に関する物質が3項目設定されて
います。
平成24年度の測定結果では船橋1及び船橋2
において、人の健康の保護に関する物質のウラン
が指針値0.002mg/L を上回っていました。
なお、ウランは海水中に天然に存在することが
知られており、海水の平均組成から算出される濃
度は0.0033mg/L とされています。
項
目
クロロホルム
トランス-1,2-ジクロロエチレン
1,2-ジクロロプロパン
p-ジクロロベンゼン
イソキサチオン
ダイアジノン
フェニトロチオン
イソプロチオラン
オキシン銅
クロロタロニル
プロピザミド
EPN
ジクロルボス
フェノブカルブ
イプロベンホス
クロルニトロフェン
トルエン
キシレン
フタル酸ジエチルヘキシル
ニッケル
モリブデン
アンチモン
塩化ビニルモノマー
エピクロロヒドリン
ウラン
全マンガン
- 53 -
指 針 値
0.06mg/L以下
0.04mg/L以下
0.06mg/L以下
0.2mg/L以下
0.008mg/L以下
0.005mg/L以下
0.003mg/L以下
0.04mg/L以下
0.04mg/L以下
0.05mg/L以下
0.008mg/L以下
0.006mg/L以下
0.008mg/L以下
0.03mg/L以下
0.008mg/L以下
-
0.6mg/L以下
0.4mg/L以下
0.06mg/L以下
-
0.07mg/L以下
0.02mg/L以下
0.002mg/L以下
0.0004mg/L以下
0.002mg/L以下
0.2mg/L以下
表 2-1-20 水生生物及びその餌生物並びにそれらの生
息又は生育環境の保全に関連する物質の要監視項目
及び指針値
項 目
水 域
河川及び
湖沼
クロロホルム
海域
河川及び
湖沼
フェノール
海域
ホルム
アルデヒド
河川及び
湖沼
海域
川へ流入するものと本市南西部の二子町を縦断し
て東京湾へ注ぐものに分流しています。
類 型
指針値
生物A
0.7mg/L
生物特A
0.006mg/L
が、生活排水による汚濁により BOD が14mg/L と
生物B
3mg/L
市内で最も高い値を示しています。また、下流域の
生物特B
3mg/L
生物A
0.8mg/L
生物特A
0.8mg/L
生物A
0.05mg/L
駒込川、木戸川などの7つの河川が流入し、八
生物特A
0.01mg/L
千代市との境に沿って流れ、八千代市内で新川に
生物B
0.08mg/L
生物特B
0.01mg/L
生物A
2mg/L
生物特A
0.2mg/L
生物A
1mg/L
生物特A
1mg/L
生物B
1mg/L
生物特B
1mg/L
生物A
0.3mg/L
生物特A
0.03mg/L
4.現況
(1)河川
ア.海老川
水源から河口に至るまで市の中心部を流れる河
川で、桜並木やジョギングロードが整備され、市民
に親しまれています。以前は各所に湧水が流れ込
んでいましたが、今では家庭・工場の排出水や農
業用水(地下水)が主な水源になっています。
長津川の夏見では、BOD がこの流域で最も高い
最上流部の二和川は藤原地区を流れています
柳橋では BOD が3.7mg/L でした。
ウ.桑納川
流入しています。
八千代市との市境にある桑納川は、大穴、三咲、
高根台及び習志野台など人口の多い地区を抱え
ているため、以前は、生活排水による水質汚濁の
著しい場所でした。しかし、今では流域に下水道が
普及したことにより、きれいな河川の一つとなって
います。金堀橋では BOD が3.3mg/L でした。
エ.二重川
市の北西部から北に向かって鎌ヶ谷市・白井市
との境に沿って流れています。流域には下水道が
普及し、市内で最もきれいな河川です。長殿橋で
は BOD が1.5mg/L でした。
(2)海域
本市の南側には東京湾が広がっています。海老
川の河口から沖合にかけて港湾機能が整備され、
その西側には、三番瀬と呼ばれる浅海域があり、
古くから漁業が営まれています。
7.6mg/L(年平均値。以下同じ)を示しています。
最下流部の環境基準点の八千代橋では、BOD
が3.0mg/L でした。
東京湾は、典型的な閉鎖性水域であり、富栄養
化が進みプランクトンの増殖等による赤潮や青潮
が発生することがあります。
イ.真間川
本市、市川市及び鎌ヶ谷市に支川を持ち、江戸
調査は、航路・沖合・海苔漁場で実施し、COD
は1.3~4.5mg/L(年平均値)でした。
- 54 -
mg/L
60
海老川
桑納川
50
二重川
真間川
40
30
20
10
0
S54
56
58
60
62
H1
3
5
7
9
11
13
15
17
19
21
23
年度
図 2-1-37 河川のBOD経年変化(年平均値)
8
mg/L
7
6
5
4
3
2
1
船橋1
船橋2
海苔漁場
航路C
0
S54
56
58
60
62
H1
3
5
7
9
11
13
図 2-1-38 海域のCOD経年変化(年平均値)
- 55 -
15
17
19
21
23
年度
5.対策
対し、施設の構造等に関する基準の遵守と定期点
(1)工場・事業場
検の実施を義務付ける制度が導入されました。
本市は昭和48年に水質汚濁防止法の政令市に
(濃度規制)
指定され、工場・事業場に対して、水質汚濁防止
濃度規制基準は、排出水量にかかわらず全ての
法、湖沼水質保全特別措置法、船橋市環境保全
特定事業場に適用される健康項目(有害物質)と、
条例による規制・指導業務を行っています。
生活環境に被害を及ぼすおそれがあり1日の平均
ア.届出等の状況(平成25年3月31日現在)
的な排出水量が30m3以上(印旛沼流域に排出す
(ア)水質汚濁防止法及び湖沼水質保全特別措置
る場合は10m3以上)の特定事業場に適用される生
法に基づく特定事業場数
活環境項目に分かれています。
水質汚濁防止法に基づく特定事業場(湖沼法
千葉県では、法の一律基準では環境基準を達
のみなし施設を有する事業場を含む)は550事業
成することが困難な状況にあり、「水質汚濁防止法
場であり、その内訳は、し尿浄化槽・し尿処理施設
に基づき排水基準を定める条例(上乗せ条例)」に
212事業場(39%)、洗濯業107事業場(19%)、自
より厳しい排水基準(上乗せ基準)を定め、規制を
動式車両洗浄施設59事業場(11%)、旅館業29事
強化しています。
業場(5%)、豆腐又は煮豆製造業26事業場(5%)、
(総量規制)
その他117事業場(21%)となっています。
(イ)船橋市環境保全条例に基づく特定事業場数
市環境保全条例に基づく特定事業場は7事業
場であり、その内訳は畜舎2事業場及びちゅう房施
総量規制の基準は、1日の平均的な排水量が50
m3以上の指定地域に設置された特定事業場に適
用され、事業場ごとに COD・窒素・りんについて負
荷量として基準が定められています。
設5事業場となっています。
なお、東京湾の富栄養化防止対策を更に強化
した、第7次総量規制基準が平成24年5月1日から
イ.規制
適用されています。
(ア)水質汚濁防止法に基づく規制
(イ)湖沼水質保全特別措置法に基づく規制
水質汚濁防止法の特定事業場に対し、濃度規
湖沼水質保全特別措置法は、水質汚濁の著し
制を行っています。また、昭和54年6月に東京湾に
い湖沼の水質を保全することを目的として、水質汚
かかる地域が指定地域に指定され、排出される汚
濁防止法に基づく規制のほか、COD・窒素・りんの
濁負荷量を量的に削減することを目的としてCOD
汚濁負荷量を削減するための規制が行われていま
の総量規制を行っています。平成14年10月からは
す。
窒素及びりんについても総量規制が実施されてい
(ウ)船橋市環境保全条例に基づく規制
ます。
また、水質汚濁防止法が平成23年6月に改正さ
市環境保全条例の特定事業場に対し、排水基
準を定め、規制を行っています。
れ、有害物質を扱ったり貯蔵したりしている施設に
- 56 -
ウ.立入状況
(ア)水質汚濁防止法、湖沼水質保全特別措置法
及び船橋市環境保全条例に基づく立入検査
特定事業場の排水基準の適合の有無や施設の
管理状況等を検査するため、立入検査を行ってい
ます。
平成24年度の立入検査は、有害物質使用事業
場を中心に延べ212事業場(165事業場)に対して
実施し、排水基準に違反した事業場は16件でし
た。
違反の原因は、汚水・廃液等処理施設の維持
管理の不備等によるものとなっています。
なお、違反事業場の全てに対し、文書等により
改善勧告等を行っています。
表 2-1-21 立入検査・調査実施状況
法令等の名称
延事業 違 反
場 数 事業場
改善
命令
行政
指導
水質汚濁防止法・湖
沼特別措置法
208
16
0
16
船橋市環境保全条例
4
0
0
0
- 57 -
表 2-1-22 水濁法及び湖沼法の業種・施設別立入検査実施状況
号番号
業 種 ・施 設
延立入事 延違反事
業場数
業場数
違 反 項 目 ([ ]は件数)
2
畜産食料品製造業
4(0)
0
12
動植物油脂製造業
2(0)
1 COD[1]、T-P[1]
17
豆腐の製造業
2(0)
0
18の2 冷凍調理食品製造
2(0)
0
23の2 新聞業・出版業・印刷業・製版業
2(0)
0
53
ガラス・ガラス製品製造業
1(1)
0
61
鉄鋼業
8(3)
0
63
金属製品・機械器具製造業
4(4)
0
65
酸・アルカリ表面処理施設
2(2)
0
66
電気メッキ施設
3(3)
0
4(0)
0
32(7)
0
68の2 病院
2(0)
0
69の2 中央卸売市場
2(0)
0
6(6)
0
71の4 産業廃棄物処理施設
2(0)
0
71の5 トリクロロエチレン等による洗浄施設
2(2)
0
66の3 旅館業
67
71の2
洗濯業
科学技術に関する研究・試験・
検査を行う事業場
72
し尿処理施設
24(0)
73
下水道終末処理施設
6(0)
0
74
特定事業場からの排水処理施設
9(4)
1 CN[1]
-
指定地域特定施設・
湖沼法上のみなし特定施設
-
船橋市環境保全条例の特定施設
計
1 COD[1]
89(0)
13
4(0)
0
212(34)
16
※ ( )内の数字は、内数で有害物質に関するもの
- 58 -
pH[2]、BOD[2]、COD[1]、SS[1]、T-N[3]、
T-P[5]
pH[2]、BOD[2]、COD[3]、SS[1]、
T-N[3]、T-P[6]、CN[1]
○長津川浄化施設
(2)生活排水対策
海老川水系の長津川上流調節池に海老川流域
都市化に伴う人口の増加により、生活排水による
水質の汚濁は、なかなか改善しない状況が続いて
いたことから、平成2年6月に生活排水対策を推進
していく方針が水質汚濁防止法に盛り込まれ、市
水循環再生構想検討協議会によって検討され、構
想がまとめられた事業として建設されました。
ウ.啓発事業
台所や洗濯など家庭から排出される排水は、未
町村・都道府県・国と国民の責務などが定められま
処理のまま水路などに放流されると河川等の汚濁
した。
本市は、平成4年3月に生活排水対策重点地域
の大きな原因となります。
本市では、公共下水道の整備を促進するととも
に指定され、平成23年3月に「船橋市生活排水対
策推進計画(改訂版) 」を策定し、更なる水質の改
善に向けて総合的かつ計画的な生活排水対策を
に、家庭における浄化対策の実践について市民の
理解と協力を得るため、あらゆる機会を捉えて啓発
事業を実施しています。
行っています。
(3)自然系排水対策
ア.公共下水道の整備
下水道の普及などにより、産業・生活系の負荷
本市の下水道は、千葉県が整備している印旛沼
流域下水道、江戸川左岸流域下水道と市が整備
している公共下水道で構成されています。整備状
況は、生活排水対策推進計画を策定した平成5年
量が削減されてきておりますが、自然系といわれる
農地、山林、公園及び市街地からの負荷量の割合
が大きくなっています。
このうち農地からの排水対策としては、施肥量の
3月末で29.8%でしたが、平成24年度末で76.9%
削減や土壌蓄積の防止等を目指して「千葉エコ農
の普及率となり着々と進んでいます。
業」などの各種取り組みが行われ、本市は、農業セ
イ.河川浄化施設
ンターにおいて、土壌分析などの事業を通じて、農
○高根川浄化施設
平成 6 年 2 月に生活排水による汚濁の著しい海
業事業者に対し直接指導を行っています。
また、市街地からの排水については、公共施設
老川支流の高根川に河川浄化施設を設置し、河
川水質の浄化に大きな効果を上げてきました。浄
化施設設置時の高根川の水質は BOD55mg/L で
したが、現在の高根川上流部は下水道の整備が
をはじめとして透水性舗装や浸透枡設置を進め地
下水に涵養し併せて、直接雨水が河川へ流出しに
くいような対策・指導を進めております。
進み、平成 23 年度末で生活排水処理率は 75%と
なり、高根川の水質は計画処理水質 BOD10mg/L
を下回るまで改善しましたので、平成 25 年 3 月に
施設の稼働を停止しました。
- 59 -
第3節 土壌・地質環境
の届出の際に、土壌汚染のおそれがあると市
長が認めるとき
1.土壌汚染
③土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがあ
土壌は、いったん汚染されると、有害物質が蓄
ると市長が認めるとき
積され、汚染が長期にわたるという特徴がありま
また、自主調査により土壌汚染が判明した場合
す。
土壌汚染による影響としては、人の健康への影
響や、農作物や植物の生育阻害、生態系への影
響などが考えられます。とくに人の健康への影響に
は、土地所有者等が区域の指定を任意に申請す
ることができます。
(イ)区域の指定
市長は、土壌汚染状況調査の結果報告を受け
ついては、汚染された土壌に直接触れたり、口にし
たりする直接摂取によるリスクと、汚染土壌から溶
出した有害物質で汚染された地下水を飲用するな
たとき、報告をうけた土地を以下のとおり健康被害
のおそれの有無に応じて、要措置区域または形質
変更時要届出区域に指定します。
どの間接的なリスクが考えられます。
①要措置区域
本市では、平成 15 年 2 月に施行された土壌汚
汚染状態が土壌溶出量基準または土壌含有
染対策法(以下「法」という。)に基づき対策を進め
量基準に適合せず、土壌汚染の摂取経路があ
ています。
る区域です。健康被害が生ずるおそれがあるた
なお、法の一部が平成 21 年 4 月に改正され、平
め、汚染の除去等の措置が必要です。
成 22 年 4 月から施行されました。
②形質変更時要届出区域
(1)法の概要
汚染状態が土壌溶出量基準または土壌含有
ア.法の目的
量基準に適合していないが、土壌汚染の摂取経
土壌汚染の状況の把握に関する措置及びその
路がない区域です。健康被害が生ずるおそれが
汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定
ないため、汚染の除去等の措置は必要ではあり
めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もっ
ません。
て国民の健康を保護することを目的としています。
(ウ)健康被害の防止措置
イ.法の仕組み
①汚染除去等の措置
(ア)土壌汚染状況調査
土地の所有者、管理者又は占有者(以下「土地
所有者等」という。)は、次の場合に指定調査機関
に土壌汚染の状況を調査させて、その結果を市長
法の趣旨の一つは「汚染された土壌を適切に
管理していくこと」です。そのため、健康被害の
おそれのある要措置区域では、土地の汚染状
態と利用の仕方に応じて、地下水の水質の測定、
に報告する必要があります。
封じ込めなどの汚染の除去等の措置が指示さ
①有害物質使用特定施設の使用廃止時
②一定規模(3,000㎡)以上の土地の形質変更
- 60 -
れることになります。
②搬出の規制
表2-1-22 土壌の環境基準
汚染土壌を搬出する場合には、事前の届出
項
目
環境上の条件
区域4区域を指定しています。
カドミウム
全シアン
有機りん
鉛
六価クロム
砒素
総水銀
アルキル水銀
PCB
ジクロロメタン
四塩化炭素
1,2-ジクロロエタン
1,1-ジクロロエチレン
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,1,1-トリクロロエタン
1,1,2-トリクロロエタン
トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
1,3-ジクロロプロペン
チウラム
シマジン
チオベンカルブ
ベンゼン
セレン
ふっ素
ほう素
ウ.一定規模以上の土地の形質の変更届出
数値は、検液1リットル中に含まれる量
義務があります。このほか、汚染土壌の運搬は、
運搬基準の遵守と管理票の交付・保存義務があ
ります。また、汚染土壌を搬出する者は、その処
理を法の許可を得た処理業者に委託しなければ
なりません。
(2)土壌汚染対策法の施行状況
ア.土壌汚染状況調査
平成24年度は、法に基づく土壌汚染状況調査
結果の報告が1件ありました。
イ.区域の指定件数
平成24年度は、新たな要措置区域等の指定は
ありませんでした。
法施行以降、計11区域を要措置区域等に指定
し、そのうち6区域において土壌汚染の除去(浄化)
が実施され区域の指定を解除し、平成25年3月末
現在では要措置区域1区域、形質変更時要届出
0.01mg以下
検出されないこと
検出されないこと
0.01mg以下
0.05mg以下
0.01mg以下
0.0005mg以下
検出されないこと
検出されないこと
0.02mg以下
0.002mg以下
0.004mg以下
0.02mg以下
0.04mg以下
1mg以下
0.006mg以下
0.03mg以下
0.01mg以下
0.002mg以下
0.006mg以下
0.003mg以下
0.02mg以下
0.01mg以下
0.01mg以下
0.8mg以下
1mg以下
平成24年度は、25件届出があり、調査命令はあ
表2-1-23 土壌の環境基準(農用地)
りませんでした。
エ.自主申請
項 目
平成24年度は、自主的な土壌汚染の調査等を
基にした区域指定の申請はありませんでした。
- 61 -
環 境 上 の 条 件
カドミウム
米1kgにつき0.4mg以下
砒素
土壌(田に限る。)1kgにつき15mg未満
銅
土 壌 ( 田 に 限 る 。 )1 k g に つ き 125 m g 未
満
表 2-1-24 土壌汚染対策法の特定有害物質及び指定基準
指
特定有害物質
定
土壌含有量基準
(
第
1
種
特
定
有
害
物
質
)
(
第
2
種
特
定
有
害
物
質
)
基
準
土壌溶出量基準
四塩化炭素
-
0.002mg/L 以下
1,2-ジクロロエタン
-
0.004 mg/L 以下
揮
1,1-ジクロロエチレン
-
0.02mg/L 以下
発
シス-1,2-ジクロロエチレン
-
0.04mg/L 以下
1,3-ジクロロプロペン
-
0.002mg/L 以下
ジクロロメタン
-
0.02mg/L 以下
化
テトラクロロエチレン
-
0.01mg/L 以下
合
1,1,1-トリクロロエタン
-
1mg/L 以下
物
1,1,2-トリクロロエタン
-
0.006mg/L 以下
トリクロロエチレン
-
0.03mg/L 以下
ベンゼン
-
0.01mg/L 以下
性
有
機
カドミウム及びその化合物
150mg/kg 以下
0.01mg/L 以下
六価クロム化合物
250mg/kg 以下
0.05mg/L 以下
シアン化合物
50mg/kg 以下
(遊離シアンとして)
検出されないこと
重
水銀及びその化合物
金
うちアルキル水銀
属
等
(
第
3
種農
特
定薬
有
害等
物
質
)
15mg/kg 以下
0.0005mg/L 以下
検出されないこと
セレン及びその化合物
150mg/kg 以下
0.01mg/L 以下
鉛及びその化合物
150mg/kg 以下
0.01mg/L 以下
砒素及びその化合物
150mg/kg 以下
0.01mg/L 以下
ふっ素及びその化合物
4,000mg/kg 以下
0.8mg/L 以下
ほう素及びその化合物
4,000mg/kg 以下
1mg/L 以下
シマジン
-
0.003mg/L 以下
チウラム
-
0.006mg/L 以下
チオベンカルブ
-
0.02mg/L 以下
PCB
-
検出されないこと
有機りん化合物
-
検出されないこと
- 62 -
2.地下水汚染
イ.継続監視調査
地下水は、水温の変化が少なく水質が良好なこ
概況調査で地下水汚染が確認され、継続的な
とから、飲料水・工業用水・農業用水などに幅広く
監視が必要な11地点について、年2回調査を行い
使用されています。しかし、一度汚染されると浄化
ました。
が難しく、元に戻るのに長い年月を要すると言われ
ウ.観測井調査
ています。
概況調査で汚染が見つかった地区のうち、地下
昭和60年頃から、トリクロロエチレン等の有機塩
水汚染が著しく地下水汚染機構解明調査を実施し
素系化合物による地下水汚染が明らかとなり、新た
た前原・二宮及び藤原地区については、その後の
な環境汚染としてクローズアップされ、大きな社会
経過を観察し実態を把握するため、21箇所の観測
問題になりました。
井戸においてモニタリング調査を年1回行いまし
このため、水質汚濁防止法などの法整備が行わ
た。
れ、平成元年10月に地下水の常時監視及び有害
表2-1-25 地下水の水質測定項目と測定回数
物質の地下浸透の禁止措置について、また、平成
調査区分
地点数
測 定 項 目
測定
回数
概況調査
13地点
環境基準項目(28項目※)
要監視項目(6項目)
年1回
8年6月に汚染された地下水を浄化するための制
度的枠組みが組み込まれました。さらに、平成9年
(1) トリクロロエチレン
(2) テトラクロロエチレン
(3) 1,1,1-トリクロロエタン
(4) 四塩化炭素
継続監視調査 11地点 (5) 1,1-ジクロロエチレン
年2回
(6) 1,2-ジクロロエチレン
(7) 塩化ビニルモノマー
(8) 硝酸性窒素及び亜硝
酸性窒素
3月に地下水の環境基準が設定されました。
本市においては、昭和60年の地下水汚染調査
で有機塩素系化合物による著しい汚染が確認され
た地域で、モニタリングや汚染除去対策を行って
います。
(1)常時監視
本市では、地下水の水質状況を把握するために、
観測井調査
「地下水の水質測定計画」を定め、常時監視を行
っています。
(1)
(2)
21地点
(3)
(4)
トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
1,1,1-トリクロロエタン
四塩化炭素
年1回
※ アルキル水銀は、総水銀が検出された場合に測定
ア.概況調査
平成2年度から市内全域の地下水の水質状況を
把握するため、全域を1kmメッシュで111地区に区
分し、地下水の調査を行っています。
(2)環境基準と達成状況
地下水の水質汚濁に係る環境基準は、人の健
康を保護する上で維持することが望ましい基準とし
て定められています。
平成24年度は、市内の13地区において環境基
準項目(28項目)と要監視項目(6項目)を調査しま
した。
平成24年度の概況調査の結果では、硝酸性窒
素及び亜硝酸性窒素が2地点で環境基準を超過し、
他の項目は、全ての地点で環境基準を達成してい
- 63 -
(3)対策
ます。
また、継続監視調査の結果では、トリクロロエチ
ア.事業者指導
本市では、地下水の水質を保全するために、水
レンが3地点、テトラクロロエチレンが8地点、1,2-ジ
クロロエチレンが1地点、硝酸性窒素及び亜硝酸性
窒素が1地点で環境基準を超過していました。
質汚濁防止法及び船橋市環境保全条例に基づき
事業者に対して有害物質の地下浸透の禁止等に
ついて指導しています。
表 2-1-26 地下水の環境基準
項
目
イ.地下水汚染確認時の対策
地下水の汚染が確認された場合は、汚染機構
基 準 値
カドミウム
全シアン
鉛
六価クロム
ひ素
総水銀
アルキル水銀
PCB
ジクロロメタン
四塩化炭素
1,2-ジクロロエタン
塩化ビニルモノマー
1,1-ジクロロエチレン
1,2-ジクロロエチレン
1,1,1-トリクロロエタン
1,1,2-トリクロロエタン
トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
1,3-ジクロロプロペン
チウラム
シマジン
チオベンカルブ
ベンゼン
セレン
