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カートリッジ式ろ過膜モジュールシステムの ダイオキシン類汚染排水浄化

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カートリッジ式ろ過膜モジュールシステムの ダイオキシン類汚染排水浄化
カートリッジ式ろ過膜モジュールシステムの
ダイオキシン類汚染排水浄化効果
桑原正彦1・渡辺幸夫2・小橋秀俊3・森啓年4
1正会員
工修 不動建設株式会社 土木事業本部(〒103-8543 東京都中央区日本橋小網町6番1号)
2セントラルフィルター工業株式会社(〒160-0022 東京都新宿区新宿1-34-15)
3正会員 工博 独立行政法人 土木研究所(〒305-8516 茨城県つくば市南原1-6)
4正会員 工修 国土交通省 国土技術政策総合研究所(〒305-0804 茨城県つくば市旭1)
ダイオキシン類は, 水に難溶性であることから, 主に水中では数ミクロン程度の極微小な懸濁物質に付
着して, いわゆる懸濁態ダイオキシン類として存在していると考えられている. この懸濁物質を, 限外ろ
過膜を用いて固液分離することにより, ダイオキシン類を除去しようとするのがカートリッジ式ろ過膜モ
ジュールシステムである. 本システムは, ダイオキシン類が付着した微細なコロイド分や有機物などの懸
濁物質をほぼ完全に除去でき, 特に, 浄化品質管理装置を備えているため, 処理水のダイオキシン類の分
析結果を待たずに即時放流を可能とする浄化システムとなっている. これまでに, 2箇所の現場において
ダイオキシン類汚染排水処理の浄化に適用し, 環境基準を満足する処理効果を確認できた.
キーワード : ダイオキシン類,ろ過膜,排水処理
1.はじめに
2.排水処理システムの概要
近年, 工事現場でダイオキシン類汚染に遭遇する
事例がでてきている1),2). ダイオキシン類による汚染
が顕在化した建設現場においては, 掘削時に発生す
る地下水, 浚渫時の余水, 汚染土壌の含有水や施工に
用いた機械類・作業員の洗浄排水等は, ダイオキシ
ン類により汚染された排水となる.
これらダイオキシン類に汚染された排水は, ダイ
オキシン類の汚染拡散防止のため, 適切に処理する
ことが必要となる. 既存のダイオキシン類汚染排水
処理システムは, 固定プラントで用いられるものが
多く, 複雑な運転操作を必要としており, 建設現場へ
の適用が難しい3). また, 適用可能なものでも処理量
が限られていたり, 処理水の管理を常時行えないな
どの課題がある.
そこで, これらの汚染水を確実に処理でき, 信頼
性の高い小型の可搬式処理装置として, ろ過膜モジ
ュールを用いたダイオキシン類汚染排水処理システ
ムが開発された. 本技術は, 独立行政法人土木研究
所, 不動建設㈱, セントラルフィルター工業㈱によ
る共同研究の成果であり, 特許技術である.
(1)処理原理
ダイオキシン類の分子量は200~800程度であり,
粒子径は0.001μm程度といわれている4). このため,
排水中のダイオキシン類は, 図-1によると, ナノろ
過や逆浸透処理膜以外のろ過処理では除去できない
と考えられていた.
しかし, ダイオキシン類に汚染された土壌や底質
を対象に実施された実験では, 環境庁告示第46号法
ダイオキシン類の粒子径
図-1 粒子径と水処理方法
-15-
比較的大きな
懸濁物質を除去
コロイドなどの
微粒子を除去
透過水
透過水
(処理水)
(処理水)
中空糸膜
ダイオキシン類
チェック
ダ
イ
オ
キ
シ
ン
類
汚
染
排
水
OK
原水
NO
分離処理プロセス
プレフィルター
チェック
フィルター
OK
図-2
循環
放
流
NO
前処理プロセス
SSで数十~数百ppm
濃縮水
濃縮水
濾過膜
モジュール
NO ダイオキシン類
チェック
図-3
OK
膜モジュールの構造
SS数ppm
カートリッジ式ろ過膜モジュールシステム
の処理フロー
による試験の条件下において, 含有されるダイオキ
シン類のうち1×10-7 (0.00001%)程度しか水中に
溶出しないとする試験結果が得られ, ほぼ水には難
溶性といえること5), 水中でダイオキシン類は, 数
μ程度の極微小な懸濁物質に付着して, いわゆる懸
濁態ダイオキシン類として存在していると考えられ
ること6)から, 排水中の懸濁物質を除去することに
より, 懸濁物質に付着しているダイオキシン類も同
時に除去でき, ダイオキシン類汚染排水の浄化処理
が十分に可能になると考えることができる.
