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HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャ:
サーバ ブレード エンクロージャ用ホットプラグ対応、
リダンダント電源
技術概要
目次
概要 ...................................................................................................................................................3
はじめに ..............................................................................................................................................3
HP BladeSystem 1U パワー エンクロージャのコンポーネント........................................................................3
ホットプラグ対応リダンダント パワー サプライ ........................................................................................3
リダンダント AC 電源 .........................................................................................................................4
ホットプラグ電源管理モジュール ..........................................................................................................5
エンクロージャの機能 ............................................................................................................................5
双方向の電子 e-fuse..........................................................................................................................5
電源 ゾーン ......................................................................................................................................5
混合環境下のファームウェア ...........................................................................................................6
ダイナミック パワー セーバ .................................................................................................................6
ダイナミック パワー セーバによる冗長性 ...........................................................................................6
ダイナミック パワー セーバの有効化.................................................................................................7
シリアル ポート .................................................................................................................................7
シリアル ポートへのリモート アクセス ................................................................................................9
効率的なケーブル配線.......................................................................................................................9
マネジメント リンク ケーブル ............................................................................................................9
PDU電源コード ............................................................................................................................10
インフラストラクチャの構成 ...................................................................................................................11
1U パワー エンクロージャでの PDU の使用.........................................................................................11
冗長性.......................................................................................................................................11
最大定格 VA 容量.......................................................................................................................11
PDU ソケットの数.........................................................................................................................12
三相電源....................................................................................................................................12
ダイナミック パワー セーバと三相電源用 PDU ..................................................................................12
標準構成 .......................................................................................................................................14
ProLiant BL35p サーバ ブレードの使用 ...........................................................................................14
ProLiant BL30p サーバ ブレードの使用 ...........................................................................................14
ProLiant BL20p サーバ ブレードの使用 ...........................................................................................15
高密度に関連するリスク ...................................................................................................................16
S348 モニタ機能付き PDU 用にサポートされている構成 .......................................................................17
