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TMRセンター活用による飼料自給率の向上と飼料費低減

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TMRセンター活用による飼料自給率の向上と飼料費低減
=各地域の優良事例より=
(酪農)
TMRセンター活用による飼料自給率の向上と飼料費低減
市町村
経営形態
飼養頭数
六ヶ所村
酪農
2,077頭(うち搾乳牛1,432頭)
作付面積:サイレージ用トウモロコシ 120ha(将来計画:160ha)
牧草
254ha
<経営の概要>
・酪農専業経営 参加農家15戸
・環境公共事業活用による共同飼料生産・供給システムの構築(バンカーサイロ:20 基、粗飼料生
産に係る高性能機械施設等の整備(平成 20 年度~))
<取組の概要>
・エコフィード(リンゴジュース粕、とうふ粕、ビール粕等)
活用
・農地集積による作業効率の向上
・鶏糞堆肥活用による化学肥料の節減
・収穫調製作業繁忙期の地元建設、運送業者の活用に
よる作業効率向上
<取組の効果>
・一般的な配合飼料価格に比べ、30%飼料費節減
バンカーサイロへの詰め込み作業
<試算値>1頭当たり年間約13万円の経費節減
○生産者のコメント
飼料や肥料が高騰しているほか、乳価がほとんど上がらない状況では、エコフィードと自給粗飼
料を主体としたTMRの生産供給システムを導入するしか乗り越える道はないと感じている。
<達成上のポイント>
大型機械による効率的な作業のため
① 農地の集積を推進 ② 綿密な作業計画の検討
もっと詳しく知りたい方は
問い合わせ先 上北地域県民局地域農林水産部 畜産課 電話0176-22-8111(内225)
-15-
(酪農)
牛群検定データを活用した酪農経営の改善
市町村
十和田市
経営形態
酪農専業
飼養頭数
経産牛:40頭
その他:20頭
自給飼料面積
草 地:38ha
(リード9ha チモシー4ha オーチャード 25ha)
飼料用トウモロコシ:6ha
<経営の概要>
・労働力は本人と両親の3人
・自給粗飼料を十分に食い込ませることに努力と工夫を続けている。
・酪農情勢が変化する中、今まで以上にコスト意識が重要と感じており、牛群検定データは
繁殖管理、淘汰の判断、栄養管理等々、コスト低減に役立っている。
<取組の概要>
・牛群検定データは、先ず繁殖管理の改善から活用を始めた。
・その後、十和田家保等が中心に成績集計・分析をサポート
・繁殖、栄養状態等の改善に取組む中で、自給飼料生産の重要性を
再認識した。牛の生理や作業性等を考慮し「牛舎改善」を実施した。
<取組の効果>
・牛を見る意識が高まり繁殖成績が向上
・栄養状態に合わせた給与方法が実現
・牛に本当に良い自給飼料生産を目指すことで結果的に粗飼料のムダを低減
<試算値>分娩間隔約30日短縮
40頭で年間170万円の増収
○生産者のコメント
・牛群検定を始めて4年経過するが、最初から現在の状況だった訳ではない。県機関等に
説明を受けながら少しずつ理解し利用できるようになって今が
ある。
・ひとつひとつの仕事を考えながら行う事が経営の効率にもつなが
っていると考えている。
<達成上のポイント>
・毎月のデータは貴重であり少しずつでも自分なりに利用
・支援機関をうまく利用する事がポイント
もっと詳しく知りたい方は
問い合わせ先 上北県民局 地域農林水産部 普及指導室 電話:0176-22-8111(内273)
-16-
(酪農)
サイレージ用トウモロコシの不耕起栽培による、は種作業の省力化
市町村
経営形態
むつ市
農協営作業受託組織
飼養頭数
-
<経営の概要>
・斗南丘酪農農業協同組合利用部が実施主体
・専任オペレーター3名、牧草地200ha、飼料畑100ha の全面作業受託を行っている。
<取組の概要>