(2)処理フロー
懸濁物質を分離する方法には, 凝集沈殿や清澄ろ
過, 活性炭による吸着, 膜ろ過などの固液分離方法
が用いられるが, 懸濁物質を, 限外ろ過膜を用いて
除去しようとするのがカートリッジ式ろ過膜モジュ
ールシステムである.
本システムは図-2 に示すように, 前処理プロセ
スと分離処理プロセスとからなる. 前処理プロセス
ではプレフィルターにより SS 濃度で数十~数百
ppm の汚濁水を数 ppm まで除濁する. 分離処理シス
テムは, 中間タンク, カートリッジ式ろ過膜モジュ
ール, 浄化品質管理装置で構成され, ダイオキシン
類が付着した微細なコロイド分や有機物などの浮遊
物質をほぼ完全に除去し, 清浄なろ過水を外部に排
出する.
カートリッジ式ろ過膜モジュールは, クロスフロ
ーろ過方式で, 汚染水は中空糸内部を膜壁面に沿っ
て流れ, ろ過膜壁が浮遊物質の通過を阻止するので,
写真-1
浄化品質管理装置
水だけがろ過膜を通り抜けてろ過膜外に透過される
(図-3参照).
本システムの最大の特長は, 浄化品質管理装置
にあり, 浄化水に存在するダイオキシン類が付着し
ている微粒子をカウントし, 一定量以上であれば,
処理水を再ろ過するようにしている点である(写
真-1).
従前の現場では, 流入する汚染排水のダイオキ
シン類濃度が変動するため, 処理水のダイオキシン
類濃度が所定の処理水の条件を満たしていることを
分析により確認するために数週間を必要とし, その
間, 放流ができないばかりか, 工事を中断せざるを
えなくなることも想定された. 一方, 本システムで
は浄化品質管理装置を備えているため, 処理状況を
常時確認できるので, 常時放流を可能としている.
(3)システム諸元
本システムでは, (2)に示す前処理プロセスと分
離処理プロセスを, 写真-2 のように一体化してい
る. 分離処理プロセスは, 処理フローの構成要素
を幅 2.8m, 奥行き 1.7m, 高さ 2.0mの大きさにま
とめている。予備の水槽の大きさにもよるが, 前
-16-
0.01μm のものを使用した.
・汚染排水 A:農薬工場に起因するダイオキシン類
で汚染された河川底質より作成した.
・汚染排水 B:焼却場に起因するダイオキシン類で
汚染された土壌より作成した.
b) 実験結果
汚染排水 A のダイオキシン類濃度は, 表-1 に示
すように, 原水(23 pg-TEQ/L)を分離処理した結
果, 0.031 pg-TEQ/L となった. 汚染排水 B(3,800
pg-TEQ/L)では, 3.7 pg-TEQ/L となった. 分離処
理後は, 両試料ともにダイオキシン類が 99.9%程度
除去された.
写真-2
処理システム
表-1 実験結果
処理プロセスを含めても, 2m×5m程度のスペース
が確保できれば適用可能である. 消費電力は 5kwh,
処理能力は 5m3/hrである.
膜モジュールの本数を減ずることにより, 3m3/hr
程度まで常時運転可能である. これより, 処理量が
少ないときは, 原水槽に原水を貯蔵し, 所定の量に
なってから処理を行う, 間欠運転となる.
(4)システムの特徴
本システムの特長を列挙すると以下のようになる.
・ダイオキシン類を含む汚染排水を, 精密ろ過装置
で排水基準値(10pg-TEQ/L)(条件により水質環境
基準値(1pg-TEQ/L))以下に浄化処理が可能.
・ろ過膜モジュールと浄化品質管理装置による汚染
漏洩システムを装備しているので, 常時放流が可能.
・全自動運転により運転管理が簡素化し, さらに冬
季凍結防止システムも装備.
・処理現場へ容易に搬送可能で, ろ過膜モジュール
数を変更することで処理水量の変化に対応可能.
・処理後の廃棄物は, 膜モジュールと濃縮されたス
ラッジのみと少量.