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素
0.003mg/L以下
検出されないこと
0.01mg/L以下
0.05mg/L以下
0.01mg/L以下
0.0005mg/L以下
検出されないこと
検出されないこと
0.02mg/L以下
0.002mg/L以下
0.004mg/L以下
0.002mg/L以下
0.1mg/L以下
0.04mg/L以下
1mg/L以下
0.006mg/L以下
0.03mg/L以下
0.01mg/L以下
0.002mg/L以下
0.006mg/L以下
0.003mg/L以下
0.02mg/L以下
0.01mg/L以下
0.01mg/L以下
10mg/L以下
ふっ素
ほう素
1,4-ジオキサン
0.8mg/L以下
1mg/L以下
0.05mg/L以下
の解明調査及び汚染の除去を実施し、保健所によ
る飲用指導、周辺住民の安全確保に努めていま
す。
ウ.地下水汚染地区の対策
昭和63年度の調査によって高濃度かつ広範囲
にわたり有機塩素化合物が確認された二宮・前原
及び藤原地区において、汚染機構の解明調査を
実施しました。
この調査では、汚染原因の特定までには至りま
せんでしたが、二宮・前原地区ではテトラクロロエ
チレンの不適正な処理を行っていた事業所に対し、
テトラクロロエチレンを含まない溶剤へ転換させまし
た。また、藤原地区では原因物質を取り扱っている
事業者に対し、他の物質に転換させ汚染の経過を
観察しています。
さらに、二宮・前原地区では平成8年3月に地下
水汚染除去装置を設置し、汚染物質の除去を行っ
ています。その結果、除去装置設置前のテトラクロ
ロエチレン濃度は60mg/L でしたが、平成24年度は
6.0mg/L に下がっています。
- 64 -
3.地盤沈下
(平成24年度処理結果)
原水濃度: 4.1~7.6 mg/L
処理水 : 0.01 mg/L 未満
処理水量: 1,701 m3/年
除去量 : 10.2 ㎏
平成 8 年度からの総除去量:
平均6.0 mg/L
地盤沈下の特徴は、直接身体に感じることがな
く一般にその進行が緩慢なために発見が遅れやす
いことです。そのうえ一度沈下した地表面は再び元
672.4 ㎏
に戻ることはないため、未然に防止することが特に
重要になります。
本市では、昭和38年頃から南部の低地と臨海部
において、天然ガスかん水と工業用水の採取によ
ると思われる顕著な地盤沈下が見られるようになり、
昭和44年には夏見2丁目の船橋中学校(F-12水
準点)で年間最大沈下量24.3㎝という驚異的な沈
下をしました。
昭和37年から45年までの最大累積沈下量は、
122.6㎝(F-9水準点)に達し、全国でも有数の地盤
沈下地域として注目されました。
こうした地盤沈下に対処するため、千葉県は葛
南地区工業用水道を敷設し、昭和46年10月及び
地下水汚染除去装置(二宮地区)
地下水汚染除去装置の概要
47年3月の2回にわたり、臨海部地域の工業用水法
の許可基準に適合しない井戸を工業用水道、上
水道等に転換させました。また、本市では昭和46
施 設 名:地下水汚染除去装置
設置場所:二宮2丁目75番1ほか
竣
工:平成8年3月
総工事費:25,000千円
処理能力:1.8m3/h
処理方式:地下水を汲み上げて曝気処理し、発生し
たガスは活性炭で吸着する。
計画水質:テトラクロロエチレン濃度
原水:60mg/L 処理水:0.01mg/L
年9月に「地盤沈下非常事態宣言」を行うとともに、
昭和47年1月に千葉県とともに天然ガス鉱区買い
上げによる天然ガスかん水の全面的な採取禁止措
置の対策を講じました。これらにより、沈下量は急
速に鈍化し、近年では沈静化しておりました。しか
し、平成23年度においては、東北地方太平洋沖地
震の影響が大きいと考えられる地盤沈下がほぼ全
ての調査地点で確認されました。
(1)監視体制
昭和35年から、千葉県が地盤変動状況を把握
するため、毎年継続的に水準測量を実施しており、
市内33カ所において、地盤変動状況を調査するた
- 65 -
(3)対策
め精密水準測量を行っています。
(2)現況
地盤沈下の防止対策は、工業用水法、建築物
平成25年1月の調査では、平成24年1月の調査
用地下水の採取の規制に関する法律、千葉県環
に比べ、市内39か所の水準点で、-6.5~+6.2mm
境保全条例及び船橋市環境保全条例に基づき、
の地盤変動が見られました。
地下水採取の規制を行い、地盤沈下の防止に努
平成24年の千葉県環境保全条例に基づき届出
めています。
のあった揚水量は、水道用2,511千m3/年、農業用
3,804千m3/年となっています。
船橋市環境保全条例に基づき届出のあった揚
水量は、建築用88千m3/年、水道用477千 m3/年、
農業用は12千m3 /年、工業用56千m3/年となって
います。
表2-1-27 地下水採取規制一覧
法 令 名
工業用水法
建築物用地下水
の採取の規制に
関する法律(ビ
ル用水法)
千葉県環境保全
条例
船橋市環境保全
条例
指定地域
市全域
市全域
市全域
市全域
ストレーナーの位 揚水機の吐出口の
置(地表下)
断面積等
650m以深
650m以深
規
制
対
象
工業の用途(工業とは製造業(物品の加工・修理業
6cm 2超え21cm2以
を含む。)・電気供給業・ガス供給業及び熱供給業
下(吐出口断面積)
をいう。)
冷房・暖房・自動車車庫に設けられた洗車設備・水
6cm2超え21cm2以 洗便所・公衆浴場(浴室の床面積の合計が150m2を
下(吐出口断面積) 超えるもの)の用途
650m以深
工業(工業用水法の指定地域内における工業の用
途を除く。)・鉱業・建築物用地下水(ビル用水法の
6cm 2超え21cm2以 指定地域内における建築物用地下水の用途を除く
下(吐出口断面積) 。)・農業・水道事業・簡易水道事業・専用水道・小
規模水道・工業用水道事業・開発区域面積が10ha
以上のゴルフ場における散水の用途
550m以深
工業・鉱業・建築物用地下水・農業・水道事業・簡易
0.75 kwを超えるも 水道事業・専用水道・小規模水道・工業用水道事業
の( 揚 水 機の 定格 ・開発区域面積が10ha以上のゴルフ場における散
出力)
水の用途(温泉法・工業用水法・ビル用水法・河川
法・千葉県条例の適用を受ける揚水施設を除く。)
- 66 -
4.旧軍習志野学校跡地及び習志野演
習場における毒ガス弾等に関する環境
調査について
【経緯】
平成 15 年 3 月に茨城県神栖町(現神栖市)にお
いて、有機ヒ素化合物による地下水汚染問題が発
覚したため、旧軍の毒ガス弾の埋設による汚染の
疑いがある地域について、環境省を含む関係省庁
において全国的な調査等を行っています。
本市では、旧軍習志野学校跡地(三山 8 丁目の
一部)及び習志野演習場が「毒ガスの存在に関す
る情報の確実性が高く、かつ、地域も特定されてい
る事案(A事案)」に分類されています。
【旧軍習志野学校跡地】
旧軍習志野学校跡地については、調査が終了
し、「現状においては日常生活を行う上で危険性
はない(ただし、一部の場所で調査が完了していな
いため、その場所については土地所有者の要望
に応じて調査を実施する。)」とされています。
【習志野演習場】
習志野演習場については、防衛省が平成19年
6 月~11月にかけて土壌調査・不審物確認調査
(掘削調査)を行った結果、どちらからも毒ガス関
連物質は確認されませんでした。
調査報告書は三市(船橋・八千代・習志野)に提
出され、公表しております。
なお、防衛省は調査報告書の提出をもって、習
志野演習場における環境調査を終了するとしてい
ます。
- 67 -
表 2-1-28 旧軍習志野学校跡地及び習志野演習場における毒ガス弾等に関する環境調査の経緯
年 月 日
平成15年11月28日
内
容
関係省庁等から提供された情報に基づき昭和48年の「旧軍毒ガス弾等の全国調査」フォローアップ調査の
報告書として公表。旧軍習志野学校跡地を毒ガスの存在に関する情報の確実性が高く、かつ、地域も特定
されている事案(A事案)に分類する。
平成15年12月16日
閣議で、国内における毒ガス弾等に関する今後の対応方針(「政府全体が一体となって、関係地方公共団
体や国民の協力を得て、毒ガス弾等による被害の未然防止のための施策を実施することとする」)を決定。
平成16年1月15日
市から環境大臣に対し、旧軍習志野学校に係る毒ガス弾等の対策について要望書提出。
平成16年2月20日
船橋市三山市民センターにおいて「千葉県船橋市及び習志野市における環境調査に関する説明会」を開
催。
平成16年3月
環境省等が旧軍習志野学校跡地について環境調査を開始。
平成16年3月30日
市から防衛庁長官に対し、陸上自衛隊習志野演習場に係る毒ガス弾等の対策について要望。
平成16年7月8日
習志野市民会館にて第2回住民説明会開催。
平成16年12月21日
習志野市民会館にて第3回住民説明会開催。
平成17年3月
旧軍習志野学校跡地について環境調査を終了。環境大気調査、地下水調査では、いずれも毒ガス成分は
検出されませんでした。
また、物理探査で反応があった場所の掘削を行いましたが、毒ガス弾等は発見されませんでした。
平成17年4月26日
習志野市民会館にて第4回住民説明会開催。
平成17年3月
環境省環境保健部が「A事案の区域における土地改変指針」を作成。
平成17年4月
環境省の専門家委員会にて、陸上自衛隊習志野演習場を環境調査等の対応が必要である区域に指定。
平成17年5月17日
八千代市立南高津小学校にて習志野演習場周辺住民説明会(第1回)を開催。
平成17年6月
習志野演習場の環境調査を開始。
平成17年6月
習志野演習場とその周辺で地下水調査を実施。結果、全ての地点から毒ガス成分は検出されませんでし
た。
平成18年3月
習志野演習場の物理探査を終了。結果、258ヶ所でレーダーもしくは磁気のセンサーに反応あり。
平成18年7月5日
八千代市立南高津小学校にて習志野演習場周辺住民説明会(第2回)を開催。今後、土壌調査及び、不審
物調査を行う旨を説明。
平成19年5月2日
三市(船橋、八千代、習志野)から防衛省に対し、習志野演習場の速やかな調査の実施について要望。
平成19年6月25日
習志野演習場の土壌調査を開始。
平成19年8月8日
習志野演習場の土壌調査を終了。毒ガス関連物質は検出されませんでした。
平成19年9月21日
八千代市立南高津小学校にて習志野演習場の不審物確認調査(掘削調査)について住民説明会を開催。
平成19年9月26日
習志野演習場の不審物確認調査を開始。
平成19年12月19日
八千代市立南高津小学校にて習志野演習場の不審物確認調査の結果について住民説明会を開催。
258ヶ所を調査した結果、いずれの地点からも毒ガス関連物質を含んだ埋設物は確認されませんでした。
平成20年2月13日
三市(船橋、八千代、習志野)から環境大臣及び防衛大臣に対し、習志野演習場の環境調査の詳細につい
て住民に周知するよう要望。
平成20年8月27日
習志野演習場に係る旧軍毒ガス弾等の環境調査報告書が防衛省から提出され、各市にて閲覧できるように
なりました。なお、防衛省は当該報告書の提出をもって環境調査は終了としています。
平成21年10月23日
環境省は、習志野市泉町内(旧軍習志野学校跡地)において、老朽化した旧軍の有毒発煙筒である「あか
筒」らしきものを発見・回収したと公表。
平成22年3月15日
環境省は、旧軍習志野学校跡地及び周辺の井戸水について、くしゃみ剤(あか剤)に関連する有機ヒ素化
合物について分析を実施し、全ての井戸水から検出されなかったことを公表。
- 68 -
第4節 騒音・振動
が近接していることが大きな要因の一つとなってい
ます。
騒音は、建設作業、工場、市民生活、交通機関
近年の苦情としては、建設作業によるものが多く
等から発生し、不眠や不快感を与え、日常生活に
直接影響を及ぼします。その背景として、住工混在、
なっています。
生活様式の多様化などがあげられます。
表 2-1-29 騒音レベルの目安
騒音問題の特色は、大気の汚染や水質の汚濁
騒音レベル(dB)
に比べ被害の範囲は局所的であり、被害の感じ方
130
120
110
100
90
80
70
60
50
40
30
20
も個人差が大きく、感覚公害と呼ばれています。
近年の苦情としては、建設作業によるものやカラ
オケなどによるものが多くなっています。
振動は、工場・事業場、建設作業や交通機関等
から発生して、建物を揺らし、瓦のずれや壁のひび
割れなどの物的被害や心理的な不安感などの感
覚的被害を与えます。振動の伝搬距離は、一般的
音 の 種 類
ジェット機の離陸
リベット打ち・くい打ち
自動車の警笛・叫び声(30㎝)
電車のガード下
地下鉄の車内・怒鳴り声
交通量の多い道路
テレビ・ラジオの音・大声の会話
静かな乗用車内・普通の会話
静かな事務所
図書館の中
夜の郊外の住宅地
木の葉のそよぎ・ささやき声
には振動源から100m以内であり、多くの場合は10
から20m程度に限定されることから、発生源と住居
表 2-1-30 振動レベルと気象庁震度階級
振動レベル(dB)
震度階級
110 以上
7
6 強
105 ~ 110
6 弱
5 強
95 ~ 105
5 弱
85 ~ 95
4
75 ~ 85
3
65 ~ 75
2
55 ~ 65
55 以下
1
0
人 と 屋 内 の 様 子
揺れのため、自分の意志で行動できない。
ほとんどの家具が大きく移動し、飛ぶものもある。
立っていることができない。
固定していない重い家具のほとんどが移動、転倒する。
立っていることが困難となる。
固定していない重い家具の多くが移動、転倒する。
多くの人が行動に支障がでる。
棚の食器類、書棚の本の多くが落ちる。
一部の人は行動に支障がでる。
つり下げものが激しく揺れる。
眠っているほとんどの人が目を覚ます。
つり下げものが大きく揺れる。
屋内にいるほとんどの人が揺れを感じる。
棚にある食器類が音を立てることがある。
屋内にいる多くの人が揺れを感じる。
電灯など、つり下げものが揺れる。
屋内にいる一部の人が揺れを感じる。
人は揺れを感じない。
- 69 -
1.発生源
す。
(6)近隣騒音
騒音・振動の発生源は、工場、事業場、建設作
業、市民生活、交通機関、夜間の飲食店営業、拡
一般家庭のピアノ・ステレオなどの音響機器、空
声機などがあります。
調機、ペットの鳴き声、マンションの上下階の物音
(1)工場・事業場
等の日常生活に起因する騒音です。
工場・事業場から発生する騒音・振動は、機械
そのものや作業によるものなどであり、継続的に発
工場・事業場騒音
生するため周辺の生活環境に大きな影響を与える
特定建設作業騒音
ため、法や条例により規制されています。
自動車騒音
(2)特定建設作業
騒音
交通騒音
建設作業の中で著しく騒音・振動を発生する作
航空機騒音
鉄道騒音
業は掘削機や削岩機などの機械を使用するもので、
深夜営業騒音
法や条例により事前の届出が義務づけられていま
深夜騒音等
す。
拡声機騒音
近隣騒音
(3)自動車騒音・道路交通振動
図 2-1-39 騒音の発生源
自動車は、物資の輸送や交通手段として、産業
活動や日常生活に欠かせないものですが、その利
工場・事業場振動
便性の反面、道路沿道の住民の生活環境へ影響
特定建設作業振動
を与えています。
振動
道路交通振動は、大型車輌の通行によるほか道
道路交通振動
路の段差などの道路の構造上の問題により発生し
鉄道振動
ます。
(4)航空機騒音
図 2-1-40 振動の発生源
2.監視体制
市内には、陸上自衛隊第一空挺団があり降下
(1)自動車騒音・道路交通振動
訓練による航空機騒音が、また、近隣では、海上
自衛隊下総基地(柏市)があり飛行訓練(離着陸)
自動車騒音・道路交通振動の調査は、市内の
による航空機騒音が発生しています。
幹線道路で交通量の多い国道14号(2地点)、国道
(5)鉄道騒音
16号、国道296号(2地点)、国道357号、主要地方
東西にJR総武線、JR京葉線、東京メトロ東西線、
道市川・印西線、船橋・我孫子線、船橋・松戸線、
東葉高速鉄道東葉高速線及び京成本線、南北にJ
千葉鎌ヶ谷松戸線、長沼・船橋線、県道松戸・原
R武蔵野線、東武鉄道野田線及び新京成線、北
木線の10路線12地点で行い、現状の把握に努め
部に北総鉄道北総線の9路線が市内を通っていま
ています。
- 70 -
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
⑪
⑫
国道 16 号(小室ハイランド)
国道 14 号(宮本ポンプ場)
国道 357 号(日の出自排局)
国道 296 号(二宮出張所)
国道 296 号(船橋税務署)
主要地方道船橋・我孫子線(東京電力(株)船橋洞道換気孔)
県道松戸・原木線(中山競馬場第 2 駐車場)
主要地方道市川・印西線(中山競馬場業務用駐車場)
国道 14 号・京葉道路(パークサイド船橋隣)
主要地方道船橋松戸線(行田子供の広場)
主要地方道千葉・鎌ヶ谷・松戸線(三咲子供の広場)
主要地方道長沼・船橋線(桜井青果店)
①咲が丘小学校
②八木が谷小学校
③丸山小学校
④北習志野第9号公園
図 2-1-42 航空機騒音調査地点図
3.環境基準の達成状況と要請限度
平成10年9月に騒音に係る環境基準が改正(平
成11年4月施行)され、騒音の評価手法、時間区
分が変わり、新たな環境基準が示されました。
(1) 環境基準
図 2-1-41 自動車騒音・道路交通振動調査地点図
ア.一般地域
本市では、市街化調整区域(一部を除く)を除く
(2)航空機騒音
柏市の海上自衛隊下総基地の航空機騒音につ
すべての地域について、環境基準が適用されてい
ます。
いては、「下総飛行場の航空機騒音に係る環境基
表 2-1-31 騒音に係る環境基準と地域類型指定
準」が設定され、高野台地区の一部が環境基準の
基
地域類型「Ⅰ」、咲が丘地区の一部が地域類型
「Ⅰ」と「Ⅱ」に指定されています。
環境基準指定地域内の咲が丘小学校と指定地
域近隣の八木が谷小学校及び丸山小学校で測定
を行っています。
また、陸上自衛隊第一空挺団の降下訓練に伴う
航空機騒音については、北習志野第9号公園で測
定を行っています。
準
値
地域類型
昼間(午前6時~午後10時)
夜間(午後10時~午前6時)
A及びB
55デシベル以下
45デシベル以下
C
60デシベル以下
50デシベル以下
※ A類型:第一種低層住居専用地域、第二種住居専
用地域、一種中高層住居専用地域及び第
二種中高層住居地域
B類型:第一種住居地域、第二種住居地域、準住
居地域及び市街化調整地域の一部
C類型:近隣商業地域、商業地域、準工業地域及
び工業地域
- 71 -
イ.道路に面する地域(自動車騒音)
ち昼夜とも基準値以下は8,497 戸でその割合は
道路に面する地域(道路端から50m以内)は、一
79.7%でした。非近接空間では18,089戸のうち昼
般地域の環境基準が適用されず、道路に面する
夜とも基準値以下は17,104戸でその割合は94.6%
地域の騒音に係る環境基準が適用されます。
でした。
評価方法としては、近接空間と非近接空間につ
全体では28,746戸のうち、昼夜とも基準値以下
いて、環境基準値を超過する住居等の戸数及び
は25,601戸で89.1%が環境基準を満足する計算
割合を算出するものです。評価結果(国道5路線・
結果となりました。
県道14路線)としては、近接空間では10,657戸のう
表 2-1-32 道路に面する地域の騒音に係る環境基準
基
地 域 の 区 分
準
値
昼間
(午前6時~午後10時)
夜間
(午後10時~午前6時)
60デシベル以下
55デシベル以下
A地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域
B地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域及
65デシベル以下
60デシベル以下
びC地域のうち車線を有する道路に面する地域
※ A地域:第一種低層住居専用地域、第二種住居専用地域、第一種中高層住居専用地域及び第二種中高層
住居地域
B地域:第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域及び市街化調整地域の一部
C地域:近隣商業地域、商業地域、準工業地域及び工業地域
表 2-1-33 幹線交通を担う道路に近接する空間の環境基準(特例)
基
準
値
昼間(午前6時~午後10時)
夜間(午後10時~午前6時)
70デシベル以下
65デシベル以下
備考 個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められる
ときは、屋内へ透過する騒音に係る基準(昼間にあっては45デシベル以下、夜間にあっては40デシベル以下
)によることができる。
※ 幹線:国道・県道・4 車線以上の市道
- 72 -
表 2-1-34 幹線道路に面する地域の環境基準達成状況(戸数及び割合)
住 居 戸 数(戸)
割 合 (%)
評 価 対 象
全
住居等
戸数
体
昼夜間
昼間のみ 夜間のみ
基準値
基準値以下 基準値以下
以下
昼夜間
基準値
超過
昼夜間
昼間のみ 夜間のみ
基準値
基準値以下 基準値以下
以下
昼夜間
基準値
超過
28,746
25,601
2,022
5
1,118
89.1
7.0
0.0
3.9
近接空間
10,657
8,497
1,562
0
598
79.7
14.7
0.0
5.6
非近接空間
18,089
17,104
460
5
520
94.6
2.5
0.0
2.9
※ 近接空間とは、2 車線以下を有する場合は、道路端からの距離が 15 メートル、2 車線を超える場合は、20 メート
ルまでの範囲を言います。
非近接空間とは、道路端から 50 メートルの範囲のうち近接空間以外の場所を言います。幹線交通を担う道路と
は、都道府県道以上の道路及び 4 車線以上の市町村道を言います。
表 2-1-35 幹線道路別の環境基準達成状況(戸数及び割合)
住 居 戸 数 (戸)
割 合 (%)
住居等
戸数
昼夜間
基準値
以下
国道14号
5,710
5,234
472
0
4
91.7
8.3
0.0
0.1
国道14号(京葉道路)
2,812
2,348
99
0
365
83.5
3.5
0.0
13.0
150
148
2
0
0
98.7
1.3
0.0
0.0
国道296号
3,886
3,401
303
5
177
87.5
7.8
0.1
4.6
国道357号
222
168
32
0
22
75.7
14.4
0.0
9.9
国道464号
56
55
0
0
1
98.2
0.0
0.0
1.8
主要地方道船橋我孫子線
1,372
997
141
0
234
72.7
10.3
0.0
17.1
主要地方道船橋松戸線
2,635
2,521
69
0
45
95.7
2.6
0.0
1.7
166
166
0
0
0
100.0
0.0
0.0
0.0
主要地方道千葉鎌ヶ谷松戸線
1,842
1,808
29
0
5
98.2
1.6
0.0
0.3
主要地方道市川印西線
1,227
945
253
0
29
77.0
20.6
0.0
2.4
主要地方道長沼船橋線
1,976
1,843
130
0
3
93.3
6.6
0.0
0.2
一般県道津田沼停車場前原線
697
666
30
0
1
95.6
4.3
0.0
0.1
一般県道船橋埠頭線
949
879
16
0
54
92.6
1.7
0.0
5.7
一般県道船橋行徳線
1,098
1,096
2
0
0
99.8
0.2
0.0
0.0
一般県道松戸原木線
900
793
46
0
61
88.1
5.1
0.0
6.8
一般県道小室停車場線
754
754
0
0
0
100.0
0.0
0.0
0.0
一般県道下総中山停車場線
347
341
6
0
0
98.3
1.7
0.0
0.0
一般県道若宮西船市川線
587
540
47
0
0
92.0
8.0
0.0
0.0
2,472
1,807
435
0
230
73.1
17.6
0.0
9.3
路
線
名
国道16号
主要地方道船橋停車場線
一般県道夏見小室線
昼間のみ 夜間のみ 昼夜間
基準値
基準値 基準値
以下
以下
超過
- 73 -
昼夜間
基準値
以下
昼間のみ 夜間のみ 昼夜間
