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Title ナノ座標測定における光放射圧マイクロ

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Title ナノ座標測定における光放射圧マイクロ
Title
Author(s)
ナノ座標測定における光放射圧マイクロプローブに関す
る研究
道畑, 正岐
Citation
Issue Date
Text Version ETD
URL
http://hdl.handle.net/11094/2849
DOI
Rights
Osaka University
博 士論文
ナノ座 標 測 定 に お け る
光 放 射 圧 マイ ク ロ プ ロ ー ブ に 関 す る研 究
DEVELOPMENTOFLASERTRAPPINGBASED
MICROPROBESYSTEM
FORNANOCOORDINATEMETROLOGY
大阪大 学 大学 院工 学研 究科 機械 工学専攻
道畑 正 岐
2009年12月
論文審査委員会
主査
高谷 裕浩
大阪大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 教授
副査
竹内 芳美
大阪大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 教授
副査
箕島 弘二
大阪大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 教授
副査
山内 和人
大阪大学 大学院工学研究科 精密科学 ・応用物理学専攻 教授
要旨
ナノ座 標 測 定 にお け る光 放 射 圧 マイ ク ロ プ ロー ブ に関 す る研 究
この 数 十 年 間 で、 マイ クロ加 工 技 術 は 目覚 ま しい 進 歩 を遂 げ、 加 工 精 度 はサ ブ睥 に達 す る。 一 方で 、 マイ
ク ロ部 品 の幾 何 形 状 を評 価 す る技 術 は、 現 在 もな お未 成 熟 で あ る。 近 年 、 ナ ノCMM(座
標 測 定機)の 開発 が
進 ん で い るが、 精 度 の ボ トル ネ ッ クは測 定 面 の位 置 を検 出す るマイ クロ プロ ー ブで あ る。 プ ロー ブ球 の ス
ケ ー ル が数 十 卿 以下 に達 す る とス ケ ー ル効 果 な どで、 測 定 の不 確 か さが増 大 す る。 そ こで、 本 研 究 で は 、 マ
イ ク ロ領 域 で の プ ロ ーブ球 と測 定 面 との特 異 な 現 象 の理 解 を深 め、 高 感 度 な プ ロー ブ を 開発 す る こ とを本 研
究 の 目的 と し、 レー ザ トラ ップ技 術 を用 い た光 放 射圧 マ イ ク ロ プ ロ ー ブ を提 案 す る。
レー ザ トラ ッ プ技 術 に よって 直 径8オmの
シ リカ微 粒 子 を空 間 に捕 捉 し、 プ ロー ブ球 と して 用 い る。数 値 解
析 に よって プ ロ ー ブ の ば ね定数 を検 証 した 結 果 、 数 十オN/mと
従 来 の もの よ り小 さ く、 微 小 な 力 も検 出可 能
で あ っ た。 基 礎 実験 と して プロ ー ブ球 を測 定 面 に接 近 させ る と、 プ ロ ー ブ球 は測 定 面 の極 近 傍 で 力 学 的作 用
で200㎜ 程度 の 変 位 を受 けた 。 この よ う に プ ロー ブ球 と測 定面 間 に微 小 な力 が発 生 し、本 プ ロー ブで測 定 面
の位 置 を検 出可 能 で あ る こ とが確 認 で きた 。 また 、 この 検 出 を高 感 度 にす るた め、 プ ロ ー ブ球 を微 小 振 動 さ
せ る振 動 プ ロ ー ブ を用 い た 結果 、25㎜ 以 下 の 感 度 を 示 した 。
次 に 、 プロ ー ブシ ステ ム を設 計 試 作 した。 プ ロー ブ球 の高 精 度 な制 御 と位 置測 定 が 求 め られ る。 位 置 制 御
はAODに
よ り レー ザ焦 点位 置 を制 御 し、位 置 測 定 に は プ ロ ーブ 球 の後 方 散 乱 光 を取 得 す る。 また 、 プ ロ ー ブ
信 号 か ら現象 を理 解 す るた め 、 プ ロー ブ球 の 力 学 振動 モ デル を提 案 した 。Langevin方 程 式 を基 に ばね ダ ンパ
系 に よって 表 現 し、 プ ロー ブ振 動 の周 波 数 応 答 を実 験 と比 較 す る こ とで そ の正 当性 を確 認 した 。 そ の モ デ ル
よ り実 験 的 に プ ロー ブ球 の ば ね定 数 を求 め た 結 果 、 数 十オN/mの
ぼね 定 数 が 確 認 され 、 数 値 解 析 と も高 い一
致 を示 した 。 こ こで 、 プ ロー ブの基 本 的 性 能 を 向 上 す るた め 、 捕 捉 光 源 に ラ ジ アル偏 光 を用 い た。 これ に
よって、 ば ね定 数 の3次 元 的 ば らっ きが14%}こ 撒
、 作 動 距 離 も3.4㎜
と従 来 の10倍 以 上 に拡 大 で き た。 ま
た 、 プ ロー ブ性 能 を 評価 す るた め、 プロ ー ブ シ ス テム を搭 載 可 能 な 測 定 シス テ ム を設 計 お よ び試 作 し、 そ の
運動 性 能 を評 価 した 。 ヘ テ ロ ダイン レー ザ 干 渉 計 に よ る評 価 の結 果 、 ス テ ー ジ運 動 性 能 は数 十 ㎜ 程 度 で あ
り、 十分 な機 能 を持 つ と確 認 で きた 。
位 置検 出の 基 本 的原 理 を検 証 した 。 プ ロ ー ブ球 が測 定 面 に接 近 す る と空 気 の圧 縮 ・膨 張 に よ り、 プ ロ ー ブ
球 に作用 す る粘 性抵 抗 が増 大 す る。 実 験 に よって 、測 定面 のCオm近
傍 で プ ロー ブ球 に働 く粘 性 抵 抗 係 数 が 急
激 な 変 化 を確 認 し、 実 際 に プ ロ ー ブ振 動 が 減 衰 さ れ た 。 特 に、 振 幅 の 減 衰 は急 峻 で10㎜ 程 度 の検 出分 解 能
が得 られ た 。 一 方 で、 水 平 面 を座標 測 定 す る際 、 プR一 ブ に特 異 な信 号 が 現 れ る。 これ は 、測 定 面 か らの 反
射 光 と捕 捉 光 源 が干 渉 し発 生 す る定 在 波 で あ り、 プロー ブ球 の ばね 定 数 を変 化 させ る。 結 果 、 位 置 検 出 の精
度 の低 下 を招 く。 この 影響 を低 減 す るた め に、 プ ロ ーブ の励振 周 波 数 に着 目 し、 ば ね定 数 の変 化 に鈍 感 で粘
性 抵 抗 係 数 の変 化 に 敏 感 な励 振 周 波 数 を検 討 した と ころ 、 プ ロ ー ブ の共 振 周 波 数 よ り も800Hz程 度低 い 周 波
数 が 最 適 で あ る こ とが確 認 で きた 。 これ に よ って測 定 面 を±64㎜ で 座 標 測定 を可 能 と した 。
また 、 ダ ン ピ ング効 果 が プ ロー ブ球 と測 定 面 の 方 向 に よって、 そ の減 衰 の程 度 が異 な る とい う現 象 を利 用
して 、 測 定 面 の 位置 と法 線 方 向 を測 定 可 能 な プ ロ ー ビ ン グ手 法 を提 案 した 。 プ ロ ーブ球 を水 平 に2次 元振 動
させ 、 円 軌 道 を描 か せ る。2次 元 振 動 プ ロ ー ブが 測 定 面 に接 近 す る と、振 動 方 向 の粘 性 抵 抗 力 の 違 いか ら円
軌 道 が 楕 円軌 道 に変 化 す る。 この楕 円 の 短 軸 角 度 か ら測 定面 の 法線 方 向、 短 軸 長 さか ら測 定 面 位 置 を検 出 し
た 。 そ の結 果 、 位 置 検 出の 分解 能 は39㎜
が 得 られ、 面 の法 線 方 向 の 角 度 測 定 は±1.5°
の精 度 が得 られ た 。
こ の よ うに、 マイ ク ロ領 域 で の振 動 プ ロ ー ブ と測 定 面 間 の粘 性 抵 抗 係 数 の 変化 とい う相 互 作 用 を明 らか に
し、 約20㎜
以 下 の高 感 度 な位 置 検 出 を達 成 した 。 また 、 測 定 面 の位 置 と法 線 方 向 を 同 時測 定 可 能 な新規 な
プ ロ ー ビ ング手 法 を 開発 し、 ナノCMMマ
イ ク ロ プ ロー ブ と して の有 効 性 を示 した 。
ABSTRACT
Development
of laser trapping-based
microprobe
system
for nanocoordinate
metrology
In only a few decades, microfabrication technology has grown from nascency into an established manufacturing system
with submicrometer accuracy. However, no concomitant development has take place in the evaluation technology for
microparts, particularly in three-dimensional (3D) measurement, which is still in development. This realization has
recently led to increased focus on the development of technology for practical nano-coordinate measuring machines
(nano-CMMs). The key—and hence the bottleneck—in realizing a nano-CMM system is the microprobe system. This is
because for features smaller than several dozen micrometers, the probing uncertainty is considerably exacerbated by
scaling effects. This study aims to understand the interactions that occur between a probe sphere and a surface at the
microscope and to thus realize a microprobe system appropriate for a nano-CMM. To this end, this study explores the
possibility of using the laser trapping technique for a practical microprobe system.
The proposed system comprises an optically trapped silica particle of 8 1.tmdiameter serving as the probe sphere.
Numerical analysis revealed that the stiffness of the probe system is on the order of several dozen micronewton per
meter—much lower than that of conventional probes. This soft probe can therefore detect very small interaction forces.
A fundamental study showed that close to a target surface, the surface forces produce a deviation 200 nm in the probe
sphere. Thus, the microprobe satisfies the requirements of a surface sensing probe. For increased sensitivity, the probe
sphere was oscillated to act as a vibro-probe. Consequently, this vibro-probe achieved a sensitivity better than 25 nm.
A prototype probe system was designed and manufactured. The position of the probe sphere was controlled by shifting
the focal point of the trapping laser using an acousto-optic deflector (AOD). The position of the probe sphere was
measured by detecting the light backscattered off of it. The behavior of the vibro-probe was modeled as a dynamic
mass–spring–damper system using the Langevin equation. The predictions of the proposed model were in good
agreement with experimental data. The stiffness measured using this model was on the order of several dozens
micronewton per meter. Further, it was found that a radially polarized trapping laser beam reduced the change in the 3D
stiffness of the probe in various probing directions by 14% and increased the working distance to 3.4 mm, which is 10
times greater than that of a conventional probe. Next, this probe was integrated with a prototype CMM that was
specially designed for evaluating the performance of the probe system. The dynamic properties of the coordinate stage
were evaluated by a heterodyne interferometer. The test results showed that the stage had a positioning accuracy of
several dozen nanometer.
In the analysis of the system, the principle of position detection was first investigated. Experiments revealed that the
viscous drag force on the probe increased drastically during probing due to the compression and expansion of air.
Further, it was found that the oscillation of the probe decreased and the sensing resolution was 10 nm by monitoring the
probe amplitude. However, the situation was different when the probe interacted with a flat surface normal to the optical
axis. The retroreflected and forward scattered light interfered to form a standing wave around the probe sphere and
surface. This standing wave affected the stiffness of the probe system and deteriorated the probing accuracy. It was then
found that probe accuracy could be increased by controlling the oscillating frequency, which should be set at a value
such that the probe is sensitive to damping effect but does not exhibit stiffness fluctuation. Experiments confirmed that
the optimum oscillating frequency was approximately 800 Hz lower than the resonance frequency. With this
optimization, the position sensing accuracy was ±64 nm.
The damping effect acting on the probe is anisotropic; that is, it varies with the direction in which the probe is
oscillated. To exploit this characteristic, a new probing technique is proposed by which the surface position and surface
angle can be measured simultaneously. With this technique, the probe is oscillated circularly in the focal plane. And
when the probe approaches the target surface, the orbit of the probe oscillation changes from circular into elliptical. The
length of the minor axis indicates the position of the surface and the minor axis angle indicates the surface angle. This
technique was implemented and achieved a resolution in position detection of 39 nm and an accuracy in surface angle
measurement of ±1.5°.
At the microscale, the oscillated microprobe experiences a change in the viscous drag force near a surface, which damps
the probe oscillation. The proposed microprobe achieved a resolution of better than 20 nm in measuring the position of
a surface and could also simultaneously measure the angle of the surface via the damping effect.
目次
第1章
緒
i
論..................
1.1研
究
背
景................
1
i.a三
次
元
座
3
1.3ナ
ノCMMと
標
測
定
器.............
マ イ
ク ロ
ノCMM開
1.3.2マ
イ
ク
ロ
ブR一
ブ 開
1.3.3マ
イ
ク
ロ
プ
ブ
研
究
の
の
ロ
L3.1ナ
1.4本
発
プ
ロ ー
現
4
ブ.......
4
状..........
発
の 動
の 課
題
6
向......
点
と 要
求 仕
9
様..
12
目 的...............
1.4.1光
放
射
1.4.2研
究
目 的...............
第2章
ー
レ ー ザ
圧
ト ラ
プ ロ
ッ
ー
プ 技
ブ
コ
ン セ
プ
12
ト......
12
13
術...........
2.1緒
言..................
13
2.2光
放 射
13
圧.................
2.2。1電
磁
波
基 礎
理
2.2.2光
の エ
ネ ル
ギ
2,2.3光
子
よ る 力.............
に
13
論............
14
と 力...........
の
16
2.3レ
ー ザ
ト ラ
ッ
プ 技
術
歴
史
的 展
2.4レ
ー ザ
ト ラ
ッ
プ 原
理.。..........
17
望......
18
2.4.1基
本
原
理...。...........
is
2.4.2偏
光
作
用...............
18
2.5結
第3章
19
言...................
数
値
解 析
に よ
る 光
言..................
3.2光
放
圧
プ
射
圧
ロ
ー ブ 基
本
的 特
線
追
跡 法..............
3.2.2光
線
追
跡
シ
ミ
ュ
レ ー
3.2.3光
放 射
圧
プ
ロ ー
ブ 基
3.2.4捕
捉
源...............
3.3プ
ロ
ー
ビ
ロ ー
ブ
の 特
性
評
価
ン グ 時
に 受
20
性........
タ 確
本
特
認.......
23
性.......
23
24
け
る 影
響
評
25
価......
26
3.3.1FDTD法...............
3.3.2FDTDシ
ミ ュ
3.3.3反
射
3.3.4シ
ャ
3.4結
第4章
レ ー
タ 確
29
認........
29
光................
ド ウ 効
29
果.............
30
言..................
位
置
検
出 基
礎
実
4.1緒
言..................
4.2プ
ロ ー
ブ 球
4.2.lLinnik干
接
験
4.2.3反
射
装
験............
31
31
近
渉
4.2.2実
zo
20
3.2.1光
光
プ
20
3.1緒
射
放
実
計
験............
を 用
い
た
31
プ
置...............
ミ ラ ー
の 調
整..........
ロ
ー
ブ 球
位
置
測
定
31
32
33
4.2.4プ
ロ ー ブ 球 変 位 測 定.....
33
4.2.5位
置 検 出 可 能 性 の 検 証....
34
4.2.6標
準 ガ ラ ス 球 の 座 標 計 測...
35
4.3光
37
軸 方 向 振 動 プ ロ ー ブ.....
4.3.1プ
ロ ー ブ 球 の 光 軸 方 向 振 動..
37
4.3.2実
験 装 置..........
38
4.3.3位
置 検 出..........
40
方 向 振 動 プ ロ ー ブ......
40
4.4横
4.4.1プ
ロ ー ブ 球 の 横 方 向 振 動...
40
4.4.2実
験 装 置..........
41
4.4.3位
置 検 出...........
42
45結
第5章
42
言....................................
プ ロ ー ブ シ ス テ ム 設 計 お よ び 試 作
43
5.1緒
言.............
43
5。2設
計 の 要 点...........
43
5.2.1プ
ロ ー ブ 球 の 位 置 制 御....
43
5.2.2プ
ロ ー ブ 球 の 位 置 測 定....
44
5.3光
放 射 圧 プ ロ ー ブ 光 学 系.....
44
5.4ラ
ジ ア ル 偏 光..........
46
5.5ロ
ッ ク イ ン 検 出.........
47
5.6プ
ロ ー ブ ユ ニ ッ
48
5.7結
言..............
第6章
ト 試 作......
48
座 標 計 測 シ ス テ ム 設 計 お よ び 試 作
49
49
6.1緒
言.............
6.2ナ
ノ 座 標 計 測 シ ス テ ム 開 発 動
6.3計
測 シ ス テ ム の 概 要.......
49
6.4座
標 ス テ ー ジ の 構 成.......
50
6.5ス
ケ ー ル 校 正..........
52
65.1ヘ
テ ロ 列
65.2リ
ニ ア ス ケ ー ル の 校 正....
向..
ン レ ー ザ 干 渉 計..
49
52
53
6.6座
標 ス テ ー ジ 運 動 精 度 評 価....
53
6.7結
言..............
57
第7章
光 放 射 圧 プ ロ ー ブ の 振 動 特 性.....
58
7.1緒
言.............
58
7.2プ
ロ ー ブ 球 捕 捉 方 法......
58
7.3光
軸 方 向 ト ラ ッ プ 効 率.....
60
7.4プ
ロ ー ブ 球 振 動 測 定.......
61
7.5振
動 プ ロ ー ブ 力 学 モ デ)L,....
62
7.6ば
ね 定 数............
64
7。7環
境 変 化 に 対 す る プ ロ ー ブ 感 度...
65
7.8結
言.................................
67
第8章
位
置
検
出
の
検
69
8.2位
置
69
検
出
原
性
斜
8.3水
平
面
理
の
解
抵
抗
係
数
ピ
ン
グ
効
面
位
置
検
ン
8.2.3傾
位
置
検
明............................
の
果
変
化...........................
を
用
い
た
位
置
検
69
70
出.....................
n
出...........................
72
出.............................
8.3.1定
在
波
の
存
在..............................
72
8.3.2定
在
波
の
理
論
的
解
釈...........................
72
83.3定
在
波
が
ロ
ー
ブ
に
与
え
74
8.3.4プ
ロ
ー
ブ
振
条
件
の
検
討..................・
8,4プ
ロ
ー
8.53次
ブ
元
8.6結
的
に
プ
励
検
起
因
出
特
す
る
不
確
か
る
影
響.....................
・.・..
さ........................
測
定
面
位
置
お
よ
74
76
78
性.............................
80
言................................
第9章
び
法
線
方
向
同
時
測
定
法..................
81
9.1緒
言..................................
81
9.2測
定
原
理..................................
81
9.3実
験
装
置..................................
81
9.4測
定
原
理
の
確
認...............................
83
9,5位
置
お
よ
び
法
線
84
方
向
時
測
定.......................
ロ
ー
ブ
励
振
9.5.2測
定
性
能
評
価.............................
元
9,7結
座
標
測
条
同
9.5.1プ
9.62次
件...........................
定..............................
結
ロ
II測
ー
定
ブ
面
球
粗
ャ
ド
ウ
IV機
能
性
プ
Vエ
ッ
VI定
数
ジ
計
リ
径
計
IIIシ
86
91
補
正
法.............................
測............................
効
ロ
92
の
影
響............................
95
ー
ブ
の
試
96
作..........................
測..............................
ス
91
果
ト...................・.・....・.・..・.
考
文
献...................................gg
関 連
発
表
論
85
論.................................88
録.....................................
1プ
84
87
言.................................
第10章
謝
69
証............................
言..................................
8.2.2ダ
参
理
8.1緒
8.2.1粘
付
原
文................................114
辞...................................116
97
98
ChapterI:Introduction
第1章
1.1研
緒論
究背景
急 速 に 高 ま る 製 品 の 小 型 化 や 高 精 度 化 へ の 要 求 を 満 足 す べ く加 工 技 術 の 進 歩 は 著 し い[1]。 谷 口 が 予 測 し た
よ う に[2,3]、 近 年 で は ナ ノメ ー トル オ ー ダ の 精 度 を 持 っ た 加 工 技 術 も多 く登 場 して い る 。MEMS(Microelectro-mechanicalsystems)、
マ イ ク ロ マ シ ン(Micro-machine)、オTAB(micro-totalanalysissystems)な
どに代 表
さ れ る サ ブ ミ リメ ー トル 以 下 の マ イ ク ロ 部 品 や 構 造 を 扱 う シ ス テ ム も様 々 提 案 され 、 そ れ ら を実 現 す る 基 盤
技 術 の 発 展 が 著 し い 。 現 在 、 マ イ ク ロ 製 品 ま た は 部 品 と呼 ば れ る も の は 機 械 部 品 、MEMS、
生 医 学 用 デバ イ
ス 、 化 学 分 析 器 、 光 学 部 品 な どの 分 野 に ま た が る[4]。 図1.1に 代 表 例 と して マ イ ク ロ ギ ア(図1.1(a))、 マ イ ク
ロ コ ネ ク タ(図1.1(b))、 マ イ ク ロ レ ン ズ(図1.1(c))を
示 し た 。 こ れ ら様 々 な マ イ ク ロ 製 品 お よ び 部 品 が 実 現 さ
れ始 め て い る 中で 、 それ らの設 計 機 能 を 発揮 す るた め評 価 技 術 の 必 要性 が 指摘 されて い る。 特 に、 機 械 部 品
や 光 学 部 品 な ど で は 形 状 評 価 が 必 要 で あ り[8]、DVDの
ピ ッ ク ア ッ プ レ ン ズ な どの 光 学 部 品 は ナ ノ メ ー トル
オ ー ダ の 形 状 精 度 が 要 求 さ れ る[ll]。 光 学 部 品 は い わ ゆ る2.5次 元 の 構 造 が 多 く、 これ らの 形 状 は 一一
般 的 には
白 色 干 渉 計 、 共 焦 点 顕 微 鏡 、 焦 点 型 顕 微 鏡 や 触 針 式 形 状 計 測 器 で 評 価 さ れ て い る[4,9-11]。
機 械 部 品 に 関 して は 、 超 精 密 機 械 加 工[12-16]、 マ イ ク ロ 光 造 形[17-21]、LIGAprocesな
技 術[22-24]、 マ イ ク ロ放 電 加 工[25-28]、
mm以
プ ラ ス チ ッ ク 成 形 技 術[29,30]な
どの リ ソ グ ラ フ ィ ー
どマ イ ク ロ 加 工 技 術 の 発 展 に よ り数
下 の 寸 法 で マ イ ク ロ メ ー トル オ ー ダ の 構 造 を も つ とい う よ う な 小 型 化 も実 現 さ れ 始 め て お り[31]、 そ の
加 工 精 度 は サ ブ マ イ ク ロ メ ー トル に 達 す る 。 マ イ ク ロ 放 電 加 工(Electrodischargedmachining,EDM)の
直 径 が1オmの
電極 は
も の も開 発 さ れ[27】、 電 極 材 料 の選 択 や グ ラ フ ァイ ト粉 末 を 添 加 す る な ど加 工 液 の 工 夫 な ど で
そ の 加 工 精 度 は サ ブオmオ
ー ダ に 達 す る[26]。 ま た 、 マ イ ク ロ 光 造 形 法 で は 、 光 の 回 折 限 界 に よ っ て 加 工 オ ー
ダ は 限 定 さ れ て き た が 、 近 接 場 光[17]や2光
子 吸 収[18,19]な
どで 自 由 度 の 高 い 構 造 を サ ブオmオ
ー ダで加 工 す
る こ と が 可 能 で あ る 。 超 精 密 機 械 加 工 は 、 エ ァ ベ ァ リ ン グ や 流 体 軸 受 、 リ ニ ア モ ー タ や 静 圧 ガ イ ドな ど に よ
る精 度 向 上 が 図 られ[13]、 超 音 波 楕 円 振 動 な ど加 工 法 の 工 夫 も加 え[16]、 加 工 分 解 能 は ナ ノ メ ー トル オ ー ダ ま
で 達 して い る[14]。 現 在 、ROBOnanoUi(Fanac社)、UltraNano100(Sodic社)な
ど10nm以
下 の加 工 分 解 能 を持
つ 加 工 機 も 商 用 化 さ れ て い る[15]。 プ ラス チ ッ ク 射 出 成 形 技 術 で は 、 射 出 時 の 背 圧 の フ ィ ー ドバ ッ ク制 御
や 、 高 精 度 な 金 型 を 用 い る こ とで 直 径0.15mm以
下 の マ イ ク ロ ギ ア[32]を 作 成 す る こ と も 可 能 と な っ て い る 。
図1.2に 示 す よ う に 、 近 年 、 部 品 の 寸 法 は 数mm以
下 に マ イ クロ化 し、形 状 は複 雑 な もの を加 工 可 能 とな っ
て い る 。 こ の よ う に マ イ ク ロ部 品 の 製 造 は 実 現 さ れ 始 め て い る 。 しか しな が ら 、 こ れ ら の 評 価 技 術 は 未 成 熟
で あ る 。 例 え ば 、5軸 の マ シ ニ ン グセ ン タ な ど は 加 工 さ れ た 部 品 の 幾 何 学 的 な 誤 差 を 評 価 す る こ とが 求 め ら
れ て い る[33]。 ま た 、 マ イ ク ロ ギ ア に 関 して も標 準 的 な 形 状 測 定 器 は な く、 そ の 結 果 、 工 業 規 格 の 整 備 が 遅
れ 、 マ ス タ ー ギ ア の 形 状 保 証 も 困 難 な 状 況 で あ る[34,35]。 現 状 、 企 業 な どの 現 場 で は2次 元 や2.5次 元 的 に 従
来 の 測 定 器 を用 い て 測 定 し、 独 自 の 基 準 を 設 け て 評 価 して い る†。 こ の よ う に 近 年 、 数mmオ
テ株 式 会社 樹 研 工 業
ーダの部品や製
原 敏 明 氏 へ の取 材 よ り(2009年6月24日)
i
品 で も厳 密 な 寸 法 管 理 体 制 の 整 備 が 求 め られ て い る[36]。 し か し な が ら 、 複 雑 な 構 造 を 持 っ た マ イ ク ロ部 品
の3次 元 的 な 形 状 を 高 精 度 に 測 定 す る技 術 は 未 だ に 開 発 段 階 で あ り、 そ の 開 発 は 急 務 と な っ て い る。
こ れ ま で に 、 マ イ ク ロ部 品 の 形 状 を評 価 す る様 々 な 測 定 法 が 提 案 さ れ て き た 。 物 体 表 面 を"な ぞ る"表 面 粗
さ 計 は 高 い 分 解 能 を 持 ち 、 マ イ ク ロ 部 品 の 形 状 プ ロ フ ァ イ ル 測 定 に お い て 活 躍 して い る が[37-40]、3次
元の
形 状 を 測 定 す る に は 至 って お らず 、 測 定 物 へ の ダ メ ー ジ の 恐 れ も あ る[40]。 一 方 、 測 定 精 度 が 高 く、 非 接 触
か っ 高 速 測 定 が 可 能 な 点 か ら特 に 光 を用 い た 顕 微 鏡 が 急 速 に 発 展 した 。 高 速 に3次 元 形 状 が 測 定 可 能 な 格 子
パ タ ー ン 投 影 法(Fringeprojection)[41]や
microscopy)[43,44]、
、 白 色 干 渉 計(Whitelightinterferometer)[42]、
移 動 焦 点(Focusvariation)顕
共 焦 点 顕 微 鏡(Confbcal
微 鏡[45]、 焦 点 検 出 型(Auto-focus)顕
微 鏡[46]な どが 高 い 性
能 を 示 して い る 。 しか し、 マ イ ク ロ 部 品 に も3次 元 の 幾 何 的 な 測 定 が 求 め ら れ 始 め 、 高 い 空 間 周 波 数 を もっ
構 造 に 対 して 、 光 学 顕 微 鏡 で は形 状 保 証 に 難 が あ る。 広 い 視 野 を 持 ち 、 か つ ナ ノ メ ー トル オ ー ダ の 分 解 能 を
持 っ 電 子 顕 微 鏡 が 測 定 に 用 い られ 、 測 長SEM(Criticaldimension-scanningelectronmicroscopy,CD-SEM)が
発 さ れ た[47]。 高 い 性 能 を 持 つCD-SEMで
あ るが 、 数nmに
開
絞 っ た 電 子 ビー ム を 測 定 面 に 照 射 し2次 電 子 な ど を
検 出 す る た め に 真 空 環 境 が 必 須 で あ り、 ま た3次 元 の 形 状 を 保 証 す る ま で に は 至 っ て い な い 。 従 来 の 製 品 や
部 品 に 対 して 、3次 元 的 な 絶 対 形 状 の 標 準 器 と して 、 座 標 測 定 器(Coordinatemeasuringmachine,CMM)が
の 生 産 ラ イ ン に 取 り入 れ られ て き た[48]。CMMは
neering)に
多 く
製 品 最 終 検 査 や リバ ー ス エ ン ジ ニ ァ リ ン グ(Reverseengi-
お い て 重 要 な 役 割 を 果 た して い る が 、 従 来 のCMMは
プ ロ ー ブ 径 が 小 型 な も の で1∼05mmで
あり
[49]、 マ イ ク ロ 部 品 を 測 定 す る こ とは 困 難 で あ る 。 これ ら の 現 状 を 打 破 す る た め に 、XオCT(Computer
tomography)が
提 案 さ れ 高 い 期 待 を 集 め て い る[50,51]。
しか し、 測 定 精 度 が 限 られ 、 外 乱 が 多 様 、 測 定 物 が
限 定 さ れ る な ど実 用 化 に は今 す こ し 時 間 を 要 す る 。 一一
方 、 ボ トム ア ッ プ 的 な ア プ ロ ー チ に よ っ て 、SPM
(Scanningprobemicroscopy)を
利 用 し た3次 元 形 状 計 測 が 試 み ら れ て き た[52-55]。SPMで
は 、 数 ナ ノ メ ー トル
オ ー ダ に 先 鋭 化 さ れ た プ ロ ー ブ と測 定 面 との 問 で 働 く物 理 的 な 相 互 作 用 力 を 検 出 す る が 、 先 鋭 化 さ れ た プ
ロ ー ブ で は ア ス ペ ク ト比 が 確 保 で き ず 急 な 傾 斜 を 持 っ た3次 元 形 状 の 測 定 に は 工 夫 が 必 要 と な る[55]。 ま た 測
定 範 囲 の 拡 大 が 問 題 点 と な っ て い る 。H.N.Hansenら
に よ って ま と め られ た 図 を 図L3に
示 す。 こ の よ う に 、 マ
イ ク ロ 部 品 の3次 元 的 な 幾 何 形 状 を保 証 可 能 な 測 定 器 は 未 だ 開 発 段 階 で あ る 。
3次 元 形 状 計 測 に 求 め られ る 測 定 精 度 は ど の 程 度 で あ る か 。 従 来 の 部 品 製 品 で は 、 寸 法 精 度104か
ら10-6ま
で が 様 々 な 測 定 方 法 に よ って 保 証 さ れ 、 工 業 規 格 な どが 体 系 化 さ れ て き た 。 そ の 中 で 従 来 のCMMは10-5以
の 相 対 精 度 を 達 成 し、 そ の 役 割 を 果 た して き た[57]。 こ の よ う に こ れ ま で 、 基 準 寸 法1∼0.1mの
て は10∼1オmの
上
部 品 に対 し
精 度 で 形 状 保 証 が 可 能 で あ り、 これ は 従 来 の 加 工 精 度 を 保 証 す る 上 で も十 分 で あ っ た 。 しか
し現 状 お よ び 将 来 的 に は 、 上 記 の よ う な マ イ ク ロ 加 工 技 術 が 発 展 し、 マ イ ク ロ 部 品 の基 準 寸 法 は 数mm以
下
Figure1.3:Classificationofdimensionalmeasurement
methodbyH.N.Hansenetal.[4].
z
Chapter1:Introduction
に及 ぶ 。 こ れ に 従 来 の 基 準 を 適 用 す る と、 基 準 寸 法10∼lmmに
対 して100∼10㎜
の測 定 精 度 が 求 め られ
る 。 今 後 、 マ ・fクロ 技 術 の 発 展 の た め に は 、 マ イ ク ロ 部 品 に 対 す る ス ケ ー ル イ ン タ ー フ ェ ー ス[56,57]を 確 立
す る こ とが 重 要 で あ り、 現 在 ギ ャ ッ プ と な っ て い る マ イ ク ロ オ ー ダ の3次 元 形 状 校 正 技 術 が 求 め ら れ る[48]。
そ の た め に 、 ト レー サ ビ リ テ ィ ー 体 系 の 整 備 が 重 要 と な る[58】。 した が っ て 、 国 家 的 標 準 を 提 供 す る 国 立 研
究 所 が 中 心 とな り、 従 来 のCMMの
1.2三
更 な る 高 精 度 化 が 多 く行 わ れ て い る[59]。
次 元 座 標 測 定 器(CMM)
三 次 元 座 標 測 定 器(CMM)と
は 、 日本 工 業 規 格(JIS)に
よ る と、 プ ロ ー ブ シ ス テ ム を 移 動 さ せ 、 測 定 物 表 面
上 の 空 間 座 標 を 決 定 す る 能 力 が あ る 測 定 シ ス テ ム 、 と あ る[60]。 更 に 、 拡 張 的 に 被 測 定 物 の 寸 法 や 形 状 を3次
元 座 標 値 の 点 群 デ ー タ と して と ら え 、 デ ー タ処 理 に よ り演 算 し測 定 値 に 変 換 す る こ とを 基 本 機 能 とす る も の
と定 義 さ れ る 場 合 も あ る[61]。
CMMは1960年
社 が1968年
に イ ギ リス のFerranti社 に よ っ て 世 界 で 始 め て 開 発 さ れ た(図1.4)[62]。
に 初 め て 国 産CMMを
動 測 定 可 能 なCMMを
生 産 し た 。 更 に 、1973年
日本 で は 、Mitutoyo
に は ドイ ツ のZeiss社 が コ ン ピ ュ ー タ 制 御 に よ る 自
生 産 し 、 飛 躍 的 な 需 要 の 高 ま り を 見 せ た 。 自 動 測 定CMMは
検 査 工 数 の 低 減 と品 質 の 向
上 を 可 能 に し 、 昨 今 の3次 元 形 状 の 計 測 評 価 、 保 証 を 行 う上 で 最 も よ く用 い ら れ る 計 測 器 とな っ た 。CMMの
一 例 と して
、 図15にZeiss社
のUPMCI200Caratを
示 す 。 現 在 で は 、CMMは3次
元 形 状 評 価 の 標 準 機 と して 、
多 くの も の づ く り現 場 な どで 用 い られ て お り[48,58]、 そ の 工 業 規 格 はJISB7440やISO10360な
CMMの
どに詳 しい。
構 成 は プ ロ ー ブ シ ス テ ム と測 定 器 の 構 成 か ら10種 に 分 類 さ れ て い る[60]。 一 般 的 にCMMは3軸
の直 交
座 標 を 持 ち 、3軸 の 垂 直 自 由 度 と そ れ に 付 随 す る3つ の 回 転 自 由 度 か ら21自 由 度 も つ[63]。 そ の た め 、 測 定 不
確 か さ を低 減 す る の は 難 し く、 プ ロ ー ブ の 測 定 パ ス[64]、 温 度 ド リ フ トの 補 正 方 法[65,66]、
法[67,68]、 校 正 方 法[69-77]な
プ ロ ー ブ径 補 正
ど様 々 な 研 究 に よ り測 定 不 確 か さ を 改 善 し 、 高 い 精 度 ・信 頼 性 を 示 す 測 定 が
試 み ら れ て い る 。 ま た 、 実 際 は 測 定 不 確 か さ を 評 価 す る こ と 自 身 が 容 易 で は な く、 校 正 用 ア ー テ ィ フ ァ ク ト
の 提 案[78,79]やVirtualCMM[80-84]1こ
CMMを
よ る 測 定 不 確 か さ 評 価 法 な どが 提 案 さ れ て い る。
構 成 す る主 な 要 素 は プ ロ ー ビ ン グ シ ス テ ム 、 駆 動 機 構 、 案 内 、 ス ケ ー ル お よ び 制 御 シ ス テ ム な どで
あ る 。 こ こ で 、 本 論 文 で 用 い る プ ロ ー ブ を 中 心 と した 重 要 な 用 語 を 定 義 す る 。
・ プ ロ ー ビ ン グ(Probing):座
・ プ ロ ー ブ(Probe):プ
標 値 を 決 定 さ せ る動 作 の こ と
ロ ー ビ ン グ 中 に信 号 を 発 生 さ せ る装 置
・ プ ロ ー ブ 球(Probesphere):測
定 物 と接 触 す る 球 状 の 機 械 的 な 要 素
・ プ ロ ー ブ シ ャ フ ト(Probeshaft):プ
・ プ ロ ー ブ シ ス テ ム(Probesystem):プmブ
ロ ー ブ球 を 固 定 す る機 械 的 な 要 素
並 び に プ ロ ー ブ シ ャ フ ト、 プ ロ ー ブ 球 で 構 成 さ れ る シ ス テ ム
3
1.3ナ
ノCMMと
こ れ ま でCMMは
マイク ロプ ロー ブ
工 業 用 部 品 や 製 品 の3次 元 形 状 を 評 価 す る た め に 開 発 さ れ 、 ま た 用 い られ て き た 。 そ の 製
品 は 一 般 的 に は 自動 車 や 家 電 製 品 、 ま た そ れ ら の 金 型 な どで あ る。 つ ま り これ まで ヒ ュ ー マ ン ス ケ ー ル の 製
品 や 部 品 に 対 してCMMは
発 展 を遂 げ て きた。 近 年 、 市 場 の要 求 や加 工 技 術 の 進 歩 に よ って製 品 の小 型 化 は
急 速 に 進 ん で い る 。 そ の 構 成 部 品 の 寸 法 は 数mmに
達 し 、 これ ま で のCMMで
は その 形 状 精 度 を保 証 で きず 、
市 場 要 求 を 満 足 で き て い な い 。 そ の た め 、2次 元 も し く は2.5次 元 的 な 測 定 器 を代 用 し製 品 を 評 価 して い る の
が 現 状 で あ る 。 ま た 、 標 準 的 評 価 装 置 も未 確 立 で あ る た め 、 小 型 部 品 の 工 業 規 格 が 未 整 備 と な って い る。 そ
の 結 果 と して 当 然 、 製 品 の 歩 留 ま り は 下 が り、 信 頼 性 も低 下 す る 可 能 性 が あ る 。
こ の 状 況 を 打 破 す る た め 、1991年
にK.Takamasuら
に よ っ て 超 高 精 度CMMで
あ る ナ ノCMMの
コンセ プ トと
要 求 仕 様 が 提 案 さ れ た[85]。 現 在 で は 、 多 くの 企 業 、 研 究 所 や 共 同 プ ロ ジ ェ ク トな どで ナ ノ メ ー トル オ ー ダ
の 精 度 を 持 つ 超 高 精 度CMMで
1.3、1ナ
ノCMM開
K.Takamasuら
あ る ナ ノCMM(nanoCMM)†
を 盛 ん に 開 発 し 、 一 部 商 品 化 さ れ 始 め て い る。
発 の 現 状
は ナ ノCMMの
重 要 な フ ァ ク タ ー は ス ケ ー ル 、 ア ク チ ュ エ ー タ、 テ ー ブ ル 、 ナ ノ プ ロ ー ズ
テ リ ア ル で あ る と述 べ て い る[85]。H.Schwenkeら
ま す ま す 重 要 で あ る と述 べ た[86]。 ま た ナ ノCMM実
は 小 型/高 精 度 化 す るCMMに
マ
お いて 、 プ ロー ブ シス テ ム が
現 に 向 け た 共 通 の 課 題 点 と して 、 測 定 器 を 構 成 す る た め
に 必 要 な ナ ノ メ ー トル オ ー ダ の 形 状 精 度 を 持 つ ア ー テ ィ フ ァ ク ト を得 る こ と が 非 常 に 困 難 で あ る 。 こ の 様
に 、 ナ ノCMMで
は ス ケ ー ル が 小 さ くな る こ とに よ っ て 、 通 常 のCMMと
同様 の問 題 に加 えて 、 この よ うな新
た な 課 題 を 抱 え る。 こ こ で は まず 、 世 界 各 国 で 開 発 さ れ て る最 新 の 高 精 度 なCMMや3次
元 形 状 測 定器 の 開発
に つ い て 述 べ る。
1990年 代 後 半 か ら2000年 初 頭 に か け、 ヨ ー ロ ッパ の 国 立 研 究 所 を 中 心 に 多 くの 高 精 度CMMが
め 、2000年 代 初 頭 か ら ヨ ー ロ ッパ な ど の 国 立 研 究 所 が 高 精 度 なCMMを
[48]、 企 業 や 大 学 が ナ ノCMMの
†目標 仕 様 の違 い な どか ら超 高 精 度 なCMMに
度 に 着 目 し、 ナ ノCMMと
呼ぶ。
用 い た 校 正 サ ー ビ ス を提 供 し は じ め
商 品 化 を 実 現 して き た 。 表1.1に 、 これ ま で に 発 表 さ れ た 高 精 度 化CMMお
び3次 元 形 状 測 定 機 に つ い て 代 表 的 な も の を ま とめ た 。2007年
4
開 発 され 始
に は ヨ ー ロ ッパ でNanoCMMpr(ejectな
よ
る もの
対 す る統 一 的 な名 称 は 未 だ 定 義 され て い な い 。本 論 文 で は その 分 解 能や 精
Chapter1:Introduction
Table1.1:Thestateofartsultraaccuratecoordinatemeasuringmachine.
Institute
Name
鍵(灘醗
c鰯隠勧鰍y顛e鍵
Country
㈱
購
糠
鞠r薤㎎ 纐 纏隴 εm嫩茎
1奪¢
垂登な
UK
3d
灘x§
s顧驪1醗驫
3D
鱒x嬲
Σ
舗 魅1◎0
癩§夢麟 勳
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懸 觀癒≦
3D
三鐙x支
1§A懸 輔
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3D
3蟹}x躪
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糠 垂.
Pa㈱ 獣癬c
飜離 鍔・
・
も
31>c醗 雑
鑓猟《}韆
燕し麗 継 飆
猷 ㈱
晦 韮
㈱ 鱒 嬬 鍍麟 磯
く籌鰍
が 始 動 し[87]、100㎜
懲瞬 ㈱ 繍
暇 毅
写艶 韆蜘
なX憩
鱒
κ3$
3穩
嚢窃×囎
45《 欝 》
鑢
激くき鷯 乎2購 醜 象
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253
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3D
紐総 雲
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3D
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漁網 農
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㈱X飆
其}鱒
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3R
3{憩 翼欝x黝
㈱
轟
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1蟹}X蠶 矯 麗s奪
灘
傘廴溝 騰 弓灘 勲a
以 下 の 測 定 不 確 か さ 実 現 に 向 け た 測 定 器 の 開 発 か ら ア ー テ ィ フ ァ ク トの 供 給 お よ び 校
正 法 の 確 立 を 目 指 して い る。 現 在 ま で に は 特 徴 的 な 成 果 は 発 表 さ れて い な い が 、 こ う い っ た プ ロ ジ ェ ク トに
よ っ て 多 くの 研 究 機 関 がCMMの
CMMの
高 精 度 化 に 向 け て 研 究 を 加 速 して い る こ とは 見 て 取 れ る§。 そ の 他 に も
高 精 度 化 に 向 け て 、 プ ロ ー ブ シ ス テ ム や 位 置 決 め ス テ ー ジ な ど に つ い て 数 多 くの 研 究 が 遂 行 さ れ て い
る[88-ll6]。 以 下 に 、 特 に2つ の 代 表 的 な ナ ノCMMに
イ ギ リ ス のNPL(国
つ い て 、 そ の 特 徴 を 紹 介 す る。
立 物 理 学 研 究 所 、Nationalphysicallaboratoly)で
け た 研 究 が 取 り組 ま れ 、SmallCMMを
は 、 い ち 早 く高 精 度 なCMMの
開 発 した[88-90]。 従 来 の 高 精 度CMMを
開発 に向
利 用 し、 従 来 プ ロ ー ブ シ ス テ
ム の 代 わ り に 、 三 面 鏡 と そ の 中 心 に マ イ ク ロ プ ロ ー ブ を 取 り付 け た(図1.7(a))。 干 渉 計 の 測 定 中 心 に プ ロ ー ブ
球 の 中 心 が 来 る よ う に 設 計 し、 干 渉 計 を 用 い て 三 面 鏡 の 変 位 を 測 定 す る こ とでAbbeの
誤 差 を抑 えて い る。 干
渉 計 は低 膨 張 材 で あ るInverTMで 製 作 さ れ た メ ト ロ ロ ジ ー フ レ ー ム に セ ッ トさ れ 、 サ ン プ ル も 同 じ フ レ ー ム 上
に 設 置 さ れ る 。 そ う して 、 熱 膨 張 の 影 響 を 抑 え る こ とが で き る 。 ま た 、 プ ロ ー ブ シ ス テ ム は マ イ ク ロEDMで
加 工 さ れ た ヒ ン ジ 型 プ ロ ー ブ を用 い て い る。 ヒ ン ジ 部 分 は 超 硬 とベ リ リ ウ ム 銅 を 用 い て お り 、 ヒ ン ジ 部 の ひ
ず み は3つ の 静 電 容 量 セ ン サ で 測 定 さ れ る(図1.7(c))。
計 さ れ 、0.1mN程
この プ ロ ー ブ シ ス テ ム は 特 に 測 定 力 に 重 点 を 置 い て 設
度 の 測 定 力 を 達 成 して い る 。 現 在 、 こ の プmブ
はIBSprecisionengineering社
のISARAシ
ス テ ム に も用 い られ て い る[109]。
ドイ ツ のPTB(物
理 工 学 研 究 所 、Physikalisch-technischebundesanstalt)で
発 さ れ て い る[100-101]。
エ ア ベ ア リ ン グ と分 解 能 が10㎜
は 、オCNNと
呼 ば れ る シス テムが 開
の リニ ア ス ケ ー ル を 用 い て 高 精 度 化 を 図 っ て い る。
ま た 測 定 不 確 か さ を 改 善 す る た め に 、InverT°'1を加 工 した メ トロ ロ ジ ー フ レ ー ム を 導 入 して い る 。 測 定 時 は プ
ロ ー ブ シ ス テ ム は 固 定 さ れ 、 メ トロ ロ ジ ー フ レ ー ム 上 に 設 置 さ れ た 測 定 物 が 移 動 す る 。 メ ト ロ ロ ジ ー フ レ ー
§euspen2009で
はNanoCMMprojectか
ら 多 くの 研 究 成 果 が 発 表 さ れ た 。
5
ム に は3つ の 参 照 ミ ラ ー が 取 り付 け ら れ 、 プ ロ ー ブ シ ス テ ム に はZerodur⑪
け ら れ て お り 、 そ の2面
で 作 ら れ た キ ュ ー ビ ッ ク が 取 り付
問 を メ ト ロ ロ ジ ー フ レ ー ム の 外 側 に 設 置 さ れ て い る6つ
を 測 定 して い る(図1.8(a))。
の 干 渉 計 に よ っ て 変 位 と角 度
プ ロ ー ブ シ ス テ ム は2つ 用 意 さ れ 、Opto-tactilemicro-probeと3D-boss-micro-probeで
あ る 。 こ こ で は 前 者 に つ い て 述 べ 、 後 者 は 次 項 で 述 べ る 。Opto-tactilemicro-probeで
先 端 の 球 を 用 い る(図1.8(c))。
光 入 射 し 、 先 端 球 と 同 様 にZ軸
1.3.2マ
は光 フ ァイバ
先 端 球 に 光 フ ァ イ バ を 通 し て 光 を 入 射 し 、 そ の 後 方 散 乱 光 をCCDセ
ニ タ す る 。 サ ン プ ル に 接 触 し た と き の 焦 点 位 置 の ズ レ を 検 出 す る 。Z軸
tactilemicro-probeは
は 、XY軸
は光 フ ァイバ の 中腹 の球 に外 部 か ら
変 位 を 検 出 す る 。 こ の プ ロ ー ブ の3次 元 不 確 か さ は0.7μmで
現 在Werth-messtechnik社
ンサ で モ
あ る 。2DのOpto-
よ り 商 品 化 さ れ て い る[119]。
イク ロ プ ロー ブ 開発 の 動 向
K.TakamasuやH.Schwenkeら
は 、 ナ ノCMMの
実 現 に 向 けた 最 も重 要 な要 素 の一 つ が プ ロ ー ブ シス テ ムで あ
る と述 べ て い る[85,86]。 実 際 、 多 くの 研 究 機 関 が 開 発 に取 り組 ん で い る も の の 市 場 要 求 を満 足 す る プ ロ ー ブ
シ ス テ ム は 未 だ ほ とん ど開 発 さ れ て い な い[120,122]。
本 節 で は、 世 界 の マイ クロ プ ロ ー ブ開 発 動 向 を述 べ た
後 、 マ イ ク ロ プ ロ ー ブ に お け る 現 状 を ま と め る。CMMの
プ ロ ー ブ は コ ン タ ク トプ ロ ー ブ と光 プ ロ ー ブ の2っ
に 大 別 さ れ る。 本 研 究 で は コ ン タ ク トプ ロ ー ブ に つ い て 扱 うた め 、 本 論 文 で は 光 プ ロ ー ブ に つ い て は 述 べ な
い 。 詳 し く は 参 考 文 献122、123な
1990年 代 の 始 め に 、 ナ ノCMMの
Takamasuら
ど に よ く ま とめ ら れ て い る。
開 発 と平 行 して 、 プ ロ ー ブ シ ス テ ム の 開 発 も 盛 ん と な っ た 。 例 え ば 、K.
は 中 空 円 管 の 先 に プ ロ ー ブ 球 を 真 空 引 き に よ っ て 捕 捉 し、 接 触 検 出 時 に 変 位 す る 球 を レ ー ザ に
よ っ て 測 定 し た[124,125]。
一 方 で 、 こ の 時 期 最 も 有 望 な プ ロ ー ブ と して 注 目 さ れ た の は 、 上 で 述 べ たNPLが
開 発 し た 様 な ヒ ン ジ 型 の プ ロ ー ブで あ る。NPLだ
け で な くオ ラ ン ダ のEindhoven大
学 で も ヒン ジ型 プ ロ ー ブが
開 発 され た 。彼 らは 、 ヒ ンジ の 変 位 を高 精 度 に測 定 す るた め に、 静電 容 量 セ ンサ を用 いた り、光 て こを用 い
た りした が 、最 終 的 に は ヒ ンジ に ピエ ゾ素 子 を用 い た ひ ず み ゲ ー ジ を埋 め込 み表 面 検 出 の高 精 度 化 を図 った
[126,127]。
こ のEindhovenの
れ て い る[128]。R.Furutaniら
プ ロ ー ブ も 商 用 化 が 進 み 、XPRESSprecision社
は 、 ヒ ン ジ を 用 い て 、R.Furutaniと
[130,131]。
して 販 売 さ
は 、 プ ロ ー ブ シ ャ フ トの 片 側 に 測 定 用 球 、 他 端 に 変 位 検 出 用 の 球 を 取 り付 け た
軸 を ヒ ン ジ に 取 り付 け て 、 変 位 検 出 の 高 感 度 化 を 図 っ た[129]。
(AIST)で
か らGANNENseriestと
また 近 年 、 日本 の 産 業 技 術 総 合 研 究 所
同様 の シ ス テ ムで プ ロ ー ブの 表面 検 出 の 高 精 度 化 を試 み て い る
ス イ ス のMETAS(Swissfederalofficeofmetrologyandaccreditation、
計 測 工 学 連 邦 事 務 所)で は 複 雑
な3次 元 湾 曲 ヒ ン ジ を マ イ ク ロ 放 電 加 工 に よ っ て 作 成 し、 そ の 変 位 を 電 磁 誘 導 型 セ ン サ で 測 定 した[107,132,
133]。 そ の 結 果3次 元 的 な 異 方 性 を 数nmに
+GANNENseriesは
6
ま で 低 減 し た[107]。 プ ロ ー ブ 球 に は ル ビー 球 を 用 い て い る が 、 現
日 本 語 の"元 年"に 由 来 して お り 、3Dmetrologyの
新 時 代 を 担 う と い う 意 味 が 込 め られ て い る 。
Chapter1:Introduction
Figurel.9:Micro-probesystemstructuredbasedonhingeandsoon.
Figure1.10:Micro-probesystembasedonopticalfiber.
7
在 ガ ラ ス や タ ン グ ス テ ン を 用 い た プ ロ ー ブ 球 の マ イ ク ロ化 に 精 力 して い る[133]。PTBで
probeと 称 し、 ヒ ン ジ の 代 わ り に シ リ コ ン の 薄 膜 を 用 い た[100,134]。
薄 膜 内 に ピエ ゾ 素 子 でWheatstonebridge
回 路 を 組 み 、 検 出 の 高 精 度 化 を 図 っ た[134]。 こ れ ら ヒ ン ジ 型 プ ロ ー ブ は10㎜
高 分 解 能 を 示 し た が 、 一 方 で プ ロ ー ブ 径 が 数 百オm程
オ ー ダ も し くは そ れ 以 下 の 超
度 で あ り、 次 世 代 の ナ ノCMMプ
で あ る。 こ れ ま で は 、 プ ロ ー ブ径 を 微 小 化 す る た め にMEMS技
は 、3D-boss-micro-
ロ ー ブ と して は 不 十 分
術 や 従 来 の ル ビ ー 球 な どが 用 い ら れ た が 、 プ
ロ ー ブ 径 の 微 細 化 か つ 高 真 球 度 が 開 発 の ボ トル ネ ッ ク と な っ た 。 そ こ で 近 年 、 マ イ ク ロEDM等
の 先端 技 術 を
用 い る例[135]、 微 小 領 域 で は 表 面 張 力 が 支 配 的 に な る こ と を 利 用 し た ガ ラ ス の 筒 の 先 端 を レ ー ザ に よ り球 状
化 す る技 術[136,137]、
タ ン グ ス テ ン ワ イ ヤ の 先 端 球 状 化[133]な
一 方 で 、PTBのOpto-tactilemicro-probeを
さ れ て い る 。T.Oiwaら
どが 提 案 さ れ 始 め て い る 。
皮 切 り に 、 光 フ ァ イ バ を 利 用 した プ ロ ー ブ シ ス テ ム も数 多 く提 案
は 光 フ ァ イ バ 束 を 用 意 し そ の 先 に プ ロ ー ブ 球 を 接 着 して 、 プ ロ ー ブ 球 の 測 定 面 接 触 を
高 感 度 に 測 定 で き る工 夫 を し た[138]。 ま た 、YTakayaら
は 、5オm径
の 光 フ ァイ バ 先 端 に 直 径8 ㎜ プ ロ ー ブ 球
を 光 放 射 圧 と静 電 気 力 な どの 表 面 吸 着 力 に よ る微 小 力 で 拘 束 し、 プ ロ ー ブ 球 か ら の 戻 り光 を 検 出 す る プ ロ ー
ブ を 提 案 し た[139]。H.Murakamiら
は 直 径30オmの
光 フ ァイ バ に50オmの
接 触 子 を作 成 し、接 触 時 の フ ァイバ
の た わ み を 光 学 的 に 測 定 し、2次 元 の マ イ ク ロ プ ロ ー ブ を 実 現 して い る[140,141]。
光 フ ァイ バ プ ロー ブ を難
し く して い る点 は 、 検 出 信 号 の 取 得 が 難 しい とい う こ とで あ る 。 そ こ で 、H.Jiら は 光 フ ァ イ バ にFBG(Fiber
Bragggrating)を
のNIST(国
用 い て 、 フ ァイ バ の ひ ず み を 光 の ス ペ ク トル と して 検 出 す る 手 法 を 提 案 し た[142]。 ア メ リ カ
立 標 準 技 術 研 究 所 、Nationalinstituteofstandardsandtechnology)で
も光 フ ァイ バ ー を 用 い た プ ロ ー
ブ シ ス テ ム を 開 発 して い る[143]。 しか し、 現 状 で は 、 光 フ ァイ バ プ ロ ー ブ は 、Z軸 方 向 の 検 出 が 難 し く3次 元
的 な 等 方 性 は 原 理 的 に 得 に くい こ と、 プ ロ ー ブ シ ャ フ トの 剛 性 が 低 い こ とが 課 題 と して 挙 げ られ る 。
こ れ ま で は トッ プ ダ ウ ン 型 の 開 発 に つ い て 述 べ た 。 他 方 、 ボ トム ア ッ プ 型 の プ ロ ー ブ も 提 案 さ れ て い る。
ナ ノ ス ケ ー ル の 表 面 計 測 技 術 にSPMが
て い る 。K.Mitsuiら
あ る が 、 そ のSPMプ
はSTM(Scanningtunnelmicroscopy、
ロ ー ブ を発 展 させ た プ ロ ー ブ シ ス テ ム が 開 発 さ れ
走 査 型 ト ン ネ ル 顕 微 鏡)探 針 の 様 に 先 鋭 な プ ロ ー ブ
と測 定 面 間 に 働 く トン ネ ル 電 流 検 出 型 の プ ロ ー ブ を 提 案 し た[144]。 デ ン マ ー ク 工 科 大 学(DTU)のLDe
Chiffreら は 従 来 のCMMにAFM(Atomicfbrcemicroscopy、
原 子 問 力 顕 微 鏡)の カ ン チ レバ ー を 取 り付 け、3次
元 構 造 の 表 面 微 細 形 状 の 測 定 を行 っ た[145]。T.MasuzawaはVibroscanningprobeを
提 案 した[146,147]。
この プ
ロ ー ブ は 図1.10(a)に 示 す よ う な シ ャ ー プ な エ ッ ジ を 持 つ プ ロ ー ブ を 加 工 し 、 ピ エ ゾ 素 子 に よ っ て 加 振 し 、 高
8
ChapterI:Introduction
な
(・)M・頓・
・y・P・
・b・[153・[RK蟷
嬲
獄(・)ln・ituTech.…b・[155}
Figure1.12:Micro-probesystembasedonvibrationsystem.
ア ス ペ ク ト構 造 測 定 用 の プ ロ ー ブ を 実 現 した 。 これ に 似 た よ う に 、PTBのG.Daiら
はAFMカ
ン チ レバ ー に 垂
直 に 新 た な カ ン チ レバ ー を 設 け、 水 平 面 と高 ア ス ペ ク ト構 造 の 測 定 を 同 時 に 行 え る プ ロ ー ブ を 開 発 した
[148]。 従 来 のAFMの
よ う に 光 て こで 検 出 信 号 を 取 得 す る 。 ま た 、 先 端 に 球 を 取 り付 け る こ とでCMMプ
ブ と して の 応 用 を 行 っ て い る 【149】
。PTB-IHTの
共 同 開 発 で は 、SPMプ
計 測 を 行 う た め 、 カ ン チ レバ ー の 背 面 にWheatstonebridge回
[150]。 こ れ ら のSPMカ
[15Uな
ロー
ロ ー ブ と同 様 の プ ロ ー ブ を 用 い て 形 状
路 を組 み込 み 、 探 針 に角 度 を持 た せ て 配 置 した
ン チ レバ ー を 用 い た 測 定 で は 、 従 来 のSPM技
術 を 用 い てSIOS社
の高 精 度 ス テ ージ
どで 精 度 の 良 い 測 定 が 可 能 と な り、 ま た 高 ア ス ペ ク ト形 状 の 測 定 も可 能 に な りつ つ あ る とい うメ リ ッ
トの 一 方 で 、3D検
出 プ ロー ブで は な い た め に測 定 物 も し くは プ ロー ブシス テ ム を回転 させ な けれ ば な らな い
[52]。 し た が っ て 、 絶 対 寸 法 測 定 の た め の ナ ノCMMプ
ロ ー ブ と して は 不 確 か さ の 確 保 が 困 難 で あ る 。
プ ロ ー ブ 径 を 小 さ くす る と表 面 吸 着 に よ る影 響 等 で 、 繰 返 し精 度 な ど が 著 し く低 下 す る[152]。 そ こで 、
Mitutoyo社
は振 動 プ ロ ー ブ を 提 案 し た[153]。 ミ ッ ト ヨ の プ ロ ー ブ は 直 径30オm程
度 の プ ロ ー ブ を金 属 棒 につ
け、 ピ エ ゾ素 子 に よ っ て 加 振 す る。 そ の 振 動 は 同 様 に ピ エ ゾ 素 子 の 圧 電 効 果 を 利 用 して 測 定 す る。 軸 方 向 に
振 動 す る プ ロ ー ブ を 測 定 面 に 接 近 さ せ る と、 相 互 作 用 に よ っ て 振 動 が 減 衰 す る 。 そ の 減 衰 に よ って 表 面 を 検
出 す る 。 しか し一 方 向 振 動 の た め 、 等 方 性 は 保 証 さ れ て い な い 。 そ こ で 、NPLのR.Leachら
を 用 い て 等 方 的 な 検 出 感 度 を もつ 振 動 プ ロ ー ブ 開 発 を 行 っ て い る[154]。3本
はTriskelion構 造
の ヒ ン ジ に 埋 め 込 ん だ6つ の ピ エ
ゾ ア ク チ ュエ ー タ に よ っ て プ ロ ー ブ 球 を 常 に 測 定 面 に 対 して 垂 直 方 向 に 振 動 させ る こ とが で き る よ う設 計 し
て い る 。 現 在 剛 性 の 高 い プ ロ ー ブ シ ャ フ トお よ び プ ロ ー ブ 球 の 開 発 を 行 っ て い る 。 ア メ リ カ のlnsituTecInc.