収穫作業は、自走式ハーベスタにより実施していたが、作業工程が多く手間がかかっていた。
また、は種の適期は5月中旬までであるが、春作業が集中するため、オペレーターの人員不足、
作業機の老朽化も相まって、は種が遅れがちであった。
このため、平成18年度から試験的に不耕
起栽培を開始し、実証展示ほの設置、コーン
専用不耕起は種機の実演などに取り組んだ。
<は種作業 H.20.5.16>
<刈取時の生育状況
<取組の効果>
H.20.9.29>
・作業時間は慣行栽培に比べ10%以下
・は種速度が早くは種精度が高い。
・トウモロコシの発芽、生育は良好で乾物収量、TDN収量は慣行栽培と同等以上
・台風による倒伏被害が減少
・雑草対策として、は種前の非選択性除草剤処理が必要だが、は種後の管理は慣行と同様
・10a当たり2,260円の経費節減効果
(平成20年度の不耕起栽培面積は9ha を実施)
○生産者(事例紹介者)のコメント
斗南丘酪農協の利用事業で、耕起・砕土・整地にかかる作業料金は10a当たり3,885円、不耕
起栽培では、除草剤と散布料金が1,625円かかるので差引き10a当たり2,260円の経費が少な
くなる。飼料高でサイレージ用トウモロコシの栽培面積増加が見込まれるが、面積の 1/3~1/2 を不
耕起にすることによって適期は種、省力化が可能となる。
<達成上のポイント>
コーン専用の「不耕起は種機」の整備
もっと詳しく知りたい方は
問い合わせ先 下北地域県民局地域農林水産部普及指導室 電話0175-22-8581内285
-17-
(肉用牛)
「裏山林間放牧」と「トウモロコシサイレージ」の利用による
低コスト肉用牛繁殖経営を実現
市町村
三戸町
経営形態
飼養頭数
肉用牛繁殖と水稲・畑作の複合経営
繁殖雌牛40頭
<経営の概要>
肉用牛繁殖雌牛 40 頭+水稲 4ha+にんにく 40a の複合経営
飼料生産 :採草地 3ha、サイレージ用トウモロコシ 3ha、放牧地 13ha(うち野草地 10ha)
家族労働力:約2名
施設:木造牛舎1棟、パイプハウス牛舎2棟、堆肥舎1棟、倉庫1棟、敷料庫 1 棟
<取組の概要>
・ 「牛は外で飼う」ことを基本に、畜舎に隣接する林地 13ha に 3ha の草地を造成。5~10 月の間毎
日放牧することとし、脱柵防止のため林間放牧地に全て電気牧柵を導入。
・ 冬期は電気牧柵を配置したパドックを利用し日中の運動を実施。
・ 肉用牛経営として地域でいち早くサイレージ用とうもろこしを作付けし、飼料費の低減を図る。
・ 牛舎間の空き地などを利用したトレンチサイロ、自力施工によるパイプハウス牛舎など、徹底した
コストの低減に努めている。
・ 林間放牧により、作業時間を軽減し、家族労働による無理のない複合経営を実現。
<取組の効果>
(H18 年実績)
・平均分娩間隔
12.3 か月以下
・受胎に要した種付回数
1.3 回以下
・成雌牛1頭当り年間所得
22 万 8 千円以上を達成
林間放牧地
トウモロコシサイレージ
○生産者のコメント
・「放牧」と「とうもろこしサイレージ」の利用により、牛の健康状態や繁殖
成績も良好で、「飼料高騰」の影響も比較的少なく済んでいる。
・とうもろこしの栽培面積をもう少し増やしたい。
・繁殖雌牛50頭規模の経営を目指し、親子3代で牛飼いを続けたい。
<達成上のポイント>
① 林間放牧による省力管理と施設費の抑制による低コスト生産
② 粗飼料を主体とした飼料給与と運動により良好な繁殖成績
もっと詳しく知りたい方は
問い合わせ先
三八地域県民局畜産課 電話 0178-27-5111(内)232
-18-
(酪農・肉用牛)
受精卵移植技術を活用した乳肉複合経営
市町村
経営形態
飼養頭数
六ヶ所村
酪農肉用牛複合経営
乳用牛52頭、黒毛和種繁殖牛28頭、
F1 肥育牛20頭、黒毛和種肥育6頭
<経営の概要>
・肉用牛部門は本人夫婦が担当し、酪農部門は息子が担当
