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リスクマネジメント
Hitachi Group Sustainability Report 2015 167 イノベーション 2015 06-24 日立グループとサステナビリティ 25-43 44-59 CSR 経営の推進基盤 60-175 176-186 パフォーマンスデータ&第三者保証・検証 環境 継続的な CSR 活動報告 社会 ガバナンス リスクマネジメント 日立のアプロー チ 企業の事業運営を阻害するリスクは大きく分類して、ハザードリスク (自然災害、政治紛争、 犯罪など) 、オペレーショナルリスク (法令違反、品質問題など) 、財務・金融リスク、戦略リス クがあります 。 日立は 、こうしたさまざまなリスクを抽出し脆弱性を評価しつつ 、事業運営を阻害するリ スクの未然防止や顕在化したリスクの影響度最小化・再発防止に努めています 。 日立の事業は世界各地の社会インフラ構築に深くかかわっています 。リスクの発生によっ て事業が中断し、社会に甚大な影響を及ぼすことのないよう、グルー プ全体のリスクマネジ メント体制を強化し、事業継続計画( BCP )の充実に取り組んでいます 。 2014 年度の活動総括・主な成果 あらゆるリスクに対応可能な包括的リスクマネジメント体制の強化に 、グル ー プ全体で取 り組んでいます 。また日本国内だけでなく主要な海外拠点においても BCP 策定を拡大する とともに、紛争やテロなどのリスクが高い地域では現地調査の実施や注意喚起情報の提供に より、従業員の安全確保に努めています 。 社内カンパニー、グループ会社の約 200 拠点がリスク対策担当責任者を配置し、約 300 社が BCP を策定 中東・アフリカの数カ国における現地調査の実施や、昨今のテロ情勢を踏まえた迅速な注意喚起な どによる海外安全対策の強化 方針/体制 リスクマネジメント体制の強化 日立では、昨今の複雑化するグロー バルリスクに対応するため、グルー プ全体でリスクマネジ メント体制の強化に取り組んでいます 。 グルー プ全体のリスクマネジメントを統括する管掌役員(日立グルー プリスクマネジメント責任 者) のもと、各事業体に経営層レベルのリスクマネジメントの責任者を設置し、コンプライアンス、 輸出管理 、危機管理を中心に対応し、相互に連携を図る体制をとっています 。今後は 、事業リス クをはじめ企業を取り巻くあらゆるリスクを評価する基準・システムを導入し、包括的なリスクマ ネジメント体制を構築していきます 。 Hitachi Group Sustainability Report 2015 168 イノベーション 2015 06-24 日立グループとサステナビリティ 25-43 44-59 CSR 経営の推進基盤 60-175 176-186 パフォーマンスデータ&第三者保証・検証 環境 継続的な CSR 活動報告 ガバナンス 社会 リスクマネジメント 主な取り組み 日本国内外主要拠点での BCP 策定 社会インフラに深くかかわる日立では、リスクの発生によって事業が中断し、社会に甚大な影響を 及ぼすことのないよう、BCP の充実に取り組んでいます。2006 年 12 月に 「日立グループ BCP 策 定のためのガイドライン (導入編) 」 を作成。2010 年度にはガイドラインを英語と中国語に翻訳して 日本国内外のグループ各社に提供し、大規模災害などのリスクに備えてきました。 2011 年 3 月に発生した東日本大震災では、BCPに基づいて初期対応や意思決定を迅速に行うこと 日立グルー プ BCP 策定のためのガイド ライン (部門別) ができました。一方で、二次、三次のサプライヤー の把握、生産情報のクラウド化・多重化、代替輸 送手段・燃料の確保などの課題が浮かび上がりました。 大震災から得たこれらの教訓を踏まえ 、2011 年 10 月に 「日立グル ー プ BCP 策定のためのガ イドライン (部門別の BCP 策定編)」 を作成・配布し、BCP のさらなる充実を図りました 。日本国 内では 2011 年度末までにそれぞれの事業に応じて BCP の策定・見直しを完了し、現在、日立製 作所 49 事業所、グルー プ会社 96 社が大規模地震および新型インフルエンザに備えた BCP を策 定しています 。 さらに1998 年度から日本国内の主要拠点で地震対策シミュレーション訓練を毎年実施していま す。2015 年 3 月には日立ハイテクノロジーズ那珂地区において大規模地震を想定し、那珂地区長 の指揮の下、各部署の責任者・担当者が BCP に基づいて緊急時の行動計画を確認しました。 2013 年度には 、主要海外拠点においてもリスク対策担当責任者を配置し、約 300 社が BCP の 地震対策シミュレーション訓練 策定に取り組みました。これにより大規模災害や新型インフルエンザ、政変・騒乱・テロなどの事 業リスクへの対応力は強化されています。今後も、BCP の策定を拡大していきます。 主な取り組み 危険地域へ の従業員派遣時の安全対策強化 2013 年 1 月に発生したアルジェリア人質事件*1 を受けて、2013 年 2 月、紛争やテロなどのリスク が高い地域に従業員を派遣する場合は、事前に社内外の専門家による現地調査を実施して、派遣す る従業員の安全に万全を期すことを社長方針として打ち出しました。また、現地派遣後も半年に一 度、現地調査を実施し、安全対策の有効性を確認しています。2014 年度は、中東・アフリカの数カ国 で現地調査を実施し、また 2015 年 1 月の日本人人質事件などのテロ情勢を踏まえ、迅速に従業員へ 注意喚起情報を提供するなど、グローバルに活動を展開する従業員の安全確保に努めています。 さらに日立製作所は外務省主催の海外安全官民協力会議への参加や、2014 年 6 月にはテロ誘拐 対策官民合同実地訓練に参加するなど、官民の連携を深めつつ 、日本企業の海外安全対策に寄与 する活動を行っています。 *1 アルジェリア人質事件:2013 年 1 月にアルジェリアの天然ガス精製プラントが武装テロ集団に襲撃され、日本人 10 人を含む 30 人以 上が犠牲となった事件