で は 、 振 動 プ ロ ー ブ を 更 に発 展 させ 、 長 さ5㎜
、 太 さ7オmの
炭 素 繊 維 を 用 い て 、 これ を 振 動 させ 振 動 モ ー
ドの 変 化 を 基 に 測 定 を 行 っ て い る[155】。 こ れ を 用 い る こ とで 従 来 に な い 高 ア ス ペ ク トな 構 造 の 測 定 も期 待 さ
れ て い る。 これ ら の 振 動 プ ロ ー ブ は 、 測 定 面 と の 吸 着 に よ る影 響 を 低 減 で き る 方 法 と して 、 近 年 新 た に 期 待
され て い る。 し か し 、 振 動 方 向 に よ る検 出 感 度 の 依 存 性 や マ イ ク ロ 流 体 解 析 な ど が 求 め られ て い る[1561。
ま た 、 新 た な プ ロ ー ブ 開 発 を め ざ し、 ドイ ッ のA.Weckenmannは
微 細 な 球 状 プ ロ ー ブ と測 定 面 間 の ト ン ネ
ル 電 流 を 利 用 し た プ ロ ー ブ を 提 案 した[157,158】 。 これ に よ り測 定 力 を 低 減 し 、 形 状 計 測 の み な らず 表 面 微 細
形 状 の 測 定 も可 能 に し た[158】。 ま た 、T.PfeiferはCMMプ
ロ ー ブ に テ ラヘ ル ッ光 技 術 を 組 込 み 位 置 検 出 と表
面 構 造 の 同 時 測 定 も提 案 して い る[159]。
以 上 、 マ イ ク ロ プ ロ ー ブ 技 術 の 開 発 に つ い て ま と め た 。 これ まで に 提 案 さ れ た マ イ ク ロ プ ロ ー ブ は 大 別 す
る と、 ヒ ン ジ 型 、SPM型
、 光 フ ァイ バ 型 、 振 動 型 の4つ の カ テ ゴ リ ー に 分 類 で き 、 前 者2つ は 高 分 解 能 、 後 者
2つ は マ イ ク ロ化 が 特 徴 で あ る 。 現 在 得 ら れ て い る仕 様 を 表1.2に ま と め た 。
1.3.3マ
イク ロ プ ロー ブ の課 題 点 と要 求仕 様
ナノCMMの
主 要 素 で あ るマ イ ク ロ プ ロ ー ブ は従 来 のCMMプ
ロー ブ で は現 れ な か った課 題 が 存 在 す る。 こ
こで は マイ ク ロ プ ロー ブ特 有 の課 題 に つ い て ま とめ る。
9
Table1.2:Specifications
Rf
絵鞄嬾
穏
繍 姻飆
§翻 難鯲 鋤
肋 極愈毒萋
湊鵝齢
zQ
ofproposedmicro-probe.
蓋鱚黷
《5飆
耄浅 鍵醗
四
ψ
象.陶 繊 鯲1
3a
鰄撫麟
糠 畿翻晦
魏錨 顧瞭 鱇
n.鰺 き麟
飆
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鵬 懺麺麟
鼠4黐 驚
4
翰
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3糞 轟麟
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●舮
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鵬
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多
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鈴 舞灘
翼:4鱗鰤
胃
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く 耄鶲 魏
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3D
欝:禽 潔》㈱
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3R
黍鱒 挺黐
3D
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ウ●
5登奪群縫
鱇 蔘糖
ぐ
醵欝 鬻§
《
籌脇
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胃
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験 鑢獻
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帆
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オ
`
塾
擬 碧
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煽 縛畑 簽
欝:鈴 懿麟
訟鏃 雛 孅
灘:亀 導麟
濫 轟3講 欝
冲
帆
籌 繊鵝
x¥β 職
z惑 糞緇
灘:く
戀 轟鵜
之:《鱒
毅辮
ケ
篤鰤
灘
爲 鰍蠢
ま、
馨懸鶴
癖毒 麟鑽
窮3蔭麟麟
瓶靠麟
㏄
ぐ
v。惣 靭 鐘
麟嫐 鉾
磁
熟
博
斥〃
3靆
鰐帥 灘膿
霧雛鵬
彈
鱒
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驟 繋鵬
曽
欝 締覊
鑢譲 纏 搬
11
勢
替
ヴ
鱒.蕀瓣3贓 磁
⑳
翫
軋
¢.嬲 騨階
博
簿
懸、簾
2鋤 辜
畑
"軌
嬲m
3R
慾 麟緲
糾
s蘚疑驪r畑
醗 鬘鑢。
層
糞勲織
濡
鞏麟麟
o
愈3驚 鑽
鋤 畿肇鵬騰
晶
餐
5蠡 鱗
蠍 鶏
プ ロー ブ径 と真 球 度
定 対 象 が10㎜
羸
凱
敬茎群搬
簿
帖虧犠
彝議5癖
曽
鱈
a勲
κ
撃麟
弘
糞彝
磁 纖窮
看々
轟.轡畑
●◎
息"
府帰
旗}1繍
彝
講瞬
骨
魁
ウ
4
3p
軌駕
磁 轟麟
軌
ケ
織貔鶴 饗
≦蹴麟
車弘
蠡。
三麟
幽
呼
鋤
轟3麟 麟
従 来 のCMMで
頴
Σ騰
、 測 定 対 象 が1m程
以 下 で あ る ナ ノCMMで}ま
萎 轟辮
々
論
そ の プ ロ ー ブ 径 は 数10即
A
斜
度 に 対 す る プ ロ ー ブ 径 が1㎜
酬
"胤 喚
暫
で あ る と考 え る と、 測
以 下 で あ る こ と 力塑 ま し い 。 小 径 プ ロ ー
ブ の 利 点 は 、 プ ロ ー ブ 径 補 正 時 の 誤 差 低 減 と ア ク セ シ ビ リ テ ィ に あ る 。JISに あ る よ う に[60]、 有 限 径 プ ロ ー
ブ で は 測 定 後 に 補 正 す る 必 要 が あ り、 こ の 時 に 発 生 す る不 確 か さ を 低 減 す る に は 、 プ ロ ー ブ 径 を小 さ く し 、
プ ロ ー ブ 補 正 ベ ク トル を 正 確 に 知 る こ とが 重 要 と な る。 た とえ ば 、 図1.13に 示 す よ う に 、 プ ロ ー ブ補 正 ベ ク
トル が 不 明 で あ る 場 合 、 補 正 ベ ク トル の 角 度 が α[rad]な
れ ば 、 誤 差 は8eと
な る。
撫 徽 濁tt.
(i.i)
加 えて プ ロ ーブ条 件 と して 、 十分 な 剛 性 と真球 度 を持 つ 必 要 が あ る。 しな しな が ら、 数 μmで高 い真 球 度 を持
っ プ ロー ブ球 の加 工 は現 在 の加 工技 術 を も って も容 易 で は な く§、 そ れ を 評価 す る手 法 も提 案 されて い るが
[160]、十 分 な精 度 を持 って い な い†
。
§現 在 、 完 全 球 径 に最 も 近 い も の は コ ン ピ ュー タ の ハ ー ドデ ィ ス ク に 用 い る ベ ア リ ン グ も し く は 、 ア メ リカ の 重 力 探 査 衛
星GravityProbeBの
ジ ャ イ ロ ス コ ー プ に 用 い られ る 石 英 ガ ラス の ベ ア リ ン グ(cp38mm,真
[日 経 サ イ エ ン ス,Vol.12(2009)pp.64.】
†profRK.Leach(Privatecommunication),2009年10月28日@Teddington
10
球 度 く19㎜)で
あ る と言 わ れ る 。
Chapter1:Introduction
Figure1.13:Probecompensation.
プ ロ ー ブ ス テ ィ ック
Figure1.14:Stickingofprobetosurface.
プR一 ブ のス ケ ール が マ イ ク ロメ ー トルオ ー ダ に達 す る と、 ス ケ ー ル効 果 に よって プ
ロ ー ブの 慣 性 力 よ りもプ ロ ーブ球 と測 定面 との 吸 着 力 が 支 配 的 に な って くる。 ス ケ ー ル効 果 とは 、物 体 の 形
状 が小 さ くな る につ れ 、 支 配 力 が体 積 力(重 力 や慣 性 力 な ど)か ら面 積 力(表 面 張 力 や摩 擦 力 な ど)に 遷 移 し
始 め る こ とを言 う。 そ のた め、 数 百 卿 の プ ロ ー ブで は数nmの 高分 解 能 は達 成 されて いた が 、 表 面 で の キ ュ
着 力 が発 生 し、 数 十オm以 下 に な る と分 解 能 や 繰 返 し精 度 が 逆 に劣 化 す る傾 向 が あ る(表1.2)。 また 、E.エC.
Bosら に よ って報 告 され た よ うに[161】
、 測 定 面 近 傍 で は プ ロ ー ブ は特 殊 な挙 動 を示 す。
測定 力
マ イ クロ/ナ ノメ ー トル オ ー ダ で は 、測 定面 表 面 の 強度 はマ ク ロス ケ ー ル と異 な り、 プ ロー ブの 接
触 に よ る影 響 は無 視 で き な い。 小 さ い プ ロ ー ブ径 で は接 触 面 積 が 小 さ くな るた め、 等 しい 力 で も接 触 圧 力 は
急激 に増 大 す る。 接 触 に よ る測 定 面 の弾 性 変 形 が 起 き る と、 プ ロ ー ブ球 が測 定 面 に め り込 ん だ 状 態 で検 出 さ
れ 、 位 置 検 出誤 差 が発 生 す る。 測 定 面 の塑 性 変 形 は 当然 避 け ね ば な らな い 。 しか し、 高速 測 定 を行 う時 、 プ
ロー ブ球 は測 定面 に接 触 す る こ とが 多 く、 また 、 高分 解 能 検 出 のた め に プ ロ ー ブ に高 剛性 を 付 与 す る と検 出
時 の 接 触 力 は増 加 す る。 球 状 プ ロ ー ブが測 定 面 に接 触 す る とき の影 響 はHertzianの式 で 求 め られ る[162]。
萋(耋
鯉
ゾ
濕 ・譁 細 攣
(1.2)
こ こ で 、Amaxは 接 触 面 積 の 最 大 圧 力 、Fは 測 定 力 、Yは プ ロ ー ブ 半 径 、vは ボ ア ソ ン 比 お よ びEは ヤ ン グ 率 で あ
る 。 測 定 力 低 減 の た め に プ ロ ー ブ 剛 性 を 下 げ る と、 プ ロ ー ブ シ ャ フ トの た わ み に よ る検 出 誤 差 が 発 生 す る 。
3次 元 等 方 性
これ ま で の マ イ ク ロ プ ロ ー ブ の 開 発 に お い て 最 も 困 難 を 要 して い る の が プ ロ ー ビ ン グ 特 性 の3
次 元 等 方 性 で あ る[163]。METASの
を 用 い て 数nmの
プ ロ ー ブ(図1.9(h))は3次
元 等 方 性 を 目 的 と して3次 元 の 複 雑 な 湾 曲 ヒ ン ジ
等 方 性 の 可 能 性 を 示 した[127]。 こ れ ま で に 、2次 元 の 等 方 性 は 比 較 的 検 討 さ れ て い る も の
の 、3次 元 の 等 方 性 は課 題 と して 挙 げ られ 、 非 等 方 性 は プ ロ ー ブ 不 確 か さ の 主 要 な 要 因 とな る 。NPLの
プ ロ ー ブ で は 等 方 性 を 考 慮 して 設 計 さ れ て い る が 、 振 動 方 法 の 工 夫 が 必 要 で あ る。A.Weckenmannの
振動
トンネ
ル 電 流 プ ロ ー ブ で は プ ロ ー ブ全 表 面 で 検 出 で き[1581、 等 方 性 向 上 に 期 待 が 寄 せ られ る。
上 に マ イ ク ロ プ ロ ー ブ に お け る 問 題 点 を 列 挙 し た 。 こ の 様 に 多 く の 問 題 点 が あ る。 次 世 代 の マ イ ク ロ プ
ロ ー ブ に 要 求 さ れ る仕 様 を 表1.3に ま とめ た 。
Table1.3:Requiredspecificationsformicro-probe.
轡麟 彎dia磁 鰐
鱒 郵鍛
s皺 鯲 蠻櫞 蝓
三飜黷
飛㈱1癜 麟
圭難鑽
搬 畑鯲 鵜 鋤 磯
《 戀 鼕麟
§獲鑽畑$
鱒 鑠獅
紬
麟 磯 織畑
鎗 夢r嚢
11
1.4本
1.4.1光
研 究 の 目 的
放 射 圧 プ ロ ー ブ コ ン セ プ ト[164-166]
測 定 対 象 がサ ブ ミ リメ ー トル 、 プ ロー ブ径 が 数 十 呻 に達 す る と、 ス ケ ール 効 果 に よって測 定 面 の相 互 作 用
が よ り顕 著 に な り、 従 来 の単 純 な接 触 式 プ ロ ーブ の 原理 を用 い た位 置 検 出 プ ロ ー ブ を用 い る こ とは困難 に な
る。 ナノCMMプ
ロー ブの 開発 の た め に、 この マイ クロ領 域 で の特 性 を うま くい か した位 置 検 出 プ ロー ブの 開
発 が 求 め られ る。JISの 定 義 や1.3節 の 開発 例 か らわ か る よ うに、 一般 的 な プ ロー ブシス テム は プ ロー ブ シ ャ
フ トに よって プ ロー ブ球 を保 持 す る機 構 とな って い る。 また 、 プ ロ ー ブ球 と測 定 面 の接 触 の セ ンシ ング は、
プ ロー ブ シ ャフ ト根 元 に あ るセ ンサ で 感 知 す る も のが 多 い 。本 研 究 で提 案 す る プ ロー ブは 、 これ ら従 来 プ
ロ ー ブ と は異 な り、 レー ザ トラ ップ技 術[167]で 球 状 微 粒 子 を 空 間 に保 持 す る も ので あ る。 プ ロー ブ球 と測 定
面 は接 触 せ/¥し
か し、 プ ロー ブ球 と測 定 面 の 力 学 的 相 互 作 用 で プロ ー ブ球 位 置 が 変化 す る。 そ の プ ロー ブ
球 変 位 を光 学 手 法 で 高 精 度 に 計 測 し表 面 位 置 を検 出す る。
本 プ ロ ー ブの 特徴 は次 の2つ で あ る。 ひ とつ は微 細 な プ ロ ー ブ径 。 レー ザ トラ ップ技 術 で 扱 う こ とが で き
る粒 子 は 、25オm以
下 で あ り、 従 来 に提 案 され た マ イ ク ロ プ ロー ブ よ りも10倍 程 度 小径 の プ ロ ー ブ径 を得
る。 も う一・
つ は、 高 い感 度 で あ る。 プ ロー ブ球 を捕 捉 す る力 が 数 百pNで あ るた め 、 測 定 面 とプ ロ ー ブ との 問
の 力学 的 作用 力 をpNオ ー ダ の高 感 度 で プ ロ ー ブが 検 出 で き る可 能 性 が あ る。
1.4.2研
究 目的
本 論 文 で 提 案 す る プ ロ ー ブで は、10オm程
度 の プ ロー ブ径 で あ り、 ス ケ ール効 果 に よって 表 面 吸着 な ど従
来 で は無 視 で きた 現 象 が 顕 著 に 現 れ る。 また 、非 常 に小 さ い ば ね 定数 を 持 つ た め 、 表 面 力 を高 感 度 に検 出 す
る こ とが 出来 る。 本 研 究 で は 、 以 下 を研 究 の 目的 とす る。(1)プ ロ ー ブ球 と測 定 物 表 面 の マ イ ク ロオ ー ダ領
域 に お け る現 象 理 解 を深 め 、(2)高 い精 度 お よ び感 度 を持 っ た従 来 にな い 全 く新 規 な マイ ク ロ プ ロー ブ を 開
発 す る。 また、 本 研 究 で得 られ る成 果 は、 将 来 的 に プ ロ ー ブ球 の更 な るマイ ク ロ化 に伴 って、 マイ クロ プ
ロ ー ブ開 発 で ぶ つ か るで あ ろ うマ イ ク ロオ ー ダ特 有 の 現 象 につ いて 理 解 を深 め る こ とに寄 与 す る。
12
Chapter2:Lasertrappingtechnique
第2章
2.1緒
レー ザ トラ ップ 技 術
言
本 研 究 で提 案 す る光 放 射 圧 プ ロ ー ブの基 本 技 術 で あ る レー ザ トラ ップ技 術 につ いて ま とめ る。 光 放 射 圧 に
つ い ての物 理 的基 礎 を与 え、光 放 射 圧 に よ る捕 捉 技術 の研 究動 向 につ い て 述 べ る。 最後 に、 レー ザ トラ ップ
技術 お よび プ ロ ー ブ と して の 力学 的 な作 用 につ い ての概 念 を述 べ る。
2.2光
放 射 圧[169-174]
空 間 に物 体 が あ り、 そ こ に光 が 存 在 す る と、 光 は 物 体 に 力 学 的 作 用 を 及 ぼ す。 この 力 の 存 在 は 太 陽 光 の 圧
力 に よ る 彗 星 の 尾 と して も 知 ら れ る 。 この 力 は 光 放 射 圧(Opticalradiationpressure)ま
と呼 ば れ 、 す で に300年 以 上 前 か ら光 の 粒 子 性 を 唱 え たA.Newtonが
予 測 し、 そ れ をJ.0.Maxwellに
的 に 定 式 化 さ れ た と言 わ れ て い る 。 後 に 、 ロ シ ア のP.M.Lebedevが1901年
に成 功 した[168】§。 レー ザ トラ ッ プ は 、 そ の 約70年 後 の1970年
た は 光 圧(Lightpressure)
よって理 論
に初 め て 光 放 射 圧 の 実 験 的 な 測 定
にA.Ashkinに
よって初 めて 行 わ れ た。 本 節 で
は、 まず 光 放 射 圧 を理 論 的 に理 解 す る。
光 は 波 動 お よ び 粒 子 の2重 性 を 持 つ 。 感 覚 的 に は 光 を 波 動 つ ま り電 磁 波 と して 扱 う こ とで 直 感 的 に 理 解 し
や す い が 、 しか し、 光 の 吸 収 や 放 出 、 放 射 な ど の 光 学 現 象 を 扱 う場 合 、 量 子 論 を 導 入 して は じ め て 記 述 可 能
と な る 。 そ こ で まず 波 動 と して の 光 を 捉 え 、 後 、 量 子 光 学 に よ る 光 放 射 圧 を 検 討 す る。
2.2.1電
磁 波 基 礎 理 論
光 は 電 磁 波 で あ り、 」.C.Maxwellに
よ って 定 式 化 さ れ た 。Maxwellの
方 程 式 は 以 下 の4つ の 積 分 式 に よ っ て
表 現 さ れ る。
鋼 畷(灘 馨}薦
蜘 薦一
纏
た だ し 、Eは
density)で
電 場(Electricfield)の
鋼
糴
(2.1a)
磁 束 密 度(Magneticfluxdensity)、
あ る 。 ま た 、 ρは 電 荷 密 度 、 μは 透 磁 率(Permeability)、
ア ン ペ ー ル の 法 則A.M,Ampereは
(Z.lb)
(2.1d)
お よ び 」は 電 流 密 度(Current
お よ び εは 誘 電 率(Permittivity)†
で あ る。
、 図2.1(a)に 示 す よ う に 一 端 がCの 開 い た 曲 面Aを 考 え 、 電 流Jが 作 り 出 す
磁 場Bは 閉 じ た 経 路C上 の 積 分 に よ っ て 得 ら れ る と し た 。 」.C.Maxwellは
な く と も(J=0)、
薦
翻 薦魂
(2.1c)
強 度 、Bは
一一
嬬
、 こ れ に 対 して 、 た と え 電 流 が 流 れ
時 間 変 化 す る 電 場Eも 磁 場Bを 伴 う こ と を 発 見 し 、 こ れ を変 位 電 流 密 度 と し、 これ ら を 電
磁 誘 導 の 関 係 を 式(2.la)の よ う に ま と め た 。
フ ァラ デ ー の 法 則
電 磁 誘 導 の も う一 つ の 関 係 式 で あ る 式(2.lb)はFaradayの
法 則 と も 言 わ れ る。 図2.1(b)に 示
す よ う に 、 閉 じ た 積 分 路Cに 発 生 す る 誘 導 起 電 力(Inducedelectromotivefbrce,emflは
た 領 域Aを
、 経 路Cを 端 とす る 開 い
貫 く磁 束 の 時 間 変 化 に 等 し い と い う も の で あ る 。 こ れ は つ ま り、 時 闘 変 化 す る磁 場 は そ れ に 付 随
す る電場 を持 つ こ とを示 す 式 で あ る。
電 気 に 関 す る ガ ウ ス の 法 則K.F.Gaussは
、 流 体 の 流 れ を 流 線 で 表 現 す る よ う に 、 電 荷 に よ っ て 発 生 す る電
束 の 考 え 方 を 導 入 し た 。 そ こで 、 電 場 の 吸 い 込 み や 吹 き 出 しが な け れ ぼ 、 閉 曲 面 で 囲 ま れ た 領 域 内 に 曲 面 を
§夏 目漱 石 の 小 説 「三 四郎(1908年)」 で も光 の 力 の実 験 が 登 場 す る。
㌔ は 自 由 空 間 の 透 磁 率 μo(=4π
8.8542x10-12C21N・m2)と
・n7Ns2/c2)と
比 透 磁 率 μ,に よ っ てF一
比 透 磁 率 ε,に よ っ てE=Er'£pで
μゴFoで 表 さ れ る 。 同 様 に 、 εは 自 由 空 間 の 誘 電 率 εo(=
表 され る。
13
(b)Faraday'slaw.(c)Gauss'slawforelectricity.(d)Gauss'slawformagnetism.
Figure2.1:Maxwell'sequation[169].
貫 く 電 束 は ゼ ロ で あ る と し 、 図2.1(c)に
る 電 荷 を 式(2.1c)に
よ う に 閉 曲 面Aを
考 え 、 そ こ に 流 入 、 流 出 す る 電 場Eに
よ っ て発 生 す
よ り与 え た 。
磁 気 に 関 す る ガ ウ ス の 法 則
同 様 に磁 場 に つ い て 、 磁 場 は 電 場 の よ う に 吸 い 込 み や 吹 き 出 しが な く、 磁 束 は
常 に 閉 じ て い る 。 よ っ て 、 閉 曲 面Aに
流 入 す る 磁 場 と 流 出 す る 磁 場 は 常 に 等 し く 、 式(2.ld)を
こ の よ う に 電 磁 波 の 振 る舞 い は そ れ ぞ れ に 検 討 さ れ 、 最 終 的 にJ.C.Maxwellに
得 る。
よ り美 し くま と め られ た 。
今 日 で は 、 式(2.1)は よ り用 い や す い 表 現 方 法 と して 微 分 形 式 で 式(2.2)の よ う に 与 え られ る 。
纛}講
Ψ 翼蕪 飜一 軋 肇
禽(2.2a)禽(2.2b)
畢 難 塑(2
こ こ で 、Hは
警
翼蠶 雛一∼
.2・)撃
戮 緞奪(2.2d)
磁 場 強 度 、Dは 電 束 密 度 、 ρは 電 荷 密 度 お よ び 」は 電 流 密 度 で あ る 。 ま た 、 電 束 密 度 と電 場 、 お
よ び 磁 束 密 度 と磁 場 の 関 係 は
s(
靆 一醸
J=(電
囓
鱇
2,3・)
鋤(2
.3b)
・J。(2
.3・)
こ こ でJoは 外 部 か ら 印 加 さ れ た 電 流 源 で 、 光 学 現 象 の ほ と ん どの 場 合 で はJo=0と
密 度(ま た は 単 に分 極 密 度)、Mは
考 え ら れ る 。Pは 誘 起 分 極
磁 荷 密 度 で あ る 。 式(2.3a)か ら 、 電 場 強 度 と誘 起 分 極 密 度 の 関 係 は 、
變 蝿 ・が(2
.4)
で あ る こ とが わ か る 。 こ こ で 、xは 電 気 感 受 率(Electricalsusceptibility)で あ り、 線 形 、 非 分 散 、 均 一 お よ び 等
方 な 媒 質 に お い て 、 ε=εo(1+)0の
関 係 を 持 つ 。 電 気 感 受 率 は 分 極 しや す さ の 指 標 と な り、 真 空 で はoで あ
る 。 ま た 、 入 射 す る 電 場 強 度Eが 大 き い と き や 誘 電 媒 質 が 非 線 形 性 を 示 す と き 、 誘 起 分 極 密 度 は 式(2.4)の よ
う に 単 純 で は な くな り、
2鸞 鞠 嬢
とな り、 非 線 形 光 学 現 象 が 発 現 す る。
2.2.2光
の エ ネ ル ギ と力
光 の 単 位 体 積 あた りの エ ネ ル ギ密 度Wは 、
14
乎… 澀
耀 ・輝 嬲
射"(25)
Chapter2:Lasertrappingtechnique
呵
皺響 伽 舞 黌 伽 耋鰐
甥(2
.、)
に よ り与 え られ 、 前 項 は 電 気 的 エ ネ ル ギ 密 度 、 第2項 は 磁 気 的 エ ネ ル ギ 密 度 に 相 当 す る 。 ま た 、 光 の エ ネ ル
ギ の 流 れ は ポ イ ン テ ィ ン グベ ク トル(Poyntingvector)と
呼 ばれ 、
s鵬 麪x鸞
(2.7)
で 表 さ れ る。 こ の ポ イ ン テ ィ ン グベ ク トルSと エ ネ ル ギ 密 度Wの
関係 は
aw
禽 ÷マ・s騨 癖
(2.8)
で あ り、 電 磁 場 の エ ネ ル ギ保 存 則 と な る 。 電 場 と磁 場 の 振 動 に よ っ て 、 ポ イ ン テ ィ ン グベ ク トルSは 時 間 的 に
変 動 す る 。 こ のSの 光 の 振 動 周 期 時 間Tに 対 す る 平 均 強 度 は 単 位 面 積 辺 りの 光 強 度1に 等 し く、 次 式 で 表 さ れ
る[170]。
囎
・髪伽
②,)
上 で 述 べ た よ う に 、 光 は 物 体(電 荷 、 誘 電 体 、 磁 性 体)に 力 学 的 な 作 用 を 及 ぼ す 。 電 荷fe、 誘 電 体fa、 磁 性
体fmに 働 く力 は そ れ ぞ れ 、
鶏 鸞醸
乎3・ 熟(2.10・)
躍
も 雄躍
ち 嘱
儼x簿(、
簸
職
.1。b)
や 酬x〈
とな る 。 こ こで 、 特 に 式(2.10)は ロ ー レ ン ッ カ(Lorentzforce)と
荷 移 動 に よ る変 位 電 流(Displacementcurrent)と
亨浦
〉(2.10、)
言 わ れ る 。(2.10b)の ∂P/∂tは
誘電体 中の束縛電
呼 ぼ れ 、 式(2.10a)に 比 べ る と電 流 密 度 に相 当 す る 。
今 、 誘 電 体 に 作 用 す る力 を 検 討 す る た め 、 式(2.10b)を 詳 細 に 考 え る 。 誘 電 体 の 場 合 、 比 透 磁 率 は1と して
考 え ら れ る た め 、 式(2.3a)を 用 い る と、
舮
罫 嚇
糶
論 欝 蝦(2
.11)
とな る 。 式(2.4)の 電 気 感 受 率xを 用 い る と、
燕畷 臑 鷦夢 擁
X2.12)
の よ うに変 形 す る こ とが 出来 る。 これ を ベ ク トルの 恒 等 式 を用 いて 更 に変 形 す る と、
鈩蝦
器翻)暢 ㈱)}
②13)
と な る 。 こ の よ う に 光 に よ っ て 誘 電 体 に 作 用 す る力 は2種 類 あ る 。 前 項 は 電 場 の 強 度 勾 配(光 学 ポ テ ン シ ャ
ル)に よ っ て 作 用 す る 力 を 意 味 し 、 勾 配 力(Gradientforce)と
呼 ば れ る 。 後 項 は 、 光 の 伝 搬 方 向 に ベ ク トル を
持 つ ポ イ ン テ ィ ン グベ ク トル の 変 化 に 対 す る力 を意 味 す る 。 光 の 運 動 量 はS!c2で 表 せ る こ とか ら 、 こ の 項 は
運 動 量 変 化 で あ る と い え る 。 こ の 力 は 物 体 を押 しの け る 力 で あ る散 乱 力(Scatte血gfbrce)と
呼 ば れ る。
15
2.2.3光
子 に よ る 力
次 に 、 光 を 光 子(Photon)と
して 考 え た と き の 光 放 射 圧 を考 え る 。 光 子 に よ っ て 与 え られ る 光 放 射 圧 は 、 物
体 境 界 で 光 子 に 及 ぼ さ れ る作 用(反 射 、 屈 折 、 散 乱 な ど)に よ っ て 光 子 が 反 跳 す る運 動 量 の 変 化 に起 因 す る 。
1光 子 の 持 つ エ ネ ル ギEと 運 動 量pは
EOby(2.14)
by
夢 蹴一¢(2雛 鑢
で あ る。 た だ し 、hはPlank定
.15)
数 、vは 光 の 振 動 数 、 お よ び 乃は 〃2πで あ る 。kは 波 数 ベ ク トル で あ る 。 光 子 の 運
動 量 が 変 化 す る 時 、 力Fが 発 生 す る 。 つ ま り、F=dp!dtで
あ る 。 今 、 図2.2に 示 す よ う に 、 水 平 に 入 射 した1光
子 が 屈 折 率 ηの 物 体 を 透 過 した 場 合 に 、 光 子 が 物 体 に及 ぼ す 力fは 、 入 射 前 、 透 過 後 の 波 数 ベ ク トル を そ れ ぞ
れko、k'と
す る と、
窒峨
維
ゼ
懃筆)(2
,16)
で あ る 。 次 に 、 単 位 面 積 辺 りの パ ワ ー が π あ る ビ ー ム が 物 体 に 作 用 す る力 を 考 え る 。1光 子 が 保 有 す る運 動
量 は 式(2.15)で あ る 。 今 、 対 象 と な る ビ ー ム 中 に 含 ま れ る 光 子 数 は1/hvで あ る 。 よ っ て 屈 折 率nの 物 体 に 作 用
す る力 は
羣
nl
綴 鬱一
¢(2.17)
と表 され る。 こ こで、Qは 光 放 射 圧 の 作 用 効 率 を表 し、0か ら2の 間 の値 を取 る。 そ の物 理 的 な意 味 は、 入 射
光 の単 位 時 間 辺 りの 運 動 量 に頬 す る実 際 に物 体 に働 く力 の 割 合 で あ る。 物 体 に入 射 した 光 の散 乱 や 反 射 は物
体 の 光 学 条 件 や 環 境 な どに よって大 き く影 響 され るた め 、 そ の影 響 はQに 現 れ る。
で は、 図2.3に 示 す 空 気 と物 質Aの 境 界 に強 度1の光 が 入 射 す る場 合 を考 え る。 物 質Aが 光 を完 全 に反 射 す る
場 合(R=1)、 光 放 射 圧 に よって物 質Aに は
E
心(2.18)
の 力 が 作 用 す る 。 た だ し0は 入 射 角 で あ る 。 次 に 、 反 射 率R、 透 過 率T(R+T=1)の
場 合 に 物 体 に 作 用 す る力F
は 、 透 過 光 と反 射 光 に 分 け られ 、 下 向 き を 正 とす る と、
蝉
ぽ
鞭一魑 盈畑
鬱 鱒 萋a一
馬7鋤 銭轡
(2.19)
漁
Figure2.2:0pticalradiationforcedrivenbyonephoton.
(b)R」e丘action.
Figure2.3:Generationofopticalradiationpressure.
16
姻
舞麟
Chapter2:Lasertrappingtechnique
の 様 に な る 。 た だ し、 ψは 屈 折 角 で あ る。 力Fは 、 反 射 率R、 透 過 率7、 入 射 角 度 θ、 屈 折 率nな ど に よ って 変
化 す る が 、 偏 光 状 態 に よ って も 変 化 し 、 つ ま り反 射 率R、 透 過Tな
い 場 合 、 そ のRお よ びTは 後 述(式(2.22)(2.23))のFresnelの
2.3レ
ど に 影 響 が 現 れ る。 光 吸 収 を 考 慮 し な
振 幅 反 射 率 に よ って 与 え られ る。
ー ザ トラ ップ 技 術 の 歴 史 的 展 望
光 放 射 圧 を 利 用 して マ イ ク ロ オ ー ダ の物 体 を 捕 捉 す る 技 術 を レ ー ザ トラ ッ プ と呼 騨 。L一
1970年 に ア メ リ カ のA.Ashkinに
よ って 初 め て 実 現 さ れ た[175]。 彼 は 対 向 す る2つ の ビ ー ム を 用 い て 水 中 で ポ
リス チ レ ン 微 粒 子 を 捕 捉 し、 そ の 後 、1971年
ラ ッ プ(Levitationtrap)に
ザ トラ ッ プ は
に 真 空 中 、 空 気 中 環 境 下 で 、 下 方 か ら 単 一 ビー ム を 用 い た ト
成 功 し た[176]。 ま た 、1986年
に 上 方 か ら単 一 ビー ム を恥
の ポ リマ ー 微 粒 子 を 水 中 で3次 元 的 に 捕 捉 した[167】。A.Ashkinは
・て 、 粒 径10㎜
一25悶
これ をSingle-beamgradientforceopticaltrap
呼 ん だ が 、 現 在 、 最 も一 般 的 に は 光 ピ ン セ ッ ト(Opticaltweezers)な
ど と呼 ば れ 、 他 の ト ラ ッ プ 方 法 と区 別 さ
れ る 。 図2.4に 光 放 射 圧 を用 い た 種 々 の ト ラ ッ プ技 術 を 示 す。 本 研 究 で は 、 こ の 光 ピ ンセ ッ トを 用 い た マ イ ク
ロ オ ー ダ の 物 体 捕 捉 技 術 を 主 眼 を お き 、 そ の た め 、 本 論 文 中 で は 、 以 降 これ を 特 に レ ー ザ ト ラ ッ プ と呼 ぶ 。
レ ー ザ ト ラ ッ プ の 実 現 以 降 、 多 数 応 用 例 が 報 告 さ れ て き た 。 ま ずA.Ashkinが
バ ク テ リ ア の トラ ッ プ に 成
功[177]し て 以 来 、 バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー へ の 門 戸 が 開 か れ た 。 バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー に お い て 一 般 的 に マ ニ ピ ュ
レ ー シ ョ ン 技 術 と して 用 い られ る よ う に な り、 現 在 マ ニ ピ ュ レ ー タ も市 販 さ れ て い る[178-181]。S.M.Block
は キ ネ シ ン を マ イ ク ロ ビ ー ズ に 修 飾 し特 性 評 価 を 行 っ た よ う に[182]、 レ ー ザ ト ラ ッ プ を 高 感 度 な ト ラ ン
デ ュ ー サ と して 、 マ イ ク ロ ビ ーズ に 修 飾 し た キ ネ シ ン やDNA研
1.Ishimaruら
究 へ の 応 用 が 盛 ん と な っ た[183,184]。
は2光 束 で 操 るマ イ ク ロ 物 体 の 表 面 を エ バ ネ ッ セ ン ト光(Evanescentlight)を
利 用 して 観 察 し た
[185]。 ま た 、 マ イ ク ロ 球 を 対 象 と した ト ラ ッ プ カ の 解 析 や 特 性 の 理 解 が 進 み[186-190]、オTABに
用 を 見 越 し た ト ラ ッ プ に よ るマ イ ク ロ 物 体 の 光 駆 動 技 術[191-193]や
一 方、
将 来 的 に応
マ イ ク ロ 流 体 の 流 れ 測 定[194]、 粘 性 測 定
[195]、 摩 擦 力 測 定[196】な ど が 行 わ れ た 。 レ ー ザ ト ラ ッ プ で は 、 ナ ノ 粒 子 か らマ イ ク ロ オ ー ダ の 細 胞 ま で 様 々
な も の が 捕 捉 可 能 で あ るが 、Mie散
乱 領 域 以 上 で は 捕 捉 物 体 は レ ー ザ に 対 して 透 明 で あ る 必 要 が あ っ た 。 し
か し 、 レ ー ザ ス ポ ッ トを 物 体 周 辺 で 高 速 に 円 軌 道 を 描 が か せ 、 光 ポ テ ン シ ャ ル の か ご(Cage)を
生み出す こ と
に よ って 金 属 微 粒 子 の ト ラ ッ プ も実 現 され て い る[197】。 ト ラ ッ プ さ れ た 粒 子 位 置 の 測 定 や 粒 子 の 位 置 制 御 が
可 能 に な っ て く る と[198-205亅、 プ ロ ー ブ技 術 が 大 変 盛 ん と な り[206-2101、 現 在 、PFM(Photonicsfbrcemicroscopy)と
よ ば れ る顕 微 鏡 は 既 に 市 販 レ ベ ル に 達 す る[180」。 他 方 、 粘 性 抵 抗 や 球 の 力 学 特 性 の 理 解 が 進 み 、
質 量[211]や 粒 径[212]、 物 質[213,214]に
よ る分 球 技 術 が 盛 ん とな っ た 。研 究 分 野 で は、 対 象 を非 修 飾 、非 浸
食 で と ら え る こ とが で き る た め 、 化 学 分 野 に 応 用 さ れ 始 め た 。 そ の 多 くは 他 の 原 理 と融 合 さ れ 、 化 学 物 質 を
含 む 液 滴 を トラ ッ プ し、 液 滴 の 径 をWGM(Whisperinggallerymode)で
Raman散
測 定 した 例[215]、
トラ ッ プ した 物 質 を
乱 に よ っ て 物 質 同 定 して い る例[216,217】 、 ま た 近 年 、Super-continuumwhitelight[217】
レ ー ザ[218]、Besselビ
ー ム[219,220]な
(Spatiallightmodulator)な
、 フ ェ ム ト秒
どの 新 し い 光 源 を用 い た 新 技 術 も 提 案 さ れ て い る。 近 年 特 に 、SLM
どの光 学 要 素 部 品 の発 展 に伴 い 、光 線 の波 面制 御 に よ るマ ル チ トラッ プや 制 御 が盛
ん に 行 わ れ て お り[221-223]、 これ は ホ ロ グ ラ フ ィ ッ ク ト ラ ッ プ(Holographicopticaltweezers,HOTS)と
る。 ま た 、 これ ま で の 伝 搬 光 で は な く、 光 フ ァイ バ[156,224,225】
呼ばれ
、 エ バ ネ ッ セ ン ト光[226]、 表 面 プ ラズ モ
Figure2.4:Varioustypesofthelasertrappingtechnique.
t本 論 文 で は 原 子 ト ラ ッ プ(Atomtrapping)や
磁 気 光 学 ト ラ ッ プ(Magnet
-opticaltrapping)に つ い て は 言 及 し な い 。
17
ン(Surfaceplasmon)[227]な
ど に よ る トラ ッ ピ ン グ も提 案 さ れ 、 そ の 応 用 が 広 が りつ つ あ る 。 理 論 解 析 に よ っ
て 集 光 ビー ム と捕 捉 粒 子 の 関 係 が 明 らか に な っ て き て お り、 レ ー ザ トラ ッ プ が ナ ノ 加 工 に 応 用 さ れ て い る 例
[228,229]も
あ る 。 こ の よ う に 、 レ ー ザ ト ラ ッ プ 技 術 は 関 心 を 集 め 、 関 連 技 術 を ま とめ た レ ビ ュ ー 論 文 も 数 多
く出 版 さ れ て い る の で 参 照 さ れ た い[230-233]。
レ ー ザ トラ ッ プ は 主 に 液 中 で 行 わ れ る[2331。 液 中 で は 浮 力 に よ っ て 捕 捉 が 容 易 と な り 、 既 に 述 べ た よ う
に 、 生 物 分 野 に お い て 最 も発 展 し た 。 本 研 究 で は 、CMMプ
ロ ー ブ に 応 用 す る た め 、 大 気 中 環 境 で 行 う必 要
が あ る 。 空 気 中 で の トラ ッ プ は これ ま で に も実 現 さ れ て い る が 、 報 告 例 は 少 な い[215,234-240]。
因 は 、 捕 捉 物 体 がVanderWaals力
その 主 な 原
な ど の 吸 着 力 に よ っ て 基 板 に 強 力 に 吸 着 して お り、 レ ー ザ の 光 放 射 圧 の み
に よ る 捕 捉 が 難 し い た め で あ る 。 近 年 、 や や 盛 ん に 大 気 中 で の レ ー ザ トラ ッ プ が 行 わ れ る よ う に な り、 国 際
会 議 で も独 立 し た セ ッ シ ョ ン と して 扱 わ れ 始 め る な ど注 目 を 集 め 始 め て い る†。
2.4レ
ー ザ トラ ッ プ 原 理
2.4.1基
本 原 理[172-174]
レーザ トラ ッ プは 、光 放射 圧 を利 用 して物 体 を3次 元 的 に捕 捉 す る。 図2.5に示 され るよ うに集 光 レー ザ が
物 体 に入 射 す る時 に 屈 折 し、物 体境 界 で光 放 射 圧 が 物 体 に作 用 す る。透 明物 体 で は入 射 光 の 多 くが 透 過 屈 折
す るた め 、 放射 圧 の 力成 分 の 多 くが 物 体 を上 向 き に押 し上 げ る方 向 に働 く。発 生 す る光放 射圧 をす べ て 足 し
合 わせ た 力 を特 に トラ ッ プカ と呼 び 、 集 光 レー ザ に よ って球 を捕 捉 す る場 合 、 トラ ッ プカ は 球 を集 光 レー ザ
の レー ザ ス ポ ッ トに引 き寄せ る方 向 に 作用 す る。
光放 射 圧 に よって 物 体 に作用 す る力 は散 乱 力 と勾 配 力 と して扱 わ れ る。 前 者 は、 光 の伝 搬 方 向 に働 き、後
者 は光 の 伝 搬 と垂 直 方 向 に働 く。 レー ザ トラ ッ プで は、 ビー ム を強 く集 光 ・屈 折 させ 、 この勾 配 力 を利 用 し
物 体 を捕 捉 す る。 光 軸 に対 して 対 象 な ビー ム を用 い れ ば 、 トラ ップ され た球 状 の粒 子 は光 軸 中 心 に捕 捉 され
る。 光軸 方 向 に関 して、 レー ザ の 散 乱 力 に よって 粒 子 は下 向 きに押 され 、 レー ザ ス ポ ッ トか ら少 し下 が っ た
位 置 に 捕 捉 され る。
2.4.2偏
光 作 用
一 般 的 に 光 は 時 間 平 均 さ れ た 強 度 とい う形 で 観 察 さ れ る 。 しか し、 数 百THzで
光 は 振 動 して お り、 そ の 振
動 位 相 へ の 着 想 が 偏 光 に つ な が る 。 こ の よ う に 、 光 の 偏 光 は 波 動 性 を も っ て 理 解 さ れ 易 い 。 あ る 方 向(z方
向)に 伝 搬 す る 単 色 光 を 考 え る 。 電 場 ベ ク トル をE、 伝 搬 ベ ク トル をkと す る と、
歎z.δ
徽 だ 終鬱xひ{kε 一 韓 〉
と表 せ る 。 こ こで 、xy平 面 内 の 直 交 す る2つ の 電 場 に 分 け て 考 え る と 、
Figure2.5:Principleoflasertrapping.
†SPIEOptics&Photonics2007@USSanDiegoに
18
て 開 催 され た 。
(2.20)
Chapter2:Lasertrappingtechnique
縦 憩 孀乳 《
鋸 》覊 ンζ
鋸》
(2.21a)
(2.21b)
鸞。《
駆 〉綿乳 ¢糟 《馳 一纏)
蠶掌《麟 燃篤 鰯 醜
一畑 韓 》
(2.21c)
と表 現 で き る。 εは2つ の横 波 の 位 相 差 で あ る 。 εの 変 化 と共 に 直 線 偏 光(ε=η π η=0,1,2・
・)、楕 円 偏 光 と
変 化 す る 。 特 に 、E、 とEyが 等 し く、 εが ±π12の時 に 円 偏 光 と な る 。
レ ーザ 光 の偏 光 は光 学 結 晶 な どを用 いて 、複 屈 折 や吸 収 な どを用 い て制 御 され る。近 年 、偏 光 制 御技 術 が
進 み 伝 搬 す る レ ー ザ ビ ー ム の 面 内 の 偏 光 を 制 御 し様 々 な 偏 光 を 作 り出 す こ とが 実 現 さ れ て い る。 昔 か ら そ の
存 在 は 理 論 的 に 知 られ て い た が 、 近 年 注 目 さ れ る の が ラ ジ ア ル 偏 光 で あ る 。 ラ ジ ア ル 偏 光(Radialpolarization)と は 、 図25に
示 す よ う に 、 偏 光 方 向 が 伝 搬 す る ビ ー ム の 光 軸 に 対 して 放 射 方 向 に 振 動 面 を 持 つ 偏 光 で あ
り、 近 年 、 共 振 器 の 工 夫[241,242]や
、 半 波 長 板[243]、 フ ォ トニ ッ ク 結 晶[244】お よ び 液 晶[245]な ど利 用 し た
フ ィ ル タ な どに よ っ て 実 現 可 能 で あ る 。 ま た ラ ジ ア ル 偏 光 と対 照 的 に 、 円 周 方 向 に 偏 光 面 を 持 つt一
ジ マ ス 偏 光(Azimuthpolarization)と
ム をア
言 う。
レ ー ザ ト ラ ッ プ へ の 応 用 を 考 え る と、 粒 子 に 集 光 ビー ム を 入 射 す る 時 、 図2.6に 示 す よ う に 直 線 偏 光 の 場 合
は 粒 子 表 面 で はp偏 光 やs偏 光 が 混 在 す る。 ラ ジ ア ル 偏 光 の 場 合 は 全 て の 面 でp偏 光 、 ア ジ マ ス 偏 光 は全 てs偏
光 と な る 。 こ こ で 、 入 射 光 に 対 して 光 放 射 圧 は 反 射 光 と屈 折 光 の 成 分 に 分 か れ る 。 前 述 の よ う に 屈 折 光 成 分
が 多 い と勾 配 力 が 大 き くな る 。p偏 光 とs偏 光 で 反 射 率 が 異 な り、 そ れ ぞ れ に 対 す る反 射 ・透 過 率 はFresnelの
振 幅 反 射 率 り、rSを 用 い て 以 下 の 式 で 求 め る こ とが 出 来 る[169]。
鰲。・1ぜ
(2.22x)
一1%
(2.22c)
灘 毳畑 謬 一麟 夢黎◎繊
ゲ 織 夢鰯 桝 謙 驪
欝
鬢
,醗}ぜ
岑 嶬 一奪
一
飆 嚢¢窃
鱒 轄 鰄肇鱒 露
篠購 勸 拶畑 鬱拳漁 嬋 蓼
(2.23a)
(2.22b)
(2.22d)
(2.23b)
図2.7は入 射 角 度 と反 射 ・透 過 率 の 関係 を表 した もの で あ るが 、p偏 光 の方 が透 過 率 が 高 く、 よっ て多 くの入
射構 成 分 が 屈 折 し、勾 配 力 に寄 与 す る。 逆 にs偏光 で は多 くの成 分 が 散 乱 力 に寄 与 す る 。 この よ うに、 入 射
レー ザ 偏 光 状 態 に よって プ ロー ブ球 に作用 す る光 放 射圧 は大 き く変 化 す る[246,247]。
2.5結
言
本 章 で は 、光 放 射 圧 プ ロ ー ブ の根 本 的 な原 理 とな る光 放 躯圧 の理 論 お よ び レー ザ トラ ップ原 理 につ いて 述
べ 、 レ ーザ トラ ッ プの歴 史 的展 望 を総 括 した 。
19
第3章
3.1緒
数 値 解 析 に よ る光 放 射 圧 プ ロー ブの特 性 評 価
論
レー ザ トラ ップ技 術 を用 い た マ イ ク ロ プ ロー ブ の基 本 的特 性 お よ び プロ ー ビ ング時 に発 生 す る電磁 気 学 的
擾 乱 の 影 響 につ いて 数 値 解 析 を用 いて 検 討 す る。
3.2光
放 射 圧 プ ロー ブ基 本 的 特 性
レー ザ ト ラ ッ プ の 数 値 解 析 手 法 は 多 く提 案 さ れ て い る[248-258]。 代 表 的 に は 、 光 線 追 跡 法[248-250】 やT・
matrix法[251,252]、FDTD法[255,256]で
あ る。 レーザ トラ ップ の数 値 解 析 は本 質 的 に は光 放 射 圧 を解 析 す る
も の で あ り、2章 で 述 べ た よ う に 、 光 放 射 圧 は 光 と物 質 の 相 互 作 用 で 発 生 す る 。 光 散 乱 現 象 は 物 体 サ イ ズ と
光 波 長 の オ ー ダ に よ り現 象 が 異 な り、 波 長(λ)に 対 して 十 分 に 小 さ い 粒 子(r<λ/15)はRayleigh散
乱 、大 きい
粒 子(r駕 λ)はMie散 乱 に 分 類 さ れ る[169]。 本 研 究 で 扱 うサ イ ズ は 約4λ で あ る 。
本 節 は プ ロ ー ブ の 基 本 的 特 性 を 検 討 す る 。 レ ー ザ ト ラ ッ プ 特 性 は 捕 捉 物 体 と捕 捉 光 源 に 依 る た め 、 光 源 に
関 す る研 究 は 多 岐 に 渡 り、 偏 光 、 強 度 分 布 お よ び 波 長 な ど に 関 して 様 々 な 光 源 が 用 い られ て い る 。 最 も一 般
的 に は ガ ウ シ ア ン ビ ー ム が 用 い られ る が 、 特 に 最 近 は 、Supercontinuumwhitelight、
フ ェ ム ト秒 レ ー ザ パ ル ス
やBesselビ ー ム を 用 い た 例 も 提 案 さ れ て い る 。 こ こ で は 、 捕 捉 レ ー ザ を 光 線 と して 単 純 化 し 、 プ ロ ー ブ 球 に
作 用 す る 光 放 射 圧 を 光 線 追 跡 法 を用 い て 解 析 す る 。
3.2.1光
線 追 跡 法(Raytracingmethod)
真 球 誘 電 体 を 対 象 と した レ ー ザ ト ラ ッ プ の 光 線 追 跡 法 は1992年
Ashkinは 直 線 偏 光 や 円 偏 光 を 考 慮 し、H.Kawauchiら
こ のA.Ash㎞
にA.Ashkinに
よ っ て ま とめ られ た[248]。A,
が そ れ を ラ ジ ア ル 偏 光 に も適 用 し た[250]。 本 節 で は 、
の 提 案 し た 手 法 を 基 に 解 析 を 行 う。
光 線 追 跡 解 析 で は 、 入 射 ビ ー ム を 分 割 し た 多 数 の 光 線 と して 扱 い 、 各 光 線 の 軌 跡 を 光 線 幾 何 学 的 に 求 め
る 。 そ の 光 線 の ベ ク トル が 変 化 す る 際 、 そ こ に 力(光 放 射 圧)を 与 え 、 最 後 に す べ て の カ を合 算 す る。 ま ず 、
レ ー ザ 強 度Pを 持 っ た 光 線 が 入 射 角 度 θで 粒 子 に 入 射 し た と き に 発 生 す る 、 散 乱 力 と勾 配 力 に つ い て 考 え る 。
図3.1に 示 す よ う に 、 入 射 した 光 線 は 球 の 内 部 で 散 乱 を 繰 返 す。 反 射 率 をR、 透 過 率 をTと す る と、 反 射 屈 折
を 繰 返 す た び に そ の パ ワ ー はP、PR、P72、PAR、
…(た
だ しR+T=1)と
減 衰 す る 。2章 の 式(2.17)で 示
さ れ た よ う に 、 レ ー ザ パ ワ ーPの 光 に よ っ て 発 生 す る 光 放 射 圧 はnP/cで あ る た め 、 入 射 光 の 進 行 方 向 に 働 く
力Fz、 入 射 光 の 進 行 方 向 と垂 直 に 働 く力FYは
鑑・¥檸 螂 蜘 毳零滯 鰍 畷
(3.1a)
胴 檸 離紛 齧 灘 鰍 司
(3.1b)
と な る[259】。 これ ら の 力 の 合 力FTは 複 素 場 を 用 い て 、
導 蹴瑞 手鸛
(3.2a)
が
か
域
董・R・
繝
・・
櫨 鯉8一
捻・P磐Σ飾 軸 講
=a
(3.2b)
とな り、Fzを 更 に 変 形 す る と、
ひ 争 懸 謝 芋嬾
zo
ギ 撫叙G一
潅・)
(3.3)
Chapter3:Numericalanalysisforfundamentalpropertiesoftheprobebasedonlasertrappingtechnique
こ こ で 、a=2(B-Y)、
β 誕(π一2r)で あ る こ と に 注 意 し て 、FTの
実 数 お よび虚 数 部 に展 開 す る と
苓 峨 ÷纔
(3.4a)
…{・舳 雑 難響 鑞 罪28弓
轡1-一
蟶雜 諜 畿響
}
(3.4b)
(3.4c)
とな る。 実 数 部 は光 線 に平 行 な 力 で あ る散 乱 力FS、 虚 数 部 は光 線 に垂 直 な力 で あ る勾 配 力Fgを 表 す。 す べ て
の 光 線 に対 して、 これ ら2つの 力 を求 め る こ とで、 トラ ッ プカ を解 析 す る。
一 方 で 、 各 光 線 の持 つ レー ザ 強度 に 関 して、 対 物 レ ンズ で絞 られ た 各 々 の光 線 は光 軸 に対 して ψの角 度 を
持 って粒 子 に 入 射 す る。 対物 レンズ 入 射 前 の ビー ム断 面 の 強 度分 布 が ガ ウシ ア ン分 布 の場 合 、
ρ〈
轟 澱な 励 磁
(3.5)
で 与 え られ る。 今 、 ビー ムの 光 線 へ の分 割 数 を半 径 方 向 にm、 円周 方 向 にnとす る と、 各 光 線 もつ の 入 射 前 の
光 強 度 は次 の よ うに な る。
蓋 〆 観
灘(3,6)
光 軸 方 向 に 働 く力(Axialtrappingforce)プ
ロ ー ブ 球 が レ ー ザ ス ポ ッ トか ら光 軸 方 向 に 変 位 す る 時 に 光 軸
方 向 に 働 く力 を 解 析 す る 。 プ ロ ー ブ 球 が レ ー ザ ス ポ ッ トか らdZ変 位 す る 場 合 の 幾 何 学 モ デ ル を 図3.2に 示 す 。
光 軸 方 向 をZ軸 に と り、XY軸
を 光 軸 に 垂 直 方 向 と し た 。 光 軸 方 向 変 位 の 場 合 、 力 は 軸 対 称 と して 扱 う こ とが
で き 、 図3.2(b)に 示 す 光 軸 を 面 内 に 持 つ 一 断 面 を 考 え 、 そ れ を 円 周 方 向 に 積 分 す る こ とで 力 を 求 め る 。 対 物
レ ン ズ に よ って 集 光 さ れ た 光 線 は 光 軸 に 対 して ψの 角 度 で 集 光 さ れ る 。 こ こで ψ㎜ は 村 物 レ ン ズ 開 口 飆
(Numericalaperture)に
よ って 決 定 さ れ る 。
(3(3
厂㎜ 、
はNAと
.7)
対 物 レ ンズ の 作 動 距 離 θよ り、
濕 勘醗 皺騒 臙
(3.8)
で あ る。 レーザ ス ポ ッ ト、 球 中 心 、 球 表 面 の 光 線 入 射 位 置 の3点 を結 ぶ 三 角形 に 注 目す れ ば、正 弦 定理 よ り
髭
畿
カ
撫 躰 一夢)纐
Figure3.1:0pticalpathofopticalray
atarbitraryincidentangle.
欝
(3.9)
(a)Birdview.(b)XZplane.
Figure3.2:Geometricalmodeltoanalyzeaxialtrappingforce.
zi
とな り、 角 度 ψで 集 光 さ れ る光 線 の 球 へ の 入 射 角 θが 決 定 す る 。 同 時 に 、Snellの 法 則 よ り屈 折 角Yは
難
曜
漁8(3.10)
と な る。 物 体 の 反 射 率 お よ び 屈 折 率 は 光 の 偏 光 や 入 射 角 に よ って 変 化 す る。 そ れ ぞ れ 、 反 射 率Rお よ び 透 過
率7は 、2章 の 式(2.22)(2.23)`を 用 い て 入 射 角 か ら得 られ る 。
次 に 各 光 線 の 偏 光 を 考 え る 。 各 光 線 の 偏 光 成 分 をfお よ 礪
とす る と、 直 線 偏 光 と ラ ジ ア ル 偏 光 の 場 合 を 式
(3.11)、(3.12)に そ れ ぞ れ 示 す 。
か
鰯(3.11。)か
叢(3.12・)
五 一・・SZN(3.11b)か
導(3.12b)
し た が っ て 、 各 光 線 に つ い て 、p偏 光 とs偏 光 を 考 え 、 そ れ ら を 足 し合 わ せ る こ とで 、 す べ て の 光 線 に 対 す る
散 乱 力 と勾 配 力 が 求 め ら れ る。 た だ し 、 光 軸 方 向 変 位 の 場 合 は 、 軸 対 称 で あ る た め 、 光 軸 か ら放 射 方 向 の 力
は 打 ち 消 さ れ 当 然0で
あ る。 い ま 、 光 軸 方 向 の 力 を 算 出 す る た め 、 得 ら れ る 散 乱 力 お よ び 勾 配 力 か ら
鑑 摺燕 萄osφ一ろ 繍 φ
(3.13)
を求 めて すべ て の光 線 に よ る力 を足 し合 わせ る と光 軸 方 向 の 力FZが 得 られ る。
光 軸 に 垂 直 方 向 に 働 く 力(Transversetrappingforce)プ
ロ ー ブ 球 が 光 軸 垂 直 方 向 に 変 位 す る 時 に 働 く光
軸 に 垂 直 な 復 元 力 を考 え る 。 レ ー ザ ス ポ ッ トか らの プ ロ ー ブ 球 変 位 をdyと し た と き の 光 線 の 幾 何 学 モ デ ル は
図3.3の よ う に な る 。 光 軸 方 向 の 場 合 と 同 様 に 始 め に 入 射 角 ψを 求 め る 。 た だ し、 モ デ ル が 軸 対 称 で は な い た
め 、 球 の 変 位 方 向(Y軸)と
光 線 の 入 射 面 を な す 角 度 γを 考 え る(図3.3(b))。 γは 幾 何 学 的 な 関 係 か ら 、
¥聯 導畑 《
露 一 φ}《
嬲 謬(3.14)
で 得 ら れ 、 こ れ を 用 い て 正 弦 定 理 よ り、
尠
が
鍵
繍8sing(3.15)
の 関 係 が 導 か れ 、 入 射 角 θを 得 る。 こ の θか らFresnel反 射 率 を 用 い た 反 射 率Rと 透 過 率7を 算 出 す る 。 偏 光 の 影
響 を考 え るた め 、 球 座 標 に対 す る光 線 の入 射 角 を表 す 変 蜘
麟識
を 導 入 す る。 μはZY面
と入 射 面 の 角 度 で あ る。
臘 躰 一φ湊
衾霞
籖欝(3
こ の μを 用 い て 偏 光 に よ る 光 強 度 成 分 を 考 え る と 、 直 線 偏 光(式(3.17))[248]と
.16)
ラ ジ ア ル 偏 光(式(3.is))[250]は
それ ぞれ 、
!4鍵飾 瓢 β群◎sμ)蠢
み 傭緬$鋤
と な る。Y軸
轡s韮 籍β廳 が
(3.17a)
み 繊 ・gs3μ
(3.18a)
(3.17b)
五 盟sin2μ
(3.18b)
方 向 の 復 元 力 を 得 るた め 、
馬 職鑑 ¢霜噸 争&漁 野
(3.19)
成 分 を計 算 す る。 こ こで 、z方 向の 場 合 は軸 対 称 で あ るた め 、軸 円周 方 向 に積 分 をす る こ とで全 光 線 の 力 を
求 め た が 、今 回 は光 線 を 円周 角 βを0か らπまで 求 め 、 そ れ を後 に2倍 す る こ とで 求 め た。
"S
zz
ubsection2.4.2inpage19.