・昭和20年代後半に入植して酪農経営を開始し、70頭搾乳とF1肥育100頭規模まで
拡大したが平成11年からETや村事業等を活用し黒毛の繁殖部門に取組み現在に至る。
<取組の概要>
・ETを活用した黒毛和種の生産
・農協資金を活用した妊娠牛の多頭数導入
・地元育成センターへのF1 スモール販売と、
同センターからのF1 肥育素牛の導入
<取組の効果>
・ETで黒毛優良牛の効率生産と保留
・乳牛への移植による黒毛子牛生産の拡大。
・妊娠牛導入による子牛生産までの期間短縮と経営転換期の収入確保
・月齢が揃ったF1 肥育素牛の導入による肥育管理の効率化
<試算値>
ETの活用により、「第1花国」の雌子牛を市場購入した場合に比べ
1頭当たり17万6千円の節減
○生産者のコメント
・将来的に、酪農部門を30頭規模に縮小し、黒毛和種の一貫生産
を行いたい。先ずは、市場から2~3 頭購入し、自家生産と
併せ4頭群飼で試験的に取組みながら肥育技術を高めていき
たい。A3以上であれば十分に経営していける。
<達成上のポイント>
・最初に導入した黒毛雌牛が「安福165の9」であり
高品質な牛から採卵し増殖したことで優良牛が確保
・乳用牛への移植により高品質な黒毛和種を生産
もっと詳しく知りたい方は
問い合わせ先 上北地域県民局地域農林水産部畜産課 電話 0176-22-8111(内 225)
-19-
(肉用牛)
プロジェクトチームの指導による肥育牛の品質向上
市町村
上北地域
経営形態
黒毛和種肥育
飼養頭数
1,508頭(血液検査583頭)
<経営の概要>
・指導機関:肥育技術プロジェクトチーム(肥育技術の伝道師、大学、農協、市町村、
全農、県)
・指導対象農家:25戸(4農協)
・血液検査頭数:583頭
<取組みの概要>
・飼養環境及び給与飼料等
について巡回指導
・血液検査結果に基づき、
ビタミンAコントロール
等について個別指導
(勉強会)
・肥育成績と給与飼料及び
血液検査結果の比較検討
<取組の効果>
・肥育技術の底上げ(上物率の低い農家:上物率⑱38%→⑲51%)
<試算値>出荷1頭当たり2万4千円の収益増加
・十和田湖和牛の上物率の向上(⑰53%→⑱56%→⑲57%)
<試算値>出荷1頭当たり7千円の収益増加
・十和田湖和牛の出荷頭数の拡大 (⑰570頭→⑱638頭→⑲675頭)
<試算値>地域全体で約1億円の収益増加
事例紹介者のコメント
・プロジェクトチームによる指導活動を継続し、十和田
湖和牛の上物率向上と対象地域の拡大を図り、地域一貫
生産体制による産地化を支援していく。
〈達成上のポイント〉
・伝道師の活用(きめ細かい技術指導)
・優良事例の地域内への波及
・教育機関との連携(北里大学)
もっと詳しく知りたい方は
問い合わせ先
上北地域県民局地域農林水産部畜産課
- 20 -
電話0176-22-8111(内225)
(肉用牛)
エコフィード(ながいも残さ)を活用した発酵飼料による飼料費の
低減
市町村
経営形態
飼養頭数
十和田市
肉用牛一貫経営
繁殖牛: 39頭
肥育牛:133頭
<経営の概要>
・和牛一貫経営
・経営面積:水田 1.3ha、牧草地 6ha、果樹 0.3ha
・労働力:3人(本人、妻、長男)
<取組の概要>
・ながいも残さ(規格外品、加工残さ等)をビートパルプ、配合飼料等と
混合して密封し、発酵飼料として利用
・飼料分析と血液プロファイルテストによる飼養管理の徹底
<取組の効果>
約40%の飼料費節減
<試算値>年間1頭当たり5万8千円の経費節減
ながいも発酵飼料
○生産者のコメント
飼料の高騰は肉用牛経営に直接ダメージを与えており、地域の畜産農家は大変苦慮している。
ながいもは質の良い炭水化物が主成分であり、配合飼料のエネルギー代替飼料として十分な効果
があると感じている。今後は混合割合と発酵状態(生菌製剤の活用)を検討していきながらさらに、
飼料費の低減を目指したい。
<達成上のポイント>
ながいも残さの安定供給が不可欠