北米/日本..................................................................................................................................17
40A PDU 用にサポートされる構成.....................................................................................................17
47U ラック..................................................................................................................................17
800mm 幅の 42U ラック ..............................................................................................................18
標準の 42U ラック .......................................................................................................................18
1U パワー エンクロージャでの UPS (無停電電源装置) の使用方法.........................................................19
まとめ ...............................................................................................................................................20
参照情報...........................................................................................................................................21
概要
HP BladeSystem p-Class1U パワー エンクロージャは、HP ProLiant BL p-Class サーバ ブレードのエンクロージャ 1 台に標準の単
相 AC 電源からホットプラグ対応のリダンダント電源を提供します。HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャを適切に構
成することにより、スモール オフィスやリモート サイトにブレードを導入するための理想的な電源ソリューションを構築できます。この
テクノロジ ブリーフでは、1U パワー エンクロージャの操作および機能を説明するとともに、インフラストラクチャの構成において考
慮すべき点についても触れます。本書は、読者が HP BladeSystem に精通していることを前提に記述されています。
はじめに
HP BladeSystem では、モジュラ コンポーネント構成により、IT システム管理者は、IT 要件の変化に応じて即座にインフラストラクチ
ャを変更および拡張することができます。HP BladeSystem には、3U 電源サブシステムと 1U 電源サブシステムの、2 つの電源サ
ブシステム オプションがあります。本書では、1U 電源サブシステムだけを取り上げます。3U 電源サブシステムについては、
www.hp.com/go/bladesystem を参照してください。
HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャを利用すると、フル構成の HP BladeSystem p-Class サーバ ブレード エンクロ
ージャであっても、通電時にパワー サプライと AC 電源コードの冗長化が確保されます。IT システム管理者は、電源管理モジュー
ルを使用して、エンクロージャ全体の電力消費を効率的に監視して管理することができます。
最適なパワー ソリューションを選択するためには、必要なサーバ エンクロージャ数、搭載するサーバ ブレードの種類、使用可能な
電源の種類など、多くの要因を考慮する必要があります。HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャは、特に次の IT 環境
に適しています。
•
インフラストラクチャにサーバ ブレードを使用する中小企業
•
分散化されたサーバ ブレードを配備するリモート オフィスや支店
•
単相電源が前提の IT 環境
HP BladeSystem 1U パワー エンクロージャのコンポーネント
HP BladeSystem 1U パワー エンクロージャは、ホットプラグ対応リダンダント パワー サプライとリダンダント AC 入力電源をサポー
トし、さらにサーバ ブレードおよびインターコネクトとは独立して機能するホットプラグ電源管理モジュールを提供することにより、高
可用性をサポートします。
ホットプラグ対応リダンダント パワー サプライ
1U パワー エンクロージャには、各 2,000W の DC 定格出力電力を持つホットプラグ対応パワー サプライを、最大 6 個格納でき
ます。内蔵されている 6 つのパワー サプライ ベイは、バス A とバス B の 2 つのサイドに、それぞれ 3 つずつ分配されています
(図 1 と表 1)。
図 1: HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャ ベイ
表 1: HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャ ベイの説明
番号
説明
構成
1
パワー サプライ ベイ 1
バス A
2
パワー サプライ ベイ 2
バス A
3
パワー サプライ ベイ 3
バス A
4
パワー サプライ ベイ 4
バス B
5
パワー サプライ ベイ 5
バス B
6
パワー サプライ ベイ 6
バス B
パワー サプライを使用して 1U パワー エンクロージャでリダンダント構成にするには、ベイ 1 ∼ 3 に装着するパワー サプライと、
ベイ 4 ∼ 6 に装着するパワー サプライを同数にしておく必要があります。
リダンダント AC 電源
リダンダント AC 電源では、ベイ 1 ∼ 3 には、ベイ 4 ∼ 6 とは別の分岐回路から AC 電力を供給しなければなりません。各ベイに
は、http://h18004.www1.hp.com/products/quickspecs/12330_div/12330_div.html の QuickSpecs の仕様に従って単相
AC 電力を供給する必要があります。分岐回路には、1U パワー エンクロージャにパワー サプライをフル装着して、サーバ ブレード
エンクロージャに接続したときの最大電力要件に対応できる容量が必要です。
パワー エンクロージャの 1 サイドだけにパワー サプライを装着した場合には、電源サブシステムに冗長性は確保されません。AC
の冗長性が不要の場合には、任意の 3 つのベイに 3 台のパワー サプライを装着することで、フル装備のサーバ ブレード エンクロ
ージャに十分な電力を供給できます。
4
ホットプラグ電源管理モジュール
ホットプラグ電源管理モジュールは、電源サブシステム コンポーネントを監視し、新たに装着されたサーバ ブレードとインターコネク
ト スイッチの電源投入シーケンスを制御します。電源管理モジュールは、サーバ ブレード エンクロージャ管理モジュールにケーブ
ルで接続されており、サーバ ブレードやインターコネクトの配置、パワー サプライの状態、およびヘルス ステータスなどの管理情報
を通信します。
エンクロージャの機能
HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャは、次の電源サブシステム管理機能を備えています。
•
双方向の電子 e-fuse による速やかな電源投入。
•
電源ゾーンを構成することにより、パワー エンクロージャとサポート対象のサーバ ブレード エンクロージャの間に通信機能お
よび管理機能を提供。
•
ダイナミック パワー セーバによる効率的な電力消費。
•
シリアル ポートで、1U パワー エンクロージャのステータスを直接監視。
•
効率的なケーブル配線により、1U パワー エンクロージャの背面の乱雑さを軽減。
双方向の電子 e-fuse
1U パワー エンクロージャには、バス(系統) A の -48V DC 出力とバス(系統) B の -48V DC 出力とを繋ぐ、双方向の電子 e-fuse ス
イッチがあります。1U パワー エンクロージャのどちらかのサイドのベイにパワー サプライを 1 個装着すると、そのサイドのパワー
エンクロージャに即座に電源が投入されます。約 3 秒後に、内部の電子 e-fuse スイッチが自動的に繋がり、結果として、他サイドの