Chapter3:Numericalanalysisforfundamentalpropertiesoftheprobebasedonlasertrappingtechnique
3.2.2光
線 追 跡 シ ミ ュ レー タ確 認
本 研 究 で 作 成 し た シ ミ ュ レ ー タ の 実 用 性 を 確 認 す る た め 、 結 果 の 比 較 した 。 比 較 対 象 と して 、 文 献249のJ.
Baiら 結 果 を 用 い た 。J.Baiら
は 、 任 意 形 状 の 物 体 を 捕 捉 す る と き の ト ラ ッ プ カ を 解 析 す るた め 物 体 の パ ッ チ
モ デ ル を 作 成 し、 そ こ に 入 射 す る 光 線 を 解 析 した 【249]。比 較 は 、8オmの
物 レ ン ズ を 用 い て 、 直 線 偏 光(X軸
対
方 向)の ガ ウ シ ア ン ビ ー ム に よ っ て 捕 捉 し た と き の ト ラ ッ プ 効 率 と し た 。
光 軸 垂 直 方 向 の 解 析 で は 、 プ ロ ー ブ 球 の 変 位 は 偏 光 方 向 に垂 直(Y軸)と
300、 円 周 方 向 にn=400と
シ リ カ 粒 子(n=1.44)をNAO.95の
した 。 光 線 分 割 数 は 半 径 方 向 にm=
した 。 図3.4が そ の 結 果 で あ り、(a)は 光 軸 方 向 、(b)は 光 軸 垂 直 方 向 変 位 を 示 す。 光
軸 垂 直 方 向 に つ い て は トラ ッ プ 効 率 は よ く一 致 して い る 。 光 軸 方 向 に 関 して 、 引 き 上 げ 方 向 の 最 大 ト ラ ッ プ
効 率 は ほ ぼ一
〇.2で一 致 して い る が 、dZの マ イ ナ ス 領 域 で は あ ま り 一 致 して お らず
果 よ り も15%程
本 研 究 の 結 果 はJ.Baiら の 結
度 低 い 値 を 示 して い る 。 こ の よ う に 光 軸 方 向 に 若 干 の 違 い は あ る も の の 大 局 的 に は一 致 して
お り、 プ ロ ー ブ 特 性 の 理 解 とい う観 点 で は 問 題 な い と考 え 、 以 降 、 本 シ ミ ュ レ ー タ を 用 い て 解 析 を行 っ た 。
3.2.3光
放 射 圧 プmブ
基 本 特 性
プ ロ ー ブ球 の 捕 捉 位 置 に つ い て 、 光 軸 方 向 ト ラ ッ プ効 率 か ら式(2.17)を 用 い て トラ ッ プカ を 求 め 、 プ ロ ー
ブ 球 質 量(5.25pg)と
釣 り合 う位 置 を 捕 捉 位 置 と考 え る 。 図3.4(b)よ り光 軸 垂 直 方 向 は 光 軸 申 心 で 安 定 す る の
に 対 して 、 図3.4(a)に 見 られ る よ う に 光 軸 方 向 は レ ー ザ ス ポ ッ ト よ りや や 下 方 に 安 定 的 に 捕 捉 さ れ る。 これ
は 、 前 述 の よ う に(2章)、 散 乱 力 に よ る押 し 下 げ 力 の た め で あ る 。 ま た プ ロ ー ブ 球 の 捕 捉 位 置 は レ ー ザ 強 度
に も 依 存 し(図3.5)、50mWを
超 え る と極 端 に 捕 捉 位 置 が 変 化 す る。 こ れ は レ ー ザ 強 度 が 低 下 す る こ と に よ る
勾 配 力 の 低 下 に よ る も の と考 え られ る 。 こ の よ う に 、 光 軸 方 向 の 捕 捉 位 置 は レ ー ザ 強 度 に 依 存 す る が 、 レ ー
ザ 強 度 が200mW以
CMMで
上 の 範 囲 は100mWの
変 化 に 対 して10㎜
と僅 か で あ る 。
測 定 を 行 う 場 合 、 プ ロ ー ブ の 高 速 な 動 作 が 求 め られ る 。 プ ロ ー ブ シ ス テ ム が 移 動 し た と き に プ
ロ ー ブ が ど の 程 度 変 位 す るか を 見 積 も る 。 プ ロ ー ブ シ ス テ ム が1mm/sec.で
移 動 し た と考 え る時 、Stokes抵 抗
Figure3.4:Comparisonofanalyzedtrappingefficiencybymeansofraytracingmethod.
23
Figure3.5:Equilibriumaxialtrappingposition.
か ら見 積 も られ る粘 性 抵 抗 に よ る力 は1.4pN程
て い る 時 の 横 方 向 に働 く力 はQ=o.2の
抵 抗 に よ る 外 力 は 捕 捉 力 の1%程
度 で あ る 。 一 方 で 、 レ ー ザ 強 度200mWで
時 で133pNで
同 プ ロ ー ブを 捕 捉 し
あ る。 した が っ て 、 プ ロ ー ブ シ ス テ ム の 移 動 に伴 う 粘 性
度 で あ り、 そ の 影 響 は 無 視 で き る程 に 小 さ い 。
ば ね 定 数 は位 置 検 出感 度 を示 す プロ ー ブ シス テ ム指 標 とな る が 、 プ ロ ー ブ の ば ね定 数 は 、 レーザ 強 度 が
200mWの
時 、 光 軸 方 向 が52オN/m、
光 軸 に 垂 直 方 向 が63オN/m(偏
で あ る。 これ は 他 の プ ロ ー ブ(数 十N/m(1章
比 較 して も遥 か に 小 さ く、SIN比
表1.2参 照))やAFMの
光 方 向 に 垂 直)、64オN/m(偏
光 方 向 に 平 行)
カ ン チ レバ ー(0.Ol∼100N/m[257])な
どと
を 向 上 させ る こ とが 出 来 れ ば 、 微 小 な 力 に 対 して 高 感 度 に 反 応 す る プ ロ ー
ブ と な りえ る 。 ば ね 定 数 の3次 元 的 な ば らつ き は 約20%あ
り、 直 線 偏 光 で は 等 方 性 は 得 に くい 。
ま た 、 ば ね 定 数 か ら本 プ ロ ー ブ シ ス テ ム の 共 振 周 波 数 を 見 積 も る こ とが 出 来 、 ば ね 定 数 が150オN/m(レ
ザ パ ワ ー500mW)で
こ こ か ら、1㎜
直 径8オmの
シ リ カ 球 を 用 い た 場 合 、 共 振 周 波 数 は 約2700Hz程
の 分 解 能 を 得 る た め に は プ ロ ー ビ ン グ 速 度 力§
約3オm/sec程
ー
度 に な る と推 定 さ れ る 。
度 で あ る こ とが 予 想 され 、 この よ
う に、低 共 振 周 波 数 を持 つ プ ロ ー ブの 検 出高 速 化 の 限界 は否 め な い。
3.2.4捕
捉 光 源
対 物 レ ンズ のNAの
影響
対 物 レ ン ズ の 開 口数(Numericalaperture,NA)は
用 い られ 、 簡 単 に は 集 光 角 度 を 意 味 す る 。NAが
作 動 距 離 は 狭 くな る 。 対 物 レ ン ズNAの
レ ン ズ 特 性 を 示 す 一 つ の 要 素 と して
大 き い ほ ど レ ー ザ は 強 く集 光 さ れ 、 そ の 結 果 、 焦 点 距 離 や
影 響 を 検 証 す る た め 、NAの
変 化 に よ る最 大 ト ラ ッ プ 効 率 を 計 算 し
た 。 結 果 を 図3。6に示 す。 光 軸 方 向 の ト ラ ッ プ効 率 に つ い て 、 図 に 示 す よ う に 、 上 向 き の 力 を 得 るた め に は
NAO.75以
上 が 必 要 で あ り、NAO.95で
に よ っ て 、Y軸
最 大0,2ま で 得 る こ とが 出 来 る 。NAが
大 き くな る と光 軸 方 向 の 効 率 増 加
方 向 は 逆 に 効 率 が 下 が る。
ビー ム プ ロ フ ァ イ ル の 影 響
ト ラ ッ プ 用 ビ ー ム に は ガ ウ シ ア ン 強 度 分 布 が 用 い ら れ る こ とが 多 い 。 ガ ウ シ ア
ン 分 布 は 光 軸 付 近 に 高 い 強 度 を 持 つ が 、 光 軸 付 近 の 光 線 は物 体 を 押 し下 げ る 散 乱 力 を 発 生 さ せ る た め 、 レ ー
ザ ト ラ ッ プ 技 術 に と っ て 必 ず し も効 果 的 と は 言 え な い 。 そ こ で 、 近 軸 領 域 に レ ー ザ の 強 度 を 持 た な い ドー ナ
ッ 型 強 度 分 布 の 輪 帯 ビー ム を 例 に と っ て 、 ガ ウ シ ア ン 分 布 以 外 の ビ ー ム で の 効 率 改 善 を 検 討 す る 。 た だ し、
簡 単 の た め 、 ビ ー ム 断 面 内 で 強 度 分 布 を 均 一 に し、 ビ ー ム 強 度 の パ タ ー ン の み に 焦 点 を 当 て た 。 ビー ム 断 面
に 関 わ らず
入 射 エ ネ ル ギ は 等 し く して い る 。 解 析 結 果 を 図3.7に 示 す。 横 軸 は ビー ム 内 径 と 外 径 の 直 径 の 比
を 示 す 。 ビ ー ム 内 径 が 大 き くな る と光 軸 方 向 ト ラ ッ プ 効 率 が 大 き くな り、 最 大 で2倍 程 度 に 達 す る よ う に 、
輪 帯 ビ ー ム の 効 果 は 大 き い 。 光 軸 垂 直 方 向 の 効 率 は 、 光 軸 方 向 が2倍 に 上 昇 す る と、 約20%減
ビー ム 偏 光 の 影 響2章
少 す る。
で 述 べ た よ う に 、 ビ ー ム 偏 光 状 態 は ト ラ ッ プ特 性 に影 響 を 及 ぼ す 。 直 線 偏 光 で は 、
球 の 入 射 時 にs偏 光 とp偏 光 が 混 在 す る。 ラ ジ ア ル 偏 光 の 場 合 、 プ ロ ー ブ に 入 射 す る光 は す べ てp偏 光 と な
る 。p偏 光 はs偏 光 よ り も反 射 率 が 低 く屈 折 光 が 多 くな る た め 、 勾 配 力 の 要 素 が 大 き くな り、 そ の 結 果 、 光 軸
方 向 トラ ッ プ 効 率 が 向 上 す る 。 こ れ はS.Yanら
24
の 解 析 に よ っ て も 示 唆 さ れ て い る[261]。 そ こ で 、 ラ ジ ア ル 偏
Chapter3:Numericalanalysisforfundamentalpropertiesoftheprobebasedonlasertrappingtechnique
Figure3.6:ImpactofobjectiveNAtotrappingefficiency.
Figure3.7:Influenceofbeamintensityprofileto
trapPi皿gefficiency
Figure3.8:Polarizationeffecttotrappingefficiency.
光 と直 線 偏 光 を 比 較 し、 トラ ッ プ効 率 を 比 較 す る 。 た だ し、 単 純 に 偏 光 の み を 比 較 す る 目 的 で 、 ビ ー ム の 強
度 分 布 は す べ て ガ ウ シ ア ン分 布 と し た 。 結 果 を 図3.8に 示 す。 同 図(a)の 光 軸 方 向 に つ い て は 、 予 想 さ れ た よ う
に ラ ジ ア ル 偏 光 ビー ム を 用 い る こ と で 、 最 大 の 光 軸 方 向 トラ ッ プ効 率 が1.6倍 向 上 して い る 。 ま た 、 ば ね 定 数
も1.14倍 増 加 して い る 。 次 に 光 軸 垂 直 方 向 で は(図3.8(b))、
ラ ジ ア ル 偏 光 ビー ム を 用 い る こ とで 、 最 大 ト ラ ッ
プ 効 率 が0.68倍 低 下 した 。 こ れ は 、 光 軸 方 向 に 光 放 射 圧 が 働 い た こ とで エ ネ ル ギ 保 存 に よ っ て 、 光 軸 垂 直 方
向 の 効 率 が 低 下 し た も の と考 え ら れ る 。 こ こ で 、 ば ね 定 数 に 注 目 す る と、 光 軸 方 向 と光 軸 垂 直 方 向 の ば ね 定
数 の 差 が 小 さ くな り、 直 線 偏 光 で は20%程
8%ま
度 で あ っ た3次 元 的 な ば ね 定 数 の ば ら つ き は ラ ジ ア ル 偏 光 で は約
で 減 少 し た 。 ま とめ る と、 ラ ジ ア ル 偏 光 で 光 軸 方 向 トラ ッ プ 効 率 は 大 き くな り、3次 元 的 感 度 の 等 方 性
も 改 善 さ れ 、 本 プ ロ ー ブ に 対 して 偏 光 制 御 、 特 に ラ ジ ア ル 偏 光 は 非 常 に 有 用 で あ る こ とが わ か る 。
3.3プ
ロ ー ビン グ時 に受 ける影響 評価
本 プ ロ ー ブ は光 放 射 圧 に よって3次 元 的 に空 間 捕 捉 され た微 粒 子 を プロ ー ブ と して 用 い る。 プロ ー ビ ング
時 、 プ ロ ー ブ球 は測 定 面 に ナ ノメー トル オ ー ダ の距 離 ま で接 近 す る。 プ ロー ブ球 が 測 定 面 に近 接 す る と、 捕
捉 ビー ム とプ ロー ブ球 に よ って 形 成 され る電 磁 場 分 布 に変 化 が 生 じ プ ロー ブ特 性 の変 化 が示 唆 され る[262,
263]。 そ こで、 プ ロ ー ビ ン グ時 にプ ロ ー ブ球 が 測 定 面 近 傍 で受 け る光 放 射圧 変 化 を解 析 し、 プ ロー ブ球 が 受
け る影 響 を明 らか に す る。 プ ロ ー ビ ング時 に発 生 す る影 響 とは 、電 磁 気 学 的場 が乱 され る、 とい う こ とで あ
り、 それ は具 体 的 に は 以下 の よ うな状 況 に よ って起 こ る と考 え られ る。
・ 測 定 面 の 反 射 光 が プ ロ ー ブ に再 入 射 す る
・ 入 射 ビ ー ム が 遮 ら れ る(シ ャ ドウ 効 果(Shadoweffect))
本 節 で は 、 シ ャ ドウ 効 果 や 反 射 光 の 影 響 に よ り プ ロ ー ブ に 作 用 す る光 放 射 圧 の 変 化 を 求 め 、 光 放 射 圧 プ ロ ー
ブ の 特 性 を 評 価 す る 。 解 析 手 法 は 原 理 的 に い か な る散 乱 問 題 に も適 用 可 能 なFDTD(Finitedifferentialtime
25
domain、 有 限 時 間 領 域 差分)法 を用 い る。 この 解 析 手 法 で は そ の解 析 領 域 中 に い か な る形 状 、 構 造 の 粒 子 を
も構 成 可 能 で あ り、 そ の解 析 領域 を全 領域 に渡 って 計算 す る こ とに よ り散 乱 場 を求 め る。
3.3.1FDTD法
FDTD法
で はMaxwellの 方 程 式 に基 づ い て散 乱場 を計 算 す る。 こ こで 、 計算 す る媒 質 に つ い て 考 え る。本 研
究 で は、 線 形 、 均 一 か つ 等 方 的 な媒 質 を扱 うが、 そ れ らの特 徴 は 誘 電 率 ε
、 透 磁 率 μ、導 電 率 σ、 お よび屈 折
率nな どで決 定 され る。 これ らはFDTD法
に お いて は場 所 の 関数 と して 取 り扱 わ れ る。 また 光 の周 波 数 に対 し
て 、 比 誘 電 率 ε.は
複 素 数 で あ り、 す な わ ち複 素 比誘 電 率 は
サ
馬
ァ
タ
(3.20)
灘 鶴""`ter
と書 き表 せ る。 媒 質 の 屈 折 率nは 、 媒 質 中 の光 の速 度vと 真 空 中 の速 度Cと の 比 で 定 義 されて お り
・
÷傷 藷
(3.21)
と な る 。 以 上 を 用 い て 、 式(2.2)を 電 流 源 の 存 在 し な い 場 合 の 構 成 方 程 式 を 用 い る こ とに よ っ て
灘
一
魂
鏤 齡_黛撫 三Vx鸞
纛
霞
診S
(3.22a)
袤
漏 一一Vx蠧
鶴
(3.22b)
と表 す こ とが で き る 。
Yeeア
ル ゴ リズ ムFDTD法
はK.S.Yeeに
よ っ て1966年
に 提 案 さ れ た 電 磁 場 数 値 解 析 手 法 の1つ[264]で
場 の 逐 次 的 な 時 間 変 化 を解 析 す る 方 法 で あ る 。FDTD法
割 し 、 そ の 全 セ ル に 対 してMaxwellの
で 光 散 乱 場 を 求 め 、Maxwellの
、電磁
で は解 析 領 域 全 体 を セ ル と呼 ばれ る微 小 直 方 体 に分
方 程 式 を 適 用 して 定 式 化 す る。FDTD法
で 波源 、散 乱体 を 囲 む解 析 領 域
応 力 理 論 を 適 用 して 光 放 射 圧 を 求 め る。FDTDを
はYeeア ル ゴ リズ ム と呼 ば れ る も の で あ る 。Yeeア ル ゴ リズ ム で は 、Maxwellの
用 い た 数 値 解 析 ア ル ゴ リズ ム
方 程 式 を時 間 並 び に空 間 につ
い て 差 分 化 を お こ な う 。 こ の と き一・
般 的 に1次 中 心 差 分 を 用 い 、 時 空 間 で の 電 場 と磁 場 の 配 置 は 食 違 い 格 子
[265]に よ る 差 分 法 を 用 い る 。 つ ま り、 時 間 差 分 を △tと し た 時 、 電 場 はt=(n+1)△tで
場 はt=(n+1/2)△tで
与 え られ る。
靉懿 輯覊 縅
纛
与 え られ る の に 対 し、 磁
騨 亭
協 一騨 巍
_黛 猛繍 ㍉ 勾 浦 碗鑞
驫
(3.23a)
3s
。一勾
。鸞
(3.23b)
こ こ で 、 中 心 差 分 に よ り 、 電 場En-1/2は
膨
縣纏
繊
獄
轍靉趣 萋
(3.24)
2
で あ る の で 、 式(3.23)は
£鳶 繼慮 飽 萋牽 う㌣ 蠶 獲 縅 葭
(3.25a)
鸞 謝 鐙 讐 獲 瞬 鍛_¢Vx獄
(3.25b)
と な る。 た だ し、
叢一磯
疹
ノ
鯰
酵灘 薫
争 《装ム診〆2護
(3.26a)
心 瀟 一趣/鮮
26
鐵
ムぎタε
肇軽 瓣
絵謬
(3.26b)
(3.26c)
Chapter3:Numericalanalysisforfundamentalpropertiesoftheprobebasedonlasertrappingtechnique
で あ る。 閉 領 域 の 解 析 手 法 で あ るFDTD法
で は 、 本 研 究 の よ うな 開 放 領 域 の 問 題 を 取 り扱 う場 合 に は 仮 想 境
界 を 設 け 、 こ れ を 吸 収 境 界 とい う。 吸 収 境 界 で はYeeア ル ゴ リズ ム が 用 い れ な い た め 、 解 析 領 域 の 外 壁 で 反
射 を 起 こ さ な い よ う仮 想 境 界 を 設 け る必 要 が あ る 。 本 研 究 で は且igdonの 吸 収 境 界 条 件 を 用 い た[266]。 安 定
条 件 とし て 、 時 間 刻 み はCourantの
Maxwell応
力
安 定 条 件[265亅を 用 い 、 空 間 刻 み は セ ル サ イ ズ を 波 長 の1120と した 。
単 位 体 積 あ た りの 電 荷 密 度 をPす る とLorentz力 を用 い て 、 領 域V内
變 一 ∫1{ρ駕
で 電 荷 に 対 す る力 は
・if(3
.27)
とな る。 これ は1電 荷 に対 す る力 で あ り、 誘 電 体 全 体 を考 え る と、 そ の分 極 電 荷 に対 す る力 は以 下 とな る。
欝 イ1裁 鍵(3
.28)
また 誘 電 体 の分 極 電 流 、磁 化 電 流 に よって 作 用 す る力 は、 それ ぞれ
靉・轟 毒 灘(3
.29)・
一秘
・躍(、.3。)
で あ り、 あ る領 域 内 に あ る誘 電 体 が 電 磁 場 か ら受 け る力 は 以下 の よ うに書 け る。
飾 轟麺 蠏 鋤 《
謬勢3鋸華毒)燼 抑
(3.31)
物 質 中のMaxwellの 方 程 式 か ら得 られ る関係 式
魂毒難斗
とMaxwellの
率
罹(332)
方 程 式 を 用 い て 変 形 す れ ば 、 式(3.31)の 成 分 式 は
鶏一無
灣幽
磯 鵬
憂磯 傭 韈 一
嚢噸
(、.33)
と な る 。 た だ し 、 δは ク ロ ネ ッ カ ー の デ ル タ で あ る 。 こ こ で 、
簿一蝿
紳
崎 脇 一
が δ
・
(3.34)
とす る。 この 乃 はMaxwellの
応 力 テ ン ソ ル と呼 ば れ る 。Gaussの
発 散 定 理 を 用 い れ ば 式(3 .33)は 、
(3.35)
8
と書 くこ とが で き る。 こ こで、 第1項 の電 磁 場 運 動 量 の時 間 的変 化 を無視 す れ ぼ、
考一鍋 燐
(3.36)
を得 る。 乃 吻は領 域Vを 囲 む面 に垂 直 に 作用 す る圧 力 を示 し、 これ に よっ て 求 め られ た得 られ た 散乱 場(電 磁
場 の 勾配)か ら トラ ップカ を計 算 す る。
27
入 射 ビー ム モ デ ル
解 析 領 域 に 与 え る初 期 値 と して 、 入 射 ビ ー ム の 電 場 を 与 え る 。 前 節 で 述 べ られ た よ う に
大 気 中 の レ ー ザ ト ラ ッ プ で は 高 いNAで
絞 ら れ た ビ ー ム を 必 要 とす る 。 高 次 の 散 乱 状 態 で はMaxwellの
方程 式
が 収 束 し な い た め 、 集 光 ビー ム を 電 磁 場 の 数 値 解 的 に 生 成 す る こ とは 容 易 で は な い 。 集 光 ビ ー ム の 表 現 方 法
は1976年
にL.W.Davisに
よ っ てHelmholtz方
程 式 か ら導 い た モ デ ル が 提 案 さ れ[267]、 そ の 後 」.PBartonに
発 展 さ れ た[268]。 一 方 、Vectorsphericalwavefunctions(VSWFs)を
お り[269,270]、T.A.Nieminenは
て い る[251,252,270]。
よ って
用 い て ビ ー ム を 表 現 す る方 法 も 提 案 さ れ て
これ を 用 い た ㍗matrix法 で 様 々 な 条 件 化 に 置 け る トラ ッ プ 特 性 の 評 価 を 行 っ
こ こ で はL.W.Davisの
提 案 し た 方 法 を 用 い た 。 こ の 方 法 で は 、t一
ム は 以下 の 式 で表
現 され る 。
v2a← 轟楚
ム 獄飜(3.37a)
E繊 〈`ノTTA) 籔磁
AはHelmholtz方
灘(3.37b)
翫V・A(3.37・)
程 式 の 解 で あ り 、 こ の 解 は 以 下 の 式 で 表 さ れ る 。 た だ し 、 解 析 領 域(x,ア,Z)は
x!coo、 ηはy/coo、 ζはDiffractionlengthと
呼 ば れ 、z1(kwo)で
正 規 化 し 、 ξは
表 現 さ れ る。
A燃
蕊
(3.38a)
議 懲畷 蠶灣,ζ1ボ麟 嚇
こ こ で 、3=1/κ
ωoで あ る 。 こ のAを
式(3.37a)に
(3.38b)
代 入 す る と、
俸 斎 審
灘一
一
礎
こ のWはSを
用 い て レ0+szyrz+34鞠+・
(3.39)
・の よ う に 展 開 で き る 。 つ ま り 、Aは
ゑ働鷦 轄 鳩 轄犠)ガ 鮒 豪
と表 す こ と が で き 、 これ を ふ ま えてAを
(3.40)
式(3.37a)に 代 入 し、 そ れ ぞ れ のstnの 項 に つ い て 方 程 式 を た て る と、
(詮 券一
飯議 一肇
と な る 。LWDavisは3次[267]、J.:..は
与 え た 。 今 こ こ で は 、Sは1次
翰
脇
レを5次[268]ま
と し 、 よ っ て 、 式(3.37b)(3.37c)に
あ る電 場 磁 場 の成 分 式 は
一導(3.42d)
落,一 。(,
とな る 。 な お 、NAは
でSを 展 開 し 最 終 的 な ビ ー ム 表 現 に 関 す る 解 析 解 を
ガ解(3.42。)篤
8、 一 黛£、・鋤,〆
(3.41)
一 為 愈麺.(3
.42、)篤
一・儒
.42、)鵜
一一2驫
灘
簡潔蓄衾(・.42e)
・鰄
ボ 縷醗 略
鰍(・.42fl
集 光 さ れ る ビ ー ム ス ポ ッ トの 径 ωoと して 評 価 し、 そ の 変 換 式 は 以 下 のRayleighの
式で与
え ら れ る[272]。
2輪
醸
黶薫
(3.43)
た だ し、 λは レ ー ザ 波 長 、kは ビ ー ム 径 な ど に 関 す る 比 例 係 数 で0.25か ら0.8の 値 を 取 る 。
28
Chapter3:Numericalanalysisforfundamentalpropertiesoftheprobebasedonlasertrappingtechnique
3.3。2FDTDシ
ミ ュ レ ー タ確 認
作 成 さ れ た 電 磁 場 解 析 シ ミ ュ レ ー タ の 妥 当 性 を 評 価 す る た め 、 前 節 で 用 い た 光 線 追 跡 法 と の 比 較 を 行 う。
条 件 と して 、 レ ー ザ は 直 線 偏 光 で 波 長1064㎜
と し 、 粒 径 は8μmと
、NAO.92と
す る。 ま た 捕 捉 さ れ る プ ロ ー ブ 球 の 屈 折 率nは1.44
し た 。 ビー ム ウ エ ス トの 光 軸 垂 直 方 向 に プ ロ ー ブ 球 を シ フ ト さ せ た 時 の プ ロ ー ブ 球 に 作
用 す る復 元 力 の ト ラ ッ プ 効 率 を 比 較 し た 。 ま た 、 シ フ ト方 向 は 偏 光 方 向 に 垂 直 お よ び 水 平 の2方 向 と し た 。
解 析 モデ ル
解 析 領 域 は 光 軸 に 垂 直 な 面 にXY軸
方 向 に22オmお
よ びZ軸 方 向 に16オmと
を に取 り、 光 軸 方 向 をZ軸
と した 。 解 析 空 間 サ イ ズ はXY軸
し た 。 そ れ ぞ れ セ ル サ イ ズ は λ!20に設 定 した 。 プ ロ ー ブ 直 径 は8μm、
屈 折 率 は1.44で あ る。 ビ ー ム の 偏 光 方 向 はX軸
と平 行 と し 、 波 長 は1064㎜
、 ビー ム ウ ェ ス トは0.4オmと
し
た 。 解 析 は ビ ー ム ウ ェ ス トを 固 定 し、 プ ロ ー ブ 球 の 位 置 をXお よ びY方 向 に 相 対 的 に 変 位 さ せ 、 各 位 置 で の
光軸 垂 直 方 向 の 光 放 射圧 を算 出 した 。
解析結果
結 果 を 図3,9に 示 す。 そ れ ぞ れ の 値 は 定 性 的 に は 一 致 し て お り 、 本 研 究 で 用 い るFDTDシ
タ の 妥 当 性 を 示 す 結 果 で あ っ た 。 し か し な が ら 、 定 量 的 に は ト ラ ッ プ 効 率 が15-20%程
ミュ レ ー
度 の 相 違 が 発 生 して
い る 。 こ の 比 較 で 一 概 に 評 価 を 下 す こ と は 難 し い が 、 光 放 射 圧 の 定 性 的 な 評 価 は 十 分 行 え る と判 断 し、 以 後
本 シ ミュ レー タ を用 いて解 析 を行 った 。
3.3.3反
射 光
プ ロー ブが 測 定 面 に対 して垂 直 面 に接 近 した とき、面 か らの反 射 光 が プ ロ ー ブ に再 入 射 し、反 射 光 に よっ
て作 用 す る光 放 射 圧 は プ ロー ブ球 の 捕 捉 位 置 に影 響 を及 ぼ す[273-276]。 今 回、 代 表 的 に シ リコ ンを測 定 面 と
し、反 射 光 に よって プ ロ ー ブ球 に作 用 す る光 放 射 圧 を解 析 し、 プ ロー ブ球 に対 す る影 響 を検 討 した 。
解 析 モ デル
基 本 的 な解 析 条 件 は33.2項 と同様 で あ る。 測 定面 は シ リコ ン ウ ェハ とし屈 折 率n=3,3を 与 え
た 。解 析 は測 定 面 の位 置 をZ軸(光 軸)方 向 に変化 させ、 測 定面 との 距 離 を変 化 させ る。各 測 定面 の位 置 で プ
ロー ブ球 をZ軸 方 向 に変 位 させ 各 位 置 で の光 放 射 圧 を求 め 、Z軸 方 向 の光 放 射圧 が プ ロ ー ブ球 質X5.25pgと
釣
り合 うZ位 置 を解 析 した 。 た だ し、 セ ル 間 は線 形 補 問 した 。
解析結果
結 果 を図3.10に 示 す。 黒 丸 が 解 析 結 果 、 点 線 は予 想 され る プ ロー ブの動 きを示 す。 自 由空 間 で は
ス ポ ッ トの1μm程 度 下方 に 位置 す るプ ロ ー ブ球 が 測 定 面 に接 近 す る と、 測 定 面 か らの 反 射 光 に よって上 方 へ
押 し上 げ られ る。 その オ ー ダ は数 μmオー ダ と無 視 で き な い影 響 とな り得 る。 水 平 面 か らの 反 射 光 は プロ ー
ブの ばね 定数 を変 化 させ る とい う報 告 もあ り、測 定 にお い て考 慮 すべ き点 で あ る。
3.3.4シ
ャ ドウ 効 果
レ ー ザ ト ラ ッ プ 技 術 の マ イ ク ロ プ ロ ー ブ へ の 応 用 に お い て 最 も 大 き な 課 題 の1つ は 入 射 ビ ー ム が 遮 られ る
こ と に よ っ て プ ロ ー ブ 球 が 変 位 す る も し く は 捕 捉 か ら外 れ る こ とで あ る 。 こ の 影 響 を こ こで は シ ャ ドウ 効 果
と よ ぶ 。 レ ー ザ ト ラ ッ プ で は 、 集 光 ビー ム 外 殻 成 分 が 特 に 勾 配 力 を 発 生 さ せ る た め 、 シ ャ ド ウ 効 果 に よ っ て
Figure3.9:Comparisonoftransversetrappingefficiency
betweenFDTDandraytracemethod.
Figure3.10:Analysisofequilibriumaxialtrapping
positionnearflatsurface.
29
プ ロ ー ブ球 が 捕 捉 状 態 か ら外 れて しま う とい う可 能性 が あ る。 しか しR.Nambiarら の 実験 に よ る と、 シ ャ ド
ウ効 果 に よって 直 ち に プ ロ ー ブが 捕 捉 か ら外 れ る こ とは な く、 始 め は プ ロー ブ球 の安 定 捕 捉 位 置 が 変 位 す る
[277,278]。 これ を利 用 して彼 らは捕 捉 プ ロー ブ の 位置 制 御 を試 み た 。 こ こで は、 シ ャ ドウ効 果 に よって 生 ず
る プ ロー ブ球 の 光軸 方 向変 位 に関 す る影 響 を検 討 した 。
解析 モデル
前 解析 と同様 に、 基 本 的 な解 析 条 件 は3.3.2項と同 じで あ る。 た だ し、 初 期 値 と して 与 え る ビー
ム をX軸 方 向 か ら遮 断 、 つ ま り遮 られ た 部 分 の初 期電 磁 場成 分 を0と した 。 こ こで ビー ム遮 断 の 程 度 を示 す パ
ラメ ー タ と して 遮 断 率 を導 入 す る。 図3.11(a)に示 す よ うに 、 ビー ム断 面 を端 か ら距dだ
け遮 断 した とき、遮
断 され たt一 ム 強 度Pdの 全 体 の 強 度Poの 割 合(%)を 遮 断 率 と した 。 解 析 は各 遮 断 率 で プ ロ ー ブ球 をZ軸 方 向
に変 位 させ 、Z軸 方 向 の 光 放射 圧 が プ ロ ーブ質 量 と釣 り合 うZ軸 方 向 の位 置 を解 析 した。 た だ し、 セ ル 間 は線
形 補 間 した 。 この よ うに して、 遮 断率 とプ ロー ブZ方 向 の 捕 捉 位 置 の 関 係 を求 めた 。
解析結果
図3.11(b)は解 析 結 果 を示 す。 黒 丸 が 解 析 値 、 赤 い 点線 は初 期 の 捕捉 位 置 を示 す。 レー ザ が 遮 光 さ
れ る と、 入 射 ビー ム強 度 が減 少 す るた め 、 光 線 追 跡 の 図3.5に見 られ た よ う に光 軸 方 向の 捕 捉 位 置 は変 化 す
る。 しか し、 光 線 追 跡 法 に よれ ぼ100mWに
対 して10㎜
の変 化 で あ った 。 図3.11(b)では数%の 遮 光 に対 して
数 百㎜ の 変 化 が 見 られ る。 これ は、 レー ザ の外 殻成 分 の遮 光 のた め 勾 配 力 が 低 下 す る こ とが考 え られ 、 つ
ま り散 乱 場 の大 き な乱 れ が軸 方 向 の捕 捉 力 を低 下 させ た 可 能 性 が 高 い。 この よ うに、 シ ャ ドウ効 果 は プロ ー
ブ球 の位 置 お よび特 性 を大 き く変化 させ る可 能 性 が あ る。
3.4結
言
本 章 で は 、数 値 解 析 手 法 を用 い て光 放 射 圧 プ ロー ブ の 持 つ基 本 的 な特 性 お よび プ ロー ビ ン グ時 に発 現 す る
電 磁 場 擾 乱 に よ る影 響 につ い て検 討 した 。 以 下 に得 られ た 成 果 と知 見 を ま とめ る。
.光 線 追 跡 シ ミュ レー タ を構 築 し、 光 軸 変 位 す るプ ロ ー ブ球 に作 用 す る光 軸 方 向 の力 お よび 、 光 軸 垂 直 方 向
に変 位 す る プ ロー ブ球 に働 く光軸 垂 直 方 向 の 力 を解 析 した。
・ レー ザ ト ラッ プ に よ り直 径8オmの
微 粒 子 に作 用 す る力 の オ ー ダ は数 百pNで あ っ た 。 ば ね 定 数 は レーザ 強 度
に よって 可 変 で あ り、50∼150μN!m程
度 で あ っ た 。 それ に よ る検 出速 度 がtオm/sec.と 見積 も られ た 。
.捕 捉 光 源 につ いて、 光 軸 方 向 トラ ッ プ効 率 は高NA対 物 レ ンズ 、輪 帯 ビー ム 、 ラジ アル 偏 光 を用 い る と改
善 で き る。 ラジ ア ル偏 光 を用 い る こ とで、 ばね 定数 の3次 元 的 な ば らつ き を8%程 度 に低 減 可 能 で あ った 。
.電 磁 気 学 的 に光 散 乱 を解 析 しMaxwell応 力 で光 放 射 圧 を求 め るFDTDシ
ミュ レー タ を構 築 した 。
.プ ロ ー ブ球 が 水 平 面 に近 接 す る と、 測 定 面 か らの反 射 光 が プ ロー ブ球 に光 放 射 圧 として 作 用 す る。 そ の力
は測 定 面 に対 す る反 発 力 とな りプロ ー ブ球 の捕 捉位 置 が 無視 で きな い影 響 を受 け る可 能 性 が あ る。
.測 定 中 に 捕捉 レー ザ が 遮 光 され るシ ャ ドウ効 果 につ いて 、 プ ロー ブ球 の光 軸 方 向 の捕 捉 位 置 の 変 化 を検 討
した 。 ガ ウシ ア ン ビー ム を用 いた 場 合 、 レーザ 強度 が 遮 光 され る と、 その エ ネ ル ギ損 失 が10%以
て も レー ザ トラ ッ プの 散 乱 場 が 乱 され プ ロ ー ブ球 捕 捉 位 置 に変 化 が 生 じ る。
Figure3.11:Analysisofaxialtrappingpositionshiftduetoshadoweffect.
30
下であ っ
Chapter4:Experimentverificationofsurfacepositionsensingwiththelasertrappingbasedprobe
第4章
4.1緒
光 放 射 圧 プ ロー ブ に よる位 置 検 出基 礎 実験
論
光放 射圧 で捕 捉 され た マイ ク ロ粒 子 を用 い た 測 定 面 位 置 検 出 の 可 能 性 に つ いて 実 験 的 に検 証 し、 プ ロ ー ブ
の高 感 度化 を検 討 す る。
4.2プ
ロー ブ球 接 近 実験
位 置検 出 プ ロー ブは プ ロー ブ球(も し くは接 触 子)を 測 定 面 に接 近 させ 、 接 触 した時 に受 け る変 位 を測 定 す
る こ とで表 面 位 置 を検 出 す る。 レー ザ ト ラッ プ の捕 捉 力 はpNオ ー ダで あ る、 一 方 で測 定 面 とプ ロ ー ブ球 との
接 触 に よ る吸 着 力 はnNオ ー ダ に達 す る。 その た め、本 プ ロー ブ は測 定面 に非 接 触 で 検 出 す る必 要 が あ る。 し
た が って、測 定 面 との相 互 作 用 で プ ロー ブ球 が感 知可 能 な 力学 的 作 用 を 受 け る必 要 が あ る。 この 際 生 じ る変
位 を高 精 度 に測 定 す る こ とが 高 感 度 の位 置 検 出 を可 能 にす る。 本 節 は、 プ ロ ー ブ球 変 位 の 測 定 法 を提 案 し、
プ ロー ブ球 と測 定 面 との 相 互 作用 を確 認 す る こ とを 目 的 とす る。
4.2.1Linnik干
渉 計 を 用 い た プ ロ ー ブ 球 位 置 測 定[164-166]
高 感 度 な 位 置 検 出 の た め に は 、 高 精 度 な プ ロ ー ブ 球 変 位 測 定 が 必 要 で あ る。 レ ー ザ トラ ッ プ で 捕 捉 さ れ た
微 粒 子 の 変 位 測 定 手 法 は 多 く提 案 さ れ て お り[186,198,279-286]、
ナ ノ メ ー トル の 高 分 解 能 を達 成 す る 手 法 も
あ る が 、 一 般 的 に 測 定 範 囲 が 狭 い 。3次 元 の 広 範 囲 に か っ 高 分 解 能 に プ ロ ー ブ 変 位 を 測 定 す る 手 法 は 確 立 さ
れ て い な い 。 そ こ で 、 本 研 究 で は 新 規 に プ ロ ー ブ の 変 位 を3次 元 に か つ 広 範 囲 に 測 定 す る 手 法 を 提 案 す る 。
高 分 解 の 変 位 測 定 と して 干 渉 法 が あ る。 そ こ で 、 も っ と も シ ン プ ル で 高 分 解 能 なMichelson干
用 い る 。 た だ し、 対 物 レ ン ズ の 集 光 レ ー ザ を 用 い る た め 、 単 純 なMichelson干
に よ り測 定 で き な い 。 そ こ で 、 図4.1に 示 すMichelson干
渉 計 の原 理 を
渉 計 で は レ ンズ収 差 な どの影 響
渉 計 に 顕 微 鏡 光 学 系 を 組 み 込 ん だLinnik干 渉 計 の 原 理
[162]を 用 い る 。Linnik干 渉 計 に よ る プ ロ ー ブ の 変 位 測 定 原 理 を 述 べ る 。 今 、 プ ロ ー ブ が 基 準 位 置 か ら測 定 面
の 法 線 方 向 に 変 位 △を 与 え られ た とす る(図4.2)。
プmブ
頂 点 か ら紛 位 置 点Pで の 光 路 長 変 化 を 考 え る と、
プ ロ ー ブ 変 位 に よ っ て 得 られ る 光 路 長 変 化 は δたで あ り、 プ ロ ー ブ 半 径 をrと した 時 δたは 幾 何 学 的 関 係 よ り 以 下
で 与 え られ る。
8、一轟
た だ し 、 ω は 光 軸 とプR一
・驫
畑一 ね
孀
瀚}奪(4
.1)
ブ 球 変 位 方 向 間 の 角 度 で あ る 。 次 に 参 照 面 と の 位 相 差 を 考 え る 。 高NAの
対 物 レン
ズ で は プ ロ ー ブ 球 へ 入 射 す る 光 の 入 射 角 が 大 き くな り、 位 相 差 の 補 正 が 必 要 とな る 。 こ の 補 正 は 傾 斜 補 正 係
数(OCF,Obliquitycorrectionfactor)に
な ど に 依 存 す る 。OCFは
よ っ て 行 え る[287]。 こ のOCFはNAfactorと
対 物 レ ン ズ の 瞳 関 数 をcos・θ、a=sin"NAと
畷
無 収 差 の 時n-1/2で
鰲 藤
も呼 ば れ 、 対 物 レ ンズ のNA
す る と 、 次 式 で 与 え られ る[287]。
難鬟)(4
あ り、 レ ン ズ の 振 幅 透 過 率 が 一 定 の 時n=0(Herschelの
.、)
条 件 【288])を 取 る 。 こ のOCFを
用
い て 、 変 位akに よ る位 相 差 卿 は
4n
tt.._y」
(4.,)
とな る 。 た だ しZPは 初 期 位 相 で あ り、 変 位0の 時 の プ ロ ー ブ 球 上P点
と参 照 ミ ラ ー の 光 路 差 で あ る 。 光 路 差@
に よ っ て 生 じ る 干 渉 縞 強Pは
31
ゆ
ウ
ち 欝 韓 ボ ÷ 総ダ 〉(1傘 孳
"盆
とな る。 た だ し、aR、aPは
纛・,c㈱ ・φ。》
やQp
(4.4)
そ れ ぞ れ 参 照 光 と物 体 光 の 振 幅 で あ る 。 こ れ よ り 、 干 渉 縞 の 明 暗 はti/4・OCFの 周
期 で 反 転 す る こ とが わ か る。 こ のIPを 測 定 す る こ とで プ ロ ー ブ 球 の 変 位 量 を 測 定 す る。
4.2.2実
験 装 置
本 実 験 に 用 い た 装 置 に つ い て 述 べ る 。 光 学 系 は 大 き く3つ の 機 能 を 持 ち 、1つ は レ ー ザ ト ラ ッ プ 光 学 系 で あ
る 。 レー ザ ト ラ ッ プ 用 に はパ ル ス 発 振 と連 続 発 振 を 切 り替 え 可 能 なTEMooモ
た 。 測 定 に は 連 続 発 振 を 用 い た 。 偏 光 は 直 線 偏 光 、 波 長 は1064㎜
い 、 焦 点 距 離 が2.Ommで
作 動 距 離 が0.3mmで
ー ドのNd:YAGレ
ー ザ を用 い
で あ る 。 対 物 レ ン ズ はNAO,95の
あ る。 プ ロ ー ブ 球 に は8オmの
もの を用
球 状 シ リ カ 球 を用 い た 。Nd:YAG
レ ー ザ は ダイ ク ロ イ ッ ク ミ ラ ー で 反 射 さ れ 、 対 物 レ ン ズ に 入 射 し 、 プ ロ ー ブ球 を 捕 捉 す る 。 トラ ッ プ 方 法 に
っ い て は 後 述 す る が 、 こ の 実 験 で はJ.Ilcenoら が 提 案 し た パ ル ス レ ー ザ を 用 い る 手 法[240]を 採 用 した 。2つ 目
の 機 能 は 観 察 光 学 系 で 、 上 面 観 察 は 照 明 光 、 上 面CCD、
無 限 遠 補 正 顕 微 鏡 か ら な り、 側 面 観 察 は 顕 微 鏡 ユ
ニ ッ トを 用 い た 。 最 後 に 、L血 誼 干 渉 計 で あ る 。 干 渉 計 用 光 源 に は 波 長633㎜
のHe-Neレ
ー ザ を用 い た。 参
照 ミ ラ ー 用 に も プ ロ ー ブ 球 捕 捉 用 と同 様 の 対 物 レ ン ズ を 用 い 、 参 照 ミ ラ ー に は 裏 面 反 射 を 防 ぐた め に ウ ェ ッ
Chapter4:Experimentverificationofsurfacepositionsensingwiththelasertrappingbasedprobe
ジ 基 板 を 用 い た 。 参 照 ミ ラ ー は ピ エ ゾ ス テ ー ジ 上 に設 置 さ れ 光 軸 方 向 に 位 置 調 整 可 能 で あ る 。He-Neレ
は ダ イ ク ロ イ ッ ク ミ ラ ー に よ っ て 振 幅 分 割 さ れ 、 プ ロ ー ブ 球 と参 照 ミ ラ ー で 反 射 後 、 上 面 観 察CCD上
ーザ
に干渉
光 が 結 像 し 、 干 渉 像 はPCに 取 り込 まれ る 。 ま た 、 測 定 サ ン プル は プ ロ ー ブ捕 捉 用 の 対 物 レ ン ズ の 下 の3軸
XYZス
テ ー ジ に 設 置 さ れ る 。XYZス
は20オm、4mm、
4.2.3参
テ ー ジ は ピ エ ゾ とマ イ ク ロ メ ー タ に よ り微 動 、 粗 動 を 持 ち 、 ス トロ ー ク
分 解 能 は5nm、0.05オmで
あ る。
照 ミ ラー の調 整
Linnik干 渉 計 で は 集 光 ビ ー ム を 用 い て い る た め 、 コ ン トラ ス トの 高 い 明 瞭 な 干 渉 縞 を 得 る た め に は 、 プ
ロ ー ブ球 捕 捉 時 の 球 表 面 位 置 と参 照 ミ ラ ー を 同 じ位 置 に 合 わ せ る よ う に 調 整 す る 必 要 が あ る 。 まず 位 置 検 出
に 先 立 ち 、 実 際 に プ ロ ー ブ 球 を捕 捉 し 、 干 渉 信 号 を 確 認 す る こ と で 最 適 な 参 照 ミ ラー の 位 置 を 検 討 し た 。
実験
捕 捉 レ ー ザ 強 度 を 約100mWに
ン ズ の 焦 点 か ら レ ン ズ に2オm近
レ ン ズ に 向 か っ て500㎜
結果
図4.4(b)(c)にa、
調 整 し、 プ ロ ー ブ球 を 捕 捉 す る 。 参 照 ミ ラ ー の 位 置 が 、 参 照 用 対 物 レ
い 位 置(a)と10オm遠
の 距 離 を20㎜
い 位 置(β)の2通 りの 場 合 を 考 え る 。 そ れ ぞ れ の 位 置 か ら
ピ ッ チ で 参 照 ミ ラ ー を 接 近 さ せ た と き干 渉 縞 の 変 化 を 観 察 し た 。
βそ れ ぞ れ の 参 照 ミ ラ ー 初 期 位 置 に お け るCCD像
暗 の 位 置 で の 干 渉 縞 の 変 化 を 示 す。 ス ポ ッ トか ら 近 い 方 位 置(a)で
、 同 図(d)(e)に 同 図(b)(c)で 示 し た 明
は 明 瞭 な 干 渉 縞 を 得 る こ とが で き 、 ま た
参 照 ミ ラ ー 変 位 に 対 応 す る干 渉 縞 の 変 化 が 見 ら れ る 。 一 方 で 、 ス ポ ッ トか ら10μm離
れ た 位 置(R)で
は参照
ミ ラ ー 変 位 に対 す る干 渉 縞 の 変 化 は ほ と ん ど 見 られ な か っ た 。 光 線 追 跡 解 析 で 予 想 さ れ た よ う に 、 プ ロ ー ブ
球 は レ ー ザ ス ポ ッ トか ら約1オm下
方 に 捕 捉 さ れ 、 つ ま り、 プ ロ ー ブ 球 表 面 は レ ー ザ ス ポ ッ ト よ り も!2オm
ほ ど レ ン ズ に 近 い 位 置 に あ る。 位 置(R)で
信 号 変 化 が 正 常 に 取得 で きな か っ た原 因 は 、 プ ロー ブ球 の信 号 光
と参 照 光 の 強 度 比 が 偏 り、 干 渉 縞 の コ ン トラ ス トが 落 ち た た め で あ る と考 え られ る。 よ っ て 、 参 照 ミ ラ ー は
ス ポ ッ トか らCオmレ
4.2.4プ
ロー ブ球 変 位 測 定
次 に 、Linnik干
実験
ン ズ 寄 りに 設 置 す る こ と で コ ン ト ラス ト の 高 い 干 渉 縞 が 得 られ る こ とが 確 認 さ れ た 。
渉 計 に よ って プ ロ ー ブ 球 変 位 を 測 定 可 能 か を 調 べ る。
ス ラ イ ドガ ラス 上 に 設 置 した プ ロ ー ブ 球 を ピ エ ゾ ス テ ー ジ で 光 軸 垂 直 方 向(X軸)と
変 位 させ 、 干 渉 縞 の 変 化 を 観 察 した 。 前 の 実 験 同 様 、20㎜
ピ ッチ で500㎜
光 軸 方 向(Z軸)に
の変 位 を与 え た。
結果
図45に
光 軸 方 向 変 位 、 図4.6に 光 軸 垂 直 方 向 変 位 を 与 え た 時 の 干 渉 縞 の 変 遷 を 示 す 。 両 図(b)一(d)には
明 、 暗 、 明 と3つ の 干 渉 縞 の 変 化 を 示 して い る 。 図 中 凡 例 のRightお よ びLeftは プ ロ ー ブ 球 の 左 右 の 位 置 を 表
し 、 同 図(a)で はALI、ARIと
す 。 式(4.2)のOCFの
して 示 した 。 ま た 、 両 図(b)一(d)には 式(4.4)よ り求 め た 干 渉 縞 強 度 を 合 わ せ て 示
パ ラ メ ー タnに 関 して 、OCFの
論 さ れ て お り[287,289-292]、
の 実 験 値 を 参 考 にn-1.7と
値 は理 論 値 と実 験 値 の 相 違 が 大 き く、 古 くか ら最 近 ま で 議
絶 対 的 な 値 を 決 定 す る の は 容 易 で は な い 。 そ こ で 本 研 究 で は 、K.Creath[290]
し た 。Z軸 に つ い て 、 図4.5(a)の 縦 断 す る 点 線 を 見 れ ば 、 明 暗 の 変 化 が よ くわ か
る 。 ま た 、 そ の 明 暗 の 変 遷 も理 論 式 と よ く一 致 して お り、 光 軸 方 向 の プ ロ ー ブ 球 の 位 置 が 測 定 で き て い る こ
と が 確 認 で き た 。 次 に 、X軸
に 関 して で あ るが 、X軸
が ら、 干 渉 光 強 度 の 変 遷(図4.6(b))は
ロ ー ブ 球 形 状 、He-Neレ
も 図4,6(a)を 見 る と明 暗 の 変 化 が 見 て 取 れ る。 しか し な
理 論 値 と は ズ レ が あ り、 過 大 に 示 す 傾 向 が 見 られ た 。 こ の 要 因 は プ
ー ザ の ア ラ イ メ ン ト、 プ ロ ー ブ 球 を ス ラ イ ドガ ラ ス 上 に 置 い て い る こ と、 参 照 面 に
球 を 用 い て い な い こ と 、 参 照 ミ ラ ー の 調 整 な どが 考 え ら れ る 。 理 論 値 との 完 全 なmは
見 られ なか った の も
の の 、 相 対 的 な 変 化 は 見 られ る た め 、 この シ ス テ ム を 用 い て 位 置 検 出 の 実 験 を 行 っ た 。
4.2.5位
置 検 出 可 能 性 の検 証
本 プ ロー ブを用 い た表 面 位 置 検 出 の 可 能 性 を検 証 すべ くプ ロー ビ ング を行 っ た。
実験
図4.7(a)に 示 す よ う に 、 ガ ラ ス 球 の 頂 点 か らX軸 方 向 に 約65オm位
置 でZ方 向 に プ ロ ー ビ ン グ を す る 。 そ
の 後 、X軸 方 向 に 一 度 プ ロ ー ブ 球 を ガ ラ ス 球 か ら 離 して 、 次 は 、X軸 方 向 に プ ロ ー ビ ン グ した 。 測 定 対 象 に は
NISTに
オmで
よ っ て 提 供 さ れ て い る標 準 球 を 用 い た 。 材 料 は ソ ー ダ ラ イ ム ガ ラ ス で 、 ガ ラ ス 球 の 公 称 直 径 は...4
あ る。 ガ ラス 球 はXYZス
テ ー ジ 上 に設 置 さ れ 、 プ ロ ー ブ 球 に 対 して 相 対 的 な 変 位 を 与 え る。
Figure4.5:Intensityfringepatternchangebyprobespheredisplacementalongwithaxialdirection.
34
Chapter4:Experimentverificationofsurfacepositionsensingwiththelasertrappingbasedprobe
結 果CCDで
X、Z軸
取 得 さ れ た 干 渉 縞 の 変 化 お よ び 干 渉 強 度 の 定 点 観 察(ALI)結
果 を 図4.7(b)(d)、 図4.8に 示 す 。
変 化 の 場 合 と も に プ ロ ー ブ 球 が 測 定 面 に 近 接 す る と干 渉 縞 は 全 体 に 偏 り が 生 じ 、 ま た 干 渉 縞 明 暗 の
反 転 も確 認 で き た 。 こ の よ う に プ ロ ー ブ球 が 測 定 面 に 近 づ く と何 ら か(Unknown)の
程 度 変 位 す る 。 し か し 、 変 位 量 が 微 小 で あ る た め 、CCD観
力 で プ ロ ー ブ球 が200㎜
察 で は変 位 方 向 を確 認 す る こ とは困 難 で あ った 。
干 渉 縞 測 定 か ら 、 レ ー ザ ト ラ ッ プ さ れ た プ ロ ー ブ 球 を 測 定 面 に 近 接 さ せ る こ とで 、 力 学 的 作 用 に よ っ て プ
ロー ブ球 は 数 百 ㎜ 変 位 し、 そ の プ ロ ー ブ 球 変 位 を 潰掟 す る こ と で 測 定 面 の 位 置 を 検 出 す る こ とが 出 来 た 。
4.2.6標
準 ガ ラス 球 の 座標 計 測
本 プ ロー ブに よ る位 置 検 出が 可 能 で あ った 。 そ こで 次 に、 標 準 ガ ラス 球 の座 標 計 測 を行 っ た 。
実験
干 渉 縞 明 暗 を 観 察 す る方 法 を 用 い て ガ ラス 球 表 面 を 検 出 し座 標 測 定 を 行 っ た 。 座 標 点 検 出 時 の プ ロ ー
ビ ン グ条 件 は 、 上 の 基 礎 実 験 で 得 ら れ た よ う に 干 渉 縞 の 明 暗 が 反 転 し た 時 点 と す る 。 プ ロ ー ビ ン グ はZ軸 上
方 か ら測 定 面 に 向 け て 行 っ た 。Y軸
50、40、0、-50、-60オmの6つ
の 測 定 位 置 は 、 ガ ラ ス 球 の ほ ぼ 中 心 をY軸 原 点(Y=0オm)と
の 断 面 上 で 、X軸10オmの
し、Y=60、
ピ ッ チ で 合 計69点 の 測 定 を 行 っ た 。 測 定 で は ガ ラス
球 を プ ロ ー ブ球 に 対 して 相 対 的 に マ イ ク ロ メ ー タ を 用 い て 駆 動 し 、 そ の 値 を 基 に 検 出 点 に 座 標 付 け した 。
結果
測 定 に よ っ て 得 ら れ た 値 か ら球 面 の フ ィ ッテ ィ ン グ を 行 い 、 測 定 面 の 半 径 を 算 出 した と こ ろ 、84.2オm
で あ っ た 。 測 定 サ ン プル に用 い た ガ ラ ス 球 の 公 称 半 径 は84±4.2オmで
あ る こ とか ら、 測 定 デ ー タ の 妥 当 性 が
確 認 さ れ た 。 測 定 デ ー タ か らガ ラ ス 球 の 中 心 座 標 を 求 め 、 そ の 中 心 座 標 か ら各 検 出 座 標 点 の 球 半 径 方 向 に 関
す る 誤 差 を 求 め た 。 測 定 点 と フ ィ ッ テ ィ ン グ で 得 た ガ ラ ス 球 半 径 の 最 大 誤 差 は27.8オmと
Y=60、50、40オmの
断 面 の 測 定 値 を 図4.9に 示 す 。 凡 例 の カ ッ コ 内 は 断 面 頂 上(X=0オm)の
大 きい値 を示 した。
傾 斜 面 角 度 を示 し
35
牢
(b)FringepatternchangeapproachingalongZ-axis.
(d)FringepatternchangeapproachingalongX-axis.
Figure4.7:IntensityfringepatternchangewhenprobingtostandardspherealongX-orZ-axis.
36
Chapter4:Experimentverificationofsurfacepositionsensingwiththelasertrappingbasedprobe
Figure4.8:Interferenceintensitychangeatfirstbrightfringewhenprobingtostandardglassspheresurface.
Figure4.9:Detectedcoordinateonthestandardglasssphere.