基準値
基準値 基準値
以下
以下
超過
ウ.航空機騒音
(2)要請限度
航空機騒音に係る環境基準は、環境基本法の
ア.自動車騒音
規定に基づき、生活環境を保全し、人の健康の保
護に資するうえで維持することが望ましい基準とし
て定められています。
要請限度とは、総理府令に定められており、これ
を超過することによって道路周辺の生活環境が著
しく損なわれると認めるときは、千葉県公安委員会
海上自衛隊下総飛行場(柏市)の航空機騒音の
環境基準が設定されており、高野台地区の一部が
環境基準の地域類型「Ⅰ」、咲が丘地区の一部が
に対して大型車の走行車線の変更、走行速度の
制限等道路交通法の規定による措置の要請をす
ることができます。
地域類型「Ⅰ」と「Ⅱ」に指定されています。
うるささの指標であるWECPNLの測定結果は、
指定地域内の咲が丘小学校においては49及び58
WECPNLで、環境基準の数値以下でした。
また、指定地域近隣の測定結果は、八木が谷小
また、この要請を行う場合を除くほか、必要があ
ると認めるときは、道路管理者に対して当該道路の
部分の構造改善、その他自動車騒音の大きさの減
少に資する事項に関し、意見を述べることができま
す。
学校が56及び49WECPNL、丸山小学校が56及
び57WECPNLでした。
平成24年度においては、調査した8地点の測定
結果を要請限度と比較すると、昼間の時間帯は全
陸上自衛隊第一空挺団の降下訓練に伴う航空
機騒音は、北習志野第9号公園で測定を実施して
ての地点で要請限度以下でしたが、夜間の時間帯
は1地点が超えていました。
います。当該地域に環境基準の指定はありません
が、WECPNLの評価結果は66でした。
表2-1-36 航空機騒音に係る環境基準
地域の類型
基準値(単位 WECPNL)
Ⅰ
70以下
Ⅱ
75以下
※ 下総飛行場の航空機騒音について、高野台の一部
が「Ⅰ」類型、咲が丘の一部が「Ⅰ」類型と「Ⅱ」類型
に指定されています。
- 74 -
表 2-1-37 自動車騒音の要請限度
時間の区分
区域の区分
昼 間
夜 間
(午前6時~午後10時) (午後10時~午前6時)
a区域及びb区域のうち1車線を有する道路に面する区域
65デシベル
55デシベル
a区域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する区域
70デシベル
65デシベル
b区域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する区域及びc
75デシベル
70デシベル
区域のうち車線を有する道路に面する区域
※ aを当てはめる区域:第一種低層住居専用地域、第二種住居専用地域、第一種中高層住居専用地域及び
第二種中高層住居地域
bを当てはめる区域:第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域及び市街化調整地域の一部
cを当てはめる区域:近隣商業地域、商業地域、準工業地域及び工業地域
表 2-1-38 幹線交通を担う道路に近接する空間の自動車騒音の要請限度
昼間(午前6時~午後10時)
夜間(午後10時~午前6時)
75デシベル以下
70デシベル以下
表 2-1-39 道路に面する地域の騒音に係る要請限度調査結果
対 象 道 路
幹線交通
を担う
道路に
近接する
空間
国 道
16 号
国 道
14 号
(単位:デシベル)
国道
国道
国道
主要
県道
県 道
357号
296号
296号
地方道
(松戸・ (市川・
(日の出 (二宮
(船橋
(船橋・
原木線) 印西線)
自排局) 出張所) 税務署) 我孫子線)
昼
要請限度
75
75
75
75
75
75
75
75
(午前6時~午後10時)
測 定 値
65(○)
68(○)
68(○)
66(○)
68(○)
73(○)
70(○)
70(○)
夜
要請限度
70
70
70
70
70
70
70
70
(午後10時~午前6時)
測 定 値
63(○)
67(○)
67(○)
66(○)
66(○)
71(×)
70(○)
69(○)
○は要請限度適合、×は要請限度不適合
イ.道路交通振動
要請し、又は千葉県公安委員会に対し道路交通
道路交通振動については、環境基準は定めら
法の規定による措置の要請をすることができます。
れていませんが、振動規制法で道路交通振動の
要請限度が定められています。
平成24年度は国道16号以外の7地点で値を満
足していました。国道16号は機器の不具合のため
要請限度とは、総理府令に定められており、これ
欠測となりました。
を超過することによって道路周辺の生活環境が著
しく損なわれると認める時は、道路管理者に対して
当該道路の部分につき道路交通振動の防止のた
めの舗装、維持又は修繕の措置を執るべきことを
- 75 -
表 2-1-40 道路交通振動の要請限度
時間の区分
昼 間
(午前8時~午後7時)
夜 間
(午後7時~午前8時)
第 一 種 区 域
65デシベル
60デシベル
第 二 種 区 域
70デシベル
65デシベル
区域の区分
※ 第一種区域:第一種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種低層住居専用地
域、第二種中高層住居専用地域区域、第一種住居地域、第二種住居地域
第二種区域:近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域
表 2-1-41 道路に面する地域の振動に係る要請限度調査結果
対 象 道 路
国 道
16 号
国 道
14 号
国道
357号
(日の出
自排局)
(単位:デシベル)
国道
国道
主要
県道
296号
296号
地方道
(松戸・
(二宮
(船橋
(船橋・
原木線)
出張所) 税務署) 我孫子線)
県 道
(市川・
印西線)
昼
要請限度
65
70
70
65
65
65
65
65
(午前8時~午後7時)
測 定 値
欠測
42(○)
49(○)
46(○)
54(○)
48(○)
53(○)
56(○)
夜
要請限度
60
65
65
60
60
60
60
60
(午後7時~午前8時)
測 定 値
欠測
41(○)
47(○)
44(○)
54(○)
47(○)
52(○)
53(○)
※ ○は要請限度適合
4.対策
(1)工場・事業場
表 2-1-42 規制の対象となる工場・事業場数
規制の対象の
騒音・振動規制法及び市環境保全条例では、
法令名
工場・事業場数
騒音・振動の発生が著しい施設(特定施設)を定め、
特定施設の設置や変更等の届出を義務づけてい
騒音規制法
316
ます。これらの施設の届出の際に、規制基準を遵
振動規制法
70
守するよう騒音・振動の防止について、指導してい
市環境保全条例(騒音)
298
ます。
市環境保全条例(振動)
359
平成24年度に新たに届け出された特定施設は、
騒音規制法14施設、振動規制法3施設、市条例
(平成 25 年 3 月 31 日現在)
(2)特定建設作業
特定建設作業については、騒音・振動規制法及
(騒音)7施設、市条例(振動)25施設となっていま
び市環境保全条例に基づく事前の届出が義務付
す。
また、新設の工場・事業場については、立入検
査を実施し騒音・振動の状況を監視しています。
けられています。その届出の際に、施工業者に対
して騒音・振動防止対策、周辺に配慮した作業工
- 76 -
法への変更、周辺住民への事前の工事説明の実
決することも多く、個人のモラルの問題であるとも言
施などの指導を行っています。
えます。一人ひとりが思いやりをもって、静かな生
活環境を保つよう心がけることが大切です。
表 2-1-43 特定建設作業届出状況
本市では、ポスター掲示やパンフレットの配布に
法 令 名
届 出 数
騒音規制法
381
振動規制法
219
市条例
1,460
より、未然防止の啓発に努めています。
(3)自動車騒音・道路交通振動
自動車騒音・道路交通振動には、それぞれ騒
音・振動レベルの一定の限度(要請限度)が定めら
れています。これらの限度を超過することで、道路
周辺の生活環境が著しく損なわれていると認めら
れる場合は、千葉県公安委員会に対して交通規制
を要請し、道路管理者に対し道路構造の改善など
に関する意見を述べることができます。
なお、毎年道路管理者に対し、測定結果を道路
の環境保全対策にかかる参考資料として送付して
います。
(4)航空機騒音
下総基地及び陸上自衛隊第一空挺団に関する
航空機騒音については、例年調査を実施しており、
下総基地については、県及び関係市と連携しなが
ら関係省庁に対し環境基準を遵守するよう要請書
を提出しています。
また、陸上自衛隊第一空挺団に対しても、千葉
市、八千代市、習志野市と連携しながら、周辺環
境に配慮するよう要望を行っています。
(5)近隣騒音
近隣騒音は、隣近所とのコミュニケーションで解
- 77 -
2.規制基準
第5節 悪臭
悪臭には、環境基準が定められていませんが、
悪臭とは、人に対して、不快感を与え生活環境
悪臭防止法により敷地境界線における濃度(22物
を損なうおそれのある臭気質の総称ですが、その
質)、煙突等の排出口の濃度(13物質)、工場・事
感覚には個人差があります。しかも悪臭物質は、低
濃度で、多成分の複合気体であることが多いため、
業場の排出水から発生する悪臭物質の濃度(4物
質)について規制基準が定められています。
悪臭に関する不快感を定量的に表現することは難
表 2-1-44 敷地境界線における悪臭の規制基準
しいと言えます。
悪臭の原因物質は、非常に多くの種類がありま
特定悪臭物質
アンモニア
メチルメルカプタン
硫化水素
硫化メチル
二硫化メチル
トリメチルアミン
アセトアルデヒド
プロピオンアルデヒド
ノルマルブチルアルデヒド
イソブチルアルデヒド
ノルマルバレルアルデヒド
イソバレルアルデヒド
イソブタノール
酢酸エチル
メチルイソブチルケトン
トルエン
スチレン
キシレン
プロピオン酸
ノルマル酪酸
ノルマル吉草酸
イソ吉草酸
すが、そのうちアンモニア、メチルメルカプタン、そ
の他の不快な臭いの原因となり生活環境を損なう
おそれのある物質(22物質)が政令によって特定悪
臭物質として指定され、規制基準が定められてい
ます。
しかしながら、実際の苦情の多くは、その発生源
が複数の悪臭の原因物質が混ざり合っているもの
や、政令で指定されていない物質が原因となって
いるものなどがあり、物質濃度規制では対応するこ
とが難しい場合があります。
1.発生源
かつては工業、畜産農業が発生源となることが
ほとんどでしたが、最近では生活環境に身近な飲
食店などのサービス業が発生源となることが多くな
っています。
悪臭は、周辺住民に対する配慮の欠如、悪臭防
止に対する認識不足、防止対策の遅れなどが原因
となっています。
本市は、市全域が悪臭防止法の指定地域であり、
工場・事業場等から排出される特定悪臭物質の濃
度による規制を行っています。
- 78 -
許容限度
(単位 ppm)
1
0.002
0.02
0.01
0.009
0.005
0.05
0.05
0.009
0.02
0.009
0.003
0.9
3
1
10
0.4
1
0.03
0.001
0.0009
0.001
表 2-1-45 煙突等の気体排出口における悪臭の規制基準
対象物質:アンモニア・硫化水素・トリメチルアミン・プロピオンアルデヒド・ノルマルブチルアルデヒド・イソブチルア
ルデヒド・ノルマルバレルアルデヒド・イソバレルアルデヒド・イソブタノール・酢酸エチル・メチルイソブ
チルケトン・トルエン・キシレン(13 物質)
基
準:悪臭防止法施行規則第 3 条に定める方法により算出して得た値
表 2-1-46 排出水の悪臭の規制基準
特定悪臭物質
メチルメルカプ
タン
硫化水素
硫化メチル
二硫化メチル
排 出 水 の 量
許容限度 (単位 mg/l)
0.001立方メートル毎秒以下の場合
0.03
0.001立方メートル毎秒を超え、0.1立方メートル毎秒以下の場合
0.007
0.1立方メートル毎秒を超える場合
0.002
0.001立方メートル毎秒以下の場合
0.1
0.001立方メートル毎秒を超え、0.1立方メートル毎秒以下の場合
0.02
0.1立方メートル毎秒を超える場合
0.005
0.001立方メートル毎秒以下の場合
0.3
0.001立方メートル毎秒を超え、0.1立方メートル毎秒以下の場合
0.07
0.1立方メートル毎秒を超える場合
0.01
0.001立方メートル毎秒以下の場合
0.6
0.001立方メートル毎秒を超え、0.1立方メートル毎秒以下の場合
0.1
0.1立方メートル毎秒を超える場合
0.03
3.対策
その際に千葉県悪臭防止対策の指針値により悪
悪臭については、苦情があった場合に随時調査
臭防止に関する助言、指導を行っています。
を行い、必要に応じて測定を実施しています。また、
未然防止のため、悪臭を発生する工場・事業場を
また、主要な企業とは公害防止協定を締結し、
悪臭発生の未然防止を図っています。
対象に調査を行っています。
平成24年度は、6事業所に対して、悪臭に関す
る事業所立入調査を行い、悪臭防止施設の適切
な運用や維持管理などについて指導を行いまし
た。
工場・事業場の建設にあたっては、市環境保全
条例に基づく悪臭施設の設置等の届出を指導し、
- 79 -
第6節 ダイオキシン
用施設ごと及び廃棄物焼却炉にあっては焼却能
力ごとに定められています。また、平成14年12月に
平成12年1月にダイオキシン類による環境汚染
廃棄物焼却炉の規制基準が強化されました。
の防止及びその除去等を行うための施策の基準を
ウ.立入検査状況
定めるとともに、必要な規制、汚染土壌に係る措置
ダイオキシン類対策特別措置法に基づき、5工
等を定めることにより、国民の健康の保護を図るこ
場・事業場の6施設に対して、ダイオキシン類に係
とを目的として、ダイオキシン類対策特別措置法が
る大気排出基準の遵守状況を確認するため、立入
施行されました。
検査を実施しました。検査した全ての工場・事業場
また、同法では、ダイオキシン類に関する施策の
は、大気排出基準を満足していました。
指標とすべき耐容一日摂取量(TDI)を、人の体重1
(2)環境基準と達成状況
kgあたり4ピコグラム(pg-TEQ)以下と定めるととも
ダイオキシン類による環境の状況を把握するた
に、特定施設の排出ガス及び排出水に係る許容
め平成4年度から市内3ヶ所において年4回調査を
限度を定めています。
※1pg(ピコグラム):1 兆分の 1 グラムです。
TEQ(毒性等量):ダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾフラン、
ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン、コプラナーポリ塩
化ビフェニル)には、多くの異性体があり、そのうち29種類
が法の規制対象になっています。これらの異性体は、毒
性の強さが異なるうえに、ダイオキシン類はこれらの異性
体の混合物として生成してくるため、その毒性を評価する
ために、最も毒性の強い二,三,七,八-四塩化ジベンゾ
-パラ-ジオキシンという物質の量に換算したものです。
行っています。
平成24年度に行った全ての結果において、環境
基準(0.6pg-TEQ/m3)を下回っています。
表 2-1-47 ダイオキシン類調査結果
(単位:pg-TEQ/m3)
年平
測定場所
春季 夏季 秋季 冬季
均値
1.大気
高 根 台 局
0.014
0.015
0.031
0.056
0.029
(1)発生源
南 本 町 局
0.35
0.088
0.026
0.067
0.13
豊
0.020
0.013
0.021
0.059
0.028
ダイオキシン類は、分析のための標準品の製造
等の研究目的で作られる以外は、燃焼等により意
生源があります。
ア.法に係る届出状況
2.水質・底質・土壌
(1)発生源
ダイオキシン類に係る水質排出基準の適用施設
ダイオキシン類対策特別措置法の対象となる大
気基準適用施設を有する工場・事業場は11事業
所あり、このうち廃棄物焼却炉が15施設、電気炉が
1施設あります。
イ.規制
ダイオキシン類に係る大気排出基準は、基準適
局
環 境 基 準 0.6pg-TEQ/m 3 以下(年間平均値)で
(大気)
あること。
図せず発生します。主な発生源は、ゴミの焼却炉
ですが、その他製鋼用電気炉などのさまざまな発
富
としては、硫酸塩パルプ等の製造に用いる漂白施
設、硫酸カリウムの製造に用いる廃ガス洗浄施設、
塩化ビニルモノマーの製造に用いる二塩化エチレ
ン洗浄施設、カプロラクタムの製造に用いる硫酸濃
縮施設・シクロヘキサン分離施設・廃ガス洗浄施設
- 80 -
などの19種類が規制対象になっています。
ア.法に係る届出状況
平成24年度末現在の水質基準適用事業場・施
設数は、1事業場・1施設あります。
イ.規制
ダイオキシン類に係る水質排出基準は、
10pg-TEQ/L に設定されています。
(2)環境基準と達成状況
公共用水域の水質・底質及び土壌の環境状況
を把握するため、平成12年度から毎年1回調査を
行っています。平成15年度から地下水も調査して
います。
水質・底質については環境基準点の八千代橋
(河川)・船橋1(海域)において、地下水・土壌につ
いては毎年場所を変更して調査を行っています。
調査の結果、水質・底質・地下水及び土壌にお
ける全てで環境基準を満足しています。
3.対策
ダイオキシン類に関しては、人体の摂取経路が
多様であり、影響も多岐にわたることから、本市で
は、関係部局との連携を密にして対策を実施して
いくため、「船橋市ダイオキシン類対策会議」を平
成10年7月に設置しました。
対策会議では、次の対策を推進していくこととし
ています。
・廃棄物焼却炉など発生源に係る対策
・環境モニタリング調査の充実
・情報の共有を図り連携の促進
また、ダイオキシン類の発生を抑制するため、ダ
イオキシン類対策特別措置法の指導・規制を行うと
ともに、野外燃焼の禁止、ゴミの適正処理等につい
ても指導を行うこととしています。
- 81 -
表 2-1-48 ダイオキシン類調査結果(水質・底質・地下水)
水質 ・地下水(単位:pg-TEQ/L)
年
底質 (単位:pg-TEQ/g)
度
20
21
22
23
24
水質
0.15
0.054
0.089
0.10
0.079
底質
1.9
1.4
1.2
0.86
1.7
水質
0.079
0.079
0.12
0.14
0.21
底質
9.5
13
7.2
8.7
13
0.062
0.051
0.062
0.097
0.050
(習志野台)
(藤原 7 丁目)
(宮本 8 丁目)
(三咲 9 丁目)
(高根町)
測定地点
八千代橋(河川)
船橋 1(海域)
地下水
環 境 基 準
水 質
1pg-TEQ/L 以下(年間平均値)であること。
底 質
150pg-TEQ/g 以下であること。
地下水
1pg-TEQ/L 以下であること。
表 2-1-49 ダイオキシン類調査結果(土壌)
年度
測 定 地 点
測定値
環境基準
(単位:pg-TEQ/g)
20
21
22
23
24
東部地区
西部地区
南部地区
北部地区
中部地区
(薬円台小学校)
(行田中学校)
(南本町小学校)
(八木が谷中学校)
(金杉小学校)
4.8
37
17
15
0.84
1,000pg-TEQ/g以下であること。
- 82 -
第7節 廃棄物
社会の実現に向け、廃棄物の減量その他適正な処
理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図る
1.背景
社会経済活動が大量生産、大量消費、大量廃棄
型となり、廃棄物の量が増加してきました。また、その
種類や質が多様化したことに伴い、廃棄物処理や最
終処分場の確保が困難な状況となり、廃棄物の不法
投棄等の不適正な処理も大きな社会問題となってい
ます。近年は、地球環境を保全し、限りある資源を大
ため、「船橋市一般廃棄物処理基本計画」を改定し
ました。そのなかでは、目標年度である平成33年度
までにごみ(一般廃棄物)の1人1日あたりの総排出
量を約7%削減(平成22年度比)、リサイクル率25%
以上、最終処分量約13%削減(平成22年度比)とす
ることを目標としています。
この目標達成のためには、レジ袋削減に向けたマ
切に利用するという意識の高まりを見せる中で、排出
抑制や再使用、再生利用の促進が特に重要な課題
イバックの推奨などによるごみの減量や循環型社会
実現に向けた適切な分別区分の設定など資源化に
となっています。
廃棄物の処理に関しては、廃棄物処理法により一
般廃棄物と産業廃棄物に区別され、一般廃棄物は、
市町村が処理計画を立て、それに従い処理すること
向けた各種施策をより一層実施していく必要がありま
す。
ア.ごみの排出状況および総排出量
本市では、ごみを可燃ごみ(台所ごみ、紙屑等)、
とされています。本市においては、平成14年10月か
ら家具及び家電製品(家電リサイクル法の対象品目
を除く)等の粗大ごみは、有料化とし、電話申込によ
不燃ごみ(セトモノ、有害ごみ等)、粗大ごみ(家具、
家電製品等)及び資源ごみ(ビン、カン、金属類、ペ
ットボトル)の4つに分別し、収集処理しています。
る戸別収集をしています。
平成24年度における総排出量は、212千tで最近
産業廃棄物は、工場や事業場の事業活動に伴い
発生する廃棄物で燃え殻や汚泥等20種類が廃棄物
の数年間は減少傾向となっています。内訳は、可燃
ごみ166千t、粗大ごみ・不燃ごみ16千t、資源ごみ10
処理法により定められています。
事業者は自らが責任をもって処理しなければなり
ません。しかし、自己処理できない場合は委託基準
千t、有価物20千tです。これを一人一日当たりの総
排出量に換算すると949gとなります。
一 般 廃 棄 物
に従い許可を有する産業廃棄物処理業者に委託し
適正な処理を行うこととなっております。
ご
中核市である本市では、廃棄物処理法に定める政
令市として、産業廃棄物処理業及び処理施設の許
可燃ごみ
可審査、監視・指導を行っています。
み
粗大ごみ
不燃ごみ
有 価 物
資源ごみ
2.廃棄物の排出状況
(1)一般廃棄物
台所ごみ
家電製品等
紙 屑 等
セトモノ等
本市では、ごみの減量、資源化を行っていくため、
各種施策を実施しており、平成24年2月には、循環型
ビ
ン
聞
カン・金属類
ペットボ トル
図 2-1-43 一般廃棄物の内訳
- 83 -
新
雑誌等
図2-1-44 総排出量の推移
図2-1-47 焼却量の推移
ウ.ごみ減量・再資源化の状況
本市では、ごみの減量・資源化を図るために、平
成10年度から可燃ごみ・不燃ごみの指定袋制と粗
大ごみの戸別収集、平成14年度からは粗大ごみの
有料化を実施しています。また、平成13年の家電リ
サイクル法や平成15年の資源リサイクル法の施行
など各種取組を積極的に行っています。
(ア)有価物回収
図2-1-45 有価物・資源ごみ回収量の推移
新聞、雑誌・雑紙、ダンボール、紙パック、古着、
毛布の有価物は、有価物回収協同組合により週1
回収集ステーションでの回収を行っています。
(イ)資源ごみ
ビン、カン、金属類、ペットボトルを週1回、委託
収集しています。ペットボトルは、平成9年度から市
の公共施設及び一部の酒販店での拠点回収を実
施しておりましたが、平成24年10月からは、ごみ収
図2-1-46 一人一日当たりの総排出量の推移
イ.ごみの処理状況
集ステーションにて収集を行っています。
可燃ごみは、南部清掃工場及び北部清掃工場
(ウ)クリーン船橋530(ゴミゼロ)推進運動
において焼却しています。焼却灰、飛灰などの残
平成7年度から市民参加のもと、循環型社会の
渣は、市外の民間施設に資源化や最終処分の委
実現を目指した「クリーン船橋530推進運動」を展
託を行っています。
開しています。
この運動では、約620人の市民を廃棄物減量等
推進員として委嘱し、地域におけるごみ減量、リサ
イクルの推進等のリーダーとして活動してもらって
- 84 -
います。
表 2-1-50 合併処理浄化槽設置補助の実績
(エ)再生センター
(平成24年度)
粗大ごみなどの中から使用できる家具や自転車
人 槽
補助基数
を再生するとともに、展示し、これら再生品等の販
補助金額
(千円)
売を通し、ごみ減量の啓発を行っています。