1U パワー エンクロージャにも電源が投入されます。端的に言えば、パワー サプライを 1 個装着するだけで両サイドの 1U パワー
エンクロージャに電源が供給でき、この方法でサイドに関係なく 1U パワー エンクロージャを運用できます。装着したパワー サプラ
イが 1 個だけの場合、内蔵の電源管理ソフトウェアは、電源を投入するブレード サーバの数を制限しようとします。しかし、システム
管理者は、警告を無視して、手動でサーバに電源を投入できます。
HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャの電子スイッチが繋がらないのは、パワー エンクロージャ内のバスがショートし
ている場合だけです。パワー エンクロージャ内のバスがショートすると、電子 e-fuse スイッチが、バス A とバス B を直ちに分離しま
す。1U パワー エンクロージャ内の回路基盤は、障害の発生したサイドを自動的かつ継続的に監視します。障害が解決すると、電
子 e-fuse スイッチが自動的にリセットされて繋がり、両サイドのサーバ ブレード エンクロージャに完全な電力を供給します。これは、
稀な状態です。
電源 ゾーン
サーバ ブレード エンクロージャと、それをサポートするパワー エンクロージャの関連付けを電源ゾーンの構成と呼びます。これによ
って、電源状態が変化したときに、電源情報とアラートを適切な電源管理モジュールまたはサーバ ブレード管理モジュールに送信で
きます。たとえば、システム管理者が HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャからパワー サプライを取り外すと、その
電源ゾーン内で影響を受けるサーバ ブレード エンクロージャに通知が送られます。
また、電源ゾーンを構成すると、完全に停電した後、ラック全体を再起動する際のサーバ ブレードの起動シーケンスが定義されます。
サーバ ブレード エンクロージャは、ラック内のパワー エンクロージャと通信して、サーバ ブレードとエンクロージャに一度にではなく
順に電力を供給して、AC インフラストラクチャの過負荷を防ぎます。このシーケンスは、常にラックの最上部 (電源ゾーン 6) から始
まります。まず、エンクロージャ内左側の最上段のブレードから最下段のブレードに向かって処理されます (ProLiant BL30p または
BL35p サーバ ブレードが搭載されている場合)。この処理は、引き続き下の次のエンクロージャに進み、最上段のブレードから最下
段のブレードに電源が投入されるまで、この処理が続けられます。
多数のサーバ ブレード エンクロージャが存在するラックでは、この手順で最後のサーバ ブレードに電源が投入されるまで、ある程
度時間が掛かります。しかし、すべてのサーバ ブレード エンクロージャに同時に電源を投入すると、AC インフラストラクチャに過負
荷を掛け、メイン ブレーカが落ちる可能性があるため、HP はこの方法を推奨します。
5
混合環境下のファームウェア
同じラック内で 1U のパワー エンクロージャと 3U のパワー エンクロージャを使用する場合には、電源ゾーンが正しく機能するよう
にファームウェアを最新バージョンにアップグレードする必要があります。ファームウェア リリース 2.20 で、電源ゾーンの管理方法
に大きな変更点が加えられました。2.20 より以前のファームウェア リリースでは、電源ゾーンは 2 つ (ソーン 1 と 2) しか設定でき
ず、ゾーン設定は、3U パワー エンクロージャの背面のスイッチで行っていました。ファームウェア 2.20 では、1 台のラック内に格
納できるハードウェアの絶対最大数に基づいて、6 つの電源ゾーンが設定できます。3U パワー エンクロージャの背面の電源ゾー
ン スイッチでは、ゾーン 1 と 2 の構成だけが行えます。新しい電源ゾーンは 3 から始まるため、既存の電源ゾーンとは重複しませ
ん。新しい電源ゾーン構成の主な違いは、パワー エンクロージャのスイッチで構成しないことです。HP BladeSystem p-Class 3U パ
ワー エンクロージャでは、従来のファームウェア用に引き続きスイッチが存在しますが、ファームウェア バージョン 2.20 以降では、
このスイッチは使用しません。新しい電源ゾーン (3 以上) は、ラック トポロジに基づいてファームウェアが自動的に設定します。3U
パワー エンクロージャとは異なり、1U パワー エンクロージャはファームウェア 2.20 でリリースされたため、電源ゾーン スイッチは
存在しません。
電源ゾーンを構成するには、配電元 (1U パワー エンクロージャまたは 3U パワー エンクロージャ) と、少なくともサーバ ブレード エ
ンクロージャが 1 基必要です。2.20 より以前のファームウェア環境では、サーバ ブレード エンクロージャがゾーン 2 に存在し、そ
れをサポートするパワー エンクロージャがゾーン 1 に存在する場合、そのサーバ ブレード エンクロージャ内のサーバ ブレードとス
イッチが、自動で電源投入されることはありません。これは、サーバ ブレード エンクロージャ内のデバイスは、自身が属するゾーン
内の配電元にしか電力を要求できないためです。配電元がサーバ ブレード エンクロージャと同じゾーンに存在しない場合、そのゾ
ーンには電力が供給されないため、電力を要求しても受け入れられません。
すべてのパワー エンクロージャとサーバ ブレードが確実に適切なゾーンで構成されるようにするには、ラック内のすべてのエンクロ
ージャがファームウェア 2.20 にアップグレードされている必要があります。インフラストラクチャ内の 1 台のエンクロージャがファー
ムウェア 2.20 にアップグレードされており、他のエンクロージャがアップグレードされていない場合、次のようになります。
•
2.20 にアップグレードされたエンクロージャは、電源ゾーン 3 に設定されます。
•
アップグレードされていないエンクロージャは、(物理的なスイッチが設定されたゾーンに依存して) 電源ゾーン 1 または 2 に配
置されます。
ラック内のすべてのエンクロージャをファームウェア 2.20 にアップグレードすると、エンクロージャ背面のスイッチ設定には機能上の
目的がなくなります。ファームウェア 2.20 にアップグレードした後は、電源ゾーンは、スイッチ設定によってではなく、ラック トポロジ
に基づいてファームウェアが自動的に設定するため、電源ゾーンの 1 と 2 は使用されません。HP は、同じインフラストラクチャ内で
のファームウェア バージョンの混合をサポートしていません。すべてのエンクロージャで、同じファームウェア バージョンを使用する
必要があります。
注:ファームウェアのアップグレードについては、下記の『HP ProLiant BL System Best
Practices Guide』の第 5 章を参照してください。
http://h20000.www2.hp.com/bc/docs/support/UCR/SupportManual/TPM_351359001_rev1_us/TPM_351359-001_rev1_us.pdf
ダイナミック パワー セーバ
HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャのダイナミック パワー セーバは、サーバ ブレード エンクロージャ内の電力の
使用を効率化する機能です。この機能が有効な場合、総合的な電力消費をリアルタイムで監視できます。サーバ ブレード エンクロ
ージャからの電力要求が小さい場合、パワー サプライはスタンバイ状態になります。電力要求が増大すると、スタンバイのパワー
サプライが必要に応じて稼働し、必要な電力を供給します。これによって、パワー エンクロージャが最適な効率で稼働します。
パワー サプライの効率曲線がすべてのパワー サプライに関連付けられているため、最適な効率化を可能にします。パワー サプラ
イの効率曲線は、単に入力電力と出力電力の割合を示したもので、したがって、入力電力 2,000W の 50% 効率は、1,000W の
出力を意味します。この差が浪費されているエネルギーであり、これによって費用がかさみます。
ダイナミック パワー セーバは、原則的に、パワー サプライの負荷が軽いと低効率で稼働しており、負荷が重いと高効率で稼働して
いると認識します。1U パワー エンクロージャに装着されているパワー サプライが、10% の負荷で稼働している場合、その効率は
50% 程度までしか見込めない可能性がありますが、50% の負荷では、効率が 90% を超えるまで上昇するため、電力消費を大きく
節約できます。ダイナミック パワー セーバは、少数のパワー サプライに重い負荷をかけ、装着されているパワー サプライ全体の負
荷を軽くするように負荷を移動することにより、パワー サプライを効率的に運用します。
ダイナミック パワー セーバによる冗長性
リダンダント電源は、ダイナミック パワー セーバ モードによって維持されます。1U パワー エンクロージャでは、1 つはバス A、もう
1 つはバス B の、少なくとも 2 つのパワー サプライがアクティブであることしか保証しません。6 台のパワー サプライが装着された
1U のパワー エンクロージャでダイナミック パワー セーバが有効な場合、次の手順に従って低負荷が実現されます。
1.