て い る 。 図 に 示 す よ う に 、 測 定 さ れ た 断 面 は 必 ず し も 半 円 を 描 い て お らず
X=40オmで
半 球 の 頂 上 部(X=OFm)か
は 形 状 を ト レ ー ス で き て い な い た め 平 坦 な 値 を と っ て い る。 特 に 傾 斜 が 浅 い 断 面(Y=40オm)で
ら
は
そ の 傾 向 は 顕 著 で あ る 。 光 放 射 圧 プ ロ ー ブ で は 、 プ ロ ー ブ 座 標 系 の 原 点 は プ ロ ー ブ の 初 期 位 置 に あ り、 そ こ
か らλ14・OCFだ け プ ロ ー ブ が シ フ ト した と き に 表 面 位 置 の 座 標 検 出 を 行 う 。 シ フ ト量 は測 定 面 との 相 互 作 用
力 と プ ロ ー ブ の ば ね 定 数 に 依 存 す る 。3章 の 解 析 で 得 ら れ た よ う に 直 線 偏 光 を 用 い た プ ロ ー ブ は20%程
度 の3
次 元 的 ば ね 定 数 の ば らつ き が あ る 。 ま た 、 プ ロ ー ブ 球 の 変 位 方 向 に よ っ て プ ロ ー ブ球 変 位 測 定 感 度 が 異 な
り、 光 軸 と測 定 面 の な す 角 度 に依 存 して 測 定 精 度 が 悪 くな る と考 え られ る 。
4.3光
軸 方 向 振 動 プ ロー ブ
4.2節の 実 験 に よって本 プ ロ ーブ が 位 置 検 出可 能 で あ っ た が、 そ の感 度 は低 く、 高 精 度 な 位 置検 出 に は課 題
が残 っ た。AFMで
は 、 コン タ ク トモ ー ドや タ ッピ ング モ ー ドな ど複 数 の測 定 モ ー ドが存 在 す る[260]。 タ ッ
ピン グモ ー ドを用 い る こ とで、 測 定 面 との 接 触 力 も極 端 に低 下 し、 高 分 解 能 化 も期 待 で き る。本 節 で は、検
出 の高 感 度 化 を 目的 と し、 プロ ー ブ球 に光 軸 方 向の微 小振 動 を与 え る振動 プ ロー ブ を提 案 す る。 プロ ー ブ球
の振 動 状 態 を観 察 し、 その 状態 変 化 の観 察 に よる測 定 面 の検 出 を実 施 す る。
4.3.1プ
ロ ー ブ 球 の 光 軸 方 向 振 動[293-295]
プ ロ ー ブ球 に光 軸 方 向振 動 を与 え る駆 動 方 法 につ いて 述 べ る。 光 放 射 圧 は非 常 に微 弱 な力 で あ るた め 、 プ
ロー ブ球 が 捕 捉 状 態 か ら外 れ ない よ う、 光 放 射 圧 と同 等 の駆 動 力 が 求 め られ る。 そ こで 本 研 究 で は、 プ ロ ー
ブ球 駆 動 に捕 捉 レー ザ とは別 に 同軸 でLDを 入 射 し、 同 じ光放 射 圧 で プ ロー ブ球 を駆 動 す る。LDの 光 強 度 を
変 調 させ る こ とで作 用 す る光 軸 方 向 の光 放 射 圧 を変調 させ、 周 期 的 変 位 を与 え る。
次 に光 軸 方 向 に振 動 す る プロ ー ブ球 の変 位 測 定法 に つ い て述 べ る。 プロ ー ブ球 の光 軸 方 向 の変 位 測 定 に関
して 、 前節 のLinnik干 渉 計 は用 いず
プ ロ ー ブ球 か らの後 方 散 乱 光 強 度 を取 得 す る。 プ ロ ー ブ球 の励 振 周 波
数 は数 百Hzで あ り、 一 般 的 なCCDを 用 い た 干 渉 計 測 で は応 答 が 追 い つ か な い た め で あ る。 そ こで 、信 号 の
応 答 性 を考 慮 しPD(Photodiode)を 用 い る。PDは 受 光 量 に応 じた 光 電 流 を 出力 す る素 子 で あ る。M.E.J.Friese
37
らに よって 提 案 され たPDに よ る光 軸 方 向 の 変位 測 定 方 法[279]につ いて 説
明 す る。 信 号 光 に は捕 捉 プ ロ ー ブ球 の後 方 散乱 光 を用 い る。 ア ライ メ ン
トは、 光 軸 とPDの 中心 軸 を合 わせ 、PD出 力 が 最 大 とな る よ うに調 整 す
る。 また 光 軸 方 向 は 、後 方 散乱 光 の 照 射領 域 がPDの 有 効 面 積 よ り大 き く
な る よ うに調 整 す る。 その他 、 レン ズ な どの構 成 は 図4.10に 示 す。後 方
散 乱 光 をPDで 検 出 す る平 均 光 強 度P醒eは
㌦畷 驚1
(4.5)
とな る 。 こ こ で 、Protalは散 乱 光 の 全 光 量 、RdetはPD有
効 受光 領 域 の 半 径 、
Ramは 散 乱 光 照 射 部 の 半 径 で あ る 。 プ ロ ー ブ 球 が 光 軸 方 向 位 置 に 変 化 した
時 、 散 乱 光 の 広 が り角 θが 変 化 し な い と仮 定 す る と、
毳翻 簡く義 購2雛 雛 撃
(4.6)
と な る。Zは チ ュ ー ブ レ ン ズ の 集 光 点 とPDの 受 光 面 と の 距 離 、 △Zは プ
ロ ー ブ 球 変 動 に よ るチ ュー ブ レ ン ズ の ス ポ ッ ト位 置 の 変 位 で あ る 。 ま
た 、 本 光 学 系 で 得 られ る縦 倍 率Mtは
獻
醐 縅鵞
(4.7)
で あ る 。 こ こで 、 血 は トラ ッ プ 粒 子 の 光 軸 方 向 変 位 で あ り、M:は 横 倍 率 で あ る 。 した が っ てPDの
出 力値 変
化 △Pzは 、 上 の3式 を 利 用 す る と、
W」
°5
A(4.、)
とな る。 プ ロー ブ位 置 の微 小 変 位 虚 に 対 してPDの 出 力 変化 △Pzは線 型 とな る。 この 手法 に よ りプ ロ ーブ球 の
光 軸 方 向 変 位 を測 定 す る。
4.3.2実
験 装 置
図4,11(a)に 本 実 験 に 用 い た 光 学 系 を 示 す 。 レ ー ザ トラ ッ プ に は 前 節 と同 様 のNd:YAGレ
ー ザ を用 い る。本
実 験 で は 、 プ ロ ー ブ球 の 捕 捉 効 率 を 向 上 す る た め 、 ガ ウ シ ア ン ビ ー ム の 光 軸 中 心 を 遮 光 し、 輪 帯 ビ ー ム とす
る 。 レー ザ 光 軸 中 心 部 の 光 線 は プ ロ ー ブ球 を 下 方 に 押 し下 げ る散 乱 力 成 分 と して 働 くた め 、 輪 帯 ビ ー ム を 用
い る こ とで レ ー ザ ト ラ ッ プ の 光 軸 方 向 の ト ラ ッ プ 効 率 改 善 が 期 待 で き る 。 遮 光 マ ス ク は ガ ラ ス に金 属 膜 を 蒸
着 した もの を用 い た。 遮 光 マス ク謝
駆 動 に 用 い るLDは
波 長 が687㎜
時 の レ ー ザ 径 は3.6㎜
で 、10mWの
で 、 中 央 部 の 直 径1.6㎜
強 度 変 調 を 与 え る。 対 物 レ ン ズ 、 プ ロ ー ブ 球 、 観 察 系 、 ス
テ ー ジ な ど は先 節 と同 様 で あ る 。 プ ロ ー ブ 球 位 置 測 定 用 の 信 号 光 は捕 捉 用Nd:YAGレ
用 す る。 プ ロ ー ブ 球 表 面 で 反 射 さ れ るLDを
はPDを
用 い 、 そ の 信 号 はPCに
輪 帯 ビー ム の確 認
を遮 光 す る。 プ ロー ブ
ーザ の 後 方 散 乱 光 を利
遮 断 す るた め 、 赤 外 透 過 フィル タ を用 い た。 後 方 散 乱 光 の 取 得
取 り込 ま れ る 。
輪 帯 ビー ム を用 いた 場 合 の効 果 につ いて 述 べ る。 図4.11(b)に遮 光 マス ク前 後 の レー ザ 断
面 強 度分 布 とその 強 度 プ ロ フ ァイル を示 す。遮 光 マス ク を通 過 した レーザ は、 光 回 折 の影 響 に よって中 心 部
分 は ピー クを持 つ が 、 中央 部 の 強度 分 布 が全 体 的 に低 くな って い る こ とが 確 認 で きた 。輪 帯 ビー ム の効 果 を
確 認 す るた め、 ガ ウ シ ア ン ビー ム と光 軸 方 向 トラ ッ プ効 率 を比較 す る。 トラ ッ プ効 率 は プロ ー ブ球 を捕 捉 可
38
Chapter4:Experimentverificationofsurfacepositionsensingwiththelasertrappingbasedprobe
能 な 最 小 レ ー ザ 強 度 の と き 、 光 軸 方 向 に働 く光 放 射 圧 と プ ロ ー ブ 球 が 釣 り合 う と い う仮 定 の も と、 捕 捉 レ ー
ザ の 強 度 を 徐 々 に 下 げ て い き 、 プ ロ ー ブ 球 が 捕 捉 状 態 か ら外 れ た 瞬 間 の レ ー ザ 強 度 を 測 定 し 、 式(4.9)を 用 い
て 算 出 した[234]。
¢
4β 解3《稽
鞴
nCte(4.9)
実 験 の 結 果 、 プ ロ ー ブ 球 捕 捉 に 必 要 な 最 小 レ ー ザ 強 度 は ガ ウ シ ア ン ビー ム で は121mW、
mWで
輪 帯 ビー ム で は64
あ り、 最 大 光 軸 方 向 トラ ッ プ 効 率 は0。013と0.025で あ っ た 。 した が っ て 輪 帯 ビー ム に よ っ て 光 軸 方 向 ト
ラ ッ プ 効 率 は お お よ そ2倍 に 改 善 さ れ た 。 遮 光 マ ス ク に よ る 輪 帯 ビ ー ム を用 い る こ とで 約 半 分 の レ ー ザ 強 度
で プ ロ ー ブ の 捕 捉 状 態 を保 つ こ とが で き 、 ト ラ ッ プ 効 率 の 向 上 を 図 る こ とが 出 来 た 。
光 軸 方 向 振 動 の 確 認LDの
強 度 変 調 を10mW、86Hzで
与 え た と き のPDの
出 力 信 号 とそ の 信 号 をFFT解
た 結 果 を 図4.12に 示 す 。Nyquistの 定 理 を考 慮 し、 サ ン プ リ ン グ レ ー トは25kHzと
した 。 図4.12(a)で は信 号 波
形 が 明 らか で は な くS/N比 は 低 い が 、 周 期 的 変 動 が 確 認 で き る 。 ま た 、 こ の 時 間 波 形 のFFT解
プ ロ ー ブ が86Hzで
振 動 して い る こ とが 確 認 で き 、 周 波 数 領 域 で は十 分 なSIN比
(b))。 こ れ ら よ り、LD強
度 変 調 に よ る プ ロ ー ブ 駆 動 と、PDに
析 し
析 結 果 よ り、
を得 る こ と が で き た(図4.12
よ る光 軸 方 向 の プ ロ ー ブ 変 位 測 定 が 確 認 で き
た 。 ま た 、 周 波 数 成 分 で は 十 分 なSIN比 が 得 られ た こ と か ら 、 今 後 の 実 験 で は信 号 の 周 波 数 ス ペ ク トル に注
目 し 、PSD(Powerspectrumdensity)の
ピー ク 強 度 を 振 動 振 幅 の 目安 と して 用 い る 。
4.3.3位
置 検 出
光 軸 方 向 振 動 プ ロ ー ブ の 位 置 検 出 性 能 を 評 価 す る 。 プ ロ ー ブ 球 に500Hzの
直 径168オmの
振 動 を 与 え 、4.2節 で 用 い た 公 称
ガ ラス 球 に プ ロ ー ブ 球 を 接 近 させ た と き の プ ロ ー ブ 球 振 動 変 化 を 観 察 した 。 ま ず プ ロ ー ブ 球 を
ガ ラス 頂 上 付 近 に 接 近 させ た と き の 信 号 を 図4.13(a)に 示 す 。 図 中 に 示 すZの 値 は 、 プ ロ ー ブ 球 を 測 定 面 に 近
接 させ た 後 、 ピ エ ゾ ス テ ー ジZ軸 に よ っ て ガ ラス 球 を プ ロ ー ブ球 に近 づ け た 時 の ピ エ ゾ ス テ ー ジ の 値 で あ
る 。 ピ エ ゾ ス テ ー ジ は25㎜
の ピ ッ チ で 光 軸(Z軸)方
向移 動 させ 、 信 号 の 変 化 を確 認 した。 図 に示 す よ うに 、
ガ ラ ス 球 の 表 面 を プ ロ ー ブ球 に 接 近 さ せ て い く と ピ ー ク信 号 が 減 衰 して い る 。4150㎜
か ら更 に25㎜
接近さ
せ る と振 動 ピ ー ク が 完 全 に ノイ ズ に 埋 もれ 、 プ ロ ー ブ 球 振 動 が 大 き く減 衰 して い る こ と が わ か る。 測 定 面 の
傾 斜 に よ る検 出 感 度 劣 化 が 起 き な い か 確 認 す る た め 、 同 様 の 実 験 を45° の 傾 斜 を 持 っ た 面 に お い て も 行 っ
た 。 そ の 結 果 が 図4.13(b)で あ るが 、 図4.13(a)と 同様 に 、 測 定 面 を25㎜
ピ ッ チ で 接 近 させ る に 従 っ て 、 振 動 が
減 衰 して い く こ とが 確 認 さ れ た 。 これ よ り、 光 放 射 圧 プ ロ ー ブ は 様 々 な 傾 斜 面 に 対 して25nm以
上の感度 を
持 っ こ とが 確 認 さ れ 、 プ ロ ー ブ を振 動 させ る こ と に よ る高 感 度 化 が 実 証 で き た 。
4.4横
方 向 振 動 プ ロ ー ブ[296,297]
NSOM(Near-fieldscanningopticalmicroscopy)な
どで1ま光 検 出 プ ロ ー ブ が 測 定 面 に 数 百 ㎜ ま で 近 づ く必 要 が
あ る 。 こ の 時 、 表 面 位 置 を 検 出 す る た め 、 先 端 先 鋭 化 プ ロ ー ブ を 横 方 向 に 振 動 させ 、 プ ロ ー ブ に 作 用 す る
Sharefbrceを
感 知 して 表 面 を 高 感 度 に 検 出 す る[298,299]。
を 行 っ た 結 果 、25㎜
前 節 で は 光 軸 方 向 に プ ロ ー ブ を 振 動 させ 位 置 検 出
以 上 の 高 感 度 が 示 され た 。本 研 究 で も プロ ー ブの 更 な る高 感 度 化 を検 討 す る た め、 プ
ロ ー ブ球 横 振 動 に よ る 位 置 検 出 を 行 う 。 な お 、 横 振 動 とは 光 軸 垂 直 方 向 を 指 す 。
4.4.1プ
ロ ーブ球 の横 方 向振 動
プ ロ ー ブ 球 に 横 方 向 振 動 を 与 え る。 そ の 駆 動 方 法 の 検 討 は 後 で 詳 し く述 べ る‡。 こ こで は プ ロ ー ブ球 が
レ ー ザ ス ポ ッ トに 引 込 ま れ る と い う特 性 を 利 用 して 、AOD(Acousto-opticaldeflector)に
よ り集 光 レ ー ザ の 焦
点 位 置 を 焦 平 面 内 で 変 動 さ せ 、 焦 点 方 向 に 働 く光 放 射 圧 で プ ロ ー ブ 球 を 駆 動 した 。AOD原
理 は後 述 す る 。
次 に 、 横 振 動 す る プ ロ ー ブ 球 の 位 置 測 定 手 法 に つ い て 信 号 検 出 シ ス テ ム を 図4.14に 示 す。PDの
調 整 は 、 後 方 散 乱 光 の 照 射 領 域 がPDの
PDの
光軸方 向の
有 効 面 積 よ り も わ ず か に 大 き くな る程 度 に 調 整 す る 。 水 平 方 向 は 、
有 効 面 積 の 半 分 が 後 方 散 乱 光 の 照 射 領 域 に 覆 わ れ る よ う に 光 軸 か らシ フ ト さ せ 調 整 す る。 こ の シ フ ト
の 方 向 は 測 定 の 対 象 と な る方 向 で あ る 。 こ の と き のPDの
有 効 面 と後 方 散 乱 光 の 照 射 領 域 の 幾 何 関 係 は 図4.14
内 右 上 の よ う に な る 。 プ ロ ー ブ 球 の 横 方 向 変 位 出 に よ り結 像 面 が 顕 微 鏡 の 倍 率 に 対 応 し たMr4x(ル ム:顕微 鏡
Subsection5.2.1inpage47.
40
Chapter4:Experimentverificationofsurfacepositionsensingwiththelasertrappingbasedprobe
倍 率)だ け変 位 す る。PD受 光 面 に お いて も散乱 光 分 布 がMrOxだ け その ま ま平 行 移 動 す る とみ な した 時 の 信 号
の線 形 性 、 つ ま りPDの 受 光 量 変 化 を幾 何 学 的 関 係 か ら求 め た 。 た だ し、後 方散 乱 光 の強 度 分 布 を均 一 と し
た。PDの 有効 径 を1.5㎜ 、後 方 散 乱 光 の照 射 領 域 の径 を2.0㎜
とす る。 図4.14内 右 下 に そ の結 果 を示 す。 図
よ りディ テ クタ面 の 中心 付 近 にお いて 受 光 量 の線 形 が保 た れて お り、 端 の領域 で は線 形 性 か ら外 れて い る こ
とが わ か る。 しか し、実 際 に プ ロー ブ球 が振 動 す る領 域 、 約 一
〇.1∼0.1mmの範 囲 で は ほぼ 線 形 が保 たれ て お
り、 本 実 験 にお いてPDを 用 い た信 号 検 出 が適 用 可 能 で あ る と考 え られ る。
4.4.2実
験 装 置
図4.15に 本 実 験 に 用 い た 光 学 系 を 示 す 。 光 学 系 の 基 本 構 成 は 前 節 と 同 様 で あ る た め 、 変 更 点 を 述 べ る 。 ま
iプ
ロ ー ブ球 を 横 振 動 させ るた めAODを
導 入 し レー ザ 角 度 を 偏 向 す るが 、 レ ー ザ ス ポ ッ ト を偏 向 す る に は
対 物 レ ン ズ の 後 ろ側 焦 点 の 入 射 角 度 を 変 え る必 要 が あ る。AODに
るた め 、 リ レ ー レ ン ズ 系 を用 い てAODの
た 。AODは
よ る レ ー ザ の 偏 向 を 対 物 レ ン ズ と一 致 さ せ
偏 向 中 心 と対 物 レ ン ズ の 後 ろ側 焦 点 を 光 学 的 な 共 役 位 置 に 配 置 し
ガ ウ シ ア ン ビ ー ム に 対 して 最 も高 い 効 率 を 発 揮 す る よ う に 設 計 さ れ て お り、 よ っ て 本 実 験 で は 輪
帯 ビ ー ム は 用 い ず 直 線 偏 光 の ガ ウ シ ア ン ビ ー ム を 用 い た 。 次 に 、 プ ロ ー ブ球 の 位 置 を 測 定 す る た め に 、 前 節
で はNd:YAGレ
波 長633㎜
ー ザ の 後 方 散 乱 光 を 用 い た 。 本 実 験 で はNd:YAGレ
のHe-Neレ
ー ザ をNd:YAGレ
ーザ は偏 向す る た め使 用 で きな い。 そ こで
ー ザ と同 軸 入 射 し 、He-Neレ
る。 受 光 器 の ア ラ イ メ ン トは 上 述 の 通 りで あ る 。 散 乱 す るNd:YAGレ
フィ ル タ を 用 い てHe-Neレ
ー ザ 以 外 のPDへ
ー ザ の 後 方 散 乱 光 をPDに
よって受 光 す
ー ザ や ノ イ ズ 光 を 遮 光 す るた め 、 干 渉
の 光 入 射 を カ ッ トす る。
Figure4.16:Probesignalfortransversallyoscillatingprobe.
光軸方向振動の確認
プ ロ ー ブ 球 に800㎜
の 変 位 を50Hzで
した 結 果 を 図4.16に 示 す 。 サ ン プ リ ン グ レ ー トは25kHzで
与 え た と き のPD出
で あ る こ とが 確 認 で き る 。 こ の 時 間 信 号 のFFT解
十 分 なS/N比
り、AODを
4.4.3位
析
あ る。信 号波 形 が 周 期 的 に変 動 し、 ほ ぼ正 弦波 を
析 結 果 よ り、 プ ロ ー ブ 球 の50Hzで
を 得 る こ とが で き た 。 前 節 同 様 に こ のPSDの
用 い た レ ー ザ 偏 向 に よ る プmブ
力 信 号 と そ の 信 号 をFFT解
の 正 弦 振 動 を確 認 で き 、
ピー ク値 を信 号 振 幅 の 目 安 と して 用 い た 。 以 上 よ
駆 動 と、PDに
よ る横 方 向 プ ロ ー ブ 変 位 の 測 定 が 確 認 で き た 。
置検 出
横 振 動 プ ロ ー ブ の 位 置 検 出 特 性 を 評 価 す るた め 、 プ ロ ー ブ 球 に 周 波 数100Hzで
振 幅40㎜
の振 動 を与 え 、
測 定 面 に プ ロ ー ブ球 を 接 近 さ せ た と き の 振 動 挙 動 変 化 を 観 測 し た 。 こ れ ま で と 同 様 の 直 径168オmの
標準球 を
測 定 サ ン プ ル に 用 い た 。 ガ ラ ス 球 の 傾 斜 角 度60° 、45° 付 近 でZ方 向 か ら プ ロ ー ブ を接 近 さ せ た 。 図 の 横 軸 は
前 節 と 同 様 に 、 マ イ ク ロ ス テ ー ジ で プ ロ ー ブ 球 に ガ ラス 球 を 近 接 さ せ た 後 、 ピ エ ゾ ス テ ー ジ に よ って 微 動 し
た 値 を 示 す。 光 軸 方 向 振 動 の 時 と 同 様 に ピ エ ゾ ス テ ー ジ を25㎜
ピ ッ チ で 移 動 さ せ 、 信 号 変 化 を確 認 した 。
図4.17に60° 時 の 図 と信 号 変 化 を 示 す。 図 に示 す よ う に 、 プ ロ ー ブ 振 動 が25㎜
進 む ご とに振 幅 が 徐 々 に減 衰
す る こ とが 確 認 で き た 。 こ の 傾 向 は45° の 面 に お い て も確 認 さ れ た 。 こ の よ う に 横 振 動 プ ロ ー ブ も 角 度 を
持 っ た 面 を25㎜
4.5結
の 高 感 度 で 位 置 検 出 可 能 で あ る こ とが 確 認 さ れ 、 振 動 プ ロ ー ブ の 高 感 度 化 が 確 認 で き た 。
言
本 章 で は、 光 放 射 圧 プ ロ ー ブ に よ る位 置 検 出の 可 能 性 を評 価 す る と と もに 、位 置 検 出 感 度 の高 感 度化 の検
討 を行 っ た。 以 下 に得 られ た知 見 を ま とめ る。
.レ
ー ザ ト ラ ッ プ に よ っ て 直 径8μmの
球 状 シ リ カ 微 粒 子 を3次 元 的 に 捕 捉 可 能 で あ り、 プ ロ ー ブ 球 と して 用
い た 。 ま た 、Linnik干 渉 計 を 用 い て プ ロ ー ブ球 の200㎜
.プ
程 度 の変 位 を測 定 可 能 で あ っ た 。
ロ ー ブ 球 が 測 定 面 近 傍 に 接 近 す る と 、 力 学 的 作 用 が 働 き 、 プ ロ ー ブ球 の 捕 捉 位 置 が 数 百 ㎜ オ ー ダ で 変 化
す る こ とが わ か っ た 。 この 力 を用 い て 、 光 放 射 圧 プ ロ ー ブ に よ る表 面 位 置 検 出 が 可 能 で あ っ た 。
.遮
光 マ ス ク を 用 い て 生 成 した 輪 帯 ビ ー ム を 用 い る こ とで 、 ガ ウ シ ア ン ビ ー ム に 比 べ て 光 軸 方 向 ト ラ ッ プ効
率 を2倍 に 改 善 す る こ とが で き た 。
.レ ー ザ ト ラ ッ プ さ れ た プ ロ ー ブ球 にLDに
あ るNd:YAGの
よ る光 放 射 圧 で駆 動 し、光 軸 方 向振 動 を与 え た。 捕 捉 レー ザ で
後 方 散 乱 の 光 量 を 測 定 す る こ とで プ ロ ー ブ 球 の 光 軸 方 向 の 位 置 を 測 定 し た 。 こ れ を 光 軸 方
向 振 動 プ ロ ー ブ と し、 本 振 動 プ ロ ー ブ を 測 定 面 に接 近 さ せ る と、 振 動 が 減 衰 し、 そ の 感 度 は25㎜
以上で
あ る こ と が 確 認 され た 。
.AODを
用 い て 対 物 レ ン ズ の レ ー ザ ス ポ ッ ト を 焦 平 面 で 振 動 さ せ る こ とで プ ロ ー ブ 球 の 横 方 向 の 位 置 を 制 御
す る 。 プ ロ ー ブ 球 に 同 軸 入 射 す るHe-Neレ
ー ザ の 後 方 散 乱 光 の 光 量 を 測 定 す る こ とで 、 横 方 向 の プ ロ ー ブ
球 の 位 置 を測 定 した 。 これ を横 方 向 振 動 プ ロ ー ブ と し 、 プ ロ ー ブ球 を 測 定 面 に 接 近 させ る と、 光 軸 方 向 と
同 様 に 、 振 動 が 減 衰 が み られ た 。 ま た 、 そ の 感 度 は25nm以
42
上 で あ る こ とが 確 認 さ れ た 。
Chapter5:Designoftheprototypeprobesystem
第5章
プ ロ ー ブ シス テム 設 計 お よ び 試 作
5.i緒
言
プ ロー ブ球 の振 動 減 衰 の現 象 に対 す る理 解 を深 め、 高 感 度 な マイ ク ロ プ ロー ブ を実 現 す るた め 、本 章 で は
プロ ー ブ シス テ ム の設 計 お よび試 作 を行 う。
5.2設
計 の 要点
5.2.1プ
ロ ー ブ球 の位 置 制 御
レー ザ トラ ッ プ に よって捕 捉 され た粒 子 の制 御 手法 は様 々提 案 され て い る。先 述 の よ う に集 光 ビー ム を意
図 的 に 遮 光 し た り[277]、 対 向 ベ ッセ ル ビ ー ム を 用 い て[236]、 光 学 ポ テ ン シ ャ ル を コ ン トロ ー ル す る こ とで 、
粒 子 を 捕 捉 す る例 も あ る 。 本 研 究 で は 、 波 長 に 対 して 比 較 的 大 き な 粒 子 を 空 気 中 で 安 定 捕 捉 す る た め に 強 く
集 光 さ れ た ビ ー ム が 必 要 に な り、 上 述 の 例 は 適 用 困 難 で あ る 。 そ こで ス ポ ッ トに 集 光 さ れ る こ とを 考 慮 した
レ ー ザ 焦 点 偏 向 に よ る 制 御 を検 討 す る。 ス ポ ッ トの 偏 向 方 法 は ガ ル バ ノ ミ ラ ー 【203]、焦 点 可 変 レ ン ズ[301】、
液 晶 レ ン ズ[300]、SLM(Spatiallightmodulator)[199]、
電 気 光 学 素 子[202】、 音 響 光 学 素 子[284】 を 利 用 し た 方 法
が これ ま で に 提 案 さ れ て い る 。
まず
液 晶 お よ びSLMは
焦 点 位 置 を3次 元 的 に 変 化 させ る こ とが で き 、 特 にSLMで
生 さ せ る こ とが で き る。 近 年 、SLMを
は複 数 の ス ポ ッ トを発
用 い た 多 くの 研 究 成 果 が 報 告 さ れ て い る†。 しか し、 これ ら の 方 法 は
素 子 の レ ー ザ 耐 力 が 低 く、 弱 い 強 度 の レ ー ザ し か 用 い る こ とが で き な い 。 大 気 中 で 安 定 に 粒 子 を 捕 捉 す る た
め に は 、 対 物 レ ン ズ 後 で 数 百mWの
レ ー ザ 出 力 が 要 求 さ れ る た め 、 素 子 に 入 射 す る段 階 で は 、 少 な く と も1
W程 度 が 必 要 で あ る。 次 に ガ ル バ ノ ミ ラ ー は 、2組 の ミ ラ ー を 機 械 的 に 偏 向 さ せ て ビ ー ム を 制 御 す る た め 、
大 き い 偏 向 角 を 得 る こ と は可 能 で あ る。 し か し 、 機 械 動 作 の た め 高 周 波 数 に 対 応 で き な い 。 本 研 究 で 求 め る
制 御 の 周 波 数 帯 域 は 、 プ ロ ー ブ 共 振 周 波 数 が 数 千Hzか
得 られ る ガ ル バ ノ ミ ラ ー の 有 効 帯 域 は1-2kHzで
帯 が 適 さず
ら 考 え る と、10kHz程
度 が必 要 で あ る。 現在 一 般 的 に
あ り、 本 研 究 に は 適 さ な い 。 焦 点 可 変 レ ン ズ も 同 様 に 周 波 数
ま た 光 軸 方 向 の み に 可 変 で あ る こ とか ら本 研 究 で は 用 い な か っ た 。 電 気 光 学 素 子 は 、 荷 電 す る
と屈 折 率 が 変 化 す る特 殊 な 素 子 を 用 い る。 高 周 波 数 帯 域 ま で 対 応 可 能 で あ り、 入 射 ビ ー ム を そ の ま ま 偏 向 す
るた め 、 エ ネ ル ギ の ロ ス が 数%と
小 さ い 。 こ の 様 に メ リ ッ トが 大 き い も の の 比 較 的 高 価 で あ る た め 、 レ ー ザ
トラ ッ プ 技 術 へ の 適 用 例 は少 な い 。 最 も よ く用 い られ て い る 方 法 が 音 響 光 学 偏 向 器 で あ る。AODは
結 晶 素子
に 超 音 波 振 動 を 与 えて 擬 似 的 な 回 折 格 子 を 発 生 さ せ 、 回 折 角 度 を 変 え る こ とで ビ ー ム を 偏 向 す る 。 超 音 波 振
幅 を 変 え る こ とで 回 折 効 率 を 変 化 さ せ 、 透 過 光 強 度 も 制 御 可 能 なAOM(Acousto-opticalmodulator)と
用 い る こ とが で き る。 本 研 究 で は このAODを
AODの
原 理 を 述 べ る[302]。AODは
で あ る 。Tio2結
して も
用 い て 、 プ ロ ー ブ 球 の 位 置 制 御 を 行 う。
そ の 名 の 通 り音 響 光 学 効 果(Acousto-opticaleffect)を
利 用 した 光 偏 向 器
晶 素 子 に ピエ ゾ ア ク チ ュ エ ー タ を 用 い て 音 響 平 面 波 を 与 え る 。 図5.1(a)に 示 す よ う に 、 調 和 的
音 波 に と もな う屈 折 率 変 化 は 光 散 乱 に 影 響 を 及 ぼ し、 そ の 相 互 作 用 はBragg回
を そ れ ぞ れλ、 浸、 光 の 入 射 角 を θとす る とBragg条 件 はsing=.1/2x1で
う。 特 に 薄 い 音 響 平 面 波 に 光 が 入 射 す る と き(図5.1(b))はRaman-Nath回
折 と呼 ぼ れ る 。 光 と音 の 波 長
表 せ 、 こ の 条 件 を 満 た す θをBragg角
折 と い わ れ 、AO素
とい
子 は回 折 格 子 と し
て 働 く。 こ の 時 のBragg条 件 はSITI(ei2)一λ/2浸で 満 た さ れ る た め 、 よ っ て1次 回 折 光 の 偏 光 角 は λ〃 と な る。 音 響
波 の 波 長 を音 響 波 の 速 度vと 周 波 物 で 表 す と、v!fと な る た め 、 走 査 角 δθは 音 響 波 の 周 波 数 変 化 δθを 用 い て 、
δ裂櫞厚 緲
†近 年 のHolographyopticaltweezersと
(5.1)
呼 ば れ る も の に は ほ と ん ど使 用 さ れ て い る と言 っ て 過 言 で は な く
、 こ こで は特 に示
さ な い が 実 際 か な り多 くの 発 表 が 行 わ れ て い る 。
43
と な る 。Bragg反
射 の 反 射 率Rは
ニSII12
で 表 さ れ る 。 た だ し、Mは
5.2.2プ
羨(論ア灘
(5.2)
音 響 素 子 の 物 質 パ ラ メ ー タ、 〃sinθは 光 侵 入 距 離 、1は 音 響 波 の 強 度 で あ る 。
ロ ーブ 球 の位 置 計 測
捕 捉 プ ロ ー ブ球 の 位 置 を測 定 す る方法 も これ ま で に多 く研 究 され 、 特 にPFM(Photonic{brcemicroscopy)で
は、 プ ロ ー ブ球 位 置 の測 定 精 度 が計 測 精 度 に寄 与 す るた め よ く検 討 され て い る[279-286]。本 研 究 で も、 プ
ロ ー ブ球 位 置 を高 精 度 に計 測 す る こ とは重 要 で あ る。 プ ロ ー ブ球 変 位 は シ ャ ドウ効 果 や 反 射 光 に よ って 数 μm
オー ダ に及 ぶ 。 また 、 プ ロー ブ球 の制 御 は数 十 ㎜ の分 解 能 を持 つ。 つ ま り、 数 十㎜ 以下 の測 定 分 解 能 が 求
め られ る。 現在 、 プ ロー ブ球 の 変位 計 測 には 次 の 方 法 が 提 案 さ れて い る。CCDを 用 い た直 接 観 察[285]、 前 方
散 乱 光[198]ま た は後 方 散 乱 光[279]を用 い る方 法 、 お よび 蛍 光 染 色 に よ る暗視 野 観察[273]で あ る。
まず
前 方 散 乱光 取 得 は構 成 上不 可 能 で あ る。 蛍 光 染 色 に よ る手法 は プ ロー ブ球 の特 殊 加 工 が必 要 とな
り、 か つ 精 度 が 低 い。CCDに
よ る プ ロ ー ブ球 の 直接 観察 は、 本 プ ロ ー ブ の動 き を と らえ るた め に は10kHz程
度 の 応 答 性 が求 め られ 、 その た め に は高 速CCDカ
メ ラ を用 い る必 要 が あ る。 高 速CCDは 寸 法 が 大 き く、 プ
ロー ブシ ス テム の 巨大 化 を招 くこ と、 お よび十 分 な光 量 を得 るた め に対 向照 明 が 望 ま しいが 、構 成 上 対 向 照
明 は難 し く、 採 用 困難 で あ っ た 。 した が って 、本 研 究 で は後 方 散 乱 光 を用 い た測 定 を行 う。 後 方散 乱光 の 取
得 方 法 も種 々提 案 されて い るが 、 マイ クロ オ ー ダ微 粒 子 の3次 元 変 位 を広 範 囲 に測 定 で き る方 法 は未 だ 提 案
され て い な い。4章 で 用 い た後 方散 乱 光 の受 光 量 を制 御 す る手 法 は線 形 性 は低 い もの の高 感 度 で店 答 性 も高
い。 しか し、 一 方 向 の み の測 定 が可 能 で あ り、3次 元 的 な 変 位 を受 けた 場 合 、 そ れ らの 影 響 が重 複 し、 測 定
が正 し く行 えな い。 そ こで本 論 文 で は基本 的 には この 方 法 を用 い るが 、 実験 目的 に応 じ、2次 元 方 向 に測 定
可 能 なQPDやPSDも
5.3光
適 宜用 い た 。 基礎 実験 と して6、7章 で はPDとQPDを
用 い た 。8章 で はPSDを 用 いた 。
放 射 圧 プ ロ ー ブ光 学 系
プ ロ ー ブ シ ス テ ム の 光 学 系 は4つ の 機 能 が 求 め ら れ る 。 光 学 系 を 図5.2に 示 す。 ま ず レ ー ザ ト ラ ッ プ で あ
る。 捕 捉 用 レ ー ザ に は 波 長1064nm、
直 線 偏 光 、 最 大 出 力2W、TEMooシ
ン グ ル モ ー ド、 連 続 発 振 の イ ッ ト リ
ウ ム フ ァ イ バ レ ー ザ を 用 い た 。 プ ロ ー ブ シ ス テ ム の 小 型 化 の た め フ ァ イ バ レ ー ザ が 適 して い る。 偏 光 方 向 は
最 もAODの
効 率 が 高 く な る 方 向 に 設 定 して い る 。 フ ァ イ バ か ら 出 た 光 は コ リメ ー タ レ ン ズ に よ っ て 直 径lmm
に コ リメ ー ト さ れ る 。 そ の 後 、 対 物 レ ン ズ の 後 方 開 口 よ り も 少 し大 き くな る よ う 、 リ レ ー レ ン ズ 系 に よ っ て
ビー ム 径 が 約4㎜
に広 げ られ る[233]。 ハ ー モ ニ ッ ク セ パ レ ー タ を 経 て 対 物 レ ン ズ に謝
ク セ パ レ ー タ は 、 捕 捉 レ ー ザ α;1064㎜)を
て い る 。 偏 光 制 御 は 、 光 学 系 の 図5.2のAの
44
反 射 し、 位 置 検 出 用LD(λ=640㎜)を
す る。 ハ ー モ ニ ッ
透 過 す る様 に設 計 さ れ
箇 所 に 軸 対 象 偏 光 変 換 フ ィ ル タ[244]を 挿 入 す る こ と で 行 わ れ る 。
Chapter5:Designoftheprototypeprobesystem
Figure5.3:Silicaparticlesforprobesphere.
Figure5.2:0pticalsystemoftheprobebaseonthelasertrappingtechnique.
プ ロ ー ブ 球 用 に は 直 径8オmの
球 状 シ リ カ 微 粒 子 を 用 い る。LCDス
ペ ー サ 用 に 開 発 さ れ た この 微 粒 子 は 、 図
5.3に 示 す よ う に 、 高 い 真 球 度 と狭 い 幅 の 粒 径 分 布 を 持 つ 。
次 に プ ロ ー ブ 球 制 御 で あ る 。 プ ロ ー ブ球 を 水 平 振 動 さ せ る た め 、2軸 のAODを
せ る 。 リ レ ー レ ン ズ 系 を 用 い てAODの
用 いて 捕 捉 レー ザ を偏 向 さ
偏 向 面 と対 物 レ ン ズ の 後 ろ側 焦 点 面 を 光 学 的 共 役 に す る こ とで 、 対 物
レ ン ズ へ の レ ー ザ 入 射 方 向 が 制 御 さ れ 、 対 物 レ ン ズ の 焦 点 位 置 は シ フ トす る 。 こ の よ う にAODを
ロ ー ブ を 焦 点 面 内 で 自 由 に 位 置 制 御 可 能 と な る 。 こ こ でAODの
を 確 認 す る。AODの
偏 光 角 はAODド
研 究 で 用 い たAODド
ラ イバ の 基 準 信 号 は 周 波 数27MHz、
数 変 化 に 対 して 士13.5mrad偏
ラ イ バ か ら のFM変
用 いて プ
偏 向 角 に対 す る対物 レン ズ の 焦 点 位 置 の 関係
調 信 号 で 回 折 密 度 を 変 化 さ せ る こ とで 制 御 す る 。 本
振 幅50Vで
あ る 。1次 回 折 光 は 最 大 士8MHzの
周波
向 す る。 つ ま り、 周 波 数 変 調Aμ こ対 す る 偏 向 角 変 化 △θは
(5.3)
2?
ム伽 翩 簾欝
麟蠏 蠡
と い う関 係 を 持 つ 。 対 物 レ ン ズ の レ ー ザ ス ポ ッ ト位 置 変 化Oxは
対 物 レ ン ズ の 焦 点 距 離fとLens2の
ピ ン ホ ー ル 面 上 で の 変 位 △x'と 共 役 で あ り、
焦 点 距 離f2よ り、
dr[mm]=ffix'[mm](5.4)
とな る。 ピ ン ホ ー ル 面 で の ス ポ ッ トの 変 位 量 はLenslに
よ っ て 次 の 式 に よ り決 定 さ れ る 。
(5.5)
ム蠖 飜瓣 羹鎚義黷鍛ム飜 糠燐
今 、 式(5.3)(5.4)(5.5)を
用 い る と、
綴 鷹
。ノ毳
が 簗る離 撚
峯。韮
舮
(5.6)
こ こ で 、AODド
ラ イ バ の 周 波 数 変 調 は 、 フ ァ ン ク シ ョ ン ジ ェ ネ レ ー タ の 入 力 信 号 に よ っ て 制 御 さ れ て い る。
こ の フ ァ ン ク シ ョ ン ジ ェ ネ レ ー タ の 振 幅1Vp_pに
シ ョ ン ジ ェ ネ レ ー タ の 信 号 振 幅V[mV]と
ぞれ の レ ンズ の 鯨
対 してAODド
ラ イ バ の 周 波 数 は18MHz変
母 の 関 係 は 、Of[MHz]-18×10-37[mVP_r]で
距 離 、fi=62mm、fz=256.4mm、
∫-1.8㎜
Ox[nm]=13.2V[mVP
化 す る。 フ ァ ンク
あ る。 こ の 関 係 とそ れ
を考 え る と
_P]
(5.7)
45
と な り、 フ ァ ン ク シ ョ ン ジ ェ ネ レ ー タ で1mVr_Pの
信 号 を 入 力 す る と、13.2nm(26.4nmr-r)の
ポ ッ トは 移 動 す る。 こ の よ う に 焦 平 面 内 で ス ポ ッ トは15㎜
振 幅 で レー ザ ス
程 度 の分 解 能 で 制 御 可 能 で あ る。
3つ 目 の 機 能 は プ ロ ー ブ 球 の 上 面 観 察 で あ る 。 結 像 系 は 対 物 レ ン ズ 、 結 像 レ ン ズ 、 リ レ ー レ ン ズ 、CCDか
ら成 り立 っ て い る 。 対 物 レ ン ズ 焦 点 近 傍 で 捕 捉 さ れ た プ ロ ー ブ球 の 像 は 対 物 レ ン ズ 及 び 、 結 像 レ ン ズ に よ っ
て 、 結 像 レ ン ズ の 焦 点 面 に 結 像 さ れ る 。 さ ら に リ レ ー レ ン ズ に よ って 像 転 写 さ れ 、CCD面
さ れ る。 こ の と き の 総 合 倍 率 に つ い て 述 べ る 。 対 物 レ ン ズ の 焦 点 距 離f,結
ン ズ の 焦 点 距 離f2、 リ レ ー レ ン ズ に お け る像 転 写 の 距 離 を そ れ ぞ れQ、bと
に 拡大 されて結 像
像 レ ン ズ の 焦 点 距fi、
す る。 まず
リレー レ
物 体 像 は対 物 レン
ズ 、 結 像 レ ン ズ に よ っ て弄卯 こ拡 大 さ れ る 。 次 に リ レ ー レ ン ズ に よ っ てb/aに 拡 大 さ れ る。 よ っ てCCD面
大 率 は万ゲ ・ろ!aとな り、 実 際 の 設 計 で はCCD面
で の拡
で230倍 に 拡 大 さ れ る 様 設 計 した 。 ま た 、 プ ロ ー ブ 球 は テ レ セ
ン ト リッ ク照 明 法 を用 いて 白色 光源 に よって照 明 され る。
最 後 は振 動 プ ロ ー ブ 球 の 位 置 測 定 で あ る 。 測 定 用 光 源 は 捕 捉 レ ー ザ と は 別 にLDを
光 、 波 長640㎜
、 最 大 出 力10mWで
、 フ ァ イ バ に よ っ て プR一
用 い る 。LDは
ブユ ニ ッ ト内 に入 射 す る 。LDは
直線偏
ま ず コ リメ ー
ト さ れ た 後 、 ハ ー フ ミ ラ ー 、 ハ ー モ ニ ッ ク セ パ レ ー タ を 透 過 し 、 対 物 レ ン ズ に よ り集 光 さ れ プ ロ ー ブ 球 に 捕
捉 レ ー ザ と 同 軸 入 射 す る。 プ ロ ー ブ 球 表 面 で 散 乱 し たLDを
再 度 対 物 レ ン ズ で 集 光 し上 面 に 伝 搬 す る 。 そ の
後 方 散 乱 光 を 光 検 出 器 で 受 光 す る こ とで プ ロ ー ブ 球 の 位 置 測 定 を 行 う。 この 際 、 捕 捉 レ ー ザ や 照 明 光 の 検 出
器 へ の 入 射 を 防 止 す る た め 、 干 渉 フ ィ ル タ に よ っ て ノ イ ズ 光 を カ ッ ト しLDの
み 透 過 させ る。 上 記 の よ う に
レ ー ザ トラ ッ プ さ れ た 粒 子 の 後 方 散 乱 光 の 検 出 に は 様 々 提 案 さ れ て お り、 状 況 に 応 じ て 使 い 分 け ら れ て い
る。 本 節 で はPD、QpDを
用 い た 。PDは4章
ド(Quadrantphotodiode)はPDを4つ
で 述 べ だ 。 こ こ で はQpDに
つ い て 述 べ る。4分 割 フ ォ ト 列
オー
の 素 子 に 分 割 し 、 単 純 な 光 量 だ け で な く、 後 方 散 乱 光 の 平 面 位 置 情 報 を
出 力 す る こ と が で き る 。 そ の 構 造 は 図5.4の 様 に な って お り、4つ の フ ォ トダ イオ ー ド出 力 と増 幅 ・演 算 回 路
に よ る 四 則 演 算 に よ っ て 光 ス ポ ッ トのX、Yの
変 動 を 出 力 し、 プ ロ ー ブ球 の 光 軸 垂 直 方 向 の プ ロ ー ブ 球 の 変
位 を 取 得 で き る[204]。 ま た 、 以 降 、 プ ロ ー ブ 信 号(Probesignal)と
5.4ラ
は 、 この光 検 出器 の 出 力信 号 を指 す。
ジ ア ル 偏 光(Radialpolarization)
レ ー ザ ト ラ ッ プ で は プ ロ ー ブ球 捕 捉 に数 百mWの
レ ー ザ 強 度 を 必 要 とす る た め 、 安 全 性 の 低 下 や 測 定 物 へ
の ダ メ ー ジ が 懸 念 さ れ る 。 捕 捉 レー ザ 強 度 を 低 くす る に は 高 い 光 軸 方 向 トラ ッ プ 効 率 が 要 求 さ れ る 。3章 の
数 値 解 析 に よ っ てp偏 光 が 支 配 的 な ラ ジ ア ル 偏 光 、 ビー ム 中 央 部 に 光 強 度 を 持 た な い 輪 対 ビ ー ム な ど で 、 光
軸 方 向 の ト ラ ッ プ効 率 の 改 善 策 を 見 い 出 し た 。4章 で は 遮 光 マ ス ク を用 い た 輪 帯 ビー ム に よ っ て 光 軸 方 向 ト
ラ ッ プ 効 率 が2倍 に 改 善 で き た 。 しか し、 遮 光 マ ス ク で は ガ ウ ス ビ ー ム の 大 部 分 の 強 度 を 反 射 に よ っ て 失 う
た め 光 学 系 全 体 の 効 率 は 改 善 さ れ な い 。 ま た 、 ア キ シ コ ン レ ン ズ(Axiconlens)を
用 い て輪 帯 ピー ム を生 成 す
る 手 法 も 提 案 さ れ て お り[303,304]、 理 論 的 に は 高 効 率 を得 る こ とが 出 来 る 。 しか し実 際 、 ア キ シ コ ン レ ン ズ
の 成 形 精 度 が ビ ー ム 変 換 の 強 度 効 率 に 影 響 し、 高 い 効 率 が 得 ら れ な い 。 そ こ で 、 本 研 究 で は ラ ジ ア ル 偏 光 の
導 入 を 検 討 した 。 ラ ジ ア ル 偏 光 は 偏 光 成 分 が ビー ム 断 面 上 で 光 軸 に 対 して 放 射 状 に 位 置 して い る[305]。 ビ ー
ム 中 心 部 で は 光 の 位 相 が180° 違 う ビ ー ム が 集 ま る た め 、 お 互 い に 打 ち 消 し合 い 、 輪 帯 ビー ム と な る[243]。
}Subsection4
46
.3.linpage41andsubsection4.4.1inpage44.
Chapter5:Designoftheprototypeprobesystem
ラ ジ ア ル 偏 光 ビー ム を 生 成 す る た め 、 本 研 究 で は 図5.5に 示 す フ ォ トニ ッ ク 結 晶 で 製 造 さ れ た12枚 の λ/2板
が ケ ー キ の ピー ス 状 に 整 列 した フ ィ ル タ を 用 い る[244]。 直 線 偏 光 を 入 射 す る と偏 光 方 向 を光 軸 放 射 状 に 変 換
す る 。 こ の フ ィ ル タ で は ビー ム の 損 失 は 少 な く95%以 上 の 透 過 率 を も つ 。 図5.2の 光 学 系 に 示 す ハ ー モ ニ ッ ク
セ パ レ ー タ の 直 前 のAの 箇 所 に設 置 す る。 図5.6に ラ ジ ア ル 偏 光 素 子 を 導 入 前 後 の ビ ー ム 断 面 強 度 とそ の プ ロ
フ ァ イ ル を 示 す 。 直 線 偏 光 で は ガ ウ シ ア ン ビ ー ム で あ る の に 対 して 、 ラ ジ ア ル 偏 光 で は 輪 帯 ビー ム で あ る こ
とが 確 認 で き る 。 図5.6(c)の 強 度 プ ロ フ ァ イ ル で は 、 輪 帯 ビー ム で あ る こ とが 明 ら か に わ か る 。 次 に 、 両 偏
光 の 対 物 レ ン ズ 焦 点 の ス ポ ッ トを 比 較 す る 。.・.Zakharianら
に よ る数 期 解 析 結 果 と共 に 図5.7に 示 した 。 直
線 偏 光 で は 、 図5.7(a)に 示 す よ う に 電 場 成 分 のEy成 分 が 顕 著 に 出 て お り、4つ に分 割 し た よ う な ス ポ ッ ト を 示
した 。 ラ ジ ア ル 偏 光 で はEz成 分 が 顕 著 に 現 れ 、2分 割 した よ う な 分 布 を示 し たt。 同 図(b)(d)のEyとEzの
解析
解 と よ く一 致 して お り、 軸 対 称 フ ィ ル タ が 機 能 し、 ラ ジ ア ル 偏 光 が 生 成 さ れ て い る こ とが 確 認 で き た 。
5.5ロ
ッ ク イ ン 検 出 法(Lock-indetection)
本 研 究 で は 振 動 プ ロ ー ブ に よ る高 感 度 化 を 行 うが 、 数 値 解 析 よ り光 放 射 圧 プ ロ ー ブ は き わ め て 低 い ば ね 定
数 を 持 ち 、 そ の た め 、 外 乱 や ブ ラ ウ ン 運 動 の 影 響 を 受 けや す く、SIN比
が 低 くな る 。 そ こ で 、 プ ロ ー ブ信 号
のS/N比 を 改 善 す る た め に 、 ロ ッ ク イ ン検 出 法 を導 入 す る。 プ ロ ー ブ 信 号 は 様 々 な 周 波 数 の ノイ ズ を 受 け、
そ れ に よ っ て 位 置 検 出 精 度 が 劣 化 す る 。 ロ ッ クイ ン検 出 は 、 い わ ゆ る ヘ テ ロ ダイ ン技 術 を用 い て お り、 検 出
信 号 か ら参 照 信 号 の 周 波 数 成 分 の み を 抽 出 す る 方 法 で あ る 。 そ の 原 理 を 説 明 す る 。 検 出 信 号 をs・sin(ω汁α)
で あ る と し、 参 照 信 号 をsin(wC+β)で あ る とす る 。 参 照 信 号 を2つ に 分 け て0° と90°の 位 相 差 を 持 た せ る 。 そ
れ を 検 出信 号 に 積 算 す る と 、
s量
鑢縦 今瓣)s蝦綴 ÷角 棚s
心
轍 露一紛 一¢㈱《2纏÷嫐や角3
麟 《欝唖 罪
トs圭紙2糴 牽礁や麟3
3縅 覦 ÷瓣翼鷯 《`斑
参角 澱52
(5.8a)
(:.)
(a)Experimentaldataof(b)Analyticaldataof(c)Experimentaldataof(d)Analyticaldataof
linearpolarization.linearpolarization[306].radialpolarization.radialpolarization[306].