5
2
888
(2)し尿
6
0
0
公共下水道が整備されていない地域におけるし
7
2
954
尿処理方法は、浄化槽とし尿くみ取りに分類されま
8
0
0
す。
9
0
0
くみ取り世帯におけるし尿は、バキューム車によ
10
0
0
り収集し、西浦処理場において処理した後、二俣
計
4
1,842
川に放流していますが、一部のし尿は、西浦下水
処理場でも処理しています。
生活水準の向上に伴い、トイレの水洗化が急速
に普及していますが、設置されている浄化槽は単
独浄化槽が多いため、生活雑排水は未処理のまま
河川等に排水され、河川の汚濁の主原因となって
います。このようなことから、生活雑排水を併せて処
理することのできる合併処理浄化槽設置の推進を
図るため、昭和63年度から設置費用の一部助成を
図2-1-48 合併処理浄化槽設置補助件数の推移
行っています。また、平成24年度からは補助対象
浄化槽を、より環境負荷の低い高度処理型合併処
理浄化槽の転換設置に限定し、平成24年度は4基
に対し助成を行いました。
なお、浄化槽法の一部を改正する法律が平成
12年6月に公布され、平成13年4月から浄化槽を新
設する場合は合併処理浄化槽の設置が義務づけ
られています。
- 85 -
図2-1-49 合併処理浄化槽設置状況の推移
図2-1-50 し尿収集量の推移
(3)産業廃棄物
本市では、産業廃棄物の適正処理、原料、再資
源化及び排出抑制を促進するため、産業廃棄物
処理事業者等に対する指導監督、排出事業者に
対して啓発等を行っています。
また、産業廃棄物の不法投棄・野焼き行為及び
不適正な埋め立て等を防止するため、休日・夜間
も含めた監視パトロールを実施し、監視体制の強
化を図っています。
- 86 -
第2章 自然環境の保全
の高揚を図ることも目的の一つとし、市民が調査員
第1節 自然環境調査
として多数参加しました。
本市の現在の自然環境の実態を把握し、身近な
市民が調査するにあたっては、調査の方法・種
自然環境の保全・再生・創造の施策の基礎資料と
の同定・調査結果の見方など確定・判断が難しい
するために、平成5・6年度の調査に引き続き、平成
ため、千葉県立中央博物館等の協力を得て、3名
11年度から13年度までの3年にわたり自然環境調
の方にアドバイザーとして指導してもらいました。
査(環境マップ作成事業)を実施しました。
この調査は、千葉県緊急地域雇用特別交付金
事業として実施したもので、地域の環境保全意識
表 2-2-1 船橋市内環境調査の構成
調査区分
調査項目
①指標生物調査
②植生調査
③樹林調査
全域調査
④樹木調査
⑤公園指標生物調査
①植物調査
②動物調査
特定地域調査(市内
・鳥類
で比較的自然が保
・両生類・爬虫類
たれている地域)
・昆虫類
・哺乳類
河川・水域調査
文献調査
聞き取り調査
環境保全意識調査
調査年度
調査時期
調査対象範囲
市内全域
平成13年度
四季
通年
通年
通年
・7月~9月
平成12~13年度
四季
14地区17地点
平成11~12年度
②ホタル調査
③湧水地調査
④干潟底生生物調査
①植物調査
②動物調査
①植物調査
②動物調査
平成12年度
平成12年度
平成13年度
4回
平成12年度
・5月
・7月~8月
・10月
平成13年度
・11月
・7月~8月
・2月~3月
・7月~9月
平成11~13年度
通年
市内全域
平成12年度
通年
市内全域
①アンケート調査
平成13年度
1回
市内全域(無作為抽出による20
才以上の1000サンプル)
①水生生物調査
・水生生物
・魚類
・底生生物
・両生類・爬虫類
平成12~13年度
- 87 -
22河川5池沼を含む67地点
14河川における35地点
42地点
30地点
1.調査の概要と結果
(市全域で431メッシュ)に区分し、各メッシュにおけ
(1)全域調査
る指標生物の有無を確認しました。
ア.指標生物調査
春期調査では、ハルジオン、ハシブトガラス、モ
生物の存在や生息・生育状況によってその地域
ンシロチョウ、夏期調査ではヒメジョオン、ヒヨドリ、
の環境を把握することのできる生物(指標生物)を
シオカラトンボ、秋期調査ではイヌタデ、ヒヨドリ、エ
四季ごとに約40種定めて、市内全域を調査しまし
ンマコオロギ、冬期調査ではスズメノカタビラ、ヒヨド
た。
リ、オオカマキリ(卵塊)が多く確認されました。
調査にあたっては、市内を500m四方のメッシュ
表 2-2-2 指標生物による自然性の区分
地域の特徴等
樹 林 地
草
地
畑
地
果 樹 園
水
田
水 面 部
指
標
生
物
ヒトリシズカ、エゴノキ、イヌシデ、マツ(アカマツ)、ムクノキ、スダジイ、タブノキ、コナラ、クヌギ、ウグイ
ス、ホオジロ、キジバト、スジグロシロチョウ、ハルゼミ、カタツムリ、ホタルブクロ、ハエドクソウ、シジュ
ウカラ、コゲラ、キビタキ、アオダイショウ、ミズヒキ、アキノタムラソウ、カワラヒワ、スズムシ、オオカマキ
リ卵、カラスウリの実、キジ、ハラビロカマキリの卵塊、その他のカマキリの卵塊、ミノムシ(チャミノガ)、
アシナガバチ類の巣
ヒバリ、カッコウ、ニホントカゲ、カナヘビ、コヒルガオ、ゲンノショウコ、チカラシバ、ヘクソカズラ、アオ
スジアゲハ、キアゲハ、オンブバッタ、ショウリョウバッタ、カマキリ、ワレモコウ、マツムシ、キチョウ、キ
タテハ
ナズナ、モンシロチョウ、カヤツリグサ、ヨメナ、オナモミ、エンマコオロギ、ホトケノザ、オオイヌノフグリ
、ナズナ、ヒメオドリコソウ、カタバミ、スズメノカタビラ
クリ、ヒヨドリ、ニイニイゼミ、カナブン、ジョロウグモ、ミノムシ(オオミノガ)
コサギ、アカガエル、トウキョウダルマガエル、タニシ、サワガニ、ハンゲショウ、シオカラトンボ、ギンヤ
ンマ、イトトンボ、ヤマカガシ、ヒガンバナ、コバネイナゴ、アキアカネ、ナガコガネグモ、タネツケバナ
、アメリカセンダングサ
カワウ、カワセミ、カルガモ、メダカ、カダヤシ、ゲンジボタル、カワニナ、フナ、ドジョウ、オオヨシキリ、
セッカ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ジュズダマ、アオサギ、ミヤコドリ、ハマシギ、ダイサギ
表 2-2-3 都市化による指標生物の特徴指標生物
地域の特徴等
指
標
生
物
都市部や改変地等でよく スギナ、ケヤキ、ツバメ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、オオバコ、カラス、モズ、オナガ
みられた種
、アオマツムシ、カネタタキ、ヨモギ、スズメ、ムクドリ
ハルジオン、セイヨウタンポポ、シロツメグサ、ヒメジオン、アレチマツヨイグサ、ブタクサ、
帰化種
コニシキソウ、ケアリタソウ、ウラジロチチコグサ、オニノゲシ、ノボロギク、カイガラムシ
都市化に伴い希少になっ
カントウタンポポ、コカマキリの卵塊
たと考えられる種
- 88 -
イ.植生・樹林・樹木調査
ました。
市内全域を対象とし、航空写真(平成12年5月撮
指標種のうちセミは、その種類により樹林性、乾
影)を使用し、300㎡以上の樹林地、果樹園と3,000
燥化、温暖化などの指標となる昆虫です。また、セ
㎡以上の草地、畑地、水田及び水面部に分類し、
ミの抜け殻は、確認地点の確実な発生の証拠とな
植生域を判読しました。
るとともに量的な把握や、種の同定を比較的容易
この結果、市内には300㎡以上のまとまった樹林
が約1,600カ所、延べ約680ha あり、市全体の8%に
に行うことができます。小中学校の環境学習等に
おいてセミの抜け殻調査の利用が期待されます。
相当することがわかりました。
表 2-2-4 調査対象指標種
地域ごとの特徴を見ると、東部地域は、自衛隊
調査対象種
種
名
一般生態
施設に大規模な樹林が見られ、その他は集合住
クマゼミ
温暖化による生息
の北上
ミンミンゼミ
樹林性
アブラゼミ
乾燥化
ヒグラシ
樹林性
ニイニイゼミ
樹林性
ツクツクボウシ
樹林性
鳥類
シジュウカラ
樹林性
昆虫類
カナブン
樹林性
植物(草本)
オオバコ
樹林性
植物(草本)
シロツメクサ
樹林性
宅の植裁などが分布しています。
西部地域は、鎌ケ谷市との市境付近に比較的
大きい斜面樹林地が点在しています。
セミの抜け殻
南部地域は、住宅地や学校に点在している小さ
な樹林地と海岸部の工場内に中小規模の樹林が
見られます。
北部地域は、樹林地が広く分布し、規模も大きく
なっています。
また、市が保存を図るため指定した樹木は、132
本(平成16年3月31日現在)あり、JR総武本線沿い
の葛飾地区、本町地区、宮本地区、新京成電鉄沿
いの前原地区や二和地区で多く指定されていま
す。
ウ.公園指標生物調査
公園緑地、公立小学校及び寺社は、市全域に
分布しており、市街化された地域においても樹木・
樹林を有しています。これらの緑地の質を把握す
るために樹林性、乾燥化、草地性などの指標とな
る生物を704カ所において調査しました。
セミの抜け殻については、約6万5千個体を確認
しましたが、その約70%がアブラゼミでした。また、
近年北上が報告されているクマゼミは2個体確認し
- 89 -
図 2-2-1 植生の分布状況
- 90 -
(2)特定地域調査
この地点に生息するすべての生物を調査したと
市内の比較的自然環境が残されている地域(14
ころ、1,826種の生物を確認しました。この中には
地域17地点)を選定し、動植物を詳細に調査し、
「千葉県の保護上重要な野生生物(千葉県レッド
生物相の状況を把握しました。
データブック)」に掲載されている貴重種が113種含
まれています。
図 2-2-2 特定地域調査位置図
- 91 -
表 2-2-5 特定地域調査で確認できた種
分
類
確 認 種 数
確
植
物
140科
1,039種
鳥
類
29科
86種
両生類
4科
6種
爬虫類
6科
11種
昆虫類
151科
673種
哺乳類
8科
11種
認
種
の
内
容
神崎川流域で592種、県民の森周辺で540種を確認しました。
ムクドリ、キジバト、コゲラ、ヒヨドリなどを確認しました。
アマガエル、ウシガエルを多く確認しました。
カナヘビを確認できたが、ヤモリ、マムシは確認できなかった。
トンボ類、カメムシ、バッタ類、セミ類などを確認しました。
アズマモグラを多くの地点で目視により確認しました。
表 2-2-6 船橋で見つかった千葉県レッドデータブックによる貴重種
分
類
植
物
鳥
類
両生類
最重要保護生物A
0
3
(ミヤコドリなど)
1
(ニホンアカガエル)
重要保護生物B
要保護生物C
一般保護生物D
4
(コウホネなど)
7
(オオタカなど)
1
(トウキョウダルマガエル)
3
(マムシなど)
20
(セイタカヨウシなど)
15
(カワセミなど)
1
(アヅマヒキガエル)
2
(シマヘビなど)
6
(ヘイケボタルなど)
2
(ニホンリスなど)
26
(キンランなど)
8
(カンムリカイツブリなど)
1
(シュレーゲルアオガエル)
5
(ヤモリなど)
8
(チョウトンボなど)
爬虫類
0
昆虫類
0
0
哺乳類
0
0
4種
15種
計
46種
計
50種
33種
4種
10種
14種
0
2種
48種
113種
(千葉県レッドデータブックによるランク)
最重要保護生物A:放置すれば近々にも千葉県から絶滅、あるいはそれに近い状態になるおそれがあるもの。
重 要 保 護 生 物 B:放置すれば著しい個体数の減少は避けられず、近い将来カテゴリーAへの移行が必至と考
えられるもの。
要 保 護 生 物 C:放置すれば著しい個体数の減少は避けられず、将来カテゴリーBに移行することが予測さ
れるもの。
一 般 保 護 生 物 D:放置すれば著しい個体数の減少は避けられず、自然環境の構成要素としての役割が著しく
衰退する可能性があり、将来カテゴリーCに移行することが予測されるもの。
(3)河川・水域調査
然環境調査で確認された動植物種数を比較すると、
水生生物やホタルの生息状況を調査し、水生生
前回の調査で行った6地域を含む14地区17地点で
物、魚類、底生生物など107種を確認しました。ま
調査を実施したにもかかわらず、ほ乳類を除きす
た、ヘイケボタルは、調査を行った35地点のうち18
べてのものが減少していました。
地点で延べ619匹確認しました。湧水(湧き水)は、
なお、平成5・6年度の調査は、調査地点(宮本・
29地点で確認することができました。
田喜野井・高根町・大穴北・大神保町・古作町)で
(4)前回調査との比較
確認された動植物種及び既存文献において船橋
今回の特定地域調査と平成5・6年度に行った自
市内での確認が報告されている動植物種数をまと
- 92 -
めたものです。
(http://www.city.funabashi.chiba.jp/)から、暮らし
表 2-2-7 前回調査との比較
分
類
平成5・6調査
→環境保全→環境イベント・環境学習・環境マップ
平成11~13調査
→環境マップ。
植
物
1,275
1,039
また、CD-ROM 版は、小中学生が総合的な学
鳥
類
175
86
習の時間などで活用する教育支援用に作成したも
両 生
類
7
6
のです。簡易 GIS ソフト(地理情報システム)が添付
爬 虫
類
12
11
されていますので、環境学習などで独自に調査し
昆 虫
類
1,084
673
たデータを地図上で重ね合わせることや学校間で
ほ 乳
類
11
11
のデータの交換が可能となります。
なお、CD-ROM 版は、一般の方にも2,000円(税
2.今後の課題等
込)で販売しておりましたが、内容が古くなったため、
(1)今後の課題
平成23年11月30日をもって、販売を終了しました。
本調査は、市民調査員が中心となって行った今
イ.自然散策マップ
までに例の少ない本格的な自然環境調査でしたが、
今回の調査に参加した市民調査員が集まり、
自然環境に関するNPO団体などで活動する市民
「多くの市民に船橋の自然環境の良さを知ってもら
の参加と協力によって調査が成功したと考えられま
いたい。」との願いから、身近な自然を見て回るふ
す。
なばしの自然散策マップ「ゆっくりのんびり」全17コ
今回の調査は、市全域の自然環境を把握した
ースを作成しました。
最初の調査であり、今後も調査を継続してデータ
市では平成15年に完成した自然散策マップを、
の蓄積とその活用を図ることが重要になっていま
環境月間行事の一つとして公民館など27カ所で約
す。
34,000枚配布しました。しかし、作成から約9年が
(2)結果の公表と活用
経過し、現状と著しく相違する箇所があるため、平
ア.結果の公表
成24年3月30日をもって、マップの配布及びホーム
調査で得られたデータは、「環境マップ」として
ページでの公開を終了しました。
整理し、ホームページ及び CD-ROM 版を作成し
公開しました。
ホームページ版の環境マップでは、調査結果の
他に、市民等から提供を受けた写真と本調査で採
取した標本を写真ギャラリーなどで紹介しています。
http://www.city.funabashi.chiba.jp/kankyohozen/
envmap/index.html
あるいは船橋市役所ホームページのトップ
- 93 -
(2)三番瀬の範囲
第2節 三番瀬(さんばんぜ)
船橋市地先に広がる干潟の総称として「三番
1.三番瀬とは
瀬」と呼ぶようになったのは、昭和50年代と思われ
(1)三番瀬の昔と今
三番瀬は江戸湾の漁場である船橋浦の一部で、
ます。しかしながら、「三番瀬の範囲、自然の干潟
か人工干潟も含むか、干潟部分か浅海域を含む
この海域の最沖部の瀬を「字三番瀬」と呼び、広大
か。」などの三番瀬の範囲や定義は必ずしも統一
な干潟が広がっていました。下の図は、大正時代
されていませんでした。
(約90年前)の漁場図です。今では埋め立てられて
三番瀬再生計画検討会議において、下図の点
いますが、「字西浦」、「字高瀬」の地名を見ること
線で囲まれた干潟・浅海域(水深5m未満)約1,800
ができます。江戸時代の古文書には、「二番瀬」、
ヘクタールを「三番瀬」の範囲としました。
「三番瀬」の文字が散見されますが、「二番瀬」の
なお、ふなばし三番瀬海浜公園地先潮干狩り場
位置や「一番瀬」があったかどうかは不明です。
は、船橋分岐航路を埋め戻した人工干潟です。
図 2-2-3 船橋浦海図及付近町村位置(部分)
武藤啓次郎氏作成
広大な干潟は、昭和20年代に入り沖への埋め
立てにより徐々に小さくなりました。また、昭和30年
代には地下水の汲み上げによる地盤沈下が海域
にも及び、干潟部分が約1m沈下し、干潮時でも海
面下にある区域(浅海域)が多くなりました。そして、
昭和50年代にほぼ現在の地形となっています。
- 94 -
図 2-2-4 三 番 瀬 の 範 囲 ( 千 葉 県 )
2.干潟とそのはたらき
り持ち込まれた砂や泥が潮流に運ばれてできまし
(1)干潟
た。
(2)三番瀬の働き
干潟は、満潮時には海水に覆われ、干潮時は
干出するという特徴をもっています。干潟はできる
三番瀬を代表とする干潟・浅海域には、たくさん
場所によって、「河口干潟」、「潟湖(がたこ)干潟」、
の生物が生息していますが、千葉県が平成8年か
「前浜干潟」の3つのタイプに分類されます。
ら9年にかけて実施した補足調査で、次のような機
三番瀬は、前浜干潟に属し、江戸川(利根川)よ
能を果たしていることがわかりました。
三番瀬の働き
●多くの生き物がたくさん生活している。
貝、カニ、エビ、ゴカイ、魚類などたくさんの生物が生息しています。
●古くから漁業や潮干狩りなど人により利用されている。
貝や魚を捕ったり、海苔を養殖したり、古くから人は食料を得ています。
●渡り鳥の休息、越冬、繁殖の場として利用されている。
波が静かで、たくさんの生き物がいるので、1 年中様々な鳥がやってきます。
●水をきれいにする。
三番瀬の水質浄化能力は 13 万人分の下水処理場に匹敵するとされています。
- 95 -
3.三番瀬の生物
廃物(デトリタス)を分解する分解者で構成されてい
(1)三番瀬の底生生物
ます。
三番瀬の生き物の多数を占めているのは、砂や
デトリタス
泥の中に生息するアサリやゴカイなど(底生生物)
です。砂や泥の中は、上層の海水中と異なり、次の
理由から、多くの生物が生息しています。
●砂や泥に隠れて敵から身を守ることができる。
●温度の変化や水温の上昇に伴う酸素不足から
身を守ることができる。
●上層の水より、砂や泥の中の方が塩分濃度は安
定している。
(2)鳥類
三番瀬はえさが豊富なため、たくさんの渡り鳥が
やってきます。鳥は潮の干満に応じて移動したり、
図 2-2-5 干潟の生態系(食物連鎖)
種により生息域を住み分けながら、えさを取ったり、
休息したりしています。
また、カワウやカモメ類のような留鳥もいます。
4.水質と富栄養化
(1)水質
季節ごとの特徴は、次のとおりです。
春…シギ・チドリ類が南から北へ渡りの途中に、
三番瀬で休憩します。
三番瀬は、陸から様々な影響を受けています。
その一つが、川などを通じてもたらされる汚れ(有
機物・窒素・りんなどの栄養塩)です。
夏…コアジサシが繁殖(卵を産む)し、アジサシ
も南から飛来し、夏を過ごします。
秋…春とは逆に、北に渡った鳥が南へ渡る途中
に立ち寄ります。
東京湾に流入する海老川や真間川の汚れは下
水道の整備により徐々にきれいになっていますが、
海域への負荷も少なくなく、今後も浄化対策が必
要となっています。
冬…ガン・カモ類が越冬するため飛来します。特
にスズガモが多く、その数は十万羽近くに
なることがあります。
(3)生態系
三番瀬の生態系は、植物プランクトン・海藻など
の生産者、生産者を食べる動物プランクトンなどを
1次消費者、さらに1次消費者を食べる魚や鳥など
の2次(高次)消費者とつながり、また、これらの老
- 96 -
4.5mg/L
(3)青潮
夏から秋にかけて北風が連続して吹くと表層の
水が沖に流され、代わりに底層の深みに溜まった
3.9mg/L
貧酸素水塊が湧き上がります。表層に出た貧酸素
水塊中の硫化水素が表層水や空気中の酸素を取
1.3mg/L
り入れ、硫黄となって析出し、海水が乳青色となり
3.9mg/L
ます。
これが「青潮」です。貧酸素水塊がくるとアサリな
図 2-2-6 三番瀬付近の COD
どの底生生物は逃げることができず死滅し、漁業
(2)富栄養化と赤潮
被害を発生することがあります。
平成24年度は、三番瀬周辺海域において、青
東京湾の水には、植物の栄養となる窒素・りんが
たくさん溶けて富栄養化しています。
潮が2回発生しました。
富栄養化の状態では、春から夏にかけて気温が
上がり、日照時間が長くなると、海水中の植物プラ
ンクトンが異常に増殖します。このとき、海の色が赤
や茶色に濁ることから、「赤潮」と呼ばれています。
5.三番瀬の保全
(1)賢明な利用(ワイズユース)とラムサール
条約
今、全国的に干潟の持つはたらきが見直され、
大切に守っていこうという動きが高まっています。
そのキーワードが「ワイズユース」です。ワイズユ
ースとは、生物多様性を確保しながら、私たちが湿
地を持続的に利用することです。また、「持続的な
利用」とは、将来の世代も私たちと同じように湿地
の恵みを享受できるように、私たちが湿地を大切に
しながら利用し、未来に引継ぐことです。
図2-2-7 赤潮・青潮の発生の仕組み
大量発生したプランクトンは、干潟のろ過食生物
このような湿地を国際的に保全していこうとする
のが「ラムサール条約」です。
(二枚貝など)に取り込まれますが、多くは死んで
日本は昭和55年に条約の締約国となり、平成17
浚渫跡地などの深みに沈み、バクテリアにより分解
年11月には、新たに20か所の湿地がラムサール条
されます。
約リストに追加されました。平成23年度末現在、全
この時、酸素が消費され、深みでは水の交換が
国で37か所の湿地が登録されています。
行われにくいため、海底では酸素がない状態(貧
酸素水塊)が形成されます。
ラムサール条約の締約国には、次のようなことが
求められています。
- 97 -
●国際的に重要な湿地をラムサール条約リストに
登録指定すること。
●住民参加の下に湿地の管理計画を策定・実施
すること。
●湿地を過剰利用とならないよう規制すること。
●機能と価値を失ってきている湿地につきその復
元を図ること。
平成13年4月、本市も市川市・浦安市とともに、
を深めてもらい、三番瀬の保全を図るため、ふなば
し三番瀬海浜公園を会場に「ふなばし三番瀬クリ
ーンアップ」を毎年開催しています。
しかし、平成24年度は東日本大震災の影響で園
内の一部が立ち入り禁止となったため、中止としま
した。
平成 17 年 11 月にふなばし三番瀬海浜公園は、
三番瀬の保全再生を目指して、三番瀬保全再生
連絡協議会を発足しました。
関東の富士見百景に選ばれました。
平成22年9月30日に、環境省は、科学的・客観
的な観点からラムサール条約湿地の国際基準を満
たすと認められる湿地を、ラムサール条約湿地潜
在候補として公表されました。ラムサール条約湿地
潜在候補は、三番瀬を含む全国から172ヶ所が選
定されました。
(2)保全活動
三番瀬では古くから漁業が営まれ、また、自然
環境としての価値が高いことから、本市は、埋立計
画(市川二期・京葉港二期地区計画)にあたり、三
番瀬を保全するよう事業者である千葉県に要望し
てきました。
千葉県は、平成13年9月に、埋立計画を白紙撤
回し、平成14年1月に三番瀬再生計画検討会議
(通称三番瀬円卓会議)を発足させました。県民・
行政・専門家が協力して、三番瀬の保全について
検討を始め、平成16年1月に2年間の集大成として
「三番瀬再生計画案」を発表しました。さらに、平成
16年3月には、同計画案の作成過程で収集した資
料に解説を加えた「三番瀬の変遷」を発行しまし
た。
本市では、平成13年から三番瀬の清掃と自然観
察会を通じて、市民の三番瀬に対する理解と関心
- 98 -
2.今後の取組み
第3節 自然の保全対策
都市化が進展する本市においても、貴重種とい
1.緑の保全
われる動植物が何種類か生息しています。特に北
本市では、良好な自然を維持するうえで基盤と
部地区には、緑地や湧水をはじめとした自然的な
なる緑の保存と緑化の推進を図るため、昭和48年
環境要素がまだ多く残されており、エビネ、タヌキ、
に「船橋市緑の保存と緑化の推進に関する条例」
カワセミ、フクロウ類、カブトムシ、ホトケドジョウ等の
を制定し、各種施策を展開しています。
動植物が生息しています。