2.
最初に、すべてのパワー サプライに通常通り電源が投入されます。
ベイ 3 とベイ 6 に装着されたパワー サプライがスタンバイになります。
6
3.
4.
ベイ 2 とベイ 5 に装着されたパワー サプライがスタンバイになります。
ベイ 1 とベイ 4 に装着されたパワー サプライは、冗長性を確保するため、常に 50% 以下の負荷で稼働します。
負荷が増大すると、逆の手順が実行されます。スタンバイのパワー サプライがペアでアクティブになり、各通電ラインの最大負荷が
50% になるように負荷が分配されます。負荷を均等に分散することで、常に冗長性が確保されます。
ダイナミック パワー セーバの有効化
ダイナミック パワー セーバを設定するには、1U パワー エンクロージャから電源管理モジュールを取り外し、ダイナミック パワー セ
ーバ機能を有効にする必要があります。このモジュールはホットプラグ対応であり、通常のサーバ運用中に安全に取り外すことがで
きます (図 2)。ダイナミック パワー セーバを有効にした後、電源管理モジュールを再装着します。
図 2: 1U パワー エンクロージャ電源管理モジュールと、ダイナミック パワー セーバ スイッチの位置
表 2: ダイナミック パワー セーバ スイッチの位置と機能
位置
機能
1
ダイナミック パワー セーバが無効 (デフォルト)
2
ダイナミック パワー セーバが有効
3
予備 (デフォルトはオフ)
シリアル ポート
IT システム管理者は、HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャの背面のシリアル ポートから、1U パワー エンクロージ
ャのステータスを直接監視できます。図 3 に示し、表 3 で説明したように、シリアル ポートから詳細情報を入手できます。
7
表 3: シリアル ポートを通して表示されるステータス情報
ステータス情報
説明
連続稼働時間 (アップタイム)
システムに電源が投入されている時間を表示。
パワー サプライの位置 (スロット番号)、ステ
ータス、電力使用状況、入力/出力温度
パワー サプライの物理的な位置、その障害状態、電力使用状況、および
稼働時の温度を提供。
エンクロージャ バックプレーンの温度
エンクロージャ バックプレーンの温度を表示。
障害状態の数
システム内の未解決の障害の数を表示。
ユニット識別 (UID) LED のステータス
UID LED がアクティブか否かを示す。
エンクロージャ リンクのステータス
リンクが接続されているか否かに関する情報を提供 (エンクロージャ リン
クがブレード エンクロージャに接続されているか)。
管理モジュールのファームウェア バージョン
管理ファームウェアのバージョンを表示。
全体の電力使用状況
エンクロージャ内のすべてのパワー サプライの総電力使用状況を表で示
す。
パワー サプライの冗長性 (エンクロージャ
N+1 の冗長性)
1 台のパワー サプライに障害が発生した場合、エンクロージャに電力障
害を発生させることなく、負荷を引き継ぐのに十分なパワー サプライが存
在するかを示す。
AC 通電ラインの冗長性
AC 通電ラインが 1 本失われた場合、エンクロージャの電力を保つのに
十分なパワー サプライが装着されているかを示す。
バスの負荷分散
負荷が、バス A とバス B の通電ラインの間で分散されているかを示す。
オリジナルの p-Class エンクロージャにのみ適用。
図 3: シリアル ポートの表示
ヌル モデム ケーブルを使用して、シリアル ポートにターミナルを接続できます。Microsoft® Windows® ハイパーターミナルや
Linux 用 Minicom などのターミナル ソフトウェアを使用して、1U パワー エンクロージャのステータス ディスプレイにアクセスできま
す。ターミナルで以下の設定を行うと、シリアル ポートを通して通信できます。
8
•
9,600 bps
•
パリティなし
•
データ ビット 8
•
ストップ ビット 1
•
ソフトウェアによるフロー制御、XON/XOFF とも呼ばれる
•
VT100 ターミナル エミュレーション
HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャのシリアル ポートは、ハードウェアによるフロー制御設定をサポートしていませ
ん。
シリアル ポートへのリモート アクセス
IT 管理者は、2 つの方法でシリアル ポートへのリモート アクセスを有効にできます。
1.
2.