もっと詳しく知りたい方は
問い合わせ先 上北地域県民局地域農林水産部 畜産課 電話0176-22-8111(内225)
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(肉用牛)
未利用地の活用による飼料自給率の向上
市町村
東通村
経営形態
第二種兼業農家(肉用牛繁殖経営)
飼養頭数
黒毛和種繁殖雌牛5頭
<経営の概要>
・ サラリーマンとして28年間、地元企業に勤務するかたわら、同時進行で黒毛和種繁殖
経営に取り組む。
・ 朝、夕の給餌等、飼養管理全般にわたり、すべて本人一人の労働力でこなしている。
・ 粗飼料生産は行っておらず、社団法人東通村産業振興公社や耕畜連携水田活用対策事業
を実施する営農集団からの牧草購入で賄っている。
<取組の概要>
・今年度、「草が育む豊かな畜産推進事業(県単)」に参加し、未利用地を放牧地に変えた。
(全体面積:1.02ha 【草地 0.55ha 山林 0.47ha】)
・周囲は電気牧柵と有刺鉄線で覆い、捕獲施設(パドック)・給水施設等を設置。来年度か
らの本格利用に向けて、現在は試験放牧を実施している。
<取組の効果>
1 か月で5,310円/頭の購入飼料費の節減
公共牧場→(自家放牧地)→牛舎による利用で舎飼期間を短縮し、購入粗飼料の節減に成功
【繁殖雌牛1頭/30 日に係る粗飼料購入費について】
牧草
1日当たり
単価(kg) 乾草摂取量
16.7円
※1
10.6kg
1日当たり
放牧期間中
粗飼料購入費
粗飼料購入費
177円
5,310円
※2
※1:東通村産業振興公社から購入。(1ロール 5,000 円・
重量は 300kg。)※2:酪肉計画(東通村)より
○生産者(事例紹介者)のコメント
・初めて電気牧柵を使ってみましたが、脱柵することもなく、とても
便利なものだと実感した。牛もすぐ環境に慣れた。
・定年後には増頭していく予定なので、公共牧場と牛舎をうまくロー
テーションして積極的に活用していきたい。
<達成上のポイント>
電気牧柵の利用で牛舎から 1 キロ以内で放牧可能
近距離に放牧できたことで管理作業が軽減 今後も利用を続けたい。
もっと詳しく知りたい方は
問い合わせ先 下北地域県民局地域農林水産部畜産課
-22-
電話 0175-22-8581(内 242)
(肉用牛)
稲WCSの利用 による飼料費の低コスト化
市町村
経営形態
中泊町
繁殖経営
飼
養
頭
数
繁殖用雌牛25頭(育成含む)
<経営の概要>
・水田25ha(うち借地20ha)+肉牛繁殖の複合経営
・転作で数年前から稲WCSに取り組んできたが、20年度にはこれまでの1.5倍
の1.3haに作付け
・受精卵移植師でもあり、ET技術による自家生産で高品質な繁殖雌牛を整備
繁殖部門でも低コスト化を目指す。
<取組の概要>
・ 飼料価格高騰により飼料自給率向上による低コスト化を考えていたところ、栽培
技術や労力的に問題なく、稲ワラ収集機械がそのまま利用でき、新たな収穫調製
機械導入の必要がないことから、稲WCSの作付面積を拡大することとした。
・ 稲WCSは冬期間、成雌牛に対して蛋白源をフスマなどで補いながら配合飼料の
代替として給与しているが、嗜好性が高く、繁殖性にも問題ない。
<取組の効果>
37,800円/頭の飼料費の節減 ※
※
冬期間180日×配合飼料給与量3kg/日×単価70円=37,800円
○生産者(事例紹介者)のコメント
飼料費高騰、子牛価格低迷の影響で苦労していましたが、稲WCS
で飼料費が節減できた。2年後には3.5ha程、将来は水稲の情勢を
見ながら10ha位までは稲WCSの作付を拡大し、更なるコスト低
減を図りたい。
<達成上のポイント> WCSの栽培方法の適切な選択
稲WCSの栽培では、移植方式、乾田直播方式の両方試みたが、当地域では春先の
風が強く、種子の発芽率が低いほか、稲の密度も低いため、直播方式では収量が低い