(1)緑地保存地区の指定
一方、住宅が密集する南部地区でも斜面林、公
良好な自然の確保又は美観風致を維持するた
園・寺社の森を中心に、その規模は小さいものの
め、全市域を緑地保存地区として指定し、緑化事
多くの緑地が残されており、動植物の生息の場及
業を推進しています。
び市民の憩いの場となっています。
(2)指定樹木等の指定
このような市内に残された貴重な樹林地を中心
一定の要件を満たした樹木、樹林、生け垣を指
に自然を極力保全しながら、新たな自然を創造す
定樹木等に指定し、その保全を図るとともに、これ
る取り組みをすることが、今後の環境保全行政を推
に要する費用の一部を助成しています。
進する上で重要となっています。
表 2-2-8 指定樹木等
(平成 24 年度)
樹
件数
115
林
樹 木
面積(㎡)
902,674
件数
生 垣
本数
31
96
件数
11
延長(m)
3,231
(3)保存樹木等保全協定
事業者等との間において、「保存樹木等及び緑
地の保全に関する協定」を締結し、工場等におけ
る緑地の確保を図っています。
表 2-2-9 緑化協定締結事業場等
(平成 24 年度)
事業面積 緑地面積 植栽本数
区 分
件 数
(ha)
(ha)
(千本)
住宅・事業
3,260
1,082.9
178.7
4,806
場系
工場系
合 計
329
497.8
86.6
1,286
3,589
1,580.7
265.5
6,092
- 99 -
第4節 湧水の保全
かつて市内には、多くの湧水が存在しました。こ
れらの湧水は、30、40年前まで生活用水や稲の種
籾の発芽、水田の引き水、収穫した野菜を洗う場
などに利用され、農業や生活にかかせない存在で
した。
しかし、水道が各家庭に引かれ、生活様式の変
ゲエロの池
化や農業従事者の減少、農地・樹林の宅地化によ
り都市化が進行すると、次第にその利用価値を失
い、今日では一部の樹林地や谷津の湿地、寺社
の一角にわずかに残るだけとなりました。
湧水は、きれいな水で、周辺を潤し、生き物の生
息空間となるだけでなく、背後に雨水の染み込む
緑地や農地、草地等を必要とするなど、自然環境
倶利伽羅不動尊
の豊かさを総合的に表す象徴にもなっています。
そこで、本市では、エコシティ施策の一環として、
平成9年度~17年度で次の6ヵ所で貴重な湧水の
保全・再生に地域住民とともに取り組み整備してき
ました。
今では地域住民の憩いの場として親しまれてい
ます。また、完成後の湧水の簡単な維持管理につ
いては、地域住民の協力を得ています。
葛飾神社の池
表 2-2-10 湧水の保全・再生
年度
9・10
湧 水 名
所 在 地
二子藤池
東中山 1 丁目 316
11
ゲエロの池
印内 2 丁目 293
11
葛飾神社の池
西船 5 丁目 409
倶利伽羅不動尊
飯山満町 3-1524-1
14
葛羅の井
西船 6-174-1 の一部
17
二子浦の池
東中山 1 丁目 330 番 2
12・13
葛羅の井
- 100 -
第3章 親しみのある水辺の整備
計画が認定されました。
第1節 水辺の整備
この計画に基づき、川をより身近に感じることが
1.現況
できるような親水河川学習の拠点整備、緩傾斜護
海老川を始めとする本市の河川は、過去におい
岸化、散歩道を整備しました。また、環境保全を目
て幾度となく洪水が発生し、浸水被害を引き起こし
的とした長津川上流部の斜面緑地の保全、長津川
たため、河岸堤防をコンクリート等で垂直な河岸に
調節池内の緑化及び海老川の支流である金杉川
整備するなど治水中心の河川整備を行ってきまし
の上流において河川の自然環境の保全を図った
た。この結果、洪水の発生は大幅に減少し、治水
河川整備を行い、現在は、市民の憩いの場として
対策は大きな成果をあげました。
活用されています。
しかしながら、近年では、河川は水と緑の貴重な
また、都市基盤河川改修事業として行った二重
オープンスペースとして、潤いのある水辺空間や
川における多自然川づくりも平成18年度に竣工し、
多様な生物の生息・生育環境の場として捉えられ
現在では平成15年度に策定された木戸川整備計
るようになり、また、地域の風土と文化を形成する
画に基づき、準用河川木戸川の多自然川づくりを
重要なものとして、地域の個性を生かした川づくり
進めています。
が強く求められるようになっています。
今後も、治水のみでなく、生物の多様な生息や
こうした状況を受けて、平成9年に河川法が改正
人とのふれあいなど、川が本来持っている様々な
され、その目的に河川環境の整備と保全を図ること
機能を保全し、生物の生育に配慮した水辺空間の
が追加され、従来の治水中心から水質、生態系の
創出を図ります。
保全、水と緑の景観、河川空間のアメニティー等を
確保する川づくりが期待されています。
具体例として、多自然川づくりによる河川整備の
拡大、親水性及び生態系に配慮した河川護岸の
整備などをあげることができます。
2.講じた施策と今後の対策
建設省(現国土交通省)が創設したふるさとの川
モデル事業のモデル河川として、平成元年度に海
老川と長津川が指定され、「海老川水系河川修景
計画検討委員会」を設置し、同委員会で良好な水
辺空間の形成と方策を検討し、平成2年度に整備
- 101 -
多自然川づくりにより整備された二重川
第2節 水循環への取組み
代に比べて多くなっています。これは、人口の増加
地上に降り注いだ雨や雪の一部は、地中に浸
透・保留され土壌水や地下水となり、地中に浸透し
とともに河川に流れる家庭からの生活排水が増加
したものと考えられます。
しかし、今後、下水道整備が進むと川に流れ込
きれない雨水は、表流水となって河川に流出し、
海に至ります。土壌により涵養された浅層地下水
は、ゆっくりと河川に浸出して平常時の河川の水量
む生活排水などの水は少なくなり、河川流量は減
少することが予想されます。
また、地下水が河川へ流出する量は、昭和20年
を維持するとともに、その一部は長い年月をかけて
深層地下水を涵養します。また、土壌中に貯えら
れた水は蒸発あるいは植物から蒸散し、海や湖沼
などの水は水面から蒸発し、再び降水又は降雪の
代に比べ少なくなっており、今後さらに、都市化が
進行すれば、流域に見られる数少ない湧水も枯渇
する恐れがあります。
(3)河川水質の変化
成因となります。こうした水の流れが自然界の水循
海老川は、千葉県内でも有数の水の汚れた川
環です。
こうした自然の水循環に加えて、市街化の進ん
だ流域では、建物や舗装路で浸透域が覆われ、雨
であったため、平成4年3月に「生活排水対策重点
地域」の指定を受けました。
その後、公共下水道の整備、河川浄化施設の
水が地中に浸透しない不浸透域が拡大する等の
人工的要素により、自然界の水循環に悪影響を与
設置、市民への啓発活動などを進め、近年、徐々
に川の水はきれいになってきました。
えています。
今後、公共下水道が整備されると川に流れ込む
汚れた水は少なくなります。
1.現況
(4)水利用の変化
(1)河川改修と浸透域の減少
以前は、生活用水や農業用水として盛んに川の
昭和50年から平成元年にかけて頻繁に洪水が
発生し、浸水被害が発生しました。特に、昭和59年、
61年には2,000戸以上の家屋が浸水し、大きな被
水が利用されていましたが、水質の汚濁を理由に
昭和40年代から農業用水には地下水が利用され
るようになり、現在では川の水は利用されなくなりま
害をもたらしました。
その後、河川改修などの治水事業により下流域
した。
一方、流域内の水の使用量は、人口の増加に
の市街地での被害は大幅に軽減されましたが、未
だ洪水に対する安全性は低く、都市化の進展に伴
伴い徐々に増加し、将来もさらに増えていくことが
予想されます。
い浸透域が減少し、雨水の浸透や地下に貯留す
(5)生態系の変化
る能力は低下しています。
海老川水系には、以前はウナギやタナゴが生息
(2)河川流量の減少
現在の平常時における河川流量は、昭和20年
していましたが、今ではコイ・フナ・モツゴ・カダヤ
シ・ドジョウ・ヨシノボリ・アユが確認されています。
- 102 -
2.対策
めた「第1期行動計画(案)」も策定され、これに
(1)海老川流域水循環再生構想
基づき各取組みを推進しています。
海老川流域では、望ましい河川・流域の在り方
(3)真間川流域水循環系再生構想
を水循環の再生の視点で模索するとともに、行政
真間川流域の都市化の進展に伴って生じる都
や市民の意向を反映させた河川・流域整備の基本
市型洪水の懸念や平常時水量の減少に対応し、
方針を検討することを目的に、行政、民間団体、住
健全な水環境系再生を目標として、市川市・松戸
宅・都市整備公団(現 UR 都市機構)からなる「海老
市・鎌ケ谷市・本市、学識経験者及び市民団体で
川流域水循環再生構想検討協議会」が平成8年3
構成される「真間川流域水循環系再生構想検討委
月に設立され、「海老川流域水循環再生構想」が
員会」が平成 14 年 8 月に設立され、「真間川流域
平成10年3月に策定されました。
水循環系再生構想」が平成 16 年 3 月に策定されま
その後、「海老川流域水循環再生推進協議会」
した。現在は平成 21 年 4 月に策定された「真間川
が平成 10 年 10 月に設立され、具体的な実行計画
流域水循環系再生行動計画」に基づき各取組み
を取りまとめた「海老川流域水循環系再生行動計
を推進しています。
画」が平成 11 年 12 月に策定されました。さらに、
(4)その他の取組み
各取組み状況およびその効果等の評価分析を行
海老川について、千葉県・鎌ケ谷市・本市、学識
い、より実効性のある「第二次行動計画」が平成 18
経験者及び市民団体で構成される「海老川流域懇
年 3 月に策定され、現在は平成 23 年 3 月に見直
談会」が平成15年1月に設立され、治水・利水・環
された「第三次行動計画」に基づき各取組みを推
境のバランスの取れた河川整備を目指し、現在、河
進しています。
川整備計画を策定中です。
(2)印旛沼流域水循環健全化計画
また、千葉県が事業主体となり、公共下水道の
印旛沼流域では、中・長期的観点から流域の健
高度処理水を都市の貴重な水資源として活用し、
全な水循環を考慮した印旛沼の水環境改善策およ
都市化の進展に伴い、流量の減少や水質の悪化
び治水対策を行うことを目的とし、学識者、水利
が心配される河川に還元することで、健全な水循
用者、市民団体および行政で構成される「印旛沼
環を再生する取組みを進めています。
平成19年10月より、無降雨時に長津川および飯
流域水循環健全化会議」が平成 13 年 10 月に設立
山満川支川へ処理水の放流を行っており、両河川
されました。
その後、平成 16 年 2 月に策定された「印旛沼流
域水循環健全化緊急行動計画」に基づき、早期に
とも1日(8時間)あたり小学校の25m プールおよそ
12~13杯分の量を放流しています。
実現可能な取組みから実施されました。さらに平
成 22 年 1 月には基本構想の位置づけとなる「印旛
沼流域水循環健全化計画」が策定され、同時に各
施策の実施主体が実施するべき取組みを取りまと
- 103 -
第4章 地球環境保全
第1節 地球環境問題
影響と推測されるような現象が様々に引き起こされ、
地球環境問題とは、国境を越えて被害や影響が
生じて地球的規模に広がる問題であり、地球温暖
見過ごすことができない状況になっています。
(2)オゾン層の破壊
オゾン層の破壊は、太陽からの有害な紫外線を
化、酸性雨、オゾン層の破壊、有害廃棄物の越境
移動、海洋汚染、野生生物種の減少、熱帯林の減
少、砂漠化及び開発途上国の公害問題の9つとさ
吸収するオゾン層が、フロンやハロン等の物質によ
って破壊される現象であり、地表にとどく有害な紫
外線の増大により人間への健康被害のほか、生態
れています。
地球環境問題の中でも特に船橋市に影響が及
系への影響が懸念されています。
フロンは、洗浄剤、冷媒、噴射剤などに広く用い
ぶことが懸念される問題として、地球温暖化やオゾ
ン層の破壊、酸性雨が挙げられます。私たちの日々
の暮らしや事業活動は、これらの問題にも影響を及
られていましたが、オゾン層を破壊することが確認さ
れたため、現在はフロンの生産は国際的に規制さ
ぼしており、私たち一人ひとりが自主的・積極的に
れています。
環境負荷の低減を図ることが重要になっています。
(3)酸性雨
酸性雨は、化石燃料である石炭や石油などの燃
(1)地球温暖化
地球温暖化とは、人間活動による二酸化炭素、フ
焼に伴って、硫黄酸化物や窒素酸化物等の酸性物
ロン、メタンなどの温室効果ガスの排出量の急増に
質が大気中に放出され、雨だけに限らず、霧や雪
より温室効果ガスの大気中濃度が増加し、温室効
に溶け込んだり、ガスや粒子の状態で地上に沈着し
果が強くなることで引き起こされる気温の上昇をい
たりすることで、水の酸性化、森林の衰退等、生態
います。温暖化が進行すると、気温が上昇するだけ
系に影響を与えています。また、建物や文化財など
でなく、局地的な大雨、干ばつ、乾燥といった異常
にも損傷を与えることも指摘されています。
気象、海面上昇、生態系の破壊などが起こり、人類
の生存基盤に深刻な影響を及ぼすことが懸念され
ています。
図 2-4-1 は、世界の年平均気温の変化を示した
ものですが、特に 1990 年以降に高温となる年が多く
なっています。
既にグリーンランドや南極の巨大な氷棚の崩壊に
よる海面の上昇や、わが国でも二酸化炭素濃度が
平成24年(2012年)に岩手県大船渡市綾里の観測
図 2-4-1 世界の年平均気温の変化(1891~2008 年)
出典:気象庁、2009
点ではじめて400ppm を超えるなど、地球温暖化の
- 104 -
ことが発効の条件とされていましたが、ロシアが批准
第2節 地球温暖化対策
温暖化問題に国際的に取り組むために、平成4年
したことにより、平成17年(2005年)2月16日に発効し
(1992年)の地球サミットの年に気候変動枠組条約が
ました。わが国は、発効の有無にかかわらず COP3
つくられ、平成9年(1997年)12月に開催されたCOP3
の議長国として温暖化対策を進めていましたが、京
(気候変動枠組条約第3回締約国会議=京都会
都議定書の発効により平成20年から24年(2008~
議)において数値目標を設けた京都議定書が採択
2012年)までの間に温室効果ガス6%削減約束を遵
されました。さらに平成13年(2001年)には京都議定
守しなければならないことになり、確実な実行が求
書の運用ルールが最終合意(マラケシュ合意)され
められています。そこで政府では、温暖化防止のた
ました。
めの国民的運動を、「チャレンジ25キャンペーン」と
わが国はマラケシュ合意を受けて、京都議定書の批
して、温室効果ガス排出量を2020年までに1990年
准に向けて平成14年2月(2002年)に新たな地球温暖化
比で25%削減する目標を設定し、平成22年1月から
対策推進大綱を決定し、5月に地球温暖化対策の推進
展開しています。
こうした国の動向を踏まえつつ、船橋市では、平
に関する法律を改正するなどの整備を進め、6月に京都
議定書を批准しました。
成 23 年 3 月に新たに策定した環境基本計画におい
京都議定書は、条約参加国の55か国以上かつ
て、地球環境保全を基本方向のひとつとして掲げて
全先進国の平成2年(1990年)における二酸化炭素
おり、この基本計画との整合を図りながら地球温暖
排出量の55%を占める先進国との締結をクリアする
化対策に関する取組の基本方針を定め、取組みを
実施しています。
国
船橋市
千葉県
温対法改正前
温対法改正後
環境基本法
千葉県環境基本条例
船橋市環境基本条例
船橋市環境基本条例
(平成5年制定、平成24年改正)
(平成7年)
(平成9年)
(平成9年)
千葉県環境基本計画
船橋市環境基本計画
船橋市環境基本計画
(平成8年)
(平成9年)
(平成23年見直し)
環境基本計画
(平成6年決定、
平成24年見直し)
地球温暖化対策の
推進に関する法律
(平成10年制定、平成25年改正)
地球温暖化
対策推進大綱
(平成10年決定、
平成14年見直し)
京都議定書
(平成14年批准、平成17年発効)
船橋市地球温暖化
対策実行計画
(第3次ふなばし
エコオフィスプラン)
ふなばし
エコオフィスプラン
(平成15年見直し)
改定
千葉県新エネルギー
産業の集積促進
に向けたプラン
(平成18年改定)
船橋市地球温暖化
対策地域推進計画
(平成20年策定)
千葉県地球温暖化
防止計画
(平成18年改定)
京都議定書
目標達成計画
(平成17年)
図2-4-2 地球温暖化対策の計画の位置づけ
- 105 -
(平成23年策定)
船橋市地球温暖化
対策実行計画
(区域施策編)
(平成24年策定)
1 .船橋 市地 球温暖 化対 策 実行 計画
別に見ると次表のとおりであり、産業部門が約半分
(区域施策編)
を占めていますが、平成 2 年(1990 年)度から平成
(1)計画の趣旨
22 年(2010 年)度までにその割合が約 27%減少し
地域に根差した地球温暖化対策を総合的かつ計
画的に実施するため、平成20年3月に「船橋市地球
ています。一方、民生部門の割合が増加しており、
削減対策に力を注ぐ必要があります。
温暖化対策地域推進計画」を策定しました。
その後、地球温暖化対策の推進に関する法律の
改正により、中核市を含む特例市以上で温室効果
ガスの排出削減のための施策等を含めた新たな計
画の策定が義務付けられたことから、平成24年3月
には、「船橋市地球温暖化対策実行計画(区域施
策編)」を策定しています。
図 2-4-4 船橋市における温室効果ガス別全排出量の
推移
図2-4-5 船橋市における二酸化炭素排出量の内訳
(3)削減目標
温室効果ガスの削減目標としては、平成2年度比
で中期目標の平成32年度までに30%減、長期目標
の平成62年度までに50%減を目指すべく、8つの施
策の柱をもとに推進していくこととしています。
その考え方として、現在の削減可能量に加え、増
加の著しい民生部門などにおいて、現在考えられる
図2-4-3 船橋市地球温暖化対策実行計画
(区域施策編)の体系
以上に徹底的な取り組みをすすめることにより、基
準年から50%削減することを、船橋市独自の目標と
(2)温室効果ガスの排出状況
して定めました。これにより市では、次の対策を実施
船橋市域から排出される温室効果ガスの 9 割以
することにより、平成2年度(1990年度)比で2,944千
上が、二酸化炭素です。二酸化炭素を発生源部門
トンの二酸化炭素の削減が可能と見込んでいます。
- 106 -
(4)主体別の取組事例
本計画に掲げた削減目標を達成するには、行政
と市民、事業者などが、互いに連携、協力しながら、
それぞれの立場において地球温暖化防止に取り組
むことが不可欠です。
各主体における取組事例は、以下の図のとおり
です。
図 2-4-6 船橋市における温室効果ガスの削減目標
図 2-4-7 地球温暖化対策における市・事業者・市民の主体別取組事例
- 107 -
2.地球温暖化対策に関する取組み
(2)緑のカーテン
(1)船橋市地球温暖化対策地域協議会
家庭でできる温暖化対策の一環として、夏季にゴ
地球温暖化対策の推進のため、平成21年3月に、
ーヤ等のつる性植物で南側の窓を覆って日差しを
市民団体、事業者・事業者団体、学識経験者及び
さえぎることによって、室温の上昇を防ぎ、冷房にか
行政等が参加して、「船橋市地球温暖化対策地域
かる電気量の節減を図る緑のカーテン事業を平成
協議会」が設立されています。
20 年度から実施し、市民及び公共施設等へゴーヤ
地域協議会は、計画に基づく温室効果ガスの削
の苗を配布しました。
減目標を目指し、地球温暖化防止に向けた各主体
また、緑のカーテン事業を促進するため、平成 21
の自発的、具体的な行動を促進するための中核的
年度からは、市と船橋市地球温暖化対策地域協議
な役割を担っています。
会で、緑のカーテンコンクールを実施しています。
また、協議会独自のホームページを開設し、取組
その一環として、地域ぐるみで取り組んでいただくた
状況を紹介することにより周知啓発を図っていま
め、平成 24 年度は海神片町町会、南高根自治会、
す。
塚田地区連合自治会の3地区をモデル地区に設定
し、重点的に苗の配布を行いました。
○平成 24 年度ゴーヤの苗配布数 3,670 株
○平成 24 年度コンクール応募者数
個人の部
62 人
事業所・公共施設の部 44 か所
図2-4-8 船橋市地球温暖化対策地域協議会の構成
平成24年度市長賞受賞者による緑のカーテン
図2-4-9 地域協議会のホームページ トップ画面
(URL:http://funabashi.mypl.net/funabashi_eco/)
- 108 -
(3)船橋市地球温暖化防止活動推進員の派
遣
地球温暖化防止に関する意識の高揚及び地球
環境保全活動の推進を図るため、平成21年度から、
市内の市民活動団体や町会・自治会等が実施する
学習会、研修会などに船橋市地球温暖化防止活動
推進員を派遣しています。平成24年度は6名の指導
員や講師を推進員として派遣しています。
(4)環境家計簿の配布
電気とガスの使用量から、家庭での二酸化炭素
排出量を簡単に計算し、地球温暖化防止への意識
を深めてもらうため、平成20年度から環境家計簿
「ふなばしエコノート」を作成し、配布を行っています。
出前講座等で配布するとともに、ホームページでも
提供しています。
(5)新エネ・省エネ設備設置費補助金の交付
船橋市におけるエネルギー対策として、平成21年
度から、住宅用太陽光発電システム及び住宅用高
効率給湯器(エコウィル、エコキュート、エコジョーズ、
エネファームの4種類)の設置費用の一部を補助し、
温室効果ガスの削減を図っています。
○平成 24 年度補助金額、件数及び予算額
・太陽光発電システム
予算額 3,500 万円
(1kW 当たり 2 万円 上限 8 万円) 482 件
・高効率給湯器
予算額 860 万円
エコウィル
(4 万円)
3件
エコキュート (3 万円)
102 件
エコジョーズ (1.5万円)
85 件
エネファーム (8万円)
41 件
- 109 -
理化の措置、物品の調達及び自らが定める環境
第3節 市の事業者としての取組
み
市では、事業者としての立場で率先して環境保
保全に向けた取り組みを率先して実行し、環境へ
の負荷を低減するとともに、併せて、環境に配慮し
全活動を実行するため、平成10年10月に船橋市
環境保全率先行動計画(エコオフィスプラン21)を
策定しました。また、平成12年2月には南部・北部
た自主的な取り組みが積極的に行われるよう誘導
することを目指しています。
イ.基本方針
の両清掃工場において環境マネジメントシステム
(ISO14001認証取得)を導入し、環境負荷の低減に
努めてきました。
本計画を進めるにあたっては、計画の実行、達
成状況の点検・評価、環境保全活動の見直し、さ
らに継続的な改善を的確に進めます。特に、次の
その後、地球温暖化対策の推進に関する法律
(温対法)及び国等による環境物品等の調達の推
進等に関する法律(グリーン購入法)が制定され、
事項について重点取組事項として位置づけ、基準
年度(平成21年度)との比較による達成目標を設
定することにより積極的に推進します。
市が取り組まなければならない施策が示されたこと
第3次ふなばしエコオフィスプランにおける目標
から、平成15年に環境保全率先行動計画の見直
しを行い、地球温暖化対策実行計画や環境物品
の調達方針を取り入れた新しい計画(第2次ふなば
○温室効果ガスその他の環境負荷の低減
…温室効果ガス排出量を5年で5%(年平均1%)削
減
○エネルギーの使用の合理化の推進
…エネルギー使用量を5年で5%(年平均1%)削減
しエコオフィスプラン)を策定しました。
さらに、「エネルギーの使用の合理化に関する
法律」(省エネ法)の改正により、市長部局・教育委
員会・医療センターの3つの組織体区分でエネル
ギー使用量等の実態把握と定期報告が義務付け
られたことを受け、これに対応できるよう平成23年3
月に「船橋市地球温暖化対策実行計画(第3次ふ
なばしエコオフィスプラン)」を策定し、温対法第20
○資源循環型活動の推進
…用紙類及び上水道の使用量を5年で5%(年平均
1%)削減、ごみの総量を年1%削減、資源ごみ
の割合を基準年度以上とする