HP シリアル コンソール サーバ ソフトウェアにより、IP ネットワークを通してリモートからシリアル デバイスにアクセス。
シリアル インタフェース アダプタを持つ HP IP コンソール スイッチを通してアクセス。
注:HP シリアル コンソール サーバおよびシリアル インタフェース アダプタを備えた HP IP コ
ンソール スイッチも、シリアル ポートを持つ他のデバイスへのリモート アクセスに使用できま
す。HP シリアル コンソール サーバと HP シリアル インタフェース アダプタの詳細については、
www.hp.com/go/kvm を参照してください。
効率的なケーブル配線
HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャでは、十分に整理されたケーブル配線システムを使用して、サーバ ブレード エ
ンクロージャと装着した PDU (パワー ディストリビューション ユニット) を接続できます。1U パワー エンクロージャは、2 本の専用
DC 電源ケーブルを通してサーバ ブレード エンクロージャに直接電力を供給します (図 4)。
図 4: サーバ ブレード エンクロージャに接続された 1U パワー エンクロージャの電源ケーブル
各サーバ ブレード エンクロージャは、最大 6,000W (各サイドで 3,000 W、したがってケーブルごとに 3,000W) の定格電力をサ
ポートします。各 DC 電源ケーブルは、最悪を想定した電力要件に耐えられる規格です。パワー サプライの最低電圧は -48.8V で
あり、各サイドおよび各ケーブルの最大実効定格出力電流は 61.5 A となります。
マネジメント リンク ケーブル
マネジメント リンク ケーブルを使用して、1U パワー エンクロージャの電源管理モジュールとサーバ ブレード エンクロージャを接続
し、双方向通信を可能にします (図 5)。
9
図 5: 1U パワー エンクロージャの電源管理モジュールとサーバ ブレード エンクロージャを接続するマネジメント リンク ケーブル
PDU 電源コード
PDU を使用する場合には、3 ステップの手順で 1U パワー エンクロージャに接続する必要があります。まず PDU 電源ケーブルを
接続する前に、ファシリティ AC 電源をオフにするか、PDU から切り離します。次に、PDU 電源ケーブルを、1U パワー エンクロージ
ャの AC 電源入力コネクタに接続します (図 6 参照)。最後に、PDU 電源ケーブルを PDU に接続した後、PDU に通電します。
図 6: 1U パワー エンクロージャに接続した PDU 電源ケーブル
10
インフラストラクチャの構成
HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャを使用する場合には、表 4 の一般的なガイドラインに従って適切な数のパワー
サプライを装着します。
表 4: 1U パワー エンクロージャにパワー サプライを装着する際の一般的なガイドライン
インフラストラクチャ
ProLiant BL20p、BL25p、または BL35p サーバ ブレードを格納したサーバ ブレード エン
クロージャ
ProLiant BL35p デュアル コア サーバ ブレードを格納したサーバ ブレード エンクロージャ
ProLiant BL30p サーバ ブレードを格納したサーバ ブレード エンクロージャ
エンクロージャごとに 3,000W 以上が必要な場合
エンクロージャごとに 4,000W 以上が必要な場合
1U パワー エンクロージャに
装着するパワー サプライ数
4
6
6
4
6
エンクロージャの電源要件を判断するには、www.hp.com/go/bladesystem/powercalculator でHP Power Calculator を使用して
ください。HP BladeSystem p-Class Sizing ユーティリティは、電力に関する計算機能を持つ Microsoft® Excel ワークブックで、特定
の IT 環境に対する適切なモジュラ コンポーネントの判断に使用できます。
図 7: HP BladeSystem p-Class Sizing ユーティリティ
1U パワー エンクロージャでの PDU の使用
HP BladeSystem 環境で PDU を使用する際の主な検討項目として、冗長性、PDU の電源 (VA) 容量、PDU ソケットの数、単相電源
または三相電源での PDU の使用が挙げられます。
冗長性
PDU を使用した配電方法を決定する際に、冗長性を検討する必要があります。AC の冗長性を実現する一般的な方法として、1U
パワー エンクロージャの各サイドに、通電ライン A および通電ライン B と呼ばれる独立した 2 つの通電ラインを使用する方法があ
ります。AC ラインの通電に障害が発生した場合にも、電源サブシステムを冗長に保つためには、接続された 1U パワー エンクロー
ジャ群全体の負荷を引き受けることができるように、両方の通電ラインおよび接続された PDU の容量を設定しなければなりません。
最大定格 VA 容量
1U パワー エンクロージャで PDU を使用する際に検討すべき主な変動要因に、PDU の最大定格 VA 負荷容量があります。HP
Power Calculator では、指定された任意のサーバ ブレード構成をサポートする 1U パワー エンクロージャの VA 要件を計算できま
す。1U パワー エンクロージャの 総入力 VA 定格要件が分かったら、使用可能な PDU の定格負荷容量と比較して、何台の 1U パ
ワー エンクロージャをサポートできるか判断します。
11
PDU ソケットの数
また、PDU で使用できるソケットの数も考慮する必要があります。たとえば、HP 40A モジュラ PDU (252663-B75) は 9,200VA の
最大容量を持っています。リダンダント構成では、理論的には、定格電力 5,300VA の ProLiant BL30p サーバ ブレード (3.06
GHz プロセッサ) がフル搭載された 3 台のサーバ ブレード エンクロージャであれば、これらの PDU のうち 4 個まで接続できます。
しかし、各 PDU にはソケットが 4 つしかなく (各エンクロージャには、5,300VA で 6 本の接続が必要)、結果として、16 個のソケッ
トで 18 本の接続に対応することになり、この構成は不可能です。
三相電源
三相 PDU を使用するのが有効なオプションか、判断する必要があります。三相 PDU は、標準の三相電源を入力して、電力を標準
の単相出力に変換し、業界標準の IT 装置に供給します。三相 PDU を使用する利点の 1 つは、少ない電力損失でラックにより大き