Figure5.7:Comparisonofintensityprofileoflaserfocus.
tラ ジ ア ル 偏 光 は 集 光 レ ー ザ 焦 点 で は 電 場Ez成
分 の光 軸 伝 搬 方 向 の成 分 の み にな る
。 そ の た め 、Z偏
光 と も 呼 ば れ る。
47
と な る 。 右 辺 の 前 項 は 検 出 信 号 と参 照 信 号 の 位 相 差 を 表 し 、 後 項 は信 号 と検 出 の2倍 の 周 波 数 を 持 っ た 成 分
と な る 。 両 信 号 を ロ ー パ ス フ ィ ル タ に 通 す と、 両 方 と も 右 辺 の 前 項 、 つ ま り時 間 変 化 の な い(tを 含 ま な い)
直 流 成 分 の み が 残 る 。 この 直 流 信 号 を そ れ ぞ れ 、X=sia・sin(β 一
α)、Y=S/2×cos(β 一α)とお き 、 このXとYを
用い
て 、 検 出 信 号 の 振 幅8と 位 相 遅 れ ψは
5・ 滞(5.9・)
φ腿 一a-r〈YtX)(5.9b)
に よって 得 られ る。 これ に よって、 外乱 な どの 影 響 を低 減 し、 ノイ ズ 等 に 埋 もれ た信 号 も高 いSIN比 で測 定
可 能 で あ る。 本 研 究 で は、信 号 光 は 光 検 出 器 電 流 出力 のIV変 換 後 の電 圧 信 号 を用 い 、 参 照 信 号 はAODに
送
られ る励 振 用 電 圧 信 号 を用 い る。
5.6プ
ロ ー ブ ユ ニ ッ トの 構 成
本 章 で 設 計 さ れ た 光 放 射 圧 プ ロ ー ブ を用 い て 座 標 測 定 を 行 うた め に 、 上 述 の 光 学 系 を ス テ ー ジ に 搭 載 可 能
な 小 型 ユ ニ ッ トを 試 作 した 。 図5.8に 構 築 さ れ た プ ロ ー ブユ ニ ッ トの 写 真 を 示 す。 同 図(a)は 外 観 を(b)は 内 部
の 光 学 系 を 示 して い る 。 プ ロ ー ブユ ニ ッ ト上 方 か ら入 射 し た 捕 捉 用 レ ー ザ が ユ ニ ッ ト下 端 に 位 置 す る対 物 レ
ン ズ に よ っ て 集 光 さ れ 、 そ こ で マ イ ク ロ 微 粒 子 を 捕 捉 し プ ロ ー ブ 球 と して 機 能 す る 。 シ ス テ ム の レ ー ザ エ ネ
ル ギ 効 率 は 、 フ ァイ バ レ ー ザ 出 射 時 と対 物 レ ン ズ 後 で 約25%で
よ び 対 物 レ ン ズ(約30%損
あ る 。 レ ー ザ の 大 部 分 はAOD(約60%損
失)で 損 失 す る。 パ ッ ケ ー ジ は後 述 の ス テ ー ジ ベ ー ス と同 様 のS45Cが
お り、 表 面 は レ イ デ ン ト処 理[307]が 施 さ れ て い る。 重 量 は 約13kgで
x230mm(幅)と
5.7結
失)お
用 い られ て
あ り、 寸 法 は450mm(高)・141mm(奥)
な って い る。
言
本 章 で は 、 光 放 射 圧 プ ロ ー ブ シ ス テ ム の 設 計 お よ び 試 作 を 行 っ た 。 プ ロ ー ブ 球 の 位 置 制 御 に はAODを
て 制 御 分 解 能13.5㎜
と した 。 プ ロ ー ブ 球 の 位 置 は 位 置 測 定 用 光 源 で あ るLDの 後 方 散 乱 光 をPDお
用い
よ びQPDを
用 い て 検 出 し、 測 定 す る 。 この プ ロ ー ブ シ ス テ ム を用 い て 、7章 以 降 、 振 動 プ ロ ー ブ の 測 定 面 近 傍 で の 振 る
舞 い を 観 測 し 、 位 置 検 出 原 理 の 解 明 お よ び そ の 原 理 を応 用 し た 高 感 度 な マ イ ク ロ プ ロ ー ブ を 開 発 す る。
48
Chapter6:Designandevaluationoftheprototypecoordinatemeasurementsystem
第6章
6,1緒
座 標 計 測 シス テム設 計 お よ び試 作
論
プ ロ ー ブ の 性 能 評 価 に は 、 高 精 度 か つ 高 分 解 能 な ス テ ー ジ シ ス テ ム が 必 須 で あ る 。 本 章 で は 、5章 で 述 べ
た プ ロ ー ブユ ニ ッ ト を搭 載 可 能 な ス テ ー ジ シ ス テ ム の 設 計 お よ び 試 作 を 行 い 、 そ の 運 動 性 能 を 評 価 す る 。
6.2ナ
ノ座 標 測 定 シス テム の 開発 動 向
ス テ ー ジ シ ス テ ム は 工 作 機 械 な ど に お い て も重 要 で あ る た め 盛 ん に 研 究 さ れ て お り、 そ の 進 歩 に よ り加 工
機 の 精 度 は 著 し く向 上 し た[61]。 しか し、 測 定 器 に 用 い る シ ス テ ム は 加 工 機 の そ れ よ り も 一 桁 上 の 性 能 が 求
め ら れ る 。K.Takamasuら
が 述 べ て い る よ う に 、 ナ ノCMMの
重要 な要 素 は プ ロ ー ズ
ア クチ ュ エ ー タ、 テ ー ブ
ル、 ス ケ ー ル で あ る[85]。 本 研 究 で は マ イ ク ロ プ ロ ー ブ の 開 発 を 行 うが 、 そ の 他 の3要 素 と完 全 に 切 り離 す こ
と は 難 し く、 プmブ
の 性 能 を正 し く評 価 す る た め に は 、 高 精 度 な ス テ ー ジ シ ス テ ム は 欠 か せ な い 。1990年
代 プ ロ ー ブ 開 発 が 盛 ん で あ っ た ヨ ー ロ ッパ で は 、 近 年 、 企 業 な ど で の 開 発 が 目覚 ま し く、Eindhoven大
308]、SIOS社NMM1[151]、CarlZeiss社[110]、NPL[89]、PTB[1001な
㎜
程 度 の ス トロ ー ク お よ び100㎜
学[92,
ど が 数 ナ ノ メ ー トル 以 下 の 分 解 能 と100
以 下 の3次 元 不 確 か さ の ス テ ー ジ シ ス テ ム 構 築 し、 そ れ に よ っ て プ ロ ー ブ
開 発 が 益 々 盛 ん に な って い る 。 高 精 度 な 座 標 ス テ ー ジ は 干 渉 計 な ど を 用 い てAbbe誤
差 をゼ ロ に す るメ トロ ロ
ジ ー フ レ ー ム を 取 り れ 不 確 か さ低 減 を 達 成 して い る 。 ア ジ ア で も ス テ ー ジ の 開 発 は 行 わ れ て お り、 国 立 台 湾
大 学 のK.C.Fanは
有 限 要 素 法 を用 い て 構 造 解 析 を 行 っ て い る[94,95]。 東 京 大 学 のK.Takamasuら
ン ド ラ イ ブ を用 い た シ ス テ ム 開 発 を 行 い[309]、Mitutoyo社
のNanocordで
は フ リ クシ ョ
も 同 様 に 用 い られ て い る[114]。 静 岡
大 学 で は 、 直 交3軸 で は な くパ ラ レ ル メ カ ニ ズ ム 構 造 を 用 い た ス テ ー ジ を 提 案 して い る[310]。 産 業 技 術 総 合
研 究 所(AIST)で
も 現 在 マ イ ク ロCMM(M-CMM)を
試 作 して お り、K.Takamasuら
は2009年
に新 た に マル チ プ
ロ ー ブ 法[314]を 用 い た ス テ ー ジ の 評 価 方 法 を 報 告 した[311】。
6.3計
測 シス テ ム 装 置 の 概 要
図6.1に 本 研 究 で 試 作 した 装 置 の 写 真 を 示 す。 本 シ ス テ ム は 大 き く分 け て4つ に 分 類 で き る。
1.位
置 検 出 プ ロ ー ブ:測
定 物 の 表 面 を検 出 す る セ ン サ の 役 割 を 果 た す。
II.位
置 決 め ス テ ー ジ:位
置 検 出 プ ロ ー ブ を 移 動 させ 、 検 出 さ れ た 点 に 座 標 付 け を 行 う。
III.ス テ ー ジ ベ ー ス:位
IV。 制 御 シ ス テ ム:ス
置検 出 プ ロー ブ と位置 決 めス テ ー ジ を支 え る。
テ ー ジ の フ ィ ー ドバ ッ ク 制 御 を 行 い 、 ま た プ ロ ー ブ 信 号 お よ び 座 標 付 け を 行 う。
ス テ ー ジ ベ ー ス は ゲ ー ト タイ プ と な っ て い る 。 ス テ ー ジ ベ ー ス の 下 に ワ ー ク を 運 ぶ ス テ ー ジ が 位 置 し 、 測
定 対 象 は ス テ ー ジ ベ ー ス 下 部 の プ ロ ー ブ 球 の 下 で 計 測 さ れ る。 ス テ ー ジ ベ ー ス は 、 計 測 器 を 支 え る た め 、 荷
49
重 に よ る 歪 が 少 な くな る よ う にFEM(Finiteelementmethod、
鋼S45Cが
有 限 要 素 法)よ っ て 解 析 さ れ て い る。 材 料 は 炭 素
用 い られ 、 表 面 は レ イ デ ン ト処 理[307]が 施 さ れ て い る 。 ス テ ー ジ の サ イ ズ は210㎜(高)・1400
㎜(幅)・500㎜(奥)で
あ る 。 ス テ ー ジ 制 御 を 司 る制 櫨
ロ ー ラ 、 電 流 増 幅 ・フ ィ ー ドバ ッ ク コ ン トmル
は 、 ス テ ー ジ 全 軸 を 統 括 制 御 す る..コ
ント
を行 う モ ー タ ア ン プ ・コ ン ト ロ ー ラ、 ス テ ー ジ 位 置 検 出 信
号 を 処 理 す るエ ン コ ー ダ 回 路 、 各 装 置 に 電 力 を 供 給 す る 電 源 部 か ら構 成 され て い る 。 計 測 系 を 制 御 す る コ
ン ピ ュ ー タ は プ ロ ー ブ信 号 の 取 込 、 ス テ ー ジ へ の コ マ ン ドの 送 信 、 ス テ ー ジ 位 置 座 標 の 取 得 な ど を 行 う 。 制
御 ソ フ トはLabVIEWを
用 い た 。 ス テ ー ジ 制 御 はPMAC†
に よ って 行 わ れ る 。 ス テ ー ジ 位 置 を 測 定 す る リ ニ ア ス
ケ ー ル の 値 は32bitバ イ ナ リで 直 接 コ ン ピ ュ ー タ に 送 信 さ れ る。 ま た 計 測 器 の 周 辺 機 器 と して 、 ク リ ー ン ブー
ス に よ っ て 計 測 器 全 体 は 覆 わ れ て お り、Class5000程
正 さ れ た 分 解 能5mKの
度 の ク リー ン 度 を 保 っ て い る。 環 境 温 度 はCarlZeissで 校
サ ー ミ ス タ温 度 計 に よ っ て 測 定 さ れ て い る 。 本 シ ス テ ム は パ ッ シ ブ制 御 の 除 振 台 上
に 設 置 さ れ 、 外 部 振 動 か ら守 ら れ て い る 。 パ ッ シ ブ 制 御 の 除 振 台 の た め 、 低 周 波 数 に 共 振 ピ ー ク が 存 在 す
る 。 プ ロ ー ブユ ニ ッ ト 内AODへ
の 振 動 信 号 は コ ン ピ ュー タ か らGPIB接
続 され た フ ァ ン クシ ョ ンジ ェネ レー タ
に コ マ ン ド を送 る こ とで 行 う。 そ の プ ロ ー ブ 球 位 置 情 報 は 光 検 出 器 に よ っ て 読 み 取 ら れ 、AID変
換 ボ ー ドを
介 し制 御 用 コ ン ピ ュ ー タ に 送 ら れ る 。 こ の 際 、 プ ロ ー ブ 信 号 と フ ァ ン ク シ ョ ン ジ ェ ネ レー タ の 基 準 振 動 信 号
を 同 期 さ せ る こ とで 、 プ ロ ー ブ信 号 の ロ ッ ク イ ン 検 出 を 行 う。 一 方 で 、 ス テ ー ジ の 制 御 命 令 はUSB接
たPMACコ
続 され
ン ト ロ ー ル ユ ニ ッ ト に 送 られ る 。 そ の コ マ ン ド に よ って シ ャ フ トモ ー タ で ス テ ー ジ を 駆 動 す る 。
そ の 運 動 は リニ ア ス ケ ー ル に よ っ て 読 み 取 られ 、PCに
位 置 情 報 と して 送 ら れ る ほ か 、 回 路 内 に も送 られ
フ ィ ー ドバ ッ ク 制 御 さ れ る。 全 体 の 構 成 図 を 図6.2に 示 す。
6.4座
標 ス テ ー ジ の構 成
本 計 測 器 の 位 置 決 め ス テ ー ジ に つ い て 述 べ る。 そ の 構 造 は 、 図6.1(b)に 示 す よ う にXYZの
り、 各 軸 が そ れ ぞ れ 積 み 重 ね られ た ス タ ッ ク構 造 と な っ て い る 。X軸
さ れ 、Y軸
が 下 段 、X軸
が 上 段 に 位 置 す る。XY軸
直 交3軸 構 成 で あ
ス テ ー ジ とY軸 ス テ ー ジ は 水 平 に構 成
と直 交 す る 様 にX軸 にZ軸 ス テ ー ジ が 設 置 さ れ て い る 。Z軸
に プ ロ ー ブユ ニ ッ トを 取 付 け プ ロ ー ブ 球 が 装 置 下 部 に あ る測 定 試 料 に ア ク セ ス す る た め 、X、Y軸
は中央 が
く り貫 か れ た 井 戸 型 ス テ ー ジ と な って い る。 対 称 井 戸 型 に す る こ と で 、 力 学 的 に 優 れ 、 温 度 ド リ フ ト も最 小
に 抑 え る こ とが で き る[312]。 各 ス テ ー ジ の 材 料 はS45C、
ジ の 総 重 量 は約360kgで
+PMACと
はProgrammablemultiaxiscontrollerの
パ ッケ ー ジ で あ る。
50
表 面 レ イ デ ン ト処 理 で 統 一 さ れ て い る。3軸 ス テ ー
あ り、 こ れ ら ス テ ー ジ は ス テ ー ジ ベ ー ス 上 に 搭 載 、 固 定 さ れ る 。
略 で あ り 、 ア メ リ カ のDeltaTau社
に よって 開 発 され た ス テ ー ジ制 御 用 の
Chapter6:Designandevaluationoftheprototypecoordinatemeasurementsystem
ス テ ー ジ駆 動
本 ス テ ー ジ を 駆 動 す る駆 動 系 に は リニ ア モ ー タ を採 用 し 、 特 に構 造 上 シ ン プル で 高 効 率 で あ
る シ ャ フ ト モ ー タ を 用 い た 。 そ の 動 作 原 理 は 、 軸 とな る シ ャ フ トは 磁 石 をN極 同 士 、S極 同 士 を 接 合 し た 構
造 に な っ て い る 。 この シ ャ フ トを 取 り 囲 む 様 に コ イ ル が 存 在 す る 。 シ ャ フ ト は 固 定 部 、 コ イ ル が 可 動 部 で あ
る 。 そ の コ イ ル に 電 流 が 流 れ る とそ の 周 辺 に 磁 界 が 発 生 し 、 い わ ゆ るFlemingの
法 則 に よ って シ ャ フ ト軸 方 向
に 推 力 が 発 生 し 、 コ イ ル 側 が 移 動 す る 。 シ ャ フ トモ ー タ の 特 徴 は 、 バ ッ ク ラ ッ シ ュ が な くロ ス トモ ー シ ョ ン
が 低 い 、 磁 束 が360度 全 て 推 力 と して 働 くた め 高 効 率 で あ る、 動 作 ム ラ 、 コ ギ ン グ が 発 生 し な い 、 コ イ ル と
シ ャ フ トが 非 接 触 で あ り、 無 音 動 作 、 メ ン テ ナ ン ス フ リー 、 お よ び 摩 擦 熱 や コ ン タ ミネ ー シ ョ ン の 発 生 が な
い 、 位 置 決 め特 性 が よ く高 速 ・高 精 度 運 動 特 性 に 優 れ る 、 シ ン プ ル な 構 造 で あ る た め 取 付 け が 容 易 で あ る な
どで あ る。 シ ャ フ トモ ー タ は 各 軸 の ス テ ー ジ 中 心 に 取 付 け られ る 。 この シ ャ フ トモ ー タ駆 動 に よ り、 ス テ ー
ジ は10mm/sec.か
ら10nm/sec.以
下 と幅 広 い 顱
で ス テ ー ジ 移 動 が 可 能 で あ る。
ス テ ー ジガ イ ド
ス テ ー ジ ガ イ ド に は ク ロ ス ロ ー ラ ガ イ ド を 用 い て い る 。 ガ イ ドの 精 度 は ス テ ー ジ の 真 直 度
や 位 置 決 め 分 解 能 、 位 置 決 め 精 度 、 繰 返 し精 度 お よ び 運 動 特 性 な ど に 関 係 す る 最 も 重 要 な 要 素 の 一 つ で あ
る 。 ク ロ ス ロー ラ ガ イ ド は 、 精 密 研 削 加 工 さ れ たV溝 転 送 面 を もつ 軌 道 台(ガ イ ド)と 精 密 ロ ー ラ を交 互 に 直
交 さ せ て 組 み込 ん だ ロ ー ラ ケ ー ジ で 構 成 さ れ る 。 摩 擦 抵 抗 が 極 め て 小 さ く、 静 摩 擦 と動 摩 擦 の 差 が ほ とん ど
な い た め 微 小 送 り に も 正 確 に追 随 し 、 低 速 か ら 高 速 ま で 安 定 し た 動 作 が 可 能 と な る 。 ま た 、 ロ ー ラ とガ イ ド
が 線 接 触 と な るた め高 剛 性 、高 負 荷 容 量 が実 現 可能 で あ る。
リニ ア スケ ール
ス テ ー ジ 運 動 量 は リニ ア ス ケ ー ル に よ っ て 読 み 取 られ る。 リニ ア ス ケ ー ル は 、 レ ー ザ ス
ケ ー ル に よ る信 号 を イ ン タ ー ボ レ ー タ が32bitバ イ ナ リ信 号 に 変 換 し 出 力 す る 。 こ こ で ま ず 、 レ ー ザ ス ケ ー ル
の 原 理 を 説 明 す る 。 本 レ ー ザ ス ケ ー ル は 最 も分 解 能 が 高 い と言 わ れ る格 子 干 渉 型 の ス ケ ー ル で あ り、 そ の 概
念 図 を 図6.3に 示 す。 ま ずLDを
偏 光 ビ ー ム ス プ リ ッ タ(PBS,Polarizationbeamsplitter)でs偏
光 とp偏 光 に 分 割 す
る。 分 割 さ れ た 光 は ホ ロ グ ラ ム 格 子 に よ っ て 回 折 さ れ る 。 ホ ロ グ ラ ム 格 子 がX軸 方 向 にdだ け 変 位 す る と回 折
光 の 位 相 が2TCmdlP(m:回
折 次 数(以 降 〃尸1)、P:格
て 偏 光 方 向 を転 換 して 同 一 光 路 を 経 て 再 びPBSに
子 ピ ッ チ)シ フ トす る 。 回 折 光 はλ14板 と反 射 ミ ラ ー に よ っ
入 射 す る 。 こ の た め 、2度 の 回 折 を 受 け た 光 は2(2ndlP)の 位
相 変 化 を 受 け る 。 分 割 さ れ た 光 は 共 に 回 折 す る が 、 回 折 方 向 が 逆 で あ る た め 、 位 相 変 化 は2(2π躍P)と 一2(2π
〃
P)と な る 。PBSで
る。PDが
干 渉 さ れ る2つ の ビ ー ム は4(2ndlP)の 位 相 差 を 持 つ 。 偏 光 子 を 抜 け た 干 渉 光 はPDに
入射す
検 出 す る 干 渉 光 強 度1は
掴
簸 猛蝋
嬬⑫綴 鑽 潔購(6ユ)
と な る 。 つ ま り、 ホ ロ グ ラ ム 格 子 が 格 子 ピ ッ チ 分 だ け 移 動 し た 時 、PDの
じ る 。 し た が っ て 、 格 子 ピ ッ チPが0.55オmで
検 出 す る信 号 は4周 期 分 の 変 化 が 生
あ る こ とか ら、 検 出 信 号 周 期 は138㎜
出 信 号 を イ ン タ ー ボ レ ー タ に よ り 内 挿 す る こ とで 、0.14㎜
程 度 とな る 。PDに
よ る検
の 分 解 能 で 変 位 検 出 が 可 能 と な る。 イ ン ク リメ ン
タ ル 方 式 で あ る リ ニ ア ス ケ ー ル は 、 基 本 的 に は絶 対 位 置 を 検 出 す る こ と が で き な い 。 これ を 補 うた め に 、 リ
ニ ア ス ケ ー ル は 内 蔵 原 点 を 有 して お り検 出 ヘ ッ ドが 内 蔵 原 点 を 通 過 す る こ とで ス ケ ー ル 原 点 を 認 識 す る 。 本
リ ニ ア ス ケ ー ル の 原 点 再 現 度 は±0.1オmで
ス テ ー ジ幾 何特 性
あ る 。 こ の リ ニ ァ ス ケ ー ル が 本 シ ス テ ム の 基 準 ス ケ ー ル と な る。
本 位 置 決 め ス テ ー ジ の 幾 何 性 能 を 表6.1に 示 す 。 本 位 置 決 め ス テ ー ジ は40mmの
ク を 持 ち 、 位 置 決 め 分 解 能40㎜
お よ び 位 置 決 め 精 度 土5㎜
ス トロ ー
とい う高 精 度 な ス テ ー ジ で あ る 。 分 解 能 や 繰 返
し精 度 はZ軸 が 最 も優 れ て い る も の の 、 真 直 度 な ど は 若 干 劣 り、 ピ ッ チ 、 ヨー 、 ロ ー ル と い っ た 運 動 偏 差 も
大 き くな っ て い る 。 後 に5章 で 試 作 し た プ ロ ー ブユ ニ ッ ト を統 合 し た 時 の 位 置 決 め 特 性 を評 価 す る 。
Abbeの
誤 差Abbeの
て い る 。Abbeの
誤 差 と は 、 計 測 不 確 か さ を 招 く代 表 的 な 誤 差 要 因 の 一 つ で あ り、Abbeの
原 理 と は 「高 精 度 な 長 さ 測 定 シ ス テ ム を 実 現 す る に は 、 測 定 す べ き 長 さ を 測 定 シ ス テ ム の 目
盛 り線 と同 一線 上 に 置 か な け れ ぼ な ら な い[312】」 とい う も の で あ る。 こ の ズ レ をAbbeオ
超 高 精 度CMMで
原 理 に基 づ い
は メ トロ ロ ジ ー フ レ ー ム を 用 い たAbbeオ
フ セ ッ ト とい い 、
フ セ ッ トフ リ ー な る 設 計 が 多 い 。Abbeの
原 理 を本
シ ス テ ム に お い て 考 え る と、 座 標 点 を 検 出 す る プ ロ ー ブ 球 の 位 置 と座 標 付 け を 行 う 位 置 決 め ス テ ー ジ の ス
テ ー ジ 軸 お よび リ ニ ア ス ケ ー ル は 同 一 線 上 に な くて は な ら な い 。 しか し 、X軸
ブ 中 心 が 約92㎜
、Y軸
は 約70㎜
差 が 発 生 す る可 能 性 が あ る 。
、Z軸
も約70㎜
はス テー ジ の 運 動 軸 とプ ロー
程 度 ず れ て い る。 そ の た め 、 最 大 で100㎜
丶
程 度 のAbbe誤
冖
51
Table6.1:Geometricalpropertyofthecoordinatestage.
瀚 蜘 晦蝉
㈱
酬慧
耀罵獅
麟瀰 攤 覧
澱 陰撫 晦
轡畑
畑
$㈱
繍
羹鱒 靆顯
黝
麟
糞璽麟孅 練糎
Figure6.3:Structureoflinearscale.
6.5ス
轗鯲畑
翼軈
ゑ欝 鯲 鴇
逸.登
鵜醜
4惑 嚢無
麟験顯
禽4.5轟膿
麟、
蔭驚
麟
血欝 飆
舗 醗
禽數嚢細驥
鰄 難飜
織鰍
鰍撫
鏃鱗 黼
趨、
鑢 鏤鱶 臆{廴
伽
焦鑢 麒 鯲
幾鍛 黼
鸛韆
露。
欝 鑢 踏劔
蠱鯔 黼{㈱
飜 畑繍
攣磁飆
購
鱇 幽
奪
畑繍
晦 舞織繊
鞠
¥鋤
x
輦畑n鶸 津輛
獅
鱒 黷鷦饐
欝 黴
驫瀞 礫繍
鯲嬲
覦
灘}蠏
拿灘 鱒 憩 鵬瀚
憩 鵝鵜
簷蠶孅脇
髪畑 畑 蕁
畑 鋤輪
喋蠶獵鑼縷
ケ ール 校 正
本 計 測 器 は 長 さ 基 準 と して リ ニ ア ス ケ ー ル を 各 軸 に 搭 載 して お り、 この リニ ア ス ケ ー ル の 読 み を フ ィ ー ド
バ ッ ク す る こ とで 位 置 決 め 制 御 お よ び 座 標 付 け を行 う。 本 節 で は こ の リニ ア ス ケ ー ル の 校 正 を 行 う。 本 研 究
で は 、 校 正 の 基 準 と してCarlZeiss社
6.5.1ヘ
干渉計原理
で 校 正 され た ヘ テ ロ 列
ン レ ー ザ 干 渉 計(計 測 分 解 能2.5㎜)を
用 い た。
テ ロ ダイ ン レー ザ 干 渉 計
ヘ テ ロ列
ン干 渉 は、 周 波 数 の僅 か に異 な る レー ザ を干 渉 させ 、 そ の ビー ト信 号 の 変 化 に よ り
計 測 を行 う。 直交 した偏 光成 分 を持 ち僅 か に周 波 数 の 異 な る入 射 光 は レーザ ヘ ッ ド内で信 号 光 、 参 照 光 の2
っ に分 割 され る。 信 号 光 は、偏 光 ビー ムス プ リ ッタ に よ りEIとEZの 光 に分 光 さ れ る(式(6.2))。
E,=A,cos(2嘱
∫+φ1)(6・2a)EZ隅A2cos(観'+φ2)(6・2b)
E2の ビ ー ム は 光 学 系 内 で 光 路 を180度 転 換 さ れ 、E1の ビ ー ム が 測 定 対 象 に 設 置 さ れ た 反 射 ミ ラ ー に よ っ て 反 射
し 、 光 学 系 内 のPBSに
再 入 射 す る 。 反 射 ミ ラ ー が 変 位 す れ ば 、 光Eiは
土dfiを起 こ す。 こ の2つ の 光 を 干 渉 させPCで
噛
ゆ
と な る 。 こ こで 、fz-fを
婚
ド ッ プ ラ ー 効 果 に よ り周 波 数 シ フ ト
干 渉 信 号 を 受 け 取 る。 参 照 光 と信 号 光 の 干 渉 光 強 度 は
禦
礁 野
〉一寧
・・
鵡 幽
磁 蝋
ん一魎
鳩
一轟畷 隔
一翰(6.、
ビー ト周 波 数 と よ び 、 姻 ま ドッ プ ラ ー シ フ トに よ る周 波 数 変 化 で あ る。 こ の げ を検
出 す る こ とで 測 定 物 の 変 位 を 知 る。
Figure6.4:Configurationofheterodyneinterferometer.
52
一翰(6.,。)
、)
Chapter6:Designandevaluationoftheprototypecoordinatemeasurementsystem
測定方法
レー ザ 干 渉 計 の設 置 方 法 か ら述 べ る。 測 定 はXYZ各 軸 別 々 に行 う。 レーザ 干 渉 計 で計 測 す る ポイ
ン トは位 置 検 出 を行 うプ ロー ブ球 の位 置 が望 ま しい。 プ ロ ー ブ球 は対 物 レ ンズ先 端 で あ り、装 置 の構 造 上 測
定 困 難 で あ る。 その た め 、 対 物 レ ンズ を取 り外 しそ こに治 具 に取 付 け、 プ ロー ブユ ニ ッ トか ら吊 り下 げ る よ
うに 反 射 ミラー を固 定 した。 図65に 干 渉 計 計 測 時 の概 要 を表 す 写 真 を示 す。 干 渉 計 の レー ザ ヘ ッ ドは 定 盤 に
治具 を取 り付 け固 定 した 。干 渉用 光学 系 は空 気 の 乱 れ に よ る測 定 誤 差 低 減 の た め 可能 な 限 り反 射 ミラー に近
づ け た 。X軸 の 計 測 時 に は、Y軸 方 向 に 出射 した レーザ が ミ ラー に よ りX軸 方 向 に90°偏 向 され る。 この 反 射
ミラ ーの 位 置 は プ ロー ブ位 置 よ り も約70mm下
に位 置 す る。Y軸 計測 の構 成 は 、Y軸 方 向 に出射 した レー ザ
が干 渉 計 光 学 系 を経 て反 射 ミ ラー に入 射 す る。反 射 ミ ラー の取 付 け はX軸 の 場 合 と同様 で あ る。Z軸 計 測 の
場合 、 反 射 ミラー は対物 レ ンズ の位 置 に反 射 面 が下 に 向 くよ うに設 置 さ れ る。Y軸 方 向 に進 む レー ザ 光 が ミ
ラー に よ り上 向 き に向 け られ 、反 射 ミラー に入射 す る。 計 測 は、 干 渉計 の設 置 ・調整 後 、 測 定環 境 を安 定 さ
せ る た め数 時間 そ の状 態 を保 っ た あ と行 われ る。 計 測 中 は環 境 温 度 計 測 を行 い レーザ 波 長 を補 正 し、計 測 前
後 で 干 渉 計 レー ザ 光軸 の ア ライ メ ン トを確 認 した。
6.5.2リ
ニ ア ス ケ ール の校 正
本 シス テム の基 準 ス ケ ー ル とな る リニ アス ケ ー ルの 値 を校 正 す るた め、 ス テー ジ運 動 時 の変 位 を干 渉 計 と
比 較 した 。 方 法 は 、 各 軸 の 座 標 基 準 値0か ら1mm、100オm、10オm、1オmを
ス ト ロ ー ク と して10回 往 復 運 動
を行 う 。 各 座 標 点 に移 動 後 、 数 秒 間 待 機 し た 安 定 位 置 を 位 置 決 め の 値 と し た 。 干 渉 計 と リニ ア ス ケ ー ル の 値
を比 べ 校 正 の 補 正 値 を も と め る。 な お 、 干 渉 計 計 測 の サ ン プ リ ン グ 周 波 数 は20Hzと
代 表 例 と して 、 各 軸10オmス
した。
ト ロ ー ク 時 の 計 測 デ ー タ を 図6.6(a)一(c)に示 した 。 リニ ア ス ケ ー ル の 値 と干 渉 計
計 測 に誤 差 が 発 生 して い る 。 測 定 結 果 か ら得 られ たXYZ軸
各 軸 に 対 す る補 正 値 を 図6.6(d)に 示 す 。 こ の リ ニ
アス ケ ー ル と干 渉 計 の 補 正 値 は 、 お お よ そ0.985で あ る が 、 ス トロ ー ク10オm以
下 で は 相 違 が 見 ら れ る。 こ れ
は、 ス トロ ー ク が 小 さ くな る こ と で 、 ス テ ー ジ 運 動 の相 対 誤 差 が 大 き くな るた め で あ る と考 え られ る 。 例 え
ば10オmス
トロ ー ク 時 は 、20㎜
の 誤 差 で0.002程 度 の 相 違 が 生 じ る。 ス テ ー ジ の 校 正 と い う 目 的 か ら、 こ こ
で は0.985を 校 正 値 と した 。 こ れ 以 降 、 リ ニ ア ス ケ ー ル の 値 に こ れ 乗 算 す る こ とで 座 標 値 を 求 め た 。
6、6座 標 ス テー ジ運 動 特 性 評 価
座 標 ス テ ー ジ の 運 動 特 性 評 価 を 行 う。 位 置 検 出 を 行 う た め の 様 々 な 特 性 を把 握 す る 必 要 が あ り、 位 置 検 出
ス テ ー ジ の 特 性 評 価 方 法 も数 多 く提 案 され て い る[308 ,314,315]。WG.WeekersはCMMス
的 誤 差(Quasistaticserror)と
運 動 誤 差(Dynamicerror)に
テ ー ジ の誤 差 を 静
分 類 した[316]。 前 者 は ス テ ー ジ の 幾 何 学 的 誤 差 、 装
置 の 剛 性 に 起 因 す る誤 差 お よ び 温 度 ド リ フ ト、 後 者 は加 速 度 依 存 の 誤 差 、 自 己 お よ び 外 力 に よ る振 動 と し
た 。 本 研 究 で も、 これ ら に つ い て 検 討 を 行 う。 ま ず
位 置 決 め ス テ ー ジ の 周 波 数 特 性 お よ び 温 度 ド リ フ トの
轟轟螺;絃
醸
ゆ を
扁 ド 伽繭 ㌶ 品 一
・鱇鯲鑓 讖1
伽 良
_w變
ぼ ぼお
濳
耋 熱 義⊃
顴 磁 灘 …灘 魍 禰 囀
(a)X-axis.(b)Yaxis.(c)Z-axis.
Fibre6.5:Configurationoflinearscalecalibrationwithheterodyneinterferometer.
53
Figure6.6:Repetitivestagemotionfbrcompa血glinearscaleandheterodyneinterferometer.
影 響 に つ い て 評 価 す る 。 次 に 、 ス テ ー ジ の 基 本 的 な 運 動 特 性 と して 、 位 置 決 め 分 解 能(Resolution)、
置 決 め 精 度(Repeatability)、 位 置 決 め 精 度(Accuracy)、
周 波 数 特 性 評価
ロ ス トモ ー シ ョ ン(Lostmotion)に
繰 返 し位
つ い て 評 価 を 行 う。
周 波 数 特 性 の 評 価 方 法 と して 、 ハ ン マ リ ン グ試 験 を 行 っ た 。 ス テ ー ジ を 停 止 した 状 態 で 、
外 部 か ら衝 撃 を 与 え た と き の ス テ ー ジ の 応 答 を 見 る 。 ス テ ー ジ はPID制 御 に よ り任 意 の 位 置 に 定 在 す る た め
に フ ィ ー ドバ ッ ク 制 御 は 常 に 動 作 して い る。 そ の た め 、 ゲ イ ン の 調 整 な ど に よ っ て ス テ ー ジ は あ る 周 波 数 で
大 き な 応 答 を 示 す。 これ に よ り外 部 振 動 に対 す る安 定 性 を 評 価 し た 。 サ ン プ リ ン グ レ ー トを5000Hzと
秒 間 の 計 測 を 行 っ た 。 計 測 結 果 を 図6.7に 示 す。X軸Y軸
に 関 して100Hz付
し 、6
近 で 高 い ピ ー ク が 見 られ しか し 、Z
軸 で は 見 られ な い 。 つ ま り、 こ の ピ ー ク は 先 に 述 べ た 干 渉 計 測 用 の 反 射 ミ ラ ー の 取 付 け 方 法 に よ る共 振 現 象
で あ る と考 え られ る 。 次 に 全 て の 軸 に お い て 約220Hzお
よ びXY軸
で 約260Hzで
ピー クが 見 られ る。 これ らが
フ ィ ー ドバ ッ ク 制 御 に よ る ピ ー ク で あ る と考 え られ る。 これ らの 周 期 ノ イ ズ が 計 測 に影 響 を 及 ぼ す と考 え ら
れ る た め 、 測 定 結 果 は05Hzを
温 度 ド リフ ト
カ ッ トオ フ周 波 数 と し た ロ ーパ ス フ ィ ル タ に よ る ノ イ ズ 信 号 の 除 去 を行 う 。
温 度 ド リ フ ト は 単 純 に補 正 す る こ と は 難 しい た め 、 そ れ 自 体 を 小 さ くす る こ とが 望 ま れ る 。
そ の た め に は 、 熱 源 の 分 離 、 低 膨 張 材 料 の採 用 、 同 一 材 料 の 使 用 、 構 造 上 の 熱 対 称 性 設 計 な どの 対 策 が 提 案
さ れ て い る[312]。 本 装 置 は ス テ ー ジ ベ ー ス も含 め る と1400㎜(幅)・500㎜(奥)・717mm(高)と
く、 温 度 変 化 の 影 響 も 大 き く な る 。 対 称 構 造 や 同 一・
材 料(S45C(線
膨 張 係 数:約11×10-6))で
比較 鰍
き
設 計 す る とい う
対 策 は 施 され て い る が 温 度 ド リ フ トは 避 け られ な い 。 そ こで 、 温 度 ド リ フ トの 影 響 に よ っ て プ ロ ー ブ 位 置 が
ど の 程 度 変 化 す る の か を調 べ る た め 、 数 時 間 の 間 、 環 境 温 度 と装 置 の ド リ フ ト量 に つ い て 計 測 を 行 っ た 。 干
渉 計 計 測 、 温 度 計 測 の サ ン プ リ ン グ は そ れ ぞ れlHz、0,25Hzと
した 。 温 度 計 測 に は サ ー ミス タ を 用 い た 。 ま
た 、 環 境 温 度 変 化 を 与 え る た め 、 室 温 を 室 内 の エ ア コ ン デ ィ シ ョ ナ ー に よ り上 昇 さ せ た 。 結 果 を 図6.8に 示
す 。 干 渉 計 に 示 す 値 は環 境 温 度 の 変 化 に 対 応 して 増 減 して い る。 た だ し 、 環 境 温 度 の 変 化 に 対 して ほ ぼ 同 時
に 対 応 して お り、 これ は 単 純 な 膨 張 収 縮 に よ る温 度 ド リ フ トで あ る と は 考 え に く い 。 環 境 温 度 が 変 化 した 時
に 計 測 結 果 に影 響 を 与 え る 他 の 要 因 に つ い て の 考 察 を 行 う。 リニ ア ス ケ ー ル の 誤 差 に 関 して 、 対 称 構 造 や 低
膨 張 材 な ど に よ り温 度 や 環 境 変 動 の 影 響 を 受 け 難 い よ う設 計 さ れ て お り、 気 圧 の 変 化 や 空 気 の 乱 れ に よ る ス
ケ ー ル の 誤 差 は ㎜ オ ー ダ で あ る 。 ま た 、 温 度 特 性 に 関 して 、 リ ニ ア ス ケ ー ル は ス ケ ー ル 基 材 とな る ガ ラス と
半 導 体 レ ー ザ の 検 出 ヘ ッ ドが か ら な るが 、 ガ ラ ス の 熱 膨 張 率 は ・0.7×10'6であ り、 一 方 の 検 出 ヘ ッ ドの 熱 膨 張
は 数 十 ゜Cの温 度 変 化 に 対 して100㎜
以下 で あ る。次 に 、 干渉 計 計測 に お け る温 度 変 化 が 寄 与 す る要素 は 、温
度 変 化 に 伴 う屈 折 率 変 化 や 干 渉 計 光 学 系 ・治 具 、 反 射 ミ ラ ー の 熱 膨 張 な ど が あ る 。 これ ら の 影 響 が 計 測 結 果
54
Chapter6:Designandevaluationoftheprototypecoordinatemeasurementsystem
Figure6.7:Frequencycharacteristicsofcoordinatestageexaminedbymeansofhammeringtest.
に ど の 程 度 影 響 を 及 ぼ す か を 見 積 も る こ と は 容 易 で は な い 。 図6.8の 結 果 は 装 置 の 熱 膨 張 と上 記 の 要 因 の 重
複 に よ る も の と考 え られ る 。 これ ら を 踏 ま え て 、 今 回 、 温 度 ド リ フ トの 評 価 に つ い て は 最 も 最 悪 の 場 合 を 想
定 し 、 そ の 大 き さ を 推 定 し た 。 測 定 結 果 のXYZ軸
た 。1°Cの 温 度 変 化 に よ っ てオmオ
熱 膨 張 は 、1231nm/°C、622㎜
ノ
゜C、2087㎜/°Cで
あっ
ー ダ の 変 位 を 起 こ して し ま っ て お り、 こ れ は 大 き な 計 測 誤 差 の 原 因 とな
る。 実 験 室 の 通 常 の 温 度 変 化 は 図6.8(d)に 示 す よ う に0.1°C!hour程 度 で あ り 、 測 定 速 度 の 向 上 な どの 対 応 が 必
要 と な る。 測 定 毎 に 温 度 環 境 が 異 な る た め 、 座 標 系 の 基 準 位 置 が 異 な る 。
55
位 置決め分解能
位 置 決 め分 解 能 とは、 ス テ ー ジ を駆 動 す る際 の最 小 の 移 動 量 と定 義 され る。 ス ケ ー ル分 解
能 は0.14㎜ で あ るが 、 ガイ ドの 摩 擦 な どに よって最 小 の駆 動 可能 な 量 は大 き くな る。 これ を評 価 す る方 法 と
して 、 位 置 決 め ス テ ー ジ に ス テ ッ プ運 動 コマ ン ドを送 り、 その 動 き を干 渉 計 で計 測 す る。 そ の 計 測 結 果 か
ら、 分 解 可能 な 最小 の ス テ ッ プ幅 を求 め る こ とで、 位 置 決 め分 解 能 を評 価 した 。干 渉 計 の サ ン プ リン グ レー
トは20Hzと し、 測 定 後0.5Hzの ローパ ス フィ ル タで処 理 した 。 ス テ ー ジ の移 動 速 度 は700μm!sec,、 ス テ ッ プ
数 は5、 ス テ ッ プ移動 後 の10秒 間 停 止 した。XYZ各
軸 の結 果 を 図6.9に示 す。XYZ軸
の最 高 分 解 能 は それ ぞれ
3.8㎜ 、5.6㎜ 、2.0㎜ と高 い分 解 能 を示 した 。Y軸 が もっ と も低 い分 解 能 を示 した理 由 と して、3軸 ス タ ッ
ク構 造 の 最 も下 に位 置 してお り、 摩 擦 力 が大 き く制御 が 最 も困 難 で あ っ た た め で あ る と考 え られ る。 結 果 と
して、 ㎜ オー ダ の位 置 決 め分 解 能 の性 能 を持 っ こ とが 検 証 で きた 。
繰 返 し位 置 決 め 精 度
繰 返 し位 置 決 め精 度 は 、 位置 決 めス テ ー ジ の 基 本 特 性 を表 す上 で も よ く用 い られ る評
価 項 目の 一 つ で あ る。 そ の定 義 は 同 じ 目標 値 に向 か って位 置 決 め を複 数 回 行 った 際 に 生 じ る最 大 位 置 決 め誤
差 で あ る。 図6.6に示 した 実験 結 果 を基 に繰 返 し精 度 を 評価 す る。 原 点 か ら1オmを
目標 値 と し、10回 位 置 決
め を行 った 座 標 値 の最 大 値 と最 小 値 の差 を繰 返 し精 度 とす る。位 置 決 め座 標 と繰 返 し精 度 を 表6.2に ま とめ
る。 た だ し、Y軸 の10thの デー タ は外 部 ノイ ズ に よ る影 響 を大 き く受 けた た め 、評 価 に は用 い な か っ た 。 そ
の 結 果 、X軸Y軸
は3皿1、Z軸 は9㎜
Z軸 が 構 造 上XY軸
とい う結 果 とな っ た。Z軸 がXY軸 に比 べ て約3倍 低 い精 度 で あ るの は、
と異 な るた め で あ る と考 え られ る。 図6.1(b)に見 られ る よ うに、Z軸 は対 称 構 造 で は な く、
重 心 が駆 動 軸 とず れ て しまい 、 した が って 、 ピ ッチ ングや 真 直 度 の影 響 を よ り顕著 に受 け や す くな る こ とで
繰 返 し精 度 の悪 化 を 招 い た と考 え る。 繰 返 し位 置 決 め精 度 に関 して 、 本 ス テ ー ジ は十 分 な性 能 を持 っ 。
位 置 決 め精 度
位 置 決 め 精度 は、 入 力 され た コ マ ン ド値 とス テー ジが 実 際 に位 置決 め した座 標 値 との 誤 差 と
して 定 義 され る。 よって 実験 で は、 複 数 位 置 で位 置 決 め を行 い 、各 位 置 決 め誤 差 の 絶 対値 を位 置 決 め精 度 と
して い る。 イ ンタ ーバ ル を100㎜
と500㎜ の2種 類 で5回 ず っ 位 置 決 め を行 い評 価 した 。 ス テ ー ジ移 動 速 度 な
どは これ まで と同様 で あ る。 目標 座標 と位 置 決 め座 標 との差 を ま とめ た も の を表6.3示 す。XYZ軸
㎜ 、17㎜
、20㎜
ロ ス トモ ー シ ョ ン
それ ぞれ17
の位 置 決 め精 度 で あ り、 高 い位 置 決 め精 度 を もっ こ とが 確 認 され た 。
ス テ ー ジ の運 動 精 度 は、 繰 返 し精 度 と位置 決 め精 度 に加 えて、 ロス トモ ー シ ョン の3つ
で特 徴 付 け られ る こ とが 多 い。 ロス トモ ー シ ョン とは、 あ る 目標 値 に 対 して 、 異 な るア プロ ー チ の 方 向で 位
置 決 め を行 った 時 に発 生 す る誤 差 で あ る。 この評 価 方 法 として、 位 置 決 め 精 度 と同様 に100㎜
と500㎜ のイ
ンタ ーバ ル で往 復 ス テ ッ プ運 動 を行 う。5回 の ス テ ップ で通 過 す る4つ の 座 標 点 に関 して 、 ロス トモ ー シ ョン
Figure6.9:Positioningresolutionofcoordinatestage.
Table6.2:Positioningrepeatabilityofcoordinatestage.
Y
Z
1
0.977
0.999
1.000
2
0.975
0.998
0.999
3
0.976
0.999
.000
4
0.976
0.999
.001
5
0.976
1.000
.004
s
0.976
0.999
.005
7
0.977
0.999
.007
8
0.977
0.998
.007
9
0.978
1.000
.007
10
0.978
1.016
.008
Max
0.978
1.000
.008
Min
0.975
0.998
0.999
0.003
0.009
RepeatabilityO.003
56
X
Chapter6:Designandevaluationoftheprototypecoordinatemeasurementsystem
Table6.3:Positioningaccuracyofcoordinatestage.
(a)100nmintervalforX-axis.(b)100nmintervalforYaxis.(c)100nmintervalforZ-axis.
糠
《
欄
三醜8鑾
羣㈱ 黼 醺
畑 鞭 騰
嬲
蠍 鯲
一鳩
獄
糠
畑
鱒
竃
隸
窒麟
窒鷯
糞嬲
き
2離
黼確
耄畑
籌綴
滋登
欝奮
議
3縛
惣
z欝
鵬
鰍
籌露
軸
謝
$轗
灘
確灘
韈蕁
§漁
噸灘
毒働
三
磯
撫 影
鰐
(d)500nmintervalforX-axis.
織
鋤鱗
娵麟畑 麟
噂讐
毒難
▼1?
4
嬲
擁饕
縫フ
畑
象轗 奪
靉鰄
s麟
遊欝
麟爨
鰡 攤聹
飴㈱
総
轍
畑
瀰
畑
鱒
鯨
曝
1畑
7
蠶
簿縛
灘三
欝欝
魂
輪
轗ン
A4
鷲
灘筆
籌鑢
畑響
zo
籌
繍 囎
20
(f)500nmintervalforZ-axis.
慈 獅侮畑畑
鞠曾
鋤 畑轗
構き
戔麟
灘蠶
艪$
畑
透
裳癜
鱒黛
鱒薯
墓
儲認
3rd戔
醸蒙
麟鑢
峯
籬霧
麟攤
畷
轍
葦
墾饑
三
嬲轟
遷
鏃
鱗鑢
隅識
鱒
鰍
醗婁
a
3雛
17
瀰欄織贓
繍
32
鱇
發
z麟
蔭
(e)500nmintervalforYaxis.
讎 騰職
参縫
嬾9ez
き雌Y毒
繍
15
鋤
驫鐸
蜘
畑
ン
_g
飆
耄懸 肇
三
蛾
仰筋
▼蠶
紬
畑
鱗聾
録
鱸
欝
畑謬
is
Table6.4:Lost-motionofcoordinatestage.
(a)100nmintervalforX一
't
.:'. 三畑
欝蘿
畑
畑
(b)100nmintervalforY-axis.
轟
鐸麟
継is.
帥購
撫
総
蠹
購
20 ?
z盤
314
312
鍵鱗
鸛
三
鷯
鑢
蟹擁
毳
蠢轗
蠢ξ
縛
2畑
2
茎鐙
$囎
き慧
曝騰
籌麟
397
(d)500nmintervalforX-axis.
s:s,
欝囃鰍
瀚
贓 飜
醗磯
鞠
(c)100nmintervalforZ-axis.
16
蝋嬢
繍
讖
瀚
麟 錨
蕊
鱒
鱒
響
黴
纂薦
黛繍
芝
3鵜
鎗霊
き捻
13
4
憩昏
鵜7
4麟
3
(e)500nmintervalforYaxis.
ara
嫌
騰
潺懸戳驤畿
馨
(f)500nmintervalforZ-axis.
簡 騨獻
贓 飆
撫 繍騰
雲㈱
毒7籌
導ξ}ア
$
畑
麓蓬
477
籌鱒
5Q3
轉ヲ
暮
宝
畑
鯰凄
蓼搾
葺
象㈱
警鑢
鰄
総
鶏磁
鯰芝
難1
箋
欝鷯
三鰯 暮
ま鱒 導
3
1S畑
雛難
舗醜
12
欝鑢
舗曝2三
欄
4
2畑
歯
懸篳
1鰹1糞
豊
蟹}驤
篝懸{夛
簿麟
欝鰄
籌 轟7譲
導
蕪
醗
s
Table65:Positionj血gresolutionofcoordi皿atestage.
驚畑}1繭
森
晦 畑紬 絢
8
蝋
窪購inn
費 騰 顯1轡 醗
添鑞$
¥蹴麟
z譲 ㌶誌
蕁蓐 難驚
蕊 毒義鍛
窰毒 簸鑽
3轟 撮
3嚢 灘
参 轟擶
欝 惷鑽
三ン 轟鍛
2鼕 薮籬
影 轟搬
叢驫 轟粕
篇 難纖
ま篇 耄㈱ 撫
毒簾 繍 飛
蕊鍵 飆 飛
を評 価 し た 。 な お 評 価 に は 、 位 置 決 め 精 度 で 計 測 した デ ー タ を用 い た 。 結 果 を 表6.4に 示 す 。XYZ軸
16皿1、16㎜
差 は16㎜
6.7結
、13nmと
そ れ ぞれ
い う結 果 を 得 た 。 し た が って 、 本 ス テ ー ジ で は 、 測 定 時 の ア プ ロ ー チ 方 向 に よ る 誤
以 下 と考 え ら れ る 。
言
本 章 は、5章 で試 作 され た プ ロー ブ シス テ ム性 能 評 価 の た め の3次 元 座 標 測 定 シス テム を設 計 お よび試 作
し、 そ の運 動 性 能 を ヘ テ ロタ院 ン レ ーザ 干 渉 計 を用 いて 評 価 した。 得 られ た 結 果 を表6.5に ま とめた 。 これ よ
り、 本 研 究 で 試 作 した ス テ ー ジ が ナ ノメー トルオ ー ダ の運 動 性 能 を持 つ こ とが確 認 され 、 マイ ク ロ プ ロー ブ
性 能 を評 価 す る とい う 目的 にお い て十 分 な性 能 を示 した。
57
第7章
7.1緒
光 放 射 圧 プ ロー ブ の振 動 特 性
論
光 放 射 圧 プR一 ブの 基礎 的 な特 性 の評 価 お よび振 動 特 性 の モ デ リン グ と評 価 を行 う。
7.2プ
ロー ブ球 捕 捉 方 法
プ ロ ー ブ球 と して 用 い るマ イ クロ シ リカ微 粒 子 を レー ザ トラ ッ プで 基板 上 か ら大 気 中 に 引 上 げ るが 、大 気
中 で実 現 す るの は容 易 で はな い 。 レー ザ トラ ップで は、 基 板 に散 布 され た マイ ク ロ微 粒 子 を レーザ で 空 気 中
に捕 捉 す る。 レー ザ で 作用 す る光 放 射 圧 はpNオ ー ダで あ るの に対 し、 微 粒 子 と基 板 問 に働 く力 はnNか らμN
の オ ー ダで あ るた め、 単 純 に レー ザ に よ る力 のみ で は微 粒 子 を空 気 中 に持 ち上 げれ な い 。液 中で行 わ れ る
レー ザ トラ ッ プは基 板 との吸 着 力 は低 く、 か つ浮 力 に よ る上 向 き の力 が ト ラ ッ プ を支 援 す る。 大 気 中で の
レー ザ トラ ッ プ を実 現 す るた め に、 何 らか の 工夫 を施 す必 要 が あ る。 こ こで は、 その 方 法 を提 案 す る。 そ こ
で まず、基 板 とその 上 に散 布 され た 粒 子 の間 に働 く力 、原 子 間 力、 静 電 気 力 、 液 架橋 力 につ いて 考 え る。
原 子間力
Waals力
原 子 間 力 は 、 原 子 も し くは 分 子 同 士 の 引 き つ け 力 で 、 ロ ン ドン 分 散 力 や イ オ ン 相 互 作 用 、Vander
な ど に 分 類 さ れ る 。 な か で もVanderWaals力
は 、 物 質 がnmオ
ー ダ に接 近 す る時 、永 続 的 に作 用 す る
力 と して 重 要 な 力 で あ る 。 原 子 間 の 対 ポ テ ン シ ャル は 逆6乗 の 法 則 と して得 ら れ 、 こ れ を 積 分 す る こ とで2つ
の 物 質 問 に 作 用 す るVanderWaals力
を 推 定 す る こ とが で き る 。 物 質 特 性 はHamaker定
数 に よ っ て 与 え ら れ る 。 粒 子 と平 面 基 板 間 に 働 く原 子 間 力(VanderWaals力)は
数 と い う物 質 固 有 の 定
以 下 の 式 で 与 え ら れ る[317]。
蒼。輿
6z'`(た
こ こ で 、HはHamaker定
Hamaker定
(7.1)
だ し 、Z<<ri)
数 、YIは 粒 子 の 半 径 、Zは 粒 子 間 も し くは 粒 子 と基 板 の 距 離 を 表 す。2種 材 料 の
数 は 、 そ れ ぞ れ の 材 料 のHamaker定
数 をA11、Azzと す る 時 、
議、
諺一偏
(7.2)
に よ って 求 め る[318]。 式(7.1)は 理 想 的 な 平 坦 面 の 原 子 間 力 を 求 め て い る が 、 現 実 に は 物 質 は 表 面 粗 さ を も
っ 。 そ こ で 、 式(7.1)に 表 面 粗 さ を補 正 した 式 は 、 以 下 の よ う に な る[318]。
嗜藩
た だ し 、bは 表 面 粗 さ に 関 す るパ ラ メ ー タで 、2物 質 の 表 面 粗 さbl、bzを 用 い て 、b=(わ1+bz)/2で
静電気 力
(7.3)
得 られ る。
静 電 気 力 は 電 荷 を 帯 び た 物 質 に働 く引 力 ま た は 斥 力 で あ り、 以 下 の 式 で 与 え られ る[322]。
恥!ε1解
傑隻
諏2
(7.4)
εは 誘 電率 、Eは 電 場 強 度 、 σは表 面 電荷 密 度 で あ る。 静 電 気 力 は、 物 質 単 独 で は 電荷 を帯 び て い な くて も、
物 体 同士 が 接 触 す る こ とに起 因す る電 位 差 、 接 触 電 位 な どで も発 生 し、 金 属 な どの様 に 自由電 子 が 自 由 に動
き回 れ る物 質 で は極 端 に小 さ くな るが 、 誘 電 体 な どの 物 質 で は比較 的大 き い 。
液架橋力
物 質 の表 面 を即 オ ー ダで 見 る と、 その 表 面 の水 蒸 気 密 度 は空 間 の そ れ とは遥 か に大 きい こ とが
知 られ て い る。 液 架 橋 力 は、 そ の水 蒸 気 に よって発 生 す る水 の表 面 張 力 に よ る力 で あ る。 した が って、 湿 度
58
Chapter7:Investigationofpropertiesofvibro-probe
や 温 度 に 影 響 を 受 け や す く[321]、 表 面 の 化 学 特 性 や 形 状[320]に よ っ て も大 き く変 化 す る。 こ の 力 は 古 くか
ら知 られ 、 実 験 な ど を 通 して 、 調 べ られ 議 論 さ れ て い るが 、 未 だ 定 式 化 は 難 しい 【317】
。
こ れ らの 複 合 力 に よ っ て 、 粒 子 に 働 く力 はオNオ
ー ダ に 達 す る[319-324]。
よって、大 気 中 で微 粒 子 を捕 捉 す
る た め に は 、 こ れ ら の 力 を 光 放 射 圧 程 度 に ま で 下 げ る か 、 粒 子 の 吸 着 力 に 打 ち勝 つ 外 力 に よ っ て サ ポ ー トす
る 必 要 が あ る 。 こ こで 、 従 来 提 案 の レ ー ザ トラ ッ プ 方 法 に つ い て 述 べ る 。1つ 目 は 、 超 音 波 振 動 エ ネ ル ギ を
用 い た 手 法 で あ る。A.Ashkinが
初 め て 大 気 中 で のLevitationtrapに 成 功 した 方 法 で あ り[176]、ROmoriら
め て 大 気 中 の レ ー ザ トラ ッ プ を 実 現 した[234】。 基 板 上 に 粒 子 を 散 布 し、 そ の 基 板 を 数 十kHz以
も初
上の超音波周
波 数 で 加 振 す る 。 す る と、 超 音 波 が 粒 子 に 与 え る エ ネ ル ギ が 基 板 との 吸 着 力 に 匹 敵 し、 時 に 上 回 る 。 そ の 結
果 、 吸 着 が 緩 くな っ た 粒 子 を 捕 捉 す る か 、 振 動 に よ り基 板 か ら 飛 び 跳 ね た 粒 子 を 捕 捉 す る 。 こ の 手 法 は 、 簡
易 な シ ス テ ム で 実 現 で き 、 超 音 波 振 動 を 調 整 す る こ とで 、 吸 着 力 が 強 くて も 対 応 可 能 で あ る。 し か し 、 任 意
の 粒 子 を 確 実 に 捕 捉 す る こ と}灘
し い 。2っ 目 は 、 ドイ ッ のR.ThumとW.Kieferら
[235]、 現 在 は液 滴 を 捕 捉 す る の に よ く用 い ら れ る 。 彼 ら は 、perの
が初 めて 行 った 方 法 で あ り
穴 を底 に空 けた シェー カ ー に 微 粒 子 を
入 れ 、 振 動 す る シ ェ ー カ ー の 底 か ら 落 ち て くる 微 粒 子 をLevitationtrapし た 。 液 滴 ト ラ ッ プ で は こ れ を 応 用 し
[215]、 霧 吹 き に よ っ て 空 間 に 散 布 さ れ た 液 滴 を 捕 捉 す る 方 法 が 一 般 的 で あ る 。2006年
の 方 法 で シ リカ 球 のHolographicト
、こ
ラ ッ プ に 成 功 した[325]。 こ の 方 法 は 、 大 量 の 粒 子 を 必 要 と し 、 任 意 粒 子
の 選 択 的 な トラ ッ プ は不 可 能 で あ る 。3つ 目 は 、J.Ikenoら
礎 実 験(4章)で
に はD.McGloinが
も用 い た 。J.Ikenoは
に よ っ て 考 案 さ れ た 方 法 で あ り[240]、 本 研 究 の 基
レーザ ア ブ レー シ ョ ン に よって微 粒 子 の 基 板 吸着 か らの脱 出 を図 った 。
具 体 的 に は 、 レ ー ザ パ ル ス を用 い て 粒 子 近 傍 の 基 板 上 で レ ー ザ ア ブ レ ー シ ョ ン を 起 こ し、 そ の ア ブ レ ー シ ョ
ン の 爆 発 力 で 粒 子 を 飛 散 させ 、 飛 散 し た 粒 子 を 捕 捉 す る 。 こ の 手 法 は 、 任 意 粒 子 を 捕 捉 可 能 で あ る と い う 点
で 優 れ て い る が 、 しか し、 捕 捉 確 率 は 高 くな く、 レ ー ザ ア ブ レ ー シ ョ ン に よ る粒 子 の 損 傷 の 恐 れ が あ る 。
本 研 究 で は 、 任 意 粒 子 を 確 実 に 選 択 捕 捉 で き る技 術 が 求 め ら れ る 。 そ こ で 、 従 来 法 の よ う な 外 力 エ ネ ル ギ
に よ る粒 子 の 飛 散 を 図 る の とは 逆 の ア プ ロ ー チ で 、 吸 着 力 自 身 の 低 減 を 試 み た 。 要 点 は 以 下 の3つ で あ る。
(1)基 板 に 超 硬 を 用 い る 。(2)基 板 に ナ ノ オ ー ダ の 周 期 溝 を 形 成 す る 。(3)プ ロ ー ブ 球 の シ リカ に メ チ ル コー
テ ィ ン グ を 施 す 。(1)に 関 して 、 上 で 述 べ た よ う に基 板 と粒 子 間 に は 原 子 間 力 が 働 くが 、 基 板 に 超 硬 を 採 用 す
る こ とでHamaker定
よ っ て 式(7.2)よ
数 が 小 さ くな る 。SiO2のHamaker定
り、 シ リ カ と超 硬 間 のHamaker定
とで 、 静 電 気 力 の 低 下 が 期 待 で き る 。 次 に(2)に
数 は26で あ り、 鉄FeのHamaker定
数 は16.4で あ る。
数 は20.6と な る 。 ま た 、 導 電 性 物 質 で あ る超 硬 を 用 い る こ
関 して 、H.Sawadaら
は フ ェ ム ト秒 レ ー ザ を 用 い た 自 己 組 織
的 な 加 工 法 を 提 案 し た[326]。 こ の 方 法 で は 、 フ ェ ム ト秒 レ ー ザ の 波 長 程 度 の 周 期 で 、 数 十 ㎜ の 溝 を 加 工 す
る こ とが で き、 この 周 期 溝 は 吸 着 特 性 を 大 き く変 化 させ る 。 こ の 基 板 を 用 い て 粒 子 に 対 す る 吸 着 も低 減 す る
こ と が 報 告 され て い る[327】。 そ こで 本 手 法 で は 、8㎜Raの
し 、 図7.1の 様 な 表 面 を 得 、 周 期800㎜
を 図 っ た 。 式(6.3)に よ る と、200㎜
、 溝 深 さ約200㎜
表 面 粗 さ を 持 っ 超 硬 基 板 に 対 し、 同 加 工 を 実 施
の 周 期 溝 を 施 し、 原 子 間 力 お よ び 液 架 橋 力 の 低 減
の 粗 さ を 持 っ 基 盤 に 数nmの
表 面 粗 さ の 粒 子 が50㎜
の距 離 に あ る時 、 表
面 吸 着 力 は113程 度 に低 減 さ れ る。 最 後 に 、 プ ロ ー ブ 球 の 材 料 と して シ リ カ ガ ラス を 用 い て お り、 シ リ カ の 表
面 は 通 常 は 、-OHの
ヒ ド ロ キ シ ル 基 で 覆 わ れ て い る。 シ リ カ が 吸 水 材 料 と して 用 い られ る こ とで わ か る よ う
に 、 ヒ ド ロ キ シ ル 基 は親 水 性 を 示 す 。 そ こ で 、 撥 水 性 を も つ メ チ ル 基(-CH3)を
シ リカ 球 の 表 面 に コ ー テ ィ ン
グ す る こ とで 液 架 橋 力 の 低 減 を 図 っ た 。
実験
上 記 基 板 と粒 子 を 用 い て 、 大 気 中 の ト ラ ッ プ の 実 験 を 行 っ た 。 環 境 は 、 室 温25°C程 度 で 実 験 中 の 平 均
湿 度30%で
あ る 。 超 硬 の 周 期 形 状 基 板 に メ チ ル コ ー ト さ れ た シ リカ 球 を 散 布 す る 。 レ ー ザ の ス ポ ッ トを プ
ロ ー ブ 球 中 心 か ら上 方 約30オmに
移 動 す る 。 そ の ま ま、 レ ー ザ ス ポ ッ トを プ ロ ー ブ に 向 け て 接 近 させ 、 レ ー
ザ の 求 心 力 に よ って プ ロ ー ブ球 捕 捉 可 能 か を 調 べ た 。 レ ー ザ パ ワ ー は400mWと
し 、 サ ン プル 数 は20と し
た 。 ま た 、 比 較 の た め に 、 周 期 形 状 を 生 成 して い な い シ リ コ ン 基 板 、 超 硬 基 板 、 周 期 形 状 を 施 し た シ リ コ ン
基 板 に対 して も 同 様 の 実 験 を 行 っ た 。
59
結果
結 果 を表7.1に 示 す。 提案 した基 板 とシ リカ 球 を用 い る こ とで85%の 高 確 率 で プロ ー ブ球 を捕 捉 す る こ
とが可 能 で あ った 。 具 体 的 には20個 の粒 子 の うち17個 の 粒 子 の捕 捉 に成 功 した。3つ の粒 子 が 捕 捉 で き な
か った 理 由 と して 、 基 板 の周 期 構 造 と粒 子 の位 置 関 係 に よって 、 部分 的 に吸着 力 が大 き くな る場 合 が あ る
[328]ため で あ る と考 え られ る。周 期 形 状 を持 た な い基 板 で は捕 捉 が 出来 な か っ た こ とか ら周期 形 状 が大 き く
吸 着 力 低 減 に寄 与 し、 また 材料 選 択 も重 要 な要 素 で あ っ た こ とが 明 らか に な っ た 。
7.3光
軸 方 向 トラ ップ 効 率
空気 中 の レー ザ トラ ッ ピ ング は高 い レー ザ 強 度 を必 要 とす る。 レー ザパ ワー が大 きい と、 プ ロ ー ブ をぬ け
た 前方 散乱 光 が測 定物 に吸 収 され た 場合 、 測 定 物 が損 傷 を受 け た り熱膨 張 を 引 き起 す。 また は安 全 性 の為 に
低 出力 が望 ま しい。 レー ザ 出力 を低 減 す るた め に は、 光 軸 方 向 トラ ッ プ効 率 を向 上 す る必 要 が あ る。 レー ザ
の 強度 分 布 や 偏 光 を制御 す る こ とで、 光 軸 方 向 の トラ ッ プ効 率 を 向上 す る こ とが 出来 る。 そ こで、 こ こで は
光 軸 方 向 トラ ッ プ効 率 の 測 定 を行 い 、最 適 な入 射 レーザ を検 討 した 。
横 方 向 トラ ッ プ効 率 は、 流 体 抵 抗 に よ る方 法[190]、 強 制振 動 に よ る方法[329]な どが提 案 さ れ 、 比 較 的 正
確 に測 定 され た例 が報 告 されて い る。 光 軸 方 向 トラ ッ プ効 率 に関 して、 現 在 用 い られ て い る方法 は1つ で あ
る。4章 で述 べ た が 再 度確 認 す る と、 プ ロ ー ブ球 捕 捉 状 態 で レー ザ 強 度 を下 げ て い き、 レー ザ トラ ップ の拘
束 か ら プ ロー ブ球 が 逃 れ た 瞬 間 の レーザ パ ワー を測 定 す る。 そ の 時 の光 放 射圧 と捕 捉 され た 微 粒 子 の 重力 が
等 しい とい う仮 定 の 元 、 式(4.9)から トラ ップ効 率 を算 出 す る零。ROmoriら
の報 告 に よれ ぼ[330]、溶 液 中な
どで 周 辺 溶媒 の 粘 性 抵 抗 が 大 き い ほ ど、 外 乱 の 影 響 が 抑 え られ 精 度 良 く測 定 す る こ とが で き る。 しか し、 空
気 中な ど、 粘 性 抵 抗 の低 い 状態 で は ブ ラ ウ ン運 動 な どの影 響 が 顕 著 に な り、 光 放 射 圧 とプ ロ ー ブ球 の重 力 が
釣 り合 う前 に ブ ラ ウ ン運 動 に よ る力 で プ ロ ー ブ球 が捕 捉 状態 か ら外 れて しま い、 光 軸 方 向 の トラ ッ プ効 率 が
低 く見 積 も られて し ま う。 空気 中 レーザ トラ ッ プで あ る た め 、光 軸 方 向 トラ ッ プ効 率 が 過 小 評 価 され て し ま
い 定 量 的 な評 価 は困 難 で あ るが、 レ ーザ に よ る影 響 を定 性 的 に評 価 す る 目的 で この 方 法 で 実 施 す る。
実験
直 線 偏 光 と ラ ジ ア ル 偏 光 の2つ の 偏 光 ビ ー ム で 光 軸 方 向 ト ラ ッ プ効 率 を 測 定 した 。 測 定 方 法 は 、 プ
ロ ー ブ 球 捕 捉 状 態 か ら 捕 捉 レ ー ザ の 強 度 を徐 々 に 下 げ て い き 、 プ ロ ー ブ球 が 捕 捉 状 態 か ら外 れ た 瞬 間 の レ ー
ザ パ ワ ー を 測 定 し、 式(4.9)よ り算 出 す る 。 プ ロ ー ブ 球 は8μmと
Subsection4.3.2inpage39.