○環境に配慮した物品・役務の調達(グリーン調達)
…規準を満たす物品の100%購入
○環境法令等の遵守
…清掃工場において ISO14001に基づく監理目
標を定め、徹底する。
して庁内の環境への負荷低減の継続的な誘導を
○受注事業者等への環境配慮の要請
…請負業者による環境に配慮した工事実施計画
の提出、建設廃材のリサイクル実施、建設発生土
の有効利用 他
図っています。
○環境保全意識の向上
条の3第1項に規定する地方公共団体実行計画と
○情報の公開
1.ふなばしエコオフィスプラン
ウ.計画の期間
(1)ふなばしエコオフィスプランの概要
平成22年度から平成26年度までの5カ年
ア.目的
エ.対象とする事務・事業の範囲
市自らが行う事務・事業について、温室効果ガ
スの排出の抑制等の措置、エネルギー使用の合
地方自治法に定められた市が行うすべての事
務・事業並びに組織及び施設が対象です。
- 110 -
ただし、条例に基づき管理委託している施設に
温室効果ガスの種類別による CO2排出量は、二
ついては温出効果ガスの排出量及びエネルギー
酸化炭素が全体の88%を占めています。
使用量についてのみ対象としています。市が主に
また、活動別による CO2排出量は、北部・南部清
出資している法人等は対象外です。
掃工場での廃棄物焼却によるものが全体の61%、
(2)取組みの結果
電気及び重油やガソリンなどの燃料使用によるも
ア.温室効果ガスの低減
のが全体の28%を占めています。
市組織、市事業全体での平成24年度の温室効
果ガス排出量は、190,520t-CO2/年で、基準年度
(平成21年度)と比べると3.0%減少しています。
単位
温室効果ガス排出量
表 2-4-1 温室効果ガス排出量
平成 23 年度
平成 24 年度
排出量
排出量
t-CO2
180,036
基準年比
(%)
平成 24 年度
目標値
97.0
190,520
190,546
表 2-4-2 温室効果ガス別の排出量(CO2 換算)
温室効果ガスの種類
平成 23 年度
排出量(t-CO2/年)
構成比(%)
平成 24 年度
排出量(t-CO2/年)
構成比(%)
156,734
87.06
167,667
88.00
1,184
0.66
1,050
0.55
22,108
12.28
21,792
11.44
11
0.01
11
0.01
180,036
100
190,520
100
二酸化炭素(CO2)
メタン(CH4)
一酸化二窒素(N2O)
ハイドロフルオロカーボン(HFC)
計
※端数処理により合計値が合わない場合があります。
表 2-4-3 活動項目別排出量(CO2 換算)
平成 23 年度
排出量(t-CO2/年)
構成比(%)
平成 24 年度
排出量(t-CO2/年)
構成比(%)
電気を除く燃料
11,159
6.20
12,217
6.41
111.1
電気使用
33,518
18.62
41,694
21.88
131.5
自動車走行
32
0.02
28
0.01
88.0
カーエアコン
11
0.01
11
0.01
102.0
115,280
64.03
116,945
61.38
88.0
笑気ガス
37
0.02
19
0.01
20.0
下水処理
19,998
11.11
19,607
10.29
94.7
180,036
100
190,520
100
97.0
活動別の CO2 排出量
廃棄物処理
計
基準年比
(%)
※端数処理により合計値が合わない場合があります。
- 111 -
表 2-4-4 施設等におけるエネルギー使用量
エネルギーの種類
単位
電気
平成 23 年度
使用量
平成 24 年度
使用量
基準年比
(%)
平成 24 年度
目標値
kWh
88,856,970
91,179,109
97.1
91,075,831
m3
3,201,798
3,301,154
102.0
3,138,097
灯油
L
677,742
566,457
98.8
555,927
LPG
㎏
29,942
404,416
1,216.6
32,244
重油
L
167,151
186,484
99.8
181,334
ガソリン
L
15,336
15,603
94.6
15,993
軽油
L
5,042
6,842
124.8
5,316
都市ガス
表 2-4-5 公道を走行する公用車で使用した燃料
燃料の種類
単位
平成 23 年度
使用量
平成 24 年度
使用量
基準年比
(%)
平成 24 年度
目標値
LPG
㎏
220,384
215,483
98.5
212,271
ガソリン
L
320,540
313,252
102.4
296,797
軽油
L
111,728
97,517
89.9
105,195
CNG
N㎥
697
667
114.1
567
イ.庁舎等におけるエネルギー使用量の節減
通機関や自転車の利用等)をより一層推進してい
エネルギー7種類中 3 種類で、基準年度から使
用量が増加しました。使用量増加の主な要因は、
く必要があります。
エ.資源循環型活動の推進
LPGについては基準年度に含まれていなかった
用紙類の購入量は基準年度から 14.2%増加、上
給食施設について平成24年度から含めたこと、軽
水道の使用量は基準年度から 6.1%削減していま
油については都市公園内で使用する車両をLPG
す。
車からディーゼル車に変更したためです。
本庁舎内の資源ごみの割合については48.2%
ウ.公用車で使用する燃料の節減
となり目標を達成しておらず、ごみの総量について
4種類中2種類の項目で、基準年度から使用量
も基準年度から2.7%増加しています。
が増加しました。使用機会の削減の努力(公共交
表 2-4-6 用紙類の購入量、水道使用量、本庁舎のごみの総排出量
種類
用紙類の
購入量
上水道の
使用量
本庁舎のごみ
の総排出量
単位
平成 23 年度
平成 24 年度
基準年比(%)
平成 24 年度目標値
kg
528,542
542,371
114.2
460,792
m3
1,456,731
1,443,154
93.9
1,490,043
186.4
191.3
102.7
180.7
t
- 112 -
オ.物品やサービスの購入に当たっての環境配慮
業服等を特定調達物品として定め、購入総数に対
グリーン購入については、別途に定めた「船橋
市環境配慮物品調達方針」に則って、物品等を購
する環境配慮物品の購入状況は、表2-4-7のとお
りです。
入することとしています。
合計で見た場合、環境配慮物品の購入率は、
船橋市環境配慮物品等調達方針では、紙類、
93.4%と高い水準にあります。
文具類、機器類、OA機器、家電製品、自動車、作
表 2-4-7 平成 24 年度特定調達物品等の購入状況
調達割合
品 目
単位
総数
環境物品
平成 24 年度
平成 23 年度
紙 類
kg
542,371
526,919
97.2%
95.9%
文具類
個
271,930
233,803
86.0%
82.1%
機器類
個
1,341
1,135
84.6%
66.1%
OA 機器
台
104
91
87.5%
76.6%
家電製品
台
34
32
94.1%
67.1%
自動車
台
12
9
75.0%
96.0%
作業服等
着
6,584
5,848
88.8%
93.6%
合 計
-
822,376
767,837
93.4%
93.6%
カ.公共工事における環境影響の低減
キ.環境保全意識の向上
規模、用途に応じた省エネ・省資源を検討した
庁内全体で環境保全意識の向上につながって
施設整備において、省エネルギー型設備の導入、
いますが、目標達成に満たない項目があり、今後と
断熱性の確保、節水対策について、対象となった
もより一層のエコオフィス実施に対する意識向上を
全ての工事で実施されています。
図る必要があると考えられます。
建設廃棄物の削減化及びリサイクルの推進につ
いては表 2-4-8 のとおりです。
表 2-4-8 平成 24年度 建設廃棄物のリサイクル実績
類
目標
総量(t)
リサイクル
量(t)
アスファルト・
コンクリート塊
100%
102,948.2
101,095.1
98.2
100
コンクリート塊
100%
38,506.5
35,387.5
91.9
100
建設汚泥
100%
39,978.6
34,701.4
86.8
100
建設発生木材 100%
1,384.6
1,165.8
84.2
61.8
種
H24
率(%)
H23
率(%)
- 113 -
2.省エネ法・温対法に基づくエネルギ
ー・温室効果ガスの削減対策
(1)概要
エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エ
ネ法)において、事業者全体の年間エネルギー使
用量が、原油換算で 1,500kL 以上ある場合、特定
事業者として指定を受け、エネルギー管理企画推
進者等の設置義務、エネルギー使用量の定期報
告及び中長期的に低減させるための計画書の提
出義務等が課されています。
図 2-4-10 エネルギー管理の業務フローと省エネ法に
また、事業所単体として年間エネルギー使用量
基づく義務(資源エネルギー庁省エネルギー対策課)
が、原油換算で 1,500kL 以上ある場合も、エネル
ギー管理指定工場として扱われ、エネルギー管理
(2)排出の状況
員の設置義務、エネルギー使用量の定期報告の
市では、市長部局・教育委員会・医療センター
義務等が課されています。
の 3 つの組織体区分でエネルギー使用量等の実
各事業者による各種報告書の主な記載内容とし
態把握と定期報告が義務付けられており、いずれ
ては、全体及び事業分類毎のエネルギー使用量、
の組織体も年間エネルギー使用量が原油換算で
過去 5 年度間のエネルギー消費原単位が年度平
1,500kL 以上となっています。このことから、特定事
均 1%以上改善できなかった場合の理由、等とな
業者として年間エネルギー使用量に関する定期報
っています。これは定期報告を通して特定事業者
告書、省エネルギー対策に関する中長期計画書
に対しては毎年1%以上のエネルギー消費量の削
を国へ提出しています。
減が事実上課せられているといえ、提出の機会を
ア.エネルギーの使用に係る実績値(省エネ法)
通して、エネルギー管理の実践及び管理目標の設
組織体区分でのエネルギー使用に係る 24 年度
定がなされることで持続的な省エネ対策の実行が
実績値については表 2-4-9 に示すとおりで、エネ
要求されています。そのイメージとしては図 2-4-10
ルギー使用量対前年度比は、市長部局では微減、
に示すとおりです。
教育委員会では増加、医療センターでは現状維
また、エネルギーの使用に伴い排出される二酸
持となっています。教育委員会の増加要因として
化炭素(エネルギー起源 CO2)以外の温室効果ガ
は、全ての市立小中学校への空調機導入による電
スの排出量が 3,000t-CO2 以上ある場合は、温対
気使用量の増大が挙げられます。
法に基づく温室効果ガス算定排出量等の報告書
が義務付けられ、これにより国への報告を行ってい
ます。
- 114 -
表 2-4-9 省エネ法におけるエネルギーの使用に係る実績値
エネルギー使用量
(原油換算 kℓ)
エネルギー起源 CO2 排出量
(t-CO₂)
調整後温室効果ガス排出量
※(t-CO₂)
平成 24 年度
平成 23 年度
対前年度比
平成 24 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 23 年度
15,734
15,866
99.2%
29,256
24,676
165,629
159,696
教育委員会
9,152
7,929
115.4%
16,988
13,345
16,946
13,097
医療センター
3,028
3,027
100.0%
5,624
4,956
5,616
4,948
市長部局
※調整後温室効果ガス排出量は、エネルギー起源 CO2 排出量を、調整後温室効果ガス算出係数を用いて算出し、
エネルギー起源 CO2 以外の温室効果ガス排出量を加算したもの。
ギー使用量の削減に向けての計画内容について、
イ.エネルギー使用以外に係る実績値(温対法)
市役所事業全体から排出される温室効果ガスに
例えば空調機や照明器具類の省エネタイプの導
ついては、表 2-4-1、表 2-4-2、表 2-4-3 に前掲し
入、太陽光発電等の導入が検討されています。ま
ています。このうち温対法の報告対象となる
た、清掃工場の建て替えでの削減効果が高く、こ
3,000t-CO2 以上排出があった温室効果ガスの種
れらの推進によるエネルギー使用合理化期待効果
類としては、非エネルギー起源二酸化炭素
は、原油換算で合計 1,795kℓの削減が見込まれて
(113,756t-CO2 )、一酸化二窒素 (21,714t-CO2 )
います。
の 2 種類です。
表 2-4-10
非エネルギー起源二酸化炭素の原因について
照明設
備の省
エネ化
(件)
空調設
備の省
エネ化
(件)
新エネ
ルギー
設備導
入(件)
その他
(件)
エネルギ
ー使用合
理化期待
効果(kℓ)
市長部局
3
8
1
5
1,703.4
教育委員会
0
3
6
0
81.3
医療
センター
2
1
0
1
10.3
は清掃工場による家庭ごみ中の廃プラスチック類
の焼却に伴って排出されているもので、一酸化二
窒素については、し尿及び浄化槽汚泥処理の過
程で排出されているものです。
ウ.省エネ等に資する中長期計画(省エネ法)
中長期計画(平成 25 年度以降)におけ
るエネルギー使用合理化期待効果
本市ではエコオフィスプランの仕組みに則りなが
ら毎年エネルギーの使用量の把握、計画の実行・
達成状況の点検・評価により、日常的な対策を推
進することで、効果の誘導を高めていくこととしてい
ます。また、施設の新築または大規模改修や更新
修繕等の機会には、省エネ設備の導入を促進して
いく考え方としています。
省エネ法に係る中長期計画としては、こうしたエ
コオフィスプランの考え方を踏まえながら、エネル
- 115 -
第5章 環境保全活動
第1節 市の環境保全活動
た環境団体の活動を紹介するため、毎年市役所1
階において、「ふなばし環境パネル展」を実施して
1.環境週間行事
います。
1972年ストックホルムで開催された国際人間環
境会議において、「人間環境宣言」が採択されたこ
平成24年度は、16の環境団体が日頃の活動状
況をパネルや写真で紹介しました。
とを記念して、6月5日は「世界環境デー」とされまし
表 2-5-1 環境週間事業
た。
事 業 名
本市では、これを受け、市環境基本条例第7条
船橋市環境フェア
場 所
実 施 日
中央公民館
6月9日~
6月10日
に6月5日からの一週間を環境週間と定めて各種
ふなばし環境パネル展 市役所1階
事業を実施しています。
6月18日~
6月29日
(1)船橋市環境フェア
環境週間の土曜日に「ふなばし環境フェア」を実
施しています。平成24年度は、第15回目を記念し
2.啓発事業
(1)環境学習
市民・企業・環境団体・行政等で実行委員会を設
環境を大切にし、より良い環境づくりや環境の保
置し、中央公民館を会場に2日間にわたり開催しま
全に配慮して望ましい行動が取れる人を育ててい
した。
くことが必要です。身近な地域の環境についての
1日目は、45団体によるパネル展示、体験コー
学習や豊かな自然環境の中での様々な体験活動
ナー、エコ製品の展示など多彩な催しを行い、2日
を通して、自然の大切さを学ぶなど各種の取り組
目は生物多様性シンポジウムを行い、約4,100名が
みが進められています。本市においても環境教
来場しました。
育・環境学習を推進するためのさまざまな事業を行
いました。
ア.環境学習への講師派遣
市民に身近な行政を目指して平成13年度から
実施された出前講座および学校、公民館、環境団
体などが主催する環境に関する勉強会に講師を
派遣しました。
内容は、「家庭でできる温暖化対策」であり、環
ふなばし環境フェア(中央公民館)
境問題について学習しました。
(2)ふなばし環境パネル展
イ.訪問学習
最近の環境問題の動向や環境フェアに参加し
- 116 -
総合的な学習の一環として、小学生や中学生が
(2)学校における環境保全活動
校外に出て、様々なテーマに基づいて行う訪問学
習が行われております。児童、生徒が市役所を訪
千葉県の環境教育研究指定校や市の「総合的
れ、環境問題や環境に関する仕事について学ぶ
な学習」の指定校ばかりでなく、多くの小中学校で
機会となっています。
地区の特色を生かした環境教育が進められていま
ウ.夏休みセミのぬけがら調査
す。
セミのぬけがらを調べることにより公園・緑地の
また、地域の環境ボランティアの協力を受けて、
自然度を把握するものであり、船橋自然環境調査
学校ビオトープの維持管理や市民の森における自
の市民調査員を講師に招いて開催しました。平成
然観察が行われています。
24年度は小学生の親子など、延べ115名が参加し
(3)公民館等における環境保全活動
ました。
生涯学習の一環として、公民館などの社会教育
定点調査場所である行田公園は、市内でも有数
施設において、環境学習の講座や自然観察会、イ
のセミの生息地であり、クマゼミが確認された数少
ベントが開催され、多くの市民が参加するとともに、
ない場所です。本市における温暖化の実態を生物
環境ボランティアが講師として協力しています。
(クマゼミ)により把握するための場所として選定し
(4)こどもエコクラブ事業
ました。
国の環境基本計画において、小中学生の自主
エ.三番瀬生き物さがし
的な環境保全活動への参加の重要性が指摘され、
三番瀬の生き物に詳しい市民を講師として招い
て、貴重な干潟である三番瀬に住む生き物に触れ
平成7年度から小中学生の環境保全活動を支援
する目的でこどもエコクラブが設立されました。
ることによって、干潟の自然浄化能力や生態系に
ついて学び、もって自然環境保全思想の醸成を図
平成24年度は、4クラブ・69人が入会しており
様々な活動を行いました。
ることを目的に開催しています。しかし、平成24年
表 2-5-3 こどもエコクラブ登録状況
度は東日本大震災の復旧工事で園内の一部が立
名
ち入り禁止となったため、中止しました。
表2-5-2 主な環境学習事業
事
業
名
対
象
環境学習 講師派遣 一般市民、事業者等
6回
実 施 日
5月13日
他
夏休みセミのぬけが 小 学 3 年 生 以 上 ( 保
ら調査
護者同伴であれば1
入門編、
、2年生も参加可)
実践編
8月3日
8月8日
8月18日
会員数(人)
ふなばしネイチャーゲームの会
31
eco-echo(エコ・エコー)
11
アスターキッズecoクラブ
5
はれのちにじ
22
合
三番瀬生き物さがし 小 ・ 中 学 生 ( 親 子 を
平成24年
含む。小学1、2年生
度は中止
は保護者同伴)
称
計
69
(5)船橋三番瀬クリーンアップ
三番瀬の清掃と自然観察会を通じて、三番瀬に
対する理解と関心を深めてもらい、三番瀬の保全
を図るため、ふなばし三番瀬海浜公園を会場に平
- 117 -
成13年度から船橋三番瀬クリーンアップを実施し
ています。
しかし、平成24年度は東日本大震災の復旧工
事で園内の一部が立ち入り禁止となったため、前
年度に続き中止しました。
三番瀬の清掃の様子(平成 22 年度)
- 118 -
第2節 市民の環境保全活動
第3節 事業所の環境保全活動
1.市民の環境保全活動
1.環境管理システムの導入
環境問題に対する関心の高まりとともに、積極的
事業活動に伴う環境への負荷を低減するため、
に環境保全活動に参加する市民が増えてきていま
ISO14001・エコアクション21の規格に基づき環境管
す。
理システムを導入する事業者が着実に増え、多く
市や環境団体が実施する環境学習に参加した
の工場・事業所で導入していると思われます。業種
り、自治会や町会などを中心に自発的な学習会を
も製造業だけでなく、 流通業や建設業など様々な
開催したり、前原川・飯山満川の浄化運動に取り
分野に広がっています。
組むなど積極的な活動を展開しています。中には
海老川の水質浄化を願った「海老川親水市民まつ
2.環境保全活動
り」などのように大きなイベントとなった活動もありま
す。
事業所における環境保全活動は、地域の環境
を積極的に良くする活動へと広がり、定期的な清
掃美化活動への参加、環境フェアなど環境イベン
2.環境団体の環境保全活動
トへの出展・協力、工場内におけるビオトープの整
環境団体は、本市の環境保全活動の中心的存
在を担っています。環境団体は、独自の活動を実
備、環境保全活動への助成、こどもエコクラブへの
支援など、多方面に展開されています。
施するだけでなく、市民向けの講演会、自然観察
会、複数の団体が協力して発表会の開催、環境フ
ェアなどの事業への参加、市の行う環境学習にボラ
ンティアとしての協力、小学校で環境教育の講師
などをしています。
また、組織力を活かして、市民の森の管理を受
託するなど、一部においてNPO(非営利団体)組
織となった環境団体も増えてきました。
今後も、行政とのパートナーシップ(対等な協力
関係)による活躍が期待されます。
- 119 -
第6章 その他
談、調査、指導及び助言を行い、適切な処理に努
第1節 公害苦情の発生状況
めています。平成24年度における公害苦情の発生
公害に関する苦情は、生活に密着したものが多
件数(環境保全課所管分)は、13件でした。
く、本市ではこれらの苦情に対応するため、苦情相
表 2-6-1 年度別公害苦情発生件数
年度
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
種類
大 気 汚 染
9
13
典 水 質 汚 濁
2
2
16
5
8
6
2
4
2
14
5
6
2
4
1
型 土 壌 汚 染
七 騒
音
19
29
20
33
31
18
20
公 振
動
3
4
6
17
1
1
15
32
18
13
12
8
8
1
48
80
60
70
52
34
28
19
害 地 盤 沈 下
悪
臭
計
3
9
13
表 2-6-2 用途地域別公害苦情発生件数
用途地域
(発生源) 住
居
近隣商業
商
業
準工業
工
業
工業専用
調
整
合計
種類
大
気
汚
染
水
質
汚
濁
土
壌
汚
染
騒
音
6
振
動
3
地
盤
沈
悪
6
1
下
臭
計
4
9
- 120 -
2
1
2
1
3
1
13
1.行政のあゆみ
年度
市の環境行政のあゆみ
市の環境組織
昭和 ・市内の天然ガス採取始まる。このころから地盤の異常沈下が始ま
32年 ったと推定される。
35年
・公有水面50万坪埋立地(現在の西浦・湊町・日の出)への進出工 ・東町に焼却炉(20t/日)が完成
場決定
36年 ・地盤沈下が加速的に進行
38年 ・船橋市公害対策委員会条例の制定
・衛生課庶務公害係を設置
40年
・西浦処理場(処理能力180kL/日)設置
41年
・衛生部清掃課を設置
・北習志野終末処理場設置
42年
・東町事業所に焼却炉(300t/日)完成
43年 ・地盤沈下が激化し、この状態が昭和45年まで続く
・組織改革により衛生部公害課を設置
・埋立地の影響を調査するため市川、習志野市と3市共同で潮流 ・清掃課を清掃第一課と清掃第二課に分
割
44年 の変化に伴う水質について委託調査(2カ年)を実施
・「騒音規制法」の事務委任
・大気汚染に伴う学童の呼吸疾患調査(第1回)を船橋市医師会へ ・組織改革により公害対策室を設置
委託
45年
・天然ガス採取業者に対し、ガス採取自主規制要請
・市内初の環境大気常時監視局(印内)を設置
・船橋市公害対策委員会条例を船橋市公害対策審議会条例に改
称
・船橋市公害防止条例を制定
・アサリ中の重金属蓄積状況調査を「東海区水産研究所」へ委託
46年
・旭硝子(株)船橋工場から排出される鉛問題に係る大気の調査を
実施
・環境大気常時監視局(高根台・豊富・丸山・高根の4局)を設置
・大気汚染防止法に基づく政令市となる
・「地盤沈下非常事態」を宣言
・光化学スモッグ監視業務を開始
・県、市川市とともに天然ガス鉱区の買上げにより天然ガス採取を ・組織改革により公害対策部指導課・規制
全面的に禁止
課を設置
・船橋市公害防止条例の改正
・西浦町事業所(300t/日)完成
・帝国電子工業によるカドミウム汚染に関する調査(土壌・井戸水)
を実施