な電力を供給できることにあります。たとえば、208V で 30A の単相回路は 4,992VA を供給しますが、三相回路では 8,640 VA
を供給します。また、同等の電力レベルで比較すると、三相電源では、配線とコネクタのサイズがかなり小さくなります。
三相電源で運用する場合、ソケットの負荷バランスが重要な検討事項となります。最適な効率を実現するためには、三相電源に接
続される負荷は、3 つのソケットでバランスが取れていなければなりません。1U パワー エンクロージャに、6 個のパワー サプライ
を装着するだけでも負荷のバランスを取ることは可能です。しかし、これでは、PDU ソケットや電力を最も効率的に使用していること
にはなりません。三相 PDU の使用時に、各ソケットにわたってパワー サプライをプラグ接続し、手動で負荷のバランスを取ることで、
ソケットと電力をより効率的に使用できます。
ダイナミック パワー セーバと三相電源用 PDU
また、ダイナミック パワー セーバは、三相 PDU のソケットの負荷に影響を与えます。鍵となるのは、3 つのソケットすべてにわたっ
て、可能な限り負荷を分散させることです。パワー サプライがスタンバイになるシーケンスでは、いずれのソケットにも過負荷が掛か
らないように注意する必要があります。ダイナミック パワー セーバが有効な場合、パワー サプライ 1 と 4 には常に配電されており、
次にパワー サプライ 2 と 5 に配電され、最後にパワー サプライ 3 と 6 に配電されます。複数の 1U パワー エンクロージャを持つ
ラックでは、各 1U パワー エンクロージャのベイ 1 に装着されているパワー サプライには、同じソケットをプラグ接続してはなりませ
ん。ベイ 1 に装着されている各パワー サプライは、PDU の別のソケットに接続する必要があります。
各 1U パワー エンクロージャのベイ 2 に装着されているパワー サプライも、PDU の別のソケットに接続する必要があります。図 8
は、各 1U パワー エンクロージャと、装着されている 4 個のパワー サプライとの接続方法を示しています。
注:図 8 の PDU のグレースケールのソケットは、各ソケットがどのソケットに接続されたかを
示しています。配線は色分けされており、バス A とバス B に装着されたパワー サプライへの
接続を区別しています。1U パワー エンクロージャの背面から見た図であり、パワー サプライ
には、番号が逆に振られています。
12
図 8: HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャの接続 (背面)
6 5 4
3 2 1
ソケット1
ソケット2
ソケット3
6 5 4
3 2 1
ソケット1
ソケット2
ソケット3
13
標準構成
下記の構成は、格納されているサーバ ブレードの種類や PDU オプションを含めて、HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロ
ージャの一般的な使用方法をいくつか示しています。
ProLiant BL35p サーバ ブレードの使用
この構成では、ラックに、3 台の新型サーバ ブレード エンクロージャ、3 台の 1U パワー エンクロージャ、および 6 台の PDU が格
納されています (図 9)。各新型サーバ ブレード エンクロージャには ProLiant BL35p サーバ ブレードが格納されており、4 個のパワ
ー サプライが装着された 1U パワー エンクロージャでサポートされています。1U パワー エンクロージャは、2 台の 24A モジュラ
PDU に接続されています。
ProLiant BL35p サーバ ブレードは、シングルコア プロセッサ (2.4GHz 1MB L2 キャッシュ) を 2 個、4 GB RAM、および 60GB の
ハード ドライブ 1 台を備え、入力電力は 4,270VA となります。リダンダント電源用には、1U パワー エンクロージャ内にパワー サ
プライが 4 個必要です。この構成で使用されている 24A モジュラ PDU は、4,992VA の負荷容量を持っているため、ProLiant
BL35p サーバ ブレードが格納されているサーバ ブレード エンクロージャ 1 台をサポートできます。
図 9: ProLiant BL30p サーバ ブレードを格納した新型サーバ ブレード エンクロージャ、3 台の 1U パワー エンクロージャおよび 6
台の 24A モジュラ PDU で構成されているラック
ProLiant BL30p サーバ ブレードの使用
この構成では、ラックに、4 台の新型サーバ ブレード エンクロージャ、4 台の 1U パワー エンクロージャ、および 6 台の PDU が格
納されています (図 10)。各新型サーバ ブレード エンクロージャには ProLiant BL30p サーバ ブレードが格納されており、1U パワ
ー エンクロージャには 6 個のパワー サプライが装着されています。1U パワー エンクロージャは、2 台の 40A モジュラ PDU に接
続されています。
ProLiant BL30p サーバ ブレードは、シングルコア プロセッサ (3.2GHz 2MB L3 キャッシュ) を 2 個、4GB RAM、および 60GB の
ハード ドライブ 1 台を備え、入力電力は 5,768VA となります。リダンダント電源用には、1U パワー エンクロージャにパワー サプ
ライが 6 個必要です。40A モジュラ PDU は負荷容量 8,320VA を持っているため、ProLiant BL30p サーバ ブレードがフル搭載さ
れたサーバ ブレード エンクロージャ 1 台をサポートした上で、2,552VA の剰余容量があります。各パワー サプライは 1,923VA
の負荷を持っています。図 10 に示すように、剰余パワー サプライ ユニットは、各 PDU に接続し、クロス配線することができます。
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図 10: ProLiant BL30p サーバ ブレードを格納した 4 台の新型サーバ ブレード エンクロージャ、4 台の 1U パワー エンクロージャ
および 6 台の 40A モジュラ PDU を使用する際の推奨構成
ProLiant BL20p サーバ ブレードの使用
この構成では、ラックに、6 台の新型サーバ ブレード エンクロージャ、6 台の 1U パワー エンクロージャ、および 6 台の PDU が格
納されています。各新型サーバ ブレード エンクロージャには ProLiant BL20p サーバ ブレードが格納されており、1U パワー エンク
ロージャには 4 個のパワー サプライが装着されています。1U パワー エンクロージャは、2 台の 40A モジュラ PDU に接続されて