3.排水処理システムの処理効果
(1)基礎実験7)
カートリッジ式ろ過膜モジュールによる処理効果
を確認するため, 基礎実験を行った.
a) 実験方法
実験は, ダイオキシン類に汚染された排水を下記
により人工的に作成し, 小型のカートリッジ式ろ過
膜モジュールシステムを用いて, 浄化処理すること
により実施した. なお, 膜モジュールの孔径は,
ケース
汚染排水 A
汚染排水 B
原水濃度
pg-TEQ/L
23
3,800
分離処理後
pg-TEQ/L
0.031
3.7
除去率
99.9%
99.9%
(2)膜孔径による処理性能の確認8)
限外ろ過膜の孔径と処理効果との関係を把握す
るため, ろ過膜の孔径を変えた排水処理実験を行
ない, ダイオキシン類汚染排水処理における適用
可能な膜孔径範囲についての考察を行った.
a) 実験方法
表-2に示す4種類の孔径をもつ膜モジュールにつ
いて, 焼却場に起因するダイオキシン類汚染土壌に
より作成した汚染水に対し, ろ過膜モジュールを用
いた実験を実施した.
表-2 膜モジュールの仕様
膜モジュール
孔径(μm)
分画分子量
1
0.003
10,000
2
0.005
30,000
3
0.01
150,000
4
0.05
500,000
b) 実験結果
実験結果を図-4 に示す. この結果, 同一の汚染
土壌により作成した汚染排水により, 膜モジュール
によるろ過処理試験を行なうと, 膜モジュールの孔
径と処理水中のダイオキシン類濃度には, 強い相関
関係が得られ, 適切な膜モジュールの選定が重要で
あること、また、それにより、ろ過後の処理水中の
ダイオキシン類濃度を水質環境基準である 1pgTEQ/L 以下(最小 0.27pg-TEQ/L)まで除去できること
が明らかとなった.
-17-
構 造 図
処理水中のダイオキシン類濃度(pg-TEQ/L)
10,000
原水
4,000
1,000
原水取入口
ポ ンプ
320
圧力計
1μm-GFP
100
膜モジュール4
20
47
0.45μm-MF
排水基準
10
1
0
0
0.0001
膜モジュール3
ダ
イ
オ
キ
シ
ン
類
0.001
膜 モジュー ル
ろ過水出口
環境基準
0.82
0.52
膜モジュール2
0.27
濃縮水出口
膜モジュール1
0.01
0.1
1
10
図-5 トランク型テスト装置
100
孔 径(μm)
図-4 膜モジュールの孔径と処理水中の
ダイオキシン類濃度の関係
注)
GFP:ガラス繊維フィルター
MF:精密ろ過膜
このことは, 膜モジュールシステムを現場に適用
するにあたり, 最適な膜モジュールを選定すること
により, 性能を確保しつつ経済的に優れた排水シス
テムの構築が可能であることを示唆している.
写真-3 予備試験の状況
4.適用事例
(1)予備試験
本システムを用いる場合に, 放流品質と処理量を
確保できるよう適切にカートリッジ式ろ過膜モジ
ュールを選定することが重要である.
膜モジュールシステムは, その透過する分子の大
きさ(以下分画分子量)で規格されている. 現在の
ところ, 150,000分画と30,000分画のカートリッジ
式ろ過膜モジュールシステムを適用し, 浄化試験を
実施している.
分析に必要なサンプルを約100L準備し, 膜モジュ
ールが装着できる, トランク型テスト装置(図-5
参照)を用いて, ろ過を実施する. 本装置は, 膜モ
ジュールとそれを固定する治具, 膜モジュールに試
料となる原水を圧送するポンプ, 配管とから構成さ
れている. ろ過ポンプ起動には, 電源(100V)が必
要である. この試験結果より, 所要の
浄化効果, 単位時間あたりの浄化量を満たす膜モジ
ュールを選定する. 予備試験の状況を写真-3に示す.
(2)適用事例A
当現場では, ダイオキシン類に汚染された焼却灰
( 地 表 部 : 2,400 ~ 5,800pg-TEQ/g, 地 中 部 :
8,900pg-TEQ/g 以下)が確認された. その掘削・撤
去は, 作業箇所を汚染拡散防止のため防塵建屋で覆
い実施されたが, 建屋内部の粉塵抑制のために噴霧
される水, 掘削機械などの洗浄水, 作業員の洗浄水,
車両の足回りの洗浄水を浄化するために, 凝集沈殿
の後工程に本システムが適用された.
当該地区での浄化効果は, 表-3に示すように, ダ
イ オ キ シ ン 類 毒 性 等 量 は , 水 質 環 境 基 準 ( 1pgTEQ/L)以下を達成する浄化レベルであった. なお,
異性体毎に整理した図-6より, カートリッジ式ろ過
膜による物理的な処理であるため, 他の異性体に変
化するようなことはなく, ダイオキシン類がすべて
の異性体に関して減少している. なお, 当地区にお
ける処理システムは, 写真-2を参照されたい.