結果になった。このため移植方式で栽培している。移植方式は手間はそれなりにかか
り、若干コストは高くなるが当地域には適している。各地域にあった方法を探すこと
が大切だ。
もっと詳しく知りたい方は
問い合わせ先 西北地域県民局
地域農林水産部
-23-
畜産課
0173-72-6612
(養
豚)
微生物資材を活用した養豚経営の生産性向上
市町村
経営形態
飼養頭数
六戸町
養豚一貫経営
繁殖豚 810
肥育豚 3,490
<経営の概要>
・本人、息子2人のほか常時雇用27人が従事。臨時雇用6人。
・昭和47年から法人化による一貫経営をスタート。順調に飼養頭数を増加させ、事業の多
角化を図るため平成20年5月には現行の組織に変更。
<取組の概要>
・飲料水への微生物製剤の施用と発酵飼料
の給与
・発酵堆肥をリサイクル敷料として活用
・一部試験的にエコフィードを給与
飼養状況
発酵飼料
<取組の効果>
・臭気の大幅な軽減
<試算値>
・経営全体で775万円のコスト低減
・平成19年度(社)青森県畜産協会主催の堆肥コンクールに入賞
○生産者のコメント
・豚肉の輸入自由化がスタートして以来、常に省力化を試みてきた。
・あらゆる菌を使ってきたが現在はEM菌を使用している。
<達成上のポイント>
・正常発育を常に意識した飼養管理を励行
・豚舎など施設整備は極力低コストで
・リサイクル敷料の発酵熱で冬期の発育を確保
もっと詳しく知りたい方は
問い合わせ先 上北地域県民局地域農林水産部畜産課
(内225)
-24-
電話0176-22-8111
(養
鶏)
飼料用米を活用した飼料自給率の高い高付加価値鶏卵の生産
市町村
経営形態
飼養頭数
藤崎町
採卵鶏
37 千羽(藤崎町における飼養羽数のみ)
<経営の概要>
・経営主体:常盤村養鶏農業協同組合、鶏卵生産量:年間約 700 トン
・消費者が求める安全・安心な鶏卵生産のため、飼料原料のトウモロコシをポストハーベス
トフリー、NON-GMOのものを使用。昨今の配合飼料価格の高騰や輸入飼料に頼らな
い新たな鶏卵の生産を目指し、飼料用米の生産と利用の取組を開始。
<取組の概要>
地域の稲作農家及び同組合が転作田等を活用
して生産した飼料用米(玄米)と他の国産原料
を混合した飼料自給率75%の配合飼料を採卵
鶏に給与し、高付加価値鶏卵(玄米玉子)を生
産。黄身がレモンイエローで脂肪酸組成もバラ
ンスがよくなるなど一般鶏卵との差別化が図ら
飼料用米を食べる
左 通常卵 ○
右 玄米玉子
○
れている。また、堆肥化した鶏糞を水田に還元
後藤もみじ
する循環型農業の取組も進めている。
今後は、給与する飼料用米を玄米から籾に、飼育方法を平飼いからケージ飼いに変更し、
生産コストの低減と製品化率の向上に努めることとしている。
(高付加価値鶏卵は100円/個で販売 月48万円の売り上げを確保)
<取組の効果>
飼料自給率の向上(17%→75%) 耕作放棄地の解消
<収益性>
飼料用米の生産コストは約8万円/tで飼料用トウモロコシ価格(約4万円)の2倍とな
るが、玄米卵の販売価格は通常の5倍(通常卵20円/個 高付加価値卵100円/個)
○生産者のコメント
作付面積の拡大により、飼料用米の調整・保管が課題であったが、
農協の全面協力により、ライスセンターを有効活用することができ、
利用者の負担軽減が図られる見込み。
また、今後は、飼料自給率の向上や耕作放棄地の解消による農家所
得の向上のため、私たちの取組をモデルとして、津軽地域はもちろん
県内一円にも普及拡大していきたい。
<達成上のポイント>
差別化商品の売り方に工夫(こだわりの商品を価格に反映させ販売)
稲作農家との連携
もっと詳しく知りたい方は
問い合わせ先 中南地域県民局農業振興課
電話 0172-32-1131(内線 250)
-25-
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