います。
ProLiant BL20p サーバ ブレードは、シングルコア プロセッサ (3.6GHz 2MB L2 キャッシュ) を 1 個、4 GB RAM、および 18GB
15,000 RPM の SCSI ハード ドライブ 2 台を備え、入力電力は 3,714VA となります。リダンダント電源用には、1U パワー エンク
ロージャにパワー サプライが 4 個必要です。40A モジュラ PDU は負荷容量 8,320VA を持っているため、ProLiant BL20p サーバ
ブレードがフル搭載されたサーバ ブレード エンクロージャ 2 台をサポートできます。
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図 11: ProLiant BL20p サーバ ブレードを格納した 6 台の新型サーバ ブレード エンクロージャ、6 台の 1U パワー エンクロージャ
および 6 台の 40A モジュラ PDU を使用する際の推奨構成
高密度に関連するリスク
サーバ ブレードがフル搭載されたラックを作成し、HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャを使用してパワー サプライと
ライン コードの冗長性を維持することは可能ですが、実装する前に、いくつかの点を考慮する必要があります。
高密度に関連して、重要になる検討項目には、ラックを構築した後の熱、重量、PDU の配置、PDU ブレーカとラインコードへのアク
セス (作業) があります。また、これらの構成を実施する前に、データセンタの空調システムに対する熱負荷、およびフロアに対する
重量負荷も考慮してください。
1U パワー エンクロージャを 6 台搭載したラックの正しい導入方法は 2 つあります。
1.
ラックに 40A モジュラ PDU を 6 台搭載します。この PDU 構成では、最大 6 台の 1U パワー エンクロージャ (1 パワー
エンクロージャあたり最大 4 個のパワー サプライで) に電力を提供できます。これで、すべての ProLiant BL20/25p 構成、
ProLiant BL40/45p 構成、および主要な ProLiant BL35p 構成に十分な電力を提供できます。ProLiant BL30p 構成では、
各パワー エンクロージャに 6 個のパワー サプライが必要です。いくつかのデュアル コア ProLiant BL35p 構成では、6
個のパワー サプライが必要となる場合があり、PDU に過負荷のリスクが発生することがあります。
2.
HP S348 モニタ機能付き PDU を使用します。
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注:国際的な構成は、32A モジュラ PDU を使用して組み立てることができます。この PDU は、
40A モジュラ PDU と比較して、電力容量が多少小さくなります (7,680VA と 8,320VA)。常
に、Power Calculator を確認してください。
S348 モニタ機能付き PDU 用にサポートされている構成
S348 PDU はラックの背面にマウントされるため、ブレーカやライン コードへのアクセス (作業) に支障はありません。しかし、リア拡
張キットを使用すると、ラックの背面に 155mm (6 インチ) の空間が確保され、作業がより容易になります。また、ラック照明キットを
追加すると、使い勝手と作業性が大幅に向上します。
北米/日本
4 台の HP 17.3 kVA S348 モニタ機能付き PDU を搭載します。これにより、24 組の C19 端子 4 個と 34.6kVA の電力が提供さ
れるとともに、各 5.7kVA の 1U パワー エンクロージャが最大 6 台サポートされます。2.8kVA 以下の 1U パワー エンクロージャ
では、S348 モニタ機能付き PDU が 2 台で十分です。
40A PDU 用にサポートされる構成
40A PDU はアクセス面で優位になるため、HP は 1U 構成へのマウントを推奨しています。またラック側面の "0U" スペースにもマ
ウントできますが、PDU ブレーカへのアクセスが制限される可能性があります。
次の構成は、6 台の 1U パワー エンクロージャおよび 1 台の 40A PDU を使用して、6 台のサーバ ブレード エンクロージャに電
力を供給するためのソリューションです。
47U ラック
1U 構成に PDU をマウントするためには、ラック内で縦方向のスペースがさらに 3U 必要になります。3 台の PDU をラックの前面
に向けてマウントし、さらに 3 台の PDU を背面に向けてマウントする必要があります (図 12)。これにより、サーバとパワー エンク
ロージャ用に 42U の縦方向のスペースが生まれ、PDU のマウント用に 3U の追加スペースが生まれます。この構成は HP ファクト
リ エクスプレスでは提供されないため、オンサイトで組み立てる必要があります。
HP ファクトリーエクスプレス
http://h50146.www5.hp.com/services/fe/
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図 12: 前面と背面にマウントされた PDU の部分図
背面
前面
800mm 幅の 42U ラック
800mm 幅のラックは、ラックの背面から前面への空気の再循環を防止する縦方向のブランク パネルを標準で装備して出荷されま
す。ラックの両横には、ラックのいずれかの側面から 0U スペースへのアクセスを確保するため、100mm (約 4 インチ) のスペース
があります。ラックの前面から PDU にアクセスするには、縦方向のブランク パネルを固定している 3 本のネジを外します。この構
成はファクトリ エクスプレスでは提供されないため、オンサイトで組み立てる必要があります。
標準の 42U ラック
この構成は可能ですが、サーバをすべて搭載した後、0U スペースの PDU へのアクセスが制限されるため、課題が残る可能性が
あります。ブレーカ アクチュエータとレセプタクルに最もアクセスしやすいため、HP は、1U 構成にモジュラ PDU をマウントするよう
推奨しています。それ以外では、障害が発生した場合、PDU ブレーカにアクセスするために、ラックからサーバ ブレードとパワー エ
ンクロージャを取り外す必要があります。
この構成は、次の 3 つの状況でのみ推奨されます。
•
ラックがスタンドアロン ユニットであり、単にサイド パネルを取り外すことで、ラックの両側から容易にアクセスできる。
•
ブレーカやレセプタクルへのアクセスのため、ラックの各サイドに PDU にアクセスできる十分なスペースがある。
•