47年
・旭硝子(株)船橋工場の鉛に関し、周辺住民の健康調査(県・市・
千葉大学)を実施
・大気汚染による人体への影響(日の出町・栄町・本町1~4丁目)
について船橋市医師会へ調査を委託
・環境監視テレメ-タシステムを2カ年かけて(監視局4局、測定項目
7項目)導入
・湊町交差点に自動車排気ガス測定局を設置
- 121 -
年度
市の環境行政のあゆみ
市の環境組織
・帝国電子工業に係るカドミウムによる人体影響調査(県・市・千葉 ・公害対策部公害対策課・大気保全課・水
大学)を実施
質保全課を設置
48年
・水質汚濁防止法に基づく政令市となる
・環境大気常時監視局(三山・前原の2局)を設置
・本市を含む13市2町(千葉臨海地域)が公害防止計画の承認を受
ける
・大気測定車を導入
・組織改革により東町事業所および西浦町
49年 ・本市を含む13市2町(千葉臨海地域)が公害防止計画策定地域の 事業所を設置
指定を受ける(第1次)
50年 ・環境大気常時監視局の豊富局移設(豊富農協から北部公民館へ)
・環境部に廃棄物対策課・大気保全課・水
質保全課を設置
51年
52年 ・公害防止協定を15社と締結
・京葉港に進出した食品工場6社と県、市、企業の3者による公害 ・廃棄物対策課を廃棄物第一課と廃棄物
第二課に分割
53年 防止協定を締結
・騒音測定車を導入
・環境大気常時監視局(若松)を設置
54年
・リサイクルセンター設置
・船橋市公害防止条例を一部改正
・千葉臨海地域の公害防止計画をさらに5年間延長(2次)
・京葉道路入口に自動車排気ガス測定局を設置(海神町)
57年
・環境大気常時監視局を市役所から勤労市民センター(現:南本町 ・東町事業所焼却施設廃止
子育て支援センター)へ移設し、南本町局とした
・自動車排気ガス測定局(日の出)を設置
58年
・北部清掃工場(450t/日)設置
・大気測定車を更新
59年
・千葉臨海地域公害防止計画の地域を拡大し、5年間期間を延長
(第3次)
・(財)印旛沼環境基金が設立され、出捐金を拠出(2,632千円)
・有機塩素系化合物による汚染について河川・海・井戸の実態調
60年 査を実施
・(財)印旛沼環境基金に出捐金を拠出(2,631千円)
61年 ・(財)印旛沼環境基金に出捐金を拠出(2,631千円)
・大気保全課及び水質保全課を統合し、環
境部環境保全課を設置
62年
63年
・海老川浄化対策について調査を実施
・「窒素酸化物に係る冬季暫定対策」の実施
・一般家庭用井戸水を対象に有機塩素系化合物の水質分析を ・南部清掃工場(375t/日)設置
無料で行う(1,065本)
平成
・千葉臨海地域公害防止計画を千葉地域公害防止計画(27市町
元年
村)と名称を変更し、3年間期間を延長(第4次)
・地下水汚染機構解明調査(二宮・前原地区)の実施
- 122 -
年度
市の環境行政のあゆみ
市の環境組織
・地下水汚染機構解明追跡調査(二宮・前原地区)の実施
・地下水汚染による健康影響調査の実施
3年
・低公害車として電気自動車(1台)を導入(リ-ス)
・大気環境中のダイオキシン類の調査開始
・(財)印旛沼環境基金に出捐金を拠出(22,260千円)
4年
・本市全域が生活排水対策重点地域として指定
・北部清掃工場再稼働
・(財)印旛沼環境基金に出捐金を拠出(22,260千円)
・千葉地域公害防止計画を5年間延長(第5次)
・清掃センター設置
・生活排水対策推進計画の策定
・計画部都市計画課内にエコシティ推進室
を設置
・地下水汚染による健康影響追跡調査の実施
・船橋市農業センター内で酸性雨の測定を開始
5年
・動植物の生態等の実態を把握するため自然環境調査を実施
・高根台局付近における浮遊粒子状物質による汚染実態調査(高
根台局のSPMが全国ワースト4位であったことによる)を実施
・環境大気常時監視局(豊富局)を北部公民館から農業センター
へ移設
・大気測定車の更新(乾式測定機器を搭載)
6年
・高根川浄化施設の設置
・電気自動車(タウンエース)を導入
・特定フロン回収状況の実態調査の実施
・クリーン船橋530推進事業開始
・旧大気測定車を民間公益団体を通じ中国四川省へ供与
7年
・二宮地区に地下水汚染除去装置(充填塔気液接触法)を設置
・環境基本計画の策定を開始(~平成8年)
・測定器の更新に伴い、今まで使用していた二酸化硫黄、浮遊粒
子状物質測定機1台を民間公益団体を通じて中国へ供与
8年
・環境ボランティア育成事業開始
・船橋市環境基本条例を制定
・船橋市環境保全条例を制定
9年
・船橋市環境基本計画を策定
・千葉地域公害防止計画を5年間延長(第6次)
・藤原地区の地下水汚染機構解明調査実施
・焼却灰再資源化施設を設置
10年 ・環境保全率先行動計画を策定
・第1回船橋市環境フェア開催
・環境マップ作成事業開始(平成13年度まで)
11年
・大気・水環境におけるダイオキシン調査実施
・南部清掃工場内で焼却灰再資源化施設
が稼働開始
・光触媒二酸化チタン塗料による大気直接浄化実験開始
・西浦処理場(180kL/日)設置
・本市のごみ減量、リサイクル、適正処理等の事業活動に関して、 ・高瀬下水処理場稼働
ウェスティク大賞厚生大臣賞を受賞
・南部、北部清掃工場で、ISO14001認証を取得
- 123 -
年度
12年
13年
市の環境行政のあゆみ
市の環境組織
・第3回船橋環境フェアが実行委員会方式で開催される
・中核市への移行準備開始
・船橋市環境保全条例を一部改正
・北本町2丁目の工場跡地におけるマンション建設予定地でPCB
による土壌汚染が判明し、開発業者による対処を実施
・環境マップ作成及び環境マップ作成事業が終了
・船橋三番瀬クリーンアップ実施
・環境マップ事業の結果を収納した「ふなばし環境マップシステム」
CD-ROMを作成
14年 ・騒音測定車を更新し、天然ガス自動車を導入
・船橋市環境保全条例を全部改正
・千葉地域公害防止計画を5年間延長
・自然散策マップ「ゆっくりのんびり」全17コース作成
15年
・中核市へ移行
・旧陸軍の毒ガス問題が起こり、国が習志野学校跡地をA事案に ・産業廃棄物課を設置
指定し、環境調査を実施
・新たに環境保全率先行動計画を策定(期間15年度から19年度)
・ばい煙測定車を更新し、天然ガス自動車を導入
・環境監視テレメータシステムの更新
16年 ・調査員と歩くふなばし自然散策マップを実施
・夏休み市民セミのぬけがら調査を実施
・北本町2丁目の工場跡地において土壌汚染対策法に基づき土壌 ・ごみゼロ計画室設置
汚染の調査を行った結果、指定基準を超過する土壌が見つかっ ・アスベスト対策本部設置
たため指定区域に指定を行う
17年 ・旧軍の毒ガス問題で習志野演習場をA事案に追加
・大気測定車更新
・平成18年3月31日をもって分析センター廃止
18年
・地球温暖化対策地域推進計画策定委員会を設置し、推進計画
の策定に着手(平成19年度策定予定)
・船橋市一般廃棄物処理計画策定
・船橋市地球温暖化対策地域推進計画を策定
・大気汚染測定局舎適正配置見直しを実
施
・「環境フェア」開始して10周年で2日間の開催
19年 ・旧軍の毒ガス問題で、習志野演習場の土壌調査を実施したが、
毒ガス関連物質は検出されず
・環境新聞(エコふなばし)発刊(創刊号)
・三番瀬生き物調べを実施
・みどりのカーテン事業開始
・船橋市揮発性有機化合物の排出及び飛散の抑制のための取組
の促進に関する条例の制定、同指針の施行
20年 ・山手1丁目の工場敷地境界付近の地下水から六価クロムが環境
基準を超過して検出されたため、周辺調査を実施し周辺井戸水
への影響がないことを確認
・「船橋市地球温暖化対策地域協議会」の設立
・江戸川を守る会から退会
- 124 -
年度
市の環境行政のあゆみ
市の環境組織
・住宅用太陽光発電システム設置促進事業の実施
・地球温暖化対策推進室設置
・住宅用高効率給湯器設置促進事業の実施
・環境基本計画見直しに着手
・ ・環境基本計画策定委員会の設置
21年
・グリーンニューディール基金の創設(平成23年度まで)
・船橋市地球温暖化防止活動推進員派遣事業の開始
・船橋市手数料条例の一部を改正する条例により土壌汚染対策法
に関する手数料を制定
・微小粒子状物質(PM2.5)の環境基準が告示
・みどりのカーテンコンクール実施
・環境大気常時監視局の高根台局にPM2.5測定機を設置
・船橋市環境基本計画を新たに策定
22年
・船橋市生活排水対策推進計画を改定
・船橋市地球温暖化対策実行計画(第3次ふなばしエコオフィスプ
ラン)を策定
・東日本大震災発生
・環境大気常時監視局の日の出局にPM2.5測定機を設置
23年 ・船橋市地球温暖化対策地域推進計画を改定し、船橋市地球温
暖化対策実行計画(区域施策編)を策定
・「環境フェア」開始して15周年で2日間の開催
24年 ・環境大気常時監視局の印内局にPM2.5測定機を設置
・平成25年3月に高根川浄化施設の稼働を停止
- 125 -
・ごみ処理施設整備室設置
2.船橋市環境基本条例
私たちの船橋は、温暖な気候と東京湾最奥部の穏やか
な海や下総台地が織りなす恵み豊かな環境の下、先人の
英知と努力を受け継ぎながら豊かで住み良い国際都市を
目指す中で、福祉と緑の都市を宣言し、環境に配慮した都
市づくりを進めてきた。
しかし、人口の集中や産業の集積により、都市活動や生
活に密着した公害や廃棄物の問題が顕在化するとともに、
身近にあった豊かな自然も減少し、健全で恵み豊かな環
境が損なわれつつある。
今日の社会経済活動は、利便性の向上と物質的な豊か
さをもたらした反面、資源やエネルギーを大量に消費し、
環境に対する影響力を増大させ、人類の生存基盤である
地球環境にまで影響を及ぼすに至っている。
私たちは、環境が自然界の微妙な均衡と循環の下に成
り立つものであることを認識した上で、これまでの社会経済
システムのあり方や生活様式を見直し、環境への負荷の少
ない持続的に発展することができる社会の構築を目指した
総合的かつ計画的な取組をする必要がある。
もとより、健全で恵み豊かな環境は、健康で文化的な生
活をする上で不可欠なものであり、このような環境を保全し、
及び創造し、将来の市民に引き継ぐことこそ現在に生きる
私たちに課せられた使命である。
今こそ、市民、事業者及び市それぞれが自らの環境保
全意識を高め、果たすべき役割を担い、人と自然が共生す
る健全で恵み豊かな環境と文明を実現するため、市民の
総意により、ここに、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境の保全について、基本理念を定
め、並びに市、事業者及び市民の責務を明らかにすると
ともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定
めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ
計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で
文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義
は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影
響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれ
のあるものをいう。
(2) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化
又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物
の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分
の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であっ
て、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化
的な生活の確保に寄与するものをいう。
(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その
他の人の活動に伴って生ずる大気の汚染、水質の汚
濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化する
ことを含む。以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、
地下水位の著しい低下、地盤の沈下(鉱物の掘採の
ための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び
悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に
密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係
のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)
に係る被害が生ずることをいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全は、現在及び将来の市民が健全で良
好な環境の恵みを受けられ、その環境が将来にわたっ
て維持されるよう適切に行われなければならない。
2 環境の保全は、社会経済活動その他の活動による環境
への負荷をできる限り低減することその他の環境の保全
に関する行動がすべての者の公平な役割分担の下に自
主的かつ積極的に行われるようになることによって、健全
で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少な
い持続的に発展することができる社会が構築されること
を旨とし、及び科学的知見の充実の下に環境の保全上
の支障が未然に防がれることを旨として、行われなけれ
ばならない。
3 環境の保全は、環境の自然的構成要素が良好な状態
に保持され、人と自然が共生できるよう多様な自然環境
が体系的に保全されることにより、地域の自然、文化、産
業等の調和のとれた快適な環境を実現していくよう行わ
れなければならない。
4 地球環境保全は、すべての者が自らの課題であること
を認識して、それぞれの事業活動及び日常生活におい
て積極的に推進されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、環境の保全を図るため、地域の自然的社会
的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有
する。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、これ
に伴って生ずる公害を防止し、環境への負荷の低減に
努め、又は自然環境を適正に保全するために必要な措
置を講ずる責務を有する。
2 事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、物の
製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たっ
て、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物とな
った場合にその適正な処理が図られることとなるように必
要な情報の提供その他の措置を講ずる責務を有する。
3 前2項に定めるもののほか、事業者は、環境の保全上
の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その
他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製
品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環
境への負荷の低減に資するために必要な措置を講ずる
よう努めるとともに、その事業活動において、再生資源そ
の他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を
利用するように努めなければならない。
4 前3項に定めるもののほか、事業者は、その事業活動に
関し、環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する環
境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
(市民の責務)
第6条 市民は、環境の保全上の支障を防止するため、そ
の日常生活において、環境への負荷の低減に配慮し、
公害の防止及び環境の適正な保全に努めなければなら
ない。
2 前項に定めるもののほか、市民は、市が実施する環境
の保全に関する施策に協力する責務を有し、地域の環
- 126 -
境保全活動に積極的に参加するように努めるものとする。
(環境週間)
第7条 事業者及び市民の間に広く環境の保全について
の関心と理解を深めるとともに、積極的に環境の保全に
関する活動を行う意欲を高めるため、環境週間を設ける。
2 環境週間は、6月5日からの1週間とする。
3 市は、環境週間の趣旨にふさわしい事業を実施するよう
に努めなければならない。
(施策等の公表)
第8条 市長は、毎年、環境の状況、環境の保全に関する
施策の実施状況等を公表するものとする。
第2章 環境の保全に関する基本的施策等
(環境基本計画の策定)
第9条 市長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ
計画的な推進を図るため、船橋市環境基本計画(以下
「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるもの
とする。
(1) 環境の保全に関する総合的かつ長期的な目標
(2) 環境の保全に関する施策の方向
(3) 前2号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施
策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじ
め船橋市環境審議会の意見を聴かなければならない。
4 市長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これ
を公表しなければならない。
5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用す
る。
(市の施策の策定等に当たっての配慮)
第10条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を
策定し、及び実施するに当たっては、環境の保全に十
分に配慮しなければならない。
(環境影響評価の措置)
第11条 市は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある
事業について、事業者が環境への影響について自ら適
正に調査、予測又は評価を行い、その事業に係る環境
の保全について適正に配慮することを推進するため、必
要な措置を講ずるものとする。
(環境の保全上の支障を防止するための規制)
第12条 市は、環境の保全上の支障を防止するため、次
に掲げる必要な規制の措置を講ずるものとする。
(1) 公害を防止するために必要な規制の措置
(2) 自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがあ
る行為に関し、その支障を防止するために必要な規制
の措置
2 前項に定めるもののほか、市は、人の健康又は生活環
境に係る環境の保全上の支障を防止するため、必要な
規制の措置を講ずるように努めなければならない。
(環境の保全に関する協定の締結)
第13条 市は、環境の保全上の支障を防止するため、事
業者等と環境の保全に関する必要な協定を締結するよう
に努めるものとする。
(誘導的措置)
第14条 市は、事業者又は市民が自ら環境への負荷を低
減するための施設の整備その他の適切な措置をとるよう
に誘導することにより環境の保全上の支障を防止するた
め、特に必要があるときは、適正な助成その他の措置を
講ずるように努めるものとする。
2 市は、事業者又は市民が自ら環境への負荷の低減に
努めるように誘導することにより環境の保全上の支障を
防止するため、適正な経済的負担を求める措置につい
て調査及び研究を行い、その結果、その措置が特に必
要であるときは、市民の理解の下に、その措置を講ずる
ように努めるものとする。
(環境の保全に関する施設の整備その他の事業の推進)
第15条 市は、緩衝地帯その他の環境の保全上の支障を
防止するための公共的施設の整備及び汚泥のしゅんせ
つ、貴重野生動植物の保護その他の環境の保全上の支
障を防止するための事業を推進するため、必要な措置
を講ずるものとする。
2 市は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設その他の環
境の保全上の支障の防止に資する公共的施設の整備
を図るため、必要な措置を講ずるものとする。
3 市は、自然環境の健全な利用を図るため、公園、緑地
その他の公共的施設の整備事業を推進するものとする。
4 前3項に定めるもののほか、市は、自然環境の適正な整
備及び創出のための事業の推進に努めるものとする。
(環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進等)
第16条 市は、環境への負荷の低減を図るため、資源の
循環的な利用、エネルギーの有効利用及び廃棄物の減
量が促進されるように努めるものとする。
2 市は、再生資源その他の環境への負荷の低減に資す
る原材料、製品、役務等の利用が促進されるように努め
るものとする。
(市民の意見の反映)
第17条 市は、環境の保全についての施策に市民の意見
を反映させるため、環境の保全についての施策のあり方
等について市民から提言を受けるために必要な措置を
講ずるものとする。
(環境の保全に関する学習の推進)
第18条 市は、市民及び事業者が環境の保全についての
理解を深めるとともにこれらの者の環境の保全に関する
活動を行う意欲が増進されるようにするため、環境の保
全に関する学習の機会の提供、広報活動の充実その他
必要な措置を講じ、環境の保全に関する学習の推進を
図るものとする。
(民間団体等の自発的な活動を促進するための措置)
第19条 市は、市民、事業者又はこれらの者の組織する
民間の団体(以下「民間団体等」という。)が自発的に行
う緑化活動、美化活動、生活排水浄化活動、再生資源
に係る回収活動その他の環境の保全に関する活動を促
進するため、必要な支援措置を講ずるものとする。
(情報の提供)
第20条 市は、環境の保全に関する学習の振興及び民間
団体等が自発的に行う環境の保全に関する活動の促進
に資するため、環境の状況その他の環境の保全に関す
る必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。
(調査の実施)
第21条 市は、環境の状況の把握、今後の環境の変化の
予測に関する調査その他の環境を保全するための施策
の策定に必要な調査を実施するものとする。
(監視等の体制の整備)
- 127 -
第22条 市は、環境の状況を把握し、及び環境の保全に
関する施策を適正に実施するために必要な監視、測定、
試験及び検査の体制の整備に努めるものとする。
(科学技術の振興)
第23条 市は、環境の保全に関する科学技術の振興に努
めるものとする。
第3章 地球環境保全の推進
第24条 市は、地球環境保全に資する施策を積極的に推
進するものとする。
第4章 環境の保全の推進体制等
(環境の保全の推進体制の整備)
第25条 市は、事業者及び市民との協力により、環境の保
全を推進するための体制を整備するものとする。
(国及び他の地方公共団体との協力)
第26条 市は、広域的な取組が必要とされる環境の保全
に関する施策について、国及び他の地方公共団体と協
力して、その推進を図るものとする。
第5章 船橋市環境審議会
第27条 環境の保全に関する基本的事項を調査審議させ
る等のため、船橋市環境審議会(以下「審議会」という。)
を置く。
2 審議会は、次に掲げる事務をつかさどる。