60
し 、 初 期 ビ ー ム 強 度 は400mW程
度 とした 。
Chapter7:Investigationofpropertiesofvibro-probe
Table7.2:Axialtrappingefficiency.
Trappingbeamco癜
鰄e轟 蛾ypro飜
を
擬◎瓣
¢a"ss繍
睡 鑢欄m臘..栽x萋al総
騨e『1戯
・..
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し1醗ar
Experiment1
A醗
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鱒 ㎎e翫
1#
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45
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38
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結果
癡aじ
夢鋤gSim晦tedaxis蓼
鰐efficiency鱇
本 実 験(Experiment2)で
轍laζ
sf
得 ら れ た 測 定 結 果 に加 え 、4章 で 求 め た 直 線 偏 光 の ガ ウ シ ア ン ビー ム と輪 帯
ビー ム の2つ の 結 果(Experimentl)も
併 記 し 、 また 、 光 線 追 跡 法 に よ る解 析 値 も ま と め 表7.2に 示 す。 ま ず
解
析 結 果 と実 験 結 果 は10倍 程 の 定 量 的 な 違 い は 見 られ る も の の 、 定 性 的 に は ほ ぼ 一 致 し た 。 こ れ に よ り、 ば ら
つ き は 大 き い も の の 妥 当 な 実 験 結 果 が 得 ら れ て い る こ とが わ か る 。 次 に 、 強 度 分 布 に つ い て 、 ガ ウ シ ア ン
ビー ム を輪 帯 ビ ー ム に す る こ と で 、 光 軸 方 向 トラ ッ プ 効 率 は 実 験 的 に は190%程
偏 光 に 関 して 直 線 偏 光 か ら ラ ジ ア ル 偏 光 に す る と、250%の
度 の増 加 を確 認 した。 ビー ム
光 軸 方 向 ト ラ ッ プ効 率 の 向 上 が 認 め られ た 。 単
に 光 軸 方 向 の ト ラ ッ プ カ を 上 げ る に は レ ー ザ 強 度 を 増 加 す れ ば よ い 。 しか し 、 ト ラ ッ プ効 率 を 向 上 させ る こ
とが 出 来 た 結 果 、 捕 捉 に用 い る 対 物 レ ン ズ のNAを
低 下 す る こ と が で き 、 つ ま り同 時 に 、 図7.2に 示 す よ う に
作 動 距 離 を 増 加 す る こ とが で き る 。 こ の よ う に輪 帯 ビー ム(同 図(b))や ラ ジ ア ル 偏 光 ビ ー ム(同 図(c))を 用 い
てNAO.80の
対 物 レ ン ズ に よ る大 気 中 の ト ラ ッ プ 可 能 とな り、 ま た 、 プ ロ ー ブ シ ス テ ム の 作 動 距 離 を0.3mmか
ら3.4mmに
拡 大 す る こ とが 可 能 と な っ た 。
7.4プ
ロ ー ブ球 振 動 測 定
5章 で 設 計 試 作 さ れ た プ ロ ー ブ シ ス テ ム の 動 作 確 認 を プ ロ ー ブ 球 の 制 御 お よ び 位 置 測 定 す る こ とで 行 う。
プ ロ ー ブ 球 の 振 動 制 御 は 横 方 向 お よ び 光 軸 方 向 の2方 向 と し 、 プ ロ ー ブ球 位 置 測 定 はPDとQPDを
用 い た2通
りの 場 合 を 考 え る 。
横 方 向 のPDに
よる測定
プ ロ ー ブ 球 を1000Hzの
周 波 数 、300㎜
の 振 幅 で 励 振 し た 時 の 時 間 信 号 を 図73(a)
に 示 す 。 正 弦 波 の 励 振 に 対 して プ ロ ー ブ 信 号 も正 確 な 正 弦 波 を 示 して い る 。 ま た 、 時 間 信 号 をFFT解
周 波 数 成 分 を 同 図(b)に 示 す 。1000Hzの
励 振 に 対 して 、 高 調 波 の2000Hzの
信 号 が 数%現
析 した
れ て い る が 、 高 いS!N
比 で 信 号 を 取 得 で き て い る 。 ま た 図7.3(c)は 励 振 振 幅 を 増 加 させ た と き の プ ロ ー ブ 信 号 の 線 形 性 を 示 す。 励
振 振 幅500㎜
程 度 ま で は 線 形 性 を保 っ が そ れ 以 上 は 緩 や か に 非 線 形 に な る 。 これ よ り、 プ ロ ー ブ 球 の 励 振 お
よ び プ ロ ー ブ球 位 置 測 定 が500㎜
光 軸 方 向 のPDに
mブ
よ る測 定
の 振 幅 ま で 正 確 に 行 わ れ て い る こ とが 確 認 で き た 。
プ ロ ー ブ 球 を 周 波 数900Hz、AODに
入 力 す る 電 圧 変 調900mVで
光軸 方 向 に プ
球 を 励 振 した 。 時 間 信 号 を 図7.4(a)に 、 そ の 周 波 数 成 分 を 同 図(b)に 示 す。 正 弦 波 の 励 振 に 対 し、 プ
61
ロ ー ブ信 号 はや や 乱 れ た 波形 を示 した 。 しか し周 波 数 成 分 は横 振 動 と同様 に高 調 波 が数%含
の高 いSIN比 を 示 した 。 図7.4(c)に示 す よ う に振 幅 の 線 形 性 が200mVで
まれて い る もの
あ り、 時 間信 号 波 形 の 乱 れ は これ が 原
因 と考 え る。 光軸 方 向 は特 に線 形 性 が 低 い 。 この原 因 を探 るた め 、 図7.5(a)に示 す よ う に3オm程 度 に先 鋭 化
され た ガ ラス プR一 ブ の先 に シ リカ球 を光 硬化 性樹 脂 で接 着 し、 その ガ ラス プ ロー ブ をZ軸 の ピエ ゾス テー
ジ で レー ザ ス ポ ッ トに 対 して相 対 的 に移 動 し、 プ ロー ブ信 号 の変 化 を見 た 。 その 結 果 を図7.5(b)に示 す。 今 回
の 実験 で は プ ロ ー ブ球 中心 と レーザ ス ポ ッ トの位 置関 係 は 明確 に判 断 で きな い た め 、 横 軸 の どの 時 点が プ
ロ ーブ捕 捉 位 置 で あ るか わか らな い が 、 いず れ に して もZ方 向 に 対 して プ ロー ブ信 号 の線 形 性領 域 はか な り
狭 い こ とが わ か る。 これ も図7.3(a)の時 間 信 号 の波 形 の乱 れ に影 響 して い る と考 え られ る。
横 方 向 のqPDに
よ る測 定
プ ロー ブ球 を2000Hzの
周波 数 、300㎜ の 振 幅 でX軸 お よびY軸 方 向 に励 振 した 時
の時 間 信 号 を そ れ ぞれ 図7.6(a)(d)に示 す。 数%程 度 の 相 互 干 渉 を見 せ るが 、X軸 とY軸 の 励 振 が それ ぞれ独 立
に測 定 で きて い る。次 に それ ぞれ の 周 波数 成 分 を図7.6(b)(e)に示 す。 縦軸 が 対 数 表 示 で あ る こ とに注 意 す る
と、高 調 波 成 分 は無 視 で き る ほ ど小 さ く高 いSIN比 を得 られて い る。 図7.6(c)(OにXY軸 の 振 幅 線 形 性 を 示 す。
そ れ ぞれ 、600㎜
程 度 の振 幅 線 形 性 が 得 られた 。 た だ し、 同励 振 振 幅 に 対 す るXY軸 の感 度 が 異 な る。 これ
はQPDの 増 幅 回 路 に よ る差 で あ るた め、 以 降 の実 験 で はx軸 の信 号 に1.4を補 正 数 として乗 じた 値 を用 い る。
以 上 よ り、QPDを 用 い た2軸 の プ ロ ー ブ運 動 を測 定 可 能 で あ る こ とが 検 証 され た。
7.5振
動 プ ロー ブ力 学 モ デル
本 プ ロー ブ は振 動 プ ロー ブ と して提 案 す る もの で あ り、 プ ロー ブ振 動 の 周波 数 特 性 を把 握 す る こ とは 位 置
検 出時 の 物 理 現 象 を理 解 す る上 で も必 要不 可 欠 で あ る。 以 下 に ブ ラ ウ ン運 動 お よ び強 制 励 振 モ デル につ い て
述 べ る。 レ ーザ トラ ッ プで空 間 に捕 捉 され た粒 子 は 質 点 〃
比 して 見 な され 、光 放 射 圧 に よ る ぼね 加 に よって
L一 ザ ス ポ ッ ト中 心 に 引 込 まれ る。 そ の 際 、 周辺 流体 の 粘 性 抵 抗Dを 受 け る。 シ ン グル ビー ムで 捕 捉 され る
単 一 プ ロ ー ブ球 に関 して、 プ ロー ブ球 の捕 捉状 態 で は 、 プロ ー ブ球 は ブ ラウ ン運 動 に よ る ラ ンダム カ に よ り
微 小 変 位 を繰 返 す。 これ はLangevin方 程 式[331]に よって よ く表 され る こ とが 知 られて い る[232】
。
瘢 牽撮 壷敵 鱗飆
δ
た だ し 、xは ブ ラ ウ ン 運 動 に よ っ て 揺 ら ぐ プ ロ ー ブ 球 の 軌 跡 、mは
ね 定 数 、kaはBoltzma㎜
(7.5)
プ ロ ー ブ 球 質 量 、Dは
粘 性 抵 抗 係 数 、kは ば
係 数 、Tは 絶 対 温 度 で あ る 。 右 辺 は 特 に ブ ラ ウ ン 運 動 に よ る ラ ン ダ ム カ を 意 味 す る 。
ま た 特 に 、 ηω は
㈱1・
癖;㈱
承ヂ》
〉畷
・一轡(7.6)
と い う特 性 を 持 つ 。 つ ま り時 間tとt'に お い て 相 関 を持 た な い 。 こ こ で 、xに 関 してFourier変 換 に よ っ て 周 波 数
領 域 に 変 換 す る と、
黛飜 環
・勅
潔《・)dtf
k=k/T,n、
、int,ger(η
と な る。Tmは サ ン プ リ ン グ 時 間 で あ る 。 こ れ を 式(7.5)に 適 用 す る と、
驚戮
飢 犠
欝ノ ー 《
驚犠)2一
辮 犠 豢⑳.ω.=V砺
ξ=D/2へ
,,,
尿1).盖
んβ刀)/〃i
(7.8)
で あ る。 こ れ よ り プ ロ ー ブ の パ ワ ー ス ペ ク トル は
敬・
〈
賜 で 。
張篭 窟
62
(7.9)
Chapter7:Investigationofpropertiesofvibro-probe
Figure7.4:Probesignalofaxiallyoscillatingprobe
Figure7.5:Probesignalofaxiallyoscillatingprobe
Figure7.6:ProbesignaldetectedbyQPDforoscillationalongeitherX-orY-axis.
63
と な る 。 ま た 、 一 方 で 、 レ ー ザ の ス ポ ッ ト変 位 に よ っ て 強 制 的 に プ ロ ー ブ球 に 振 動 を 与 え る 強 制 振 動 モ デ ル
で は 、 正 弦 波 振 動 す る レ ー ザ ス ポ ッ ト変 位 に よ るバ ネ カ が 式(75)に 加 わ り、
戚 や鎌 畷 κ嶬s頭)隸 緬
の
(7.10)
と な る。 た だ し 、xは プ ロ ー ブ 球 の 変 位 、Asinftは レ ー ザ ス ポ ッ ト変 位 で あ る 。 正 弦 波 振 動 に よ る外 力 に よ っ
て 、 プ ロ ー ブ 球 も 同様 に 調 和 振 動 応 答 を 示 す と認 め る と、 プ ロ ー ブ 振 動 は 振 幅 を及
潔麟x¢ 聯 夢
く
鰄
位 相 遅 れ を ψと して 、
一φ)
(7.11)
と表 せ る。 こ こ で 、 ス ポ ッ ト変 位 に よ るバ ネ カ に 比 べ て ブ ラ ウ ン 運 動 の 力 は微 小 で あ る た め 、 式(7.10)の 右
辺 は 無 視 す る こ とが 出 来 る 。 式(7.11)を 式(7.10)に 代 入 して 、 解 を 求 め る と、 振 幅 と位 相 は
が義
x鷹
鷯 軫一乃
袰や(塚 ノ2灘)黛
φ 彎¢¢ガ 韮
〃
イ
く!蓑
馨一乃
(7.12a)
驚
㌦ 〈醒/瀚
》鑑
(7.12b)
とな る 。fnは 共 振 周 波 数 で あ り、
か譱
(7.13)
とい う関 係 を 持 つ 。
実験
上 記 モ デル を検 証 す るた め、 プ ロー ブ球 の ブ ラ ウ ン運 動 と強 制励 振 に対 す る応 答 振 動 を測 定 した。 受
光 器 は高 感 度 測 定 可 能 なPDを 用 い、 サ ン プ リ ングL一
450mWと
した 。 まず
トは20kHzと
した 。 プ ロー ブ球 の捕 捉 レー ザパ ワー は
ブ ラ ウ ン運 動 は光 軸 垂 直 方 向 の直 線 偏 光 と平 行 な 方 向 の ブ ラウ ン運 動 を測 定 し、 得
られ た時 間 信 号 をFFT解 析 に よって 周 波 数 成 分 を求 めた 。 次 に、 強制 励 振 につ いて も同様 に 、光 軸 垂直 の 直
線 偏 光 と平 行 方 向 に 変 位 を300㎜ で 励 振 した 。 励 振 周 波 数 を50Hz間 隔 で100Hzか
ら6000Hzま で取 得 し、 そ
れ ぞれ の周 波 数 に お いて ロ ックイ ン検 出 に よって 応 答振 幅 と位 相 遅 れ を測 定 した。
結果
ブ ラウ ン運 動 お よび 強 制振 動 の 周 波 数 応 答 を図7.7、7。8に示 す。 ブ ラウ ン運 動 は式(7.9)、強 制励 振 は
式(7.12)に よって フィ ッテ ィ ングで 得 られ た 曲線 も示 した。 両 方 ともモ デ ル式 とよ く一 致 し、 また 、 ブ ラウ ン
運 動 と強制 励振 それ ぞ れ か ら得 られ た 共振 周 波 数 は2851Hz、2950Hzで
4%以 下 の誤 差 でmし
あ り100Hzの 誤 差 は生 じた もの の
た 。 この 共振 周 波 数 の ズ レや 、 ブ ラ ウ ン運 動 は非 常 に ノイ ズが 大 き い理 由 を考 察 す
る と、 ブ ラ ウ ン運 動 で は プ ロー ブ球 は3次 元 的 に変 位 して い るこ とに依 る と考 え られ る。PDは1方 向変 位 のみ
を測 定 して お りモ デル 式 と一致 を 見せ た が 、他 方 向 の振 動 も プ ロ ー ブ僣 号 に混 在 し重 畳 す る た め、 共 振 点が
や や ず れ 、 また ノイ ズが 大 き くな る と考 え られ る。
7.6ば
ね 定数
プ ロー ブ の ば ね 定 数 は位 置検 出精 度 に大 き く寄 与 して くる。1章 の 表1.2に 示 した様 に 、 位 置 検 出 プ ロ ー ブ
は約100N/m程
度 の ば ね 定 数 を持 つ。 また 一 方 でAFMの
プ ロ ー ブ は数N/m程 度 で あ る。 一 般 的 に は高 精 度 な
測 定 を行 うた め に は、 高 い ば ね定 数 を設 定 す る こ とで測 定 の ば らつ き を低 くす る こ とが で き る。 しか しなが
ら、 ばね 定 数 が 大 き い と位 置 検 出 の測 定 力 が大 き くな る とい う トレー ドオ フ の関 係 で あ る。 本 プ ロー ブで
は、 ばね 定 数 が 一 般 的 な プロ ー ブ よ りも遥 か に小 さ い こ とが3章 で予 測 され た 。 測 定 の精 度(ば らつ き)は 大
き くな るが 、 そ の反 面 、 プロ ー ブが測 定 面 に接 近 した と きの影 響 また は挙 動 を高 感 度 に 知 る こ とが で き る。
この 様 に、 プ ロ ー ブの ぼね 定 数 を知 る こ とは非 常 に重 要 で あ る。 ば ね定 数 を測 定 した 。
64
Chapter7:Investigationofpropertiesofvibro-probe
Figure7.8:Frequencyresponseoftransversallyoscillatingprobe.
実験
強 制 励 振 に よ っ て 得 る周 波 数 応 答 に 式(7.12)の モ デ ル 式 の 最 小 自 乗 フ ィ ッ テ ィ ン グ を行 う こ と で 、 共 振
周波郷
の 推 定 を 行 っ た 。 フ ィ ッ テ ィ ン グ の パ ラ メ ー タ はん とDと し、 フ ィ ッ テ ィ ン グ ア ル ゴ リ ズ ム は 非 線 形
最 小2乗 問 題 の 一 般 的 なLevenberg-marquardt(LM)法
た 。 プ ロ ー ブ 球 は8μmと
し 、 対 物 レ ン ズ はNAO.95を
†を 用 い た 。Jnを 推 定 後 、 式(7.13)に よ っ て ぼ ね 定 数 を 求 め
用 い た 。 捕 捉 ビ ー ム 条 件 と して 直 線 偏 光 お よ び ラ ジ ア ル
偏 光 に 対 し、 レ ー ザ 強 度 を変 化 させ 光 軸 方 向 お よ び 光 軸 垂 直 方 向 の ば ね 定 数 を 測 定 し た 。 た だ し、 直 線 偏 光
に 関 して は 偏 光 方 向 と平 行 な 方 向 を 振 動 方 向 と した 。 次 に 、 プ ロ ー ブ の2次 元 平 面 上 の ば ね 定 数 の 均 一 性 を
確 認 す る た め 、 光 軸 垂 直 方 向 に 対 して180° 方 位 の ば ね 定 数 を 測 定 し た 。 偏 光 は 直 線 お よ び 円 偏 光 と し た 。
結果
代 表 的 な 周 波 数 応 答 を 図7。9に 、 ば ね 定 数 を 図7.10に 示 す 。 プ ロ ー ブ の ば ね 定 数 は 数 十オN/mオ
ー ダ で、
か つ レ ー ザ 強 度 変 化 に線 形 で あ る こ とが 確 認 さ れ 、 光 線 追 跡 解 析 と も一 定 の 統 計 誤 差 を 持 っ て 相 関 を 持 つ こ
とが わ か っ た 。 解 析 との 誤 差 は 、 レ ン ズ 収 差 、 照 射 レ ー ザ 強 度 の 過 小 評 価[332]、 レ ー ザ ア ラ イ メ ン ト、 粒 径
お よ び 粒 子 形 状 誤 差 な どが 考 え ら れ る 。 ま た 、 直 線 偏 光 で は 光 軸 方 向 と光 軸 垂 直 方 向 で は30%程
る の に 対 し 、 ラ ジ ア ル 偏 光 で は14%で
あ り、3次 元 的 な ば ね 定 数 の ば らつ き が 改 善 さ れ て お り、3次 元 的 な 等
方 性 が 向 上 して い る。 次 に 、2次 元 の 等 方 性 に 関 して 、 直 線 偏 光 で は5%程
円 偏 光 で は2%程
7.7環
度 の差 が あ
度 の ば らつ き が あ る の に 対 して 、
度 に 改 善 さ れ て お り、 円 偏 光 を 用 い る こ とで2次 元 的 な 等 方 性 が 高 ま る こ と も 確 認 で き た 。
境 変 化 に対 す る プ ロー ブ感 度
式(7.10)に従 え ぼ 、本 プ ロー ブ シス テ ム の特 性 は ばね 定 数 舵 粘 性抵 抗 係 数Dに よ り可 変 で あ る。 そ こで、
本 プ ロー ブシ ス テ ムが ぼ ね 定 数 や 粘 性 抵 抗 係 数 の変 化 に どの 程 度 の 感 度 を持 つ の か を検 証 す る。 ば ね定 数 は
前節 の結 果 を用 い 、粘 性 抵 抗 係 数 は環 境圧 力 を 変化 させ る こ とで 制御 した 。
始 め に レ ーザ 強 度変 調 に伴 う横 振 動 の ばね 定 数 の 変化 の 感 度 につ い て 図7.11に 示 され るよ うに レー ザ 強 度
が590mWか
ら200mWに
変 化 した とき に ばね 定 数 が184オN/mか
ら60オN/mま
で 変 化 して お り、 そ の変 化 の感
†非 線 形 問 題 に 対 して 最 適 解 を 求 め る1手 法 。 特 徴 は 最 急 降 下 法 の ロ バ ス ト性 とNewton法
MArLAB,Octave,gnuplotな
の収 束 の 速 さ を併 せ 持 つ。
ど で も用 い ら れ て い る 一 般 的 な 手 法 で あ る 。
65
Figure7.10:Stiffnessofprobesystem.
度 は0.32オN/(m・mW)で
り の 変 化 は13mW程
時 に3%以
実験
あ っ た 。 図7.12に 本 実 験 で 用 い る レ ー ザ 強 度 の 時 間 的 変 化 を 示 して い る が 、1.5時 間 辺
度 で あ る た め 、 ば ね 定 数 の ば らつ き は4オN/mで
あ り400mWで
プ ロ ー ブ を 捕 捉 して い る
下 の 安 定 性 を 有 して い る 。
環 境 圧 力 を 変 化 さ せ 粘 性 抵 抗 係 数 の影 響 を 調 べ た 。 粘 性 係 数 ηは 気 体 圧 力 に は依 存 せ ず 、温 度 に よ っ
て 変 化 す る 。 そ の 関 係 式 はSutherlandの 式 で 与 え られ る[333]。
畷
雛)萋(7
こ こ で 、 η。は 温 度Toで の 粘 性 係 数 で あ る 。Boyle-Charlesの
.14、
法 則 に よ り気 体 圧 力 を 下 げ る と 、 閉 空 間 内 の 温 度
は 低 下 す る 。 こ の よ う に プ ロ ー ブ 球 環 境 圧 力 変 化 か ら粘 性 係 数 を 変 化 さ せ た 。 図7.13に 示 す よ う な ア ク リ ル
製 の ケ ー ス を 作 成 し た 。 ケ ー ス は 対 物 レ ン ズ を 通 す ゲ ー ジ ポ ー ト、 内 部 圧 力 測 定 のBourdon管
、真空 引きの
た め の 排 気 バ ル ブ が あ る 。 ケ ー ス 内 は 油 回 転 式 ポ ン プ に よ り真 空 状 態 に す る 。 圧 力 を 順 次 下 げ て い く と き の
周 波 数 応 答 を 取 得 し 、 フ ィ ッ テ ィ ン グ に よ り粘 性 抵 抗 係 数 を 測 定 し、Stokes則
結果
か ら 粘 性 係 数 を 推 定 した 。
周 波 数 応 答 を 図7.14に 示 し、 各 圧 力 下 で 測 定 さ れ た 粘 性 係 数 を 表7.3に 示 す 。 た だ し、 粘 性 係 数 は 大 気
圧 時 を1と し相 魁 値 を 表 示 し た 。 環 境 気 体 の 圧 力 低 下 と と も に 測 定 の 粘 性 が 低 下 して い る の が 確 認 で き る 。
100kpaか
ら1kPaに
変 化 し た と き 測 定 さ れ た 粘 性 抵 抗 係 数 は 半 分 に 低 下 した 。 こ の よ う に 粘 性 抵 抗 係 数 が112
に 変 化 した 時 、 プ ロ ー ブ 球 の 応 答 振 幅 は 共 振 点 で 約2倍 以 上 に 大 き く な り、 定 量 的 な 評 価 は 行 え な か っ た
が 、 粘 性 抵 抗 係 数 変 化 に 対 して 感 度 よ く応 答 す る プ ロ ー ブ で あ る こ と は 確 認 で き た 。
66
Chapter7:Investigationofpropertiesofvibro-probe
繍
鑁 肄毒r+
驚盛鍵羣
囎 サ繍
drag醜
畑辷
7.8結
欝
1
0.77愈
3
鷦
1
0.工
《}.4倉a鱒
言
こ こ で は 、 振 動 プ ロ ー ブ の 特 性 を 評 価 した 。 シ リ カ マ イ ク ロ球 の 大 気 中 ト ラ ッ プ 方 法 を提 案 した 。 ま た 、
振 動 プ ロ ー ブ の モ デ ル を 構 築 し 、 レー ザ 強 度 や 粘 性 抵 抗 係 数 に 対 して 振 動 変 化 す る こ とが わ か っ た 。 以 下 に
得 ら れ た 知 見 を ま とめ る 。
・ 大 気 中 で の レ ー ザ ト ラ ッ プ方 法 を 提 案 し た 。 プ ロ ー ブ 球 と測 定 面 の 吸 着 力 を 低 減 す る た め に 、 プ ロ ー ブ 球
に メ チ ル コ ー デ ィ ン グ を 施 し、 基 板 材 料 に は 超 硬 を 採 用 した 。 ま た 、 基 板 表 面 に 数 百 ㎜ の 周 期 的 な 溝 構 造
を 加 工 す る こ と でVanderWaals力
や 液 架 橋 力 の 影 響 を 低 減 し、 そ の 結 果 、85%の
高い確率で任意 のプロー
ブ 球 を 選 択 的 に 捕 捉 可 能 とな っ た 。
67
.光 軸 方 向 トラ ップ効 率 を測 定 した 。 ガ ウ シ ア ン お よび輪 帯 ビー ム を 用 い 、偏 光 に は直 線 偏 光 と ラジ ア ル偏
光 を用 い た 。輪 帯 ビー ム にす る こ とで 光 軸 方 向 の トラ ッ プ効 率 は2倍 に向 上 した 。 また 、 ラジ ア ル偏 光 を
用 い る こ とで25倍 の トラ ップ効 率 改 善 に成 功 し、 作 動 距 離 を10倍 以 上 に改 善 した 。
・PDとQPDを
用 い た プ ロー ブ球 の光 軸 方 向 お よ び横 方 向 の プ ロー ブ球 変 位 を測 定 した 。PDを 用 いた 光 軸 方
向変 位 は線形 性 が 低 く乱 れ た 波 形 を示 し、200mVの
はPDお よびQPDと
励 振 まで は線 形 性 を持 って測 定 可 能 で あ った 。横 方 向
も に正確 に高 いS/N比 で プ ロ ー ブ球 の位 置 を測 定 す る こ とが 可 能 で あ っ た 。
.振 動 プ ロ ーブ の力 学 モ デ ル に関 して、Langevin方 程 式 を基 礎 にバ ネ ダ ンパ 系振 動 モ デ ル を構 築 した 。 振 動
プ ロー ブの 周波 数 応 答 を測 定 した 結 果 、 モ デル とよ く一
一致 して お り、 本 モ デ ル に よって プ ロ ー ブ球 の運 動
を表 現 で きて い る こ とが わ か っ た 。
.プ ロー ブ ばね 定数 測 定 の結 果 、 光 線 追 跡 法 で得 られ た 結果 と10%以 下 の誤 差 で 一 致 した 。 また 、 ラジ ア ル
偏 光 に よって3次 元 の ば ね 定数 の ば らつ き を14%に す る こ とが 出来 た 。 円偏 光 を用 い る こ とで、 光 軸 に対 し
て 水 平 面 上 の2次 元 の ばね 定 数 の ば らつ き を2%程 度 に改 善 した 。
・最 後 に プ ロー ブ球 の環 境 変 化 に対 す る感 度 を検 証 した 。 レー ザ 強度 変 動 に対 す る ばね 定 数 の感 度 は0.32
オN/(m・mW)と 安 定 で あ り、 定 量 的 な評 価 は困 難 で あ った が 、 粘 性抵 抗 係 数 変 化 に高 感 度 な 変化 を 示 した 。
68
Chapter8:Establishmentofprincipleforsurfacepositionsensing
第8章
8.1緒
位 置検 出原理 の検 証
言
光 放 射 圧 振 動 プ ロー ブが 測 定 面 近 傍 で 相 互 作 用 力 を受 け振 動 減 衰 す る とい う現象 を用 いて 位 置検 出の 高 感
度化 が示 され た 。 本 章 で は、 振 動 プ ロー ブが 測 定 面 近 傍 で 経 験 す る振 動 減 衰 につ い て、 そ の現 象 を理 解 す る
と とも に、測 定 面 近傍 で の プ ロ ーブ特 性 を評 価 す る。
8.2位
置 検 出 原 理 の解 明
4章 に お い て 振 動 プ ロ ー ブ が 測 定 面 に 接 近 す る と振 動 が 減 衰 す る こ とが 確 認 さ れ た 。 プ ロ ー ブ 球 に 何 ら か
の 相 互 作 用 が 働 き 、 プ ロ ー ブ 球 の 振 動 運 動 が 防 げ られ て い る。 プ ロ ー ブ 球 に 作 用 す る力 は 何 で あ ろ うか 。 例
え ば プ ロ ー ブ 顕 微 鏡 で は 、 ナ ノ メ ー トル オ ー ダ に 先 鋭 化 さ れ た プ ロ ー ブ が 原 子 間 力 、 磁 力 、 摩 擦 力 、 ト ン ネ
ル 電 流 な ど を 検 知 す る 。 特 にAFMタ
流 体 抵 抗 に よ るダ ン ピ ング
ッ ピ ン グ モ ー ドで は 、 カ ン チ レバ ー が 測 定 面 に 接 近 す る 過 程 で 、 順 に 、
静 電 気 力 、 水 蒸 気 層 の ダ ン ピ ン 久VanderWaals力(引
力)、 ク ー ロ ン カ(反 発
力)な どが 作 用 す る[260】。 プ ロ ー ブ 半 径 や 材 質 お よ び ば ね 定 数 、 プ ロ ー ブ 先 端 と測 定 面 の 距 離 に 応 じ て 支 配
的 な 作 用 力 は 異 な る 。 液 中 ト ラ ッ プ で は 、 プ ロ ー ブ 球 が 面 に 近 づ く と表 面 力(Sufaceforce)が
335]、 プ ロ ー ブ に 働 く粘 性 抵 抗 係 数 が 増 大 す る こ と が 知 ら れ て お り、 ま たNSOMで
作 用 し[334,
用 い られ るShareforceで
は水 蒸 気 層 に よ る 粘 性 抵 抗 に よ っ て プ ロ ー ブ 先 端 と表 面 と の 近 接 を 測 定 す る[336-338]。
本 プ ロ ー ブ に つ い て 考 え た 場 合 、3章 の 数 値 解 析 か ら プ ロ ー ブ 球 が 測 定 面 に 接 近 す る と、 反 射 光 に よ り反
発 力 を 受 け る こ とか ら も、 数nmの
距 離 で 働 く原 子 間 力 に よ る 力 で あ る と は 考 え に くい 。 集 光 レ ー ザ の 生 成
す る 強 い 電 磁 場 に よ っ て プ ロ ー ブ球 が 双 極 子 の よ う な 振 る舞 い を す る場 合 、 静 電 気 力 が 働 く可 能 性 は あ る
が 、 光 放 射 圧 に 匹 敵 す る力 が 作 用 す る と は 考 え に く い 。 マ イ ク ロ オ ー ダ で は 物 質 表 面 の 水 蒸 気 層 の 存 在 が 知
られ て お り[339,340】 、 水 蒸 気 に よ って プ ロ ー ブ球 の 振 動 減 衰 が 予 想 さ れ る 。AFMタ
ッピ ングモ ー ドの カ ン チ
レバ ー に お い て も知 ら れ て い る が 、 振 動 物 体 が 物 質 に 接 近 す る と、 物 体 間 の 気 体 が 高 速 に圧 縮 膨 張 を 繰 返 す
こ とで 、 振 動 物 体 の 振 動 が 減 衰 す る 。 図8,1(a)に 示 さ れ る よ う に 、 振 動 物 体 と壁 面 問 の 気 体 が 物 体 の 移 動 に
伴 っ て 圧 縮 さ れ る と、 反 発 力 が 振 動 す る プ ロ ー ブ 球 に 作 用 す る。 ま た 、 プ ロ ー ブ 球 が 壁 面 か ら離 れ る 場 合 も
同 様 で あ る 。 こ の と き 、 気 体 の 粘 性 抵 抗 に よ っ て こ の 抵 抗 力 が 異 な る 。 気 体 の 粘 性 が 高 い"ネ バ ネ バ"な 気 体
の 場 合 、 プ ロ ー ブ 球 に 作 用 す る力 は 大 き く な り、 粘 性 が 小 さ い"サ ラ サ ラ"な 気 体 の 場 合 、 作 用 力 は 小 さ くな
る。 ま た 、 気 体 圧 力 が 下 が り高 い 真 空 状 態 に な る と、 ほ とん ど粘 性 力 は 作 用 し な い 。
本 節 で は 、 こ の ダ ン ピ ン グ効 果 を 確 か め るた め 、1次 元 振 動 を プ ロ ー ブ 球 に 与 え 測 定 面 に 接 近 さ せ る こ と
で 、 振 動 減 衰 の 現 象 を 調 査 す る。
8.2.1粘
性 抵 抗 係 数 の 変 化[342]
球 が 十 分 広 い 自 由 空 間 で 振 動 して い る 時 、 周 囲流 体 か ら受 け る 粘 性 抵 抗 はStokes抵 抗 で あ る こ とが よ く知
られ て お り、 レ ー ザ ト ラ ッ プ に お い て も よ く用 い ら れ て い る 。 粘 性 抵 抗 係 数 をDと す る とStokes抵 抗 は 、
瀞 靄 悉灘 謬
(8.1)
Figure8.1:Dampingeffectimposingtheprobesphere.
69
で あ る 。 た だ し 、rは プ ロ ー ブ球 の 半 径 、 ηは 粘 性 係 数 で あ る 。 しか し、 基 板 や 測 定 面 に 近 接 す る と、Stokes
抵 抗 は 適 用 で き な い 。 そ こで 文 献341に 示 さ れ る よ う に 、 補 正 項 を も う け る。 劈 開 面 に 対 して 水 平 に 振 動 し
て い る 時(8.2b)、 垂 直 に振 動 して い る 時(8.2c)は
それ ぞれ 、
ρ 蹠伽 ザ
(8.2a)
㌃ 瀞 姦(蠢糞y謝
(8.2b)
鮮一
詈纏 毳偽艦 隷 驫識 警叢 を
監 鴇 艶 ¢-!
(8.2c)
礪嘲 蝋
嗣 魂解稗 鰐
一・}
(8.2d)
と な る 。 こ れ を 図8.2(a)に 示 す 。 た だ し、 十 分 遠 方 の 値 で 正 規 化 した 。 こ の よ う に 振 動 プ ロ ー ブ が 測 定 面 に 接
近 す る と、10オm程
実験
度 遠 方 か ら影 響 を 受 け は じ め 、Cオm近
傍 で粘 性 抵 抗 が 急 激 に増 大 す る。
測 定 面 ヘ プ ロー ブ球 を接 近 させ た とき の粘 性 抵 抗 係 数 の変 化 を測 定 す る。 測 定 面 に は シ リ コン の劈 開
面 を用 い 、 垂 直 面 に対 して水 平 方 向 に プロ ー ブ球 を接 近 させ た 。振 動 方 向 は面 に対 して 垂 直 お よ び平 行 とす
る。 プ ロー ブ球 に は8μmの シ リカ球 を用 い、 対物 レ ンズ はNAO.95を 用 い た 。 また 、PDを 用 いて プ ロー ブ球
位 置 を測 定 した 。 手 順 は プR一 ブ球 を測 定 面 に接 近 させ 、 各 々 の 位 置 で 周 波 数 応 答 を取 得 し、 式(7.12)でDお
よ臨 をパ ラメ ー タに フィ ッテ ィ ング を行 い 、 粘 性 抵 抗 係 数Dを 推 定 す る。
結果
実 験 結 果 を図8,2(b)に示 す。 測 定値 は 自由空 間 で の粘 性 係数 で 正 規 化 した。 両 振 動 方 向 とも粘性 抵 抗
係 数 は測 定 面 に近 づ くに つれ 増 加 した 。垂 直 方 向 は 平行 方 向 よ り粘 性 抵 抗 係 数 の増 加 率 が高 い とい う事 実 は
定 性 的 にmす
るが 、 式(8.2)と定量 的 一致 は 見 られ なか った 。 式(8.2)内のηは 温 度 や 湿 度(付 録VI)お よ び表
面 材 質 に影 響 され る[334]。本 実 験 で は温 度 や 湿 度 の測 定 は行 って い な い。 結 果 と して、 振 動 す る プロ ー ブ球
が 測 定 面 に接 近 す る と、 水 蒸 気 層 に よ る粘 性 抵抗 が 増大 す る こ とが 示 され た 。
8.2.2ダ
ン ピン グ 効 果 を用 い た位 置検 出
測 定 面 数Fmの 近 傍 で プR一 ブ球 は粘 性 に よ る抵 抗 力 を 受 け る こ とが わ か っ た。 次 に、 振 動 す る プロ ー ブ
球 を測 定 面 に接 近 させ た 時 の プ ロー ブ球 の 振 動 状 態 の変 化 を確 認 し、振 動 プ ロ ー ブ を用 い た 表面 の 位 置検 出
の 特 性 につ いて 評 価 す る。
実験
前 項 と同様 の条 件 で実 験 を行 う。 た だ し プ ロー ブ球 の振 動 は 、 現 象 が よ り顕 著 に現 れ る測 定 面 と垂 直
方 向 と した。 共 振 周 波 数1700Hzに
対 して 周 波 数1000Hz、
振 幅200㎜ で 励 振 した。 測 定 面 の10オm程
度離 れ
た 位 置 か ら200㎜ 間 隔 で 測 定 面 に プ ロー ブ球 を接 近 させ 、 変 化 が 大 き くな る と50㎜ 間 隔 に 変 更 した 。 それ
ぞれ の 位 置 で 振 幅 と位 相 を取 得 し、 同条 件 で 位 置 検 出 を5回 く りか え した 。
Figure8.2:Viscousdragcoefficientchangenearsurface.
70
Chapter8:Establishmentofprincipleforsurfacepositionsensing
Figure8.3:Dampingofprobeoscillationduringprobingtosurface.
結果
得 られ た 振 幅 と位 相 の 変 化 を 図8.3に 示 す。 横 軸 は プ ロ ー ブ 球 の 測 定 面 へ の 移 動 距 離 を 表 す。 ま ず
応
答 振 幅 の 減 少 お よ び 位 相 遅 れ の 増 加 が 確 認 で き 、 プ ロ ー ブ振 動 の ダ ン ピ ン グ現 象 が 見 られ た 。 応 答 振 幅 に 関
して 、4オm程
度 遠 方 か ら徐 々 に 減 衰 し1オm以
れ 、 そ の傾 き は126a.u./オmで
下 で 急 激 に 変 化 して い る 。 特 に 近 傍 で 振 幅 変 化 に 線 形 性 が 見 ら
あ っ た 。 そ れ ら の 点 の ば らつ き が0.79a.0.で あ っ た た め 、6㎜
能 で あ る 。 次 に 位 相 に 関 して 、3オm程
傾 き を 求 め る と、25deg./オtnで
度 遠 方 か ら変 化 しは じ め1オm以
あ っ た 。 信 号 の ば らつ き は0.55deg.で
の 変化 を分 解 可
下 で 急激 な変 化 を示 した 。 その 同 様 に
あ り、 そ れ ら か ら分 解 能 は22nmで
あっ
た 。 位 相 遅 れ に つ い て 閾 値 を80° と定 め 、5回 の 繰 返 し測 定 を 行 っ た 結 果 、 検 出 さ れ た 点 の ば ら つ き は13.7
㎜(σ)で あ っ た 。
この よ う に、本 実 験 に よ って 、振 動 プ ロ ー ブが 測 定 面 近 傍 で水 蒸 気 層 の ダ ン ピ ング効 果 に よ って 振 動 減 衰 さ
れ 、 そ の時 の振 幅 と位 相 値 を観 測 す る こ とで 高 い検 出感 度 が示 され た 。
測 定 長 さ につ いて 考察 す る。 測 定 長 さ とは、 一般 的 に は、 プ ロ ー ブ球 と測 定 面 の 接 近 点 か らプ ロ ー ブ信 号
を取 得 可 能 な プ ロ ー ブの 押 し込 み距 離 で あ る。 本 プ ロ ーブ で は、 測 定 面 との 接 触 が な い た め 、 一 般 的 な定 義
とは異 な る。 そ こで、 プ ロー ブ信 号 が 線 形 変 化 す る距 離 を 測 定長 さ とす る と、 図8.3よ り振 幅 で100㎜
程度、
位 相 で500㎜ 程 度 で あ っ た 。 この線 形 変 化 の領 域 に 閾 値 を設 定 し、 測 定 面 の位 置 を検 出す る。
8.2.3傾
斜面位置検 出
振 動 プ ロ ー ブで20㎜ 程 度 の 分解 能 で 表 面 位 置 を検 出可 能 で あ る こ とを示 した。 次 に、 欽 元形 状 を測 定 す
るた め に、 角 度 を持 った 表 面 の 位 置 検 出 を行 う。
実験
振 幅 に 着 目 し、30° 、45° 、60° に傾 い た 測 定 面 に 対 して プ ロ ー ブ を 接 近 さ せ 位 置 検 出 を 行 っ た 。 実 験
装 置 は4.4節 の も の を 用 い た 。 対 物 レ ン ズ はNAO.95を
ン グ は 光 軸 方 向 と し 、25㎜
結果
用 い た 。 振 動 は 横 振 動 、 励 振 周 波 数500Hz、
間 隔 で 応 答 振 幅 を 取 得 し た 。 測 定 面 に 直 径168オmの
プ ロー ビ
標 準 ガ ラス 球 を用 い た。
図8.4に 振 幅 減 衰 の結 果 を 示 す。 横 軸 は振 幅 が 最 も 減 衰 し た 点 を0と し 、 マ イ ナ ス 方 向 か ら プ ラ ス 方 向
に 向 か っ て 位 置 検 出 を行 って い る 。60° 、45° で は 振 幅 減 衰 が 確 認 で き る が 、30° で は 振 幅 減 衰 が ほ とん ど 見
られ な い 。45° 以 上 の 傾 斜 を 持 っ た 面 で は 位 置 検 出 が 高 感 度 に 可 能 で あ る が 、 光 軸 に 対 して 垂 直 に 近 い 面 で
は 、 明 確 な 振 幅 減 衰 が確 認 で き な か っ た 。
水 平 面 の 位 置検 出 が 困難 で あ った 理 由 は以 下 が考 え られ る。1つ は3章 で検 討 され た よ う に、 反 射 光 に よって
プ ロー ブ が接 近 し に く くな る こ と。 次 に、 プ ロー ブ信 号 の乱 れ が挙 げ られ る。 プロ ー ブ球 位 置 測 定 のLDが プ
ロー ブ球 を透 過(前 方散 乱)し て 、 測 定 面 で 反 射 した光 が再 度 対物 レ ンズ に よって集 光 され 、PDに 入 射 す るた
め にPDの 受 光 量 が 増 え振 幅 変化 が 不 明確 に な って い る。 最後 に、 定 在 波 の影 響 で あ る。 トラ ッ プ レー ザ の
71
Figure8.4:Differenceofprobingcharacteristicbyinclinationsofsurface.
前 方 散 乱 光 と測 定 面 の 反 射 光 が 光 干 渉 し 、 プ ロ ー ブ 球 周 辺 に 定 在 す る電 場 分 布 が 生 成 さ れ る[269-272]。
その
定 在 波 が プ ロ ー ブ 球 に 作 用 し 、 プ ロ ー ブ球 の 振 動 状 態 に 何 らか の 変 化 を 与 え て い る こ とが 考 え ら れ る 。
水 平 面 の 測 定 は 検 出 が 困 難 で あ っ た 。 こ れ を解 決 す る こ と は3次 元 プ ロ ー ブ と して は 必 要 不 可 欠 で あ る 。
8.3水
平面位置検 出
8.3.1定
在波の存在
P.Zemanekら は光 軸 に対 して 垂 直 な面 に プ ロー ブ球 を接 近 させ 、 測 定 面 か らの反 射 光 と捕 捉 レー ザ とで プ
ロ ー ブ球 周 辺 に 定在 波 を生 成 させ るStandingwavetrapを 行 って い る[273]。そ の プ ロ ー ブ球 の 位 置 的挙 動 は定
在 波 に影 響 を受 け、 周 期 的 に 変動 す る こ とが報 告 されて い る。 本 研 究 で も、 水 平 面 の測 定 時 に同 様 の 影 響 が
発 生 して い る可 能 性 が 高 く、 それ が 前節 で み られ た 位 置 検 出特 性 に反 映 して い る と考 え られ る。 そ こで 、 定
在 波 が プ ロ ー ブ球 に与 え る影 響 を調 査 す る。
実験
直 径8μmの
シ リカ 球 をNAO.95の
対 物 レ ン ズ を 用 い て 、 直 線 偏 光 の ガ ウ シ ア ン ビー ム で 捕 捉 し た 。 こ の
プ ロ ー ブ 球 の 下 方 に シ リ コ ン ウ ェ ハ を 水 平 に 設 置 し、 そ の シ リ コ ン ウ ェ ハ に 対 して 光 軸 方 向 に プ ロ ー ビ ン グ
を 行 っ た と き の 、 プ ロ ー ブ 球 の 光 軸 方 向 の 変 位 を 検 出 器PDを
用 い て 測 定 した 。 レ ー ザ 強 度 は400mWと
し
た 。 測 定 を5回 繰 り返 し 行 い 現 象 の 再 現 性 も 確 認 した 。
結果
図8.5に 、 任 意 の 位 置 か ら プ ロ ー ブ 球 を 水 平 面 に 接 近 さ せ た とき の プ ロ ー ブ 信 号 を 示 す。 横 軸 は 座 標 ス
テ ー ジZ軸 の 移 動 量 を 示 し、 移 動 量 が 増 え る ほ ど測 定 面 に 接 近 して い る。 図 の よ う に 、 測 定 面 に 近 づ く と反
射 光 量 が 大 き くな る 。 ま た 、 プ ロ ー ブ信 号 は の こ ぎ り波 状 の 波 形 を 示 し、 つ ま り、 プ ロ ー ブ 球 が 光 軸 方 向 に
沿 っ て 上 下 に振 動 して る 。 こ の ノ コ ギ リ波 上 の 挙 動 はP.Zemanekら
の 示 す 結 果 と一 致 して い る こ とか ら 、 定
在 波 に よ る も の で あ る と考 え られ る 。5回 の 実 験 の 再 現 性 は 高 く、 波 形 は ほ ぼ 一 致 して い る 。 次 に 、 プ ロ ー
ブ 信 号 の 周 波 数 成 分 を 解 析 す る た めFFT解
捉 レ ー ザ の 波 長 が1064㎜
オmに
析 を行 っ た 結 果 を 図8.6(a)に 示 す。534㎜
に鋭 い ピー ク を持 ち 、 捕
で あ る こ とか ら 、 お お よ そ 半 波 長 分 の 周 期 で あ る 。 ま た 、 ス テ ー ジ の 移 動 距 離100
渡 っ て こ の ノ コ ギ リ波 の 周 期 を カ ウ ン ト した 度 数 分 布 を 図8.6(b)に 示 す 。 平 均 の 周 期 はFFT解
に534㎜
で あ り、 標 準 偏 差 は16㎜
で あ っ た 。 捕 捉 レ ー ザ の 波 長 は1064㎜
析 と同様
で あ り、 定 在 波 の 周 期 は半 波 長 分
とな る こ とか ら、 正 確 に 定 在 波 の 影 響 が 現 れ て い る 。 こ の よ う に 、 定 在 波 か ら の 外 力 を 受 け て 、 プ ロ ー ブ 球
の 平 衡 位 置 が シ フ トす る とい う現 象 が み られ 、 そ の 再 現 性 の 高 さ が 確 認 さ れ た 。
8.3.2定
在波の理論的解釈
定 在 波 につ いて 理論 的 に考 え る。 図8.7の様 に、 集 光 され た ビー ム が粒 子 を ぬ けて 測 定 面 で 反 射 す るモ デル
を考 え、 反 射 光 と捕 捉 レー ザ が 光 干 渉 す る こ とで 、 プ ロー ブ球 周 辺 に定 在 波 が 生成 され る。 ガ ウ シ ア ンビー
72
Chapter8:Establishmentofprincipleforsurfacepositionsensing
Figure8.5:Affectedprobesignalbystandingwave.
鞭 譲鮒 麟 緯 出 麟 廳 戯}鸚 艶 驪 雑 翻麟
登蜘 鯱 麟 麟 撫cift輔fer轍
(a)Spatialfrequency.
鯲 醜 §
藤輔 購 鬘
(b)Measuredpitchesofstandingwave.
Figure8.6:Spatialpitchesofstandingwave.
ム で は 近 軸 に お い て 強 度 が 支 配 的 と な る 。 そ こで 単 純 の た め 、 近 軸 の み の 定 在 波 を考 え る。 入 射 光 をE,、 反
射 光 をErと した と き 、
鶸 麟 轟 ㈱ 畿 鱒(8.3)
畿 繍瑞 緇 く畷
轜
轄)(8.4)
とな り、 こ れ ら の 重 ね 合 わ せ を考 え 、 強 度 を取 る と、
鞭}猫 爆 萋繊
鵡畷 蝋
餓)峯(85)
とな る 。 こ れ よ り定 在 波 の 強 度 分 布 の 空 間 周 波 数 はz=λ/2の 時 で あ る こ とが わ か る 。 波 長1064㎜
レ ー ザ を 用 い た 時 の 定 在 波 強 度 周 期 は532㎜
と な り、 上 の 実 験 と よ く一 致 す る 。W.Muら
の捕 捉
に よ る と、 プ ロ ー
ブ 球 が 定 在 波 に よ っ て 受 け る定 在 波 横 断 方 向 の 力 は 式(8.5)を 微 分 し た
Fs=Asin(4獄/λ)(8
で 与 え る こ とが で き る[343]。3章
.6)
の 数 値 解 析 で 、 プ ロ ー ブ 球 が ス ポ ッ トか ら光 軸 方 向 に ず れ る と き の プ ロ ー
ブ 復 元 力 は 、 数 μmの 範 囲 で は 十 分 線 形 で あ る と見 な す こ とが で き*、
F鞴
驫(8.7)
とな る 。 プ ロ ー ブ 球 は 捕 捉 レ ー ザ と定 在 波 か ら光 放 射 圧 に よ る 力 を 受 け る 。 定 在 波 の 位 相 は 式(85)に 見 られ
る よ う に 測 定 面 を 基 準 と して 動 く。 よ っ て 、 測 定 面 と プ ロ ー ブ 球 の 相 対 位 置 が 変 化 す る と式(8.6)と 式(8.7)に
よ る 力 の バ ラ ン ス が 変 化 す る。 レ ー ザ ト ラ ッ プ に よっ て レー ザ ス ポ ッ ト近 傍 に 捕 捉 さ れ る プ ロ ー ブ 球 に 定 在
Subsection3.2.2inpage23.
73
Figure8.7:Stand血ginfluencenearflatsurface.
Figure8.8:Estimatedprobebehaviorinthestandingwave.
波 に よ る 外 力 が 働 き 、 プ ロ ー ブ 球 が 変 位 す る 。 変 位 が 大 き く な る と、 レ ー ザ ト ラ ッ プ の ば ね 力 が 定 在 波 に よ
る 力 を上 回 り、 再 び レ ー ザ ス ポ ッ ト近 傍 に 引 き 寄 せ られ る 。 こ の よ う に プ ロ ー ブ 球 は レ ー ザ ト ラ ッ プ の 平 衡
位 置 か ら シ フ トす る(図8.8)。
こ れ らの 見 積 りで は 、 プ ロ ー ブ 球 の 変 動 周 期 は 捕 捉 レー ザ の 半 波 長 で あ り、
レ ー ザ 強 度 に依 存 す る が プ ロ ー ブ 球 の 変 位 量 は数 百 ㎜ で あ る 。
8.3.3定
在 波 が プ ロ ー ブ球 に与 え る影 響
定 在 波 が プ ロ ー ブ球 に位 置 変 化 を与 え る こ とが わ か った 。 これ は定 在 波 に よ る外 力 に よ る もの で あ り、 つ
ま りプ ロー ブ球 に外 力 が 働 くと式(7.10)の 右辺 に は ブ ラ ウ ン運 動 よ り も大 き な外 力 が加 わ る。 そ の結 果 、 プ
ロー ブの 力 学 的 挙 動 も変 化 す る。 この プ ロー ブに 作用 す る影 響 を調 べ るた め プ ロ ー ブ共振 周 波 数 を求 めた 。
実験
プ ロ ー ブ球 に振 幅300㎜
の横 振 動 を与 え、 光 軸 に水 平 方 向 に設 置 され た 測 定 面 こ対 して、 垂 直 方 向 に
プ ロ ー ブ球 を接 近 させ 、約100オm遠
方 か ら50㎜ 間 隔 で 周 波 数 応 答 を取 得 した。 取 得 応 答 か らフィ ッテ ィ ン
グ に よ り共 振 周 波 数 を 求 め た 。 測 定面 に はシ リ コ ン ウ ェハ を用 い 、 捕 捉 レ ーザ 強 度 は200mWと
結果
結 果 を 図8.9に示 す。 約530㎜
した 。
の周 期 で 共 振 周 波 数 の150Hz程 度 の 変 化 が 確 認 で き た。 定 在 波 に よって
プ ロ ー ブ球 に外 力 が 作 用 す るが 、 そ の外 力 は空 間 的 な分 布 を持 ち、 した が って、 空 間 位 置 に よって 共 振 周 波
数 が 異 な る。 そ の 結果 、 共 振 周 波 数 が の周 期 的 な 変 化 が 見 られ た 。
8.3.4プ
ロー ブ励 振 条 件 の検 討
定 在 波 中 で プ ロー ブ球 の ば ね 定Ckが 変 化 す る。 こ の場 合 、 図8.10に 示 す よ うに 周波 数 応答 は変化 す る。例
え ば 、 定 在 波 の 存 在 す る状 況 下 に お いて 共振 周波 数 で 励 振 して い る場 合 、 プロ ー ビ ング 中 に振 動 プ ロ ー ブの
応 答 振 幅 や 位相 が 変 化 す る こ とが確 認 で き る。 一 方 で 、 励 振 周 波 数 を共 振 周 波 数 か ら離 れ た1000Hz程
74
度に
Chapter8:Establishmentofprincipleforsurfacepositionsensing
す る と、 ばね 定 数 変 化 の影 響 は少 な くな る。 本 プ ロ ー ブは 、 前節 で確 か め た よ うに水 蒸 気 層 か ら受 け る粘 性
抵 抗 力 に よ る ダ ンピ ン グカ を利 用 して表 面 位 置 を検 出 す る。 そ こで、 図8.11に粘 性 抵 抗 係 数Dの み を変 化 さ
せ た とき の周 波 数 応 答 の変 化 を示 す。粘 性 抵 抗 係 数 が 増加 す る と振 幅 の 減 衰 が 見 られ る。 位 相 は励 振 周 波 数
を境 に遅 れ も し くは進 み の影 響 が 現 れ る。 図8,3で振 幅 励 振 の 方 が 分 解 能 が 高 か った 理 由 は 、図8.11に 見 られ
るよ うに応 答 振 幅 が粘 性 抵 抗 係 数 の 変 化 の影 響 を受 けや す いた めで あ る とわ か る。 こ こで 、 水 平 面 を検 出 す
る際 に必 要 な こ とは、 定 在 波 に よ る ばね 定 数 変化 の影 響 を受 け に くく、 ダ ン ピ ン グに よ る粘 性 抵抗 係数 の 変
化 の 影 響 を受 けや す い周 波 数帯 域 を選 択 す る こ とで あ る。 共 振 周 波 数 よ り高 い周 波 数 で は 、応 答振 幅や 位 相
が ば ね定 数 変 化 の影 響 を受 け る。 粘 性 抵 抗 係 数 の変 化 の み の影 響 を受 け るに は共 振 周 波 数 よ りも1000Hz程
度 低 い周 波 数 が 適 して い る。 この励 振 条 件 で 定在 波 の影 響 を少 な くしつ つ 、 粘性 抵 抗 の影 響 を顕 著 に し、 分
解 能 の高 い位 置 検 出 が期 待 で き る。 そ こで 、 実 験 的 に励振 周 波 数 を変 化 させ 、 位 置検 出特 性 を評価 す る。
実験
プ ロ ー ブ横 振 動 で 座標 検 出 を行 う。 まず、 プ ロ ー ブ球 捕 捉後 に周 波 数 応 答 を測 定 し、 それ よ り共 振 周
波数 を推 定 した 。今 、 共 振 周 波 数 が2200Hzで
あ る条 件 で 水 平面 の検 出実 験 を行 った 。振 動 振 幅 は260㎜
と
し、 水 平 面 に対 して垂 直 にZ軸 の座 標 検 出 を行 う。 プ ロー ブ球 は連 続 的 に測 定 面 に接 近 させ 、 ア プ ロ ー チ の
速度 は1.4オm/sec.と した 。座 標 検 出 は位 相 の値 が 急激 に変化 した 時(こ の場 合0°)を 閾 値 と し、 測 定 面 に は シ
リコ ン ウ ェハ を用 いた 。 座 標検 出 は5回 繰 り返 し行 っ た。
Figure8.9:Periodicshiftofresonancefrequencyoftheprobeduetothestandingwave.
Figure8.10:Frequencyresponseofprobeoscillationfordifferenceresonancefrequencies.
・
Figure8.11:Frequencyresponseofprobeoscillationfordifferenceviscousdragcoefficients.