サイドから PDU にアクセスするため、ラックをその列から前に移動できる。
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注:本節で説明した PDU の詳細については、下記を参照してください。
http://h50146.www5.hp.com/products/servers/proliant/options/pdu.html
1U パワー エンクロージャでの UPS (無停電電源装置) の使用方法
UPS のサイジングを検討する際の主要な要因に、UPS でサポートされている出力電力があります。UPS 出力電力は、サポート対象
の 1U パワー エンクロージャの総入力電力と一致している必要があります。UPS の接続では、VA と W が同一でないことに注意
することが重要です。
HP R5500XR UPS は、1U パワー エンクロージャとともに使用すると、最高レベルの可用性を実現します。単一通電ラインの環境
(図 13、左上) では、R5500XR は、最大で 4 個のパワー サプライを装着した 1 台の 1U パワー エンクロージャをサポートできま
す。この設定では、不安定な電力ラインからシステムを保護し、AC 障害が発生した際に手順に従ってシャットダウンするための一
定のバックアップ時間を確保できます。
二重通電ラインの単一保護設定 (図 13、右上) では、さらに高度な可用性を提供できます。AC 障害が発生し、PDU サイドに電源
が存在しない場合、全負荷が UPS 電源に移行し、制御下でシャットダウンを実行できます。また、UPS ソフトウェアでも制御しながら
シャットダウンを実行できます。
この構成を使用すると、最初に UPS サイドで障害が発生した場合、障害が連鎖することで問題が発生する可能性があります。AC
電源に障害が発生すると、UPS は自分サイドの負荷に対処しますが、これにより UPS の放電が始まります。PDU サイドで障害が発
生すると、UPS の漏電のため、制御下でのシャットダウンを開始することなく、システム全体が障害に陥る危険性があります。
究極的な可用性と保護は、通電ラインと保護構成を二重化することによって達成されます (図 13、下)。この構成では、送電が完全
に停止した場合にも、常に手順に従ったシャットダウンを実行できます。
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図 13: HP R5500XR UPS を使用した場合の AC 通電ラインの冗長性
単一の通電ライン、単一保護
二重化された通電ライン、単一保護
二重化された通電ライン、二重化された保護
まとめ
HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャは HP BladeSystem インフラストラクチャの必須コンポーネントであり、HP のお
客様がアダプティブ エンタープライズを実現する上で重要な役割を果たします。単一サーバ ブレード エンクロージャの導入におい
て、費用対効果と効率性にも優れたホットプラグ対応のリダンダント電源を提供します。IT 環境では、ブレードの評価の目的、遠隔
地への分散サーバ ブレードの導入、および単一ラック内での異機種サーバ ブレードの導入などで、このソリューションを使用できま
す。深く入り組んだ配電環境を持つ IT 環境では、1U パワー エンクロージャを利用して既存の PDU 戦略に対応していくことができ
ます。また、HP BladeSystem p-Class 1U パワー エンクロージャは下位互換性を持っているため、中小企業の IT システム管理者は、
1U パワー エンクロージャを自社インフラストラクチャの既存のラックに格納して、これまでの IT 環境を活かすことができます。
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参照情報
詳細は、下記のリソースを参照してください。
リソースの説明
Web アドレス
HP BladeSystem の Web サイト
http://h50146.www5.hp.com/products/servers/bladesystem/
HP BladeSystem p-Class エンクロージャの
搭載手順
http://h20000.www2.hp.com/bc/docs/support/SupportManual/c00
383406/c00383406.pdf
HP BladeSystem p-Class 1U パワー サプ
ライの装着手順
http://h20000.www2.hp.com/bc/docs/support/SupportManual/c00
383401/c00383401.pdf
HP パワー ディストリビューション ユニット
の Web サイト
http://h50146.www5.hp.com/products/servers/proliant/options/pdu
.html
HP のラックマウント可能な UPS (無停電電
源装置) の Web サイト
http://h50146.www5.hp.com/products/servers/proliant/options/ups
_product.html
お問い合わせはカスタマー インフォメーションセンターへ
03-6416-6660
月∼金9:00∼19:00 土10:00∼18:00 (日、祝祭日、年末年始および5/1を除く)
HP BladeSystem に関する情報は
http://www.hp.com/jp/bladesystem
記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
記載事項は2006年1月現在のものです。
本書に記載された内容は、予告なく変更されることがあります。
本書中の技術的あるいは校正上の誤り、省略に対して、
いかなる責任も負いかねますのでご了承ください。
本書は、『The HP BladeSystem p-Class 1U power enclosure: hot-plug, redundant power for a server blade enclosure
(TC051203TB, 12/2005)』 (英語) をもとに日本語で提供するものです。
© Copyright 2006 Hewlett-Packard Development Company,L.P.
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日本ヒューレット・パッカード株式会社
〒140-8641 東京都品川区東品川2-2-24 天王洲セントラルタワー
TC051203TB-JP
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