表-3
適用事例 A における浄化効果
原 水 濃 度 処理後
pg-TEQ/L
pg-TEQ/L
3,900
0.00015
-18-
2,
1, 2 3 , 7 ,
8
1,2 ,3,7 -T
,3, ,8- eC
1, 2 4, 7 P D D
, ,8 eC
1,2 3,6, -H DD
1,2 ,3,7 7,8- xCD
, 3 , , 8 , Hx D
4,6 9- CD
,7, Hx D
8- CD
Hp D
CD
2, 3
,
1, 2 7 , O D
, 3 8- C
2,3 ,7,8 Te DD
C
1,2 ,4,7 -P DF
, ,8 eC
1,2 3,4, -P DF
,3 7,8 eC
1,2 ,6,7 -H DF
, ,8 x
2 3,7 -H CD
1, 2 , 3 , 4 , 8 , 9 x C F
,3 ,6 -H D
1,2 ,4,6 ,7,8 xC F
,3, ,7, -Hx DF
4, 7 8 , - C
,8, Hp DF
9,- C
3, 4
Hp D F
3, 3 , 4
',5
CD
,
'
3, 3 4, 4 - T
3,3 ,'4 ',5 eC O F
',4 ,4', T B( CD
,4 5 e ♯ F
2', ',5, -Pe CB 81
3, 5'- C (♯ )
2,3 4,4' Hx B(♯ 77
)
' ,5 C
2,3 ,4,4 -Pe B(♯ 126
,3' ',5- CB 1 )
2 , 4 P ( 69
2', ,3,4 ,4'- eCB ♯1 )
3, ,4 Pe ( 23
2, 3 4, 4 ' ' , 5 - C B ♯1 )
', ,5 P ( 18
2,3 4,4' ,5'- eCB ♯1 )
,
2,3 3' ,5,5 HxC (♯ 05)
,3' ,4,4 '-H B( 11
,4, ',5 xC ♯ 4)
4', '- B 16
5 , H x (♯ 7
5' - C
)
Hp B(♯156
CB 1 )
(♯ 57
18 )
9)
毒性等量濃度(pg-TEQ/L)
10000
1000
100
10
1
処理前
処理後
0.1
0.01
0.001
0.0001
図-6 適用事例 A における異性体毎のダイオキシン類毒性等量濃度
(3)適用事例B
当該地区は, ダイオキシン類に汚染された底質
の不溶化処理での汚染排水の浄化に, 本システムが
適用された. 施工区域における底質のダイオキシン
類の濃度は, 1,000~19,000pg-TEQ/gである. 当該
地区は, ダイオキシン類に汚染された河川の底質の
汚染拡散処理として, 不溶化処理を行なうものであ
るが, 水深が浅いため, 矢板で遮水し, 内部をドラ
イアップして施工することとなった.
当該地区の水処理に関しては, このドライアップ
時の排水の浄化を, 主に凝集沈殿で対応し, 原水の
性質が変化して, 凝集沈殿で対応できない場合にカ
ートリッジ式ろ過膜モジュールシステムを用いる二
段構えの水処理方法が採用された. 結果的には, 当
地区は, 凝集沈殿で所要の条件を確保したが, 装置
搬出時の洗浄水浄化等のため, 凝集沈殿の後工程に
本システムが適用された(写真-4 参照).
当該地区での浄化効果を, 表-4 に示す.
表-4 適用事例 B における浄化効果
原 水 濃 度 処理後
pg-TEQ/L
pg-TEQ/L
6,400
0.054
写真-4 適用事例 B で用いたシステム
また, 異性体毎の整理結果を図-7 に示す. 適用
事例 A の場合と同様, 処理後は、他の異性体への変
化等は認められず, ダイオキシン類毒性等量は,水
質環境基準(1pg-TEQ/L)以下を達成する浄化レベ
ルであった.