75
結果
プ ロー ビ ング時 の信 号 波 形 を 図8.12に 示 す。2300Hzの
確 認 で き る。 励 振 周 波 数1000Hzで
励 振 周 波 数 で は位 相 と振 幅共 に周 期 的 な変 動 が
は振 幅 変化 は依 然 として 見 られ るが 位相 変 化 は抑 え られて い る。 振 幅 の
変動 はPDの 検 出特 性 の た め で あ る。4章 で触 れ たがPDを 用 いた 測 定 で は振 動 方 向以 外 の プ ロ ー ブ球 の変 位 も
プ ロー ブ信 号 に含 まれ る。 そ の た め プ ロー ブ球 が 定在 波 に よって 光軸 方 向 に位 置 変 動 して い る影 響 が振 幅 と
して 現 れ て い る と考 え られ る。Z軸 座 標 検 出結 果 を表8.1に 示 す。 この 結 果 は1回 目 の検 出座 標 を基 準 として 相
対 的 な誤 差 を示 して い る。表 よ り、 ばね 定 数 の 影 響 を受 けや す い周 波 数(2300Hz)で
は、500㎜
オーダの大
き な誤 差 が 現 れ て い る。 これ は定 在 波 の1周 期 分 に相 当 し、 定 在 波 の影 響 が 現 れ て い る。 一・
方で、ばね定数
変 化 の影 響 を受 けに くい周 波 数(1000Hz)で
は、 高 い精 度 で 座 標 を検 出 で きて い る。 これ ら よ り、励 振 振 幅
を選 択 す る と定 在波 の影 響 を 抑 えた 位 置 検 出が 行 え る こ とが わ か る。
次 に 、最 適 な 励振 条 件 を見 いだ す た め、 様 々 な励 振 周 波 数 でZ軸 の座 標 位 置 を測 定 した 。
実験
励 振 周波 数 は800Hzか
ら2900Hzま で の広 い範 囲 を300Hz間 隔 で行 った 。 プ ロー ブ共 振 周 波 数 は2200
Hzで あ り、 そ の他 の条 件 は前 実験 と同様 で あ る。
結果
表8.2に5回 繰 返 し検 出 され た 座標 測 定 結 果 の 平 均 値 と標 準 偏 差 を示 して い る。 また 、 平 均値 は1400Hz
時 を基 準 と し、 他 の周 波 数 は相 対 値 を 示 す。 共 振 周 波 数 か ら数 百Hz下 げた1100∼1700Hz程
振 す る と、 安 定 した 座 標 検 出値 を示 し、 ば らつ き も低 い。 特 に1400Hzで
度 の周 波 数 で 励
は最 も低 い ば らつ き を示 した 。 し
か し共 振 周 波 数 よ りも高 い も し くは1000】血 以下 の低 周 波数 で は検 出 座標 値 も様 々 で あ り、 ば らつ きが 大 き
い。 これ らは定 在波 の影 響 を 受 け、 ば らつ い た と考 え られ る。 以上 よ り、 共 振 周 波 数 よ りも800Hz程 度 低 い
周 波 数 で 位置 検 出 を行 う と、 高 い精 度 の検 出 が 可 能 で あ る こ とが 確 認 され た 。
8.4プ
ロ ー ブ に起 因 す る 不 確 か さ
光 放 射 圧 プ ロー ブ の性 能 を 評価 す るた め に繰 返 し精 度 を 評価 す る。 これ まで の実 験 よ り、 定在 波 の影 響 を
受 け最 も ば らつ きの大 き い と考 え られ る水 平 面 で 評 価 し、 そ の後 、様 々 な傾 斜 を持 っ た面 につ いて も評 価 を
行 う。 励 振 の条 件 は前 節 の手 法 に従 う。
Chapter8:Establishmentofprincipleforsurfacepositionsensing
実験
プ ロ ー ブ 横 振 動 で シ リ コ ン ウ ェ ハ 水 平 面 の 座 標 検 出 を 行 う。 共 振 周 波 数2200Hzに
数1500Hzと
し 、 振 幅 は260㎜
と し た 。 ア プ ロ ー チ 速 度 は1.4オm/sec.と
し、100回
対 して 、 励 振 周 波
の 繰 返 し検 出 を 行 っ た 。 位
置 検 出 は 同 様 に 位 相 値 を 用 い 、 位 相0° を 閾 値 と した 。
結 果100回
検 出 さ れ た 座 標 値 の 平 均 を0と し た 相 対 的 な 誤 差 の 度 数 分 布 を 図8.13に 示 す 。 こ の 値 は ス テ ー ジ
の 繰 返 し誤 差 も 含 みZ軸 ス テ ー ジ の 繰 返 し精 度 は9㎜
こ れ よ り、 本 プ ロ ー ブ に よ る 位 置 検 出 は±32㎜
で あ っ た 。 測 定 値 分 布 の 標 準 偏 差 は32㎜
であった。
程 度 の 精 度 を 持 つ 。 こ れ ま で の 実 験 で 得 られ た 値 よ り も 大 き
な 値 を示 し た 理 由 と して 、 ス テ ー ジ 誤 差 や 動 的 な 測 定 を 行 っ た 影 響 が 最 も大 き い と考 え られ る。 ま た 、 ア プ
ロ ー チ 速 度 は1.4オm/sec.に
対 して プ ロ ー ブ信 号 の サ ン プ リ ン グ レ ー トが200Hz程
度 で あ った た めサ ン プ リ ン
グ レ ー トを 上 げ る必 要 が あ る 。
次 に、様 々 な 傾 斜 角 度 を持 つ 面 に 対 して 座 標 測 定 を行 い 、傾 斜 面 に対 す る測 定 の ば らつ き を評 価 した 。
実験
先 ほ ど と同様 の プ ロー ブ条 件 を用 い た。 測 定 サ ン プル に はベ ア リング用 の超 硬 球(Ra:19㎜)を
用い
て 、頂 点付 近 の 断 面 の プ ロ フ ァイル を 測 定 した 。 それ ぞれ の場 所 で5回 測 定 を行 い 、 平 均値 と標 準 偏差 を算
出 した 。 平 均値 を検 出座 標 と し、得 られ た 測 定 値 に フィ ッ ティ ング を行 い断 面 プ ロ フ ァイ ル を推 定 し、 その
プ ロ フ ァイル か ら座 標 検 出点 の 面傾 斜 角 度 を求 めた 。
結果
測 定 され た座 標 を 図8.14(a)に示 し、 そ れ ぞれ の検 出 点で の ば らつ き を 同 図(b)に示 した 。 まず
超硬面
に対 して も高 精 度 に位 置 検 出が 行 えた 。 また 、40°以 上 の傾 斜 を持 つ 面 に対 して も同等 の測 定 精 度 を示 し
た 。 これ よ り、 上 記 プ ロー ブチ ュー ニ ング手 法 を用 い る こ とで 士30㎜ の精 度 で 座 標 検 出 プ ロ ー ブ と して 機 能
す る こ とが わか った。
これ まで 、 測 定 対 象 と して シ リ コ ン ウ ェ ハ や ベ ア リ ン グ 球 を 用 い た 。 そ れ ら の 表 面 粗 さ は20nmRaと
い 。 実 際 は 、 マ イ ク ロ金 型 は 数 十 ㎜ 一 数nmオ
粗 さ は 最 大100㎜
低
ー ダ で あ り[344]検 出 可 能 で あ るが 、 マ イ ク ロ ギ ア な ど の 表 面
程 度 に 達 す る 。 そ こ で 、 粗 い 面 を 持 っ た 表 面 に 対 して 位 置 検 出 の 繰 返 し精 度 を 評 価 した 。
実験
測 定 サ ン プル に は 超 硬 基 板 を 用 い 、 表 面 粗 さ は120nmRa、21nmRaの
SEM観
察 像 とAFMに
も の を用 い た 。 そ れ ぞ れ の 表 面
よ る 断 面 プ ロ フ ァ イ ル を 図8.15お よ び8.16に 示 した 。AFM計
測 に よ って 得 られ た 表 面 粗
Figure8.13:Dispersionofdetectedcoordinateforflatsurface.
Figure8.14:Detectionpropertyfortiltedsurface.
77
さ の 値 は 表8.3に 示 す。 表 に は 参 考 に シ リ コ ン ウ ェ ハ も併 記 し た 。 光 放 射 圧 プ ロ ー ブ は 本 質 的 に 光 学 現 象 に 基
づ い て い る 。 そ の た め 定 在 波 な どの 影 響 を 受 け る 。 そ こ で 、 表 面 の 散 乱 光 に 対 す る 位 置 検 出 特 性 を 評 価 す る
た め 、 正 反 射 光 成 分 の 割 合 も表8.3に 示 す。 また 、 こ の 値 はNd:YAGレ
ー ザ の 平 行 光 を 測 定 面 に 垂 直 入 射 し正
反 射 光 を 取 得 し た 。 同 レー ザ 強 度 の 入 射 光 に 対 し て の 正 反 射 光 成 分 の 強 度 を シ リ コ ン ウ ェハ の 値 で 正 規 化 し
て い る。 プ ロ ー ビ ン グ条 件 は 同 様 で あ り、5回 の 繰 返 し検 出 を 行 っ た 。
結果
測 定 さ れ た 座 標 値 の ぼ らっ き を 表8.3に 示 す 。 図 の よ う に 、 表 面 粗 さ21㎜Raの
ウ ェ ハ と 同 等 の 測 定 精 度 を 示 した 。120nmRaの
面 に 対 して は シ リ コ ン
粗 さ面 に 対 して も プ ロ ー ブ 球 振 動 の ダ ン ピ ン グ に よ る 測 定 面
の 位 置 検 出 は 可 能 で あ っ た 。 し か し な が ら86nmと
検 出 の ぼ らつ きが 大 き くな っ て い る 。 表8.3よ り、 こ の 面
で は 正 反 射 光 も ほ と ん ど な く表 面 光 散 乱 が 支 配 的 で あ る 。 こ の ス ペ ッ ク ル 光 が プ ロ ー ブ 球 に ラ ン ダ ム な 光 放
射 圧 を 作 用 し 、 座 標 検 出 性 能 が 低 下 し た と考 え ら れ る 。 光 を 用 い る場 合 、 金 属 面 ス ペ ッ ク ル は 常 に課 題 点 と
して 挙 げ られ る[118,122,123]。
そ の 上 で 、 本 プ ロ ー ブ で は 実 験 的 に 以 下 の 結 果 で あ っ た 。100mnRaオ
ー ダの
表 面 を 持 っ た 測 定 面 に 対 して は 位 置 検 出 精 度 が 低 下 す る現 象 が 見 られ た が 、 数 十 ㎜ の 表 面 に 対 して は 精 度 良
い位 置 検 出 が 可能 で あ った 。
8.53次
元 的検 出特 性
光 放 射 圧 プ ロ ー ブ を 用 い た3次 元 位 置 検 出 を 評 価 す る た め 、 粒 径 の 保 証 され て い る標 準 球 を 測 定 し た 。 用
い た ガ ラ ス 球 は 公 称 直 径 が 直 径553±17オmで
定 す る た め 、XとYの
標 準 偏 差 が29オmの
ソ ー ダ ラ イ ム ガ ラス で あ る。3次 元 形 状 を 測
両 方 向 に90° の 位 相 差 を 与 え 、 正 弦 波 励 振 した 。 こ の 時 、9章 で 後 述 さ れ る 方 法 に よ っ
て 、 振 幅 の 最 も小 さ い 値 を 検 出 し、 そ の 振 動 を 基 に 位 置 検 出 を 行 っ た 。 こ こ で ビー ム偏 光 は ラ ジ ア ル 偏 光 と
した 。2次 元 で 振 動 させ るた め 、 プ ロ ー ブ の 後 方 散 乱 光 の 検 出 に はQPDを
78
使 用 した 。 与 え た 振 動 振 幅 は300
Chapter8:Establishmentofprincipleforsurfacepositionsensing
㎜ 、 励 振 周 波 数 は1500Hzと
した 。 共 振 周 波 数 は2300Hzで
プ ロ ー ブ 球 を 位 置 させ 、 あ らか じ め 設 定 し たXYの
ロ ー チ し、 プ ロ ー ビ ン グ速 度 は5オm/sec.と
を 取 得 し た 。 座 標 を 検 出 す る とZ軸 上30オm上
LabVIEWを
あ る。 測 定 手 順 は 、 始 め に ガ ラス 球 の 中 心 付 近 に
測 定 点509点 で 測 定 を行 っ た 。 ア プ ロ ー チ はZ方 向 に ア プ
し た 。 振 動 振 幅 の し き い 値 を 初 期 振 幅 の50%と
して 、XYZ座
標値
方 に も ど り、 次 の 測 定 点 に 移 動 す る 。 こ の 手 順 に 基 づ い て
用 い た 完 全 自 動 計 測 と した 。 測 定 結 果 が 得 られ た 後 、 球 面 フ ィ ッ テ ィ ン グ 処 理 し、 球 の 中 心 点(x,
Y,Z)と 半 径Yを 推 定 す る 。 測 定 で 得 られ た 直 交 座 標 系 の 値 を 極 座 標 に 変 換 し、 極 座 標 系 で プ ロ ー ブ径 の4オmを
補 正 す る 。 補 正 さ れ た 測 定 点 の 値 を 直 交 座 標 系 に 変 換 し 、 再 度 球 面 フ ィ ッ テ ィ ン グ を 行 い 最 終 的 な ガ ラス 球
の 半 径Yを 測 定 した 。 式(8,8)に 直 交 一極 座 標 の 変 換 式 を 示 す 。
1醐
(8.8a)
賊1劑
(8.8b)
測 定 に要 した 時 間 は3時 問 で、 そ の 間 の環 境 温 度 変化 は最 大 で0.291°Cで あ っ た。 得 られた 結 果 を 図8.17(a)
に 示 す。 上記 の 方 法 に よって得 られ た ガ ラス球 の半 径 は565.47オmで
あ り、標 準 球 径553f17オmを
考 えて も妥
当 な 測 定 結 果 が 得 られ た 。 図8.17(b)(c)に得 られ たX軸 、Y軸 方 向 の断面 を示 す。 フィ ッ ティ ン グ に よって得 ら
れ た 球 面 との球 半 径 方 向 との 差 も 同時 に示 した。4章 の基 礎 実 験 で得 られ た値 と比 較 して も、振 動 プロ ー ブ
を用 い る こ とで 球 の表 面 を高 精 度 に測 定 可 能 で あ った 。 全 体 的 に士5オm程 度 フィ ッテ ィ ン グカ ー ブ との 差 が
見 ら れた 。 断 面 図 か ら もわか るが 、 す べ て の測 定 点 に置 いて 正 確 に座 標 測 定 が 行 えた とは い えず
ゴ ミな ど
の 表 面 散 乱 の影 響 や 定 在 波 の影 響 な どに よって、 大 き な誤 差 を持 った 検 出点 が あ る。 これ は本 プロ ー ブの感
度 が 高 く様 々 な影 響 を受 け取 るた めで あ る と考 え られ る。 総 じて 、 そ れ らの 誤検 出 点 も含 んで しま っ た た め
に、 ガ ラス 球 半 径 の測 定誤 差 な どが 発 生 して い る と考 え られ る。
Figure8.17:Three-dimensionalmeasurementofglasssphere.
79
8.6結
言
本 章 で は、 光 放 射 圧 振 動 プ ロ ー ブ を用 い た位 置 検 出原 理 を解 明 し、 高精 度 な 位 置 検 出 の た め の検 討 を行
い 、 最終 的 に標 準 ガ ラス球 の3次 元 座 標 測 定 を行 い3次 元 位置 検 出特 性 を 評価 した 。 以 下 に本 章 で得 られ た知
見 を示 す。
.振 動 プ ロ ー ブ は測 定 面 近 傍 で 振 動 減 衰 を 受 けて 表 面 の 位 置検 出 を行 うが 、 こ の振 動 減 衰 を 起 こす 原 因 は 、
測 定 面 近 傍 に存 在 す る水 蒸 気 層 に よ る プ ロ ー ブ球 に作 用 す る粘 性 抵 抗 力 の 増 大 で あ る こ とが わ か った 。 し
た が って、 本 振 動 プ ロ ー ブで は表 面 近 傍 で の ダ ン ピ ング効 果 を利 用 して表 面 位 置 を検 出す る。 また 、振 動
減 衰 は応 答 振 幅 が位 相 変化 よ りも急 峻 で あ り、 位 置 検 出 の分 解 能 は20㎜ 以 下 、 繰 返 し再 現 性 は13.7㎜(σ)
と高 感 度 検 出 が 可能 で あ った 。
.水 平 面 を 位 置検 出 す る際 、 測 定 面 か らの反 射 光 と捕 捉 レー ザ が干 渉 す る こ とで、 プ ロー ブ球 と測 定面 周 辺
に定在 波 の発 生 を確 認 した 。 この定 在 波 は 、 プロ ー ブ球 の位 置 変 動 を 引 き起 す、 プ ロー ブ の ぼ ね定 数 を変
化 させ るな どの影 響 を与 え る。
.プ ロー ブ励 振 条 件 として 、 ば ね 定 数 変 化 の 影 響 を受 け に くく、粘 性 抵 抗 係 数 変 化 の影 響 を 受 けや す い励 振
周 波 数 を検 討 した 。 解 析 に よ る推 定 を基 に 実験 に よ る検 証 を行 った 結 果 、 共 振 周 波 数 よ りも800Hz程 度低
い周 波 数 で 励 振 す る時 が最 もば らつ き の小 さ い検 出が 可 能 で あ っ た 。
.上 記 の励 振 条 件 に よ る表 面 位 置 検 出 の ば らつ き を評 価 した。 水 平 面 か ら40°の傾 斜 を持 っ 測 定 面 に対 して
約 士64㎜(2σ)の ば らっ きで 位 置 検 出 力§
可 能 で あっ た 。 本 プ ロー ブ で は表 面 粗 さカ100nmRa程
度の面であっ
て も位 置 検 出 可能 で あ った が 、 位 置 検 出の ば らつ きが 増 大 した 。
.本 手法 を用 い て、公 称径553士17オmガ
ラス 球 の3次 元 座 標 測 定 を行 った 。 本 プ ロ ー ブ を用 い て3次 元 座 標 測
定 可 能 で あ り、509点 の 座標 測 定 結 果 か ら得 られ たガ ラス 球径 は565.47オmで
あ っ た 。球 面 か ら数Fmの 誤 差
を 持 っ検 出点 も あ った が 、 本 プ ロー ブの 位 置検 出 原理 を用 い た 高 感 度 な座 標 検 出が 可能 で あ った 。
80
Chapter9:Probingtechniqueforsimultaneousmeasurementofsurfacepositionandangle
第9章
9.1緒
測 定 面位 置 お よび法 線 方 向 同 時測 定法
言
本 章 で は、座 標 測 定 にお け る新規 な プ ロー ビ ング手 法 を提 案 す る。 座 標 測 定 で は 、 測 定 後 プ ロー ブ径 補 正
が 必 要 で あ り、 検 出 され た 座 標 点 か ら プ ロー ブ球 の半 径 を プロ ー ブ検 出 ベ ク トル の 方 向 に補 正 す る[60]。光
放 射 圧 プ ロー ブ を応 用 し、測 定面 の位 置 と角度 を 同時 に測 定 可 能 な プ ロ ー ビ ン グ手 法 を提 案 す る。
9.2検
出原理
プ ロー ブ球 の 受 け るダ ン ピ ング効 果 の度 合 いが プ ロー ブ球 の振 動 方 向 に依 存 す る こ とを利 用 す る。 プ ロ ー
ブ球 を光 軸 に対 して水 平 面 内で 円軌 道 の公 転 運 動 させ 、測 定 面 接 近 に と もな う円軌 道 の歪 み を利 用 して測 定
面 位 置 と法 線 方 向 を測 定 す る。 位 置 検 出の 概 念 図 を図9ユ に示 す。 プ ロー ブ球 に 円軌 道 運 動 を与 え る た め、X
軸 とY軸 で90°位 相 の異 な る正 弦振 動 を与 え る。 つ ま り、X軸 、Y軸 に 沿 った プロ ー ブ球 の運 動 方 程 式 は
纏 や攤
牽叙 潔 一鱸s癬 鰄}簫
鑑 《凄
》
纏 や鵜 爵藕 贈 一糞融 撚 短)瓢
彗 く窰)
で あ る。 自 由 空 間 に お い て 粘 性 抵 抗 はStokes則 に 従 う とす れ ばDX=Dyで
の ば ね定 数 が等 しい 時駐
(9.1)
(9.2)
あ る 。 ま た 、 プ ロ ー ブ球 のX軸
とY軸
梅 とな る 。 ブ ラ ウ ン運 動 に よ る 影 響 は 無 視 で き る た め 、 プ ロ ー ブ 球 の 運 動 軌 道 は
円 形 を 描 く(基=丿(レ,ψ=goo)。 測 定 面 近 傍 で の 粘 性 抵 抗 係 数 は プ ロ ー ブ球 の 振 動 方 向 に依 存 して 変 化 の 程 度
が 異 な る た め 、 プ ロ ー ブ 球 が 測 定 面 近 傍 に 接 近 す る とDXは も は やDyと
は 異 な る 。 伴 っ て 、 応 答 振 幅 に も相
違 が 生 じ 、 運 動 の 軌 道 は 楕 円 形 と な る(孟 ≠Xy,ψ ≠90°)。 こ の 時 、 壁 面 に 対 して 垂 直 方 向 が 最 も粘 性 抵 抗 が
大 き い の で 振 動 減 衰 も最 大 と な り、 楕 円 の 短 軸 方 向 は 壁 面 垂 直 方 向 、 長 軸 は 壁 面 平 行 方 向 と な る。 こ の 楕 円
短 軸 の傾 き θは 、 次 式 で 表 さ れ る[169]。
8ヴ
欝
(9.,)
これ が 測 定 面 の 法 線 方 向 を表 す。 この角 度 を用 いて、 元 座 標 系(x,Y)を楕 円運 動 の長 短軸 に垂 直 な 座 標 系(x',
Y')に変 換 す る と、
;:=ROxY
,{(9.4)
とな る。 た だ し、Reは 変換 行 列 で あ る。 これ に よって 変換 され た測 定 面 垂 直 方 向 の 振 動 波 形浸㎜ を用 いて、
短 軸 方 向 の振 幅 を求 め 、測 定 面 の位 置 検 出 を 行 う。
9.3実
験装置
本 実 験 に 用 い た 装 置 に つ い て 述 べ る 。 レ ー ザ トラ ッ プ の 捕 捉 レ ー ザ にTEMooモ
Nd:YAGレ
ー ザ を 用 い た 。 対 物 レ ン ズ はNAO.95を
ロ ー ブ球 に は8μmの
シ リカ 球 を 用 い た 。Nd:YAGレ
用 い 、 焦 点 距 離1.8㎜
ー ザ はAOD通
ー ド、 波 長1064㎜
お よ び 作 動 距 離0.3㎜
の
で あ る。 プ
過 後 、 λ/4板 を用 い て 直 線 偏 光 か ら 円 偏 光 に
変 換 さ れ 、 ビー ム ス プ リ ッ タ ー で 反 射 後 、 対 物 レ ン ズ に 入 射 し プ ロ ー ブ 球 を 捕 捉 す る 。 位 置 検 出 の2次 元 平
面 内 の 等 方 性 を 重 視 す る た め 円 偏 光 を 用 い た 。 レ ー ザ 強 度 は 対 物 レ ン ズ 後 で250mWと
プ ロ ー ブ 球 の 制 御 に は2軸 制 御AODを
用 い て お り、AODと
な る よ う調 整 した 。
対 物 レ ン ズ の 後 ろ側 瞳 が 光 学 的 に 共 役 で あ る 。
レ ー ザ 偏 向 に よ り プ ロ ー ブ 球 は 焦 平 面 内 で2次 元 的 に 制 御 可 能 で あ る 。 ま た 、 リ レ ー レ ン ズ 中 央 の ピ ン ホ ー
ル でAODの
他 の 回 折 光 を 遮 断 して い る 。 プ ロ ー ブ球 の 位 置 測 定 用 光 源 に は 波 長633㎜
のHe-Neレ
ー ザ を用 い
81
Chapter9:Probingtechniqueforsimultaneousmeasurementofsurfacepositionandangle
て お り、 後 方 散 乱 光 の 検 出 はPSDを
さ れ るXYの2軸
軸XYZス
用 い た 。PSD直
ら出力
信 号 はPCに 取 り込 ま れ 処 理 さ れ る 。 ま た 、 測 定 サ ン プ ル は プ ロ ー ブ 捕 捉 用 対 物 レ ン ズ 下 の3
テ ー ジ に 設 置 さ れ る 。XYZス
ク は20オm、4mm、
前 の 干 渉 フ ィ ル タ で ノイ ズ 光 は 遮 断 さ れ 、PSDか
分 解 能 は5㎜
テ ー ジ は ピ エ ゾ と マ イ ク ロ メ ー タ に よ り微 動 、 粗 動 を 持 ち 、 ス トロ ー
、0.OSオmで
あ る 。 ス テ ー ジ のXY軸
移 動 に 関 して 、 マ イ ク ロ メ ー タ に よ る
粗 動 の 移 動 量 は 図9.2(b)に 示 す よ う に2つ の 電 気 マ イ ク ロ メ ー タ(分 解 能0.1オm)に
学 系 で 、 上 面 観 察 は 照 明 光 、 上 面CCD、
PSD(Positionsensitivedetector)は
よ っ て 測 定 され た 。 観 察 光
無 限 遠 補 正 顕 微 鏡 か ら な り、 側 面 観 察 は 顕 微 鏡 ユ ニ ッ ト を 用 い た 。
セ ンサ 面 内 の 光 量 の 重 心 を 電 流 出 力 す る 光 検 出 素 子 で あ る 。 光 を 受 光 す る
と光 電 流 を 発 生 し 、 そ の 位 置 と出 力 値 の 関 係 は 図9.3内 のXとYで
あ る 。PSDの
特 徴 は、 光 の 重 心 位 置 を 出力
す るた め 、 光 量 変 化 が 出 力 に 影 響 し な い こ とで あ る 。 本 プ ロ ー ブ で 光 量 が 変 化 す る 場 合 は 、 プ ロ ー ブ 球 の 光
軸 方 向 の 変 位 、 も し くは 測 定 面 か らの 反 射 光 の 再 入 射 で あ る 。 つ ま り、PSDを
用 い る こ とで こ れ ら の 影 響 を
排 除 し た 情 報 を 取 得 可 能 で あ り、 対 物 レ ン ズ 焦 点 面 内 で の プ ロ ー ブ 球 の 動 き の み を 観 察 可 能 と な る。
振動変化確認
Nd:YAGレ
ま ずPSDが
プ ロ ー ブ 球 の 平 面 内 振 動 を 測 定 可 能 で あ る か を 確 か め る 。 直 径8オmの
ー ザ で 捕 捉 し、AODに
よ る光 偏 向 で プ ロ ー ブ 球 に振 動 を与 え る 。X方 向 に 周 波 数100Hzで
シ リカ 球 を
振 幅500
㎜ を 与 え る 。 そ の 時 の 波 形 は 図9.4(a)に 示 す。 正 弦 波 振 動 に 対 して 精 度 良 くプ ロ ー ブ球 の 位 置 が 測 定 で き て
Chapter9:Probingtechniqueforsimultaneousmeasurementofsurfacepositionandangle
い る こ とが 確 認 で き た 。 次 に 、 こ のX軸
100Hzの
振 動 に 対 して 正 確 に100Hzが
プ ロ ー ブ 信 号 のFFT解
析 に よ る 周 波 数 成 分 を 図9.3(b)に 示 す。 周 波 数
確 認 で き た 。 最 後 に 、X軸
に 与 え る振 幅 を 変 え た と き の 応 答 振 幅 を 図
9.3(c)に 示 す。 入 力 変 化 に 対 して 線 形 に 出 力 信 号 が 得 ら れ て い る こ とが 確 認 で き た 。 ま た 、X方
てY軸
に も若 干 の値 が 出 て い る が 、 そ の 影 響 は 数%で
向振 動 に 対 し
あ っ た 。 同 様 にY軸 に 対 して も検 証 し、 正 確 な 振 動 を
測 定 可 能 で あ る こ とが 確 認 で き た(図9.9(d)一(f))。 また 、PSDのXY軸
の 検 出感 度 は ほ ぼ等 しいた め、 補正 は行
わ ず 出 力 を そ の ま ま プ ロ ー ブ信 号 と して 用 い た 。
9.4測
まず
定 原 理 の確 認
測 定 面 に対 して垂 直 方 向 と平 行 方 向 に振 動 させ た プ ロ ー ブ球 の振 動 変化 を確 認 す るた め、 周波 数 応
答 を取 得 す る。 垂 直 面 を持 つ シ リコ ン劈 開 面 に対 して プ ロ ーブ が水 平 に プロ ー ビ ング を行 う。 プ ロー ブ球 が
十 分 離 れ た 位 置 か ら徐 々 に接 近 させ 、 十分 遠 く、測 定 面 か ら11オm、6降
た 。 この時 の 振 幅 の周 波 数 応 答 の 変 化 を図9.5に示 し、1700Hzで
と測 定 面 に 十分 近 くの4点 で測 定 し
励 振 した ときの 応 答振 幅 変化 を図9,6に示
す。 測 定 面 に 対 して 垂 直振 動 の振 動 減 衰 が 最 も大 きい 。 つ ま りプ ロー ブ球 の振 動 減 衰 を2軸 で確 認 し、 比 較
す る こ とで プ ロ ー ブ球 と測 定 面 の位 置 関係 を知 れ る。
次 に、 円軌 道 の楕 円軌 道 へ の 変 化 す る こ とを実験 的 に確 か め る。原 理 確 認 の た め、 図9.4の 図 よ り最 も振
幅 減 衰 率 の大 き い共 振 周 波 数1800Hzで
励 振 した。 励 振 振 幅 を512㎜
とす る。 プ ロ ー ブ光 軸 に平 行 な面 を、X
Figure9.3:Positionsensingdetector.
繍
繭 畑 畑'.Y醐
(c)AmplitudelinearityforoscillationalongX-axis.
緲,蜘
嬢 鞭 鱒 醗 繊薩
(f)AmplitudelinearityforoscillationalongX-axis.
Figure9.4:ProbesignaldetectedbyPSDforoscillationalongeachX-orYaxis.
83
Chapter9:Probingtechniqueforsimultaneousmeasurementofsurfacepositionandangle
Figure9.5:Frequencyresponseofamplitudeonseveraldistancesfromsurface.
Figure9.6:Responseamplitudedecreasenearsurface.
Figure9.7:Probeorbitalchangedur血9Probing・
軸 負 か ら正 方 向 に接 近 させ た 時 の プ ロ ー ブ の軌 道 変 化 を確 認 す る。 測 定 面 と して シ リコ ン ウ ェハ の劈 開面 を
用 い た 。 軌 道 の 変 化 を図9.5に 示 す。 プ ロー ブ振 動 は測 定面 が接 近 す る と面 垂 直 方 向 の振 動 が特 に減 衰 され 、
円軌 道 が 楕 円 に近 づ く。 短 軸 は測 定面 と垂 直(X軸 に平 行)な 方 向 で あ った 。
9.5位
置 お よ び 法 線 方 向 同 時 測 定
9.5.1プ
ロー ブ 励 振 条 件
8章 の1方 向振 動 で は 、 ば ね 定 数 変 化 の 影 響 を避 け、粘 性 抵抗 係 数 の 変 化 に よる位 置 検 出 を行 うた め、 共 振
周 波 数 よ りも800Hz程 度 低 い 周 波 数 で 励 振 した 。2次 元 振 動 で は プ ロー ブ球 の運 動 軌 道 変化 を基 に面 測 定 す
る。 そ こで、2次 元 振 動 プ ロ ー ブ の精 度 を高 め るた め、 再 度 励 振 条 件 に つ い て考 え る。 共 振 周 波 数 よ りも800
Hz低 い周 波 数 励 振 で プ ロー ビ ング す る とき 、 ダ ン ピ ング効 果 に よ り応 答 振 幅 と位 相 は共 に 変 化 す る(式
(7,12))。法 線 方 向測 定 に は式(9.3)より振 幅 お よ び位 相 を用 い る。 こ こで注 意 すべ き こ とは 、 励振 周 波数 に
よって プ ロ ー ビ ン グ中 の 角度 履 歴 が 異 な る こ とで あ る。 図9.8に共 振 周 波 数1800Hzの
プ ロ ー ブ を様 々 な励振
周 波 数 で プ ロー ビ ン グす る時 の 測 定 角 度 履 歴 を示 す。 式(8.2)と式(7.12)を用 い て解 析 的 に 求 め た 。 すべ て 最 終
的 に0°に収 束 す るが 、 プ ロー ピ ング過 程 に示 す値 が 異 な る。 これ が 測 定 誤 差 を生 む と考 え られ る。
実験
励 振 周 波 数 に依 存 す る面 法 線 方 向 測 定 の 誤 差 につ いて検 討 す る。 プ ロ ー ブの共 振 周 波 数 は1960Hz
で 、 励振 周 波 数 を1800Hz、1910Hz、1960Hz、
振 幅 は512㎜
と した。 垂 直面 に対 して0°の 方 向(X軸 方 向)
か ら水 平 に プ ロ ー ビ ング した 時 の 面 角 度 を測 定 す る。 測 定面 は シ リ コ ン ウ ェハ の 劈 開 面 を用 い 、 ピエ ゾス
テ ー ジ に設 置 した測 定面 を20㎜ 間 隔 で プ ロ ー ブ球 に接 近 させ 、短 軸 角 度 を求 めた 。
結果
図9.9に実 験 結 果 を プ ロ ッ トで解 析 値 を 実線 で 示 す。 図 の よ うに測 定値 は、 共振 周 波 数 励 振 の とき は遠
方 か ら平 均 的 に0°で あ るが、 励 振 周 波 数 が共 振 周 波 数 よ りず れ る と検 出角 度 がず れ る。約160Hzだ
84
け共振 周
Chapter9:Probingtechniqueforsimultaneousmeasurementofsurfacepositionandangle
Figure9.9:Experimentalresultofsurfaceangle
Figure9.8:Measurementpropertyofsurfaceangle
measurementproperties.
withvariousoscillath19丘equencies.
波 数 か らず れ た 励 振 周 波 数 で は最 終 的 な測 定 結 果 に も誤 差 が生 じて い る。 この よ うに解 析 解 と実 験 値 は 定 量
的 に はmが
見 られ な い が 定性 的傾 向 にはmし
、 この影 響 が 励 振 周 波 数 に よ る もので あ る こ とが わ か る。
この誤 差 原 因 と して 、測 定 値 として現 れ る角 度 は 、単 純 な測 定 面 か ら受 け る粘 性 抵 抗 に よ る軌 道 変化(振
幅変 化)に 加 え て、位 相 遅 れ も同時 に変 化 す るた め で あ る。 共振 周 波 数 で 励 振 した とき は、 式(7.12)や図8.10
よ り、粘 性 抵 抗 が 変化 して も位 相 がπで あ り、 式(9.2)のcoshが 一 定 で あ る。 した が って 同 式 中の 角 度0の 変 化
を単 純 な振 幅 変 化 と して 扱 え、 測 定 誤 差 が 少 ない と考 え られ る。 よっ て、 本実 験 で は以後 、励 振 条 件 と して
励 振 周波 数 は共 振 周 波 数 に合 わ せ た 。
9.5.2測
定性能評価
これ まで の測 定 原 理 を励 振 条 件 を用 いて、 基 礎 測 定 を行 い本 提 案 プ ロ ー ブの測 定面 の位 置 と法 線 方 向測 定
の性 能 を評 価 した 。
測 定 面位 置 検 出
プ ロ ー ブ光 軸 垂 直平 面 内 に お いて シ リ コ ン劈 開 面 の 角 度aを0° 、 つ ま りX軸 と平 行 とし 、
この 面 の 位 置 検 出 を行 う こ とで2次 元 振 動 プ ロ ー ブの 位 置 検 出特 性 を調 べ た。 ピエ ゾス テ ー ジ を用 い て50㎜
間 隔 で 測 定 面 を プ ロ ー ブ に接 近 させ 、 各 点 に お いて 短軸 長 さの50回 平 均 と標準 偏 差 を 求 め た。 プロ ー ブ の励
振 条 件 は励 振 周 波 数 が共 振 周 波 数 で あ る1800Hz、 振 幅 が512㎜ で あ る。 測 定 した短 軸 長 さ の変 化 を 図9.10
に示 す。 測 定 面 へ の接 近 に よ る短 軸 長 さの 減 衰 が 確 認 で き た 。 また 、検 出 点近 傍 にお いて 短 軸 長 さ の変 位 は
ほぼ 線 形 と見 なせ 、 この 傾 きか ら見 られ る プ ロー ブ の検 出 感 度 は0.018オm/nmで
あ った 。 これ は 測 定面 との
距 離 が18㎜ 変 化 す る とプ ロー ブ の短 軸 長 さ が1㎜ 変 位 こ とを意 味 す る。 振 動 プ ロー ブ の短 軸 長 さ の ば らっ
きが1.1㎜ で あ るた め、 プ ロ ー ブの 位 置検 出分 解 能 は39㎜
と見 積 もれ る。 また 、 短軸 長 さ65nmを
しき い値
と して、8回 の 繰 返 し検 出 の結 果 、 最 大 誤 差 は42㎜ 、 そ の 標 準 偏 差 は13㎜ で あ っ た。
測 定 面 法 線 方 向測 定
測 定面 法 線 方 向測 定 に つ いて 調 べ た 。実 験 の条 件 は先 ほ ど と同 様 で あ る。 た だ し、 測
定 面 の角 度aは1° 、12°、23°、32°、43° と し、 これ は上 面 観察CCDで
取得 画像 か ら求 め た。 短 軸 長 さ65皿1
を閾 値 と して、 検 出 時 の測 定 角 度 を測 定 面 角 度 とした。 検 出点 か ら3オmmれ
た 位 置 か らの面 法 線 方 向検 出特
性 を 図9.10に 示 す。 測 定 面 法 線 方 向 と2次元振 動 プ ロー ブ の 測 定 した 角 度 を表9.1に ま とめ る。 特 徴 と して 、
数 μm遠 方 か らで も測 定 角度 を正 確 に示 して お り、測 定 精 度3°で 測 定 が 可 能 で あ った 。 また 、1°傾 い た面 に
対 して8回 の繰 返 し測 定 を行 った 結 果 、 法 線 方 向 測 定 の ば らつ きの 最 大 値 は2.4°で 標 準 偏差 は0.8°で あ っ た。
以 上 よ り、2次 元 振 動 プ ロー ブ を用 い た測 定 面 の位 置 と法 線 方 向 測 定 の 可 能 性 を示 した 。 位 置 検 出 で は、1
次 元 振 動 プロ ー ブ よ りも若 干 の感 度 の低 下 が 見 られ たが40㎜
の分 解 能 を示 す こ とが で きた 。 また 、 法 線 方
向測 定 は数 ゜
の 誤 差 が発 生 し精 密 計 測 にお い て正 確 で あ るか は議 論 す る と ころで あ るが 、測 定面 の 方 向 を 遠
方 か ら知 る こ とが 出 来 る とい う機 能 は、 プ ロー ブ径 補 正 の み な らずCMMに
お い て 測 定戦 略 上 有用 で あ る。
た だ し、本 研 究 で 提 案 した 手 法 は2次 元 方 向の 法線 方 向 を測 定 す る もの で あ り、3次 元 プロ ー ブ と して は更
な る振 動 の 工 夫 が 求 め られ る。
85
Chapter9:Probingtechniqueforsimultaneousmeasurementofsurfacepositionandangle
轡 倉譲軈
驪 篝鯰da轟 馨絶 芝
鈍9.韮
韓輔 雛 讎a噂
εr縦 韓鶏.}
9.62次
233243
zlz
233i4心
磯 磁9.1
1三2
4愈
Oi3
元 座標 測 定
光 放 射 圧 プ ロ ー ブ の 座 標 測 定 性 能 を 検 証 す る た め 、2次 元 振 動 を 用 い たXY軸
測 定 対 象 と して 、NISTト
実験
レ ー サ ブル な 直 径 約...4オmの
の2次 元 座 標 測 定 を 行 っ た 。
ソ ー ダ ラ イ ム ガ ラス 球 の1断 面 を 測 定 した 。
プ ロ ー ブ 球 は 固 定 しガ ラ ス 球 を 相 対 的1こ移 動 させ る 。 プ ロ ー ブ 励 振 条 件 は 励 振 振 幅512㎜
周 波 数2000Hz@共
振 周 波 数 と し た 。 こ れ まで 同 様 、 検 出 の し き い 値 は64㎜
軸 角 度 を測 定 し た 。 ガ ラ ス 球 の 測 定 位 置 は最 大 直 径 と な る よ う、CCD像
置 に 設 定 し た 。 プ ロ ー ビ ン グ 方 向 はY軸 方 向 と し、X軸
は50オm間
と し、励 振
と して 、 そ の 時 の 短 軸 長 さ と短
か らガ ラス球 の ほ ぼ赤 道 上 とな る位
隔 で 測 定 した 。 ま た 、 本 測 定 で は 座 標 値 の
ス ケ ー ル と して 、 マ イ ク ロ メ ー タ を 用 い て い る た め 、 高 い 測 定 精 度 は 保 証 で き な い 。 そ こ で 、 ま ず 、1点 を11
回 繰 返 し測 定 し、 どの 程 度 の 繰 返 し精 度 が 得 ら れ る の か 検 証 し た 。 し き い 値 は これ ま で と 同 様 で65㎜
た 。 そ の 結 果 、 繰 返 し の 最 大 誤 差 は0.58オm、
結果
標 準 偏 差 は0.19オmで
とし
あ った 。
上 記 条 件 で ガ ラス 球 の 断 面 形 状 を 測 定 し た 。 図9.12(a)に 測 定 座 標 値 とそ こ か れ 得 ら れ た フ ィ ッ テ ィ ン
グ 円 を 示 す。 ま た 同 図(b)に 測 定 座 標 と フ ィ ッ テ ィ ン グ 円 と のY軸 座 標 値 の 偏 差 を 示 す 。 偏 差 を 見 る と最 も外
側 で は 傾 斜 角 度 が 大 き い た め 相 対 的 に 誤 差 が 大 き くな っ て い る が 、 角 度 が 浅 い 部 分 に 関 して フ ィ ッ テ ィ ン グ
円 と の 偏 差 は ±1オm以
内 に 収 ま って お り、 本 位 置 検 出 手 法 が 機 能 して い る こ とが 確 認 で き た 。 次 に 、 各 座 標
検 出 点 で 測 定 した 法 線 角 を 図9.12(c)に 示 す。 比 較 対 象 と して 、 位 置 検 出 に よ っ て 得 ら れ た フ ィ ッ テ ィ ン グ 円
を 用 い 、 測 定 結 果 と の 偏 差 を 同 図(d)に 示 した 。 測 定 面 の 角 度 に よ らず
86
法 線 角 度 を測 定 す る こ とが で きた 。
Chapter9:Probingtechniqueforsimultaneousmeasurementofsurfacepositionandangle
Figure9.12:2Dcoordinatemeasurementusingcircularmotionprobing.
ま た 、 フ ィ ッ テ ィ ン グ 円 と の 差 は 最 大 で4.9° 、 絶 対 値 平 均 で2.0° で あ り 、 上 の 基 礎 実 験 で も 見 ら れ た よ う
に 、 現 状 数 ゜の 正 確 さ に と ど ま り は し た が 、2次 元 振 動 プ ロ ー ブ の 原 理 の 検 証 は 出 来 た 。
9.7結
言
本 章 で は、測 定 面近 傍 で プ ロー ブ球 が受 け る粘 性 抵 抗 係 数 変 化 の プ ロー ブ振 動 方 向 異方 性 を利 用 し、2次
元 的 に振 動 させ た プ ロー ブ球 に よ る測 定 面 の位 置 を法 線 方 向 の 同 時計 測 手法 を 提 案 した 。 以 下 に得 られ た 知
見 を 示 す。
・粘 性 抵 抗 力 の 振 動 方 向 異 方性 を確 認 した 。 測 定面 に垂 直 振 動 は平 行 振 動 よ り も強 くダ ン ピ ング効 果 を受
け、 大 き な振 動 減 衰 を受 けた 。2次 元 の 円軌 道 を持 つ プ ロー ブ を測 定 面 に接 近 させ た ところ、 円軌 道 が 歪
み 楕 円 軌 道 に な り、検 出原 理 の確 認 が 出来 た 。
・励 振条 件 につ い て検 討 し、 測 定面 法 線 方 向測 定 の誤 差 低 減 の た め 、 粘 性 抵抗 係 数 の変 化 を受 け て も位 相 が
変 化 しな い 共 振 周 波 数 を励振 条 件 にす る こ とで、 正 確 な 面法 線 方 向 測 定 が 可 能 で あ る こ とを確 か めた 。
・シ リコ ン ウ ェハ の壁 か い面 を 測 定 した 結果 、 位置 検 出 の 分 解 能 は39㎜ 、 繰 返 し再 現 性 は13㎜ で あ った 。
また約10° 間 隔 の5種 類 面 法 線 角 度 を測 定 した とこ ろ、±1.5°
の精 度 で 繰 返 し再 現 性 は0.8°で あ った 。
・標 準 ガ ラス球 の1断 面 を2次 元 座標 測 定 した 。 サ ブ 脚 の 精 度 を持 つ ス テ ー ジ を用 いて 測 定 した 結 果 、 今 後 の
高 精 度化 は必 要 で あ るが 、 本 手 法 を用 いた 位 置 と法 線 方 向 の 同時 測 定 の有 用 性 を示 した 。
87
第10章
結論
本 研 究 で は、 数 ミ リメ ー トル 以 下 の微 細 な部 品 の3次 元 幾 何 形 状 を評 価 可 能 な ナノCMMの
主要構成要素で
あ るマイ ク ロ プ ロー ブ に関 して 、 レー ザ トラ ップ技 術 に よって 光 放 射 圧 で 空 間 に捕 捉 され た 球 状 シ リ カ微粒
子 を プ ロ ー ブ球 とす る、 従 来 とは本 質 的 に異 な る原 理 を用 い た 光 放 射 圧 プ ロ ー ブ を提 案 す る もの で あ る。 本
論 文 で は 、"本 提 案 プ ロ ー ブ を用 いて 測 定 面 の位 置 を検 出可 能 か"と い う最 も根 源 的 な課 題 解 決 に始 ま り、直
径8μmの シ リカ球 と測 定 面 と間 のマ イ ク ロ1ナノメ ー トルス ケ ー ルで 発 現 す る現 象 理 解 、 プロ ー ブに よ る位 置
検 出 の 高 感 度化 に取 り組 んだ 成 果 を ま とめて い る。 以下 、本 論 文 で述 べ た 内 容 を総 括 す る。
1章 「
緒 論 」 で は、 マイ クロ加 工 技 術 の 発 展 に伴 い現 れ て き た ナノメ ー トルオ ー ダの3次 元 形 状 計 測 の必 要
性 を述 べ 、 その 中で ナノCMMの
位 置 づ け を 明 らか に した。 ま た、 ナノCMMお
よび マ イ ク ロ プ ロー ブ の世 界
的 な 開 発 動 向 を ま とめ 、 マイ ク ロ プ ロー ブ開発 で 解 決 すべ き課 題 点 を挙 げ、満 足 すべ き要 求 に つ いて 提 案 し
た 。 最 後 に本 研 究 の 目的 を述 べ た 。
2章 「レ ーザ トラ ッ プ技術 」 で は まず、1970年 か ら始 まっ た レー ザ トラ ッ プ技 術 進 展 を総 括 した。 次 に、
光 放 射 圧 の理 論 を与 え 、 レー ザ トラ ッ プ の基 本 的 な原 理 を述 べ た 。
3章 「
数 値 解 析 に よ る光 放 射 圧 プ ロー ブの 特 性 評価 」 は、 目的 に応 じた2つ の数 値 解析 シ ミ ュ レー タ を開発
し、 プ ロ ー ブ球 に働 く光 放 射 圧 を解 析 した 。 ま/¥自
由空 間 で 捕 捉 され た プ ロ ー ブ球 に作 用 す る光放 射圧 を
光 線 追 跡 法 を用 い て解 析 した 。 プロ ー ブ球 に作 用 す る トラ ップカ お よび ばね 定 数 の オ ー ダ は それ ぞれ 数 百
pN、 数 十オN/mで あ っ た。 また 、光 源 の持 つ 性 質 が レー ザ トラ ッ プ に与 え る影 響 を検 討 し、 輪 帯 ビー ム お よ
び ラジ ア ル偏 光 の 光軸 方 向 トラ ップ効 率 へ の効 果 を見 い だ した。 これ に よって 、 ラジ ア ル偏 光 を用 い て ば ね
定 数 の ば らっ き を8%以 下 に抑 え る こ とが で き、3次 元 等 方 性 の 改 善 に期 待 が 持 て る。 次 に、 プ ロー ビ ング 中
に プ ロー ブ が体 験 す る、 光 散 乱 場 の 乱 れ が 与 え る影 響 につ いてFDTD法
を用 い て解 析 した 。 測 定 面 か らの反
射 光 に よ る外 力 で 、 プR一 ブ球 は測 定面 とは 逆 方 向 に押 し戻 され る。 また 、 プ ロー ビ ン グ中 シ ャ ドウ効 果 に
よって 、安 定 な 捕捉 位 置 が 変 化 す る。 この よ うな測 定 中 に遭 遇 す るで あ ろ う状 況 で 、 プロ ー ブ球 が変 異 す る
とい う現 象 を確 認 す る こ とが で きた 。
4章 「
位 置 検 出基 礎 実 験 」 で は 、光 放 射 圧 プ ロー ブ の位 置 検 出 の可 能 性 を確 か め るた め 、 シ ンプル に プ
ロー ブ球 を 測 定 面 へ 近 づ け、 プ ロー ブ球 が受 け る影 響 を評 価 した。 結 果 、"何 らか"の 力 学 的 作 用 に よ って プ
ロー ブ球 に200㎜ 程 度 の変 位 が 生 じ、 そ れ をLinnik干渉 計 で測 定 可 能 で あ り、本 プ ロー ブ を用 い た測 定 面 の
表 面 位 置 を検 出可 能 で あ った 。 次 に、 プ ロー ブの高 感 度 化 を達 成 す るた め、 光 軸 方 向 も し くは光 軸 垂 直 方 向
(横方 向)に プロ ー ブ球 を振 動 させ る振 動 プロ ー ブ を提 案 した 。 振 動 プ ロ ー ブ を用 い る こ とで 、振 動 方 向 に関
わ らず
測 定面 の近 傍 で プ ロー ブ球 の振 動 減 衰 が確 認 で きた 。 その検 出 感 度 は25㎜ 以下 で あ り、 プ ロー ブ
球 に微 小 振 動 を与 え る こ とで、 高 感 度 化 を実 現 した。
5章 「プ ロー ブ シス テム設 計 お よび試 作 」 で は、振 動 プ ロー ブ が測 定 面 近 傍 で 受 け る作用 力 を詳 細 に調 査
し、 その マ イ ク ロス ケ ー ルで 起 き る現象 を理 解 す る こ とを念 頭 に、 光 放 射圧 プ ロー ブ シス テム の 設 計 と試 作
を行 っ た 。 設 計 の 要 点 とな る の は、(1)高 精 度 な プロ ー ブ球 の位 置 制 御 、(2)高 精 度 な プロ ー ブ球 の位 置 測
定 、 お よび(3)高 効 率 な プ ロー ブ球 の捕 捉 で あ る。(1)に関 して 、 捕 捉 レーザ の焦 点 位 置 を シ フ トす るた め に
AODを
用 い た 。AODは
たAODの
高 い応 答 周波 数 を 持 ち横 方 向 に数 十㎜ の分 解 能 で プ ロー ブ球 を制 御 可 能 で あ る。 ま
回 折効 率 を制 御 す る こ とで プ ロ ー ブ球 の 光軸 方 向 の位 置 制御 も可 能 で あ る。(2)に関 して、 プ ロー ブ
球 が 測 定 面 近傍 で 受 け る微 小 な作 用 力 の影 響 を高 精 度 に測 定 す る必要 が あ る。 そ のた め、 プ ロ ー ブ球 か ら放
た れ る後 方 散 乱 の光 量 をPDで 受 光 し、 プ ロ ー ブ球 位 置 を測 定 す る。 光 軸 方 向 も し くは横 方 向 に プ ロー ブ球 が
変 位 す る時 の後 方 散 乱 光 の変 化 を検 出可 能 な 位 置 にPDを 調 整 す る こ とで、 高 分 解 能 な プ ロ ー ブ位 置測 定 が
出来 る。 ま た、 外 乱 に よ る影 響 を取 り除 くた め 、 ロ ッ クイ ン検 出 を用 いて 参 照 周 波 数 に 同期 した特 定 の 周 波
数 の プ ロ ー ブ信 号 を得 る。(3)の高効 率 な 捕 捉 に関 して 、3章 で得 られ た 結 果 か らラ ジ ア ル偏 光 が 光軸 方 向 ト
88
Chapter10:Conclusion
ラ ッ プ効 率 に効 果 的で あ る。 そ こで 、本 研 究 で も ラ ジ アル 偏 光 ビー ム を用 い た。 以 上 、設 計 され た プ ロ ー ブ
シス テ ム を試 作 し、450㎜(田
・141㎜(D)・230㎜(W)の
小 型 プ ロー ブユ ニ ッ ト作 成 した 。
6章 「
座 標 計 測 シス テ ム設 計 お よび試 作 」 で は、5章 で 試 作 した プ ロー ブユ ニ ッ トを搭 載 可 能 な座 標 測 定 シ
ステ ム を設 計 した 。 マ イ ク ロ プ ロー ブの性 能 を評 価 す るた め に は、数 十㎜ オ ー ダ以 下 の繰返 し精 度 や 位 置 決
め精 度 が必 要 とな る。 駆 動 に は シ ャ フ トモ ー タ、 ガ イ ドに は高 精 度 に加 工 さ れ た ク ロス ロ ー ラガ イ ド、 お よ
びス ケ ール と して分 解 能0.14㎜ の リニ ア スケ ール を 採用 した 。 ヘ テ ロ 摺
ン干 渉 計 を用 い て リニ アス ケ ー ル
値 の 校 正 お よび ス テ ー ジ運 動 精 度 の評 価 を行 っ た結 果 、 数 十 ナ ノメー トルオ ー ダの 運動 精 度 が保 証 され た 。
7章 「
光 放 射 圧 プ ロー ブ の振 動 特 性 」 で は、 位 置検 出 に 関 わ る振 動 プ ロ ー ブの基 本 的 な特 性 を 評価 した 。
始 め に 、光 放 射 圧 として 最 も基礎 的 な機 能 で あ るプ ロー ブ球 の捕 捉 方法 と トラ ップ効 率 を評 価 した。 捕 捉 方
法 に 関 して、 プ ロ ー ブ球 と基 板 の吸 着 力 を低 減 す る とい うア プ ロ ーチ で 、 プ ロー ブ球 表 面 に疎 水 性 コー テ ィ
ング を施 し数 百 ㎜ の 溝 構 造 を も った 超硬 基板 を用 い た 。 結 果 、85%と い う高 確 率 で 任 意 の プ ロ ー ブ球 を捕 捉
可能 な技 術 を実 現 した 。 光軸 方 向 トラ ッ プ効 率 に関 して 、 ラジ アル偏 光 の効 果 を確 認 し、 直線 偏 光 ガ ウ シ ア
ンビー ム に比 べ25倍 に改 善 され た 。次 に 、振 動 プロ ー ブ の運 動 や プ ロ ー ビ ング時 に発 生 す る現 象 を理 解 す る
た め 、振 動 プ ロ ーブ球 の力 学 モ デル を提 案 した 。 レ ーザ トラ ップ され た プ ロー ブ球 の ブ ラウ ン運 動 は
Langevin方 程 式 で 表 現 され る こ とが よ く知 られ て い る。 これ に強 制 振 動 系 を加 えた 、バ ネ ダ ンパ 系 の運 動 方
程式 を提 案 し、 実 験 的 に取 得 した プ ロー ブ振 動 の周 波数 応 答 と比較 した 結果 、 良 くmし
、 モ デル の有 効 性
を確 認 した 。 この力 学 モ デル に従 って ばね 定 数 の 測 定 を行 った 結 果 、 ラ ジ ア ル偏 光 を用 い る こ とで3次 元 的
な ば ね 定 数 の ば らつ き が14%と 出来 た。 ま た レーザ の強 度 を変 化 させ る こ とで50か ら150オN/mの
間で横 方向
ばね 定 数 を変化 させ る こ とが で き、 ば ね 定数 の 安定 性 は0.32オN/(m・mW)と 高 い 。一 方 で、 プ ロ ー ブ振 動 は粘
性抵 抗 係 数 を変 化 に感 度 良 く応 答 す る こ と も明 らか と した 。
8章 「
位 置 検 出原 理 の検 証 」 で は、 プ ロー ブ振 動 減 衰 の 現 象 を詳 細 に検 討 した 。 プロ ー ブ球 が測 定面 近 傍
で受 け る粘 性 抵 抗 力 に着 目 し、 プ ロ ー ブ振 動 減衰 を 評価 した。 まず
測 定面 か らCオmの
近 傍 で 粘性 抵 抗 係 数
が 急 峻 に変 化 す る現 象 を見 い だ した 。 次 に プ ロ ー ブ振 動 減 衰 を確 認 した と ころ、振 幅 が 減 衰 し位 相 が遅 れ る
とい う"ダン ピ ング効 果 に よる位 置検 出原 理"を 明 らか に した 。 特 に振 幅 で は分 解能 が10㎜ 以 下 と高 い分 解
能 を 示 す こ とが で きた 。 一 方 で 、水 平 な測 定 面 か らの反 射 光 に よって 発 生 す る定在 波 が プ ロー ビ ン グ精 度 を
低 下 させ る働 き を受 け、 そ の克 服 を検 討 した 。定 在 波 は プ ロー ブ球 に外 力 を与 え、 プ ロ ー ブの ばね 定 数 に変
化 を 与 え る。 プ ロ ー ブの励 振 周 波 数 に着 目 し、粘 性 抵 抗 に よ る ダ ン ピ ン グ効 果 を受 けや す く、 ば ね 定 数 に よ
る影 響 を受 け に くい周 波 数 帯 域 を選 択 し、 位 置 検 出 実験 を実施 した 。 その結 果 、共 振 周波 数 よ りも800Hz程
度低 い周 波 数 で 励 振 す る と、 測 定面 の傾 斜 角 度 に関 わ らず ±30㎜ 程 度 の ば らっ きで測 定面 の 表 面 位 置 の検 出
を行 う こ とが 出来 た。 最後 に 、 直径 約550オmの
ガ ラス 球 の座 標 測 定 を通 して3次 元 マイ ク ロ プ ロ ー ブ と しての
有用 性 を確 か め た 。
9章 「
測 定 面 位 置 お よび角 度 同 時測 定 法 」 で は、 前 節 で 明 らか に な った ダ ン ピ ング効 果 に関 して、 プ ロ ー
ブ球 の振 動 方 向 に よって そ の影 響 の度 合 い が 異 な る こ とを利用 して、 測 定 面 の位 置 と法 線 方 向 が 同 時 測 定 可
能 な 手 法 を提 案 した。2次 元 の プロ ー ブ球 位 置 制 御 に よ り円軌 道 を描 く。 そ の2次 元 振 動 プロ ー ブで プ ロ ー ビ
ング す る と、 円 軌 道 が 楕 円軌 道 にな り、測 定 面 の 位 置 を面 法線 方 向 を測 定 で き る。 この プ ロ ー ビ ング手 法 を
評価 した 結 果 、 位 置検 出分 解 能39㎜ 、 角 度 測 定精 度Ll.5° を実 現 した 。 また2次 元 の座 標 計 測 を通 して 、位
置 と角 度 の 同時 測 定 手 法 の 有効 性 を示 した 。
本 論 文 で は、 従 来 の 提 案 されて い る プ ロー ブ に比 べ て 非 常 に"や わ らか い"プ ロ ー ブ を用 いて 、表 面 位 置検
出 に対 す る調 査 を遂 行 した 。m的
に は、 高 い分 解 能 と精 度 で 位 置 検 出 を行 うた め に は、 プ ロ ー ブの 持 つ ば
ね定 数 は高 くな けれ ば な らな い 、 とい う常識 に反 す る プ ロ ー ブで あ る。 しか しな が ら、従 来 の"堅 い"プ
ロー ブで あ れ ば検 出困 難 で あ る、 水 蒸 気 層 の ダ ン ピ ング効 果 に よる測 定 面 との相 互 作 用 力 が 検 出可 能 で あ る
とい う こ とを見 い だ し、 そ の現 象 を用 い る こ とで数 十㎜ 以 下 の 分解 能 を達成 す る こ とが 可 能 で あ った 。 ま
89
た 、 この ダ ン ピ ン グ効 果 が プ ロ ーブ振 動 に 対 して 異 方 性 を持 つ こ とを利 用 して、従 来 に無 い 測 定面 の 位 置 お
よ び法 線 方 向 を 同 時 に 測 定 可 能 な プ ロー ブ 手法 を 開発 した 。 この よ うに、 マ イ ク ロメ ー トル オー ダで 特 に顕
著 に な るダ ン ピ ング効 果 を うま く利 用 す る こ とで 、"や わ らか い"プ ロー ブ で も高 分 解 能 検 出 が 可 能 で あ り、
ま た新 た な表 面 検 出 手 法 を提 案 で きた 。
本 研 究 で提 案 した マ イ ク ロ プ ロー ブの今 後 の課 題 につ いて 述 べ る。 ま/¥位
置 検 出 の確 か さで あ る。 本 プ
ロ ー ブ は測 定 面 の光 学 的特 性(例 え ば 、光 沢 面 か らの ス ペ ッ クル お よび 、 表面 ス ク ラ ッチ や ゴ ミか らの ノイ
ズ光 な ど)に 対 して 敏 感 で あ る。 この 影 響 が プ ロ ー ブ球 に ラ ンダ ムカ を与 え、 分解 能 や検 出 精 度 、 お よび誤
検 出(表 面 付近 で な い の に振 動 が 変化 す る)に 対 す る ボ トル ネ ッ ク とな って い る。 よって 、 これ らの不 可 避 な
影 響 に対 して 鈍 感 に振 舞 う条 件 を求 め、 か つ 粘 性 抵 抗 係 数 に対 して 高 感 度 な検 出 を行 う こ とが望 ま しい 。 そ
れ が 可 能 とな れ ば、100nmRa以
上 の大 きな表 面粗 さの 測 定 面 に対 して も位 置 検 出 を高 精 度 に行 え、 位 置 検 出
の 分解 能 は数nmに 達 す る こ と も可 能 で あ る と思 われ る。次 に 、 プ ロー ブ球 の落 下 に関 す る問題 で あ る。
シ ャ ドウ効 果 に代 表 され る よ うに プ ロ ー ブ球 周 辺 の 電 磁 場 が 著 し く変 化 す る場 合 、 も し くは 空気 の 乱 れ が大
きい 場 合 、 プ ロ ー ブ球 は レー ザ トラ ッ プか ら外 れ て落 下 す る。 一 旦 、 測 定 物 の 凹 面 に プ ロー ブ球 が 落 下 す る
と取 り除 くこ とは難 し く、 測 定 物 汚 染 につ な が る。 この課 題 は、 ナ ノCMMの
マイ ク ロ プ ロ ー ブ と して 本質 的
な 課 題 とな り、 これ に よって 測 定対 象 が 限 定 され る。 最 後 に、 プ ロ ー ブ球径 の 補正 で あ る。1章 で 述 べ た よ
うに プ ロ ー ブ径 補 正 時 に測 定 不 確 か さ を拡 大 す る。 プ ロー ブ球 の真 球 度 を ナノメ ー トル オ ー ダ の高 精 度 に評
価 す る方法 は全 て の マイ クロ プ ロ ー ブ開発 にお け る課 題 で あ る。 また 、 非接 触 の位 置検 出 を行 う本 プロ ー ブ
は、 位 置 検 出 時 の プ ロー ブ球 と測 定 面 の絶 対 的 な距 離 を計測 す る必 要 が あ る。 経験 的 に そ の距 離 は数 十㎜
か ら数 百㎜ で あ る と予想 され 、 この 絶 対距 離 は近 接 場 光 な どを用 いて 計 測 の 可 能 性 が あ る[263,345]。
マ ク ロス ケ ール(サ ブ ミ リメ ー トル 領 域)で は、 測 定 面 と接 触 して 始 め て位 置 を検 出 す る。 ナノス ケ ー ル で
は 、原 子 問 力 や トンネ ル 電 流 な どの ナノオ ー ダ の現 象 を利 用 す る。 本 プ ロー ブ の位 置 す る と こ ろ は、 マ ク ロ
とナ ノの 間 の い わ ゆ る メ ソス ケ ー ルで あ る。 マイ ク ロ ・メ ソ ス ケ ール で の"表 面"と は一 体 な に を 指 す ので あ
ろ うか 。 まず は これ を議 論 す る こ とが 、 次 世 代 の マイ ク ロ プ ロー ブ を発 展 させ る こ との鍵 とな るの か も しれ
な い†。1章 で マ イ ク ロ プ ロー ブの現 状 を ま とめた が 、 この よ うな メ ソス ケ ー ル の特 性 を利 用 した プ ロー ブは
未 だ 提 案 され て い な い 。 とい うの も、 マイ ク ロ プロ ー ブ で表 面 の 位 置 を検 出す る こ とは本 当 に難 しい 。本 研
究 で は、 そ の1つ と して、 マ イ クロ領 域 で 特 に顕 著 な ダ ン ピ ング効 果 な どを利 用 して表 面 位 置 を検 出 した 。
この領 域 の特 性 を理 解 し、 そ の特 性 を巧 み に利 用 した プ ロー ブシ ス テム は、製 品/部品 の マ イ ク ロ化 が進 む 中
で 将 来 的 に必 須 とな るで あ ろ う。
†余 談 で は あ るが 、 哲 学 的 に は我 々人 間 も"内"と"外"の
境 界 、 つ ま り、 「わ た し は誰 なの か 」 を見 分 け る こ とは難 し
い 。 そ のた め に人 は常 に葛 藤 を く りか え して い る ので あ る。(鷲 田 清 一 著 「じぶ ん ・この不 思議 な存 在 」(講 談 社)よ り)
90
Appendix
付録
1プ
ロー ブ球 径 校 正方 法
レ ー ザ トラ ッ プ技 術 を利用 す る光 放 射圧 プ ロー ブ で は、 測 定 毎 に プ ロ ー ブ球 が 異 な る。 プ ロー ブ球 の 真 球
度 や 直 径 を正確 に知 る こ とは測 定 の 不確 か さ を低 減 す る上 で も重要 で あ り、 実 計 測 に置 い て も プ ロー ブ球 の
径 の 校 正 を行 う こ とか ら測 定 は始 ま る。 レー ザ トラ ップ技 術 とWGM(Whispe血ggallelymode)を
利 用 した 高
精 度 な粒 径 評価 方 法 が 提 案 され てい る[215,231】が 、 こ こで は、 シス テム 変 更 を必 要 と しない プ ロ ー ブ振 動 モ
デル を用 い た簡 易 な プロ ー ブ球 径 の 校 正 方 法 を提 案 す る。
既 に述 べ られ た 様 に プ ロ ー ブ振 動 はバ ネ ダ ンパ 系 に よって よ く表 現 す る こ とが で き る。 また 、 その 周 波 数
応 答 は共 振 周 波 数 を用 い て特 徴 づ け られて い る。 共振 周 波 数 は 式(7.13)で表 され るよ うに ば ね定 数 とプ ロ ー
ブ の質 量で 決 定 され る。 ばね 定 数 は本 質 的 に は プ ロ ーブ径 とレーザ 強 度 に よって 決 定 され る こ とは3章 の 数
値 解 析 で検 証 され た。 一 方 、 共 振 周 波 数 は プ ロー ブ とレー ザ を含 む 系 に よって 決 定 され る。 それ らの 関 係 は
プ ロ ー ブ質 量 に よって 結 ば れ る。 プ ロー ブ球 が 完 全 な真 球 で あ る と仮 定 す る と、 プ ロ ー ブ質 量mは
4
配=ρ9茗
_3
π
(1.1)
と な る 。 こ こで 、Pは 密 度 、gは 重 力 加 速 度 、rは プ ロ ー ブ 半 径 で あ る 。 光 線 追 跡 法 に よ りば ね 定 数 とプ ロ ー
ブ 径 の 関 係 は 求 め る こ とが で き 、
纛畷
登鑼
耀(1
.2)
た だ し 、 α、β、 γは レ ー ザ 強 度 な ど に 依 存 し 、 数 値 解 析 か ら 求 め ら れ る 定 数 で あ る 。 こ れ と実 験 で 得 られ た
共 振 周 波 数 を 式(7.13)に 代 入 し 、 繰 返 し 計 算 す る こ と で 、 直 径 を 得 る。
幽爾
(1.3)
式(1.3)では、 粘 性 抵 抗 な どの測 定 周 辺 環 境 に依 存 す る項 は含 まれて いな い 。 つ ま り本 手 法 は、 原 理 的 に環 境
変 化 に影 響 され ず 正確 な 計 測 を行 う こ とが 出 来 、環 境 に対 して ロバ ス トで あ る こ とが期 待 さ れ る。
実験
本 手 法 を 検 証 す る。 同 一 粒 子 に 対 して 異 な る 測 定 手 法 を 比 較 す る こ とが 望 ま し い が 、 非 常 に 困 難 で あ
るた め 、 今 回 は 統 計 的 な 手 法 に よ っ て 行 う 。100個 の 粒 子 に 対 して 粒 径 を 測 定 し、 マ イ ク ロ 粒 子 径 の 標 準 的
な 測 定 法 で あ る コ ー ル タ ー 法(5000個)お
よ びSEM観
察(80個)に
よ る測 定 と比 較 し た 。 対 物 レ ン ズ はNAO.95
を 用 い た 。 プ ロ ー ブ 球 を 捕 捉 後 に 周 波 数 応 答 の 測 定 し、 式(7.12)と の フ ィ ッ テ ィ ン グ か ら共 振 周 波 数 を 求 め
る。 プ ロ ー ブ径 測 定 中 は レ ー ザ 強 度 を 常 に 測 定 して お り、 そ の 平 均 値 を 用 い て 式(1.2)を 用 い て 、 ば ね 定 数 を
求 め る 。 バ ネ 定 数 と共 振 集 は 数 か ら 式(1.3)を 用 い て 粒 径 を 見 積 り、 そ れ を 式(1.2)に 用 い て 再 度 計 算 す る。 式
(1.2)の初 期 値 は4オmと
結果
し 、 プ ロ ー ブ 球 の 密 度 ρは2000kg!m3と
実 験 に よ っ て 得 ら れ た 粒 径 の 分 布 を 図1.1に 示 す。 ま ず
した。
オ ー ダ と して は 、 コ ー ル タ ー 法 やSEM観
一 致 し 、 本 手 法 に よ る粒 径 校 正 法 の 正 確 さ が 検 証 さ れ た 。 コ ー ル タ ー 法 で は85か
ら9オmに
察 と
か けて 分 布 を
持 っ て い る が 、 コ ー ル タ ー 法 測 定 時 の 粒 子 濃 度 が 高 す ぎ る こ とに よ る 影 響 と考 え ら れ る 。 そ れ は 、SEM観
察
で も分 布 が 余 り広 くな い こ とか ら も確 認 で き る 。 こ の よ う に 、 統 計 的 に 本 手 法 の 有 効 性 を 確 認 した 。
実験
環 境 変 化 に 対 す るロバ ス ト性 を評価 す るた め に、環 境 温 度 に変化 を与 え なが ら同一 プ ロ ー ブ に対 して
繰 返 し粒径 測 定 を行 っ た。 対物 レン ズ用 に穴 をあ け た20mm×20mmX20mmの
断熱 性 の 高 い箱 を用 意 し、
91
FigureI.1:Histogramofparticlediameter
measuredbyseveralmethods.