(1) 環境基本計画に関し、第9条第3項に規定する事項
を処理すること。
(2) 市長の諮問に応じ、環境の保全に関する基本的事
項を調査審議すること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、他の条例の規定により
その権限に属させられた事務
3 審議会は、23人以内の委員をもって組織する。
4 委員は、環境の保全に関し学識経験のある者のうちか
ら市長が委嘱する。
5 委員の任期は2年とし、補欠委員の任期は前任者の残
任期間とする。ただし、再任を妨げない。
6 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に
関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第27条及
び次項の規定は、平成9年8月1日から施行する。
(船橋市公害対策審議会条例の廃止)
2 船橋市公害対策審議会条例(昭和38年船橋市条例第
16号)は、廃止する。
- 128 -
3.用語解説
炭素を含む燃料が不完全燃焼する際に発生し、
主な発生源は自動車である。
【あ行】
一酸化炭素が体内に吸入されると、血液中のヘ
ISO14001
モグロビンと結合して酸素の補給を妨げ貧血を起
企業活動、製品及びサービスの環境負荷の低
こしたり、中枢神経を麻痺させたりする。
減といった環境活動の改善を実施する仕組みが継
上乗せ基準
続的に改善されるシステムを構築するために要求
大気汚染防止法・水質汚濁防止法では、工場
される規格をいう。
等から排出されるばい煙または排出水等について
青潮
一律に適用される基準がある。しかし、自然的・社
海岸から沖合にかけて酸素をほとんど含まない
会的条件から判断して国の設定する基準だけでは
青白い水面が広がる現象で東京湾では春から秋
生活環境の保全等が不十分と認められる区域また
にかけて発生することが多い。
は水域については、大気汚染防止法第4条第1項
大量に発生したプランクトンの死骸が海底に沈
および水質汚濁防止法第3条第3項に基づき、都
み分解する時に、酸素を消費して海底に酸欠状態
道府県知事が条例でより厳しい排出基準(上乗せ
の水塊ができ、陸から沖に向かって吹く風などの気
基準)を設定できる。
象条件によって、酸素の少ない底層水が沿岸部の
表層に湧き上がる時に発生する。底層水に溶け込
オゾン層
んでいる硫黄分が水面近くで酸素に触れて粒子状
大気中のオゾンは、その約90%が地上から10~
となり青白く見えるといわれている。青潮の発生に
50km上空の成層圏と呼ばれる領域に集まってお
より、沿岸部に生息するアサリなどの貝類やカレイ
り、通称「オゾン層」と呼ばれている。地球を取り巻
などの底生魚類が大量に酸欠死することがある。
くオゾン層は、太陽光に含まれる紫外線の内有害
なものの大部分を吸収しているが、このオゾン層が
赤潮
特定フロン等の物質により破壊されることにより、地
海域における富栄養化現象のひとつで、海中の
上に到達する有害紫外線の量が増加し、人の健
微小な生物(主に植物プランクトン)の異常増殖に
康や生態系などに悪影響が生じる恐れがあるとさ
より海面が変色する現象をいう。赤色に変色するこ
れている。
とが多いが、プランクトンの種類により黄褐色や緑
汚濁負荷量
色などにも変色することがある。
汚濁物質の濃度と水量の積によって算出される
主として夏に多発し、魚介類のえらをつまらせ、
値。
呼吸困難などの悪影響を及ぼすこともある。
河川などの水質が濃度規制では改善されない
硫黄酸化物(SOx)
場合に汚濁負荷量を用いて規制する総量規制が
石油などの硫黄分を含んだ燃料が燃焼して生じ
導入されている。
る汚染物質。一般的には燃焼過程で発生するの
は大部分が二酸化硫黄(SO2:亜硫酸ガス)であり、
温室効果ガス
赤外線(熱線)を吸収する作用を持つ気体の総
無水硫酸(SO3)が若干混じる。環境基準は、二酸
称。大気がなければ-18℃にもなる地球は、温室
化硫黄について定められている。
硫黄酸化物は、人の呼吸器に影響を与えたり、
植物を枯らしたりする。
効果ガスが大気中に存在することで地表の気温が
平均15℃程度に保たれている。この温室効果ガス
の増加により地球全体がまるで「温室」の中のよう
一酸化炭素(CO)
に気温が上昇する現象が地球温暖化である。
- 129 -
二酸化炭素(CO₂)のほかに、メタン、一酸化二
グリーン購入法
窒素、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフル
オロカーボン(PFC)、六ふっ化硫黄などである。
国等による環境物品等の調達の推進等に関す
る法律のこと。
国等による環境物品等の調達の推進、情報の
【か行】
環境影響評価法(環境アセス法)
提供その他の環境物品等の需要の転換を促進す
るために必要な事項を定めている。平成12年6月
環境に影響を及ぼす事業について、その実施
前に事業者自らがその環境影響を調査・予測・評
価することを通じ、適切な環境保全対策を検討す
るなど、その事業を環境保全上望ましいものとして
いく仕組みである。本法は、環境影響評価に係る
に成立し、平成13年4月1日から施行された。
国は、毎年調達方針を作成し、実績を公表する
こととなる。地方自治体には努力規定がある。
K値規制
国等の責務、必要な手続き等を規定し、その適切
施設ごとに煙突の高さに応じた硫黄酸化物許容
かつ円滑な実施と、環境保全対策の的確な実施を
排出量を求める際に使用する大気汚染防止法で
確保するための法律として、平成11年6月11日から
定められた定数である。K値は地域ごとに定められ
施行された。
ており、施設が集合して設置されている地域ほど
千葉県には、条例が制定されている。
規制が厳しく、その値も小さい。
環境家計簿
光化学オキシダント(Ox)
日々の生活において、環境への負荷を与える行
大気中の窒素酸化物や炭化水素が太陽光に含
動や環境によい影響を与える行動を記録し、必要
まれる紫外線を受けて光化学反応を起こして発生
に応じて点数化したり、収支決算のように一定期間
する二次汚染物質で、オゾン、PAN(Peroxyacety-
の集計を行ったりするもの。
lnitrate)等の強酸化性物質の総称である。
このオキシダントが原因で起こる光化学スモッグ
環境基準
は、日ざしの強い夏季に多く発生し、目やのどなど
人の健康を保護し、生活環境を保全するうえで
維持されることが望ましい基準をいう。
現在、大気汚染、水質汚濁、騒音、航空機騒音、
の粘膜、呼吸器を冒すことがある。
降下ばいじん
新幹線鉄道騒音及び土壌汚染等に係る環境基準
が定められている。
大気中の汚染物質のうち自己重量により、また
は雨滴に含まれて地上に落下するばいじん、粉じ
ん等をいう。
揮発性有機化合物(VOC)
大気中に排出され、又は飛散したときに気体で
公共用水域
ある有機化合物で、代表的な物質としては、トルエ
河川、湖沼、港湾、沿岸海域など広く一般の利
ン、キシレン、酢酸メチルなどがある。主なもので約
用に開放された水域及びこれらに接続する下水路、
200種類あり、浮遊粒子状物質や光化学オキシダ
用水路等公共の用に供する水域をいう。
ントの原因物質の一つである。
こどもエコクラブ
グリーン購入
商品やサービスを購入する際に、価格、機能、
品質だけでなく、「環境」の視点を重視し、環境へ
の負荷ができるだけ少ないものを優先的に購入す
ること。
幼児(3歳)から高校生までなら誰でも参加できる
環境活動のクラブ。
子どもたちの環境保全活動や環境学習を支援
することにより、子どもたちが人と環境の関わりにつ
いて幅広い理解を深め、自然を大切に思う心や、
- 130 -
環境問題解決に自ら考え行動する力を育成し、地
るとともに、廃棄物の発生の抑制及び再生資源及
域の環境保全活動の環を広げることを目的として
び再生部品の利用の促進に関する措置を講ずる
いる。
ことを目的としている。
【さ行】
酸性雨
重金属類
厳密な定義づけはないが一般的には比重が4~
石炭や石油等の化石燃料の燃焼などに伴って
5以上の金属の総称で、そのうちの毒性の強いカド
発生する硫黄酸化物や窒素酸化物は、大気中へ
ミウム、六価クロム、鉛、水銀などが水質・土壌の環
放出されて雲粒に取り込まれ、最終的に硫酸イオ
境基準や排水基準に定められている。
ン、硝酸イオン等に変化する。このイオンを含んだ
強い酸性の降雨を酸性雨という。
その多くは生体内に蓄積される性質があるため、
微量でも軽視はできない。
雨水は、自然の状態でも大気中の炭酸ガスが溶
け込み、弱酸性であることから、一般にはpHが5.6
以下の雨を酸性雨としている。
循環型社会
廃棄物等の発生を抑制し、排出されたものはで
きるだけ資源として循環的に利用し、どうしても利
三点比較式臭袋法
用できないものは適正に処分することが徹底される
悪臭を人の鼻(嗅覚)で測定するいわゆる官能
法の一種で、悪臭を含む空気が入っている袋を1
つと無臭の空気だけが入っている袋を2つの計三
つの袋の中から試験者に悪臭の袋の入っている袋
を当ててもらう方法である。6人以上の試験者によ
って行い、悪臭を次第に薄めながら不明又は不正
解になるまでこれを繰り返す。その結果を統計的に
ことにより、天然資源の消費が抑制され、環境への
負荷が低減される社会をいう。
循環型社会形成推進基本法
環境基本法の理念にのっとり、「循環型社会」の
形成のための基本法として平成12年6月に制定さ
れた。
循環型社会形成のための基本原則、国、地方
処理した値を臭気濃度とする試験方法である。
公共団体、事業者、国民の責務、国の施策等に関
三番瀬
して定めている。
船橋市・市川市の地先に広がる干潟・浅海域。
古くから漁業が営まれ、水質浄化の機能を有し、
浄化槽
し尿等の汚水を沈澱分離あるいは微生物の作
野鳥など多くの生物の生息地となっている。
用による腐敗又は酸化分解等の方法によって処理
COD(化学的酸素要求量)
し、それを消毒、放流する装置をいう。
Chemical Oxygen Demandの略
水洗トイレのし尿のみを処理する施設を単独処
BODとともに有機物などによる水質汚濁の程度
理浄化槽、生活雑排水(厨房排水、洗たく排水等)
を示すもので、酸化剤を加えて水中の有機物と反
応(酸化)させた時に消費する酸化剤の量に対応
する酸素量を濃度で表した値をいう。
も一緒に処理する施設を合併処理浄化槽という。
食品リサイクル法
食品循環資源の再生利用等の促進に関する法
資源有効利用促進法
律のこと。
資源の有効な利用の促進に関する法律のこと。
食品廃棄物の発生抑制と減量化により最終処
資源が大量に使用されていることにより、使用済
物品等及び副産物が大量に発生し、廃棄されてい
分量を削減し、肥飼料等の原材料としての再生利
用を促進していくことを定めたもの。
ることにかんがみ、資源の有効な利用の確保を図
- 131 -
振動レベル
窒素及びりん)に基づく総量規制がある。
振動の大きさの感じ方は、振幅、周波数などによ
って異なる。物理的に測定した振動の加速度レベ
ルに振動感覚補正を加味して表す。単位は、デシ
【た行】
ダイオキシン類
廃棄物の焼却等の過程で非意図的に生成され
ベル(dB)。
る化学物質で、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン
水準測量
(PCDD)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)を加え
一般的には高さを決定するための測量全般をい
た210種の有機塩素化合物を総称して、ダイオキシ
うが、地盤沈下や地殻変動等の調査では、水準点
ン類という(ダイオキシン類対策特別措置法では、
を基準点として用い、標高の変化を極めて精度の
コプラナーPCBを加えてダイオキシン類としている)。
高 い方 法 (精 密水 準測量 ) に よ り、 地 盤変 動を
分解しにくい性質を持つことから、環境中に微量で
0.1mmの単位で求めている。
あるが広く存在し、生物の体内に蓄積しやすく、発
がん性、催奇形性、免疫機能の低下などの毒性を
水準点
土地の標高を表す標石で地盤変動状況などを
有するといわれている。
WECPNL(加重等価平均感覚騒音レベル)
調べるための基準として用いられる。
日本では、全国の国道や主要な道路沿いに約
2kmごとに設置されている。
航空機騒音測定、評価のために考案されたもの
で航空機騒音の特異性、継続時間の効果、昼夜
の別等も加味した騒音のうるささの単位である。
生態系
ある地域の生物群集と無機的環境からなる1つ
炭化水素(HC)
の物質系。生物群集と無機的環境の間には動的
炭素と水素とからできている化合物を炭化水素
平衡関係があり、1つの恒常性を持った系となる。
といい、メタン、エタン、プロパン、アセチレン、ベン
生物的構成要素は、生産者、消費者、分解者に、
ゼン、トルエン等があり、有機溶剤や塗料、プラス
無機的環境の構成要素は大気、水、土壌、光など
チック製品等の原料として使用されている。
に分けられる。系内では無機物→有機物→無機物
主として、塗料・印刷工場、化学工場やガソリン
という物質代謝が行われ、それに従ってエネルギ
スタンド等の貯蔵タンクからも発生するほか、自動
ーあるいは物質が循環している。人間による自然
車等の排出ガスにも含まれている。窒素酸化物とと
の開発は、この自然の平衡を崩し、別の生態系へ
もに光化学オキシダントの原因物質の1つである。
と変質させる。
地球温暖化対策の推進に関する法律
騒音レベル
平成10年10月に制定され、地球温暖化防止に
音に対する感じ方は、音の強さ、周波数の違い
によって異なる。騒音の大きさは、物理的に測定し
係る行政・事業者・国民の責務や各主体の取り組
みを促進するための措置等を定めている。
た騒音の大きさに、周波数ごとの聴感補正を加味
地方公共団体には地球温暖化防止に関する
して表す。単位はデシベル(dB)。
「実行計画」の策定が求められている。
総量規制
地球温暖化対策地域推進計画
環境基準を達成するため、その地域にある工場
地球温暖化対策推進法第4条第2項に規定する
等の排出源に排出量等を割り当て、工場等を単位
地方公共団体の責務である「温室効果ガスの排出
として規制すること。現在、大気汚染防止法(硫黄
の抑制等のための施策の推進」に際し、これを計
酸化物と窒素酸化物)と水質汚濁防止法(COD・
画的・体系的に実施するとともに、市環境基本条
- 132 -
例第3条第4項に示した基本理念に基づき、地球
動車をいう。
温暖化対策を明らかにしたもので、平成20年3月に
策定した。
実用化されている主な車種として、電気自動車、
天然ガス自動車、メタノール自動車、ハイブリット自
動車がある。また、九都県市指定公害車とは、国の
地質環境
排ガス規制を25%以上低減している自動車をいう。
地質環境は、「地層」・「地下水」・「地下空気」か
らなっており、地層のうち特に地表面付近の風雨
テレメータシステム
や太陽光線による風化作用を受け、生物活動の場
となっている部分が「土壌」といわれている。また、
ある地点の測定値を遠隔地点に設置した受信
機に送り、記録させるシステム。遠隔計器ともいう。
地層、地下水、地下空気の汚染を総称して「地質
汚染」という。
環境監視テレメータシステムでは、環境大気濃
度等自動測定器で測定したデータを、無線や専用
回線を使用して監視室に送信し、得られたデータ
窒素酸化物(NOx)
窒素酸化物は、石油、ガス等燃料の燃焼に伴っ
を集中管理している。
天然ガスかん水
て発生し、その発生源は工場、自動車、家庭の厨
房施設等、多種多様である。燃焼の過程では一酸
天然ガスを溶存している塩分の濃い地下水で、
化窒素(NO)としても排出されるが、これが徐々に
太古の海水が地下深くに閉じ込められたものであ
大気中の酸素と結びついて、二酸化窒素(NO2)と
る。ヨウ素も多く含まれており、ヨードの原料ともなる。
なる。環境基準は二酸化窒素について定められて
本県一帯の第3紀層中に存在している。
いる。
窒素酸化物は人の呼吸器に影響を与えるだけ
でなく、光化学スモッグの原因物質の一つとなって
いる。
特定フロン
オ ゾ ン 層 保 護 法 で 定 め る CFC11 、 CFC12 、
CFC13、CFC14、CFC15の5物質である。これらの
物質は、成層圏で紫外線により分解されて塩素原
調節池
子を発生させ、オゾン分子を分解させる作用を果
総合治水対策の一環として、雨水を一時的に貯
留して、出水量ピーク時の流量を調節する施設の
こと。
たす。この反応は連鎖的に行われるため、オゾン
層が破壊される。
トリハロメタン
DO(溶存酸素)
メタン(CH4)の4つの水素原子(H)のうち3つが、
水中に溶けている酸素のこと。水の自浄作用や
水中生物の生存には欠くことのできないもので、河
塩素などのハロゲン原子に置き換わった化合物の
総称で、発ガン性、催奇形性があるとされている。
川等の水が有機物で汚濁されると、これを分解す
河川水等水道原水中のフミン質などの有機物と
るため、水中の微生物が溶存酸素を消費すること
浄水処理の過程で使用される塩素が反応して生
で少なくなるため魚介類に悪影響を及ぼす。
成される。
数値が低くなるほど、汚濁が著しいことを表して
いる。
【な行】
二次汚濁・二次汚染
低公害車
公共用水域に流入する排水などに含まれる窒
従来のガソリン車、ディーゼル車に比べ、NOx、
素・りんなどが栄養源となり、光合成によりプランクト
粒子物質、CO2といった大気汚染物質や地球温暖
ンが発生・増殖して臭気などが発生し、水道水や
化物質の排出が少ない、または全く排出しない自
漁業などに影響するなど二次的な汚れを引き起こ
- 133 -
すことをいう。
濃度を1ppmという。
また、大気汚染の原因となる光化学スモッグも二
次汚染である。
ビオトープ
「生物」を意味するBioと「場所」を意味するTope
【は行】
パートナーシップ
とを合成したドイツ語で、野生生物が食物連鎖によ
り循環し生息できる空間を意味する。
両者が互いに対等の当事者として認めあい、協
調・協働する関係。
干潟
干潟とは、海と陸との境界にあって、潮汐により
冠水と干出を繰り返す部分で、泥又は砂でできて
廃棄物減量等推進員
市民参加によるごみの減量やリサイクルを進め
るため、自治会や各種団体から推薦を受けて市が
委嘱した人。
いる。河口部に多く見られ、海と川の両方の影響を
受けている。三番瀬は代表的な干潟である。
微小粒子状物質(PM2.5)
浮遊粒子状物質(SPM)のうち、粒径2.5マイク
PRTR法
特定化学物質の環境への排出量の把握等及び
管理の改善の促進に関する法律のこと。
有害性のある様々な化学物質の環境への排出
量を把握することにより、化学物質を取り扱う事業
者の自主的な管理の改善を促進し、化学物質によ
ロメートル以下の小さなもの。一般にPM2.5と呼ば
れる。微小粒子状物質は、粒径が小さいことから、
肺の奥深くまで入りやすく、様々な健康影響の可
能性が懸念されている。
富栄養化
る環境の保全上の支障が生ずることを未然に防止
閉鎖性水域において、河川などから窒素、りん
することを目的として、平成12年3月から施行されて
などの栄養塩類が運び込まれて豊富に存在するよ
いる。
うになり、生物生産が盛んになることをいう。
BOD(生物化学的酸素要求量)
浮遊粒子状物質(SPM)
Biochemical Oxygen Demandの略
大気中に気体のように長期間浮遊しているばい
CODとともに有機物による水質汚濁の程度を示
すもので、有機物などが微生物によって酸化、分
じん、粉じん等の微粒子のうち粒径が10ミクロン以
下のものをいう。
解される時に消費する酸素の量を濃度で表した値
をいう。数値が大きくなる程汚濁が著しいことを表し
閉鎖性水域
地形などにより水の出入りが悪い内湾、内海、湖
ている。
沼等の水域をいう。
pH(水素イオン濃度指数)
ベンゼン(C6H6)
水(溶液)の酸性、アルカリ性の強さを示すもの
芳香族炭化水素の1つでベンゾールともいう。水
で、pH7が中性、これより小さくなるほど酸性が強く
に溶けにくく有機溶剤に溶けやすい。常温常圧で
なり、大きくなるほどアルカリ性が強くなる。
は無色の液体で特有の芳香があり、揮発性、引火
ppm
性が高い。人体に対する影響は、急性毒性として
Parts per millionの略。
麻酔作用が、慢性毒性として骨髄造血機能の障害
汚染物質の濃度を表示する単位。100万分の1
がある。
が1ppmとなる。したがって、大気汚染の場合は、1
m3の大気中に1cm3の汚染物質が存在する場合の
- 134 -
【ま行】
水循環
とができる基準となる数値。
地表、海面から蒸発した水蒸気が、雨となって、
地表におり、一部は地下水となり、一部は表流水と
【ら行】
ラムサール条約
正式には、「特に水鳥の生息地としての国際的
なって、川を流れて海に至るという循環のこと。この
循環が自然に行われることにより、人間の水利用
が可能になり、水質の浄化、多様な生態系の維持、
気候の緩和といった機能が働く。
に重要な湿地に関する条約」のこと。
各国が適当な湿地の指定と登録を行い、登録湿
地の保全、人為的干渉による変化などの情報の通
報、湿地への自然保護区の設定と水鳥の保全など
【や行】
有害大気汚染物質
について協力することを定めている。
我が国でも、46ヵ所が登録され、本市の近くでは
継続的に摂取される場合には人の健康を損なう
恐れがある物質で大気汚染の原因となるものをい
う。
特に排出又は飛散を早急に抑制すべき物質
(指定物質)として、ベンゼン、トリクロロエチレン、
テトラクロロエチレンの3物質が大気汚染防止法で
指定されている。
谷津干潟があり、三番瀬も登録のための検討が始
まっている。
リサイクル
いったん使用され廃物となったものを捨てずに
回収して、再び資源として利用すること。
ごみ焼却施設から発生する熱を利用した発電な
ど熱エネルギーを回収するサーマルリサイクルと原
有機塩素系化合物
材料として利用したり、化学的に物質を変化させて
炭素又は炭化水素に塩素が結合した一連の化
合物の総称をいう。このうちトリクロロエチレン、四
塩化炭素などの有機塩素系溶剤は、金属・機械部
再生利用したりするマテリアルリサイクルなどがある。
レッドデータブック
絶滅のおそれのある野生動植物の種をリストアッ
品の洗浄などに広く使われ、地下水や土壌への環
プしその現状をまとめた報告書。名称は、IUCN(国
境汚染が問題となっている。
際自然保護連合)が初めて発行したものの表紙に
湧水
赤い紙が使われていたことによる。
雨水等が地下に浸透し、低地部などから湧き出
た水。清水。
我が国では、動物については1991年に環境庁
から「日本の絶滅のおそれのある野生生物」が、植
物については1989年に(財)日本自然保護協会・
容器包装リサイクル法
容器包装に係る分別収集及び再資源化の促進
に関する法律のこと。
一般廃棄物の容積比の6割を占める容器包装の
リサイクル促進を図るため平成7年に制定された。
世界自然保護基金日本委員会から「我が国にお
ける保護上重要な植物種の現状」が作成されてい
る。
また、千葉県版レッドデータブックも作成されて
いる。
消費者、市町村の分別排出・収集、容器の利用・
路上喫煙ポイ捨て防止条例
製造事業者、包装利用事業者の再商品化義務、
再商品化のルールなどに関して定めている。
路上喫煙、ポイ捨て及びごみの散乱の防止に関
して、市、事業者、市民等の責務を明らかにし、清
要請限度
自動車交通騒音・振動の測定結果を基に、法律
により公安委員会等に改善等の措置を要請するこ
潔、安全及び快適な生活環境を確保するため、平
成16年3月に制定した。
- 135 -
船橋市内を流れる海老川。 海老川沿いは、春には美しい桜並木となる。
平成25年版 船橋市の環境
” みんなでつくり 未来へつなぐ 恵み豊かな環境 ”をめざして
平成26年2月発行
船橋市 環境部 環境保全課
〒273-8501 船橋市湊町2丁目10番25号
●TEL 047-436-2450
●船橋市ホームページ
URL http://www.city.funabashi.chiba.jp/
●環境保全課ホームページ
URL http://www.city.funabashi.chiba.jp/soshiki/080000/080100/080101/index.html
Fly UP