-19-
10000
毒性等量濃度(pg-TEQ/g)
1000
100
10
処理前
処理後
1
0.1
0.01
0.001
2,
1, 2 3 , 7 ,
1,2 ,3,7 8-T
, , e
1,2 3,4, 8-P CD
, 7, e D
1,2 3,6, 8-H CDD
1,2 ,3, 7,8- xC
,3, 7,8 Hx DD
4,6 ,9- C
,7, Hx DD
8- C
Hp DD
2, 3
C
1,2 ,7, O DD
,3, 8-T C
2, 3 7, e D D
1,2 ,4,7 8-P CD
, , e F
1,2 3,4, 8-P CDF
, 7, e
1,2 3,6, 8-H CDF
, 7, x
2 3,7 8- CD
1, 2 , 3 , 4 , 8 , 9 H x C F
, ,6 - D
1,2 3,4, ,7,8 HxC F
, 3 , 6 , 7 -H D
4, 7 , 8 , x C F
,8, -H DF
9,- pC
3
3, 3 , 4 , 4
Hp D F
'
CD
3,3 ,'4, ,5-T
4
3,3 ,'4 ',5 eC O F
',4 ,4' -T B CD
,4 ,5 e (♯
2', ',5, -Pe CB 8 F
3, 5'- C (♯ 1)
2,3 4,4 H B( 7
' ',5 xC ♯ 7)
2,3 ,4,4 -P B( 12
,3' ',5- eC ♯1 6)
2 ,4 P B 6
2', ,3,4 ,4'- eC (♯ 9)
3, ,4 P B( 12
2, 3 4, 4 ' , 5 - e C ♯1 3)
' ',5 P B 1
2, ,4,4 ,5'- eC (♯ 8)
2,3 3,3' ',5,5 Hx B(♯105
,3' ,4,4 '-H CB 1 )
,4, ',5 x (♯ 14
4', '- CB 1 )
5 , H x (♯ 67
5' - C
)
Hp B(♯156
CB 1 )
(♯ 57
18 )
9)
0.0001
図-7 適用事例 B における異性体毎のダイオキシン類毒性等量濃度
5.まとめ
イオキシン類を含む焼却灰等の無害化処理の実施に
本文では, カートリッジ式ろ過膜モジュールシス
テムについて, 基礎実験, 膜孔径による処理性能確
認実験, 適用事例により, その効果を明らかにした.
すなわち, 基礎実験では,ダイオキシン類濃度:
23 pg-TEQ/L, 3,800 pg-TEQ/L の処理試験の結果,
ダイオキシン類濃度はそれぞれ 0.031 pg-TEQ/L,
3.7 pg-TEQ/L となり, 排水基準の 10pg-TEQ/L 以下
に低減出来た.
また, 現場において適用する際に最適な膜モジュ
ールを選定することにより, その性能を確保しなが
ら経済的にも優れた排水システムを構築することが
可能であることを示した.
実際に, 膜の選定の予備試験を行い現場に適用し
た結果, これまでに実施した2つの適用事例では,
水質環境基準レベルを達成できる浄化効果が得られ
た.
ついて,道路,pp.58-60,2005.11.
3) 桑原正彦,松下正憲,渡辺幸夫: ダイオキシン類によ
る汚染排水の処理法-カートリッジ式ろ過膜モジュー
ルシステムの開発-,土木技術,pp.96-103,2003.11.
4)
Karlheinz Ballschmiter,Reiner Bacher: ダイオキ
シ ン - 化 学 ・ 分 析 ・ 毒 性 -, ㈱ エ ヌ ・ テ ィ ー ・ エ
ス,pp.35-80,1990.10.
5) 森啓年,小橋秀俊,柴田靖:建設現場で遭遇するダイ
オキシン類汚染対策マニュアル(素案)-拡大防止措
置について-,土木技術,2003.10.
6) 改訂二版用水廃水便覧編集委員会編:改訂二版用水
廃水便覧,丸善㈱,p.140,1973.10.
7) 松下正憲,桑原正彦,渡辺幸夫,森川泰,恒岡伸幸,森啓
年:カートリッジ式膜モジュールによるダイオキシ
ン類汚染土壌からの排水処理,地下水・土壌汚染とそ
の防止対策に関する研究集会第9回講演集,pp.132133,2003.6.
参考文献
8) 工藤章光,森啓年,柴田靖,小橋秀俊,桑原正彦,渡辺幸
1) 豊田浩:TRD併用鉛直遮水シート工法による連続地中
夫:膜モジュールを用いたダイオキシン類汚染排水
壁の施工-鶴見川多目的遊水地土壌対策工事-,土木施
処理システムの開発-ダイオキシン類汚染排水のろ過
工,pp.2-8,2002.4.
処理実験-,地下水・土壌汚染とその防止対策に関す
2) 永松義敬: 圏央道(八王子北IC(仮称)におけるダ
-20-
る研究集会第10回,pp.363-366,2004.7.
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