FigureI.2:Particlediametermeasurementwith
changingambienttemperature.
プ ロ ー ブ球 を捕 捉 後 、 対物 レンズ に箱 を通 して、 周 辺 との温 度 を遮 った 。 ま た、 箱 の 内部 に は発 熱 体 お よび
温 度 セ ン サ を入 れ 、箱 の 中の 温 度 を変 化 させ 、 測 定 す る こ とが で き る。
結果
図1.2に結 果 を示 す。横 軸 は時 間 変 化 を表 し、 黒 プ ロ ッ トは測 定 され た 粒 径 、 黒 の実 線 は箱 内部 の温
度 、 青 の 実線 は 箱 外 部 の周 辺 環 境 の温 度 変 化 を示 す。 図 よ り、 粒 径 計 測 の結 果 は箱 内部 の 温 度 とは相 関 を持
たず
環 境 に し対 して ロバ ス トな 測 定 で あ る こ とが わ か った 。 た だ し、 粒 径 計 測 の測 定 値 自体 は数 百㎜ の範
囲 で ば らつ き精 密 度 が 欠 け る測 定 結 果 とな った 。 粒 径 測 定 値 の ば らつ きは 図1.2よ り外 気温 約1°の変 化 に対 し
て 相 関 を持 つ こ とか ら、 レー ザパ ワーメ ー タが 温 度 の影 響 を受 け入 射 レー ザ 強 度 の 値 を見 誤 っ た た め で あ る
と考 え られ る。
この よ う に、 本 手 法 を用 いて プ ロー ブ径 を±100㎜ 以下 の精 度 で推 定 可能 で あ る こ とが検 証 され た 。 た だ
し、 本 手 法 は プ ロ ー ブ球 が完 全 に球 径 で あ る こ とが 仮 定 して お り、 現 在 、 直 径 数 μmの粒 子 の真 球 度 を評 価
す る方法 は な い。 その た め、 この 仮 定 の も との測 定 で あ る こ とを注 意 す る必 要 が あ る。
II測
定 物 粗 計測
1章 で 指摘 した よ うに、 プ ロ ー ブ と測 定 面 の 相 対 的 な距 離 を測 定1観察 可 能 な技術 は実 用 上 重要 とな る。 本
節 で は、 光 放 射 圧 プ ロ ー ブ を用 い て、 測 定 面 か ら離 れ た 位 置 で 粗 形 状 を計 測 す る手 法 を提 案 す る。
測定原理
8章 で 、 プ ロー ブ球 と測 定 面 との 間 に 生 じ る定在 波 につ い て述 べ た。 プ ロー ブ の前 方 散 乱 光 と測 定面 か ら
の 反 射 光 が 光 干 渉 し、 時 間依 存 しな い 定在 波 が 測 定 面 とプ ロー ブ球 の周 辺 に生成 され る。 光 軸 上 の定 在 波 の
強 度 分 布 は式(8.5)によって 表 す こ とが 出 来 る*。また 、 この定 在 波 に よ って プロ ー ブ球 が 光 軸 方 向 の周 期 的 な
変 位 を受 け る こ とは8.3.1項の 図8.5よ り確 か め られ た 。 プ ロー ブ球 は定 在 波 か ら外 力 を 受 け、 プ ロ ー ブ球 と測
定 面 の相 対 的 な距 離 が 変 化 す る と とも に、 周 期 的 な空 間 位 置 変 動 を受 け る。 また 、 そ の 現 象 の 再 現 性 は非 常
に高 か った 。 式(85)に 注 目す る と、 定 在 波 はz=0か
ら余 弦 波 状 に生 成 され 、 この定 在 波 周 期 は レー ザ の波 長
λに よ って の み決 定 され る。 レー ザ トラ ップ の力 と定 在 波 に よる力 を比 較 し、 プ ロ ー ブ球 の光 軸 方 向 の変 位
を解 析 的 に求 め た 結 果 は8.3.2項で 述 べ られ 、 図8.7に示 した 。 これ に よ る と、 プ ロ ー ブ球 は捕 捉 レ ーザ の半
波 長 ご とに200㎜ 程 度 の 急 峻 な変 化 をす る。
プ ロ ー ブ球 が測 定面 上 を平 行 にス キ ャ ンす る時 、 プ ロー ブ球 と測 定 面 の 距離 が相 対 的 に変 化 す る。 その 相
対 変 化 は定 在 波 に よ って、 プ ロ ー ブ球 の 位 置 情報 と して 現 れ る。 そ の プ ロ ー ブ信 号 の 変 化 を測 定 す る こ と
で 、 測 定面 の形 状 を回 復 で き る。
Subsection8.3.2inpage81.
92
Appendix
測 定 性能
本 プロ ー ブ を用 い た3次 元 形 状 計 測 の能 力 を評 価 す るた め に、 定在 波 の影 響 を どの 程 度 の 精 度 で取 得 可 能
で あ るか 、 ど うい った 状 況 で 取得 で きな い か を確 認 す る。
定 在 波検 出精 度
プ ロー ブ球 を捕 捉 し、 水 平 に設 置 され た シ リ コ ンウ ェハ に対 し、 プ ロー ブ球 を光 軸 に 沿 っ
て 垂 直 に 一 定 速 度0.42オm/sec.で 、距 離 約270オmだ
け プ ロ ー ブ球 を測 定 面 に接 近 させ る。 そ の 時 に受 けた プ
ロ ー ブ信 号 の周 期 的変 動 の ピッチ を測 定 した 結 果 を8章 図8.5(c)に示 した 。 平 均値 は534nmで 標 準 偏 差 は16
㎜ で あ っ た 。 まY 本 プ ロ ー ブ は定在 波 を16nmの ぼ らっ きで測 定可 能 で あ っ た こ とが わ か る。 次 に 、 そ の
測 定 精 度 に関 して、 理論 的 に は平均 値 は1064㎜
の 半 波 長 で あ る532㎜ で あ るが 、測 定 値 は2㎜ の誤 差 が
あ った 。 これ は、 レーザ 光 軸 とス テー ジ運 動 軸 の ズ レの 影 響(<1㎜)、
リニ アス ケ ール精 度 の影 響(<1㎜)
な ど考 え られ るが 、主 要 な要 因 が何 で あ るか を 明確 に す る こ とは 出来 な か った 。 以 降 この534㎜
を定 在 波 に
よ る位 置 変 動 の基 準値 と して用 いた 。
測 定 レン ジ
本 提 案 手 法 が どの条 件 で測 定 面 形 状 を測 定 可 能 で あ るか を 評価 す る。本 質 的 に は、 測 定面 の 反
射 光 を利 用 した測 定法 で あ るた め、 反 射 光 強 度 が 測 定 に影 響 を及 ぼ す。反 射 光 の強 度 は遠 方 に な る ほ ど低 下
す る と考 え、 測 定面 か ら どの 距 離 まで 定在 波 が取 得 可 能 で あ るか を検 証 した 。 これ まで 同 様 にシ リ コン ウ ェ
ハ を水 平 面 と して用 い 、 プロ ー ブ球 を測 定 面 にほ ぼ接 触 状 態 に な るま で接 近 させ 、 その状 態 か ら光軸 方 向 に
沿 って プ ロー ブ球 を測 定 面 か ら離 して い くとき に定 在 波 か ら受 け る影 響 を下 べ た。 この 時 の レー ザ 強度 は
400mWと
した 。 そ の時 の プ ロ ー ブ信 号 を図II.1に示 す。約500㎜
で 周 期 変 動 を受 け るた め 、 全 体 と して ノイ
ズ が の っ た よ うな信 号 を示 す が 、 内挿 図 に示 す よ う に、 プ ロ ー ブ信 号 は 定在 波 の影 響 を正 確 に測 定 して い
る。250オmを
超 え る とノ コ ギ リ波 状 の信 号 が ノイ ズ に埋 もれ は じめ プロ ー ブ球 位 置 の 急 峻 な 変化 を 測 定 す る
こ とが 困 難 に な る。測 定 面 の光 学 特 性 や捕 捉 レー ザ の 強 度 に よ って依 存 す るた め、 一 意 に垂 直 方 向 測 定 レ ン
ジ を 決定 で きな い が 、最 大 で数 百オm以 上 で あ る こ とが確 認 され た 。
次 に、 測 定 面 が傾 斜 す る とプ ロー ブ球 に返 る反 射 光 量 も当然 減 少 し、 図II.1で求 め られ た 垂 直方 向 の測 定
レン ジ も短 くな る こ とが 予 想 さ れ る。 そ こで、傾 斜 面 に対 して、 傾 斜 角 度 に よって 垂 直 方 向の 測 定 レ ンジ が
どの 程 度 影 響 受 け るのか を測 定 した 。 測 定 方 法 は先 ほ ど と同様 に、40°まで の傾 斜 面 に対 して 測 定 を行 っ
た 。 その 結果 を図II.2に示 す。傾 斜 角10°まで は150オmを
超 えた 測 定 レン ジ を示 した が 、15°以 上 に な る と極
端 に 測定 レンジ が 短 くな り、30°以 上 で は ほ とん ど遠 方 か らの測 定 は 困難 で あ っ た。 この結 果 は、 集 光 レー
ザ が 粒子 を通 過 した後 の 前 方 散 乱 光分 布 に大 き く影 響 され る。 本 手 法 は測 定 面 か らの反 射 光 量 に大 き く影 響
を受 け、 測 定 面 角 度 に竝 して10数 ゜とい う測 定 限界 が見 られ た が 、傾 斜 の 少 な い面 に 対 して は数 百オmの 垂 直
方 向 測 定 レンジ を示 した 。
測 定 分解 能
本 手 法 の 最 小 単 位 は捕 捉 レー ザ の 半 波 長 で あ る532㎜ で あ る。 当 然 、捕 捉 レー ザ の波 長 を短 く
す る こ とで数 百 ㎜ オ ー ダ で そ の最 小"メ モ リ"を改 善 で き る。 最 終 的 に プロ ー ブ信 号 を干 渉 計 測 の よ うに ア ン
FigureII.1:Axialmeasurablerangeofstandingwave.
FigureII.3:Resolutionofsensingthestandingwave.
FigureII.2:Measurablerangeofinclinedsurfaces.
ラ ッ プ(Unwrap)し て 形 状 を推 定 す るた め、 実 験 的 な分 解 能 は微 細 な測 定 面 位 置 の変 化 に対 して 、 プ ロー ブ信
号 が読 み 取 れ る最 小 変 化 量 とな る。 こ こで 、 実験 的 に測 定 の分 解 能 を 評価 す る。 これ まで の 実 験 と同様 の配
置 で、 プ ロ ー ブ球 と測 定 面 を50オm程
度 離 した 状 態 で、 プ ロ ー ブ球 を 測 定面 に対 して10㎜ 変 位 させ る その 時
の プ ロー ブ信 号 を図II.3に示 す。 黒 い線 が プ ロー ブ信 号 で あ り、 赤 い線 は そ の信 号 を ロ ーパ ス フィ ル タ に よっ
て 処 理 した もの で あ る。 図 よ りプ ロ ー ブ球 と測 定 面 の10㎜ の相 対 的 な距 離 変 化 を プ ロ ー ブ信 号 は 明確 に分
け る こ とが で き、 本 測 定 手法 の分 解 能 は10㎜ 程 度 で あ っ た 。
マイク ロ レンズ測 定
これ まで に測 定 の特 性 を評 価 した 。 それ をふ ま えて 実 際 にマ イ ク ロ レ ンズ の形 状 の測 定 を行 う。 測 定 結 果
は 、共 焦 点 顕微 鏡 の 測 定 結 果 と比較 した 。
実験
測 定 サ ン プ ル に は 直 径2㎜
は 測 定 面 頂 上 付 近 か ら約10μmの
で 曲 率 半 径 が 約2.5㎜
の平 凸 マ イ 夘
レ ン ズ を 用 い た 。 プ ロ ー ブ 球 のZ軸
高 さ に セ ッ ト し、 マ イ ク ロ レ ン ズ 上 方 をX軸 方 向 に シ ン グル ス キ ャ ン し マ イ
ク ロ レ ン ズ 形 状 の プ ロ フ ァイ ル を 測 定 す る 。 そ れ をY軸
一500オmか
ら500オmま
で100オm間
隔 で111ine測 定 す
る 。 本 手 法 は 相 対 距 離 変 化 を 測 定 す る た め 、 各lineの 高 さ を 合 わ せ る 必 要 が あ る 。 そ こ で 、11ine測 定 後 、X
=0の
位 置 に プ ロ ー ブ を 戻 す。 次 のlineま でY軸
た 、 各lineと もX=0で
に 沿 っ て 高 さ 変 化 を 測 定 し 、line間 のZ軸 座 標 を 合 わ せ た 。 ま
測 定 面 か ら1軌 ㎜ の 高 さ に 調 整 し 直 し た あ とス キ ャ ン し た 。 プ ロ ー ブ 球 の 移 動 速 度 は
5.6オxn/sec.と し 、 プ ロ ー ブ 信 号 の サ ン プ リ ン グ レ ー トは10kHzと
ズ に はNAO.95を
し た 。L一
ザ 強 度 は400mWと
し、 対 物 レ ン
用 い た 。 マ イ ク ロ レ ン ズ は 共 焦 点 顕 微 鏡 の 測 定 結 果 と比 較 す る。 そ こ で 、 両 測 定 器 に よ っ て
測 定 さ れ た デ ー タ を そ れ ぞ れ 球 面 フ ィ ッ テ ィ ン グ し 、 擬 似 的 な レ ン ズ の 中 心 位 置 を 算 出 し 測 定 位 置 を一 致 さ
せ 、 測 定 位 置 の一 致 を 図 った。
結果
本 手 法 の 測 定 結 果 を 図II.4(a)に 示 す。 こ の よ う に 、 本 手 法 を 用 い て マ イ ク ロ レ ン ズ の 形 状 を 評 価 可 能
で あ っ た 。 次 にY=0のlineで
本 手 法 と共 焦 点 顕 微 鏡 の 測 定 値 の 結 果 を 比 較 す る。 図II.4(b)に は 、 本 手 法 で 測
定 し た プ ロ フ ァ イ ル を 黒 の 実 線 で 示 し、 共 焦 点 顕 微 鏡 と の 差 を 赤 の 実 線 で 示 し た 。 本 手 法 で 得 られ た 結 果 よ
口
●
FigureII.4:Measurementresultofmicro-lensbyusingstandingwave.
94
・
Appendix
り正 確 な プ ロ フ ァイ ル を測 定 で き て い る こ とが確 認 で き、 また 、共 焦 点 顕微 鏡 との 差 は士150nm程 度 で あ っ
た 。 した が って 、本 手 法 を用 いた 測 定 面 形 状 の粗 計 測 手 法 と して高 い 有用 性 が 示 され た 。
IIIシ
ャ ド ウ効 果 の 影 響
入 射 ビ ー ム が 遮 られ る こ と に よ っ て 、 プ ロ ー ブ 球 が 変 位 す る も し くは 捕 捉 か ら 外 れ る 。 こ の 影 響 を シ ャ ド
ウ 効 果 と よぶ 。3.3.4項 の 電 磁 場 解 析 で こ の 影 響 を 検 討 し た 結 果 、 レ ー ザ 強 度 が10%以
下 で プ ロー ブ球 は無 視
で き な い 程 の 変 位 を受 け る。 こ こ で は 、 シ ャ ドウ 効 果 に よ っ て プ ロ ー ブ が 受 け る影 響 を実 験 的 に 検 証 す る 。
実験
実 際 の 測 定 で は 、 対 物 レ ン ズ 出 射 後 の 集 光 レ ー ザ が 測 定 物 に よ っ て 遮 られ る 。 検 証 実 験 に お い て そ れ
を 定 量 的 に 制 御 す る こ と は難 し い 。 そ こ で 、 本 実 験 で は 、 対 物 レ ン ズ 入 射 前 の レ ー ザ を遮 断 す る こ とで 擬 似
的 な シ ャ ドウ 効 果 を作 り出 し、 そ の 影 響 を検 討 し た 。 実 験 装 置 は 、9章 で 用 い た 光 学 系 を 用 い る。 た だ し 以
下 の2点 に 関 して 変 更 し た 。 レ ー ザ の 偏 光 は 円偏 光 で は な く直 線 偏 光 を 用 い た 。 ま た 、 プ ロ ー ブ 球 の 光 軸 方
向 変 位 を 測 定 す る た め 、 新 た に横 観 察 顕 微 鏡 ユ ニ ッ トを 用 い た プ ロ ー ブ 球 測 定 シ ス テ ム を 導 入 した 。 図7.5に
示 し た よ う にPDを
用 い た 光 軸 方 向 変 位 測 定 は そ の 測 定 可 能 範 囲 が 狭 い 。 そ こ で 、LDを
光 軸 垂 直 か らプ ロ ー
ブ球 に入 射 し、 そ の後 方 散 乱 光 を用 い て プ ロ ー ブ 球 の 光 軸 方 向 の 変 位 を 測 定 し た 。 後 方 散 乱 光 はPDで 受 光
し 、4.4.1項 で 述 べ た 調 整 方 法 を 応 用 し測 定 した 。 ま た プ ロ ー ブ信 号 は 、7.4節 で 述 べ た ガ ラ ス プ ロ ー ブ を用 い
てXYZの3軸
ピ エ ゾ ス テ ー ジ を 基 準 に あ らか じ め 値 を校 正 した 。 レ ー ザ の 遮 断 は 、 鉄 の 薄 板 を ス テ ッ ピ ン グ
モ ー タ に 取 り付 け 行 っ た 。 遮 断 す る 薄 板 の 端 面 はPSDのX軸
に 平 行 で 、 エ ッ ジ の 進 行 方 向 はY軸 に 垂 直 方 向
で あ る 。 ま た 、 遮 断 量 の パ ラ メ ー タ と して 、4.4.1項 で 述 べ た 遮 断 率 を 用 い た 。 遮 断 率 は ス テ ッ ピ ン グ モ ー タ
の 値 と対 物 レ ン ズ 前 の レ ー ザ 強 度 を 測 定 す る こ とで 校 正 した 後 、 シ ャ ドウ 効 果 の 実 験 を行 っ た 。 初 期 レ ー ザ
強 度 は 対 物 レ ン ズ 後 で250mWと
め 、 変 化 が 大 き くな る と100オm間
し た 。t一
ム径 約4㎜
の 位 置 で ス テ ッ ピ ン グ モ ー タ を200Fm隔
ですす
隔 に 変 更 して デ ー タ を 取 得 し た 。6回 の 繰 返 し測 定 を 行 い 、 平 均 値 と ば ら
つ き を求 めた 。
結果
ビ ー ム を 遮 光 し た 時 の プ ロ ー ブ 球 の3次 元 的 な 変 位 を 示 す 結 果 を 図III.2に 示 す。 プ ロ ッ トは 実 験 に よ っ
て 得 ら れ た 平 均 値 、 エ ラ ー バ ー は 繰 返 し測 定 の 標 準 偏 差 を 示 す。 ま た 、XY平
観 察 よ り プ ロ ー ブ 球 の 移 動 方 向 に つ い て 確 認 した 。CCD観
面 内 の 変 位 に つ い て 、CCDの
察 よ り、 ビー ム シ ャ ッ タ ー に よ りY軸 正 か ら負 方
向 に 遮 断 した 時 、 プ ロ ー ブ球 は 正 方 向 に 変 位 した 。 つ ま り、 座 標 測 定 で 考 え る と 、 プ ロ ー ブ 球 は レ ー ザ が 遮
断 さ れ た 方 向 に 向 か っ て 変 位 す る こ とが わ か っ た 。 次 に シ ャ ドウ 効 果 に よ る プ ロ ー ブ 球 変 位 量 に つ い て 、
4.4.1項 の 数 値 解 析 で 見 られ た よ う に 、Y軸
、Z軸
と も に10%弱
か らプ ロ ー ブ球 は変 位 を顕 著 な影 響 を受 け始
め る 。 そ の 後 レ ー ザ の 遮 断 率 に 応 じ て 線 形 に 変 化 す る。 こ の 傾 き よ り、Y軸
FigureIII.1:0pticalsystem.
お よ びZ軸 で プ ロ ー ブ 球 変 位 は
FigureIII.2:Probedisplacementduetoshadoweffect.
95
遮 断 率1%に 対 して それ ぞれ37㎜
、26㎜ で あ っ た。 こ の よ う に数%の 変 化 で 数十 ㎜ の影 響 を受 け、座 標 測
定 に お いて 考 慮 す べ き課 題 点 とな る結 果 で あ っ た 。 こ こで特 徴 的 な 点 と して、Y軸 方 向 の プ ロー ブ球 変 位 の
繰 返 し測 定 の ば らつ き は小 さ く、 変 動係 数(Coefficientofvariation)は3%以 下 で あ っ た。 対 照 的 にZ軸 で は 、
変動 係 数 が200%以 上 に も及 ぶ 。 この 原 因 につ いて考 察 す る。 まず
シ ャ ドウ効 果 に よって レ ーザ 強 度 が 低 下
し、 レー ザ の 強 度 の ば らつ きが 相 対 的 に大 き くな る。 ま た、 プ ロ ー ブ球 を捕 捉 す る力 が 弱 くな り、 ブ ラ ウ ン
運 動 に よ る影 響 が 現 れ 始 め る。横 方 向 は左 右 か らの拘 束 力 が あ り、 横 方 向 は光 軸 方 向 よ りも ばね 定 数 が 大 き
い 。 一 方 で,光 軸 方 向 は レー ザ 強 度 の変 動 な どの 影 響 を受 けや す く、 そ の結 果 ブ ラ ウ ン運 動 の影 響 が 顕 著 に
な り、 実 験 値 が ば らつ いた 可 能 性 が あ る。 この よ うに シ ャ ドウ効 果 に よ る影 響 は3次 元 異 方 的で あ る。 最 後
に トラ ッ プ球 の捕 捉 限 界 につ いて、20%の レー ザ 強 度 を遮 断 されて もプ ロ ー ブ球 が 捕 捉 状 態 か ら外 れ る こ と
は なか っ た。 しか し、 それ 以 上 遮 断 す る とプ ロ ー ブ球 は落 下 した 。 こ の よ うに、 シ ャ ドウ効 果 が 光放 射 圧 プ
ロ ー ブ に与 え る影響 は極 めて 重 要 で あ り、 捕 捉 レーザ を透 過 しな い物 質 の 測 定最 小 物 を計 測 す る場 合 、 シ ャ
ドウ効 果 の影 響 に十分 な注 意 を払 っ た計 測 パ ス を設 計 す る必 要 が あ る。
IV機
能性 プ ロー ブ の試 作
マ イ ク ロ部 品 の 測 定 に 対 応 す る た め 、 同 一 プ ラ ッ トフ ォ ー ム 上 で 様 々 な 原 理 の プ ロ ー ブ シ ス テ ム を 用 い た
測 定 が 提 唱 さ れ て い る[91,346]。 従 来 の 測 定 シ ス テ ム で は プ ロ ー ブ シ ス テ ム の 交 換 で こ れ を 実 現 す る。 例 え
ば 、SIOSMef3technik社
のNMM-1で
は、 高 精 度 な ス テ ー ジ シス テ ム に焦 点検 出 型 顕微 鏡 、 原 子 間 力 顕 微鏡 、
白 色 干 渉 計 、 触 針 式 プ ロ ー ブ お よ びCMMプ
ロ ー ブ を搭 載 し 、 マ ル チ な 測 定 を 実 現 して い る†。 し か し 、 これ
ら の プ ロ ー ブ シ ス テ ム は 各 測 定 毎 に 交 換 の 必 要 が あ り、 そ の 度 に 測 定 の 座 標 系 が 異 な る。
本 研 究 で 提 案 す る 光 放 射 圧 プ ロ ー ブ を用 い る と、 従 来 の 座 標 測 定 に 加 え 、 プ ロ ー ブ 走 査 に よ る形 状 測 定
(付 録II)が 可 能 で あ る 。 ま た 、 プ ロ ー ブ 球 を 容 易 に 変 更 可 能 で あ り、 球 状 の 座 標 測 定 プ ロ ー ブ お よ び 先 端 先
鋭 な プ ロ ー ブ を 用 い る こ とで 表 面 の 微 細 な 形 状 計 測 を 同 一 座 標 系 で 行 え る 可 能 性 が あ る。 こ こ で は 、 微 細 形
状 測 定 用 の プ ロ ー ブ ス タ イ ラ ス を試 作 した 。
従 来 用 い て い る 球 状 プ ロ ー ブ 球 に 先 鋭 な 探 針 を 付 加 す る 。 カ ー ボ ン ナ ノ チ ュ ー ブ[347]や ウ ィ ス カ ー[348】を
取 り付 け る方 法 お よ びCVD(Chemicalvapordeposition)やPVD(Physicalvapordeposition)な
どで 成 長 さ せ る 方
法 が 考 え られ る 。 プ ロ ー ブ ス タ イ ラ ス は 測 定 毎 に用 い る た め に 、 同 様 の 性 質 お よ び 形 状 を 持 つ プ ロ ー ブ を 多
く生 産 す る技 術 が 好 ま し い 。 そ こ で 本 研 究 で は デ ポ ジ シ ョ ン を用 い た 方 法 を 採 用 す る。 具 体 的 に はFIB-CVD
(FocusedionbeaminducedCVD)法[349]を
用 い た 。FIB-CVDで
は エ ッ チ ン グ ガ ス の 種 類 に よ っ てSiO2、
タ ング
ス テ ン、 カ ー ボ ン な ど の デ ポ ジ シ ョ ン が 可 能 で あ る が 、 本 研 究 で は フ ェ ナ ン ト レ ン(Phenanthrene,C14Hlo)ガ
ス を 用 い たDLC(Diamondlikecarbon)の
探 針 を加 工 した。 フ ェナ ン トレ ンが ガ リウム イ オ ン ビー ム で分 解 さ
れ 、 部 分 的 に ア モ ル フ ァ ス と結 晶 を 持 つDLCが
径 は80㎜
蒸 着 す る。 本 手 法 で 加 工 可 能 なDLCの
が 報 告 さ れ て お り、 ヤ ン グ 率(Young'smodulus)は600GPaを
ピ ラ ー(Pillar)の 最 小
超 え る[350]。 こ の よ う に 探 針 と して 十
分 な ス ケ ー ル と強 度 特 性 を 持 つ 。
加 工 手 順FIBに
よ り シ リ コ ン ウ ェ ハ に プ ロ ー ブ球 固 定 用 の 溝 を 加 工 し 、 静 電 気 マ イ ク ロ マ ニ ピ ュ レ ー タ を
用 い て 、 そ の 溝 に プ ロ ー ブ球 を 設 置 す る。 そ の 後 、 ウ ェ ハ ご とFIBの 真 空 チ ャ ンバ ー に 挿 入 し 、FB-CVD法
に よ っ て プ ロ ー ブ 球 に 探 針 を デ ポ ジ シ ョ ン した 。
結果
ガ リウ ム イ オ ン ビ ー ム を1点 に120秒 間 照 射 し、 直 径8オmの
ピ ラ ー のSIM(Scanningionmicroscopy)像
Wnの
†E .Langlotz:``Precisemeasurementswithnano皿easuringmachineNMM-1,,,MicropartsInterestGroupWorkshop,NPL,
96
ラ ー を 作 製 した 。 そ の
を 図IV.1に 示 す 。 同 図(c)か らわ か る よ う に 直 径 約200㎜
ピ ラ ー が 精 度 良 く作 製 で き た 。
Teddington,UK,27-280ctober(2009)よ
シ リカ 球 上 にDLCピ
り
、 長 さ 約3
Appendix
こ の よ う に 、 様 々 な プ ロ ー ブ ス タイ ラス を用 い る こ とで 、 同 一 の シ ス テ ム ・座 標 系 で 粗 計 測 、 座 標 測 定 お
よ び 微 細 形 状 測 定 ま で 行 え る可 能 性 が あ り、 マ イ ク ロ 部 品 の ス ケ ー ル イ ン タ ー フ ェ ース を 構 築 可 能 な 計 測 シ
ス テ ム が 期 待 で き る。
Vエ
ッジ計 測
8章 にお い て 位 置検 出 原理 を検 討 した。 測 定 面 近 傍 で粘 性 抵 抗 が増 加 す る こ とに よる ダ ン ピ ング効 果 に
よって プ ロ ー ブ球 の振 動 が減 衰 す る。 そ の減 衰 を計 測 す る こ とで、 表 面 位 置 を高分 解能 に検 出 可 能 で あ っ
た。8章 で 述 べ た よ うに ダ ン ピ ング効 果 は周 辺 空 気 の圧 縮 と膨 張 に よって発 生 す るた め、 そ の程 度 は測 定 す
る形 状 に依 存 す る。8章 で は、平 面 の位 置 検 出 を行 った が 、 こ こで は、 エ ッジの 計 測 を行 う。
実験
図V(a)に 示 す シ リ コ ン ウ ェ ハ の 劈 開 面 を 利 用 した エ ッ ジ の 座 標 計 測 を 行 う。 プ ロ ー ブ 球 の 振 動 方 向 は
測 定 面 に 垂 直 と し、 共 振 周 波 数 約1700Hzに
対 し、 励 振 は1000Hz、
振 幅 は 約190㎜
に 着 目 し、 位 相 が75° 遅 れ た と き を 閾 値 と し た 。 ま た 、 プ ロ ー ブ の 信 号 は25㎜
ビ ン グ 点 は1オm聞
隔 と した 。 座 標 値 の 基 準 は4章 で も 用 い たXYZピ
出 後 、 プ ロ ー ブ 球 の 半 径4オmを
結果
と した。 振 動 の 位相 遅 れ
の ピ ッ チ で 取 得 し、 各 プ ロ ー
エ ゾ ス テ ー ジの値 で あ る。 座 標 位 置 を検
補 正 した 。
図V(b)に 検 出 点 の 座 標 値 、 同 図(c)に 測 定 面 のSIM像
と比 較 した 図 を 示 す。 両 図 と もZ軸 方 向 か ら の 図
を 示 して い る 。 結 果 よ り、 エ ッ ジ 部 分 に お い て ダ ン ピ ン グ の 影 響 が 小 さ くな り、 座 標 検 出 点 が1オm程
度ずれ
て い る こ とが 確 認 で き る。 計 測 位 置 が エ ッ ジ 部 分 で あ る た め 、 ダ ン ピ ン グ 時 の 空 気 の 圧 縮 膨 張 が 起 こ り に く
くダ ン ピ ン グ効 果 が 他 の 部 分 よ り も起 こ りに くい 状 態 に な っ て い る た め で あ る と予 想 で き る 。
この よ う に、 光 放 射 圧 振 動 プロ ー ブの 位 置 検 出 で は ダ ン ピ ング効 果 の 形 状依 存 が見 られ 、 エ ッ ジ部 分 で は ダ
ン ピ ン グが起 こ りに くい とい うよ うな傾 向 が 見 られ た。
(a)Birdview.
97
VI定
数 リス ト
・ 光 速(Lightspeed)
c=2.99792458×10gm/s
・ プ ラ ン ク 定 数(Plankconstant)
h=6.62606896xlO"34J・s
.ボ
ル
ツ マ ン 定 数(Boltzmannconstant)
ks=1.380658x10-23J/K
・ 真 空 中 の 誘 電 率(Permittivityoffreespace)
so=8.85418782x10-12N/VZ
一
・ 真 空 中 の 透 磁 率(Permeabilityoffreespace)
脚=4π
×10'7NIA2
・ 空 気 の 粘 性 係 数(Viscosityofair)
Table:飽
驫鑞
騰
滋
肇瀲 畑 乙
軌ゑ鷲2
皇澱x欝
㈱
鰯
罍,2畑
毳.欝織 纃
4.毳φ駕 欝 奮
甑瀚 難
競 齲
鱈
矯 が
購
論
鋤驪磁鎌数
囎
鯲
織 群
鑼
箏
灘
胎籔灘
蠻纔
贓
糊象
藤懃
撫 智
蜘
難殲鰹懸裁
鑑鰍
凄.蠍
毳
瀞
富
鱒
篇澱き
蓋
麟 溝 峯
舮
馨.鱒翼癬
ま。
癬 織 舮
一
齢
廴鱇
簔瀲 畷 夢
象.簾織 夢
蓖、
織 饕 鱒驫
垂
蕊.灘三
黛 鰍
職 が
鼠嬲 慧欝 蟇
毳翻
鴦、
鱒戀
誘鱒
登.三
嬲 奪
糞、
黛蕊
蕘澱
室
嬢
癬。
鑢欝
ま鑢 召
姦。
噸 撰縛 嚢
驫撚
翼癖
騰
室
議驢
蓋説 鬼瓣 捻
臨舗 磯 ザ
塞
畑
夢驫 鱗
瀚
塞鵡
鰤
綏纏 黥
磯
戛
隷 籌
叢灘 蹴 ザ
鑑.櫞
×が
ま
舗
溝鱶
羸㈱
毳。
舗 講欝孥
囃
戔
識 蓐
z,○
ま試撰ぎ延
ま
、%憲簸 爭
轟。
驪
鶏講 畷 〆
2、
戔無 瞭 蕚
篁魏
舐獗露
毳。
蓑9x毳奮寧
勘
蕊黥
毒。
畑
嵐薦 試 綴 露
ZS2z钁
鹿輜
爵綴 窒
耄藩3駕 鰐 斈
験讌 踊 が
蓋鱒
甑畑
ま護き衰 驚嚇
譲畑 額 舮
琶鎌
毒。
鰤
窺纛 凝 が
謹
瀦 織鈩
該鱒
靂.鞭匙
鵄欝隅 鱒母
鷹鱒 試が
㈱
驫鱒 裁
蠶灘
導澱 職 鈩
畑
憙畑
歪讌 然 欝s
毒臟 殺瞭虜
緲
讐.辮
き、
凝 腰鬣ぎ斈
藻磯 鑑ぜ
轍
春.畑
き
灘
嬢薦 織 纃
鎌
駄鯤
魚灘 鑑 鰐 δ
巍論 翼輝彗
覦
蠹講 幺
議鑢 誕灘 弦
象聽 賦欝藩
畑
毒.無翁
勇㈱ 駕 郷 至
室灘 蹴 ザ
箋畑
総灘
4灘
室澱 磯 が
識畑
鋸灘隷
翫讌 説無嚇
急欝 繊 げ
霆輔
毒.鵠峰
輩畑 ㌶群 §
急襟 纏 が
蕊畑
醸畑
藝燐 護縦 箏
凄.灘鴎 が
瀚
蕁。
耄麟
鰤
嘩騰 蹠 夢
篝欝 亥
獅
黛.555
繋.蓬
覦
三
蕊
蒙靉
a
鍛.縫
1。
鱗x鱒
欝
98
彎軈
一
Table:空 気(大 気 圧)の 物 性 値
和 水 蒸 気 の 物 性 値
灘締畑 縦獵懲
ゑ懲
無 薦
駕嬲δ
鬟
憲.鞍鰍 罐 蔭
蠹靄蠶 裳藩 漆
登.衾
薙§冨蕊轄察
套、
集
齢 翼 欝鼻
敬畑
κ竃
《
婚
飆
菰鯲
覊澱
欝 塞纏 夢
黼
塞飆
薮讎
轍
盆。
饑 織 纃
翁飜 鯰 諺雛 磁
癖
翼欝 尋
が
誠郷 絮
隷羅 籌
畷 妙
装総 嚊
}
鍔ぜ
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系 の 構 築
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嶋
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谷 涼 秋:"座
標 測 定 機 の ア ー テ ィ フ ァ ク
ト校 正(第3報)一
校 正 後 の 測 定 の 不 確 か
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坂bE°
郎,阿
ト リ ッ ク エ ラ ー 推 定 値
部
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誠:"VirtualCMMに
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想 三 次 元 測 定 機 の 研 究:慣
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(2003)pp.472-477.
113
関連 発表論文
原
著
論
文
・MasakiMichihata,TerutakeHayashi,DaisukeNakaiandYasuhiroTakaya:"Micro-displacementsensorusingan
opticallytrappedmicro-probebasedontheinterferencescale,ReviewofScientificInstruments,Vo1.811ssue1(2010)
Ol5107.
・MasalaMichihata,TerutakeHayashiandYasuhiroTakaya:"Measurementofaxialandtransversetrappingstiffness
ofopticaltweezersinairusingradiallypolarizedbeam",AppliedOptics,Vo1.48,Issue32,(2009)pp.6143-6151.
・MasaldMichihata,YutoNagasaka,TerutakeHayashiandYasuhiroTakaya:"Probingtechniqueusingcircular
motionofamicrospherecontrolledbyopticalpressureforananocoordinatemeasu血gmachine",AppliedOptics,
Vo1.48,Issue.2,(2009)pp.198-205.
・MasakiMichihata,YasuhiroTakayaandTerutakeHayashi:"Developmentofthenano-probesystembasedonthe
lasertrappingtechnique",CIRPAnnals-ManufacturingTechnology,Vo1.571ssue1,(2008)pp.493-496.
・MasaluMichihata,YasuhiroTakayaandTerutakeHayashi:"Nanopositionsensingbasedonlasertrapping
techniqueforflatsurfaces",MeasurementScienceandTechnology,Vo1.19,No.8,(2008)084013.
国
際 会 議
査 読 あ り
・MasakiMichihata,DaisukeNakai,TerutakeHayashiandYasuhiroTakaya:"Nano-dimensionalmeasurementusing
opticallytrappedprobeenhancedbyinterferometricscale",XIXIMEKOWorldCongress,6-llSeptember2009,
Lisbon,Portugal,pp.1929-1934.
・MasakiMichihata,YasuhiroTakayaandTerutakeHayashi:"Dynamicpropertiesofamicro-sphereopticallytrapped
inairbyradiallypolarizedlaserbeam",TheInternationalSocietyforOpticalEngineering,Optics&Photonics,2-6
August2009,SanDiegoConventionCenter,SanDiego,California,UnitedStates,74001U.
・YasuhiroTakaya,MasakiMichihataandTerutakeHayashi:"Newprobingsystemforthenano-CMMusingradiation
pressurecontrolledmicrosphere",InternationalSymposiumonMeasurementTechnologyandlntelligentInstrument,
29June-2July2009,Saint-Petersburg,Russia,Vol.1,pp.72-76.
・MasalaMichihata,YasuhiroTakayaandTerutakeHayashi:"Developmentofthenano-probesystembasedonthe
lasertrappingtechnique",The58thCIRPGeneralAssembly,24-30August2008,Manchester,UK,STC-P:P2,pp.
493-496.
・MasaluMichihata,YasuhiroTakaya,TerutakeHayashiandTakashiMiyoshi:"Measurementofoscillatingcondition
for3Dprobingaccuracyofmicropartsusingthelasertrappingprobeforthenano-CMM",InternationalSymposium
onMeasurementTechnologyandIntelligentInstrument,24-27September2007,TohokuUniversity,Sendai,Japan,
pp.453-456.
・MasakiMichihata,YasuhiroTakaya,TakashiMiyoshiandTerutakeHayashi:"Evaluationoflasertrappingprobe
propertiesforcoordinatemeasurement",TheInternationalSocietyforOpticalEngineering,OpticsEast,1-40ctober
2006,Boston,MassachusettsUSA,6326-70.
査 読 な し
・MasakiMichihata:"Developmentofcircularlyoscillatedmicro-probesystembasedonthelasertrapping
technique",Micropartsinterestgroupworkshop,29-290ctober2009,Nationalphysicallaboratory,London,UK.
・MasalaMichihata:"Developmentofthemeasu血ginstn㎜
、entfor3-dimensionalmicro-objectsbyusingthelaser
trappingprobe",AssociationofPacificRimUniversities:DoctoralStudentConference,13-19July2008,FarEastern
NationalUniversity,Vladivostok,Russia.
国 内学 術 講 演 会
.道 畑 正 岐 、高 谷 裕 浩 、 林 照 剛:ナ ノ三 次元 座標 測 定 のた め の 光放 射 圧 マ イ ク ロ プ ロ ー ブ に関 す る研 究 、2009年 度 関 西
地 方 学術 講 演 会講 演 論 文集 、 千 里 ライ フサ イエ ンス セ ンタ ー 、2009年5月 、pp.69-70.
.道 畑 正 岐 、高 谷裕 浩 、 林 照 剛:レ
ーザ トラ ッ ピ ン グ プ ロー ブ を用 い た ナノ3次 元 形 状 計 測 に関 す る研 究(第4報)∼
プ
ロ ー ブ キ ャ リ ブL一 シ ョン法 の提 案 ∼ 、2008年 度 精 密 工 学 会 秋 期 大 会 学 術 講 演 会 講 演 論 文 集 、 中央 大 学 、2009年3月 、
pp.473-474.
.中 井 大 介 、林 照 剛 、 道 畑 正 岐 、高 谷 裕 浩:レ ー ザ トラ ッ ピ ング プ ロ ー ブ を用 い た長 作 動 距離 ス キ ャニ ング に関 す る研
究(第2報)∼ 定 在 場 中 に存 在 す る プ ロー ブ特性 の 評価 ∼ 、2008年 度 精 密 工 学 会 秋 期 大 会 学 術講 演 会 講 演 論 文 集 、 中 央
大 学 、2009年3月 、pp.459-460.
114
Publishedpapers
・ 道 畑 正 岐、 高 谷裕 浩 、 林 照 剛:円 運動 レー ザ トラ ッ ピ ング プ ロー ブ を用 い た ナ ノ3次 元 位 置 検 出(第2報)∼ 位 置 検 出 お
よ び 角 度計 測 の分 解 能 の検 討 ∼ 、2008年 度 精 密 工学 会 秋 期 大 会 学 術 講演 会講 演 論 文集 、 東 北大 学 、2008年9月 、pp.
237-238.
・ 道 畑 正 岐、 高 谷裕 浩 、 林 照 剛 、 中 井大 介:光 放 射圧 を利 用 したマ イ ク ロ プ ロー ブに よ るナノ三 次元 座 標 測 定 に 関 す る
研 究 、 日剩 幾械学 会2008年 度 年 次大 会 講 演 論 文 集 、横 浜 国 立 大 学 、2008年8月 、Vbl.4、pp.249-250.
・ 道 畑 正 岐、 高 谷裕 浩 、 林 照 剛:レ ー ザ トラ ッ ピ ング プ ロ ー ブ を用 いた ナノ3次 元 座 標 計 測 器 の 開発(第3報)∼ 測 定 面 光
学特 性 の影 響 ∼ 、2007年 度 精 密 工学 会 秋 期 大 会 学術 講 演 会 講 演 論 文 集 、 明 治大 学 、2008年3月 、pp.473-474.
・ 道 畑 正 岐、 高 谷裕 浩 、 林 照 剛 、 中井大 介:レ ー ザ トラ ッ ピ ン グプ ロー ブ を用 い た ナノ3次 元 形 状 計 測 に 関 す る研 究(第
2報)∼ プロ ー ビ ング精 度 の 検証 ∼ 、2007年 度 精 密 工 学 会 秋 期 大 会 学 術 講 演 会 講 演 論 文 集 、 旭 川 市 ときわ 市 民 ホ ール 、
2007年9月 、PP.671-672.
・ 道 畑 正 岐、 高 谷裕 浩、 三 好 隆 志 、林 照 剛:レ ー ザ トラ ッ ピ ン グ プ ロー ブ を用 い た ナノ3次 元 座 標 計測 器 の 開発 、2006
年 度 精 密工 学 会 春 季大 会 学 術 講 演会 講 演 論 文 集 、 芝 浦 工業 大 学 、2007年3月 、pp.313-314.
・ 道 畑 正 岐 、高 谷裕 浩、 三 好 隆 志 、林 照 剛:レ ー ザ トラ ッ ピ ン グ プ ロー ブ を用 い た高 精 度3次 元 座標 計 測 に関 す る研
究 、2005年 度 精 密 工学 会 春 季大 会 学術 講 演会 講 演 論 文 集 、 東 京 理 科 大 学 、2006年3月 、pp.1053-1054.
115
Acknowledgement
謝辞
本 研 究 は、 大 阪大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 機 械 工 学 専 攻 高 谷 研 究 室 にて、 高 谷 博 士着 想 の 下 、 大 気 環 境 下 で
レ ーザ トラ ップ技 術 を用 い た マイ ク ロ プ ロ ー ブ を開 発 す る とい うチ ャ レ ンジ ング な研 究 テ ー マ で あ り、 多 く
の先 輩 諸 氏 お よび著 者 が 行 った 研 究 を ま とめ た もの で す。
本 研 究 を遂 行 す るに あた り、 大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 機 械 工学 専 攻 教 授 故 三 好 隆 志 博 士 に は 、研 究
に お け る御 指 導 のみ な らず
研 究 遂 行 に 対 す る姿勢 な ど得難 い た くさん の こ とを 与 えて 頂 き ま した 、 謹 んで
深 謝 の 意 を表 します。 三 好 先 生 に本 成 果 を お見 せ で きな か っ た こ と、 非 常 に悔 や まれ ます。
大 阪 大 学 大 学 院 工 学研 究 科 機 械 工 学専 攻 教 授 高 谷 裕 浩 博 士 に は、7年 間 に渡 り終 始 熱 心 な御 指 導 を賜 り
ま した 。 また 研 究 生 活 の上 で、 困 難 に挫 け な い勇 気 、未 知 な現 象 に対 す る好 奇 心 、 自由 に研 究 を行 え る環
境 、 そ して数 え きれ な い 程 の チ ャ ンス を与 えて 頂 き ま した。 心 よ り感 謝 の意 を表 し ます。
大 阪大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 竹 内 芳美 博 士 、 箕 島 弘二 博 士 、 山 内和 人 博 士 に は、 非 常 に ご多 忙 に も
関 わ らず 快 く副 査 を お 引受 け 下 さ り、 ご校 閲 お よび 誠 に有 益 な ご意 見 を賜 りま した 。 感 謝 の 意 を表 し ます。
大 阪大 学大 学 院 工 学 研 究 科 機 械 工 学 専 攻 助 教 林 照 剛 博 士 に は、 常 に丁 寧 な御 指 導 を賜 りま した 。 ま
た 、 日常 の議 論 は本 研 究 の遂 行 に お いて 誠 に貴 重 な もので した 。 そ して、普 段 か ら研 究 生 活 に お け る活 力 を
与 えて頂 き ま した。 こ こ に感 謝 の 意 を表 します。
高 谷 研 究 室 事務 官 延 里 裕 子 さ ん に も、研 究 室 に配 属 され た 当初 よ り、 懇切 丁 寧 に研 究 費 や 旅 費 の会 計 処
理 、 研 究 生 活 に関 わ る多 くの こ とに つ い て便 宜 を は か って 頂 き ま した 。誠 に あ りが と うご ざ い ま した 。
本 論 文 で示 さ れ た成 果 は ま ぎれ もな く私個 人 で得 られ た もの で はな く、 多 くの先 輩 お よび 後 輩 諸 氏 が多 大
な情 熱 と知 恵 を持 って 真 摯 に取 組 んで きた成 果 で あ ります。 そ の成 果 を、 こ こに学 位 論 文 と して ま とめ る こ
とが 出 来 た こ とを光 栄 に 思 う と同 時 に、 この機 会 を与 えて くだ さ りま した 高 谷 博 士 に改 めて 感 謝 の意 を表 し
ます。 また 、 そ の得 られ た成 果 を全 て ま とめ き る こ とが 出来 ませ んで した が 、 知 恵 、 経験 お よび知 見 な どを
後 輩 に伝 えて頂 い た先 輩 諸 氏 、 お よび 非 常 に 困 難 な 実験 を根 気 よ く丁寧 に行 って頂 い た後 輩 諸 氏 に深 く感 謝
致 しま す。
キ ヤ ノン マ シ ナ リー株 式 会 社 の沢 田博 司 博 士 、 川 原 公 介 氏 には 、 レー ザ トラ ッ プ を行 う際 の粒 子 散 布 用
基 板 に フェ ム ト秒 レー ザ に よ る周 期 構 造 の加 工 を お願 い致 し ま した。 日常 業 務 の お忙 しい 中 、 また 、 突 然
の お願 い に も関 わ らず
快 く加 工 の お 手 伝 い を頂 き ま して、 あ りが とう ござ い ま した 。
株 式 会社 東 海 テ ック の細 貝 利 夫 氏 に は、 プ ロー ブ 球 の位 置測 定 を行 う際 に最 も重要 なQPDの 信 号 処 理 の
回 路 を作 製 頂 き ま した 。 非 常 に ご多 忙 に も関 わ らず
回路 作 製 か らア ドバ イ ス まで丁 寧 に ご対応 頂 き ま して
感 謝 して お ります。
これ まで の 研 究 にお いて様 々 な 方 々 にお世 話 に な りま した 。 特 に、 先 輩 の今 井 敬 次 郎 さ ん に は大 変 お 世話
に な り ま した 。 今 井 さ ん の残 して くだ さ った 成 果 な しに この論 文 は ない と行 って も過 言 で は あ りませ ん。 卒
業 後 も色 々 と気 にか け て くだ さ り、 大 変 感 謝 して お り ます。 また 、 同 期 の 今 堀 秀 晃 くん、 針 山達 雄 くん 、 檜
田健 史 郎 くん と交 わ した議 論 が後 に 多 くの教 訓 を与 えて くれ ま した 。 また他 に も、 同 じ機 械 工 学 専 攻 の博 士
課 程 の み な さ ん 、研 究 室 の み な さん 、学 会 関連 で お世 話 にな りま した 先 生 や 先 輩 方 、DeMaMech交
換 留学 中
に 色 々 博 士課 程 の心 得 を教 えて くだ さい ま した 先 輩 方 、 イ タ リア デ ザイ ンサ マ ース クー ル を キ ッカ ケ に領 域
を超 えた 発想 を くれ た み な さ ん、 数 え上 げ る とき りが あ りませ んが 、 数 年 に渡 る研 究 生 活 を全 うす るに あた
り発 想 や 活 力 を与 えて くだ さ い ま した こ とに、 感 謝 します。
最 後 に、 自 由 に好 き な こ とをや らせ て くれ 、 また 、 経 済 的 に もサ ポ ー トを して くれ ま した 両 親 父 正 博 母
き ぬ よ、姉 眞紀 子 、兄 紳 太 郎 に深 謝 の意 を示 し ます。
2009年12月
116
道 畑 正岐
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